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特許7062707自動二輪車のための片持ちスイングアーム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】自動二輪車のための片持ちスイングアーム
(51)【国際特許分類】
   B62K 25/04 20060101AFI20220425BHJP
   B62K 25/28 20060101ALI20220425BHJP
【FI】
B62K25/04
B62K25/28
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020025508
(22)【出願日】2020-02-18
(65)【公開番号】P2020142790
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2020-06-05
(31)【優先権主張番号】10 2019 104 462.6
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516256272
【氏名又は名称】ケーティーエム アーゲー
【氏名又は名称原語表記】KTM AG
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オラフ ゼーゲル
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-137066(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0137928(US,A1)
【文献】特開2015-91682(JP,A)
【文献】特開2016-107929(JP,A)
【文献】特表2015-515843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 25/04
B62K 25/20
B62K 25/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動二輪車(3)の後輪(5)を駆動するトラクション手段(2)を有する前記自動二輪車(3)のための片持ちスイングアーム(1)であって、
前記スイングアーム(1)は、前記後輪(5)を回転可能に支持する第1のセクション(7)と、前記スイングアーム(1)を前記自動二輪車(3)の構造部品(12)に旋回可能に取り付ける2つの第2のセクション(11)と、を有し、
2つの前記第2のセクション(11)は、互いから距離を空けて配置され、中間スペース(26)を形成し、
接続セクション(31)は、2つの前記第2のセクション(11)のうちの1つ目から2つの前記第2のセクション(11)のうちの2つ目に向かって延び、
前記接続セクション(31)は、対応する前記第2のセクション(11)から始まるそれぞれのアームセクション(32、33)を形成し、
前記アームセクション(32、33)は、曲面セクション(34)によって互いに接続され、
前記曲面セクション(34)は、2つの前記第2のセクション(11)に面する前側壁(35)により前記中間スペース(26)の境界を定めており、
前記第1のセクション(7)および2つの前記第2のセクション(11)の幾何学的中心(10、14)は、仮想のスイングアーム中心面(15)を画定し、
上面(17)を有するロッカーアーム(16)は、前記第1のセクションと前記第2のセクションとの間に設けられ、前記第1のセクションと前記接続セクション(31)とを接続しており、
前記ロッカーアーム(16)は、第1の側壁領域(18)と、第2の側壁領域(19)とを有し、
前記第1の側壁領域(18)は第1のセクション(7)の領域へと延び、
前記第2の側壁領域(19)は第2のセクション(11)の領域へと延び、
前記第1の側壁領域(18)および前記第2の側壁領域(19)は、トラクション手段(3)を通過させるように設計された補強桁(20)によって互い(19)に接続され、
前記補強桁(20)は前記スイングアーム中心面(15)下部の領域へと延び
前記第2の側壁領域(33)は、前記上面に対して略直角で前記第2のセクション(11)から下方に延びる壁セクション(38)を有し、下端領域において前記補強桁(20)に一体的に接続され、他方の前記第2のセクション(11)の方向に曲面構成を有することを特徴とする、片持ちスイングアーム(1)。
【請求項2】
自動二輪車(3)の後輪(5)を駆動するトラクション手段(2)を有する前記自動二輪車(3)のための片持ちスイングアーム(1)であって、
前記スイングアーム(1)は、前記後輪(5)を回転可能に支持する第1のセクション(7)と、前記スイングアーム(1)を前記自動二輪車(3)の構造部品(12)に旋回可能に取り付ける2つの第2のセクション(11)と、を有し、
2つの前記第2のセクション(11)は、互いから距離を空けて配置され、中間スペース(26)を形成し、
接続セクション(31)は、2つの前記第2のセクション(11)のうちの1つ目から2つの前記第2のセクション(11)のうちの2つ目に向かって延び、
前記接続セクション(31)は、対応する前記第2のセクション(11)から始まるそれぞれのアームセクション(32、33)を形成し、
前記アームセクション(32、33)は、曲面セクション(34)によって互いに接続され、
前記曲面セクション(34)は、2つの前記第2のセクション(11)に面する前側壁(35)により前記中間スペース(26)の境界を定めており、
前記第1のセクション(7)および2つの前記第2のセクション(11)の幾何学的中心(10、14)は、仮想のスイングアーム中心面(15)を画定し、
上面(17)を有するロッカーアーム(16)は、前記第1のセクションと前記第2のセクションとの間に設けられ、前記第1のセクションと前記接続セクション(31)とを接続しており、
前記ロッカーアーム(16)は、第1の側壁領域(18)と、第2の側壁領域(19)とを有し、
前記第1の側壁領域(18)は第1のセクション(7)の領域へと延び、
前記第2の側壁領域(19)は第2のセクション(11)の領域へと延び、
前記第1の側壁領域(18)および前記第2の側壁領域(19)は、トラクション手段(3)を通過させるように設計された補強桁(20)によって互い(19)に接続され、
前記補強桁(20)は前記スイングアーム中心面(15)下部の領域へと延び
前記補強桁(20)は、前記スイングアームの前記上面と反対側の前記スイングアーム(1)の下部壁セクション(39)と一体形成されることを特徴とする、片持ちスイングアーム(1)。
【請求項3】
自動二輪車(3)の後輪(5)を駆動するトラクション手段(2)を有する前記自動二輪車(3)のための片持ちスイングアーム(1)であって、
前記スイングアーム(1)は、前記後輪(5)を回転可能に支持する第1のセクション(7)と、前記スイングアーム(1)を前記自動二輪車(3)の構造部品(12)に旋回可能に取り付ける2つの第2のセクション(11)と、を有し、
2つの前記第2のセクション(11)は、互いから距離を空けて配置され、中間スペース(26)を形成し、
接続セクション(31)は、2つの前記第2のセクション(11)のうちの1つ目から2つの前記第2のセクション(11)のうちの2つ目に向かって延び、
前記接続セクション(31)は、対応する前記第2のセクション(11)から始まるそれぞれのアームセクション(32、33)を形成し、
前記アームセクション(32、33)は、曲面セクション(34)によって互いに接続され、
前記曲面セクション(34)は、2つの前記第2のセクション(11)に面する前側壁(35)により前記中間スペース(26)の境界を定めており、
前記第1のセクション(7)および2つの前記第2のセクション(11)の幾何学的中心(10、14)は、仮想のスイングアーム中心面(15)を画定し、
上面(17)を有するロッカーアーム(16)は、前記第1のセクションと前記第2のセクションとの間に設けられ、前記第1のセクションと前記接続セクション(31)とを接続しており、
前記ロッカーアーム(16)は、第1の側壁領域(18)と、第2の側壁領域(19)とを有し、
前記第1の側壁領域(18)は第1のセクション(7)の領域へと延び、
前記第2の側壁領域(19)は第2のセクション(11)の領域へと延び、
前記第1の側壁領域(18)および前記第2の側壁領域(19)は、トラクション手段(3)を通過させるように設計された補強桁(20)によって互い(19)に接続され、
前記補強桁(20)は前記スイングアーム中心面(15)下部の領域へと延び
前記後輪が路面に接触する車輪接触点(RA)から前記スイングアームに入力される横力(F)によって発生するねじりモーメントの中心(S2)は、前記スイングアーム中心面(15)の下方に位置していることを特徴とする、片持ちスイングアーム(1)。
【請求項4】
自動二輪車(3)の後輪(5)を駆動するトラクション手段(2)を有する前記自動二輪車(3)のための片持ちスイングアーム(1)であって、
前記スイングアーム(1)は、前記後輪(5)を回転可能に支持する第1のセクション(7)と、前記スイングアーム(1)を前記自動二輪車(3)の構造部品(12)に旋回可能に取り付ける2つの第2のセクション(11)と、を有し、
2つの前記第2のセクション(11)は、互いから距離を空けて配置され、中間スペース(26)を形成し、
接続セクション(31)は、2つの前記第2のセクション(11)のうちの1つ目から2つの前記第2のセクション(11)のうちの2つ目に向かって延び、
前記接続セクション(31)は、対応する前記第2のセクション(11)から始まるそれぞれのアームセクション(32、33)を形成し、
前記アームセクション(32、33)は、曲面セクション(34)によって互いに接続され、
前記曲面セクション(34)は、2つの前記第2のセクション(11)に面する前側壁(35)により前記中間スペース(26)の境界を定めており、
前記第1のセクション(7)および2つの前記第2のセクション(11)の幾何学的中心(10、14)は、仮想のスイングアーム中心面(15)を画定し、
上面(17)を有するロッカーアーム(16)は、前記第1のセクションと前記第2のセクションとの間に設けられ、前記第1のセクションと前記接続セクション(31)とを接続しており、
前記ロッカーアーム(16)は、第1の側壁領域(18)と、第2の側壁領域(19)とを有し、
前記第1の側壁領域(18)は第1のセクション(7)の領域へと延び、
前記第2の側壁領域(19)は第2のセクション(11)の領域へと延び、
前記第1の側壁領域(18)および前記第2の側壁領域(19)は、トラクション手段(3)を通過させるように設計された補強桁(20)によって互い(19)に接続され、
前記補強桁(20)は前記スイングアーム中心面(15)下部の領域へと延び
前記スイングアーム(1)は、スプリングダンパーデバイス(47)を脱着可能に固定するために前記上面と反対側の下面領域で前記スイングアーム(1)と一体形成された受け口(44)を有することを特徴とする、片持ちスイングアーム(1)。
【請求項5】
前記ロッカーアーム(16)は、曲面構成で前記第1のセクション(7)から前記第2のセクション(11)に向かって延びる構成を有し、
前記上面(17)は、前記スイングアーム中心面(15)に略平行に配置された上部カバー側壁(24)を有することを特徴とする、請求項1~4のうちいずれか一項に記載の片持ちスイングアーム(1)。
【請求項6】
前記ロッカーアーム(16)は、前記スイングアーム中心面(15)に対して角度をつけて少なくとも複数セクションに分かれて延びる下部側壁(25)であって、少なくとも複数セクションで前記補強桁(20)に接続される前記下部側壁(25)を有することを特徴とする、請求項1~5のうちいずれか一項に記載の片持ちスイングアーム(1)。
【請求項7】
前記第2の側壁領域(19)と関連するアームセクションは、前記スイングアーム中心面(15)に略平行に配置された上部カバー側壁(36)を有するとともに、平面視で前記第2のセクション(11)から前記ロッカーアーム(16)に向かう方向に広がる構成を有することを特徴とする、請求項1~6のうちいずれか一項に記載の片持ちスイングアーム(1)。
【請求項8】
前記第1の側壁領域(18)は、第2のセクション(11)の方向に前記第1のセクション(7)から延びるように設計された外側壁(37)を有し、
前記ロッカーアーム(16)は、前記第2のセクション(11)から前記接続セクション(31)の方向に、前記ロッカーアーム(16)の長手方向に垂直な断面が広がる構成を有することを特徴とする、請求項1~7のうちいずれか一項に記載の片持ちスイングアーム(1)。
【請求項9】
前記ロッカーアーム(16)は、平面視で前記第1のセクション(7)から前記接続セクション(31)へと広がる構成を有することを特徴とする、請求項1~8のうちいずれか一項に記載の片持ちスイングアーム(1)。
【請求項10】
前記受け口(44)は、前記スイングアーム中心面(15)から見たときに下方向に延びることを特徴とする、請求項に記載の片持ちスイングアーム(1)。
【請求項11】
前記受け口(44)は、前記スイングアーム中心面(15)に略垂直な方向に延びている前側領域であって、前記中間スペース(26)の前記前側壁(35)と略同一平面内に位置している前記前側領域を有することを特徴とする、請求項4または10に記載の片持ちスイングアーム(1)。
【請求項12】
前記受け口(44)は、前記スイングアーム中心面(15)に略垂直な方向に延びている後側領域であって、前記片持ちスイングアーム(1)の後側壁(49)と略同一平面内に位置している前記後側領域を有しており、
前記後側壁(49)は、前記スイングアーム(1)の前記下面領域に位置しているとともに、前記受け口(44)を挟んで前記中間スペース(26)に対して反対側に位置していることを特徴とする、請求項4、10、11のいずれか一項に記載の片持ちスイングアーム(1)。
【請求項13】
前記片持ちスイングアーム(1)は、前記スイングアーム中心面(15)に略垂直な方向から見たときに、前記後側壁(49)の領域から伸びる2つの前記第2のセクション(11)で構成されるV字形構成を有することを特徴とする、請求項12に記載の片持ちスイングアーム(1)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の片持ちスイングアーム(1)を特徴とする、前輪(4)および後輪(5)を有する自動二輪車(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の、自動二輪車の後輪を駆動するトラクション手段を備えた自動二輪車のための片持ちスイングアームに関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第102 32 892A1号に基づいて、カルダン駆動を備えた自動二輪車のための片持ちスイングアームが知られるようになった。この片持ちスイングアームは、カルダン駆動を収容するように設計されたスイングアームハウジングを有する。
【0003】
米国特許出願公開第2006/0137928A1号に基づき、自動二輪車の後輪を駆動する駆動チェーンの形態のトラクション手段を有する、自動二輪車と共に使用するための片持ちスイングアームが知られるようになった。この周知の自動二輪車では、片持ちスイングアームのスイングアームは、駆動チェーンの荷重伝達ストランドとアイドルストランドの間に延びている。
【0004】
同様の構成は、米国特許第7,121,570B2号からも知られている。
【0005】
米国特許第4,794,998A号は、駆動チェーンの荷重伝達ストランドとアイドルストランドとの間に配置されたスイングアームを備えた、片持ちスイングアームの別の例である。
【0006】
最後に、後輪を旋回可能に取り付ける第1のセクションと、自動二輪車の構造部品にスイングアームを旋回可能に取り付ける第2のセクションとを有する、駆動チェーンの形態のトラクションデバイスを備えた自動二輪車のための片持ちスイングアームも、本出願人により知られている。
【0007】
この公知の片持ちスイングアームでは、第1のセクションおよび第2のセクションの幾何学的中心が仮想の、特に水平に配置されたスイングアームの中心面に広がり、第1のセクションと第2のセクションの間に上面を有するスイングアームが設けられ、これは、第1の側壁領域と、そのほぼ反対側の第2の側壁領域とを有し、第2の側壁領域は、第2のセクションの領域内に延び、2つの側壁領域は、トラクション手段を通過するように構成された補強桁に接続される。
【0008】
したがって、この周知の片持ちスイングアームは、補強桁がスイングアームの上から始まる、すなわち上部または上面の桁であることを特徴とする。
【0009】
この周知の片持ちスイングアームは実践でその能力が実証済みだが、依然として改善の余地がある。
【0010】
運転状況に応じて、自動二輪車の片側スイングアームは複雑な荷重スペクトルにさらされるが、ねじり荷重が荷重スペクトルのかなりの割合に寄与する。
【0011】
周知の片持ちスイングアームは、自動二輪車の構造部品の第2セクションの領域に旋回可能に固定され、スイングアームは第2のセクションから第1のセクションに向かって延び、後輪が回転可能に取り付けられる。
【0012】
後輪はタイヤによって路面に支持されているため、路面に対するタイヤの接触力により、反力がスイングアームの中心から外れて作用するため、スイングアームにねじり応力を加える反力が生じる。
【0013】
横力もタイヤを介して伝達され、これもまたスイングアームにねじり荷重をかける。
【0014】
ねじり荷重は互いに付加的に重なり合うことができ、これによりスイングアームに大きなねじりモーメントが印加され、鋳造プロセスによって提供されるロッカーアームの構造に大きなねじり応力が生じる。
【0015】
スプリングダンパー要素は、スイングアームの上部の領域において、周知の片持ちスイングアームにヒンジ結合される。スプリングダンパー要素またはストラットは、スイングアームの上部に直接、すなわち、ヒンジ点とストラットとの間に一切レバー伝達または偏向(deflection)がされない状態でヒンジ結合される。後輪は、自動二輪車が動いているときに地面の凹凸に追従するため、自動二輪車の基準点に対して後輪が相対的に移動する(すなわち、車輪の動きや、車輪のリフトまたは圧縮の動きがある)が、これらは自動二輪車の種類に応じて異なる量である。例えば舗装された道路での乗車を目的とした自動二輪車の場合は、100mm~180mmの範囲であってよい。
【0016】
後輪のホイールストロークは、作動シリンダにおけるスプリングダンパー要素の作動ピストンの動き、したがってサスペンションストラットストロークにつながる。サスペンションストラットストロークとホイールストロークの比率は、ホイールストロークの量に応じて非線形的に変化する。快適性の理由から漸進的な設計が目指されるが、これは、そのような設計によってショックアブソーバーストロークが漸進的に増加し、このようにして作動ピストンの移動量が増加するため、作動ピストンによる制動作業の微調整は、ばね座金または比較的ばね剛性が低いシムを使用することにより可能であるためである。
【0017】
これに基づき、本発明は、片持ちスイングアームの自重が低減でき、片持ちスイングに作用するねじり荷重が低減できるように、片持ちスイングアームをさらに開発する目的に基づく。別の態様によれば、作成される片持ちスイングアームに連結されたスプリングダンパー要素の漸進(progression)を増加させることも可能であるべきである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、この問題の解決策のために請求項1に示す特徴を提示する。この有利な実施形態はさらなる請求項に記載される。
【0019】
本発明は、自動二輪車の後輪を駆動するトラクション手段を有する前記自動二輪車のための片持ちスイングアームを提供する。前記スイングアームは、前記後輪を回転可能に支持する第1のセクションと、前記スイングアームを前記自動二輪車の構造部品に旋回可能に取り付ける第2のセクションと、を有する。前記第1のセクションおよび前記第2のセクションの幾何学的中心は、仮想のスイングアーム中心面を画定する。上面を有するロッカーアームは、前記第1のセクションと前記第2のセクションとの間に設けられる。前記ロッカーアームは、第1の側壁領域と、それとは略反対側の第2の側壁領域とを有する。前記第2の側壁領域は第2のセクションの領域へと延びる。前記2つの側壁領域は、トラクション手段を通過させるように設計された補強桁によって互いに接続される。前記補強桁は、前記スイングアーム中心面下部の領域へと延びる。
【0020】
したがって、本発明による片持ちスイングアームは、本発明により提供される補強桁がスイングアーム中心面下部の領域へと延びることを特徴とする。
【0021】
スイングアーム中心面は、自動二輪車の後輪の旋回取付部のための第1のセクションの幾何学的中心と、片持ちスイングアームを自動二輪車の構造部品に旋回可能に固定する第2のセクションと、にわたる仮想平面である。
【0022】
構造部品は、例えば、自動二輪車のフレームもしくはフレーム部品もしくはフレームアセンブリ、自動二輪車の駆動モータ、または例えばスイングアームが第2の2つのセクションによって旋回可能に取付けられる自動二輪車のトランスミッションハウジング、もしくはその他構造部品であってよい。
【0023】
スイングアーム中心面は、これらの3つの幾何学的中心にわたり、路面または水平面または車輪静置面に対して進むことができるため、これは水平(例えば路面に対して平行)である。
【0024】
スイングアームのこのような中心面に対して、補強桁は、周知の片持ちスイングアームの場合のようにスイングアームの中心面上方の領域には延びず、スイングアームの中心面下部の領域に延び、これはかなりの利点につながる。したがって、本発明による片持ちスイングアームについて言えば、補強桁は、公知の片持ちスイングアームの場合よりも、路面または車輪接触領域に意図的に配置された自動二輪車の垂直軸方向に対して、路面または車輪接触領域の近くに配置される。したがって、路面または車輪接触領域と、本発明による片持ちスイングアームの垂直軸方向における補強桁の最も下の点との間の距離は、路面または車輪接触領域と、公知の片持ちスイングアームの最も下の点との間の距離よりも小さい。
【0025】
スイングアームの中心面下部における補強桁の配置は、公知の片持ちスイングアームと比較すると、片持ちスイングアームのねじり応力吸収材料の、スイングアームの中心面下部の領域内への移動につながる。
【0026】
すると、これは公知の片持ちスイングアームのスラスト中心と比べて、片持ちスイングアームのスイングアームのスラスト中心の下降につながる。従って、後輪に作用する横力からスイングアームへのねじりモーメントを発生させうるレバーアームの削減につながる。
【0027】
公知の片持ちスイングアームおよび本発明による片持ちスイングアームを備えた自動二輪車に乗車する場合、参考とするために同一だと仮定した横力が増加した場合、これは、本発明による片持ちスイングアームよりも、公知のスイングアームに作用するねじりモーメントが増加することにつながる。したがって、本発明による片持ちスイングアームのスイングアームよりも大きなねじり荷重が、公知の片持ちスイングアームのスイングアームの構造または材料において生じる。
【0028】
本発明による片持ちスイングアームのスイングアームは、ねじり応力を吸収するための中空部品の縁部繊維領域において、意図された材料分布を有する中空部品である。
【0029】
本発明の片持ちスイングアームのねじり荷重の減少故に、公知の片持ちスイングアームよりも小さなねじり荷重が縁部繊維領域(edge fiber area)で生じる。そのため、本発明の片持ちスイングアームのスイングアームの材料分布は、壁厚が小さくなり、したがって、片持ちスイングアームの自重も減少されるように設計できる。すると、このことによって自動二輪車への本発明の片持ちスイングアームの慣性力の影響が小さくなるため、運転動特性(driving dynamics)の増加が達成される。
【0030】
本発明による片持ちスイングアームのスイングアームへの補強桁の組み込みは、スイングアーム中心面下部の領域において行われるため、補強された接続面もスイングアームに設けられ、接続面を自動二輪車のスプリングダンパー要素を収容するために用いることができる。スプリングダンパー要素に作用する力は、このように設けられた接続面によって支持されるため、スイングアームの中心面下部の領域における補強桁の組み込みによって、機能的組み込みが達成できる。すなわち、一方では、車輪接触面付近の領域におけるスイングアームを形成する材料の分布によって、スラスト中心が下降する。他方では、上部ストラットアイから大きく距離を空けてスプリングダンパー要素のための取り付け面を設け(ここで、スプリングダンパー要素は自動二輪車の構造部品に支持される)、それによりスプリングダンパー要素を支持可能なレバーデフレクションを組み込む(integrate)能力を提供する。それにより、本発明の片持ちスイングアームと関連するスプリングダンパー運動の全体の漸進(progression)を、公知の片持ちスイングアームと比べて著しく増加させることができるため、快適性の獲得を達成できる。
【0031】
これは、スイングアーム中心面下部におけるスイングアームの構造的補強につながる。これは、ねじりの中心の下降に寄与するとともに、応力中心距離の長さの減少による、ねじれが起きた場合のスイングアームで生じるねじり応力の減少に寄与する。さらに、後輪スプリングダンパーシステムへのレバーデフレクションの組み込み(integration)を可能にする。
【0032】
本発明のさらなる発展によれば、スイングアームが、曲面構成で前記第1のセクションから第2のセクションに向かって延びる構成を有することや、上面がスイングアーム中心面に略平行に配置された上部カバー側壁を有することが提供される。
【0033】
既に上で述べたように、スイングアーム中心面下部における本発明の片持ちスイングアーム構造への補強桁の組み込みは、スイングアーム中心面下部における片持ちスイングアームのねじり剛性の著しい増加に寄与する。主として平らな平坦カバー側壁としての上部カバー側壁の設計により、スイングアームの中心面から距離を空けた上部領域における材料の集積(これはねじりの中心の下降を妨害する)が防止される。
【0034】
本発明のさらなる発展によれば、次のことも提供される。スイングアームが、少なくともスイングアーム中心面に対して角度をつけたセクションに延びる下部側壁を有する。下部側壁が、少なくとも複数セクションで補強桁に接続されている。
【0035】
この構成により、ねじり応力を吸収する材料が、補強桁に接続された領域でスイングアームの中心面下部に集中するため、ねじれへの抵抗モーメントを増加させることにより断面のねじり剛性を増加させる。したがって、中空断面構造の壁厚を減少させてスイングアームを形成できるため、本発明の片持ちスイングアームの自重を低減できる。
【0036】
本発明のさらなる発展によれば、次のことも提供される。2つの第2のセクションが互いから距離を空けて配置され、中間空間またはスペースを形成する。接続セクションが2つの第2のセクションのうちの1つ目から2つの第2のセクションのうちの2つ目に向かって延びる。接続セクションが、対応する第2のセクションから始まるそれぞれのアームセクションを形成する。アームセクションは、曲面セクションによって互いに接続される。曲面セクションは、2つの第2のセクションに面する前側壁により中間スペースの境界を定める。
【0037】
この構成により、スプリングダンパー要素を本発明による片持ちスイングアームの構造に組み込む受容空間として機能する空間を、2つの第2のセクション間に形成できる。これにより本発明による片持ちスイングアームは、既に上で述べた自動二輪車の構造部品に旋回可能に固定されることを確実にする。このようにして、スプリングダンパー要素はスペースを通過できる。スプリングダンパー要素の下部アイは、本発明による片持ちスイングアームの下面領域において取り付け面にそれ自体が支持され得る。レバー運動の介在により全体の漸進を増加させることができる。スプリングダンパー要素の上部アイは、構造部品の取り付け面に脱着可能に取り付けられるように、スペースを通って上方向に延びることができる。
【0038】
本発明のさらなる発展によれば、第2の側壁領域に割り当てられたアームセクションが、スイングアームの中心面に主に平行に配置された上部カバー側壁を有するとともに、上面視でスイングアームに向かって広がる構成を有することも提供される。
【0039】
スイングアームの中心面に主に平行である上部デッキ側壁の設計により、ねじりの中心の望ましくない上方への移動がない。スイングアームに向かって広がるアームセクションの構成により、アームセクションに作用する荷重スペクトルを十分に発揮させる構成が生み出される。これは、片持ちスイングアームの下面に位置するスプリング脚接続アイを介して導入される引張応力は、アームセクションに隣接するスペース領域で重なり合うためである。
【0040】
本発明のさらなる発展によれば、次のことも提供される。第1の側壁領域が第1のセクションから第2のセクションの方向に延びる、主に平らな外側壁領域を有する。第2のセクションから始まるスイングアームが、接続セクションの方向において断面が広がる構成を有する。
【0041】
本発明による片持ちスイングアームは、鋳込みプロセスによって好ましい方法で製造できる。外壁の主に平らな設計により、片持ちスイングアームのこの領域が、横方向スライダーによって鋳込み装置にて表現できる。したがって、鋳込み装置から取り外されるスイングアームに必要な機械的後処理量が低減される。第2のセクションから始まる、接続セクションの方向に断面が広がるスイングアームの構成によって、スイングアームに作用する荷重スペクトルに対応する設計を確実にする。
【0042】
本発明のさらなる発展によれば、第1のセクションから始まり接続セクションに向かうスイングアームは、平面視で広がる構成を有することも意図される。それによって、スイングアームに作用する荷重の集合に対応する構成が得られる。加えて、本発明によるシングルアームスイングアームを形成する材料または材料の、スイングアーム中心面上方における集積が回避されることも得られる。
【0043】
本発明のさらなる発展によれば、第2の側壁領域が、第2のセクションから上面に略直角で下方に延びる壁セクションを有し、下端領域において補強桁に一体的に接続されており、第2のセクションの方向に曲面構成を有することも提供される。
【0044】
スプリングダンパー要素の接続面から始まる、この壁セクションには、スプリングダンパー要素を介して荷重スペクトルに入る引張応力成分が重ねられる。そして、上面に対してほぼ直角に延びるとともに下方に向けられた壁セクションの構成は、この引張応力成分が壁厚の小さいこの断面領域で吸収され得ることを確実にする。
【0045】
本発明のさらなる発展によれば、次のことも提供される。接続桁が、第1の側壁セクションからスイングアームの縦方向軸中心面の方向に延びる構成を有する。接続桁は、スイングアームの上面とは反対側のスイングアームの下部壁セクションと一体形成される。
【0046】
この構成により、横力を介して自動二輪車の後輪により片持ちスイングアームの断面に導入されるねじり荷重に対して、スイングアームの下面が補強されることを確実にする。そして、スラスト中心が、スイングアームの中心面下部の領域へと移動することを確実にする。これにより、片持ちスイングアームのねじり剛性構成が得られる。それに従い、スイングアームの中空断面の壁厚を低減することによって、片持ちスイングアームの自重を低減できるとともに、スイングアームまたは片持ちスイングアームの耐荷重のための外側繊維領域(area of the load-bearing outer fibres)へのねじり応力の材料配置を行うことを可能にする。
【0047】
既に上で述べたように、本発明による片持ちスイングアームは、とりわけ、次を特徴とする。スイングアームの中心面の下方にスラスト中心を有すること。さらに片持ちスイングアームが、前述のスプリングダンパーデバイスの脱着可能な固定のために、上面とは反対側の下面領域で片持ちスイングアームと一体形成される受け口を有すること。
【0048】
本発明のさらなる発展によれば、スプリングダンパーデバイスを解放可能に固定するために設けられた受け口は、スイングアームの中心面から見たときに、下方向に延びている。すなわち一方では、受け口は、片持ちスイングアームの構造の縁部外側繊維にある領域、ひいてはねじり荷重を吸収する領域内に延びる。他方では、スイングアームの中心面下部における受け口の配置により、片持ちスイングアームの荷重吸収構造の補強が行われる。荷重吸収構造への受け口の組み込みにより、おだやかな曲線的移行が、ノッチ応力を生じさせることなく行われる。これは、スプリングダンパーデバイスを設置する領域にて、荷重スペクトルに引張応力も考慮に入れる。
【0049】
本発明のさらなる発展によれば、次のことも提供される。受け口は、片持ちスイングアームの縦中心軸方向に配向されている前側領域を有する。前側領域は、中間の前壁へのおおよそ接線方向の移行部を有する。隙間の前壁領域における、このおおよそ接線方向の支持部の設計は、スプリングダンパー要素を介して荷重スペクトルに導入される前述の張力が、隙間の前部壁領域内へと引張応力として導入されることを確実とする。したがって、この領域におけるねじり応力の増加にはつながらない。
【0050】
同様に、本発明のさらなる発展によれば、次のことも提供される。受け口は、片持ちスイングアームの縦中心軸方向に位置合わせされた後側領域を有する。後側領域は、隙間とは反対側の片持ちスイングアームの後側壁へと接線方向に、または主に接線方向に合流する。
【0051】
上記と同様にして、スプリングダンパー要素の受け口内に導入される張力は、純粋な張力としてのねじり応力がほぼないように、後側壁における後壁にも導入される。したがって、受け口におけるスプリングダンパー要素の支持部を通って作用する力は、本発明による片持ちスイングアームのねじり荷重を増加させない。
【0052】
これは、片持ちスイングアームが、片持ちスイングアームの縦中心軸の方向から見たときに、後壁領域においてV字形構成を有し、すなわち、支持部に導入される力が荷重スペクトルの引張応力としてほぼ吸収されることによっても助けられる。
【0053】
最後に、本発明は、前輪および後輪、ならびに上記スイングアームを備えた自動二輪車も提供する。
以下に、開示例を列挙する。
[開示例1]
自動二輪車(3)の後輪(5)を駆動するトラクション手段(2)を有する前記自動二輪車(3)のための片持ちスイングアーム(1)であって、
前記スイングアーム(1)は、前記後輪(5)を回転可能に支持する第1のセクション(7)と、前記スイングアーム(1)を前記自動二輪車(3)の構造部品(12)に旋回可能に取り付ける第2のセクション(11)と、を有し、
前記第1のセクション(7)および前記第2のセクション(11)の幾何学的中心(10、14)は、仮想のスイングアーム中心面(15)を画定し、
上面(17)を有するロッカーアーム(16)は、前記第1のセクションと前記第2のセクションとの間に設けられ、
前記ロッカーアーム(16)は、第1の側壁領域(18)と、それとは略反対側の第2の側壁領域(19)とを有し、
前記第2の側壁領域(19)は第2のセクション(11)の領域へと延び、
前記第1の側壁領域(18)および前記第2の側壁領域(19)は、トラクション手段(3)を通過させるように設計された補強桁(20)によって互い(19)に接続され、
前記補強桁(20)は前記スイングアーム中心面(15)下部の領域へと延びることを特徴とする、片持ちスイングアーム(1)。
[開示例2]
前記スイングアーム(16)は、曲面構成で前記第1のセクション(7)から前記第2のセクション(11)に向かって延びる構成を有し、
前記上面(17)は、前記スイングアーム中心面(15)に略平行に配置された上部カバー側壁(24)を有することを特徴とする、開示例1に記載のスイングアーム(1)。
[開示例3]
前記スイングアーム(16)は、前記スイングアーム中心面(15)に対して角度をつけて少なくとも複数セクションに分かれて延びる下部側壁(25)であって、少なくとも複数セクションで前記補強桁(20)に接続される前記下部側壁(25)を有することを特徴とする、開示例1または2に記載のスイングアーム(1)。
[開示例4]
2つの前記第2のセクション(11)は、互いから距離を空けて配置され、中間スペース(26)を形成し、
接続セクション(31)は、2つの前記第2のセクション(11)のうちの1つ目から2つの前記第2のセクション(11)のうちの2つ目に向かって延び、
前記接続セクション(31)は、対応する前記第2のセクション(11)から始まるそれぞれのアームセクション(32、33)を形成し、
前記アームセクション(32、33)は、曲面セクション(34)によって互いに接続され、
前記曲面セクション(34)は、2つの前記第2のセクション(11)に面する前側壁(35)により前記中間スペース(26)の境界を定めることを特徴とする、開示例1~3のいずれか一項に記載のスイングアーム(1)。
[開示例5]
前記第2の側壁領域(19)と関連するアームセクションは、前記スイングアーム中心面(15)に略平行に配置された上部カバー側壁(36)を有するとともに、平面視で前記スイングアーム(16)に向かう方向に広がる構成を有することを特徴とする、開示例4に記載のスイングアーム(1)。
[開示例6]
前記第1の側壁領域(18)は、第2のセクション(11)の方向に前記第1のセクション(7)から延び、主に平らであるように設計された外側壁(37)を有し、
前記スイングアーム(16)は、前記第2のセクション(11)から前記接続セクション(31)の方向に断面が広がる構成を有することを特徴とする、開示例4または5に記載のスイングアーム(1)。
[開示例7]
前記スイングアーム(16)は、平面視で前記第1のセクション(7)から前記接続セクション(31)へと広がる構成を有することを特徴とする、開示例4~6のうちいずれか一項に記載のスイングアーム(1)。
[開示例8]
前記第2の側壁領域(33)は、前記上面に対して略直角で前記第2のセクション(11)から下方に延びる壁セクション(38)を有し、下端領域において前記補強桁(20)に一体的に接続され、他方の前記第2のセクション(11)の方向に曲面構成を有することを特徴とする、開示例4~7のいずれか一項に記載のスイングアーム(1)。
[開示例9]
前記補強桁(20)は、前記第1の側壁領域(18)から前記スイングアーム(1)の軸方向縦中心面(41)の方向に延びる構成を有し、
前記補強桁(20)は、前記スイングアームの前記上面と反対側の前記スイングアーム(1)の下部壁セクション(39)と一体形成されることを特徴とする、開示例1~8のいずれか一項に記載のスイングアーム(1)。
[開示例10]
前記スイングアーム(1)は、前記スイングアーム中心面(15)の下方に位置するスラスト中心(S2)を有することを特徴とする、開示例1~9のいずれか一項に記載のスイングアーム(1)。
[開示例11]
前記スイングアーム(1)は、スプリングダンパーデバイス(47)を解放可能に固定するために前記上面と反対側の下面領域で前記スイングアーム(1)と一体形成された受け口(44)を有することを特徴とする、開示例1~10のいずれか一項に記載のスイングアーム(1)。
[開示例12]
前記受け口(44)は、前記スイングアーム中心面(15)から見たときに下方向に延びることを特徴とする、開示例11に記載のスイングアーム(1)。
[開示例13]
前記受け口(44)は、前記片持ちスイングアーム(1)の縦中心軸方向に位置合わせされている前側領域であって、前記中間スペース(26)の前記前側壁(35)へのおおよそ接線方向の移行部を有する前記前側領域を有することを特徴とする、開示例11または12に記載のスイングアーム(1)。
[開示例14]
前記受け口(44)は、前記片持ち揺動アーム(1)の縦中心軸方向に位置合わせされている後側領域であって、前記中間スペース(26)とは反対側の前記片持ち揺動アーム(1)の前記後側壁(49)へと接線方向に合流する前記後側領域を有することを特徴とする、開示例11~13のいずれか一項に記載のスイングアーム(1)。
[開示例15]
前記片持ち揺動アーム(1)は、前記前記片持ち揺動アーム(1)の縦軸の方向から見たときに、前記後側壁(49)の領域においてV字形構成を有することを特徴とする、開示例14に記載のスイングアーム(1)。
[開示例16]
開示例1~15のいずれか一項に記載の片持ちスイングアーム(1)を特徴とする、前輪(4)および後輪(5)を有する自動二輪車(3)。
【0054】
本発明は、図面に基づいて、以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1図1は、周知の片持ちスイングアームを備えた自動二輪車の部分側面図である。
図2図2は、周知の片持ちスイングアームのスイングアーム中心面およびスラスト中心位置を含む周知の片持ちスイングアームの側面図である。
図3図3は、スラスト中心位置を含む公知の片持ちスイングアームと、スラスト中心点を含む本発明による設計の片持ちスイングアームとの比較図である。
図4図4は、スイングアーム中心面を備えた本発明の片持ちスイングアームの設計の斜視図である。
図5図5は、図2に示したものと同様の図であるが、スラスト中心位置を含む本発明の片持ちスイングアームを示している。
図6図6は、本発明による片持ちスイングアームのあるバージョンの上方からの上面図である。
図7図7は、本発明の片持ちスイングアームの正面図である。
図8図8は、本発明による片持ちスイングアームの正面斜視図である。
図9図9は、本発明による片持ちスイングアームの背面斜視図である。
図10図10は、本発明による片持ちスイングアームの側面図である。
図11図11は、ねじり応力曲線を説明するための本発明で使用される片持ちスイングアームの後方からの断面図である。
図12図12は、補強リブを説明するための本発明で使用される片持ちスイングアームの斜視断面図である。
図13図13は、本発明で使用される片持ちスイングアームのさらなる側面図である。
図14図14は、本発明の片持ちスイングアームを備えた自動二輪車の概略図の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図面の図1は、周知の片持ちスイングアームを備えた自動二輪車の部分側面図を示す。
【0057】
片持ちスイングアームは、後輪をガイドするために使用される。後輪は、駆動チェーンの形態のトラクション装置を介して、不図示の変速ギアボックスの駆動ピニオンに接続される。
【0058】
周知の片持ちスイングアームは駆動チェーン用の通路を有する。それにより通路は、図面の図2から見てとれるように、破線のスイングアーム中心面上方に配置された補強桁によって形成される。
【0059】
図面の図2は、周知の片持ちスイングアームが、スイングアーム中心面にも広がっていることを示す。中心面は、自動二輪車の後輪を受容するための第1のセクションと、片持ちスイングアームを自動二輪車の構造部品に回り継ぎ手で取付けるための2つのセクションと、の幾何学的中心を含む。
【0060】
図2の右側の図から見てとれるように、公知の片持ちスイングアームの「x」の印が付けられたスラスト中心は、スイングアーム中心面の上方に位置する。
【0061】
図面の図3は、ねじりの中心「S1」の位置に「x」の印を付けた図面の左側にある公知の片持ちスイングアームと、ねじりの中心「S2」にも「x」の印を付けた本発明による設計の片持ちスイングアームと、の比較図を示す。
【0062】
「x」の印が付けられた車輪接触点「RA」では、自動二輪車の後輪が路面に接触する。この車輪接触点では、自動二輪車が動いているときに、後輪をガイドする片持ちスイングアームを介して自動二輪車の車体に横力「F」が導入される。
【0063】
横力は、片持ちスイングアームに負担をかけるねじりモーメントにつながり、これは、スラスト中心と車輪接触点の間の応力中心距離が長ければ長いほど大きくなる。したがって、周知の片持ちスイングアームの場合の長い応力中心距離「LH」は、本発明による片持ちスイングアームの場合の短い応力中心距離「KH」よりも比較的大きなねじりモーメントにつながる。そのため、片持ちスイングアームのスラスト中心が車輪接触点よりも高くなればなるほど応力中心距離が大きくなり、所定の横力から始まる片持ちスイングアームにかかるねじりモーメントが大きくなる。
【0064】
図面の図4は、本発明による片持ちスイングアーム1のデザインの斜視図を示す。
【0065】
片持ちスイングアーム1は、図面の図14に示すように、駆動手段としてチェーン2を備えた自動二輪車3で使用することが意図される。自動二輪車3は、前輪4および後輪5を有する。後輪5は本発明の片持ちスイングアーム1によってガイドされ、チェーン2を介して駆動モータ6によって駆動される。
【0066】
後輪5は、詳細には示さないが、第1のセクション7の凹部8を通る車軸によって第1のセクション7に受容される。図4による図では、第1のセクション7の凹部8は、駆動チェーン2のプレテンションの調整を容易にするように中心から外れて配置されているが、後輪5を回転可能に取り付けるための受け口9を含む第1のセクションは、以下で説明する幾何学的中心10を有する。
【0067】
図面の図4から容易に見てとれるように、片持ちスイングアーム1は、第1のセクション7を含む端部領域とは反対側の端部領域に2つの第2のセクション11を有する。それにより片持ちスイングアーム1は、自動二輪車3のフレーム13の形態の構造部品12に旋回可能に固定できる。
【0068】
第2のセクション11は、それぞれの幾何学的中心14を有し、第1のセクション7の幾何学的中心10と一緒に、図面の図4にて点線160で示されるスイングアーム中心面15を形成する。
【0069】
揺動アームまたはスイングアーム1は、ロッカーアームまたはスイングアーム16を備える。ロッカーアームまたはスイングアーム16は、第1のセクション7と第2のセクション11との間に延び、上面17を有し、第1の側壁セクション18および第2の側壁セクション19を有する。第2の側壁セクション19は、第1の側壁セクション18と略反対側に位置している。第2の側壁セクション19は、図4による図面の左の第2のセクション11の領域へと延びている。
【0070】
2つの側壁領域18、19は、図面の図8に示すように、補強桁20により互いに接続され、図面の図14に示すように、チェーン2が通ることができる通路21を形成する。チェーン2は、駆動チェーンの戻りまたはアイドルストランドにより通路21を通る。
【0071】
このようにして、補強桁20は、第1の側壁領域18から第2の側壁領域19、すなわちスイングアーム中心面15下部の領域まで延びる車軸下桁として設計される。
【0072】
図面の図5から見てとれるように、スイングアームの中心面15は、対応する中心10および14から広がる。補強桁20は、ホイールベースレベル52に位置する自動二輪車3の目的とする設置位置において、スイングアームの中心面15下部に延びる。
【0073】
図面の図14から見てとれるように、自動二輪車3は、前輪4および後輪5が、車輪支持面52も表す路面22に立っている。スイングアーム中心面15は、路面22に対して角度をつけて延びる。
【0074】
加えて、図面の図14は、「H」の印が付けられた垂直軸方向を示している。垂直軸方向でみたときに、図3の「S2」の印が付けられた本発明の片持ちスイングアーム1のスラスト中心は、スイングアーム中心面15下部にある。
【0075】
図面の図2および図3に記載の方法と比較すると、公知の片持ちスイングアームのねじりの中心「S1」は、スイングアーム中心面の上方にある。本発明の片持ちスイングアーム1のねじりの中心「S2」は、ねじりの中心「S1」を有するねじりの中心面23におけるスイングアーム中心面下部にあるのに対し、公知の片持ちスイングアームのスラスト中心「S1」は、スイングアーム中心面の上方にあるため、所定の横力により、本発明の片持ちスイングアーム1よりも公知の片持ちスイングアームでねじりモーメントが大きくなる。
【0076】
図面の図6は、図示される設計による本発明の片持ちスイングアーム1の上方からの上面図を示す。容易に見てとれるように、スイングアーム16は、第1のセクション7と第2のセクション11の間に延びる曲面構成を有し、図面の図4で見てとれるように、スイングアームの中心面15に主に平行である上部デッキ側壁24を有する。
【0077】
加えて、スイングアーム16は、図面の図4に示すように、スイングアーム中心面15に対して角度をつけて複数セクションに延びる下部側壁25を有する。下部側壁25は、図面の図8に示すように、複数セクションで補強桁20に接続されている。
【0078】
図面の図6および図7は、2つの第2のセクション11が、互いからある距離をおいて配置され、スペース26が形成されていることを示している。図面の図14でよりはっきりと見てとれるスプリングダンパーデバイス47は、下部スプリングストラットアイ28によりデフレクタ30の受け口29に固定できるように、スペース26を通過可能である。デフレクタ30は、延長アーム27を介して自動二輪車3の駆動モータ6により支持される。
【0079】
接続セクション31は、2つの第2のセクション11の間に延びている。接続セクション31は、第1のアームセクション32および第2のアームセクション33を有する。2つのアームセクション32、33は、図面の図6および図7に示すように、曲面セクション34によって互いに接続される。曲面セクション34は、2つの第2のセクション11に面する前壁35を含むスペース26の境界を定めている。
【0080】
図面の図4および図6から最も分かりやすく見てとれるように、図面の図6の左にある第2のセクション11に割り当てられた第2のアームセクション33は、上部カバー側壁36を有する。上部カバー側壁36は、スイングアーム中心面15に主に平行に配置され、平面視でスイングアーム16の方向に広がる構成を有する。
【0081】
図面の図4は、第1の側壁領域18が第1のセクション7から実質的に平らな第2のセクション11へと延びる外側壁37を有することを示している。図面の図6は、上面視において、ロッカーアームまたはスイングアーム16が接続セクション31に向かって断面が広がる構成を有することを示す。
【0082】
外側壁37の主に平らな構成は、図面の図13からも見てとることができ、本発明による片持ちスイングアーム1の場合に提供され得る。片持ちスイングアーム1は、図示されていないモールドの横滑りによりグラビティ鋳造プロセスによって製造できる。このようにして、スイングアームのバリ平滑化の時間のかかる手動加工が必要なくなるため、本発明による片持ちスイングアーム1の加工労力は低減される。
【0083】
ロッカーアーム16は、第1のセクション7から接続セクション31に向かって広がる構成を有し、第1のセクション7から第2のセクション11に向かうねじり荷重の変化に適応する。
【0084】
図面の図7から最も分かりやすく見てとれるように、第2の側壁領域19は、第2のセクション11から下方向に、上面または上部デッキ側壁24にほぼ直角で延びる壁セクション38を有している。壁セクション38は、下部領域39において、補強桁20に一体的に接続されているとともに、他方の第2のセクション11の方向に表面40を含む曲面構成を有している。
【0085】
図面の図8は、補強桁20が第1の側壁領域18からスイングアーム1の縦方向軸中心面41へと延びる構成を有していることを示している。補強桁20は、ロッカーアーム16の上面42と反対側のスイングアーム1の下部壁領域43と一体である。この構成により、車輪接触力および横力を介して片持ちスイングアーム1に伝達されるねじり応力を吸収する、独立型輪郭が提供される。
【0086】
スイングアーム1は、スイングアーム1の下面45の領域において、スイングアーム1と一体形成される受け口44を有する。受け口44は、図面の図7により詳細に示されるデフレクションまたはレバーデフレクション30の着脱可能な固定のために提供される。デフレクションまたはレバーデフレクション30には、図面の図14に示すスプリングダンパーデバイス47が脱着可能に固定可能である。
【0087】
この構成により、ストラット運動の幾何学的漸進は、公知の片持ちスイングアームと組み合わせたストラット運動の幾何学的漸進と比べて顕著に増加し得る。すなわち全体で約5%~約19%漸進することを確実にする。
【0088】
図面の図から見てとれるように、受け口44は、スイングアーム中心面15から見たときに下方に延びている。図面の図8から見てとれるように、前端部、すなわちスペース26の前壁35に面する端部領域にある前壁35へと主に接線方向の移行部を有するため、主に張力の形態で受け口44に導入される力は、片持ちスイングアーム1により支持され、片持ちスイングアーム1へのねじり荷重を増加させない。加えて、補強セクション48は前壁35に設けることができるが、これは材料のわずかな集積を意味し、スイングアーム1の壁断面積を増加させる。これは引張応力を呈し、引張応力レベルを低減させる。
【0089】
同様に、図面の図9に示すように、取付部44は、スイングアーム1の後壁49内への主に接線方向の移行領域を有し、後壁49はスペース26の反対側にあり、このようにして、取付部44内へと導入されるスプリングダンパー力の荷重スペクトルは、引張応力の形態でスイングアーム1に主として導入される。
【0090】
さらに図面の図7および図9に示すように、接続セクション31領域において片持ちスイングアーム1は、縦軸51の方向で接続セクション31の上部カバー側壁50から見たときに、V字形構成を有している。これは一方では、受け口44を介して片持ちスイングアーム1内に導入される応力が、接続セクション31に均一に導入されることに寄与する。また他方では、本発明による片持ちスイングアーム1のねじりの中心「S2」が、車輪支持面52により近い方向に配置され得ることに寄与する。このようにして、後輪5の車輪支持点「RA」と本発明による片持ちスイングアーム1のねじりの中心「S2」との間の応力中心距離を、小さくできる。
【0091】
図面の図10は、ある設計による本発明の片持ちスイングアーム1の側面図を示す。
【0092】
容易に見てとれるように、下部側壁25は、スイングアームの中心面15に角度をつけて位置合わせされたいくつかのセクション250を有している。図面の図8から見てとれるように、下部側壁25のセクション250は、補強桁20に一体的に接続されるため、ねじり剛性構成を作り出す。外側壁37は、下部側壁25に一体的に接続されたウェブセクション53を有する。本発明による片持ちスイングアーム1の自重の低減が、外側壁37の領域における凹部54、55を介して実現される。下部側壁25は、薄肉接続セクション56、57によってスイングアーム16と一体形成されている。
【0093】
以下、図面の図11を参照する。図11は、第2のセクション11の方向における第1のセクション7から見た断面図を表す。
【0094】
すぐに見てとれるように、前側壁35および後側壁49への接線方向の移行部を有する取付部44は、本発明の片持ちスイングアーム1の耐荷重構造に組み込まれ、本発明の片持ちスイングアーム1のねじり荷重下における力の流れは図示された矢印によってはっきり示されている。特に、この図11により、補強桁20が耐荷重構造に組み込まれており、ねじり荷重の吸収にかなり寄与することもはっきりと示されている。
【0095】
図面の図12は、片持ちスイングアーム1が、主に垂直方向に配置された補強ストラット58を、特にスイングアーム16および第1のアームセクション32の領域に有していることを示している。これにより片持ちスイングアーム1の耐荷力が向上する。これらのストラット58により、片持ちスイングアーム1のはるかに単純な製造も可能になる。これは、公知のスイングアームにおいて水平ストラットを使用した場合に3つの芯材を使用する必要性があることと比較すると、鋳込み装置で2つの芯材のみを使用することによって外形を製造できるためである。
【0096】
最後に、図面の図14は、車輪支持レベル52と、前輪4および後輪5によって車輪支持レベル52にて支持される自動二輪車3とを示す。自動二輪車3は、図面においてフォルム化されて示されており、本発明の片持ちスイングアーム1が2つの前部セクション11によって旋回可能に支持されるフレーム13を有するが、デフレクション30は延長アーム27を介して概略的に示される駆動モータ6によって支持される。
【0097】
スプリングダンパーデバイス47は、支持部29における下部アイ28と、フレーム13の一部であるブーム62における上部アイ61とによって支持される。
【0098】
本発明による片持ちスイングアームにより、スイングアームのスラスト中心がかなり下降する。したがって、後輪の横力によりスイングアームに作用するねじり荷重を低減できる。このことは、公知の片持ちスイングアームと比較して、一定の壁厚が想定される片持ちスイングアームの構造に作用するねじり応力のかなりの低減につながり、これを用いて、公知の片持ちスイングアームの壁厚と比較して本発明による片持ちスイングアームの壁厚を減少させることができる。このようにして、公知の片持ちスイングアームと比較した本発明の片持ちスイングアームの自重の低減も達成される。
【0099】
片持ちスイングアームの下面領域で片持ちスイングアームの構造に取付部を組み込むことによって、スプリングダンパー運動の幾何学的漸進の比率を著しく増加させることができる。これを用いて、特に、後輪の車輪移動が増加するにつれて、スプリングダンパー要素における作動ピストンの作動移動を漸進的に増加させることができるため、ダンパー動作の調整性が改善される。
【0100】
上記で詳細に説明されていない本発明の特徴に関しては、特許請求の範囲および図面を明示的に参照する。
【符号の説明】
【0101】
1 片持ちスイングアーム
2 チェーン
3 自動二輪車
4 前輪
5 後輪
6 駆動モータ
7 第1のセクション
8 凹部
9 受け口
10 幾何学的中心
11 第2のセクション
12 構造部品
13 フレーム
14 幾何学的中心
15 スイングアーム中心面
16 スイングアーム
17 上面
18 第1のサイドパネル領域
19 第2のサイドパネル領域
20 補強桁
21 通路
22 路面
23 スラスト中心面
24 カバー側壁
25 底面
26 空間
27 延長アーム
28 下部ストラットアイ
29 凹部
30 リダイレクション
31 接続セクション
32 第1のアームセクション
33 第2のアームセクション
34 セクション
35 前側壁
36 上部デッキ側壁
37 外側壁
38 壁セクション
39 下部範囲
40 表面
41 縦方向中心面
42 上面
43 下部壁領域
44 受け口
45 底面
46 レバーデフレクタ
47 スプリングダンパーデバイス
48 補強桁
49 後壁
50 カバー側壁
51 縦軸
52 車輪接触レベル
53 バーセクション
54 凹部
55 凹部
56 接続セクション
57 接続セクション
58 補強ストラット
61 アイ
62 延長アーム
160 線
250 セクション
S1 ねじりの中心
S2 ねじりの中心
LH 長い応力中心距離
KH 短い応力中心距離
RA 車輪接触点
F 横力
H 垂直軸方向

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14