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特許7062643化合物およびPDE4活性剤としてのそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】化合物およびPDE4活性剤としてのそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 231/12 20060101AFI20220425BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220425BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220425BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20220425BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20220425BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20220425BHJP
   A61P 5/16 20060101ALI20220425BHJP
   A61P 5/20 20060101ALI20220425BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20220425BHJP
   A61P 5/28 20060101ALI20220425BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20220425BHJP
   A61P 31/06 20060101ALI20220425BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20220425BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20220425BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20220425BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20220425BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20220425BHJP
   A61P 5/38 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 31/4196 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20220425BHJP
   A61K 31/415 20060101ALI20220425BHJP
   C07D 249/10 20060101ALI20220425BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20220425BHJP
   C07D 231/14 20060101ALI20220425BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20220425BHJP
   C07D 233/64 20060101ALI20220425BHJP
【FI】
C07D231/12 C CSP
A61P43/00 111
A61P35/00
A61P13/08
A61P13/12
A61P1/16
A61P5/16
A61P5/20
A61P19/08
A61P5/28
A61P31/04
A61P31/06
A61P37/04
A61P31/18
A61P35/02
A61P9/00
A61P3/10
A61P5/38
A61K31/4196
A61K31/4439
A61K31/415
C07D249/10
C07D401/04
C07D231/14
C07D403/12
C07D233/64 101
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019515286
(86)(22)【出願日】2017-09-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 GB2017052898
(87)【国際公開番号】W WO2018060704
(87)【国際公開日】2018-04-05
【審査請求日】2020-09-11
(31)【優先権主張番号】1616439.4
(32)【優先日】2016-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】517324275
【氏名又は名称】ミロニド リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101281
【弁理士】
【氏名又は名称】辻永 和徳
(72)【発明者】
【氏名】アダム ジュリア マリー
(72)【発明者】
【氏名】アダムス ディビット ロジャー
【審査官】東 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭51-082269(JP,A)
【文献】特表2006-523719(JP,A)
【文献】特表2006-518738(JP,A)
【文献】特表2007-514676(JP,A)
【文献】特表2018-515594(JP,A)
【文献】特表2012-520834(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0186900(US,A1)
【文献】STN International,CAS Registry No. 1390593-23-3、1389982-71-1, 1389956-05-1, 1387237-35-5, 1387237-06-0, 1386599-13-8, 1386223-24-0, 1385933-63-0, 1355855-72-9, 1333866-08-2, 1333722-54-5, 1290014-46-8, 1279953-11-5,File REGISTRY (online),Entered STN,2012年08月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞内の環式AMP過剰シグナリングにより媒介される疾病または病気の治療または予防のために使用される医薬品組成物であって、化学式Iの化合物またはその薬学的に受理可能な塩を含む医薬品組成物:
【化1】

式中、R、R、RおよびRは、Hである
およびRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される;
、RおよびR10はそれぞれ、存在する場合には、H、および(C1-6)アルキルから独立して選ばれる;該(C1-6)アルキルはフッ素、OHおよび(C1-4)アルキルオキシから独立して選ばれた1つ以上の基で任意に置換される;
YはNおよびCR11から選ばれる;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1以上のフッ素で任意に置換される;
WとZはそれぞれ、NとCR19から独立して選ばれる;ここでR19はHまたは(C1-4)アルキルである;
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環、10員の縮合2環芳香族環システムまたは1から3のNを含む複素芳香族環システム、およびO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む9員の縮合2環複素芳香族環システムから選ばれる;
Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換される;
13は-C(O)X、-CN、H、(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルから選択され、該(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルは任意に、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16、S(O)-NR1617、CNおよびハロゲンから選択される1以上の置換基で置換され;該(C1-4)アルキルオキシと(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換され;
XはOR8aとNR9a10aから選ばれる;
8aとR9aおよびR10aは、存在する場合には、それぞれ、H、(C1-6)アルキルから独立して選択され、該(C1-6)アルキルは、フッ素、OHおよび(C1-4)アルキルオキシから独立して選ばれた1つ以上の基で任意に置換され;
16およびR17はそれぞれ、存在する場合には、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
ただし;
(i)ZがNであり、WはNであり、YはCR11であり、Aは任意に置換された6員芳香族環であるか;または、
(ii)Aは任意に置換された10員の縮合2環芳香族環システム、または1から3のNを含む複素芳香族環、又は任意に置換された、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む9員の縮合2環複素芳香族環システムである場合、
13は-C(O)Xまたは-CNである。
【請求項2】
前記化合物またはその薬学的に受理可能な塩が化学式Iaの化合物またはその薬学的に受理可能な塩である、請求項1記載の医薬品組成物
【化2】

ここでR、R、RおよびRは、Hである
およびRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシルは1から3のフッ素で任意に置換される;
YはNおよびCR11から選ばれる;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される;
ZはNとCR19から選ばれる;ここでR19はHまたは(C1-4)アルキルである;
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれる;
Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
13は-C(O)X、-CN、H、(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルから選択され、該(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルは任意に、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR16、C(O)-NR1617、S(O)-NR1617、CNおよびハロゲンから選択される1から3の置換基で任意に置換され;該(C1-4)アルキルオキシと(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換され;
XはOR8aとNR9a10aから選ばれる;
、R8a、R、R9a、R10およびR10aは、存在する場合には、それぞれ、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選択され;
16およびR17はそれぞれ、存在する場合には、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
ただし、ZはNであり、YはCR11であり、Aは任意に置換された6員芳香族環である場合、R13は-C(O)Xまたは-CNである。
【請求項3】
(i) RとRがHであり、および/または、
(ii) RH、およびハロゲンから選ばれ、および/または、
(iii) YはCR11であり、R11は、H、およびハロゲンから選ばれ、および/または、
(iv) R19は、存在する場合にはHである、および/または、
(v) R12は、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される、および/または、
(vi) R13は-C(O)X、-CN、H、メチル、エチル、およびメトキシメチルから選択され、任意にR13は-C(O)Xおよび-CNから選択される、および/または、
(vii) Aは任意に、1から3の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される、任意にAは6員芳香族環、1または2のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれる;Aは任意に、1から3の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される;および/または、
(viii) R13はHではない、
請求項1または2記載の医薬品組成物
【請求項4】
前記化合物またはその薬学的に受理可能な塩が以下の化合物またはその薬学的に受理可能な塩から選択される、請求項1記載の医薬品組成物
メチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
エチル 1-[(ベンジルカルバモイル)メチル]-3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
メチル 1-[(ベンジルカルバモイル)メチル]-3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボン酸;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボン酸;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N,N-ジメチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-シアノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]-N-(3-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(3-フルオロベンジル)-2-[5-メチル-3-(ピリジニ-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]アセトアミド;
N-ベンジル-2-[3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾル-1-イル]アセトアミド;
2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-シアノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]-N-(3-メトキシベンジル)アセトアミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-イソプロピル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N,N-ジメチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-(2-メトキシエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-(2-メトキシエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-シクロヘキシル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
エチル 3-(4-クロロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート;
メチル 1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-3-(3-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;
エチル 3-(4-クロロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-({[(1H-インダゾール-5-イル)メチル]カルバモイル}メチル)-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
N-[(1H-イミダゾール-5-イル)メチル]-2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]アセトアミド;
2-[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル]-N-(3,5-ジクロロベンジル)アセトアミド;
メチル 3-(4-シアノフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-シアノフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド。
【請求項5】
式IIの化合物またはその薬学的に受理可能な塩:
【化3】

式中、R、R、RおよびRは、Hである
およびRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される;
、RおよびR10はそれぞれ、存在する場合には、H、および(C1-6)アルキルから独立して選ばれる;該(C1-6)アルキルはフッ素、OHおよび(C1-4)アルキルオキシから独立して選ばれた1つ以上の基で任意に置換される;
YはNおよびCR11から選ばれる;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1以上のフッ素で任意に置換される;
WとZはそれぞれ、NとCR19から独立して選ばれる;ここでR19はHまたは(C1-4)アルキルである;
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環、10員の縮合2環芳香族環システム、1から3のNを含む複素芳香族環システム、およびO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む9員の縮合2環複素芳香族環システムから選ばれる;
Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換される;
18は-C(O)X、および-CNから選択され;
XはOR8aとNR9a10aから選ばれる;
8aとR9aおよびR10aは、存在する場合には、それぞれ、H、(C1-6)アルキルから独立に選択され、該(C1-6)アルキルは、フッ素、OHおよび(C1-4)アルキルオキシから独立して選ばれた1つ以上の基で任意に置換される;
ここで、YがNであり、Aが6員複素芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、またはO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環であり、ここでAは先に定義されたように任意に置換される場合、R18は、さらにH、(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルから選ばれることができ、該(C1-6)アルキルおよび(C3-7)シクロアルキルは、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16、S(O)-NR1617、CNとハロゲンから選ばれた1つ以上の置換基で任意に置換されることができ、該(C1-4)アルキルオキシ、および(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換されることができる;
16およびR17はそれぞれ、存在する場合、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれることができる
【請求項6】
前記の化合物またはその薬学的に受理可能な塩が化学式IIaの化合物またはその薬学的に受理可能な塩である、請求項5記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩:
【化4】

式中、R、R、RおよびRは、Hである
およびRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される;
YはNおよびCR11から選ばれる;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される;
ZはNとCR19から選ばれる;ここでR19はHまたは(C1-4)アルキルである;
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、およびO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれる; Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
18は-C(O)X、および-CNから選択され、
XはOR8aとNR9a10aから選ばれる;
、R8a、R、R9a、R10およびR10aは、存在する場合には、それぞれ、H、(C1-4)アルキルから独立して選択される;
YがNである場合、R18は、さらにH、(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルから選ばれることができ、該(C1-6)アルキルおよび(C3-7)シクロアルキルは、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16、S(O)-NR1617、CNとハロゲンから選ばれた1から3の置換基で任意に置換されることができ、該(C1-4)アルキルオキシ、および(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換されることができる;
16およびR17はそれぞれ、存在する場合、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる。
【請求項7】
前記の化合物またはその薬学的に受理可能な塩が化学式IIIまたは式IVの化合物またはその薬学的に受理可能な塩である、請求項5記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩:
【化5】

式中、R、R、RおよびR、Hである;
およびRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される;
XはOR8a、およびNR9a10aから選択され;
YはNおよびCR11から選ばれる;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される;
WとZはそれぞれNとCR19から独立して選ばれ、R19はHまたは(C1-4)アルキルである;
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、またはO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環であるか、またはAは10員の縮合2環芳香族環システムまたは1から3のNを含む複素芳香族環システム、およびO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む9員の縮合2環複素芳香族環システムから選ばれる;
Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
、R、およびR10はそれぞれ、存在する場合には、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
8a、R9a、およびR10aはそれぞれ、存在する場合には、Hおよび(C1-6)アルキルから独立して選ばれる;該(C1-6)アルキルは、フッ素、OH、および(C1-4)アルキルオキシから独立して選ばれる1以上の置換基で任意に置換される、
任意に、化合物またはその薬学的に受理可能な塩は化学式IIIaまたは式IVaの化合物またはその薬学的に受理可能な塩である、
【化6】

式中、R、R、RおよびRは、Hである
とRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される;
XはOR8aとNR9a10aから選ばれる;
YはNとCR11から選ばれる;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される;
ZはNとCR19から選ばれる;ここでR19はHまたは(C1-4)アルキルである;
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれる;Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
また、R、R8a、R、R9a、R10およびR10aはそれぞれ、存在する場合、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる。
【請求項8】
前記の化合物またはその薬学的に受理可能な塩が化学式Vの化合物またはその薬学的に受理可能な塩である、請求項5から7のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩:
【化7】

式中、R、R、RおよびRは、Hである
とRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される;
12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選ばれる;該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される;
ZはNとCR19から選ばれる。ここでR19はHまたは(C1-4)アルキルである;
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれる;
Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
18は-C(O)X、CN、H、(C1-6)アルキル、または(C3-7)シクロアルキルであり、該(C1-6)アルキルと(C3-7)シクロアルキルは、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16、S(O)-NR1617、CN、およびハロゲンから選択される1から3の置換基で任意に置換されることができ、該(C1-4)アルキルオキシと(C1-4)アルキルスルホニルは任意に1から3のフッ素で置換されることができる;
XはOR8aとNR9a10aから選ばれる;
、R8a、R、R9a、R10およびR10aはそれぞれ、存在する場合、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
16およびR17はそれぞれ、存在する場合、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる。
【請求項9】
(i) RおよびRがHであり、および/または、
(ii) Rは、H、およびハロゲンから選ばれ、および/または、
(iii) R19が、存在する場合には、Hである、および/または、
(iv) YはCR 11 であり、R 11 はH、およびハロゲンから選ばれ、および/または、
(v) R12は(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される、
請求項5から8のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
【請求項10】
(i) Aは任意に、1から3の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される、任意に、Aは6員芳香族環、1または2のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれ;
Aは任意に、1から3の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される、Aは任意に、1から3の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換されたフェニル環であり、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される、または
(ii) Aは、
【化8】

式中、R20はそれぞれ水素、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選択され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換されることができる、任意に、R20はそれぞれ水素、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから独立して選択され、該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換されることができる、および/または、1または2のR20は水素ではない、請求項5から9のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
【請求項11】
(i) (a) YはNであり、Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれ、Aは任意に置換され、R 18 は-C(O)X、-CN、H、メチル、エチル、およびメトキシメチルから選択される、または(b)R18は-C(O)Xであり、XはNR9a10aである、および/または、
(ii) 存在する場合には、XはOR8aおよびNR9a10aから選択され、Xの内部に存在する場合にはR8a、R9aおよびR10aはそれぞれ独立にHおよび(C1-2)アルキルから選択される、
請求項5から10のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
【請求項12】
存在する場合には、XはNH、NH(C1-6)アルキル、NH((C1-2)アルキルオキシ(C1-2)アルキル)、N((C1-2)アルキル)またはO((C1-2)アルキル)である、請求項5、8から10のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
【請求項13】
以下の化合物またはその薬学的に受理可能な塩から選択される、請求項5記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩;
メチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
エチル 1-[(ベンジルカルバモイル)メチル]-3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
メチル 1-[(ベンジルカルバモイル)メチル]-3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボン酸;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボン酸;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル(カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド);
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N,N-ジメチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-シアノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]-N-(3-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(3-フルオロベンジル)-2-[5-メチル-3-(ピリジン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]アセトアミド;
2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-シアノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]-N-(3-メトキシベンジル)アセトアミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-イソプロピル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N,N-ジメチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-(2-メトキシエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-(2-メトキシエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-シクロヘキシル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
エチル 3-(4-クロロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート;
メチル 1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-3-(3-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;
エチル 3-(4-クロロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-({[(1H-インダゾール-5-イル)メチル]カルバモイル}メチル)-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
メチル 3-(4-シアノフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-シアノフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド。
【請求項14】
請求項5から13のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩、および薬学的に受理可能な補形薬を含む、細胞内の環式AMP過剰シグナリングにより媒介される疾病または病気の治療または予防のために使用される医薬品組成物。
【請求項15】
以下により引き起こされる細胞内の環式AMP過剰シグナリングにより媒介される疾病または病気の治療または予防のために使用される、請求項1から4、14のいずれか1項記載の医薬品組成物;
a. 腺腫によって生産された過度のホルモンレベル;
b. Gタンパク質と組み合わされたレセプター(GPCR)中の機能獲得型の遺伝子突然変異;
c. Gタンパク質Gsのα-サブユニットをコード化する、GNAS1遺伝子内の活性化突然変異;または
d.細菌毒素、
任意に、病気は、
a.癌、任意に、前立腺癌;
b.下垂体腺腫、クッシング病、腎多嚢胞病または多嚢胞性肝疾患;
c. 甲状腺機能亢進症、ヤンセン骨幹端軟骨異形成症、上皮小体機能亢進症または家族性男性限定性早熟症;
d. マックーン-オルブライト症候群;
e. コレラ、百日咳、炭疽菌または結核;
f. HIV、AIDSまたは分類不能型免疫不全(CVID);
g. 黒色腫、膵臓癌、白血病、前立腺癌、副腎皮質の腫瘍、精巣癌、原発性色素性結節状副腎皮質病変(PPNAD)またはカ-ニ-複合;
h. 常染色体優性多発性嚢胞腎症(ADPKD)または常染色体劣性多発性嚢胞腎症(ARPKD);
i.ヤングタイプ5の成人発症型糖尿病(MODY5);または
j. 心臓肥大である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野
本発明は本明細書に記載された化合物に関する。これは、長鎖形体サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ-4(PDE4)酵素(long form cyclic nucleotide phosphodiesterase-4 (PDE4) enzymes)(アイソフォーム)の活性化体(activators)である。本発明はこれらの活性化体の治療での使用にも関する。特に、本発明は、環式3’,5’-アデノシン一燐酸(cAMP)によって媒介された二次伝達物質応答の低減を要求する病気の治療または予防のための方法での使用のためのこれらの活性化体化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
環式3’,5’-アデノシン一燐酸「cAMP」は、ほとんどの動物およびヒト細胞中の様々なホルモン、神経伝達物質および他の細胞外の生物学の要因の細胞の影響の形質導入に関係する重大な細胞内の生化学的メッセンジャーである。cAMPの細胞内の濃度は、その生産速度と分解速度の間の相対的なバランスによってコントロールされる。cAMPはアデニリルシクラーゼ上科(superfamily)の生合成酵素によって生成され、サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDE)上科のメンバーによって分解される。PDE上科のあるメンバー(たとえばPDE4)は、特異的にcAMPを分解する。一方、他のものは、特異的に環状グアノシンモノホスフェート(cGMP)を分解するか、またはcAMPとcGMPの両方を分解する。PDE4酵素はcAMPを不活性化し、cAMPを5’-AMPに加水分解することにより、その信号を終了する(Lugnier, C. Pharmacol Ther. 109: 366-398, 2006)。
【0003】
4つのPDE4遺伝子(PDE4A、PDE4B、PDE4CおよびPDE4D)が識別されている。その各々は代替プロモータおよびmRNAのスプライシングの使用を通じて多くの異なる酵素アイソフォームをコード化する。それらの一次構造に基づいて、触媒的に活性なPDE4スプライスバリエントは「長鎖」形式、「短鎖」形式または「超短鎖(super-short)」形式として分類することができる(Houslay, M.D. Prog Nucleic Acid Res Mol Biol. 69: 249-315, 2001)。「デッドショート(dead short)」形式もさらに存在する。それは触媒的に活性ではない(Houslay, M.D., Baillie, G.S. and Maurice, D.H. Circ Res. 100: 950-66, 2007)。PDE4の長鎖形体は、それらのアイソフォームに特有のN末端部分と触媒領域の間に位置する、上流保存領域(upstream conserved regions)1および2(UCR1とUCR2)と呼ばれる2つの調節領域を持っている。UCR1領域は短鎖形体には無く、超短鎖形体はUCR1を欠くだけでなく、トランケートされたUCR2領域を有する(Houslay, M.D., Schafer, P. and Zhang, K. Drug Discovery Today 10: 1503-1519, 2005)。
【0004】
短鎖形体(short form)ではなくPDE4長鎖形体は、細胞内の二量体へ関連づけられる(Richter, W and Conti, M. J. Biol. Chem. 277: 40212-40221, 2002; Bolger, G. B. et al., Cell. Signal. 27: 756-769, 2015)。小分子によるPDE4長鎖形体の提案された陰性のアロステリックな変性が報告された(Burgin A. B. et al., Nat. Biotechnol. 28: 63-70, 2010; Gurney M. E. et al., Handb. Exp. Pharmacol. 204: 167-192, 2011)。
【0005】
PDE4長鎖形体が、内因的な細胞メカニズム、たとえば燐酸化(MacKenzie, S. J. et al., Br. J. Pharmacol. 136: 421-433, 2002)およびフォスファチジン酸(Grange et al., J. Biol. Chem. 275: 33379-33387, 2000)によって活性化されることができることが当該技術分野で知られている。その正確なシーケンスがPDE4Dの上流保存領域1の一部を反映する57のアミノ酸タンパク質(「UCR1C」と呼ばれる;UCR1Cのシーケンスはアミノ酸80-136を反映し、一方UCRはアミノ酸17-136である:ナンバリングはPDE4D3長鎖アイソフォームに基づいた)の異所的発現によるPDE4長鎖形体の活性化が最近報告された(Wang, L. et al., Cell. Signal. 27: 908-922, 2015:「UCR1Cはホスホジエステラーゼ4(PDE4)の長鎖アイソフォームの新規な活性化体であり、また心筋細胞肥大を減ずる」)。著者は、心臓肥大を防ぐために、潜在的な治療の戦略としてPDE4活性化が使用されるかもしれないとの仮説を立てた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
PDE4長鎖形体の活性化体として働く小分子は開示されていない。製造と配合の容易さ、薬物動態学の改良された特性をはじめとした多くの理由で小分子活性化体は望ましい。
【0007】
治療方法、治療方法、および特定の疾患治療または予防方法で使用される少なくとも1つのPDE4の長鎖形体の小分子活性化体を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の最初の態様では、治療で使用される化合物が提供される。そこでは化合物は化学式Iの化合物またはその薬学的に受理可能な塩である:
【0009】
【化1】
【0010】
式中、R、R、RおよびRは、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
およびRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換される;
、RおよびR10はそれぞれ、存在する場合には、H、および(C1-6)アルキルから独立して選ばれる;該(C1-6)アルキルはフッ素、OHおよび(C1-4)アルキルオキシから独立して選ばれた1つ以上の基で任意に置換される
YはNおよびCR11から選ばれる;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換される;
WとZはそれぞれ、NとCR19から独立して選ばれる。ここでR19はHまたは(C1-4)アルキルである;
【0011】
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環、10員の縮合2環芳香族環システムまたは1から3のNを含む複素芳香族環システム、およびO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む9員の縮合2環複素芳香族環システムから選ばれる;
Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換される;
13は-C(O)X、-CN、H、(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルから選択され、該(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルは任意に、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16、S(O)-NR1617、CNおよびハロゲンから選択される1以上の置換基で置換され;該(C1-4)アルキルオキシと(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換され;
XはOR8aとNR9a10aから選ばれる;
8aとR9aおよびR10aは、存在する場合には、それぞれ、H、(C1-6)アルキルから選択され、該(C1-6)アルキルは、フッ素、OHおよび(C1-4)アルキルオキシから独立して選ばれた1つ以上の基で任意に置換され;
16およびR17はそれぞれ、存在する場合には、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
【0012】
ただし;
(i)ZがNである場合、WはNであり、YはCR11であり、Aは任意に置換された6員芳香族環である;または、
(ii)Aは任意に置換された縮合10員2環芳香族環システム、または1から3のNを含む複素芳香族環、又は任意に置換された、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む9員の縮合2環複素芳香族環システムであり、
13は-C(O)Xまたは-CNである。
【0013】
発明の実施態様では、治療で使用される化合物が提供される。そこでは化合物は式Iaを有する化合物またはその薬学的に受理可能な塩である:
【0014】
【化2】
【0015】
ここでR、R、RおよびRは、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
およびRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換される;
YはNおよびCR11から選ばれる;R11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
ZはNとCR19から選ばれる。ここでR19はHまたは(C1-4)アルキルである;
【0016】
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれる;
Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
13は-C(O)X、-CN、H、(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルから選択され、該(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルは任意に、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される1から3の置換基で置換され;該(C1-4)アルキルオキシと(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換され;
XはORaとNR9a10aから選ばれる;
、R8a、R、R9a、R10およびR10aは、存在する場合には、それぞれ、Hおよび(C1-4)アルキルから選択され;
16およびR17はそれぞれ、存在する場合には、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
ただし、ZがNである場合、YはCR11であり、Aは任意に置換された6員芳香族環であり、R13は-C(O)Xまたは-CNである。
【0017】
発明の第2の態様では、式IIの化合物またはその薬学的に受理可能な塩が提供される:
【0018】
【化3】
【0019】
式中、R、R、RおよびRは、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
およびRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換される;
、RおよびR10はそれぞれ、存在する場合には、H、および(C1-6)アルキルから独立して選ばれる;該(C1-6)アルキルはフッ素、OHおよび(C1-4)アルキルオキシから独立して選ばれた1つ以上の基で任意に置換される;
YはNおよびCR11から選ばれる;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換される;
WとZはそれぞれ、NとCR19から独立して選ばれる;ここでR19はHまたは(C1-4)アルキルである;
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環、10員の縮合2環芳香族環システムまたは1から3のNを含む複素芳香族環システム、およびO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む9員の縮合2環複素芳香族環システムから選ばれる;
【0020】
Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換される;
18は-C(O)X、および-CNから選択され、XはOR8aとNR9a10aから選ばれる;
8aとR9aおよびR10aは、存在する場合には、それぞれ、H、(C1-6)アルキルから選択され、該(C1-6)アルキルは、フッ素、OHおよび(C1-4)アルキルオキシから独立して選ばれた1つ以上の基で任意に置換される。
ここで、YがNで、Aが6員複素芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、またはO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環である時、Aは先に定義されたように任意に置換される。
18は、さらにH、(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルからさらに選ばれることができ、該(C1-6)アルキルおよび(C3-7)シクロアルキルは、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16、S(O)-NR1617、CNとハロゲンから選ばれた1つ以上の置換基で任意に置換されることができ、該(C1-4)アルキルオキシ、および(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換されることができる;
また、R16およびR17はそれぞれ、存在する場合、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれることができる。
【0021】
発明の実施態様では、化学式IIaの化合物またはその薬学的に受理可能な塩が提供される:
【0022】
【化4】
【0023】
式中、R、R、RおよびRは、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
およびRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
YはNおよびCR11から選ばれる;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
ZはNとCR19から選ばれる。ここでR19はHまたは(C1-4)アルキルである;
【0024】
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、およびO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれる; Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
18は-C(O)X、および-CNから選択され、XはOR8aとNR9a10aから選ばれる;
、R8a、R、R9a、R10およびR10aは、存在する場合には、それぞれ、H、(C1-4)アルキルから選択される;
YがNである場合、R18は、さらにH、(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルからさらに選ばれることができ、該(C1-6)アルキルおよび(C3-7)シクロアルキルは、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16、S(O)-NR1617、CNとハロゲンから選ばれた1から3の置換基で任意に置換されることができ、該(C1-4)アルキルオキシ、および(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換されることができる;
また、R16およびR17はそれぞれ、存在する場合、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる。
【0025】
ここに記述された化学式IIまたはIIaの化合物の任意の態様または実施態様では、R18は好ましくは-C(O)Xまたは-CNである。従って、本発明は、さらにR18が-C(O)Xまたは-CNで、他のすべての部分が先に定義された通りである化学式IIの化合物を提供する。例えば、本発明は、化学式IIの化合物の1種を提供する。そこでは化合物は化学式IIIまたは化学式IVの化合物またはその薬学的に受理可能な塩である:
【0026】
【化5】
【0027】
式中、R、R、RおよびRは、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
およびRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;XはR8a、およびNR9a10aから選択され;
YはNおよびCR11から選ばれる;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;WとZはNとCR19から独立して選ばれ、R19はHまたは(C1-4)アルキルである。
【0028】
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環、10員の縮合2環芳香族環システムまたは1から3のNを含む複素芳香族環システム、およびO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む9員の縮合2環複素芳香族環システムから選ばれる;
Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
、R8a、R、R9a、R10およびR10aはそれぞれ、存在する場合には、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる。
【0029】
例えば、本発明は、化学式IIの化合物の1種を提供する。そこでは化合物は化学式IIIaまたは化学式IVaの化合物またはその薬学的に受理可能な塩を提供する:
【0030】
【化6】

【0031】
式中、R、R、RおよびRは、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
とRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
XはOR8aとNR9a10aから選ばれる;
YはNとCR11から選ばれる;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
ZはNとCR19から選ばれる。ここでR19はHまたは(C1-4)アルキルである;
【0032】
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれる;
Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
また、R、R8a、R、R9a、R10およびR10aはそれぞれ、存在する場合、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる。
【0033】
ここに記述された化学式IIまたはIIaの化合物の任意の態様または実施態様では、YはNであることができる。したがって、例えば、その発明は、さらに化学式IIの化合物の1種に関し、化学式Vの化合物またはその薬学的に受理可能な塩に関する;
【0034】
【化7】
【0035】
式中、R、R、RおよびRは、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
とRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
ZはNとCR19から選ばれる。ここでR19はHまたは(C1-4)アルキルである;
【0036】
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれる;
Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
18は-C(O)X、CN、H、(C1-6)アルキル、または(C3-7)シクロアルキルであり、該(C1-6)アルキルと(C3-7)シクロアルキルは、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16、S(O)-NR1617、CN、およびハロゲンから選択される1から3の置換基で任意に置換されることができ、該(C1-4)アルキルオキシと(C1-4)アルキルスルホニルは任意に1から3のフッ素で置換されることができる;
XはOR8aとNR9a10aから選ばれる;
、R8a、R、R9a、R10およびR10aはそれぞれ、存在する場合、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
また、R16およびR17はそれぞれ、存在する場合、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる。
【0037】
実施例に示された式IからVの化合物はPDE4長鎖形体酵素を活性化する。
【0038】
1つの態様では、本発明は、治療に使用されるための式IからVの化合物を提供する。別の実施態様では、療法は、細胞内cAMP過剰シグナリングにより媒介される疾病または病気の治療または予防である。これらの疾病の中で、環式3’,5’-アデノシン一燐酸(cAMP)によって媒介される二次伝達物質反応の低減は治療上の利点を提供するだろう。さらに、その必要のある患者への式IからVの化合物の有効な量の化合物を適用するステップを含む、細胞内cAMPの過剰シグナリングにより媒介された病気または疾病を治療または予防する方法が提供される。さらに、細胞内cAMPの過剰シグナリングにより媒介された病気または疾病を治療または予防するための医薬品の製造における式IからVの化合物の使用が提供される。
【0039】
式-IからVの化合物は薬学的に受理可能な補形薬を含む医薬品組成物として提供することができる。
【0040】
先の態様のある実施態様では、甲状腺機能亢進症、ヤンセン骨幹端軟骨異形成症、上皮小体機能亢進症、家族性男性限定性早熟症、脳下垂体の腺腫、クッシング病、腎多嚢胞病、多嚢胞性肝疾患、マックーン-オルブライト症候群、コレラ、百日咳、炭疽菌、結核、HIV、AIDS、分類不能型免疫不全(CVID)、黒色腫、膵臓癌、白血病、前立腺癌、副腎皮質の腫瘍、精巣癌、原発性色素性結節状副腎皮質病変(primary pigmented nodular adrenocortical disease:PPNAD)、カ-ニ-複合、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)、常染色体劣性多発性嚢胞腎症(ARPKD)、ヤングタイプ5の成人発症型糖尿病(MODY5)または心臓肥大から選ばれた症状の治療または予防のために本発明の化合物は提供される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、実験1、プロトコルAに述べられた方法を使用して、(a)実施例2によるPDE4長鎖形体、PDE4D5の投与量依存性の活性化、および(b)実施例2によるPDE4短鎖形体、PDE4B2の活性化の欠如を示し、PDE4短鎖形体よりもPDE4長鎖形体で大きい活性化の選択性を実証する。
図2図2は、実験2に述べられた方法を使用して、PDE4長鎖形体活性化体、実施例1の化合物(10μM)で10分間処理した後、2分間、ホルスコリン(F)(10μM)で処理されたMDCK細胞中の細胞内のcAMPレベルの低下を示す。
図3図3は、実験3、プロトコルD に述べられた方法を使用して、実施例28の、PDE4長鎖形体活性化体で処理されたMDCK細胞の3D培地での嚢胞形成の抑制を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
発明の詳細な説明
本発明は、PDE4酵素の長鎖アイソフォームを活性化することができる、新しい化合物の同定に基づく。化合物は小分子で、したがって、大きな生体分子、たとえばポリペプチド、タンパク質または抗体より簡単で、より安く、製造および調剤できると予想される。例において実証されるように、化合物は化学的に合成することができる。例は、式IからVの多くの化合物がPDE4の長鎖アイソフォームを活性化することができることを実証する。例は、本発明の試験されたある化合物について以下を例示する:PDE4の短鎖形体を活性化しない。そのためにPDE4短鎖形体よりもPDE4長鎖形体を選択的に活性化する。実施例は、PDE4長鎖形体活性化体が細胞分析でのcAMPレベルを下げることをさらに実証する。
【0043】
発明の様々な実施態様がここに記述される。各実施態様中で特定された特徴は、さらに他の特定された特徴と組み合わされて他の実施態様を提供することが認識されるだろう。
【0044】
発明の第1の態様は、療法での使用のための、上に述べられた化学式Iの化合物、またはその薬学的に受理可能な塩を提供する。
【0045】
化学式Iの化合物の実施態様では、WおよびZはそれぞれ独立してNとCR19から選ばれ、R19はHかまたは(C1-4)アルキルである。化学式Iの化合物の実施態様では、WおよびZはそれぞれ独立してNとCHから選ばれる。実施態様では、WとZの少なくとも1つはNである。化学式Iの化合物の実施態様では、WおよびZは両方ともNであるか、または、WがNでありZはCR19である。別の実施態様では、ZはNであり、WはCR19である。残りの部位は、化学式IまたはIaの任意の態様または実施態様のために定義された通りである。
【0046】
実施態様の中で、化学式Iの化合物は以下の化合物であることができる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換される;
13は-C(O)X、-CN、H、(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルから選択され、該(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルは任意に、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16、S(O)-NR1617、CNおよびハロゲンから選択される1以上の置換基で置換され;該(C1-4)アルキルオキシと(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換され;
【0047】
Aは(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれる1から5の置換基で置換されることができ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
、RおよびR10はそれぞれ、存在する場合、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
また、残りの部分は、ここに記述した化学式Iの任意の態様または実施態様において定義された通りである;
ただし:
(i)ZがNである場合、WはNであり、YはCR11であり、Aは任意に置換された6員の芳香族環である;または、
(ii)Aは10員の縮合2環芳香族環システム、1から3のNを含む複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む9員の縮合2環芳香族環システムであり、R13は-C(O)Xまたは-CNである。
【0048】
化学式IまたはIaの化合物では、R、R、RおよびRは、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる。化学式IまたはIaの化合物の実施態様では、R、R、RおよびRはHである。残りの部分は、ここに記述した化学式IおよびIaの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0049】
化学式IまたはIaの化合物では、RとRは、HとFから独立して選ばれる。化学式IまたはIaの化合物の実施態様では、RとRはHである。さらなる実施態様では、R、R、R、R、RおよびRは、Hである。残りの部分は、ここに記述した化学式IおよびIaの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0050】
化学式Iの化合物の中で、RはH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1以上(好ましくは1から3)のフッ素で任意に置換される;
そこでは、R、RおよびR10はここに定義された通りである。
化学式Iaの化合物では、RはH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
そこでは、R、RおよびR10はここに定義された通りである。
【0051】
上に記述された実施態様のすべてを含む化学式IまたはIaの化合物のさらなる実施態様では、RはH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシは上記のように、すなわち1から3のフッ素で任意に置換される;一層の実施態様では、RはHまたはハロゲンである。一層の実施態様では、RはHである。残りの部分は、ここに記述した化学式IおよびIaの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0052】
化学式IまたはIaの化合物では、YはNとCR11から選ばれる。R11はここに定義された通りである。上に記述された実施態様のすべてを含む化学式IまたはIaの化合物のさらなる実施態様では、YはCR11である。一層の実施態様では、YはCR11である。また R11は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される;一層の実施態様では、YはCR11である。また、R11はHまたはハロゲンである。好ましくは、RはHであり、YはCR11であり、R11はHまたはハロゲンである。残りの部分は、ここに記述した化学式IおよびIaの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0053】
化学式IまたはIaの化合物では、R19は、存在する場合にはHかまたは(C1-4)アルキルであり、好ましくはHである。残りの部分は、ここに記述した化学式IおよびIaの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0054】
化学式IまたはIaの化合物では、ZはNとCR19から選ばれる。そこではR19はHかまたは(C1-4)アルキルである。先に記述された実施態様のすべてを含む化学式IまたはIaの化合物の一層の実施態様では、ZはNまたはCHである。残りの部分は、ここに記述した化学式IおよびIaの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0055】
先に記述された実施態様のすべてを含む化学式IまたはIaの化合物の一層の実施態様では、YはCR11でZはNであるか、YはCR11でありZはCHであるか、YおよびZが両方ともNであるか、またはYはNでありZはCHである。R11はここに定義された通りである。一層の実施態様では、YはCR11でありZはNまたはCH、好ましくはNである。R11はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンであり、該(C1-4)アルキルおよび(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される。一層の実施態様では、R11はHまたはハロゲンである。一層の実施態様では、YはCHでありZはCHであるか、YはCHであり、ZはNである。残りの部分は、ここに記述した化学式IおよびIaの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0056】
化学式Iの化合物で、R12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1以上(好ましくは1から3)のフッ素で任意に置換される。化学式Iaの化合物では、R12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;先に記述された実施態様のすべてを含む化学式IまたはIaの化合物の一層の実施態様では、R12は、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシは上記の置換基、たとえば1から3のフッ素で任意に置換される;残りの部分は、ここに記述した化学式IおよびIaの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0057】
化学式Iの化合物では、Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環、10員の縮合2環芳香族環システムまたは1から3のNを含む複素芳香族環システム、およびO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む9員の縮合2環複素芳香族環システムから選ばれる;Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1以上(好ましくは1から3)のフッ素で任意に置換される。化学式Iaの化合物では、Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれる;Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される。
【0058】
先に記述された実施態様のすべてを含む化学式IまたはIaの化合物の一層の実施態様では、Aは任意に、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される1から3の置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは、たとえば1から3のフッ素である任意の置換基で置換される。一層の実施態様では、Aは任意に、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選択される1から3の置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシは、たとえば1から3のフッ素である任意の置換基で置換される。残りの部分は、ここに記述した化学式IおよびIaの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0059】
先に記述された実施態様のすべてを含む化学式IまたはIaの化合物の一層の実施態様ではAは6員芳香族環、1または2のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれる;Aは任意に、1から3の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される。一層の実施態様では、Aは任意に、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選択される1から3の置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシは、たとえば1から3のフッ素である任意の置換基で置換される。残りの部分は、ここに記述した化学式IおよびIaの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0060】
先に記述された実施態様のすべてを含む化学式IまたはIaの化合物の一層の実施態様では、Aはフェニル環であり、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される1から3の置換基で置換されることができ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される。残りの部分は、ここに記述した化学式IおよびIaの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0061】
一層の実施態様では、Aはフェニル環であり、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選択される1から3の置換基で置換されることができ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される。残りの部分は、ここに記述した化学式IおよびIaの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0062】
先に記述された実施態様のすべてを含む化学式IまたはIaの化合物の一層の実施態様では、Aは、
【0063】
【化8】
【0064】
式中、R20はそれぞれ水素、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選択され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換されることができる。一層の実施態様では、R20はそれぞれ水素、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから独立して選択され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換されることができる。一層の実施態様では、少なくとも1つのR20は水素ではない。一層の実施態様では、R20の1つまたは2つは水素ではない。化学式IまたはIa化合物の構造は、Aが
【0065】
【化9】
【0066】
である場合に、それぞれ
【0067】
【化10】
【0068】
と表すことができる。
【0069】
化学式Iの化合物で、R13は-C(O)X、-CN、H、(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルから選択され、該(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルは任意に、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16、 S(O)-NR1617、CNおよびハロゲンから選択される1以上の置換基で置換され;該(C1-4)アルキルオキシと(C1-4)アルキルスルホニルは1以上(好ましくは1から3)のフッ素で任意に置換される;
ただし:
(i)ZがNである場合、WはNであり、YはCR11であり、Aは任意に置換された6員の芳香族環である;または、(ii)Aは任意に置換された縮合10員2環芳香族環システム、1から3のNを含む複素芳香族環、またはO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む9員の縮合2環複素芳香族環であり、R13は-C(O)Xまたは-CNである。
【0070】
化学式Iaの化合物では、R13は-C(O)X、-CN、H、(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルから選択され、該(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルは任意に、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16、S(O)-NR1617、CNおよびハロゲンから選択される1から3の置換基で置換され;該(C1-4)アルキルオキシと(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;そこでは、X、R16およびR17は先に定義されたとおりであるが、ZがNである場合に、YはCR11であり、Aは任意に置換された6員芳香族環であり、R13は-C(O)Xまたは-CNである。先に記述された実施態様のすべてを含む化学式IまたはIaの化合物の一層の実施態様では、R13は、-C(O)X、-CN、H、メチル、エチルまたはメトキシメチルから選ばれる。一層の実施態様では、R13はHではない。一層の実施態様では、R13は-C(O)XまたはCNである。一層の実施態様では、R13は-C(O)Xである。また、Xは、OR8aまたはNR9a10aであり、R8a、R9aおよびR10aは、H、(C1-6)アルキルから選ばれ、該(C1-6)アルキルはフッ素、OHおよび(C1-4)アルキルオキシから独立して選ばれた1以上の基で任意に置換され、好ましくはR8a、R9aおよびR10aは、H、(C1-4)アルキル、またはHおよび(C1-2)アルキルから独立して選ばれる。
【0071】
一層の実施態様では、R13は-C(O)Xである。また、XはNR9a10aである。ここでR9aとR10aは上に定義された通りである。一層の実施態様では、R13は-C(O)Xであり、XはNH、NH(C1-6)アルキル、NH((C1-2)アルキルオキシ(C1-2)アルキル)、N((C1-2)アルキル)またはO((C1-2)アルキル)であり、たとえばR13は、-C(O)NH、-C(O)NHMe、-C(O)NMe、-C(O)OMe、-C(O)OEt、-C(O)NH(CH(CH)、-C(O)NHEt、-C(O)NH(CHCHOCH)、-C(O)NHシクロヘキシルである。
一層の実施態様では、R13は-C(O)Xであり、XはNH、NH(C1-2)アルキル、N((C1-2)アルキル)またはO(C1-2)アルキルであり、たとえばR13は、-C(O)NH2、-C(O)NHMe、-C(O)NMe2、-C(O)OMeまたは-C(O)OEtである。残りの部分は、ここに記述した化学式IおよびIaの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0072】
実施態様では、化学式Iの化合物は次のものから選ばれる:
メチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
エチル 1-[(ベンジルカルバモイル)メチル]-3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
メチル 1-[(ベンジルカルバモイル)メチル]-3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボン酸;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボン酸;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N,N-ジメチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-シアノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]-N-(3-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(3-フルオロベンジル)-2-[5-メチル-3-(ピリジニ-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]アセトアミド;
N-ベンジル-2-[3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾル-1-イル]アセトアミド;
2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-シアノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]-N-(3-メトキシベンジル)アセトアミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-イソプロピル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N,N-ジメチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-(2-メトキシエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-(2-メトキシエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-シクロヘキシル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
エチル 3-(4-クロロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート;
メチル 1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-3-(3-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;
エチル 3-(4-クロロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-({[(1H-インダゾール-5-イル)メチル]カルバモイル}メチル)-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
N-[(1H-イミダゾール-5-イル)メチル]-2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]アセトアミド;
2-[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル]-N-(3,5-ジクロロベンジル)アセトアミド;
メチル 3-(4-シアノフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-シアノフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
またはその薬学的に受理可能な塩類。
【0073】
発明の第2の態様は、上に述べられた化学式II、IIa、III、IIIa、IV、IVa、またはVの化合物、またはその薬学的に受理可能な塩を提供する。
【0074】
式IIからVの化合物では、R、R、R3、およびR4はHおよび(C1-4)アルキルから独立に選択される。式IIからVの化合物の実施態様では、R、R、R3、およびR4はHである。残りの部位は、化学式IIからVの任意の態様または実施態様のために定義された通りである。
【0075】
化学式IIの化合物では、WおよびZはそれぞれ独立してNとCR19から選ばれ、R19はHかまたは(C1-4)アルキルである。化学式Iiの化合物の実施態様では、WおよびZはそれぞれ独立してNとCHから選ばれる。実施態様では、WとZの少なくとも1つはNである。化学式Iの化合物の実施態様では、WおよびZは両方ともNであるか、または、WがNでありZはCR19である。別の実施態様では、ZはNであり、WはCR19である。残りの部位は、化学式IIからVの任意の態様または実施態様のために定義された通りである。
【0076】
実施態様の中で、化学式IIの化合物は以下の化合物であることができる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;R、RおよびR10はそれぞれ、存在する場合には、H、および(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;R11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
【0077】
Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;ここで、YがNで、Aが6員複素芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、またはO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環である時、Aは先に定義されたように任意に置換される。R18は、さらにH、(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルからさらに選ばれることができ、該(C1-6)アルキルおよび(C3-7)シクロアルキルは、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16、S(O)-NR1617、CNとハロゲンから選ばれた1から3の置換基で任意に置換されることができ、該(C1-4)アルキルオキシ、および(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換されることができる。残りの部位は、化学式IIの任意の態様または実施態様のために定義された通りである。
【0078】
式IIからVの化合物では、RとRは独立にHとFから選択される。式IIからVの化合物の実施態様では、RとRはHである。さらなる実施態様では、R、R、R、R、RおよびRはHである。残りの部位は、化学式IIからVの任意の態様または実施態様のために定義された通りである。
【0079】
化学式IIの化合物の中で、RはH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換される;そこでは、R、RおよびR10はここに定義された通りである。化学式IIa、III、IIIa、IV、IVa、またはVの化合物では、RはH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;そこでは、R、RおよびR10はここに定義された通りである。
上に記述された実施態様のすべてを含む化学式IIからVの化合物のさらなる実施態様では、RはH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される;一層の実施態様では、RはHまたはハロゲンである。一層の実施態様では、RはHである。残りの部分は、ここに記述した化学式IIからIVの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0080】
化学式IIからIVの化合物では、YはNとCR11から選ばれる。そこではR11はここに定義された通りである。上に記述された実施態様のすべてを含む化学式IIからIVの化合物のさらなる実施態様では、YはCR11である。一層の実施態様では、YはCR11である。また R11は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される;一層の実施態様では、YはCR11である。また、R11はHまたはハロゲンである。好ましくは、RはHである。YはCR11である。また、R11はHまたはハロゲンである。残りの部分は、ここに記述した化学式IIからVの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
化学式IIからVの化合物では、R19は、存在する場合にはHかまたは(C1-4)アルキルであり、好ましくはHである。残りの部分は、ここに記述した化学式IIからVの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0081】
化学式IIからVの化合物では、ZはNとCR19から選ばれる。そこではR19はHかまたは(C1-4)アルキルである。先に記述された実施態様のすべてを含む化学式IIからVの化合物の一層の実施態様では、ZはNまたはCHである。残りの部分は、ここに記述した化学式IIからVの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0082】
先に記述された実施態様のすべてを含む化学式IIからIVの化合物の一層の実施態様では、YはCR11でZはNであるか、YはCR11でありZはCHであるか、YおよびZが両方ともNであるか、またはYはNでありZはCHである。R11ここに定義された通りである。一層の実施態様では、YはCR11でありZはNまたはCH、好ましくはNである。R11はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキルおよび(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される。
一層の実施態様では、R11はHまたはハロゲンである。一層の実施態様では、YはCHでありZはCHであるか、YはCHであり、ZはNである。残りの部分は、ここに記述した化学式IIからVの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0083】
化学式IIの化合物で、R12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1以上(好ましくは1から3)のフッ素で任意に置換される。化学式IIa、III、IIIa、IV、IVa、またはVの化合物では、R12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;先に記述された実施態様のすべてを含む化学式IIからVの化合物の一層の実施態様では、R12は、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは上記の置換基、たとえば1から3のフッ素で任意に置換される;残りの部分は、ここに記述した化学式IIからVの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0084】
化学式II、III、またはIVの化合物では、Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環、10員の縮合2環芳香族環システムまたは1から3のNを含む複素芳香族環システム、およびO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む9員の縮合2環複素芳香族環システムから選ばれる;Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1以上(好ましくは1から3)のフッ素で任意に置換される。
【0085】
化学式IIa、IIIa、IVaまたはVの化合物では、Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれる;Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される。
【0086】
先に記述された実施態様のすべてを含む化学式IIからVの化合物の一層の実施態様では、Aは任意に、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される1から3の置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは、たとえば1から3のフッ素である任意の置換基で置換される。
【0087】
一層の実施態様では、Aは任意に、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選択される1から3の置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシは、たとえば1から3のフッ素である任意の置換基で置換される。残りの部分は、ここに記述した化学式IIからVの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0088】
先に記述された実施態様のすべてを含む化学式IIからVの化合物の一層の実施態様では、Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1または2のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれる;
Aは任意に、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される1から3の置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される。
【0089】
一層の実施態様では、Aは任意に、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、CNおよびハロゲンから選択される1から3の置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシは、たとえば1から3のフッ素である任意の置換基で置換される。
残りの部分は、ここに記述した化学式IIからVの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0090】
先に記述された実施態様のすべてを含む化学式IIからVの化合物の一層の実施態様では、Aはフェニル環であり、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換されることができ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される。
一層の実施態様では、Aはフェニル環であり、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選択される1から3の置換基で置換されることができ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される。残りの部分は、ここに記述した化学式IIからVの任意の態様または実施態様において定義された通りである。先に記述された実施態様のすべてを含む化学式IIからVの化合物の一層の実施態様では、Aは、
【0091】
【化11】
【0092】
式中、R20はそれぞれ水素、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選択され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換されることができる。一層の実施態様では、R20はそれぞれ水素、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから独立して選択され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換されることができる。一層の実施態様では、少なくとも1つのR20は水素ではない。一層の実施態様では、R20の1つまたは2つは水素ではない。残りの部分は、ここに記述した化学式IIからVの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0093】
化学式IIの化合物では、R18は-C(O)Xまたは-CNである、ここで、YはNで、Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれる;Aは任意に、先に定義されたように任意に置換される。R18は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキルから選ばれ、これらはOH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16、およびS(O)-NR1617、CNおよびハロゲンから選ばれる1以上(好ましくは1から3)の置換基で置換されることができ、該(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは任意に1以上(好ましくは1から3)のフッ素で置換される。ここで、X、R16およびR17はここに定義された通りである。
【0094】
化学式IIaの化合物では、R18は-C(O)Xまたは-CNである;
ここで、YがNである場合、R18は、H、(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルから選ばれることができ、該(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルは、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16,S(O)-NR1617、CNおよびハロゲンから選ばれた1から3の置換基で任意に置換されることができ、該(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換されることができる。ここで、X、R16およびR17はここに定義された通りである。化学式Vの化合物では、R18は-C(O)X、CN、H、(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルであり、該(C1-6)アルキルおよび(C3-7)シクロアルキルは、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16,S(O)-NR1617、CNおよびハロゲンから選ばれた1から3の置換基で任意に置換されることができ、該(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換されることができる。ここで、X、R16およびR17はここに定義された通りである。残りの部分は、ここに記述した化学式IIからVの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0095】
YがNである化学式IIの化合物の一層の実施態様、または上に記述された実施態様のすべてを含む化学式Vの化合物では、R18はH、メチル、エチルまたはメトキシメチルである。残りの部分は、ここに記述した化学式IIからVの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0096】
上に記述された実施態様のすべてを含む、化学式II、IIaまたはVの化合物の一層の実施態様では、R18はHではない。上に記述された実施態様のすべてを含む、化学式II、IIaまたはVの化合物の一層の実施態様では、R18は-C(O)Xおよび-CNから選ばれる。ここでXはここに定義された通りである。一層の実施態様では、R18は-C(O)Xである。また、XはNR9a10aである。残りの部分は、ここに記述した化学式IIからVの任意の態様または実施態様において定義された通りである。
【0097】
18が-C(O)Xである化学式II、IIaまたはVの化合物、または上に記述された実施態様のすべてを含む、化学式IIIまたはIIIaの化合物では、XはOR8aとNR9a10aから選ばれる。また、R8a、R9aおよびR10aはそれぞれここに定義された通りである。一層の実施態様では、Xは、OR8aまたはNR9a10aであり、ここでR8a、R9aおよびR10aは、H、(C1-6)アルキルから独立して選ばれる。該(C1-6)アルキルは、フッ素、OH、および(C1-4)アルキルオキシから独立に選ばれた1以上の置換基で任意に置換され、好ましくはR8a、R9aおよびR10aは、H、(C1-4)アルキル、またはHおよび(C1-2)アルキルから独立して選ばれる。
【0098】
一層の実施態様では、R18は-C(O)Xである。また、XはNR9a10aである。ここでR9aとR10aは上に定義された通りである。R18が-C(O)Xである化学式II、IIaまたはVの一層の実施態様、または化学式IIIまたはIIIaの化合物では、Xは、NH、NH((C1-6)アルキル)、NH((C1-2)アルキルオキシ(C1-2)アルキル)、N((C1-2)アルキル)2、またはO((C1-2)アルキル)であり、たとえばR18は、-C(O)NH2、-C(O)NHMe、-C(O)NMe、-C(O)OMe、-C(O)OEt、-C(O)NH(CH(CH)、-C(O)NHEt、-C(O)NH(CHCHOCH)、-C(O)NHシクロヘキシルである。
一層の実施態様では、R18は、-C(O)Xであり、ここでXはNH、NH((C1-2)アルキル)、N((C1-2)アルキル)、またはO((C1-2)アルキル)であり、たとえばR18は、-C(O)NH、-C(O)NHMe、-C(O)NMe、-C(O)OMeまたは-C(O)OEtである。
【0099】
化学式IIの化合物の実施態様では、化合物は次のものから選ばれる:
メチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
エチル 1-[(ベンジルカルバモイル)メチル]-3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
メチル 1-[(ベンジルカルバモイル)メチル]-3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボン酸;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボン酸;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル(カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド);
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N,N-ジメチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-シアノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]-N-(3-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(3-フルオロベンジル)-2-[5-メチル-3-(ピリジン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]アセトアミド;
2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-シアノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]-N-(3-メトキシベンジル)アセトアミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-イソプロピル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N,N-ジメチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-(2-メトキシエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-(2-メトキシエチル) - 1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-シクロヘキシル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
エチル 3-(4-クロロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート;
メチル 1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-3-(3-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;
エチル 3-(4-クロロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1Hピラゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-({[(1H-インダゾール-5-イル)メチル]カルバモイル}メチル)-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
N-[(1H-イミダゾール-5-イル)メチル]-2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]アセトアミド;
2-[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル]-N-(3,5-ジクロロベンジル)アセトアミド;
メチル 3-(4-シアノフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-シアノフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
またその薬学的に受理可能な塩類。
【0100】
定義
用語「芳香族環」は芳香族の炭素環システムを指す。
用語「複素芳香族環」は、環を形成する原子の1つ以上が、たとえばO、SまたはNのようなヘテロ原子である芳香族環システムを指す。
化学式IからVの定義では、Aは任意に置換された6員の芳香族環であることがある。この芳香族環は任意に置換されたフェニル環である。
または、Aは、1から3のN原子を含んでいる6員複素芳香族環、またはO、SおよびNから選ばれた1から3のヘテロ原子を含んでいる5員複素芳香族環であることができる。
そのような6員または5員の複素芳香族環の例としては、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、ピリミジン、チオフェン、フラン、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、トリアゾール
およびイソチアゾール、イソチアジアゾール、イソオキサゾールおよびイソオキサジアゾールを含むそれらの異性体があげられる。
【0101】
ある実施態様では、Aは、10員の縮合2環芳香族環システムまたは1から3のNを含む複素芳香族環システム、またはO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む9員の縮合2環複素芳香族環システムであることができる。そのような縮合2環芳香族環システムの例としては、インダゾール、インドール、ナフタリン、キノリン、イソキノリンおよびベンゾイミダゾールがあげられる。
【0102】
ここに使用される時、用語「(C1-6)アルキル」は、1-6の炭素原子を有する、分岐したか分岐していないアルキルを意味し、任意に環を含むことができる。(C1-6)アルキルの例としてはヘキシル、シクロヘキシル、ペンチル、シクロペンチル、ブチル、イソブチル、シクロブチル、第三ブチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、エチルおよびメチルを含んでいる。用語「(C1-4)アルキル」は、1-4の炭素原子を有する、分岐したか分岐していないアルキルを意味し、任意に環を含むことができる。(C1-4)アルキルの例としてはブチル、イソブチル、シクロブチル、第三ブチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、エチルおよびメチルを含んでいる。上記の式中で指定された場合、(C1-4)アルキルは、好ましくは(C1-2)アルキルであることができる。上記の式中で指定された場合、(C1-4)アルキルは例えば1から3のフッ素で置換されてもよい。置換された(C1-4)アルキルの特に好ましい例はトリフルオロメチルである。または(C1-4)アルキルは非置換であることができる。
【0103】
用語「(C1-4)アルキルオキシ」は-O-(C1-4)アルキルを意味する。ここで(C1-4)アルキルは上に定義される意味を持っている。(C1-4)アルキルオキシの例としてはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシおよび第三ブトキシを含んでいる。上記の式中で指定された場合、(C1-4)アルキルオキシは置換されることができ、例えば1から3のフッ素で置換されることができる。置換された(C1-4)アルキルオキシの特に好ましい例はトリフルオロメトキシである。または(C1-4)アルキルオキシは非置換であることができる。本発明では、アルキルオキシは「オキシ」部位を介して分子の残りに付加される。
【0104】
用語「(C1-4)アルキルスルホニル」は、-S(O)-(C1-4)アルキルで、(C1-4)アルキルが上に定義されるものを意味する。
用語「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはIをいう。FおよびClが特に好ましい。
【0105】
式IからVの化合物は、一般に有機化学技術分野で既知の方法によって製造されることができる。例えばピラゾールと1,2,4-トリアゾール環を構成する方法は、Katritzky, A.R.: Comprehensive heterocyclic chemistry (First Edition, Pergamon Press, 1984, see especially Volume 5, Part 4A, Five-membered rings with two or more nitrogen atoms)に述べられている。合成の間に一時的に保護される官能基にふさわしい保護基は、公知であり、たとえばWuts, P.G.M. and Greene, T.W.: Protective Groups in Organic Synthesis, Fourth Edition, Wiley, New York, 2006を参照。
【0106】
長鎖PDE4アイソフォームの活性化
PDE4長鎖アイソフォームは2つの調節領域、上流保存領域1(UCR1)および上流保存領域2(UCR2)を有する。これらは、アイソフォームに特有のN末端部分と触媒領域の間にある。UCR1領域は短鎖形体においては無い。超短鎖形体はUCR1を欠くだけでなく、N末端トランケーテッドUCR2領域を有する(Houslay, M. D., Schafer, P. and Zhang, K. Drug Discovery Today 10: 1503-1519, 2005)。
【0107】
4つのPDE4ファミリー、PDE4A、PDE4B、PDE4CおよびPDE4Dがある。本発明は、これらの4つのファミリーの1以上の長鎖アイソフォームの1つ以上を活性化することができる化合物に関する。したがって、長鎖アイソフォームPDE4は、長鎖アイソフォームPDE4A、長鎖アイソフォームPDE4B、長鎖アイソフォームPDE4Cまたは長鎖アイソフォームPDE4Dであることができる。疑問の回避のため、長鎖アイソフォームPDE4はUCR1領域を含む。典型的には、長鎖アイソフォームPDE4はヒトである。UCR1は、哺乳類種の内に保存される(Houslay, MD, Sullivan, M and Bolger GB Adv Pharmacol. 1998;44:225-34)。したがって、他の実施態様では、長鎖アイソフォームPDE4はヒト以外の哺乳動物からのものでありえる。
【0108】
理論によって拘束されるものではないが、本発明の式I-VのPDE4長鎖形体活性化体は、PDE4長鎖形体に直接結合し、構造変化を引き起こすと考えられる小分子であり、それはこれらの酵素の触媒能力を増加し、安定し、アンカバーし、および/または維持する。薬物学の分野では、およびここに使用されるように、小分子は、生物学的プロセスの調節を行うことができる低分子量有機化合物として定義される。本発明による小分子活性化体は700ダルトン以下の分子量を有する。これは、細胞膜を横切る急速な拡散を可能とし、かつ細胞内の作用部位に達することを可能にする(Veber, D. F. et al., J. Med. Chem. 45: 2615-2623, 2002)。本発明による小分子活性化体のための好ましい分子量は、200ダルトン以上から600ダルトン以下である。本発明による特に好ましい小分子活性化体は、250ダルトン以上および500ダルトン以下の分子量を有する(Lipinski, C. A. Drug Discovery Today: Technologies 1: 337-341, 2004)。
【0109】
化合物がPDE4長鎖形体の活性化体として役立つことができるかどうかを検知する適切な1つの方法は、実験1に述べられたツーステップ・ラジオ分析手続きを使用している。要約すると、方法はテスト小分子活性化体とPDE4長鎖形体を、[H]のラベルが付けられたcAMPとインキュベートすることを含み、5’-アデノシン一燐酸(5’-AMP)生成物へのcAMPのブレークダウンの変化を評価する。そのようなインキュベーションからの反応混合物のサンプルは、蛇毒5’ヌクレオチダーゼで続いて処理され、ヌクレオチド[H]ラベルが付けられた5’-AMPの荷電していないヌクレオシド[H]ラベルが付けられたアデノシンへの変換を許容し、それはPDE4活性および試験化合物の影響を評価するために分離され定量することができる(Thompson, W. J. and Appleman, M. M. Biochemistry 10: 311-316, 1971、次のものに述べられているようないくつかの修正をした、Marchmont, R. J. and Houslay, M. D. Biochem J. 187: 381-92, 1980)。
【0110】
上記の分析手続きを使用して、実験1に詳細に述べられているように、本発明の好ましい小分子活性化体は、100マイクロモル以下の試験化合物濃度で、50%以上の1つ以上のPDE4長鎖形体のバックグラウンド・アクティビティの増加を発生する。本発明による特に好ましい小分子活性化体は、10マイクロモル以下、たとえば3マイクロモルの試験化合物濃度で、50%以上の1つ以上のPDE4長鎖形体のバックグラウンド・アクティビティの増加を発生する。
【0111】
本発明の化合物は、PDE4酵素の長鎖形体に選択的であり、PDE4酵素の短鎖アイソフォームまたは超短鎖アイソフォームの活性化体として作用しないか、またはより少ない程度にしか働かない。したがって、短鎖または超短鎖アイソフォームPDE4は、短鎖または超短鎖アイソフォームPDE4A、短鎖または超短鎖アイソフォームPDE4B、短鎖または超短鎖アイソフォームPDE4C、または短鎖または超短鎖アイソフォームPDE4Dであることができる。疑問の回避のために、PDE4の短鎖および超短鎖アイソフォームはUCR1領域を欠く。超短鎖アイソフォームはトランケートされたUCR2領域を含む。典型的には、短鎖または超短鎖アイソフォームPDE4は、ヒトのものであるが、他の哺乳類種からのものであることができる(UCR2が保存される場合、Houslay, MD, Sullivan, M and Bolger GB Adv Pharmacol. 1998;44:225-34を参照)。
【0112】
同じ分析条件の下で、実験1に述べられているように、本発明の小分子活性化体は、典型的には100マイクロモル以下の試験化合物濃度でPDE4A、PDE4B、PDE4CまたはPDE4D酵素の短鎖または超短鎖形体のバックグラウンド・アクティビティの50%未満の増加を生成する。
【0113】
したがって、本発明の化合物は、PDE4の短鎖形体(または超短鎖形体)の活性化のための分析における否定的な結果と、PDE4の長鎖形体の活性化のための分析における肯定的な結果を提供する。
【0114】
PDE4長鎖アイソフォームは、PDE4A4、PDE4A4/5、PDE4A5、PDE4A8、PDE4A10、PDE4A11、PDE4B1、PDE4B3、PDE4B4、PDE4C1、PDE4C2、PDE4C3、PDE4D3、PDE4D4、PDE4D5、PDE4D7、PDE4D8、PDE4D9およびPDE4D11を含む。さらに長鎖アイソフォームは、4つのPDE4サブファミリーのいずれとも異なる命名法によって既に識別されているか、または呼ばれることができる。
【0115】
PDE4短鎖アイソフォームはPDE4A1、PDE4B2、PDE4D1およびPDE4D2を含んでいる。さらに短鎖アイソフォームは、4つのPDE4サブファミリーのいずれとも異なる命名法によって既に識別されているか、または呼ばれることができる。
PDE4超短鎖アイソフォームはPDE4B5、PDE4D6およびPDE4D10を含んでいる。超短鎖アイソフォームは、4つのPDE4サブファミリーのずれとも異なる命名法によって既に識別されているか、または呼ばれることができる。
【0116】
下記の例は、ヒトPDE4D5、およびPDE4B1長鎖アイソフォームの化合物の活性およびヒトPDE4B2短鎖アイソフォームの活性の欠如を例証する。これらのアイソフォームの詳細、およびGenBankアクセションナンバーを含む多くの他の既知のアイソフォームの数値は、以下の表A-Dに提供される。
表A -既知のPDE4Aアイソフォームの例
【0117】
【表1】
【0118】
L=長鎖;
S=短鎖;
SS=超短鎖;
D=デッドショート
* PDE4A4Bクローンは正確であり、PDE4A4Aはクローニングアーチファクト(artefact)を有し、また、PDE4A4Cはトランケーションアーチファクトを有することに注意。
**この種は、C-およびN-末端トランケートされた。したがって、活性型をすべて検知するパンPDE4A(pan PDE4A)抗血清によって検知されないだろう。
【0119】
表B - 既知のPDE4Bアイソフォームの例
【0120】
【表2】
【0121】
表C - 既知のPDE4Cアイソフォームの例
【0122】
【表3】
【0123】
表D - 既知のPDE4Dアイソフォームの例
【0124】
【表4】
【0125】
L=長鎖;
S=短鎖;
SS=超短鎖;
D=デッドショート
* nb D8は文献では元々PDE4D6と呼ばれた。
(m) メモリ・クローンはAY245867、AF536977、AF536976である。
【0126】
cAMPの低減
理論によって拘束されるものではないが、本発明の化合物は1つ以上の細胞内区画でのcAMPレベルを下げることにより機能することができる。本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、このようにしてcAMPに依存するある細胞プロセスを調節する手段を提供することができる。過剰な細胞内cAMPシグナリングは多くの疾病および不調を媒介する。したがって、本発明の化合物は、異常に高いcAMPレベル、増加したcAMP-媒介シグナリングおよび/または低減したcAMP消失、酵素または他のもの(例えば流出)に関連した疾病の治療に有用であると予想される。その治療は典型的に人間にされるが、非ヒト動物(たとえば人類以外の哺乳動物)への治療(例えば獣医学的治療)であることができる。
【0127】
1つの態様では、本発明は、式IからVのPDE4長鎖形体の小分子活性化体を提供し、これは環式の3’,5’-アデノシン一燐酸(cAMP)によって媒介される二次伝達物質応答の低減が必要とされる病気の治療または予防のための方法に有用である。
【0128】
例えば、アデニリルシクラーゼ(たとえばGPCRsとGsα)の上流のcAMPシグナリングの駆動に関与するタンパク質中の機能獲得型の遺伝子突然変異は、病理学的結果を備えた異常な過度のcAMP活性に結びつく場合がある(Lania A, Mantovani G, Spada A. Ann Endocrinol (Paris). 73: 73-75, 2012.; Thompson, M. D. et al., Methods Mol. Biol. 448: 109-137, 2008; Weinstein LS, Liu J, Sakamoto A, Xie T, Chen M. Endocrinology. 145: 5459-5464, 2004; Lania A, Mantovani G, Spada A. Eur J Endocrinol. 145: 543-559, 2001)。したがって、cAMPアクションの終了を加速する能力を所有する本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、以下に詳述されるような望ましくない高いcAMPレベルまたは活性により特徴づけられる疾病の治療、予防または部分的なコントロールに有効であると予想される。
【0129】
高いcAMPレベルが特徴の疾病
甲状腺機能亢進症(Hyperthyroidism)
甲状腺刺激ホルモン(TSH)レセプター(TSHR)の刺激は、アデニリルシクラーゼのGsα-媒介による活性化を含む、cAMP依存シグナリング機構によって、甲状腺ホルモン、チロキシンおよびトリヨードサイロニンの増加した生成および放出に結びつく。TSHRの中の機能獲得型突然変異が甲状腺機能亢進症の進行に関係することが報告された(Duprez, L. et al., Nat. Genet. 7: 396-401, 1994; Biebermann, H. et al., J. Clin. Endocrinol. Metab. 86: 4429-4433, 2001; Karges, B. et al., J. Endocrinol. 186: 377-385, 2005)。TSHRとGsαの両方の突然変異の活性化も、甲状腺腫(goitre)および甲状腺腺腫(thyroid adenomas)で見つかった(Arturi, F. et al., Exp. Clin. Endocrinol. Diabetes 106: 234-236, 1998)。甲状腺腫中の増加したcAMP活性は、TSHRまたはGsα突然変異の活性化の結果であり、cAMPレベルおよび信号伝達での異常上昇を打ち消すPDE4活性の保護適応性の増加を生産すると報告された(Persani, L. et al., J. Clin. Endocrinol. Metab. 85: 2872-2878, 2000)。
【0130】
甲状腺機能亢進症の最も一般的な原因は、TSHRでTSHアクションを模倣する自己免疫疾患であるグレーブス病であり、甲状腺濾胞細胞の中の過度のcAMP活性を導き、甲状腺機能亢進症の状態となる。したがって、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、甲状腺機能亢進症の治療、予防または部分的なコントロールに有効であると予想される。1つの実施態様では、甲状腺機能亢進症はグレーブス病に関係している。
【0131】
ヤンセン骨幹端軟骨異形成症(Jansens's Metaphyseal Chondrodysplasia)および上皮小体機能亢進症(Hyperparathyroidism)
ヤンセン骨幹端軟骨異形成症(JMC)は、副甲状腺ホルモン(PTH)レセプター1(PTHR1)の機能獲得型突然変異に起因する非常にまれな病である(Thompson, M. D. et al., Methods Mol. Biol. 448: 109-137, 2008)。エフェクターとしてのアデニリルシクラーゼと組合わされたPTHR1の構成活性化は、主として骨と腎臓の中での過度のcAMPシグナリングに関係し、高カルシウム血症および低リン酸血症により特徴付けられるイオン・ホメオスタシスの調節異常(Calvi, L.M. and Schipani, E. J. Endocrinol. Invest. 23: 545-554, 2000)、および発育上の(例えば低身長)、および物理的な異常(例えば出目)を導く。
【0132】
原発性上皮小体機能亢進症は組織拡大または非癌の腺腫による上皮小体からのPTHの過度の放出に起因する。結果としてのPTHR1レセプターの過度の刺激は、高カルシウム血症と低リン酸血症を示す患者からの、血漿イオン・ホメオスタシスの崩壊を引き起こす。したがって、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、JMCと上皮小体機能亢進症の治療、予防または部分的なコントロールに有効であると予想される。
【0133】
家族性男性性早熟症(精巣中毒症)(Familial Male Precocious Puberty (Testotoxicosis))
家族性性早熟症(FMPP)は、家族性の性的早熟または性腺刺激ホルモン独立の精巣中毒症として知られており、少年が幼児期の性早熟症の徴候を一般に示す疾患である。
【0134】
少年の脊柱の長さは、骨端の成熟の迅速な進捗により短いことがある。FMPPは、ライジッヒ細胞過形成および低い精細胞カウント(Latronico, A.C. et al., J Clin. Endocrinol. Metab. 80: 2490-2494, 1995; Kosugi, S. et al., Hum. Mol. Genet. 4: 183-188, 1995)に関連して、黄体形成ホルモン(LH)レセプター中の本質的に活性化する突然変異を備えた常染色体優性症状である。それは増加したcAMP生産に結びつく。したがって、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、FMPPの治療、予防または部分的なコントロールに有効であると予想される。
【0135】
脳下垂体腺腫およびクッシング病
脳下垂体の非癌性の腫瘍は集合的に脳下垂体の腺腫と呼ばれ、下垂体前葉の(adenohypophyseal)ホルモン(例えば成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモンおよび副腎皮質刺激ホルモン)の分泌過多に結びつくことがある。それはGPCRとGsの組み合わせおよびcAMP生成を介してそれらの作用を及ぼす。したがって、脳下垂体の腺腫は、多くのホルモン障害、たとえば先端巨大症(acromegly)(主として成長ホルモン過剰分泌による)、クッシング病(副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)および引き続く高コルチゾール血症(hypercortisolemia)、および/または一般的な下垂体機能亢進症(多数の下垂体前葉ホルモンの超過放出に関係する)を促進することができる様々な内分泌細胞内での高められたcAMP媒体シグナリングの状態に導くことがある。脳下垂体の腺腫に対する現在の治療オプションは、ドーパミン受容体アゴニストでの治療を含んでいる。それは細胞内のcAMPレベルの低下を含む機構によって腫瘍サイズを減少させ、脳下垂体ホルモンの生成を低減する。本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、それらの標的組織(たとえば副腎)中の脳下垂体ホルモンの病理学的影響を減ずると予想される。
【0136】
クッシング病では、脳下垂体腺腫はACTHの生産過剰と関連づけられ、メラノコルチン2レセプター(MC2)の過剰活性、ステロイド合成のcAMP媒介の刺激および副腎皮質からのコルチゾールの放出を介する高コルチゾール血症(hypercortisolemia)に結びつくことがある(Tritos, N. A. and Biller, B. M. Discov. Med. 13: 171-179, 2012)。したがって、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は。クッシング病の治療、予防または部分的なコントロールに有効であると予想される。
【0137】
腎多嚢胞病
腎多嚢胞病(PKD)は、病理学的には包嚢の発現が特徴である腎臓の遺伝病である。これは腎の構造の損傷および腎臓機能の低下をもたらす(Takiar, V. and Caplan, M. J. Biochim. Biophys. Acta. 1812: 1337-1343, 2011; Masoumi, A. et al., Drugs 67: 2495-2510, 2007)。2つのタイプのPKDがある:常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)および常染色体劣性多発性嚢胞腎症(ARPKD)である。
【0138】
ADPKDは、世界中の個体群の0.1%および0.2%の間に影響し、漸進的な包嚢発現および拡大した腎臓が特徴である。この疾病を持った人々のおよそ50%は通常40から70歳の間で、末期腎疾患にかかり、透析または腎臓移植を必要とするだろう。ARPKDは1:20,000の新生児に影響し、誕生の後の最初の数週に典型的に識別される。肺形成不全はARPKDを持った新生児の中の30-50%の死亡率に帰着する。
【0139】
2つの遺伝子の欠損がADPKDの原因と思われる。患者の約85%で、ADPKDの発現は、遺伝子PKD1、エンコーディングポリシスチン-1(PC-1)の中の突然変異にリンクすることができる;PKD2の中の患者突然変異の約15%で、エンコーデングポリシスチン-2(PC-2)が関係する。サイクリックAMPは、多発性嚢胞腎細胞の増殖および包嚢エクスパンジョンの重要な刺激であるが、正常ヒト腎臓細胞ではそうではないと確認された(Yamaguchi, T. et al., Kidney Int. 57: 1460-1471, 2000)。証拠の重要なものは、腎シストジェネシス(renal cystogenesis)の重要なファシリテーターとしてcAMPが関係することを示した(Masoumi, A. et al., Drugs 67: 2495-2510, 2007; Wallace, D. P. Biochim. Biophys. Acta. 1812: 1291-1300, 2011)。嚢胞形成におけるcAMPの役割と一致して、cAMPレベルを低下させる薬剤(例えばバソプレッシンV2受容体拮抗薬およびソマトスタチン・レセプター・アゴニスト・オクトレオチド)は、PKDのげっ歯動物モデル中で効能を示した(Torres, V. E. et al., Nat. Med. 10: 363-364, 2004; Gattone, V. H. 2nd et al., Nat. Med. 9: 1323-1326, 2003; Belibi, F. A. and Edelstein, C. L. Expert Opin. Investig. Drugs. 19: 315-328, 2010)。ゼブラフィッシュ胎児では、cAMP加水分解PDE酵素亜型(PDE1A)の消耗は、嚢胞性の表現型の発現に帰着した。その一方でPDE1A過剰発現は、PC2消耗に起因する嚢胞性の表現型を部分的に救った(Sussman, C. R., Ward, C. J., Leightner, A. C., Smith, J. L., Agarwal, R., Harris, P. C., Torres, V. E. J. Am. Soc. Nephrol. 25: 2222-2230, 2014)。ホスホジエステラーゼ活性化は、PKD治療用の戦略として示唆された(Sun, Y., Zhou, H. and Yang, B-X. Acta Pharmacologica Sinica 32: 805-816, 2011)。
【0140】
したがって、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、腎多嚢胞病の治療、予防または部分的なコントロールに有効であると予想される。
【0141】
多嚢胞性肝疾患
多嚢胞性肝疾患(PLD)は、肝臓のシストジェネシス(cystogenesis)(包嚢の数が20を超過する場合と通常定義される)に関連したまれな遺伝性の症状である。それは、しばしばADPKDとともに起こる(Strazzabosco, M. and Somlo, S. Gastroenterology 140: 1855-1859, 2011; Gevers, T. J. and Drenth, J. P. Curr. Opin. Gastroenterol. 27: 294-300, 2010)。ADPKDと比較された時、小胞体と繊毛に関連した、変異されたタンパク質によって駆動される、PLDには異なる遺伝病理学があるかもしれない。増加した胆管細胞増殖、血管新生および高い流動分泌物はcAMPを媒介としたシグナリングを含む多数の信号伝達経路の調節異常を介して肝嚢腫形成を駆動するように作用する。肝臓のcAMPレベルの上昇は、胆汁の上皮細胞および胆管細胞増殖の増加におけるcAMP依存性の塩化物および流動分泌物を刺激する(Janssen, M. J. et al., J. Hepatol. 52: 432-440, 2010)。ソマトスタチン(それはGi-カップルド機構を介してcAMPレベルを低下する)は胆管細胞増殖および流動分泌物を減らす(Gong, A.Y. et al., Am. J. Physiol. Cell. Physiol. 284: C1205-1214, 2003)。更に、合成ソマトスタチン・アナログ、オクトレオチドは、cAMP信号の低減を含む機構によってPLDの動物モデルの中で効果を示した(Masyuk, T.V. et al., Gastroenterology 132: 1104-1116, 2007)。したがって、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、cAMPに少なくとも一部分起因する多嚢胞性肝疾患の治療、予防または部分的なコントロールに有効かもしれない。
【0142】
ヤングタイプ5(MODY5)
MODY5は、腎嚢胞に関連したインスリン非依存性糖尿病の形式である。それは、肝細胞核因子-1β(HNF-1β)をコーディングする遺伝子の突然変異によって引き起こされた常染色体優性疾患である。MODY5によって影響を受けた患者の優勢な臨床像は、糖尿病の発症の前に頻繁に診断される腎機能障害である。何人かの患者では、HNF-1β突然変異は、追加の表現型の特徴(たとえば膵萎縮、異常肝機能および生殖路異常)に帰着する場合がある。ハツカネズミでの研究は、ウロモデュリン(uromodulin:UMOD)およびPKD1遺伝子に対する影響に加えて、HNF-1βの突然変異に関連した腎嚢胞形成を起こす機構がPKD2の転写活性化の重大な欠損を含んでいることを示唆する。PKD1とPKD2のダウンレギュレーションは、腎嚢胞のcAMPで駆動される形成に関係している(Mancusi, S. et al., J. Nephrol. 26: 207-12, 2013)。HNF-1βは、PDE4Cプロモータに結合し、PDE4Cの発現を規制する(Ma et al., PNAS 104: 20386, 2007)。
【0143】
したがって、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、MODY5の症状の治療、予防または部分的なコントロールに有効であると予想される。
【0144】
心臓肥大、心不全、および不整脈
局所的な調節とcAMP信号の一体化は、適切な心臓機能にとって重要であり、この信号の動揺は心不全に結びつく場合がある。慢性のβ-アドレナリン受容体刺激の際、心筋細胞の肥大は、高いcAMPと、PKAおよびEpacを含むその下流のエフェクターの活性化によって引き起こされる(Wang, L. et al., Cell. Signal. 27: 908-922, 2015およびその参照文献)。心筋細胞肥大は、心不全と不整脈の危険を増加させる。
【0145】
したがって、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、心臓肥大(心不全および/または不整脈)の治療、予防または部分的なコントロールに有効かもしれない。
【0146】
増加したcAMPを媒介としたシグナリングに関連した疾病
Gタンパク質のアルファ・サブユニット(GNAS1)の活性化突然変異に関連した疾患
Gタンパク質Gsはアデニリルシクラーゼ活性を刺激し、細胞内のcAMPレベルを増加させることによりそれらの生物学的作用を働かせるGPCRsのためのトランスデューサーとして作用する。Gsは、α、βおよびγサブユニットからなるヘテロ三量体のタンパク質である。αサブユニットのための、遺伝子、GNAS1の突然変異を活性化することは、様々な組織での異常なcAMPシグナリングを導き、一連の疾患を生じさせることが認識されている。
【0147】
マックーン-オルブライト症候群
マックーン-オルブライト症候群(MAS)は、3つの主要な特徴の、性早熟症、線維性骨形成異常およびカフェオレ病変により典型的に特徴づけられるまれな遺伝病である。MASのための根本的な分子病理学は、GNAS1遺伝子の活性化突然変異を含んでいる(Diaz, A. Danon, M. and Crawford, J. J. Pediatr. Endocrinol. Metab. 20: 853-880, 2007)。たがって、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、マックーン-オルブライト症候群を含むGNAS1の、活性化突然変異に関連した病気の治療、予防または部分的なコントロールに有効であると予想される。
【0148】
感染症中のアデニリルシクラーゼ活性の毒素により引き起こされた増加の改善
アデニリルシクラーゼ(cAMPの生産の原因である酵素)は、多くの細菌毒素の影響の媒介に関係すると思われたるキーとなる生物学的目標である(Ahuja et al., Critical Reviews in Microbiology, 30: 187-196, 2004)。これらの毒素は、宿主免疫細胞および/または病原体に関連するアデニリルシクラーゼ活性の増強を通じてcAMPレベルを上げることにより、それらの効果を生む。したがって、cAMPレベルを下げることによって、本発明のPDE4長鎖形体活性化体が高いcAMP活性に関係している感染症の症状の治療または部分的なコントロールに有用であると予想される。下記はそのような感染症のいくつかの例である:
【0149】
コレラ
コレラ菌はコレラ毒素を産出する。それはGsのαサブユニットのアデノシン二燐酸リボシル化によって宿主細胞アデニリルシクラーゼ活性化およびcAMP生産に結びつく。コレラ毒素によって引き起こされた下痢は、胃腸管の細胞の過度のcAMP蓄積の結果であると考えられる。
【0150】
百日咳
百日咳菌は小児疾患百日咳の原因である病原体である。百日咳菌毒素は、Giのαサブユニットのアデノシン二燐酸リボシル化を刺激し、間接的に標的細胞のcAMPレベルを増大する。バクテリアはさらに侵襲性のアデニリルシクラーゼを分泌する。それは有毒のcAMPレベルを生産し、宿主の免疫の防御を損う。
【0151】
炭疽菌病
炭疽菌病は炭疽菌によって引き起こされる。それは一義的には家畜病であるが、接触により人間に感染する。炭疽病の感染は広範囲の浮腫を伴う。その発現は浮腫毒素によって駆動されると思われる。後者はアデニリルシクラーゼで、宿主カルモデュリンによって活性化され、宿主免疫細胞上に毒作用を起こす異常に高いレベルのcAMPを生産する。
【0152】
結核
マイコバクテリウム結核は、アデニリルシクラーゼを多量に多数の領域で発現する。それは疾病病理学の毒性および生成に役割を果たすことができる。あるアデニリルシクラーゼ亜型(RV0386)が、宿主マクロファージに入り、かつ細胞内のcAMPを上げ毒性を引き起こすことが実証された(Agarwal et al., Nature, 460: 98-102, 2009)。
したがって、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、感染症(コレラ、百日咳、炭疽菌および結核)の治療、予防または部分的なコントロールに有効である。
【0153】
高いcAMPによるPKAの活性化に依存する疾病
真核生物では、cAMPはプロテインキナーゼA(PKA)を活性化する。それはcAMP依存性プロテインキナーゼとしても知られている。PKAは、四量体のホロ酵素として通常不活発であり、2つの触媒ユニットおよび2つの調節ユニットからなり、調節ユニットは触媒ユニットの触媒センターをブロックする。cAMPはPKAの調節ユニット上の特定位置に結合し、調節ユニットと触媒ユニット間の解離を引き起こし、それにより、触媒ユニットを活性化する。活性な触媒ユニットは、ATPからタンパク質基体の特定の残基までのリン酸塩のトランスファーに触媒作用を及ぼす。それは、それらのタンパク質基体の機能を調節することができる。
【0154】
PDE4長鎖形体活性化はcAMPレベルを下げる。また、PKAのcAMP媒介の活性化を低減する。したがって、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、PKAの阻害剤が治療効果の証拠を示す病気の治療または部分的なコントロールで有用であると予想されるだろう。
【0155】
cAMPによるPKAの活性化に依存する疾患は、PKA阻害剤(たとえばRp-8-Br-cAMPS)に対するそれらの反応によって識別されてもよい。Rp-8-Br-cAMPSは、その解離と活性化を防ぐ、PKAのcAMP結合部位を占めるcAMPのアナログである。
【0156】
HIV感染とAIDS
HIV感染者からのT細胞は、増加したレベルのcAMPを有し、正常なT細胞よりもRp-8-Br-cAMPSによる阻害に、より敏感である。cAMPによるPKAの過度の活性化は、HIV感染での漸進的なT細胞機能不全に関係している(Aandahl, E. M. et al., FASEB J. 12: 855-862, 1998)。更に、Rp-8-Br-cAMPSの生体内の適用は、レトロウイルスに感染したハツカネズミのT細胞応答をリストアすると示された(Nayjib, B. et al., The Open Immunology Journal, 1: 20-24, 2008)。したがって、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、HIV感染とAIDSの治療、予防または部分的なコントロールに有用であると予想される。
【0157】
分類不能型免疫不全(CVID)
Rp-8-Br-cAMPSの生体外の適用は、分類不能型免疫不全(CVID)の患者からのT細胞によるサイトカインIL-10の害された分泌を修正することが示された(Holm, A. M. et al., J. Immunol. 170: 5772-5777, 2003)。したがって、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、CVIDの治療、予防または部分的なコントロールに有用であると予想される。
【0158】
高いcAMPによる、Epac1およびEpac2のどちらかまたは両方の活性化に依存する疾病
PKAに加えて、cAMPは、cAMP(Epac)によって直接活性化された交換タンパク質として知られている別の細胞内レセプターを活性化する。Epacには、Epac1およびEpac2の2つのアイソフォームがあり、両方とも、cAMPに結合する調節領域、および小さなGタンパク質、RasファミリーのRap1およびRap2のGTPのためのGDPの交換を促進する触媒領域からなる。さらに、Epacタンパク質は特定のセルの座で多くの他のセルのパートナーとの相互作用によってそれらの機能を働かせる。Epacシグナリングの病態生理学の変化は広範囲の疾病に関係している(BBreckler, M. et al., Cell. Signal. 23: 1257-1266, 2011)。
【0159】
cAMPによるEpacタンパク質の活性化に依存する疾患は、Epac阻害剤に対するそれらの反応によって識別された。たとえばESI-09は、新規な非環状ヌクレオチドEpac1およびEpac2アンタゴニストであり、特異的に細胞内のEpacを媒介としたRap1活性化およびAkt燐酸化をブロックでき、同様に、膵臓のβ細胞中のEpacを媒介としたインシュリン分泌をブロックできる(Almahariq, M. et al., Mol. Pharmacol. 83: 122-128, 2013)。
【0160】
黒色腫
Epac1は、黒色腫中の移動および転移の促進に関係する(Baljinnyam, E. et al., Pigment Cell Melanoma Res. 24: 680-687, 2011)、およびそこに引用された文献)。したがって、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、黒色腫の治療、予防または部分的なコントロールで有用であると予想される。
【0161】
膵臓癌
正常な膵臓または周囲の組織と比較して、Epac1が人間の膵癌細胞中で著しく増大することが最近示された(Lorenz, R. et al., Pancreas 37: 102-103, 2008)。
【0162】
膵臓癌は、他のタイプの癌に通常有効な治療に対してしばしば抵抗性がある。Epac阻害剤ESI-09を使用して、膵癌細胞移動侵入におけるEpac1過剰発現の機能的な役割実証された(Almahariq, M. et al., Mol. Pharmacol. 83: 122-128, 2013)。これらの結果はRNAiを沈黙させる技術に基づいた結果と一致していて、Epac1シグナリングの抑制が膵臓癌用の有効な治療の戦略かもしれないことを示唆する。
【0163】
したがって、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、膵臓癌の治療、予防または部分的なコントロールで有用であると予想される。
【0164】
高いcAMPによるcAMP-ゲート制御されたイオンチャネル(cAMP-gated ion channels)の変調に依存する疾病
PKAとEpacの活性化に加えて、高いcAMPのための別のエフェクター経路はcAMP-ゲート制御されたイオンチャネルの活性化である。したがって、cAMP-ゲート制御されたイオンチャネルの阻害剤が治療効果の証拠を示す疾病の治療において、本発明のPDE4長鎖形体活性化体が有用であると予想されるだろう。
【0165】
cAMP応答配列結合たんぱく質の活動亢進に関連した疾病
cAMP応答配列結合たんぱく質(CREB)は、様々な細胞機能、たとえば細胞増殖、分化、生存およびアポトーシスの調節に含まれる重要な転写因子である(Cho et al., Crit Rev Oncog, 16: 37-46, 2011)。CREB活性は、一連の細胞外のシグナル、たとえばストレス、成長因子および神経伝達物質の範囲を介するキナーゼ依存性燐酸化によって調節される。燐酸化はCREBの二量体化を導き、および他の補活性化因子パートナー蛋白質(co-activator partner proteins)と一緒に、cAMP反応配列(CRE部位)を含む標的遺伝子のプロモーター領域に結合することを可能にし、転写活性を開始する。cAMP経路(例えばcAMP依存性蛋白質燐酸化酵素を媒介とした燐酸化を介する)は、CREBを媒介とした生物活性の重要なポジティブモジュレーターである。したがって、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、高いCREB活性に関連した病気の治療、予防または部分的なコントロールで有用であると予想される。
【0166】
白血病
急性のリンパ患者および骨髄性白血病患者からの骨髄細胞は、CREBタンパク質およびmRNAを過剰発現することが報告された(Crans-Vargas et al., Blood, 99: 2617-9, 2002; Cho et al., Crit Rev Oncog, 16: 37-46, 2011)。更に、増加したCREBレベルは、急性骨髄性白血病の被験者の中の不良な臨床反応と関連する(Crans-Vargas et al., Blood, 99: 2617-9, 2002; Shankar et al., Cancer Cell, 7:351-62, 2005)。ダウンレギュレーションが骨髄性細胞増殖および生存を抑制する一方、CREBのアップレギュレーションは、人間の白血病細胞増殖の刺激に関係している。本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、CREBのcAMPを媒介とした刺激の減衰によってCREB活性および機能を低減すると予想され、したがって、急性リンパ・骨髄性白血病の治療、予防または部分的なコントロールに有用性を持つと予想される。
【0167】
前立腺癌
それが上皮内の新形成の発現を刺激するので、異常な過度のアンドロゲン活性は前立腺癌の進行において重要なドライバーである(Merkle et al., Cellular Signalling, 23: 507-515, 2011)。前立腺癌の治療において、化学または去勢手術に関するアンドロゲン・アブレーション・アプローチの使用によりこれは強く支持される。ホルスコリンのようなサイクリックAMPを増加する薬剤は、CREBとの燐酸化および/または相互作用によるアンドロゲンレセプター活性化を含む多数の細胞内の機構によってアンドロゲンレセプター活性を高めることができる。Epac1活性化も、前立腺癌中の細胞増殖の促進に関わる(Misra, U. K. and Pizzo, S. V. J. Cell. Biochem. 108: 998-1011, 2009; Misra, U. K. and Pizzo, S. V. J. Cell. Biochem. 113: 1488-1500, 2012)。したがって、前立腺癌の治療、予防または部分的なコントロールに、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は有用であると予想される。
【0168】
cAMP加水分解PDE酵素の低減された活性に関連した疾病
PDE4、たとえばPDE8とPDE11以外のcAMP加水分解PDEアイソフォームについての遺伝子中の機能欠損の突然変異は、多くの疾病において検知される(Vezzosi, D. and Bertherat, J., Eur. J. Endocrinol. 165: 177-188, 2011; Levy, I. et al., Curr. Opin. Pharmacol. 11: 689-697, 2011; Azevedo, M. F. and Stratakis, C. A. Endocr. Pract. 17 Suppl 3: 2-7, 2011)。これらの突然変異は、下に詳述されるような病理学の結果をもたらす異常に高いcAMPレベルおよび/またはcAMP活性の持続に結びつく場合がある。したがって、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、これらの疾病(副腎皮質の腫瘍、精巣癌、PPNADおよびカ-ニ-複合)の治療、予防または部分的なコントロールで有用であると予想される。
【0169】
副腎皮質腫瘍
PDE11A4エンコーディング遺伝子での点突然変異の不活性化に関連した副腎皮質の腫瘍は、PDE11A4の発現を低減し、cAMPレベルを増加させた(Horvath, A. et al., Nat Genet. 38: 794-800, 2006; Horvath, A. et al., Cancer Res. 66: 11571-11575, 2006; Libe, R., et al., Clin. Cancer Res. 14: 4016-4024, 2008)。
【0170】
精巣癌
PDE11A活性を低減し、cAMPレベルを増加させる突然変異は、精巣癌のいくつかの形式で観察された(Horvath. A. et al., Cancer Res. 69: 5301-5306, 2009)。
【0171】
原発性色素沈着性結節性副腎皮質病変
(Primary pigmented nodular adrenocortical diseases (PPNAD))
PDE8B遺伝子中の突然変異もPPNADのための素因であると確認された。また、突然変異蛋白質は、低減されたcAMP分解能力を示した(Horvath, A., Mericq, V. and Stratakis, C. A. N. Engl. J. Med. 358: 750-752, 2008; Horvath, A. et al., Eur. J. Hum. Genet. 16: 1245-1253, 2008)。
【0172】
カ-ニ-複合
PRKAR1A突然変異によって引き起こされたカ-ニ-複合(CNC)では、何人かの患者は、さらに副腎および精巣癌に導く、cAMP信号伝達経路の異常な活性化を高める効果を奏する相乗効果を奏することがあるPDE11Aの欠損を持っている(Libe, R. et al., J. Clin. Endocrinol. Metab. 96: E208-214, 2011)。
【0173】
治療と薬量学
「治療」は療法による治療を意味し、人間または非ヒト動物(例えば獣医学の用途)、典型的には人類以外の哺乳動物、にかかわらず、症状上のある希望の治療効果を達成することをいう。例えば進行速度の低減、進行の速度の停止、病気の改善または症状の治癒を含む病気の進行の抑制をいう。予防策としての治療も含まれている。予防または予防は、症状の完全な予防を示さないし要求しない;発現がその代りに、本発明による予防または予防によって低減されるか遅れてもよい。
【0174】
「治療上有効な量」は、本発明の化合物の1以上、または本発明の化合物の1以上を含む医薬製剤の1つ以上の量であって、治療効果(合理的なベネフィット・リスク比に見合う効果)を生むことに有効である量をいう。
【0175】
本発明の化合物の適切な量は患者ごとに変わってもよいことが認識されるだろう。最適な量の決定は、一般に本発明の治療の任意の危険または有害な副作用に対する治療の有益性のレベルのバランスを必要とするだろう。選択された投与量は、具体的化合物の活性、投与ルート、適用の時間、化合物の排泄されるまでの時間、治療の期間、他の薬剤、併用して使用される化合物または物質、および患者の年齢、性別、体重、症状、健康状態および病歴を含む様々な要因に依存するだろう。一般に、投与量と投与ルートは、最終的に医師により決定されるが、一般的には、希望の結果を達成するような作用部位での局所濃度を達成するようにされる。投与は、1回分で、連続的にまたは断続的に治療の経過全体を通して生体内で達成することができる。適用の最も有効な手段および量を決定する方法は、当業者に公知で、療法に使用された配合物、療法の目的、治療されている標的細胞および治療されている被検者に応じて変わるだろう。単一の適用または多数回での適用は、扱う医師によって選択された投与量レベルおよびパターンで行なうことができる。一般に、本発明の1つ以上の化合物の適切な投与量は、1日に体重1kgあたり約0.001から50mgの範囲であることができ、好ましくは1日に体重1kgあたり0.01-25、たとえば0.01、0.05、0.10、0.25、0.50、1.0、2.5、10または25mgである。化合物が塩、溶媒化合物、プロドラッグまたはその他同種のものである場合、適用される量は親化合物に基づいて計算されて、使用される実際の重量は比例して増加させることができる。
【0176】
併用
本発明の化合物は、さらに細胞内のcAMPレベルの低下を通じてそれらの治療効果を生むことが知られていた薬の影響を模倣するか高める用途に適用されてもよい。
【0177】
多くの治療上有益な薬は、細胞内のcAMPレベルの低下および/またはcAMPを媒介とした活性を低下させることを含む主作用様式があり、以下に要約される。本発明のPDE4長鎖形体活性化体はさらにcAMPレベルを低下するように作用するので、これらの作用薬は、cAMPを媒介としたシグナリングのダウンレギュレーションを介する薬の薬理学的性質および治療の有効性を模倣しかつ/または増大するだろう。ある実施態様では、したがって、細胞内のcAMPレベルを低下させおよび/またはcAMPを媒介とした活性を低下させるもう一つの作用薬との併用剤の一部として、本発明の化合物が提供される。併用剤は、同時に、同時期に、連続してまたは別々に投与されてもよい。1つの実施態様では、より詳細に以下に記述されるように、本発明の化合物および別個のcAMP低下作用薬は、単一組成薬として提供される。併用薬は、本発明の化合物および次の1つ以上の化合物を含んでもよい:
(i) プレシナプスのα-2アドレナリン受容体アゴニスト、任意にクロニジン、デクスメデトミジン(dexmedetomidine)またはグアンファシン;
(ii) β-1アドレナリン受容体遮断薬(「β遮断薬」)、任意にアテノロール、メトプロロール、ビソプロロール(Bisoprolol)、アセブトロールまたはベタキソロール(Betaxolol)。
【0178】
α-2アドレナリン受容体アゴニストとの組み合わせ
α-2アドレナリン受容体刺激は、広範囲の組織中でアデニリルシクラーゼ活性のGiタンパク質を媒介とした阻害によってcAMPレベルを下げると知られている。脳および辺縁の交感神経系中のノルアドレナリン作動性ニューロン(noradrenergic neurones)において、プレシナプスのα-2アドレナリン受容体活性化がノルアドレナリン放出およびノルアドレナリン作動性の活性を阻害する。これらのレセプターでアゴニストとして働く薬(例えばクロニジン、デクスメデトミジン、グアンファシン)は、様々な臨床症状の治療に有効である。クロニジン(プロトタイプの作用薬)は高血圧症、神経障害性疼痛、オピオイドの解毒、不眠症、ADHD、トゥーレット症候群、睡眠時多汗症、中毒(麻薬、アルコールおよびニコチン離脱症状)、片頭痛、過覚醒、不安の治療、さらに獣医学的麻酔薬として有用であることが示されている。PDE4長鎖形体活性化によるcAMPレベルの低下が、α-2アドレナリン受容体刺激を介して作用する薬と同様の結果を与えると予想されることができる。更に、本発明のPDE4長鎖形体活性化体がα-2アドレナリン受容体アゴニスとともに使用される時、薬力学的効果を強めると予想される。
【0179】
β-1アドレナリン受容体遮断薬との組み合わせ
β-1アドレナリン受容体遮断薬は、高血圧症、心律動異常、および心筋梗塞後の心保護を含む一連の心臓血管の治療に使用される。それらの主作用機構は、特に心臓のβ-1アドレナリン作動性レセプタであるノルアドレナリンによって媒介される、過度の循環アドレナリンおよび交感神経活性の影響を弱めることを含んでいる。内因的および合成のβ-1アドレナリン受容体アゴニストは、Gs活性化を通じてアデニリルシクラーゼ活性を刺激し、様々な組織(たとえば心臓と腎臓)中の細胞内のcAMPレベルを上げる。従って、β-1アドレナリン受容体に媒介される活性をブロックする薬剤は、cAMP媒介シグナリングの増加を減ずることによりそれらの薬学的影響を及ぼす。PDE4長鎖形体活性化がさらに心臓の組織中のcAMP濃度および形質導入を低下させるとすれば、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、高血圧症、心律動異常、うっ血性心不全および心保護の治療または部分的なコントロールに有用であると予想される。付加的な非心臓血管の治療での有用性は、たとえば外傷後のストレスに関係する病気、不安、本態性振戦および緑内障のような、β-1アドレナリン作動性拮抗薬に応答する病気の治療に有用であると期待される。更に、本発明のPDE4長鎖形体活性化体は、β-1アドレナリン受容体遮断薬と併用されたとき、薬力学的効果を強めると予想されることができる。
【0180】
治療法
一層の態様では、本発明は、そのような療法を必要とする患者の治療または疾病予防のための方法での使用のための、式-IからVのPDE4長鎖形体の小分子活性化体を提供する。本発明は、療法を必要とする患者の疾病または疾患の治療方法であって、本発明の化合物の有効な量を患者に投与することを含む方法を提供する。疾病または疾患は、本明細書に記載された任意の疾病または疾患であることができ、以下のものを含む;増加したcAMP生産およびシグナリングに関連した疾病、たとえば甲状腺機能亢進症、ヤンセン骨幹端軟骨異形成症、上皮小体機能亢進症、家族性男性性性早熟症、脳下垂体の腺腫、クッシング病、腎多嚢胞病、多嚢胞性肝疾患、MODY5および心臓肥大;Gタンパク質のアルファ・サブユニット(GNAS1)の活性化突然変異に関連した疾患(たとえばマックーン-オルブライト症候群)を含む、増加したcAMPを媒介としたシグナリングに関係していると知られている疾病;感染症(たとえばコレラ、百日咳、炭疽菌および結核)における毒素により引き起こされたアデニリルシクラーゼ活性の増加の改善;高いcAMPによるPKAの活性化に依存すると知られている疾病、たとえばHIV感染およびAIDS、および分類不能型免疫不全(CVID)の治療;高いcAMPによるEpac1およびEpac2のどちかまたは両方の活性化に依存すると知られている疾病、たとえば黒色腫および膵臓癌の治療;高いcAMPによるcAMPゲート制御されたイオンチャネルの変調に依存する疾病の治療;cAMP応答配列結合たんぱく質の活動亢進に関係していると知られている疾病、たとえば白血病と前立腺癌の治療;cAMP加水分解PDE酵素の低減された活性に関係していると知られている疾病、たとえば副腎皮質の腫瘍、精巣癌、原発性色素性結節状副腎皮質病変(PPNAD)およびカ-ニ-複合の治療;および、細胞内のcAMPレベルの低下を通じてそれらの治療効果を生むと知られている薬の影響を模倣するか高めること。
【0181】
ここに使用される用語「本発明の化合物」、「式Iの化合物」、、「式Iaの化合物」、「式IIの化合物」、「式IIaの化合物」、「式IIIの化合物」、「式IIIaの化合物」、「式IVの化合物」、「式IVaの化合物」、「式Vの化合物」などは、その薬学的に受理可能な派生物およびポリモルフ、アイソマーおよびアイソトープでラベルが付けられたそれらの変形体を包含する。たとえば式IからVの化合物を参照する場合にはそれらの薬学的に受理可能な塩を含む。更に、これらの用語は、ここに開示した化合物のサブ実施態様をすべて含んでいる。また式IからVの化合物を参照する場合には、式I、Ia、II、IIa、III、IIIa、IV、IVaおよびVのすべてを意味し、式IIからVの化合物を参照する場合には、式II、IIa、III、IIIa、IV、IVaおよびVのすべてを意味する。
【0182】
薬学的に受理可能な派生物
本発明は、本発明の化合物の受理可能な派生物は、薬学的に受理可能な塩、溶媒化合物、エステル、水化物またはそのアミドを含む。本発明はさらに本発明の化合物を含む医薬品組成物を提供し、これは薬学的に受理可能な塩、溶媒化合物、エステル、水化物またはそのアミドを包含し、任意の薬学的に受理可能な補形薬および任意に他の治療薬との混合物をさらに包含する。「受理可能な」の用語は、組成物の他の成分と相溶性であり、レシピエントに有害でないことを意味する。組成物は、例えば、経口、舌下、皮下、静脈内、硬膜外、鞘内、筋肉内、経皮的、鼻腔内、肺性、局所的、局所、または直腸内適用に好適なものを含み、典型的には適用のためのユニット剤形でのものを含む。
【0183】
用語「薬学的に受理可能な塩」は、無機または有機の酸および塩基を含む、薬学的に受理可能な無毒な酸または塩基から調製された塩を含んでいる。塩基性基、たとえばアミノ基を含む本発明の化合物は、酸と薬学的に受理可能な塩類を形成することができる。本発明による化合物の薬学的に受理可能な酸付加塩の例は、有機カルボン酸、たとえば酢酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、ピルビン酸、シュウ酸、フマル酸、オキサロ酢酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸およびコハク酸;有機硫酸、たとえばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびp-トルエンスルホン酸、および無機酸、たとえば塩酸、硫酸、リン酸およびスルファミン酸と作られた酸付加塩を含む。
【0184】
酸性基、たとえばカルボキシ基を含む本発明の化合物は、塩基と薬学的に受理可能な塩類を形成することができる。本発明の化合物の薬学的に受理可能な塩基性塩は、金属塩、たとえばアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩(例えばナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウム塩)、亜鉛またはアルミニウムの塩類、およびアンモニアまたは薬学的に受理可能な有機アミンまたは、ヘテロ環式塩(たとえばエタノールアミン類(例えばジエタノールアミン)、ベンジルアミン、N-メチル-グルカミン、アミノ酸(例えばリジン)またはピリジンと作られた塩類が上げられるが、これらに制限されるものでは無い。酸と塩基のヘミ塩、たとえばヘミ硫酸塩も形成されてもよい。
【0185】
本発明の化合物の化合物の薬学的に受理可能な塩類は、当該技術分野において公知の方法によって調製されることができる。薬学的に受理可能な塩類の調査については、Stahl and Wermuth, Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection and Use (Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002を参照。
【0186】
プロドラッグ
本発明は、式IからVの化合物のプロドラッグを含んでいる。
プロドラッグは式IからVの化合物の誘導体であり(それらは薬理活性がほとんどまたはまったくそれら自身なくてもよい)、生体内に適用された時、式IからVの化合物に変換されることのできる化合物である。
【0187】
プロドラッグは、たとえば式IからVの化合物を形成するために生体内で代謝される適切な部位で式IからVの化合物の中にある官能基を置換することにより生産することができる。Bundgaard, Design of Prodrugs 1985 (Elsevier), The Practice of Medicinal Chemistry 2003, 2nd Ed, 561-585 and Leinweber, Drug Metab. Res. 1987, 18: 379で議論されるように、プロドラッグのデザインは当該技術分野において公知である。
【0188】
式IからVの化合物のプロドラッグの例は、それらの化合物のアミドおよびエステルである。例えば、式IからVの化合物がカルボン酸基(COOH)を含む場合、カルボン酸基の水素原子がエステル基を形成するために置換されることができる(例えば、水素原子をC1-6アルキルと置換することができる。化合物がアルコール基(-OH)を含む場合、アルコール性基の水素原子は置換され、エステルを形成することができる(例えば、水素原子は-C(O)Cアルキルで置換される)。
【0189】
溶媒化合物
化合物の対応する溶媒化合物を調製し、精製し、および/または取り扱うことは便利であるかまたは望ましく、本明細書に記載された任意の使用/方法において使用することができる。用語「溶媒化合物」は、溶質(たとえば化合物または化合物の塩)と溶剤の複合体をいうために使用される。溶剤が水である場合、溶媒化合物は水化物(例えば基体の1つの分子当たりに存在する水分子の数に応じてモノ水化物、ジ-水化物、トリ水化物など)と呼ばれることができる。
【0190】
立体異性体
本発明の化合物が様々な立体異性体として存在してもよいことは認識されるだろう。本発明の化合物は鏡像異性体とラセミ混合物を含むすべての立体異性体の形式を含む。本発明は、その範囲内に任意のそのような立体異性体の使用、または式IからVの化合物の個々の鏡像異性体を含む立体異性体の混合物または、そのような鏡像異性体の全体または一部のラセミ混合物を含んでいる。ここで適切な異性体は既知の方法(例えばクロマトグラフ法および再結晶技術)の使用または適応によってそれらの混合物から分けることができる。ここで適切な異性体は、既知の方法(例えば不斉合成)の使用または適応によって調製することができる。
【0191】
アイソトープ
本発明は、1つ以上の原子が同じ原子番号であるが、自然界で通常見つかる原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えられた、式IからVの化合物の薬学的に受理可能なアイソトープ標識化合物を含んでいる。
【0192】
本発明の化合物へ取り込まれるのに適しているアイソトープの例は、水素のアイソトープ、たとえばHおよびH、炭素、たとえば11C、13Cおよび14C、塩素、たとえば36Cl、フッ素、たとえば18F、ヨウ素、たとえば123Iおよび125I、窒素、たとえば13Nおよび15N、酸素、たとえば15O、17Oおよび18O、並びに硫黄、たとえば35Sがあげられる。例えば式IからVのあるアイソトープで標識化合物、たとえば放射性同位体を組込むものは、薬および/または基体の生体内分布研究に役立つ。放射性同位体Hおよび14Cは、検知の方法および組み込みの手段の容易さを考慮すれば、この目的に特に役立つ。アイソトープ(たとえば11C、18F、15Oおよび13N)のような陽電子放射アイソトープでの置換は、基体レセプター占有を検査するためのポジトロン放射トポグラフィー(PET)研究に役立つ。式IからVのアイソトープでの標識化合物は、一般に当業者に公知の方法により、または明細書に記載された方法に類似の方法で、ラベルが付けられていない試薬の代わりに適切なアイソトープでラベルが付けられた試薬を使用したプロセスによって調製することができる。
【0193】
医薬品組成物
経口投与のために、有効成分は、個別単位、たとえばタブレット、カプセル剤、散剤、顆粒、溶液、懸濁液などとして提供されることができる。
【0194】
経口投与に適している配合物も、即時に放出する方法、または徐々に放出する方法で本発明の化合物を供給するように設計されてもよい。ここで放出プロフィールは遅れるか、パルスとされるか、コントロールされるか、維持するか、または遅れるか維持されるか、または前記化合物の治療の効能を最適化するような方法に変性されることができる。速度を保持する方法で化合物を供給する手段は当該技術分野で知られており、それらの放出をコントロールするために前記化合物と放出速度の遅いポリマーを加えて調剤することができる。
【0195】
速度を保持するポリマーの例としては、拡散または拡散およびポリマーエロージョンの組み合わせによって前記化合物を放出するために使用することができる、分解性または非分解性のポリマーが挙げられる。速度を保持するポリマーの例としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピル・セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、キサンタンゴム、ポリメタクリレート、ポリエチレンオキシドおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0196】
液体(複数相および分散系を含む)配合物は、乳剤、懸濁液、溶液、シロップ剤およびエリキシル剤であることができる。そのような配合物は、柔いかまたは硬いカプセル剤(たとえばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースから作られたもの)の中の充填物として存在することができ、典型的にはキャリアー(例えば水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、適切な油、1つ以上の乳化剤および/または分散剤)を含む。液剤は、たとえば小袋の固体の再構成によって調製されていてもよい。
【0197】
本発明の化合物は、速い溶解性、速い崩壊性の剤形として使用されてもよい(Liang and Chen, Expert Opinion in Therapeutic Patents 2001, 11(6): 981-986に述べられていたもの)。
【0198】
タブレットの配合物はH.Lieberman and L. Lachman, Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets 1980, vol. 1 (Marcel Dekker, New York)で議論されている。
【0199】
鼻腔内投与または吸入投与については、有効成分は、ドライ粉末吸入器からのドライ粉末の形で、または気圧調節された包装容器、ポンプ、スプレー、アトマイザーまたは噴霧器からの溶液または懸濁液のエアゾルスプレーの形式で存在することができる。
【0200】
非経口投与のためには、本発明の医薬品組成物は、ユニット投与量または複数投与量の包装容器内に存在してもよく、たとえば密封したガラス瓶およびアンプル中で所定量の噴射液体として存在してよく、また使用に先立って無菌の液状キャリア(例えば水)の追加だけを要求する凍結乾燥物(凍結乾燥された)の状態で貯蔵されてもよい。
【0201】
非経口投与については、本発明の化合物は、血流、皮下組織、筋肉、または内臓へ直接適用されてもよい。適用にふさわしい手段としては、静脈内、動脈内、鞘内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液内、皮下への投与を含む。適用にふさわしい装置は針(極微針を含む)付き注射器、針なしの注射器および注入技術を含んでいる。
【0202】
非経口の配合物は典型的に水性または油性溶液である。溶液が水性の場合、たとえば糖(グルコース、マンニトール、ソルビトールなど)、塩類、炭水化物および緩衝剤(好ましくは3から9のpH)のような賦形剤を使用できるが、いくつかの用途では、無菌の非水性溶液として好ましくは配合され、または適切なビヒクル(たとえば無菌、発熱性物質を含まない水(WFI)と共に使用される、乾燥した形式として調剤されることができる。
【0203】
非経口の配合物は分解性ポリマー(たとえばポリエステル(たとえばポリ乳酸、ポリラクチド、ポリラクチド-co-グリコリド、ポリカプロ-ラクトン、ポリヒドロキシブチレート)、ポリオルソエステルおよびポリアンハイドライド)由来のインプラントを含んでいてもよい。これらの配合物は、皮下組織、筋組織、または直接特定の器官へ外科的切開によって適用されることができる、
【0204】
無菌条件の下での非経口の配合物の調製は、たとえば凍結乾燥によって、当業者に公知の標準の製薬の技術を使用して、容易に遂行されることができる。
【0205】
非経口液の調製で使用される本発明の化合物の可溶性は、たとえば共溶剤および/または溶解性向上剤の添加、たとえば界面活性剤、ミセル構造およびシクロデキストリンののような適切な配合技術の使用によって増加させられることができる。
【0206】
そのような薬学的に受理可能な添加剤、例えば、Gennaro, A.R. et al, Remington: The Science and Practice of Pharmacy (21st Edition, Lippincott Williams & Wilkins, 2005, see especially Part 5: Pharmaceutical Manufacturingに記載されたものとの混合物において、活性な作用薬は、固体投与ユニットへ圧縮され、たとえば錠剤、タブレットにされ、またはカプセル剤、坐剤または貼付剤へ加工される。薬学的に受理可能な液体として、活性な作用薬は流体組成物として適用することができる。例えば、注入剤、エアゾルスプレーまたは溶液、懸濁液またはエマルションの形で適用することができる。
【0207】
固体投与ユニットを作るために、従来の添加物、たとえば充填剤、着色剤、高分子結合材などの使用が考慮される。一般に、活性化合物の機能の邪魔をしない任意の薬学的に受理可能な添加物を使用することができる。本発明の活性な作用薬とともに適用することができる適切なキャリアーとしては、ラクトーゼ、スターチ、セルロース誘導体およびその他同種のもの、またはそれらの混合物を含む固形組成物が適量で使用されることができる。非経口投与においては、薬学的に受理可能な分散剤および/または湿潤剤(プロピレングリコールまたはブチレン・グリコール)を含む水性懸濁液、等張食塩水液および無菌注射剤溶液を使用することができる。
【0208】
上記の本発明の組成物はさらに、前記組成物に適している包装材料とともに使用することができる。包装材料は、上記の組成物の使用のための指示を含むことができる。いくつかの実施態様中で、本発明の1つ以上の化合物は、前記の症状の治療に使用される治療薬、つまり他の治療薬と共に使用することができる。他の療法と組み合わせた活性化合物の場合については、2つ以上の治療薬が、個々の投与量スケジュールおよび異なるルート経由で与えられてもよい。
【0209】
本発明の化合物と上にリストされた作用薬との組み合わせは、一般知識を使用し、熟練した開業医に知られた投薬処方を使用して、医師が決定できる。
【0210】
本発明の化合物が1、2、3または4以上、好ましくは1または2,好ましくは1つの治療薬との併用で適用される場合、他の治療薬と化合物は、同時にまたは連続して適用することができる。連続して適用された時、それらは短い間隔を置かれた間隔(例えば5-10分の期間)、またはより長い間隔(例えば1、2、3または4時間以上離れて、またはさらに必要な場合にはより長い期間で別々に)で投与することができる。正確な投与計画は、治療薬の特性にふさわしくされる。
【0211】
1つの実施態様では、本発明は、療法で使用される、同時、個別または連続して投与される複合成分製剤としての、本発明の化合物および別の治療薬を含む生成物を提供する。1つの実施態様では療法は、環式3’,5’-アデノシン一燐酸(cAMP)によって媒介される二次伝達物質反応の低減が必要とされる病気の治療または予防である。複合成分製剤として提供される生成物は、本発明の組成物と別の治療薬を1つの医薬品組成物含む組成物、または本発明の化合物と他の治療薬を別の形体で含むもの、たとえばキット形体のものを含む。
【0212】
1つの実施態様では、本発明は、本発明および別の治療薬の化合物を含む医薬品組成物を提供する。任意に、医薬品組成物は上に記述されるような薬学的に受理可能な補形薬を含んでもよい。
【0213】
1つの実施態様では、本発明は、2つ以上の別個の医薬品組成物を含むキットを提供する。その少なくとも1つは、本発明の化合物を含む。1つの実施態様では、キットは、別々に前記の組成物を保持するための手段、たとえば包装容器、分割されたボトル、または分割されたホイルパケットを含む。そのようなキットの一例はブリスターパックであり、タブレット、カプセル剤およびその他同種のものパッケージングに典型的に使用される。
【0214】
本発明のキットは、異なる剤形を適用するために使用され、たとえば経口と非経口の剤形を投与する場合、異なる投与間隔で別個の組成物を投与する場合、または個別の組成物を互いに滴定する場合に使用される。法遵守の支援のために、本発明のキットは、典型的には適用の指示を含む。
【0215】
本発明の併用療法では、本発明の化合物および別の治療薬は、同じか異なるメーカーによって生産および/また配合することができる。さらに、本発明の化合物および別の治療薬は、併用療法に一緒に使用されることができる:
(i)医師への配合剤の提供に先立って(例えば本発明の化合物および別の治療薬を含むキットの場合);
(ii)適用直前に医師によって(または医師のガイダンスの下で);
(iii)患者自身により、例えば、本発明の化合物および別の治療薬の連続した適用中に。
【0216】
製造方法および治療法
本発明は、さらに環式の3’,5’-アデノシン一燐酸(cAMP)によって媒介された二次伝達物質反応の低減が必要とされる疾病の治療または予防のための医薬品の製造における本発明の化合物の使用を提供する。ここで医薬品は別の治療薬と併用される適用のために調製されている。本発明は、さらに環式3’,5’-アデノシン一燐酸(cAMP)によって媒介された二次伝達物質反応の低減が必要とされる疾病の治療または予防のための医薬品の製造における他の治療薬の使用を提供する。ここで医薬品は本発明の化合物と併用される適用のために調製されている。
【0217】
本発明は、さらに環式3’,5’-アデノシン一燐酸(cAMP)によって媒介された二次伝達物質反応の低減が必要とされる疾病の治療または予防での使用のための本発明の化合物を提供する、ここで本発明の化合物は別の治療薬との適用のために調製されている。本発明は、さらに環式3’,5’-アデノシン一燐酸(cAMP)によって媒介された二次伝達物質反応の低減が必要とされる疾病の治療または予防での使用のための他の治療薬を提供する、ここで他の治療薬は本発明の化合物との適用のために調製されている。本発明は、さらに環式の3’,5’-アデノシン一燐酸(cAMP)によって媒介された二次伝達物質反応の低減が必要とされる疾病の治療または予防における使用のための本発明の化合物を提供する。ここで本発明の化合物は他の治療薬とともに適用される。本発明は、さらに環式の3’,5’-アデノシン一燐酸(cAMP)によって媒介された二次伝達物質反応の低減が必要とされる疾病の治療または予防における使用のための他の治療薬を提供する。ここで他の治療薬は本発明の化合物とともに適用される。
【0218】
本発明は、さらに環式の3’,5’-アデノシン一燐酸(cAMP)によって媒介された二次伝達物質反応の低減が必要とされる疾病の治療または予防のための医薬品の製造における本発明の化合物の使用を提供する、ここで患者は先に(例えば24時間以内に)他の治療薬で治療されている。本発明は、さらに環式の3’,5’-アデノシン一燐酸(cAMP)によって媒介された二次伝達物質反応の低減が必要とされる疾病の治療または予防のための医薬品の製造における他の治療薬の使用を提供する、ここで患者は先に(例えば24時間以内に)本発明の化合物で治療されている。
【0219】
1つの実施態様では、別の治療薬は次のとおりである:
(i) プレシナプスα-2アドレナリン受容体アゴニスト(presynaptic α-2 adrenergic receptor agonist)、任意にクロニジン、デデキスメデトミジンまたはグアンファシン;
(ii) β-1アドレナリン受容体遮断薬(「β-遮断薬」)、任意にアテノロール、メトプロロール、ビスオプロロール(Bisoprolol)、アセブトロールまたはベータキシロール(Betaxolol)。
【0220】
実施例
本発明は、次の非制限的な例、および表と図によりさらに記述される:
【0221】
表1は、本発明に係る実施例1-32における、小分子PDE4長鎖形体活性化体の構造を示す。
表2は、PDE4の長鎖形体のPDE4D5の酵素分析データを示す。
表3は、PDE4の別の長鎖形体のPDE4B1の酵素分析データを示す。
表4は、PDE4の短鎖形体のPDE4B2の酵素分析データを示す。
【0222】
図1は、実施例2によるPDE4長鎖形体、PDE4D5の活性化、およびPDE4短鎖形体、PDE4B2の活性化の欠如を示し、PDE4短鎖形体よりもPDE4長鎖形体で大きい活性化の選択性を実証する。図2は、実施例1の化合物(10μM)で10分間処理した後、2分間、ホルスコリン(F)(10μM)で処理したイヌ腎臓尿細管上皮細胞由来の細胞株(MDCK細胞)中の細胞内のcAMPレベルの低下を示す。図3は実施例28のPDE4長鎖形体活性化体で処理されたMDCK細胞の3D培地での嚢胞形成の抑制を示す。
【0223】
実験の詳細
PDE4長鎖形体活性化体(実施例1から32)の調製
反応は、薄層クロマトグラフィー(Merck Millipore TLC シリカゲル60 F254)によってモニターされた。フラッシュ・カラムクロマトグラフイーは、Phenomenex Strata(登録商標)またはBiotage Isolera(登録商標)であらかじめパックされたシリカゲル・カラム上で行なわれた。NMRスペクトルは25℃でBruker AV300 または Bruker 400MHz分光計を使用して記録された。次の略語がNMRシングルのアサインメントで使用される:s(シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、q(カルテット)、m(多重線)、bs(広いシングレット)、dd(ダブレットのダブレット)、dt(トリプレットのダブレット)。
【0224】
実施例1:
メチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート
ステップ1:N-(3-フルオロベンジル)-2-クロロアセトアミド
アルゴン下の-5℃(塩/氷浴)の無水ジクロロメタン(80 mL)中の3-フルオロベンジルアミン(3.32g、26.6ミリモル)およびトリエチルアミン(3.87 mL、27.9ミリモル)の撹拌された溶液に、クロロアセチルクロリド(2.22 mL、27.9ミリモル)を、10分間滴下により加えた。反応液はさらに30分間-5℃で撹拌され、次に、2時間室温で撹拌された。その後、その混合物は、クロロホルム(50 mL)で薄められ、飽和された炭酸水素ナトリウム水溶液(3×20 mL)そして次に塩水(3×20 mL)で洗われた。その後、有機質層は無水硫酸ナトリウム上で乾かされ、2cmのシリカゲル・パッドによってろ過され、クロロホルム中の2%メタノールで洗い、濾液は減圧下で濃縮され、白色固形物としてN-(3-フルオロベンジル)-2-クロロアセトアミド(5.15g、25.5ミリモル)を得た。
【0225】
ステップ2:N-(3-フルオロベンジル)-2-ヨードアセトアミド
アセトニトリル(50 mL)中のN-(3-フルオロベンジル)-2-クロロアセトアミド(5.13g、25.4ミリモル)の撹拌された溶液に、ヨウ化ナトリウム(4.00g、26.7ミリモル)を加えた。その混合物は3時間90℃(油浴)で還流され、次に、室温に冷却した。沈殿物をセライト(登録商標)の短いパッドを使用してろ過し、ジクロロメタンで洗った。濾液は減圧下で濃縮され、薄茶色固体として粗製生成物を得た。粗製生成物は石油エーテル中の5%から35%の酢酸エチルで溶出して、フラッシュカラム・クロマトグラフィーによって精製され、浅黄色粉末としてN-(3-フルオロベンジル)-2-ヨードアセトアミド(7.11g、24.3ミリモル)を得た。
【0226】
ステップ3:4-クロロ-3-フルオロベンゼン・カルボキシミド酸メチルエステル塩酸塩
メタノール中の塩酸溶液(3N;3 mL)、クロロトリメチルシラン(3.26g、30.0ミリモル)、4-クロロ-3-フルオロベンゾニトリル(2.33g、15ミリモル)を、室温でアルゴン下で撹拌しながら、乾式反応チューブに連続して加えた。その混合物は、1時間、撹拌しながら50℃に加熱し、その間に、粘稠な白色の沈殿物が混合物内に生じた。シクロペンチルメチル・エーテル(5 mL)が加えられ、混合物は沈殿を緩めるための周期的な振盪と共にさらに1時間50℃に加熱された。その後、室温にその混合物を冷却し、固体は濾別され、シクロペンチルメチル・エーテル(2×5 mL)で洗い、4-クロロ-3-フルオロベンゼン・カルボキシミド酸メチルエステル塩酸塩(1.43g、6.9ミリモル)を得た。
【0227】
ステップ4:メチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート
トルエン(25 mL)中の4-クロロ-3-フルオロベンゼン・カルボキシミド酸メチルエステル塩酸塩(374mg、1.8ミリモル)、ヒドラジン水化物(1.75 mL、36.0ミリモル)および塩化アルミニウム(240mg、1.8ミリモル)の混合物が、3時間還流下に加熱された。その混合物は減圧下で濃縮され、トルエン中に採取され、減圧下で2回以上濃縮された。残渣はトルエン/アセトニトリル混合物(12:1、26 mL)中に懸濁された。メチルクロロオキサアセテート(0.83 mL、9.0ミリモル)が加えられ、混合物は2時間還流下に加熱された。混合物は減圧の下で濃縮され、石油エーテル中の20%から25%の酢酸エチルで溶出して、フラッシュカラム・クロマトグラフィーによって精製され、メチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート(43mg、0.17ミリモル)を得た。
【0228】
ステップ5:メチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート
ジメチル・フォルムアミド(2 mL)中のメチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート(21.5mg、0.084ミリモル)の、0℃のアルゴン下で撹拌された溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中の60%分散液、4.0mg、0.10ミリモル)が加えられた。10分の後、ジメチルホルムアミド(3 mL)中のN-(3-フルオロベンジル)-2-ヨードアセトアミド(30mg、0.10ミリモル)の溶液が滴加された。室温にその反応液を暖まらせ、72時間撹拌された。その混合物は減圧下で濃縮され、次に、酢酸エチル(20 mL)と水(10 mL)の間で分割された。有機質層は分離され、塩水(2×10 mL)で洗われ、無水マグネシウム硫酸塩上で乾かされ、減圧下でろ過され濃縮された。粗製生成物は、石油エーテル中の40%の酢酸エチルで溶出して、フラッシュカラム・クロマトグラフィーによって精製され、白色固形物としてメチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート(4.0mg、0.010ミリモル)を得た。
【0229】
H NMR:
δH (300 MHz, CDCl3) 7.92 (1H, dd, J 9.7, 1.9), 7.87 (1H, ddd, J 8.3, 1.9, 0.8), 7.47 (1H, dd, J 8.3, 7.3), 7.27-7.34 (1H, m), 6.94-7.06 (3H, m), 6.12 (1H, broad t, J 5.0), 5.38 (2H, s), 4.50 (2H, d, J 6.0), 4.04 (3H, s).
【0230】
実施例2:
エチル 1-[(ベンジルカルバモイル)メチル]-3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート
ステップ1で3-フルオロベンジルアミンの代わりにベンジルアミンを使用し、ステップ4でメチルクロロオキサアセテートの代わりにエチルクロロオキサアセテートを使用して表題化合物が、実施例1の方法によって調製された。
【0231】
H NMR:
δH (300 MHz, CDCl3) 7.92 (1H, dd, J 9.9, 1.9), 7.87 (1H, ddd, J 8.3, 1.9, 0.8), 7.46 (1H, dd, J 8.2, 7.6), 7.24-7.36 (5H, m), 6.10 (1H, broad s), 5.36 (2H, s), 4.50 (2H, q, J 7.1), 4.49 (2H, d, J 5.6), 1.45 (3H, t, J 7.1).
【0232】
実施例3:
メチル1-[(ベンジルカルバモイル)メチル]-3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート
ステップ1で3-フルオロベンジルアミンの代わりにベンジルアミンを使用して表題化合物が、実施例1の方法によって調製された。
【0233】
H NMR:
δH (300 MHz, CDCl3) 7.91 (1H, dd, J 9.8, 1.9), 7.86 (1H, ddd, J 8.3, 1.9, 0.8), 7.46 (1H, dd, J 8.2, 7.5), 7.25-7.37 (5H, m), 6.10 (1H, broad s), 5.37 (2H, s), 4.50 (2H, d, J 5.7), 4.03 (3H, s).
【0234】
実施例4:
エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート
ステップ1:エチル4-クロロ-3-フルオロベンズイミダート塩酸塩
無水のHClガスが30分間、氷冷無水アルコール(150 mL)を通してバブリングされた。これに、クロロホルム(70 mL)中の4-クロロ-3-フルオロベンゾニトリル(25g、160ミリモル)の溶液が加えられ、HClが2時間さらにパージされた。得られた混合物は、室温に暖められ、フラスコはガラス栓で覆われた。得られた溶液は、16時間室温で撹拌された。溶剤は減圧下で蒸発され、残渣はエーテル(150 mL)で希釈された。得られた白色沈殿物はろ過され、エーテル(3×50 mL)で洗われ、白色固体としてエチル 4-クロロ-3-フルオロベンズイミダート塩酸塩(22g)を得た。
【0235】
ステップ2:t-ブチル 2-[(4-クロロ-3-フルオロフェニル)(イミノ)メチル]ヒドラジン-1-カルボキシレート
窒素下で無水エタノール(100 mL)中のエチル 4-クロロ-3-フルオロベンズイミダート塩酸塩(10g、42ミリモル)の撹拌された溶液に、トリメチルアミン(17.5 mL、126ミリモル)が追加された。10分後、室温で、t-ブチルカルバゼート(carbazate)(11.1g、84ミリモル)が、分割して追加された。得られた混合物は、16時間50℃に加熱され、次に、室温に冷却された。揮発成分が回転蒸発装置を使用して除去された。また、得られた残渣は、水で希釈された。合成の白色沈殿物は濾過され、水および過剰のエーテルで洗われた。得られた白色固体は、4時間50℃で真空下で乾かされ、t-ブチル 2-[(4-クロロ-3-フルオロフェニル)(イミノ)メチル]ヒドラジン-1-カルボキシレート(20g)を与えた。それはそれ以上の精製なしで使用された。
【0236】
ステップ3:4-クロロ-3-フルオロベンズイミドヒドラジド塩酸塩
CHCl/メタノール(200 mL、9:1)中のt-ブチル 2-[(4-クロロ-3-フルオロフェニル)(イミノ)メチル]ヒドラジン-1-カルボキシレート(20g、69.7ミリモル)の氷冷溶液に、ジオキサン(87 mL、348.5ミリモル)中の4MのHClが追加された。得られた混合物は、20時間室温で撹拌された。その後、溶剤はすべて回転蒸発装置で取り除かれた。また、残渣はエーテル(100 mL)で希釈された。得られた固体はろ過され、エーテル(3×50 mL)で洗われ、4-クロロ-3-フルオロベンズイミドヒドラジド塩酸塩(14g)を白色固体として得た。
【0237】
ステップ4:エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート
シールド管の中で、4-クロロ-3-フルオロベンズイミドヒドラジド塩酸塩(8g、35.7ミリモル)が窒素下でアセトニトリル/トルエン(100 mL、3:1)に加えられた。その懸濁液は0℃に冷やされ、ジイソプロピルエチルアミン(18.6 mL、107.1ミリモル)が加えられ、次いでエチル 2-クロロ-2-オキサアセテート(7.3g、53.6ミリモル)が加えられた。得られた溶液は、4時間90℃に加熱された。その反応液は室温に冷やされ、揮発成分はすべて減圧下で除去された。得られた残渣はフラッシュ・カラムクロマトグラフイーにより石油エーテル中の15%から35%の酢酸エチルで溶出して精製され、白い固体としてエチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート(5.0g)を与えた。
【0238】
ステップ5:エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレートの、N-(3-フルオロベンジル)-2-ヨードアセトアミドによるアルキル化が実施例1のステップ5の手続きによって実行され、表題化合物が白い固体として得られた。
【0239】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.87 (1H, t, J 5.6), 7.93 - 7.88 (2H, m), 7.75 (1H, t, J 8.0), 7.40 - 7.35 (1H, m), 7.14 - 7.06 (3H, m), 5.37 (2H, s), 4.40 - 4.35 (4H, m), 1.32 (3H, t, J 7.2).
【0240】
実施例5:
エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート
表題化合物はステップ5でN-(3-フルオロベンジル)-2-ヨードアセトアミドの代わりにN-(3-メトキシベンジル)-2-ヨードアセトアミドを使用して、実施例4の方法によって調製された。N-(3-メトキシベンジル)-2-ヨードアセトアミドは、3-フルオロベンジルアミンの代わりに3-メトキシベンジルアミンを使用して、実施例1、ステップ1および2の方法によって調製された。
【0241】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.80 (1H, t, J 5.6), 7.93 - 7.88 (2H, m), 7.74 (1H, t, J 8.0), 7.28 (1H, t, J 8.0), 6.87 - 6.82 (3H, m), 5.35 (2H, s), 4.37 (2H, q, J 7.0), 4.30 (2H, d, J 5.6), 3.75 (3H, s), 1.32 (3H, t, J 7.0).
【0242】
基本手順1:
エステル加水分解
下記手順がエチル・エステル誘導体(実施例4および5)から、カルボン酸誘導体(それぞれ実施例6および7)を調製するために使用された:THF/メタノール(10 mL、1:1)中のエチル・エステル誘導体(1 equi.)の氷冷溶液に、水中のLiOH・HO(5 mL)の1.5 equiが追加された。得られる溶液は、4時間室温で撹拌された。揮発成分は真空下で蒸発させた。また、残渣はCHCl(20 mL)で希釈され、希薄HClで中和された。有機質層は飽和炭酸水素ナトリウム(10 mL)および塩水で洗われた。その後、有機質層は無水硫酸ナトリウム上で乾かされ、減圧下でろ過され濃縮された。粗生成物の固体は、石油エーテル中の30%から60%の酢酸エチルで溶出して、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、所望のカルボン酸を得た。
【0243】
実施例6:
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイルl]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボン酸
表題化合物が基本手順1によって、エチル3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート(実施例4)から調製された。
【0244】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 13.45 (1H, bs), 9.65 (1H, t, J 6.0), 7.96 - 7.91 (2H, m), 7.77 (1H, t, J 8.0), 7.40 - 7.37 (1H, m), 7.19 - 7.01 (3H, m), 5.36 (2H, s), 4.48 (2H, d, J 6.0).
【0245】
実施例7:
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボン酸
エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート(実施例5)から表題化合物が基本手順1によって調製された。
【0246】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 13.40 (1H, bs), 9.56 (1H, t, J 5.9), 7.96 - 7.88 (2H, m), 7.77 (1H, t, J 8.0), 7.25 (1H, t, J 8.0), 6.91 (2H, bs), 6.83 (1H, d, J 8.0), 5.37 (2H, s), 4.43 (2H, d, J 5.9), 3.74 (3H, s).
【0247】
基本手順2:
エステルからの非置換アミドの合成
下記手順がエチル・エステル誘導体(実施例4および5)から、非置換アミド(それぞれ実施例8および9)を調製するために使用された:エチル・エステル誘導体は、エタノール中のアンモニア飽和溶液(エステルの2 mL/100mg)に撹拌下で加えられた。得られる溶液は、4時間100℃で鋼製ボンベ(steel bomb)中で加熱された。その反応液は室温に冷やされた。溶剤は回転蒸発装置上で蒸発された。また、得られた粗生成物は石油エーテル中の30%から60%の酢酸エチルで溶出して、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、所望のアミドを得た。
【0248】
実施例8:
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物は基本手順2によってエチル3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート(実施例4)から調製された。
【0249】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.78 (1H, t, J 5.6), 8.32 (1H, bs), 8.07 (1H, bs), 7.94 - 7.87 (2H, m), 7.77 (1H, t, J 8.0), 7.40 - 7.35 (1H, m), 7.15 - 7.06 (3H, m), 5.40 (2H, s), 4.34 (2H, d, J 5.6).
【0250】
実施例9:
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物は基本手順2によってエチル3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート(実施例5)から調製された。
【0251】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.72 (1H, t, J 4.8), 8.31 (1H, s), 8.05 (1H, s), 7.94 - 7.87 (2H, m), 7.76 (1H, t, J 7.9), 7.24 (1H, t, J 7.8), 6.86 - 6.81 (3H, m), 5.39 (2H, s), 4.29 (2H, d, J 5.6), 3.75 (3H, s).
【0252】
基本手順3:
エステルからの置換アミドの合成
下記手順がエチル・エステル誘導体(実施例4および5)から置換アミド(実施例10、11および12)を調製するために使用された:トルエン中のエチル・エステル誘導体(1当量)の溶液に、DABAL-Me(1.5当量)、およびメチル・アミンまたはジメチルアミン(1M; 1.5当量)のTHF溶液を追加した。得られた混合物は、4から8時間80℃に加熱された(TLCによってモニターされた)。その反応液は室温に冷やされ、酢酸エチルで希釈された。有機質層は気迫HClおよび塩水で洗われた。その後、有機質層は無水硫酸ナトリウム上で乾かされ、減圧下でろ過され濃縮された。粗生成物の固体は、石油エーテル中の25%から50%の酢酸エチルで溶出して、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、所望のアミドを得た。
【0253】
実施例10:
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物は、基本手順3により、エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート(実施例4)およびメチル・アミンから調製された。
【0254】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.96 - 8.94 (1H, m), 8.80 (1H, t, J 6.0), 7.94 - 7.87 (2H, m), 7.77 (1H, t, J 8.0), 7.40 - 7.34 (1H, m), 7.16 - 7.12 (2H, m), 7.10 - 7.06 (1H, m), 5.41 (2H, s), 4.34 (2H, d, J 6.0), 2.81 (3H, d, J 5.0).
【0255】
実施例11:
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N,N-ジメチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物は、基本手順3により、エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート(実施例4)およびジメチルアミンから調製された。
【0256】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.85 (1H, t, J 5.8), 7.92 - 7.85 (2H, m), 7.74 (1H, t, J 8.0), 7.40 - 7.35 (1H, m), 7.14 - 7.06 (3H, m), 5.20 (2H, s), 4.35 (2H, d, J 5.8), 3.25 (3H, s), 3.02 (3H, s).
【0257】
実施例12:
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物は、基本手順3により、エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート(実施例5)およびメチル・アミンから調製された。
【0258】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.95 (1H, q, J 4.8), 8.74 (1H, t, J 5.6), 7.94 - 7.87 (2H, m), 7.79 - 7.75 (1H, m), 7.24 (1H, t, J 7.8), 6.87 - 6.81 (3H, m), 5.40 (2H, s), 4.29 7.75 (2H, d, J 5.6), 3.75 (3H, s), 2.80 (3H, d, J 4.8).
【0259】
実施例13:
2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-シアノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]-N-(3-フルオロベンジル)アセトアミド
ステップ1:3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド
エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート(実施例4に述べられているように調製された; 800mg、2.97ミリモル)は、エタノール中のアンモニアの飽和溶液(16 mL)に撹拌下に加えられた。得られた溶液は、4時間100℃で鋼製ボトル中で加熱された。その反応液は室温に冷やされた。溶剤は減圧の下で蒸発された。また、得られた粗生成物は、石油エーテル中の40%から60%の酢酸エチルで溶出して、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、浅黄色固体として3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド(600mg)を与えた。
【0260】
ステップ2:3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボニトリル
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド(600mg、2.5ミリモル)がオキシ塩化リン(10 mL)に分割して追加され、得られた混合物は、3時間90℃で加熱された。過剰のオキシ塩化リンは減圧下で除去された。また、残余の物質は氷水(50 mL)、CHCl(30 mL)で希釈され、分離された。有機質層は飽和炭酸水素ナトリウム(20 mL)および塩水(20 mL)で洗われた。その後、有機質層は無水硫酸ナトリウム上で乾かされ、減圧下でろ過され濃縮された。粗生成物の固体は、石油エーテル中の40%から70%の酢酸エチルで溶出して、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、白色固体として3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボニトリル(400mg)を与えた。
【0261】
ステップ3:2-(3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-シアノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-N-(3-フルオロベンジル)アセトアミド
無水アセトン(5 mL)中の3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボニトリル(80mg、0.36ミリモル)の、マイクロ波管中の、脱ガスされた溶液に、無水炭酸カリ(150mg、1.8ミリモル)が追加された。N-(3-フルオロベンジル)-2-ヨードアセトアミド(70mg、0.4ミリモル)が加えられ、得られた混合物は、2時間70℃で電子レンジの中で加熱された。溶剤はすべて減圧下で取り除かれた。また、残渣は酢酸エチル(25 mL)と水(25 mL)の間で分割された。有機質層は水(20 mL)および塩水(20 mL)で洗われた。その後、有機質層は無水硫酸ナトリウム上で乾かされ、減圧下でろ過され濃縮された。粗生成物の固体は、石油エーテル中の40%から70%の酢酸エチルで溶出され、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、白い固体として2-(3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-シアノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-N-(3-フルオロベンジル)アセトアミド(12mg)を与えた。
【0262】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.99 (1H, t, J 5.6), 7.86 - 7.79 (2H, m), 7.64 - 7.61 (1H, m), 7.38 - 7.33 (1H, m), 7.11 - 7.09 (1H, m), 7.09 - 7.01 (2H, m), 5.26 (2H, s), 4.31 (2H, d, J 5.6).
【0263】
実施例14:
N-(3-フルオロベンジル)-2-[5-メチル-3-(ピリジン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]アセトアミド
ステップ1:5-メチル-3-(ピリジン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール
無水メタノール(0.5M; 4 mL)中のナトリウム・メトキシドの溶液に、3-ピリジンカルボニトリル(1.04g、10ミリモル)を追加した。得られる溶液は、2.5時間アルゴン下で室温で撹拌された。無水メタノール(10 mL)中のアセトヒドラジド(0.74g、10ミリモル)の溶液が加えられ、混合物は3時間、還流下で加熱された。得られた混合物は室温に冷やされ、減圧下で濃縮され、ジクロロメタン中の1%から8%のメタノールで溶出して、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、5-メチル-3-(ピリジン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール(78mg、0.49ミリモル)を与えた。
【0264】
ステップ2:N-(3-フルオロベンジル)-2-[5-メチル-3-(ピリジン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]アセトアミド
0℃のアルゴン下のジメチル・フォルムアミド(3 mL)中の5-メチル-3-(ピリジン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール(78mg、0。49ミリモル)の撹拌された溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中の60%の分散液、25.5mg、0.64ミリモル)が追加された。10分後、N-(3-フルオロベンジル)-2-ヨードアセトアミド(187mg、0.64ミリモル)が加えられた。その反応液は、室温に暖められ、20時間撹拌された。得られた混合物は減圧下で濃縮された。残渣はジクロロメタン中の1%から5%のメタノールで溶出して、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、生成物はクロロホルム/ヘキサンから再結晶され、N-(3-フルオロベンジル)-2-[5-メチル-3-(ピリジン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]アセトアミド(17mg、0.052ミリモル)を与えた。
【0265】
H NMR:
δH (300 MHz, CDCl3) 9.25 (1H, d, J 1.4), 8.58 (1H, dd, J 4.9, 1.6), 8.27 (1H, dt, J 7.9, 2.0), 7.34 (1H, ddd, J 8.0, 4.9, 0.8), 7.23-7.31 (1H, m), 6.92-7.02 (3H, m), 6.91 (1H, broad s), 4.86 (2H, s), 4.47 (2H, d, J 5.9), 2.55 (3H, s).
【0266】
実施例15:
N-ベンジル-2-[3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾル-1-イル]アセトアミド
3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾール(100mg、0.56ミリモル)はアセトニトリル(3 mL)およびDMF(5滴)に溶かされた。無水炭酸ナトリウム(71mg、0.67ミリモル)が加えられた。得られた混合物は、30分間室温で撹拌され、その後N-ベンジル-2-ヨードアセトアミド(実施例3に記載のように調製された;184mg、0.67ミリモル)がその後に加えられた。その反応液は22時間還流下に加熱された。その混合物は室温に冷やされ、水と酢酸エチルの間で分割された。結合した有機質層は、無水硫酸ナトリウム上で乾かされ、減圧下でろ過され濃縮された。粗生成物の生成物は、石油エーテル中の25%から50%の酢酸エチルで溶出して、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、N-ベンジル-2-[3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾル-1-イル]アセトアミド(45.6mg、0.14ミリモル)を与えた。
【0267】
H NMR:
δH (300 MHz, CDCl3) 7.66-7.70 (2H, m), 7.50 (1H, d, J 2.4), 7.33-7.38 (2H, m), 7.19-7.31 (5H, m), 6.76 (1H, broad s), 6.60 (1H, d, J 2.4), 4.88 (2H, s), 4.46 (2H, d, J 5.8).
【0268】
実施例16:
2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-シアノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]-N-(3-メトキシベンジル)アセトアミド
表題化合物はステップ3でN-(3-フルオロベンジル)-2-ヨードアセトアミドの代わりにN-(3-メトキシベンジル)-2-ヨードアセトアミドを使用して、実施例13の方法によって調製された。
【0269】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.94 (1H, t, J 5.6), 7.87-7.79 (2H, m), 7.64-7.62 (1H, m), 7.22 (1H, t, J 7.6), 6.83-6.79 (2H, m), 6.74 (1H, d, J 7.6), 5.22 (2H, s), 4.27 (2H, d, J 5.6), 3.74 (3H, s).
【0270】
基本手順4:
エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレートからのアルキル化された1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミドの合成
ステップ1:5-カルボキサミド形成
無水トルエン中のエチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート(1当量)およびトリエチルアミン(3当量)の脱ガスされた溶液に、DABAL-Me(1.5当量)を追加し、次いで対応するアミン(1.2当量)を追加した。得られる混合物は、1から3時間110℃でシールド管の中で加熱された(TLCによってモニターされた)。その反応液は室温に冷やされ、酢酸エチルで希釈された。有機質層は希薄塩酸水溶液および塩水で洗われた。その後、有機質層は無水硫酸ナトリウム上で乾かされ、減圧下でろ過され濃縮された。粗生成物の固体は、石油エーテル中の50%から80%の酢酸エチルで溶出して、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、所望のアミドを与えた。
【0271】
ステップ2:アルキル化
ステップ1からのアミド(1当量)の窒素下の室温の無水アセトン中の撹拌された溶液に、炭酸カリウム(2当量)を追加した。15分後、無水アセトン中のN-(3-フルオロベンジル)-2-ヨードアセトアミドまたはN-(3-メトキシベンジル)-2-ヨードアセトアミド(1.5当量)を滴下した。その反応液は1時間から6時間還流下で加熱された(TLCによってモニターされた)。反応液は、室温に冷やされ、酢酸エチルで希釈された。得られる懸濁液はセライトを通してろ過された。残渣は酢酸エチルで洗われた。濾液は蒸発された。得られた粗生成物の固体は、石油エーテル中の50%から60%の酢酸エチルで溶出して、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによってさらに精製され、白い固体として所望のカルボキサミドを与えた。
【0272】
実施例17:
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-イソプロピル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物は、ステップ1でイソプロピルアミンを使用し、ステップ2でN-(3-メトキシベンジル)-2-ヨードアセトアミドを使用して、基本手順4によって調製された。
【0273】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.75-8.71 (2H, m), 7.97-7.89 (2H, m), 7.75 (1H, t, J 8.0), 7.23 (1H, t, J 7.6), 6.87-6.80 (3H, m), 5.38 (2H, s), 4.29 (2H, d, J 6.0), 4.12-4.07 (1H, m), 3.75 (3H, s), 1.19 (6H, d, J 6.4).
【0274】
実施例18:
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N,N-ジメチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物は、ステップ1でジメチルアミンを使用し、ステップ2でN-(3-メトキシベンジル)-2-ヨードアセトアミドを使用して、基本手順4によって調製された。
【0275】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.79 (1H, t, J 5.9), 7.92-7.92 (2H, m), 7.74 (1H, t, J 8.0), 7.25 (1H, t , J 8.0), 6.86-6.85 (3H, m), 5.18 (2H, s), 4.30 (2H, d, J 5.9), 3.75 (3H, s ), 3.25 (3H, s), 3.02 (3H, s).
【0276】
実施例19:
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物は、ステップ1でエチルアミンを使用し、ステップ2でN-(3-フルオロベンジル)-2-ヨードアセトアミドを使用して、基本手順4によって調製された。
【0277】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 9.03 (1H, t, J 6.0), 8.81 (1H, t, J 6.0), 8.79-7.95 (2H, m), 7.77 (1H, t, J 7.6), 7.40-7.38 (1H, m), 7.15 (2H, t, J 6.4), 7.10-7.08 (1H, m), 5.41 (2H, s), 4.35 (2H, d, J 5.6), 3.34-3.33 (2H, m), 1.14 (3H, t, J 7.20).
【0278】
実施例20:
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-(2-メトキシエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物は、ステップ1で2-メトキシエチルアミンを使用し、ステップ2でN-(3-フルオロベンジル)-2-ヨードアセトアミドを使用して、基本手順4によって調製された。
【0279】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.93 (1H, t, J 5.6), 8.80 (1H, t, J 6.0), 7.96-7.88 (2H, m), 7.77 (1H, t, J 8.0), 7.40-7.34 (1H, m), 7.15-7.10 (2H, m), 7.07 (1H, t, J 2.4), 5.41 (2H, s), 4.35 (2H, t, J 6.0), 3.49-3.45 (4H, m), 3.27 (3H, s).
【0280】
実施例21:
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-(2-メトキシエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物は、ステップ1で2-メトキシエチルアミンを使用し、ステップ2でN-(3-メトキシベンジル)-2-ヨードアセトアミドを使用して、基本手順4によって調製された。
【0281】
H NMR:
δH (400 MHz, CD3OD) 7.99-7.93 (2H, m), 7.60 (1H, t, J 8.0), 7.24 (1H, t, J 8.0), 6.93-6.90 (2H, m), 6.84-6.81 (1H, m), 5.47 (2H, s), 4.42 (2H, s), 3.81 (3H, s), 3.58 (4H, s), 3.40 (3H, s).
【0282】
実施例22:
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-シクロヘキシル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物は、ステップ1でシクロヘキシルアミンを使用し、ステップ2でN-(3-フルオロベンジル)-2-ヨードアセトアミドを使用して、基本手順4によって調製された。
【0283】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.77 (1H, t, J 5.8), 8.72 (1H, d, J 8.4), 7.95 (1H, dd, J 10.2, 1.5), 7.89 (1H, dd, J 8.4, 1.5), 7.74 (1H, t, J 8.0), 7.37-7.32 (1H, m), 7.15-7.04 (3H, m), 5.37 (2H, s), 4.33 (2H, d, J 5.8), 3.75-3.73 (1H, m), 1.77-1.72 (4H, m), 1.62-1.59 (1H, m), 1.46-1.37 (2H, m), 1.33-1.24 (2H, m), 1.12-1.09 (1H, m).
【0284】
実施例23:
エチル3-(4-クロロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート
アセトン(16 mL)中の細かく粉末化されたKCO(452mg、3.27ミリモル)、N-(3-フルオロベンジル)-2-ヨードアセトアミド(491mg、1.68ミリモル)およびエチル 3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(400mg、1.60ミリモル;Fluorochemから市販されている)の混合物は、18時間周囲温度で撹拌された。その後、反応液は、2Mの塩酸(15 mL)と酢酸エチル(20 mL)の間で分割された。有機質層は分離された。また、水相はさらに酢酸エチル(20 mL)で抽出された。一緒にされた有機相は塩水(15 mL)で洗われ、乾かされ(MgSO)て、蒸発され、固体(678mg)として粗生成物の生成物混合物を与えた。これは、クロロホルム中の10%から20%の酢酸エチルで溶出して、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって処理され、2つの異性体の生成物コンポーネントを与えた。より初期の溶出成分を含むフラクションが一緒にされ蒸発され、白い粉末としてエチル 3-(4-クロロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(478mg)を与えた。
【0285】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.71 (1H, broad t, J 6.0), 7.89-7.91 (2H, AA'BB' m), 7.47-7.50 (2H, AA'BB' m), 7.45 (1H, s), 7.36 (1H, td, J 8.0, 6.1), 7.04-7.13 (3H, m), 5.28 (2H, s), 4.34 (2H, d, J 6.0), 4.30 (2H, q, J 7.1), 1.29 (3H, t, J 7.1).
【0286】
実施例24:
メチル 1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-3-(3-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート
ステップ1:メチル 3-(3-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート
無水のTHF(50 mL)中の1-(3-メトキシフェニル)エタノン(1.00g、6.66ミリモル)の撹拌された溶液は、-78℃にアルゴン下で冷やされた。その後、リチウムヘキサメチルジシルアジド(THF中の1M;7.0 mL、7.0ミリモル)の溶液が、2分間で加えられた。得られた浅黄色溶液は、-78℃で45分撹拌され、5分間で、THF(25 mL)中のジメチル・シュウ酸(0.826g、7.00ミリモル)の溶液を追加した。その混合物は、周囲温度にされた。18時間の後、混合物は飽和NHCl溶液(100 mL)へデカントされ、酢酸エチル(2×60 mL)で抽出された。一緒にされた有機相は、塩水(30 mL)で洗われ、乾かされて(MgSO)、ろ過し、蒸発させ、0.3Mの塩酸(60 mL)でトリチュレートされて浅黄色固体を与え、次いで濾過により集められた。濾過ケーキは真空下で(50℃、1mmHg)乾かされ、浅黄色パウダー(1.38g)を与えた。これは、ライトペトロレウム(light petroleum)中の10%から40%の酢酸エチルで溶出して、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって処理され、浅黄色パウダー(476mg)を与えた。このH NMR分析は、それが1-(3-メトキシフェニル)エタノン出発原料およびメチル 4-(3-メトキシフェニル)-2,4-ジオキソブタノアートの1:3混合物を含むことを示した。
この混合物(476mg)は酢酸(10 mL)に溶かされた。ヒドラジン水和物(1.30 mL、20ミリモル)が撹拌下に加えられ、穏やかな発熱を示した。その混合物は周囲温度に冷やされた。18時間の後、混合物は水(40 mL)へデカントされた。得られた沈殿は、濾過によって集められ、真空内で乾かされ、浅黄色粉末として粗生成物(395mg)を与えた。これは、ライトペトロレウム中の20%から40%の酢酸エチルで溶出して、次いでジクロロメタン中の10%のメタノールで溶出し、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって処理され、白い固体としてメチル 3-(3-メトキシフェニル)-1H -ピラゾール-5-カルボキシレート(345mg)を与えた。
【0287】
H NMR:
δH (300 MHz, CDCl3) 10.85 (1H, broad s), 7.30-7.38 (3H, m), 7.10 (1H, s), 6.92 (1H, ddd, J 7.3, 2.7, 2.0), 3.94 (3H, s), 3.86 (3H, s).
【0288】
ステップ2:メチル 1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-3-(3-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート
アセトン(4 mL)中の細かく粉末化されたKCO(122mg、0.883ミリモル)、N-(3-フルオロベンジル)-2-ヨードアセトアミド(133mg、0.454ミリモル)およびメチル3-(3-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(100mg、0.431ミリモル)の混合物は、周囲温度で撹拌された。18時間の後、反応液は水(25 mL)で希釈され、2Mの塩酸の追加によってpH 3に調節された。その後、それは酢酸エチル(2×30 mL)で抽出された。一緒にされた有機相は塩水(15 mL)で洗われ、乾燥され(MgSO)、ろ過し、蒸発され、油(206mg)として粗生成物混合物を与えた。これは、石油エーテル中の30%から100%の酢酸エチル、次いで酢酸エチル中の1%のメタノールで溶出して、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって処理され、2つの異性体の生成物コンポーネントを与えた。初期の生成物コンポーネントを含むフラクションは一緒にされ、蒸発され、白い粉末としてメチル 1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-3-(3-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(88mg)を与えた。
【0289】
H NMR:
δH (300 MHz, CDCl3) 7.21-7.39 (4H, m), 7.20 (1H, s), 6.88-7.02 (4H, m), 6.08 (1H, broad t, J 5.8), 5.36 (2H, s), 4.46 (2H, d, J 6.0), 3.92 (3H, s), 3.86 (3H, s).
【0290】
実施例25:
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド
ステップ1:メチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート
無水のTHF(90 mL)中の1-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)エタノン(1.50g、8.69ミリモル)の撹拌された溶液は、-78℃へアルゴン下で冷やされた。その後、リチウムヘキサメチルジシルアミド(THF中の1M;9.6 mL、9.6ミリモル)の溶液が、3分間で加えられた。得られた浅黄色溶液は、-78 ℃で45分撹拌され、5分間でジメチル・シュウ酸(1.13g、9.57ミリモル)を追加した。その後、混合物は周囲温度に暖められ、1時間撹拌し、水(150 mL)へデカントし、2Mの塩酸の追加によってpH 3に調節した。得られる浅黄色沈殿は濾過によって集められ、湿っている固体(3.59g)としてメチル 4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2,4-ジオキソブタノアートを与えた。この固体の一部(1.52g)は温和な加温をしつつ酢酸(50 mL)に溶かされた。その後、その溶液は氷冷され、ヒドラジン水和物(3.6 mL)が撹拌下に加えられた。5分の後、冷却浴は外され、混合物は18時間周囲温度で撹拌された。得られた混合物は、水(150 mL)に注がれ、沈殿物は濾過によって集められ、真空下で乾燥され、クリーム色の粉末としてメチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(878mg)を与えた。
【0291】
H NMR:
δH (300 MHz, DMSO-d6) 13.99 (1H, broad s), 7.91 (1H, dd, J 10.8, 1.9), 7.73-7.76 (1H, m), 7.66 (1H, t, J 8.0), 7.42 (1H, s), 3.85 (3H, s).
【0292】
ステップ2:メチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート
アセトン(16 mL)中の細かく粉末化されたKCO(445mg、3.22ミリモル)、N-(3-メトキシベンジル)-2-ヨードアセトアミド(503mg、1.65ミリモル)およびメチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(400mg、1.57ミリモル)の混合物は、18時間周囲温度で撹拌された。その後、反応混合物は水(60 mL)で希釈され、得られた沈殿物は濾過によって集められ、真空下でP上で乾燥され、白色固体(627mg)を与えた。固体は、石油エーテル中の20%から50%の酢酸エチル、次いで酢酸エチル中の10%のメタノールで溶出して、フラッシュ・クロマトグラフィーによって処理され、2つの異性体の生成物コンポーネントを与えた。分離された初期の生成物を含むフラクションが一緒にされ、蒸発され、クリーム色の粉末として、メチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジルカルバモイル]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(462mg)を与えた。
【0293】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.67 (1H, broad t, J 6.0), 7.89 (1H, dd, J 10.7, 1.9), 7.74-7.77 (1H, m), 7.64 (1H, t, J 8.1), 7.56 (1H, s), 7.24 (1H, t, J 8.1), 6.80-6.86 (3H, m), 5.27 (2H, s), 4.29 (2H, d, J 5.9), 3.83 (3H, s), 3.75 (3H, s).
【0294】
ステップ3:3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド
THF/MeOH/水の2:2:1混合物(8 mL)中のメチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート(250mg、0.579ミリモル)の撹拌された懸濁液に、1MのLiOH(aq)(1.22 mL)を追加した。3.5時間後、混合物は2Mの塩酸(20 mL)へ注がれ、酢酸エチル(2×40 mL)で抽出された。一緒にされた有機相は塩水(15 mL)で洗われ、乾燥され(MgSO)、蒸発され、白色固体として3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(244mg)を与えた。この固体の一部(80mg、約0.19ミリモル)は無水DMF(3 mL)中へアルゴン下で溶かされ、氷浴中で冷やされ、トリエチルアミン(56μL、0.40ミリモル)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(40mg、0.21ミリモル)で処理され、5分後に1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(32mg、0.21ミリモル)で処理された
その混合物は1時間撹拌され、メチルアミン(THF中の2Mの溶液;105μL、0.21ミリモル)が追加された。その後、周囲温度に暖められた。さらに18時間撹拌した後に、混合物は2Mの塩酸(10 mL)で希釈され、酢酸エチル(2×20 mL)で抽出された。一緒にされた有機相は塩水(10 mL)で洗われ、乾燥され(MgSO)、蒸発され、固体(86mg)を与えた。これはクロロホルム中の2%から4%のメタノールで溶出して、フラッシュ・クロマトグラフィーによって処理され、EtOでトリチュレートされ、真空下で乾燥され、白色粉末として、3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(45mg)を与えた。
【0295】
H NMR:
δH (300 MHz, DMSO-d6) 9.11 (1H, broad t, J 6.0), 7.99 (1H, broad q, J 4.5), 7.59-7.73 (3H, m), 7.40 (1H, s), 7.24 (1H, t, J 8.1), 6.88-6.90 (2H, m), 6.82 (1H, ddd, J 8.2, 2.5, 0.9), 5.21 (2H, s), 4.42 (2H, d, J 5.9), 3.74 (3H, s), 2.60 (3H, d, J 4.6).
【0296】
実施例26:
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド
表題化合物はステップ2でN-(3-メトキシベンジル)-2-ヨードアセトアミドの代わりにN-(3-フルオロベンジル)-2-ヨードアセトアミドを使用して、実施例25の方法によって調製された。
【0297】
H NMR:
δH (300 MHz, DMSO-d6) 9.17 (1H, broad t, J 6.0), 7.99 (1H, broad q, J 4.5), 7.72 (1H, dd, J 10.6, 1.6), 7.67 (1H, app. t, J 7.7), 7.62 (1H, dd, J 8.4 and 1.8), 7.39 (1H, s), 7.32-7.41 (1H, m), 7.04-7.18 (3H, m), 5.20 (2H, s), 4.46 (2H, d, J 6.0), 2.60 (3H, d, J 4.6).
【0298】
実施例27:
エチル 3-(4-クロロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート
表題化合物はN-(3-フルオロベンジル)-2-ヨードアセトアミドの代わりにN-(3-メトキシベンジル)-2-ヨードアセトアミドを使用して、実施例23の方法によって調製された。
【0299】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.64 (1H, broad t, J 5.9), 7.88-7.91 (2H, AA'BB' m), 7.46-7.50 (2H, AA'BB' m), 7.44 (1H, s), 7.23 (1H, t, J 8.1), 6.80-6.86 (3H, m), 5.26 (2H, s), 4.26-4.32 (4H, m), 3.74 (3H, s), 1.29 (3H, t, J 7.1).
【0300】
基本手順5:
置換されたトリアゾール-1-イル酢酸とアミドのカップリング
無水ジクロロメタン中のカルボン酸(1当量)、アミン(1.2当量)およびプロピルホスホン酸無水物溶液(T3P)(酢酸エチル中の50重量%;2当量)の氷冷溶液に、トリエチルアミン(7当量)が追加された。得られる反応液は、4から16時間室温で撹拌された(TLCによってモニターされた)。その反応液は氷水で希釈され、ジクロロメタンで抽出された(2-3回)。一緒にされた有機質層は、水と塩水で洗われた。有機質層は無水の硫酸ナトリウム上で乾燥され、減圧下でろ過され濃縮された。粗生成物はフラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、白色固体として所望の生成物を与えた。
【0301】
実施例28:
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-({[(1H-インダゾール-5-イル)メチル]カルバモイル}メチル)-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド
ステップ1:3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド
無水トルエン(5 mL)中のエチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート(100mg、0.35ミリモル)の、シールド管中の撹拌された溶液に、トリエチルアミン(0.25 mL、2.52ミリモル)、DABAL-Me(90mg、0.35ミリモル)およびメチル・アミン(THF中2M、0.35 mL)が加えられた。反応液は1時間110℃で撹拌された。反応液は氷水(20 mL)で急冷され、酢酸エチル(2×30 mL)で抽出された。一緒にされた有機質層は塩水(25 mL)で洗われ、無水の硫酸ナトリウム上で乾燥され、減圧下でろ過され濃縮された。粗生成物の固体はライトペトロレウム中の70%から90%の酢酸エチルで溶出して、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、オフホワイト固体として3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド(70mg)を与えた。
【0302】
ステップ2:メチル 2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-(メチルカルバモイル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]酢酸塩
無水アセトン(10 mL)中の3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド(140mg、0.56ミリモル)の撹拌された溶液に、炭酸カリ(128mg、0.17ミリモル)およびメチルブロモアセテート(140mg、1.0ミリモル)が追加された。得られる混合物は、2時間還流された。反応液は室温に冷やされ、セライトによってろ過された。残渣は酢酸エチルで洗われた。また、濾液は無水の硫酸ナトリウム上で乾燥され、減圧下で濃縮された。粗生成物の固体は、ライトペトロレウム中の40%から70%の酢酸エチルで溶出して、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、無色の液体としてメチル 2-(3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-(メチルカルバモイル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)酢酸塩(80mg)を与えた。
【0303】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 9.01 (1H, broad s), 7.92-7.88 (2H, m), 7.76 (1H, t, J 7.8), 5.50 (2H, s), 3.70 (3H, s), 2.78 (3H, d, J 4.8).
【0304】
ステップ3:2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-(メチルカルバモイル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]酢酸
THF/水(10 mL、1:1)中のメチル 2-(3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-(メチルカルバモイル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)酢酸塩(80mg、0.26ミリモル)の氷冷溶液に、水(2 mL)中の水酸化リチウム一水化物(22mg、0.52ミリモル)が加えられた。得られる溶液は、4時間室温で撹拌された。その混合物は減圧下で濃縮された。また、残渣は水(20 mL)で希釈され、クエン酸で中和された。得られる固体は、ろ過され、乾燥され、2-(3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-(メチルカルバモイル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)酢酸(75mg)を与えた。それはそれ以上の精製なしで使用された。
【0305】
ステップ4:3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-({[(1H-インダゾール-5-イル)メチル]カルバモイル}メチル)-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド
表題化合物は、2-(3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-(メチルカルバモイル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)酢酸および(1H-インダゾール-5-イル)メタンアミンを使用して、基本手順5によって調製された。
【0306】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 13.00 (1H, broad s), 8.94 (1H, q, J 5.0), 8.76 (1H, t, J 5.6), 8.16 (1H, s), 7.94-7.87 (2H, m), 7.78 - 7.74 (1H, m ), 7.69-7.64 (1H, m), 7.50 (1H, d, J 8.4), 7.29-7.27 (1H, m), 5.39 (2H, s), 4.40 (2H, d, J 5.6), 2.80 (3H, d, J 5.0).
【0307】
実施例29:
N-[(1H-イミダゾール-5-イル)メチル]-2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]アセトアミド
ステップ1:エチル 4-クロロ-3-フルオロベンズイミダート塩酸塩塩
無水のHClガスが30分間、氷冷無水アルコール(150 mL)を通してバブリングされた。この溶液に、クロロホルム(70 mL)中の4-クロロ-3-フルオロベンゾニトリル(25g、160ミリモル)が加えられ、HClガスが2時間混合物を通してバブリングされた。その後、その混合物は、室温に暖められ、フラスコはガラス栓で蓋がされた。得られる溶液は、16時間室温で撹拌された。溶剤は減圧下で蒸発された。また、残渣はジエチルエーテル(150 mL)で希釈された。得られる白い固体は、ろ過され、ジエチルエーテルで洗われ(3×50 mL)、白い固体としてエチル 4-クロロ-3-フルオロベンズイミダート塩酸塩(22g)を得た。
【0308】
ステップ2:3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール
シールド管の中の窒素下で、無水エタノール(80 mL)中のエチル 4-クロロ-3-フルオロベンズイミダート塩酸塩(10g、42ミリモル)の懸濁液に、ジイソプロピルエチルアミン(20.1 mL、210ミリモル)およびプロピオノヒドラジド(4.44g、50.4ミリモル)を追加した。得られる混合物は、20時間100℃に加熱された。その反応液は室温に冷やされた。また、揮発成分は回転蒸発装置で除去された。得られた粗生成物の残渣は、石油エーテル中の20%から40%の酢酸エチルで溶出して、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、オフホワイト固体として3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール(3.9g)を与えた。
【0309】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 13.86 (1H, s), 7.87-7.82 (2H, m), 7.68-7.62 (1H, m), 2.77 (2H, q, J 7.5), 1.28 (3H, t, J 7.5).
【0310】
ステップ3:エチル2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]酢酸塩
アセトン(30 mL)中の3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール(2.4g、10.6ミリモル)の撹拌された溶液に、炭酸カリ(2.2g、15.9ミリモル)およびエチル2-ブロモアセテート(4.1g、26.5ミリモル)が加えられた。得られる混合物は、16時間還流下に加熱された。得られる混合物は冷やされ、減圧下で濃縮された。粗生成物の固体は、石油エーテル中で10%から20%の酢酸エチルで溶出し、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、黄色の固体としてエチル 2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]酢酸塩(2.0g)を与えた。
【0311】
ステップ4:
2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]酢酸
無水THF/H2O(10 mL、1:1)中のエチル2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]酢酸塩(500mg、1.6ミリモル)の氷冷溶液に、水(5 mL)中の水酸化リチウム一水化物(100mg、2.4ミリモル)が加えられた。
得られる溶液は、4時間室温で撹拌された。その混合物は減圧下で濃縮された。また、残渣は水(20 mL)で希釈され、クエン酸で中和された。得られる固体は、ろ過され、乾燥され、白い固体として2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]酢酸(470mg)を与えた。
【0312】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 13.36 (1H, s), 7.85-7.80 (2H, m), 7.69-7.66 (1H, m), 5.10 (2H, s), 2.76 (2H, q, J 7.4), 1.26 (3H, t, J 7.4).
【0313】
ステップ5:N-[(1H-イミダゾール-5-イル)メチル]-2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]アセトアミド
表題化合物は、2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]酢酸と(1H-イミダゾール-5-イル)メタンアミンを使用して、基本手順5によって調製された。
【0314】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 12.09 (1H, broad s), 8.6 (1H, t, J 5.2), 7.84-7.80 (2H, m), 7.69-7.62 (2H, m), 6.98 (1H, s), 4.94 (2H, s), 4.22 (2H, s), 2.75 (2H, q, J 7.6), 1.27 (3H, t, J 7.6).
【0315】
実施例30:
2-[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル]-N-(3,5-ジクロロベンジルアセトアミド
ステップ1:2-ブロモ-1-(4-クロロ-3-フルオロフェニル・エタン-1-オン
0℃の氷酢酸(200 mL)中の1-(4-クロロ-3-フルオロフェニル・エタン-1-オン(10g、56ミリモル)の撹拌された溶液に、酢酸(50 mL)中の臭素(2.6 mL、52ミリモル)が、30分間滴下された。得られる混合物は、5時間室温で撹拌された。その反応液は氷水を加えることにより急冷された。また、得られた固体は、ろ過され、残渣は減圧下で乾燥された。得られた粗生成物の固体は、石油エーテル中の1%から3%の酢酸エチルで溶出し、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、白色固体として2-ブロモ-1-(4-クロロ-3-フルオロフェニル・エタン-1-オン(8g)を与えた。
【0316】
H NMR:
δH (400 MHz, CDCl3) 7.80-7.73 (2H, m), 7.58-7.55 (1H, m), 4.40 (2H, s).
【0317】
ステップ2:4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-エチル-1H-イミダゾール
THF(150 mL)および水(50 mL)中のプロピオンイミダミド(2.58g、34ミリモル)の撹拌された溶液に、炭酸水素カリウム(4.76g、47ミリモル)が加えられた。得られる混合物は、30分間65℃で加熱された。その後、THF(50 mL)中の2-ブロモ-1-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)エタン-1-オン(8.0g、38ミリモル)は、15分間滴下され、さらに16時間還流した。その後、反応液は冷却され、酢酸エチル(200 mL)と水(100 mL)の間で分割された。有機質層は水(100 mL)および塩水(100 mL)で洗われた。有機質層は無水の硫酸ナトリウム上で乾燥され、減圧下でろ過され濃縮された。粗生成物の残渣は、石油エーテルの中の70%から80%の酢酸エチルで溶出し、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、茶色の固体として4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-エチル-1H-イミダゾール(1.20g)を与えた。
【0318】
H NMR:
δH (400 MHz, CDCl3) 7.54-7.51 (1H, m), 7.50-7.44 (1H, m), 7.40-7.36 (1H, m), 7.22 (1H, s), 2.87 (2H, q, J 7.6), 1.37 (3H, t, J 7.6).
【0319】
ステップ3:メチル 2-[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル]酢酸塩
DMF(20 mL)中の4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-エチル-1H-イミダゾール(1.0g、44ミリモル)の撹拌された溶液に、炭酸カリ(1.82g、132ミリモル)が加えられた。その後、メチル 2-ブロモアセテート(0.74 mL、66ミリモル)が滴下された。また、混合物は16時間室温で撹拌された。反応液は酢酸エチル(50 mL)と水(50 mL)の間で分割された。有機質層は水(50 mL)および塩水(25 mL)で洗われた。その後、有機質層は無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、減圧下でろ過され濃縮された。粗生成物の生成物は、石油エーテルの中の30%から40%の酢酸エチルで溶出し、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、オフホワイト固体としてメチル 2-[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル]酢酸塩(1.20g)を与えた。
【0320】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 7.95-7.83 (1H, m), 7.67-7.51 (3H, m), 4.97 (2H, s), 3.75 (3H, s), 2.62 (2H, q, J 7.6), 1.21 (3H, t, J 7.6).
【0321】
ステップ4:2-[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル]酢酸
THF(12 mL)および水(12 mL)中の、メチル 2-[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル]酢酸塩(1.20g、4つミリモル)の撹拌された溶液に、水酸化リチウム一水化物(340mg、8ミリモル)が加えられた。反応液は、3時間室温でさらに撹拌され、次に、減圧下で濃縮された。粗生成物の残渣は希薄HClを使用しpH 2に酸性化され、ジクロロメタン(150 mL)で抽出された。有機質層は水(100 mL)および塩水(100 mL)で洗われた。その後、有機質層は無水の硫酸ナトリウム上で乾かされ、減圧下でろ過され、濃縮され、茶色の固体として2-[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル]酢酸(800mg)を与えた。
【0322】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 7.85-7.50 (4H, m), 4.77 (2H, s), 2.62 (2H, q, J 7.5), 1.21 (3H, t, J 7.5).
【0323】
ステップ5:2-[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル]-N-(3,5-ジクロロベンジル)アセトアミド
無水ジクロロメタン(10 mL)中の2-[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル]酢酸(100mg、0.35ミリモル)の撹拌された溶液に、トリエチルアミン(179mg、1.77ミリモル)が加えられた。その後、(3,5-ジクロロフェニル)メタンアミン(75mg、0.42ミリモル)が加えられ、次いでプロピルホスホン酸無水物溶液(酢酸エチル中の50重量%)(225mg、0.70ミリモル)を加えた。得られる混合物は、16時間室温で撹拌された。反応液はジクロロメタン(25 mL)および水(25 mL)で希釈された。有機質層は分離され、水(20 mL)および塩水(20 mL)で洗われた、無水硫酸ナトリウム上に乾かされ、減圧下でろ過され、濃縮された。粗生成物の固体は、石油エーテル中の60%から70%の酢酸エチルで溶出して、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、オフホワイト固体として2-[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル]-N-(3,5-ジクロロベンジル)アセトアミド(8mg)を与えた。
【0324】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.77 (1H, t, J 5.8), 7.81-7.64 (2H, m), 7.58-7.51 (3H, m), 7.34 (2H, s), 4.74 (2H, s), 4.32 (2H, d, J 5.8), 2.57 (2H, q, J 7.6), 1.21 (3H, t, J 7.6).
【0325】
実施例31:
メチル 3-(4-シアノフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート
ステップ1:メチル3-ヨード-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート
1Nの水性硫酸(60 mL)中のメチル 3-アミノ-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート(2.0g、14.1ミリモル)の氷冷溶液に、水性亜硝酸ナトリウム溶液(1.45g、10mLの水中の21.1ミリモル)を滴下した。得られる反応液は、1時間氷浴の中で撹拌された。その後、銅(I)ヨウ化物(0.8g、4.2ミリモル)およびヨウ化カリウム(4.7g、28.1ミリモル)の混合物が、反応液に加えられた。得られる混合物は、6時間室温で撹拌され、次に、酢酸エチル(50 mL)で希釈された。また、層は分離された。水層は酢酸エチル(2×25 mL)で抽出された。また一緒にされた有機質層は、水(35 mL)、10%の水性ナトリウムチオスルフェイト溶液(30 mL)および塩水(30 mL)で洗われた。有機質層は無水の硫酸ナトリウム上で乾燥され、減圧下で濾過され、濃縮された。得られた粗生成物の固体は、エーテル(2×25 mL)で洗われ、乾燥され、浅黄色固体(1.2g)としてメチル 3-ヨード-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレートを得た。
【0326】
ステップ2:メチル 3-ヨード-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート
窒素下、室温で、無水アセトン(12 mL)中のメチル 3-ヨード-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート(1.2g、4.7ミリモル)の撹拌された溶液に、炭酸カリ(1.3g、9.5ミリモル)が加えられた。15分後、無水アセトン(5 mL)中のN-(3-メトキシベンジル)-2-ヨードアセトアミド(2.1g、7.1ミリモル)が滴下された。その反応液は4時間室温で撹拌され、酢酸エチル(30 mL)で希釈された。得られた懸濁液は、セライトによってろ過された。また、残渣は酢酸エチル(2×10 mL)で洗われた。濾液は粗生成物の固体を与えるために蒸発された。粗生成物の固体は、石油エーテル中の60%から80%の酢酸エチルで溶出して、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによってさらに精製され、白い固体としてメチル 3-ヨード-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート(600mg)を与えた。
【0327】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.82 (1H, t, J 5.6), 7.25 (1H, t, J 8.0), 6.89-6.82 (3H, m), 5.05 (2H, s), 4.30 (2H, d, J 5.6), 3.85 (3H, s). 3.75 (3H, s).
【0328】
ステップ3:メチル 3-(4-シアノフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート
シールド管中の脱ガスされた、1,4-ジオキサン/水(10 mL、9.9:0.1)中の、メチル 3-ヨード-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート(600mg、1.4ミリモル)、セシウム炭酸塩(908mg、2.8ミリモル)および4-シアノフェニルボロン酸(244mg、1.6ミリモル)の溶液に、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(50mg、10mol%)が加えられた。得られる混合物は、2時間120℃で加熱された。反応液は、周囲温度に冷やされ、酢酸エチル(20 mL)で希釈され、セライトによってろ過された。残渣は酢酸エチル(2×10 mL)で洗われた。一緒にされた濾液は、減圧下で濃縮された。粗生成物の生成物は、ヘキサン中の50%の酢酸エチルで溶出して、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、オフホワイト固体として表題化合物(100mg)を与えた。
【0329】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.93 (1H, t, J 5.6), 8.02 (2H, d, J 8.8), 7.98 (2H, d, J 8.8), 7.24 (1H, t, J 8.0), 6.85-6.76 (3H, m), 5.18 (2H, s), 4.28 (2H, d, J 5.6), 3.90 (3H, s). 3.75 (3H, s).
【0330】
実施例32:
3-(4-シアノフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド
シールド管中の、無水トルエン(5 mL)中のメチル3-(4-シアノフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート(80mg、0.2ミリモル)の撹拌された溶液に、トリエチルアミン(0.4 mL、0.6ミリモル)、DABAL-Me3(50mg、0.2ミリモル)およびメチル・アミン塩酸塩(12mg、0.4ミリモル)が加えられた。その後、反応液は1時間110℃で撹拌された。反応液は氷水(10 mL)で急冷され、酢酸エチル(2×20 mL)で抽出された。一緒にされた有機質層は、塩水(15 mL)で洗われ、無水硫酸ナトリウム上で乾かされ、減圧下で濾過され、濃縮された。粗生成物の固体は、石油エーテル中の70%から90%の酢酸エチルで溶出され、フラッシュ・カラムクロマトグラフイーによって精製され、オフホワイト固体として3-(4-シアノフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド(10mg)を与えた。
【0331】
H NMR:
δH (400 MHz, DMSO-d6) 8.92 (1H, t, J 5.1), 8.57-8.56 (1H, m), 8.03 (2H, d, J 8.2), 7.97 (2H, d, J 8.2), 7.24 (1H, t, J 7.5), 6.85-6.77 (3H, m), 5.12 (2H, s), 4.27 (2H, d, J 5.1), 3.75 (3H, s), 2.78 (3H, d, J 4.1).
【0332】
生物検定
細胞培養
HEK 293およびMDCK細胞(Public Health England, Cell Culture Collections)は、10%(v/v)のウシ胎児血清(Seralab)、2mM L-グルタミン、1,000Uペニシリンおよび1,000μgストレプトマイシン(Life Technologies)で補われたDMEM中で維持された;この培地は完全培地と名付けられた。クローンHEK 293細胞株は、0.6mg/mLのG418(Enzo Life Sciences)で補われた完全培地中で維持された。
【0333】
実験1:
全長ヒトPDE4アイソフォームPDE4D5、PDE4A4、PDE4B1およびPDE4B2を使用する本発明のPDE4長鎖形体活性化体の同定
(Marchmont, R. J. and Houslay, M. D. Biochem. J. 187: 381-92, 1980)。
細胞株生成
HEK 293細胞はメーカーによって概説されるようにLipofectamine LTX/Plus試薬(Invitrogen)を使用して、pDEST(登録商標) PDE4発現ベクターでトランスフェクトされ、クローナルアイソレートがエキスパンドされ、全長ヒトPDE4D5、PDE4A4およびPDE4B1長鎖アイソフォームおよび全長ヒトPDE4B2短鎖アイソフォームを安定して発現する細胞株を得た。これらは、HEK-PDE4D5、HEK-PDE4A4、HEK-PDE4B1およびHEK-PDE4B2細胞株とそれぞれ呼ばれた。
【0334】
溶解物調製物(代表例としてPDE4D5を使用して)
HEK-PDE4D5細胞は、100mmのプレート中にシードされ、5%CO、95%空気の雰囲気中で37℃でインキュベートされた。細胞溶解物は、KHEMバッファー[50mM KCl、10mM EGTA、50mM HEPES(pH 7.2)、1.92mM MgCl]を使用して調製された。
細胞溶解物を調製するために、細胞を含んでいる100mmのプレートが氷の上に置かれ、氷冷PBS(燐酸塩緩衝食塩水、pH 7.4)で洗われた。KHEMバッファー(500μl)が細胞に加えられた。その後、細胞はプレートからこすり落とされ、針(BD Microlance(登録商標)0.8、40mm)を使用してトリチュレートされた。その後、溶解された細胞は、セルデブリスを除去するために10分間2000毎分回転数で遠心分離機にかけられた。また、上澄み(組み換えPDE4D5を含む細胞溶解物を含む)は新しいチューブに転送され、氷の上に置かれた。
【0335】
細胞質ゾル・フラクションの生成(代表例としてPDE4D5を使用して)
組み換えのPDE4D5を含んでいるセル溶解産物は、遠心分離管へ転送され、超遠心分離機(BECKMAN COULTER)内に置かれ、30分間4℃で高速(100,000g)で回した。その後、細胞質ゾル・フラクションは集められた。また、そのタンパク質の量はBCAタンパク質分析を使用して決定された。
【0336】
PDE分析-プロトコールA(代表例としてPDE4D5を使用して)
PDE分析が、過剰発現されたPDE4D5を含み、10mMTris/5 mM MgCl2、1μM[H]cAMP(Perkin Elmer)プラスPDE4D5細胞溶解物細胞質ゾル・フラクションの最終濃度を使用して、試験化合物を含むものと含まないもので行なわれた。インキュベーションが5分間30℃で行なわれた。その後、サンプルはPDE酵素を変性(denature)するために2分間沸騰水中に置かれ、その後氷中に返された。10分間サンプルを冷却し、蛇毒5’-ヌクレオチダーゼ(snake venom 5'-nucleotidase)(25μl、1mg/ml;シグマ)が加えられた。チューブは10分間30℃で水浴中で攪拌されインキュベートされ、[H]5’-AMPを[H]-アデノシンに変換し、そして次に氷の上に置かれた。1:1ダウエックス:水ストックとして調製されたダウエックス・イオン交換樹脂(シグマ)は徹底的に再懸濁され、エタノールで2:1に薄めた。結果として生じるダウエックス懸濁液(0.4ml)が、各チューブに加えられた。チューブは混合するために攪拌され、次に、最終撹拌の前に少なくとも15分間氷の上でインキュベートされた。ダウエックス樹脂は3分間4℃で13,000gで遠心分離によってペレットにされ、上澄みの150μlが、1mlのScintiSafe3シンチレーション流体(Fisher)を含むEppendorfチューブへ移された。チューブは混合するために徹底的に攪拌された。回収された[H]-アデノシンはシンチレーション計数器中で1分間カウントを測定することにより定量された。
【0337】
特定の濃度の試験化合物が存在する状態でのカウントの増加%は、その濃度での酵素活性の増加%を示す。
【0338】
本発明の化合物はPDE4長鎖形体、PDE4D5およびPDE4B1を活性化した。
同じ分析条件で、本発明の化合物はPDE4短鎖形体、PDE4B2を活性化しなかったか、またはより少ない程度で活性化する。
データは表2から4および図1に示される。
【0339】
PDE分析 - プロトコルB(代表例としてPDE4D5を使用して)
PDE分析は薄い壁のV-底の96のウェル・プレートの中で行なわれた。
PDE分析が、過剰発現されたPDE4D5を含み、10mMTris/5 mM MgCl、プラスPDE4D5細胞溶解物細胞質ゾル・フラクションの最終濃度を使用して、試験化合物を含むものと含まないもので行なわれた。溶解産物/化合物混合物は、一緒に15分間、室温で振盪機上で培養された。その後反応当たり50μlの最終ボリュームになるよう、[H]cAMP(最終濃度1μM[H]cAMP;Perkin Elmer)を加えた。その後、その反応物は30℃で10分間は培養され、95℃で2分加熱することにより終了し、冷やした。その後、蛇毒(1mg/mlの12.5μl;ガラガラヘビ属atrox、シグマ)が加えられた。また、プレートは撹拌され、30℃でさらに15分間培養された。その後、ダウエックス・イオン交換樹脂(シグマ、塩素形、200-400メッシュ;200μl;ダウエックス:水ストックが1:1で調製された:完全に再懸濁され、エタノールで2:1に希釈した)が、各ウエルに加えられた。プレートは室温で振盪機上で15分培養され(550RPM)、樹脂懸濁液の十分な撹拌を保証した。その後、反応混合物は、96ウエルフィルタプレート(Millipore;0.45μMの細孔径)に転送され、ダウエックス懸濁物を除去するために受容96ウエルプレート内に濾別した。その後、ろ過された溶液の30μLは、Optiプレート(Perkin Elmer)96ウェル分析プレートに転送され、Microscint 40シンチレーション流体の120μlが加えられた。その後プレートは、10分間、高速(900RPM)の振盪機に置かれサンプルとシンチレーション流体を混合し、プレートに基づいたシンチレーション計数器(Top-Count)を使用して定量した。
【0340】
特定の濃度の試験化合物が存在する状態でのカウントの増加%は、その濃度での酵素活性の増加%を示す。データは表2から4に示される。
【0341】
実験2:
PDE4長鎖形体活性化体によるMDCKセルの細胞内のcAMPレベルの低下
MDCK細胞は1つのウェル当たり100,000個の細胞で接種され、一晩付着された。その後、細胞は、10分間試験化合物(10μM)で処理され、次いで2分間ホルスコリン(10μM、シグマ)で刺激された。培地アスピレートされ、塩酸(0.1M)が細胞を溶解するために加えられた。cAMP分析(Enzoライフサイエンス)がメーカーの指示に従って行なわれた。
【0342】
本発明の化合物は、ホルスコリン刺激されたMDCK細胞において細胞内のcAMPレベルを下げた。実施例1のデータは図2に示される。
【0343】
実験3:
PDE4長鎖形体活性化体で処理されたMDCK細胞の生体外の嚢胞形成の抑制
この研究では、確立した三次元の(3D)MDCK細胞モデルが、腎臓包嚢の形成に対するPDE4長鎖形体活性化体の影響を調査し、かつ腎多嚢胞病の治療でのそれらの可能性を評価するために使用される。3D包嚢はいくつかの変異と共に、Mao (Mao, Z., Streets, A. J., Ong, A. C. M. Am. J. Physiol. Renal Physiol. 300(6): F1375-F1384, 2011)の方法に基づいて生成される。
【0344】
プロトコルC:
嚢胞形成を刺激するためにホルスコリンとバソプレシンを使用する
MDCK細胞(50,000細胞/ウエル)は、氷の上の、DMEM内に17mM NaOHを含み、2%(v/v)のFBS、2mM L-グルタミンおよび2mM L-グルタミン、1,000Uペニシリンおよび1,000μgストレプトマイシンで補足されたコラーゲン(ライフ・テクノロジーズ;最終濃度1mg/mL)(DMEM-2%FBS)へ接種された。37℃でゲル化する際、DMEM-2%FBSの1 mLが10μMホルスコリン(シグマ)および1μg/mL[Arg8]-バソプレシン酢酸塩塩(シグマ)が存在する状態の試験化合物と共に加えられた。メディアは2日ごとに20日間補充される;すべてのフィードにおいて、試験化合物、ホルスコリンおよびバソプレシンが加えられる。位相コントラスト画像は2日ごとに20日間撮られた。1つの症状当たり、10のイメージが得られた(二重反復試験で)。PDE4長鎖形体活性化体は、MDCKセルの生体外の嚢胞形成を禁じる。
【0345】
プロトコルD:
嚢胞形成を刺激するためにプロスタグランジンE2(PGE2)を使用する
タイプ1コラーゲン(Invitrogen)は、氷上で、17mM NaOHで酸性の原液(3mg/ml)を中和し、DMEMで1mg/mlに希釈し、2%(v/v)のFBS、2mM L-グルタミン、1,000Uペニシリンおよび1,000μgストレプトマイシン(DMEM-2%FBS)で補うことにより調製される。原発性のコラーゲン層は、最初に各ウエルに加えられ、37℃で固体化され、第2のコラーゲン層の中にMDCKセル(50,000セル/ウエル)を接種し、37℃で固体化する。1条件あたり2つのウエルを使用して、DMEM-2%(v/v)FBSが300nMプロスタグランジンE2(シグマAldrich)が存在する状態の試験化合物と共に加えられる。培地は、10日間3日ごとに補充され、その時には試験化合物とプロスタグランジンE2が加えられる。位相コントラスト画像はMotic顕微鏡(x4倍)で得られる。1条件あたり8つのイメージが撮られ、包嚢直径が測定された(1つのウェル当たり150までの包嚢を測定)。包嚢回転楕円面体積は、rが回転楕円面の半径として、式4/3πrを使用して計算される。その後、平均の包嚢体積が1つのウェル当たり計算される。その後、2つのウェルの平均包嚢ボリュームおよび標準偏差が計算され、ピヒクルのみ(DMSO+300nM PGE2)の対照ウエルと比較された包嚢ボリューム%として表現それた。PDE4長鎖形体活性化体は、MDCKセルの生体外の嚢胞形成を禁じる。実施例28用データは図3に示される。
【0346】
実験4:
PDE4長鎖形体活性化体で処理されたMDCK細胞の生体外の嚢胞形成の反転 この研究では、あらかじめ決まった包嚢の形成を反転する、PDE4長鎖形体活性化体の可能性が評価された。実験は実験3の方法によって実行された。最初の10日間、ホルスコリンとバソプレッシンはすべてのフィード(2日ごと)で加えられた。しかし、試験化合物は加えられなかった。次の10日間、試験化合物、ホルスコリンおよびバソプレッシンがすべてのフィード(2日ごと)で加えられた。
【0347】
位相コントラスト画像は2日ごとに20日間Motic顕微鏡(x200倍)で得られた。1つの条件当たり、10のイメージが撮られ(二度ずつ)、平均包嚢半径を測定した。本発明の化合物は、MDCK細胞の生体外の嚢胞形成を反転した。
【0348】
実験5:
LNCaPヒト前立腺癌細胞の増殖の抑制
この研究では、前立腺癌の治療でのPDE4長鎖形体活性化体の潜在的な有用性がLNCaPヒト前立腺癌細胞株を使用して研究された。実験は、Hendersonら(Henderson, D. J. P., Byrne, A., Dulla, K., Jenster, G., Hoffmann, R., Baillie, G. S., Houslay, M. D. Br. J. Cancer 110: 1278-1287, 2014)によって記述された方法によって実行された。
【0349】
LNCaP細胞培養 アンドロゲン感受性(AS)のLNCaP細胞は、10%のFBS(Seralabs)、2mM L-グルタミンおよび1,000Uペニシリン-ストレプトマイシンで補われたRPMI1640の中で維持された。LNCaPのアンドロゲン非感受性(AI)細胞は、10%のチャコールストリップされたFBS、2mM L-グルタミンおよび1,000Uペニシリン-ストレプトマイシンで補われたRPMI1640の中のLNCaP-AS細胞の、最低4週間のインキュベートにより生成された。すべての組織培養試薬はライフ・テクノロジーズから得られた。
【0350】
Xcelligence(Roche)増殖反応測定
細胞増殖は電気的なインピーダンスの変化の関数として測定される。値は、細胞指数(cell index number:細胞ステータスを表わす測定の無次元のユニット)によって表わされる。細胞指数は、96-ウエル電極プレートに接着し分割するにつれて増加する。
【0351】
LNCaP AI/AS細胞は25,000個/ウエルの細胞密度で、96-ウエル電極プレート内に、試験化合物の様々な濃度での存在下または非存在下で置かれた(実験は3回)。
【0352】
細胞指数は10分ごとに100時間まで測定され、RTCAソフトウェアを使用して、分析され、ビヒクル処理された細胞(n=3)の細胞インデックスに規格化された。アンドロゲン感受性(AS)のLNCaPのヒト前立腺癌細胞の増殖に対する例Aの影響は、図9に示される。PDE4長鎖形体活性化体は、ASとAIのLNCaPの人間の前立腺癌細胞の増殖を抑制する。
表1:本発明の低分子PDE4長鎖形体活性化体(実施例1から32)
【0353】
【表5-1】
【0354】
【表5-2】
【0355】
【表5-3】
【0356】
【表5-4】
【0357】
【表5-5】
【0358】
【表5-6】
【0359】
表2:PDE4の長鎖形体、PDE4D5の酵素分析データ
実験1に記載された方法で、本発明の化合物について以下のPDE4D5の活性化データが得られた。
【0360】
【表6】
【0361】
表3:PDE4の長鎖形体、PDE4B1の酵素分析データ
実験1に記載された方法で、本発明の化合物について以下のPDE4B1の活性化データが得られた。
【0362】
【表7】
【0363】
表4:PDE4の短鎖形体、PDE4B2の酵素分析データ
実験1に記載された方法で、本発明の化合物について以下のPDE4B2のデータが得られた。
【0364】
【表8】
【0365】
ここに引用された出版物はすべて、参照によってここに組込まれる。出版物の引用はすべて適切な先行技術であるとことを承認することは意図されない。また、それらの内容または日付に関して承認するものではない。
【0366】
当業者は、様々な実施態様の中で発明を実行することができ、先の記述および例は例示の目的であり、請求項の範囲を何ら制限するものではない。本発明はその要点の範囲から外れずに、他の特定の形態で具体化されることがある。請求項と等価の意味および範囲内における変更は、本発明に包含されることを意図する。
本発明は以下の実施態様を含む。
実施態様第1項: 化学式Iの化合物またはその薬学的に受理可能な塩である、治療で使用される化合物:
【化1】

式中、R、R、RおよびRは、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
およびRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換される;
、RおよびR10はそれぞれ、存在する場合には、H、および(C1-6)アルキルから独立して選ばれる;該(C1-6)アルキルはフッ素、OHおよび(C1-4)アルキルオキシから独立して選ばれた1つ以上の基で任意に置換される;
YはNおよびCR11から選ばれる;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換される;
WとZはそれぞれ、NとCR19から独立して選ばれる;ここでR19はHまたは(C1-4)アルキルである;
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環、10員の縮合2環芳香族環システムまたは1から3のNを含む複素芳香族環システム、およびO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む9員の縮合2環複素芳香族環システムから選ばれる;
Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換される;
13は-C(O)X、-CN、H、(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルから選択され、該(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルは任意に、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16、S(O)-NR1617、CNおよびハロゲンから選択される1以上の置換基で置換され;該(C1-4)アルキルオキシと(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換され;
XはOR8aとNR9a10aから選ばれる;
8aとR9aおよびR10aは、存在する場合には、それぞれ、H、(C1-6)アルキルから独立して選択され、該(C1-6)アルキルは、フッ素、OHおよび(C1-4)アルキルオキシから独立して選ばれた1つ以上の基で任意に置換され;
16およびR17はそれぞれ、存在する場合には、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
ただし;
(i)ZがNである場合、WはNであり、YはCR11であり、Aは任意に置換された6員芳香族環である;または、
(ii)Aは任意に置換された10員の縮合2環芳香族環システム、または1から3のNを含む複素芳香族環、又は任意に置換された、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む9員の縮合2環複素芳香族環システムであり、
13は-C(O)Xまたは-CNである。
実施態様第2項: (i) WおよびZがどちらもNであるか、WがNでありZがCR19であるか、または
(ii) ZがNでありWがCR19である、
実施態様第1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第3項: RはH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
、RおよびR10はそれぞれ、存在する場合には、H、および(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
13は-C(O)X、-CN、H、(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルから選択され、該(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルは任意に、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16、S(O)-NR1617、CNおよびハロゲンから選択される1以上の置換基で置換され;該(C1-4)アルキルオキシと(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換され;
Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される、
実施態様第1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第4項: 化合物が化学式Iaの化合物またはその薬学的に受理可能な塩である、実施態様第1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩:
【化2】

ここでR、R、RおよびRは、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
およびRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
YはNおよびCR11から選ばれる;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
ZはNとCR19から選ばれる;ここでR19はHまたは(C1-4)アルキルである;
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれる;
Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
13は-C(O)X、-CN、H、(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルから選択され、該(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルは任意に、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR16、C(O)-NR1617、S(O)-NR1617、CNおよびハロゲンから選択される1から3の置換基で任意に置換され;該(C1-4)アルキルオキシと(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換され;
XはOR8aとNR9a10aから選ばれる;
、R8a、R、R9a、R10およびR10aは、存在する場合には、それぞれ、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選択され;
16およびR17はそれぞれ、存在する場合には、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
ただし、ZがNである場合、YはCR11であり、Aは任意に置換された6員芳香族環であり、R13は-C(O)Xまたは-CNである。
実施態様第5項: RとRがHであり、および/またはR、R、RおよびRがHである、実施態様第1から4のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第6項: RはH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される、実施態様第1から5のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第7項: YはCR11であり、R11は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される、実施態様第1から6のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第8項: R19は、存在する場合にはHである、実施態様第1から7のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第9項: ZがNまたはCHである、実施態様第1から8のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第10項: R12は、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される、実施態様第1から9のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第11項: Aは任意に、1から3の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される、実施態様第1から10のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第12項: Aは6員芳香族環、1または2のNを含む6員複素芳香族環、またはO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環であり;
Aは任意に、1から3の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される、実施態様第1から11のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第13項: R13が-C(O)X、-CN、H、メチル、エチル、およびメトキシメチルから選択される、実施態様第1から12のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第14項: (i) R13はHではない、または
(ii) R13は-C(O)X、および-CNから選択される、実施態様第1から13のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第15項: 以下から選択される、実施態様第1記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩;
メチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
エチル 1-[(ベンジルカルバモイル)メチル]-3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
メチル 1-[(ベンジルカルバモイル)メチル]-3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボン酸;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボン酸;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N,N-ジメチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-シアノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]-N-(3-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(3-フルオロベンジル)-2-[5-メチル-3-(ピリジニ-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]アセトアミド;
N-ベンジル-2-[3-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾル-1-イル]アセトアミド;
2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-シアノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]-N-(3-メトキシベンジル)アセトアミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-イソプロピル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N,N-ジメチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-(2-メトキシエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-(2-メトキシエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-シクロヘキシル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
エチル 3-(4-クロロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート;
メチル 1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-3-(3-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;
エチル 3-(4-クロロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-({[(1H-インダゾール-5-イル)メチル]カルバモイル}メチル)-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
N-[(1H-イミダゾール-5-イル)メチル]-2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]アセトアミド;
2-[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル]-N-(3,5-ジクロロベンジル)アセトアミド;
メチル 3-(4-シアノフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-シアノフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド。
実施態様第16項: 式IIの化合物またはその薬学的に受理可能な塩:
【化3】

式中、R、R、RおよびRは、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
およびRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換される;
、RおよびR10はそれぞれ、存在する場合には、H、および(C1-6)アルキルから独立して選ばれる;該(C1-6)アルキルはフッ素、OHおよび(C1-4)アルキルオキシから独立して選ばれた1つ以上の基で任意に置換される;
YはNおよびCR11から選ばれる;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換される;
WとZはそれぞれ、NとCR19から独立して選ばれる;ここでR19はHまたは(C1-4)アルキルである;
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環、10員の縮合2環芳香族環システム、1から3のNを含む複素芳香族環システム、およびO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む9員の縮合2環複素芳香族環システムから選ばれる;
Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換される;
18は-C(O)X、および-CNから選択され;
XはOR8aとNR9a10aから選ばれる;
8aとR9aおよびR10aは、存在する場合には、それぞれ、H、(C1-6)アルキルから独立に選択され、該(C1-6)アルキルは、フッ素、OHおよび(C1-4)アルキルオキシから独立して選ばれた1つ以上の基で任意に置換される;
ここで、YがNの時、Aが6員複素芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、またはO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環であり、Aは先に定義されたように任意に置換される;
18は、さらにH、(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルから選ばれることができ、該(C1-6)アルキルおよび(C3-7)シクロアルキルは、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16、S(O)-NR1617、CNとハロゲンから選ばれた1つ以上の置換基で任意に置換されることができ、該(C1-4)アルキルオキシ、および(C1-4)アルキルスルホニルは1以上のフッ素で任意に置換されることができる;
また、R16およびR17はそれぞれ、存在する場合、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれることができる。
実施態様第17項: (i) WおよびZがNであるか、WがNでありZがCR19であるか、または
(ii) ZがNでありWがCR19である、
実施態様第16項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第18項: RはH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
、RおよびR10はそれぞれ、存在する場合には、H、および(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
YがNの時、Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれる;Aは先に定義されたように任意に置換される;
18は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキルから選ばれ、該(C1-6)アルキルおよび(C3-7)シクロアルキルはOH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16、およびS(O)-NR1617、CNおよびハロゲンから選ばれる1から3の置換基で置換されることができ、該(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは任意に1から3のフッ素で置換される、
実施態様第16または17項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第19項: 化合物が化学式IIaの化合物またはその薬学的に受理可能な塩である、実施態様第16項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩:
【化4】

式中、R、R、RおよびRは、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
およびRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
YはNおよびCR11から選ばれる;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
ZはNとCR19から選ばれる;ここでR19はHまたは(C1-4)アルキルである;
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、およびO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれる; Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
18は-C(O)X、および-CNから選択され、
XはOR8aとNR9a10aから選ばれる;
、R8a、R、R9a、R10およびR10aは、存在する場合には、それぞれ、H、(C1-4)アルキルから独立して選択される;
YがNである場合、R18は、さらにH、(C1-6)アルキル、および(C3-7)シクロアルキルから選ばれることができ、該(C1-6)アルキルおよび(C3-7)シクロアルキルは、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16、S(O)-NR1617、CNとハロゲンから選ばれた1から3の置換基で任意に置換されることができ、該(C1-4)アルキルオキシ、および(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換されることができる;
また、R16およびR17はそれぞれ、存在する場合、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる。
実施態様第20項: (i) R18はHではない、または
(ii) R18は-C(O)X、および-CNから選択される、実施態様第16から19のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第21項: 化合物が化学式IIIまたは式IVの化合物またはその薬学的に受理可能な塩である、実施態様第16から18のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩:
【化5】

式中、R、R、RおよびRは、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
およびRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
XはOR8a、およびNR9a10aから選択され;
YはNおよびCR11から選ばれる;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
WとZはそれぞれNとCR19から独立して選ばれ、R19はHまたは(C1-4)アルキルである;
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、またはO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環であるか、またはAは10員の縮合2環芳香族環システムまたは1から3のNを含む複素芳香族環システム、およびO、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む9員の縮合2環複素芳香族環システムから選ばれる;
Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
、R、およびR10はそれぞれ、存在する場合には、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
8a、R9a、およびR10aはそれぞれ、存在する場合には、Hおよび(C1-6)アルキルから独立して選ばれる;該(C1-6)アルキルは、フッ素、OH、および(C1-4)アルキルオキシから独立して選ばれる1以上の置換基で任意に置換される。
実施態様第22項: 化合物が化学式IIIaまたは式IVaの化合物またはその薬学的に受理可能な塩である、実施態様第16から21のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩:
【化6】

式中、R、R、RおよびRは、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
とRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
XはOR8aとNR9a10aから選ばれる;
YはNとCR11から選ばれる;
11は、存在する場合には、およびR12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
ZはNとCR19から選ばれる;ここでR19はHまたは(C1-4)アルキルである;
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれる;Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
また、R、R8a、R、R9a、R10およびR10aはそれぞれ、存在する場合、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる。
実施態様第23項: YはNである、実施態様第16から22のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第24項: 化合物が化学式Vの化合物またはその薬学的に受理可能な塩である、実施態様第16から23のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩:
【化7】

式中、R、R、RおよびRは、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
とRは、HとFから独立して選ばれる;
はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
12は、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選ばれる;該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシおよび(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
ZはNとCR19から選ばれる。ここでR19はHまたは(C1-4)アルキルである;
Aは6員芳香族環、1から3のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれる;
Aは任意に、1から5の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される;
18は-C(O)X、CN、H、(C1-6)アルキル、または(C3-7)シクロアルキルであり、該(C1-6)アルキルと(C3-7)シクロアルキルは、OH、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-NR1617、C(O)-OR16、S(O)-NR1617、CN、およびハロゲンから選択される1から3の置換基で任意に置換されることができ、該(C1-4)アルキルオキシと(C1-4)アルキルスルホニルは任意に1から3のフッ素で置換されることができる;
XはOR8aとNR9a10aから選ばれる;
、R8a、R、R9a、R10およびR10aはそれぞれ、存在する場合、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる;
また、R16およびR17はそれぞれ、存在する場合、Hおよび(C1-4)アルキルから独立して選ばれる。
実施態様第25項: RおよびRがHであり、および/またはR、R、R、およびRがHである、実施態様第16から24のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第26項: Rは、H、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される、実施態様第16から25のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第27項: R19が、存在する場合には、Hである、実施態様第16から26のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第28項: ZはNまたはCHである、実施態様第16から27のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第29項: YはCR11であり、R11はH、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される、実施態様第16から23および25のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第30項: R11はH、またはハロゲンである、実施態様第29項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第31項: R12は(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選ばれ、該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される、実施態様第16から30のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第32項: Aは任意に、1から3の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される、実施態様第16から31のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第33項: Aは6員芳香族環、1または2のNを含む6員複素芳香族環、O、SおよびNから選ばれる1から3のヘテロ原子を含む5員複素芳香族環から選ばれ;
Aは任意に、1から3の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換され、該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換される、実施態様第16から32のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第34項: Aは任意に、1から3の、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから選択される置換基で置換されたフェニル環であり、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換される、実施態様第16から33のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第35項: Aは、
【化8】

式中、R20はそれぞれ水素、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニル、C(O)-OR、C(O)-NR10、S(O)-NR10、CNおよびハロゲンから独立して選択され、該(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、(C1-4)アルキルスルホニルは1から3のフッ素で任意に置換されることができる、実施態様第16から31のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第36項: R20はそれぞれ水素、(C1-4)アルキル、(C1-4)アルキルオキシ、CNおよびハロゲンから独立して選択され、該(C1-4)アルキル、および(C1-4)アルキルオキシは1から3のフッ素で任意に置換されることができる、実施態様第35項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第37項: 1または2のR20は水素ではない、実施態様第35または36項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第38項: (a) 存在する場合にはYはNであり、R18は-C(O)X、-CN、H、メチル、エチル、およびメトキシメチルから選択される、または(b)R18は-C(O)Xであり、XはNR9a10aである、実施態様第16から20、および23から37のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第39項: 存在する場合には、XはNH、NH(C1-6)アルキル、NH((C1-2)アルキルオキシ(C1-2)アルキル)、N((C1-2)アルキル)またはO((C1-2)アルキル)である、実施態様第16から18、21、25から37のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第40項: 存在する場合には、XはOR8aおよびNR9a10aから選択され、Xの内部に存在する場合にはR8a、R9aおよびR10aはそれぞれ独立にHおよび(C1-2)アルキルから選択される、実施態様第16から38のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第41項: 以下から選択される、実施態様第16項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩;
メチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
エチル 1-[(ベンジルカルバモイル)メチル]-3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
メチル 1-[(ベンジルカルバモイル)メチル]-3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
エチル 3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボン酸;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボン酸;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル(カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド);
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N,N-ジメチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-シアノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]-N-(3-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(3-フルオロベンジル)-2-[5-メチル-3-(ピリジン-3-イル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]アセトアミド;
2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-シアノ-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]-N-(3-メトキシベンジル)アセトアミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-イソプロピル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N,N-ジメチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-(2-メトキシエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-(2-メトキシエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-シクロヘキシル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
エチル 3-(4-クロロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート;
メチル 1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-3-(3-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-{[(3-フルオロベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;
エチル 3-(4-クロロフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-ピラゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-1-({[(1H-インダゾール-5-イル)メチル]カルバモイル}メチル)-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド;
N-[(1H-イミダゾール-5-イル)メチル]-2-[3-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-5-エチル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]アセトアミド;
2-[4-(4-クロロ-3-フルオロフェニル)-2-エチル-1H-イミダゾール-1-イル]-N-(3,5-ジクロロベンジル)アセトアミド;
メチル 3-(4-シアノフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキシレート;
3-(4-シアノフェニル)-1-{[(3-メトキシベンジル)カルバモイル]メチル}-N-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-カルボキサミド。
実施態様第42項: 実施態様第1から41のいずれか1項記載の化合物またはその薬学的に受理可能な塩、および薬学的に受理可能な補形薬を含む医薬品組成物。
実施態様第43項: 化合物、またはその薬学的に受理可能な塩が実施態様第16から41のいずれか1項記載の化合物、またはその薬学的に受理可能な塩である、実施態様第1項記載の使用のための化合物、またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第44項: 細胞内の環式AMP過剰シグナリングにより媒介される疾病または病気の治療または予防のために使用される、実施態様第1から15および43のいずれか1項記載の化合物、またはその薬学的に受理可能な塩。
実施態様第45項: 細胞内の環式AMP過剰シグナリングにより媒介される疾病または病気の治療または予防方法であって、実施態様第1から41のいずれか1項記載の化合物、またはその薬学的に受理可能な塩を患者に投与することを含む方法。
実施態様第46項: 細胞内の環式AMP過剰シグナリングにより媒介される疾病または病気の治療または予防のための医薬品の製造における、実施態様第1から41のいずれか1項記載の化合物、またはその薬学的に受理可能な塩の使用。
実施態様第47項: 細胞内の環式AMP過剰シグナリングが以下により引き起こされる、実施態様第44から46のいずれか1項記載の、使用、方法、または使用のための化合物:
a. 腺腫によって生産された過度のホルモンレベル、
b. Gタンパク質と組み合わされたレセプター(GPCR)中の機能獲得型の遺伝子突然変異;
c. Gタンパク質Gsのα-サブユニットをコード化する、GNAS1遺伝子内の活性化突然変異;または
d.細菌毒素。
実施態様第48項: 病気は癌である、実施態様第44から47のいずれか1項記載の、使用、方法、または使用のための化合物。
実施態様第49項: 癌は前立腺癌である、実施態様第48項記載の、使用、方法、または使用のための化合物。
実施態様第50項: 病気は以下である、実施態様第44から47のいずれか1項記載の、使用、方法、または使用のための化合物:
e. 下垂体腺腫、クッシング病、腎多嚢胞病または多嚢胞性肝疾患;
f. 甲状腺機能亢進症、ヤンセン骨幹端軟骨異形成症、上皮小体機能亢進症または家族性男性限定性早熟症;
g. マックーン-オルブライト症候群;
h. コレラ、百日咳、炭疽菌または結核;
i. HIV、AIDSまたは分類不能型免疫不全(CVID);
j. 黒色腫、膵臓癌、白血病、前立腺癌、副腎皮質の腫瘍、精巣癌、原発性色素性結節状副腎皮質病変(PPNAD)またはカ-ニ-複合;
k. 常染色体優性多発性嚢胞腎症(ADPKD)または常染色体劣性多発性嚢胞腎症(ARPKD);
l.ヤングタイプ5の成人発症型糖尿病(MODY5);または
m. 心臓肥大。
実施態様第51項: 病気は以下である、実施態様第50項記載の使用の、使用、方法、または使用のための化合物:
a. 常染色体優性多発性嚢胞腎症(ADPKD);または
b. 常染色体劣性多発性嚢胞腎症(ARPKD)。
図1
図2
図3