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特許7063377経路探索システム、経路案内システム、経路探索プログラムおよび経路案内プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】経路探索システム、経路案内システム、経路探索プログラムおよび経路案内プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20220426BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20220426BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20220426BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20220426BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0969
G08G1/00 D
G09B29/10 A
G09B29/00 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020505603
(86)(22)【出願日】2018-12-26
(86)【国際出願番号】 JP2018047800
(87)【国際公開番号】W WO2019176230
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-06-02
(31)【優先権主張番号】P 2018045112
(32)【優先日】2018-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners 特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小西 康貴
(72)【発明者】
【氏名】山村 洋市
(72)【発明者】
【氏名】宮島 孝幸
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-210319(JP,A)
【文献】特開2005-300209(JP,A)
【文献】特開2008-292395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/34
G08G 1/0969
G08G 1/00
G09B 29/10
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両で運搬する荷物の種類を取得する荷物種類取得部と、
目的地を取得する目的地取得部と、
前記荷物が前記車両に積載された状態で前記車両の出発地から前記荷物の運搬完了地点である目的地まで前記車両が走行する際の経路を探索する場合、前記荷物の種類に基づいて、前記荷物を破損させる可能性が高い道路よりも前記荷物を破損させる可能性が低い道路を優先的に選択して、経路を探索し、
前記荷物が前記車両に積載されていない状態で前記運搬完了地点である目的地からさらに先の目的地まで前記車両が走行する際の経路を探索する場合、前記荷物を破損させる可能性が低い道路が優先的に選択される探索を行わずに、経路を探索する、経路探索部と、
を備える、
経路探索システム。
【請求項2】
前記経路探索部は、
前記荷物が破損しやすい場合、破損しにくい場合よりも、前記荷物を破損させる可能性が高い道路が経路として選択される可能性を低くする、
請求項1に記載の経路探索システム。
【請求項3】
前記荷物を破損させる可能性が高い道路は、
路面の状態が悪い道路、急勾配を含む道路、急カーブを含む道路、事故の発生確率が相対的に高い道路の少なくとも一つである、
請求項1または請求項2に記載の経路探索システム。
【請求項4】
前記経路探索部は、
前記車両の運転者の運転技術が低い場合、運転技術が高い場合よりも前記荷物を破損させる可能性が高い道路が経路として選択される可能性を低くする、
請求項1~請求項3のいずれかに記載の経路探索システム。
【請求項5】
前記荷物を破損させる可能性が高い道路は、過去に前記荷物が破損した道路である、
請求項1~請求項4のいずれかに記載の経路探索システム。
【請求項6】
荷物が車両に積載された状態で前記車両の出発地から前記荷物の運搬完了地点である目的地まで前記車両が走行する際の経路であって、車両で運搬する荷物の種類に基づいて、前記荷物を破損させる可能性が高い道路よりも前記荷物を破損させる可能性が低い道路を優先的に選択することによって探索された経路と、前記荷物が前記車両に積載されていない状態で前記運搬完了地点である目的地からさらに先の目的地まで前記車両が走行する際の経路であって、前記荷物を破損させる可能性が低い道路が優先的に選択される探索は行われずに探索された経路を取得する経路取得部と、
前記経路を案内する経路案内部と、
を備える経路案内システム。
【請求項7】
前記経路案内部は、
前記経路に、前記荷物を破損させる可能性が高い道路が含まれる場合、当該道路への到達前に当該道路に関する案内を行う、
請求項6に記載の経路案内システム。
【請求項8】
コンピュータを、
車両で運搬する荷物の種類を取得する荷物種類取得部、
目的地を取得する目的地取得部、
前記荷物が前記車両に積載された状態で前記車両の出発地から前記荷物の運搬完了地点である目的地まで前記車両が走行する際の経路を探索する場合、前記荷物の種類に基づいて、前記荷物を破損させる可能性が高い道路よりも前記荷物を破損させる可能性が低い道路を優先的に選択して、経路を探索し、
前記荷物が前記車両に積載されていない状態で前記運搬完了地点である目的地からさらに先の目的地まで前記車両が走行する際の経路を探索する場合、前記荷物を破損させる可能性が低い道路が優先的に選択される探索を行わずに、経路を探索する、経路探索部、
として機能させる、
経路探索プログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
荷物が車両に積載された状態で前記車両の出発地から前記荷物の運搬完了地点である目的地まで前記車両が走行する際の経路であって、車両で運搬する荷物の種類に基づいて、前記荷物を破損させる可能性が高い道路よりも前記荷物を破損させる可能性が低い道路を優先的に選択することによって探索された経路と、前記荷物が前記車両に積載されていない状態で前記運搬完了地点である目的地からさらに先の目的地まで前記車両が走行する際の経路であって、前記荷物を破損させる可能性が低い道路が優先的に選択される探索は行われずに探索された経路を取得する経路取得部、
前記経路を案内する経路案内部、
として機能させる経路案内プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路探索システム、経路案内システム、経路探索プログラムおよび経路案内プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貨物運送等における経路を特定する技術が知られている。例えば、特許文献1においては、車両の大きさや積荷の種類によって通行が制限される道路を特定するため、車両の大きさや積荷の種類等を走行実績データに対して対応づけて記録する技術が開示されている。この構成において、車両の大きさや積荷の種別毎に走行実績データを地図に重ねて表示すれば、車両の大きさや荷物の種別に応じた経路を選択することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-92921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両に荷物が積載される場合、荷物の破損を防ぐ必要がある。しかし、従来の技術においては、荷物の破損リスクが考慮されていないため、荷物の破損を防ぐための管理を行うことが困難であった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、荷物が破損する可能性を低減する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、経路探索システムは、車両で運搬する荷物の種類を取得する荷物種類取得部と、目的地を取得する目的地取得部と、荷物の種類に基づいて、荷物を破損させる可能性が高い道路よりも荷物を破損させる可能性が低い道路を優先的に選択して、目的地に到達する経路を探索する経路探索部と、を備える。
【0006】
また、上記の目的を達成するため、経路探索プログラムは、コンピュータを、車両で運搬する荷物の種類に基づいて、荷物を破損させる可能性が高い道路よりも荷物を破損させる可能性が低い道路を優先的に選択して探索された、車両の目的地に到達するための経路を取得する経路取得部、経路を案内する経路案内部、として機能させる。
【0007】
さらに、上記の目的を達成するため、経路案内システムは、車両で運搬する荷物の種類に基づいて、荷物を破損させる可能性が高い道路よりも荷物を破損させる可能性が低い道路を優先的に選択して探索された、車両の目的地に到達するための経路を取得する経路取得部と、経路を案内する経路案内部と、を備える。
【0008】
さらに、上記の目的を達成するため、経路案内プログラムは、コンピュータを、車両で運搬する荷物の種類に基づいて、荷物を破損させる可能性が高い道路よりも荷物を破損させる可能性が低い道路を優先的に選択して探索された、車両の目的地に到達するための経路を取得する経路取得部、経路を案内する経路案内部、として機能させる。
【0009】
すなわち、経路探索システム、経路探索プログラムによれば、荷物が破損する可能性が高い道路を避け、荷物が破損する可能性が低い道路を使って目的地に達する経路を取得することができる。従って、当該経路に沿って車両を走行させることにより、荷物が破損する可能性を低減することができる。また、経路案内システム、経路案内プログラムによれば、荷物が破損する可能性が高い道路を避け、荷物が破損する可能性が低い道路を使って目的地に達するように車両を誘導することができる。従って、目的地に到達するまでの過程で荷物が破損する可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】経路探索システムおよび経路案内システムのブロック図である。
図2】経路探索処理を示すフローチャートである。
図3図3A図3Bは、経路探索の例を示す図である。
図4】警告の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)システム構成:
(1-1)経路案内システムの構成:
(1-2)経路探索システムの構成:
(1-3)運行管理者端末の構成
(2)経路探索処理:
(3)他の実施形態:
【0012】
(1)システム構成:
図1は、本発明にかかる経路案内システム10および経路探索システム100の構成を示すブロック図である。本実施形態において経路探索システム100は、複数の車両(本実施形態においてはトラック等の運搬車両)によって荷物を運搬する際に利用される。本実施形態において経路探索システム100は、車両で利用される経路案内システム10および運行管理者端末50と協働する。運行管理者端末50は、複数の車両を利用して荷物の運搬サービスを提供する事業者によって利用される端末であり、主に、複数の車両の運行管理を行うために利用される。運行管理者端末50は1台以上の端末が用意され、例えば、事業者の拠点等に設置される。経路案内システム10は、複数の車両のそれぞれで利用され、車両に搭載されてもよいし、可搬型の端末が車両に持ち込まれて利用されても良い。
【0013】
(1-1)経路案内システムの構成:
本実施形態において運行管理者は、荷物の荷主から運搬の依頼を受けて荷物の運搬計画を策定し、複数の車両のそれぞれにおける走行計画を特定する。走行計画は、少なくとも、車両毎の荷物と、荷物の運搬先である目的地とを含んでいる。目的地は荷物の運搬先であるため、当該目的地においては荷下ろし作業が行われる。
【0014】
むろん、一台の車両に積載される荷物は複数個であってよい。また、目的地は複数個であって良く、複数の荷物が異なる地点で荷下ろしされる場合、各地点が目的地となり得る。また、運搬の過程で新たな荷物の集荷が行われる場合、荷物が積み込まれる地点が目的地となり得る。さらに、荷物の運搬が終了し、荷物が積載されていない状態で拠点に戻る場合、当該拠点が目的地となり得る。さらに、走行計画には他にも種々の情報が含まれていて良く、例えば、目的地への荷物の運搬期限等が含まれていても良い。
【0015】
いずれにしても、本実施形態においては各車両で各車両の走行計画に従って走行する必要がある。本実施形態にかかる経路案内システム10は、走行計画に従って経路に沿って車両を誘導する案内を行うための端末である。経路案内システム10は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部20、図示しない記録媒体、通信部15、GNSS受信部16、車速センサ17、ジャイロセンサ18を備えている。制御部20は、図示しない記録媒体やROMに記憶された図示しない経路案内プログラム21を実行することができる。
【0016】
図示しない記録媒体には、走行計画に従って運搬を行うために走行すべき経路を示す情報と地図情報とが記録される。地図情報は、車両の位置や案内対象の施設の特定等に利用される情報であり、車両が走行する道路上に設定されたノードの位置等を示すノードデータ,ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ,ノード同士の連結を示すリンクデータ,道路やその周辺に存在する地物の位置等を示すデータ等を含んでいる。地物を示すデータには、地物の属性が対応づけられている。
【0017】
GNSS受信部16は、Global Navigation Satellite Systemの信号を受信する装置であり、航法衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在地を算出するための信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の現在地を取得する。車速センサ17は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ18は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。車速センサ17およびジャイロセンサ18等は、車両の走行軌跡を特定するために利用され、本実施形態においては、車両の出発位置と走行軌跡とに基づいて現在地が特定され、当該出発位置と走行軌跡とに基づいて特定された車両の現在地がGNSS受信部16の出力信号に基づいて補正される。
【0018】
通信部15は、他の装置と通信を行う回路を備えている。制御部20は、通信部15を介して経路探索システム100と通信を行うことが可能である。制御部20は、経路案内プログラム21の機能により、経路探索システム100から送信される経路を取得し、当該経路に従って車両を誘導する案内を行う。
【0019】
すなわち、制御部20が、経路案内プログラム21を実行すると、制御部20は、経路取得部21aおよび経路案内部21bとして機能する。経路取得部21aは、経路探索システム100から送信された経路を取得する機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、経路取得部21aの機能により、通信部15を介して経路探索システム100と通信を行い、経路探索システム100によって探索された経路を示す情報を取得する。
【0020】
経路案内部21bは、経路を案内する機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、経路案内部21bの機能により、図示しないユーザI/F部(ディスプレイやスピーカー等)に地図を表示させ、地図上に表示された経路を強調表示する。そして、制御部20は、交差点等での進行方向を示す音声等をユーザI/F部に出力させることにより、経路上を走行するように車両を誘導する。
【0021】
本実施形態において、経路探索システム100が生成する経路は、車両に積載された荷物を破損させる可能性が高い道路よりも荷物を破損させる可能性が低い道路を優先的に選択して探索された経路である(詳細は後述)。従って、経路案内システム10の利用者(車両の運転者)が経路に沿って車両を走行させることにより、荷物の破損が発生する可能性が低い状態で当該荷物を目的地まで運搬することができる。
【0022】
(1-2)経路探索システムの構成:
経路探索システム100は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部200、記録媒体300、通信部400を備えている。通信部400は、経路案内システム10および運行管理者端末50と情報の授受を行う回路を備えており、制御部200は、通信部400を介して経路案内システム10および運行管理者端末50と通信を行うことができる。また、制御部200は、記録媒体300やROMに記憶されたプログラムを制御部200で実行することができる。本実施形態においては、このプログラムとして経路探索プログラム210を実行可能である。
【0023】
また、記録媒体300には、走行計画情報300a、走行実績情報300b、地図情報300c、コスト情報300dが記録される。走行計画情報300aは、車両毎の走行計画を示す情報であり、運行管理者が運行管理者端末50を利用して各車両の走行計画を作成し、各車両の識別情報を各車両の走行計画に対応づけて任意のタイミングで経路探索システム100に送信する。すなわち、制御部200は、通信部400を介して当該走行計画を示す走行計画情報300aを取得し、記録媒体300に記録する。走行計画情報300aが記録されると、車両毎に、運搬すべき荷物と各荷物の運搬先とが特定された状態になる。
【0024】
走行実績情報300bは、経路案内システム10が利用される車両において行われた動作を示す情報である。すなわち、車両においては、車速センサ17や各種の図示しないセンサに基づいて、車両において行われた動作や車両において発生した事故が検出される。そして、車両において、荷物を破損させる可能性のある動作が行われていた場合や、事故が発生した場合にはその履歴が収集され、走行実績情報として車両から経路探索システム100に送信される。走行実績情報には、車両において行われた動作の履歴と、車両の識別情報と、車両に積載された荷物の種類(荷物自体であっても良い)が含まれる。
【0025】
走行実績情報が送信されると、制御部200は、通信部400を介して当該走行実績情報を取得し、車両の識別情報を対応づけて記録媒体300に記録する(走行実績情報300b)。なお、車両の識別情報は、走行実績情報300bの送信元となった車両を識別するための情報である。むろん、当該識別情報は、運転者毎に特定されても良い。表1は、ある識別情報の車両の走行実績情報300bの例を示している。
【表1】
【0026】
走行実績情報300bは、表1に示すように、荷物の種類(貴重品、精密機器、一般)毎の運送実績(運送時間)と、荷物を破損させる可能性がある動作の発生回数とを対応づけた情報である。例えば、表1に示す車両においては、貴重品の運搬実績が1000時間である。また、悪路での速度超過、急勾配での急加速や急減速、急カーブでの急ハンドル、事故のそれぞれについて発生回数がカウントされ、運送実績に対応づけられている。例えば、貴重品を運搬していた1000時間の中で、悪路での速度超過が発生した回数は48回である。
【0027】
なお、悪路であるか否かは、例えば、車両に搭載された加速度センサによって上下加速度が閾値以上であるか否かや、上下振動の周波数が閾値以上であるか否か等を判定することによって特定可能である。速度超過であるか否かは、車速が閾値以上であるか否かによって判定可能である。悪路であるか否か、速度超過であるか否かを判定するための閾値は、荷物の種類毎に変化しても良い。
【0028】
急勾配であるか否かは、例えば、予め用意された標高情報や勾配情報を含む地図情報に基づいて道路の勾配(平坦を0°とした勾配角)が閾値以上であるか否か判定することで特定可能である。急加速や急減速であるか否かは、車速センサや加速度センサ等の出力によって時間あたりの速度変化が既定の大きさ以上であるか否かを判定するなどの構成によって実現可能である。
【0029】
急カーブであるか否かは、例えば、予め用意された道路形状や曲率情報を含む地図情報に基づいて道路のカーブの曲率が閾値以上であるか否か判定することで特定可能である。急ハンドルであるか否かは、ステアリングに設けられたセンサやジャイロセンサ、加速度センサ等の出力によって時間あたりのタイヤ角度の変化や車両の進行方向の変化が既定の大きさ以上であるか否かを判定するなどの構成によって実現可能である。事故の発生は、事故が発生した場合の運転者の申告や、車両に設けられた各種のセンサ(音センサや振動センサ等)、道路に設けられた各種のセンサ、原因不明の渋滞の発生の有無、公的機関による統計等によって特定される構成等を採用可能である。
【0030】
地図情報300cは、経路案内システム10の記録媒体に記録される地図情報と同様の情報であり、ノードデータ,形状補間点データ,リンクデータ,道路やその周辺に存在する地物の位置等を示すデータ等を含んでいる。地物を示すデータには、地物の属性(施設の種類等)が含まれている。なお、本実施形態においては、道路区間上の一定距離毎の地点における標高値がリンクデータに含まれている。従って、複数地点における標高値の変化により道路区間の勾配を特定することが可能である。
【0031】
また、路面の状態が悪い道路区間を示すリンクデータに対しては、悪路であることを示す情報が対応づけられている。悪路であるか否かは予め特定され、地図情報300cに含められていれば良い。悪路であるか否かは、種々の態様で特定されてよい。例えば、加速度センサ等を備える車両において路面の凹凸に応じて生じる加速度の変化を検出し、閾値を超える加速度の変化や振動等が検出された場合に悪路であると判定される構成を採用可能である。判定主体は、車両に備えられた制御部であっても良いし、経路探索システム100であっても良い。後者の場合、車両からセンサによる検出データが収集され、経路探索システム100が当該データを解析することによって悪路が特定される。
【0032】
また、本実施形態においては、事故の発生確率が相対的に高い(例えば、単位期間あたりの事故発生回数が閾値以上である等)道路区間を示すリンクデータに対して、高事故率であることを示す情報が対応づけられている。事故の発生確率が相対的に高いか否かは、種々の態様で特定されて良い。例えば、事故が発生した場合の運転者の申告や、車両に設けられた各種のセンサ(音センサや振動センサ等)、道路に設けられた各種のセンサ、原因不明の渋滞の発生の有無、公的機関による統計等によって事故の発生が特定される。事故の発生が特定されると、例えば、単位期間あたりの事故の発生回数等によって道路区間毎の事故の発生確率を特定可能であり、当該発生確率を閾値と比較することで事故の発生確率が相対的に高いか否か特定される構成等を採用可能である。いずれにしても、事故の発生確率が相対的に高い道路区間は予め特定され、高事故率であることを示す情報がリンクデータに対して対応づけられる。
【0033】
コスト情報300dは、地図情報300cが示す道路区間毎のコストを示す情報であり、道路区間を示すリンクデータに対して、経路を選択する際のコストが対応づけられている。なお、本実施形態において、コストが大きいほど経路として選択される可能性が低くなるようにコストが定義される。また、本実施形態においては、道路区間の距離等によって特定された道路区間毎のコストのデフォルト値が定義され、コスト情報300dとされている。当該デフォルト値は、コスト係数が乗じられることによって補正され得る。
【0034】
すなわち、道路区間のコストに対して1より大きいコスト係数が乗じられることによって、デフォルトよりも経路として選択されにくくすることが可能である。また、道路区間のコストに対して1より小さいコスト係数が乗じられることによって、デフォルトのコストで探索した場合よりも経路として選択されやすくすることが可能である。
【0035】
本実施形態においては、荷物の種類毎に当該コスト係数が定義され、コスト情報300dに含まれている。すなわち、本実施形態において経路を選択することによって、荷物が破損する可能性を低減することが想定されている。そこで、本実施形態においては、荷物の破損のしやすさに応じて荷物の種類が分類されている。具体的には、荷物の種類は、貴重品、精密機器、一般に分類されている。貴重品は、ガラスや陶器など、運搬の際の振動等によって破損する可能性がある美術品や工芸品等である。精密機器は、運搬の際の振動等によって破損する可能性があるコンピュータや事務機器等である。一般は、これら以外の荷物であり、例えば、箱詰めされ、取扱注意の指示のない荷物である。
【0036】
本実施形態においては、破損しやすい荷物ほど大きい値のコスト係数が対応づけられている。また、荷物の破損が発生する可能性が高い要因であるほど大きい値のコスト係数が対応づけられている。表2は、コスト係数の例を示す図である。
【表2】
【0037】
例えば、急勾配、急カーブ、高事故率の道路区間において貴重品は精密機器より破損の可能性が高く、精密機器は一般より破損の可能性が高い。悪路の道路区間において精密機器は貴重品より破損の可能性が高く、貴重品は一般より破損の可能性が高い。表2においてはこのような状況に反映し、破損しやすい荷物ほど大きい値のコスト係数となっている。例えば、悪路で比較すると精密機器は貴重品よりコスト係数が大きくなっており、貴重品一般よりコスト係数が大きくなっている。さらに、悪路、急勾配などの要因毎に荷物の破損の可能性が異なるため、各要因についてコスト係数が定義されている。
【0038】
本実施形態において、経路探索プログラム210は、荷物種類取得部210aと目的地取得部210bと経路探索部210cとを備えている。荷物種類取得部210aは、車両で運搬する荷物の種類を取得する機能を制御部200に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部200は、例えば、一日の業務の開始前などの既定タイミングにおいて、各車両が走行すべき経路を探索する。このために制御部200は、車両の識別情報に基づいて、各車両が運搬する荷物の種類を特定する。すなわち、走行計画情報300aは、車両の識別情報に荷物の種類と目的地とが対応づけられた情報であるため、制御部200は、識別情報に基づいて、経路探索対象の車両が運搬する荷物の種類を取得する。
【0039】
目的地取得部210bは、目的地を取得する機能を制御部200に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部200は、走行計画情報300aを参照し、車両の識別情報に基づいて、経路探索対象の車両の目的地を取得する。
【0040】
経路探索部210cは、荷物の種類に基づいて、荷物を破損させる可能性が高い道路よりも荷物を破損させる可能性が低い道路を優先的に選択して、目的地に到達する経路を探索する機能を制御部200に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部200は、地図情報300cに基づいて、各車両が目的地まで到達する経路を探索する。なお、車両の出発地は既知であり、例えば、運送会社の拠点等が出発地となり得るが、むろん、車両毎に出発地が異なる場合、車両毎に出発地から目的地までの経路が探索されても良いし、各車両の現在地が出発地とされても良い。
【0041】
経路探索は、コスト情報300dに基づいて行われる。すなわち、制御部200は、各車両の出発地を起点のノードとし、ノードに接続される道路区間として選択すべきか否かを判定する判定対象の道路区間についてコストを取得する。コストは、コスト情報300dが示すデフォルト値またはデフォルト値にコスト係数が乗じられた値である。判定対象の道路区間のコストは、予め算出されていても良いし、経路として選択すべきか否か判定される際にコストが算出されても良い。
【0042】
コスト算出対象の道路区間についてのコストを算出する際に制御部200は、地図情報300cを参照し、コスト算出対象の道路区間が、悪路、急勾配、急カーブ、高事故率のいずれに該当するか特定する。例えば、コスト算出対象の道路区間を示すリンクデータに対して悪路であることを示す情報が対応づけられている場合、制御部200は、当該道路区間が悪路であると判定する。また、制御部200は、コスト算出対象の道路区間の標高値に基づいて勾配を特定し、勾配の大きさが閾値以上である場合に急勾配であると判定する。
【0043】
さらに、制御部200は、コスト算出対象の道路区間のノードデータや形状補間点データに基づいて道路区間の曲率(曲率の最大値)を特定し、曲率の大きさが閾値以上である場合に急カーブであると判定する。さらに、制御部200は、コスト算出対象の道路区間を示すリンクデータに対して高事故率であることを示す情報が対応づけられている場合、制御部200は、当該道路区間が高事故率であると判定する。
【0044】
コスト算出対象の道路区間が悪路、急勾配、急カーブ、高事故率のいずれかである場合、制御部200は、そのいずれかに対応するとともに車両が運搬する荷物の種類に対応したコスト係数をコスト情報300dに基づいて取得する。そして、制御部200は、コスト算出対象の道路区間のデフォルトのコストに、当該コスト係数を乗じて得られた値を当該コスト算出対象の道路区間のコストと見なす。コスト算出対象の道路区間が悪路、急勾配、急カーブ、高事故率のいずれでもない場合、制御部200は、コスト情報300dに基づいてデフォルトのコストを取得し、コスト算出対象の道路区間のコストと見なす。なお、コスト算出対象の道路区間が悪路、急勾配、急カーブ、高事故率の中の複数に該当する場合、例えば、コスト係数が最大のものが選択されてもよいし、複数のコスト係数の積や和等によってコスト係数が特定されても良い。
【0045】
本実施形態においては、荷物の種類に加え、他の要素によってコストが調整され得る。他の要素の中には道路区間の距離や道路区間上での平均旅行時間等が含まれ得るが、むろん、これら以外の要素が含まれていても良い。本実施形態においては、車両の運転者の運転技術によるコストの調整が含まれる。すなわち、運転技術が低い運転者は運転技術が高い運転者よりも荷物を破損させる要因(悪路等)に対応して荷物への負荷を低減させる技術が低い。従って、運転技術が低い運転者は運転技術が高い運転者よりも荷物を破損させる可能性が相対的に高いと推定される。
【0046】
そこで、本実施形態において、制御部200は、経路探索部210cの機能により、車両の運転者の運転技術が低い場合、運転技術が高い場合よりも荷物を破損させる可能性が高い道路が経路として選択される可能性を低くする。本実施形態においては、各車両を運転する運転者は予め決められており、各車両の走行実績情報300bに基づいて各車両の運転者の運転技術を判断することができる。
【0047】
すなわち、走行実績情報300bにおいては、荷物の種類毎の運送実績(運送時間)と、荷物を破損させる可能性がある動作の発生回数とが対応づけられている。そこで、制御部200は、走行実績情報300bを参照し、単位運送時間において荷物を破損させる可能性がある動作が発生した回数が多いほど運転技術が低いとみなす。例えば、表1に示す例において、この運転者が悪路で速度超過した回数は48回であるため、単位運送時間あたりの回数は0.048であると見なされる。
【0048】
制御部200は、このような単位運送時間あたりの回数に基づいて、コスト係数を調整する。具体的には、制御部200は、単位運送時間あたりの回数と閾値とを比較し、車両の運転者の運転技術が低いほどコスト係数が大きくなるように調整する。表3は、閾値の例を示している。
【表3】
【0049】
表3においては、荷物を破損させる可能性がある動作毎に、3個の閾値が定義されている。例えば、悪路における速度超過に対しては、第1閾値が0.02、第2閾値が0.04、第3閾値が0.06である。制御部200は、走行実績情報300bを参照し、車両が運搬する荷物の種類に基づいて、単位運送時間において荷物を破損させる可能性がある動作が発生した回数を運転者の運転技術として特定する。
【0050】
そして、制御部200は、コスト算出対象の道路区間における要因に基づいて閾値を特定し、閾値と運転技術とを比較し、運転技術が第3閾値以上であればコスト係数を1.5倍にする。運転技術が第2閾値以上であり第3閾値よりも小さければ、制御部200は、コスト係数を1.3倍にする。運転技術が第1閾値以上であり第2閾値よりも小さければ、制御部200は、コスト係数を1.1倍にする。運転技術が第1閾値よりも小さければ、制御部200は、運転技術によるコスト係数の調整を行わない。
【0051】
例えば、コスト算出対象の道路区間が悪路であり、運転者の運転技術が0.048である場合、閾値が表3のように定義されているのであれば、制御部200は、0.048が第2閾値以上であり第3閾値よりも小さいと判定する。従って、コスト係数は1.3倍される。そして、制御部200は、コスト算出対象の道路区間のデフォルトのコストに、当該コスト係数を乗じて得られた値を当該コスト算出対象の道路区間のコストと見なす。なお、表1や表3は例であり、例えば、運転技術が荷物の種類毎に定義されておらず、全ての荷物について共通に表1が定義されていても良い。
【0052】
コストが得られると、制御部200は、当該コストに基づいて公知の手法、例えば、ダイクストラ法等によって出発地から目的地までの経路を探索する。経路が探索されると、制御部200は、経路探索部210cの機能により、各車両で利用される経路案内システム10に各車両の経路を送信する。すなわち、制御部200は、通信部400を介して複数の車両のそれぞれと通信を行い、各車両の識別情報に基づいて各車両の経路の送信先を特定する。そして、制御部200は、各車両の経路を各車両の経路案内システム10に送信する。
【0053】
以上のようにして各車両の経路が各車両の経路案内システム10に送信されると、各経路案内システム10において各車両の経路が案内される。本実施形態において、経路探索システム100は、コスト情報300dに基づいて経路を探索する。コスト情報300dにおいては、デフォルトのコスト値に対して、荷物の種類に応じたコスト係数を乗じてコストが算出される。
【0054】
そして、当該コスト係数は、例えば表2に示したように、破損しやすい荷物ほど大きい値のコスト係数が対応づけられている。このようなコスト係数がデフォルトのコストに乗じられて経路が探索されると、荷物が破損しやすい場合、破損しにくい場合よりも、荷物を破損させる可能性が高い道路が経路として選択される可能性が低くなる。従って、本実施形態によれば、荷物が破損する可能性が高い道路を避け、荷物が破損する可能性が低い道路を使って目的地に達する経路を取得し、案内することができる。このため、荷物が破損する可能性が高い道路を避け、荷物が破損する可能性が低い道路を使って目的地に達するように車両を誘導することができる。従って、目的地に到達するまでの過程で荷物が破損する可能性を低減することができる。
【0055】
また、本実施形態においては、運転技術が低い場合、運転技術が高い場合よりも荷物を破損させる可能性が高い道路が経路として選択される可能性は低くなる。従って、本実施形態によれば、運転技術が低い運転者であっても荷物を破損させずに運搬を完了できる可能性が高くなる。
【0056】
(1-3)運行管理者端末の構成:
運行管理者端末50は、運行管理者が車両毎の走行計画を入力するための端末である。運行管理者端末50は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部52、図示しない記録媒体、ユーザI/F部54、通信部55を備えている。制御部52は、図示しない記録媒体やROMに記憶された図示しないプログラムを実行することができる。
【0057】
ユーザI/F部54は、運行管理者の入力を受け付ける入力部と、情報を表示する出力部とを備えており、任意の情報を出力部に表示することができる。むろん、出力部の出力態様は表示に限定されず、音声出力等であっても良い。通信部55は、他の装置と通信を行う回路を備えており、制御部52は、通信部55を介して経路探索システム100と通信を行うことが可能である。
【0058】
制御部52は、図示しないプログラムの機能により、各車両の走行計画を入力するためのインタフェース画面をユーザI/F部54の出力部に表示させることが可能である。運行管理者は当該インタフェース画面において車両の識別情報を視認しながら、各車両に積載する荷物、目的地等を入力することが可能である。
【0059】
すなわち、制御部52は、ユーザI/F部54の入力部を利用した運行管理者の操作に基づいて、各車両に積載する荷物を受け付ける。また、ユーザI/F部54の入力部を利用した運行管理者の操作に基づいて、制御部52は、目的地等を受け付ける。そして、制御部52は、各車両の識別情報に対して、各車両に積載される荷物と目的地とを対応付け、通信部55を介して当該識別情報を経路探索システム100に送信する。なお、本実施形態においては荷物を示す情報が送信されるが、荷物の種類を示す情報が送信されても良い。以上の構成においては、運行管理者が荷物の種類と目的地を指定すれば、荷物が破損する可能性が低い経路が探索され、案内される。従って、極めて容易に複数の車両における荷物の破損の低減を実現することができる。
【0060】
(2)経路探索処理:
次に、制御部200が実行する経路探索処理を説明する。運行管理者は、予め運行管理者端末50を利用して車両毎の走行計画を示す走行計画情報300aを作成し、経路探索システム100に送信する。経路探索システム100は、通信部400を介して走行計画情報300aを取得し、記録媒体300に記録する。経路案内システム10が利用される車両においては、車両の走行過程において、悪路での速度超過、急勾配での急加速(および急減速)、急カーブにおける急ハンドル、事故の発生が検出され、走行実績情報300bとして集計される。走行実績情報300bは、車両から経路探索システム100に対して送信され、経路探索システム100においては通信部400を介して走行実績情報300bを取得し、記録媒体300に記録する。
【0061】
以上のようにして、走行計画情報300aおよび走行実績情報300bが記録媒体300に記録され、また、地図情報300cおよびコスト情報300dが予め定義されて記録媒体300に記録された状態で、経路探索システム100は経路探索処理を実行する。なお、経路探索処理は、運行管理者が管理する車両のそれぞれに対して実行可能である。ここでは、ある一台の車両を経路探索対象の車両として経路探索処理を説明するが、複数の車両のそれぞれについて経路が探索される場合、車両の識別情報に基づいて各車両の走行計画情報300aおよび走行実績情報300bが参照され、それぞれの車両について経路探索処理が実行される。
【0062】
経路探索処理が開始されると、制御部200は、走行計画を取得する(ステップS100)。すなわち、制御部200は、経路探索対象の車両の識別情報が対応づけられた走行計画情報300aを記録媒体300から取得して図示しないRAM等に記録する。
【0063】
次に、制御部200は、目的地取得部210bの機能により、目的地を取得する(ステップS105)。すなわち、制御部200は、ステップS100で取得された走行計画情報300aを参照し、当該車両の目的地を取得してRAM等に記録する。
【0064】
以後、制御部200は、経路探索部210cの機能により、車両の出発地から目的地までの経路を探索するために、道路区間毎のコストを決定する。コストは、少なくとも道路区間が選択されるか否か判定される段階で決まっていれば良い。従って、経路探索の過程でコストを参照する必要がある道路区間のコストが順次決定されても良いし、コストを参照し得る複数の道路区間のコストが予め決められていても良い。
【0065】
ここでは、複数の道路区間のコストが予め決められる構成について説明する。従って、この場合において制御部200は、出発地から目的地までの間に存在し、経路となり得る複数の道路区間を特定する。本例では、これらの複数の道路区間がコスト算出対象である。コスト算出対象は経路となり得る道路区間であれば良く、例えば、出発地から既定距離以内にある道路区間と、目的地から既定距離以内にある道路区間と、出発地から目的地まで延びる直線から既定距離以内にある道路区間とがコスト算出対象と見なされる構成等が挙げられる。むろん、経路探索の過程でコストが未定の道路区間を選択し得る状況になれば、その道路区間についてコストが決定された後に経路探索が継続される。
【0066】
次に、制御部200は、荷物種類取得部210aの機能により、荷物の種類を取得する(ステップS110)。すなわち、制御部200は、走行計画情報300aに基づいて、経路探索対象の車両に積載される荷物の種類の全てを取得する。例えば、割れる可能性のある美術品とコンピュータ等の精密機器とが車両に積載される場合、制御部200は、積載される荷物の種類が貴重品および精密機器であると取得する。
【0067】
次に、制御部200は、経路探索部210cの機能により、荷物の種類に基づいてコスト係数を取得する(ステップS115)。本実施形態においては、荷物の種類によってコスト係数の大きさが異なるため、制御部200は、車両に積載される荷物に対応したコスト係数を比較し、最大の値を特定してコスト係数として取得する。コスト係数の最大値は、コスト情報300dに基づいて特定される。すなわち、コスト情報300dにおいては、表2に例示したように、荷物の種類と、荷物の破損が発生する可能性が高い要因とに対応づけてコスト係数が定義されている。
【0068】
そこで、制御部200は、地図情報300cを参照し、コスト算出対象の道路区間が、悪路、急勾配、急カーブ、高事故率のいずれに該当するか特定する。コスト算出対象の道路区間が、悪路、急勾配、急カーブ、高事故率のいずれかの要因に該当する場合、制御部200は、該当する要因とステップS110で取得された荷物の種類とに基づいてコスト係数を取得する。例えば、コスト算出対象の道路区間が悪路であり、荷物の種類が貴重品および精密機器であり、コスト情報300dが表2のような状態である場合、制御部200は、「悪路」に対応する貴重品のコスト係数「1.7」、精密機器のコスト係数「1.8」を比較する。そして、制御部200は、コスト算出対象の道路区間におけるコスト係数が1.8であると取得する。
【0069】
コスト算出対象の道路区間が、悪路、急勾配、急カーブ、高事故率のいずれでもない場合、制御部200は、コスト算出対象の道路区間のコストがデフォルトのコストであるとみなす。コストがデフォルトのコストであると見なされた道路区間は、後述するコストの調整(ステップS130)の対象にはならない。いずれにしても、制御部200は、以上のようなコスト係数の取得処理およびコストの決定処理を、コスト算出対象の道路区間のそれぞれについて実行する。
【0070】
次に、制御部200は、経路探索部210cの機能により、走行実績を取得する(ステップS120)。すなわち、制御部200は、経路探索対象の車両の識別情報が対応づけられた走行実績情報300bを記録媒体300から取得して図示しないRAM等に記録する。
【0071】
次に、制御部200は、経路探索部210cの機能により、運転者の運転技術を取得する(ステップS125)。すなわち、制御部200は、ステップS115において取得されたコスト係数の最大値に対応する荷物の種類を特定する。例えば、「悪路」に対応する貴重品のコスト係数「1.7」、精密機器のコスト係数「1.8」が比較されてコスト係数「1.8」が取得された場合、制御部200は、精密機器を取得する。
【0072】
そして、制御部200は、当該荷物の種類に基づいて走行実績情報300bを参照し、荷物を破損させる可能性がある動作のそれぞれについて運転技術を取得する。例えば、荷物の種類が精密機器である場合に、表1に例示された走行実績情報300bが参照されると、制御部200は、悪路における速度超過についての運転技術が50/2000と取得する。また、制御部200は、急勾配における急加速および急減速についての運転技術が40/2000と取得し、急カーブにおける急ハンドルについての運転技術が10/2000と取得し、事故についての運転技術が0と取得する。
【0073】
次に、制御部200は、経路探索部210cの機能により、運転技術と閾値とを比較してコスト係数を調整する(ステップS130)。すなわち、制御部200は、地図情報300cを参照し、コスト算出対象の道路区間が、悪路、急勾配、急カーブ、高事故率のいずれの要因に該当するか特定する。コスト算出対象の道路区間が、悪路、急勾配、急カーブ、高事故率のいずれかの要因に該当する場合、制御部200は、当該要因に対応する動作を特定する。例えば、コスト算出対象の道路区間が悪路である場合、当該要因に対応する動作は悪路における速度超過である。
【0074】
そして、制御部200は、当該動作に対応した閾値と運転技術とを比較し、比較によって得られた値をステップS115で得られたコスト係数に乗じることでコスト係数を調整する。例えば、表3に示す例において、コスト算出対象の道路区間が悪路である場合、当該要因に対応する動作は悪路における速度超過であり、制御部200は、第1閾値が0.02、第2閾値が0.04、第3閾値が0.06と取得する。この場合において、悪路における速度超過についての運転技術が50/2000=0.025であれば、制御部200は、0.025が第1閾値と第2閾値との間であることに基づいて、コスト係数を1.1倍する。
【0075】
コスト算出対象の道路区間が、悪路、急勾配、急カーブ、高事故率のいずれでもない場合、制御部200は、コスト係数の調整を行わない。制御部200は、以上のような走行実績によるコスト係数の調整処理を、コスト算出対象の道路区間のそれぞれについて実行する。
【0076】
以上のようにして、経路探索において経路の候補となる道路区間のコスト係数が得られると、制御部200は、経路探索部210cの機能により、経路を探索する(ステップS135)。すなわち、制御部200は、ステップS115およびS130で決定されたコストに基づいて、ダイクストラ法等のアルゴリズムによって出発地から目的地までの経路を探索する。
【0077】
図3Aおよび図3Bは、本実施形態にかかる経路探索の例を示す図である。これらの図においては、ノードを白丸、リンクを実線で示しており、コストをリンクに重ねて示している。また、出発地のノードはS,目的地のノードはGである。また、図3Aに示すコストはデフォルトのコストであり、図3Bに示すコストはコスト係数が乗じられた後のコストである。
【0078】
図3Aに示すデフォルトのコストに基づいて経路が探索されると、コストの和が最小化されることによって道路区間L1,L2,L3と走行する経路が探索される。図3Bは、車両に貴重品が積載されており、道路区間L1に急勾配が含まれ、道路区間L2が悪路である場合の例を示している。すなわち、荷物の種類が貴重品である場合には、急勾配が含まれる道路区間のコスト係数が1.5であるため、デフォルトのコストが4である道路区間L1のコストは6になる。また、荷物の種類が貴重品である場合には、悪路のコスト係数が1.7であるため、デフォルトのコストが2である道路区間L2のコストは3.4になる。図3Bにおいては、コスト係数が乗じられる道路区間を破線で示している。
【0079】
この結果、道路区間L1,L2,L3と走行する経路よりも道路区間L4,L5と走行する経路の方がコストの和が小さくなる。従って、荷物の種類が貴重品である場合には道路区間L4,L5と走行する経路が探索結果として得られる。このため、荷物が破損する可能性が低い道路が経路として探索され、当該車両の運転者が当該経路を走行することにより荷物が破損する可能性を低減することができる。
【0080】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、荷物を破損させる可能性が高い道路よりも荷物を破損させる可能性が低い道路を優先的に選択して経路を選択する限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、表1に示す走行実績情報300bは一例であり、この例に限定されない。荷物を破損させる可能性がある動作は表1に示される動作に限定されず、悪路での急ハンドル等が荷物を破損させる可能性がある動作とされても良い。
【0081】
表2に示すコスト係数も一例であり、この例に限定されない。例えば、荷物の種類はより詳細に分類されていても良いし、他の視点での分類が行われていてもよい。荷物を破損させる要因も表2に示す例に限定されない。表3に示す閾値や閾値によって調整される1.5倍等の値もこれらの例に限定されない。
【0082】
上述の実施形態を構成する各システムは、機能を共有したより少ない装置で構成されても良い。このような例としては、図1に示す少なくとも1台のシステムが、他の1台以上のシステムと同一の装置で構成される例が挙げられる。例えば、経路案内システム10と運行管理者端末50とが一体の装置で構成されても良いし、経路探索システム100と運行管理者端末50とが一体の装置で構成されても良いし、経路探索システム100と経路案内システム10とが一体の装置で構成されても良い。
【0083】
むろん、経路案内システム10は、車両に備えられていても良いし、可搬型の端末等であっても良い。さらに、図1に示すシステムがより多数のシステムで構成されても良い。例えば、経路探索システム100がクラウドサーバで構成されても良い。さらに、運行管理者端末50から経路探索システム100にアクセスし、経路探索システム100の制御可において走行計画情報300aを作成するような構成であっても良い。
【0084】
また、経路探索システム100を構成する各部(荷物種類取得部210a、目的地取得部210b、経路探索部210c)の少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在していても良い。例えば、経路探索部210cにおいてコストを取得する機能が経路探索システム100で実現され、経路を探索する機能が経路案内システム10で実現される構成等であってもよい。
【0085】
また、上述の実施形態の一部の構成が省略される構成や、処理が変動または省略される構成も想定し得る。例えば、走行実績情報300bが考慮されず、荷物を破損させる可能性に基づいてコストが特定される構成であってもよい。この場合、走行実績情報300bに関連する構成は省略されて良い。
【0086】
荷物種類取得部は、車両で運搬する荷物の種類を取得することができればよい。すなわち、荷物には各種の種類が存在し、荷物によって破損の可能性や破損の原因が異なり得る。そこで、道路における荷物の破損の可能性が、同一の種類の荷物においては一致または類似し、異なる種類の荷物においては異なるように、予め荷物の種類が分類されていれば良い。荷物の種類は、上述の実施形態のように、運行管理者によって特定されても良いし、他の者、例えば、車両の運転者等によって特定されても良い。いずれにしても、荷物種類取得部においては、特定された荷物の種類を示す情報を取得可能であれば良い。
【0087】
目的地取得部は、目的地を取得することができればよい。すなわち、車両の到達地点を目的地として取得することができればよい。目的地は、経由目的地および最終目的地を含む複数地点であっても良く、荷物の積み卸しが行われない地点が含まれていても良い。後者としては、荷物をおろした後、荷物が積載されていない状態で車両の拠点まで帰る際における当該拠点が挙げられる。
【0088】
経路探索部は、荷物の種類に基づいて、荷物を破損させる可能性が高い道路よりも荷物を破損させる可能性が低い道路を優先的に選択して、目的地に到達する経路を探索することができればよい。すなわち、経路探索部は、経路を探索する過程で、荷物を破損させる可能性に応じて道路を選択することができればよい。むろん、経路の探索においては、他の要素、例えば、距離や旅行時間、道路種別等が考慮されてもよい。
【0089】
荷物を破損させる可能性は、任意の道路間で可能性を相対的に比較できるように定義されていれば良い。従って、上述の実施形態のように、コストによって定義される構成以外にも、種々の構成が採用されてよい。例えば、道路区間が、荷物を破損させる可能性がある道路区間と、破損させる可能性が低い道路区間とに予め分類されている構成等が採用されてもよい。
【0090】
荷物を破損させる可能性は、種々の要素によって特定されて良く、道路の形状のような道路の静的な情報によって特定されても良いし、道路の状態や統計のような道路の動的な情報によって特定されても良い。前者としては、例えば、道路の形状が直線かつ平坦な形状から異なるほど、荷物を破損させる可能性が高いと見なす構成や、道路の幅が狭い場合には広い場合よりも荷物を破損させる可能性が高いと見なす構成等が挙げられる。
【0091】
後者としては、路面の状態が悪い(凹凸が相対的に多い、工事中である、未舗装である等)場合には路面の状態が良い場合よりも荷物を破損させる可能性が高いと見なす構成が挙げられる。他にも、道路上での事故の発生確率や、荷物が破損した確率が他の道路よりも高い場合に、荷物を破損させる可能性が高いと見なす構成が挙げられる。また、過去に荷物が破損した道路である場合に、荷物を破損させる可能性が高い道路であると見なされても良い。むろん、この場合、荷物が破損した回数が多いほど荷物を破損させる可能性が高いと見なされても良い。
【0092】
なお、上述の実施形態においては、荷物を破損させる可能性に応じて道路が優先的に選択される度合いがコストとして定義されていたが、むろん、荷物を破損させる可能性が道路毎に定義され、当該可能性に基づいて道路が探索されても良い。荷物を破損させる可能性や道路が優先的に選択される度合いは、段階的に変化しても良いし、連続的に変化しても良い。いずれにしても、これらの可能性や度合いに応じて経路となる道路が選択可能であれば良い。
【0093】
荷物を破損させる可能性が低い道路を優先的に選択する際には、荷物の種類に応じて当該種類の荷物が破損する可能性が低くなるように道路が選択されればよい。従って、経路として選択し得る道路区間がある交差点から2個延びている場合において、一方の道路区間が他方よりも荷物を破損させる可能性が低い場合、当該一方の道路区間が経路として選択される。
【0094】
ただし、経路の選択においては、道路区間の距離や平均旅行時間など、種々の要素を考慮し得る。従って、荷物を破損させる可能性以外の要素が異なれば、選択される道路区間が異なり得るが、荷物を破損させる可能性以外の要素を固定した場合においては、荷物を破損させる可能性が低い道路が優先的に経路となる。なお、道路の選択は、荷物の種類毎に実施されれば良い。従って、ある種類の荷物においては特定の道路区間が優先的に選択されるが、他の種類の荷物においては当該特定の道路区間が必ずしも優先的に選択されないといった状況は発生し得る。
【0095】
荷物を破損させる可能性が低い道路が選択される度合いは、荷物の種類に応じて変化すれば良く、荷物の有無に応じて当該度合いが変化しても良いし、荷物の種類が複数個に分類されており、各種類に応じて当該度合いが変化しても良い。後者としては、荷物の種類毎に破損しやすさが比較され、破損しやすいほど荷物を破損させる可能性が高い道路が選択される可能性が低くなる構成等が挙げられる。むろん、荷物を破損させる可能性は、荷物の種類毎に異なる要素で特定されても良いし、共通の要素で特定されても良い。
【0096】
さらに、荷物を破損させる可能性を考慮した経路の探索は、車両の経路の一部において実施されても良い。例えば、荷物が積載された状態で出発地から荷物の運搬完了地点まで走行し、荷物を下ろした後に出発地まで戻る経路が想定される場合、経路探索部が、荷物を破損させる可能性が低い道路を優先的に選択して荷物の運搬完了地点である目的地に到達するまでの経路を探索しても良い。この場合において、運搬完了地点から運搬完了地点の先の目的地までの経路が探索される場合、経路探索部は、荷物を破損させる可能性が低い道路が優先的に選択される探索を行わない。
【0097】
すなわち、荷物を積載した状態での経路は、荷物を破損させる可能性が低い道路が選択されやすくなるコストで探索され、荷物を積載していない状態での経路はデフォルトのコストで探索される構成が採用されてもよい。例えば、図3A図3Bに示す例であれば、出発地Sから荷物の運搬先である地点Gまでの経路は図3B、地点Gから出発地Sまで戻る経路は図3Aとなる例が想定される。この構成によれば、荷物を積載している間には荷物が破損する可能性を低減する経路を通り、荷物を積載していない間には他の要素を優先した(距離や旅行時間が短いなど)経路を通るように探索を行うことができる。むろん、荷物を下ろした後に、荷物を破損させる可能性を考慮した経路の探索を実行するか否かは、各種のユーザーインターフェースによって利用者が指定可能であっても良い。
【0098】
さらに、経路案内システム10における案内態様は、種々の態様が採用可能である。例えば、制御部20が経路案内部21bの機能により、荷物を破損させる可能性が高い道路が経路に含まれる場合に、当該道路への到達前に当該道路に関する案内を行う構成であっても良い。すなわち、本実施形態によれば、荷物を破損させる可能性が高い道路はできるだけ避けるように経路が探索される。しかし、実際の道路上では道路の選択肢が少ないなどの理由により、荷物を破損させる可能性が高い道路が経路に含まれる場合もある。
【0099】
そこで、このような場合において、運転者に警告が行われてもよい。図4は、経路案内システム10が備える図示しないユーザI/F部の出力部に表示される警告の例を示す図である。すなわち、この例においては、車両の現在地Cの周辺の地図が表示されており、太い実線で経路が示されている。この状況において経路上の前方500mに悪路が存在する場合に、500m先に悪路が存在することが警告されている。この構成によれば、運転者は悪路を通ることを事前に知ることができ、慎重に運転するなどして荷物が破損する可能性を低減することができる。
【0100】
なお、荷物を破損させる可能性が高いと見なされる基準は、予め決められていれば良く、荷物を破損させる可能性に直接的または間接的に対応した値が閾値以上であるか否か等によって決められていれば良い。例えば、コスト係数が閾値以上である道路区間が荷物を破損させる可能性が高いと見なされる構成等を採用可能である。さらに、荷物を破損させる可能性が高い道路が経路に含まれる場合において、荷物を破損させる可能性を低減させる車両制御が実施されても良い。例えば、荷物を破損させる可能性が高い道路が経路に含まれる場合、当該道路が悪路や急勾配、急カーブ、事故率が高い道路である場合に車速を既定値以下に抑制する制御を実行する構成を採用可能である。むろん、制御内容としては、車速の制限に限定されず、カーブの曲率に沿って走行させる車両の進行方向制御等であっても良い。
【0101】
さらに、本発明のように、荷物を破損させる可能性が高い道路よりも荷物を破損させる可能性が低い道路を優先的に選択して経路を選択する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のようなシステムで実現される方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0102】
10…経路案内システム、15…通信部、16…GNSS受信部、17…車速センサ、18…ジャイロセンサ、20…制御部、21…経路案内プログラム、21a…経路取得部、21b…経路案内部、50…運行管理者端末、52…制御部、54…ユーザI/F部、55…通信部、100…経路探索システム、200…制御部、210…経路探索プログラム、210a…荷物種類取得部、210b…目的地取得部、210c…経路探索部、300…記録媒体、300a…走行計画情報、300b…走行実績情報、300c…地図情報、300d…コスト情報、400…通信部
図1
図2
図3
図4