(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】被監視者監視装置および該方法ならびに被監視者監視支援システム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/08 20060101AFI20220426BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20220426BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20220426BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20220426BHJP
A61G 12/00 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
G08B25/08 C
G08B25/04 K
G08B25/10 D
H04N7/18 D
A61G12/00 Z
(21)【出願番号】P 2019525115
(86)(22)【出願日】2018-04-02
(86)【国際出願番号】 JP2018014111
(87)【国際公開番号】W WO2018230103
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】P 2017117650
(32)【優先日】2017-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100111453
【氏名又は名称】櫻井 智
(72)【発明者】
【氏名】西角 雅史
(72)【発明者】
【氏名】宮井 三嘉
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-124526(JP,A)
【文献】特開2005-025625(JP,A)
【文献】特開2002-298268(JP,A)
【文献】国際公開第2016/093274(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/199749(WO,A1)
【文献】特開2002-252725(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G9/00-15/12
99/00
G08B19/00-31/00
H04N7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象である被監視者における所定の行動を検知して通信可能に接続された装置へ通知する被監視者監視装置であって、
動画を生成する撮像部と、
同一種類の行動を、前記同一種類の行動に対して設定された互いに異なる第1および第2検知条件を少なくとも含む複数の検知条件で検知する検知部と、
前記検知部によって前記第1検知条件で前記行動が検知された場合に、前記行動の検知を第1通知先の第1装置へ通知し、前記検知部によって前記第2検知条件で前記行動が検知された場合に、前記行動の検知および前記撮像部によって生成された動画を前記第1通知先の第1装置とは異なる第2通知先の第2装置へ通知する通知制御部とを備え、
前記通知制御部は、前記第2通知先の第2装置から、前記行動の検知を前記第1通知先の第1装置へ通知する指示を受け付けた場合に、前記行動の検知を前記第1通知先の第1装置へさらに通知する、
被監視者監視装置。
【請求項2】
前記第1通知先の第1装置は、第1事業者によって取り扱われ、
前記第2通知先の第2装置は、前記第1事業者とは異なる第2事業者によって取り扱われる、
請求項1に記載の被監視者監視装置。
【請求項3】
前記第2通知先の第2装置は、複数である、
請求項1または請求項2に記載の被監視者監視装置。
【請求項4】
前記複数の第2装置は、1日を複数に分けた、互いに異なる時間帯で稼働する、
請求項3に記載の被監視者監視装置。
【請求項5】
前記動画は、前記行動の検知の前後を含む前記撮像部によって生成された所定の時間長の動画である行動検知動画と、前記撮像部によって生成されライブで配信されるライブ動画とを含む、
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の被監視者監視装置。
【請求項6】
監視対象である被監視者における所定の行動を検知して通信可能に接続された装置へ通知する被監視者監視方法であって、
動画を生成する動画生成工程と、
同一種類の行動を、前記同一種類の行動に対して設定された互いに異なる第1および第2検知条件を少なくとも含む複数の検知条件で検知する検知工程と、
前記検知工程によって前記第1検知条件で前記行動が検知された場合に、前記行動の検知を第1通知先の第1装置へ通知し、前記検知工程によって前記第2検知条件で前記行動が検知された場合に、前記行動の検知および前記動画生成工程で生成された動画を前記第1通知先の第1装置とは異なる第2通知先の第2装置へ通知する通知制御工程とを備え、
前記通知制御工程は、前記第2通知先の第2装置から、前記行動の検知を前記第1通知先の第1装置へ通知する指示を受け付けた場合に、前記行動の検知を前記第1通知先の第1装置へさらに通知する、
被監視者監視方法。
【請求項7】
監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知し、動画を生成するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者の監視を支援するための被監視者監視支援システムであって、
前記センサ装置と通信可能に接続される第2端末装置をさらに備え、
前記センサ装置は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の被監視者監視装置を備え、
前記所定のイベントは、前記所定の行動を含み、
前記第1通知先の第1装置は、前記中央処理装置であり、
前記第2通知先の第2装置は、前記第2端末装置である、
被監視者監視支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視すべき監視対象である被監視者を監視する被監視者監視装置および被監視者監視方法、ならびに、これを用いた被監視者監視支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
我が国(日本)のような高齢化社会では、病気や怪我や高齢等による看護や介護を必要とする要看護者や要介護者等は、高齢化社会ではない通常の社会で生じる要看護者や要介護者等よりもその増加が見込まれる。これら要看護者や要介護者等は、一般的には、病院や、老人福祉施設(日本の法令では老人短期入所施設、養護老人ホームおよび特別養護老人ホーム等)等の施設に入所し、その看護や介護を受ける。このような施設では、看護師や介護士等は、定期的に巡視することによってその安否や様子を確認している。この安否確認の点では、一人暮らしの独居者も前記要看護者や要介護者等と同様である。一方、近年では、独りで移動の困難な者や在宅の療養を希望する者等のために、訪問診療や往診等の在宅医療も要請されている。
【0003】
このような業界では、医療や看護や介護等のサービスを要請する者(サービス受益者)の増加に較べて、前記サービスを提供する者(サービス提供者)の増加が追いつかず、慢性的に人手不足になっている。このため、前記サービスや前記サービスに関連して生じる業務の負担を軽減するため、前記サービスや前記業務を補完する技術が求められている。このような技術の一つとして、特許文献1に開示された画像記録装置が提案されている。
【0004】
このような技術の一つとして、例えば特許文献1に開示されたナースコールシステムがある。この特許文献1に開示されたナースコールシステムは、ベッドに設置されて患者が看護師を呼び出すためのナースコール子機と、ナースステーションに設置されて前記ナースコール子機による呼び出しに応答するためのナースコール親機とを有するナースコールシステムであって、ベッド上の患者をベッド上方から撮像するカメラと、前記カメラの撮像映像から、患者が上半身を起こした状態及び患者がベッド上から離れた状態のうち少なくとも一方の発生を判断して注意状態発生信号を出力する状態判断手段とを有し、前記ナースコール親機は、前記注意状態発生信号を受けて報知動作する報知手段を有する。そして、このナースコールシステムは、前記ナースコール子機からの呼び出しに応答するために看護師が携行する携帯端末と、前記注意状態発生信号を受けて、前記カメラの撮像映像を前記携帯端末に送信する通信制御手段とを有する。
【0005】
一方、安否確認の点では、一人暮らしの独居者も前記要ケア者と同様であり、被監視対象者となる。
【0006】
ところで、このような被監視者における所定の行動(身体状態)を検知して報知(通知、発報)するシステムでは、検知条件が厳しく設定されると、実際には生じている前記所定の行動が検知できずに報知しない失報が生じてしまう虞がある。失報が生じてしまうと、実際には生じている前記所定の行動が報知されないばかりか、被監視者に生じた前記所定の行動がより重大な事態に発展してしまう可能性もあり、好ましくない。一方で、検知条件が緩く設定されると、失報の代わりに、実際には生じていない前記所定の行動が誤って検知されて報知されてしまう誤報が生じてしまう虞がある。前記所定の行動が報知されると、監視者は、前記報知された被監視者の現場に赴く等の対処を実施することが多いが、前記報知が誤報であった場合、監視者の対処は、無駄となり、労力の損失となってしまう。したがって、このようなトレードオフの関係にある失報と誤報とを低減できる装置が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【0008】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、より適切に行動を報知でき、失報も誤報も低減できる被監視者監視装置および被監視者監視方法、ならびに、前記被監視者監視装置を用いた被監視者監視支援システムを提供することである。
【0009】
上述した目的を実現するために、本発明の一側面を反映した被監視者監視装置、被監視者監視方法および被監視者監視支援システムは、動画を生成でき、同一種類の行動を、前記同一種類の行動に対して設定された互いに異なる第1および第2検知条件を少なくとも含む複数の検知条件で検知し、前記第1検知条件で前記行動が検知された場合に、前記行動の検知を第1通知先へ通知し、前記第2検知条件で前記行動が検知された場合に、前記行動の検知および前記動画を前記第1通知先とは異なる第2通知先へ通知し、前記第2通知先から、前記行動の検知を前記第1通知先へ通知する指示を受け付けた場合に、前記行動の検知を前記第1通知先へさらに通知する。
【0010】
発明の1または複数の実施形態により与えられる利点および特徴は、以下に与えられる詳細な説明および添付図面から十分に理解される。これら詳細な説明及び添付図面は、例としてのみ与えられるものであり本発明の限定の定義として意図されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態における被監視者監視支援システムの構成を示す図である。
【
図2】前記被監視者監視支援システムにおけるセンサ装置の構成を示す図である。
【
図3】前記被監視者監視支援システムにおける管理サーバ装置の構成を示す図である。
【
図4】前記管理サーバ装置に記憶される監視情報テーブルの構成を示す図である。
【
図5】前記管理サーバ装置に記憶される装置間情報テーブルの構成を示す図である。
【
図6】前記管理サーバ装置に記憶されるセンサ情報テーブルの構成を示す図である。
【
図7】前記センサ装置におけるイベントの検知処理および第1イベント通知通信信号の送信処理に関する動作を示すフローチャートである。
【
図8】
図7に示すフローチャートにおけるイベント動画送信の第1および第2準備処理の動作を示すフローチャートである。
【
図9】前記センサ装置における第2イベント通知通信信号の送信処理に関する動作を示すフローチャートである。
【
図10】前記管理サーバ装置の動作を示すフローチャートである。
【
図11】第1ケースにおける、前記被監視者監視支援システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図12】第2ケースにおける、前記被監視者監視支援システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図13】前記第1ケースにおける、真偽判定端末装置に表示される真偽判定画面の一例を示す図である。
【
図14】前記第2ケースにおける、ライブ動画のみが表示された真偽判定画面を示す図である。
【
図15】前記第2ケースにおける、イベント動画およびライブ動画が表示された真偽判定画面を示す図である。
【
図16】被監視者監視支援システムの変形形態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。しかしながら、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
【0013】
本実施形態における被監視者監視支援システムは、監視すべき(見守るべき)監視対象(見守り対象)である被監視者(見守り対象者)Obを監視する際に、その監視を支援するシステムである。本実施形態では、被監視者監視支援システムは、監視対象である被監視者Obに対応して設けられ、被監視者Obに関わる所定のイベントを検知し、動画を生成するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置(第1端末装置)を備える。そして、本実施形態では、被監視者監視支援システムは、さらに、前記センサ装置と通信可能に接続される第2端末装置を備えている。前記センサ装置は、被監視者監視装置を備える。この被監視者監視装置は、被監視者Obにおける所定の行動を検知して通信可能に接続された装置へ通知する装置であって、動画を生成する撮像部と、同一種類の行動を、前記同一種類の行動に対して設定された互いに異なる第1および第2検知条件を少なくとも含む複数の検知条件で検知する検知部と、前記検知部によって前記第1検知条件で前記行動が検知された場合に、前記行動の検知を第1通知先の第1装置へ通知し、前記検知部によって前記第2検知条件で前記行動が検知された場合に、前記行動の検知および前記撮像部によって生成された動画を前記第1通知先の第1装置とは異なる第2通知先の第2装置へ通知する通知制御部とを備える。本実施形態では、前記所定のイベントは、前記所定の行動を含み、前記第1通知先の第1装置は、前記中央処理装置であり、前記第2通知先の第2装置は、前記第2端末装置である。そして、前記通知制御部は、前記第2通知先の第2装置から、前記行動の検知を前記第1通知先の第1装置へ通知する指示を受け付けた場合に、前記行動の検知を前記第1通知先の第1装置へさらに通知する。前記第1端末装置は、1種類の装置であって良いが、本実施形態態では、前記第1端末装置は、固定端末装置と携帯端末装置との2種類の装置である。これら固定端末装置と携帯端末装置との主な相違は、固定端末装置が固定的に運用される一方、携帯端末装置が例えば看護師や介護士等の監視者(サービス提供者、ユーザ)に携行されて運用される点であり、これら固定端末装置と携帯端末装置とは、略同様である。このような被監視者監視支援システムについて、前記中央処理装置の一例として管理サーバ装置SVを挙げ、前記第2端末装置の一例として真偽判定端末装置を挙げ、以下、より具体的に説明する。
【0014】
図1は、実施形態における被監視者監視支援システムの構成を示す図である。
図2は、前記被監視者監視支援システムにおけるセンサ装置の構成を示す図である。
図3は、前記被監視者監視支援システムにおける管理サーバ装置の構成を示す図である。
図4は、前記管理サーバ装置に記憶される監視情報テーブルの構成を示す図である。
図5は、前記管理サーバ装置に記憶される装置間情報テーブルの構成を示す図である。
図5Aは、通知先対応関係情報テーブルを示し、
図5Bは、通信アドレス対応関係情報テーブルを示す。
図6は、前記管理サーバ装置に記憶されるセンサ情報テーブルの構成を示す図である。
【0015】
実施形態における被監視者監視支援システムMSは、被監視者の監視を支援するシステムであり、例えば、
図1に示すように、1または複数のセンサ装置SU(SU-1~SU-4)と、管理サーバ装置SVと、固定端末装置SPと、1または複数の携帯端末装置TA(TA-1、TA-2)と、構内交換機(PBX、Private branch exchange)CXと、真偽判定端末装置JTとを備え、これらセンサ装置SU、管理サーバ装置SV、固定端末装置SP、携帯端末装置TAおよび構内交換機CXは、有線や無線で、LAN(Local Area Network)等の網(ネットワーク、通信回線)NWを介して通信可能に接続され、真偽判定端末装置JTは、公衆網PNを介して構内交換機CXと通信可能に接続される。ネットワークNWは、通信信号を中継する例えばリピーター、ブリッジおよびルーター等の中継機が備えられても良い。
図1に示す例では、これら複数のセンサ装置SU-1~SU-4、管理サーバ装置SV、固定端末装置SP、複数の携帯端末装置TA-1、TA-2および構内交換機CXは、L2スイッチの集線装置(ハブ、HUB)LSおよびアクセスポイントAPを含む有線および無線の混在したLAN(例えばIEEE802.11規格に従ったLAN等)NWによって互いに通信可能に接続されている。より詳しくは、複数のセンサ装置SU-1~SU-4、管理サーバ装置SV、固定端末装置SPおよび構内交換機CXは、集線装置LSに接続され、複数の携帯端末装置TA-1、TA-2は、アクセスポイントAPを介して集線装置LSに接続されている。そして、ネットワークNWは、TCP(Transmission control protocol)およびIP(Internet protocol)等のインターネットプロトコル群が用いられることによっていわゆるイントラネットを構成する。
【0016】
構内交換機(回線切換機)CXは、ネットワークNWに接続され、携帯端末装置TA同士における発信、着信および通話等の内線電話の制御を行って前記携帯端末装置TA同士の内線電話を実施し、例えば固定電話網や携帯電話網やデジタル通信網等の公衆網PNを介して例えば固定電話機や携帯電話機等の図略の外線電話機に接続され、外線電話機と携帯端末装置TAとの間における発信、着信および通話等の外線電話の制御を行って外線電話機と携帯端末装置TAとの間における外線電話を実施し、そして、公衆網PNを介して真偽判定端末装置JTをネットワークNWに接続するものである。構内交換機CXは、例えば、デジタル交換機や、IP-PBX(Internet Protocol Private Branch eXchange)等である。
【0017】
被監視者監視支援システムMSにおける真偽判定端末装置JTを除く各装置SU、SV、SP、TA、CXは、被監視者Obに応じて適宜な場所に配設される。被監視者(見守り対象者、サービス受益者)Obは、例えば、病気や怪我等によって看護を必要とする者や、身体能力の低下等によって介護を必要とする者や、一人暮らしの独居者等である。特に、早期発見と早期対処とを可能にする観点から、被監視者Obは、例えば異常状態等の所定の不都合な事象がその者に生じた場合にその発見を必要としている者であることが好ましい。このため、被監視者監視支援システムMSにおける真偽判定端末装置JTを除く各装置SU、SV、SP、TA、CXは、被監視者Obの種類に応じて、病院、老人福祉施設および住戸等の建物に好適に配設される。
図1に示す例では、被監視者監視支援システムMSにおける真偽判定端末装置JTを除く各装置SU、SV、SP、TA、CXは、複数の被監視者Obが入居する複数の居室RMや、ナースステーション等の複数の部屋を備える介護施設の建物に配設されている。これら各装置SU、SV、SP、TA、CXは、第1事業者、この例では、前記介護施設の運営事業者によって扱われる。前記介護施設は、第1事業者に関わる第1設置場所の一例である。一方、真偽判定端末装置JTは、前記介護施設とは、異なる他の適宜な建物、例えば、オフィスビル等に設置され、前記第1事業者とは異なる、後述のように真偽判定を専門に実施する第2事業者によって取り扱われる。前記オフィスビルは、第2事業者に関わる第2設置場所の一例である。
【0018】
センサ装置SUは、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAと通信し、ネットワークNW、構内交換機CXおよび公衆網PNを介して真偽判定端末装置JTと通信する通信機能等を備え、被監視者Obに関わる所定のイベント(事象)を検知してその検知の際に用いた検知条件に応じて、直接的に管理サーバ装置SVへ、あるいは、真偽判定端末装置JTを介して間接的に管理サーバ装置SVへ、通知する装置である。前記所定のイベントは、例えば、本実施形態では、好適には対処が必要な所定のイベントであり、被監視者Obにおける予め設定された所定の行動およびナースコール(NC)である。このようなセンサ装置SUは、例えば、
図2に示すように、センサ部11と、センサ側音入出力部(SU音入出力部)12と、ナースコール受付操作部13と、センサ側制御処理部(SU制御処理部)14と、センサ側通信インターフェース部(SU通信IF部)15と、センサ側記憶部(SU記憶部)16とを備える。
【0019】
センサ部11は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って、被監視者Obにおける予め設定された所定の諸量を検出する装置である。前記所定の諸量は、被監視者Obにおける検知すべき前記所定の行動に応じて適宜に決定される。本実施形態では、前記所定の行動は、例えば、被監視者Obが起きた起床、被監視者Obが寝具から離れた離床、被監視者Obが倒れた転倒、および、被監視者Obの体動が停止した体動停止の4つの行動であり、これらを検知するために、センサ部11は、例えば、撮像部111と、体動測定部112とを備える。なお、前記転倒には、被監視者Obが寝具から落ちた転落が含まれて良く、あるいは、前記転倒とは別途に、前記所定の行動には、前記転落が含まれて良い。
【0020】
撮像部111は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って、画像(画像データ)を生成する装置である。前記画像には、静止画(静止画データ)および動画(動画データ)が含まれる。撮像部111は、被監視者Obが所在を予定している空間(所在空間、
図1に示す例では配設場所の居室RM)を監視可能に配置され、前記所在空間を撮像対象としてその上方から撮像し、前記撮像対象を俯瞰した画像(画像データ)を生成し、前記撮像対象の画像(対象画像)をSU制御処理部14へ出力する。好ましくは、被監視者Ob全体を撮像できる蓋然性が高いことから、撮像部111は、被監視者Obが横臥する寝具(例えばベッド等)における、被監視者Obの頭部が位置すると予定されている予め設定された頭部予定位置(通常、枕の配設位置)の直上から撮像対象を撮像できるように配設される。センサ装置SUは、この撮像部111によって、被監視者Obを、被監視者Obの上方から撮像した画像、好ましくは前記頭部予定位置の直上から撮像した画像を取得する。
【0021】
このような撮像部111は、可視光の画像を生成する装置であって良いが、比較的暗がりでも被監視者Obを監視できるように、本実施形態では、赤外線の画像を生成する装置である。このような撮像部111は、例えば、本実施形態では、撮像対象における赤外の光学像を所定の結像面上に結像する結像光学系、前記結像面に受光面を一致させて配置され、前記撮像対象における赤外の光学像を電気的な信号に変換するイメージセンサ、および、イメージセンサの出力を画像処理することで前記撮像対象における赤外の画像を表すデータである画像データを生成する画像処理部等を備えるデジタル赤外線カメラである。撮像部111の前記結像光学系は、本実施形態では、その配設された居室RM全体を撮像できる画角を持つ広角な光学系(いわゆる広角レンズ(魚眼レンズを含む))であることが好ましい。
【0022】
体動測定部112は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って、被監視者Obにおける所定の体動を測定する装置である。前記所定の体動は、本実施形態では、呼吸に伴う胸部の体表の動きであり、このため、体動測定部112は、例えば、ドップラセンサを備えて構成される。このドップラセンサは、送信波を送信し、物体で反射した前記送信波の反射波を受信し、前記送信波と前記反射波とに基づいてドップラ周波数成分のドップラ信号を出力する体動センサである。前記物体が動いている場合、いわゆるドップラ効果により前記物体の動いている速度に比例して反射波の周波数がシフトするため、送信波の周波数と反射波の周波数とに差(ドップラ周波数成分)が生じる。前記ドップラセンサは、このドップラ周波数成分の信号をドップラ信号として生成し、SU制御処理部14へ出力する。前記送信波は、超音波やマイクロ波等であって良いが、本実施形態では、マイクロ波である。マイクロ波は、着衣を透過して被監視者Obの体表で反射できるため、被監視者Obが衣服を着ていても体表の動きを検知でき、好ましい。
【0023】
SU音入出力部12は、SU制御処理部14に接続され、外部の音を取得してセンサ装置SUに入力するための回路であって、SU制御処理部14の制御に従って音を表す電気信号に応じた音を生成して出力するための回路である。SU音入出力部12は、例えば、音の音響振動を電気信号に変換するマイクロホン等と、音の電気信号を音の音響振動に変換するスピーカ等とを備えて構成される。SU音入出力部12は、外部の音を表す電気信号をSU制御処理部14へ出力し、また、SU制御処理部14から入力された電気信号を音の音響振動に変換して出力する。
【0024】
ナースコール受付操作部13は、SU制御処理部14に接続され、ナースコールを当該センサ装置SUに入力するための例えば押しボタン式スイッチ等のスイッチ回路である。なお、ナースコール受付操作部13は、有線でSU制御処理部14に接続されて良く、また、例えばBluetooth(登録商標)規格等の近距離無線通信でSU制御処理部14に接続されて良い。
【0025】
SU通信IF部15は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って通信を行うための通信回路である。SU通信IF部15は、SU制御処理部14から入力された転送すべきデータを収容した通信信号を、この被監視者監視支援システムMSのネットワークNWで用いられる通信プロトコルに従って生成し、この生成した通信信号をネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TA、JTへ送信する。SU通信IF部15は、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TA、JTから通信信号を受信し、この受信した通信信号からデータを取り出し、この取り出したデータをSU制御処理部14が処理可能な形式のデータに変換してSU制御処理部14へ出力する。SU通信IF部15は、例えば、IEEE802.11規格等に従った通信インターフェース回路を備えて構成される。
【0026】
SU記憶部16は、SU制御処理部14に接続され、SU制御処理部14の制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、センサ装置SUの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するSU制御プログラムや、センサ部11の出力に基づいて被監視者Obにおける所定の行動を検知してその検知の際に用いた検知条件に応じて、直接的に管理サーバ装置SVへ、あるいは、真偽判定端末装置JTを介して間接的に管理サーバ装置SVへ、通知し、前記検知した所定の行動に関わる所定の時間長の動画(イベント動画)を、前記検知の際に用いた検知条件に応じて、管理サーバ装置SVのみへ、あるいは、管理サーバ装置SVおよび真偽判定端末装置JTそれぞれへ、送信する行動検知処理プログラムや、ナースコール受付操作部13でナースコールを受け付けた場合にその旨を管理サーバ装置SVへ通知し、SU音入出力部12等を用いることで端末装置SP、TAとの間で音声通話を行うナースコール処理プログラムや、撮像部111で生成した動画を、その動画を要求した端末装置SP、TAおよび真偽判定端末装置JTへストリーミングで配信するSUストリーミング処理プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記各種の所定のデータには、自機の、センサ装置SUを特定し識別するための識別子であるセンサ装置識別子(センサID)、管理サーバ装置SVの通信アドレス、および、真偽判定端末装置JTの通信アドレス等の各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。SU記憶部16は、例えば不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を備える。SU記憶部16は、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆるSU制御処理部14のワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等を含む。
【0027】
そして、本実施形態では、行動検知処理部142で前記所定の行動を検知した場合に、前記検知の前後における所定の時間長の動画(イベント動画)を保存するために、SU記憶部16は、センサ側動画記憶部(SU動画記憶部)161を機能的に備える。SU動画記憶部161は、所定の時間長の動画を記憶するリングバッファである。前記所定の時間長は、例えば、1分、1分半、2分および3分等の数分である。なお、SU動画記憶部161に記憶された動画を管理サーバ装置SVへ転送する処理に要する処理時間が考慮され、SU動画記憶部161は、前記所定の時間長に、例えば数秒のマージンを加えた動画を記憶できる記憶容量で構成されても良い。
【0028】
SU制御処理部14は、センサ装置SUの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、被監視者Obに関わる所定のイベント(事象)を検知してその検知の際に用いた検知条件に応じて、直接的に管理サーバ装置SVへ、あるいは、真偽判定端末装置JTを介して間接的に管理サーバ装置SVへ、通知し、前記検知した所定の行動に関わる所定の時間長の動画(イベント動画)を、前記検知の際に用いた検知条件に応じて、管理サーバ装置SVのみへ、あるいは、管理サーバ装置SVおよび真偽判定端末装置JTそれぞれへ、送信し、端末装置SP、TAとの間で音声通話を行い、動画を含む画像を生成して端末装置SP、TAおよび真偽判定端末装置JTへ動画を配信するための回路である。SU制御処理部14は、本実施形態では、センサ部11の撮像部111で生成された動画をSU動画記憶部161に記憶する。SU制御処理部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成される。SU制御処理部14は、前記制御処理プログラムが実行されることによって、センサ側制御部(SU制御部)141、行動検知処理部142、ナースコール処理部(ナースコール処理部)143およびセンサ側ストリーミング処理部(SUストリーミング処理部)144を機能的に備える。
【0029】
SU制御部141は、センサ装置SUの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、センサ装置SUの全体制御を司るものである。本実施形態では、SU制御部141は、センサ部11の撮像部111で生成された動画をSU記憶部16のSU動画記憶部161に記憶する。より具体的には、SU制御部141は、SU記憶部16のSU動画記憶部161として割り当てられた記憶領域の始めからその終わりまで、順次に、撮像部111で生成された動画を記憶し、前記記憶領域の終わりに達すると、前記記憶領域の始めに戻り、同様に、前記記憶領域の始めからその終わりまで、順次に、撮像部111で生成された動画を記憶し(上書きで記憶し)、以下、同様に繰り返す。これによってSU動画記憶部161には、現時点から前記所定の時間長だけ過去分の動画が記憶される。
【0030】
行動検知処理部142は、センサ部11の出力に基づいて、被監視者Obにおける、予め設定された所定の行動を検知して管理サーバ装置SVへ通知するものである。行動検知処理部142は、前記所定の行動における同一種類の行動を、前記同一種類の行動に対して設定された互いに異なる第1および第2検知条件を少なくとも含む複数の検知条件で検知する。行動検知処理部142は、この検知によって前記第1検知条件で前記行動が検知された場合に、前記行動の検知を第1通知先の第1装置である管理サーバ装置SVへ通知し、前記検知によって前記第2検知条件で前記行動が検知された場合に、前記行動の検知および前記撮像部111によって生成された動画を前記第1通知先の第1装置である管理サーバ装置SVとは異なる第2通知先の第2装置である真偽判定端末装置JTへ通知する。
【0031】
本実施形態では、センサ部11および行動検知処理部142は、同一種類の行動を、前記同一種類の行動に対して設定された互いに異なる第1および第2検知条件を少なくとも含む複数の検知条件で検知する検知部の一例に相当する。行動検知処理部142は、前記検知部によって前記第1検知条件で前記行動が検知された場合に、前記行動の検知を第1通知先の第1装置へ通知し、前記検知部によって前記第2検知条件で前記行動が検知された場合に、前記行動の検知および前記撮像部によって生成された動画を前記第1通知先の第1装置とは異なる第2通知先の第2装置へ通知する通知制御部の一例にも相当する。
【0032】
より具体的には、本実施形態では、前記所定の行動は、上述したように、起床、離床、転倒および体動停止である。これら起床、離床および転倒は、撮像部111の出力(対象画像)に基づいて検知され、前記体動停止は、体動測定部112の出力(ドップラ信号)に基づいて検知される。
【0033】
より具体的には、行動検知処理部142は、例えば、予め記憶された寝具の所在領域から、撮像部11で撮像した対象画像における寝具領域がはみ出しているはみ出し量に基づいて、被監視者Obの起床を、蓋然性の高い起床および可能性のある起床の2段階のレベルで検出する。前記蓋然性の高い起床は、相対的に厳しい第1検知条件で検知され、被監視者Obに生じたイベントが真に起床である蓋然性が高い場合を意味する。前記可能性のある起床は、相対的に緩い第2検知条件で検知され、被監視者Obに生じたイベントが起床の可能性があり、起床が疑われる場合を意味する。このように起床を2段階レベルで検出するために、まず、寝具BTの所在領域、前記はみ出し量から可能性のある起床を判定するための閾値(起床疑い判定閾値、第2検知条件(第2A検知条件)の一例)、および、前記はみ出し量から蓋然性の高い起床を判定するための閾値(起床判定閾値、第1検知条件(第1A検知条件)の一例)が前記各種の所定のデータの1つとして予めSU記憶部16が記憶される。前記起床疑い判定閾値および前記起床判定閾値は、複数のサンプルを用いて予め適宜に設定される。前記起床判定閾値は、起床の蓋然性を判定するために用いられる一方、前記起床疑い判定閾値は、起床の可能性を判定するために用いられるため、前記起床疑い判定閾値は、前記起床判定閾値より小さな値に設定される。これによって起床が比較的高い蓋然性で検知される一方、起床が疑われるケースも検知できる。なお、さらに閾値を増やすことによって起床が多段階の各レベルで検知されても良い。そして、行動検知処理部142は、例えば背景差分法によって対象画像から、この対象画像における寝具領域を求める。次に、行動検知処理部142は、この求めた対象画像における寝具領域から、予め記憶された寝具の所在領域を減算することによって、前記はみ出し量を求める。次に、行動検知処理部142は、この求めたはみ出し量と、前記起床疑い判定閾値および前記起床判定閾値それぞれとを比較する。この比較の結果、前記求めたはみ出し量が前記起床疑い判定閾値未満である場合には、行動検知処理部142は、可能性のある起床でも蓋然性の高い起床でも無いと判定し、前記求めたはみ出し量が前記起床疑い判定閾値以上であって前記起床判定閾値未満である場合には、行動検知処理部142は、可能性のある起床と判定し、前記可能性のある起床を検知し、前記求めたはみ出し量が前記起床判定閾値以上である場合には、行動検知処理部142は、蓋然性の高い起床と判定し、前記蓋然性の高い起床を検知する。なお、前記起床疑い判定閾値は、0であって良く、この場合、前記対象画像で僅かでもはみ出し量が求められれば可能性のある起床と判定され、前記可能性のある起床が検知される。
【0034】
また例えば、行動検知処理部142は、予め記憶された寝具の所在領域と、撮像部11で撮像した対象画像における人体領域との重なり量に基づいて、被監視者Obの離床を、蓋然性の高い離床および可能性のある離床の2段階のレベルで検出する。前記蓋然性の高い離床は、相対的に厳しい第1検知条件で検知され、被監視者Obに生じたイベントが真に離床である蓋然性が高い場合を意味する。前記可能性のある離床は、相対的に緩い第2検知条件で検知され、被監視者Obに生じたイベントが離床の可能性があり、離床が疑われる場合を意味する。このように離床を2段階レベルで検出するために、まず、より詳しくは、寝具BTの所在領域、前記重なりから可能性のある離床を判定するための閾値(離床疑い判定閾値、第2検知条件(第2B検知条件)の一例)、および、前記重なり量から蓋然性の高い離床を判定するための閾値(離床判定閾値、第1検知条件(第1B検知条件)の一例)が前記各種の所定のデータの1つとして予めSU記憶部16が記憶される。前記離床疑い判定閾値および前記離床判定閾値は、複数のサンプルを用いて予め適宜に設定される。前記離床判定閾値は、離床の蓋然性を判定するために用いられる一方、前記離床疑い判定閾値は、離床の可能性を判定するために用いられるため、前記離床判定閾値は、前記離床疑い判定閾値より小さな値に設定される。これによって離床が比較的高い蓋然性で検知される一方、離床が疑われるケースも検知できる。なお、さらに閾値を増やすことによって離床が多段階の各レベルで検知されても良い。そして、行動検知処理部142は、対象画像から例えば背景差分法やフレーム差分法によって被監視者Obの人体領域として動体領域を抽出する。次に、行動検知処理部142は、この求めた対象画像における人体領域(動体領域)と、予め記憶された寝具の所在領域との重なり量を求める。次に、行動検知処理部142は、この求めた重なり量と、前記離床疑い判定閾値および前記離床判定閾値それぞれとを比較する。この比較の結果、前記求めた重なり量が前記離床疑い判定閾値より大きい場合には、行動検知処理部142は、可能性のある離床でも蓋然性の高い離床でも無いと判定し、前記求めた重なり量が前記離床疑い判定閾値以下であって前記離床判定閾値より大きい場合には、行動検知処理部142は、可能性のある離床と判定し、前記可能性のある離床を検知し、前記求めた重なり量が前記離床判定閾値以下である場合には、行動検知処理部142は、蓋然性の高い離床と判定し、前記蓋然性の高い離床を検知する。なお、前記離床判定閾値は、0であって良く、この場合、前記対象画像で重なり量が無くなった場合に蓋然性の高い離床と判定され、前記蓋然性の高い離床が検知される。
【0035】
また例えば、行動検知処理部142は、予め記憶された寝具の所在領域を除く領域で、被監視者Obの頭部における大きさが変化する速度(頭部の変化速度)に基づいて被監視者Obの転倒を、蓋然性の高い転倒および可能性のある転倒の2段階のレベルで検出する。前記蓋然性の高い転倒は、相対的に厳しい第1検知条件で検知され、被監視者Obに生じたイベントが真に転倒である蓋然性が高い場合を意味する。前記可能性のある転倒は、相対的に緩い第2検知条件で検知され、被監視者Obに生じたイベントが転倒の可能性があり、転倒が疑われる場合を意味する。このように転倒を2段階レベルで検出するために、まず、寝具BTの所在領域、前記頭部の変化速度から可能性のある転倒を判定するための閾値(転倒疑い判定閾値、第2検知条件(第2C検知条件)の一例)、および、前記頭部の変化速度から蓋然性の高い転倒を判定するための閾値(転倒判定閾値、第1検知条件(第1C検知条件)の一例)が前記各種の所定のデータの1つとして予めSU記憶部16が記憶される。前記転倒疑い判定閾値および前記転倒判定閾値は、複数のサンプルを用いて予め適宜に設定される。前記転倒判定閾値は、転倒の蓋然性を判定するために用いられる一方、前記転倒疑い判定閾値は、転倒の可能性を判定するために用いられるため、前記転倒判定閾値は、前記転倒疑い判定閾値より大きな値に設定される。これによって転倒が比較的高い蓋然性で検知される一方、転倒が疑われるケースも検知できる。なお、さらに閾値を増やすことによって転倒が多段階の各レベルで検知されても良い。そして、行動検知処理部142は、対象画像から例えば背景差分法やフレーム差分法によって被監視者Obの人体領域として動体領域を抽出する。次に、行動検知処理部142は、この抽出した動体領域から、例えば円形や楕円形のハフ変換によって、また例えば予め用意された頭部のモデルを用いたパターンマッチングによって、また例えば頭部検出用に学習したニューラルネットワークによって、被監視者Obの頭部領域を抽出する。次に、行動検知処理部142は、この抽出した頭部領域と前回の検知処理で抽出した頭部領域とから、前記頭部の変化速度を求める。なお、立位姿勢における頭部の大きさから、倒れ込んだ横臥姿勢における頭部の大きさになるまでの間における各検知処理で抽出した各頭部領域の大きさの変化から、前記頭部の変化速度が求められても良い。次に、行動検知処理部142は、この求めた頭部の変化速度と、前記転倒疑い判定閾値および前記転倒判定閾値それぞれとを比較する。この比較の結果、前記求めた頭部の変化速度が前記転倒疑い判定閾値より小さい場合には、行動検知処理部142は、可能性のある転倒でも蓋然性の高い転倒でも無いと判定し、前記求めた頭部の変化速度が前記転倒疑い判定閾値以上であって前記転倒判定閾値未満である場合には、行動検知処理部142は、可能性のある転倒と判定し、前記可能性のある転倒を検知し、前記求めた頭部の変化速度が前記転倒判定閾値以上である場合には、行動検知処理部142は、蓋然性の高い転倒と判定し、前記蓋然性の高い転倒を検知する。
【0036】
そして、行動検知処理部142は、体動測定部112の出力に基づいて被監視者Obの体動停止を、蓋然性の高い体動停止および可能性のある体動停止の2段階のレベルで検出する。前記蓋然性の高い体動停止は、相対的に厳しい第1検知条件で検知され、被監視者Obに生じたイベントが真に体動停止である蓋然性が高い場合を意味する。前記可能性のある体動停止は、相対的に緩い第2検知条件で検知され、被監視者Obに生じたイベントが体動停止の可能性があり、体動停止が疑われる場合を意味する。このように体動停止を2段階レベルで検出するために、まず、より詳しくは、体動測定部112の出力から呼吸動作に伴う胸部の体表の動き(胸部の上下動)の有無を判定するための閾値(体表動き判定閾値)、前記体表の動きが無い継続時間長から可能性のある体動停止を判定するための閾値(体動停止疑い判定閾値)、および、前記体表の動きが無い継続時間長から体蓋然性の高い体動停止を判定するための閾値(体動停止判定閾値)が前記各種の所定のデータの1つとして予めSU記憶部16が記憶される。前記体動停止疑い判定閾値および前記体動停止判定閾値は、複数のサンプルを用いて予め適宜に設定される。前記体動停止判定閾値は、体動停止の蓋然性を判定するために用いられる一方、前記体動停止疑い判定閾値は、体動停止の可能性を判定するために用いられるため、前記体動停止判定閾値は、前記体動停止疑い判定閾値より大きな値に設定される。これによって体動停止が比較的高い蓋然性で検知される一方、体動停止が疑われるケースも検知できる。なお、さらに閾値を増やすことによって体動停止が多段階の各レベルで検知されても良い。そして、行動検知処理部142は、体動測定部112の出力と前記体表動き判定閾値とを比較する。この比較の結果、体動測定部112の出力が前記体表動き判定閾値より大きい場合には、行動検知処理部142は、前記体表の動きが有ると判定し、体動測定部112の出力が前記体表動き判定閾値以下である場合には、行動検知処理部142は、前記体表の動きが無いと判定し、以前の検知処理で判定された判定結果を参照することによって前記体表の動きが無いと判定され続けている継続時間を求める。次に、行動検知処理部142は、この求めた継続時間と、前記体動停止疑い判定閾値および前記体動停止判定閾値それぞれとを比較する。この比較の結果、前記求めた継続時間が前記体動停止疑い判定閾値より小さい(短い)場合には、行動検知処理部142は、可能性のある体動停止でも蓋然性の高い体動停止でも無いと判定し、前記求めた継続時間が前記体動停止疑い判定閾値以上であって前記体動停止判定閾値未満である場合には、行動検知処理部142は、可能性のある体動停止と判定し、前記可能性のある体動停止を検知し、前記求めた継続時間が前記体動停止判定閾値以上である場合には、行動検知処理部142は、蓋然性の高い体動停止と判定し、前記蓋然性の高い体動停止を検知する。
【0037】
このように第1検知条件(第1A、第1B、第1Cおよび第1D検知条件)で前記所定の行動を検知すると、行動検知処理部142は、被監視者Obに関わる所定のイベント(事象)の内容を表すイベント情報(事象情報)を収容した、前記イベントを通知するための通信信号(第1イベント通知通信信号)をSU通信IF部15で管理サーバ装置SVへ通知する。より詳しくは、行動検知処理部142は、自機のセンサID、前記イベントの内容を表すイベント情報、前記所定の行動を検知する際に用いられた対象画像を収容した第1イベント通知通信信号を、SU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。前記イベント情報は、本実施形態では、体動停止、起床、離床、転倒およびナースコール(NC)のうちの1または複数であり、ここでは、行動検知処理部142は、高い蓋然性で検知した体動停止、起床、離床および転倒のうちの1または複数を前記イベント情報として第1イベント通知通信信号に収容する。そして、前記第1検知条件で前記所定の行動を検知すると、行動検知処理部142は、自機のセンサID、前記イベントの内容を表すイベント情報、前記イベントの検知の前後における所定の時間長のイベント動画を収容した通信信号(イベント動画通知通信信号)を、SU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。
【0038】
一方、このように第2検知条件(第2A、第2B、第2Cおよび第2D検知条件)で前記所定の行動を検知すると、行動検知処理部142は、前記検知したイベントの真偽の判定を依頼するための通信信号(真偽判定依頼通知通信信号)をSU通信IF部15で真偽判定端末装置JTへ通知する。より詳しくは、行動検知処理部142は、検知したイベントに対する真偽の判定の依頼を表す情報(真偽判定依頼情報)、自機のセンサIDや、前記イベントの内容を表すイベント情報(可能性として検知した体動停止、起床、離床および転倒のうちの1または複数)、および、ライブ動画の取得先として自機の通信アドレスを収容した真偽判定依頼通知通信信号を、SU通信IF部15を介して真偽判定端末装置JTへ送信する。そして、前記第2検知条件で前記所定の行動を検知すると、行動検知処理部142は、自機のセンサID、前記イベントの内容を表すイベント情報、前記イベントの検知の前後における所定の時間長のイベント動画を収容したイベント動画通知通信信号を、SU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVおよび真偽判定端末装置JTそれぞれへ送信する。
【0039】
ナースコール処理部143は、ナースコール受付操作部13でナースコールを受け付けた場合にその旨を前記所定のイベントの他の一例として収容した第1イベント通知通信信号を管理サーバ装置SVへ通知し、SU音入出力部12等を用いることで端末装置SP、TAとの間で音声通話を行うものである。より具体的には、ナースコール処理部143は、ナースコール受付操作部13が入力操作されると、自機のセンサIDおよび前記イベント情報としてナースコールを収容した第1イベント通知通信信号をSU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。そして、ナースコール処理部143は、SU音入出力部12等を用い、端末装置SP、TAとの間で例えばVoIP(Voice over Internet Protocol)によって音声通話を行う。
【0040】
SUストリーミング処理部144は、通信IF部3を介して固定端末装置SP、携帯端末装置TAまたは真偽判定端末装置JTから動画の配信の要求があった場合に、この要求のあった固定端末装置SP、携帯端末装置TAまたは真偽判定端末装置JTへ、撮像部11で生成した動画(例えばライブの動画)をストリーミング再生でSU通信IF部15を介して配信するものである。
【0041】
図1には、一例として、4個の第1ないし第4センサ装置SU-1~SU-4が示されており、第1センサ装置SU-1は、被監視者Obの一人であるAさんOb-1の居室RM-1(不図示)に配設され、第2センサ装置SU-2は、被監視者Obの一人であるBさんOb-2の居室RM-2(不図示)に配設され、第3センサ装置SU-3は、被監視者Obの一人であるCさんOb-3の居室RM-3(不図示)に配設され、そして、第4センサ装置SU-4は、被監視者Obの一人であるDさんOb-4の居室RM-4(不図示)に配設されている。
【0042】
管理サーバ装置SVは、ネットワークNWを介して他の装置SU、TA、SPと通信する通信機能を備え、センサ装置SUから前記所定のイベントの通知を受けると、被監視者Obに対する監視に関する情報(監視情報(本実施形態では例えば前記所定のイベント(センサ装置SUで検知した所定の行動の種類やセンサ装置SUで受け付けたナースコール)、被監視者Obの静止画、および、前記通知を受けた時刻等))を管理し、前記所定のイベントを所定の端末装置SP、TAへ通知(再通知、再報知、送信)し、イベント動画を受信するとこのイベント動画を管理し、クライアント(本実施形態では端末装置SP、TA等)の要求に応じたデータを前記クライアントに提供し、被監視者監視支援システムMS全体を管理する装置(中央処理装置の一例)である。このような管理サーバ装置SVは、例えば、
図3に示すように、サーバ側通信インターフェース部(SV通信IF部)21と、サーバ側制御処理部(SV制御処理部)22と、サーバ側記憶部(SV記憶部)23とを備える。
【0043】
SV通信IF部21は、SU通信IF部15と同様に、SV制御処理部22に接続され、SV制御処理部22の制御に従って通信を行うための通信回路である。SV通信IF部21は、例えばデータ通信カードや、IEEE802.11規格等に従った通信インターフェース回路等である。
【0044】
SV記憶部23は、SV制御処理部22に接続され、SV制御処理部22の制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、管理サーバ装置SVの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するSV制御プログラムや、被監視者Obに対する監視に関する所定の情報処理を実行するSV監視処理プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記各種の所定のデータには、自機のサーバ識別子(サーバID)や、被監視者Obの前記監視情報や、装置間情報や、センサ装置SUに関するセンサ情報や、イベント動画等の各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。前記サーバIDは、管理サーバ装置SVを特定し管理サーバ装置SVを識別するための識別子である。前記装置間情報は、前記所定のイベントの通知先等の装置SU、SP、TA間の情報を表すものである。SV記憶部23は、例えば不揮発性の記憶素子であるROMや書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM等を備える。SV記憶部23は、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆるSV制御処理部22のワーキングメモリとなるRAM等を含む。そして、これら監視情報、装置間情報、センサ情報およびイベント動画それぞれを記憶するために、SV記憶部23は、サーバ側監視情報記憶部(SV監視情報記憶部)231、装置間情報記憶部232、サーバ側センサ情報記憶部(SVセンサ情報記憶部)233およびサーバ側動画記憶部(SV動画記憶部)234を機能的に備える。
【0045】
SV監視情報記憶部231は、各装置SU、SP、TAそれぞれとの間で送受信した被監視者Obの監視情報を記憶するものである。より具体的には、SV監視情報記憶部231には、本実施形態では、前記監視情報として、第1イベント通知通信信号等の通信信号に収容された各情報に基づいて、センサID、イベント情報(事象情報、本実施形態では、起床、離床、転倒および体動停止およびナースコール)、受信時刻、対象画像および対処の有無が互いに対応付けて記憶される。
【0046】
この監視情報は、本実施形態では、テーブル形式でSV監視情報記憶部231に記憶されている。この監視情報を登録するサーバ側監視情報テーブル(SV監視情報テーブル)MTは、例えば、
図4に示すように、各装置SU、SP、TAから受信した通信信号に収容されたセンサIDを登録するセンサIDフィールド2311と、前記受信した通信信号に収容されたイベント情報を登録するイベントフィールド(事象フィールド)2312と、前記受信した通信信号の受信時刻を登録する受信時刻フィールド2313と、前記受信した通信信号に収容された前記静止画を登録する静止画フィールド2314と、ライブ動画の取得先として、前記受信した通信信号に収容されたセンサIDに対応するセンサ装置SUの通信アドレス(例えばIPアドレス等)を登録する動画フィールド2315と、前記受信した通信信号に収容されたイベント情報に対する対応の受付の有無を登録する対応フィールド2316とを備え、前記受信した通信信号ごと(各イベントごと)にレコードを備える。静止画フィールド2314には、例えば、静止画の画像データが登録されて良く、また例えば、静止画の画像データのファイル名が登録されて良い。対応フィールド2316には、前記受信した通信信号に収容されたイベント情報に対する対処(対応、処置、措置)する意思がある旨を端末装置SP、TAで受け付けたか否かを表すフラグ(対応フラグ)が登録される。例えば、本実施形態では、対応フィールド2316には、前記受信した通信信号に収容されたイベント情報(イベントフィールド2312に登録されたイベント情報)に対処する意思がある旨を端末装置SP、TAで受け付けたことを意味する対応フラグ「1」、あるいは、前記受信した通信信号に収容されたイベント情報に対処する意思がある旨を端末装置SP、TAで受け付けていないことを意味する対応フラグ「0」が登録される。なお、デフォルトでは、対応フィールド2316には、未受付を意味する対応フラグ「0」が登録される。なお、第1イベント通知通信信号に、前記所定の行動を検知した検知時刻または前記ナースコールを受け付けたナースコール受付時刻が収容されている場合には、受信時刻に代え、前記検知時刻または前記ナースコール受付時刻が登録されても良い。
【0047】
装置間情報記憶部232は、前記装置間情報として、本実施形態では、通知先対応関係および通信アドレス対応関係等を記憶するものである。前記通知先対応関係は、センサ装置SUから送信された第1イベント通知通信信号等の通知先(再通知先、再報知先、送信先)を示す、送信元であるセンサIDと通知先(再通知先)である端末IDとの対応関係である。前記通信アドレス対応関係は、各装置SU、SP、TAのID(センサID、端末ID)とその通信アドレスとの対応関係である。前記端末ID(端末識別子)は、端末装置SP、TAを特定し端末装置SP、TAを識別するための識別子である。
【0048】
これら通知先対応関係および通信アドレス対応関係は、それぞれ、本実施形態では、テーブル形式で装置間情報記憶部232に記憶されている。この通知先対応関係を登録する通知先対応関係情報テーブルATは、例えば、
図5Aに示すように、第1イベント通知通信信号等の送信元であるセンサ装置SUのセンサIDを登録する送信元フィールド2321と、送信元フィールド2321に登録されたセンサIDに対応するセンサ装置SUから通知されたイベント等を送信する送信先の端末装置SP、TAの端末IDを登録する通知先フィールド2322とを備え、センサID(センサ装置SU)ごとにレコードを備える。前記通信アドレス対応関係を登録する通信アドレス対応関係情報テーブルDTは、例えば、
図5Bに示すように、端末装置SP、TAの端末IDを登録する端末IDフィールド2323と、端末IDフィールド2323に登録された端末IDに対応する端末装置SP、TAの通信アドレスを登録する通信アドレスフィールド2324とを備え、端末ID(端末装置SP、TA)ごとにレコードを備える。
【0049】
なお、センサID、サーバIDおよび端末IDそれぞれは、例えば所定の記号列から成るシリアル番号等であって良く、また例えば通信アドレスであって良い(この場合通信アドレス対応関係は省略できる)。また、通知先対応関係は、1個の端末装置SP、TAに対して複数のセンサ装置SUが対応付けられても良い(マルチキャストやブロードキャスト等の同報通信を含む)。
【0050】
SVセンサ情報記憶部233は、前記センサ情報を記憶するものである。本実施形態では、前記センサ情報は、センサ装置SUに関する情報であり、センサ装置SUのセンサIDと被監視者Obの被監視者名とを互いに対応付けた情報である。
【0051】
このようなセンサ情報は、本実施形態では、テーブル形式でSVセンサ情報記憶部233に記憶される。より具体的には、センサ情報を登録するサーバ側センサ情報テーブル(SVセンサ情報テーブル)STは、例えば、
図6に示すように、センサIDを登録するセンサIDフィールド2331と、前記センサIDフィールド2331に登録されているセンサIDを持つセンサ装置SUの配設場所を登録する配設場所フィールド2332と、前記センサIDフィールド2331に登録されているセンサIDを持つセンサ装置SUによって監視される被監視者Ob(すなわち、前記センサIDフィールド2331に登録されているセンサIDを持つセンサ装置SUの配設場所に居る被監視者Ob)の被監視者名を登録する被監視者名フィールド2333と、前記センサIDフィールド2331に登録されているセンサIDを持つセンサ装置SU、その配設場所およびその被監視者Obに関する備考を登録する備考フィールド2334とを備え、センサID(すなわち、センサ装置SU)ごとにレコードを持つ。
【0052】
SV動画記憶部234は、前記イベント動画を記憶(記録)するものである。本実施形態では、SV動画記憶部234は、イベント動画通知通信信号に収容されたセンサID、イベント情報およびイベント動画を互いに対応付けて記憶する。より具体的には、SV動画記憶部234は、ベント動画通知通信信号に収容されたイベント動画(イベント動画ファイル)をファイル名を付して記憶し、このファイル名にイベント動画通知通信信号に収容されたセンサIDおよびイベント情報を対応付けて記憶する。
【0053】
図3に戻って、SV制御処理部22は、管理サーバ装置SVの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、センサ装置SUから前記所定のイベントの通知を受けると、被監視者Obに対する監視に関する監視情報を管理し、前記所定のイベントを所定の端末装置SP、TAへ通知(再通知、再報知、送信)し、イベント動画を受信するとこのイベント動画を管理し、クライアント(本実施形態では端末装置SP、TA等)の要求に応じたデータを前記クライアントに提供し、管理サーバ装置SV全体を制御するための回路である。SV制御処理部22は、例えば、CPUおよびその周辺回路を備えて構成される。SV制御処理部22は、前記制御処理プログラムが実行されることによって、サーバ側制御部(SV制御部)221およびサーバ側監視処理部(SV監視処理部)を機能的に備える。
【0054】
SV制御部221は、管理サーバ装置SVの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、管理サーバ装置SVの全体制御を司るものである。
【0055】
SV監視処理部222は、被監視者Obに対する監視に関する所定の情報処理を実行するものである。より具体的には、SV監視処理部222は、センサ装置SUから前記所定のイベントの通知を受信すると被監視者Obに対する監視に関する監視情報を管理し、前記所定のイベントを所定の端末装置SP、TAへ通知する。より詳しくは、SV監視処理部222は、センサ装置SUから第1イベント通知通信信号を受信すると、この受信した第1イベント通知通信信号に収容された、被監視者Obに対する監視に関する監視情報をSV監視情報記憶部231に記憶(記録)する。そして、SV監視処理部222は、この第1イベント通知通信信号を送信したセンサ装置SUに対応する通知先(再通知先、報知先、転送先、送信先)へ第3イベント通知通信信号を送信する。前記第3イベント通知通信信号には、前記第1イベント通知通信信号に収容されたイベント情報が前記所定の行動(体動停止、転倒、離床および起床のうちの1または複数)である場合には、第1イベント通知通信信号に収容されたセンサID、イベント情報および対象画像、ならびに、動画のダウンロード先として、第1イベント通知通信信号に収容されたセンサIDを持つセンサ装置SUに対応する通信アドレスが収容される。前記第1イベント通知通信信号に収容されたイベント情報が前記ナースコールである場合には、前記第3イベント通知通信信号には、第1イベント通知通信信号に収容されたセンサIDおよびイベント情報(ナースコール)が収容される。センサ装置SUから前記第2イベント通知通信信号を受信した場合も、SV監視処理部222は、センサ装置SUから前記第1イベント通知通信信号を受信した場合と同様に、前記監視情報を記憶し、前記第3イベント通知通信信号を送信する。
【0056】
そして、SV監視処理部222は、センサ装置SUから第2イベント通知通信信号を受信すると、この受信した第2イベント通知通信信号に対し、上述した第1イベント通知通信信号に対する処理と同様に処理する。
【0057】
なお、管理サーバ装置SVは、
図3に破線で示すように、必要に応じて、さらに、SV制御処理部22に接続され例えば各種コマンドや各種データ等を入力するサーバ側入力部(SV入力部)24、SV入力部24で入力された各種コマンドや各種データおよび被監視者Obに対する監視に関する監視情報等を出力するサーバ側出力部(SV出力部)25、および、外部機器との間でデータの入出力を行うサーバ側インターフェース部(SVIF部)26等を備えても良い。
【0058】
このような管理サーバ装置SVは、例えば、通信機能付きのコンピュータによって構成可能である。
【0059】
固定端末装置SPは、ネットワークNWを介して他の装置SU、SV、TAと通信する通信機能、所定の情報を表示する表示機能、および、所定の指示やデータを入力する入力機能等を備え、管理サーバ装置SVや携帯端末装置TAに与える所定の指示やデータを入力したり、管理サーバ装置SVからの通知によってセンサ装置SUで得られた監視情報を表示したり等することによって、被監視者監視支援システムMSのユーザインターフェース(UI)として機能する機器である。このような固定端末装置SPは、例えば、通信機能付きのコンピュータによって構成可能である。
【0060】
携帯端末装置TAは、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、SUと通信する通信機能、所定の情報を表示する表示機能、所定の指示やデータを入力する入力機能、および、音声通話を行う通話機能等を備え、管理サーバ装置SVやセンサ装置SUに与える所定の指示やデータを入力したり、管理サーバ装置SVからの通知によってセンサ装置SUで得られた前記監視情報を表示したり、センサ装置SUとの間で音声通話によってナースコールの応答や声かけしたり、センサ装置SUからストリーミングによってライブで動画の配信を受けて表示したり等するための機器である。このような携帯端末装置TAは、例えば、通信機能付きのタブレット型コンピュータや、いわゆるスマートフォンによって構成可能である。
【0061】
真偽判定端末装置JTは、公衆網PNおよびネットワークNWを介してセンサ装置SUと通信する通信機能、所定の情報を表示する表示機能、および、所定の指示やデータを入力する入力機能を備え、センサ装置SUからストリーミングによってライブで動画の配信を受けて表示し、センサ装置SUから受信したイベント動画を表示し、真偽判定人(オペレータ)によって判定されたイベントの真偽の判定結果を受け付け、この受け付けたイベントの真偽の判定結果を、前記ライブ動画およびイベント動画の送信元のセンサ装置SUへ送信するための機器である。このような真偽判定端末装置JTは、例えば、通信機能付きのデスクトップ型やノード型のコンピュータによって構成可能である。
【0062】
次に、本実施形態の動作について説明する。このような被監視者監視支援システムMSでは、各装置SU、SV、SP、TA、JTは、電源が投入されると、必要な各部の初期化を実行し、その稼働を始める。センサ装置SUでは、その制御処理プログラムの実行によって、SU制御処理部14には、SU制御部141、行動検知処理部142、ナースコール処理部143およびSUストリーミング処理部144が機能的に構成される。管理サーバ装置SVでは、その制御処理プログラムの実行によって、SV制御処理部22には、SV制御部221およびSV監視処理部222が機能的に構成される。
【0063】
まず、センサ装置SUの動作について説明する。
図7は、前記センサ装置におけるイベントの検知処理および第1イベント通知通信信号の送信処理に関する動作を示すフローチャートである。
図8は、
図7に示すフローチャートにおけるイベント動画送信の第1および第2準備処理の動作を示すフローチャートである。後述するイベント動画送信の第1準備処理とイベント動画送信の第1準備処理とは、略同様であるので、
図8に1つに纏めて示されている。
図9は、前記センサ装置における第2イベント通知通信信号の送信処理に関する動作を示すフローチャートである。
【0064】
センサ装置SUは、その稼働を始めると、SU制御処理部14のSU制御部141によって、センサ部11を稼働させ、センサ部11の撮像部111で生成された動画を、リングバッファのSU動画記憶部161に、上述のように記憶する。これによってSU動画記憶部161には、現時点から前記所定の時間長だけ過去分の動画が記憶される。そして、センサ装置SUは、各フレームごとに、あるいは、数フレームおきに、次のように動作することで、被監視者Obにおける所定の動作を検知し、また、ナースコールの受付の有無を判定している。
【0065】
図7において、まず、センサ装置SUは、SU制御処理部14のSU制御部141によって、センサ部11の撮像部111から1フレーム分の画像(画像データ)を前記対象画像として取得する(S10)。
【0066】
次に、センサ装置SUは、SU制御処理部14の行動検知処理部142によって、被監視者Obにおける所定の行動のうちの対象画像に基づいて検知できる第1行動を検知する第1行動検知処理を前記処理S10で取得した対象画像に基づいて実行し、その第1検知結果をSU記憶部16に記憶する(S11)。本実施形態では、前記第1行動は、起床、離床および転倒であり、これらそれぞれは、第1検知条件(本実施形態では前記起床疑い判定閾値、前記離床疑い判定閾値および前記転倒疑い判定閾値)および第2検知条件(本実施形態では前記起床判定閾値、前記離床判定閾値および前記転倒判定閾値)それぞれを用いることによって2段階の各レベルで検知される。すなわち、行動検知処理部142は、起床を可能性のある起床および蓋然性のある起床の各レベルでその成否を判定し、離床を可能性のある離床および蓋然性の高い離床の各レベルでその成否を判定し、転倒を可能性のある転倒および蓋然性の高い転倒の各レベルでその成否を判定する。
【0067】
次に、センサ装置SUは、SU制御処理部14のSU制御部141によって、センサ部11の体動測定部112の出力を取得する(S12)。
【0068】
次に、センサ装置SUは、SU制御処理部14の行動検知処理部142によって、被監視者Obにおける所定の行動のうちの体動測定部112の出力に基づいて検知できる第2行動を検知する第2行動検知処理を前記処理S12で取得した体動測定部112の出力に基づいて実行し、その第2検知結果をSU記憶部16に記憶する(S13)。本実施形態では、前記第2行動は、体動停止であり、行動検知処理部142は、体動停止を、第1検知条件(本実施形態では前記体動停止疑い判定閾値)および第2検知条件(本実施形態では前記体動停止判定閾値)それぞれを用いることによって可能性のある体動停止および蓋然性の高い体動停止の2段階の各レベルでその成否を判定する。
【0069】
次に、センサ装置SUは、行動検知処理部142によって、処理S11および処理S13でSU記憶部16に記憶された第1検知結果および第2検知結果に基づいて、被監視者Obにおける前記所定の行動が検知されたか否かを前記2段階の各レベルで判定する(S14)。この判定の結果、前記所定の行動が検知されていない場合(No)には、センサ装置SUは、次に、処理S19を実行し、一方、第1検知条件で前記所定の行動が検知されている場合(すなわち、蓋然性の高い起床、離床、転倒および体動停止の少なくともいずれかが検知された場合)(第1検知条件)には、センサ装置SUは、次の処理S15および処理S16を順次に実行した後に、処理S19を実行し、さらに一方、第2検知条件で前記所定の行動が検知されている場合(すなわち、可能性のある起床、離床、転倒および体動停止の少なくともいずれかが検知された場合)(第2検知条件)には、センサ装置SUは、次の処理S17および処理S18を順次に実行した後に、処理S19を実行する。
【0070】
この処理S15では、センサ装置SUは、行動検知処理部142によって、前記所定の行動の検知の前後における所定の時間長のイベント動画を管理サーバ装置SVへ送信するための第1準備処理を実行する。より具体的には、行動検知処理部142は、前記所定の行動の検知後に必要とされる、予め設定された動画の時間長でセットしたタイマーを、前記検知した所定の行動および送信先の管理サーバ装置SV(サーバID、管理サーバ装置SVの通信アドレス)と対応付けて生成し、この生成したタイマーをスタートさせる(
図8の処理S151参照)。例えば、SU動画記憶部161が約2分半(約2分30秒)の動画を記憶し、前記所定の行動の検知前に約30秒の動画と前記所定の行動の検知後に約2分の動画とから成る約2分半のイベント動画が生成される場合、2分でタイムアップするタイマーが生成され、スタートされる。また例えば、SU動画記憶部161が約3分の動画を記憶し、前記所定の行動の検知前後に約1分半ずつの各動画から成る約3分のイベント動画が生成される場合、1分半でタイムアップするタイマーが生成され、スタートされる。また例えば、SU動画記憶部161が約2分の動画を記憶し、前記所定の行動の検知前に約30秒の動画と前記所定の行動の検知後に約1分半の動画とから成る約2分のイベント動画が生成される場合、1分半でタイムアップするタイマーが生成され、スタートされる。
【0071】
この処理S15の次に、前記検知された所定の行動を管理サーバ装置SVを介して所定の端末装置SP、TAへ通知するために、センサ装置SUは、行動検知処理部142によって、前記所定のイベントとして前記所定の行動の検知に関する第1イベント通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信し(S16)、次に、処理S19を実行する。より具体的には、行動検知処理部142は、自機のセンサID、イベント情報(ここでは起床、離床、転倒および体動停止のうちの1または複数)および対象画像を収容した第1イベント通知通信信号を、SU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。
【0072】
一方、前記処理S17では、センサ装置SUは、行動検知処理部142によって、前記所定の行動の検知の前後における所定の時間長のイベント動画を管理サーバ装置SVおよび真偽判定端末装置JTそれぞれへ送信するための第2準備処理を実行する。より具体的には、行動検知処理部142は、前記所定の行動の検知後に必要とされる、予め設定された動画の時間長でセットしたタイマーを、前記検知した所定の行動ならびに送信先の管理サーバ装置SV(サーバID、管理サーバ装置SVの通信アドレス)および真偽判定端末装置JT(真偽判定端末装置の識別子(判定端末ID)、真偽判定端末装置JTの通信アドレス)と対応付けて生成し、前記検知した所定の行動と対応付けて生成し、この生成したタイマーをスタートさせる(
図8の処理S171参照)。
【0073】
この処理S17の次に、前記検知された所定の行動を真偽判定端末装置JTへ通知して前記検知された所定の行動の真偽を依頼するために、センサ装置SUは、行動検知処理部142によって、前記所定のイベントとして前記所定の行動の検知に関する真偽判定依頼通知通信信号を真偽判定端末装置JTへ送信し、第2イベント通知通信信号の送信に必要なデータをSU記憶部16に一時的に記憶し(S18)、次に、処理S19を実行する。より具体的には、行動検知処理部142は、真偽判定依頼情報、自機のセンサID、イベント情報(ここでは起床、離床、転倒および体動停止のうちの1または複数)、および、ライブ動画の取得先として自機の通信アドレスを収容した真偽判定依頼通知通信信号を、SU通信IF部15を介して真偽判定端末装置JTへ送信する。そして、行動検知処理部142は、第2イベント通知通信信号に収容される、前記検知した所定の行動を表すイベント情報、および、前記所定の行動を検知する際に用いられた対象画像をSU記憶部16に一時的に記憶する。
【0074】
前記処理S19では、センサ装置SUは、ナースコール処理部143によって、ナースコールを受け付けているか否かを判定する。すなわち、
図7に示す処理S10ないし処理S20は、各フレームごとに、あるいは、数フレームおきに、繰り返し実行されるが、前回における処理S19の実行から今般における処理S19の実行までの間に、ナースコール受付操作部13が操作されたか否かが判定される。この判定の結果、ナースコール受付操作部13が操作されず、ナースコールを受け付けていない場合(No)には、センサ装置SUは、今回の本処理を終了し、一方、ナースコール受付操作部13が操作され、ナースコールを受け付けている場合(Yes)には、センサ装置SUは、次の処理S20を実行した後に、今回の本処理を終了する。
【0075】
この処理S20では、処理S19でその受付が判明したナースコールを管理サーバ装置SVを介して所定の端末装置SP、TAへ報知するために、センサ装置SUは、ナースコール処理部143によって、前記所定のイベントとしてナースコールに関する第1イベント通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信する。より具体的には、ナースコール処理部143は、自機のセンサIDおよびイベント情報(ここではナースコール受付情報)を収容した第1イベント通知通信信号を、SU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。
【0076】
一方、処理S15で生成されたタイマーに関する動作について説明すると、
図8において、上述したように、行動検知処理部142は、前記所定の行動の検知後に必要とされる、予め設定された動画の時間長でタイマーをセットしてスタートさせると(S151)、行動検知処理部142は、タイマーがタイムアップしたか否かを判定する(S152)。この判定の結果、タイマーがタイムアップしていない場合(No)には、行動検知処理部142は、処理を処理S152に戻し、一方、前記判定の結果、タイマーがタイムアップした場合(Yes)、行動検知処理部142は、SU動画記憶部161に記憶されている動画を1つの動画ファイルとしたイベント動画(イベント動画ファイル)を生成する(S153)。次に、行動検知処理部142は、自機のセンサID、前記イベント情報としての、当該タイマーに対応付けられた前記検知した所定の行動、および、この生成したイベント動画を収容したイベント動画通知通信信号を当該タイマーに対応付けられた送信先の管理サーバ装置SV宛に生成し、この生成したイベント動画通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信し、本処理を終了する。行動検知処理部142は、このような各処理S151~S154を
図7を用いて説明した上述の各処理S10~S20と並列で処理している。
【0077】
そして、処理S17で生成されたタイマーに関する動作について説明すると、
図8において、上述したように、行動検知処理部142は、前記所定の行動の検知後に必要とされる、予め設定された動画の時間長でタイマーをセットしてスタートさせると(S171)、行動検知処理部142は、タイマーがタイムアップしたか否かを判定する(S172)。この判定の結果、タイマーがタイムアップしていない場合(No)には、行動検知処理部142は、処理を処理S172に戻し、一方、前記判定の結果、タイマーがタイムアップした場合(Yes)、行動検知処理部142は、SU動画記憶部161に記憶されている動画を1つの動画ファイルとしたイベント動画(イベント動画ファイル)を生成する(S173)。次に、行動検知処理部142は、自機のセンサID、前記イベント情報としての、当該タイマーに対応付けられた前記検知した所定の行動、および、この生成したイベント動画を収容したイベント動画通知通信信号を当該タイマーに対応付けられた送信先の管理サーバ装置SVおよび真偽判定端末装置JT宛に生成し、この生成したイベント動画通知通信信号を管理サーバ装置SVおよび真偽判定端末装置JTそれぞれへマルチキャストで送信し、本処理を終了する。行動検知処理部142は、このような各処理S171~S174を
図7を用いて説明した上述の各処理S10~S20と並列で処理している。
【0078】
さらに一方、処理S18で送信された真偽判定依頼通知通信信号に対する返信の受信に関する動作について説明する。
【0079】
まず、処理S18でセンサ装置SUから送信された真偽判定依頼通知通信信号を受信した真偽判定端末装置JTは、この受信した真偽判定依頼通知通信号に収容されたライブの動画の取得先の通信アドレスを用いてライブで動画の配信を要求するための通信信号(ライブ動画要求通信信号)をセンサ装置SUへ送信し、センサ装置SUからストリーミングで動画の配信を受けると、ライブで動画を表示する。また、真偽判定端末装置JTは、処理S174でセンサ装置SUから送信されたイベント動画通知通信信号を受信すると、この受信したイベント動画通知通信信号に収容されたイベント動画を表示する。真偽判定端末装置JTのユーザ(真偽判定人、オペレータ)は、ライブの動画(ライブ動画)やイベント動画を参照することによって、前記所定の行動の発生の真偽を判定し(前記所定の行動が発生したか否かを判定し)、前記所定の行動の検知の通知が必要か否かを真偽判定端末装置JTに入力する。通知が必要の入力を受け付けると、真偽判定端末装置は、通知が必要である指示をセンサ装置SUへ通知するための通信信号(通知必要通知通信信号)を、真偽判定依頼通知通信号の送信元のセンサ装置SUへ返信する。前記通知必要通知通信信号には、通知が必要である指示(命令、コマンド)、ならびに、真偽判定依頼通知通信号に収容されたセンサIDおよびイベント情報が収容される。一方、通知が不要の入力を受け付けると、真偽判定端末装置は、通知が不要である指示をセンサ装置SUへ通知するための通信信号(通知不要通知通信信号)を、真偽判定依頼通知通信号の送信元のセンサ装置SUへ返信する。前記通知不要通知通信信号には、通知が不要である指示(命令、コマンド)、ならびに、真偽判定依頼通知通信号に収容されたセンサIDおよびイベント情報が収容される。
【0080】
真偽判定端末装置JTがこのように動作している際に、センサ装置SUは、
図9において、まず、SU制御処理部14のSU制御部141によって、SU通信IF部15で通信信号を受信したか否かを判定する(S21)。この判定の結果、通信信号を受信していない場合(No)には、センサ装置SUは、処理をS21に戻し、前記判定の結果、通信信号を受信している場合(Yes)には、センサ装置SUは、次の処理S22を実行する。すなわち、センサ装置SUは、通信信号の受信を待ち受けている。
【0081】
処理S22では、センサ装置SUは、SU制御部141によって、この受信した通信信号の種類を判定する。この判定の結果、センサ装置SUは、前記受信した通信信号が通知必要通知通信信号である場合(通知必要通知)には、処理S23を実行した後に処理S26を実行し、前記受信した通信信号が通知不要通知通信信号である場合(通知不要通知)には、処理S24を実行した後に処理S26を実行し、そして、前記受信した通信信号が通知必要通知通信信号および通知不要通知通信信号ではない場合(その他)には、処理S25を実行した後に処理S26を実行する。
【0082】
処理S23では、センサ装置SUは、SU制御処理部14の行動検知処理部142によって、処理S21で真偽判定端末装置JTから受信した通知必要通信信号に応じて第2イベント通知通信信号を管理サーバ装置へ送信する。より具体的には、行動検知処理部142は、処理S18でSU記憶部16に一時的に記憶されたイベント情報および対象画像を用いて、自機のセンサID、ならびに、SU記憶部16に記憶されたイベント情報(ここでは起床、離床、転倒および体動停止のうちの1または複数)および対象画像を収容した第2イベント通知通信信号を、SU通信IF部15を介して管理サーバ装置SVへ送信する。これによって第2検知条件で検知された可能性のある行動として検知された検知結果は、正しい検知として報知され、失報が低減できる。
【0083】
前記処理S24では、センサ装置SUは、SU制御処理部14の行動検知処理部142によって、処理S21で真偽判定端末装置JTから受信した通知不要通信信号に応じてSU記憶部16に一時的に記憶されたイベント情報および対象画像を消去する。これによって第2検知条件で検知された可能性のある行動として検知された検知結果は、誤った検知として消去され、誤報が低減できる。
【0084】
前記処理S25では、センサ装置SUは、SU制御処理部14によって、前記処理S21で受信した通信信号に応じた適宜な処理を実行する。
【0085】
そして、これら処理S23ないし処理S25それぞれの後に実行される前記処理S26では、センサ装置SUは、SU制御処理部14によって、その稼働が終了(停止)か否かを判定する。この判定の結果、稼働の終了(停止)である場合(Yes)には、センサ装置SUは、本処理を終了し、一方、稼働の終了(停止)ではない場合(No)には、センサ装置SUは、処理を処理S21に戻す。
【0086】
被監視者Obにおける所定の行動の検知やナースコールの受付それぞれに関し、センサ装置SUは、以上のように動作している。
【0087】
次に、管理サーバ装置SVの動作について説明する。
図10は、前記管理サーバ装置の動作を示すフローチャートである。
【0088】
図10において、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22のSV制御部221によって、SV通信IF部21で通信信号を受信したか否かを判定する(S31)。この判定の結果、通信信号を受信していない場合(No)には、管理サーバ装置SVは、処理をS31に戻し、前記判定の結果、通信信号を受信している場合(Yes)には、管理サーバ装置SVは、次の処理S32を実行する。すなわち、管理サーバ装置SVは、通信信号の受信を待ち受けている。
【0089】
処理S32では、管理サーバ装置SVは、SV制御部221によって、この受信した通信信号の種類を判定する。この判定の結果、管理サーバ装置SVは、前記受信した通信信号が第1イベント通知通信信号および第2イベント通知通信信号のいずれかである場合(第1イベント通知、第2イベント通知)には、処理S33を実行した後に処理S36を実行し、前記受信した通信信号がイベント動画通知通信信号である場合(イベント動画通知)には、処理S34を実行した後に処理S36を実行し、そして、前記受信した通信信号がこれら第1イベント通知通信信号、第2イベント通知通信信号およびイベント動画通知通信信号ではない場合(その他)には、処理S35を実行した後に処理S36を実行する。
【0090】
処理S33では、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22のSV監視処理部222によって、処理S31でセンサ装置SUから受信した第1イベント通知通信信号および第2イベント通知通信信号を処理する監視情報の処理を実行する。より具体的には、まず、SV監視処理部222は、処理S31でセンサ装置SUから受信した第1または第2イベント通知通信信号に収容された、被監視者Obに対する監視に関する監視情報をSV監視情報記憶部231に記憶(記録)する。そして、SV監視処理部222は、処理S31で受信した第1または第2イベント通知通信信号を送信したセンサ装置SUに対応する通知先を装置間情報記憶部232に記憶された前記通知先対応関係から選定(検索)する。次に、SV監視処理部222は、この選定した通知先の端末装置SP、TAへの第3イベント通知通信信号を送信する。この第3イベント通知通信信号には、上述したように、処理S31で受信した第1または第2イベント通知通信信号に収容されていたイベント情報が前記所定の行動である場合には、前記処理S31で受信した第1または第2イベント通知通信信号に収容されたセンサID、イベント情報および対象画像、ならびに、動画のダウンロード先として、第1または第2イベント通知通信信号に収容されたセンサIDを持つセンサ装置SUに対応する通信アドレスが収容される。一方、処理S31で受信した第1イベント通知通信信号に収容されていたイベント情報がナースコールである場合には、前記処理S31で受信した第1イベント通知通信信号に収容されたセンサIDおよびイベント情報が収容される。
【0091】
前記処理S34では、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22のSV監視処理部222によって、処理S31でセンサ装置SUから受信したイベント動画通知通信信号に収容されたイベント動画の処理を実行する。より具体的には、SV監視処理部222は、処理S31でセンサ装置SUから受信したイベント動画通知通信信号に収容されたセンサID、イベント情報およびイベント動画を取り出し、この取り出したイベント動画にファイル名を付してイベント動画(イベント動画ファイル)をSV記憶部23のSV動画記憶部234に記憶し、このファイル名に前記取り出したセンサIDおよびイベント情報を対応付けてSV動画記憶部234に記憶する。イベント動画のファイル名は、適宜に設定されて良いが、例えば、「センサID_年月日時分で表されたイベント動画通知通信信号の受信時刻.動画ファイルの拡張子」(一例では「SU1_201705041341.mp4」等)で構成される。このようなファイル名では、動画とその生成したセンサ装置SUおよび受信時刻それぞれとの対応付けがファイル名によって実施でき、また、1つの被監視者監視支援システムMSにおいて、ファイル名が重複することもない。
【0092】
処理S35では、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22によって、前記処理S31で受信した通信信号に応じた適宜な処理を実行する。
【0093】
そして、これら処理S33ないし処理S35それぞれの後に実行される前記処理S36では、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22によって、その稼働が終了(停止)か否かを判定する。この判定の結果、稼働の終了(停止)である場合(Yes)には、管理サーバ装置SVは、本処理を終了し、一方、稼働の終了(停止)ではない場合(No)には、管理サーバ装置SVは、処理を処理S31に戻す。
【0094】
各装置SU、SP、TAから受信した通信信号に関し、管理サーバ装置SVは、以上のように動作している。
【0095】
一方、固定端末装置SPおよび携帯端末装置TAは、第2イベント通知通信信号をネットワークNWを介して管理サーバ装置SVから受信すると、この第2イベント通知通信信号に収容されたセンサIDおよびイベント情報等の各情報を、このセンサIDを持つセンサ装置SUで監視されている被監視者Obの監視情報として記憶(記録)し、そして、前記監視情報を表示する。これによってセンサ装置SUで検知されたイベントが固定端末装置SPおよび携帯端末装置TAに表示され、通知(報知)される。固定端末装置SPや携帯端末装置TAのユーザ(監視者)は、必要に応じて管理サーバ装置SVからイベント動画をダウンロードして参照したり、携帯端末装置TAを用いて声かけしたり、ナースコールに応じて携帯端末装置TAを用いて音声通話したり、センサ装置SUから動画をストリーミングで配信を受けライブで前記動画を参照したり等する。
【0096】
以上のように各装置が動作し、被監視者Obを監視し、監視者の監視を支援しているが、被監視者監視支援システム全体の動作について、ライブ動画およびイベント動画の各効果と合わせて、説明する。
図11は、第1ケースにおける、前記被監視者監視支援システムの動作を示すシーケンス図である。
図12は、第2ケースにおける、前記被監視者監視支援システムの動作を示すシーケンス図である。
図13は、前記第1ケースにおける、真偽判定端末装置に表示される真偽判定画面の一例を示す図である。
図14は、前記第2ケースにおける、ライブ動画のみが表示された真偽判定画面を示す図である。
図15は、前記第2ケースにおける、イベント動画およびライブ動画が表示された真偽判定画面を示す図である。
【0097】
図11において、第1ケースでは、センサ装置SUは、
図7に示す上述の処理S10ないし処理S13の各処理によって第1検知条件で転倒を検知すると、処理S15を実行し、処理S16によって第1イベント通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信し(C11)、処理S19および処理S20を順次に実行して本処理を終了する。管理サーバ装置SVは、
図9に示す上述の処理S31ないし処理S33の各処理によって、第1イベント通知通信信号を受信すると、これに収容された監視情報を記憶(記録)し、第3イベント通知通信信号を所定の端末装置SP、TAへ送信し(C12)、処理S36を実行し、この例では、処理を処理S31に戻す。また、センサ装置SUは、
図8に示す処理S151ないし処理S154の各処理によって、イベント動画を生成し、イベント動画通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信する(C13)。管理サーバ装置SVは、
図9に示す上述の処理S31、処理S32および処理S34の各処理によって、イベント動画通知通信信号を受信すると、これに収容されたイベント動画を記憶(記録)し、処理S36を実行し、この例では、処理を処理S31に戻す。
【0098】
一方、センサ装置SUは、
図7に示す上述の処理S10ないし処理S13の各処理によって第2検知条件で転倒を検知すると、処理S17を実行し、処理S18によって真偽判定依頼通知通信信号を真偽判定端末装置JTへ送信し(C21)、処理S19および処理S20を順次に実行して本処理を終了する。
【0099】
真偽判定依頼通知通信信号を受信すると、真偽判定端末装置JTは、ライブ動画要求通信信号をセンサ装置SUへ送信し(C22)、センサ装置SUからストリーミングで動画の配信を受けると(C23)、ライブで動画を真偽判定画面で表示する。この真偽判定画面は、前記所定の行動の検知の真偽を判定するために参照される画像を表示し、その判定結果を受け付けるための画面であり、その一例が
図13に示されている。
【0100】
この
図13に示す真偽判定画面61は、検知時動画表示領域611と、ライブ動画表示領域612と、「通知必要」ボタン613と、「通知不要」ボタン614とを備える。前記検知時動画表示領域611は、イベント動画を表示するための領域である。前記ライブ動画表示領域612は、ライブで動画を表示するための領域である。「通知必要」ボタン613は、前記所定の行動の検知をセンサ装置SUに通知させる指示を入力するためのボタンである。真偽判定人は、真偽判定の結果、被監視者Obに前記所定の行動が生じており、前記所定の行動の検知が正しいと判定した場合に、「通知必要」ボタン613を入力操作する。「通知不要」ボタン614は、前記所定の行動の検知をセンサ装置SUに通知させない指示を入力するためのボタンである。真偽判定人は、真偽判定の結果、被監視者Obに前記所定の行動が生じておらず、前記所定の行動の検知が正しくないと判定した場合に、「通知不要」ボタン614を入力操作する。
【0101】
図13に示す例では、この時点では、イベント動画が受信されていないために、検知時動画表示領域611には、動画が表示されていないが、ライブ動画表示領域612には、転倒状態である被監視者Obの動画が表示されている。このため、真偽判定人は、イベント動画を参照しなくても、ライブ動画を参照することで、被監視者Obに前記所定の行動として転倒が生じており、前記転倒の検知が正しいと判定できる。したがって、真偽判定人は、「通知必要」ボタン613を入力操作する。
【0102】
「通知必要」ボタン613が入力操作されると、真偽判定端末装置JTは、通知が必要である指示をセンサ装置SUへ通知するための通知必要通知通信信号を、真偽判定依頼通知通信号の送信元のセンサ装置SUへ返信する(C24)。
【0103】
センサ装置SUは、
図9に示す処理S21ないし処理S23の各処理によって第2イベント通知通信信号を生成し、この生成した第2イベント通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信し(C25)、処理S26を実行し、この例では、処理を処理S21に戻す。管理サーバ装置SVは、
図9に示す上述の処理S31ないし処理S33の各処理によって、第2イベント通知通信信号を受信すると、これに収容された監視情報を記憶(記録)し、第3イベント通知通信信号を所定の端末装置SP、TAへ送信し(C26)、処理S36を実行し、この例では、処理を処理S31に戻す。
【0104】
そして、センサ装置SUは、
図8に示す処理S171ないし処理S174の各処理によって、イベント動画を生成し、イベント動画通知通信信号を真偽判定端末装置JTおよび管理サーバ装置SVそれぞれへ送信する(C27-1、27-2)。管理サーバ装置SVは、
図9に示す上述の処理S31、処理S32および処理S34の各処理によって、イベント動画通知通信信号を受信すると、これに収容されたイベント動画を記憶(記録)し、処理S36を実行し、この例では、処理を処理S31に戻す。
【0105】
このようにライブ動画のみの参照により真偽が判定できる場合には、より早くに第3イベント通知通信信号が所定の端末装置SP、TAへ送信でき、イベントの検知がより早く所定の端末装置SP、TAへ通知できる。
【0106】
第2ケースでは、
図12において、センサ装置SUは、
図7に示す上述の処理S10ないし処理S13の各処理によって第1検知条件で転倒を検知すると、
図11と同様に、第1イベント通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信し(C11)、管理サーバ装置SVは、第1イベント通知通信信号を受信すると、これに収容された監視情報を記憶(記録)し、第3イベント通知通信信号を所定の端末装置SP、TAへ送信する(C12)。また、センサ装置SUは、イベント動画を生成し、イベント動画通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信し(C13)、管理サーバ装置SVは、イベント動画通知通信信号を受信すると、これに収容されたイベント動画を記憶(記録)する。
【0107】
一方、センサ装置SUは、
図7に示す上述の処理S10ないし処理S13の各処理によって第2検知条件で転倒を検知すると、処理C21と同様に、処理S17を実行し、処理S18によって真偽判定依頼通知通信信号を真偽判定端末装置JTへ送信し(C31)、処理S19および処理S20を順次に実行して本処理を終了する。
【0108】
真偽判定依頼通知通信信号を受信すると、処理C22および処理C23それぞれと同様に、真偽判定端末装置JTは、ライブ動画要求通信信号をセンサ装置SUへ送信し(C32)、センサ装置SUからストリーミングで動画の配信を受けると(C33)、ライブで動画を真偽判定画面61で表示する。その一例が
図14に示されている。
図14に示す例の真偽判定画面61でも、この時点では、イベント動画が受信されていないために、
図13に示す例の真偽判定画面61と同様に、検知時動画表示領域611には、イベント動画が表示されていない。一方、ライブ動画表示領域612には、この
図14に示す例では、膝を着いてしゃがみ込んでいる状態の被監視者Obの動画が表示されている。このため、真偽判定人は、ライブ動画だけでは、単に、しゃがみ込んであるだけであるのか、転倒の結果、しゃがみ込んでいるのか、判定し難い。
【0109】
真偽判定人が判定に悩んでいるうちに、センサ装置SUは、
図8に示す処理S171ないし処理S174の各処理によって、イベント動画を生成し、イベント動画通知通信信号を真偽判定端末装置JTおよび管理サーバ装置SVそれぞれへ送信する(C34-1、34-2)。管理サーバ装置SVは、
図9に示す上述の処理S31、処理S32および処理S34の各処理によって、イベント動画通知通信信号を受信すると、これに収容されたイベント動画を記憶(記録)し、処理S36を実行し、この例では、処理を処理S31に戻す。真偽判定端末装置JTは、イベント動画通知通信信号を受信すると、これに収容されたイベント動画を真偽判定画面61の検知時動画表示領域611に表示する。その一例が
図15に示されている。
【0110】
図15に示す例の真偽判定画面61では、イベント動画の再生が進み、転倒時の動画が検知時動画表示領域611に表示されている。このため、真偽判定人は、イベント動画を参照することで、被監視者Obに前記所定の行動として転倒が生じており、前記転倒の検知が正しいと判定できる。したがって、真偽判定人は、「通知必要」ボタン613を入力操作する。
【0111】
「通知必要」ボタン613が入力操作されると、真偽判定端末装置JTは、通知が必要である指示をセンサ装置SUへ通知するための通知必要通知通信信号を、真偽判定依頼通知通信号の送信元のセンサ装置SUへ返信する(C35-1)。
【0112】
センサ装置SUは、処理C25と同様に、
図9に示す処理S21ないし処理S23の各処理によって第2イベント通知通信信号を生成し、この生成した第2イベント通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信し(C36)、処理S26を実行し、この例では、処理を処理S21に戻す。管理サーバ装置SVは、処理C26と同様に、
図9に示す上述の処理S31ないし処理S33の各処理によって、第2イベント通知通信信号を受信すると、これに収容された監視情報を記憶(記録)し、第3イベント通知通信信号を所定の端末装置SP、TAへ送信し(C37)、処理S36を実行し、この例では、処理を処理S31に戻す。
【0113】
このようにライブ動画のみの参照では真偽が判定し難い場合でもイベント動画を参照することにより真偽が判定でき、誤報がより低減でき、失報もより低減できる。
【0114】
なお、上述の例において、
図12に破線で示すように、真偽判定画面61で「通知不要」ボタン614が入力操作されると、真偽判定端末装置は、通知が不要である指示をセンサ装置SUへ通知するための通知不要通知通信信号を、真偽判定依頼通知通信号の送信元のセンサ装置SUへ返信する。センサ装置SUは、
図9に示す処理S21、処理S22および処理S24の各処理によって、真偽判定端末装置JTから通知不要通信信号を受信すると、SU記憶部16に一時的に記憶されたイベント情報および対象画像を消去し、処理S26を実行し、この例では、処理を処理S21に戻す。したがって、この場合では、第2イベント通知通信信号がセンサ装置SUから管理サーバ装置SVへ送信されない。これによって誤報が低減できる。
【0115】
以上説明したように、本実施形態における被監視者監視支援システムMS、被監視者監視装置の一例としてのセンサ装置SUおよびこれに実装された被監視者監視方法は、同一種類の行動を複数の検知条件で検知するので、相対的に厳しい検知条件および相対的に緩い検知条件で前記同一種類の行動の検知が可能となるから、失報を低減できる。前記相対的に緩い検知条件での前記行動の検知は、誤報の可能性がある。上記被監視者監視支援システムMS、センサ装置SUおよびその方法では、このような相対的に緩い検知条件を前記第2検知条件に設定可能であり、上記被監視者監視支援システムMS、センサ装置SUおよびその方法は、前記第2検知条件での行動の検知を真偽判定端末装置JT(前記第2通知先の第2装置の一例)へ通知し、真偽判定端末装置JTから、前記行動の検知を管理サーバ装置SV(前記第1通知先の第1装置の一例)へ通知する指示を受け付けた場合に、前記行動の検知を管理サーバ装置SVへさらに通知するので、誤報も低減できる。特に、真偽判定端末装置JTを取り扱うユーザ(判定者)は、上記センサ装置SUから通知された動画を参照できるので、目視で前記行動を判定可能であるから、前記行動の発生をより正確に判定できる。したがって、上記被監視者監視支援システムMS、センサ装置SUおよびその方法は、より適切に行動を報知でき、失報も誤報も低減できる。
【0116】
上記被監視者監視支援システムMS、センサ装置SUおよびその方法は、管理サーバ装置SVおよび真偽判定端末装置JTそれぞれが互いに異なる第1および第2事業者それぞれによって取り扱われるので、比較的低費用の第2事業者に真偽判定端末装置JTを取り扱わせることが可能となり、コストが低減できる。
【0117】
上記被監視者監視支援システムMS、センサ装置SUおよびその方法は、前記行動検知動画(イベント動画)と前記ライブ動画とを真偽判定端末装置JTへ送信する。このため、真偽判定端末装置JTを取り扱うユーザ(判定者)は、これらを参照できるので、前記行動の発生をより正確に判定できる。
【0118】
なお、上述の実施形態では、センサ装置SUは、第2検知条件の場合に、イベント動画を管理サーバ装置SVおよび真偽判定端末装置JTそれぞれへ送信したが、センサ装置SUは、イベント動画を管理サーバ装置SVのみへ送信し、真偽判定端末装置JTには、この管理サーバ装置SVへ送信したイベント動画を、管理サーバ装置SVからダウンロードするための情報(イベント動画ダウンロード情報)を送信するように、構成されても良い。前記イベント動画ダウンロード情報は、例えば、管理サーバ装置SVの通信アドレス、および、イベント動画を特定する情報(イベント動画のファイル名)である。
【0119】
また、上述の実施形態では、真偽判定端末装置JTは、1個であったが、複数であっても良い。これによれば、前記第2通知先の真偽判定端末装置JTが複数であるので、前記目視の判定を分担できる。また、このような場合に、複数の真偽判定端末装置JTは、1日を複数に分けた、互いに異なる時間帯で稼働するように構成されても良い。これによれば、前記複数の真偽判定端末装置JTが1日を複数に分けた互いに異なる時間帯で稼働するので、前記目視の判定を時分割で分担できる。特に、
図16に示すように、3個の第1ないし第3真偽判定端末装置JT-1、JT-2、JT-3それぞれを、約120度ずつ離れた経度の第1ないし第3位置に配置することによって、第1ないし第3位置それぞれの昼間帯で前記3個の第1ないし第3真偽判定端末装置JT-1、JT-2、JT-3それぞれが運用できる。
図16は、被監視者監視支援システムの変形形態を説明するための図である。例えば、第1真偽判定端末装置JT-1は、中米地域に配置され、第2真偽判定端末装置JT-2は、中東地域に配置され、第3真偽判定端末装置JT-3は、例えばインドネシア諸島等の島しょう部東南アジア地域に配置される。このような場合において、前記複数の時間帯それぞれは、当該時間帯における前後の時間帯とオーバラップ部分を含み、後の時間帯で稼働する真偽判定端末装置JTは、当該時間帯で稼働している真偽判定端末装置JTへ、自機の稼働を表す稼働情報を収容する通信信号(稼働開始通知通信信号)を送信することによって、自機の稼働を通知しても良い。例えば、
図13ないし
図15に破線で示すように、前記稼働開始通知通信信号の送信を指示するための「業務開始」ボタン616が真偽判定画面61にさらに設けられ、真偽判定人JMによって「業務開始」ボタン616の入力操作を受け付けると、真偽判定端末装置JTは、前の時間帯で稼働する真偽判定端末装置JTへ稼働開始通知通信信号を送信するように構成される。これによれば、前記目視の判定を時分割で分担する場合に、24時間を連続的に前記目視の判定が実施できる。
【0120】
本明細書は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
【0121】
一態様にかかる被監視者監視装置は、監視対象である被監視者における所定の行動を検知して通信可能に接続された装置へ通知する被監視者監視装置であって、動画を生成する撮像部と、同一種類の行動を、前記同一種類の行動に対して設定された互いに異なる第1および第2検知条件を少なくとも含む複数の検知条件で検知する検知部と、前記検知部によって前記第1検知条件で前記行動が検知された場合に、前記行動の検知を第1通知先の第1装置へ通知し、前記検知部によって前記第2検知条件で前記行動が検知された場合に、前記行動の検知および前記撮像部によって生成された動画を前記第1通知先の第1装置とは異なる第2通知先の第2装置へ通知する通知制御部とを備え、前記通知制御部は、前記第2通知先の第2装置から、前記行動の検知を前記第1通知先の第1装置へ通知する指示を受け付けた場合に、前記行動の検知を前記第1通知先の第1装置へさらに通知する。好ましくは、上述の被監視者監視装置において、前記通知制御部は、前記検知部によって前記第1検知条件で前記行動が検知された場合に、前記行動を検知した旨を表す情報を収容する第1通信信号を第1通知先の第1装置へ送信することによって、前記行動の検知を第1通知先の第1装置へ通知し、前記検知部によって前記第2検知条件で前記行動が検知された場合に、前記行動を検知した旨を表す情報を収容する第2通信信号を第2通知先の第2装置へ送信することによって、前記行動の検知を第2通知先の第2装置へ通知し、前記行動の検知の前後を含む前記撮像部によって生成された所定の時間長の動画である行動検知動画(イベント動画)または前記行動検知動画を取得するための情報を前記第2通知先の第2装置へ送信することによって、前記撮像部によって生成された動画を前記第2通知先の第2装置へ通知し、前記第2通知先の第2装置から、前記行動の検知を前記第1通知先の第1装置へ通知する指示を収容した第3通信信号を受信した場合に、前記行動を検知した旨を表す情報を収容する第4通信信号を第1通知先の第1装置へ送信することによって、前記行動の検知を前記第1通知先の第1装置へさらに通知する。好ましくは、上述の被監視者監視装置において、前記通知制御部は、前記検知部によって前記第2検知条件で前記行動が検知された場合に、前記撮像部で生成された動画をストリーミングで前記第2通知先の第2装置へさらに配信する。好ましくは、上述の被監視者監視装置において、前記通知制御部は、前記第2通知先の第2装置から、前記行動の検知を前記第1通知先の第1装置へ通知する指示を受け付けない場合、前記行動の検知を前記第1通知先の第1装置へ通知しない。好ましくは、上述の被監視者監視装置において、前記所定の行動は、起床、離床、転倒および体動停止を含む複数の種類を含み、前記起床に対して設定された互いに異なる第1Aおよび第2A検知条件のうちの前記第1A検知条件での前記起床の検知は、蓋然性の高い起床とされ、前記第2A検知条件での前記起床の検知は、可能性のある起床とされ、前記離床に対して設定された互いに異なる第1Bおよび第2B検知条件のうちの前記第1B検知条件での前記離床の検知は、蓋然性の高い離床とされ、前記第2B検知条件での前記離床の検知は、可能性のある離床とされ、前記転倒に対して設定された互いに異なる第1Cおよび第2C検知条件のうちの前記第1C検知条件での前記転倒の検知は、蓋然性の高い転倒とされ、前記第2C検知条件での前記転倒の検知は、可能性のある転倒とされ、前記体動停止に対して設定された互いに異なる第1Dおよび第2D検知条件のうちの前記第1D検知条件での前記体動停止の検知は、蓋然性の高い体動停止とされ、前記第2D検知条件での前記体動停止の検知は、可能性のある体動停止とされる。
【0122】
このような被監視者監視装置は、同一種類の行動を複数の検知条件で検知するので、相対的に厳しい検知条件および相対的に緩い検知条件で前記同一種類の行動の検知が可能となるから、失報を低減できる。前記相対的に緩い検知条件での前記行動の検知は、誤報の可能性がある。上記被監視者監視装置では、このような相対的に緩い検知条件を前記第2検知条件に設定可能であり、上記被監視者監視装置は、前記第2検知条件での行動の検知を前記第2通知先の第2装置へ通知し、前記第2通知先の第2装置から、前記行動の検知を前記第1通知先の第1装置へ通知する指示を受け付けた場合に、前記行動の検知を前記第1通知先の第1装置へさらに通知するので、誤報も低減できる。特に、第2通知先の第2装置を取り扱うユーザ(真偽判定人)は、上記被監視者監視装置から通知された動画を参照できるので、目視で前記行動を判定可能であるから、前記行動の発生をより正確に判定できる。したがって、上記被監視者監視装置は、より適切に行動を報知でき、失報も誤報も低減できる。
【0123】
他の一態様では、上述の被監視者監視装置において、前記第1通知先の第1装置は、第1事業者によって取り扱われ、前記第2通知先の第2装置は、前記第1事業者とは異なる第2事業者によって取り扱われる。好ましくは、上述の被監視者監視装置において、前記第1通知先の第1装置は、第1事業者に関わる第1設置場所に設置され、前記第2通知先の第2装置は、前記第1事業者とは異なる第2事業者に関わる前記第1設置場所とは異なる第2設置場所に設置される。好ましくは、前記第1および第2設置場所それぞれは、互いに異なる建物内である。
【0124】
このような被監視者監視装置は、前記第1および第2装置それぞれが互いに異なる第1および第2事業者それぞれによって取り扱われるので、比較的低費用の第2事業者に前記第2装置を取り扱わせることが可能となり、コストが低減できる。
【0125】
他の一態様では、これら上述の被監視者監視装置において、前記第2通知先の第2装置は、複数である。
【0126】
このような被監視者監視装置は、前記第2通知先の第2装置が複数であるので、前記目視の判定を分担できる。
【0127】
他の一態様では、上述の被監視者監視装置において、前記複数の第2装置は、1日を複数に分けた、互いに異なる時間帯で稼働する。好ましくは、上述の被監視者監視装置において、前記複数の時間帯それぞれは、当該時間帯における前後の時間帯とオーバラップ部分を含み、後の時間帯で稼働する第2装置は、当該時間帯で稼働している第2装置へ、自機の稼働を表す稼働情報を収容する通信信号を送信することによって、自機の稼働を通知する。
【0128】
このような被監視者監視装置は、前記複数の第2装置が1日を複数に分けた互いに異なる時間帯で稼働するので、前記目視の判定を時分割で分担できる。特に、3個の第2装置それぞれを、約120度ずつ離れた経度の第1ないし第3位置に配置することによって、第1ないし第3位置それぞれの昼間帯で前記3個の第2装置それぞれが運用できる。
【0129】
他の一態様では、これら上述の被監視者監視装置において、前記動画は、前記行動の検知の前後を含む前記撮像部によって生成された所定の時間長の動画である行動検知動画と、前記撮像部によって生成されライブで配信されるライブ動画とを含む。
【0130】
このような被監視者監視装置は、前記行動検知動画と前記ライブ動画とを第2通知先の第2装置へ送信する。このため、第2通知先の第2装置を取り扱うユーザ(真偽判定人)は、前記行動検知動画と前記ライブ動画とを参照できるので、前記行動の発生をより正確に判定できる。
【0131】
他の一態様にかかる被監視者監視方法は、監視対象である被監視者における所定の行動を検知して通信可能に接続された装置へ通知する被監視者監視方法であって、動画を生成する動画生成工程と、同一種類の行動を、前記同一種類の行動に対して設定された互いに異なる第1および第2検知条件を少なくとも含む複数の検知条件で検知する検知工程と、前記検知工程によって前記第1検知条件で前記行動が検知された場合に、前記行動の検知を第1通知先の第1装置へ通知し、前記検知工程によって前記第2検知条件で前記行動が検知された場合に、前記行動の検知および前記動画生成工程で生成された動画を前記第1通知先の第1装置とは異なる第2通知先の第2装置へ通知する通知制御工程とを備え、前記通知制御工程は、前記第2通知先の第2装置から、前記行動の検知を前記第1通知先の第1装置へ通知する指示を受け付けた場合に、前記行動の検知を前記第1通知先の第1装置へさらに通知する。好ましくは、上述の被監視者監視方法において、前記第1通知先の第1装置は、第1事業者によって取り扱われ、前記第2通知先の第2装置は、前記第1事業者とは異なる第2事業者によって取り扱われる。
【0132】
このような被監視者監視方法は、同一種類の行動を複数の検知条件で検知するので、相対的に厳しい検知条件および相対的に緩い検知条件で前記同一種類の行動の検知が可能となるから、失報を低減できる。前記相対的に緩い検知条件での前記行動の検知は、誤報の可能性がある。上記被監視者監視装置では、このような相対的に緩い検知条件を前記第2検知条件に設定可能であり、上記被監視者監視装置は、前記第2条件での行動の検知を前記第2通知先の第2装置へ通知し、前記第2通知先の第2装置から、前記行動の検知を前記第1通知先の第1装置へ通知する指示を受け付けた場合に、前記行動の検知を前記第1通知先の第1装置へさらに通知するので、誤報も低減できる。特に、第2通知先の第2装置を取り扱うユーザ(判定者)は、上記被監視者監視装置から通知された動画を参照できるので、目視で前記行動を判定可能であるから、前記行動の発生をより正確に判定できる。したがって、上記被監視者監視方法は、より適切に行動を報知でき、失報も誤報も低減できる。
【0133】
他の一態様にかかる被監視者監視支援システムは、監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知し、動画を生成するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者の監視を支援するための被監視者監視支援システムであって、前記センサ装置と通信可能に接続される第2端末装置をさらに備え、前記センサ装置は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の被監視者監視装置を備え、前記所定のイベントは、前記所定の行動を含み、前記第1通知先の第1装置は、前記中央処理装置であり、前記第2通知先の第2装置は、前記第2端末装置である。
【0134】
このような被監視者監視支援システムは、これら上述のいずれかの被監視者監視装置を備えるので、より適切に行動を報知でき、失報も誤報も低減できる。
【0135】
この出願は、2017年6月15日に出願された日本国特許出願特願2017-117650を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
【0136】
本発明の実施形態が詳細に図示され、かつ、説明されたが、それは単なる図例及び実例であって限定ではない。本発明の範囲は、添付されたクレームの文言によって解釈されるべきである。
【0137】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明によれば、監視すべき監視対象である被監視者を監視する被監視者監視装置および被監視者監視方法、ならびに、これを用いた被監視者監視支援システムが提供できる。