(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 33/00 20060101AFI20220425BHJP
【FI】
A63H33/00 301Z
A63H33/00 A
(21)【出願番号】P 2021099878
(22)【出願日】2021-06-16
【審査請求日】2021-11-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ▲1▼ ウェブサイトの掲載日:令和2年10月30日 ウェブサイトのアドレス:https://macg.roppongihills.com/jp/exhibitions/mtob/index.html ▲2▼ ウェブサイトの掲載日:令和2年11月1日 ウェブサイトのアドレス:https://gashapon.jp/products/detail.html?jan_code=4549660478959000 ▲3▼ ウェブサイトの掲載日:令和2年11月1日 ウェブサイトのアドレス:https://www.bandai.co.jp/catalog/item.php?jan_cd=4549660478959000 ▲4▼ ウェブサイトの掲載日:令和2年11月1日 ウェブサイトのアドレス:https://p-bandai.jp/item/item-1000152038
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】岩脇 由実
【審査官】大隈 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】実開平6-66797(JP,U)
【文献】特開2021-83495(JP,A)
【文献】登録実用新案第3076648(JP,U)
【文献】特開2005-41489(JP,A)
【文献】特開平9-84966(JP,A)
【文献】中国実用新案第208406066(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00~37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1形態と第2形態とに変化可能な玩具であって、
第1外殻部品と、前記第1外殻部品に連結可能な第2外殻部品と、前記第1外殻部品、及び前記第2外殻部品に連結可能な第3外殻部品と、を備え、
前記第1外殻部品、及び前記第2外殻部品は、第1形態において、前記第3外殻部品を介して連結し、第2形態において、前記第3外殻部品を介さずに連結するよう構成さ
れ、
前記第1外殻部品、前記第2外殻部品、及び前記第3外殻部品は、前記第1形態において、前記第1外殻部品と前記第3外殻部品とにより内部に第1空間を形成し、前記第2外殻部品と前記第3外殻部品とにより内部に第2空間を形成している、
玩具。
【請求項2】
請求項1に記載の玩具であって、
前記第1外殻部品、及び前記第2外殻部品は、前記第1形態において、前記第3外殻部品を介して間接的に連結するよう構成されている、
玩具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の玩具であって、
前記第3外殻部品は、その径が前記第1外殻部品、及び前記第2外殻部品の径よりも大きく構成されている、
玩具。
【請求項4】
請求項1~
3の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第1外殻部品、及び前記第2外殻部品は、各々、半球型形状を成し、前記第3外殻部品は、円板型形状を成している、
玩具。
【請求項5】
請求項1~
4の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第3外殻部品は、第1面部、及び第1面部とは反対側にある第2面部を含み、
前記第1外殻部品は、前記第1形態において、前記第
2面部を覆う態様にて前記第3外殻部品と連結可能に構成され、前記第2外殻部品は、前記第1形態において、前記第
1面部を覆う態様にて前記第3外殻部品と連結可能に構成されている、
玩具。
【請求項6】
請求項
5に記載の玩具であって、
前記第1外殻部品は、前記第1形態において、前記第1面部を覆う態様にて前記第3外殻部品と連結不可能に構成され、前記第2外殻部品は、前記第1形態において、前記第
2面部を覆う態様にて前記第3外殻部品と連結
不可能に構成されている、
玩具。
【請求項7】
請求項1~
5の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第1外殻部品は、前記第2形態において、その頂部に前記第2外殻部品と連結可能な一方の連結部が形成され、
前記第2外殻部品は、前記第2形態において、その頂部に前記一方の連結部と連結可能な他方の連結部が形成され、
前記
第3外殻部品は、その周縁部に、前記第1形態において、前記第1外殻部品の開口端部、及び前記第2外殻部品の開口端部と連結可能な他の連結部が形成されている、
玩具。
【請求項8】
請求項
7に記載の玩具であって、
前記
他の連結部は、第1壁部と第2壁部とを含み、
前記第1外殻部品は、前記第1形態において、前記第2壁部に接することで前記
他の連結部と連結可能に構成され、前記第2外殻部品は、前記第1形態において、前記第1壁部に接することで前記
他の連結部と連結可能に構成されている、
玩具。
【請求項9】
請求項1~
8の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第1外殻部品の外表面と前記第2外殻部品の外表面とが向き合うように連結されて前記第2形態を成している、
玩具。
【請求項10】
請求項1~
9何れか一項に記載の玩具であって、
前記第2外殻部品は、前記第2形態において、載置面に載置可能な載置部を成している、
玩具。
【請求項11】
請求項
1~10の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第3外殻部品に連結可能な副部品をさらに備え、
前記副部品は、第1形態において、前記第1空間又は前記第2空間に収容可能に構成され、第2形態において、前記第3外殻部品に連結可能に構成されている、
玩具。
【請求項12】
請求項1~
11の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第1形態は、
転動可能な形態であり、前記第2形態は、
展示形態である、
玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カプセル内部に人形などを収納して自動販売機で販売されるカプセル玩具がある。例えば特許文献1においては、カプセル構成部材で構成されるカプセ内部には、玩具を組立てるための部品が収納されている。カプセル構成部材の切り口には、切欠が所定数設けられており、この切欠に部品の一部又は全てを嵌入させて玩具を形成し得るようになっている。また、カプセルの離脱防止策として、カプセル構成部材の内壁には、カプセル構成部材の切り口を狭持するためのリブが所定数設けられている構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、カプセル自体を玩具の部品とし利用する構造が記載されている。しかしながら、カプセルを玩具の一部として使用する際のカプセルの使用形態としては、販売時との球形状であるため、玩具の形状がカプセルの球形状に左右される。このため、本来のキャラクターのイメージを維持することが難しくなり、キャラクターによっては、カプセル形状によってその形状が大きく変わってしまい、キャラクター自体の品質上の問題を生じ、その興趣性を維持できない課題を有していた。また、玩具自体の全体的な形状が球形を基本とするために、玩具の載置状態、展示状態が不安定で安定感がない、という問題がある。
【0005】
本発明は、キャラクターの品質維持に貢献し展示も容易で安定感のある興趣性の高い玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る玩具は、第1形態と第2形態とに変化可能な玩具であって、第1外殻部品と、前記第1外殻部品に連結可能な第2外殻部品と、前記第1外殻部品、及び前記第2外殻部品に連結可能な第3外殻部品と、を備え、前記第1外殻部品、及び前記第2外殻部品は、第1形態において、前記第3外殻部品を介して連結し、第2形態において、前記第3外殻部品を介さずに連結するよう構成され、前記第1外殻部品、前記第2外殻部品、及び前記第3外殻部品は、前記第1形態において、前記第1外殻部品と前記第3外殻部品とにより内部に第1空間を形成し、前記第2外殻部品と前記第3外殻部品とにより内部に第2空間を形成している。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、興趣性の高い玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態の玩具において、玩具の第1形態を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す玩具の分解状態を示す斜視図である。
【
図3】
図2に示す第1外殻部品の一方端側から見た拡大斜視図である。
【
図4】
図2に示す第2外殻部品の一方端側から見た拡大斜視図である。
【
図5】
図4に示す第2外殻部品の他方端側から見た拡大斜視図である。
【
図6】第1実施形態における副部品の一例を示す斜視図である。
【
図7】第2外殻部品の他方端側に第1外殻部品を組み合わせる途中の斜視図である。
【
図8】第2外殻部品の他方端側に第1外殻部品を組み合わせ状態の一部破断斜視図である。
【
図9】
図7に示すA-A線に沿った部分の断面矢視図である。
【
図10】第1実施形態の玩具の第2形態を示す斜視図である。
【
図11】本発明の第2実施形態の玩具において、玩具の第1形態を示す斜視図である。
【
図13】
図12に示す第3外殻部品の斜視図であって、(a)は、第3外殻部品の表面側を示す斜視図であり、(b)は、裏面側を示す斜視図である。
【
図14】第2実施形態における副部品の一例を示す斜視図である。
【
図15】
図14に示す第5種別の副部品の取付け方を示す斜視図である。
【
図16】第5種別の副部品の取付け状態おいて、
図15に示すB-B線に沿った部分の断面矢視図である。
【
図17】各副部品及び各外殻部品の第2形態の組み立て方を示す分解斜視図である。
【
図18】第2実施形態の玩具の第2形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態である玩具1について、
図1~
図10を参照して説明する。
図1は、玩具1の第1形態1Fにおける斜視図であり、
図2は、玩具1の第1形態1Fを分解した斜視図である。
【0010】
図1に示すように、第1形態1Fの玩具1は、第1外殻部品10と第2外殻部品20とを備え、外観的には略球形を成している。第1外殻部品10及び第2外殻部品20は、
図2に示すように、両方とも例えば半球形の本体部10a,20aにて内部に半球形の空間SPを有し、両本体部10a,20aの開口10h,20hを形成する開口縁10e,20e同士が連結可能に構成されている。したがって、第1形態1Fの組立て状態では内部に球形状の空間SPが形成される。
【0011】
第1外殻部品10及び第2外殻部品20は、例えば合成樹脂を素材として形成され適宜剛性を備えており、
図1に示す球形状の第1形態1Fにおいては、それ自体が転がり易い転動可能な構成であって、物品供給装置からの供給・販売形態をとることが可能である。また、第1形態における内部の空間SPには、例えば
図2に示すようなキャラクター等を模した副部品70を収容する。
【0012】
また、玩具1は、第1形態1Fとは異なる第2形態2F(
図10参照)に変化することができ、この第2形態2Fとしては、例えば第1形態1Fにおいて内部に収容されている副部品70を展示する形態である。この第1形態1Fと第2形態2Fの変化は、第1外殻部品10及び第2外殻部品20の、双方の端部同士(開口縁10e,20e)の連結の仕方を、後述するように変えることで可能となっている。また、第1外殻部品10及び第2外殻部品20には、第2形態2Fにおいて副部品70を展示可能とする、装着孔(円形孔17、矩形孔18,28、及び台形孔19)が設けられている。
【0013】
図3は、
図2に示す第1外殻部品10の一方端側(開口縁10e側)から見た拡大斜視図である。
図3に示すように、第1外殻部品10は、一方端側の開口縁10eが円形に形成された半球状の本体部10aにて構成されている。第1外殻部品10は、その他方端側には例えば2個の円形孔17が設けられ、円形孔17と開口縁10eとの間には矩形孔18が設けられ、更に、矩形孔18から開口縁10eに沿って90度程離れた位置には台形孔19が設けられている。矩形孔18は、本体部10aを単に貫通しただけの孔ではなく、例えば、内表面10isから空間SP内方に突出する孔周壁18wに囲まれるように構成されている。
【0014】
開口縁10eは、本体部10aの外表面10us側が凹むような段差構造を有して若干薄肉に構成されており、その円周方向に沿って90度の間隔で4個の切欠き状の位置決め凹部16cが設けられている。この位置決め凹部16cは、後述する第2外殻部品20側の位置決め凸部16dとの間で位置決め部16を構成する。なお、位置決め凹部16cは、その切欠き幅において大きさが2つの異なるサイズ(W1>W2)に形成されている。これは、例えば、第2外殻部品20の位置決め凸部16dとの間で組み合わせの向きを決める構成である。
【0015】
図4は、
図2に示す第2外殻部品20の一方端側(開口縁20e側)から見た拡大斜視図であり、
図5は、
図4に示す第2外殻部品20の他方端側から見た拡大斜視図である。
図4に示すように、第2外殻部品20は、一方端側の開口縁20eが円形に形成された半球状の本体部20aにて構成されている。本体部20aには、2個の矩形孔28が矩形孔18に対応する位置に設けられているが貫通穴ではない。矩形孔28は、矩形孔18と同様に、内表面20is側に突出する孔周壁28wが設けられている。
【0016】
開口縁20eは、本体部20aの外表面20us側に突出した張り出し部21に構成されており、張り出し部21の内側の形状について、例えば2段の段差を持って徐々に小径になって内表面20isに繋がる段差構造を有している。すなわち、開口縁20eは、本体部20aよりも大径の構成となっており、本体部20aよりも大きいサイズの第1外殻部品10の開口縁10eと連結可能であり、第1形態1Fにおける第1連結部分21bを構成している。なお、開口縁20eには、位置決め凸部16dが設けられている。この位置決め凸部16dは、第1形態1Fにおいて、第1外殻部品10の開口縁10eと接する段部21bdから開口縁20eの高さまで突出する矩形の凸部であり、前掲の位置決め凹部16cに嵌入して第1外殻部品10との連結・位置決めをする。
【0017】
第2外殻部品20は、その外表面20usの側から見た場合には、
図5に示すように、張り出し部21が外表面20usに対して一定の間隔を開けるようにして突出することで、外表面20usとの間に連結溝21gが形成されている。そして、この連結溝21gは、第2形態2Fにおいて、第1外殻部品10の開口縁10eと連結する第2連結部分22bとして構成されている。ここで、第2形態2Fにおいて第2連結部分22bにて第1外殻部品10が連結できると云うことは、第2外殻部品20の外表面20usのサイズが、第1外殻部品10の内表面10is内に収まるサイズである。なお、連結溝21g内にも、溝底面から突出する位置決め凸部16dが設けられている。また、張り出し部21の外周面には、全周に亘って多数の凸部21dが設けられている。
【0018】
以下、第1形態1Fから第2形態2Fに変更するときの玩具1の組み立てについて、
図6~
図10を参照して説明する。
図6は、副部品70の一例を示す斜視図である。副部品70は、第1種別の副部品である特定のキャラクター形状のフィギュア部品71と、第2種別の副部品であるプレート状のエンブレム部品72と、第3種別の副部品としてキャラクターの特徴部分である例えば耳を拡大した一対の耳部品73と、から構成されている。フィギュア部品71には、その本体部分の脚部から突出した円柱状の一対の取付け突起71bが設けられている。エンブレム部品72には、その裏面側に断面台形状の取付け突起72bが設けられている。耳部品73には、耳部本体部分の下方端から断面長方形状の取付け突起73bが設けられている。
【0019】
図7は、第2外殻部品20の他方端側(外表面側)に第1外殻部品10を組み合わせる途中の斜視図であり、
図8は、第2外殻部品20の外側(他方端側)に第1外殻部品10を組み合わせた状態の一部破断斜視図である。第1形態1Fの状態から第1外殻部品10と第2外殻部品20とを取り外した後に、
図7に示すように、第2外殻部品20を反転させて向き合う面を変え、この状態で、第2外殻部品20の第2連結部分22bに第1外殻部品10の開口縁10eを嵌め合わせる。このとき、位置決め部16(位置決め凹部16c及び位置決め凸部16d)によって、組み合わせ向きが決定される。この位置決めによって矩形孔18,28が上下方向で対応して、
図8に示すように、両外殻部品10,20は組み合わされる。
【0020】
両外殻部品10,20が組み合わされた状態では、
図8に示すように、張り出し部21以外の部位においては、第1外殻部品10の内表面10isと第2外殻部品20の外表面20usとは、所定の隙間を有する近接状態で対面した状態で組み合わされている。また、張り出し部21は、第2形態2Fにおける載置面40に開口縁20eが接して載置可能な載置部として機能しており、更に、張り出し部21は、第1外殻部品10を下方側を支える支持部として機能している。
【0021】
図9は、
図8に示すA-A線に沿った部分の断面矢視図である。
図9に示すように、第1外殻部品10の矩形孔18と第2外殻部品20の矩形孔28とは、前掲のように、位置決めされて組み立てることによって、上下方向に連通する孔を構成している。したがって、
図9に示すように、耳部品73(一点鎖線にて図示)の取付けに際しては、その取付け突起73bは、第1外殻部品10の本体部10aを貫通して第2外殻部品20まで到達した状態となる。これにより、耳部品73は、第1外殻部品10及び第2外殻部品20の双方によって固定される。
【0022】
図10は、玩具1の第2形態2Fを示す斜視図である。
図10に示すように、フィギュア部品71は円形孔17に、エンブレム部品72は台形孔19に、耳部品73は矩形孔18に、装着されて、第1外殻部品10の外表面10usに展示されている。なお、フィギュア部品71の取り付け向きは、例えば、一対の円形孔17の大きさを変えることで、その取り付け向きが決められている。また、エンブレム部品72の取り付け向きは、台形孔19の形状によって、上下を誤ることなく取り付けが可能に構成されている。
【0023】
以上述べたように、本実施形態の玩具1は、第1外殻部品10と第2外殻部品20とは、両部品の各々の開口側が向き合うようにする連結と、各々の開口側が同じ方向に向く連結とを選択して連結できるので、球形状で販売形態の第1形態1Fと、展示形態の第2形態2Fと、を容易に変更できる。また、販売形態における両外殻部品10,20を展示形態に利用できるので、部品の無駄を無くすことができる。
【0024】
また、本実施形態の玩具1では、副部品70を第1形態1Aにおける内部の空間SPに収容できるので、第1外殻部品10、第2外殻部品20と共に副部品70を同時に提供することができる。
【0025】
また、本実施形態の玩具1では、第2外殻部品20の連結端部が、第1外殻部品10の連結部端部(開口縁10e)に対して連結向きが異なる第1連結部分21bと第2連結部分22bとを備えていることで、第1連結部分21bを用いた連結の第1形態1Fと第2連結部分22bを用いた連結の第2形態2Fと、を得ることができる。
【0026】
本実施形態の玩具1では、第2外殻部品20の連結端部が、第2外殻部品20の開口縁20eに沿って外表面20usから外側に突出する張り出し部21とされているので、張り出し部21の張出壁の表裏に反対向きの2つの連結部分を設けることが可能となる。
【0027】
また、張り出し部21の表側と裏側に連結部分を有していることで、第1外殻部品10に対して第2外殻部品20の反転によって両外殻部品10,20の連結形態を簡単に切り替えすることができる。
【0028】
本実施形態の玩具1では、張り出し部21の開口縁20eは、仮想の一平面を構成するので、展示形態(第2形態2F)において、張り出し部21が載置面40に接する載置部として機能することができる。また、展示形態(第2形態2F)においては、張り出し部21上に第1外殻部品10を乗せた状態として、張り出し部21が第1外殻部品10を載置・支持する部位として機能する。
【0029】
また、本実施形態の玩具1では、展示形態(第2形態2F)の時、第1外殻部品10の中に第2外殻部品20を入れることが可能であるので、第1外殻部品10の内側に第2外殻部品20を重ねて、展示形態において第2外殻部品20の連結端部以外は見えないようにできる。この結果、第2外殻部品20の本体部20aの色や図柄は、展示形態を気にすることなく自由な配色、構造を採用することができる。
【0030】
本実施形態の玩具1においては、張り出し部21の外周面に複数の凸部21dが設けられていることで、展示状態の第2形態2Fにおいて張り出し部21に装飾機能を持たせることができる。また、第1外殻部品10と第2外殻部品20とを取り外したり嵌め合わせたりする際に、手指の滑り止め(把持部)になり取扱い性の向上を図ることができる。
【0031】
本実施形態の玩具1では、展示形態の時、第1外殻部品10の内表面10isと第2外殻部品20の外表面20usとが対面するので、例えば、両外殻部品10,20の肉厚が薄い場合でも二重構造で強度を補強することができる。更に、両外殻部品10,20が有色で光透過性の構成の場合には、両外殻部品10,20の色が異なる構成としたときに、両外殻部品10,20による合成色を作り出すことができ、第1形態1Fのときの色と第2形態2Fのときの色を変えることができる。
【0032】
本実施形態の玩具1は、第2形態2Fにおいて、第1外殻部品10と第2外殻部品20と、が隙間を有する接近状態で配置されることで、例えば、第1外殻部品10を貫通する取付け突起71b,72bに対しては、挿入可能な深さを深くできる。
【0033】
また、本実施形態の玩具1においては、両外殻部品10,20を貫通して保持される取付け突起73bの場合には、取付け突起73bに対する係合領域(係合する実質的長さ)を大きくできるので、第1外殻部品10及び第2外殻部品20の本体部が薄い構成であっても、実質的に厚い素材に深く差し込んだ状態と同様な保持・係止ができ、例えば、耳部品73が大きい部品であっても、保持・固定を確実にすることができる。
【0034】
また、本実施形態の玩具1は、第2形態2Fにおいて、取付け突起73bが第1外殻部品10と第2外殻部品20の両方に係合するので、取付け突起73bによって第1外殻部品10と第2外殻部品20との固定を強固にすることができる。
【0035】
本実施形態の玩具1では、位置決め部16により、第1形態1F及び第2形態2Fの何れの連結状態においても第1外殻部品10と第2外殻部品20との間の位置決めができるので、各状態の組み立てが容易である。また、位置決め部16における凹凸の嵌合サイズを変えていることで、両外殻部品の連結向きを特定して正確な組み立てを保証する。
【0036】
本実施形態の玩具1では、副部品70を半球形状の第1外殻部品10に取付けた状態の展示状態とすることができ、副部品70をキャップ型の帽子に取り付けた状態を醸し出すことができる。また、展示面が半球形であることで、フィギュア部品71を頂部に取り付ける一方、エンブレム部品72を前面側に取り付けることで、キャラクターのフィギュア部品71と、キャラクターに関連したエンブレム部品72を展示状態に適した位置取りで同時に設けることができ、キャラクターの展示状態の品質・品位を高めることができる。
【0037】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態である玩具1について、
図11~
図18を参照して説明する。なお、本実施形態においては、第1実施形態と同様の構成要素には同符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0038】
図11は、本実施形態の玩具1の第1形態1Fにおける斜視図であり、
図12は、
図11に示す玩具1の分解状態を示す斜視図である。また、
図13は、第3外殻部品23の表面側及び裏面側を示す斜視図である。
図11及び
図12に示すように、本実施形態においても、第1実施形態と同様に第1形態1Fの玩具1は、半球形の第1外殻部品10と第2外殻部品20とを備え、更に、第1外殻部品10と第2外殻部品20との間に第3外殻部品23を備えている。第3外殻部品23は、例えば円盤形状とされており、第2外殻部品20の一方側(開口側)の端部である開口縁20eと、第1外殻部品10の一方側(開口側)の端部である開口縁10eと、連結可能な第3連結部分23bを表裏両面に備えている。したがって、第3連結部分23bを介して、第1外殻部品10と第2外殻部品20と、が連結されて第1形態1Fをなすように構成されている。
【0039】
第3外殻部品23は、
図13に示すように、円盤状の略平坦な平板部23aと、平板部23aの外周を囲むように鍔状の鍔部23f(第1壁部、第2壁部)と、を備えている。そして、第3連結部分23bは、鍔部23f及び平板部23aの合流する角部分として、第3外殻部品23の表裏に形成されている。すなわち、第1形態1Fにおいて、
図12に示すように、平板部表側23a(23us、第1面部)の第3連結部分23b(他の連結部)が第2外殻部品20と連結され、平板部裏側23a(23is、第2面部)の第3連結部分23bが第1外殻部品10と連結される。また、平板部表側23aの鍔部23f(第1壁部)の厚みは、平板部裏側23aの鍔部23f(第2壁部)の厚みより大きく構成されているため、第2面部の表面積が第1面部の表面積より大きくなっている。そのため、第1外殻部品10は、平板部表側23aの第3連結部分23bと連結不可能に構成され、第2外殻部品20は、平板部裏側23aの第3連結部分23bと連結不可能に構成されていることで、第3外殻部品23に対する連結違いを防止し、第1外殻部品10、及び第2外殻部品20を適切に連結することが可能となっている。また、第3外殻部品23には、2つの円孔23h及び1つの矩孔23iが平板部23aを貫通して設けられ、平板部裏側23a(23is)には、一対の嵌入突起23gが突設されており、後述するパドル部品75を保持する構造を備えている。なお、嵌入突起23gは、第1形態1F及び第2形態2Fの何れ形態においても、第1外殻部品10の開口縁10eに設けられた開口切欠き10kの一部を残して閉じる(切欠き上端側のみを閉じる)ように嵌合する。
【0040】
第1外殻部品10と第2外殻部品20は、第2形態2Fにおいては、後述するように、第1外殻部品10の外表面10usと第2外殻部品20の外表面20usとが向き合う(開口側が反対方向に向く)ように接続される。この接続のための第4連結部分24b(一方の連結部、他方の連結部)として、例えば、第1外殻部品10の他方側の端部である孔状端部10t(一方の連結部)と、第2外殻部品20の他方側の端部である突起状端部20t(他方の連結部)と、が設けられている。したがって、第4連結部分24bを介して、第1外殻部品10と第2外殻部品と20、が連結されて第2形態2Fをなす。
【0041】
図14は、副部品70の一例を示す斜視図である。副部品70は、第1外殻部品10を木造の蒸気船の船体の船体側面に、第3外殻部品23を甲板として見立てた構成であり、キャラクターを甲板上に配置する構成である。例えば、第1実施形態におけるフィギュア部品71と船舶舵を一体化した第4種別の副部品のフィギュア部品74と、第5種別の副部品の一対のパドル部品75と、第6種別の副部品の船室部品76、第1実施形態と同じエンブレム部品72と、から構成されている。フィギュア部品74には、船舶舵の下端から突出した矩形の取付け突起74bが設けられている。船室部品76には、その裏面側に円柱状の取付け突起76bが設けられている。また、パドル部品75には、その中心部から側方に突出するパドル軸75bが設けられている。
【0042】
以下、本実施形態の第1形態1Fから第2形態2Fに変えるときの玩具1の組み立てについて、
図15~
図18を参照して説明する。
図15は、
図14に示す第5種別の副部品75の取付け方を示す斜視図であり、
図16は、第5種別の副部品75の取付け状態おいて、
図15に示すB-B線に沿った部分の断面矢視図である。
【0043】
図15に示すように、第1外殻部品10と第3外殻部品23とを取り付けるときに、パドル部品75のパドル軸75bを開口切欠き10kに嵌め合わせ、この状態で、開口切欠き10kに嵌入突起23gを嵌め合わせる。これによって、
図16に示すように、開口切欠き10kと嵌入突起23gとによってパドル軸75bが上下方向から挟持・固定される。また、嵌入突起23gの嵌め込みによって、第1外殻部品10と第3外殻部品23とが固定される。
【0044】
図17は、各副部品及び各外殻部品の第2形態の組み立て方を示す分解斜視図であり、
図18は、第2実施形態の玩具1の第2形態2Fを示す斜視図である。
図17に示すように、第2外殻部品20の突起状端部20tと、第1外殻部品10の孔状端部10tとを嵌め合わせ、更に、フィギュア部品74を矩孔23iに、エンブレム部品72を台形孔19に、船室部品76を円孔23h、装着して、
図18に示すように、キャラクターを蒸気船の船長に見立てた玩具1の展示状態とする。
【0045】
以上述べたように、本実施形態の玩具1によれば、第2形態2Fにおいは、第4連結部分24bによって、第1外殻部品10と第2外殻部品20とは外面を向き合わせるように連結されるので、展示状態の高さを高くすることができる。
【0046】
本実施形態の玩具1によれば、第3外殻部品23の平板部23aによって第1形態1Fに形成される内部の空間を区画することができ、複数の収容空間を設けることができる。
【0047】
本実施形態の玩具1によれば、第3外殻部品23の平板部23aによって、第2形態2Fにおいて副部品70の展示面を平坦にし、また展示面積を大きくでき展示がし易い。
【0048】
本実施形態の玩具1によれば、第3外殻部品23の嵌入突起23gと第1外殻部品10の開口切欠き10kとの組み合わせによって副部品70を取り付けることができるので、副部品70を第3外殻部品23の平坦面側ではなく側面側に取り付けることができる。また、嵌入突起23gと開口切欠き10kとの嵌合によって、第3外殻部品23と第1外殻部品10とを固定できる。更に、開口切欠き10kに対するパドル軸75bの装着においては、パドル軸75bは、孔に押し込むような取り付け方法ではないので、例えば、パドル軸75bの先端が大径の構造の場合でも組み込みが可能となる。この結果、パドル部品75を第1外殻部品10に対して、回転可能な状態で組み込む構造を採用することも可能となる。
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記第1実施形態においては、位置決め部16は、二対の異なるサイズの凹凸構造によって位置決めするように構成したが、この構成に限るものではなく、例えば、一対の凹凸においてそのサイズや形状を変える構成であっても良い。
【符号の説明】
【0050】
1 玩具
1F 第1形態
2F 第2形態
10 第1外殻部品
10a 第1外殻部品の本体部
10e 第1外殻部品の開口縁(第1外殻部品の端部)
10h 第1外殻部品の開口
10is 第1外殻部品の内表面
10us 第1外殻部品の外表面
16 位置決め部
20 第2外殻部品
20a 第2外殻部品の本体部
20e 第2外殻部品の開口縁(第2外殻部品の端部)
20h 第2外殻部品の開口
20us 第2外殻部品の外表面
21 張り出し部
21d 凸部
21b 第1連結部分
22b 第2連結部分
23 第3外殻部品
23a 平板部
23b 第3連結部分(他の連結部)
23f 鍔部(第1壁部、第2壁部)
24b 第4連結部分(一方の連結部、他方の連結部)
40 載置面
70 副部品
71 フィギュア部品(第1種別の副部品)
72 エンブレム部品(第2種別の副部品)
73 耳部品(第3種別の副部品)
74 第4種別の副部品
75 第5種別の副部品
76 第6種別の副部品
SP 空間
【要約】
【課題】興趣性の高い玩具を提供する。
【解決手段】第1形態と第2形態とに変化可能な玩具であって、
第1外殻部品と、前記第1外殻部品に連結可能な第2外殻部品と、前記第1外殻部品、及び前記第2外殻部品に連結可能な第3外殻部品と、を備え、
前記第1外殻部品、及び前記第2外殻部品は、第1形態において、前記第3外殻部品を介して連結し、第2形態において、前記第3外殻部品を介さずに連結するよう構成されている。
【選択図】
図17