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▶ エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフトの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】自動実験室システム用のモジュール
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20220425BHJP
【FI】
G01N35/00 E
【請求項の数】 21
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021087734
(22)【出願日】2021-05-25
(65)【公開番号】P2021189180
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2021-05-25
(31)【優先権主張番号】20177378.5
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン-ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クラウディオ チェルビーニ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ドレクスラー
(72)【発明者】
【氏名】レト ヒューサー
(72)【発明者】
【氏名】イヴァン ハインツァー
【審査官】野田 華代
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0229763(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0237675(US,A1)
【文献】特開2005-292138(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0129242(KR,A)
【文献】特開2020-73891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動実験室システム(100)用のモジュール(106)であって、
前記自動実験室システム(100)の構成要素(106、108)に解放可能に接続するように構成されたモジュールコネクタ(120)と、
前記モジュール(106)の実際の位置を示す前記モジュール(106)の位置データを取得するために、前記構成要素(106、108)に配置された少なくとも1つの構成要素マーカ(148)を検出するように少なくとも構成された検出器(146)と
前記位置データに基づいて、前記構成要素(106、108)によって画定される目標位置からの前記モジュール(106)の位置ズレを計算し、かつ前記位置ズレに基づいて位置アライメントデータを計算するように構成されたプロセッサ(156)と、
前記位置アライメントデータに基づいて前記モジュール(106)を前記目標位置に位置合わせするように構成された位置合わせ装置(164)と、
を備える、モジュール(106)。
【請求項2】
前記位置データが、前記モジュール(106)の水平および/または垂直位置に関する情報を含む、請求項1に記載のモジュール(106)。
【請求項3】
前記検出器(146)がカメラである、請求項1または2に記載のモジュール(106)。
【請求項4】
前記検出器(146)が、前記モジュール(106)に配置された少なくとも1つのモジュールマーカ(150)を検出するようにさらに構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のモジュール(106)。
【請求項5】
前記構成要素マーカ(148)および前記モジュールマーカ(150)が、前記構成要素マーカ(148)および前記モジュールマーカ(150)が前記検出器(146)によって同時に検出可能であるように配置される、請求項に記載のモジュール(106)。
【請求項6】
前記構成要素マーカ(148)および前記モジュールマーカ(150)が、それぞれ、所定の寸法および向きを有する、請求項またはに記載のモジュール(106)。
【請求項7】
前記構成要素マーカ(148)が、構成要素座標系(152)を提供するように構成され、前記モジュールマーカ(150)が、モジュール座標系(154)を提供するように構成され、前記プロセッサ(156)が、前記構成要素座標系(152)と前記モジュール座標系(154)との間の相対距離に基づいて、前記目標位置からの前記モジュール(106)の前記位置ズレを計算するように構成される、請求項のいずれか一項に記載のモジュール(106)。
【請求項8】
前記構成要素マーカ(148)および前記モジュールマーカ(150)が、前記検出器(146)のin-situ較正を可能にするように構成される、請求項のいずれか一項に記載のモジュール(106)。
【請求項9】
前記構成要素に対する相対的な垂直位置を判定するように構成された距離センサ(166)をさらに備える、請求項1~のいずれか一項に記載のモジュール(106)。
【請求項10】
前記距離センサ(166)が、所定のモジュール平面からの前記構成要素における基準点の距離に基づいて前記相対的な垂直位置を判定するように構成される、請求項に記載のモジュール(106)。
【請求項11】
前記プロセッサ(156)が、アルゴリズムによって前記位置ズレを計算するように構成される、請求項1~10のいずれか一項に記載のモジュール(106)。
【請求項12】
分析機器(104)をさらに備え、前記位置合わせ装置(164)が、前記位置アライメントデータに基づいて前記分析機器(104)を前記目標位置に位置合わせするように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のモジュール(106)。
【請求項13】
前記位置合わせ装置(164)が、前記分析機器(104)を三次元空間内で移動させるように構成されている、請求項12に記載のモジュール(106)。
【請求項14】
前記目標位置が、前記構成要素の基準面の基準点または基準面内の基準点によって画定される、請求項1~13のいずれか一項に記載のモジュール(106)。
【請求項15】
前記構成要素が、前記自動実験室システム(100)の搬送ライン(108)であるか、または前記自動実験室システム(100)のさらなるモジュール(106)である、請求項1~14のいずれか一項に記載のモジュール(106)。
【請求項16】
前記目標位置が、前記搬送ライン(108)の搬送面(160)の点もしくは搬送面(160)内の点または前記さらなるモジュール(106)のハンドリング面(160)の点もしくはハンドリング面(160)内の点によって画定される、請求項15に記載のモジュール(106)。
【請求項17】
前記モジュールコネクタ(120)が、前記構成要素の支持部(124)と係合するように構成された係合部材(122)を備える、請求項1~16のいずれか一項に記載のモジュール(106)。
【請求項18】
前記支持部が、梁またはトラスである、請求項17に記載のモジュール(106)。
【請求項19】
前記構成要素(106、108)の構成要素突出部(134)を受け入れるように構成された送り込み部(132)をさらに備えるか、または前記構成要素(106、108)の構成要素送り込み部に挿入されるように構成されたモジュール突出部をさらに備える、請求項1~18のいずれか一項に記載のモジュール(106)。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載のモジュール(106)を位置合わせするための方法であって、
前記自動実験室システム(100)の構成要素に、前記モジュール(106)を解放可能に接続することと
前記モジュール(106)の実際の位置を示す前記モジュール(106)の位置データを取得するために、前記構成要素に配置された少なくとも1つの構成要素マーカ(148)を検出することと、
前記位置データに基づいて、前記構成要素によって画定された目標位置からの前記モジュール(106)の位置ズレを計算し、かつ前記位置ズレに基づいて位置アライメントデータを計算することと、
前記位置アライメントデータに基づいて前記モジュール(106)を前記目標位置に位置合わせすることと、
を含む、方法。
【請求項21】
前記モジュール(106)を解放可能に接続することが、前記構成要素に対する前記モジュール(106)の大まかな位置合わせを提供する、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動実験室システム用のモジュール、自動実験室システム、およびモジュールを位置合わせするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多様な自動化された装置の導入により、医療分野における検査業務の省力化が進められている。例えば、病院での検査のために、入院患者および外来患者の試料は、病院のいくつかの区画から収集され、検査室でまとめて処理される。各試料の検査項目は、オンライン情報処理システムを用いて医師から診察室に送られる。次いで、検査結果は、検査室から医師にオンラインで報告される。血液や尿に関する検査項目の多くは、遠心処理、開栓、分注などの検査のための前処理を行う必要がある。そのような前処理作業には、総検査作業時間に相当の時間を要する。
【0003】
次に、一般的な自動試料検査システムで行われる処理の流れについて説明する。患者から採取した血液などの体液を保持する試験管などの容器は、容器キャリアに保持される。そのような容器キャリアは、例えば欧州特許第2907576号明細書、国際公開第2016/012517号パンフレットまたは米国特許第5651941号明細書において公知であり、記載されている。試験管などの容器を保持する容器キャリアは、一般的な自動試料試験システムに装填される。試料の種類が認識されるように、装填された試料のバーコード情報がシステムで読み取られる。上述したように、検査工程の前処理として、遠心処理、開栓、分注などが行われる。
【0004】
前処理の内容は、サンプルの種類によって異なり、例えば尿検査や血液試料の場合、必ずしも遠心処理を行う必要はない。遠心分離を行うべき試料種は、遠心分離後に開栓及び分注を行う試料である。しかしながら、システム内での遠心分離を必要とせずに既に遠心分離されている試料も到達する可能性があるが、他の前処理ステップが必要である。通常、アリコートとして知られている分注プロセスは、親試料から子試料が生成されるプロセスである。例えば、分配された子試料は、システムにオンラインで接続された複数の分析装置に同時に搬送されることができる。全ての処理が完了した試料は、貯蔵モジュールに貯蔵される。
【0005】
自動試料試験システムは、数百から数千の試料が1日またはさらには1時間に処理される比較的大きな施設に導入される。このような大型施設では、生化学検査、免疫検査、凝固検査、血液検査などの複数の検査のために、1人の患者から多くの試料が採取される。そのため、自動試料検査システムに搭載するためには、数百から数千人の患者のための試料キャリアの数が必要であり、したがって、そのような試料検査システムを設置するためのスペースが必要である。
【0006】
現代の自動化された統合実験室ソリューションは、通常、バックボーンとして試料管用の搬送システムを有する。試料管は、単一の管キャリアまたはラックを使用して搬送されることができる。事前/事後分析または分析機能を有する、以下モジュールとも呼ばれる個々のモジュール式システム構成要素は、搬送バックボーンに取り付けられる。位置は、定義されたグリッドに対応して正確に定義されるが、必要に応じて再配置または再構成可能に柔軟でなければならない。以下ではモジュールとも呼ばれるそのようなモジュール式システム構成要素は、米国特許出願公開第2006/229763号明細書などから周知である。
【0007】
そのようなモジュールの設置は、妥当な時間内に行われるべきである。サービスおよび保守のために、搬送システムからモジュールを一時的に切り離して取り外すことが必要な場合がある。これは、モジュール内または搬送システムの部品が、到達範囲が許容範囲外であるために、前方からも後方からもアクセスできない場合に当てはまる。これは、モジュールの深さまたは搬送システムの幅が許容範囲を超える場合に特に当てはまる。モジュール式システム構成要素を交換するために取り外す必要がある場合にも、切り離しが必要になる可能性がある。モジュールの取り外しは、理想的には、隣接する構成要素を取り外すことなく実現可能であるべきである。
【0008】
搬送システムに対するモジュールの交換および位置決めは非常に複雑であり、高精度で行われなければならない。現在、これは、非常に時間のかかるプロセスであるか、またはシステムの追加部分を取り外さなければならない場合には実用的ではない。純粋に機械的なソリューションは、再現性の高い事前またはコース位置決めを可能にするが、これらの方法は、手動の位置合わせなしに非常に高い精度を提供することはできず、例えば、経時的な機械的または熱的ドリフトまたは地面の動き(セトリングなどによるフロアレベル内のシフト)に起因するシステムの変化に反応することはできない。
【発明の概要】
【0009】
開示されたモジュールおよび自動実験室システムの実施形態は、モジュール式システム構成要素またはモジュールを高い精度および精度で搬送システムまたは別のモジュール式システム構成要素またはモジュールに位置合わせさせるための標準化されたインターフェースを提供することを目的とする。
【0010】
開示されたモジュール、自動実験室システムおよび方法の実施形態は、独立請求項の特徴を有する。単独で、または任意の組み合わせで実現されることができる有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0011】
以下において使用されるように、用語「有する」、「備える」もしくは「含む」またはそれらの任意の文法上の変形は、非排他的な方法で使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入される特徴に加えて、この文脈で説明されているエンティティにさらなる特徴が存在しない状況と、1つ以上の追加の特徴が存在する状況との双方を指す場合がある。例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」および「AはBを含む」という表現は、双方とも、B以外に、他の要素がAに存在しない状況(すなわち、Aが単独で且つ排他的にBからなる状況)、および、B以外に、要素C、要素CおよびD、さらにはさらなる要素など、1つ以上のさらなる要素がエンティティAに存在する状況を指す場合がある。
【0012】
さらに、特徴または要素が1回以上存在することができることを示す「少なくとも1つ」、「1つ以上」という用語または同様の表現は、通常、それぞれの特徴または要素を導入するときに一度だけ使用されることに留意されたい。以下では、ほとんどの場合、それぞれの特徴または要素を指すとき、それぞれの特徴または要素が1回または1回以上存在することができるという事実にもかかわらず、「少なくとも1つ」または「1つ以上」という表現は繰り返されない。
【0013】
さらに、以下において使用されるように、用語「好ましくは」、「より好ましくは」、「特に」、「より特に」、「具体的に」、「より具体的に」または同様の用語は、代替の可能性を制限することなく、任意の特徴と併せて使用される。したがって、これらの用語によって導入される特徴は、任意の特徴であり、決して特許請求の範囲を制限することを意図したものではない。本発明は、当業者が認識するように、代替の特徴を使用することによって実施されることができる。同様に、「本発明の実施形態において」または同様の表現によって導入される特徴は、本発明の代替の実施形態に関する制限がなく、本発明の範囲に関する制限がなく、およびそのような方法で導入された特徴を、本発明の他の任意または非任意の特徴と組み合わせる可能性に関する制限がない任意の特徴であることを意図する。
【0014】
第1の態様によれば、本開示は、自動実験室システム用のモジュールを提供する。モジュールは、自動実験室システムの構成要素に解放可能に接続するように構成されたモジュールコネクタを備える。モジュールは、モジュールの実際の位置を示すモジュールの位置データを取得するために、構成要素に配置された少なくとも1つの構成要素マーカを検出するように少なくとも構成された検出器をさらに備える。モジュールは、位置データに基づいて構成要素によって画定された目標位置からのモジュールの位置ズレを計算し、かつ位置ズレに基づいて位置アライメントデータを計算するように構成されたプロセッサをさらに備える。モジュールは、位置アライメントデータに基づいてモジュールを目標位置に位置合わせするように構成された位置合わせ装置をさらに備える。
【0015】
したがって、モジュールは、モジュールコネクタによって、自動実験室システムの別のモジュールまたは搬送ラインなどの構成要素に着脱可能に接続されることができる。モジュールコネクタは、部品からのモジュールの意図しない分離を防止する。検出器は、接続されることが意図されている構成要素に対するモジュールの位置を判定することを可能にする。したがって、結合プロセスは、連続的且つ確実に観察されることができる。プロセッサは、モジュールの実際の位置を目標位置と比較し、この比較の結果を位置合わせ装置に出力する。したがって、モジュールの実際の位置および/またはその機能構成要素の動作範囲の補正および/または適合は、位置合わせ装置によって実現されることができる。例えば、モジュールまたは機能ユニットの向きまたは位置は、実際の位置が目標位置と一致するまで調整または変更されることができる。さらなる例として、モジュールは、試料を取り扱うために使用される機能構成要素として、ロボットアーム、2軸または3軸ガントリなどを備えることができる。この場合、ロボットアームの動作範囲は、ロボットアームの適切な操作性を可能にするように、位置合わせ装置によって調整されることができる。
【0016】
検出器は、モジュールに配置された少なくとも1つのモジュールマーカを検出するようにさらに構成され得る。この構成により、in-situ較正を実現することができるため、検出器の正確な位置合わせおよび較正なしでモジュールの相対的な位置合わせを行うことが可能である。較正のために、検出器が設置されているモジュール上のモジュールマーカまたは他の構成要素の構成要素マーカのいずれかが使用されることができる。
【0017】
モジュールマーカの種類、大きさおよび/または数は、構成要素マーカの種類と同一であってもよいし、異なっていてもよい。したがって、意図される用途に応じて、同じまたは異なる種類のマーカ、ならびに同じ種類のマーカであるが異なる数のマーカが適用されることができる。したがって、基本的に、利用可能な空間およびそれぞれの用途に応じて広範囲のマーカが使用されることができる。
【0018】
構成要素マーカおよびモジュールマーカは、構成要素マーカおよびモジュールマーカが検出器によって同時に検出可能であるように配置されることができる。したがって、双方のマーカは、単一の視野または検出範囲で検出されることができ、検出精度を向上させる。
【0019】
構成要素マーカおよびモジュールマーカは、それぞれ、所定の寸法および向きを有することができる。したがって、寸法および向きは、意図された用途および利用可能な空間に適合させることができる。
【0020】
構成要素マーカは、構成要素座標系を提供するように構成され得、モジュールマーカは、モジュール座標系を提供するように構成され得る。プロセッサは、構成要素座標系とモジュール座標系との間の相対距離に基づいて、目標位置からのモジュールの位置ズレを計算するように構成され得る。これにより、座標系の画像などのデジタル検出結果を取得することができ、モジュールおよび構成要素の2つの座標系間の相対距離および位置合わせを計算することができる。これは、位置合わせ装置に入力される位置補正に変換されることができる。
【0021】
構成要素マーカおよびモジュールマーカは、検出器のin-situ較正を可能にするように構成され得る。したがって、画像の歪みの計算および較正をその場で行うことができるため、位置補正の計算結果は、検出器の位置および位置合わせとは無関係である。例えば、ArUcoマーカと較正パターンとの組み合わせを使用して、ランドマークと表面との間の相対距離を判定することのみ要求される。検出器の複雑な位置合わせは必要なく、ランドマークおよび較正パターンのみが検出器の視野内にある必要がある。
【0022】
位置データは、モジュールの水平および/または垂直位置に関する情報を含み得る。したがって、モジュールの向きは、三次元空間内で判定されることができる。
【0023】
検出器は、カメラとすることができる。したがって、かなり費用効率の高い検出装置が使用されることができる。
【0024】
モジュールは、さらに、構成要素に対する相対的な垂直位置を判定するように構成された距離センサを備えることができる。
【0025】
距離センサは、所定のモジュール平面からの構成要素における基準点の距離に基づいて相対的な垂直位置を判定するように構成され得る。所定のモジュール平面は、モジュールのハンドリング面とすることができる。この検出器は、モジュールのハンドリング面などの構成要素からモジュールまでの基準点間の相対的な垂直位置を判定する。距離センサは、距離を検出するのに適した任意の種類のセンサ、例えば、光学式、容量抵抗式、電気機械式または機械式の距離センサとすることができる。非網羅的な例は、ダイヤルゲージ、位置センサ、変位センサ、または電気信号として長手方向寸法または角度位置を提供するように構成された任意の他のセンサである。信号は、抵抗などのアナログ、またはインクリメンタルエンコーダなどのデジタルであってもよい。
【0026】
プロセッサは、アルゴリズムによって位置ズレを計算するように構成され得る。したがって、アルゴリズムを適用して、検出器によって生成された画像を分析し、モジュールと構成要素との間の相対距離および位置合わせを計算することができる。これは、モジュールの精密位置合わせ装置に入力される位置補正に変換される。
【0027】
モジュールは、さらに、分析機器を備えることができ、位置合わせ装置は、位置アライメントデータに基づいて分析機器を目標位置に位置合わせするように構成され得る。したがって、精密な位置合わせは、分析機器の向きを僅かに適合させることによって実現されることができる。
【0028】
位置合わせ装置は、三次元空間内で分析機器を移動させるように構成され得る。したがって、分析機器の向きは、互いに垂直な少なくとも3つの方向内で変化させることができる。
【0029】
目標位置は、構成要素の基準面の基準点または基準面内の基準点によって画定され得る。基準面の基準点または基準面内の基準点は、座標系、そのような座標系内の平面、または基準面内の点などの既知の位置とすることができる。さらに、所与の三次元空間内の基準面の向きが既知である場合、基準面に対する位置の判定が可能である。したがって、相対的な向きは、モジュールの位置合わせを容易にする所与の平面にしたがって定義されることができる。
【0030】
構成要素は、自動実験室システムの搬送ラインまたは自動実験室システムのさらなるモジュールとすることができる。したがって、モジュールは、異なる構成要素に接続されることができる。
【0031】
目標位置は、搬送ラインの搬送面の点もしくは搬送面内の点の既知の位置またはさらなるモジュールのハンドリング面の点もしくはハンドリング面内の点の既知の位置によって定義されることができる。したがって、目標位置は、この表面または平面に位置する既知の基準位置によって定義されることができる。さらに、所与の三次元空間内の搬送面またはハンドリング面の向きが既知である場合、搬送面またはハンドリング面に対する位置の判定が可能である。
【0032】
モジュールコネクタは、構成要素の支持部、特に梁またはトラスに係合するように構成された係合部材を備えることができる。したがって、モジュールは、構成要素に確実且つ安全に接続されることができる。さらに、係合部材は、モジュールの粗い位置合わせを提供する。
【0033】
係合部材は、構成要素の支持部に引っ掛かるように構成されたフック状突出部を備えることができる。したがって、意図しないモジュールの構成要素からの離脱が確実に防止される。
【0034】
係合部材は、構成要素に接続された状態におけるモジュールの上下位置が支持部によって画定されるように、モジュールにおける位置に配置されることができる。したがって、モジュールは、構成要素にしたがって垂直に位置決めされることができる。さらに、モジュールの傾斜および/または垂直軸を中心としたモジュールの回動が実現される。
【0035】
モジュールは、さらに、構成要素の構成要素突出部を受け入れるように構成された送り込み部を備えることができる。これは、構成要素へのモジュールの信頼性が高く安全な結合を可能にし、モジュールの粗い位置合わせを提供する。あるいは、モジュールは、さらに、構成要素の構成要素送り込み部に挿入されるように構成されたモジュール突出部を備えてもよい。
【0036】
送り込みは、構成要素に接続された状態のモジュールの水平位置が構成要素突出部によって画定されるように、モジュールの位置に配置されることができる。したがって、送り込み部と構成要素突出部との協働は、モジュールの粗い水平方向の位置合わせを提供する。
【0037】
構成要素突出部は、実質的に楔形に形成されることができる。したがって、構成要素突出部に沿ってモジュールをさらに移動させるときに、構成要素に対するモジュールの傾斜した向きさえも補正されるため、水平方向の位置合わせが容易になる。
【0038】
代替的にまたは追加的に、モジュールを垂直方向および横方向に案内するように構成されたモジュールまたは構成要素に、丸み、切り詰め、または面取りを有するピンまたはコーンが設けられることができる。
【0039】
3つの先行する実施形態のいずれかに記載のモジュールにおいて、送り込み部は、構成要素突出部の横方向外面に係合するように構成された案内面を備える。したがって、モジュールは、構成要素突出部の最終位置に安全に案内される。
【0040】
モジュールは、互いに独立して調整可能であり、モジュールの垂直方向を画定するように構成されたポストをさらに備えることができる。したがって、モジュールの水平レベルが調整されることができる。さらに、モジュールは、床から切り離されるように持ち上げられた位置に固定されることができる。これにより、分析機器への振動の進行が低減、さらには防止される。
【0041】
モジュールは、キャスタ、特に旋回キャスタをさらに備えることができる。したがって、モジュールは、容易に移動されることができる。
【0042】
モジュールは、さらに、モジュールを少なくとも部分的に持ち上げるように構成された持ち上げ機構を備えることができる。したがって、モジュールは、結合および分離プロセスのために昇降されることができる。もちろん、モジュールは、昇降台などの外部の昇降装置を用いて持ち上げられてもよい。
【0043】
モジュールは、さらに、分析機器を支持するように構成されたフレームを備えることができる。したがって、分析機器は、フレームによって支持される。
【0044】
第2の態様によれば、本開示は、搬送ラインと、上述した詳細にかかる少なくとも1つのモジュールとを備える自動実験室システムを提供する。
【0045】
第3の態様によれば、本開示は、上述した詳細にかかるモジュールを位置合わせするための方法を提供する。本方法は、以下のステップを備える。
モジュールを自動実験室システムの構成要素に解放可能に接続するステップ、
モジュールの実際の位置を示すモジュールの位置データを取得するために、構成要素に配置された少なくとも1つの構成要素マーカを検出するステップ、
位置データおよび位置ズレに基づく位置アライメントデータに基づいて、構成要素により画定された目標位置からのモジュールの位置ズレを計算するステップ、および
位置アライメントデータに基づいて、モジュールを目標位置に位置合わせするステップ。
【0046】
したがって、構成要素に対するモジュールの自動化された精密な位置合わせが提供される。
【0047】
モジュールを自動実験室システムの構成要素に解放可能に接続することは、構成要素に対するモジュールの大まかなまたは粗い位置合わせを提供することができる。したがって、本方法は、少なくとも1つの検出器および所定のマークに基づく自動精密位置合わせを備え、これは、任意選択的に、モジュールを構成要素に結合するときに同時に生じるモジュールの手動粗位置合わせなどの粗い位置合わせと組み合わせることができる。精密位置合わせの方法は、平面(前後左右)および垂直(上下)の位置判定を含む(機械的)位置合わせ手段を使用する。
【0048】
自動位置合わせ概念の記載された方法は、搬送システムに対するモジュール式システム構成要素の相対的且つ絶対的な位置合わせを可能にする。数分以内のモジュール式システム構成要素の迅速な接続および切り離しによって、保守性およびアクセス性が保証される。
【0049】
さらに、この方法は、例えば床面内の熱シフトまたは沈降に起因する、例えば押しまたは引っ張りまたは地面の動きに起因するドリフトおよび熱膨張または他の影響を補償する能力を有する位置合わせの連続的な監視を可能にする。
【0050】
in situ較正に点較正パターンを使用することにより、画像歪みの計算および較正をその場で行うことができるため、位置補正のための計算結果は、検出器またはカメラの位置および位置合わせとは無関係である。ArUcoマーカと較正パターンとの組み合わせを使用して、ランドマークと表面との間の相対距離を判定することのみ要求される。検出器またはカメラの複雑な位置合わせは必要ではなく、ランドマークおよび較正パターンのみが検出範囲またはカメラの視野内にある必要がある。検出器またはカメラは、モジュール式システム構成要素に取り付けられてもよく、モジュール式システム構成要素に取り付けられている場合には、モジュール式システム構成要素または搬送システムの一部であってもよい。さらにまた、検出器またはカメラは、ポータブルとすることができ、接続プロセス中にのみ設置されることができる。
【0051】
本明細書で使用される「自動実験室システム」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、異なる分析機器によってランダムフローで様々な試料を処理するためのロボットシステムを指すことができる。そのようなロボットシステムは、マイクロタイタープレート、フィルタープレート、ピペットチップボックス、試料管、キャップなどの実験器具を使用して試料を処理する方法を含む。自動実験室システムは、中央バックボーンと、バックボーンに結合された着脱可能モジュールの配置とからなるモジュール式アーキテクチャを有する。自動実験室システムの構造は、バックボーンの両側へのモジュールの取り付けを容易にすることができ、これは、片側または両側ロボットシステムを構築することができることを意味する。
【0052】
本明細書で使用される「モジュール」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、自動実験室システムによって処理された試料に対して特定の操作を、好ましくは連続して行うための分析機器を担持するように構成された自動実験室システムの個々のモジュール式システム構成要素を指すことができる。分析機器は、モジュールの天板上、テーブルの下、または天板の上のレベルに取り付けられることができる。好ましくは、モジュールは、分析機器を備えた自己完結型処理ユニットを表し、モジュール式且つ交換可能な方法で自動化実験室システムの中央バックボーンに接続可能である。
【0053】
本明細書で使用される「分析機器」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、1つ以上の生体試料および/または試薬に対して1つ以上の処理ステップ/ワークフローステップを実行するように動作可能な任意の装置または装置構成要素を指すことができる。これにより、「処理ステップ」という用語は、遠心分離、分注、試料分析などの物理的に実行される処理ステップを指す。「分析機器」という用語は、分析前試料作業セル、分析後試料作業セル、および分析作業セルも包含する。
【0054】
本明細書で使用される「構成要素」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、モジュールが結合される任意の装置を指すことができる。この用語は、具体的には、自動実験室システムの個々のモジュール式システム構成要素、または自動実験室システムのバックボーンを表す搬送ラインを指すことができる。
【0055】
本明細書で使用される「実験室診断容器」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、分析の分野、より具体的には医学的分析の分野において試料または試薬を貯蔵するのに適した任意の種類の容器を指すことができる。そのような容器は、通常、管として設計される。
【0056】
本明細書で使用される「実験室診断容器キャリア」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、1つ以上の実験室診断容器を保持し、搬送または搬送ラインを介して供給されるように構成された任意の装置を指すことができる。したがって、容器キャリアは、単一の実験室診断容器を受け入れるのに適した単一の容器キャリアまたは複数の容器を受け入れるのに適したラックとして構成され得る。いかなる制限もなく、特定の実施形態は、いわゆる試験管ホルダを参照して説明される。そのような試験管ホルダは、試料または試薬を含む1つの単一の試験管を保持し、コンベアまたは搬送ラインを介して自動試料試験システムなどの自動実験室システムの異なるモジュールに試験管を搬送することができる。試験管ホルダは、試験管を固定するためのバネ付きハウジングと、試験管ホルダ本体ハウジングと、底蓋ハウジングとを備える。この試験管固定用のバネ付きハウジングは、その中心部が試験管の挿入を許容するように丸みを帯びて穿設された円柱状の構造を有しており、上方に向けて延在する凸部の内側にバネ部が設けられている。なお、バネ付きハウジングは、通常、円柱状を有するが、ハウジングが等距離または等角度に設けられたバネ部によって試験管を垂直に保持することができる限り任意の形状を有することができ、ハウジングの外形は、多角柱状とすることができることに留意されたい。試験管ホルダ本体ハウジングは、円筒状を有し、内部に空洞部を有することが望ましい。空洞部には、ユニークなID番号のタグ、試験管を安定して搬送するための重りなどが収容されている。また、試験管ホルダ本体ハウジングおよび底蓋ハウジングの外径は、搬送される試験管よりも大きく、コンベアラインの幅よりも小さい。なお、試験管ホルダ本体ハウジングおよび底蓋ハウジングの形状は、例えば多角形状であってもよいことに留意されたい。その場合でも、断面方向の最大長さは、コンベアや搬送ラインの幅よりも小さいことが望ましい。本発明とともに使用されることができる特定の試験管ホルダは、欧州特許出願公開第2 902 790号明細書に記載されており、容器キャリアの設計または構造に関するその内容は、参照により本出願に組み込まれる。
【0057】
本明細書で使用される「モジュールコネクタ」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、モジュールを自動実験室システムの別の構成要素に結合することを可能にするように構成された任意の装置を指すことができる。特に、モジュールコネクタは、ツールを使用することによって、またはツールなしで、結合された構成要素を破壊することなく結合を解放することを可能にする。具体的には、コネクタは、解放可能な接続を提供することを可能にするヒッチ、ラッチ、フック、カプラなどとすることができるか、またはそれらを含むことができる。
【0058】
本明細書で使用される「解放可能に接続する」または「解放可能に接続している」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、可逆的なタイプの接続を指すことができる。したがって、接続は、任意の回数繰り返すことができる接続の結合または接続および解放のプロセスを含むことができる。
【0059】
本明細書で使用される「検出器」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、その環境内のイベントまたは変化を検出し、他の電子機器、しばしばコンピュータプロセッサに情報を送信するように構成された装置、モジュール、機械、またはサブシステムを指すことができる。検出器は、通常、他の電子機器とともに使用される。特に、検出器は、マーカなどの情報担体の存在によって提供される情報を検出または読み取るように構成される。より具体的には、検出器は、マーカを撮像してデジタル画像を提供するように構成される。
【0060】
本明細書で使用される「マーカ」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、それが取り付けられる物品に関する情報を含むことができる機械可読光学ラベルを指すことができる。特に、情報は、物品の有無の検出を可能にするように、それが取り付けられている物品の識別情報とすることができる。これは、マーカとして機能する特定のパターンによって実現されることができる。もちろん、情報は、種類、サイズ、製造日などの物品の識別情報に関してさらに詳細であってもよい。特に、ターゲットには、既知のサイズの既知のパターンを形成するマーカが取り付けられる。可視光または赤外光(能動的および受動的)などの光源、QRコード(またはそれらは円形とすることができる)のような可視マーカは、通常、光学追跡のためのマーカとして機能する。カメラまたは複数のカメラは、常にマーカを探し、次に様々なアルゴリズム(例えば、POSITアルゴリズム)を使用してマーカからオブジェクトの位置を抽出する。そのようなアルゴリズムはまた、マーカのうちの1つ以上がカメラビューの外側にあるか、または一時的に遮られている場合に、欠落データに対処しなければならない。マーカは、能動的または受動的とすることができる。前者は、典型的には、常時周期的に点滅または発光する赤外線光である。それらがオンである時間をカメラと同期させることによって、追跡領域内の他のIR光を遮断することがより容易になる。後者は、IR光をほぼ散乱することなく光源に向けて反射するレトロリフレクタである。
【0061】
本明細書で使用される「プロセッサ」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、いくつかの外部データソース、通常はメモリまたはいくつかの他のデータストリームに対して動作を実行する電子回路を指すことができる。この用語は、システム内の中央処理装置(中央処理ユニット)を指すために頻繁に使用されるが、典型的なコンピュータシステム(特にSoC)は、いくつかの特殊な「プロセッサ」を組み合わせたものである。
【0062】
本明細書で使用される「計算」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、1つ以上の入力を1つ以上の結果に変換する意図的なプロセスを指すことができる。この用語は、アルゴリズムを使用することによる明確な算術計算を説明するために使用される。
【0063】
本明細書で使用される「アルゴリズム」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、典型的には問題のクラスを解決するため、または計算を実行するための、明確に定義されたコンピュータ実行可能な命令の有限シーケンスを指すことができる。アルゴリズムは、常に明確であり、計算、データ処理、自動推論、および他のタスクを実行するための仕様として使用される。有効な方法として、有限の空間および時間内で、関数を計算するための明確に定義された形式言語でアルゴリズムを表現することができる。初期状態および初期入力(おそらく空)から開始して、命令は、実行されると、有限数の明確に定義された連続状態を通って進み、最終的に「出力」を生成し、最終的な終了状態で終了する計算を記述する。ある状態から次の状態への遷移は、必ずしも判定論的ではない。ランダム化アルゴリズムとして知られるいくつかのアルゴリズムは、ランダム入力を組み込んでいる。
【0064】
本明細書で使用される「位置合わせ」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、三次元空間内の所定の向きにしたがって構造部材または装置を配置するプロセスを指すことができる。所定の向きは、基準として機能する別の装置によって与えられてもよい。したがって、装置は、位置合わせされる装置の目標位置を定義する基準にしたがって配置される。さらに、この用語はまた、モジュールならびに潜在的なロボットアームまたは任意の他のハンドリング装置などのその機能的構成要素の動作範囲の調整を指す。したがって、モジュールの機能構成要素は、障害物なしで動作するように、または障害物のサイズもしくは数を最小限に抑えて動作するように、その動作範囲内で調整されることができる。
【0065】
本明細書で使用される「位置合わせ装置」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、上述したような位置合わせを提供または実行するように構成された任意の装置を指すことができる。したがって、位置合わせ装置は、機械的および/または電気的位置合わせ装置であってもよい。
【0066】
本明細書で使用される「座標系」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、ユークリッド空間などの多様体上の点または他の幾何学的要素の位置を一意に判定するために、1つ以上の数または座標を使用する系を指すことができる。座標の順序は重要であり、「x座標」のように、順序付きタプル内の位置によって識別されるときもあり、文字によって識別されるときもある。座標は、基本数学では実数とされるが、複素数であってもよいし、可換環などのより抽象的な系の要素であってもよい。座標系の使用は、幾何学的形状の問題を数に関する問題に変換することを可能にし、その逆も可能である。この用語は、具体的には、同じ長さ単位で測定された2つの固定された垂直配向線からの点までの符号付き距離である数値座標のセットによって平面内の各点を一意に指定する座標系である三次元直交座標系などの直交座標系を指すことができる。各基準線は、システムの座標軸または単に軸(複数の軸)と呼ばれ、それらが交わる点は、順序付けられた対(0,0)におけるその原点である。座標はまた、原点からの符号付き距離として表される、2つの軸上への点の垂直投影の位置として定義されることもできる。
【0067】
本明細書で使用される「垂直」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、重力方向に平行な向きを指すことができる。
【0068】
本明細書で使用される「水平」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、重力方向に垂直な向きを指すことができる。
【0069】
本明細書で使用される「距離センサ」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、基準点からのオブジェクトの距離または長さの変化の測定を容易にするセンサを指すことができる。結果は、機械的位置として出力されることができる。距離センサは、直線移動、回転角度、または三次元空間に関して、絶対位置(位置)または相対位置(変位)を示すことができる。一般的なタイプの距離センサは、容量性変位センサ、渦電流センサ、ホール効果センサ、誘導センサ、レーザドップラ振動計(光学)、線形可変差動変圧器(LVDT)、フォトダイオードアレイ、圧電トランスデューサ(圧電)、アブソリュートエンコーダ、インクリメンタルエンコーダ、リニアエンコーダ、ロータリーエンコーダ、ポテンショメータ、近接センサ(光学)、ストリングポテンショメータ(ストリングポテンショメータ、ストリングエンコーダ、ケーブル位置トランスデューサとしても知られている)、超音波センサ、およびカメラベースの距離センサなどの光学センサを含む。
【0070】
本明細書で使用される「ハンドリング面」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、試料のハンドリングが行われるモジュールの平面を指すことができる。ハンドリング面は、搬送ラインの搬送面など、モジュールが結合される構成要素の基準面への無段階の移行を提供するように意図されることができる。
【0071】
本明細書で使用される「係合部材」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、装置の一部を別の装置の一部に、または別の装置の一部に一体的に結合されるように適合させるように構成された任意の構造部材を指すことができる。係合は、ポジティブロックフィットとして実現されることができる。係合は、解放可能な結合として実現されることができる。
【0072】
本明細書で使用される「送り込み」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、双方の装置が互いに向かって移動され、結合されたときに別の装置の別の部分を受け入れるように構成された装置の任意の部分を指すことができる。特に、他の装置の他の部分は、送り込み部を有する装置に案内された動きを提供するように送り込み部に挿入されることができる。
【0073】
本明細書で使用される「楔形」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、楔のような形状を指すことができる。「楔」という用語は、テーパ形状を有するオブジェクトを指すことができる。より具体的には、オブジェクトは、1つの尖ったエッジおよび1つの厚いエッジを有するオブジェクトなどの実質的に三角形の形状を有することができる。
【0074】
本明細書で使用される「調整可能ポスト」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、その長さを変えることができるカラムを指すことができる。特に、ポストは、その最短長の約2倍まで機械的に伸縮することができるように設計されることができる。ポストは、粗調整用の取り外し可能なピンおよび微調整用のジャッキねじを使用することができるが、多くの変形形態が存在する。
【0075】
本明細書で使用される「キャスタ」という用語は、広義な用語であり、当業者にその通常の慣習的な意味を与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、より大きなオブジェクト「車両」の底部に取り付けられてそのオブジェクトを移動させることができるように設計された、駆動されていない、単一、二重、または複合車輪を指すことができる。それらは、様々なサイズで入手可能であり、一般に、ゴム、プラスチック、ナイロン、アルミニウム、またはステンレス鋼から作製されている。キャスタは、直線経路に沿って転動するように固定されてもよく、または車輪が進行方向に自動的に位置合わせするようにピボットまたはピントルに取り付けられてもよい。基本的な剛性キャスタは、固定フォークに取り付けられた車輪からなる。車両に対して固定されたフォークの向きは、キャスタが車両に取り付けられたときに決定される。剛性キャスタは、車両が直線に沿って走行するように車両運動を制限する傾向がある。より単純な剛性キャスタと同様に、旋回キャスタは、フォークに取り付けられた車輪を組み込んでいるが、フォークの上方の追加の旋回ジョイントは、フォークが約360°自由に回転することを可能にし、したがって車輪が任意の方向に転がることを可能にする。これは、車両の向きを変えることなく、車両を任意の方向に容易に移動させることを可能にする。
【0076】
プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されるときに、本明細書に含まれる1つ以上の実施形態において、本開示にかかる方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムがさらに開示および提案される。具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読データキャリアまたはサーバコンピュータに記憶されることができる。
【0077】
本明細書で使用される場合、「コンピュータ可読データキャリア」および「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、具体的には、コンピュータ実行可能命令が記憶されたハードウェア記憶媒体などの非一時的データ記憶手段を指すことができる。コンピュータ可読データキャリアまたは記憶媒体は、具体的には、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/または読み出し専用メモリ(ROM)などの記憶媒体とすることができるか、またはそれを含むことができる。
【0078】
したがって、具体的には、上述したような方法ステップa)からd)の1つ、2つ以上、または全ては、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用して、好ましくはコンピュータプログラムを使用して実行されることができる。
【0079】
プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されるときに、本明細書に含まれる1つまたは複数の実施形態において、本開示にかかる方法を実行するために、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品が本明細書にさらに開示および提案される。具体的には、プログラムコード手段は、コンピュータ可読データキャリアおよび/またはコンピュータ可読記憶媒体に記憶されることができる。
【0080】
データ構造が記憶されたデータキャリアが本明細書にさらに開示および提案されており、これは、コンピュータまたはコンピュータネットワークのワーキングメモリまたはメインメモリなどのコンピュータまたはコンピュータネットワークにロードした後、本明細書に開示される1つ以上の実施形態にかかる方法を実行することができる。
【0081】
プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されるときに、本明細書に含まれる1つまたは複数の実施形態による方法を実行するために、マシン可読キャリアに格納されたプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品が本明細書にさらに開示および提案される。本明細書で使用される場合、コンピュータプログラム製品は、取引可能な製品としてのプログラムを指す。製品は、一般に、紙のフォーマットなどの任意のフォーマットで、またはコンピュータ可読データキャリア上に存在する。具体的には、コンピュータプログラム製品は、データネットワークを介して配布されることができる。
【0082】
最後に、本明細書に開示される1つ以上の実施形態にかかる方法を実行するための、コンピュータシステムまたはコンピュータネットワークによって読み取り可能な命令を含む変調データ信号が本明細書にさらに開示および提案される。
【0083】
本開示のコンピュータ実施態様を参照すると、本明細書に開示される実施形態の1つ以上にかかる方法のうちの1つ以上の方法ステップまたは全ての方法ステップは、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用することによって実行されることができる。したがって、一般に、データの提供および/または操作を含む方法ステップのいずれかは、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用することによって実行されることができる。一般に、これらの方法ステップは、試料の提供および/または実際の測定を実行する特定の態様などの手作業を必要とする方法ステップを通常除いて、任意の方法ステップを含むことができる。
【0084】
具体的には、本明細書では、さらに以下が開示される。
プロセッサが、この記述で説明される実施形態のうちの1つにかかる方法を実行するように適合された少なくとも1つのプロセッサを備えるコンピュータまたはコンピュータネットワーク。
データ構造がコンピュータ上で実行されている間に、本明細書に記載された実施形態の1つにかかる方法を実行するように適合されたコンピュータロード可能データ構造。
プログラムがコンピュータ上で実行されている間に、この説明に記載された実施形態のうちの1つにかかる検出方法を実行するように適合されたコンピュータプログラム。
コンピュータプログラムがコンピュータ上またはコンピュータネットワーク上で実行されている間に、この説明に記載された実施形態の1つにかかる検出方法を実行するためのプログラム手段を備えるコンピュータプログラム。
プログラム手段がコンピュータが読み取り可能な記憶媒体上に記憶された、先行する実施形態にかかるプログラム手段を備えるコンピュータプログラム。
データ構造が記憶媒体に記憶され、データ構造がコンピュータまたはコンピュータネットワークのメイン記憶部および/またはワーキング記憶部にロードされた後、本明細書に記載された実施形態の1つにかかる方法を実行するように適合された、記憶媒体。
- コンピュータまたはコンピュータネットワーク上でプログラムコード手段が実行された場合に、この説明に記載された実施形態の1つにかかる方法を実行するために、プログラムコード手段が記憶されることができる、または記憶媒体上に記憶されることができる、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品。
【0085】
要約すると、さらに可能な実施形態を除外することなく、以下の実施形態が想定されることができる。
【0086】
実施形態1:自動実験室システム用のモジュールであって、
自動実験室システムの構成要素に解放可能に接続するように構成されたモジュールコネクタと、
モジュールの実際の位置を示すモジュールの位置データを取得するために、構成要素に配置された少なくとも1つの構成要素マーカを検出するように少なくとも構成された検出器と、
位置データに基づいて、構成要素によって画定される目標位置からのモジュールの位置ズレを計算し、かつ位置ズレに基づいて位置アライメントデータを計算するように構成されたプロセッサと、
位置アライメントデータに基づいて、モジュールまたはその機能ユニットを目標位置に位置合わせするように構成された位置合わせ装置と、を備える、モジュール。
【0087】
実施形態2:検出器が、モジュールに配置された少なくとも1つのモジュールマーカを検出するようにさらに構成される、先行する実施形態に記載のモジュール。
【0088】
実施形態3:モジュールマーカの種類、サイズおよび/または数が、構成要素マーカの種類と同一または異なる、先行する実施形態に記載のモジュール。
【0089】
実施形態4:構成要素マーカおよびモジュールマーカが、構成要素マーカおよびモジュールマーカが検出器によって同時に検出可能であるように配置される、2つの先行する実施形態のいずれかに記載のモジュール。
【0090】
実施形態5:構成要素マーカおよびモジュールマーカが、それぞれ、所定の寸法および向きを有する、3つの先行する実施形態のいずれかに記載のモジュール。
【0091】
実施形態6:構成要素マーカが、構成要素座標系を提供するように構成され、モジュールマーカが、モジュール座標系を提供するように構成され、プロセッサが、構成要素座標系とモジュール座標系との間の相対距離に基づいて目標位置からのモジュールの位置ズレを計算するように構成される、4つの先行する実施形態のいずれかに記載のモジュール。
【0092】
実施形態7:構成要素マーカおよびモジュールマーカが、検出器のin situ較正を可能にするように構成される、5つの先行する実施形態のいずれかに記載のモジュール。
【0093】
実施形態8:位置データが、モジュールの水平および/または垂直位置に関する情報を含む、任意の先行する実施形態に記載のモジュール。
【0094】
実施形態9:検出器がカメラである、任意の先行する実施形態に記載のモジュール。
【0095】
実施形態10:さらに、構成要素に対する相対的な垂直位置を判定するように構成された距離センサを備える、任意の先行する実施形態に記載のモジュール。
【0096】
実施形態11:距離センサが、所定のモジュール平面からの構成要素における基準点の距離に基づいて相対的な垂直位置を判定するように構成される、先行する実施形態に記載のモジュール。
【0097】
実施形態12:所定のモジュール平面が、モジュールのハンドリング面である、先行する実施形態に記載のモジュール。
【0098】
実施形態13:距離センサが、光学式、容量抵抗式、電気機械式または機械式の距離センサである、3つの先行する実施形態のいずれかに記載のモジュール。
【0099】
実施形態14:プロセッサが、アルゴリズムによって位置ズレを計算するように構成される、任意の先行する実施形態に記載のモジュール。
【0100】
実施形態15:さらに、分析機器を備え、位置合わせ装置が、位置アライメントデータに基づいて分析機器を目標位置に位置合わせするように構成される、任意の先行する実施形態に記載のモジュール。
【0101】
実施形態16:位置合わせ装置が、三次元空間内で分析機器を移動させるように構成される、先行する実施形態に記載のモジュール。
【0102】
実施形態17:目標位置が、構成要素の基準面の基準点または基準面内の基準点によって画定される、任意の先行する実施形態に記載のモジュール。
【0103】
実施形態18:構成要素が、自動実験室システムの搬送ラインまたは自動実験室システムのさらなるモジュールである、任意の先行する実施形態に記載のモジュール。
【0104】
実施形態19:目標位置が、搬送ラインの搬送面の点もしくは搬送面内の点によってまたは別のモジュールのハンドリング面の点もしくはハンドリング面内の点によって画定される、先行する実施形態に記載のモジュール。
【0105】
実施形態20:モジュールコネクタが、構成要素の支持部、特に梁またはトラスに係合するように構成された係合部材を備える、任意の先行する実施形態に記載のモジュール。
【0106】
実施形態21:係合部材が、構成要素の支持部に引っ掛かるように構成されたフック形状突出部を備える、先行する実施形態に記載のモジュール。
【0107】
実施形態22:係合部材が、構成要素に接続された状態のモジュールの垂直位置が支持部によって画定されるようなモジュールの位置に配置される、2つの先行する実施形態のいずれかに記載のモジュール。
【0108】
実施形態23:構成要素の構成要素突出部を受け入れるように構成された送り込み部をさらに備えるか、または構成要素の構成要素送り込み部に挿入されるように構成されたモジュール突出部をさらに備える、任意の先行する実施形態に記載のモジュール。
【0109】
実施形態24:送り込み部が、構成要素に接続された状態でのモジュールの水平位置が構成要素突出部によって画定されるように、モジュールにおける位置に配置される、先行する実施形態に記載のモジュール。
【0110】
実施形態25:構成要素突出部が実質的に楔形に形成されている、2つの先行する実施形態のいずれかに記載のモジュール。
【0111】
実施形態26:送り込み部が、構成要素突出部の横方向外面に係合するように構成された案内面を備える、3つの先行する実施形態のいずれかに記載のモジュール。
【0112】
実施形態27:さらに、互いに独立して調整可能であり、モジュールの垂直方向を画定するように構成されたポストを備える、任意の先行する実施形態に記載のモジュール。
【0113】
実施形態28:さらに、キャスタ、特に旋回キャスタを備える、任意の先行する実施形態に記載のモジュール。
【0114】
実施形態29:さらに、モジュールを少なくとも部分的に持ち上げるように構成された持ち上げ機構を備える、任意の先行する実施形態に記載のモジュール。
【0115】
実施形態30:さらに、分析機器を支持するように構成されたフレームを備える、任意の先行する実施形態に記載のモジュール。
【0116】
実施形態31:搬送ラインと、任意の先行する実施形態にかかる少なくとも1つのモジュールとを備える自動実験室システム。
【0117】
実施形態32:実施形態1から30のいずれかに記載のモジュールを位置合わせするための方法であって、
モジュールを自動実験室システムの構成要素に解放可能に接続することと、
モジュールの実際の位置を示すモジュールの位置データを取得するために、構成要素に配置された少なくとも1つの構成要素マーカを検出することと、
位置データおよび位置ズレに基づく位置アライメントデータに基づいて、構成要素により画定された目標位置からのモジュールの位置ズレを計算することと、
位置アライメントデータに基づいて、モジュールを目標位置に位置合わせすることと、を備える、方法。
【0118】
実施形態33:モジュールを自動実験室システムの構成要素に解放可能に接続することが、構成要素に対するモジュールの大まかな位置合わせを提供する、先行する実施形態に記載の方法。
【0119】
さらなる任意の特徴および実施形態は、好ましくは従属請求項と併せて、実施形態の後続の説明においてより詳細に開示される。その中で、それぞれの任意の特徴は、当業者が理解するように、独立した方法で、ならびに任意の実行可能な組み合わせで実現されることができる。本発明の範囲は、好ましい実施形態によって制限されない。実施形態は、図に概略的に示されている。その中で、これらの図の同一の参照符号は、同一または機能的に匹敵する要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0120】
図1】自動実験室システムの斜視図を示している。
図2】モジュールの一部の斜視図を示している。
図3】結合状態にあるモジュールの一部の拡大側面図を示している。
図4】結合状態にあるモジュールの一部の拡大背面図を示している。
図5】結合状態にあるモジュールの一部の拡大図を示している。
図6】結合状態にあるモジュールの一部の拡大側面図を示している。
図7】モジュールの一部の斜視図を示している。
図8】モジュールの一部の平面図を示している。
図9】モジュールの一部の断面図を示している。
図10A】本開示によって適用可能なマーカの異なる配置を示している。
図10B】本開示によって適用可能なマーカの異なる配置を示している。
図11A】モジュールを構成要素に結合する動作を示している。
図11B】モジュールを構成要素に結合する動作を示している。
図11C】モジュールを構成要素に結合する動作を示している。
図11D】モジュールを構成要素に結合する動作を示している。
図11E】モジュールを構成要素に結合する動作を示している。
図11F】モジュールを構成要素に結合する動作を示している。
図11G】モジュールを構成要素に結合する動作を示している。
図11H】モジュールを構成要素に結合する動作を示している。
図12A】モジュールを構成要素から切り離す動作を示している。
図12B】モジュールを構成要素から切り離す動作を示している。
図12C】モジュールを構成要素から切り離す動作を示している。
図12D】モジュールを構成要素から切り離す動作を示している。
図12E】モジュールを構成要素から切り離す動作を示している。
図12F】モジュールを構成要素から切り離す動作を示している。
図12G】モジュールを構成要素から切り離す動作を示している。
【発明を実施するための形態】
【0121】
図1は、自動実験室システム100の斜視図を示している。自動実験室システム100は、異なるプロセスまたは分析機器104によってランダムフローで複数のまたは様々な試料102を処理するように構成される。自動実験室システム100は、マイクロタイタープレート、フィルタープレート、ピペットチップボックスなどの実験器具(図示せず)を使用して試料102を処理する方法を含む。自動実験室システム100は、いくつかの構成要素106、108からなるモジュール式アーキテクチャを有する。特に、自動実験室システム100は、中央バックボーン108と、バックボーン108に結合された着脱可能モジュール106の配置とを有する。中央バックボーン108は、試料102をモジュール106に、およびモジュールから離れるように搬送するための搬送ラインとすることができる。搬送ラインは、コンベア型、機械的に駆動されるキャリア、磁気搬送、自走式キャリア、個々の単一の試料搬送、ラック搬送、または任意の他の種類の試料搬送とすることができる。
【0122】
モジュール106は、試料102に対して特定の操作を実行するための分析機器104を順次に担持する。分析機器104は、以下にさらに説明するように、モジュール106の天板110上、天板110の下、または天板110の上のレベルに取り付けられることができる。自動実験室システム100の構造は、バックボーン108の両側にモジュール106を取り付けることを容易にし、これは、片側または両側自動実験室システム100を構築することができることを意味する。好ましくは、モジュール106は、分析機器104を有する自己完結型処理ユニットを表し、モジュール式且つ交換可能な方法で中央バックボーン108に接続可能である。分析機器104は、天板110を少なくとも部分的に囲むモジュール106のハウジング112によって収容されることができる。
【0123】
図2は、モジュール106の一部の斜視図を示している。モジュール106は、天板110を支持するフレーム114を備える。フレーム114は、垂直フレーム部材116および水平フレーム部材118を備える。例えば、4つの垂直フレーム部材116および6つの水平フレーム部材118は、フレーム114に略長方形または直方体の形状を提供するように配置される。もちろん、垂直および水平フレーム部材116、118の数は、各用途に応じて異なっていてもよい。垂直および水平フレーム部材116、118は、長方形または正方形の断面を有する梁とすることができる。フレーム114は、ハウジング112を支持するように構成されている。例えば、ハウジングは、フレーム114に取り外し可能に取り付けられることができる。もちろん、フレーム114は、モジュール106のそれぞれの用途に応じてなど、任意の他の方法で設計されることができる。
【0124】
図3は、結合状態にあるモジュール106の一部の拡大側面図を示している。図4は、結合状態にあるモジュール106の一部の拡大背面図を示している。モジュール106は、さらに、自動実験室システム110の構成要素106、108に解放可能に接続するように構成されたモジュールコネクタ120を備える。モジュールコネクタ120は、バックボーン108などの構成要素106、108の梁またはトラスなどの支持部124と係合するように構成された係合部材122を備える。係合部材122は、構成要素106、108の支持部124に引っ掛かるように構成されたフック状突出部126を備える。係合部材122は、構成要素106、108に接続された状態におけるモジュール106の垂直位置が支持部124によって画定されるように、モジュール106の位置に配置されている。本実施形態では、モジュールコネクタ120および係合部材122は、それぞれ、モジュール106の後側130においてフレーム114の下端128に隣接して配置される。モジュールコネクタ120は、フレーム114から突出している。支持部124は、モジュール106の垂直方向の位置合わせおよび傾斜のために搬送ライン108の搬送面を基準とする。任意選択的に、支持部124は、振動結合を防止するために搬送ライン108から機械的に切り離されることができる。
【0125】
図5は、結合状態にあるモジュール106の一部の拡大図を示している。モジュール106は、さらに、構成要素106、108の構成要素突出部134を受け入れるように構成された送り込み部132を備える。送り込み部132は、構成要素106、108に接続された状態のモジュール106の水平位置が構成要素突出部134によって画定されるように、モジュール106の位置に配置される。本実施形態では、送り込み部132は、フレーム114の中央水平部に水平に配置されている。さらに、送り込み部132は、係合部材122とフレーム114の下端128との間に垂直に配置される。図5に示すように、構成要素突出部134は、構成要素突出部134上への送り込み部132の摺動運動を容易にする実質的に楔形に形成される。この目的のために、送り込み部132は、構成要素突出部134の側方外面138と係合するように構成された案内面136を備える。楔形突出部134は、送り込み部132に対して所定の遊びを有して形成され、支持部124に配置され、左右方向に関して搬送ライン108におけるモジュール106の目標位置を基準とする。モジュール106は、支持部孔に係合し、互いにロックされた水平方向または垂直方向のテーパ付きピンを任意選択的にさらに備えることができる。
【0126】
図6は、結合状態にあるモジュール106の一部の拡大側面図を示している。モジュール106は、さらに、互いに独立して調整可能であり、モジュール106の垂直方向を画定するように構成されたポスト140を備える。調整可能ポスト140はまた、バックボーン108に接続されたときにモジュールの傾斜を可能にする。このため、モジュール106は、少なくとも2つの調整可能ポスト140を備える。例えば、4つの調整可能ポスト140が存在する。調整可能ポスト140は、垂直フレーム部材116内に摺動可能に受け入れられる。モジュール106は、さらに、キャスタ142を備える。例えば、4つのキャスタ142が存在する。キャスタ142の少なくとも一部は、旋回キャスタとすることができる。例えば、フレーム114の前面144にある2つのキャスタ142は、旋回キャスタである。
【0127】
図7は、モジュール106の一部の斜視図を示している。図8は、モジュール106の一部の平面図を示している。モジュール106は、さらに、検出器146を備える。検出器146は、モジュール106の実際の位置を示すモジュール106の位置データを取得するために、構成要素106、108に配置された少なくとも1つの構成要素マーカ148を検出するように少なくとも構成される。位置データは、モジュール106の水平および/または垂直位置に関する情報を含む。検出器146は、カメラとすることができる。カメラは、必要に応じて可視または不可視照明を備えることができ、モジュール106に取り付けられ、搬送ライン108に向けられる。検出器146は、モジュール106に配置された少なくとも1つのモジュールマーカ150を検出するようにさらに構成される。構成要素マーカ148およびモジュールマーカ150は、構成要素マーカ148およびモジュールマーカ150が検出器146によって同時に検出可能であるように配置される。換言すれば、構成要素マーカ148およびモジュールマーカ150は、双方とも、検出器146の検出範囲または視野内にあるように配置される。構成要素マーカ148およびモジュールマーカ150は、それぞれ、所定の寸法および向きを有する。構成要素マーカ148およびモジュールマーカ150の所定の寸法および向きは同一であってもよいが、同一である必要はない。構成要素マーカ148は、構成要素座標系152を提供するように構成され、モジュールマーカ150は、モジュール座標系154を提供するように構成される。本実施形態では、モジュールマーカ150は、モジュール106の後側130の下部垂直フレーム部材116および水平フレーム部材118の移行部に配置される。構成要素マーカ148は、点またはドットパターンなどの較正パターンを提供することができる。較正パターンは、ドットパターンに限定されず、クロスパターン、市松模様、または画像処理によって分析されることができる任意の種類の点パターンとして実現されることもできる。
【0128】
使用されるマーカ148、150のサイズおよび種類は、それらが配置されるオブジェクト上の利用可能な空間ならびに補償の必要な品質および能力に依存する。マーカ148は、ArUcoタイプまたは他の種類のパターン、例えば既知の寸法および向きを有する点または市松模様のパターンとすることができる。これらのタイプのマーカは、カメラによる2d較正および位置判定、ならびに照合検査を提供することができる。例えば、ドットパターンの場合、十分に配置されたドットの最小数が与えられる必要がある。さらに、ArUcoマーカは、識別を提供する。ArUcoマーカは、カメラ姿勢推定に使用されることができるバイナリ正方形基準マーカである。それらの主な利点は、それらの検出が堅牢で高速で簡単であるということである。
【0129】
モジュール106は、位置データに基づいて構成要素106、108によって画定された目標位置からのモジュール106の位置ズレを計算し、かつ位置ズレに基づいて位置アライメントデータを計算するように構成されたプロセッサ156をさらに備える。特に、プロセッサ156は、構成要素座標系152とモジュール座標系154との間の相対距離に基づいて、目標位置からのモジュールの位置ズレを計算するように構成される。プロセッサ156は、アルゴリズムによって位置ズレを計算するように構成される。目標位置は、構成要素106、108の基準面158の基準点または基準面内の基準点によって画定される。構成要素106、108は、自動実験室システム100の搬送ライン108または自動実験室システム100のさらなるモジュール106とすることができるため、目標位置は、搬送ライン108の搬送面160の点もしくは搬送面160内の点またはさらなるモジュール106のハンドリング面162の点もしくはハンドリング面162内の点によって画定され得る。したがって、基準面158は、そのようなモジュール106のハンドリング面162として使用される搬送面160または天板110であってもよい。
【0130】
モジュール106は、位置アライメントデータに基づいてモジュール106を目標位置に位置合わせするように構成された位置合わせ装置164をさらに備える。より具体的には、位置合わせ装置164は、位置アライメントデータに基づいて分析機器104を目標位置に位置合わせするように構成される。特に、位置合わせ装置164は、三次元空間内で分析機器104を移動させるように構成される。位置合わせ装置164は、例えば、いわゆるxyzステージなどの機械式の位置合わせ装置である。位置合わせ装置164は、その動作範囲を増加または最大化するように、目標位置にしたがってそれ自体またはモジュール106の任意の他の機能的構成要素を位置合わせすることができることが明示的に述べられる。
【0131】
図9は、モジュール106の一部の断面図を示している。モジュール106は、構成要素106、108に対する相対的な垂直位置を判定するように構成された任意選択の距離センサ166をさらに備える。距離センサ166は、光学式または容量式の距離センサとすることができる。特に、距離センサ166は、所定のモジュール平面168からの構成要素106、108における基準点168の距離に基づいて相対的な垂直位置を判定するように構成される。所定のモジュール平面168は、モジュール106のハンドリング面162とすることができる。基本的に、垂直位置を判定するために、適切なマーカ148、150を有する検出器146のカメラ設定も同様に使用されることができる。図9はまた、所定のモジュール平面168上の検出器146の検出範囲または視野170の一例を示している。
【0132】
図10Aおよび図10Bは、本開示に適用可能なマーカの異なる配置を示している。さらに詳細に説明するように、モジュールマーカ150の種類、サイズおよび/または数は、構成要素マーカ148の種類と同一であっても異なっていてもよい。図10Aおよび図10Bには、検出器146の検出範囲または視野170が示されている。さらに、図10Aおよび図10Bは、モジュールマーカ150および構成要素マーカ148が取り付けられるモジュール106および搬送ライン108の部分を示している。図10Aは、搬送ライン108に取り付けられた1つの大きな構成要素マーカ148と、モジュール106に取り付けられた2つのモジュールマーカ150とを示している。図10Bは、正方形のパターンで配置された4つのドットによって形成され、搬送ライン108に取り付けられた1つの構成要素マーカ148と、モジュール106に取り付けられた1つのモジュールマーカ150とを示している。
【0133】
マーカ148、150を配置するための複数の選択肢がある。工場較正を備えたカメラが使用される場合、搬送ライン108などの構成要素上の構成要素マーカ148のみで十分である。これは、モジュールマーカ150またはカメラが設置されている任意の他の構成要素が必要とされないことを意味する。例えば、モジュール106には、モジュールマーカ148が設けられていないが、他の構成要素106、108、例えば搬送ライン上に構成要素マーカ150がある。結果として、カメラは、頑丈に取り付けられなければならず、カメラが設置される構成要素に正確に位置合わせされ、較正されなければならない、例えば工場較正されなければならない。この構成により、カメラの正確な位置および較正の知識を用いて他の構成要素106、108上の構成要素マーカ150を撮像および分析することによって、相対的および絶対的な位置合わせが可能である。しかしながら、他の構成要素106、108に対するカメラの位置合わせの小さな変化は、較正更新手順をもたらすことができる。
【0134】
このため、双方の構成要素にマーカを設けることが有利であり得る。例えば、上述したように、モジュール106上に少なくとも1つのモジュールマーカ150が配置され、搬送ライン108上に少なくとも1つの構成要素マーカ148が配置される。基本的に、マーカの種類は、同じ種類または異なる種類とすることができるが、少なくとも3つの点から構成されなければならない。マーカ内の点の数は、較正および位置合わせの品質および能力を判定する。この配置およびマーカの適切なセットにより、in situ較正が実現されることができるため、カメラの正確な位置合わせおよび較正なしにモジュール106に対する相対的な位置合わせを行うことが可能である。較正のために、カメラが設置された構成要素上のマーカ150または他の構成要素の構成要素マーカ148のいずれかが使用されることができる。
【0135】
図11Aから図11Hは、モジュール106を構成要素106、108に結合する動作を示している。特に、搬送ライン108への結合を参照して動作を説明する。図11Aに示すように、結合プロセスは、モジュール106がキャスタ142上で搬送ライン108に近い接続位置に移動されることから始まる。例えば、モジュール106は、手動で移動される。続いて、平面図を示す図11Bに示すように、モジュール106は、構成要素突出部134が送り込み部132に挿入されるように構成要素突出部134上に押し込まれる。これにより、モジュールは、左右に大まかに位置合わせされる。続いて、図11Cに示すように、モジュール106は、支持部124と平行になり、係合部材122が支持部124と接触するように、支持部124に押し込まれる。続いて、図11Dに示すように、持ち上げ機構(詳細には図示せず)を使用して、後側130においてモジュール106を持ち上げ、矢印172によって示すように支持部124を閉じる。これにより、後側130のキャスタ142が床から解放される。続いて、図11Eに示すように、モジュール106は、矢印174によって示すように支持部124上に押し込まれ、それにより、支持部124と依然として平行になり、係合部材122は支持部124と接触する。続いて、図11Fに示すように、モジュール106は、係合部材122によって支持部124上に緩やかに下降される。これにより、係合部材122は、後側130のキャスタ142が依然として床から空間的に分離されている間に支持部124に係合する。続いて、図11Gに示すように、持ち上げ機構を使用して、モジュール106矢印176によって示すように水平に配向されるまでモジュールを前側144において持ち上げる。天板110のエッジが同じ垂直位置にあることを意味する水平方向は、泡レベルなどによって確認されることができる。続いて、図11Hに示すように、モジュール106は、前側144の調整可能ポスト140によってこの垂直位置に固定される。さらに、持ち上げ機構が取り外される。任意選択的に、モジュール106は、コネクタ(詳細には図示せず)に差し込まれてもよい。
【0136】
図11Aから図11Hを参照して説明した結合プロセスは、モジュール106の大まかなまたは粗い位置合わせを表す。以下、粗い位置合わせに続いてまたは並行して行われることができるモジュール106または分析機器104の精細な位置合わせのプロセスについて説明する。
【0137】
上述したように、検出器146は、構成要素マーカ148およびモジュールマーカ150の全てが検出範囲または視野内にあるようにモジュール106に取り付けられる。図8は、検出器146の検出範囲または視野を示している。それは、搬送ライン108のインターフェース領域の表面と、搬送ライン108のインターフェース領域に近いモジュール106の両側に取り付けられた2つのモジュールマーカ150とを覆う。ArUcoタイプのモジュールマーカ150は、モジュール座標系154によって示されるモジュール106の相対位置を判定するために使用される。モジュールマーカ150はまた、モジュール106を識別するために使用されることもできる。搬送ライン108のインターフェース部の表面上に印刷されるか、またはその中に組み込まれる点またはドット較正パターンとして形成された構成要素マーカ148は、構成要素座標系152によって示される搬送ライン108の相対位置を判定するために使用される。さらに、点間の距離が十分に定義されているため、画像の歪みを計算することを可能にし、検出器146のin situ較正を可能にする。
【0138】
プロセッサ156は、検出器146によって作成された画像によって取得された位置データに基づいて、搬送ライン108によって画定された目標位置からのモジュール106の位置ズレを計算し、位置ズレに基づいて位置アライメントデータを計算する。特に、検出器146によって生成された画像を分析し、搬送ライン108の構成要素座標系152とモジュール106のモジュール座標系154との間の相対距離および位置合わせを計算するために、プロセッサ156によってアルゴリズムが適用される。これは、搬送ライン108に対するモジュール106および分析機器104のそれぞれの精密な位置合わせを提供するように、モジュール106の位置合わせ装置164に入力される位置補正に変換される。
【0139】
要約すると、精密位置合わせのための位置補正および位置補正を判定するための詳細なプロセスは、以下の詳細を含む。カメラなどの検出器146は、ArUcoランドマークなどのモジュールマーカ150および搬送ライン108のインターフェース領域の点較正パターンなどの構成要素マーカ148の画像を取得する。モジュール106の横座標系を計算するためにモジュールマーカ150を分析するために画像処理にアルゴリズムが使用される。このアルゴリズムは、構成要素マーカ148を分析するための画像処理に使用される。構成要素マーカ148を分析することは、カメラ較正のための較正パラメータが抽出され、画像歪みが計算されて減算され、搬送ライン108の横方向座標系が計算されることを提供することができる。さらに、目標位置からのモジュール106の垂直距離のズレは、距離センサ166によって判定される。このアルゴリズムは、モジュール106と搬送ライン108との間の相対距離および位置合わせを計算し、モジュール106の分析機器104の位置補正に変換するために使用される。このようにして計算された位置補正の結果は、位置合わせ装置164に転送され、モジュール106と搬送ライン108との間の位置ズレを補正する。精密位置合わせは、上述したように機械的な粗な位置合わせによって支持されることができるが、必ずしもそうである必要はない。
【0140】
図12Aから図12Gは、モジュール106を構成要素106、108から切り離す動作を示している。特に、この動作は、搬送ライン108からの切り離しを参照して説明される。図12Aに示すように、切り離しプロセスは、モジュール106が搬送ライン108に結合されることから始まる。オプションのコネクタは、開栓されている。続いて、図12Bに示すように、持ち上げ機構を使用して、前側144においてモジュール106を持ち上げる。さらに、調整可能ポスト140は、矢印178によって示されるように、垂直フレーム部材116内に回転されて持ち上げられる。その後、図12Cに示すように、モジュール106は、前側144においてキャスタ142上に緩やかに下降される。続いて、図12Dに示すように、持ち上げ機構を使用して、矢印180によって示すように、支持部124に近い後側130においてモジュール106を持ち上げる。続いて、図12Eに示すように、モジュール106は、矢印182によって示すように、支持部124の上および支持部124の前に僅かに引っ張られる。続いて、図12Fに示すように、モジュール106は、後側130においてキャスタ142上に緩やかに下降される。さらに、モジュール106は、構成要素突出部134から引き出され、接続位置から引き出される。続いて、図12Gに示すように、モジュール106は、キャスタ142上で所望の位置に移動される。
【符号の説明】
【0141】
100 自動実験室システム
102 試料
104 分析機器
106 モジュール
108 搬送ライン
110 天板
112 ハウジング
114 フレーム
116 垂直フレーム部材
118 水平フレーム部材
120 モジュールコネクタ
122 係合部材
124 支持部
126 フック状突出部
128 下端部
130 後側
132 送り込み部
134 構成要素突出部
136 案内面
138 外側側面
140 調整可能ポスト
142 キャスタ
144 前側
146 検出器
148 構成要素マーカ
150 モジュールマーカ
152 構成要素座標系
154 モジュール座標系
156 プロセッサ
158 基準面
160 搬送面
162 ハンドリング面
164 位置合わせ装置
166 距離センサ
168 所定のモジュール平面
170 検出範囲または視野
172 矢印
174 矢印
176 矢印
178 矢印
180 矢印
182 矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図11G
図11H
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図12G