IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱自動車工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-車両前部の照灯周辺構造 図1
  • 特許-車両前部の照灯周辺構造 図2
  • 特許-車両前部の照灯周辺構造 図3
  • 特許-車両前部の照灯周辺構造 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】車両前部の照灯周辺構造
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/04 20060101AFI20220426BHJP
   B60Q 1/26 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
B60Q1/04 A
B60Q1/26 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017082211
(22)【出願日】2017-04-18
(65)【公開番号】P2018177093
(43)【公開日】2018-11-15
【審査請求日】2020-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野田 健一
(72)【発明者】
【氏名】土屋 理
(72)【発明者】
【氏名】岩田 豊
(72)【発明者】
【氏名】奥村 晶哲
(72)【発明者】
【氏名】松延 浩昭
(72)【発明者】
【氏名】浦野 慎一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼谷 諒一
(72)【発明者】
【氏名】山本 行一郎
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-293206(JP,A)
【文献】実開昭59-195032(JP,U)
【文献】特開平08-156721(JP,A)
【文献】特開平01-168581(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/04
B60Q 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前方に臨み、車幅方向の寸法よりも車高方向の寸法が大きい縦長状のランプレンズを有する照灯と、
前記照灯に対して車幅方向の中央側に隣接して位置し、前記ランプレンズよりも前記車両前方に突出するとともに、前記ランプレンズの内側部に当接し、前記車両前方に向かうに従って前記車幅方向の中央側へ傾斜する傾斜面を有して前記車高方向に直線状に延びる第1の壁部と、
前記車高方向に対して前記照灯の下方に位置し、前記ランプレンズよりも前記車両前方に突出する第2の壁部と、
前記第1の壁部と前記第2の壁部とを繋ぎ、前記ランプレンズよりも前記車両前方に突出するとともに、前記車両前方に向かうに従って前記車幅方向の中央側かつ前記車高方向の下側へ傾斜する傾斜面を有する第3の壁部と、を備える
ことを特徴とする車両前部の照灯周辺構造。
【請求項2】
前記車高方向に対して前記照灯の上方に位置し、前記ランプレンズよりも前記車両前方に突出するとともに、前記ランプレンズの上部に沿って前記車幅方向に延びる第4の壁部と、
前記照灯に対して前記車幅方向の中央側とは反対側に隣接して位置し、前記ランプレンズよりも前記車両前方に突出するとともに、前記ランプレンズの外側部に沿って前記車高方向に延びる第5の壁部と、を備え、
前記第1の壁部または前記第5の壁部の一方、および前記第2の壁部または前記第4の壁部の一方は、他方よりも前記ランプレンズとの間の角度が大きいまたは他方よりも突出端が前記車両前方へ突出している
ことを特徴とする請求項に記載の車両前部の照灯周辺構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の前部における照灯の周辺構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の前部に搭載される各種の照灯(灯火類)には、適正な照射性(照度、照射距離や照射範囲など)と視認性が求められる。例えば、前照灯(ヘッドランプ)の照射性を確保するとともに、ターンランプやフォグランプなどの視認性を確保することで、車両の安全性を保つことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-264719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、照灯(前照灯、ターンランプやフォグランプなど)の表面(レンズ面やランプ面などとも呼ばれる部分)には、雨滴、泥水、塵埃、ごみなどの汚れを極力付着させないようにする必要がある。また、これらの汚れが付着した場合であっても、容易に除去可能であることが好ましい。
【0005】
本発明は、これを踏まえてなされたものであり、その目的は、照灯の表面に対する汚れの付着を抑制するとともに、付着した汚れを容易に除去可能な車両前部の照灯周辺構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両前部の照灯周辺構造は、車両前方に臨み、車幅方向の寸法よりも車高方向の寸法が大きい縦長状のランプレンズを有する照灯と、照灯に対して車幅方向の中央側に隣接して位置し、ランプレンズよりも車両前方に突出するとともに、ランプレンズの内側部に当接し、車両前方に向かうに従って車幅方向の中央側へ傾斜する傾斜面を有して車高方向に直線状に延びる第1の壁部と、車高方向に対して照灯の下方に位置し、ランプレンズよりも車両前方に突出する第2の壁部と、第1の壁部と第2の壁部とを繋ぎ、ランプレンズよりも車両前方に突出するとともに、車両前方に向かうに従って車幅方向の中央側かつ車高方向の下側へ傾斜する傾斜面を有する第3の壁部とを備える。
【0007】
車両前部の照灯周辺構造は、車高方向に対して照灯の下方に位置し、ランプレンズよりも車両前方に突出する第2の壁部と、第1の壁部と第2の壁部とを繋ぎ、ランプレンズよりも車両前方に突出するとともに、車両前方に向かうに従って車幅方向の中央側かつ車高方向の下側へ傾斜する傾斜面を有する第3の壁部とを備える。
【0008】
車両前部の照灯周辺構造は、車高方向に対して照灯の上方に位置し、ランプレンズよりも車両前方に突出するとともに、ランプレンズの上部に沿って車幅方向に延びる第4の壁部と、照灯に対して車幅方向の中央側とは反対側に隣接して位置し、ランプレンズよりも車両前方に突出するとともに、ランプレンズの外側部に沿って車高方向に延びる第5の壁部とを備える。第1の壁部または第5の壁部の一方、および第2の壁部または第4の壁部の一方は、他方よりもランプレンズとの間の角度が大きいまたは他方よりも突出端が車両前方へ突出している。
【発明の効果】
【0009】
本発明の車両前部の照灯周辺構造によれば、照灯の表面に対する汚れの付着を抑制するとともに、付着した汚れを容易に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る車両前部の外観を車両の左斜め上方から見た図。
図2】本発明の一実施形態に係る車両前部の外観を車両の左側方から見た図。
図3】本発明の一実施形態に係る車両前部の照灯周辺構造の図1の矢印A1部分における断面を矢印方向に示す図。
図4】本発明の一実施形態に係る車両前部の照灯周辺構造の図1の矢印A2部分における断面を矢印方向に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る車両前部の照灯周辺構造(以下、単に照灯周辺構造という)について、図1から図4を参照して説明する。照灯周辺構造は、車両の前部に搭載される各種の照灯(灯火類)およびその周辺の構造である。かかる照灯周辺構造により、照灯の照射性と被視認性を適正に確保し、車両の安全性が保たれている。車両は、自家用の乗用自動車、あるいはトラックやバスなどの事業用自動車のいずれであってもよく、用途や車種は特に問わない。
【0012】
図1および図2には、本実施形態に係る照灯周辺構造1が搭載された車両の前部の概略構成を示す。図1は、車両前部の外観を車両の左斜め上方から見た図である。図2は、車両前部の外観を車両の左側方から見た図である。図1および図2においては、矢印D1で示す方向を車両の前方(前側)、矢印D2で示す方向を車高方向の上方(上側)、矢印D3で示す方向を車幅方向の右方(右側)としてそれぞれ規定する。したがって、図1の矢印D1,D2,D3で示す方向の反対方向は、車両の後方(後側)、下方(下側)、左方(左側)としてそれぞれ規定される。車幅方向の内外は、矢印D3で示す方向に沿って車幅方向の中央側に近づく方向を内方(内側)、車幅方向の中央側とは反対側、すなわち車幅方向の中央側から離れる方向を外方(外側)として規定する。
【0013】
なお、図1および図2には、車両の左前部の照灯周辺構造1を示している。車両の右前部の照灯周辺構造1は、図1および図2に示す左前部の照灯周辺構造1を左右反転させた構成に相当する。このため以下では、図1および図2に示す車両の左前部の照灯周辺構造1についての説明に止め、右前部の照灯周辺構造についての説明は省略する。
【0014】
照灯周辺構造1は、照灯2と、照灯2の周囲に配された複数の壁部3とを備えて構成されている。本実施形態では一例として、照灯2を前照灯(ヘッドランプ)としている。照灯2は、バルブ、LED等の光源、反射板などの光学系構造(いずれも図示省略)、およびランプレンズ2aなどの部材を備えて構成されている。これらの部材は、ランプハウジング(図示省略)に組み付けられて、ユニット化されている。
【0015】
ランプレンズ2aは、照灯2の最前部(表面部)に相当し、車両前方に臨んでいる。照灯2において、ランプレンズ2aは、車両前方から見た形状(車両後方への投影形状)が縦長となっている。すなわち、ランプレンズ2aの車両後方への投影形状において、車高方向の寸法は、車幅方向の寸法よりも大きい。本実施形態では、このようにランプレンズ2aの車両後方への投影形状が縦長である前照灯を「縦型ヘッドランプ」と規定する。縦型ヘッドランプの一例である照灯2は、車高方向に並んだ複数のLEDバルブを光源として有している。このため、照灯2のランプレンズ2aは、これらのLEDバルブをカバーするため、縦長に構成されている。
【0016】
照灯2は、フロントバンパー4に組み付けられている。フロントバンパー4は、バンパービーム、バンパーリンフォース(いずれも図示省略)、およびバンパーカバー(バンパーフェイシャ)4aなどを備えて構成されている。
【0017】
壁部3は、照灯2の周囲に複数設けられている。本実施形態では一例として、車幅方向に対して照灯2を挟んで内方および外方、車高方向に対して照灯2を挟んで上方および下方には、照灯2を取り囲むように第1から第5の壁部31~35がそれぞれ設けられている。これらの壁部31~35は、フロントバンパー4のバンパーカバー4aおよびフロントフェンダーパネル5の一部として構成されている。なお、壁部3は、フロントバンパー4やフロントフェンダーパネル5などとは別に、照灯2の専用部材(例えば、バンパーカバー4aに対する保持部材など)として構成されていてもよい。
【0018】
図3には、第1の壁部31と第5の壁部35との関係を示す。図3は、図1の矢印A1部分における断面を矢印方向に示す図である。図4には、第2の壁部32と第4の壁部34との関係を示す。図4は、図1の矢印A2部分における断面を矢印方向に示す図である。
【0019】
第1の壁部31は、車幅方向に対して照灯2の内方(車幅方向の中央側)に隣接して位置し、ランプレンズ2aよりも車両前方に突出している。第1の壁部31の突出端31aは、第5の壁部35の突出端35aよりも車両前方に突出している。また、第1の壁部31は、車幅方向に対してランプレンズ2aの内側縁部に沿って車高方向に延びている。本実施形態では一例として、ランプレンズ2aの内側縁部の全高に亘って、第1の壁部31は連続している。第1の壁部31は、車高方向の下端部で第3の壁部33に連続し、上端部で第4の壁部34に連続している。
【0020】
第1の壁部31は、車両前方に向かうに従って内側(車幅方向の中央側)へ傾斜する傾斜面(以下、第1傾斜面という)31bを有している。第1傾斜面31bは、照灯2のランプレンズ2aの内側部に当接している。第1傾斜面31bとランプレンズ2aとの間の角度(以下、第1傾斜角という)は、鈍角に設定されている。すなわち、第1傾斜面31bは、第1傾斜角が鈍角となるように、図1に示す矢印D1,D2により決まる平面(以下、鉛直面という)に対して傾斜している。
【0021】
第2の壁部32は、車高方向に対して照灯2の下方に位置し、照灯2のランプレンズ2aよりも車両前方に突出している。第2の壁部32の突出端32aは、第4の壁部34の突出端34aよりも車両前方に突出している。第2の壁部32は、ランプレンズ2aの下部に沿って車幅方向に延びている。
【0022】
第2の壁部32は、車両前方に向かうに従って下降する傾斜面(以下、第2傾斜面という)32bを有している。第2傾斜面32bは、照灯2のランプレンズ2aの下部に当接している。第2傾斜面32bとランプレンズ2aとの間の角度(以下、第2傾斜角という)は、鈍角に設定されている。すなわち、第2傾斜面32bは、第2傾斜角が鈍角となるように、水平面に対して傾斜している。
【0023】
車幅方向に対し、第2の壁部32の内側端部は、第3の壁部33を介して第1の壁部31と連続し、外側端部は、第5の壁部35と連続している。
【0024】
第3の壁部33は、第1の壁部31と第2の壁部32とを繋ぎ、照灯2のランプレンズ2aよりも車両前方に突出している。第3の壁部33は、車両前方に向かうに従って内側(車幅方向の中央側)かつ下側へ傾斜する傾斜面(以下、第3傾斜面という)33aを有している。第3傾斜面33aは、照灯2のランプレンズ2aの内方下部に当接している。第3傾斜面33aとランプレンズ2との間の角度(以下、第3傾斜角という)は、鈍角に設定されている。すなわち、第3傾斜面33aは、第3傾斜角が鈍角となるように、図1に示す矢印D1,D2により決まる平面(以下、鉛直面という)および水平面に対して傾斜している。
【0025】
第4の壁部34は、車高方向に対して照灯2の上方に位置し、照灯2のランプレンズ2aよりも突出端34aが車両前方に突出している。本実施形態では一例として、第4の壁部34の下面部34bは、車両前方へ向かって上昇および下降することなく、ほぼ水平に広がっている。すなわち、第4の壁部の下面部34bとランプレンズ2aとの間の角度は、第2傾斜角よりも小さい。一方、第4の壁部34の上面部34cは、ボンネット(フロントフード)6とほぼ面一に連続している。
【0026】
第4の壁部34は、ランプレンズ2aの上部に沿って車幅方向に延びている。本実施形態では一例として、ランプレンズ2aの上部の全幅に亘って、第4の壁部34は連続している。第4の壁部34は、車幅方向の内側端部で第1の壁部31に連続している。一方、第4の壁部34は、車幅方向の外方に向かうに従って車両後方に変位し、第5の壁部35に連続している。これにより、第4の壁部34は、車幅方向の外方に向かうに従って後傾するように傾斜している。
【0027】
第5の壁部35は、車幅方向に対して照灯2の外方に隣接して位置し、ランプレンズ2aよりも車両前方に突出している。また、第5の壁部35は、車幅方向に対してランプレンズ2aの外側部に沿って車高方向に延びている。本実施形態では一例として、ランプレンズ2aの外側部の全高に亘って、第5の壁部35は連続している。第5の壁部35は、車高方向の上端部で第4の壁部34に連続し、下端部で第2の壁部32に連続している。
【0028】
本実施形態では一例として、第5の壁部35の内側面部35bは、車両前方へ向かって内側および外側へ傾斜することなく、鉛直面とほぼ平行に広がっている。すなわち、第5の壁部35の内側面部35bとランプレンズ2aとの間の角度は、第1傾斜角および第3傾斜角よりも小さい。一方、第5の壁部35の外側面部35cは、なだらかにフロントフェンダーパネル5と連続している。
【0029】
これらの壁部31~35において、第1の壁部31は、第5の壁部35よりも照灯2のランプレンズ2aとの間の角度が大きく、突出端が車両前方へ突出している。また、第2の壁部32は、第4の壁部34よりも照灯2のランプレンズ2aとの間の角度が大きく、突出端32aが車両前方へ突出している。
【0030】
このように本実施形態によれば、第1の壁部31は、車幅方向に対して照灯2の内方で、ランプレンズ2aよりも車両前方に突出するとともに、車両前方に向かうに従って内側へ傾斜する第1傾斜面31bを有している。したがって、車両の走行風は、第1傾斜面31bに沿って案内される。その際、走行風は、車幅方向の内方から外方へ向けて、ランプレンズ2aの表面を掃うように流れる。このため、ランプレンズ2aの表面に付着した汚れ(雨滴、泥水、塵埃、ごみなど)を走行風によって除去することができる。例えば、降雨時の走行中などにボンネット6からランプレンズ2aに滴り落ちた雨滴を直ちに走行風で吹き飛ばすことができる。これにより、ランプレンズ2aの表面に対する雨滴などの汚れの付着を抑制することができる。
【0031】
したがって、ランプレンズ2aに対する雨滴やごみなどの汚れの付着を抑制するとともに、付着した汚れを容易に除去することができる。これにより、照灯2の照射性と被視認性を適正に保つことができる。特に、本実施形態では一例として、照灯2を縦型のヘッドランプとしているので、ランプレンズ2aの表面を落下する雨滴などの距離は、横型(横長)のヘッドランプよりも長くなりやすい。このため、本実施形態に係る照灯2においては、ランプレンズ2aに対する雨滴などの付着の抑制と除去の効果が大きい。
【0032】
第2の壁部32および第3の壁部33は、照灯2の下方でランプレンズ2aよりも車両前方に突出している。加えて、第3の壁部33は、車両前方に向かうに従って内側かつ下側へ傾斜する第3傾斜面33aを有している。したがって、車両の走行風は、第3傾斜面33aに沿って案内される。その際、走行風は、車幅方向の内方かつ下方から外方かつ上方へ向けて、ランプレンズ2aの表面を掃うように流れる。このため、ランプレンズ2aの表面に付着した汚れ(雨滴やごみなど)を、第3傾斜面33aに案内された走行風によっても除去することができる。
【0033】
第1の壁部31は、第5の壁部35よりも照灯2のランプレンズ2aとの間の角度が大きく、突出端31aが車両前方へ突出している。また、第2の壁部32は、第4の壁部34よりも照灯2のランプレンズ2aとの間の角度が大きく、突出端32aが車両前方へ突出している。このため、第1の壁部31(より具体的には第1傾斜面31b)によって、車幅方向の内方から外方へ向けて走行風を案内させやすい。また、第2の壁部32(より具体的には、第2傾斜面32b)によって車高方向の下方から上方へ向けて走行風を案内させやすい。すなわち、車幅方向の外方から内方へ向けて、あるいは車高方向の上方から下方へ向けて走行風が案内されることが抑止され、ランプレンズ2aの表面で走行風が滞留してしまう(ぶつかる)ことを抑制できる。したがって、ランプレンズ2aの表面に付着した汚れ(雨滴やごみなど)を除去させるべく、走行風をランプレンズ2aの表面を掃うようにスムーズに案内することができる。
【0034】
第1の壁部31と第5の壁部35は、一方が他方よりもランプレンズ2aとの間の角度が大きいか、または突出端31a,35aが他方よりも車両前方へ突出していればよい。同様に、第2の壁部32と第4の壁部34は、一方が他方よりもランプレンズ2aとの間の角度が大きいか、または突出端32a,34aが他方よりも車両前方へ突出していればよい。したがって、例えば、第5の壁部35は、第1の壁部31よりもランプレンズ2aとの間の角度が大きく、突出端35aが車両前方へ突出していてもよい。また、第4の壁部34は、第2の壁部32よりもランプレンズ2aとの間の角度が大きく、突出端34aが車両前方へ突出していてもよい。これらの場合であっても、走行風をランプレンズ2aの表面を掃うように案内することが可能となる。
【0035】
加えて、第1の壁部31は、車幅方向に対して照灯2の内方で、ランプレンズ2aよりも車両前方に突出している。このため、照灯2がハイビームで使用された場合であっても、車両の斜め前方(照灯に対して車幅方向の内方かつ車両前方)の歩行者や車両に対しては、第1の壁部31および第3の壁部33が照射光を遮る。したがって、これらの歩行者や車両に対する眩しさの低減を図ることができる。
【0036】
上述した実施形態は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。このような新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
1…照灯周辺構造、2…照灯、2a…ランプレンズ、3…壁部、4…フロントバンパー、4a…バンパーフェイシャ(バンパーカバー)、5…フロントフェンダーパネル、6…ボンネット(フロントフード)、31…第1の壁部、31a…突出端、31b…傾斜面(第1傾斜面)、32…第2の壁部、32a…突出端、32b…傾斜面(第2傾斜面)、33…第3の壁部、33a…傾斜面(第3傾斜面)、34…第4の壁部、34a…突出端、34b…下面部、34c…上面部、35…第5の壁部、35a…突出端、35b…内側面部、35c…外側面部。
図1
図2
図3
図4