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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20220425BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220425BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220425BHJP
   H05B 33/06 20060101ALI20220425BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20220425BHJP
【FI】
G09F9/00 348Z
G09F9/30 365
H05B33/14 A
H05B33/06
G02F1/1345
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018113522
(22)【出願日】2018-06-14
(65)【公開番号】P2019215477
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】綱島 貴徳
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/016178(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/026679(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/137206(WO,A1)
【文献】特開2010-092959(JP,A)
【文献】特開2016-045371(JP,A)
【文献】特開2004-070308(JP,A)
【文献】特開平11-024094(JP,A)
【文献】特開2016-091001(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
H01L 27/32
51/50
H05B 33/00-33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機膜と、前記無機膜の上に位置する第1パッド及び第2パッドと、を備えるパネルと、
前記第1パッドと電気的に接続された第1接続配線と、前記第2パッドと電気的に接続された第2接続配線と、を備え、前記パネルの上に位置する配線基板と、を備え、
前記無機膜は、前記第1接続配線と重なる第1抜き部と、前記第2接続配線と重なる第2抜き部と、前記第1抜き部と前記第2抜き部との間に第1延出部と、を有し、
前記第1抜き部、前記第2抜き部、及び、前記第1延出部は、前記パネルの第1辺まで延出する、半導体装置。
【請求項2】
前記パネルは、前記無機膜の上に位置する第3パッドを備え、
前記配線基板は、前記第3パッドと電気的に接続された第3接続配線を備え、
前記無機膜は、前記第3接続配線と重なる第3抜き部と、前記第2抜き部と前記第3抜き部との間に第2延出部と、を有し、
前記第3抜き部及び前記第2延出部は、前記パネルの前記第1辺まで延出する、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1パッド及び前記第2パッドは、第1方向に並列し、
前記第1抜き部は、前記第1パッドの前記第1方向と交差する第2方向に並列し、
前記第2抜き部は、前記第2パッドの前記第2方向に並列し、
前記第1抜き部及び前記第2抜き部は、前記第1方向に並列する、請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記パネルは、第1方向に延出する前記第1辺及び第2辺と、前記第1方向と交差する第2方向に延出する第3辺及び第4辺と、を有し、
前記配線基板は、前記第1辺に重なり、
前記無機膜は、前記第2辺より前記第1辺側に位置し、前記第3辺より前記第4辺側に位置し、前記第4辺より前記第3辺側に位置する、請求項1乃至3の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記パネルは、前記第1パッドに接続されたショートリング配線を備え、
前記ショートリング配線は、前記第1抜き部及び前記第2抜き部の間において前記第1辺まで延出し、前記無機膜の前記第1延出部によって覆われている、請求項1乃至4の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記ショートリング配線は、ポリシリコンによって形成されている、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1パッドは、第1透明電極と、前記第1透明電極の上に配置された第2透明電極と、を有する、請求項1乃至6の何れか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記無機膜は、第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜に積層された第2絶縁膜と、を有する、請求項1乃至7の何れか1項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置などの表示装置は、各種分野で利用されている。近年では、フレキシブルな基板が用いられることによって折り曲げ可能に形成されたフレキシブル表示装置が開発されている。フレキシブル表示装置を折り曲げた際には、例えば、無機膜にクラックが生じる恐れがある。無機膜に生じたクラックが配線まで伝播して配線が断線するのを抑制するために、配線の上下を有機膜で覆う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-187581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、歩留りの低下を抑制することが可能な半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、無機膜と、前記無機膜の上に位置する第1パッド及び第2パッドと、を備えるパネルと、前記第1パッドと電気的に接続された第1接続配線と、前記第2パッドと電気的に接続された第2接続配線と、を備え、前記パネルの上に位置する配線基板と、を備え、前記無機膜は、前記第1接続配線と重なる第1抜き部と、前記第2接続配線と重なる第2抜き部と、前記第1抜き部と前記第2抜き部との間に第1延出部と、を有し、前記第1抜き部、前記第2抜き部、及び、前記第1延出部は、前記パネルの第1辺まで延出する、半導体装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態の表示装置の構成を示す平面図である。
図2図2は、図1に示した表示パネルの第1辺の周辺の構成を示す平面図である。
図3図3は、図2に示したA-B線に沿った表示パネルの断面図である。
図4図4は、図2に示したC-D線に沿った表示パネルの断面図である。
図5図5は、本実施形態に対する比較例を示す平面図である。
図6図6は、本実施形態の変形例に対する比較例を示す断面図である。
図7図7は、本実施形態の変形例を示す平面図である。
図8図8は、図7に示したE-F線に沿った表示パネルの断面図である。
図9図9は、図7に示したG-H線に沿った表示パネルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
本実施形態の主要な構成は、フレキシブルな表示装置や指紋センサー等に用いることができる。本明細書においては、表示装置を例として本実施形態の構成について説明する。この表示装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末、ノートブックタイプのパーソナルコンピュータ、車載機器、ゲーム機器等の種々の装置に用いることができる。また、本実施形態は、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置等の自発光型の表示装置、電気泳動素子等を有する電子ペーパ型の表示装置、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を応用した表示装置、或いはエレクトロクロミズムを応用した表示装置など、種々の表示装置に適用可能である。
【0009】
図1は、本実施形態の表示装置DSPの構成を示す平面図である。
なお、図示された第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第1方向X及び第2方向Yは、表示装置DSPを構成する基板の主面と平行な方向に相当し、第3方向Zは、表示装置DSPの厚さ方向に相当する。
【0010】
以下の説明において、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を「上」と称し、矢印の先端から逆に向かう方向を「下」と称する。「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよいし、第1部材から離間していてもよい。また、第3方向Zを示す矢印の先端側から第1方向X及び第2方向Yによって規定されるX-Y平面をみることを平面視という。
【0011】
表示装置DSPは、表示パネルPNL及びフレキシブルプリント回路基板FPCを備えている。表示パネルPNLは、第1基板SUB1及び第2基板SUB2を備えている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、第3方向Zに対向している。また、表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DA、及び、表示領域DAを囲む額縁状の非表示領域NDAを備えている。
【0012】
第1基板SUB1は、パッドPD及び無機膜ILを備えている。また、第1基板SUB1は、第2基板SUB2と重なる領域よりも外側に実装部MTを有している。パッドPDは、実装部MTに位置している。
【0013】
無機膜ILは、図1において斜線で示されている。無機膜ILは、第1方向Xに延出する第1端部ILE1及び第2端部ILE2と、第2方向Yに延出する第3端部ILE3及び第4端部ILE4と、を有している。第1端部ILE1は、櫛歯状に形成されている。また、表示パネルPNLは、第1方向Xに延出する第1辺E1及び第2辺E2と、第2方向Yに延出する第3辺E3及び第4辺E4と、を有しており、第2端部ILE2は第2辺E2より第1辺E1側に位置し、第3端部ILE3は第3辺E3より第4辺E4側に位置し、第4端部ILE4は第4辺E4より第3辺E3側に位置している。表示パネルPNLは、製造工程において、レーザートリミングやダイシングによって大判から単個のパネルにカットされる。この際、カットライン上に無機膜ILが位置していると、無機膜ILにクラックが生じる恐れがある。また、生じたクラックが表示領域DAに進行する恐れがある。そのため、無機膜ILはカットライン上に配置されていないことが望ましい。なお、図1に示した例では、表示パネルPNLのカットラインは、第1辺E1、第2辺E2、第3辺E3、第4辺E4に相当する。また、図示した例では、第2辺E2、第3辺E3、第4辺E4と重なる位置に無機膜ILは位置していない。
【0014】
フレキシブルプリント回路基板FPCは、表示パネルPNLの上に位置し、表示パネルPNLと電気的に接続されている。フレキシブルプリント回路基板FPCは、実装部MTに実装され、第1辺E1に重なっている。また、図示した例では、フレキシブルプリント回路基板FPCの第1方向Xに沿った幅は、表示パネルPNLの第1方向Xに沿った幅より小さい。フレキシブルプリント回路基板FPCは、例えば可撓性を有するフレキシブル基板である。
【0015】
図2は、図1に示した表示パネルPNLの第1辺E1の周辺の構成を示す平面図である。
第1パッドPD1、第2パッドPD2、第3パッドPD3は、無機膜ILの上に位置している。第1パッドPD1、第2パッドPD2、第3パッドPD3は、この順に第1方向Xに並列している。また、表示パネルPNLは、第1パッドPD1に接続された信号配線SWR1、第2パッドPD2に接続された信号配線SWR2、第3パッドPD3に接続された信号配線SWR3を備えている。図1に示したフレキシブルプリント回路基板FPCは、第1パッドPD1と電気的に接続された第1接続配線WR11と、第2パッドPD2と電気的に接続された第2接続配線WR12と、第3パッドPD3と電気的に接続された第3接続配線WR13と、を備えている。
【0016】
無機膜ILは、第1抜き部CP1と、第2抜き部CP2と、第3抜き部CP3と、第1抜き部CP1と第2抜き部CP2との間に第1延出部EP1と、第2抜き部CP2と第3抜き部CP3との間に第2延出部EP2と、を有している。第1抜き部CP1、第2抜き部CP2、第3抜き部CP3は、第1方向Xに並列している。第1抜き部CP1は第1パッドPD1の第2方向Yに並列し、第2抜き部CP2は第2パッドPD2の第2方向Yに並列し、第3抜き部CP3は第3パッドPD3の第2方向Yに並列している。また、第1抜き部CP1は第1接続配線WR11と重なり、第2抜き部CP2は第2接続配線WR12と重なり、第3抜き部CP3は第3接続配線WR13と重なっている。すなわち、第1延出部EP1は、平面視で第1接続配線WR11と第2接続配線WR12との間に位置し、第2延出部EP2は、平面視で第2接続配線WR12と第3接続配線WR13との間に位置している。第1抜き部CP1、第2抜き部CP2、第3抜き部CP3、第1延出部EP1、第2延出部EP2は、表示パネルPNLの第1辺E1まで延出している。
【0017】
図3は、図2に示したA-B線に沿った表示パネルPNLの断面図である。
表示パネルPNLは、絶縁基板10、無機膜IL、信号配線SWR1、絶縁膜14、絶縁膜15、第1パッドPD1を備えている。
【0018】
絶縁基板10は、例えば、可撓性の樹脂基板であり、例えば、ポリイミドを用いて形成されている。無機膜ILは、絶縁基板10の上に位置している。無機膜ILは、絶縁基板10に積層された絶縁膜11と、絶縁膜11に積層された絶縁膜12と、絶縁膜12に積層された絶縁膜13と、によって構成されている。信号配線SWR1は、無機膜ILの上に位置している。絶縁膜14は、信号配線SWR1の上に位置している。
【0019】
第1パッドPD1は、信号配線SWR1の上に位置している。第1パッドPD1は、第1透明電極EL1と、第1透明電極EL1の上に配置された第2透明電極EL2と、を有している。第1透明電極EL1は、信号配線SWR1に接している。第1透明電極EL1及び第2透明電極EL2は、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料によって形成されている。絶縁膜15は、絶縁膜14を覆い、信号配線SWR1、第1パッドPD1、無機膜ILにも接している。絶縁膜15は、第1パッドPD1の一部において、第1透明電極EL1と第2透明電極EL2との間に介在している。
【0020】
絶縁膜11、絶縁膜12、絶縁膜13、絶縁膜15は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの無機絶縁材料によって形成された無機絶縁膜であり、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。絶縁膜14は、例えば、アクリル樹脂などの有機絶縁材料によって形成された有機絶縁膜である。
【0021】
フレキシブルプリント回路基板FPCは、ベース基板100及び第1接続配線WR11を備えている。第1接続配線WR11は、ベース基板100の下に位置している。
【0022】
表示パネルPNL及びフレキシブルプリント回路基板FPCは、導電材料である異方性導電膜3を介して互いに電気的に接続されると共に接着されている。異方性導電膜3は、接着剤中に分散された導電粒子CPを含んでいる。このため、フレキシブルプリント回路基板FPCと表示パネルPNLとの間に異方性導電膜3を介在させた状態で、フレキシブルプリント回路基板FPC及び表示パネルPNLを第3方向Zに上下から加圧し、加熱することによって、両者が電気的及び物理的に接続される。異方性導電膜3は、第1パッドPD1と接し、電気的に接続されている。また、異方性導電膜3は、第1接続配線WR11と接し、電気的に接続されている。これにより、第1接続配線WR11は、異方性導電膜3を介して、第1パッドPD1と電気的に接続されている。また、導電粒子CPは、第1パッドPD1と第1接続配線WR11との間において押しつぶされるため、第2方向Yの径が第3方向Zの径より大きくなっている。
【0023】
無機膜ILの第1抜き部CP1においては、無機膜ILの段差によって製造工程時に残渣RDが残留する場合がある。残渣RDは、例えば、第1信号配線SWR1や第1パッドPD1のような導電層を形成する際に、取り除ききれなかった導電材料によって形成される。例えば、無機膜ILは、絶縁膜11乃至13を積層した後に一括でパターニングされる。そのため、第1信号配線SWR1を形成する前に無機膜ILをパターニングする場合は、残渣RDは、第1信号配線SWR1の材料と第1パッドPD1の材料によって形成される。また、第1信号配線SWR1を形成した後に無機膜ILをパターニングする場合は、残渣RDは、第1パッドPD1の材料によって形成される。このような残渣RDは、フレキシブルプリント回路基板FPCの第1接続配線WR11と導通する場合がある。残渣RDと第1接続配線WR11は、異方性導電膜3を介して導通する場合もあるし、直接的に接することによって導通する場合もある。
【0024】
図4は、図2に示したC-D線に沿った表示パネルPNLの断面図である。
第1抜き部CP1、第2抜き部CP2、第3抜き部CP3は、絶縁基板10まで貫通している。残渣RDは、無機膜ILと絶縁基板10との間の段差に残留する場合があるが、無機膜ILの上には残留しない。絶縁膜15は、第1延出部EP1及び第2延出部EP2の上に配置されていても良い。
【0025】
図5は、本実施形態に対する比較例を示す平面図である。図5に示す構成は、図2に示した構成と比較して、無機膜ILの構成が異なっている。
無機膜ILは、第4抜き部CP4を有している。第4抜き部CP4は、第1接続配線WR11、第2接続配線WR12、第3接続配線WR13と重なる位置に亘って延出している。図示した例では、第4抜き部CP4の境界部分BRに残渣RDが残留している。残渣RDは、第4抜き部CP4の境界部分BRに沿って第1方向Xに延出している。
【0026】
例えば、残渣RDと、第1接続配線WR11、第2接続配線WR12、第3接続配線WR13とが接続される場合がある。また、残渣RDは、第1接続配線WR11、第2接続配線WR12、第3接続配線WR13のそれぞれの間を第1方向Xに延出しているため、第1接続配線WR11、第2接続配線WR12、第3接続配線WR13が互いに導通してしまう恐れがある。
【0027】
本実施形態によれば、無機膜ILは、図2に示したように第1延出部EP1及び第2延出部EP2を有している。第1延出部EP1及び第2延出部EP2と重なる位置には、残渣RDが残留しない。そのため、残渣RDが第1接続配線WR11と第2接続配線WR12との間、及び、第2接続配線WR12と第3接続配線WR13との間を不所望に接続するのを抑制することができる。よって、製造歩留りの低下を抑制することができる。
【0028】
また、第1抜き部CP1、第2抜き部CP2、第3抜き部CP3が形成されていることによって、表示パネルPNLの第1辺E1と重なる無機膜ILを減らすことができる。よって、第1辺E1上がカットされた際に、第1延出部EP1及び第2延出部EP2にクラックが生じた場合にも、第1延出部EP1及び第2延出部EP2の形状が細長いため、表示領域DA側までクラックが進行するのを抑制することができる。
【0029】
図6は、本実施形態の変形例に対する比較例を示す断面図である。図6に示す構成は、図5に示した構成と比較して、特に、表示パネルPNLが第1ショートリング配線SR1、第2ショートリング配線SR2、第3ショートリング配線SR3を備えている点で相違している。
第1ショートリング配線SR1は第1パッドPD1に接続され、第2ショートリング配線SR2は第2パッドPD2に接続され、第3ショートリング配線SR3は第3パッドPD3に接続されている。このようなショートリング配線SR1乃至SR3は、第1辺E1がカットされる前には互いに繋がっており、製造工程において生じる静電気を放電させ、表示パネルPNLが静電破壊されるのを抑制する。第1ショートリング配線SR1、第2ショートリング配線SR2、第3ショートリング配線WR3は、表示パネルPNLの第1辺E1まで延出している。
【0030】
無機膜ILは、抜き部CP11乃至CP14と、延出部EP11乃至EP13と、を有している。延出部EP11は、抜き部CP11と抜き部CP12との間に位置し、延出部EP12は、抜き部CP12と抜き部CP13との間に位置し、延出部EP13は、抜き部CP13と抜き部CP14との間に位置している。延出部EP11は第1ショートリング配線SR1と重なり、延出部EP12は第2ショートリング配線SR2と重なり、延出部EP13は第1ショートリング配線SR3と重なっている。すなわち、第1ショートリング配線SR1、第2ショートリング配線SR2、第3ショートリング配線WR3は、露出しないように無機膜ILでおおわれている。
【0031】
残渣RDは、抜き部CP11乃至CP14において形成されている。すなわち、残渣RDは、第1接続配線WR11と第2接続配線WR12との間、及び、第2接続配線WR12と第3接続配線WR13との間にも残留している。そのため、第1接続配線WR11と第2接続配線WR12との間、及び、第2接続配線WR12と第3接続配線WR13との間が導通してしまう恐れがある。
【0032】
図7は、本実施形態の変形例を示す平面図である。図7に示す構成は、図2に示した構成と比較して、表示パネルPNLが第1ショートリング配線SR1、第2ショートリング配線SR2、第3ショートリング配線SR3を備えている点で相違している。
第1ショートリング配線SR1は、第1抜き部CP1と第2抜き部CP2との間において第1辺E1まで延出し、第1延出部EP1によって覆われている。第2ショートリング配線SR2は、第2抜き部CP2と第3抜き部CP23との間において第1辺E1まで延出し、第2延出部EP2によって覆われている。第3ショートリング配線SR3も無機膜ILによって覆われている。このように、第1ショートリング配線SR1、第2ショートリング配線SR2、第3ショートリング配線SR3を無機膜ILの形状に沿わせて配置することで、上記の効果を維持したまま、第1ショートリング配線SR1、第2ショートリング配線SR2、第3ショートリング配線SR3を無機膜ILで覆うことができる。
【0033】
図8は、図7に示したE-F線に沿った表示パネルPNLの断面図である。
第1ショートリング配線SR1は、絶縁膜11と絶縁膜12との間に位置している。第1ショートリング配線SR1は、例えば、ポリシリコンによって形成されている。例えば、表示装置DSPが液晶表示装置である場合、表示パネルPNLは、絶縁膜11と絶縁膜12との間にポリシリコンで形成された半導体層を備えており、半導体層は第1ショートリング配線SR1と同一工程にて形成することが可能である。なお、第1ショートリング配線SR1は、金属材料によって形成されていても良い。信号配線SWR1は、絶縁膜12及び絶縁膜13に形成されたコンタクトホールCHを介して、第1ショートリング配線SR1に接続されている。
【0034】
図9は、図7に示したG-H線に沿った表示パネルPNLの断面図である。
第1ショートリング配線SR1、第2ショートリング配線SR2、第3ショートリング配線SR3は、絶縁膜11の上に配置され、絶縁膜12によって覆われている。
このような変形例においても上記したのと同様の効果を得ることができる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、歩留りの低下を抑制することが可能な半導体装置を得ることができる。
【0036】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
DSP…表示装置、IL…無機膜、
PD1…第1パッド、PD2…第2パッド、PD3…第3パッド、
FPC…フレキシブルプリント回路基板、
WR1…第1接続配線、WR2…第2接続配線、WR3…第3接続配線、
CP…抜き部、EP…延出部、
E1…第1辺、E2…第2辺、E3…第3辺、E4…第4辺、
SR1…第1ショートリング配線、SR2…第2ショートリング配線、
SR3…第3ショートリング配線、EL1…第1透明電極、EL2…第2透明電極、
11、12、13、14、15…絶縁膜。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9