(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】キャパシタ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20220426BHJP
H01G 2/06 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
H01G4/30 201E
H01G4/30 201B
H01G4/30 311E
H01G4/30 513
H01G2/06 500
(21)【出願番号】P 2016205200
(22)【出願日】2016-10-19
【審査請求日】2019-10-17
【審判番号】
【審判請求日】2021-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2015-0151068
(32)【優先日】2015-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0021731
(32)【優先日】2016-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヨウ、ス ヨウン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ジャエ イエオル
(72)【発明者】
【氏名】グ、ヒュン ヒー
(72)【発明者】
【氏名】チュン、ビョン ジン
【合議体】
【審判長】山田 正文
【審判官】須原 宏光
【審判官】山本 章裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-4569(JP,A)
【文献】実開昭60-149125(JP,U)
【文献】特開2015-19037(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/00 - 4/224
H01G 4/225- 4/40
H01G13/00 -17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装面となる一面に露出するように形成された第1リード部を有する第1内部電極と、誘電体層を介して前記第1内部電極と交互に積層され、前記一面に露出するように形成された第2リード部を有する第2内部電極と、を含む本体と、
前記本体の一面に形成され、前記第1及び第2内部電極とそれぞれ電気的に連結された第1及び第2外部電極と、
前記第1及び第2外部電極と電気的に連結され、前記本体の一面と連結された面の一部を覆う、前記本体の一面と連結された面の一部に密着した第1及び第2補助外部電極と、を含
み、
前記第1及び第2補助外部電極は、前記本体の表面が露出する非連結部を含む、キャパシタ。
【請求項2】
前記第1及び第2補助外部電極は金属材料である、請求項1に記載のキャパシタ。
【請求項3】
前記第1及び第2補助外部電極は銅(Cu)からなる、請求項2に記載のキャパシタ。
【請求項4】
前記第1及び第2補助外部電極は、前記本体及び前記第1及び第2外部電極の表面に沿って形成される、請求項1から請求項3の何れか一項に記載のキャパシタ。
【請求項5】
前記第1及び第2補助外部電極は、前記第1及び第2外部電極の一部を覆うように形成される、請求項1から請求項3の何れか一項に記載のキャパシタ。
【請求項6】
前記本体の一面と対向する面を他面として備え、
前記第1及び第2補助外部電極は、前記本体の一面及び他面を接続する面を覆うように延在させる形で形成される、請求項1から請求項3の何れか一項に記載のキャパシタ。
【請求項7】
前記本体の一面と対向する面を他面として備え、
前記第1及び第2補助外部電極は、前記本体の一面及び他面を連結する面と前記本体の他面の一部を覆うように延在させる形で形成される、請求項1から請求項3の何れか一項に記載のキャパシタ。
【請求項8】
第1及び第2補助外部電極の厚さは0.05~10μmである、請求項1から請求項7の何れか一項に記載のキャパシタ。
【請求項9】
前記第1及び第2補助外部電極は、前記第1及び第2外部電極から延在させる形で前記本体の表面と接触するように形成される、請求項1から請求項3の何れか一項に記載のキャパシタ。
【請求項10】
前記第1及び第2外部電極は前記本体の一面の角部分から離して形成される、請求項1から請求項3の何れか一項に記載のキャパシタ。
【請求項11】
前記第1及び第2外部電極は前記本体の一面の角部分まで延在させる形で形成される、請求項1から請求項3の何れか一項に記載のキャパシタ。
【請求項12】
前記第1及び第2外部電極は、前記本体の一面と接続された面の一部まで延在させる形で形成される、請求項1から請求項3の何れか一項に記載のキャパシタ。
【請求項13】
前記第1及び第2外部電極と前記第1及び第2補助外部電極上に形成されためっき層をさらに含む、請求項1から請求項1
2の何れか一項に記載のキャパシタ。
【請求項14】
前記本体の一面は前記本体の下面である、請求項1から請求項1
3の何れか一項に記載のキャパシタ。
【請求項15】
上面、下面、及び前記上面と下面を連結する側面を含み、実装面となる下面に露出するように形成された第1及び第2リード部を有する第1及び第2内部電極を含む本体と、
前記本体の下面に形成され、前記第1及び第2内部電極とそれぞれ電気的に連結された第1及び第2外部電極と、
前記第1及び第2外部電極と電気的に連結され、前記本体の両側面の一部に密着するように形成された第1及び第2補助外部電極と、を含
み、
前記第1及び第2補助外部電極は、前記本体の表面が露出する非連結部を含む、キャパシタ。
【請求項16】
前記第1及び第2補助外部電極は、前記本体及び前記第1及び第2外部電極の表面に沿って形成される、請求項1
5に記載のキャパシタ。
【請求項17】
前記第1及び第2補助外部電極は、前記第1及び第2外部電極の一部を覆うように形成される、請求項1
5に記載のキャパシタ。
【請求項18】
前記第1及び第2補助外部電極は、前記本体の側面と前記本体の上面の一部を覆うように延在させる形で形成される、請求項1
5に記載のキャパシタ。
【請求項19】
内部電極パターンが形成された誘電体層を積層して実装面となる一面に内部電極パターンが露出した積層体を形成する段階と、
前記積層体の一面に外部電極ペーストを塗布する段階と、
前記積層体及び外部電極ペーストを焼成して外部電極が形成された本体を得る段階と、
前記外部電極と電気的に連結され、前記本体の一面と連結された面の一部を覆って前記本体の一面と連結された面の一部に密着するように補助外部電極を形成する段階と、を含
み、
前記補助外部電極は、前記本体の表面が露出する非連結部を含む、キャパシタの製造方法。
【請求項20】
前記補助外部電極を形成する処理は、ウェットコーティング方法及びドライコーティング方法のうちいずれか一つ以上の方法で実施される、請求項
19に記載のキャパシタの製造方法。
【請求項21】
前記補助外部電極は金属材料である、請求項
19または請求項
20に記載のキャパシタの製造方法。
【請求項22】
前記補助外部電極は、前記本体及び前記外部電極の表面に沿って形成される、請求項
19から請求項
21の何れか一項に記載のキャパシタの製造方法。
【請求項23】
前記本体の一面と対向する面を他面として備え、
前記補助外部電極は、前記本体の一面と他面を連結する面と前記本体の他面の一部を覆うように延在させる形で形成される、請求項
19から請求項
21の何れか一項に記載のキャパシタの製造方法。
【請求項24】
前記本体の一面と対向する面を他面として備え、
前記補助外部電極は、前記本体の一面と他面を連結する面を覆うように延在させる形で形成される、請求項
19から請求項
21の何れか一項に記載のキャパシタの製造方法。
【請求項25】
前記補助外部電極の厚さは0.05~10μmである、請求項
19から請求項
21の何れか一項に記載のキャパシタの製造方法。
【請求項26】
前記外部電極ペーストは、前記積層体の一面の角部分から離して形成される、請求項
19から請求項
21の何れか一項に記載のキャパシタの製造方法。
【請求項27】
前記外部電極ペーストは、前記積層体の一面の角部分まで延在させる形で形成される、請求項
19から請求項
21の何れか一項に記載のキャパシタの製造方法。
【請求項28】
前記外部電極ペーストは、前記積層体の一面と連結された面の一部を覆うように延在させる形で形成される、請求項
19から請求項
21の何れか一項に記載のキャパシタの製造方法。
【請求項29】
誘電体層の間に交互に積層された第1及び第2内部電極を含む本体であって、前記第1及び第2内部電極の一部を、実装面となる前記本体の同一の外部面に延在させて構成される前記本体と、
前記本体の同一の外部面に配置され、それぞれ前記第1及び第2内部電極と接続された第1及び第2外部電極と、
前記第1及び第2外部電極と接続され、前記本体の同一の外部面の他に前記本体の異なる各表面に密着するように配置された第1及び第2補助外部電極と、を含
み、
前記第1及び第2補助外部電極は、前記本体の表面が露出する非連結部を含む、キャパシタ。
【請求項30】
前記第1及び第2外部電極のそれぞれは、前記第1及び第2外部電極が配置された前記本体の同一の外部面の端から離して設けられる、請求項
29に記載のキャパシタ。
【請求項31】
前記第1及び第2外部電極のそれぞれは、前記第1及び第2外部電極が配置された前記本体の同一の外部面の端と整列された側面を有する、請求項
29に記載のキャパシタ。
【請求項32】
前記第1及び第2外部電極のそれぞれは、第1及び第2補助外部電極を有する前記本体の各異なる表面の一つに配置されるように延在させる形で形成される、請求項
29に記載のキャパシタ。
【請求項33】
前記第1及び第2補助外部電極は、前記第1及び第2外部電極の金属とは異なる金属を含む、請求項
29から請求項
32の何れか一項に記載のキャパシタ。
【請求項34】
前記第1及び第2補助外部電極は、前記第1及び第2外部電極のそれぞれの少なくとも一面を覆うように形成される、請求項
29に記載のキャパシタ。
【請求項35】
前記補助外部電極は、それぞれ第1及び第2外部電極を介して第1及び第2内部電極と間接的に接続される、請求項
29に記載のキャパシタ。
【請求項36】
上面に第1及び第2接触部が配置された回路基板と、
前記第1及び第2接触部と結合されたキャパシタと、を含み、
前記キャパシタは、
積層された第1及び第2内部電極を含む本体と、第1及び第2内部電極は実装面となる前記本体の同一の外部面に延長し、前記本体の同一の外部面に配置され、それぞれ第1及び第2内部電極と接続された第1及び第2外部電極と、前記本体の他の外部面に密着するように配置され、それぞれ第1及び第2外部電極と連結される第1及び第2補助外部電極、前記第1及び第2補助外部電極上に配置され、それぞれ第1及び第2接触部と結合された第1及び第2めっき層と、を含
み、
前記第1及び第2補助外部電極は、前記本体の表面が露出する非連結部を含む、キャパシタの実装基板。
【請求項37】
前記キャパシタは、前記第1及び第2外部電極が形成された前記本体の同一の外部面が前記回路基板に対向するように第1及び第2接触部と結合される、請求項
36に記載のキャパシタの実装基板。
【請求項38】
前記第1及び第2内部電極の一部は、前記本体の一つの同一の外部面に延在させる形で形成される、請求項
36に記載のキャパシタの実装基板。
【請求項39】
前記第1及び第2外部電極は、前記本体の全ての外部面のうち前記本体の同一の外部面にのみ配置される、請求項
36に記載のキャパシタの実装基板。
【請求項40】
前記第1及び第2補助外部電極は、前記第1及び第2外部電極を介してそれぞれ第1及び第2内部電極と間接的に接続される、請求項
39に記載のキャパシタの実装基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャパシタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
小型化されたIT製品の性能向上に伴い、小型で静電容量が非常に大きな電子製品の必要性が増大してきている。そこで、既存の積層セラミックキャパシタ(MLCC;Multilayer Ceramic Capacitor)において外部電極が実装面に構成されたBLCC(Bottom Land Ceramic Capacitor)が新たなキャパシタ構成方法として研究されている。外部電極を実装面に構成することで、長さ方向(Length direction)の大きさの増加だけでなく、静電容量を実現可能な内部電極の形成面積を増加させることができる。これにより、電極同士が重なる重複(overlap)領域が増加し、同じ大きさのキャパシタ内での容量の極大化が可能となる。また、アコースティックノイズ(acoustic noise)の減少及び曲げ強度などの特性を改善する効果を確保することができる。
【0003】
しかしながら、六面体形状の本体(body)において、実装面のみに外部電極が構成されることで発生する限界点がある。具体的には、キャパシタをローディング(loading)する際に外部電極が形成された実装面方向を選別してローディングしなければならないため、製造時における作業性と共に顧客企業が使用する際の利便性が低下することがある。また、従来のMLCCに比べてソルダリング(soldering)のための面積が減少し、実装基板との固着強度が脆弱化するという問題点が発生する恐れがある。
【0004】
このため、製造時における作業性の向上及び実装基板との固着強度を改善できるキャパシタの構造の開発が必要となっている。
【0005】
下記先行技術文献に記載された特許文献は、キャパシタに関する説明である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許第2014-0143321号公報
【文献】韓国公開特許第2015-0033392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、実装面のみに形成された外部電極は、回路基板に実装する際にソルダリング面積の減少により固着強度が脆弱化するという問題点がある。
【0008】
本発明の様々な目的のうちの一つは、本体の側面に補助外部電極を形成することで、回路基板に実装する際の基板との固着強度を改善することであり、本体の側面のシーリング(封止)効果によって本体の外表面を保護することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明を通じて提案する多様な課題解決手段のうちの一つである本発明の一実施例に係るキャパシタは、下面に露出するように形成された第1及び第2リード部を有する第1及び第2内部電極を含む本体と、本体の下面に形成され、第1及び第2内部電極とそれぞれ電気的に接続された第1及び第2外部電極と、第1及び第2外部電極と電気的に接続され、本体の両側面の一部に形成された第1及び第2補助外部電極とを含むことにより、静電容量の極大化と共に回路基板との間の固着強度を向上させることができるようにする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施例に係るキャパシタは、本体の側面に補助外部電極を形成して静電容量の極大化を図ると共に回路基板に実装する際に基板との間の固着強度を向上させることができ、キャパシタをローディングする際に作業性を向上させると共に及び作業の容易性を確保することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施例に係るキャパシタの斜視図を概略的に示した図面である。
【
図2】本発明の一実施例に係る本体の分解図及び斜視図を概略的に示した図面である。
【
図3】本発明の一実施例に係る本体の分解図及び斜視図を概略的に示した図面である。
【
図4】本発明の一実施例に係るキャパシタの断面図を概略的に示した図面である。
【
図5】
図4のA部の拡大図を概略的に示した図面である。
【
図6】
図4のA部の拡大図を概略的に示した図面である。
【
図7】本発明の他の実施例に係るキャパシタの断面図を概略的に示した図面である。
【
図8】
図7のB部の拡大図を概略的に示した図面である。
【
図9】本発明のさらに他の実施例に係るキャパシタの断面図を概略的に示した図面である。
【
図10】
図9のC部の拡大図を概略的に示した図面である。
【
図11】本発明のさらに他の実施例に係るキャパシタの断面図を概略的に示した図面である。
【
図13a】本発明の一実施例に係るキャパシタの製造方法を概略的に示した図面である。
【
図13b】本発明の一実施例に係るキャパシタの製造方法を概略的に示した図面である。
【
図13c】本発明の一実施例に係るキャパシタの製造方法を概略的に示した図面である。
【
図14】本発明の一実施例に係るキャパシタが回路基板に実装された斜視図を概略的に示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施例について説明する。しかし、本発明の実施例は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の技術的範囲は以下で説明する実施例に限定されない。また、本発明の実施例は、当該技術分野において通常の知識を有する者に本発明をより完全に理解させるために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)されることがあり、図面上において同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0013】
以下、本発明に係るキャパシタについて説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施例に係るキャパシタの斜視図を概略的に示したものであり、
図2及び
図3は、本発明の一実施例に係る本体の分解図及び斜視図を概略的に示した図面であり、
図4は、本発明の一実施例に係るキャパシタの断面図を概略的に示した図面である。
【0015】
図1~
図3を参照すると、本発明の一実施例に係るキャパシタ100は、一面に露出するように形成された第1リード部124を有する第1内部電極120と、誘電体層111、112を介して第1内部電極120と交互に積層され、上記一面に露出するように形成された第2リード部134を有する第2内部電極130とを含む本体110と、本体110の一面に形成され、上記第1及び第2内部電極120、130とそれぞれ電気的に接続された第1及び第2外部電極141、143と、第1及び第2外部電極と電気的に接続され、本体110の上記一面と接続された面の一部を覆う第1及び第2補助外部電極151、153とを含む。
【0016】
本体110は、一面及び上記一面と対向する他面、上記一面と上記他面との間を接続する面を有することができる。即ち、本体110は、誘電体層の積層方向(幅方向W)に対向する第1面(
図1に示す端面1)及び第2面(
図1に示す端面2)と、長さ方向Lに対向する第3面及び第4面(
図1に示す端面3および4)と、厚さ方向Tに対向する第5面及び第6面(
図1に示す端面5および6)とを含む六面体形状であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0017】
例えば、本体110の第5面及び第6面は、本体110の一面及び他面に対応する。
【0018】
本体110は、上面、下面、及び上記上面と下面との間を接続する側面を含み、下面に露出するように形成された第1及び第2リード部124、134を有する第1及び第2内部電極120、130を含み、上記下面は、本体110の一面に対応する。即ち、本体110の一面は、第5面又は下面であってもよく、回路基板180(
図14を参照)の実装領域171、172(
図14を参照)に配置される実装面とすることができる。
【0019】
本体110は、複数の誘電体層111、112が積層されて形成される。
【0020】
本体110を構成する複数の誘電体層111、112は、焼結された状態であり、互いに隣接する誘電体層111と112の間の境界は目視で確認できないほど両者は一体化されていてもよい。
【0021】
誘電体層111、112は、セラミック粉末、有機溶剤及び有機バインダーを含む誘電体層の焼成により形成することができる。上記セラミック粉末は、高誘電率を有する物質で、ペロブスカイト(perovskite)材料を含むことができる。上記ペロブスカイト材料は、これに制限されないが、チタン酸バリウム(BaTiO3)系材料、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)系材料などであってもよい。
【0022】
本体110の内部には内部電極120、130が形成される。内部電極120、130は、第1極性の第1内部電極120と第2極性の第2内部電極130を一対として含み、一枚の誘電体層を介して互いに対向するように積層されることができる。
【0023】
第1及び第2内部電極120、130は、キャパシタ100の実装面である一面に垂直に配置されることができる。
【0024】
第1及び第2内部電極120、130は、金属材料を含む導電性ペーストにより形成することができる。上記金属材料は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)又はこれらの合金であってよいが、これに制限されない。
【0025】
誘電体層111、112を形成する誘電体層上にスクリーン印刷法又はグラビア印刷法のような印刷法により導電性ペーストを印刷することで、第1及び第2内部電極を形成することができる。
【0026】
第1及び第2内部電極111、112が印刷された誘電体層を交互に積層し焼成して本体110を形成することができる。
【0027】
本発明における第1極性及び第2極性は、互いに異なる極性を意味することができる。
【0028】
第1及び第2内部電極120、130は、一面に露出するように形成された第1及び第2リード部124、134および後述する重複領域122、132をそれぞれ有する。
【0029】
従来のキャパシタ100は、第1及び第2内部電極が本体110の一面及び上記一面と対向する他面を接続する両側面にそれぞれ露出した構造であったが、本発明のキャパシタ100は、第1及び第2内部電極120、130が一面に露出する構造である。上記構造により、従来のキャパシタに比べて静電容量を実現する構造部分の面積を増加させることができ、高容量を実現することができる。
【0030】
本発明の一実施形態に係るキャパシタ100は、垂直積層型であることができる。
【0031】
第1及び第2リード部124、134は、第1及び第2内部電極120、130が形成する内部電極パターンにおいて厚さ方向(T方向)に長さが増加し、本体110の一面に露出した領域を意味することができる。
【0032】
第1及び第2内部電極120、130は、互いに重なる重複領域122、132により静電容量を形成し、互いに異なる極性の第1及び第2外部電極141、143と連結される第1及び第2リード部124、134は、重なる領域を有していない。
【0033】
第1及び第2リード部124、134は互いに重ならずに絶縁されているため、本体を製造するために積層体を切断する際に、切断ストレスによって内部電極の「押され現象」が発生し、それにより内部電極間のショート不良を改善することができる。
【0034】
図3を参照すると、第1及び第2内部電極124、134が本体110の一面、即ち、下面に交互に露出していることが分かる。
【0035】
また、第1及び第2内部電極124、134は、本体110の一面の角部分から一定の距離だけ離れている。
【0036】
図4を参照すると、本発明の一実施形態に係るキャパシタ100は、本体110の一面に引き出された第1内部電極120の第1リード部124と接続されるように形成された第1外部電極141と、本体の一面に引き出された第2内部電極130の第2リード部134と接続されるように形成された第2外部電極143とを含む。即ち、第1及び第2外部電極141、143は、本体110の一面、即ち、下面に形成されるようにしてもよい。
【0037】
第1及び第2外部電極141、143は、上記本体の一面の角部分から10~50μm離れた位置に形成することができ、第1外部電極141及び第2外部電極143の間の距離は30~40μm以上となるようにしてもよい。
【0038】
第1外部電極141及び第2外部電極143の間の距離が30~40μm以上であると、第1外部電極141及び第2外部電極143の間におけるショート(short)を防止することができる。
【0039】
第1及び第2外部電極141、143は、金属材料を含んでいてもよい。
【0040】
上記金属材料は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、又はこれらの合金であってもよい。
【0041】
第1及び第2外部電極141、143は、絶縁性物質をさらに含んでいてもよく、例えば、上記絶縁性物質はガラスであってもよい。
【0042】
第1及び第2外部電極141、143は、それぞれ、第1及び第2リード部124、134と接続されるために本体110の一面に形成される。
【0043】
第1及び第2外部電極141、143が本体110の一面のみに形成される場合、半田フィレット(solder fillet)が突出する部分を減少させることができ、上記突出する部分が減少した領域だけチップサイズを増加させることができる。これにより、同じ寸法の他の素子と比べて容量の極大化という効果を得ることができる。しかしながら、本体110の一面のみに形成された第1及び第2外部電極141、143の場合、半田フィレットと接する面積が減少し、回路基板との固着強度が脆弱であるという短所がある。
【0044】
図5及び
図6は、
図4のA部の拡大図を概略的に示した図面である。
【0045】
図4~
図6を参照すると、本発明の一実施形態に係るキャパシタ100は、第1及び第2外部電極141、143と電気的に接続され、本体110の一面と接続された面の一部を覆う第1及び第2補助外部電極151、153を含む。
【0046】
第1及び第2補助外部電極151、153は、第1及び第2外部電極141、143が形成された本体110の一面及び上記一面と接続された面の一部を覆うように形成することができる。
【0047】
第1及び第2補助外部電極151、153は、第1及び第2外部電極141、143と接続した状態で、本体110の表面のうち、第1及び第2外部電極141、143が形成されていない本体110の表面にまで延在させる形で形成することができる。
【0048】
第1及び第2補助外部電極151、153は、上記本体の表面及び上記外部電極の表面に沿って形成することができる。
【0049】
第1及び第2補助外部電極151、153は、導電性金属とガラスを含む第1及び第2外部電極141、143とは異なり、金属材料からなる。例えば、一部の実施例において、第1及び第2補助外部電極151、153は第1及び第2外部電極141、143を形成する金属を含んでもよい。上記金属材料は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、又はこれらの合金であってもよい。
【0050】
上記金属材料が銅(Cu)である場合、貴金属である金(Au)及び銀(Ag)などに比べて低コストで、高電気伝導性を有することから、製造コストの減少と共に、第1及び第2外部電極141、143との電気的な接続性を向上させることができる。
【0051】
第1補助外部電極151は、第1外部電極141から上記本体110の一面と他面を接続する面まで延長して形成することができる。
【0052】
第1及び第2補助外部電極151、153は、本体110の一面及び他面を接続する面と本体110の他面の一部を覆うように延在させる形で形成することができる。
【0053】
即ち、本体110の一面は、外部電極(141、143)及び補助外部電極(151、153)からなる2層構造の電極が形成され、本体110の一面と接続された面の一部には、補助外部電極(151、153)からなる1層構造の電極が形成されてもよい。
【0054】
第1及び第2補助外部電極151、153を含むことにより、本体110の表面に導電性材料が形成された面積を増加させることができ、めっき層の形成が容易になり、これにより、キャパシタ100の容量の極大化と共に回路基板との固着強度を向上させることができる。また、キャパシタ100をローディングする際に作業性の向上及び容易性の向上が可能となり、本体110表面のシーリング(封止)効果によってキャパシタ100の外表面を保護することができる。
【0055】
第1及び第2補助外部電極151、153は、導電性金属とガラスを含む第1及び第2外部電極141、143とは異なり、金属材料のみからなる。例えば、一部の実施例において、第1及び第2補助外部電極151、153は第1及び第2外部電極141、143を形成する金属と同じ金属を含んでもよい。上記金属材料は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、又はこれらの合金であってもよい。
【0056】
第1及び第2補助外部電極151、153は、めっき層を形成するためのシード層(seed layer)の役割を果たすことができる。これにより、第1及び第2外部電極141、143及び第1及び第2補助外部電極151、153の上にめっき層を形成することができる。
【0057】
即ち、第1及び第2外部電極141、143以外に本体110の表面上にめっき層を形成することができ、これにより、キャパシタ100を実装する際に半田フィレットと接する面積が増加し、固着強度を向上させることができる。
【0058】
本体110の一面に形成された第1及び第2外部電極141、143は、実際に外部と電気的に接続される電極の役割をするもので、第1及び第2補助外部電極151、153は最小限の厚さに形成され、回路基板を実装する際に固着強度を向上させる役割を果たすことができる。
【0059】
第1及び第2補助外部電極151、153は、上記内部電極と直接的に連結されず、第1外部電極141又は第2外部電極143を介して第1及び第2内部電極120、130と間接的に連結される。
【0060】
第1及び第2補助外部電極151、153及び補助外部電極の表面に形成されためっき層(図示せず)の厚さの和は、第1及び第2外部電極141、143の厚さに対して10~60%程度の厚みとすることが可能である。
【0061】
第1及び第2補助外部電極151、153の厚さ(めっき層を除いた厚さ)は、0.05~10μmの厚さとなるように形成することができる。第1及び第2補助外部電極151、153は、めっき層が形成されることが可能な程度の厚みを有するシードの役割を果たすもので、最小限の厚さに形成することができる。
【0062】
上記めっき層は、本体110の一部及び第1及び第2外部電極141、143を覆うように形成され、これにより、キャパシタ100の容量の実現と共に固着強度を増加させることができ、アコースティックノイズを減少させることが可能となる。
【0063】
また、第1及び第2補助外部電極151、153により本体110の一部にめっき層が形成されるため、本体110の外表面を保護することができる。
【0064】
以下、図面を参照して第1補助外部電極151及び第1外部電極141について説明するが、これは、第1補助外部電極151及び第1外部電極141だけでなく、第2補助外部電極153及び第2外部電極143にも当てはまる説明である。
【0065】
図4~
図6を参照すると、第1外部電極141は、本体110の一面の角部分から離して形成することが可能である。
【0066】
第1補助外部電極151は、上記第1外部電極141の一部を覆うように形成することができる。
【0067】
本体110は、一面及び上記一面と対向する他面を含み、第1外部電極141は、一側面、他側面、及び上記一側面と他側面を接続する下面を含む。
【0068】
図5に示されるように、(a)は、第1補助外部電極151が第1外部電極141を取り囲むように形成されたものであり、(b)は、第1補助外部電極151が第1外部電極141の一側面を除いた残りの領域を取り囲むように形成されたものであり、(c)は、第1補助外部電極151が第1外部電極141の下面の一部から本体110の他面の一部にまで延在されて形成されたものであり、(d)は、第1補助外部電極151が第1外部電極141の他側面から本体110の他面の一部にまで延在されて形成されたものである。
【0069】
本体110の他面の一部に形成された第1補助外部電極151の厚さは、本体110の一面と他面を接続する面に形成された第1補助外部電極151の厚さと同一であってもよく、又は、それより薄くてもよい。
【0070】
図6を参照すると、第1補助外部電極151は、本体110の表面が露出する非連結部(図示せず)を含むことができ、(a)は、第1補助外部電極151が第1外部電極141を取り囲むように形成されたものであり、(b)は、第1補助外部電極151が第1外部電極141の一側面を除いた残りの領域を取り囲むように形成されたものである。
【0071】
第1補助外部電極151は、めっき層を形成するためのシードの役割を果たすもので、最小限の厚さを有することができ、このとき、本体110の表面が露出する領域を含むことができる。
【0072】
第1補助外部電極151の非連結部は、第1補助外部電極151を形成する際に、熱処理工程後に形成されるものであってもよい。
【0073】
上記非連結部の面積が大きければ大きいほど、均一なめっき層を確保することができなくなるため、上記非連結部の面積は、均一なめっき層を確保できる範囲内とするのが好適である。
【0074】
図7は、本発明の他の実施例に係るキャパシタ200の断面図を概略的に示した図面であり、
図8は、
図7のB部の拡大図を概略的に示した図面である。
【0075】
図7及び
図8に示された構成要素のうち、
図1~
図6に示された構成要素と同一の構成については説明を省略する。例えば、第1及び第2内部電極220、230は、第1及び第2リード部224、234および重複領域222、232をそれぞれ有するがこれらに関する説明は省略する。
【0076】
図7及び
図8を参照すると、第1外部電極241は、本体210の一面と接続された面の一部まで延在させる形で形成することができ、このとき、第1外部電極241の全体形状はL字形状であってもよい。
【0077】
このとき、第1及び第2補助外部電極251、253は、第1及び第2外部電極241、242から本体210の一面と他面を接続する面の全体又は本体210の他面の一部まで延在させる形で形成することができる。
【0078】
本体210の一面と接続された面では、第1及び第2外部電極241、242と第1及び第2補助外部電極251、253が形成された2層構造の電極と、第1及び第2補助外部電極251、253が形成された1層構造の電極とを含むことができる。
【0079】
図8に示されたように、(a)は、第1補助外部電極251が第1外部電極241を取り囲むように形成されたものであり、(b)は、第1補助外部電極251が第1外部電極241の一側面を除いた残りの領域を取り囲むように形成されたものであり、(c)は、第1補助外部電極251を第1外部電極241の下面の一部から本体210の他面の一部にまで延在させて形成されたものであり、(d)は、第1補助外部電極251を上記第1外部電極241の他側面から本体210の他面の一部まで延在させて形成されたものである。
【0080】
図9は、本発明のさらに他の実施例に係るキャパシタ300の断面図を概略的に示した図面であり、
図10は、
図9のC部の拡大図を概略的に示した図面である。
【0081】
図9及び
図10に示された構成要素のうち、
図1~
図6に示された構成要素と同一の構成については説明を省略する。例えば、第1及び第2内部電極320、330は、第1及び第2リード部324、334および重複領域322、332をそれぞれ有するがこれらに関する説明は省略する。
【0082】
以下、図面を参照して第1補助外部電極351及び第1外部電極341について説明するが、これは、第1補助外部電極351及び第1外部電極341だけでなく、第2補助外部電極353及び第2外部電極342にも当てはまる説明である。第1外部電極341は、本体310の一面の角部分まで延在するような形で形成することができる。
【0083】
図10に示されたように、(a)は、第1補助外部電極351が第1外部電極341を取り囲むように形成されたものであり、(b)は、第1補助外部電極351が第1外部電極341の一側面を除いた残りの領域を取り囲むように形成されたものであり、(c)は、第1補助外部電極351を第1外部電極341の下面の一部から本体310の他面の一部にまで延在させる形で形成されたものであり、(d)は、第1補助外部電極351を第1外部電極341の他側面から本体310の他面の一部まで延在させる形で形成されたものである。
【0084】
即ち、第1補助外部電極351は、外部電極341の一側面、下面、他側面から本体310の他面の一部まで最小限の厚さで薄く塗布されるようにしてもよい。
【0085】
本体310の他面の一部に形成された第1補助外部電極351の厚さは、本体310の一面と他面を接続する面に形成された第1補助外部電極351の厚さと同一であってもよく、又は、それより薄くてもよい。
【0086】
図11は、本発明のさらに他の実施例に係るキャパシタ400の断面図を概略的に示した図面であり、
図12は、
図11のD部の拡大図を概略的に示した図面である。
図11に示す実施例において、第1補助外部電極451は、第1外部電極441から本体410の一面と他面を接続する面まで延在させるような形で形成することができる。
【0087】
図14は、本発明の一実施例に係るキャパシタ100が回路基板180に実装された斜視図を概略的に示した図面である。
【0088】
図14を参照すると、第1及び第2外部電極141、143及び第1及び第2補助外部電極151、153の上にめっき層152、154が形成される。
【0089】
めっき層152、154は、第1及び第2外部電極141、143及び第1及び第2補助外部電極151、153の表面に均一な厚さに形成することができる。即ち、めっき層152、154は、本体110の一面から他面まで延在させる形で形成された形態とすることができる。これにより、キャパシタ100の外表面を保護し、かつ回路基板の固着強度を向上させることができる。
【0090】
めっき層152、154は、回路基板を実装する際に半田フィレット160と接合させる役割を果たすものとすることができる。
【0091】
めっき層152、154は、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、又はこれらの合金であってもよいが、これに制限されない。
【0092】
めっき層152、154の厚さは、1~10μmの範囲内とすることができる。
【0093】
【0094】
上記表1は、本発明の一実施形態に係るキャパシタにおいて補助外部電極の厚さによるめっき層の均一性、補助外部電極の剥離性、回路基板との固着強度、キャパシタの厚さ範囲の満足度と外部電極の割れに対する特性平価を示したものである。
【0095】
上記めっき層の均一性は、めっき層が形成される厚みの均一さの程度を示し、上記補助外部電極の剥離性は本体又は外部電極と補助外部電極との間の付着強度を示すもので、空間形成が発生しない場合を「○」、めっき層のうち外部電極の下面の一部を覆う部分が剥離した場合を「△」、外部電極の下面全体を覆う部分が剥離した場合を「×」と示した。
【0096】
上記回路基板との固着強度は、一定時間力をかけてもキャパシタと回路基板との間に剥離、本体のせん断が生ぜず、その兆候も現われないような荷重力に対応し、固着不良が0%である場合を「○」、固着不良が5~15%である場合を「△」、固着不良が15%を超える場合を「×」と示した。
【0097】
上記補助外部電極は、めっき層の形成が可能な水準の厚さを有することができ、本体の表面が露出する非連結部を含むことができる。
【0098】
しかしながら、上記補助外部電極の全体面積に対する非連結部の面積が10%を超える場合、めっき層の均一性が低くなることがあり、これにより、キャパシタと回路基板との間に充分な固着強度を確保できなくなる恐れがある。
【0099】
上記補助外部電極の厚さが10μmを超える場合、上記補助外部電極が上記本体及び外部電極と密着されず、その間に空間ができる現象が発生することがある。これにより、めっき層と外部電極間に剥離が生じ、めっきできない状態となるため、キャパシタと回路基板との間の充分な固着強度も確保できなくなる。また、補助外部電極の厚さの増加によりキャパシタの厚さが許容範囲を超える恐れがある。
【0100】
したがって、補助外部電極の厚さは、めっき層を形成することができる程度の最小限の厚さに形成されるが、非連結部の面積が増加しない範囲で形成することができ、0.05~10μmの範囲内とすることが可能である。
【0101】
以下、本発明に係るキャパシタ100の製造方法について説明する。
【0102】
本発明の一実施例に係るキャパシタ100の製造方法は、内部電極パターンが形成された誘電体層を積層して一面に内部電極パターンが露出した積層体を形成する段階と、上記積層体の一面に外部電極ペーストを塗布する段階と、上記積層体及び外部電極ペーストを焼成して外部電極141、143が形成された本体110を得る段階と、外部電極141、143と電気的に接続され、本体110の一面と接続された面の一部を覆うように補助外部電極151、153を形成する段階とを含む。
【0103】
上記積層体は、上部に内部電極パターンが形成された複数の誘電体層を積層して形成することができる。
【0104】
上記内部電極パターンは、本体110の一面に露出するように形成することができ、本体110の一面に上記内部電極パターンと電気的に接続されるように外部電極を形成することができる。
【0105】
上記外部電極の形成後に焼成工程を経て外部電極141、143が形成された本体110を得ることができる。
【0106】
外部電極141、143を形成する方法においては、上記積層体に外部電極ペーストを塗布して外部電極を形成することができる。
【0107】
上記外部電極ペーストは、陽刻及び陰刻の治具を用いて塗布されてもよく、ホイールタイプ(wheel type)の設備又はスクリーン印刷工法で印刷されてもよい。
【0108】
外部電極141、143を形成した後、上記積層体及び外部電極141、143を焼成して外部電極141、143と内部電極120、130が接続された本体110を得ることができる。
【0109】
図13a~
図13cは、本発明のさらに他の実施例に係るキャパシタ100の製造方法を概略的に示した図面である。
【0110】
図13aを参照すると、上記外部電極ペーストが塗布された積層体を焼成して外部電極141、143が形成された本体110を得る。
【0111】
上記外部電極ペーストは、上記積層体の一面の角部分から離して形成されてもよく、上記積層体の一面の角部分まで延在させる形で形成されてもよく、又は上記積層体の一面と接続された面の一部まで延在させる形で形成されてもよい。
【0112】
次に、
図13b及び13cを参照すると、上記外部電極が形成された本体110に補助外部電極151、153を形成した後、めっき層152、154を形成する。
【0113】
補助外部電極151、153は、ガラスを含む外部電極141、143とは異なり、金属材料のみからなる。
【0114】
補助外部電極151、153は、外部電極141、143の一部を覆うように形成することができる。
【0115】
補助外部電極151、153は、本体110及び外部電極141、143の表面に沿って形成することができる。
【0116】
本体110が一面及び一面と対向する他面を含むとき、補助外部電極151、153は外部電極141、143から本体110の他面まで延在させる形で形成されるか、外部電極141、143から本体110の一面と他面を接続する面にまで延在させる形で形成することができる。
【0117】
補助外部電極151、153は、内部電極120、130と直接的には接続されず、外部電極141、143を介して内部電極120、130と間接的に接続される。
【0118】
補助外部電極151、153は、めっき層152、154を形成するためのシード層の役割を果たすことができる。
【0119】
補助外部電極151、153は、0.05~10μmの厚さ、即ち、最小限の厚さとなるように形成することができる。
【0120】
補助外部電極を形成する方法は、ウェットコーティング方法及びドライコーティング方法のうちいずれか一つ以上の方法で実施することができる。
【0121】
上記ウェットコーティング方法はディッピング(dipping)であってもよく、上記ドライコーティング方法はスパッタリング(sputtering)であってもよいが、これだけに制限されない。
【0122】
上記ディッピング方法の場合、金属インク(metal ink)、ナノ粒子金属インク(nano-particle liquid-metal ink)などにディッピングした後、熱処理により補助外部電極を形成することができる。この場合、上記補助外部電極の厚さは5~10μmであることができる。
【0123】
上記金属インクのうち低粘度の金属インクは、金属イオンやナノ粒子を低粘度の分散剤に分散させたものであり、既存の金属の焼成温度よりも低い温度である200~500℃で熱処理することで金属を成長させることができる。この場合、金属粒子の大きさが小さいことから、薄膜の金属層を形成することができる。
【0124】
上記金属インクは、ガラスのような無機酸化物を含まないため、金属インクを塗布した後に熱処理をすると、金属粒子からなる補助外部電極を得ることができる。
【0125】
上記スパッタリング方法は、薄膜形成工法の一つであり、プラズマを用いてターゲット(target)の粒子をイオン状態とした後、ここに電界をかけて形成されたイオンが基板に蒸着される物理蒸着技術であって、上記補助外部電極は、0.2~1μmの薄膜で形成することができる。
【0126】
上記ターゲットは、銅(Cu)、チタン(Ti)、Ni(ニッケル)、及び銀(Ag)のいずれか一つであってもよい。
【0127】
上記補助外部電極は最小限の厚さを有するため、上記本体の表面が露出する非連結部を含むことができる。
【0128】
上記補助外部電極を形成した後にめっき工程を進めると、上記外部電極及び補助外部電極の表面に均一な厚さを有するめっき層152、154が形成される。即ち、上記めっき層は、上記補助外部電極の表面に形成することができ、その後、キャパシタを実装基板に形成する際にめっき層の面積が広くなるため、基板との固着強度が向上するようになる。
【0129】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれらのみに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野における通常の知識を有する者にとっては明らかである。
本明細書によれば、下記の各項目もまた開示される。
(項目1)
一面に露出するように形成された第1リード部を有する第1内部電極と、誘電体層を介して前記第1内部電極と交互に積層され、前記一面に露出するように形成された第2リード部を有する第2内部電極と、を含む本体と、
前記本体の一面に形成され、前記第1及び第2内部電極とそれぞれ電気的に連結された第1及び第2外部電極と、
前記第1及び第2外部電極と電気的に連結され、前記本体の一面と連結された面の一部を覆う第1及び第2補助外部電極と、を含む、キャパシタ。
(項目2)
前記第1及び第2補助外部電極は金属材料である、項目1に記載のキャパシタ。
(項目3)
前記第1及び第2補助外部電極は銅(Cu)からなる、項目2に記載のキャパシタ。
(項目4)
前記第1及び第2補助外部電極は、前記本体及び前記第1及び第2外部電極の表面に沿って形成される、項目1から項目3の何れか一項に記載のキャパシタ。
(項目5)
前記第1及び第2補助外部電極は、前記第1及び第2外部電極の一部を覆うように形成される、項目1から項目3の何れか一項に記載のキャパシタ。
(項目6)
前記本体の一面と対向する面を他面として備え、
前記第1及び第2補助外部電極は、前記本体の一面及び他面を接続する面を覆うように延在させる形で形成される、項目1から項目3の何れか一項に記載のキャパシタ。
(項目7)
前記本体の一面と対向する面を他面として備え、
前記第1及び第2補助外部電極は、前記本体の一面及び他面を連結する面と前記本体の他面の一部を覆うように延在させる形で形成される、項目1から項目3の何れか一項に記載のキャパシタ。
(項目8)
第1及び第2補助外部電極の厚さは0.05~10μmである、項目1から項目7の何れか一項に記載のキャパシタ。
(項目9)
前記第1及び第2補助外部電極は、前記本体の表面が露出する非連結部を含む、項目1から項目3の何れか一項に記載のキャパシタ。
(項目10)
前記第1及び第2補助外部電極は、前記第1及び第2外部電極から延在させる形で前記本体の表面と接触するように形成される、項目1から項目3の何れか一項に記載のキャパシタ。
(項目11)
前記第1及び第2外部電極は前記本体の一面の角部分から離して形成される、項目1から項目3の何れか一項に記載のキャパシタ。
(項目12)
前記第1及び第2外部電極は前記本体の一面の角部分まで延在させる形で形成される、項目1から項目3の何れか一項に記載のキャパシタ。
(項目13)
前記第1及び第2外部電極は、前記本体の一面と接続された面の一部まで延在させる形で形成される、項目1から項目3の何れか一項に記載のキャパシタ。
(項目14)
前記第1及び第2外部電極と前記第1及び第2補助外部電極上に形成されためっき層をさらに含む、項目1から項目13の何れか一項に記載のキャパシタ。
(項目15)
前記本体の一面は前記本体の下面である、項目1から項目14の何れか一項に記載のキャパシタ。
(項目16)
上面、下面、及び前記上面と下面を連結する側面を含み、下面に露出するように形成された第1及び第2リード部を有する第1及び第2内部電極を含む本体と、
前記本体の下面に形成され、前記第1及び第2内部電極とそれぞれ電気的に連結された第1及び第2外部電極と、
前記第1及び第2外部電極と電気的に連結され、前記本体の両側面の一部に形成された第1及び第2補助外部電極と、を含む、キャパシタ。
(項目17)
前記第1及び第2補助外部電極は、前記本体及び前記第1及び第2外部電極の表面に沿って形成される、項目16に記載のキャパシタ。
(項目18)
前記第1及び第2補助外部電極は、前記第1及び第2外部電極の一部を覆うように形成される、項目16に記載のキャパシタ。
(項目19)
前記第1及び第2補助外部電極は、前記本体の側面と前記本体の上面の一部を覆うように延在させる形で形成される、項目16に記載のキャパシタ。
(項目20)
前記第1及び第2補助外部電極は、前記本体の表面が露出する非連結部を含む、項目16に記載のキャパシタ。
(項目21)
内部電極パターンが形成された誘電体層を積層して一面に内部電極パターンが露出した積層体を形成する段階と、
前記積層体の一面に外部電極ペーストを塗布する段階と、
前記積層体及び外部電極ペーストを焼成して外部電極が形成された本体を得る段階と、
前記外部電極と電気的に連結され、前記本体の一面と連結された面の一部を覆うように補助外部電極を形成する段階と、を含む、キャパシタの製造方法。
(項目22)
前記補助外部電極を形成する処理は、ウェットコーティング方法及びドライコーティング方法のうちいずれか一つ以上の方法で実施される、項目21に記載のキャパシタの製造方法。
(項目23)
前記補助外部電極は金属材料である、項目21または項目22に記載のキャパシタの製造方法。
(項目24)
前記補助外部電極は、前記本体及び前記外部電極の表面に沿って形成される、項目21から項目23の何れか一項に記載のキャパシタの製造方法。
(項目25)
前記本体の一面と対向する面を他面として備え、
前記補助外部電極は、前記本体の一面と他面を連結する面と前記本体の他面の一部を覆うように延在させる形で形成される、項目21から項目23の何れか一項に記載のキャパシタの製造方法。
(項目26)
前記本体の一面と対向する面を他面として備え、
前記補助外部電極は、前記本体の一面と他面を連結する面を覆うように延在させる形で形成される、項目21から項目23の何れか一項に記載のキャパシタの製造方法。
(項目27)
前記補助外部電極の厚さは0.05~10μmである、項目21から項目26の何れか一項に記載のキャパシタの製造方法。
(項目28)
前記補助外部電極は、前記本体の表面が露出する非連結部を含む、項目21から項目23の何れか一項に記載のキャパシタの製造方法。
(項目29)
前記外部電極ペーストは、前記積層体の一面の角部分から離して形成される、項目21から項目23の何れか一項に記載のキャパシタの製造方法。
(項目30)
前記外部電極ペーストは、前記積層体の一面の角部分まで延在させる形で形成される、項目21から項目23の何れか一項に記載のキャパシタの製造方法。
(項目31)
前記外部電極ペーストは、前記積層体の一面と連結された面の一部を覆うように延在させる形で形成される、項目21から項目23の何れか一項に記載のキャパシタの製造方法。
(項目32)
誘電体層の間に交互に積層された第1及び第2内部電極を含む本体であって、前記第1及び第2内部電極の一部を、前記本体の同一の外部面に延在させて構成される前記本体と、
前記本体の同一の外部面に配置され、それぞれ前記第1及び第2内部電極と接続された第1及び第2外部電極と、
前記第1及び第2外部電極と接続され、前記本体の同一の外部面の他に前記本体の異なる各表面に配置された第1及び第2補助外部電極と、を含む、キャパシタ。
(項目33)
前記第1及び第2外部電極のそれぞれは、前記第1及び第2外部電極が配置された前記本体の同一の外部面の端から離して設けられる、項目32に記載のキャパシタ。
(項目34)
前記第1及び第2外部電極のそれぞれは、前記第1及び第2外部電極が配置された前記本体の同一の外部面の端と整列された側面を有する、項目32に記載のキャパシタ。
(項目35)
前記第1及び第2外部電極のそれぞれは、第1及び第2補助外部電極を有する前記本体の各異なる表面の一つに配置されるように延在させる形で形成される、項目32に記載のキャパシタ。
(項目36)
前記第1及び第2補助外部電極は、前記第1及び第2外部電極の金属とは異なる金属を含む、項目32から項目35の何れか一項に記載のキャパシタ。
(項目37)
前記第1及び第2補助外部電極は、前記第1及び第2外部電極のそれぞれの少なくとも一面を覆うように形成される、項目32に記載のキャパシタ。
(項目38)
前記補助外部電極は、それぞれ第1及び第2外部電極を介して第1及び第2内部電極と間接的に接続される、項目32に記載のキャパシタ。
(項目39)
上面に第1及び第2接触部が配置された回路基板と、
前記第1及び第2接触部と結合されたキャパシタと、を含み、
前記キャパシタは、
積層された第1及び第2内部電極を含む本体と、第1及び第2内部電極は前記本体の同一の外部面に延長し、前記本体の同一の外部面に配置され、それぞれ第1及び第2内部電極と接続された第1及び第2外部電極と、前記本体の他の外部面に配置され、それぞれ第1及び第2外部電極と連結される第1及び第2補助外部電極、前記第1及び第2補助外部電極上に配置され、それぞれ第1及び第2接触部と結合された第1及び第2めっき層と、を含む、キャパシタの実装基板。
(項目40)
前記キャパシタは、前記第1及び第2外部電極が形成された前記本体の同一の外部面が前記回路基板に対向するように第1及び第2接触部と結合される、項目39に記載のキャパシタの実装基板。
(項目41)
前記第1及び第2内部電極の一部は、前記本体の一つの同一の外部面に延在させる形で形成される、項目39に記載のキャパシタの実装基板。
(項目42)
前記第1及び第2外部電極は、前記本体の全ての外部面のうち前記本体の同一の外部面にのみ配置される、項目39に記載のキャパシタの実装基板。
(項目43)
前記第1及び第2補助外部電極は、前記第1及び第2外部電極を介してそれぞれ第1及び第2内部電極と間接的に接続される、項目42に記載のキャパシタの実装基板。
【符号の説明】
【0130】
100、200、300、400 キャパシタ
110、210、310、410 本体
111、112 誘電体層
120 第1内部電極
124 第1リード部
134 第2リード部
130 第2内部電極
141、241、341 第1外部電極
143、242、342 第2外部電極
151、251、351 第1補助外部電極
152、154 めっき層
153、253、353 第2補助外部電極