(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
E06B 7/23 20060101AFI20220425BHJP
E06B 7/22 20060101ALI20220425BHJP
E06B 5/16 20060101ALI20220425BHJP
【FI】
E06B7/23 Z
E06B7/22 F
E06B5/16
(21)【出願番号】P 2021017816
(22)【出願日】2021-02-05
(62)【分割の表示】P 2016115405の分割
【原出願日】2016-06-09
【審査請求日】2021-03-05
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】須藤 勝仁
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-214546(JP,A)
【文献】特開2014-034861(JP,A)
【文献】実開昭58-090989(JP,U)
【文献】特開2016-047999(JP,A)
【文献】特開2014-070428(JP,A)
【文献】米国特許第04660338(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0024184(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 5/16
E06B 7/16 - 7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体と、
前記枠体の内側に開閉可能に設けられる障子と、
閉鎖位置にある前記障子と前記枠体の間の隙間を塞ぐように配置される気密材と、を備え、
前記気密材は、
前記枠体に固定される本体部と、
前記本体部から前記障子側に延出する2つの突条片と、
前記本体部から前記枠体側に延出するカバー部と、を含
み、
前記2つの突条片のうち、
一方は見込み方向と略平行に延出し、
他方は、前記障子側に延出し、かつその先端が前記カバー部に向かっており、
前記一方の突条片の長さは前記他方の突条片の長さより短い建具。
【請求項2】
前記気密材は可燃性を有し、
前記気密材の近傍に配置される加熱発泡材をさらに備え、
前記カバー部は、前記加熱発泡材を覆い、
少なくとも1つの前記突条片は、閉鎖位置の前記障子に接触して弾性変形する、請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記カバー部と前記加熱発泡材との間に、隙間が形成される、請求項2に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱発泡材及び気密材を備える建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、枠体と障子の間に熱によって膨張する加熱発泡材を配置し、火災時に枠体と障子の間から火炎や煙が通過することを防ぐ防火技術が知られている。この種の技術を開示するものとして例えば特許文献1がある。特許文献1には、ドア本体の四周縁に加熱膨張材が設けられるとともに、枠体及び沓摺りの各々戸当り部に防火パッキンを設けてなる防火ドア構造について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
気密材として不燃性のパッキンを使用している場合において、パッキンが火災時に溶融することなくその場に留まって加熱発泡材の発泡を阻害するおそれがあった。加熱発泡材が適切に発泡しなれば火災時に火炎や煙が枠体と障子の間を通過するのを防ぐという本来の機能を発揮できなくなってしまう。また、防火仕様のドアでは不燃性の気密材を使用しても、防火仕様ではないドアでは可燃性の気密材を使用することがあり、防火仕様の場合かそうでない場合かで取り付ける気密材を使い分けなければならず、生産性という観点で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、火災時に加熱発泡材の発泡が阻害される事態を防止するとともに生産性の向上を実現できる建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、枠体(例えば、後述の枠体30)と、前記枠体の内側に開閉可能に設けられる障子(例えば、後述の戸体10)と、閉鎖位置にある前記障子と前記枠体の間の隙間を塞ぐように配置される気密材(例えば、後述の吊元側気密材43)と、を備え、前記気密材は、前記枠体に固定される本体部(例えば、後述の本体部431)と、前記本体部から前記障子側に延出する2つの突条片(例えば、後述の弾性変形部433)と、前記本体部から前記枠体側に延出するカバー部(例えば、後述のカバー部434))と、を含む、建具(例えば、後述の建具1)に関する。
【0007】
前記気密材は可燃性を有し、前記気密材の近傍に配置される加熱発泡材(例えば、後述の吊元側加熱発泡材63)をさらに備え、前記カバー部は、前記加熱発泡材を覆い、少なくとも1つの前記突条片は、閉鎖位置の前記障子に接触して弾性変形することが好ましい。
【0008】
前記カバー部と前記加熱発泡材との間に、隙間が形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の建具によれば、火災時に加熱発泡材の発泡が阻害される事態を防止するとともに、生産性の向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る建具を屋外側から見た姿図である。
【
図4】本実施形態の吊元側気密材及び吊元側加熱発泡材とその周囲を示す拡大縦断面図である。
【
図5】本実施形態の戸先側気密材及び戸先側加熱発泡材とその周囲を示す拡大縦断面図である。
【
図6】本実施形態の上側気密材及び上側加熱発泡材とその周囲を示す拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、建物に形成された躯体開口部の内部に設けられ、開閉可能な戸体(障子)10を備える建具1を本発明の一実施形態として説明する。本明細書において、「見付方向」とは、建具1(戸体10)の面方向に沿う方向であり、建具1(戸体10)の高さ方向や幅方向を含む概念とする。
【0013】
図1は、本実施形態に係る建具1を屋外側から見た姿図である。
図1に示すように、建具1は、建物側に固定される枠体30と、枠体30に対して開閉可能に取り付けられる戸体10と、を備える。
【0014】
枠体30は、横枠としての上枠31及び下枠32と、縦枠としての吊元側の縦枠33及び戸先側の縦枠34と、により矩形に枠組みされる。
【0015】
戸体10は、吊元側の縦枠33に固定される蝶番70を介して枠体30の内側に吊り込まれる。戸体10には、ハンドル91やハンドル91の上下にそれぞれ配置されるシリンダ錠92等のドアの開閉に関わる部品等が配置される。
【0016】
図2は、本実施形態の建具1の縦断面図であり、
図1のA-A線断面図である。
図2に示すように、上枠31の下面には、見付方向の下側に延出する上側取付部51が形成される。上側取付部51は、上枠31の長手方向(左右方向)に延びる板状に形成されており、屋外側の面に上側気密材41を嵌合するための嵌合溝511が形成される。
【0017】
上側気密材41は、上側取付部51を介して上枠31の下面(見込面)に固定される。上側気密材41は、戸体10上部と上枠31の隙間を埋めるように上枠31の左右方向の略全域に設けられる。
【0018】
下枠32の屋内側には、左右方向にわたって上方に突出する突条部521が形成される。突条部521の上面にはカバー部材523が取り付けられ、その屋外側の面には下側取付部52が形成される。下側取付部52には、下側気密材42を嵌合するための嵌合溝522が形成される。
【0019】
下側気密材42は、下側取付部52を介して下枠32の上面(見込面)に固定される。下側気密材42は、戸体10下部と下枠32の隙間を埋めるように下枠32の左右方向の略全域に設けられる。
【0020】
図3は、本実施形態の建具1の横断面図であり、
図1のB-B線断面図である。
図3に示すように、吊元側の縦枠33には、見付方向の戸先側に延出する吊元側取付部53が形成される。吊元側取付部53は、縦枠33の長手方向(上下方向)に延びる板状に形成されており、屋外側の面に吊元側気密材43を嵌合するための嵌合溝531が形成される。
【0021】
吊元側気密材43は、吊元側取付部53を介して縦枠33における戸先側を向く面(見込面)に固定される。吊元側気密材43は、戸体10の吊元側の端面と縦枠33の隙間を埋めるように縦枠33の上下方向の略全域に設けられる。
【0022】
戸先側の縦枠34には、見付方向の吊元側に延出する戸先側取付部54が形成される。戸先側取付部54は、縦枠34の長手方向(上下方向)に延びる板状に形成されており、屋外側の面に戸先側気密材44を嵌合するための嵌合溝541が形成される。
【0023】
戸先側気密材44は、戸先側取付部54を介して縦枠34における吊元側を向く面(見込面)に固定される。戸先側気密材44は、戸体10の戸先側の端面と縦枠34の隙間を埋めるように縦枠34の上下方向の略全域に設けられる。
【0024】
上側気密材41、下側気密材42、吊元側気密材43及び戸先側気密材44の4方に配置される気密材によって、戸体10閉鎖時における戸体10と枠体30の隙間が埋められている。また、これらの気密材のうち、上側気密材41、吊元側気密材43及び戸先側気密材44の近傍には、上側加熱発泡材61、吊元側加熱発泡材63及び戸先側加熱発泡材64がそれぞれ配置される。
【0025】
上側加熱発泡材61、吊元側加熱発泡材63及び戸先側加熱発泡材64は、エポキシ樹脂やポリ塩化ビニル(PVC)等の発泡性樹脂からなる細長のシート状の部材であり、枠体30側に接着固定されるとともに固定部材としてのビス65によって締結されている。なお、発泡性樹脂を機械的に固定するための部材は、ビス65に限られず、クリップ等、枠体30に対して発泡性樹脂を固定できる機械的な要素であればよい。
【0026】
本実施形態の上側気密材41、下側気密材42、吊元側気密材43及び戸先側気密材44は、いずれも可燃性の材料(例えば、オレフィン系エラストマー)で成形されるパッキンであり、火災時に火炎によって焼失する。
【0027】
次に、気密材と加熱発泡材の位置関係について説明する。
図4は、本実施形態の吊元側気密材43及び吊元側加熱発泡材63とその周囲を示す拡大縦断面図である。
【0028】
図4に示すように、吊元側加熱発泡材63は、吊元側気密材43の近傍に配置されている。本実施形態の吊元側加熱発泡材63は、その平面部分が吊元側気密材43に対面するように吊元側の縦枠33の見込面に固定される。
【0029】
吊元側気密材43は、本体部431と、吊元側取付部53の嵌合溝531に嵌合する嵌合部432と、戸体10に接触して弾性変形する弾性変形部433と、吊元側加熱発泡材63を覆うカバー部434と、を備える。
【0030】
本体部431は、吊元側取付部53の嵌合溝531に嵌合部432が嵌合した状態で、吊元側の縦枠33の見込面との間に、吊元側加熱発泡材63を配置するための収容空間を形成する。
【0031】
嵌合部432は、嵌合溝531の形状に応じて形成される。本実施形態では、嵌合部432が嵌合溝531にスライド挿入されることにより、吊元側気密材43が縦枠33に固定される。本体部431と縦枠33の間には収容空間が形成されているので、この挿入作業で本体部431が縦枠33に接触して挿入作業が滞ることもない。
【0032】
弾性変形部433は、複数の突条片から構成される。弾性変形部433が閉鎖位置の戸体10に接触して弾性変形することにより、戸体10と縦枠33の間の隙間が埋められる。
【0033】
カバー部434は、本体部431の吊元側の端部から屋外側に延出した後に縦枠33側に曲がるように形成されており、平面視の断面形状が略L字状になっている。このカバー部434によって吊元側加熱発泡材63を収容する収容空間が外部から隔てられる。これによって、吊元側加熱発泡材63及びビス65がカバー部434に覆われた状態となる。
【0034】
ここで、吊元側気密材43と蝶番70の位置関係について説明する。
図3に示すように、蝶番70は、枠体30側に固定される枠体側羽根板71と、枠体側羽根板71に回転可能に連結されるとともに、戸体10側に固定される戸体側羽根板72と、を備える。本実施形態では、枠体側羽根板71は吊元側の縦枠33の見込面に固定され、戸体側羽根板72は戸体10の吊元側の端面に固定される。そして、吊元側気密材43のカバー部434の先端部は、蝶番70の枠体側羽根板71と見込方向で重なる位置関係となっている。枠体側羽根板71によって、屋外側からカバー部434と縦枠33の間の隙間がより見え難くい構造となっている。
【0035】
図5は、本実施形態の戸先側気密材44及び戸先側加熱発泡材64とその周囲を示す拡大縦断面図である。
図5に示すように、戸先側加熱発泡材64は、戸先側気密材44の近傍に配置されている。本実施形態の戸先側加熱発泡材64は、その平面部分が戸先側気密材44に対向するように戸先側の縦枠34の見込面に固定される。
【0036】
戸先側気密材44は、吊元側気密材43と同様に構成される。具体的には、戸先側気密材44は、本体部441と、戸先側取付部54の嵌合溝541に嵌合する嵌合部442と、戸体10に接触して弾性変形する弾性変形部443と、戸先側加熱発泡材64を覆うカバー部444と、を備える。
【0037】
嵌合部442が戸先側取付部54の嵌合溝541に嵌合することにより、本体部441と戸先側の縦枠34の見込面との間には戸先側加熱発泡材64を配置するための収容空間が形成される。
【0038】
カバー部444は、本体部441の戸先側の端部から屋外側に延出した後に縦枠34側に曲がるように形成されており、平面視の断面形状が略L字状になっている。このカバー部444によって戸先側加熱発泡材64を収容する収容空間が外部から隔てられる。これによって、戸先側加熱発泡材64及びビス65がカバー部444に覆われた状態となる。
【0039】
図6は、本実施形態の上側気密材41及び上側加熱発泡材61とその周囲を示す拡大縦断面図である。
図6に示すように、上側加熱発泡材61は、上側気密材41の近傍に配置されている。本実施形態の上側加熱発泡材61は、その平面部分が上側気密材41に対向するように上枠31の見込面に固定される。
【0040】
上側気密材41についても、吊元側気密材43と同様に構成される。具体的には、上側気密材41は、本体部411と、上側取付部51の嵌合溝511に嵌合する嵌合部412と、戸体10に接触して弾性変形する弾性変形部413と、上側加熱発泡材61を覆うカバー部414と、を備える。
【0041】
嵌合部412が上側取付部51の嵌合溝511に嵌合することにより、本体部411と上枠31の見込面との間には上側加熱発泡材61を配置するための収容空間が形成される。
【0042】
カバー部414は、本体部411の上部から屋外側に延出した後に上方に曲がるように形成されており、側面視の断面形状が略L字状になっている。このカバー部414によって上側加熱発泡材61を収容する収容空間が外部から隔てられる。これによって、上側加熱発泡材61及びビス65がカバー部414に覆われた状態となる。
【0043】
図4から
図6を参照して説明したように、上側加熱発泡材61は上側気密材41の死角に位置し、吊元側加熱発泡材63は吊元側気密材43の死角に位置し、戸先側加熱発泡材64は戸先側気密材44の死角に位置することになる。
【0044】
火災時には可燃性の材料で構成される上側気密材41、吊元側気密材43及び戸先側気密材44が焼失するので上側加熱発泡材61、吊元側加熱発泡材63及び戸先側加熱発泡材64の発泡を阻害することもない。
【0045】
以上説明した実施形態の建具1によれば、以下のような効果を奏する。
建具1は、枠体30と、枠体30の内側に開閉可能に設けられる戸体10と、閉鎖位置にある戸体10と枠体30の間の隙間を塞ぐように配置される可燃性の上側気密材41、吊元側気密材43及び戸先側気密材44と、上側気密材41、吊元側気密材43及び戸先側気密材44の近傍にそれぞれ配置される上側加熱発泡材61、吊元側加熱発泡材63及び戸先側加熱発泡材64と、を備える。
【0046】
これにより、火災時には気密材が焼失するので、加熱発泡材の発泡が阻害される事態を回避できる。また、防火仕様の場合と防火仕様ではない場合で、気密材を使い分ける必要がなくなるので、部品の共通化も実現でき、生産性も向上する。
【0047】
また、本実施形態では、上側気密材41、吊元側気密材43及び戸先側気密材44は、上側加熱発泡材61、吊元側加熱発泡材63及び戸先側加熱発泡材64をそれぞれ覆うように配置される。
【0048】
これにより、加熱発泡材が外観上見え難くなり、意匠性を向上させることができる。また、防火仕様の場合と防火仕様ではない場合の何れにおいても、加熱発泡材が見えなくなるので、外観を合わせることができ、デザインの共通化も実現できる。
【0049】
また、本実施形態では、上側加熱発泡材61、吊元側加熱発泡材63及び戸先側加熱発泡材64は、枠体30の見込面に配置され、上側気密材41、吊元側気密材43及び戸先側気密材44は、前記加熱発泡材と見付方向で対向するように配置される本体部411,431,441と、本体部411,431,441から枠体30の見込面に向かって延出し、上側加熱発泡材61、吊元側加熱発泡材63及び戸先側加熱発泡材64を覆うように形成されるカバー部414,434,444と、それぞれを有する。
【0050】
これにより、加熱発泡材が枠体に直接固定されるので、加熱発泡材を配置するためのスペースを別途用意する必要がなく、防火仕様の場合とそうでない場合で枠体の構造も共通化できるので生産性を一層向上させることができる。また、カバー部を利用することによって、気密材の位置を変えることなく、加熱発泡材を配置することができ、レイアウトの自由度が向上する。これによって、加熱発泡材を外部から見えなくしつつ、戸体側に近付けて配置することも可能となる。更に、カバー部によって枠体との隙間が見え難くなるので、防火仕様の場合とそうでない場合のいずれにおいても、意匠性を向上させることができる。
【0051】
また、本実施形態では、枠体30には、見付方向に延出し、上側気密材41、吊元側気密材43及び戸先側気密材44を取り付ける上側取付部51、吊元側取付部53及び戸先側取付部54が設けられ、上側取付部51、吊元側取付部53及び戸先側取付部54は、上側加熱発泡材61、吊元側加熱発泡材63及び戸先側加熱発泡材64との間に隙間が生じるように本体部411,431,441をそれぞれ固定する。
【0052】
これにより、気密材と加熱発泡材の間に隙間が形成されるので、気密材を取付部に挿入するときに、気密材と加熱発泡材が接触して、挿入の障害となる事態を防止できる。また、加熱発泡材の一部が枠体から剥がれたとしても本体部によって受け止められるので、加熱発泡材が完全に脱落してしまうこともない。
【0053】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0054】
上記実施形態では、上側気密材41、吊元側気密材43及び戸先側気密材44がカバー部414,434,444をそれぞれ有する構成であるが、気密材の形状は上記実施形態の構成に限定されない。例えば、カバー部414,434,444を省略することができる。カバー部を省略しても、加熱発泡材は気密材の裏側に位置しているため、加熱発泡材を外部から見え難くすることができる。また、締結部材としてのビス65を省略して気密材と加熱発泡材の隙間をより小さくしたり、場合によっては気密材と加熱発泡材の一部又は全部を接触させる構成としたりすることもできる。
【符号の説明】
【0055】
1 建具
10 戸体(障子)
30 枠体
41 上側気密材(気密材)
43 吊元側気密材(気密材)
44 戸先側気密材(気密材)
61 上側加熱発泡材(加熱発泡材)
63 吊元側加熱発泡材(加熱発泡材)
64 戸先側加熱発泡材(加熱発泡材)
411,431,441 本体部
414,434,444 カバー部
51 上側取付部(取付部)
53 吊元側取付部(取付部)
54 戸先側取付部(取付部)