(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】歯ブラシ
(51)【国際特許分類】
A46B 5/00 20060101AFI20220425BHJP
A46B 17/08 20060101ALI20220425BHJP
【FI】
A46B5/00 B
A46B17/08
(21)【出願番号】P 2020048446
(22)【出願日】2020-03-18
【審査請求日】2020-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】齋間 伸雄
(72)【発明者】
【氏名】杉江 奈緒美
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3163172(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0303674(US,A1)
【文献】西独国特許出願公開第03236618(DE,A1)
【文献】中国実用新案第207428706(CN,U)
【文献】登録実用新案第3162247(JP,U)
【文献】特開2019-025028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 5/00
A46B 17/00-17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指手にて把持する把持部及び歯に当接するブラシ部を含む本体部と、
前記把持部に設けられた装着部に着脱可能な付属部品と、
を備える歯ブラシであって、
前記把持部は、当該把持部の他の部分よりも側面幅が大きい第1係止部が、一方面と該一方面から略180度反転した位置である他方面とに窪んだ円形の面を有する形状に形成され、更に歯ブラシの側面視で前記第1係止部間に前記第1係止部と交差する方向の面を有する第2係止部が、前記把持部の軸線から離れるように膨らむ湾曲面に形成され、
前記付属部品は、第1形象が表現された第1部位と、第1形象とは異なる第2形象が表現された第2部位とを含み、
キャラクターを模した形態を成し、頭部、及び胴体部を含み、前記付属部品を前記装着部に装着した状態において、前記胴体部は、前記把持部の外周面と連続する曲面で前記把持部の一部を成し、前記頭部の最大幅は、前記把持部及び前記胴体部の最大幅よりも大きく構成され、前記頭部及び前記胴体部の外周面は、凹凸のない丸みを帯びた曲面に形成れ、前記頭部及び前記胴体部を貫く軸線を中心とする断面形状が円形に形成され、
前記ブラシ部が第一方向に向いた状態の歯ブラシ第1使用状態において、
前記ブラシ部側から前記第1部位
のみが視認可能に設けられ、
前記ブラシ部が前記第一方向とは反対の第二方向に向いた状態の歯ブラシ第2使用状態において、
前記ブラシ部の反対側から前記第2部位
のみが視認可能に設けられている、
歯ブラシ。
【請求項2】
請求項1に記載の歯ブラシであって、
前記付属部品は、
その一端側から他端側に貫通する貫通孔が形成され、
前記装着部に設けられた凸部は、前記貫通孔に所定の向きにおいてのみ嵌合可能に構成されている、
歯ブラシ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の歯ブラシであって、
前記把持部の外周面と前記付属部品の外周面とは、前記装着部と前記付属部品との当接面が接した状態で連なるよう構成されている、
歯ブラシ。
【請求項4】
請求項1~
3の何れか一項に記載の歯ブラシであって、
前記
胴体部は、前記装着部との当接面がその軸線に対して略直交する平坦面
に形成されている、
歯ブラシ。
【請求項5】
請求項
2に記載の歯ブラシであって、
前記貫通孔は、前記頭部に形成された前記一端側の開口から前記胴体部に形成された前記他端側の開口まで開口横断面形状が同じ形で連続している、
歯ブラシ。
【請求項6】
請求項
1~5の何れか一項に記載の歯ブラシであって、
前記胴体部に、前記付属部品の軸線に対して略直交する平坦面が形成されている、
歯ブラシ。
【請求項7】
請求項
1~6の何れか一項に記載の歯ブラシであって、
前記第1係止部の
前記一方面及び他方面の円形の面の各々の表面には、異なる印が付されている、
歯ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人体や動物さらには各種のキャラクター等と関連づけた形態として構成された歯ブラシがある。この種の歯ブラシは、特に子供や幼児向けのものとしては、例えば、特許文献1の歯ブラシが提案されている。
【0003】
特許文献1に記載された歯ブラシは、長手状の歯ブラシの本体と、縦割形状のキャップとを有する歯ブラシのセットものとして構成されている。この歯ブラシの柄は、キリンの胴部及び両前足部に対応する把持部と、キリンの両後足部に対応する両吸盤部を有する。キャップは、キリンの顔部及び後頭部に対応する前側半割部及び後側半割部でもってブラシ部分に被せる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているように、この種の歯ブラシにおいては、子供や幼児が歯磨きをしたくなるような形態を種々工夫した構成である。しかしながら、歯ブラシ自体は、手で持つ把持部と口の中に入れるブラシ部とを有するだけの極めて簡単な構造であるので、特許文献1のようにキャラクターが特定化されたものでは飽きがくるという課題がある。
このようなことから、子供や幼児が歯磨きに興味を持ち、飽きることなく自ら進んで歯磨きをしなくなるような興趣性のより高いものが望まれているのが現状である。
【0006】
本発明は、興趣性の高い歯ブラシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る歯ブラシは、指手にて把持する把持部及び歯に当接するブラシ部を含む本体部と、前記把持部に設けられた装着部に着脱可能な付属部品と、を備える歯ブラシであって、前記把持部は、当該把持部の他の部分よりも側面幅が大きい第1係止部が、一方面と該一方面から略180度反転した位置である他方面とに窪んだ円形の面を有する形状に形成され、更に歯ブラシの側面視で前記第1係止部間に前記第1係止部と交差する方向の面を有する第2係止部が、前記把持部の軸線から離れるように膨らむ湾曲面に形成され、前記付属部品は、第1形象が表現された第1部位と、第1形象とは異なる第2形象が表現された第2部位とを含み、キャラクターを模した形態を成し、頭部、及び胴体部を含み、前記付属部品を前記装着部に装着した状態において、前記胴体部は、前記把持部の外周面と連続する曲面で前記把持部の一部を成し、前記頭部の最大幅は、前記把持部及び前記胴体部の最大幅よりも大きく構成され、前記頭部及び前記胴体部の外周面は、凹凸のない丸みを帯びた曲面に形成れ、前記頭部及び前記胴体部を貫く軸線を中心とする断面形状が円形に形成され、前記ブラシ部が第一方向に向いた状態の歯ブラシ第1使用状態において、前記ブラシ部側から前記第1部位のみが視認可能に設けられ、前記ブラシ部が前記第一方向とは反対の第二方向に向いた状態の歯ブラシ第2使用状態において、前記ブラシ部の反対側から前記第2部位のみが視認可能に設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、興趣性の高い歯ブラシを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態である歯ブラシの側面図である。
【
図2】
図1に示す歯ブラシを正面から見た正面図である。
【
図3】
図1に示す歯ブラシを後側から見た背面図である。
【
図4】
図2に示すA-A線に沿った部分の拡大断面図である。
【
図5】
図1に示す歯ブラシの要部を拡大した分解斜視図である。
【
図6】
図1に示す歯ブラシを自立させた状態の一例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態である歯ブラシについて、
図1から
図6図を参照して説明する。
図1は歯ブラシ1の側面図である。
図2は歯ブラシを正面から見た正面図であり、
図3は歯ブラシを後側から見た背面図である。なお、以下の説明において、歯ブラシ1の向きについて、植毛5aが設けられた側を表側(正面側)、その反対側を裏側(背面側)、表裏側とは直交し歯ブラシを横から見る(歯ブラシの長さが見えるように横から見る)側を側面側と云う。
【0011】
歯ブラシ1は、
図1に示すように、その構成を大別すると、指手にて把持する把持部4及び歯に当接するブラシ部5を含む本体部2と、把持部4に設けられた装着部3に着脱可能な、例えば、人形形態のキャラクターを模した付属部品10と、で構成されている。
なお、付属部品10は、その詳細について後述するが、把持部4の装着部3に設けられた凸部3tが凹部8に嵌入して連結している。また、付属部品10は、例えば、頭部10H及び胴体部10Bを備えるキャラクターを模した形態を成している。そして、外観的には、キャラクター前部の第1形象が表現された第1部位10Fと、第1形象とは異なるキャラクターの後部の第2形象が表現された第2部位10Rとを有している。
【0012】
図1~
図3に示すように、把持部4は、ブラシ部5とは反対側(図中左側)で専ら把持される側の持ち柄4aと、ブラシ部5側のネック4bと、ネック4bと持ち柄4aの間に正面から見て幅が大きい大径部分と、を有している。
この大径部分には、第1係止部11(11a,11b)及び第2係止部12(12a,12b)が形成されている。より詳細に説明すると、第1係止部11(11a,11b)は、表側及び裏側で略180度反転した位置に、例えば親指をあてがうことができるように把持部4の他の部分よりも大きい幅で円形(
図2及び
図3参照)の面を有する形状である。
【0013】
第2係止部12(12a,12b)は、第1係止部11の近傍、すなわち、第1係止部11(11a,11b)が形成されている面とは交差する左右両側面(
図2及び
図3参照)に、把持部4の軸線4CLから離れるように膨らむ一対の湾曲面にて形成されている。この第2係止部12(12a,12b)は、側面側から見て(
図1参照)、第1係止部11の間に配置された構造と云える。
【0014】
また、第1係止部11の各々の表面には異なった印21,22が付されている。例えば、表側では、中央の丸印の周りに放射状の線が描かれた印21に対し、裏側では、星形状が描かれた印22が付される。この表裏を表す印21,22は、印刷にて付けても良いが、例えば、凸面(
図4参照)或いは凹面として形成することができる。
また、第2係止部12(12a,12b)には、複数の突起12pが設けられている。すなわち、第2係止部12(12a,12b)は、その表面が凹凸形状となっている。
【0015】
図4は、
図2のA-A線に沿った部分の拡大断面図である。
図4に示すように、第1係止部11の断面形状は、把持部4の軸線4CL側に凹状の窪み形状である。また、第1係止部11は、例えば、ブラシ部5側に近づくのに伴って軸線4CLから離れる傾斜角(θ)を持って傾いている。
【0016】
図5は、把持部4と付属部品10との分解状態を示す分解斜視図である。
図5に示すように、付属部品10は、装着部3の凸部3tに対して嵌合する凹部8を備えている。詳細に説明すると、凹部8は、付属部品10の下端側(キャラクターの上下において下端側)の当接面10fsには、第1凹部8cが、頭部先端側には、第2凹部8dが設けられている。そして、この両凹部8c,8dは、貫通孔8hにより連通されている。また、貫通孔8hの形状は、第1凹部8cから前記第2凹部8dまで同じ開口横断面形状となっている。
【0017】
また、両凹部8c,8dの断面形状は、例えば、一端側が平坦な凹側平坦面8gを備える略半円形状となっている。一方、凸部3tの断面形状は、一端側が平坦な凸側平坦面3gを備える略半円形状となっている。また、凹側平坦面8gは、例えば、キャラクター前部の第1形象が表現された第1部位10Fと一致させて形成されている。
【0018】
一方、把持部4においては、凸側平坦面3gの向きは、本体部2の表側に一致して設けられている。したがって、付属部品10が本体部2に取付けられた状態、すなわち、第1凹部8cと凸部3tとが嵌合された状態は、本体部2の表側にキャラクターの顔側である第1部位10Fがくる向きにおいてのみ装着可能である。また、前掲の如く、第1係止部11(11a,11b)は、本体部2の表裏両側に設けられていることから、キャラクターの表裏と対応している。
【0019】
このように、付属部品10は、前部の第1部位10Fと後部の第2部位10Rが、第1係止部11の形成された把持部4の一方面(表側)と他方面(裏側)に関連づけて取付けられている。これは、歯ブラシ1を使用する際に、例えば、ブラシ部5が上を向いた第一方向の状態を歯ブラシ第1使用状態とした場合、歯磨きをしている本人にとっては、第1部位10Fのみが視認可能となる。また、逆に、ブラシ部5が下を向いた第二方向の状態を歯ブラシ第2使用状態とした場合、歯磨きをしている本人にとっては、第2部位10Rのみが視認可能となる。
【0020】
なお、ここで云う、歯ブラシ第1使用状態と歯ブラシ第2使用状態における第一方向、第二方向の対応関係は、把持部4に対する付属部品10の装着向きの表裏が反対になる場合には、逆になる。すなわち、嵌合構造による向きを逆転すると、ブラシ部5を下に向けた歯ブラシ第2使用状態のときに、キャラクターの第1部位10Fが上になり、その反対の歯ブラシ第1使用状態のときに、キャラクターの第2部位10Rが上になる。
【0021】
また、ここで云う歯ブラシ第1使用状態と歯ブラシ第2使用状態とは、ブラシ部5の上下の向きに限るものではなく、ブラシ部5が横に向いた左右横向き状態として設定しても良い。
【0022】
また、付属部品10は、
図5に示すように、頭部10H及び胴体部10Bを貫く軸線10CLを中心とした断面形状が略円形に形成されている。すなわち、外面形状が略円形である。また、頭部10Hと胴体部10Bの外径寸法は、同じでも良いが、頭部10Hの外形寸法が大きい方が好ましい。
【0023】
また、付属部品10の当接面10fsは、軸線10CLに対して略直交する平坦面に形成されている。一方、把持部4側の当接面4fsも軸線4CLに対して略直交する平坦面に形成されている。したがって、両当接面10fs,4fsが当接した状態での付属部品10と把持部4の密着性がよい。この結果、把持部4の外周面4sと付属部品10の外周面10sとは、外観の輪郭があたかも一体的(
図1~
図3参照)であるように略連続する曲線に構成されている。
【0024】
このように、付属部品10は、装着部3に装着された状態においては、胴体部10Bが把持部4の一部を成すよう構成される。これにより、歯ブラシ1を握るときに、胴体部10Bと把持部4とを同時に握るようにしても違和感がなく使用できる。
【0025】
また、付属部品10は、例えば正面視で、
図2に示すように、頭部10Hが最も大きなサイズの最大幅D1を有している。この頭部10Hの最大幅D1は、例えば、把持部4に設けられた後述する第1係止部11の幅、すなわち、把持部の最大幅D2よりも大きく構成されている。このように、頭部10Hが大きく構成されていることで、歯磨き中や歯ブラシ1を持っているときに、頭部10Hで引っ掛かりを構成できる。
【0026】
図6は、歯ブラシを自立させた状態の一例を示す側面図である。
付属部品10の頭部10Hにも第2凹部8dがけ設けられていることで、本体部2を頭部10Hに接続した形態とすることができる。そして、付属部品10を、頭部10Hから把持部4に取付けた場合には、
図6に示すように、歯ブラシ1を自立させて置くことができる。
【0027】
以上述べたように、本実施形態の歯ブラシ1によれば、歯ブラシ1の把持部4に付属部品10を着脱可能に設けることができることで、複数種類の付属部品10を着脱でき変化のある歯ブラシ1にできる。更に、付属部品10には形象を異にする第1部位10F(表側)と第2部位10R(裏側)が設けられ、歯ブラシ第1使用状態又は歯ブラシ第2使用形態によって第1部位10Fと第2部位10Rを選択的に歯磨きしながら見ることができる。これにより、付属部品10であるキャラクターの向きで歯ブラシ1の持ち方がわかる。また、歯磨き中において、第1部位10F(表側)或いは第2部位10R(裏側)で楽しむことができる。この結果、興趣性の高い歯ブラシを提供することができる。
【0028】
また、本実施形態の歯ブラシ1では、付属部品10は、装着部3に対し、所定の向きにおいてのみ装着可能な嵌合形状を備えていることで、付属部品10の把持部4に対する向きが特定される。したがって、歯ブラシ1の使用状態における付属部品10の第1部位10Fと第2部位10Rの向きを特定化して関連付けが可能となる。この結果、付属部品10の向き(キャラクターの表裏向き)で、歯ブラシ1の持つ向きが直ぐ判る。
【0029】
また、本実施形態の歯ブラシ1では、把持部4の外周面4sと付属部品10の外周面10sとは、装着部3と付属部品10の当接面4fs、10fsが接した状態で連なるよう構成される。これにより、把持部4と付属部品10との外観的連続性を良くすることができ、付属部品10と本体部2との一体感のある歯ブラシ1を提供できる。
【0030】
また、前掲のように、把持部4と付属部品10との体感を高めた構成によれば、付属部品10を、把持部4の一部として使用可能である。したがって、例えば、付属部品10を大きく(長く)することで、把持部4を小さくでき、歯ブラシ1のコンパクト化を図ることができる。
【0031】
また、本実施形態の歯ブラシ1では、頭部10Hの最大幅D1が把持部4の最大幅D2よりも大きく構成されていることで、付属部品10の装着状態において、把持部4の一端側が大径となって持ち易く歯ブラシ1の落下を抑制することができる。
【0032】
また、本実施形態の歯ブラシ1では、付属部品10は、キャラクターの上下方向を貫く軸線10CLを中心とする断面形状が略円形に形成されていることで、外周面10sは略円形となる。これにより、付属部品10を載置面上に横置きにしたときに、転がして遊ぶことができる。なお、例えば、頭部10Hよりも胴体部10Bの外径寸法を小さく構成した場合には、単に転がるだけでなく、自転と同時に公転するような動作(軸線10CLの方向を回転半径にするような動作)もでき、興趣性を高めることができる。
【0033】
また、本実施形態の歯ブラシ1では、付属部品10が軸線10CLに対して略直交する平坦面にて構成される当接面10fsを備えていることで、載置面に自立させて載置することができ、置物としても楽しむことができる。
【0034】
更に、当接面10fsの平坦性が有ることで、前傾のように、歯ブラシ1を自立して立てて置く(
図6参照)ことができるが、頭部10Hにも第2凹部8dが設けられていることで、キャラクターの向きを上下逆さにして置くこともできる。すなわち、頭部10Hに開口した第2凹部8dによって仮想平坦面が形成され、ここを載置面として利用することができる。
【0035】
また、本実施形態の歯ブラシ1では、付属部品10には、凹部8に連通する貫通孔8hが形成されていることから、凹部8は通気性の良い構造となり、また、清掃が容易で衛生的である。
【0036】
また、本実施形態においては、貫通孔8hが、凹部8の開口横断面形状と同じに形成されていることで、凸部3tの長さは、最大で付属部品10の全長まで大きくすることが可能になる。この結果、凹凸係合の係合深さを大きくでき、付属部品10の係止を確実できる。さらに、凹凸嵌合は、断面形状さえ合えばよいので、凸部3tの嵌合深さを制限しない構成となり、多種のキャラクターの取付けし易く汎用性の高い歯ブラシ1を提供できる。
【0037】
また、本実施形態の歯ブラシ1では、凹部8は、胴体部10Bに設けられる第1凹部8cと頭部10Hに設けられる第2凹部8dと、を有するので、本体部2との連結は、キャラクターの上下の何れの向きからも可能であり、キャラクターの取付け形態の変化を楽しむことができる。
【0038】
また、本実施形態の歯ブラシ1では、把持部4に他の部分よりも側面幅が大きい第1係止部11が設けられていることで、歯磨きをするときに、親指等の指先を第1係止部11に当てるようにして使うことができる。これにより、力の無い子供や幼児であっても歯ブラシ1に力を加え易くなり、使い勝手が向上する。
【0039】
また、第1係止部11が把持部4の表裏両側(180度反転した位置)に形成されていることで、例えば、歯ブラシ1の上下の何れの向きでも第1係止部11を使用でき、親指以外の指を当てることも可能である。また、第1係止部11に親指と他の指を同時に当てて挟むように握ることも可能となり、歯ブラシ1の使用形態を格段に多様化できる。
【0040】
また、本実施形態の歯ブラシ1では、第1係止部11は、窪み形状であることから、指先の先端形状になじみ持ち易さを良くできる。また、第1係止部11は、ブラシ部5側に近づくのに伴って把持部4の軸線4CLから離れるように傾いていること、すなわち、第1係止部11の面が把持部4の一端側(ブラシ部5の反対側)に向くように傾斜(傾斜角θ)していることで、把持部4を握った手の親指先端の反り返り形状に対応させることができる。この結果、指先に力を加えやすくできる。
【0041】
また、本実施形態の歯ブラシ1では、付属部品10は、第1部位10F(表側)と第2部位10R(裏側)が、第1係止部11の形成された把持部4の表側と裏側に対応する向きに関連づけて取付けられる。これにより、歯ブラシ第1使用状態と歯ブラシ第2使用状態を第1係止部11の向きと関連付けることができ、例えばキャラクターの向きに合わせて第1係止部11の使用を促すことができ、歯ブラシ1の使用方法を身に付かせるための部位として利用可能である。
【0042】
また、本実施形態の歯ブラシ1では、表裏の第1係止部11の各々の表面には、異なる印21,22が付されるので、歯ブラシ第1使用状態と歯ブラシ第2使用状態をこの印21.22と関連づけが可能となる。更に、印21,22が凹凸形状にて形成されている場合には、指先の引っ掛かりを良くすることができ、持ちやすさの向上を図ることができる。
【0043】
また、本実施形態の歯ブラシ1では、第1係止部11に近接して、形状の異なる第2係止部12が設けられていることで、指手の当て方や握り方の選択肢を増やすことができ、手のサイズに幅広く対応可能になる。
【0044】
また、本実施形態の歯ブラシ1では、第2係止部12は、歯ブラシ1の側面視において第1係止部11間で該第1係止部11の面とは交差する面で構成され、把持部4の長手方向においても第1係止部11と略同位置に形成されているので、両係止部11,12をコンパクトな部位に形成でき、両係止部11,12を小さい指先で同時に持つことや持ち替えたりすることを容易にできる。
【0045】
また、本実施形態の歯ブラシ1では、第2係止部12は、把持部4の軸線4CLから離れるように膨らむ湾曲面にて形成されているので、歯ブラシ1を、例えば指先にて摘まむように使用する場合、指先との接触面を小さくすることができる。この結果、ブラシ部5を歯に対してソフトに当てたいとき等の使用形態に対応し易い。
【0046】
また、第2係止部12は、膨らんだ湾曲面であることから、指先との接触面が小さくなるが、湾曲面に突起12p(
図2及び
図3参照)が形成されていることで、指先で軽く持つ場合でも、指先との摩擦を大きくでき、持ち易くできる。
【0047】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記実施形態においては、所定の向きに装着する装着部3の凸部3t及び凹部8は、その横断面形状が直線部と円弧部を有する嵌合形状としたが、この嵌合形状はこれに限るものではなく、他に、三角形状や矩形を採用することができる。例えば、三角形状においては、正三角形とした場合には、付属部品10の向きを三方向の向きを選択できる。また、正方形さらには正多角形の場合には、その角数分の向きの選択が可能である。
【0048】
また、上記実施形態においては、把持部4に凸部3tを設け、付属部品10に凹部8を設ける構成としたが、凹凸関係は逆でも良い。また、凹部8は付属部品10の貫通した構成としたが、凹部8は、貫通孔8hと連通されていなくても良い。
【0049】
また、上記実施形態においては、凹部8は、キャラクターの頭部10Hの上端側と胴体部10Bの下端側に設けた構成としたが、凹部8は、キャラクターの側面に設ける構成であっても良い。
【0050】
また、上記実施形態においては、把持部4の表裏両側に第1係止部11を設ける構成としてが、第1係止部11は片面側だけでも良い。また、第1係止部11は、窪み形状でなくても良い。
また、上記実施形態においては、第1係止部11を表裏両側に180度反転した位置に設ける構成としたが、把持部4の表裏面が180度反転しない若干傾いた構成(把持部4の断面形状が矩形でなくいびつな形状)であってもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 歯ブラシ
2 本体部
3 装着部
3t 凸部
4 把持部
4CL 本体部の軸線
4fs 把持部の当接面
4s 把持部の外周面
5 ブラシ部
8 凹部
8c 第1凹部
8d 第2凹部
8h 貫通孔
10 付属部品
10B 胴体部
10CL 付属部品の軸線
10F 第1部位
10fs 付属部品の当接面
10H 頭部
10R 第2部位
10s 付属部品の外周面
11 第1係止部
12 第2係止部