(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】追跡装置、物体追跡システム、及び関連する使用方法
(51)【国際特許分類】
G01S 5/02 20100101AFI20220425BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
(21)【出願番号】P 2019564157
(86)(22)【出願日】2019-02-20
(86)【国際出願番号】 US2019018707
(87)【国際公開番号】W WO2019164898
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-02-13
(32)【優先日】2018-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519408618
【氏名又は名称】インテリジェント クリーニング イクイップメント ホールディングス カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】519408629
【氏名又は名称】チェン ナイ ポン サイモン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】チェン ナイ ポン サイモン
【審査官】九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0021944(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0278694(US,A1)
【文献】特表2010-505179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 1/00 - 1/68
G01S 5/00 - 5/14
G01S 19/00 -19/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
追跡装置であって、
ハウジングと、
任意の固定部材であって、前記追跡装置をユーザが装着できるように前記ハウジングの少なくとも一部をユーザに固定するために構成された、任意の固定部材と、
追跡アセンブリと、
を備え、前記追跡アセンブリは、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置されて位置信号の送信及び受信の少なくとも一方を行う通信サブアセンブリと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置されて前記通信サブアセンブリと電気的に通信するエネルギー蓄積装置と、
を含み、
前記追跡アセンブリは、少なくとも1つ以上の無線通信モードを介して少なくとも1つの清掃装置から一意的識別子を受け取るように構成され、
前記追跡アセンブリは、モーションロジックを追跡して従業員
及び/又は清掃員の職務を定め、
前記追跡アセンブリは、無線周波数
及び/又はビーコンを介して位置を追跡し、
前記追跡アセンブリは、スマートホンにデータを送信し、
前記追跡アセンブリは、スマートホン及び/又はデスクトップアプリケーションを介した毎時、毎日、毎週、毎月及び/又は毎年の効率性レポートの生成を協調的に可能にする、
ことを特徴とする追跡装置。
【請求項2】
前記追跡装置は、前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置されて前記通信サブアセンブリ及び前記エネルギー蓄積装置の少なくとも一方と電気的に通信する運動エネルギーチャージャをさらに備える、
請求項1に記載の追跡装置。
【請求項3】
前記通信サブアセンブリは、約3Hz~約3,000GHzの周波数範囲内の位置信号の送信及び受信の少なくとも一方を行う、
請求項1に記載の追跡装置。
【請求項4】
追跡システムであって、
少なくとも1つの清掃装置が動作する動作領域にわたって分散するビーコンシステムと、
前記少なくとも1つの清掃装置のユーザ上に配置され、前記少なくとも1つの清掃装置から近距離無線通信を介して一意的識別子を受け取るように構成されたウェアラブル装置と、
プロセッサ及びメモリを有するコントローラを含むサービスプロバイダシステムと、
を備え、前記プロセッサは、
前記少なくとも1つの清掃装置に移動ロジックを提供し、
前記ウェアラブル装置上のモーションセンサから前記ユーザの実際の動きを示す信号を受け取り、
前記ユーザの前記実際の動きを前記移動ロジックと比較して、前記ユーザが前記移動ロジックに従って前記少なくとも1つの清掃装置を操作しているかどうかを判定し、
前記ユーザの前記実際の動きが前記移動ロジックと一致していない時に管理者にアラートを送信する、
ための、メモリに記憶された命令を実行する、
ことを特徴とする追跡システム。
【請求項5】
追跡方法であって、
少なくとも1つの清掃装置が動作する動作領域にわたって分散するビーコンシステムを準備するステップと、
前記少なくとも1つの清掃装置のユーザ上に配置され、前記少なくとも1つの清掃装置から近距離無線通信を介して一意的識別子を受け取るように構成されたウェアラブル装置を準備するステップと、
プロセッサ及びメモリを有するコントローラを含むサービスプロバイダシステムを準備するステップと、
を含み、前記プロセッサは、
前記少なくとも1つの清掃装置に移動ロジックを提供することと、
前記ウェアラブル装置上のモーションセンサから前記ユーザの実際の動きを示す信号を受け取ることと、
前記ユーザの前記実際の動きを前記移動ロジックと比較して、前記ユーザが前記移動ロジックに従って前記少なくとも1つの清掃装置を操作しているかどうかを判定することと、
前記ユーザの前記実際の動きが前記移動ロジックと一致していない時に管理者にアラートを送信することと、
を可能にする、メモリに記憶された命令を実行する、
ことを特徴とする追跡方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2018年2月20日に出願された「追跡装置、物体追跡システム、及び関連する使用方法(Tracking Device, System For Tracking Objects、 And Associated Method Of Use)」という名称の米国仮特許出願第62/632,646号の利益を主張するものであり、この文献は、引用する全ての参考文献及び付属書類を含めてその全体が引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔連邦政府が支援する研究又は開発に関する記述〕
該当なし。
【0003】
〔配列表の参照〕
該当なし。
【0004】
本発明は、一般に追跡装置に関し、具体的には、効率性及び/又は責任性(accountability)の検証及び/又は最大化のために無線周波数(例えば、極低周波(3Hz~30Hz)~極高周波(300GHz~3,000GHz))を介して対象(例えば、職員、従業員、請負業者、清掃員、設備など)の活動を追跡するポータブル追跡装置(例えば、リストバンド、腕時計など)に関する。さらに、本発明は、職員/設備などの対象を追跡するためのシステム、並びにこれらの装置及びシステムの関連する使用方法にも関する。
【背景技術】
【0005】
一例として、清掃請負会社の顧客は、雇った職員が正しく仕事を行っているか(例えば、全ての指定領域及び/又は所定領域を清掃しているか)否か、及び/又は任された作業に十分な時間を費やしているか否かを容易に検証することができない。このことが特に問題なのは、ほとんどの委託清掃がシフト外に、及び/又は既存の企業の休業時及び/又は非モニタリング時に行われるからである。本発明の追跡装置及びシステムは、例えば清掃員がどれほどの時間を作業に費やしているかを遠隔的にモニタして、1時間毎、1日毎、1週間毎、1か月毎、さらには1年毎に報告できるようにする。さらに、本発明の追跡装置及びシステムは、特定の仕事又は作業が正しく完了したかどうかの遠隔的な確認も可能にする。
【0006】
追跡装置及び追跡システムは、当業ではかなり前から知られているとともに、例えば「リストバンド型触覚フィードバックシステム(Wrist Band Haptic Feedback System)」という名称の米国特許第9,881,277号、「2次元平面における位置を検出するための超音波ブレスレット及び受信機(Ultrasonic Bracelet and Receiver for Detecting Position in 2D Plane)」という名称の米国特許第9,881,276号、「個人追跡装置(Personal Tracking Device)」という名称の米国特許第6,972,684号、「電子テザー(Electronic Tether)」という名称の米国特許第6,529,131号、「グローバルセルラー位置追跡装置(Global Cellular Position Tracking Device)」という名称の米国特許第6,388,612号、「個人位置検出システム(Personal Location Tracking Device)」という名称の米国特許第6,362,778号、「人の動きをモニタするための装置(Device for Monitoring the Movement of a Person)」という名称の米国特許第6,127,931号、「装着式能動及び受動追跡装置(Body Worn Active and Passive Tracking Device)」という名称の米国特許第6,014,080号、「全地球測位衛星追跡装置(Global Positioning Satellite Tracking Device)」という名称の米国特許第5,905,461号、「現場の被監禁者の位置のハイブリッドモニタリング(Hybrid Monitoring of Location of a Site Confinee)」という名称の米国特許第5,892,454号、「位置検出器及びモニタ、並びにその使用方法(Location Detector and Monitor and Method of Using the Same)」という名称の米国特許第5,828,306号、及び「自宅監禁システム(Home Incarceration System)」という名称の米国特許第5,206,897号を含む複数の特許の主題でもあり、これらの文献は、引用する全ての参考文献を含めてその全体が引用により本明細書に組み込まれる。
【0007】
米国特許第9,881,277号には、無線周波数に基づく作業員の手の追跡を使用して在庫作業の実績をモニタする在庫管理システム及び関連方法が開示されているようである。在庫管理システムは、在庫ビンと、ユーザの手の近傍に装着されるように構成されたユーザウェアラブルユニットと、少なくとも1つのRF問い合わせ信号を送信して少なくとも1つのRF応答信号を受信するように構成された固定RFアンテナと、固定RFアンテナに動作可能に結合されたRFトランシーバと、RFトランシーバに動作可能に結合された管理モジュールとを含む。ユーザウェアラブルユニットは、少なくとも1つのRF問い合わせ信号の受信に応答してRF応答信号を送信するように構成されたRFトランシーバを含む。管理モジュールは、RFトランシーバによって生成された信号を処理してユーザウェアラブルユニットの位置を追跡し、識別された在庫ビンに対するユーザウェアラブルユニットの近接性に基づいて在庫ビンを識別して在庫システム作業の実績をモニタするように構成される。
【0008】
米国特許第9,881,276号には、作業員の手の超音波追跡を使用して、割り当てられた作業の実績をモニタできることが開示されているようである。在庫システムは、在庫品目を保管するように構成された在庫ビンと、超音波ユニットと、超音波トランスデューサと、管理モジュールとを含む。超音波ユニットは、ユーザによってユーザの手の近傍に装着されて定期的に超音波パルスを放射するように構成される。超音波トランスデューサは、在庫ビンに関連して配置され、放射パルスを受信するように構成される。管理モジュールは、超音波トランスデューサに動作可能に結合され、超音波トランスデューサによって生成された信号を処理して、識別された在庫ビンに対する超音波ユニットの近接性に基づいて在庫ビンを識別するように構成される。管理モジュールは、識別された在庫ビンに基づいて、割り当てられた作業の実績をモニタする。
【0009】
米国特許第6,972,684号には、個人によって装着されるウェアラブル装置と、ウェアラブル装置に動作可能に結合されたポータブル装置とを含む、仮出所者などの個人の位置をモニタするシステムが開示されているようである。ポータブル装置は、無線電話網を介してモニタリングシステムに動作可能に結合される。ポータブル装置は、無線ネットワークを介して、暗号化された位置情報及びステータス情報を定期的にモニタリングシステムに送信する。モニタリングシステムは、個人の位置を追跡し、個人が仮出所条件などの規則に違反した場合に適切な機関に警告する。ポータブル装置は、指定された自宅位置内に個人が存在する時には送信間の時間を延ばし、指定された位置の外部に存在する時には送信間の時間を短くする。
【0010】
米国特許第6,529,131号には、マスタユニットに対する従属ユニットの距離及び位置を特定する装置が開示されているようである。単一のマスタユニットに、複数の従属ユニットが存在することができる。マスタユニット及び(単複の)従属ユニットは、いずれもGPS受信機、RFトランシーバ、電源、電子コンパス、ユーザインターフェイス、及びマイクロプロセッサで構成される。マスタユニットは、RF送信を介して定期的にポーリングを行い、従属ユニットとの間でデータを交換する。マスタユニットはデータを処理し、これを従属ユニットまでの距離及び方向としてディスプレイに表示する。従属ユニットもデータを処理し、これをマスタユニットまでの距離及び方向としてディスプレイに表示する。また、マスタユニットは、このデータをユーザ選択可能な所定のパラメータと比較する。データがこれらのパラメータ内に存在しない場合、マスタユニットは、マスタユニット及び従属ユニットの両方においてアラーム条件を開始する。
【0011】
米国特許第6,388,612号には、それぞれが物体及び中央モニタリングステーションに解除可能に固定された複数の追跡装置を含む、物体の位置を特定する全地球測位追跡システムが開示されているようである。各追跡装置は、追跡装置に特有の識別コードを記憶し、追跡装置の位置を特定し、特定された位置に基づいて位置信号を生成する処理装置と、セルラー伝送の受信及び開始を行うセルラー送信機/受信機とを含む。中央モニタリングステーションは、ユーザから位置要求及び識別コードを受け取り、追跡ユニットに割り当てられた電話番号に対して識別コードを含むセルラー伝送を開始する。各追跡ユニットは、セルラー伝送を受け取ると、この識別コードと記憶されている自機の識別コードとを比較する。記憶されている識別コードと受け取った識別コードとが一致すると判定された追跡ユニットは位置信号を生成し、セルラー伝送チャネルを介して中央モニタリングステーションに送信する。中央モニタリングステーションは、この位置信号をユーザに中継する。ユーザは、電話通信及び電子メッセージの少なくとも一方によってインターネット接続を介して中央モニタリングステーションに位置要求を提供することができる。各追跡装置は、緊急事態の検出時に、又は追跡ユニットの回路の破断時に自動で、遭難信号を生成して中央モニタリングユニットに送信することもできる。
【0012】
米国特許第6,362,778号には、ロケータユニットの位置を特定するパーソナルロケータシステムが開示されているようである。このシステムは、中央ステーション及びGPS衛星の両方と通信するロケータ装置を含む。ロケータユニットは、ユーザの手首の周囲に装着できるポータブルハウジングを含む。ハウジング内には、中央ステーションと交信する、送信機及び受信機を含む通信システムが配置される。ハウジング内には、GPSシステムと交信してロケータ装置の位置を特定するGPSユニットも配置される。ロケータユニットは、受信機が中央ステーションから位置要求信号を受け取ると、GPSユニットを作動させてGPSシステと交信してGPSシステムから位置データを受け取る。送信機は、位置データを受け取ると、この位置データを分析のために中央ステーションに送信する。中央ステーションに緊急信号を送信してロケータユニットの位置の検出を開始するためのパニックボタンも設けられる。中央ステーションに位置要求信号を送信し、これに応答して連絡先リスト上の人物にロケータ装置の位置を通知するための非緊急呼び出しボタンも設けられる。通信システムは、POTS、セルラー、PCS、又はインターネット通信ネットワークのうちの1つを利用する。装置が改竄された時には、改竄検出センサがこれを検出する。ある人物が装置の位置を正確に突き止めるのに役立つように、ビーコン生成器が、超音波又は無線周波数ビーコン信号を生成する。
【0013】
米国特許第6,127,931号には、ホーミングユニット及びベースユニットを含む、人の動きをモニタする装置が開示されているようである。ホーミングユニットは、ホーミング信号を生成するための装置と、所定の間隔でホーミング信号を送信するための送信機とを含む。ベースユニットは、ホーミング信号を受け取る受信機と、ホーミング信号を処理してベースユニットから所定の距離内にホーミングユニットが存在するかどうかを判定し、ホーミングユニットがベースユニットから所定の距離よりも遠い距離に存在すると判定した時にアラーム信号を生成するプロセッサとを含む。プロセッサからアラーム信号が受け取られると、ホーミングユニットがベースユニットから所定の距離よりも遠い距離に移動したことをユーザに警告するアラームがベースユニット上に示される。アラームは、可聴アラーム、可視アラーム及び振動アラームのうちの少なくとも1つである。ベースユニット及びホーミングユニットの少なくとも一方は、所定の距離を調整するための装置を含む。プロセッサは、連続的に送信されるホーミング信号の受信間隔を判断してベースユニットとホーミングユニットとの間の距離を特定する。ベースユニットは、ベースユニットとホーミングユニットとの間の距離と、ベースユニットからホーミングユニットへの方向とを表示するディスプレイをさらに含む。
【0014】
米国特許第6,014,080号には、全地球測位システム(GPS)からの信号を受け取る無線通信システムにおいて使用される、犯罪者又は潜在的被害者が装着する不正防止型追跡装置が開示されているようである。追跡装置は、複数の遠隔地に空間座標を直接通信する。追跡装置は、人の四肢に装着される密閉ケースである。このケースは、バッテリと、シグナリング装置と、フィールドプログラマブルゲートアレイを含む回路基板と、無線データモデムと、従来のGPS受信機と、対応するフィルタリングGPS受信機とを含む。
【0015】
米国特許第5,905,461号には、人物及び資産品目の一方の位置を特定する全地球測位追跡システムが開示されているようである。この全地球測位追跡システムは、人物及び資産品目の一方に接続される少なくとも1つの追跡装置を含み、この装置は、自機の位置を特定して位置信号を生成する処理装置と、この位置信号を送信する送信機とを含む。位置信号は、所望のモニタリング領域の周囲に戦略的に配置された中継ステーションに送信される。中継ステーションは、位置信号を受け取って、受け取った位置信号が有効信号であるかどうかを判定する装置と、位置信号が有効であると判定された時に位置信号を中央モニタリングステーションに中継する装置とを含む。中央モニタリングステーションは、中継ステーションから有効な位置信号を受け取り、この位置信号を解析して追跡装置の位置をモニタする。システムは、中継ステーションから有効な位置信号を受け取り、中央モニタリングステーションが中継ステーションの送信範囲外に位置する時に中央モニタリングステーションに位置信号を再送する追跡衛星を含むこともできる。
【0016】
米国特許第5,892,454号には、2、3メートル程の小さな直径又は数キロメートル程の大きな直径を有することができる指定位置に拘束すべき人物(被監禁者)の現在の位置をモニタする方法及び装置が開示されているようである。被監禁者の現在位置は、必要に応じて1秒~数千秒の範囲の選択された時間間隔でチェックされる。被監禁者は、同一線上に存在しない3又は4以上の屋外位置特定(LD)信号源及び同一線上に存在しない3又は4以上の屋内LD信号源から自機の現在位置、従って被監禁者の現在位置の特定を可能にする情報を含む電磁信号を受信するLDユニットを装着する。屋内LD信号源は、電波送信機とすることができる。屋外LD信号源は、ロラン(Loran)、オメガ(Omega)、デッカ(Decca)、タカン(Tacan)、JTIDS Relnav又はPLRS、又は同様の地上システムの送信機、或いはGPS又はGLONASSなどの衛星測位システムの送信機とすることができる。各屋内LD信号源からの信号の相対位相又は送信時間を特定してLDユニットに提供する。LDユニットの現在位置又は変更位置を特定し、この位置を一連の選択された時点に許容位置の位置座標と比較して、このような時点に被監禁者がその位置に存在するかどうかを判定する。LDユニットは、被監禁者がその位置に存在せず、選択された時間間隔にわたって許容位置から離れることが予定されていなかった場合にアラーム信号を発行する。許容位置は、第1の許容位置と、第2の許容位置と、選択された時間間隔にわたって第1の許容位置と第2の許容位置との間に延びる通路とを含むように、選択された時間間隔にわたって再定義することができ、その後に第1又は第2の許容位置、或いはその一部のみを含むように再び許容位置を変更することができる。これにより、被監禁者は、元々の許容位置を一時的に離れて治療を求めたり、又はその他のニーズに対応したりすることができ、或いは恒久的に第2の位置に移動することもできる。許容位置は、あらゆる時点で、その後のあらゆる時間間隔にわたって再定義することができる。いかなる時にも被監禁者が入れない1又は2以上の立入禁止位置を指定することもできる。
【0017】
米国特許第5,828,306号には、固定モニタリングコンピュータと、衛星と、間隔を置いた3つの信号ディッシュとを利用する、人物に取り外し可能に取り付けられる位置検出器及びモニタが開示されているようである。衛星は、モニタリングコンピュータが信号を送信したことに応答して、電話回線によってモニタリングコンピュータにリンクされた3つのディッシュによって受け取られるマイクロ波信号を送信する。モニタリングコンピュータは、3つのディッシュによって提供された情報からデカルト座標を使用して人物の位置をプロットする。
【0018】
米国特許第5,206,897号には、遠隔地の収監者(incarceree)が装着する収監者識別器と、選択された電気特性を有する電気部品とを含む収監者モニタリングシステムにおいて使用される収監者識別回路が開示されているようである。選択された電気特性をコンパレータ回路が測定して基準電気特性と比較する。コンパレータ回路は、選択された電気特性が基準電気特性と一致する場合にタイマを始動させる。タイマは、スピーカを無効にする信号を音声回路に供給する。この信号に応答して、トーン生成器が電話リンクを介して中央ステーションに検証信号を供給する。この検証信号を中央位置の検証回路が受け取り、遠隔地における収監者の存在又は不在を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【文献】米国特許第9,881,277号明細書
【文献】米国特許第9,881,276号明細書
【文献】米国特許第6,972,684号明細書
【文献】米国特許第6,529,131号明細書
【文献】米国特許第6,388,612号明細書
【文献】米国特許第6,362,778号明細書
【文献】米国特許第6,127,931号明細書
【文献】米国特許第6,014,080号明細書
【文献】米国特許第5,905,461号明細書
【文献】米国特許第5,892,454号明細書
【文献】米国特許第5,828,306号明細書
【文献】米国特許第5,206,897号明細書
【文献】米国特許第6,359,323号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0043261号明細書
【文献】米国特許第7,129,979号明細書
【文献】米国特許出願公開第2004/0147059号明細書
【文献】米国特許第5,990,506号明細書
【文献】米国特許第6,235,549号明細書
【文献】米国特許第6,765,276号明細書
【文献】米国特許第6,486,913号明細書
【文献】米国特許第6,872,584号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0011813号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0187793号明細書
【文献】米国特許第6,379,992号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0138500号明細書
【文献】米国特許出願公開第2005/0263839号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0090274号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0157761号明細書
【文献】米国特許第6,369,417号明細書
【文献】米国特許第6,127,668号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0023802号明細書
【文献】米国特許出願公開第2005/0090035号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0261342号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上述した特許には、確かに複数の異なる用途のための追跡装置及びシステムが開示されているように思えるが、何よりもこれらの装置及びシステムは、いずれも例えば効率性及び/又は責任性の検証及び/又は最大化のために無線周波数/ビーコンを介して請負業者/清掃員の活動を効果的に追跡するとともに、スマートホン及び/又はデスクトップアプリケーションを介して毎日、毎週、毎月及び/又は毎年の効率性レポートを送信するように構成されているとは思えないため、これらの構成は相変わらず望ましいものではなく及び/又は問題を抱えたままである。
【0021】
本明細書、特許請求の範囲及び図面に照らせば、本発明のこれらの及びその他の目的が明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0022】
1つの実施形態では、本発明は、(a)キャビティを含むとともに、ユーザに関連するようにさらに適合されたハウジングと、(b)ハウジングの少なくとも一部に関連する任意の固定部材と、(c)追跡アセンブリと、を備え、基本的にこれらから成り、及び/又はこれらから成る追跡装置であって、追跡アセンブリが、(1)ハウジング内に少なくとも部分的に配置されて位置信号の送信及び受信の少なくとも一方を行う通信サブアセンブリと、(2)ハウジング内に少なくとも部分的に配置されて通信サブアセンブリと電気的に通信するエネルギー蓄積装置と、を含み、(d)追跡アセンブリが、好ましくはモーションロジックを追跡して従業員/清掃員の職務(job function)を定め、(e)追跡アセンブリが、好ましくは無線周波数/ビーコンを介して位置を追跡し、(f)追跡アセンブリが、好ましくはスマートホンを介して、及び/又はスマートホンにデータを送信し、(g)追跡アセンブリが、好ましくはスマートホン及び/又はデスクトップアプリケーションを介した毎時、毎日、毎週、毎月及び/又は毎年の効率性レポートの生成を協調的に可能にする、追跡装置に関する。
【0023】
本発明の好ましい実施形態では、追跡装置が、ハウジング内に少なくとも部分的に配置されて通信サブアセンブリ及びエネルギー蓄積装置の少なくとも一方と電気的に通信する運動エネルギーチャージャをさらに備える。
【0024】
本発明の別の好ましい実施形態では、通信サブアセンブリが、約3Hz~約3,000GHzの周波数範囲内の位置信号の送信及び受信の少なくとも一方を行う。
【0025】
本発明は、(a)少なくとも1つの清掃装置が動作する動作領域にわたって分散するビーコンシステムと、(b)少なくとも1つの清掃装置のユーザ上に配置され、少なくとも1つの清掃装置から近距離無線通信を介して一意的識別子を受け取るように構成されたウェアラブル装置と、(c)プロセッサ及びメモリを有するコントローラを含むサービスプロバイダシステムと、を備えた追跡システムであって、プロセッサが、(1)少なくとも1つの清掃装置に移動ロジックを提供し、(2)ウェアラブル装置上のモーションセンサからユーザの実際の動きを示す信号を受け取り、(3)ユーザの実際の動きを移動ロジックと比較して、ユーザが移動ロジックに従って少なくとも1つの清掃装置を操作しているかどうかを判定し、(4)ユーザの実際の動きが移動ロジックと一致していない時に管理者にアラートを送信するための、メモリに記憶された命令を実行する、追跡システムにも関する。
【0026】
さらに、本発明は、(a)少なくとも1つの清掃装置が動作する動作領域にわたって分散するビーコンシステムを準備するステップと、(b)少なくとも1つの清掃装置のユーザ上に配置され、少なくとも1つの清掃装置から近距離無線通信を介して一意的識別子を受け取るように構成されたウェアラブル装置を準備するステップと、(c)プロセッサ及びメモリを有するコントローラを含むサービスプロバイダシステムを準備するステップと、を含み、プロセッサが、(1)少なくとも1つの清掃装置に移動ロジックを提供することと、(2)ウェアラブル装置上のモーションセンサからユーザの実際の動きを示す信号を受け取ることと、(3)ユーザの実際の動きを移動ロジックと比較して、ユーザが移動ロジックに従って少なくとも1つの清掃装置を操作しているかどうかを判定することと、(4)ユーザの実際の動きが移動ロジックと一致していない時に管理者にアラートを送信することと、を可能にする、メモリに記憶された命令を実行する、追跡方法にも関する。
【0027】
添付図面には本発明のいくつかの実施形態を示す。図は必ずしも縮尺通りではなく、本発明の理解に必要でない又は他の詳細の認識を困難にする詳細は省略している場合もあると理解されるであろう。さらに、本発明は、必ずしも本明細書に示す特定の実施形態に限定されるものではないと理解されるであろう。
【0028】
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明に従って製造された追跡装置の斜視図である。
【
図3】
図1に示す追跡装置を利用する追跡システムの概略図である。
【
図4】
図1に示す追跡装置を利用する事業所に設置された追跡システムの概略図である。
【
図5】パーソナルコンピュータと通信する近距離無線通信リーダを伴う
図1に示す追跡装置の斜視図である。
【
図6】充電アセンブリを伴う
図1に示す追跡装置の斜視図である。
【
図7】本開示の態様を実施するために利用できるシステムアーキテクチャ例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は多くの異なる形の実施形態が可能であるが、図面には特定の実施形態を示し、本明細書ではこれらについて詳細に説明しており、このような実施形態の開示は原理の一例として見なすべきであり、図示及び説明する特定の実施形態に本発明を限定することを意図するものではないと理解されたい。
【0031】
本明細書で参照する同様の又は類似の要素及び/又はコンポーネントは、図面全体を通じて同様の参照符号によって識別することができると理解されるであろう。また、図面は本発明の1又は2以上の実施形態の概略表現にすぎず、コンポーネントによっては図を明確にするために実際の縮尺とは異なるものもあると理解されるであろう。
【0032】
ここで図面を参照すると、具体的には
図1に、一般にハウジング20と、任意の固定部材30と、追跡アセンブリ40とを含む追跡装置10の斜視図を示す。
【0033】
本発明の好ましい実施形態では、追跡アセンブリが、1)モーションロジックを追跡して従業員/清掃員の職務を定め、(2)無線周波数/ビーコンを介して位置を追跡し、(3)スマートホンを介して及び/又はスマートホンにデータを送信し、及び/又は(4)好ましくはスマートホン及び/又はデスクトップアプリケーションを介した毎時、毎日、毎週、毎月及び/又は毎年の効率性レポートの生成を可能にする、ことが好ましい。
【0034】
ハウジング20は、例えば第1の壁部、第2の壁部、第3の壁部及び第4の壁部を含むことができ、第1の壁部と第2の壁部とが互いに間隔を空け、第3の壁部と第4の壁部とが互いに間隔を空けて、例えばとりわけ追跡アセンブリ40を収容する実質的に多角形のキャビティを定める。本開示では、第1の壁部、第2の壁部、第3の壁部、第4の壁部、キャップ及びベース/ベース部材が、追跡アセンブリ40及びその他のコンポーネントを収容する防水ハウジングを協働的に形成することができる。ハウジング20は、関連するユーザの衣類、身体又はそのいずれかの部分(例えば、衣類のポケット、ベルトループ、手首など)と共に動作可能に機能する複数の幾何学的構成のうちのいずれか1つを含むことできると理解されるであろう。また、本開示では、ハウジング20が、1又は2以上の天然及び/又は合成ポリマー、及び/又はプラスチック樹脂、金属、金属合金、木材などから製造されることが好ましい。しかしながら、本開示を前にした当業者に周知の複数の材料のうちのいずれか1つも同様に使用を検討される。ハウジング20は、防水材料から製造することによって、ハウジングの内容物を要素又は他の外部汚染物質から保護できることが好ましい。
【0035】
本発明の1つの実施形態では、追跡装置10が、ハウジング20の少なくとも一部に接続された形で示す任意の固定部材30をさらに含む。固定部材30は、以下に限定するわけではないが、ほんのいくつかの例を挙げると、ねじ、リベット、ボルト、接着剤、フックアンドループ構成を含む様々な異なる締結具を使用してハウジング20に取り付けられることが好ましい。1つの実施形態では、固定部材30が、ユーザの手を滑って元々の形状に戻ってユーザの少なくとも一部の周囲に追跡装置10を固定できるほど十分に撓む、例えばゴムなどのエラストマー材料のループを含むことができる。本開示を前にした当業者に周知の複数の材料のうちのいずれか1つも同様に使用を検討されると理解されるであろう。
【0036】
別の例として、任意の固定部材30は、固定領域を有する一対のストラップを含むこともできる。第1のストラップは、好ましくは1又は2以上のタブを含み、第2のストラップは、好ましくは1又は2以上の嵌合スロットを含む。第1のストラップの第1のタブ及び第2のストラップの第1のスロットは、互いに解除可能に固定されることが好ましい。
【0037】
本発明の別の実施形態では、第1のストラップの第1のタブが一連のフックを含むことができ、第2のストラップの第1のタブが一連のループを含むことができる。動作時には、第1のストラップの第1のタブと第2のストラップの第1のタブとが協働して、ユーザの少なくとも一部に追跡装置10を解除可能に固定することができる。この実施形態では面ファスナを開示しているものの、以下に限定するわけではないが、ほんのいくつかの例を挙げると、スナップ式ファスナ、ボタン及びループ、ジッパー、ウォッチクラスプ、バックル、エラストマーストラップを含むあらゆる好適な解除可能な取り付け手段を使用することができる。
【0038】
本開示によれば、追跡装置10は、追跡アセンブリ40を含むことが好ましい。追跡アセンブリ40は、少なくとも部分的にハウジング20内に位置することが好ましい。追跡アセンブリ40は、効率性及び/又は責任性の検証及び/又は最大化のために、モーションロジックを追跡し、及び/又は対象(例えば、職員、従業員、請負業者、清掃員、設備など)の職務を定めることが好ましい。追跡アセンブリ40は、無線周波数/ビーコンを介して位置を追跡することが好ましい。1つの実施形態では、追跡アセンブリ40が、スマートホンを介して及び/又はスマートホンに記録データ及び/又はリアルタイムデータを送信することが好ましい。さらに、追跡アセンブリ40は、好ましくはスマートホン及び/又はデスクトップアプリケーションを介した毎時、毎日、毎週、毎月及び/又は毎年の効率性レポートの生成を協調的に可能にすることが好ましい。
【0039】
次に
図2を参照すると、本発明の1つの実施形態では、追跡アセンブリ40が、スイッチ42、エネルギー源及び/又はエネルギー蓄積装置44、回路基板/コントローラ(例えば、プリント基板)46、通信モジュール48、アンテナ49、一次ユーザインターフェイス50、メモリモジュール52、光源54、スピーカ56、触覚フィードバックモジュール58、マイク60、運動エネルギーチャージャ64及び整流器66、といったコンポーネントのうちの1つ又は2つ以上を含み、及び/又はこれらに関連することが好ましい。
【0040】
追跡アセンブリ40は、好ましくはハウジング20の内部チャンバ又はキャビティ内に少なくとも部分的に収容される1又は2以上のエネルギー源44を含む。エネルギー源44は、回路基板/コントローラ46及びオン/オフスイッチ42とも電気的に通信することが好ましい。追跡アセンブリ40のエネルギー源44は、鉛酸、NiCad、NiMH、及び/又はリチウムイオンバッテリ及び/又は燃料セルなどの二次電気化学セルを含むことが好ましい。リチウムイオンバッテリの好ましい例としては、コバルト酸リチウム(LiCoO2)バッテリ、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)バッテリ、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(LiNiMnCoO2)バッテリ、リン酸鉄リチウム(LiFePO)バッテリ、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(LiNiCoAlO2)バッテリ、及びチタン酸リチウム(Li4Ti5O12)バッテリが挙げられる。1つの実施形態では、エネルギー源44が、アノード、カソード及び電解質を有する二次電気化学セルを含み、アノード、カソード及び電解質のうちの少なくとも1つが回路基板/コントローラ46によってモニタされ、アノード、カソード、電解質、アノード及び/又はカソードに関連するパッシベーション層の構造的完全性、及び/又は各コンポーネントの電解質レベルを含むサイクル寿命に関する変数がメモリモジュール52に記憶される。この実施形態では、二次電気化学セルが可逆的酸化還元反応に関与する。また、エネルギー源44は、固定コンデンサ、可変コンデンサ及び有極コンデンサのうちの少なくとも1つに結合されて、追跡アセンブリ40内のポテンシャルエネルギーの蓄積を調整することもできる。
【0041】
追跡アセンブリ40は、回路基板/コントローラ(例えば、プリント基板)46を含み、ハウジング20の内部チャンバ及び/又はキャビティ内に少なくとも部分的に収容されることが好ましい。回路基板/コントローラ46は、エネルギー源44と電気的に通信することが好ましい。回路基板/コントローラ46は、数あるコンポーネント及び/又は機能の中でもとりわけ、少なくともユニットカウンタ、時間、日付、位置、GPS座標、高度計、気圧計、温度、ジョブ/タスクタイプ識別アルゴリズム、ジョブ/タスク検証アルゴリズム、ジョブ/タスク完了アルゴリズム、2軸変位、速度及び/又は加速度センサ及び/又はアルゴリズム、3軸変位、速度及び/又は加速度センサ及び/又はアルゴリズム、通信ポート及び/又はアンテナポートといった機能のための(単複の)マイクロプロセッサ、(単複の)センサ、(単複の)モジュール及び/又は(内部的に及び/又はメモリモジュール52に記憶された)(単複の)アルゴリズムに関連し、及び/又はこれらを含む。
【0042】
本発明の好ましい実施形態では、電子機器/追跡アセンブリ40の回路基板/コントローラ46が、バッテリ、ブリッジ整流器、コンデンサ、中央処理装置、通信ポート、制御基板、水晶、ダイオード、ヒューズ、グラフィックボード、インダクタ、入力ポート、集積回路、マイクロプロセッサ、メモリモジュール、発振器、出力ポート、ポテンショメータ、受信機、リレー、抵抗器、半導体、変圧器、トランジスタ、チューナ、ビデオ処理ユニット、有線通信ハブ及び/又は無線通信ハブなどの1又は2以上のコンポーネントを含む。
【0043】
追跡アセンブリ40は、通信モジュール48を含み、ハウジング20の内部チャンバ及び/又はキャビティ内に少なくとも部分的に収容されることが好ましい。通信モジュール48は、回路基板/コントローラ46と電気的に通信することが好ましい。通信モジュール48は、好ましくは(1)(例えば、NFC対応装置をスマートカードのように動作させる)NFCカードエミュレーション、(2)(例えば、ラベル又はスマートポスターに埋め込まれたNFCタグに記憶されている情報をNFC対応装置が読み取れるようにする)NFCリーダ/ライタ、及び(3)(例えば、2つのNFC対応装置が互いに通信してアドホック方式で情報を交換できるようにする)NFCピアツーピア、を利用して近距離無線通信(NFC)プロトコルを用いて動作する無線通信コンポーネントを含む。例示の目的でNFC通信を開示したものの、本発明によれば、限定するわけではないが以下の表1に示すものを含む他の無線周波数通信及びプロトコルも同様に使用が検討される。
表1
【0044】
本発明の1つの実施形態では、通信モジュール/部材48が、好ましくはエネルギー蓄積装置44によって給電され、好ましくは位置信号の送信及び/又は受信を行うアクティブ無線周波数識別装置を含む。或いは、通信モジュール/部材48は、位置信号の送信及び/又は受信を行う全地球測位システムを含むこともできる。
【0045】
本開示によれば、通信モジュール/部材48は、全地球測位システム又はアクティブ無線周波数識別装置のいずれかを介して位置信号を送信することが好ましい。好適な通信構成の例は、例えば「リストバンド型触覚フィードバックシステム(Wrist Band Haptic Feedback System)」という名称の米国特許第9,881,277号、「2次元平面における位置を検出するための超音波ブレスレット及び受信機(Ultrasonic Bracelet and Receiver for Detecting Position in 2D Plane)」という名称の米国特許第9,881,276号、「個人追跡装置(Personal Tracking Device)」という名称の米国特許第6,972,684号、「電子テザー(Electronic Tether)」という名称の米国特許第6,529,131号、「グローバルセルラー位置追跡装置(Global Cellular Position Tracking Device)」という名称の米国特許第6,388,612号、「個人位置検出システム(Personal Location Tracking Device)」という名称の米国特許第6,362,778号、「人の動きをモニタするための装置(Device for Monitoring the Movement of a Person)」という名称の米国特許第6,127,931号、「装着式能動及び受動追跡装置(Body Worn Active and Passive Tracking Device)」という名称の米国特許第6,014,080号、「全地球測位衛星追跡装置(Global Positioning Satellite Tracking Device)」という名称の米国特許第5,905,461号、「現場の被監禁者の位置のハイブリッドモニタリング(Hybrid Monitoring of Location of a Site Confinee)」という名称の米国特許第5,892,454号、「位置検出器及びモニタ、並びにその使用方法(Location Detector and Monitor and Method of Using the Same)」という名称の米国特許第5,828,306号、及び「自宅監禁システム(Home Incarceration System)」という名称の米国特許第5,206,897号に示されており、これらの文献は、引用する全ての参考文献を含めてその全体が引用により本明細書に組み込まれる。
【0046】
追跡アセンブリ40はアンテナ49を含み、ハウジング20の内部チャンバ及び/又はキャビティ内に少なくとも部分的に収容されることが好ましい。アンテナ49は、任意の固定部材30に関連することもできる。
【0047】
一次ユーザインターフェイス50は、追跡装置10のハウジング20の側壁、上壁及び底壁のうちの少なくとも1つに関連することが好ましい。一次ユーザインターフェイス50は、回路基板/コントローラ46と電気的に通信することが好ましい。本発明の1つの実施形態では、一次ユーザインターフェイス50が、グラフィカルユーザインターフェイス、及び/又は複数のユーザインターフェイスボタンを有する回路基板を含む。一次ユーザインターフェイス50は、発光ダイオード(LED)アレイ及び/又は有機発光ダイオード(OLED)アレイなどのディスプレイに関連し、又はこのようなディスプレイの一部を形成することができる。
【0048】
メモリモジュール52は、追跡装置10のハウジング20内に少なくとも部分的に配置されることが好ましい。メモリモジュール52は、回路基板/コントローラ46と電気的に通信することが好ましい。本発明の1つの実施形態では、メモリモジュール52が、数あるコンポーネントの中でもとりわけ、少なくとも回路基板/コントローラ46から取得されたデータ、情報、サブジェクト指向データ構造、及び/又はオブジェクト指向データ構造を記憶する。
【0049】
図2に示すように、追跡アセンブリ40は、光源54、スピーカ56、触覚フィードバックモジュール58及びマイク60を含むこともできる。上述したコンポーネントは、好ましくは回路基板/コントローラ46に直接的及び/又は間接的に関連し、好ましくは追跡アセンブリ40のハウジング20内に配置される。
【0050】
追跡アセンブリ40は、関連するユーザ/個人の運動エネルギーを電流(すなわち、直流電流及び/又は交流電流)に変換する運動エネルギーチャージャ64に関連し、又はこれを含むこともできる。本発明の1つの実施形態では、運動エネルギーチャージャ64が、少なくとも部分的にハウジング20内に配置される。運動エネルギーは、追跡装置10を装着しているユーザの線形運動、ねじれ運動、振動運動及び/又は圧縮運動から変換できることが好ましい。運動エネルギーチャージャ64は、例えば線形運動エネルギーチャージャ、圧縮運動エネルギーチャージャ、振動運動エネルギーチャージャ、又はねじれ運動エネルギーチャージャを含むことができる。運動エネルギーチャージャ64は、個人装着型追跡装置10によって生成される全ての様々なタイプの運動エネルギーを利用するために、上述した全ての運動エネルギーチャージャの組み合わせを含むことが好ましい。
【0051】
本発明の別の態様では、運動エネルギーチャージャ64が、ユーザの運動エネルギーを即座に直流電流に変換する。本発明の別の実施形態では、運動エネルギーチャージャ64が、ユーザの運動エネルギーを交流電流に変換する。運動エネルギーチャージャ64が運動エネルギーを交流電流に変換する場合、追跡アセンブリ40は、整流器66をさらに含むことが好ましい。整流器66は、少なくとも部分的にハウジング20内に配置され、運動エネルギーチャージャ64によって生成された交流電流を直流電流に変換すると理解されるであろう。
【0052】
本発明の1つの実施形態では、エネルギー蓄積装置44が、整流器66から直流電流を受け取る。別の実施形態では、エネルギー蓄積装置44が、運動エネルギーチャージャ64から直流電流を受け取る。
【0053】
本発明の別の実施形態では、追跡/電子機器アセンブリ40が、二次エネルギー源、二次光源、二次ユーザインターフェイス、二次回路基板、二次スピーカ、振動機構、熱センサ、触覚センサ及び/又はディスプレイのうちの1つ又は2つ以上をさらに含み、これらは全て、回路基板/コントローラ46と電気的に通信することが好ましい。ディスプレイは、英数字コンテンツ、温度、時間、画像及び/又はグラフィックのうちの少なくとも1つを表示するように適合されることが好ましい。
【0054】
本発明の好ましい実施形態では、追跡アセンブリ40が、回路基板と電気的に通信するイメージセンサをさらに含む。イメージセンサは、追跡装置10の近傍領域に関連する画像(例えば、写真、ビデオ)をユーザに提供することが好ましい。好適なイメージセンサの例としては、ビデオカメラチューブ、半導体電荷結合素子(CCD)、並びに相補型金属酸化物半導体(CMOS)、N型金属酸化物半導体(NMOS、Live MOS)及び裏面照射相補型金属酸化物半導体(BSI-CMOS)内のアクティブ画素センサが挙げられる。
【0055】
上述したイメージセンサは、ほんのいくつかの供給業者の例を挙げると、Agilent社、Aptina社、Canesta社、Canon社、Caeleste社、CMOSIS社、Dalsa社、Eastman Kodak社、ESS Technology社、Fujifilm社、MagnaChip社、Matsushita社、MAZeT GmbH社、Mitsubishi社、Nikon OmniVision Technologies社、ON Semiconductor社、Cypress Semiconductor社、PixArt Imaging社、Pixim社、Samsung社、Sharp社、Sony社、STMicroelectronics社、Toshiba社、TowerJazz社、Town Line Technologies社、TransChip社、Trusight社、及びTrusense Imaging社を含む複数の供給源から市販されていると理解されるであろう。
【0056】
本発明に従って使用される好適なイメージセンサの別の例としては、「カラーイメージセンサ及びその製造方法(Color image sensor and method for fabricating the same)」という名称の米国特許第6,359,323号、「固体撮像素子及びこれを含む固体撮像システム(Solid state image pickup device and image pickup system comprising it)」という名称の米国特許出願公開第2006/0043261号、「グローバル電子シャッタリングのためのイメージセンサ画素(Image sensor pixel for global electronic shuttering)」という名称の米国特許第7,129,979号、「感光性の高いマイクロレンズを含むCMOSイメージセンサの製造方法(Method for manufacturing CMOS image sensor having microlens therein with high photosensitivity)」という名称の米国特許出願公開第2004/0147059号、「実質的に平坦なカラーフィルタリング素子を有するアクティブ画素センサ(Active pixel sensors with substantially planarized color filtering elements)」という名称の米国特許第5,990,506号、「画素カラー感度を変調する遮光体を使用する方法及び装置(Method and apparatus for employing a light shield to modulate pixel color responsivity)」という名称の米国特許第6,235,549号、「固体イメージセンサを製造するための底部反射防止皮膜カラーフィルタプロセス(Bottom antireflection coating color filter process for fabricating solid state image sensors)」という名称の米国特許第6,765,276号、「共有リセット回路を含む画素アレイ(Pixel array with shared reset circuitry)」という名称の米国特許第6,486,913号と、「固体イメージセンサ及びその製造方法(Solid state image sensor and method for fabricating the same)」という名称の米国特許第6,872,584号、「少なくともメイン画素アレイ領域を露出するパッシベーション層を有するイメージセンサ及びその製造方法(Image sensor having a passivation layer exposing at least a main pixel array region and methods of fabricating the same)」という名称の米国特許出願公開第2006/0011813号、「フィルタ、カラーフィルタアレイ、カラーフィルタアレイの製造方法、及びイメージセンサ(Filter, color filter array, method of manufacturing the color filter array, and image sensor)」という名称の米国特許出願公開第2007/0187793号、「イメージセンサの製造方法(Method for fabricating an image sensor)」という名称の米国特許第6,379,992号、「CMOSイメージセンサ及びその製造方法(CMOS image sensor and method for fabricating the same)」という名称の米国特許出願公開第2006/0138500号、「光電変換膜積層型固体撮像素子及びその製造方法(Photoelectric converting film stack type solid- state image pickup device, and method of producing the same)」という名称の米国特許出願公開第2005/0263839号、「アクティブ画素センサアレイを含むイメージセンサ(Image sensors including active pixel sensor arrays)」という名称の米国特許出願公開第2007/0090274号、「セルフブースティングを用いたイメージセンサ、並びにその動作方法及び製造方法(Image sensor with self-boosting and methods of operating and fabricating the same)」という名称の米国特許出願公開第2006/0157761号、「CMOSイメージセンサ及びその製造方法(CMOS image sensor and method for fabricating the same)」という名称の米国特許第6,369,417号、「固体撮像素子及びその製造方法(Solid state image pickup device and method for manufacturing the same)」という名称の米国特許第6,127,668号、「CMOSイメージセンサ及びその製造方法(CMOS image sensor and method of fabricating the same)」という名称の米国特許出願公開第2007/0023802号、「低温酸化物剥離を保護するCMOSイメージセンサの製造方法(Method for fabricating CMOS image sensor protecting low temperature oxide delamination)」という名称の米国特許出願公開第2005/0090035号、及び「透明導電性相互接続線を含む画素セルを有する撮像素子及び画素セルの製造方法(Imaging device having a pixel cell with a transparent conductive interconnect line and the method of making the pixel cell)」という名称の米国特許出願公開第2006/0261342号が挙げられ、これらの文献は、引用する全ての参考文献を含めてその全体が引用により本明細書に組み込まれる。
【0057】
本発明の
図1~
図6には、
図7に示すシステムの例示である、本発明による追跡装置10、追跡システム100及び使用方法を使用する複数の実施形態を開示している。
【0058】
図7は、本開示の態様を実施するために利用できるシステムアーキテクチャ例の概略図である。さらに詳細に言えば、このアーキテクチャは、清掃装置702と、ウェアラブル装置704と、サービスプロバイダ706と、ネットワーク708とを含む。アーキテクチャのコンポーネントは、本明細書で説明したようにネットワーク708を介して互いに通信することができる。ネットワーク708は、ケーブルネットワーク、インターネット、無線ネットワーク、並びに他のプライベートネットワーク及び/又はパブリックネットワークなどの複数の異なるタイプのネットワークのうちのいずれか1つ又はこれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの例では、ネットワーク708が、セルラー、Wi-Fi
(登録商標)又はWi-Fi
(登録商標)ダイレクトを含むことができる。また、サービスプロバイダ706は、クラウドコンピューティング環境又はその同等物として具体化することができる。
【0059】
清掃装置702は、鏡、壁、床(
図4を参照)などの付随する面を清掃できるあらゆる好適な清掃装置(例えば、ほうき、モップ、掃除機、床掃除機、ウォークビハインド型床掃除機、乗用型床掃除機、研磨機、パワーウォッシャ、窓洗浄機など)を含むことができる。様々な実施形態では、清掃装置702が、少なくとも1つのプロセッサ712と、実行可能命令を記憶するメモリ714とを含むコントローラ710を含むことができる。少なくとも1つのプロセッサ712は、メモリ714に記憶された命令を実行して、本明細書に開示した機能又はプロセスのうちの特徴のいずれかを提供することができる。いくつかの実施形態では、メモリ714が、清掃装置702を一意に識別する一意的識別子も記憶する。1又は2以上の実施形態では、一意的識別子が、QR
(登録商標)コード又はバーコードなどのスキャン可能タグの形で具体化される。1つの実施形態では、一意的識別子がNFCタグ716に埋め込まれる。いくつかの実施形態では、ウェアラブル装置704が清掃装置702と対を成す。他の実施形態では、ウェアラブル装置704及び清掃装置702が、サービスプロバイダ706を通じて互いに関連し、又は別様にリンクされる。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、メモリ714は、清掃装置702を所定の清掃パターンに従って自動的に操縦するために使用される移動ロジックを記憶する。清掃装置702は、ネットワーク708を介して移動ロジックを受け取ることができる。1又は2以上の実施形態では、清掃装置702が、サービスプロバイダ706からネットワーク708を介して移動ロジックを受け取る。
【0061】
図1に示すリストバンドなどのウェアラブル装置704は、コントローラ710と、プロセッサ718と、メモリ720と、近距離無線インターフェイス及びリーダ722とを含むことができる。プロセッサ718は、メモリ720に記憶された命令を実行して、近距離無線インターフェイス722の実行などの様々な機能を実行して、清掃装置702上に配置されたNFCタグ716から一意的識別子を受け取るように構成される。
【0062】
いくつかの実施形態では、ウェアラブル装置704が、一定時間にわたるウェアラブル装置704の位置に基づいて清掃装置702の動きを追跡し又は帰属させることができる。清掃装置702のユーザは、清掃装置702を操作しながらウェアラブル装置704を装着していると理解されるであろう。いくつかの実施形態では、ウェアラブル装置704が、ウェアラブル装置704/清掃装置702の実際の動きを示す動き信号をサービスプロバイダ706に同期的又は非同期的に送信することができる。いくつかの実施形態では、サービスプロバイダ706が、ウェアラブル装置704/清掃装置702の実際の動きとサービスプロバイダ706によって清掃装置702に提供される移動ロジックとを比較するように構成される。換言すれば、サービスプロバイダ706は、ユーザの実際の動きを移動ロジックと比較して、ユーザが移動ロジックに従って清掃装置702を操作しているかどうかを判定することができる。
【0063】
ウェアラブル装置704/清掃装置702の実際の動きが清掃装置702に提供された移動ロジックから逸脱している場合、サービスプロバイダ706は、ウェアラブル装置704によって提供されるデータを拒否し、いくつかの例ではユーザ、管理者及び/又は他のいずれかの監督エンティティに電子メール、テキスト、可聴アラーム及び/又は触覚フィードバックなどの警告メッセージを送信することができる。この比較機能は、清掃装置702のオペレータによる不正行為の検出を可能にする。例えば、ウェアラブル装置704/清掃装置702の実際の動きでは清掃装置702が静止していることが示され、清掃装置702の移動ロジックでは清掃装置702が清掃動作を実行中であるべきことが示される場合には、清掃装置702のユーザがサボっているか、及び/又は不正行為を行っていると推測することができる。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、ウェアラブル装置704は、ネットワーク708に接続できない時にウェアラブル装置704のメモリ720に清掃装置702の追跡情報を記憶することができる。本開示によれば、アーキテクチャが、清掃装置702の動作領域725の周囲に分散するビーコン724などの複数のビーコンを含むことができる。ビーコンは、モノのインターネット(IoT)構成で動作してメッシュネットワークを提供することが好ましい。ウェアラブル装置704及び/又は清掃装置702は、動作領域全体を通じて移動しながら最も近いビーコンにデータを送信又はブロードキャストする。その後、これらの(単複の)ビーコンは、サービスプロバイダ706に実際の動きデータを転送する。いくつかの実施形態によれば、ウェアラブル装置704によって提供されたデータは、リアルタイム又は近リアルタイムでサービスプロバイダ706に送信することができる。いくつかの実施形態では、ウェアラブル装置704が、近距離無線インターフェイス722を使用してBluetooth(登録商標)接続を介してビーコン724と通信する。いくつかの実施形態では、Bluetooth low energy(BLE)プロトコルが利用される。
【0065】
1又は2以上の実施形態では、ウェアラブル装置704のディスプレイ726が、清掃装置702の移動ロジックなどのタスクを表示するように構成される。ディスプレイ726上では、ユーザに他のメッセージ又は通信を送信することもできる。
【0066】
1又は2以上の実施形態では、サービスプロバイダ706が、ネットワーク708を介してウェアラブル装置704にファームウェア又はソフトウェア更新をプッシュ配信することができる。いくつかの実施形態では、ウェアラブル装置704の動作領域内に無線アクセスポイント(WiFi
(登録商標)ルータなどの、ネットワーク708に結合されたアクセスポイント)が配置される(
図3を参照)。ウェアラブル装置704は、無線アクセスポイント又はビーコン724からファームウェア又はソフトウェア更新を受け取る。
【0067】
1又は2以上の実施形態では、ウェアラブル装置704が、関連するユーザのウェアラブル装置704の動きを追跡するモーションセンサ728を含む。いくつかの実施形態によれば、ウェアラブル装置704のプロセッサ718は、不要な動きを除去してユーザによる作業実績の測定をさらに正確にすることができる歩数計アルゴリズムを実装することができる。プロセッサ718は、モーションセンサ728からの信号を使用してユーザがいつ作業を開始したかを判断することもできる。いくつかの実施形態では、サービスプロバイダ706が、これらの動きに基づく分析を実行することができる。
【0068】
いくつかの実施形態によれば、ウェアラブル装置704は、リーダ装置734にドッキングするように構成される(
図5を参照)。1又は2以上の実施形態では、リーダ装置734を清掃装置702の動作領域に配置することができる。他の実施形態では、リーダ装置734が清掃装置702に関連することができる。リーダ装置734は、ウェアラブル装置704のメモリ720から記憶データを取得するために使用することができる。リーダ装置734は、ファームウェア及び/又はソフトウェアデータなどのデータをウェアラブル装置704に転送するために使用することもできる。
【0069】
1又は2以上の実施形態では、ディスプレイ726上に提示するためのメッセージをウェアラブル装置704に送信することに加え、ウェアラブル装置704が、ウェアラブル装置704による振動パターンを引き起こすことができる振動要素730を含むことができる。振動パターンは、ディスプレイ726上に表示されたメッセージをウェアラブル装置704が受け取ったことを伝えるために使用することができる。他の実施形態では、ウェアラブル装置704によって提供される振動パターンが、ユーザに特定のメッセージタイプを伝えることができる。例えば、短い振動の組を使用して、サービスプロバイダ706によって逸脱が判定されたことをユーザに警告することができる。例えば、サービスプロバイダ706は、実際の清掃装置702の動きデータが清掃装置702に提供されている移動ロジックから逸脱していることを判定する。
【0070】
いくつかの実施形態では、ウェアラブル装置704が、ユーザに関連するモバイル装置732に結合することができる。モバイル装置732は、モバイル装置732がネットワーク708を介してサービスプロバイダ706と通信できるようにするアプリケーションを実装することができる。いくつかの例では、WiFi(登録商標)を通じて接続性を提供するアクセスポイントが無効になっている時などに、ウェアラブル装置704からのデータをサービスプロバイダ706に中継するためにモバイル装置732が使用される。
【0071】
上記の開示では、本開示を実施できる特定の実装を示す、本明細書の一部を成す添付図面を参照した。本開示の範囲から逸脱することなく他の実装の利用及び構造的変更を行うこともできると理解される。本明細書における「1つの実施形態」、「ある実施形態」、「ある実施形態例」などへの言及は、説明する実施形態が特定の特徴、構造又は特性を含むことができるが、必ずしも全ての実施形態がこれら特定の特徴、構造又は特性を含まない場合もあることを示す。さらに、このような表現は、必ずしも同じ実施形態を参照するとは限らない。さらに、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造又は特性を説明している場合、当業者であれば、明示的に説明しているか否かにかかわらず、他の実施形態に関連するこのような特徴、構造又は特性を認識するであろう。
【0072】
本明細書に開示したシステム、装置、デバイス及び方法の実装は、例えば本明細書で説明したような1又は2以上のプロセッサ及びシステムメモリなどのコンピュータハードウェアを含む専用又は汎用コンピュータを含み、又はこのような専用又は汎用コンピュータを利用することができる。また、本開示の範囲内における実装は、コンピュータ実行可能命令及び/又はデータ構造を搬送又は記憶するための物理的コンピュータ可読媒体及びその他のコンピュータ可読媒体を含むこともできる。このようなコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用コンピュータシステムがアクセスできるあらゆる利用可能な媒体とすることができる。コンピュータ実行可能命令を記憶するコンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体(装置)である。コンピュータ実行可能命令を搬送するコンピュータ可読媒体は、伝送媒体である。従って、限定ではなく一例として、本開示の実装は、コンピュータ記憶媒体(装置)及び伝送媒体という少なくとも2つの異なる種類のコンピュータ可読媒体を含むことができる。
【0073】
コンピュータ記憶媒体(装置)は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、(例えば、RAMベースの)半導体ドライブ(SSD)、フラッシュメモリ、相変化メモリ(PCM)、他のタイプのメモリ、他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、又は他の磁気記憶装置、或いはコンピュータ実行可能命令又はデータ構造の形の所望のプログラムコード手段を記憶するために使用できる、汎用又は専用コンピュータがアクセス可能な他のいずれかの媒体を含む。
【0074】
本明細書に開示した装置、システム及び方法の実装は、コンピュータネットワークを介して通信することができる。「ネットワーク」は、コンピュータシステム及び/又はモジュール及び/又は他の電子装置間における電子データの搬送を可能にする1又は2以上のデータリンクとして定義される。ネットワーク又は別の通信接続(有線、無線、或いは有線又は無線のいずれかの組み合わせ)を介してコンピュータに情報が転送又は提供されると、コンピュータはこの接続を伝送媒体として正しく認識する。伝送媒体は、コンピュータ実行可能命令又はデータ構造の形の所望のプログラムコード手段を搬送するために使用できる、汎用又は専用コンピュータがアクセス可能なネットワーク及び/又はデータリンクを含むことができる。コンピュータ可読媒体の範囲内には、上記の組み合わせも含まれるべきである。
【0075】
コンピュータ実行可能命令は、例えばプロセッサにおいて実行された時に汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は専用処理装置に特定の機能又は機能群を実行させる命令及びデータを含む。コンピュータ実行可能命令は、例えば2値、アセンブリ言語などの中間フォーマット命令、さらにはソースコードとすることもできる。構造的特徴及び/又は方法論的行為に特有の表現で主題を説明したが、添付の特許請求の範囲に定められる主題は、必ずしも上述した特徴又は行為に限定されるものではないと理解されたい。むしろ、説明した特徴及び行為は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示したものである。
【0076】
当業者であれば、本開示は、ダッシュボード埋め込み型車両コンピュータ、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、メッセージプロセッサ、ハンドヘルド装置、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースの又はプログラム可能な消費者電子装置、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、携帯電話機、PDA、タブレット、ページャ、ルータ、スイッチ及び様々な記憶装置などを含む多くのタイプのコンピュータシステム構成を有するネットワークコンピューティング環境で実施することができると認識するであろう。本開示は、(有線データリンク、無線データリンク、又は有線データリンクと無線データリンクとのいずれかの組み合わせによって)ネットワークを介してリンクされたローカルコンピュータシステムとリモートコンピュータシステムとがいずれもタスクを実行する分散システム環境で実施することもできる。分散システム環境では、ローカルメモリ記憶装置及びリモートメモリ記憶装置の両方にプログラムモジュールを配置することができる。
【0077】
さらに、本明細書で説明した機能は、必要に応じてハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、デジタルコンポーネント又はアナログコンポーネントのうちの1つ又は2つ以上において実行することもできる。例えば、1又は2以上の特定用途向け集積回路(ASIC)を、本明細書で説明したシステム及び手順のうちの1つ又は2つ以上を実行するようにプログラムすることができる。本明細書全体を通じて特定の用語を使用し、特許請求の範囲では特定のシステムコンポーネントを参照している。当業者であれば理解するように、コンポーネントは異なる名称で参照することもできる。本明細書では、名称は異なるが機能は異ならないコンポーネントを区別するように意図していない。
【0078】
なお、上述したセンサの実施形態は、これらの機能の少なくとも一部を実行するコンピュータハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。例えば、センサは、1又は2以上のプロセッサにおいて実行されるように構成されたコンピュータコードを含むとともに、このコンピュータコードによって制御されるハードウェア論理回路/電気回路を含むことができる。本明細書では、これらの装置例を例示目的で示しており、限定を意図していない。本開示の実施形態は、関連する技術分野の当業者に周知のようなさらなるタイプの装置において実装することもできる。
【0079】
本開示の少なくともいくつかの実施形態は、いずれかのコンピュータ使用可能媒体に記憶されたこのような(例えば、ソフトウェアの形の)ロジックを含むコンピュータプログラム製品に向けられている。このようなソフトウェアは、1又は2以上のデータ処理装置において実行された時に、本明細書で説明したように装置を動作させる。
【0080】
上記の説明は、本発明の説明及び図示を行ったものにすぎず、本発明は、本開示を前にした当業者であれば本発明の範囲から逸脱することなく修正を行うことができると思われるので、添付の特許請求の範囲が上記の説明に限定されない限り、そのように限定されるものではない。
【0081】
上記では本開示の様々な実施形態を説明したが、これらの実施形態は限定ではなく一例として示したものにすぎないと理解されたい。当業者には、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく形態及び詳細の様々な変更を行えることが明らかであろう。従って、本発明の外延及び範囲は、上述した例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲及びその同等物のみに従って定められるべきである。上記の説明は、例示及び説明を目的として示したものである。この説明は包括的なものではなく、又は開示した厳密な形に本開示を限定するものでもない。上記の教示に照らして多くの修正及び変更が可能である。さらに、上述した別の実装の一部又は全部は、本開示のさらなる混成実装を形成するために望ましいあらゆる組み合わせで使用することもできる。例えば、特定の装置又はコンポーネントに関して説明したあらゆる機能は、別の装置又はコンポーネントが実行することもできる。さらに、特定の装置特性について説明したが、本開示の実施形態は、他の数多くの装置特性に関することもできる。さらに、構造的特徴及び/又は方法論的行為に特有の表現で実施形態を説明したが、本開示は、必ずしも説明した特定の特徴又は行為に限定されるものではないと理解されたい。むしろ、これらの特定の特徴又は行為は、実施形態を実施する例示的な形態として開示したものである。特に、「~することができる(can、could、might又はmay)」などの条件付き表現は、特に記載のない限り、又は使用する文脈内で別様に理解されない限り、一般に特定の特徴、要素及び/又はステップを含むことができる実施形態もあれば、含まないことがある実施形態も存在することを伝えるものである。従って、一般にこのような条件付き表現は、特徴、要素及び/又はステップが1又は2以上の実施形態に何としても必要であることを意味するものではない。
【0082】
本明細書で例示的に説明した実施形態は、本明細書に具体的に開示していない1又は複数のいずれかの要素、制限の不在下で好適に実施することができる。従って、例えば「含む(comprising、including、containing)」などの用語は、限定的ではなく拡張的に読むべきである。また、本明細書で使用した用語及び表現は、限定用語ではなく説明用語として使用したものであり、このような用語及び表現の使用に、図示し説明した特徴のあらゆる同等物又はその一部を排除する意図はなく、特許請求する技術の範囲内で様々な修正が可能であると認識される。また、「基本的に~からなる(consisting essentially of)」という表現は、具体的に列挙した要素と、特許請求する技術の基本的な新規の特徴に実質的に影響を与えないさらなる要素とを含むと理解されるであろう。「~から成る(consisting of)」という用語は、指定していないあらゆる要素を除外するものである。
【0083】
本開示は、本出願で説明した特定の実施形態に関して限定されるものではない。当業者には明らかなように、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく多くの修正及び変更を行うことができる。当業者には、上述の説明から、本明細書に列挙したものに加えて、本開示の範囲内に収まる機能的に同等の方法及び装置が明らかであろう。このような修正及び変更は、添付の特許請求の範囲に含まれるように意図されている。本開示は、添付の特許請求の範囲、並びにこのような特許請求の範囲が権利を有する同等物の全範囲によってのみ限定されるべきものである。本開示は、特定の方法、試薬、化合物、組成物又は生体系に限定されるものではなく、当然ながらこれらは変化することができると理解されたい。また、本明細書で使用した用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、限定を意図するものではないと理解されたい。
【0084】
また、本開示の特徴又は態様をマーカッシュ群に関して記載している場合、当業者であれば、これによって本開示がマーカッシュ群の要素のうちのいずれかの個々の要素又は下位集団に関しても記載されていると認識するであろう。
【0085】
当業者であれば理解するように、本明細書に開示した全ての範囲は、とりわけ明細書を提供することに関するありとあらゆる目的において、全ての考えられる部分的範囲、及び部分的範囲の組み合わせも含む。列挙した範囲は、同じ範囲を少なくとも2等分、3等分、4等分、5等分、10等分などに分解することを十分に記述しており、これを可能にすることができると容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で説明した各範囲は、下部3分の1、中間3分の1及び上部3分の1などに容易に分解することができる。やはり当業者であれば理解するように、「最大で(up to)」、「少なくとも(at least)」、「~よりも大きい(greater than)」及び「~よりも小さい(less than)」などの全ての表現は、列挙する数字を含むとともに、その後に上述したような部分的範囲に分解できる範囲を意味する。最後に、当業者であれば理解するように、範囲は各個々の要素を含む。
【0086】
本明細書で参照した全ての刊行物、特許出願、交付済み特許及びその他の文献は、各個々の刊行物、特許出願、交付済み特許及びその他の文献の全体があたかも引用により組み入れられることが具体的かつ個別に示されているかのように引用により本明細書に組み入れられる。引用により組み入れられている文章に含まれる定義が本開示の定義と矛盾する限り、これらの定義は除外される。
【0087】
以下の特許請求の範囲には他の実施形態も示す。
【符号の説明】
【0088】
702 清掃装置
704 ウェアラブル装置
706 サービスプロバイダ
708 ネットワーク
710 コントローラ
712 プロセッサ
714 メモリ
716 NFCタグ
718 プロセッサ
720 メモリ
722 近距離無線インターフェイス及びリーダ
724 ビーコン
725 動作領域
726 ディスプレイ
728 モーションセンサ
730 振動要素
732 モバイル装置
734 リーダ装置