(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-22
(45)【発行日】2022-05-06
(54)【発明の名称】管理サーバ、ネットワークシステム、ルータの管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 45/74 20220101AFI20220425BHJP
H04L 41/0895 20220101ALI20220425BHJP
H04L 45/42 20220101ALI20220425BHJP
【FI】
H04L45/74
H04L41/0895
H04L45/42
(21)【出願番号】P 2021102614
(22)【出願日】2021-06-21
(62)【分割の表示】P 2018184049の分割
【原出願日】2018-09-28
【審査請求日】2021-06-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 朝信
(72)【発明者】
【氏名】園木 悠司
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0221971(US,A1)
【文献】米国特許第8868745(US,B1)
【文献】特開2016-192609(JP,A)
【文献】特開2017-143414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/0895
H04L 45/42
H04L 45/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが1つ以上の仮想的ネットワークに属する1つ以上のルータを管理する管理サーバであって、
ルータが仮想的ネットワークを介して接続された別のルータから受信した経路情報を用いて当該ルータの記憶領域に記憶されている経路情報を更新する場合に、当該ルータの記憶領域に記憶されている仮想的ネットワークごとの経路情報が示す経路数が、仮想的ネットワークごとに設定される所定の閾値を超えるか否かを、前記管理サーバにおいて管理しているルータ情報に基づいて判定する判定手段と、
前記判定手段により前記経路数が前記所定の閾値を超えると判定された場合、前記ルータに対し経路情報の更新の制限を指示する指示手段と
を備えることを特徴とする管理サーバ。
【請求項2】
前記管理サーバは更に、前記1つ以上のルータそれぞれに対し、各ルータが属する1つ以上の仮想的ネットワークとの対応関係を示す対応情報を管理しており、
前記判定手段は、ルータから受信した前記経路情報が何れの仮想的ネットワークに対応するものであるかを、前記対応情報を用いて判定することを特徴とする請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項3】
前記ルータ情報は、各ルータの記憶領域に記憶されている、仮想的ネットワークごとの経路情報が示す経路数を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の管理サーバ。
【請求項4】
前記所定の閾値は、前記ルータの記憶領域の記憶容量に基づき決定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の管理サーバ。
【請求項5】
仮想的ネットワークごとに優先度が設定され、
前記所定の閾値は、前記優先度に応じて決定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の管理サーバ。
【請求項6】
前記所定の閾値は、仮想的ネットワークごとに求められる、前記ルータが受信した経路情報の統計値に基づいて決定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の管理サーバ。
【請求項7】
前記統計値は、経路情報によって示される経路の平均数であり、
前記所定の閾値は、経路の平均数が高い仮想的ネットワークに対しては、平均数が低い仮想的ネットワークよりも高い値に決定されることを特徴とする請求項6に記載の管理サーバ。
【請求項8】
前記統計値は、経路情報によって示される経路の平均数であり、
前記所定の閾値は、前記平均数に基づいて、仮想的ネットワーク間の経路数が平準化されるように決定されることを特徴とする請求項6に記載の管理サーバ。
【請求項9】
前記1つ以上の仮想的ネットワークのうちの一部の仮想的ネットワークが削除された場合、当該仮想的ネットワークに対応する経路情報が、当該仮想的ネットワークに属するルータの記憶領域から削除されることに伴い、その他の仮想的ネットワークに係る前記所定の閾値および前記ルータ情報が再設定され、
前記指示手段は、前記判定手段による再設定後の所定の閾値およびルータ情報に基づく判定結果に応じて、前記ルータに対し経路情報の更新を制限する指示を行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の管理サーバ。
【請求項10】
前記ルータごとに、前記所定の閾値とは異なる第2の閾値が更に設定され、
前記判定手段は更に、前記経路情報の更新時に、前記ルータの記憶領域に記憶される、前記ルータが属する全ての仮想的ネットワークの経路情報が示す経路数の総和が前記第2の閾値を超えるか否かを判定し、
前記指示手段は更に、前記判定手段により前記総和が前記第2の閾値を超えると判定された場合、前記ルータに対し経路情報の更新の制限を指示することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の管理サーバ。
【請求項11】
前記ルータに新たな仮想的ネットワークの追加の指示が行われた場合、
前記判定手段は、当該新たな仮想的ネットワークに対応する経路情報を前記ルータの記憶領域に追加して記憶することにより、前記総和が前記第2の閾値を超えるか否かを判定し、
前記指示手段は、前記判定手段により前記総和が前記第2の閾値を超えると判定された場合には、当該新たな仮想的ネットワークの追加をキャンセルするように指示することを特徴とする請求項10に記載の管理サーバ。
【請求項12】
前記ルータに新たな仮想的ネットワークの追加の指示が行われ、前記判定手段により前記総和が前記第2の閾値を超えないと判定された場合、当該新たな仮想的ネットワークに対応する前記所定の閾値が設定されるとともに、当該新たな仮想的ネットワークに対応するルータ情報が新たに管理されることを特徴とする請求項11に記載の管理サーバ。
【請求項13】
前記指示手段は、前記経路数が前記所定の閾値を下回ると前記判定手段により判定された場合、前記ルータに対し経路情報の更新の制限を解除する指示を行うことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の管理サーバ。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の管理サーバと、それぞれが1つ以上の仮想的ネットワークに属する1つ以上のルータとを含むネットワークシステムであって、
前記1つ以上のルータそれぞれは、
他のルータから経路情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された経路情報を、前記管理サーバに送信する送信手段と、
前記送信手段による送信に対する応答として前記管理サーバから送信される指示に基づいて、当該ルータの記憶領域への前記経路情報の更新を制御する制御手段と
を備えることを特徴とするネットワークシステム。
【請求項15】
管理サーバによって実行される、それぞれが1つ以上の仮想的ネットワークに属する1つ以上のルータの管理方法であって、
ルータが仮想的ネットワークを介して接続された別のルータから受信した経路情報を用いて当該ルータの記憶領域に記憶されている経路情報を更新する場合に、当該ルータの記憶領域に記憶されている仮想的ネットワークごとの経路情報が示す経路数が、仮想的ネットワークごとに設定される所定の閾値を超えるか否かを、前記管理サーバにおいて管理しているルータ情報に基づいて判定する判定工程と、
前記判定工程により前記経路数が前記所定の閾値を超えると判定された場合、前記ルータに対し経路情報の更新の制限を指示する指示工程と
を有することを特徴とする管理方法。
【請求項16】
コンピュータを、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の管理サーバの各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理サーバ、ネットワークシステム、ルータの管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワーク機器であるルータは、IPパケットをルーティングするための経路情報を、ネットワークの構成が変更されるごとに他ルータから受信し、記憶しているルーティングテーブルを更新する。これにより、適切な対地にIPパケットをルーティングすることが可能となる。ルータは、自身が備える記憶領域であるメモリに経路情報を保持し、管理している。このような構成において、ネットワークが大きくなると、相対的に記憶すべき経路情報のデータ量が大きくなり、ルータのメモリに対する負荷も増加する。経路情報のデータ量がメモリの容量を超えた場合、新たな経路が設定できず、適切な宛先へのルーティングができないという課題が生じる。
【0003】
特許文献1では、格納する経路情報の個数が、使用できるメモリ容量を超える場合に、その経路情報は格納せずに廃棄する。そして、廃棄した経路情報の個数が予め設定した閾値を超えると、メモリ容量の不足を知らせる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、提供されるべきサービスレベル(例えば、遅延や通信速度、セキュリティ)に応じて、ネットワークを仮想的に分けるネットワークスライシングという技術がある。このような構成では、ネットワークスライスそれぞれに対する経路情報を保持、管理する必要があるため、ルータが記憶する経路情報の総量が増加する。その結果、経路情報を記憶するために要するメモリの容量が増加し、メモリ容量を超える状況がより生じうる。
【0006】
そこで、本発明は、ネットワークスライシングの利用を想定したネットワーク構成において、ネットワークスライスに対応してルータの記憶領域に記憶される経路情報を適切に管理、更新することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る管理サーバは、それぞれが1つ以上の仮想的ネットワークに属する1つ以上のルータを管理する管理サーバであって、ルータが仮想的ネットワークを介して接続された別のルータから受信した経路情報を用いて当該ルータの記憶領域に記憶されている経路情報を更新する場合に、当該ルータの記憶領域に記憶されている仮想的ネットワークごとの経路情報が示す経路数が、仮想的ネットワークごとに設定される所定の閾値を超えるか否かを、前記管理サーバにおいて管理しているルータ情報に基づいて判定する判定手段と、前記判定手段により前記経路数が前記所定の閾値を超えると判定された場合、前記ルータに対し経路情報の更新の制限を指示する指示手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、ネットワークスライシングの利用を想定したネットワーク構成において、ネットワークスライスに対応してルータの記憶領域に記憶される経路情報を適切に管理、更新することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係るネットワーク構成の例を示す図。
【
図2】本発明の一実施形態に係るネットワークスライシングの概念を説明するための図。
【
図3】本発明の一実施形態に係る各装置のハードウェア構成の例を示す図。
【
図4】本発明の一実施形態に係る管理サーバのソフトウェア構成の例を示す図。
【
図5】本発明の一実施形態に係る管理サーバにおける処理のフローチャート。
【
図6】本発明の一実施形態に係る各種情報を管理するテーブルの構成例を示す図。
【
図7】本発明の一実施形態に係るネットワークスライスの変更時の処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせのすべてが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。尚、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る、ネットワークスライシングを適合可能なネットワーク構成の例を示す図である。
図1において、ルータ101A~101Fの6台のルータ、管理サーバ102、および制御サーバ103が含んで構成されている。ここでは、ルータ101Aを中心として、各ルータと接続されている例を示しているが、これに限定するものではない。また、各ルータは更に、他の装置と接続されていてよい。なお、以下の説明において、ルータをまとめて説明する場合はルータ101と表記し、個別に説明を要する場合は添え字を付して説明する。
【0012】
管理サーバ102は、ルータ101Aおよび制御サーバ103と互いに通信可能に接続されており、各種情報の送受信を行っている。ここで送受信される情報の詳細については、後述する。
図1において、管理サーバ102は、ルータ101Aと接続されている構成を示しているが、これに限定するものではなく、他の1または複数のルータ101と接続されてよい。
【0013】
管理サーバ102は、管理対象となるルータ101の動作状況や機器構成などを管理し、その状態に応じて、ルータ101それぞれに対して制御指示を行う。制御サーバ103は、本実施形態に係るネットワークシステムにて適用されるネットワークスライシングの構成情報を管理、制御する。制御サーバ103は、ルータとそのルータが属するネットワークスライスを対応付けて管理する。この情報は、制御サーバ103から管理サーバ102へ適時提供される。なお、本実施形態では、管理サーバ102と制御サーバ103は別のサーバとして示したが、これに限定するものでは無く同一の装置内で実現されてもよいし、各サーバを複数の装置にて分散して構成してもよい。また、各装置間の接続方式や通信プロトコルは、特に限定するものではなく、有線/無線も問わない。
【0014】
図2は、本発明の一実施形態に係るネットワークシステムにおけるネットワークスライシングの概念構成を説明するための図である。各ルータ101は、接続された隣接するルータ(以下、隣接ルータ)と、経路情報を適時送受信する。ここでの経路情報の送受信の間隔は、予め規定された時間間隔で行われてもよいし、ネットワーク構成の変更が行われた場合などに行われてもよい。
【0015】
本実施形態に係るネットワーク構成では、ネットワークスライシングを適合する場合を想定する。ネットワークスライシングでは、ネットワーク内に位置する各端末(不図示)に対して、提供されるべきサービスレベル(例えば、遅延レベルや通信速度、セキュリティ)に応じて、ネットワークを仮想的に分ける(ネットワークスライス)。本実施形態では、2つのネットワークスライス201A、201Bを例に挙げて説明する。ネットワークスライス201Aには、ルータ101A~101C、および101Eが属するものとする。また、ネットワークスライス201Bには、ルータ101A、101D、および101Fが属するものとする。各ネットワークスライスは、それぞれ異なる経路情報が用いられ、また、ネットワークスライスそれぞれは、別のネットワークとして扱われる。ここでの「属する」とは、そのネットワークスライスにおけるパケットに対して、ルータが、ルーティング等の処理が可能であることを意味する。
【0016】
なお、ここでの説明に用いられる「スライシング(または、スライス)」とは、1のルータを、サービスレベルの異なる1または複数の仮想的なネットワークに属するように分割することを意味する。そのため、その分け方やネットワークスライス間の関係性などを限定することを意図するものではない。
【0017】
ルータ101Aは、隣接ルータから経路情報を受信すると、その経路情報を管理サーバ102へ送信する。そして、管理サーバ102は、自身が管理している情報およびルータ101Aから受信した経路情報に基づいて、その経路情報をルータ101Aの記憶領域に保持させるか否かの制御の指示をルータ101Aへ応答する。ルータ101Aは、管理サーバ102からの指示に基づいて、隣接ルータから受信した経路情報を用いて記憶領域に保持された情報の更新を行う。
【0018】
また、管理サーバ102は、制御サーバ103から、ルータ101(もしくは、当該ルータ101のネットワークインターフェース等)と当該ルータ101(もしくは、当該ルータ101のネットワークインターフェース等)が属するネットワークスライスとの対応づけに関する対応情報を取得する。この対応情報に基づいて、管理サーバ102は、ルータ101Aから受信した経路情報がどのネットワークスライスに対応するものかを特定することができる。つまり、1のルータは、1または複数のネットワークスライスに属することが可能である。なお、ルータ側では、自身がいずれのネットワークスライスに属しているかは把握していなくてよい。対応情報は、例えば、ルータ101が属するネットワークスライスの増加や削除が行われた場合に更新されてもよいし、変更がない場合でも定期的に通知(確認)するような構成であってもよい。
【0019】
また、ルータ101側で記憶領域に保持されている情報の更新を行う場合、記憶領域の全書き換えが行われるような構成であってもよいし、部分的な書き換えが可能な構成であってもよい。例えば、更新において全書き換えが行われるような構成である場合、管理サーバ102が、ルータ101に記憶されている経路情報をネットワークスライスごとに管理してよい。そして、管理サーバ102は、新たに受信した経路情報に対応するネットワークスライスを特定し、ルータ101がその時点で記憶領域に保持している経路情報のうち、特定したネットワークスライスに対応した部分のみを差し替えた更新用の経路情報を作成してルータ101に返してもよい。これにより、ルータ101側では、ネットワークスライスごとに経路情報の更新を管理することなく、全書き換えを行うだけで、ネットワークスライスそれぞれの経路情報を最新の状態として記憶することができる。
【0020】
ルータ101はそれぞれ、自身が保持する経路情報に基づいて、外部から受信した各種信号(パケット)のルーティングを行うが、このとき、自身およびパケットの送信元が属するネットワークスライス内の宛先に対してルーティングが行われることとなる。なお、ルータ間の通信において、ネットワークスライスごとに異なる通信方式(プロトコルなど)で通信するような構成であってもよい。また、ルータ101間の通信、ルータ101と管理サーバ102の間の通信、管理サーバ102と制御サーバ103の間の通信がそれぞれ異なる通信方式で行われてもよい。
【0021】
[ハードウェア構成]
図3は本実施形態に係る各装置のハードウェア構成の例を示す図である。
図3(a)は、本実施形態に係る管理サーバ102および制御サーバ103に適用可能な情報処理装置300のハードウェア構成の例を示す。なお、ここでは同じ構成の情報処理装置300を用いるものとして説明するが、管理サーバ102および制御サーバ103はそれぞれ異なるハードウェア構成を備えていてもよい。
【0022】
情報処理装置300は、CPU(Central Processing Unit)302、ROM(Read Only Memory)303、RAM(Random Access Memory)304、外部記憶装置305、操作部306、通信部307、および表示部308を含んで構成される。各部位は、内部バス301を介して互いに通信可能に接続される。CPU302は、情報処理装置300全体の制御を司り、外部記憶装置305等に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、後述するような各種処理を実現する。ROM303は、不揮発性の記憶部である。RAM304は、揮発性の記憶部であり、プログラムの実行に伴うワークエリアとしても用いられる。外部記憶装置305は、不揮発性の記憶部であり、OS(Operating System)やプログラム、各種データが格納される。操作部306は、ユーザからの操作を受け付けるためのインターフェースであり、例えば、マウスやキーボードなどが挙げられる。通信部307は、外部装置との通信を行うための部位である。表示部308は、各種情報を表示するための部位である。
【0023】
図3(b)は、本実施形態に係るルータ101に適用可能なルータ310のハードウェア構成を示す。なお、
図1では、複数のルータ101を示したが、それぞれが異なる構成を備えていてもよい。
【0024】
ルータ310は、処理部312、ROM313、RAM314、および通信部315を含んで構成される。各部位は、内部バス311を介して互いに通信可能に接続される。なお、上記の構成は、物理的に1台のルータの中に1または複数のセットが独立して設けられてもよい。処理部312は、ルータ310全体の制御を司り、ROM313に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各種処理を実現する。ROM313は、不揮発性の記憶領域であり、OSや各種プログラム等が格納される。RAM314は、揮発性の記憶領域であり、例えば、ルーティングテーブルなどが格納される。通信部315は、外部装置との通信を行うための部位である。通信部315には、例えば、1または複数の物理ポートが含まれる。なお、通信部315は、外部と通信を行うための構成であればよく、例えば、ケーブル等が接続される物理ポートの他、無線通信を行うためのネットワークインターフェース等を含んでもよい。
【0025】
図4は、本実施形態に係る管理サーバ102のソフトウェア構成の例を示す図である。なお、管理サーバ102は、ルータ情報管理部401、対応情報取得部402、制限処理判定部403、閾値決定部404、制限指示部405、ルータ情報取得部406、および経路情報取得部407として機能する各種モジュールを含んで構成される。また、管理サーバ102は、ルータ情報DB(データベース)408、対応情報DB409、および閾値情報DB410を含むデータベースが記憶領域に構成される。
【0026】
ルータ情報管理部401は、ルータ情報DB408へのルータ情報の読み出し/書き込みを行い、情報を管理する。対応情報取得部402は、制御サーバ103とのデータの小受信を行い、ネットワークスライスとルータとの対応関係を示す対応情報を取得する。制限処理判定部403は、ルータ101から受信した経路情報を用いて当該ルータ101の記憶領域の情報を更新すべきか制限すべきかを判定する。閾値決定部404は、制限処理判定部403にて行われる処理にて用いられる閾値を決定する。本実施形態では、閾値はルータ101もしくはネットワークスライスごとに決定され、閾値情報DBにて保持されているものとする。制限指示部405は、制限処理判定部403による処理の結果に基づいて、ルータ101に対して更新または制限の指示を行う。
【0027】
ルータ情報取得部406は、管理対象のルータ101の情報を、ルータ101に問い合わせ、取得する。ここで取得されたルータ情報は、ルータ情報DB408にて保持されているものとする。経路情報取得部407は、ルータ101から適時、経路情報を取得する。ここでの経路情報は、ルータ101側から送信されてきたものを受信してもよいし、所定の時間にわたってルータ101から送信されてこない場合にルータ101に問い合わせを行うような構成であってもよい。ルータ情報DB408は、ルータ101それぞれが備える記憶領域に保持されている経路情報や、記憶領域の状態(空き容量やメモリサイズ等)、機種情報などを保持する。対応情報DB409は、制御サーバ103から取得した対応情報を保持する。閾値情報DB410は、ルータ101やネットワークスライスに対して決定された閾値を保持する。
【0028】
なお、図には示していないが、ルータ101側では、自身が属するネットワークスライスそれぞれに対応した処理を行うためのモジュール(プログラム)や処理部(ASIC:Application Specific Integrated circuit等)が設けられてよい。この構成については、公知の方法を用いるものとし、ここでの詳細な説明は省略する。
【0029】
[制限判定処理]
図5は、本発明の一実施形態に係る管理サーバ102による経路情報の更新に関する制限判定処理のフローチャートを示す。本処理フローは、管理サーバ102のCPU302が外部記憶装置305等に保持されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。本処理フローは、管理サーバ102がルータ101から経路情報を受信したことに伴って実行される。なお、管理対象のルータ101は、隣接ルータから経路情報を受信したことに応じて、管理サーバ102にその経路情報を送信する。
【0030】
S501にて、経路情報取得部407は、管理対象のルータ101から送信されてきた経路情報を取得する。
【0031】
S502にて、制限処理判定部403は、受信した経路情報およびその経路情報を送信してきたルータ101の情報に対し、対応情報DB409に格納されている対応情報を参照して、経路情報に対応するネットワークスライスを特定する。
【0032】
S503にて、制限処理判定部403は、経路情報を送信してきたルータ101のルータ情報を、ルータ情報DB408を参照して取得する。なお、ルータ情報は、S501にて経路情報を取得する際に、併せてルータ101から最新の情報を取得するような構成であってもよい。
【0033】
S504にて、制限処理判定部403は、ルータ101およびネットワークスライスに対応する閾値を、閾値情報DB410を参照して取得する。ここでの閾値は、本処理が行われる前に、閾値決定部404により決定され、閾値情報DB410に保持されているものとする。
【0034】
S505にて、制限処理判定部403は、S501にて取得した経路情報を用いて、当該経路情報を送信してきたルータ101の記憶領域に記憶されている情報を更新した状態を推定する。ここで推定される状態としては、更新後に保持されるデータサイズ(経路数)、記憶領域の空き容量、記憶領域全体に対するデータの占有の比率などが該当するが特に限定されるものではない。
【0035】
S506にて、制限処理判定部403は、S505にて推定した状態が、S504にて取得した閾値を超えるか否かを判定する。閾値を超えると判定した場合(S506にてYES)S507へ進み、閾値を超えないと判定した場合(S506にてNO)S508へ進む。
【0036】
S507にて、制限指示部405は、ネットワークを介して、S501にて経路情報を送信してきたルータ101に対し、当該経路情報を用いた記憶領域の更新(経路情報の保存)を行わないように制限を指示する。そして、本処理フローを終了する。
【0037】
S508にて、制限指示部405は、ネットワークを介して、S501にて経路情報を送信してきたルータ101に対し、当該経路情報を用いた記憶領域の更新を行うように指示する。
【0038】
S509にて、ルータ情報管理部401は、S501にて受信した経路情報による更新後の状態に基づいて、対応するルータ101のルータ情報を更新する。そして、本処理フローを終了する。
【0039】
なお、上記の処理フローでは、受信した経路情報を用いてルータ101の記憶領域を更新することで閾値を超える場合に、この経路情報を用いた更新の制限を行う例を示したが、これに限定するものではない。例えば、一旦、制限を指示した場合には、一定の期間、更新の制限を継続させ、その後に新たな経路情報を受信し、この新たな経路情報を用いて更新しても閾値を超えない場合に更新の制限を解除するような指示を行ってもよい。言い換えると、経路情報により更新を行った場合に閾値を超える際には、その経路情報に対して制限を行うか、一定期間継続して制限を行うかのいずれでもあってよい。なお、ここでの一定期間とは、例えば、予め決められた時間であってもよいし、ルータ101の状態が所定の状態(例えば、記憶領域の使用量が一定値以下になる、閾値を下回る、など)に遷移するまでであってもよい。
【0040】
また、上記の例では、S505にてルータ101の更新後のメモリの状態を推定する処理を行ったが、これに限定するものではない。例えば、S501にてルータ101から受信する経路情報に含まれる情報としては、経路情報を記憶するために使用されている記憶容量の絶対値、ネットワークスライスごとに設定された記憶領域の最大記憶容量に対して経路情報を記憶するために使用している記憶容量の比率、記憶領域に記憶している経路情報が示す経路数、記憶領域の空き領域、又は、経路情報それ自体などが挙げられる。これらの情報は、ルータ101が隣接ルータから情報を受信した際に、その情報をそのまま経路情報として管理サーバ102へ送信するものではなく、ルータ101が、自身のリソース(メモリ)との関係を示す情報に変換・編集した情報である。このような情報を用いる場合には、ルータ101は、隣接ルータから情報を受信した際に、管理サーバ102にて判定を行うために用いる情報に変換した上で管理サーバ102へ送信する。これにより、管理サーバ102は、推定処理を行わずに、閾値とルータ101から受信した経路情報との比較により制御を行うことができる。例えば、管理サーバ102は、ルータ101でネットワークスライスの経路情報を記憶するために使用する記憶容量をルータ101から受信して、ルータ101のメモリの逼迫状態を判定するような構成であってもよい。
【0041】
また、制限の指示と共に、その制限以降において更新可能な経路数の上限値(制限条件)を指定するような構成であってもよい。この場合において、ルータ101が隣接ルータから当該上限値を超える経路情報を受け付けた場合に、その経路情報はルータ101側で破棄し、管理サーバ102への送信を行わないようにしてもよい。また、管理サーバ102は、制限の解除や上限値の変更などを一定の期間の経過後に行うような構成であってもよい。
【0042】
また、制限は、ネットワークスライスごとに限定するものではなく、例えば、対地ごとに行うような構成であってもよい。例えば、対地ごとに受信する経路情報(経路数、データサイズ、受信頻度など)の統計を求め、その統計値に応じて、対地ごとの上限値(制限条件)を決定するような構成であってもよい。ここでの条件としては、例えば、所定の期間に受信した経路情報の平均値や最大値に応じて決定してよい。
【0043】
また、閾値は、多段的に用いられてもよい。例えば、経路情報の更新により、個別のスライスネットワークに対して設定された閾値を超えない場合であっても、全てのネットワークスライスに対応する経路情報の総和が別途設定された閾値を超える場合には、その経路情報を用いた更新時において制限を行うような構成であってもよい。
【0044】
[テーブル]
図6は、本発明の一実施形態に係る管理サーバ102の各データペースにて管理される管理情報それぞれのデータテーブルの構成例を示す図である。
【0045】
(ルータ情報テーブル)
図6(a)は、ルータ情報DB408にて保持、管理されるルータ情報テーブルの構成例を示す図である。ルータ情報テーブルは、ルータID、ルータ名、ネットワークインターフェース数、メモリ最大容量、メモリ使用量、総経路数、およびネットワークスライスごとの経路数の項目を含んで構成される。ルータIDは、各ルータを一意に識別するための識別情報(識別子)である。ルータIDは、ルータに明示的に設定されてよく、設定時には、ルータ101の管理者が付与してもよいし、管理サーバ102が付与してもよいし、制御サーバ103が付与してもよい。ルータ名は、ルータに付与された名称である。ネットワークインターフェース数は、ルータが有するネットワークインターフェースの数を示す。ネットワークインターフェースは、物理ポートや仮想ポートなど、特に限定するものではない。メモリ最大容量は、ルータが備える記憶領域の最大容量を示す。なお、メモリの容量に対する単位は、機器構成に応じて変動しうる。また、最大容量は、ルータが備える記憶領域のうち、経路情報を記憶するために割り当てられた領域の絶対値であってよい。
【0046】
メモリ使用量は、ルータが備える記憶領域のうち、その時点での使用量(メモリ使用状態)を示す。総経路数は、ルータが保持している記憶領域に保持されている総経路数を示す。ネットワークスライスごとの経路数は、ルータに記憶されている経路数(総経路数)に対し、ネットワークスライスごとの経路数の分類を示す。なお、扱う経路情報に応じて、ルータ情報テーブルに含まれる項目は増減してよい。また、
図6(a)には示していないが、ルータの記憶領域に保持されている経路情報それ自体が管理サーバ102で保持または管理されていてもよい。
【0047】
(対応情報テーブル)
図6(b)は、対応情報DB409にて保持、管理される対応情報テーブルの構成例を示す図である。対応情報テーブルは、ルータID、ルータ名、ネットワークインターフェースID、ネットワークスライスID、および隣接ルータIDの項目を含んで構成される。ルータID、およびルータ名は、
図6(a)のルータ情報テーブルにて管理される同じ項目名に対応する。ネットワークインターフェースIDは、ルータが備える各ネットワークインターフェースを一意に識別するための識別情報(識別子)である。ネットワークスライスIDは、ルータ(もしくは、ルータが有するネットワークインターフェース)が属するネットワークスライスを一意に識別するための識別情報(識別子)である。隣接ルータIDは、ルータに接続された隣接するルータを一意に識別するための識別情報(識別子)であり、その値はルータIDに対応する。
【0048】
(閾値情報テーブル)
図6(c)は、閾値情報DB410にて保持、管理される閾値情報テーブルの構成例を示す図である。閾値情報テーブルは、ルータID,ネットワークスライスID、および閾値の項目を含んで構成される。ルータIDおよびネットワークスライスIDは、
図6(a)(b)に示した各テーブルにて管理される同じ項目名に対応する。閾値は、各ネットワークスライスに対して設定される閾値を示す。ここでは、閾値として経路数に対する閾値と、記憶領域の使用量(データサイズ)に対する閾値を例として示している。なお、1つのネットワークスライスに対して1つの閾値を設定する構成に限定するものではなく、1つのネットワークスライスに対して複数の異なる閾値(例えば、経路数とデータサイズ)を設定してもよい。上述したように、ネットワークスライスごとに要求されるサービスレベルは異なるため、その要求に応じて閾値の設定や使い分けが行われることとなる。
【0049】
[閾値の決定]
本実施形態では、経路情報を用いてルータ101の記憶領域を更新するか制限するかを判定する場合に閾値を用いる。本実施形態に係る経路情報は、経路数やデータサイズ(例えば、ルーティングテーブルのテータサイズ)などが該当するが、これに限定するものではない。本実施形態において、管理サーバ102が有する閾値決定部404が、閾値を決定する。ここでの閾値とは、例えば、経路情報が示す経路数に対する上限、ルータ101が備える記憶領域(メモリ)の使用量の上限、記憶領域の最大記憶容量に対する記憶容量の比率、記憶領域の最大記憶容量のうちの空き容量、などに対して設定されるが特に限定するものではない。閾値は、扱う経路情報に応じて変更しうる。
【0050】
また、本実施形態に係る閾値は、ネットワークスライスごとやルータごとなど、構成や対象に応じて異なる値が用いられてよい。また、閾値は、他の単位(例えば、期間やイベントなど)で異なる値を設定するような構成であってもよい。各閾値は、ルータ101それぞれが備える記憶領域のサイズや性能、もしくは、各ネットワークスライスにて要求されるサービスレベル(例えば、遅延レベルや通信速度)などに基づいて決定される。例えば、ルータ101が多くの経路数を保持していた場合には、それらの検索などの処理の負荷が高くなるため、要求に対するレスポンスが遅くなる(遅延が発生しやすい)。そのため、高い応答速度が要求されるネットワークスライスでは、保持する経路数を一定よりも少なくなるように制限する。
【0051】
閾値の決定方法の例としては、以下のような方法が挙げられる。
図6のテーブルでは示していないが、ネットワークスライスごとに優先度を設定し、その優先度に応じて、閾値を増減させてもよい。ここでの優先度は、ネットワークスライスを設定する際に合わせて設定してもよいし、経路情報の更新の頻度に応じて変動してもよい。また、隣接ルータから受信する経路情報に対する統計(経路数、データサイズ、更新頻度など)を算出して求めておき、その統計値に応じて、閾値を決定するような構成であってもよい。また、隣接ルータの制限状況(閾値)に基づき、対象とするルータの閾値を調整するような構成であってもよい。例えば、経路の平均数が高いネットワークスライスに対しては、平均数が低いネットワークスライスよりも高い値が設定されるような構成であってもよい。また、一旦決定した閾値に対して、例えば、統計値に基づいて調整を行うような構成であってもよい。例えば、経路数の平均値を求め、平均値よりも経路情報が大きいネットワークスライスに対しては制限値を低くなるように更新し、平均値よりも経路情報が小さいネットワークスライスに対しては制限値を大きくなるように更新してもよい。これにより、ネットワークスライス間の経路数を平準化することが可能となる。
【0052】
[ネットワークスライス変更時の処理]
ネットワークスライスは、目的に応じて、ルータに対して追加もしくは一部の削除が可能である。そこで、ネットワークスライスの変更の指示が行われた際の動作について説明する。
【0053】
図7は、本発明の一実施形態に係る管理サーバ102による、ネットワークスライスの変更の指示を受け付けた際の経路情報の更新に関する処理のフローチャートを示す。本処理フローは、管理サーバ102のCPU302が外部記憶装置305等に保持されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。本処理フローは、管理サーバ102が制御サーバ103等からルータ101が属するネットワークスライスの変更の指示を受け付けたことに応じて実行される。
【0054】
S701にて、対応情報取得部402は、ルータが属するネットワークスライスの変更の指示を受け付ける。ここでの変更の指示は、制御サーバ103を介して受信してもよいし、管理サーバ102のユーザによりUI(ユーザインタフェース:不図示)を介して受け付けてもよい。例えば、変更の指示は、対応情報の更新として扱ってもよい。
【0055】
S702にて、対応情報取得部402は、受け付けた変更の指示がネットワークスライスの追加か削除のいずれであるかを判定する。追加である場合は(S702にてYES)S707へ進み、削除である場合は(S702にてNO)S703へ進む。
【0056】
S703にて、ルータ情報管理部401は、削除対象のネットワークスライスに属するルータ101のルータ情報を、ルータ情報DB408を参照して取得する。
【0057】
S704にて、ルータ情報管理部401は、削除対象のネットワークスライスに対応する経路情報をルータ情報から削除する。
【0058】
S705にて、制限指示部405は、ネットワークを介して、削除対象のネットワークスライスが属するルータ101に対し、削除後の経路情報を用いた記憶領域の更新(経路情報の保存)を行うように指示する。
【0059】
S706にて、ルータ情報管理部401は、S705による更新後の状態に基づいて、対応するルータ101のルータ情報を更新する。そして、本処理フローを終了する。
【0060】
S707にて、ルータ情報管理部401は、追加対象のネットワークスライスに属するルータのルータ情報を、各DBを参照して取得する。
【0061】
S708にて、ルータ情報管理部401は、対象のルータ101およびネットワークスライスに対応する閾値を、閾値情報DB410を参照して取得する。
【0062】
S709にて、ルータ情報管理部401は、ネットワークスライスを追加した場合のルータ101の記憶領域の状態を推定する。ここで推定される状態としては、追加後に保持されるデータサイズ(経路数)、記憶領域の空き容量、記憶領域全体に対するデータの占有の比率などが該当するが特に限定されるものではない。例えば、1つのネットワークスライスを追加した際に増加する経路数を予め規定しておき、その経路数を現在の経路数に追加することで推定するような構成であってもよい。また、ネットワークスライスの追加の指示と併せて、増加する経路数やデータサイズの指定を受け付けてもよい。
【0063】
S710にて、ルータ情報管理部401は、S709にて推定した状態が、S708にて取得した閾値を超えるか否かを判定する。閾値を超えると判定した場合(S710にてYES)S711へ進み、閾値を超えないと判定した場合(S710にてNO)S712へ進む。
【0064】
S711にて、ルータ情報管理部401は、S701にて受け付けた変更の指示(追加)の送信元に対し、この指示のキャンセルを応答する。そして、本処理フローを終了する。
【0065】
S712にて、ルータ情報管理部401は、S701にて受け付けた変更の指示(追加)の送信元に対し、この指示の受付を応答する。更にルータ情報管理部は、追加したネットワークスライスに関する情報を用いて、各DBを更新する。そして、本処理フローを終了する。
【0066】
図7の処理フローにより、ルータが属するネットワークスライスが増減することとなる。これに伴って、各ネットワークスライスやルータに対する閾値の更新や再設定、調整などが行われる。例えば、ネットワークスライスが削除された場合には、その他のネットワークスライスの経路情報に対して利用可能な記憶領域が増加するため、これに合わせて閾値を変更することができる。そして、閾値の更新や再設定後に、各ルータに対して
図5に示すような判定が行われ、その判定結果に応じて制限の指示が行われることとなる。
【0067】
図7に示す処理フローにより、ルータが属するネットワークスライスの増減時に、閾値との比較を行い、その増減を受け付けるか否かを制御する。これにより、ネットワークスライスに要求されるサービスレベルを満たすように制御することが可能となる。
【0068】
以上、本実施形態により、ネットワークスライシングの利用を想定したネットワーク構成において、ネットワークスライスに対応してルータの記憶領域に記憶される経路情報を適切に管理、更新することが可能となる。
【0069】
なお、上記に記載した本発明の一実施形態は一例であり、各処理や機能を実現するために、1または複数のプロセッサや回路、コンピュータを組み合わせてプログラム、データ、または信号に適用してよい。また、ネットワーク機器の例として、ルータを挙げたが、例えば、L3(レイヤ3)スイッチや他のネットワーク機器に適用して同様の機能を実現するような構成であってもよい。
【0070】
また、上記の実施形態では、ルータからの経路情報をサーバが受信し、その情報に基づいてサーバ側で閾値との比較を行い、その結果に基づいてルータ側で更新もしくは制限を行う構成について説明した。しかし、この構成に限定するものではなく、例えば、ルータが隣接ルータから経路情報を受信した際に、その経路情報を用いた構成を行った上でサーバに通知するような構成であってもよい。この場合は、例えば、すでに更新が行われたルータの状態に基づいて、更にその後の制限を行うか否かをサーバが判定し、制限の指示を行うような構成であってもよい。
【符号の説明】
【0071】
101…ルータ
102…管理サーバ
103…制御サーバ
201A、201B…ネットワークスライス
401…ルータ情報管理部
402…対応情報取得部
403…制限処理判定部
404…閾値決定部
405…制限指示部
406…ルータ情報取得部
407…経路情報取得部
408…ルータ情報DB
409…対応情報DB
410…閾値情報DB