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特許7063073画像形成装置及び出力モード設定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】画像形成装置及び出力モード設定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20220426BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220426BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20220426BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
G03G21/00 376
B41J29/38
B41J21/00 Z
G03G15/00 403
G03G15/00 446
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2018075310
(22)【出願日】2018-04-10
(65)【公開番号】P2019184812
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2020-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 公治
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-190367(JP,A)
【文献】特開2005-037871(JP,A)
【文献】特開2006-133571(JP,A)
【文献】特開2015-169938(JP,A)
【文献】特開2003-177586(JP,A)
【文献】特開2016-007724(JP,A)
【文献】特開2017-223903(JP,A)
【文献】特開2005-070877(JP,A)
【文献】特開2017-173496(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0142462(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
B41J 29/38
B41J 21/00
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を給紙する給紙手段と、
前記給紙手段から給紙された用紙の紙種を検出する紙種検出手段と、
自装置または外部に備えられ、複数の紙種毎に出力モードが対応付けられた出力モード情報を予め記憶する出力モード情報記憶手段と、
印刷手段と、
前記印刷手段による印刷時に、前記紙種検出手段により検出された用紙の紙種に対応する出力モードを、前記出力モード情報記憶手段に記憶された出力モード情報に基づいて特定するとともに、特定した出力モードにより前記印刷手段に印刷を実行させる制御手段と、
を備え
前記制御手段は、印刷の途中で用紙の紙種が変更された場合に、前記印刷手段に、変更された紙種に応じた出力モードで印刷を実行させるか、印刷開始時の先頭用紙の紙種に応じた出力モードで印刷を実行させるかを、前記先頭用紙の紙種に基づいて決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
用紙を給紙する給紙手段と、
前記給紙手段から給紙された用紙の紙種を検出する紙種検出手段と、
自装置または外部に備えられ、複数の紙種毎に出力モードが対応付けられた出力モード情報を予め記憶する出力モード情報記憶手段と、
印刷手段と、
前記印刷手段による印刷時に、前記紙種検出手段により検出された用紙の紙種に対応する出力モードを、前記出力モード情報記憶手段に記憶された出力モード情報に基づいて特定するとともに、特定した出力モードにより前記印刷手段に印刷を実行させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、印刷の途中で用紙の紙種が変更された場合に、前記印刷手段に、変更された紙種に応じた出力モードで印刷を実行させるか、印刷開始時の先頭用紙の紙種に応じた出力モードで印刷を実行させるかを、変更された紙種に基づいて決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記出力モードでは、カラー、ページ割り付け、面割り付けの少なくとも何れかが設定されている請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
表示手段を備え、
前記制御手段は、前記表示手段にユーザーが出力モードを設定するための設定画面を表示することなく、特定した出力モードにより前記印刷手段に印刷を実行させる請求項1~3の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記紙種検出手段は、紙厚、光沢、反射率、透過率、坪量の少なくとも何れかに基づいて紙種を検出する請求項1~の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
紙厚、光沢、反射率、透過率、坪量の少なくとも何れかの特性の範囲が、紙種毎に対応して設定されている請求項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記紙種検出手段は、用紙の印字面先端に画像が存在する場合、紙種はレターヘッドであると判断する請求項1~の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記紙種検出手段は、紙厚が所定厚以上でかつ用紙の印字面先端に画像が存在する場合、紙種はレターヘッドであると判断する請求項1~の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
紙種に応じた出力モードで印刷するか否かを設定可能な設定手段を備えている請求項1~の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記設定手段は、ユーザー認証が行われた場合には紙種に応じた出力モードで出力しない設定が可能である請求項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御手段は、ユーザーによってカラーモードの設定がなされた場合、特定された前記出力モードにおいてカラーモードの設定が予めなされていても、ユーザーによるカラーモードの設定を優先して前記印刷手段に出力を実行させる請求項1~10の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御手段は、ユーザーによってページ割り付けの設定がなされた場合、特定された前記出力モードにおいてページ割り付けの別の設定が予めなされていても、ユーザーによるページ割り付けの設定を優先して前記印刷手段に出力を実行させる請求項1~10の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記制御手段は、ユーザーによって面割り付けの設定がなされた場合、特定された前記出力モードにおいて面割り付けの別の設定が予めなされていても、ユーザーによる面割り付けの設定を優先して前記印刷手段に印刷を実行させる請求項1~10の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記給紙手段に備えられた複数の給紙カセットにおける各カセット毎に用紙の紙種と出力モードが対応付けられている請求項1~13の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記給紙手段に備えられた複数の給紙カセットについて、用紙を給紙される給紙カセットが切り替わったときにのみ、前記紙種検出手段は切り替え後の給紙カセットから給紙された用紙の紙種を検出し、前記制御手段は、検出された前記紙種に対応付けられた出力モードで印刷を実行させる請求項1~14の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項16】
印刷の途中で用紙の紙種が変更された場合に、変更された紙種に応じた出力モードで印刷するか、出力開始時の先頭用紙の紙種に応じた出力モードで印刷するかを設定可能な設定手段を備えている請求項1~15の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項17】
選択された給紙口から前回給紙された用紙の紙種に対応付けられた出力モードの内容を表示可能な表示手段を備えている請求項1~16の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項18】
各紙種毎に対応付けられた出力モードの内容を表示可能な表示手段を備えている請求項1~17の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記紙種検出手段により先頭の用紙の紙種が検出された時点で、紙種に対応付けられた出力モードを表示するとともに、ユーザーに印刷を続行するか否かを確認する表示を行う表示手段を備えている請求項1~18の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項20】
印刷対象データを出力モードに応じて画像処理する画像処理手段と、
前記給紙手段に備えられた複数の給紙カセットの各カセット毎に、直前の印刷の最後に通紙した用紙の紙種を記憶する紙種記憶手段と、
を備え、
印刷時に、何れかの給紙カセットから給紙された用紙の紙種が前記紙種検出手段により検出されるまでは、前記画像処理手段は、その給紙カセットについて前記紙種記憶手段に記憶されている直前の印刷の最後に通紙した用紙の紙種に対応する画像処理を行い、検出された紙種が直前の印刷の最後に通紙した用紙の紙種と異なっている場合は、検出された紙種に対応する画像処理をやり直す請求項1~19の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項21】
印刷エンジンを備え、
印刷時に、何れかの給紙カセットから給紙された用紙の紙種が前記紙種検出手段により検出されるまでは、前記印刷エンジンは、その給紙カセットについて前記紙種記憶手段に記憶されている最後に通紙した用紙の紙種に対応する動作を行い、検出された紙種が最後に通紙した用紙の紙種と異なっている場合は、検出された紙種に対応する動作に切り替える請求項20に記載の画像形成装置。
【請求項22】
用紙を給紙する給紙手段から給紙された用紙の紙種を検出する紙種検出ステップと、
自装置または外部に備えられ、複数の紙種毎に出力モードが対応付けられた出力モード情報を予め出力モード情報記憶手段に記憶するステップと、
印刷手段による印刷時に、前記紙種検出ステップにより検出された用紙の紙種に対応する出力モードを、前記出力モード情報記憶手段に記憶された出力モード情報に基づいて特定するとともに、特定した出力モードにより前記印刷手段に印刷を実行させる制御ステップと、
を画像形成装置のコンピュータに実行させ
前記制御ステップでは、印刷の途中で用紙の紙種が変更された場合に、前記印刷手段に、変更された紙種に応じた出力モードで印刷を実行させるか、印刷開始時の先頭用紙の紙種に応じた出力モードで印刷を実行させるかを、前記先頭用紙の紙種に基づいて決定する処理を前記コンピュータに実行させるための出力モード設定プログラム。
【請求項23】
用紙を給紙する給紙手段から給紙された用紙の紙種を検出する紙種検出ステップと、
自装置または外部に備えられ、複数の紙種毎に出力モードが対応付けられた出力モード情報を予め出力モード情報記憶手段に記憶するステップと、
印刷手段による印刷時に、前記紙種検出ステップにより検出された用紙の紙種に対応する出力モードを、前記出力モード情報記憶手段に記憶された出力モード情報に基づいて特定するとともに、特定した出力モードにより前記印刷手段に印刷を実行させる制御ステップと、
を画像形成装置のコンピュータに実行させ、
前記制御ステップでは、印刷の途中で用紙の紙種が変更された場合に、前記印刷手段に、変更された紙種に応じた出力モードで印刷を実行させるか、印刷開始時の先頭用紙の紙種に応じた出力モードで印刷を実行させるかを、変更された紙種に基づいて決定する処理を前記コンピュータに実行させるための出力モード設定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、給紙手段から給紙された用紙に印刷を行う画像形成装置及び出力モード設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置での印刷に用いられる用紙は多種多様のものが存在し、画像形成装置はユーザーが用意した用紙に対して適切な印刷を行う必要がある。
【0003】
このため、給紙口毎に用紙種類つまり紙種を設定し、設定された紙種に応じた制御で印刷を行う技術が従来より知られている。
【0004】
また特許文献1には、両面印刷モードとして給紙した用紙が裏紙であった場合は、片面印刷モードに切り替えられると共に、出力モードをトナーセーブモード、集約モード、あるいは低画質モード等に切り替える技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-49584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、給紙口毎に用紙種類つまり紙種を設定し、設定された紙種に応じた制御で印刷を行う技術では、設定された紙種と異なった用紙が通紙されると、適切な印刷結果が得られないという課題がある。
【0007】
また、特許文献1に記載された技術は、紙種と出力モードに不整合があった場合にのみ、問題の少ない出力モードに切り替えるものであるが、ユーザーは両面と指示したにもかかわらず片面印刷モードに切り替えられるため、結果として両面モードを指示する操作が無駄になってしまうという課題がある。
【0008】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、紙種に応じた出力モードで印刷が可能であると共に、紙種とユーザーが設定した出力モードに不整合があるためにユーザーの設定操作が無駄になる不都合を防止できる画像形成装置及び出力モード設定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は以下の手段によって達成される。
(1)用紙を給紙する給紙手段と、前記給紙手段から給紙された用紙の紙種を検出する紙種検出手段と、自装置または外部に備えられ、複数の紙種毎に出力モードが対応付けられた出力モード情報を予め記憶する出力モード情報記憶手段と、印刷手段と、前記印刷手段による印刷時に、前記紙種検出手段により検出された用紙の紙種に対応する出力モードを、前記出力モード情報記憶手段に記憶された出力モード情報に基づいて特定するとともに、特定した出力モードにより前記印刷手段に印刷を実行させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、印刷の途中で用紙の紙種が変更された場合に、前記印刷手段に、変更された紙種に応じた出力モードで印刷を実行させるか、印刷開始時の先頭用紙の紙種に応じた出力モードで印刷を実行させるかを、前記先頭用紙の紙種に基づいて決定することを特徴とする画像形成装置。
(2)用紙を給紙する給紙手段と、前記給紙手段から給紙された用紙の紙種を検出する紙種検出手段と、自装置または外部に備えられ、複数の紙種毎に出力モードが対応付けられた出力モード情報を予め記憶する出力モード情報記憶手段と、印刷手段と、前記印刷手段による印刷時に、前記紙種検出手段により検出された用紙の紙種に対応する出力モードを、前記出力モード情報記憶手段に記憶された出力モード情報に基づいて特定するとともに、特定した出力モードにより前記印刷手段に印刷を実行させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、印刷の途中で用紙の紙種が変更された場合に、前記印刷手段に、変更された紙種に応じた出力モードで印刷を実行させるか、印刷開始時の先頭用紙の紙種に応じた出力モードで印刷を実行させるかを、変更された紙種に基づいて決定することを特徴とする画像形成装置。
(3)前記出力モードでは、カラー、ページ割り付け、面割り付けの少なくとも何れかが設定されている前項1または2に記載の画像形成装置。
(4)表示手段を備え、前記制御手段は、前記表示手段にユーザーが出力モードを設定するための設定画面を表示することなく、特定した出力モードにより前記印刷手段に印刷を実行させる前項1~3の何れかに記載の画像形成装置。
(5)前記紙種検出手段は、紙厚、光沢、反射率、透過率、坪量の少なくとも何れかに基づいて紙種を検出する前項1~4の何れかに記載の画像形成装置。
(6)紙厚、光沢、反射率、透過率、坪量の少なくとも何れかの特性の範囲が、紙種毎に対応して設定されている前項5に記載の画像形成装置。
(7)前記紙種検出手段は、用紙の印字面先端に画像が存在する場合、紙種はレターヘッドであると判断する前項1~6の何れかに記載の画像形成装置。
(8)前記紙種検出手段は、紙厚が所定厚以上でかつ用紙の印字面先端に画像が存在する場合、紙種はレターヘッドであると判断する前項1~6の何れかに記載の画像形成装置。
(9)紙種に応じた出力モードで印刷するか否かを設定可能な設定手段を備えている前項1~8の何れかに記載の画像形成装置。
(10)前記設定手段は、ユーザー認証が行われた場合には紙種に応じた出力モードで出力しない設定が可能である前項9に記載の画像形成装置。
(11)前記制御手段は、ユーザーによってカラーモードの設定がなされた場合、特定された前記出力モードにおいてカラーモードの設定が予めなされていても、ユーザーによるカラーモードの設定を優先して前記印刷手段に出力を実行させる前項1~10の何れかに記載の画像形成装置。
(12)前記制御手段は、ユーザーによってページ割り付けの設定がなされた場合、特定された前記出力モードにおいてページ割り付けの別の設定が予めなされていても、ユーザーによるページ割り付けの設定を優先して前記印刷手段に出力を実行させる前項1~10の何れかに記載の画像形成装置。
(13)前記制御手段は、ユーザーによって面割り付けの設定がなされた場合、特定された前記出力モードにおいて面割り付けの別の設定が予めなされていても、ユーザーによる面割り付けの設定を優先して前記印刷手段に印刷を実行させる前項1~10の何れかに記載の画像形成装置。
(14)前記給紙手段に備えられた複数の給紙カセットにおける各カセット毎に用紙の紙種と出力モードが対応付けられている前項1~13の何れかに記載の画像形成装置。
(15)前記給紙手段に備えられた複数の給紙カセットについて、用紙を給紙される給紙カセットが切り替わったときにのみ、前記紙種検出手段は切り替え後の給紙カセットから給紙された用紙の紙種を検出し、前記制御手段は、検出された前記紙種に対応付けられた出力モードで印刷を実行させる前項1~14の何れかに記載の画像形成装置。
(16)印刷の途中で用紙の紙種が変更された場合に、変更された紙種に応じた出力モードで印刷するか、出力開始時の先頭用紙の紙種に応じた出力モードで印刷するかを設定可能な設定手段を備えている前項1~15の何れかに記載の画像形成装置。
(17)選択された給紙口から前回給紙された用紙の紙種に対応付けられた出力モードの内容を表示可能な表示手段を備えている前項1~16の何れかに記載の画像形成装置。
(18)各紙種毎に対応付けられた出力モードの内容を表示可能な表示手段を備えている前項1~17の何れかに記載の画像形成装置。
(19)前記紙種検出手段により先頭の用紙の紙種が検出された時点で、紙種に対応付けられた出力モードを表示するとともに、ユーザーに印刷を続行するか否かを確認する表示を行う表示手段を備えている前項1~18の何れかに記載の画像形成装置。
(20)印刷対象データを出力モードに応じて画像処理する画像処理手段と、前記給紙手段に備えられた複数の給紙カセットの各カセット毎に、直前の印刷の最後に通紙した用紙の紙種を記憶する紙種記憶手段と、を備え、印刷時に、何れかの給紙カセットから給紙された用紙の紙種が前記紙種検出手段により検出されるまでは、前記画像処理手段は、その給紙カセットについて前記紙種記憶手段に記憶されている直前の印刷の最後に通紙した用紙の紙種に対応する画像処理を行い、検出された紙種が直前の印刷の最後に通紙した用紙の紙種と異なっている場合は、検出された紙種に対応する画像処理をやり直す前項1~19の何れかに記載の画像形成装置。
(21)印刷エンジンを備え、印刷時に、何れかの給紙カセットから給紙された用紙の紙種が前記紙種検出手段により検出されるまでは、前記印刷エンジンは、その給紙カセットについて前記紙種記憶手段に記憶されている最後に通紙した用紙の紙種に対応する動作を行い、検出された紙種が最後に通紙した用紙の紙種と異なっている場合は、検出された紙種に対応する動作に切り替える前項20に記載の画像形成装置。
(22)用紙を給紙する給紙手段から給紙された用紙の紙種を検出する紙種検出ステップと、自装置または外部に備えられ、複数の紙種毎に出力モードが対応付けられた出力モード情報を予め出力モード情報記憶手段に記憶するステップと、印刷手段による印刷時に、前記紙種検出ステップにより検出された用紙の紙種に対応する出力モードを、前記出力モード情報記憶手段に記憶された出力モード情報に基づいて特定するとともに、特定した出力モードにより前記印刷手段に印刷を実行させる制御ステップと、を画像形成装置のコンピュータに実行させ、前記制御ステップでは、印刷の途中で用紙の紙種が変更された場合に、前記印刷手段に、変更された紙種に応じた出力モードで印刷を実行させるか、印刷開始時の先頭用紙の紙種に応じた出力モードで印刷を実行させるかを、前記先頭用紙の紙種に基づいて決定する処理を前記コンピュータに実行させるための出力モード設定プログラム。
(23)用紙を給紙する給紙手段から給紙された用紙の紙種を検出する紙種検出ステップと、自装置または外部に備えられ、複数の紙種毎に出力モードが対応付けられた出力モード情報を予め出力モード情報記憶手段に記憶するステップと、印刷手段による印刷時に、前記紙種検出ステップにより検出された用紙の紙種に対応する出力モードを、前記出力モード情報記憶手段に記憶された出力モード情報に基づいて特定するとともに、特定した出力モードにより前記印刷手段に印刷を実行させる制御ステップと、を画像形成装置のコンピュータに実行させ、前記制御ステップでは、印刷の途中で用紙の紙種が変更された場合に、前記印刷手段に、変更された紙種に応じた出力モードで印刷を実行させるか、印刷開始時の先頭用紙の紙種に応じた出力モードで印刷を実行させるかを、変更された紙種に基づいて決定する処理を前記コンピュータに実行させるための出力モード設定プログラム。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、自装置または外部に備えられた出力モード情報記憶手段に、複数の紙種毎に出力モードが対応付けられた出力モード情報が予め記憶されている。印刷時に、給紙手段から給紙される用紙の紙種が紙種検出手段により検出される。そして、検出された紙種に対応する出力モードが、出力モード情報記憶手段に記憶された出力モード情報に基づいて特定され、この特定された出力モードにより印刷が実行される。
【0011】
従って、ユーザーが出力モードの設定を行わなくても、用紙の紙種に適した出力モードが自動的に設定され、この出力モードで印刷されるから、良好な印刷を行うことができる。また、ユーザーが出力モードの設定を行わなくても良いから、紙種とユーザーが設定した出力モードに不整合があるためにユーザーの設定操作が無駄になるといった不都合もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図2】画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。
図3】各紙種毎に対応付けて出力モードを予め設定する場合の設定画面を示す図である。
図4】紙種に応じた出力モードの設定を行うかどうかの問い合わせ画面を示す図である。
図5】固定記憶装置に記憶されている出力モード情報を示す図である。
図6】紙種と出力モードとの対応付け処理を示すフローチャートである。
図7】印刷時の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
図8】印刷時の画像形成装置の他の動作例を示すフローチャートである。
図9】印刷時の画像形成装置のさらに他の動作例を示すフローチャートである。
図10】印刷時の画像形成装置のさらに他の動作例を示すフローチャートである。
図11】印刷時の画像形成装置のさらに他の動作例を示すフローチャートである。
図12】印刷時の画像形成装置のさらに他の動作例を示すフローチャートである。
図13】印刷時の画像形成装置のさらに他の動作例を示すフローチャートである。
図14】印刷時の画像形成装置のさらに他の動作例を示すフローチャートである。
図15】印刷時の画像形成装置のさらに他の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置1の概略構成図である。この例では、画像形成装置1としてタンデム型のカラープリンタが用いられている。
【0015】
図1において、この画像形成装置1は、装置本体1Aの下部に給紙部20が、中央部に画像形成部10が、上部に排紙部60がそれぞれ配置されて構成されている。給紙部20には複数(この例では2個)の給紙カセット21が備えられ、各給紙カセット21から排紙部60に渡っては給紙部20から繰り出された用紙Sを上方へ搬送する用紙搬送路22が形成されている。
【0016】
また、各給紙カセット21の下流側には、用紙搬送路22の近傍に用紙Sの種類である紙種を検出するための紙種検出センサ90が設けられている。紙種検出センサ90は給紙部20から給紙され用紙搬送路22を搬送される用紙Sの紙種を、紙厚、光沢、反射率、透過率、坪量の少なくとも何れかの特性に基づいて検出する。紙種検出センサ90による紙種の検出技術は公知であるので、詳細な説明は省略する。
【0017】
画像形成部10は、装置本体1Aの上下方向の略中央に配置された駆動ローラ16及び従動ローラ15と、これら駆動および従動ローラ16,15間に水平に掛設されて矢印方向へ走行する中間転写ベルト14と、この走行方向に沿って配置されたイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の作像ユニットである感光体ユニット12Y,12M,12C,12Kとを備えている。
【0018】
各感光体ユニット12Y,12M,12C,12Kで作成されたトナー画像を重ね合わせて転写ベルト14に転写し、用紙搬送路22を搬送されてくる用紙Sに対して転写ベルト14の搬送端(図中右端)で2次転写を行い、用紙Sを定着部30に送給してトナー画像の定着を行うようになっている。
【0019】
各感光体ユニット12Y,12M,12C,12Kは、静電複写方式により作像するもので、それらの周囲に配設された帯電器と、現像器11Y,11M,11C,11Kと、感光体ドラム13Y,13M,13C,13Kと、転写器等とを備えている。また、4個のレーザーダイオード、ポリゴンミラー、および走査レンズ等を有するプリントヘッド41ならびに4つの反射ミラー42等を備えた露光部40の各レーザーダイオードにより、帯電器により帯電された各感光体ドラム13Y,13M,13C,13Kの表面が露光され、該表面に静電潜像が形成されるようになっている。
【0020】
また、各感光体ユニット12Y,12M,12C,12Kの現像器11Y,11M,11C,11Kにトナーを補給する補給機構として、トナーカートリッジ70Y,70M,70C,70Kおよびサブホッパ80Y,80M,80C,80Kが前記感光体ユニット12Y,12M,12C,12Kの上方位置に配置されている。
【0021】
なお、図1中、符号50はキー部や表示部を備えた操作パネル部である。
【0022】
図2は、画像形成装置1の電気的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、画像形成装置1は、制御部100、固定記憶装置110、画像読取装置120の他、上述した操作パネル部50、画像形成部10、給紙部20、紙種検出センサ90を備え、さらにプリンタコントローラ150及びネットワークインターフェイス(ネットワークI/F)160等を備え、互いにシステムバス175を介して接続されている。
【0023】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、S-RAM(Static Random Access Memory)103、NV-RAM(Non Volatile RAM)104及び時計IC105等を備えている。
【0024】
CPU101は、ROM102等に保存されている動作プログラムを実行することにより、画像形成装置1の全体を統括的に制御する。例えばコピー機能、プリンタ機能、スキャン機能等を実行可能に制御するほか、特にこの実施形態では、印刷時に紙種検出センサ90による用紙Sの紙種検出結果に基づいて、紙種に適した出力モード(印刷モード)を自動的に設定して印刷を実行する等の制御等を行うが、詳細は後述する。
【0025】
ROM102は、CPU101が実行するプログラムやその他のデータを格納する。
【0026】
S-RAM103は、CPU101がプログラムを実行する際の作業領域となるものであり、プログラムやプログラムを実行する際のデータ等を一時的に保存する。
【0027】
NV-RAM104は、バッテリでバックアップされた不揮発メモリであり、画像形成に係わる各種の設定や、表示部54の画素数や、表示部54に表示される各種画面のデータ等を記憶するものである。
【0028】
時計IC105は、時刻を計時すると共に、内部タイマーとして機能し処理時間の計測等を行う。
【0029】
固定記憶装置110は、ハードディスク等からなり、プログラムや各種データ等を保存する。
【0030】
画像読取装置120は、スキャナ等を備え、プラテンガラス上にセットされた原稿を走査することによって読み取り、読み取った原稿を画像データに変換する。
【0031】
操作パネル部50は、ユーザーが画像形成装置1へジョブ等の指示や各種設定を行う際に用いられるものであり、リセットキー51、スタートキー52、ストップキー53、表示部54及びタッチパネル55等を備えている。
【0032】
リセットキー51は、設定をリセットする際に使用されるものであり、スタートキー52はスキャン等の開始操作に使用されるものであり、ストップキー53は動作を中断する場合等に押下されるものである。
【0033】
表示部54は、例えば液晶表示装置からなりメッセージや各種の操作画面等を表示するものであり、タッチパネル55は表示部54の画面上に形成され、ユーザーのタッチ操作を検出する。
【0034】
画像形成部10は、画像読取装置120で読み取られた原稿の画像データや、外部操作から送信されたプリントデータから生成された複写画像を用紙上に印字するものであり、画像処理部17と印刷エンジン18等を備えている。
【0035】
画像処理部17は、印刷対象データを設定された出力モードに応じて画像処理するものである。また、印刷エンジン18は、画像形成に係わるハードウェア部分をいい、例えば感光体ユニット12Y,12M,12C,12K、現像器11Y,11M,11C,11K、感光体ドラム13Y,13M,13C,13Kと、帯電器、転写器、レーザーダイオード、ポリゴンミラー、プリントヘッド41、及びこれらを駆動するモータ等をいう。
【0036】
プリンタコントローラ150は、ネットワークインターフェース160によって受信されたプリントデータから複写画像を生成するものである。
【0037】
ネットワークインターフェース(ネットワークI/F)160は、外部の端末装置等との間でデータの送受信を行う通信手段として機能する。
【0038】
紙種検出センサ90は、前述したように、用紙Sの紙種を、紙厚、光沢、反射率、透過率、坪量の少なくとも何れかに基づいて検出する。この実施形態では、紙種として、普通紙、薄紙、上質紙、厚紙、レターヘッド等が設定されており、各紙種に対応して、紙厚、光沢、反射率、透過率、坪量の少なくとも何れかの特性の範囲が設定され、測定値と設定値を比較等することにより、紙種を検出するようになっている。また、レターヘッドについては、用紙の印字面先端に画像が存在する場合や、紙厚が所定厚以上でかつ用紙の印字面先端に画像が存在する場合に、紙種はレターヘッドであると判断するようになっている。
【0039】
次に、図1及び図2に示した画像形成装置1の印刷時の動作を説明する。
【0040】
この実施形態では、給紙部20から給紙された用紙Sの紙種が紙種検出センサ90で検出され、この検出された紙種に対応付けられた出力モードで印刷が行われる。このために、各紙種毎に出力モードが対応付けられた出力モード情報が、例えば固定記憶装置110にテーブルとして予め記憶されている。
【0041】
図3は、各紙種毎に対応付けて出力モードを予め設定する場合の設定画面を示す図である。このような設定は、例えば画像形成装置1の管理者等によって行われる。
【0042】
図3に示す設定画面では、紙種選択ボタン54aと、カラー/モノクロ選択ボタン54bと、ページ割り付け選択ボタン54cと、面割り付け選択ボタン54dが表示されている。
【0043】
図3の例では、紙種選択ボタン54aにより、紙種として普通紙、薄紙、上質紙、厚紙、レターヘッドの何れかを選択可能となっている。カラー/モノクロ選択ボタン54b、ページ割り付け選択ボタン54c、及び面割り付け選択ボタン54dは、出力モードを設定するためのボタンであり、カラー/モノクロ選択ボタン54bによりカラーモードかモノクロモードを選択可能であり、ページ割り付け選択ボタン54cにより、1ページを1枚の用紙に印刷する1in1モードか2ページを1枚の用紙に印刷する2in1モードを選択可能であり、面割り付け選択ボタン54dにより片面印刷モードか両面印刷モードを選択可能になっている。図3において、ハッチングで示すボタンは選択されていることを示す。
【0044】
管理者等は、各選択ボタンにより、紙種、カラーモード/モノクロモード、1in1モード/2in1モード、片面印刷モード/両面印刷モードを選択した後、図示しない実行ボタンを押すと、選択された紙種に対して、選択されたカラーモード/モノクロモード、1in1モード/2in1モード、片面印刷モード/両面印刷モードが対応付けられ、1つの紙種に対して1つの出力モードが設定される。このような操作を、他の紙種に対しても行うことで、各紙種毎に出力モードが対応付けられて予め設定される。そして、対応付けられた各紙種と出力モードとからなる出力モード情報が、画像形成装置1の固定記憶装置110にテーブルとして予め記憶される。なお、出力モード情報は画像形成装置1の内部記憶装置ではなく、外部の記憶装置に記憶され、画像形成装置1はこの外部記憶装置と通信を行うことでデータを送受しても良い。
【0045】
検出された紙種に応じた出力モードを設定して印刷を行うかどうかは、管理者等によって設定されても良い。即ち、管理者等は例えば画像形成装置1の管理者モード等において図4に示すように、紙種に応じた出力モードの設定を行うかどうかの問い合わせ画面を表示部54に表示し、「はい」ボタンが押されたときにのみ、図3の設定画面を表示して、紙種毎に対応付けて出力モードを予め設定しても良い。これによって、管理者等による出力モードの管理自由度が向上する。
【0046】
図5は、固定記憶装置110に記憶されている出力モード情報を示す図である。図5の例では、紙種が再生紙の場合は、出力モードとしてモノクロモード、2in1モード、両面印刷モードが対応付けられており、紙種が裏紙の場合は、出力モードとしてモノクロモード、2in1モード、片面印刷モードが対応付けられており、紙種が普通紙の場合は、出力モードとしてモノクロモード、1in1モード、両面印刷モードが対応付けられている。さらに、紙種が薄紙の場合は、出力モードとしてモノクロモード、1in1モード、片面印刷モードが対応付けられており、紙種が厚紙、上質紙、レターヘッドの場合は、いずれも、出力モードとしてカラーモード、1in1モード、片面印刷モードが対応付けられている。
【0047】
なお、固定記憶装置110に記憶されている出力モード情報は、印刷を行うユーザーの操作に基づいて、任意のタイミングで表示部54に表示されても良い。この表示により、ユーザーは紙種毎の出力モードを認識することができる。
【0048】
図6は、紙種と出力モードとの対応付け処理を示すフローチャートである。このフローチャート及び図7以降のフローチャートで示される処理は、画像形成装置1のCPU101がROM102等に記録された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0049】
ステップS01では、管理者等の指示に基づいて表示部54に図3に示したような設定画面を表示したのち、ステップS02で、設定を受け付ける。次いでステップS03で、設定された紙種と出力モードとを対応付けて固定記憶装置110等に記憶させたのち、ステップS04で処理の終了が指示されたかどうかを判断する。指示されなければ(ステップS04でNO)、ステップS01に戻り、次の紙種と出力モードとを対応付けのための設定画面を表示し、同様にしてステップS02及びステップS03の処理を行う。
【0050】
ステップS04で、処理の終了が指示された場合は(ステップS04でYES)、処理を終了する。
【0051】
図7は、図6のフローチャートで作成され固定記憶装置110に記憶された、紙種毎に出力モードが対応付けられた出力モード情報のテーブルを用いて、印刷を行う場合の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。
【0052】
ステップS11では、給紙口(給紙トレイ)、用紙サイズ、部数などの入力を表示部54の設定画面から受け付けた後、ステップS12で、指定された給紙口から指定された用紙サイズの用紙を給紙する。給紙後、紙種検出センサ90で用紙の紙種を検出する。
【0053】
なお、紙種検出センサ90による用紙の紙種の検出は、用紙の一枚毎に行っても良いし、複数枚印刷する場合は先頭の用紙の紙種のみを検出し、以後の用紙については同一の紙種であると推定してもよい。あるいは、各給紙口(給紙カセット)から最初に給紙された用紙の紙種を検出するとともに、その給紙口(給紙カセット)と検出した紙種を対応付けておくことで、各カセット毎に用紙の紙種と出力モードが対応付けられていても良い。
【0054】
次にステップS13で、出力モード情報のテーブルを参照し、検出された紙種に対応付けられた出力モードを特定する。
【0055】
次に、ステップS14で、特定した出力モードを設定したのち、ステップS15で、出力モードに応じた画像処理を含む印刷処理を実行する。従って、操作パネル50の表示部54に出力モードの設定画面が表示されることなく、出力モードが自動的に設定され印刷が実行される。
【0056】
このように、この実施形態では、画像形成装置1の固定記憶装置110または外部に備えられた記憶装置に、複数の紙種毎に出力モードが対応付けられた出力モード情報が予め記憶されている。そして、印刷時に、給紙部20から給紙される用紙の紙種が紙種検出センサ90により検出され、検出された紙種に対応する出力モードが、記憶装置に記憶された出力モード情報に基づいて特定され、この特定された出力モードにより印刷が実行される。
【0057】
従って、ユーザーが出力モードの設定を行わなくても、用紙の紙種に適した出力モードが自動的に設定され、この出力モードで印刷されるから、良好な印刷を行うことができる。また、ユーザーが出力モードの設定を行わなくても良いから、紙種とユーザーが設定した出力モードに不整合があるためにユーザーの設定操作が無駄になるといった不都合もなくなる。
【0058】
図8は、この発明の他の実施形態を示すものであり、画像形成装置1はユーザー認証機能を備えると共に、ユーザー認証が行われた場合は、紙種に応じた出力モードで出力しない設定がなされている場合の画像形成装置1の印刷時の動作を示すフローチャートである。ユーザー認証が行われた場合に紙種に応じた出力モードで出力しない設定は、画像形成装置1の管理者等によって行われる。
【0059】
ステップS21では、ユーザー認証が成功したかどうかを判断し、ユーザー認証が成功した場合は(ステップS21でYES)、ステップS22で、表示部54に出力モード設定画面を表示したのち、ステップS23で、ユーザーによる出力モードの設定が終了したかどうかを調べる。終了していなければ(ステップS23でNO)、終了まで待つ。終了していると(ステップS23でYES)、ステップS24で、ユーザーにより設定された出力モードで印刷処理を実行する。従って、この場合は紙種に応じた出力モードでの印刷は行われない。
【0060】
ステップS21でユーザー認証が成功しなかった場合(ステップS21でNO)、ステップS25で、給紙口(給紙トレイ)、用紙サイズ、部数などの入力を表示部54の設定画面から受け付けた後、ステップS26で、指定された給紙口から指定された用紙サイズの用紙を給紙する。給紙後、紙種検出センサ90で用紙の紙種を検出する。
【0061】
次にステップS27で、出力モード情報のテーブルを参照し、検出された紙種に対応付けられた出力モードを特定する。次に、ステップS28で、特定した出力モードを設定したのち、ステップS29で、出力モードに応じた印刷処理を実行する。
【0062】
このように、ユーザー認証が行われた場合は、ユーザーの信頼性が高いことから、ユーザーの意思を尊重して、ユーザーが設定した出力モードで印刷を行う。
【0063】
図9は、この発明のさらに他の実施形態を示すものであり、ユーザーにより行われたカラー/モノクロモードの設定を、紙種に対応する出力モードにおけるカラー/モノクロモードの設定よりも優先する場合の画像形成装置1の印刷時の動作を示すフローチャートである。
【0064】
ステップS31では、給紙口(給紙トレイ)、用紙サイズ、部数などの入力を表示部54の設定画面から受け付けた後、ステップS32で、カラー/モノクロモードの設定のみが可能な画面を表示し、ステップS33で、スタートキー52等が押されることにより印刷開始が指示されたかどうかを判断する。印刷開始が指示されなければ(ステップS33でNO)、ステップS32に戻る。印刷開始が指示されると(ステップS33でYES)、ステップS34で、給紙及び紙種の検出を行い、ステップS35で、出力モード情報のテーブルを参照し、検出された紙種に対応付けられた出力モードを特定する。
【0065】
次に、ステップS36で、ユーザーによりカラー/モノクロモード設定がなされたかどうかを調べる。ユーザーによりカラー/モノクロモードの設定がなされた場合(ステップS36でYES)、ステップS37では、紙種に対応する出力モードにおけるカラー/モノクロモードの設定よりもユーザーのカラー/モノクロモードの設定を優先した状態で出力モードの設定を変更した後、ステップS38で印刷処理を実行する。
【0066】
ステップS36において、ユーザーによりカラー/モノクロモードの設定がなされていなければ(ステップS36でNO)、ステップS39で、ステップS35で特定された出力モードをそのまま設定した後、ステップS38で印刷処理を実行する。
【0067】
このように、この実施形態では、カラー/モノクロモードの設定についてユーザーの意思を尊重することができる。
【0068】
なお、図9の例では、ユーザーによって設定されたカラー/モノクロモードの設定を、予め設定された紙種毎の出力モードにおけるカラー/モノクロモードの設定よりも優先した場合を説明したが、ページ割り付けの設定や、面割り付けの設定(片面又は両面印刷の設定)について、ユーザーによる設定を優先しても良い。
【0069】
図10は、この発明のさらに他の実施形態を示すものであり、用紙を給紙される給紙口(給紙トレイ)が、直近の印刷における給紙トレイから切り替わったときにのみ、紙種の検出を行って紙種に対応付けられた出力モードで印刷を実行する場合の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。
【0070】
ステップS41では、給紙口(給紙トレイ)、用紙サイズ、部数などの入力を表示部54の設定画面から受け付けた後、ステップS42で、直近の印刷時から給紙トレイ21が切り替えられているかどうかを判断する。
【0071】
切り替えられていれば(ステップS42でYES)、ステップS43で、指定された給紙口から指定された用紙サイズの用紙を給紙する。給紙後、紙種検出センサ90で用紙の紙種を検出する。
【0072】
次にステップS44で、出力モード情報のテーブルを参照し、検出された紙種に対応付けられた出力モードを特定し、ステップS45で特定した出力モードを設定したのち、ステップS46で、出力モードに応じた印刷処理を実行する。
【0073】
ステップS42で、給紙トレイが切り替えられていなければ(ステップS42でNO)、ステップS47で、前回印刷時における紙種と同じ出力モードを設定し、ステップS46で印刷処理を実行する。
【0074】
このように、この実施形態では、給紙トレイ21が切り替えられていなければ、前回印刷時における紙種と同じ出力モードが設定されるから、紙種の検出などの処理を省略することができる。
【0075】
図11は、この発明のさらに他の実施形態を示すものであり、印刷途中に用紙の紙種が変更された場合の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。この実施形態では、紙種変更後の出力モードで印刷を行うか否かが予め設定されており、この設定に基づいて、画像形成装置1は出力モードを変更するかどうかを判断するようになっている。なお、紙種変更後の出力モードで印刷を行うか否かの設定は、管理者等によって行われる。
【0076】
ステップS51では、給紙口(給紙トレイ)、用紙サイズ、部数などの入力を表示部54の設定画面から受け付けた後、ステップS52で、指定された給紙口から指定された用紙サイズの用紙を給紙する。給紙後、紙種検出センサ90で用紙の紙種を検出する。
【0077】
次にステップS53で、出力モード情報のテーブルを参照し、検出された紙種に対応付けられた出力モードを特定したのち、ステップS54で、特定した出力モードを設定したし、ステップS55で印刷処理を実行する。
【0078】
ステップS56では印刷終了かどうかを判断し、印刷終了であれば(ステップS56でYES)、処理を終了する。印刷終了でなければ(ステップS56でNO)、ステップS57で給紙及び紙種検出を行ったのち、ステップS58で用紙の紙種が変更されたかどうかを判断する。紙種が変更された場合(ステップS58でYES)、ステップS59で、変更後の紙種に応じた出力モードで印刷を行う設定がなされているかどうかを調べる。設定がなされていれば(ステップS59でYES)、ステップS60で、変更後の紙種に応じた出力モードを特定して設定したのち、ステップS55に戻り印刷を行う。
【0079】
ステップS58で、紙種が変更されていない場合(ステップS58でNO)、ステップS55に戻り印刷を続行する。ステップS59で、紙種変更後の出力モードで印刷を行う設定がなされていない場合も(ステップS59でNO)、ステップS55に戻り、印刷を続行する。従ってこの場合は、変更前の紙種に対応する出力モードのままで印刷が行われる。
【0080】
このように、印刷途中で紙種が変更された場合は、紙種変更後の出力モードで印刷を行う設定がなされているかどうかに従って、出力モードを変更するか否かの判断が行われる。
【0081】
図12は、この発明のさらに他の実施形態を示すものであり、印刷途中に用紙の紙種が変更された場合の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。この実施形態では、紙種変更後の出力モードで印刷を行うか否かを、印刷開始時の先頭用紙の紙種に従って判断するようになっている。例えば、先頭の用紙が上質紙であり印刷途中で上質紙以外の紙種に変更された場合は、上質紙に対応付けられた出力モードで印刷を継続し、先頭の用紙が再生紙であり印刷途中で再生紙以外の紙種に変更された場合は、再生紙以外の紙種に対応付けられた出力モードに変更して印刷を行う、といった具合である。印刷開始時の先頭用紙の紙種が、紙種変更後の出力モードに変更する紙種か変更しない紙種かの設定は、管理者等によって予め行われる。
【0082】
ステップS61では、給紙口(給紙トレイ)、用紙サイズ、部数などの入力を表示部54の設定画面から受け付けた後、ステップS62で、指定された給紙口から指定された用紙サイズの用紙を給紙する。給紙後、紙種検出センサ90で用紙の紙種を検出する。
【0083】
次にステップS63で、出力モード情報のテーブルを参照し、検出された紙種に対応付けられた出力モードを特定したのち、ステップS64で、特定した出力モードを設定したし、ステップS65で印刷処理を実行する。
【0084】
ステップS66では印刷終了かどうかを判断し、印刷終了であれば(ステップS66でYES)、処理を終了する。印刷終了でなければ(ステップS66でNO)、ステップS67で給紙及び紙種検出を行ったのち、ステップS68で用紙の紙種が変更されたかどうかを判断する。紙種が変更された場合(ステップS68でYES)、ステップS69で、印刷開始時の先頭の用紙の紙種は、出力モードを変更しない紙種かどうかを調べる。先頭の用紙の紙種が出力モードを変更しない紙種でない場合は(ステップS69でNO)、ステップS70で、変更後の紙種に応じた出力モードを特定して設定したのち、ステップS65に戻り印刷を行う。
【0085】
ステップS68で、紙種が変更されていない場合(ステップS68でNO)、ステップS65に戻り印刷を続行する。ステップS69で、先頭の用紙の紙種は出力モードを変更しない紙種である場合も(ステップS69でYES)、ステップS65に戻り、印刷を続行する。従ってこの場合は、変更前の紙種(先頭の用紙と同じ紙種)に対応する出力モードのままで印刷が行われる。
【0086】
このように、印刷途中で紙種が変更された場合は、先頭の用紙の紙種が出力モードを変更しない紙種であるかどうかに従って、出力モードを変更するか否かの判断が行われる。
【0087】
図13は、この発明のさらに他の実施形態を示すものであり、印刷途中に用紙の紙種が変更された場合の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。この実施形態では、紙種変更後の出力モードで印刷を行うか否かを、変更後の紙種に従って判断するようになっている。例えば、上質紙以外の紙種から印刷途中で上質紙に変更された場合は、上質紙に対応付けられた出力モードに変更して印刷を行い、普通紙以外の紙種から印刷途中で普通紙に変更されても、当初の出力モードを維持して印刷を行う、といった具合である。変更後の紙種が出力モードを変更する紙種か変更しない紙種かの設定は、管理者等によって予め行われる。
【0088】
ステップS71では、給紙口(給紙トレイ)、用紙サイズ、部数などの入力を表示部54の設定画面から受け付けた後、ステップS72で、指定された給紙口から指定された用紙サイズの用紙を給紙する。給紙後、紙種検出センサ90で用紙の紙種を検出する。
【0089】
次にステップS73で、出力モード情報のテーブルを参照し、検出された紙種に対応付けられた出力モードを特定したのち、ステップS74で、特定した出力モードを設定したし、ステップS75で印刷処理を実行する。
【0090】
ステップS76では印刷終了かどうかを判断し、印刷終了であれば(ステップS76でYES)、処理を終了する。印刷終了でなければ(ステップS76でNO)、ステップS77で給紙及び紙種検出を行ったのち、ステップS78で用紙の紙種が変更されたかどうかを判断する。紙種が変更された場合(ステップS78でYES)、ステップS79で、変更後の紙種は、出力モードを変更しない紙種かどうかを調べる。出力モードを変更しない紙種でない場合は(ステップS79でNO)、ステップS80で、変更後の紙種に応じた出力モードを特定して設定したのち、ステップS75に戻り印刷を行う。
【0091】
ステップS78で、紙種が変更されていない場合(ステップS78でNO)、ステップS75に戻り印刷を続行する。ステップS79で、変更後の紙種は出力モードを変更しない紙種である場合も(ステップS79でYES)、ステップS75に戻り、印刷を続行する。従ってこの場合は、変更前の紙種に対応する出力モードのままで印刷が行われる。
【0092】
このように、印刷途中で紙種が変更された場合は、変更後の紙種が出力モードを変更しない紙種であるかどうかに従って、出力モードを変更するか否かの判断が行われる。
【0093】
図14は、この発明のさらに他の実施形態を示すものであり、画像形成装置1の印刷時の動作を示すフローチャートである。この実施形態では、先頭の用紙の紙種を検出したときに、検出した紙種に対応付けられた出力モードを表示して、ユーザーに印刷を続行させるか否かを選択させるようになっている。
【0094】
ステップS81では、給紙口(給紙トレイ)、用紙サイズ、部数などの入力を表示部54の設定画面から受け付けた後、ステップS82で、指定された給紙口から指定された用紙サイズの用紙を給紙するとともに、先頭の用紙の紙種を検出する。
【0095】
次いでステップS83で、出力モード情報のテーブルを参照し、検出された紙種に対応付けられた出力モードを特定したのち、ステップS84で、特定した出力モードを印刷を続行指示ボタン及び印刷中止ボタンとともに表示部54に表示する。
【0096】
ステップS85では、印刷続行指示ボタンが押されることによる印刷続行指示を受け付けたかどうかを判断する。受け付けた場合は(ステップS85でYES)、ステップS86で、特定した出力モードを設定したのち、ステップS87で印刷処理を実行する。
【0097】
ステップS85において、印刷続行指示を受け付けなかった場合、換言すれば印刷中止ボタンが押された場合は(ステップS85でNO)、印刷を行うことなく処理を終了する。
【0098】
このようにこの実施形態では、先頭の用紙の紙種を検出したときに、検出した紙種に対応付けられた出力モードを表示して、ユーザーに印刷を続行させるか否かを選択させるようになっているから、印刷を続行するか否かに関してユーザーの意思を尊重することができる。
【0099】
図15は、この発明のさらに他の実施形態を示すものであり、画像形成装置1の印刷時の動作を示すフローチャートである。この実施形態では、先頭の用紙の紙種が検出されるまでは、用紙が給紙された給紙カセットについて直前の印刷の最後に通紙した用紙の紙種に対応する出力モードの画像処理を実行するとともに、その出力モードに対応するように、画像形成に係わるハードウェア部分である印刷エンジン18を起動・動作させ、検出された先頭の用紙の紙種が、直前の印刷の最後に通紙した用紙の紙種と異なっている場合は、検出された紙種に対応する画像処理をやり直すとともに、印刷エンジン18の動作を切り替えるものである。
【0100】
この実施形態では、複数の給紙カセット21の各カセット毎に直前の印刷の最後に通紙した用紙の紙種を、固定記憶装置110に記憶している。
【0101】
ステップS91では、給紙口(給紙トレイ)、用紙サイズ、部数などの入力を表示部54の設定画面から受け付ける。
【0102】
次いでステップS92で、用紙を給紙した給紙カセットについて、直前の印刷の最後に通紙した用紙の紙種を固定記憶装置110から呼び出して、その紙種に対応付けられた出力モードを設定し、その出力モードに応じた画像処理を画像処理部17により実行するとともに印刷エンジン18を動作させる。
【0103】
次に、ステップS93で、指定された給紙口から指定された用紙サイズの用紙を給紙するとともに、先頭の用紙の紙種を検出したのち、ステップS94で、検出した紙種は直前の印刷の最後に通紙した用紙の紙種と同じかどうかを判断する。
【0104】
同じ紙種であれば(ステップS94でYES)、ステップS95で、そのまま印刷処理を実行する。なお、紙種が同じである場合に、その紙種に対応する出力モードの内容を表示部54に表示してユーザーに知らせても良い。同じ紙種でなければ(ステップS94でNO)、ステップS96で、出力モード情報のテーブルを参照し、検出された紙種に対応付けられた出力モードを特定し、ステップS97で、特定した出力モードを設定するとともに、この出力モードに応じた画像処理部17による画像処理を先頭の用紙からやり直し、印刷エンジン18の動作も切り替えたのち、ステップS95で印刷処理を実行する。
【0105】
このようにこの実施形態では、先頭の用紙の紙種が検出されるまでは、用紙が給紙された給紙カセット21について直前の印刷の最後に通紙した用紙の紙種に対応する出力モードの画像処理を実行するとともに、その出力モードに対応するように、画像形成に係わるハードウェア部分である印刷エンジン18を起動・動作させる。従って、検出された先頭の用紙の紙種が、直前の印刷の最後に通紙した用紙の紙種と同じであれば、紙種検出を待つこと無く画像処理及び印刷エンジン18の動作が開始されるから、その分印刷処理を早期に開始することができ、ひいては印刷処理時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0106】
1 画像形成装置
10 画像形成部
17 画像処理部
18 印刷エンジン
20 給紙部
21 給紙カセット
22 用紙搬送路
50 操作パネル部
54 表示部
60 排紙部
90 紙種検出センサ
100 制御部
101 CPU
102 ROM
110 固定記憶装置
S 用紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15