(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】固液分離装置
(51)【国際特許分類】
B01D 33/00 20060101AFI20220426BHJP
B01D 29/17 20060101ALI20220426BHJP
B01D 29/25 20060101ALI20220426BHJP
B01D 29/37 20060101ALI20220426BHJP
B01D 24/46 20060101ALI20220426BHJP
B01D 33/44 20060101ALI20220426BHJP
B01D 33/58 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
B01D33/00 Z
B01D29/30 501
B01D33/36
(21)【出願番号】P 2017169601
(22)【出願日】2017-09-04
【審査請求日】2020-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000150844
【氏名又は名称】株式会社鶴見製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】武部 博文
(72)【発明者】
【氏名】千賀 達也
(72)【発明者】
【氏名】吉井 幸夫
【審査官】宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-108373(JP,A)
【文献】特開2005-230852(JP,A)
【文献】特開2004-167325(JP,A)
【文献】特開昭58-054999(JP,A)
【文献】特開平04-309496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 29/11
B01D 33/00
C02F 11/125
B30B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、
前記回転軸の回転に伴い回転し被処理物を送るスクリュと、
前記回転軸を回転駆動させるモータと、
前記スクリュを取り囲むように配置され、複数の固定プレートと、隣接する前記固定プレートの間に配置された可動プレートとを含み、隣接する前記固定プレート間にろ過溝が形成された積層ろ体と、
前記回転軸の負荷度合を検知する負荷検知部と、
前記回転軸の回転数を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記負荷検知部により検知した負荷度合が第1しきい値以上の場合、前記回転軸の回転数を大きくする制御を行うとともに、前記負荷検知部により検知した負荷度合が前記第1しきい値より大きい第2しきい値以上の場合、前記回転軸の回転を停止させる制御を行うように構成され、
前記制御部は、前記負荷検知部により検知した負荷度合が前記第1しきい値より大きく前記第2しきい値より小さい第3しきい値以上の場合、前記回転軸の
逆回転と前記回転軸の順回転とを繰り返し交互に行う制御を行うように構成されている、固液分離装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記負荷検知部により検知した負荷度合が前記第1しきい値より大きく前記第2しきい値より小さい第3しきい値以上の場合、前記回転軸の逆回転と前記回転軸の順回転とを繰り返し交互に行うとともに、原液の供給量を小さくする制御を行うように構成されている、請求項1に記載の固液分離装置。
【請求項3】
前記負荷検知部は、前記モータに供給する交流電力の周波数を制御するインバータの供給電力値を負荷度合として検知するように構成されている、請求項1
または2に記載の固液分離装置。
【請求項4】
前記制御部は、負荷度合が前記第1しきい値以上となり前記回転軸の回転数を大きくした場合、前記負荷検知部により検知した負荷度合が前記第1しきい値未満となった場合に、前記回転軸の回転数を元に戻す制御を行うように構成されている、請求項1
~3のいずれか1項に記載の固液分離装置。
【請求項5】
前記制御部は、負荷度合が前記第1しきい値以上となり前記回転軸の回転数を大きくした場合、予め定められた所定時間経過した後、前記負荷検知部により検知した負荷度合が前記第1しきい値未満の場合に、前記回転軸の回転数を元に戻す制御を行うように構成されている、請求項
4に記載の固液分離装置。
【請求項6】
被処理物の排出口側の前記スクリュの一端近傍に配置された背圧板を備え、
前記スクリュのピッチは、前記積層ろ体内の被処理物を送る方向における上流部側から下流部側に向かって徐々に小さくなるように構成されている、請求項1~
5のいずれか1項に記載の固液分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、固液分離装置に関し、特に、スクリュを備える固液分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スクリュを備える固液分離装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、回転軸と、回転軸の回転に伴い回転し被処理物を送るスクリュと、回転軸を回転駆動させるモータと、スクリュを取り囲むように配置され、複数の固定プレートと、隣接する固定プレートの間に配置された可動プレートとを含み、隣接する固定プレート間にろ過溝が形成された積層ろ体とを備える固液分離装置が開示されている。この特許文献1では、固液分離装置内において被処理物が固化して詰まった場合に、ユーザが固定プレートの一部を分解して取り外し、固定プレートを取り外した隙間から崩し手段を挿入する。そして、ユーザが崩し手段により、固化した被処理物を崩して、詰りを解消するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1では、固液分離装置内において被処理物が固化して詰まった場合に、ユーザが固定プレートの一部を分解して取り外し、固定プレートを取り外した隙間から崩し手段を挿入する必要がある。このため、被処理物が詰まった場合に、固液分離装置の運転を停止し、ユーザが作業する必要があるので、詰まりが生じてしまうと含水率の低下した被処理物を継続して排出することができないという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、スクリュ式の固液分離装置において、被処理物の詰りを未然に防いでユーザの作業負担を軽減するとともに、運転を停止させることなく低含水率の被処理物を継続して排出することが可能な固液分離装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における固液分離装置は、回転軸と、回転軸の回転に伴い回転し被処理物を送るスクリュと、回転軸を回転駆動させるモータと、スクリュを取り囲むように配置され、複数の固定プレートと、隣接する固定プレートの間に配置された可動プレートとを含み、隣接する固定プレート間にろ過溝が形成された積層ろ体と、回転軸の負荷度合を検知する負荷検知部と、回転軸の回転数を制御する制御部とを備え、制御部は、負荷検知部により検知した負荷度合が第1しきい値以上の場合、回転軸の回転数を大きくする制御を行うとともに、負荷検知部により検知した負荷度合が第1しきい値より大きい第2しきい値以上の場合、回転軸の回転を停止させる制御を行うように構成され、制御部は、負荷検知部により検知した負荷度合が第1しきい値より大きく第2しきい値より小さい第3しきい値以上の場合、回転軸の逆回転と回転軸の順回転とを繰り返し交互に行う制御を行うように構成されている。また、好ましくは、制御部は、負荷検知部により検知した負荷度合が第1しきい値より大きく第2しきい値より小さい第3しきい値以上の場合、回転軸の逆回転と回転軸の順回転とを繰り返し交互に行うとともに、原液の供給量を小さくする制御を行うように構成されている。
【0008】
この発明の一の局面による固液分離装置では、上記のように、負荷検知部により検知した負荷度合が第1しきい値以上の場合、回転軸の回転数を大きくする制御を行うとともに、負荷検知部により検知した負荷度合が第1しきい値より大きい第2しきい値以上の場合、回転軸の回転を停止させる制御を行う制御部を設ける。これにより、固液分離処理が進むことにより搬送抵抗が大きくなり、負荷度合が第1しきい値以上になった場合に、回転軸の回転数を大きくすることができるので、被処理物の固体成分を迅速に排出することができる。また、第1しきい値を、そのまま処理が進めば被処理物の固体成分により閉塞が起こる可能性の高い負荷度合に設定すれば、負荷度合が第1しきい値以上の場合に、固体成分が排出されるため、被処理物が詰まるのを抑制することができる。その結果、スクリュ式の固液分離装置において、被処理物の詰りを未然に防いでユーザの作業負担を軽減するとともに、固液分離装置の運転を停止させることなく低含水率の被処理物を継続して排出することができる。また、負荷度合が第1しきい値よりさらに大きくなり、第2しきい値以上となった場合に、回転軸の回転を停止させることができるので、スクリュ式の固液分離装置において、運転により負荷度合がさらに大きくなることに起因して、回転軸やスクリュや固定プレート、可動プレートが変形するのを抑制することができる。
【0009】
上記一の局面による固液分離装置において、好ましくは、負荷検知部は、モータに供給する交流電力の周波数を制御するインバータの供給電力値を負荷度合として検知するように構成されている。このように構成すれば、一般的にインバータに備えられている供給電力値検知部を用いて負荷度合を検知することができるので、センサなどの検知部をインバータとは別個に設ける必要がない。これにより、部品点数の増加を抑制することができる。また、負荷度合をインバータの供給電力値を検知することにより容易に取得することができる。
【0010】
上記一の局面による固液分離装置において、好ましくは、制御部は、負荷度合が第1しきい値以上となり回転軸の回転数を大きくした場合、負荷検知部により検知した負荷度合が第1しきい値未満となった場合に、回転軸の回転数を元に戻す制御を行うように構成されている。このように構成すれば、負荷度合が第1しきい値未満となった時点(閉塞を生じさせる可能性が無くなった時点)で通常運転に戻すことができる。
【0011】
この場合、好ましくは、制御部は、負荷度合が第1しきい値以上となり回転軸の回転数を大きくした場合、予め定められた所定時間経過した後、負荷検知部により検知した負荷度合が第1しきい値未満の場合に、回転軸の回転数を元に戻す制御を行うように構成されている。このように構成すれば、回転軸の回転数を大きくした状態で運転が継続されるのを抑制することができるので、被処理物の脱水が不十分な状態で排出されるのを抑制することができる。
【0012】
上記一の局面による固液分離装置では、上記のように、制御部は、負荷検知部により検知した負荷度合が第1しきい値より大きく第2しきい値より小さい第3しきい値以上の場合、回転軸を逆回転させる制御を行うように構成されている。これにより、負荷度合が第1しきい値より大きい第3しきい値以上の場合に、スクリュの逆回転により、被処理物の固体成分をほぐすことができる。これにより、詰まりを生じさせかねない被処理物の固体成分をほぐして排出させやすくすることができる。
【0014】
上記一の局面による固液分離装置において、好ましくは、被処理物の排出口側のスクリュの一端近傍に配置された背圧板を備え、スクリュのピッチは、積層ろ体内の被処理物を送る方向における上流部側から下流部側に向かって徐々に小さくなるように構成されている。このように構成すれば、排出口側に設けられた背圧板と、下流側に向かってピッチが徐々に小さくなるスクリュとにより、下流部側の圧力を大きくすることができる。これにより、固液分離装置の下流部側において、効果的に脱水処理を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、上記のように、スクリュ式の固液分離装置において、被処理物の詰りを抑制して、ユーザの作業負担を軽減することが可能な固液分離装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態による固液分離装置を示した概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態による固液分離装置の制御的な構成を示したブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態による固液分離装置の積層ろ体を示した図である。
【
図4】本発明の一実施形態による固液分離装置の制御部による回転数制御処理を説明するためのフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態の変形例による固液分離装置の制御部による回転数制御処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
(固液分離装置の構成)
図1~
図3を参照して、本発明の一実施形態による固液分離装置100について説明する。
【0019】
本発明の一実施形態による固液分離装置100は、
図1に示すように、回転軸1と、スクリュ2と、積層ろ体3と、モータ4と、原液供給口5と、排出口6と、支持フレーム7と、洗浄管8とを備えている。また、固液分離装置100は、
図2に示すように、制御部9を備えている。固液分離装置100は、
図1に示すように、原液供給口5から原液(被処理物)が供給されるように構成されている。また、固液分離装置100は、供給された原液を、固体成分と液体成分(ろ液)とに分離するように構成されている。また、固液分離装置100は、分離した液体成分(ろ液)を下部から排出するように構成されている。また、固液分離装置100は、分離した固体成分(脱水ケーキ)を排出口6から排出するように構成されている。
【0020】
回転軸1は、モータ4の駆動により回転駆動される。また、回転軸1は、順回転および逆回転することが可能に構成されている。回転軸1は、金属材料により形成されている。回転軸1は、X方向に沿って延びるように配置されている。回転軸1は、略水平方向に延びるように配置されている。回転軸1は、原液供給口5から排出口6に向かって徐々に太くなるように形成されている。つまり、回転軸1は、被処理物を送る方向における上流部側から下流部側に向かって(X1方向に)徐々に径が大きくなるように形成されている。これにより、上流部側から下流部側に向けて被処理物の流路が狭くなる。
【0021】
スクリュ2は、回転軸1に設けられている。具体的には、スクリュ2は、回転軸1に沿って、らせん状に設けられている。また、スクリュ2は、1つの連続した羽根により形成されている。スクリュ2は、回転軸1の回転に伴い回転する。また、スクリュ2は、回転することにより、被処理物を送るように構成されている。具体的には、スクリュ2は、回転軸1が順回転することにより、被処理物を原液供給口5側から排出口6側に向かって(X1方向に)送るように構成されている。また、スクリュ2は、回転軸1が逆回転することにより、被処理物を排出口6側から原液供給口5側に向かって(X2方向に)送るように構成されている。脱水処理において、スクリュ2は、低速で回転される。たとえば、スクリュ2は、1rpm~2rpm程度の回転数で順回転される。
【0022】
スクリュ2は、金属材料により形成されている。スクリュ2のピッチは、積層ろ体3内の被処理物を送る方向における上流部側から下流部側に向かって(X1方向に)徐々に小さくなるように構成されている。つまり、スクリュ2は、X方向の間隔が、原液供給口5から排出口6に向かって徐々に小さくなるように形成されている。スクリュ2は、積層ろ体3の内部に設けられている。
【0023】
積層ろ体3は、
図3に示すように、複数の固定プレート31と、複数の可動プレート32とを含んでいる。また、積層ろ体3は、スペーサ33を含んでいる。積層ろ体3は、スクリュ2を取り囲むように配置されている。具体的には、積層ろ体3は、スクリュ2が固定プレート31の貫通穴311および可動プレート32の貫通穴321に挿通されている。また、積層ろ体3は、固定プレート31および可動プレート32とがX方向に交互に積層された多重板構造を有している。
【0024】
複数の固定プレート31は、スクリュ2が挿通される貫通穴311とは別に、それぞれ、スペーサ33が螺合されるネジ穴312を有している。そして、スペーサ33は、ネジ穴312に螺合されることより、互いに隣接する固定プレート31同士のX方向の隙間D1を保持するように構成されている。これにより、隣接する固定プレート31間に、隙間D1のろ過溝Sが形成される。また、複数の固定プレート31は、支持フレーム7に対して固定されている。複数の固定プレート31は、支持フレーム7に対して固定されることにより、可動プレート32との積層状態が維持されるように構成されている。
【0025】
可動プレート32は、隣接する固定プレート31の間に配置されている。可動プレート32のX方向の厚みD2は、隙間D1よりも小さい。したがって、隣接する固定プレート31間のろ過溝Sの可動プレート32を除く部分には、隙間(D1-D2)のろ水流出溝Gが形成されている。すなわち、ろ水流出溝Gとは、X方向に隣接して配置される2つの可動プレート32と、固定プレート31との間の隙間部分である。このため、可動プレート32は、回転軸1の軸方向(X方向)に揺動可能に構成されている。
【0026】
可動プレート32は、貫通穴321を構成する内周面がスクリュ2の外周部に当接して、スクリュ2の回転に伴い回転軸1の周方向および半径方向に常に揺動されるように構成されている。このように、スクリュ2の回転により、ろ過溝S内で可動プレート32を常にX方向に揺動させながらZ方向に移動させることによって、ろ水流出溝Gが目詰まりするのを抑制することが可能である。すなわち、固液分離装置100は、ろ水流出溝G(ろ過溝S)をセルフクリーニングすることが可能である。
【0027】
図1に示すように、モータ4は、回転軸1の軸方向(X方向)の一方端部(X1方向側端部)に設けられている。つまり、モータ4は、回転軸1の排出口6側に設けられている。モータ4は、回転軸1を回転駆動させるように構成されている。具体的には、モータ4は、減速機41を介して、回転軸1を回転させるように構成されている。減速機41は、たとえば、1/720程度の減速比において、モータ4の出力を減速して回転軸1に伝達する。
【0028】
また、モータ4は、
図2に示すように、インバータ42に接続されている。また、モータ4は、インバータ42を介して供給される電力により回転駆動されるように構成されている。インバータ42は、電源43から供給される電力の周波数、電流値および電圧値を変換するように構成されている。また、インバータ42は、モータ4に供給する交流電力の周波数を制御するように構成されている。これにより、回転軸1の回転数を制御することが可能である。また、インバータ42は、供給電力値を負荷度合として検知することが可能である。また、インバータ42には、制御部9が接続されている。制御部9は、インバータ42を制御して、電源43からの電力を、モータ4に供給させるように構成されている。なお、インバータ42は、特許請求の範囲の「負荷検知部」の一例である。
【0029】
排出口6には、管部61と、背圧板62とが設けられている。管部61は、積層ろ体3に接続されており、排出される被処理物を排出口6に導くように構成されている。管部61は、スクリュ2を取り囲むように配置されている。背圧板62は、被処理物の排出口6側のスクリュ2の一端近傍に配置されている。また、背圧板62は、固液分離装置100により処理される被処理物の固体成分に対して圧力を作用させるように構成されている。これにより、積層ろ体3の下流部側(X1方向側)の圧力を高めることが可能である。
【0030】
支持フレーム7は、複数の固定プレート31を互いに固定するように構成されている。具体的には、支持フレーム7は、複数の固定プレート31の外周端部に接触状態で配置されている。また、支持フレーム7は、回転軸1の軸方向(X方向)に沿って延びている。また、固定プレート31への支持フレーム7の接触部分は、固定プレート31の周方向に複数(たとえば3つ)設けられている。また、支持フレーム7には、複数の補強板71が設けられている。補強板71は、積層ろ体3を補強している。補強板71は、固定プレート31および可動プレート32が積層された積層ろ体3の途中に挿入されている。補強板71は、円環形状を有している。補強板71は、金属材料により形成されている。また、補強板71は、固定プレート31および可動プレート32よりも厚み(X方向の長さ)が大きく形成されている。また、補強板71は、支持フレーム7に固定されている。また、補強板71には固液分離装置100内部と連通する洗浄孔711が設けられている。洗浄孔711にホース等を接続して高圧水を固液分離装置100内に流入させることにより、固液分離装置100内に滞留している被処理物に水分を与えて排出しやすくしたり、固液分離装置100の内部を洗浄することが可能である。隣接する補強板71のX方向の間隔は、上流部側(X2方向側)が大きく、下流部側(X1方向側)が小さくなっている。これにより、圧力が高まる積層ろ体3の下流側部分を効果的に補強することが可能である。
【0031】
洗浄管8は、積層ろ体3を洗浄するための水を通すように構成されている。また、洗浄管8は、外部の水源と接続されており、洗浄管8から積層ろ体3に向けて洗浄のための水を噴射するように構成されている。これにより、ろ水流出溝Gを通って積層ろ体3外部へ漏れ出た被処理物の固体成分を積層ろ体3から除去することができる。
【0032】
制御部9は、
図2に示すように、インバータ42を制御して、モータ4の回転数を制御するように構成されている。制御部9は、回路基板を含み、ハード的な制御により制御を行うように構成されている。
【0033】
インバータ42は、制御部9により制御された周波数の電力をモータ4に供給する場合に、負荷度合としての駆動電力の情報を制御部9に送信することが可能である。つまり、インバータ42は、回転軸1の負荷度合を検知することが可能に構成されている。具体的には、インバータ42は、複数のしきい値に基づいて、駆動電力の情報を制御部9に送信する。インバータ42は、駆動電力(負荷度合)が第1しきい値以上の場合、駆動電力の情報を制御部9に送信する。また、インバータ42は、駆動電力(負荷度合)が第1しきい値より大きい第2しきい値以上の場合、駆動電力の情報を制御部9に送信する。なお、第1しきい値および第2しきい値は、ユーザが設定可能である。たとえば、第1しきい値は、そのまま処理が進めば被処理物の固体成分により閉塞が起こる可能性の高い駆動電力(負荷度合)に設定される。言い換えれば、第1しきい値は閉塞を生じるにはまだ時間的余裕があり、この段階で対策することで閉塞を未然に防ぐ事ができるしきい値である。また、第2しきい値は、被処理物の固形成分により閉塞が起こり、回転される回転軸1の破損のおそれが高くなる駆動電力(負荷度合)に設定される。
【0034】
ここで、本実施形態では、制御部9は、インバータ42により検知した負荷度合が第1しきい値以上の場合、回転軸1の回転数を大きくする制御を行うように構成されている。また、制御部9は、インバータ42により検知した負荷度合が第1しきい値より大きい第2しきい値以上の場合、回転軸1の回転を停止させる制御を行うように構成されている。
【0035】
また、制御部9は、負荷度合が第1しきい値以上となり回転軸1の回転数を大きくした場合、インバータ42により検知した負荷度合が第1しきい値未満となった場合に、回転軸1の回転数を元に戻す制御を行うように構成されている。具体的には、制御部9は、負荷度合が第1しきい値以上となり回転軸1の回転数を大きくした場合、所定時間経過した後、インバータ42により検知した負荷度合が第1しきい値未満の場合に、回転軸1の回転数を元に戻す制御を行うように構成されている。
【0036】
また、制御部9は、インバータ42により検知した負荷度合が第1しきい値以上の場合、回転軸1の回転数を大きくするとともに、原液の供給量を小さくする制御を行うように構成されている。
【0037】
(回転数制御処理)
次に、
図4を参照して、制御部9による回転数制御処理について説明する。
【0038】
図4のステップS1において、負荷度合が第1しきい値以上であるか否かが判断される。具体的には、インバータ42により検知した負荷度合が第1しきい値以上であるか否かが判断される。負荷度合が第1しきい値未満であれば、ステップS1の判断を繰り返す。また、負荷度合が第1しきい値以上であれば、ステップS2に進む。
【0039】
ステップS2において、負荷度合が第2しきい値以上であるか否かが判断される。具体的には、インバータ42により検知した負荷度合が第1しきい値より大きい第2しきい値以上であるか否かが判断される。負荷度合が第2しきい値未満であれば、ステップS3に進む。つまり、負荷度合が第1しきい値以上第2しきい値未満であれば、ステップS3に進む。また、負荷度合が第2しきい値以上であれば、ステップS7に進む。
【0040】
ステップS3において、回転軸1の回転数を大きくする。たとえば、回転軸1の回転数を通常運転時の概ね2倍程度に大きくする。また、原液供給口5から供給される原液の供給量が小さくされる。ステップS4において、回転軸1の回転数を大きくした状態で所定時間待つ。たとえば、回転軸1の回転数を大きくした状態で1分経過するのを待つ。
【0041】
ステップS5において、負荷度合が第1しきい値未満であるか否かが判断される。具体的には、インバータ42により検知した負荷度合が第1しきい値未満であるか否かが判断される。負荷度合が第1しきい値以上であれば、ステップS5の判断を繰り返す。また、負荷度合が第1しきい値未満であれば、ステップS6に進む。なお、ステップS3のタイミング、またはステップS5で負荷度合が第1しきい値より大きいと検知されたタイミング等で補強板71に設けられた洗浄孔711から固液分離装置100内へ所定時間(10秒程度)高圧水を流入させて、被処理物を排出させやすくしてもよい。この場合、所定時間高圧水を流入させた後に負荷度合いを検知し、負荷度合いが第1しきい値よりも下がっていなければ再び高圧水を流入させることが望ましい。
【0042】
ステップS6において、回転軸1の回転数を元に戻す。また、原液供給口5から供給される原液の供給量が元に戻される。その後、ステップS1に戻る。ステップS2において負荷度合が第2しきい値以上であると判断されると、ステップS7において、回転軸1の回転が停止される。また、原液供給口5からの原液の供給が停止される。その後、回転数制御処理が終了される。なお、ステップS3~ステップS5の処理を行っている段階においても、負荷度合が第2しきい値以上であると判断された場合はステップS7に進む。
【0043】
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0044】
本実施形態では、上記のように、インバータ42により検知した負荷度合が第1しきい値以上の場合、回転軸1の回転数を大きくする制御を行うとともに、インバータ42により検知した負荷度合が第1しきい値より大きい第2しきい値以上の場合、回転軸1の回転を停止させる制御を行う制御部9を設ける。これにより、固液分離処理が進むことにより搬送抵抗が大きくなり、負荷度合が第1しきい値以上になった場合に、回転軸1の回転数を大きくすることができるので、被処理物の固体成分を迅速に排出することができる。また、第1しきい値を、そのまま処理が進めば被処理物の固体成分により閉塞が起こる可能性の高い負荷度合に設定すれば、負荷度合が第1しきい値以上の場合に、固体成分が排出されるため、被処理物が詰まるのを抑制することができる。その結果、スクリュ式の固液分離装置100において、被処理物の詰りを未然に防いでユーザの作業負担を軽減するとともに、固液分離装置100の運転を停止させることなく低含水率の被処理物を継続して排出することができる。また、負荷度合が第1しきい値よりさらに大きくなり、第2しきい値以上となった場合に、回転軸1の回転を停止させることができるので、スクリュ式の固液分離装置100において、運転により負荷度合がさらに大きくなることに起因して、回転軸1やスクリュ2や固定プレート31、可動プレート32が変形するのを抑制することができる。
【0045】
また、第1しきい値は、そのまま処理が進めば被処理物の固体成分により閉塞が起こる可能性の高い駆動電力(負荷度合)であることから、第1しきい値における被処理物の固形成分は十分含水率が下げられているものと考えられるので、第1しきい値以上の負荷度合いを検知した場合に回転軸1の回転数を大きくして被処理物の固体成分を迅速に排出したとしても、低含水率の被処理物の固体成分を継続して排出することができる。なお、回転軸1の回転数を大きくした直後は含水率の低い被処理物の固形成分が一定量排出された後、含水率のやや高い被処理物の固形成分が排出される可能性がある。しかし、回転軸1の回転数を大きくした後に、回転軸1の負荷度合を検知する時間を可能な限り短く設定しているため、通常運転への復帰をなるべく早く済ませるように構成されており、含水率のやや高い被処理物の固形成分が排出される可能性のある時間を可能な限り短くなるよう構成されている。
【0046】
また、本実施形態では、上記のように、モータ4に供給する交流電力の周波数を制御するインバータ42の供給電力値を負荷度合として検知する。これにより、一般的にインバータに備えられている供給電力値検知部を用いて負荷度合を検知することができるので、センサなどの検知部をインバータ42とは別個に設ける必要がない。これにより、部品点数の増加を抑制することができる。また、負荷度合をインバータ42の供給電力値を検知することにより容易に取得することができる。
【0047】
また、本実施形態では、上記のように、制御部9を、負荷度合が第1しきい値以上となり回転軸1の回転数を大きくした場合、インバータ42により検知した負荷度合が第1しきい値未満となった場合に、回転軸1の回転数を元に戻す制御を行うように構成する。これにより、負荷度合が第1しきい値未満となった時点(閉塞を生じさせる可能性が無くなった時点)で通常運転に戻すことができる。
【0048】
また、本実施形態では、上記のように、制御部9を、負荷度合が第1しきい値以上となり回転軸1の回転数を大きくした場合、所定時間経過した後、インバータ42により検知した負荷度合が第1しきい値未満の場合に、回転軸1の回転数を元に戻す制御を行うように構成する。これにより、回転軸1の回転数を大きくした状態で運転が継続されるのを抑制することができるので、被処理物の脱水が不十分な状態で排出されるのを抑制することができる。
【0049】
また、本実施形態では、上記のように、制御部9を、インバータ42により検知した負荷度合が第1しきい値以上の場合、回転軸1の回転数を大きくするとともに、原液の供給量を小さくする制御を行うように構成する。これにより、固液分離装置100内に流入する被処理物の量を小さくし、かつ、回転軸1の回転数を大きくして固液分離装置100内に滞留する被処理物を迅速に排出することができるので、固液分離装置100内に滞留している被処理物の量を小さくすることができる。これにより、搬送抵抗を効果的に小さくすることができるので、負荷度合を効果的に小さくすることができる。
【0050】
また、本実施形態では、上記のように、被処理物の排出口6側のスクリュ2の一端近傍に配置された背圧板62を設ける。また、スクリュ2のピッチを、積層ろ体3内の被処理物を送る方向における上流部側から下流部側に向かって徐々に小さくなるように構成する。これにより、排出口6側に設けられた背圧板62と、下流側に向かってピッチが徐々に小さくなるスクリュ2とにより、下流部側の圧力を大きくすることができる。これにより、固液分離装置100の下流部側において、効果的に脱水処理を行うことができる。
【0051】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0052】
たとえば、上記実施形態では、制御部が回路基板を含み、ハード的な構成により制御を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、制御部がCPUなどのプロセッサを含み、プロセッサをソフトにより動作させて、制御を行ってもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、回転軸1は、原液供給口5から排出口6に向かって徐々に太くなるように形成されている例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、回転軸1を、原液供給口5から排出口6に向かって略均一の太さで形成してもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、負荷度合が第1しきい値以上の場合に回転軸の回転数を大きくし、負荷度合が第2しきい値以上の場合に回転軸の回転を停止させる制御を行う例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、制御部を、負荷検知部により検知した負荷度合が第1しきい値より大きく第2しきい値より小さい第3しきい値以上の場合、回転軸を逆回転させる制御を行うように構成してもよい。これにより、負荷度合が第1しきい値より大きい第3しきい値以上の場合に、スクリュの逆回転により、被処理物の固体成分をほぐすことができる。これにより、詰まりを生じさせかねない被処理物の固体成分をほぐして排出させやすくすることができる。
【0055】
たとえば、制御部は、
図5に示す回転数制御処理を行ってもよい。
図5のステップS11において、負荷度合が第1しきい値以上であるか否かが判断される。具体的には、インバータ42により検知した負荷度合が第1しきい値以上であるか否かが判断される。負荷度合が第1しきい値未満であれば、ステップS11の判断を繰り返す。また、負荷度合が第1しきい値以上であれば、ステップS12に進む。
【0056】
ステップS12において、負荷度合が第1しきい値より大きく第2しきい値より小さい第3しきい値以上であるか否かが判断される。具体的には、インバータ42により検知した負荷度合が第3しきい値以上であるか否かが判断される。負荷度合が第3しきい値未満であれば、ステップS13に進む。つまり、負荷度合が第1しきい値以上第3しきい値未満であれば、ステップS13に進む。また、負荷度合が第3しきい値以上であれば、ステップS17に進む。
【0057】
ステップS13において、回転軸1の回転数を大きくする。たとえば、回転軸1の回転数を概ね2倍程度に大きくする。また、原液供給口5から供給される原液の供給量が小さくされる。ステップS14において、回転軸1の回転数を大きくした状態で所定時間待つ。たとえば、回転軸1の回転数を大きくした状態で1分経過するのを待つ。
【0058】
ステップS15において、負荷度合が第1しきい値未満であるか否かが判断される。具体的には、インバータ42により検知した負荷度合が第1しきい値未満であるか否かが判断される。負荷度合が第1しきい値以上であれば、ステップS15の判断を繰り返す。また、負荷度合が第1しきい値未満であれば、ステップS16に進む。
【0059】
ステップS16において、回転軸1の回転数を元に戻す。また、原液供給口5から供給される原液の供給量が元に戻される。その後、ステップS11に戻る。
【0060】
ステップS12において負荷度合が第3しきい値以上であると判断されると、ステップS17において、負荷度合が第1しきい値より大きい第2しきい値以上であるか否かが判断される。具体的には、インバータ42により検知した負荷度合が第2しきい値以上であるか否かが判断される。負荷度合が第2しきい値未満であれば、ステップS18に進む。つまり、負荷度合が第3しきい値以上第2しきい値未満であれば、ステップS18に進む。また、負荷度合が第2しきい値以上であれば、ステップS21に進む。
【0061】
ステップS18において、回転軸1を逆回転させる。具体的には、回転軸1を所定時間逆回転させ、その後、回転軸1を所定時間順回転させることを所定回数繰り返す。たとえば、10秒毎に、逆回転と順回転とを切り替えて回転軸1を回転駆動させる。逆回転と順回転を繰り返す所定回数は、被処理物の性状によって変動するが概ね2~3回程度である。なお、逆回転時、順回転時ともにステップS13と同様に、回転軸1の回転数を通常運転時の概ね2倍程度に大きくすることが望ましい。ただし、順回転における回転軸1の回転数を、通常運転時と同じ程度の低速回転にしてもよい。また、逆回転における回転軸1の回転数を、通常運転時と同じ程度の低速回転としてもよい。また、原液供給口5から供給される原液の供給量が小さくされる。なお、順回転では、積層ろ体3内の被処理物が、原液供給口5側から排出口6側に送られる。また、逆回転では、積層ろ体3内の被処理物が、排出口6側から原液供給口5側に送られる。その後、ステップS19に進む。
【0062】
ステップS19において、負荷度合が第3しきい値未満であるか否かが判断される。具体的には、インバータ42により検知した負荷度合が第3しきい値未満であるか否かが判断される。負荷度合が第3しきい値以上であれば、ステップS19の判断を繰り返す。また、負荷度合が第3しきい値未満であれば、ステップS20に進む。
【0063】
ステップS20において、回転軸1の回転方向を元に戻す。つまり、回転軸1を順回転させる。その後、ステップS11に戻る。つまり、負荷度合が第3しきい値以上となり、回転軸1を、交互に逆回転と順回転とで駆動させた場合に、回転方向を元に戻した後、ステップS11において、負荷度合が第1しきい値よりも小さくなったか否かが判断される。負荷度合が第1しきい値以上であった場合、ステップS12を経て、ステップS13に進み、回転軸1の回転数が大きくされる。一方、負荷度合が第1しきい値未満であった場合、ステップS11の判断が繰り返される。つまり、通常運転に戻されて回転軸1の回転数が元に戻され、原液供給口5から供給される原液の供給量が元に戻される。なお、ステップS13のタイミング、またはステップS18で回転軸1を逆回転させるタイミング、あるいはステップS19で負荷度合が第3しきい値より大きいと検知されたタイミング等で補強板71に設けられた洗浄孔711から固液分離装置100内へ所定時間(10秒程度)高圧水を流入させて、被処理物を排出させやすくしてもよい。この場合、所定時間高圧水を流入させた後に負荷度合いを検知し、負荷度合いが第1しきい値よりも下がっていなければ再び高圧水を流入させることが望ましい。
【0064】
ステップS17において負荷度合が第2しきい値以上であると判断されると、ステップS21において、回転軸1の回転が停止される。また、原液供給口5からの原液の供給が停止される。その後、回転数制御処理が終了される。なお、ステップS13~ステップS15およびステップS18~ステップS19の処理を行っている段階においても、負荷度合が第2しきい値以上であると判断された場合はステップS21に進む。
【0065】
また、本発明では、制御部を、負荷検知部により検知した負荷度合が第1しきい値より小さい第3しきい値以上の場合、回転軸を逆回転させる制御を行うように構成してもよい。つまり、負荷検知部により第1しきい値よりも小さい第3しきい値以上の負荷度合を検知した場合に、制御部は、回転軸を所定時間毎(たとえば、10秒毎)に逆回転および正回転を繰り返す制御を行う。また、制御部は、負荷度合が第3しきい値よりも大きい第1しきい値以上の場合に、回転軸の回転数を大きくする制御を行う。
【0066】
また、上記実施形態では、インバータにより負荷度合を検知する構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、インバータ以外により負荷度合を検知してもよい。たとえば、インバータとは別途電流値を検知するセンサを設けて、負荷度合を検知してもよい。また、トルクセンサを設け、回転軸のトルクを負荷度合として検知してもよい。また、歪センサを設け、回転軸などのひずみを負荷度合として検知してもよい。また、圧力センサを設け、スクリュにより送られる被処理物の圧力を負荷度合として検知してもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、負荷度合が第1しきい値以上となり回転軸の回転数を大きくした場合、所定時間経過した後、負荷検知部により検知した負荷度合が第1しきい値未満の場合に、回転軸の回転数を元に戻す制御を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、負荷度合が第1しきい値以上となり回転軸の回転数を大きくした場合、負荷検知部により検知した負荷度合が第1しきい値より小さい第4しきい値未満の場合に、回転軸の回転数を元に戻す制御を行ってもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、モータを回転軸の排出口側に配置した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、モータを回転軸の原液供給口側に配置してもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、回転軸を略水平に配置した例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、回転軸を傾斜させて配置してもよい。その場合、原液供給口側を下に、排出口側を上に向けて傾斜させることが望ましい。
【0070】
また、上記実施形態では、隣接する固定プレート間にスペーサを設けて固定プレート間にろ過溝を形成する構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、スペーサを設けずに固定プレート間にろ過溝を形成してもよい。たとえば、固定プレートに凸部を設けて、隣接する固定プレート間の位置を位置決めしてもよいし、通しボルトに全ての固定プレートを通すことで固定してもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、負荷検知部により検知した負荷度合が第1しきい値以上の場合、回転軸の回転数を大きくするとともに、原液の供給量を小さくする制御を行う構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、負荷検知部により検知した負荷度合が第1しきい値以上の場合、原液の供給を停止する制御をしてもよいし、原液の供給量を変化させずにそのまま継続してもよい。
【0072】
また、本発明では、負荷検知部により検知した負荷度合が第1しきい値以上の場合、背圧板を調整し、排出される被処理物に作用する圧力を低減してもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御部の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限らない。本発明では、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 回転軸
2 スクリュ
3 積層ろ体
4 モータ
6 排出口
9 制御部
31 固定プレート
32 可動プレート
42 インバータ(負荷検知部)
62 背圧板
100 固液分離装置
S ろ過溝