(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】広告媒体オークション装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220425BHJP
G06Q 30/08 20120101ALI20220425BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
G06Q30/02 438
G06Q30/08
(21)【出願番号】P 2018237411
(22)【出願日】2018-12-19
【審査請求日】2020-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】森澤 雄太
(72)【発明者】
【氏名】稗圃 泰彦
【審査官】竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0371608(US,A1)
【文献】特表2015-529358(JP,A)
【文献】特開2014-115681(JP,A)
【文献】特開2015-135583(JP,A)
【文献】特表2018-526749(JP,A)
【文献】特開2013-045169(JP,A)
【文献】特開2010-237411(JP,A)
【文献】米国特許第08862500(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0249886(US,A1)
【文献】米国特許第08781968(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定広告媒体を閲覧する可能性がある複数の閲覧候補者の属性情報を取得する属性情報取得部と、
前記属性情報と、前記特定広告媒体を利用することを希望する入札広告の入札条件とがマッチングするか否かを判断するマッチング部と、
複数の前記入札広告の中から、前記入札条件が前記属性情報にマッチングする前記入札広告を、前記特定広告媒体を利用する落札広告に決定する落札制御部と、
を備え
、
前記属性情報取得部は、前記特定広告媒体の次の利用回の広告時間に前記特定広告媒体の視認範囲に存在する見込みの運搬装置で運搬されている複数の閲覧候補者の属性情報を取得する、
広告媒体オークション装置
であって、
前記入札広告の入札条件の珍しさを示す珍しさ指標を算出する珍しさ指標算出部をさらに備え、
前記落札制御部は、前記珍しさ指標に基づいてより珍しい入札条件の前記入札広告の優先度を上げて前記落札広告を選択する、
広告媒体オークション装置であり、
入札広告の入札条件は、「Key」と「Value」のペアで条件が記載されるものであって「Key」が満たすべき特定の「Value」が指定され、「「Key」と「Value」のペア」の組合せにおいて各「「Key」と「Value」のペア」間のAND条件又はOR条件を用いて構成されるものであり、
前記珍しさ指標算出部は、前記特定広告媒体の利用回ごとに、前記属性情報取得部が取得した属性情報と、各入札広告の入札条件を構成する「Key」と「Value」のペアとを属性データベースに格納し、
前記珍しさ指標算出部は、一定の周期で、「Key」と「Value」のペアごとに、前記属性データベースに格納される過去の属性情報に対して「Key」と「Value」のペアが満たされたペア合致確率を算出し、算出したペア合致確率を前記属性データベースに格納し、
前記珍しさ指標算出部は、広告主から入札広告及び入札条件が登録されると、当該入札広告の前記珍しさ指標として、当該入札広告の入札条件の条件合致確率を算出し、
前記珍しさ指標算出部は、入札広告の入札条件の条件合致確率の算出において、前記属性データベースから当該入札条件を構成する各「「Key」と「Value」のペア」のペア合致確率を取得し、当該入札条件を構成する「「Key」と「Value」のペア」の組合せにおける各「「Key」と「Value」のペア」間のAND条件又はOR条件に応じて、当該取得したペア合致確率の積と和とのうち少なくとも一方を使用する所定の算出方法により条件合致確率を算出する、
広告媒体オークション装置。
【請求項2】
前記落札制御部は、広告媒体ごとに設けられた広告基準であって前記特定広告媒体の広告基準に基づいた前記入札広告の広告評価値がより高評価の前記入札広告の優先度を上げて前記落札広告を選択する、
請求項1に記載の広告媒体オークション装置。
【請求項3】
前記特定広告媒体の繰り返し利用において、属性情報の取得処理、属性情報と入札条件のマッチング処理及び落札広告の決定処理を含む一連の広告媒体オークション処理を、前記特定広告媒体の各利用回に対応付けて順次進行する、
請求項1
又は2のいずれか1項に記載の広告媒体オークション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告媒体オークション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェブ(WEB)広告をオークション形式により募る技術が例えば非特許文献1に開示されている。従来技術では、広告の閲覧者である特定の一個人が指定したWeb検索キーワードに関係する広告の中から、当該一個人に対して表示する広告をオークション形式により決定している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】「リスティング広告とは~成功に導くための基礎知識」、[平成30年11月30日検索]、インターネット<URL:https://ferret-plus.com/662>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来の技術は、特定の一個人に対して表示する広告をオークション形式により決定するが、特定多数の人に対して表示する広告をオークション形式により決定することはできない。また、表示する広告を入札金額のみによって決定すると、高額な入札金額を提示した広告ばかりが表示されてしまい、広告機会付与の公平性が損なわれる。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、特定多数の人に対して提示する広告をオークション形式により決定すると共に広告効果の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、特定広告媒体を閲覧する可能性がある複数の閲覧候補者の属性情報を取得する属性情報取得部と、前記属性情報と、前記特定広告媒体を利用することを希望する入札広告の入札条件とがマッチングするか否かを判断するマッチング部と、複数の前記入札広告の中から、前記入札条件が前記属性情報にマッチングする前記入札広告を、前記特定広告媒体を利用する落札広告に決定する落札制御部と、を備え、前記属性情報取得部は、前記特定広告媒体の次の利用回の広告時間に前記特定広告媒体の視認範囲に存在する見込みの運搬装置で運搬されている複数の閲覧候補者の属性情報を取得する、広告媒体オークション装置であって、前記入札広告の入札条件の珍しさを示す珍しさ指標を算出する珍しさ指標算出部をさらに備え、前記落札制御部は、前記珍しさ指標に基づいてより珍しい入札条件の前記入札広告の優先度を上げて前記落札広告を選択する、広告媒体オークション装置であり、入札広告の入札条件は、「Key」と「Value」のペアで条件が記載されるものであって「Key」が満たすべき特定の「Value」が指定され、「「Key」と「Value」のペア」の組合せにおいて各「「Key」と「Value」のペア」間のAND条件又はOR条件を用いて構成されるものであり、前記珍しさ指標算出部は、前記特定広告媒体の利用回ごとに、前記属性情報取得部が取得した属性情報と、各入札広告の入札条件を構成する「Key」と「Value」のペアとを属性データベースに格納し、前記珍しさ指標算出部は、一定の周期で、「Key」と「Value」のペアごとに、前記属性データベースに格納される過去の属性情報に対して「Key」と「Value」のペアが満たされたペア合致確率を算出し、算出したペア合致確率を前記属性データベースに格納し、前記珍しさ指標算出部は、広告主から入札広告及び入札条件が登録されると、当該入札広告の前記珍しさ指標として、当該入札広告の入札条件の条件合致確率を算出し、前記珍しさ指標算出部は、入札広告の入札条件の条件合致確率の算出において、前記属性データベースから当該入札条件を構成する各「「Key」と「Value」のペア」のペア合致確率を取得し、当該入札条件を構成する「「Key」と「Value」のペア」の組合せにおける各「「Key」と「Value」のペア」間のAND条件又はOR条件に応じて、当該取得したペア合致確率の積と和とのうち少なくとも一方を使用する所定の算出方法により条件合致確率を算出する、広告媒体オークション装置である。
(2)本発明の一態様は、前記落札制御部は、広告媒体ごとに設けられた広告基準であって前記特定広告媒体の広告基準に基づいた前記入札広告の広告評価値がより高評価の前記入札広告の優先度を上げて前記落札広告を選択する、上記(1)の広告媒体オークション装置である。
(3)本発明の一態様は、前記特定広告媒体の繰り返し利用において、属性情報の取得処理、属性情報と入札条件のマッチング処理及び落札広告の決定処理を含む一連の広告媒体オークション処理を、前記特定広告媒体の各利用回に対応付けて順次進行する、上記(1)又は(2)のいずれかの広告媒体オークション装置である。
【0007】
(5)本発明の一態様は、コンピュータに、特定広告媒体を閲覧する可能性がある複数の閲覧候補者の属性情報を取得する属性情報取得ステップと、前記属性情報と、前記特定広告媒体を利用することを希望する入札広告の入札条件とがマッチングするか否かを判断するマッチングステップと、複数の前記入札広告の中から、前記入札条件が前記属性情報にマッチングする前記入札広告を、前記特定広告媒体を利用する落札広告に決定する落札制御ステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記属性情報取得ステップは、前記特定広告媒体の次の利用回の広告時間に前記特定広告媒体の視認範囲に存在する見込みの運搬装置で運搬されている複数の閲覧候補者の属性情報を取得する、コンピュータプログラムである。
【0008】
(6)本発明の一態様は、広告媒体オークション装置が、特定広告媒体を閲覧する可能性がある複数の閲覧候補者の属性情報を取得する属性情報取得ステップと、前記広告媒体オークション装置が、前記属性情報と、前記特定広告媒体を利用することを希望する入札広告の入札条件とがマッチングするか否かを判断するマッチングステップと、前記広告媒体オークション装置が、複数の前記入札広告の中から、前記入札条件が前記属性情報にマッチングする前記入札広告を、前記特定広告媒体を利用する落札広告に決定する落札制御ステップと、を含む広告媒体オークション方法であって、前記属性情報取得ステップは、前記特定広告媒体の次の利用回の広告時間に前記特定広告媒体の視認範囲に存在する見込みの運搬装置で運搬されている複数の閲覧候補者の属性情報を取得する、広告媒体オークション方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、特定多数の人に対して提示する広告をオークション形式により決定すると共に広告効果の向上を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係る広告媒体オークション装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る広告システムの例を示す概略構成図である。
【
図3】一実施形態に係る広告媒体オークション方法の手順の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る広告媒体オークション装置の構成例を示すブロック図である。
図2は、一実施形態に係る広告システムの例を示す概略構成図である。
図2に示される広告システム1において、ビル110の壁面には広告媒体100が設置されている。広告媒体100は、広告を表示するための表示装置を備える。広告媒体100は、特定広告媒体の一例である。
【0012】
広告システム1は、装置群として、
図1に示される広告媒体オークション装置10とデータ収集装置30とを備える。また、広告システム1は、データベース(DB)群として、
図1に示される入札DB41と広告DB42と属性DB43と外部DB44とを備える。
【0013】
移動車両群400は、広告媒体100を視認できる視認範囲に接近するn台の車両410-1、410-2、410-nから構成される。nは1以上の整数である。以下、各車両410-1、410-2、410-nを特に区別しないときは、車両410と称する。車両410に乗車している運転者や同乗者などの乗車者は、広告媒体100を閲覧する可能性がある閲覧候補者である。車両410はモバイルネットワーク300を介して通信を行う。また、乗車者が持っているスマートフォン等の携帯端末はモバイルネットワーク300を介して通信を行う。
【0014】
ここで、
図2を参照して、本実施形態に係る広告方法の概略の全体の流れを説明する。広告媒体100は、1回の利用で広告を表示する時間(広告時間)CMTが予め決められる。広告時間CMTは、例えば数秒から数時間までの任意の時間である。広告媒体100は、広告時間CMTの間隔で繰り返し利用される。本実施形態では、広告媒体100の繰り返し利用において、利用回ごとに、広告媒体オークション処理によって広告媒体100に表示する広告を決定する。
【0015】
(ステップS1) 移動車両群400の各車両410は、モバイルネットワーク300を介して、自己の車両情報をデータ収集装置30へ送信する。車両410の車両情報は、当該車両410の運転者(所有者)を特定する車両識別情報(車両ID)と、当該車両410の現在位置を示す車両位置情報と、現在時刻を示す車両時刻情報とを含む。また、乗車者の携帯端末は、モバイルネットワーク300を介して、自己の端末情報をデータ収集装置30へ送信する。乗車者の携帯端末の端末情報は、当該乗車者を特定する端末識別情報(端末ID)と、当該携帯端末の現在位置を示す端末位置情報と、現在時刻を示す端末時刻情報とを含む。
【0016】
データ収集装置30は、移動車両群400から受信した車両情報の車両位置情報及び車両時刻情報に基づいて、広告媒体100の次の利用回の広告時間CMTに広告媒体100の視認範囲に存在する見込みの車両410を判断する。また、データ収集装置30は、移動車両群400の乗車者の携帯端末から受信した端末情報の端末位置情報及び端末時刻情報に基づいて、広告媒体100の次の利用回の広告時間CMTに広告媒体100の視認範囲に存在する見込みの携帯端末を判断する。それら判断結果の車両410及び携帯端末の群を総称して広告対象移動車両端末群400aと称する。
【0017】
(ステップS2) 広告媒体オークション装置10は、データ収集装置30が広告対象移動車両端末群400aから受信した車両情報や端末情報に基づいて、属性DB43や外部DB44から、広告対象移動車両端末群400aに存在する各閲覧候補者の属性情報を取得する。
【0018】
属性DB43には、車両IDに関連付けて運転者(所有者)の属性情報が格納される。運転者(所有者)の属性情報には、同乗者の属性情報が含まれていてもよい。外部DB44には、乗車者の携帯端末の端末位置情報に関連付けて当該乗車者の属性情報が格納される。また、属性DB43には、過去の移動車両群400に存在した閲覧候補者の属性情報に関する履歴や統計情報などが格納される。属性情報として、例えば、年齢、性別、趣味、年収、居住地、子供の人数など、多種多様な情報が挙げられる。
【0019】
(ステップS3) 広告媒体オークション装置10は、取得した属性情報と、広告媒体100を利用することを希望する広告(入札広告)の入札条件とがマッチングするか否かを判断する。次いで、広告媒体オークション装置10は、複数の入札広告の中から、入札条件が属性情報にマッチングする入札広告を、広告媒体100を利用する広告(落札広告)に決定する。
【0020】
広告主は、事前に、入札広告及び入札条件を広告システム1に登録する。広告DB42には、入札者の識別情報(入札者ID)に関連付けて入札広告が格納される。入札DB41には、入札者IDに関連付けて入札金額、入札条件及び入札条件の条件合致確率が格納される。
【0021】
また、広告DB42には、各入札広告の広告評価値が格納されてもよい。広告評価値は、広告媒体ごとに設けられた広告基準であって広告媒体100の広告基準に基づいて入札広告ごとに予め決定される。ある広告媒体の広告基準は、当該広告媒体に表示される広告の適性の基準である。広告媒体の広告基準は、例えば、当該広告媒体が設置された場所の性質に応じて決められる。例えば、歓楽街に設置された広告媒体の広告基準は、より賑やかな広告の方がより適していると決められる。一方、住宅街に設置された広告媒体の広告基準は、より静かな広告の方がより適していると決められる。入札広告の広告評価値は、広告媒体100の広告基準に基づいて、当該入札広告が広告媒体100に適しているほど、より高評価に決定される。
【0022】
(ステップS4) 広告媒体オークション装置10は、落札広告を広告媒体100に表示させる広告表示制御を行う。この広告表示制御によって、広告媒体100は落札広告を表示する。広告媒体100に表示された落札広告は、広告対象移動車両端末群400aに存在する閲覧候補者によって閲覧され得る。
【0023】
次に
図1を参照して本実施形態に係る広告媒体オークション装置10の構成例を説明する。
図1において、広告媒体オークション装置10は、属性情報取得部11と、マッチング部12と、落札制御部13と、珍しさ指標算出部14とを備える。
図1に示される広告媒体オークション装置10の各機能は、広告媒体オークション装置10が備えるCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)がコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、広告媒体オークション装置10として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。
【0024】
属性情報取得部11は、広告媒体100を閲覧する可能性がある複数の閲覧候補者の属性情報を取得する。マッチング部12は、属性情報取得部11が取得した属性情報と、広告媒体100を利用することを希望する入札広告の入札条件とがマッチングするか否かを判断する。落札制御部13は、複数の入札広告の中から、入札条件が属性情報にマッチングする入札広告を、広告媒体100を利用する落札広告に決定する。
【0025】
珍しさ指標算出部14は、入札広告の入札条件の珍しさを示す珍しさ指標を算出する。落札制御部13は、珍しさ指標算出部14が算出した珍しさ指標に基づいてより珍しい入札条件の入札広告の優先度を上げて落札広告を選択してもよい。また、落札制御部13は、広告媒体ごとに設けられた広告基準であって広告媒体100の広告基準に基づいた入札広告の広告評価値がより高評価の入札広告の優先度を上げて落札広告を選択してもよい。
【0026】
次に
図3を参照して本実施形態に係る広告媒体オークション方法を説明する。
図3は、本実施形態に係る広告媒体オークション方法の手順の例を示すフローチャートである。
【0027】
図3には、広告媒体100に表示する落札広告を、複数の入札広告の中からオークション形式により決定する広告媒体オークション処理が示される。広告媒体オークション処理は、属性情報の取得処理(ステップS12)、属性情報と入札条件のマッチング処理(ステップS13)及び落札広告の決定処理(ステップS19)を含む一連の処理である。
【0028】
広告媒体100は、1回の利用で広告を表示する時間(広告時間)CMTが予め決められる。広告時間CMTは、例えば数秒から数時間までの任意の時間である。広告媒体100は、広告時間CMTの間隔で繰り返し利用される。本実施形態では、広告媒体100の繰り返し利用において、利用回ごとに、広告媒体オークション処理によって広告媒体100に表示する広告を決定する。このため、広告媒体100の繰り返し利用において、上記一連の広告媒体オークション処理を、広告媒体100の各利用回に対応付けて順次進行する。
【0029】
例えば、広告時間CMTが5分間である場合を説明する。あるm回目の利用回(ここでは説明の便宜上、「CMT:12時0分から12時5分まで」とする)の広告媒体オークション処理は、前回「m-1」回目の利用回の期間(11時55分から12時0分まで)に実行されて、m回目の利用回に広告媒体100に表示される落札広告が決定される。そして、m回目の利用回の期間(12時0分から12時5分まで)には、次回「m+1」回目の利用回(CMT:12時5分から12時10分まで)の広告媒体オークション処理が実行されて、「m+1」回目の利用回に広告媒体100に表示される落札広告が決定される。このように上記一連の広告媒体オークション処理が各利用回に対応付けて順次進行されることにより、広告媒体100の繰り返し利用における各利用回の落札広告が円滑に決定される。
【0030】
図3には、m回目の利用回の広告媒体オークション処理が示される。以下、
図3を参照して、広告媒体オークション装置10が実行するm回目の利用回の広告媒体オークション処理を説明する。
【0031】
(ステップS11) 属性情報取得部11は、m回目の利用回の広告時間CMTに広告媒体100の視認範囲に存在する見込みの広告対象移動車両端末群400aの車両情報が有るか否かをデータ収集装置30に問い合わせる。この結果、当該車両情報がある場合にはステップS12へ進む。一方、当該車両情報がない場合には当該m回目の利用回の広告媒体オークション処理を終了する。
【0032】
(ステップS12) 属性情報取得部11は、データ収集装置30が広告対象移動車両端末群400aから受信した車両情報や端末情報に基づいて、属性DB43や外部DB44から、広告対象移動車両端末群400aに存在する各閲覧候補者の属性情報を取得する。
【0033】
(ステップS13) マッチング部12は、属性情報取得部11が取得した属性情報と、広告媒体100を利用することを希望する入札広告の入札条件とがマッチングするか否かを判断する。ここで、属性情報と入札条件のマッチング処理について説明する。
【0034】
(マッチング処理)
入札条件には、「Key」と「Value」のペアで条件が記載される。入札条件には、「Key」が一致すべき特定の「Value」が指定される。又は、「Key」が数値である場合、「Value」には、「Key」が満足すべき特定の数値範囲が指定される。また、入札条件には、「Key」と「Value」のペアで記載された条件を満足すべき人数(条件一致人数)が指定される。
【0035】
マッチング処理では、入札条件に対応するフィルタが構成される。フィルタは、AND条件又はOR条件で記載される。以下にフィルタの具体例を示す。
【0036】
(フィルタの例1) フィルタの例1では、入札広告はスナック菓子の広告であって、広告ターゲットは若年層へ広くアピールである。そして、フィルタの例1は、「(Key=年齢、20<=Value<=40)AND(Key=条件一致人数、Value>=5)」である。
【0037】
(フィルタの例2) フィルタの例2では、入札広告は街コンの広告であって、広告ターゲットは特定層へアピールである。そして、フィルタの例2は、「(Key=年齢、20<=Value<=30)AND(Key=性別、Value=女性)AND(Key=配偶者、Value=False)AND(Key=就業中、Value=True)AND(Key=恋人、Value=False)AND(Key=条件一致人数、Value>=1)」である。
【0038】
(フィルタの例3) フィルタの例3では、入札広告は全国共通温泉割引券の広告であって、広告ターゲットは特定層へアピールである。そして、フィルタの例3は、「(Key=行き先、Value=箱根)OR(Key=行き先、Value=熱海)」である。
【0039】
なお、フィルタで指定されない「Key」については、条件に含まれない。
【0040】
マッチング部12は、属性情報取得部11が取得した属性情報に対して、各入札条件のフィルタを満足するか否かを判断する。属性情報取得部11が取得した属性情報があるフィルタを満足する場合、当該フィルタに対応する入札条件は合格である。一方、属性情報取得部11が取得した属性情報があるフィルタを満足しない場合、当該フィルタに対応する入札条件は不合格である。
以上が属性情報と入札条件のマッチング処理の説明である。
【0041】
(ステップS14) ステップS13のマッチング処理の結果、合格の入札条件(以下、合格入札条件と称する)がある場合にはステップS15へ進む。一方、合格入札条件がない場合には当該m回目の利用回の広告媒体オークション処理を終了する。
【0042】
(ステップS15) 落札制御部13は、合格入札条件の入札広告数が広告媒体100の広告枠数より多いか否かを判断する。この結果、当該入札広告数が広告媒体100の広告枠数より多い場合にはステップS16へ進む。一方、当該入札広告数が広告媒体100の広告枠数以下である場合には、全ての合格入札条件の入札広告が落札広告に設定され、ステップS19へ進む。
【0043】
(ステップS16) 落札制御部13は、各合格入札条件の入札広告を対象にして、入札指標を算出する。入札指標が大きいほど、落札する確率が上がる。ここで、入札指標の算出処理について説明する。
【0044】
(入札指標算出処理)
ある入札広告CMの入札指標Iは次式の関数Fで表される。
I=F(B,P,A)
Bは入札広告CMの入札金額である。Pは入札広告CMの入札条件CMJの珍しさ指標である。Aは入札広告CMの広告評価値である。珍しさ指標Pは、入札広告CMの入札条件CMJの珍しさを示す指標である。
【0045】
(珍しさ指標)
ここで、珍しさ指標を説明する。本実施形態の一例として、珍しさ指標Pは、入札広告CMの入札条件CMJの条件合致確率である。珍しさ指標算出部14は、入札広告CMの珍しさ指標Pとして、入札広告CMの入札条件CMJの条件合致確率を算出する。つまり、「珍しさ指標P=条件合致確率」である。以下、説明の便宜上、条件合致確率Pと称する。
【0046】
入札条件CMJの条件合致確率Pは、過去に移動車両群400に存在した閲覧候補者の属性情報に対して、入札条件CMJがマッチングする確率である。以下、条件合致確率算出処理の例1、例2を説明する。
【0047】
(条件合致確率算出処理の例1)
条件合致確率算出処理の例1を説明する。条件合致確率算出処理の例1は準備段階と算出段階の2つのステップから成る。
【0048】
[条件合致確率算出処理の例1:準備段階]
珍しさ指標算出部14は、広告媒体100の利用回ごとに、属性情報取得部11が取得した属性情報と、各入札広告の入札条件のフィルタを構成する「Key」と「Value」のペアと、当該「「Key」と「Value」のペア」の組合せ(AND条件又はOR条件)とを、属性DB43に格納する。但し、準備段階において「Key=条件一致人数」のペアは対象外とする。そして、珍しさ指標算出部14は、一定の周期で、「Key」と「Value」のペアごとに、属性DB43に格納される過去の属性情報に対して「Key」と「Value」のペアが満たされた確率(ペア合致確率)を算出する。珍しさ指標算出部14は、「Key」と「Value」のペアごとに、算出したペア合致確率を属性DB43に格納する。属性DB43には、「Key」と「Value」のペアごとに、最新のペア合致確率が格納される。なお、初出の「Key」と「Value」のペアについては、ペア合致確率の所定の初期値が属性DB43に格納される。
【0049】
また、珍しさ指標算出部14は、一定の周期で、「「Key」と「Value」のペア」の組合せごとに、当該組合せが満たされた確率(ペア積合致確率)を算出する。珍しさ指標算出部14は、「「Key」と「Value」のペア」の組合せごとに、ペア積合致確率を属性DB43に格納する。属性DB43には、「「Key」と「Value」のペア」の組合せごとに、最新のペア積合致確率が格納される。
【0050】
[条件合致確率算出処理の例1:算出段階]
珍しさ指標算出部14は、広告主から入札広告CM及び入札条件CMJが広告システム1に登録された時に、属性DB43に格納されるペア合致確率を使用して、入札条件CMJの条件合致確率Pを算出する。算出結果の条件合致確率Pは、入札条件CMJと共に入札DB41に格納される。
【0051】
入札条件CMJの条件合致確率Pは、入札条件CMJのフィルタを構成する各「「Key」と「Value」のペア」のペア合致確率の積又は和で算出される。
【0052】
入札条件CMJのフィルタにおいて、AND条件で記載された複数の「「Key」と「Value」のペア」については、各ペア合致確率の積で算出される。つまり、「(ペアA)AND(ペアB)」に対する表現は、「(ペアAのペア合致確率)×(ペアBのペア合致確率)」である。具体例として、「Key」と「Value」のペアXが「(Key=性別、Value=男性)」であり、ペアXのペア合致確率が50%である。また、「Key」と「Value」のペアYが「(Key=年齢、Value>=50)」であり、ペアYのペア合致確率が40%である。この場合、「(ペアX)AND(ペアY)」は、「(ペアXのペア合致確率「0.5」)×(ペアYのペア合致確率「0.4」)」=「0.2」となる。
【0053】
入札条件CMJのフィルタにおいて、OR条件で記載された複数の「「Key」と「Value」のペア」については、以下に示す3通りの表現パターン1,2,3のいずれかで算出される。
【0054】
(OR条件に対する表現パターン1)
表現パターン1では、和から積を引き算する。つまり、「(ペアA)OR(ペアB)」に対する表現パターン1は、「((ペアAのペア合致確率)+(ペアBのペア合致確率))-(ペアAのペア合致確率)×(ペアBのペア合致確率)」である。表現パターン1は、ペアAとペアBの各事象の独立性を考慮する場合である。
【0055】
(OR条件に対する表現パターン2)
表現パターン2では、和のままとする。つまり、「(ペアA)OR(ペアB)」に対する表現パターン2は、「(ペアAのペア合致確率)+(ペアBのペア合致確率)」である。表現パターン2は、ペアAとペアBの各事象の独立性を考慮しない場合である。
【0056】
(OR条件に対する表現パターン3)
表現パターン3では、和から属性DB43に格納されている該当のペア積合致確率を引き算する。つまり、「(ペアA)OR(ペアB)」に対する表現パターン3は、「((ペアAのペア合致確率)+(ペアBのペア合致確率))-(ペアAとペアBのペア積合致確率)」である。なお、ペアAとペアBのペア積合致確率が属性DB43に格納されていない場合には、ペアAとペアBのペア積合致確率を0として引き算を行う。
【0057】
上記した表現パターン1,2,3のうちいずれを使用するかは、予め、広告媒体オークション装置10に設定される。具体例として、「Key」と「Value」のペアXが「(Key=性別、Value=男性)」であり、ペアXのペア合致確率が50%である。また、「Key」と「Value」のペアYが「(Key=年齢、Value>=50)」であり、ペアYのペア合致確率が40%である。この場合において表現パターン1を使用するとき、「(ペアX)OR(ペアY)」は、「((ペアXのペア合致確率「0.5」)+(ペアYのペア合致確率「0.4」))-(ペアXのペア合致確率「0.5」)×(ペアYのペア合致確率「0.4」)」=「0.7」となる。
【0058】
なお、OR条件において各事象が独立である場合、積の値は0となる。事象の独立性の有無の情報を事象ペアごとに広告システム1に保持させることができれば、条件合致確率を正確に計算することができる。しかし、全ての事象ペアの事象の独立性の有無の情報は膨大であり、その全てを広告システム1に保持させることは広告システム1のコストアップの要因になり得る。このため、広告システム1の事情に応じて、事象ペアの事象の独立性の有無の情報を保持せず、条件合致確率の精度低下を許容することも可能である。
【0059】
上述した算出段階で算出された入札条件CMJの条件合致確率Pは、入札条件CMJと共に入札DB41に格納される。
【0060】
なお、入札条件CMJのフィルタにおいて、条件一致人数が指定されている場合には、珍しさ指標算出部14は、広告媒体100の利用回ごとに、次の(1)式により、入札条件CMJの条件合致確率Pを算出する。
【0061】
【0062】
ここでは、入札条件CMJのフィルタを構成する「「Key」と「Value」のペア」のうち「Key=条件一致人数」のペア以外の他のペアから成るフィルタをフィルタXと称する。pは、上述した算出段階で、入札条件CMJのフィルタXを構成する各「「Key」と「Value」のペア」のペア合致確率の積又は和で算出された条件合致確率である。Mは、広告対象移動車両端末群400aに存在する閲覧候補者の総数である。kは、(Key=条件一致人数、Value>=k)で指定されたkの値である。(1)式で算出される条件合致確率Pは、M人中k人以上が入札条件CMJのフィルタXを満たす確率である。
以上が条件合致確率算出処理の例1の説明である。
【0063】
(条件合致確率算出処理の例2)
条件合致確率算出処理の例2を説明する。条件合致確率算出処理の例2は準備段階と算出段階の2つのステップから成る。
【0064】
[条件合致確率算出処理の例2:準備段階]
珍しさ指標算出部14は、広告媒体100の利用回ごとに、属性情報取得部11が取得した属性情報を属性DB43に格納する。
【0065】
[条件合致確率算出処理の例2:算出段階]
珍しさ指標算出部14は、広告主から入札広告CM及び入札条件CMJが広告システム1に登録された時に、属性DB43に格納される過去の属性情報を使用して、入札条件CMJの条件合致確率Pを算出する。珍しさ指標算出部14は、属性DB43に格納される過去の属性情報ごとに、入札条件CMJのフィルタ「「Key」と「Value」のペアと、当該「「Key」と「Value」のペア」の組合せ(AND条件又はOR条件)」が満たされるか否かを判定する。入札条件CMJのフィルタで条件一致人数が指定されている場合には、珍しさ指標算出部14は、さらに、当該条件一致人数が満たされるか否かを判定する。次いで、珍しさ指標算出部14は、当該判定の結果に基づいて、入札条件CMJが属性DB43に格納される過去の属性情報に対して満たされる確率(条件合致確率P)を算出する。
条件合致確率算出処理の例2によれば、過去の属性情報が完全に属性DB43に格納されれれば、正確な条件合致確率Pを簡易な計算方法で算出することができる。
以上が条件合致確率算出処理の例2の説明である。
【0066】
以上が条件合致確率算出処理の例1、例2の説明である。
【0067】
珍しさ指標算出部14は、条件合致確率算出処理によって算出した入札条件CMJの条件合致確率Pを、入札広告CMの入札条件CMJの珍しさ指標Pに使用する。なお、この例「珍しさ指標=条件合致確率P」では、入札条件CMJの珍しさ指標Pが小さいほど、より珍しい入札条件である。
以上が珍しさ指標の説明である。
【0068】
(入札指標の関数Fの例)
入札指標の関数Fは、以下に示す条件1、2及び3を満たすものであればよい。
【0069】
入札指標の関数Fの条件1:入札金額Bが大きいほど、入札指標Iが大きくなる。
入札指標の関数Fの条件2:珍しさ指標Pが小さいほど(珍しさ大であり)、入札指標Iが大きくなる。
入札指標の関数Fの条件3:広告評価値Aが高評価であるほど、入札指標Iが大きくなる。
【0070】
入札指標の関数Fの一例として、次の(2)式が挙げられる。
I=F(B,P,A)=(B÷P)+A ・・・(2)
【0071】
(2)式の関数Fによれば、入札金額Bが大きいほど落札する確率が上がり、また珍しさ指標Pが小さいほど(珍しさ大であるほど)落札する確率が上がる。さらに、付加的要素として広告評価値Aが加算されることにより、広告評価値Aが高評価であるほど落札する確率が上がる。
【0072】
落札制御部13は、各合格入札条件の入札広告を対象にして、関数Fにより各入札指標を算出する。
以上が入札指標算出処理の説明である。
【0073】
(ステップS17) 落札制御部13は、各合格入札条件の入札広告の入札指標を比較し、入札指標の大きい方から順に、広告媒体100の広告枠数に達するまで入札広告を選択する。落札制御部13は、広告媒体100の広告枠数に達したときに選択済みの入札広告数が当該広告枠数より多い(競合状態である)か否かを判断する。広告媒体100の広告枠数に達したときに選択済みの入札広告数が当該広告枠数より多い状態は、当該広告枠数の当落線上において、同じ入札指標である複数の入札広告が存在し競合している状態である。その判断の結果、競合状態である場合には、選択済みの入札広告のうち、当該広告枠数の当落線上において同じ入札指標であって競合している複数の入札広告(競合入札広告と称する)以外の他の競合していない入札広告(非競合入札広告と称する)が落札広告に設定され、ステップS18へ進む。一方、競合状態でない場合には、選択済みの広告枠数分の入札広告が落札広告に設定され、ステップS19へ進む。
【0074】
(ステップS18) 落札制御部13は、競合入札広告のうち、広告評価値が高評価の方から順番に、広告枠の残数に達するまで競合入札広告を選択する。落札制御部13は、広告枠の残数に達したときに選択済みの競合入札広告数が当該残数より多く、まだ競合状態である場合には、当該まだ競合している競合入札広告の中から無作為に当該残数に達するまで競合入札広告を選択する。競合入札広告のうち、最終的に選択済みの広告枠の残数分の競合入札広告が落札広告に設定され、ステップS19へ進む。
【0075】
(ステップS19) 落札制御部13は、落札広告に設定された入札広告を落札広告に決定する。これにより、広告媒体100の広告枠数以下の個数の落札広告が決定される。
【0076】
上述した実施形態によれば、広告媒体100を閲覧する可能性がある複数の閲覧候補者の属性情報と、広告媒体100を利用することを希望する入札広告の入札条件とがマッチングするか否かを判断し、複数の入札広告の中から、入札条件が属性情報にマッチングする入札広告を、広告媒体100を利用する落札広告に決定する。これにより、特定多数の人に対して提示する広告をオークション形式により決定することができる。また、広告媒体100を閲覧する可能性がある特定多数の人の属性情報にマッチングする入札条件の入札広告が落札広告として広告媒体100に表示されるので、広告媒体100を利用する広告の効果を向上させることができる。
【0077】
また、入札広告の入札条件の珍しさ指標に基づいてより珍しい入札条件の入札広告の優先度を上げて落札広告を選択することにより、広告ターゲット層の範囲が狭い等の理由から属性情報にマッチングしにくい入札条件の入札広告が落札広告に選択されやすくすることができる。これにより、広告機会付与の公平性に寄与する効果が得られる。
【0078】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0079】
例えば、上述した実施形態では、特定広告媒体は、移動車両群から閲覧可能な場所に設置された表示装置等の広告媒体であるが、特定広告媒体は、例えば、鉄道車両から閲覧可能な場所に設置された広告媒体であってもよい。この場合、鉄道車両の乗客が閲覧候補者であり、当該閲覧候補者が持っているスマートフォン等の携帯端末が、モバイルネットワークを介して、自己の端末情報をデータ収集装置30へ送信する。また、特定広告媒体は、エスカレータやエレベータや動く歩道等の人を運ぶ装置から閲覧可能な場所に設置された広告媒体であってもよい。この場合、エスカレータやエレベータや動く歩道等の人を運ぶ装置に乗っている人が閲覧候補者であり、当該閲覧候補者が持っているスマートフォン等の携帯端末が、モバイルネットワークを介して、自己の端末情報をデータ収集装置30へ送信する。
【0080】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0081】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0082】
1…広告システム、10…広告媒体オークション装置、11…属性情報取得部、12…マッチング部、13…落札制御部、14…珍しさ指標算出部、30…データ収集装置、41…入札DB、42…広告DB、43…属性DB、44…外部DB、100…広告媒体、110…ビル、300…モバイルネットワーク、400…移動車両群、410…車両