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特許7063388プライバシーとアンチリプレイ保護とを備えたターゲットアドバタイジング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】プライバシーとアンチリプレイ保護とを備えたターゲットアドバタイジング
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/44 20130101AFI20220426BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20220426BHJP
【FI】
G06F21/44
H04W84/10 110
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020540830
(86)(22)【出願日】2019-03-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 JP2019012985
(87)【国際公開番号】W WO2019189250
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-07-24
(31)【優先権主張番号】62/649,010
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/359,198
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500164385
【氏名又は名称】デンソー インターナショナル アメリカ インコーポレーテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【弁理士】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】ゴルシュ カイル
【審査官】青木 重徳
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0259230(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0178477(US,A1)
【文献】特開2015-190774(JP,A)
【文献】特表2017-501620(JP,A)
【文献】特表2017-524172(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0201441(US,A1)
【文献】特表2016-504778(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0654464(KR,B1)
【文献】国際公開第2015/098213(WO,A1)
【文献】足立 英治,保存版 最新Bluetooth Low Energy通信規格 第3章 RF通信制御部のプロトコル,Interface,日本,CQ出版株式会社,2015年08月01日,第41巻 第8号(通巻第458号),p.102-106
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/44
H04W 84/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムは、
スキャナ(30)、および
(i)スキャナとセキュリティ情報を交換するように、(ii)認証されたスキャナのセキュリティ情報に応答してスキャナとペアリングするように、(iii)スキャナのターゲットIDを生成し、スキャナのターゲットIDをアドバタイジング装置のメモリ(22)に格納するように、(iv)スキャナにターゲットIDを割り当てて送信するように、さらに、(v)スキャナのターゲットIDを含むアドバタイジングパケットをブロードキャストするように構成されたアドバタイジング装置(20)を備え、
前記スキャナは、(i)前記アドバタイジング装置とセキュリティ情報を交換するように、(ii)認証された前記アドバタイジング装置のセキュリティ情報に応答して、前記アドバタイジング装置とペアリングするように、(iii)アドバタイジング装置によって割り当てられた前記ターゲットIDを受信して保存するように、(iv)前記ターゲットIDを含むアドバタイジングパケットを受信するように、さらに、(v)前記アドバタイジングパケットの受信に応答して、前記アドバタイジングパケットに含まれる前記ターゲットIDが前記スキャナの前記ターゲットIDと一致するかどうかを決定するように構成されており、
前記アドバタイジングパケットは、BLEヘッダ、および、プロトコルデータユニット(PDU)をさらに備え、
前記PDUは、前記ターゲットIDを含むMACアドレス、および、アドバタイジングデータを含み、
前記スキャナは、車両(40)のECU(42)に接続するように構成され、
前記アドバタイジング装置は、モバイルオペレーティングシステムを実行するモバイル装置であり、
前記アドバタイジング装置は、前記アドバタイジング装置がターゲットとする前記スキャナを含む複数の車両のテーブルを含むグラフィカルユーザーインターフェースを有するアプリケーションを実行し、
前記アドバタイジング装置との信頼関係を既に確立している前記スキャナを有する前記車両をユーザに示すことができ、
前記ユーザが接続したい所望の車両を選択した結果、前記アドバタイジング装置は、ターゲットアドバタイジングを前記車両内の前記スキャナのみに送信するように構成されているシステム。
【請求項2】
前記アドバタイジングデータは、ADフラグ、インジケータ、および、サービスIDをさらに含み、前記インジケータは、前記アドバタイジングデータのバイトサイズを識別し、前記ADフラグは、前記スキャナがどのように前記アドバタイジングデータを解析すべきかを示す解析フラグである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記スキャナは、前記アドバタイジングデータを解析して、前記サービスIDが前記スキャナが要求したサービスIDと一致するかどうかを決定し、前記サービスIDが前記スキャナが要求したサービスIDに一致しないとの決定に応答して前記アドバタイジング装置を無視するようにさらに構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記スキャナは、前記ADフラグが所定のADフラグと一致するかどうかを決定し、前記ADフラグが前記所定のADフラグと一致しないとの決定に応答して前記アドバタイジング装置を無視するようにさらに構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記スキャナは、前記アドバタイジングパケットのターゲットIDが前記スキャナに割り当てられたターゲットIDと一致することを決定することに応答して、前記モバイル装置に接続する、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記スキャナは、前記アドバタイジングパケットのターゲットIDが前記スキャナに割り当てられたターゲットIDと一致しないとの決定に応じて、前記モバイル装置に接続しない、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記アドバタイジングデータは、前記アドバタイジング装置が前記アドバタイジングパケットを前記スキャナにブロードキャストする前に暗号化される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記スキャナは、前記アドバタイジング装置によって前記スキャナに提供された鍵を使用して前記アドバタイジングデータを解読する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
(i)アドバタイジング装置(20)、および、スキャナ(30)においてセキュリティ情報を交換すること、
(ii)前記アドバタイジング装置、および、前記スキャナにおいて前記セキュリティ情報が認証されることに応答して、前記アドバタイジング装置、および、前記スキャナをペアリングすること、
(iii)前記アドバタイジング装置を用いて、前記スキャナのターゲットIDを生成し、前記スキャナのターゲットIDをアドバタイジング装置のメモリに格納すること、
(iv)前記アドバタイジング装置を使用して、前記ターゲットIDを前記スキャナに割り当て、送信すること、
(v)前記スキャナを使用して、前記アドバタイジング装置によって割り当てられた前記ターゲットIDを受信して保存すること、
(vi)前記スキャナの前記ターゲットIDを含むアドバタイジングパケットを前記アドバタイジング装置によりブロードキャストすること、
(vii)前記ターゲットIDを含む前記アドバタイジングパケットを前記スキャナで受信すること、および、
(viii)前記アドバタイジングパケットの受信に応答して、前記アドバタイジングパケットに含まれるターゲットIDが前記スキャナのターゲットIDと一致するかどうかを前記スキャナで判断することを含み、
前記アドバタイジングパケットは、BLEヘッダ、および、プロトコルデータユニット(PDU)をさらに備え、
前記PDUは、前記ターゲットIDを含むMACアドレス、および、アドバタイジングデータを含み、
前記スキャナは、車両(40)のECU(42)に接続するように構成され、
前記アドバタイジング装置は、モバイルオペレーティングシステムを実行するモバイル装置であり、
前記アドバタイジング装置は、前記アドバタイジング装置がターゲットとする前記スキャナを含む複数の車両のテーブルを含むグラフィカルユーザーインターフェースを有するアプリケーションを実行し、
前記アドバタイジング装置との信頼関係を既に確立している前記スキャナを有する前記車両をユーザに示し、
前記ユーザが接続したい所望の車両を選択した結果、前記アドバタイジング装置は、ターゲットアドバタイジングを前記車両内の前記スキャナのみに送信することを含む方法。
【請求項10】
前記アドバタイジングデータは、ADフラグ、インジケータ、および、サービスIDをさらに含み、前記インジケータは、前記アドバタイジングデータのバイトサイズを識別し、前記ADフラグは、前記スキャナがどのように前記アドバタイジングデータを解析すべきかを示す解析フラグである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記スキャナによって前記アドバタイジングデータを解析することであって、前記アドバタイジングデータは、前記サービスIDが前記スキャナが要求したサービスIDと一致するかどうかを決定し、前記サービスIDが前記スキャナが要求したサービスIDに一致しないとの決定に応答して前記アドバタイジング装置を無視する請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ADフラグが所定のADフラグと一致しないことを決定することに応答して、前記アドバタイジング装置を無視することをさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記アドバタイジングパケットの前記ターゲットIDが、前記スキャナに割り当てられたターゲットIDと一致することを決定することに応答して、前記モバイル装置に接続することをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記スキャナは、前記アドバタイジングパケットのターゲットIDが前記スキャナに割り当てられたターゲットIDと一致しないとの決定に応じて、前記モバイル装置に接続しない、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記アドバタイジング装置が前記アドバタイジングパケットを前記スキャナにブロードキャストする前に、前記アドバタイジング装置を用いて、前記アドバタイジングデータを暗号化するステップをさらに含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記アドバタイジング装置によって前記スキャナに提供された鍵を使用して、前記スキャナで前記アドバタイジングデータを解読するステップをさらに含む請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2018年3月28日に提出された米国仮出願番号62/649010、および、2019年3月20日に提出された米国特許出願番号16/359198に基づいている。上記のすべての出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【技術分野】
【0002】
この開示は、ターゲットアドバタイジングのためのシステムおよび方法に関し、より詳細には、強化されたデータプライバシーおよびアンチリプレイ保護を備えたターゲットアドバタイジングを使用して車両にアクセスするためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
この項は、開示に関連する背景技術を提供するが、それは必ずしも従来技術ではない。
【0004】
コンピュータ、スマートフォン、タブレットなどのワイヤレスデバイスは、他のワイヤレスデバイスへのデータ送信にBluetooth(登録商標)Low Energy(BLE)などのワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)を使用する。多くのコンピューターシステムおよびワイヤレスデバイスのオペレーティングシステムは、BLEをネイティブでサポートしている。
【0005】
「アドバタイジング(Advertising)」は、BLE対応デバイス(「アドバタイジング側」または「アドバタイジング装置」)が、アドバタイジングデータ信号をスキャンしている他のデバイス(「スキャナ」または「スキャンデバイス」)に、アドバタイジング側の存在とサービスとを知らせるために、アドバタイジングデータ信号をブロードキャストするときに生じる。同様に、アドバタイジングデータは、ひとつまたは複数のスキャンデバイスへの接続要求を通知するようにアドバタイジングすることができる。BLEデバイスからのアドバタイジングは、有向性または無向性のどちらでも可能であり、有向性アドバタイジングとは、アドバタイジングデバイスからスキャンデバイスへの接続を対象とすることを意味する。BLE対応のアドバタイジング装置のアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)は、アドバタイジング装置を無向性アドバタイジングに制限する。BLEプロトコル自体により、アドバタイジング側は一度にひとつのスキャンデバイスのみをターゲットにすることができ、複数のスキャンデバイスを同時にターゲットにすることはできない。既存のBLE対応デバイスでのアドバタイジングは、その使用目的に適しているが、アドバタイジングは改善の余地がある。
【0006】
この教示は、プライバシー、および、アンチリプレイ保護を備えたターゲットアドバタイジングのための改善されたシステム、方法、およびデバイスを含み、この明細書で説明され、当業者が理解するように、既存のシステム、方法、およびデバイスよりも多くの利点を提供する。
【発明の概要】
【0007】
この項は、概要を提供し、開示の全範囲またはその全特徴の包括的な開示ではない。
【0008】
スキャナを含むシステムが提供される。システムは、(i)スキャナとセキュリティ情報を交換するように、(ii)認証されたスキャナのセキュリティ情報に応答してスキャナとペアリングするように、(iii)スキャナのターゲットIDを生成し、スキャナのターゲットIDをアドバタイジング装置のメモリ(22)に格納するように、(iv)スキャナにターゲットIDを割り当てて送信するように、さらに、(v)スキャナのターゲットIDを含むアドバタイジングパケットをブロードキャストするように構成されたアドバタイジング装置を備える。システムは、(i)アドバタイジング装置とセキュリティ情報を交換するように、(ii)認証されたアドバタイジング装置のセキュリティ情報に応答して、アドバタイジング装置とペアリングするように、(iii)アドバタイジング装置によって割り当てられたターゲットIDを受信して保存するように、(iv)ターゲットIDを含むアドバタイジングパケットを受信するように、さらに、(v)アドバタイジングパケットの受信に応答して、アドバタイジングパケットに含まれるターゲットIDがスキャナのターゲットIDと一致するかどうかを決定するように構成されているスキャナも備え、アドバタイジングパケットは、BLEヘッダ、および、プロトコルデータユニット(PDU)をさらに備え、PDUは、ターゲットIDを含むMACアドレス、および、アドバタイジングデータを含み、スキャナは、車両(40)のECU(42)に接続するように構成され、アドバタイジング装置は、モバイルオペレーティングシステムを実行するモバイル装置であり、アドバタイジング装置は、アドバタイジング装置がターゲットとするスキャナを含む複数の車両のテーブルを含むグラフィカルユーザーインターフェースを有するアプリケーションを実行し、アドバタイジング装置との信頼関係を既に確立しているスキャナを有する車両をユーザに示すことができ、ユーザが接続したい所望の車両を選択した結果、アドバタイジング装置は、ターゲットアドバタイジングを車両内のスキャナのみに送信するように構成されている。
【0009】
方法も提供され、(i)アドバタイジング装置、および、スキャナにおいてセキュリティ情報を交換すること、(ii)アドバタイジング装置、および、スキャナにおいてセキュリティ情報が認証されることに応答して、アドバタイジング装置、および、スキャナをペアリングすること、(iii)アドバタイジング装置を用いて、スキャナのターゲットIDを生成し、スキャナのターゲットIDをアドバタイジング装置のメモリに格納すること、(iv)アドバタイジング装置を使用して、ターゲットIDをスキャナに割り当て、送信すること、(v)スキャナを使用して、アドバタイジング装置によって割り当てられたターゲットIDを受信して保存すること、(vi)スキャナのターゲットIDを含むアドバタイジングパケットをアドバタイジング装置によりブロードキャストすること、(vii)ターゲットIDを含むアドバタイジングパケットをスキャナで受信すること、および、(viii)アドバタイジングパケットの受信に応答して、アドバタイジングパケットに含まれるターゲットIDがスキャナのターゲットIDと一致するかどうかをスキャナで判断することを含み、アドバタイジングパケットは、BLEヘッダ、および、プロトコルデータユニット(PDU)をさらに備え、PDUは、ターゲットIDを含むMACアドレス、および、アドバタイジングデータを含み、スキャナは、車両(40)のECU(42)に接続するように構成され、アドバタイジング装置は、モバイルオペレーティングシステムを実行するモバイル装置であり、アドバタイジング装置は、アドバタイジング装置がターゲットとするスキャナを含む複数の車両のテーブルを含むグラフィカルユーザーインターフェースを有するアプリケーションを実行し、アドバタイジング装置との信頼関係を既に確立しているスキャナを有する車両をユーザに示し、ユーザが接続したい所望の車両を選択した結果、アドバタイジング装置は、ターゲットアドバタイジングを車両内のスキャナのみに送信することを含む。
【0010】
適用性のさらなる領域は、この明細書で提供される説明から明らかになるであろう。この概要の説明および特定の例は、例示のみを目的とするものであり、この開示の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
ここに記載された図面は、選択された実施形態を図示するだけのものであって、すべての実用的な可能性を示すものではなく、この開示の範囲を限定するものではない。
図1図1は、この開示による、スキャナおよびアドバタイジング装置を含むターゲットアドバタイジングシステムを示す。
図2A図2Aは、この開示によるターゲットアドバタイジングシステムを示す。
図2B図2Bは、この開示によるターゲットアドバタイジングシステムを示す。
図2C図2Cは、この開示によるターゲットアドバタイジングシステムを示す。
図3図3は、この開示による、アドバタイジング装置をスキャナにペアリングする方法を示す。
図4図4は、この開示によるアドバタイジングパケットを示す。
図5図5は、この開示によるアドバタイジングデータを示す。
図6図6は、この開示によるターゲットIDのテーブルを表示するアドバタイジング装置の例である。
図7図7は、この開示によるターゲットアドバタイジングを送信するアドバタイジング装置の方法を示す。
図8図8は、この開示によるアドバタイジングデータを暗号化および解読するためのアドバタイジング装置におけるプロセスおよびスキャナにおけるプロセスを示す。
【0012】
複数の図面の図示にわたって、対応する参照符号は、対応する部分を指している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面を参照して、例示的な実施形態をより完全に説明する。
【0014】
従来のアドバタイジング装置に関する上記の問題に対処するために、この教示は、ひとつまたは複数のアドバタイジング装置からひとつまたは複数のスキャナ装置へのプライバシーおよびアンチリプレイ保護を備えたターゲットアドバタイジングのためのシステムおよび方法を含む。以下でさらに詳細に説明するように、以前の信頼関係を確立したアドバタイジング装置、および、スキャナを含むシステムを使用して、アドバタイジング装置とスキャナとの間でデータを無線で交換することができる。例えば、車両の電気的な制御ユニット(ECU)に接続されたスマートフォンやスキャナなどのアドバタイジング装置を使用して、車両のドアのロックを解除するために車両へアクセスすることや、車両の点火を制御するために車両を制御することを、携帯電話のユーザに可能とする場合がある。別の例では、システムは、単一のスキャナとの信頼関係を確立した複数のアドバタイジング装置に、アドバタイジング装置とスキャナとの間でデータを無線で交換する機能を提供する場合がある。さらに別の例では、システムは、複数のスキャナとの以前の信頼関係を確立した単一のアドバタイジング装置に、アドバタイジング装置とスキャナとの間でデータを無線で交換する機能を提供する場合がある。
【0015】
図1を参照すると、ターゲットアドバタイジングシステム10が示されている。システム10は、アドバタイジング装置20、および、スキャナ30を含む。アドバタイジング装置20とスキャナ30とは、例えば、Bluetooth Low Energy(BLE)(Bluetooth Smartとも呼ばれる)、近距離無線通信プロトコル、Wi-Fi、Wi-Fi direct、インパルス無線(impulse-radio(IR))UWBなどのウルトラサイドバンド(ultra-side band (UWB))通信、または、その他の適切な無線通信プロトコルを用いて通信することができる。たとえば、アドバタイジング装置20は、スマートフォン、タブレットなどの装置であって、BLE、または、任意の他の適切な無線通信プロトコルをサポートするモバイルオペレーティングシステム(OS)を実行しているBluetooth対応装置を含む。BLEは、アドバタイジング装置20とスキャナ30が150から300フィートの範囲内で通信することを可能とする。アドバタイジング装置20とスキャナ30との間の接続は、セルラー接続よりもBLEプロトコルを使用すると直接的かつ迅速であり、BLEを使用するアドバタイジング装置20は、セルラーカバレッジまたはセルラー契約なしで使用して、スキャナ30と通信することができる。
【0016】
図1に示すように、アドバタイジング装置20は、プロセッサ21、メモリ22、無線通信チップ23、アンテナ24、全地球測位システム(GPS)25、ディスプレイ26、および入力27を含む。プロセッサ21は、メモリ22に格納されたモバイルオペレーティングシステムを実行して、アドバタイジング装置20を操作することができる。そのようなモバイルオペレーティングシステムは、iOS、WidowsベースのモバイルOS、AndroidベースのOS、BlackBerryベースのOS、LinuxベースのOSなどを含み得るが、これらに限定されない。無線通信チップ23、および、アンテナ24は、Bluetooth、802.11、BLE、Wi-Fi、Wi-Fi direct、UWB、IR UWB、および/または、任意の他の適切な無線プロトコルのような無線通信プロトコルを使用する無線通信機能をアドバタイジング装置20に提供する。図1ではただひとつのチップとして示されているが、アドバタイジング装置20は、異なる無線通信プロトコルをサポートするためにひとつまたは複数の無線通信チップ23を含むことができる。アンテナ24は、電波として符号化されたデータを送受信するために使用される。アンテナ24によって受信されたデータは、メモリ22に格納され、プロセッサ21によって処理される場合がある。GPS25は、アドバタイジング装置20の地理的位置情報、および、時間データの両方を提供し、地理的位置情報、および、時間データをスキャナ30に送信することができる。モバイルOSは、ディスプレイ26、および、入力27などのハードウェアコンポーネントとインターフェースして、アドバタイジング装置20を制御するために、ユーザにグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を提供することができる。ディスプレイ26は、グラフィックデータをアドバタイジング装置20のユーザに出力することができる。ディスプレイ26はまた、例えば、アイコン28に触れることによって、ユーザがデータおよび制御信号をアドバタイジング装置20に提供することを可能にするタッチスクリーンなどの入力機能を含む場合がある。タッチアイコン28は、専用ボタン、または、同様のユーザ入力機能であってよい。
【0017】
図1に示すように、スキャナ30は、プロセッサ32、メモリ34、通信モジュール36、GPSモジュール37、および、アンテナ38に接続された無線通信チップ39を含む。アンテナ38は、電波として符号化されたデータを送受信するために使用される。アンテナ38によって受信されたデータは、メモリ34に格納され、プロセッサ32によって処理される場合がある。GPS37は、地理的位置情報、および、時間データの両方を提供し、地理的位置情報、および、時間データをアドバタイジング装置20に送信することができる。スキャナ30は、車両内の電子的な制御ユニット(ECU)に接続されている。ECUは、通信モジュール36、GPSモジュール37、車両のロックシステム、または、車両の点火装置、または、車両の他の任意のシステムなど、車両内のひとつ、または、複数のシステム、および、サブシステムを制御することができる。
【0018】
図2Aを参照すると、アドバタイジング装置20を含むターゲットアドバタイジングシステム10は、ECU42を介して車両40内のスキャナ30と通信するように図示されている。以下でさらに詳細に説明するように、アドバタイジング装置20とスキャナ30との間に信頼関係が確立された後、アドバタイジング装置20は、スキャナ30と無線通信して、制御信号をECU42に提供することができる。例えば、ユーザは、アドバタイジング装置20のBLE機能を使用して、制御信号をスキャナ30に、さらにはECU42に送信して、車両40のドアのロックを解除することができる。別の例では、アドバタイジング装置20のユーザは、制御信号をスキャナ30に、さらにはECU42に送信して、点火システム46を介して車両40を始動させることができる。さらなる例では、スキャナ30は、アドバタイジング装置20から受信された信号に関する信号情報に基づいて、アドバタイジング装置20の位置を決定することができる。たとえば、スキャナ30は、アドバタイジング装置から受信された無線通信信号の受信信号強度表示(RSSI)に基づいて、アドバタイジング装置20の場所を決定することができる。追加的に、または、代替的に、スキャナ30は、アドバタイジング装置20から受信した無線信号に関する他の信号情報、例えば、アドバタイジング装置20から受信した無線信号に関する到着角度情報、およびスキャナ30からアドバタイジング装置20に送信され、スキャナ30によってアドバタイジング装置から受信された信号に関する往復飛行時間情報に基づいて、アドバタイジング装置の位置を決定してもよい。
【0019】
図2Bを参照すると、ターゲットアドバタイジングのシステム10は、複数のアドバタイジング装置20a、20b、および、20nがスキャナ30との信頼関係を確立した後に、アドバタイジング装置20a、20b…20nが、車両40内のスキャナ30と通信することを提供する。アドバタイジング装置20a、20b、および、20nはそれぞれ、別個の時間にスキャナ30と通信する。たとえば、図2Bに示すように、ターゲットアドバタイジングのシステムはピアツーピア(peer-to-peer)のカーシェアリング/レンタルに使用される。アドバタイジング装置20a、20b、20nは、各アドバタイジング装置20a、20b、20nの地理的位置情報、及び、時刻情報が、スキャナ30の地理的位置情報、及び、時刻情報と一致したときに、アドバタイジング装置20a、20b、20nのユーザが車両40のロックを解除して発進することを可能にするピアツーピアレンタルアプリケーションを含んでいてもよい。
【0020】
図2Cを参照すると、ターゲットアドバタイジングのシステム10は、アドバタイジング装置20が各スキャナ30a、30b、および、30nとの信頼関係を確立した後、アドバタイジング装置20が車両40a、40b、および、40n内の複数のスキャナ30a、30b、および、30nと通信することを提供する。例えば、アドバタイジング装置20は、複数の車両集団、すなわち、車両40a、40b、および、40nのグループを制御することができる。アドバタイジング装置20は、集団の特定の車両内のスキャナ30a、30b、および、30nがターゲットアドバタイジングのために選択されて、アドバタイジング装置20がターゲットとされたスキャナのみに制御信号を送信できるアプリケーションを実行することができる。この例では、アドバタイジング装置20は、車両40a、40b、および、40nに同時に接続することができる。
【0021】
以下でより詳細に説明するように、アドバタイジング装置20が、アドバタイジング装置20上で実行されるアプリケーションを介して構成され、アドバタイジング装置20とスキャナ30との間に信頼関係が確立されると、ターゲットアドバタイジングのシステム10は、ひとつまたは複数の無線デバイス20とひとつまたは複数のスキャナ30との間の同時通信接続を可能とする。したがって、アドバタイジング装置20のユーザは、個々のスキャナ30のブロードキャストIDを知る必要はなく、アドバタイジング装置20とスキャナ30との間の通信接続を確立するために、アドバタイジング装置20にさらなる入力を手動で提供する必要はない。
【0022】
アドバタイジング装置20およびスキャナ30が互いにデータを通信および送信することができる前に、アドバタイジング装置20およびスキャナ30は、互いにペアリングまたは結合されなければならない。ペアリングされると、アドバタイジング装置20およびスキャナ30は、互いに信頼できる関係を有することになる。アドバタイジング装置20およびスキャナ30は、データを通信するためにネットワーク通信装置に割り当てられた一意の識別子である媒体アクセス制御(MAC)アドレスを有する。BLEプロトコルを使用する場合、アドバタイジング装置20、および、スキャナ30の実際のMACアドレスは明らかにされず、ランダムに生成されたMACアドレスが、アドバタイジング装置20、および、スキャナ30の両方に対して生成される。アドバタイジング装置20とスキャナ30がペアリングされ、アドバタイジング装置20とスキャナ30の間に信頼関係が確立されると、ランダムに生成されたMACアドレスからアドバタイジング装置20とスキャナ30との両方の実際のMACアドレスを決定するために、IRK(Identity Resolution Key)などの暗号化キーがアドバタイジング装置20とスキャナ30との間で交換される。
【0023】
図3を参照すると、アドバタイジング装置20をスキャナ30にペアリングする方法のフローチャートが示されている。方法600は、例えば、アドバタイジング装置20、および、スキャナ30によって実行することができる。この方法は、アドバタイジング装置20、および、スキャナ30が互いにセキュリティ情報を交換することを伴う602で始まる。アドバタイジング装置20とスキャナ30との間のセキュリティ情報が604において認証されると、606において、アドバタイジング装置20とスキャナ30との間の信頼できる関係が形成される。
【0024】
608において、アドバタイジング装置20とスキャナ30との両方がMACアドレス情報を交換する。610において、複数のIRKが、アドバタイジング装置20、および、スキャナ30の実際のMACアドレスを決定するために使用される。612において、アドバタイジング装置20とスキャナ30との間の完成したペアリングリンクをさらに暗号化して、以下においてより詳細に説明するように、追加的なセキュリティのためにアドバタイジング装置20とスキャナ30との間で送信されるデータを暗号化することができる。
【0025】
614において、アドバタイジング装置20は、ターゲットIDをスキャナ30に割り当て、ターゲットIDをアドバタイジング装置20のメモリに保存する。スキャナ30に割り当てられたターゲットIDは、スキャナ30に固有である。616において、アドバタイジング装置20は、ターゲットIDをスキャナ30に送信する。
【0026】
618において、スキャナ30は、MACアドレスおよびIRKなどのペアリングプロセス中にアドバタイジング装置20から取得された他のデータとともにターゲットIDを受信し、メモリ内のテーブルに保存し、制御は終了する場合がある。
【0027】
安全なペアリングプロセスが完了し、アドバタイジング装置20とスキャナ30との間の信頼関係が確立された後、アドバタイジング装置20は、ペアリングプロセス中にスキャナ30に割り当てられたターゲットIDを使用して、スキャナ30を直接的にターゲットにできる。
【0028】
アドバタイジング装置20などの無線デバイスは、アドバタイジングパケットをスキャナ30などのスキャナにブロードキャストして、アドバタイジング装置20を探索する。アドバタイジングパケットは、アドバタイジング装置20によってホストされるサービスのリストなど、アドバタイジング装置20に関する情報を含む。例えば、アドバタイジング装置20は、そのサービスとして車両アクセス機能をアドバタイジングすることができる。スキャナ30は、アドバタイジング装置20によってブロードキャストされ、スキャナ30によって受信されたアドバタイジングパケットに基づいて、アドバタイジング装置20が車両アクセスが可能であることを認識することができる。
【0029】
図4を参照すると、アドバタイジングパケット60が示されている。アドバタイジングパケット60は、アドバタイジング装置20によって提供されるサービスを伝えるために、アドバタイジング装置20からスキャナ30に送信される。アドバタイジングパケット60は、BLEヘッダ/プリアンブル(BLE Header/Preamble)62、および、プロトコルデータユニット(PDU)64を含む。PDU64は、さらに、アドバタイジング装置20のMACアドレスとアドバタイジングデータ68に分割される。アドバタイジングデータ68は、0から31バイトの間のデータを含む場合がある。
【0030】
図5を参照すると、アドバタイジングデータ68はさらに、ユニバーサルユニーク識別子(UUID)70、1バイトのアドバタイジングデータタイプ(ADフラグ)72を含むADヘッダ94、および、インジケータ74に細分される場合がある。UUID70は、アドバタイジング情報20からスキャナ30にサービス情報を伝達するために使用される128ビットの数字である。インジケータ74は、アドバタイジングデータ68のバイトサイズを識別する。ADフラグ72は、スキャナ30がアドバタイジング装置20から送信されたアドバタイジングパケット60をどのように解析すべきかを示す解析フラグである。
【0031】
図5に示すように、インジケータ74は、アドバタイジングデータ68が17バイトのバイトサイズを有することを示す「11」を示している。ADフラグ72は、Bluetooth(登録商標)仕様の一般的なアクセスプロファイルの割り当て番号である「07」を示している。ここに示すように、ADフラグ72は「07」に限定されないが、ADフラグ「07」、つまり0x07は128ビットのサービスクラスUUIDの完全なリストに対応します。ADフラグ「06」、つまり128ビットのサービスクラスUUIDの不完全なリストに対応する0x06と「FF」、つまり製造元固有のデータに対応する0xFFも使用することができる。現在のワイヤレスデバイスのAPIの制限に基づいて、ADフラグ「06」と「07」は使用に適している。ADフラグ「FF」を使用すると、より大きなアドバタイジングデータを68バイトサイズにすることができる。たとえば、ADフラグ「FF」では、合計28バイトが許可され、これは、ADフラグ「06」と「07」が許可するよりも10バイト多いバイトである。したがって、ADフラグ「FF」を使用すると、より多くのサービスIDとターゲットIDを保存できる。
【0032】
UUID70は、アドバタイジング装置20上のAPIによって操作されて、スキャナ30に割り当てられた一意のターゲットIDを含み、それにより、アドバタイジング装置20は、スキャナ30を直接的にターゲットすることができる。UUID70は、サービスID76(Service ID)の部分とターゲットID78(Target ID)の部分にさらに分割されている。サービスID76は、アドバタイジング装置20の意図をスキャナに伝達し、ターゲットID78は、アドバタイジング装置20がターゲットとするスキャナの一意のターゲットIDのパターンまたは配列を示す。サービスID76とターゲットID78はどちらもサイズが8バイトとして示されているが、サービスID76とターゲットID78はどちらもこれらのバイトサイズに限定されない。たとえば、サービスID76のバイトサイズを小さくして、ターゲットID78のバイトサイズを大きくすることがでる。図示のように、8バイトのターゲットID78の各バイトは、一意に識別されるスキャナをターゲットにすることができ、その結果、最大255のスキャナがアドバタイジング装置20によってターゲットにされる場合があり、アドバタイジング装置20が8つのスキャナに同時に接続することを可能にする。ターゲットID78は、この規則に限定されない。たとえば、図5に示すように、ターゲットID78の8バイトの各バイトを使用する代わりに、65,535台のスキャナをアドバタイジング装置20によってターゲットにすることができるような2バイトごとにユニークなターゲットIDを表してもよいが、アドバタイジング装置20が4台のスキャナに同時に接続することを可能にするだけである。ターゲットIDのアレイ78が空である場合、アドバタイジング装置20は、いかなるスキャナも直接的にターゲットとしない。
【0033】
図6を参照すると、アドバタイジング装置20がターゲットとするスキャナ30a、30b、および、30nを含む複数の車両の例示的なテーブル80が示されている。アドバタイジング装置20は、テーブル80の例を含むグラフィカルユーザーインターフェースを有するアプリケーションを実行して、アドバタイジング装置20との信頼関係を既に確立しているスキャナ30a、30b、30nを有する車両をユーザに示すことができる。ユーザは、タッチアイコン28を作動させることにより、ユーザが接続したい所望の車両40a、40b、40nを選択することができ、その結果、アドバタイジング装置20は、ターゲットアドバタイジングを車両40a、40b、および、40n内のスキャナ30a、30b、および、30nのみに送信する。
【0034】
図7を参照すると、アドバタイジング装置20がアドバタイジングパケット60をスキャナ30に送信する方法のフローチャートが示されている。この方法は、スキャナ30がアドバタイジング装置20から送信されたアドバタイジングパケット60を受信する702において始まる。
【0035】
704において、スキャナ30は、アドバタイジングパケット60を解析して、アドバタイジング装置20がスキャナ30によって望まれるサービスを提供するかどうか、および、アドバタイジング装置20のアドレスがスキャナ30によって認識されるかどうかを決定する。
【0036】
706において、スキャナ30は、アドバタイジング装置20が既知のデバイスであるかどうか、すなわち、アドバタイジング装置20とスキャナ30との間に以前に信頼関係が確立されたかどうか(すなわち、アドバタイジング装置20とスキャナ30とが以前にペアリングされていたか)を決定する。真の場合、制御は708に続く。偽の場合、制御は716に続く。
【0037】
708において、スキャナ30は、アドバタイジングデータ68がADフラグタイプ「06」、「07」、および「FF」を含むかどうかを決定する。真の場合、制御は710に続く。偽の場合、制御は716に続く。710において、スキャナ30は、アドバタイジングデータ68が期待されるサービスに対応するサービスID76を含むかどうかを決定する。真の場合、制御は712に続く。偽の場合、制御は716に続く。
【0038】
712において、スキャナ30は、アドバタイジング装置20が以前に一意のターゲットIDをスキャナ30に割り当てたか、スキャナ30の一意のターゲットIDがアドバタイジングパケット60のUUID70のターゲットIDの配列内に含まれるかどうかを決定する。
【0039】
714において、スキャナ30は、アドバタイジングパケット60内のUUID70のターゲットID78の配列を解析して、ターゲットID78が、アドバタイジング装置20によってスキャナ30に割り当てられた一意のターゲットID78と一致するかどうかを判定する。真の場合、制御は718に続く。偽の場合、制御は716に続く。
【0040】
716において、スキャナ30はアドバタイジング装置20を無視し、アドバタイジング装置20とスキャナ30の間で通信接続は確立されない。718において、スキャナ30はアドバタイジング装置20に接続する。
【0041】
図8を参照すると、アドバタイジング装置20およびスキャナ30のための暗号化/解読プロセスが示されている。暗号化92は、アドバタイジング装置20がアドバタイジングパケット60をスキャナ30にブロードキャストする前に行われる。UUIIDは公開情報であるため、アドバタイジングデータ68に含まれているサービスID76だけでなく、ターゲットID78もすべての観測者が知ることができる。アドバタイジング装置20は、共有鍵91を用いてアドバタイジングデータ68を暗号化する。アドバタイジング装置20がアドバタイジングデータ68の暗号化を終了した後、アドバタイジング装置20は、ADヘッダ94を暗号化されたアドバタイジングデータ93に追加する。アドバタイジングデータ68がスキャナ30によって受信されると、解読95が行われる。暗号化されたアドバタイジングデータ93は、事前共有鍵、および/または、学習された鍵などの共有鍵91を使用して解読される。学習された鍵は、スキャナ30とアドバタイジング装置20との間のペアリングが完了した後、ターゲットID78と共にアドバタイジング装置20からスキャナ30に転送される。事前共有鍵は、鍵を使用する必要がある前にスキャナ30とアドバタイジング装置20との間で共有される共有鍵91である。暗号化/復号化の例は、学習された鍵、および/または、事前共有鍵に関して提供されているが、他の暗号化/復号化方法が使用されてもよい。
【0042】
上述の複数の実施形態の説明は、例示および説明のために提供されたものである。この開示は、網羅的であること、または開示を限定することを意図するものではない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、一般にその特定の実施形態に限定されないが、適用可能であれば、交換可能であり、特に示されていないまたは記載されていない場合でも選択された実施形態で使用できる。同じことは、多様に変化することができる。そのような変形は、開示からの逸脱とみなされるべきではなく、そのような変更のすべては、この開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0043】
例示的な実施形態は、この開示が完全であるために提供されており、その範囲を当業者に完全に伝える。この開示の実施形態の完全な理解を提供するために、特定の構成部品、デバイス、および方法の例など、多くの具体的な詳細が示されている。特定の詳細を採用する必要はなく、例示的な実施形態は多くの異なる形態で実施することができ、いずれもこの開示の範囲を限定するものと解釈すべきでないことは、当業者には明らかであろう。いくつかの例示的な実施形態において、周知のプロセス(方法における段階)、周知のデバイス構造、および周知の技術は詳細には記載されていない。
【0044】
この明細書で使用される用語は、特定の例示的な実施形態を説明する目的のためだけであり、限定することを意図するものではない。この明細書で使用されるように、単数形(定冠詞および不定冠詞)は、文脈が他に明白に示さない限り、複数形も含むことが意図されている。用語「備える」、「有する」、「含む」、および「持つ」は、包括的であり、従って、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素および/または構成部品の存在を特定するが、ひとつまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成部品、および/またはそれらのグループの追加を除外しない。この明細書に記載の方法のステップ、プロセス、および動作は、特定の順序として具体的に特定されない限り、必ずしも説明または図示された特定の順序を必要とすると解釈されるべきではない。付加的または代替的なステップを用いることが可能であることも理解されるべきである。
【0045】
ある要素または層が「上にある」、「連結されている」、「接続されている」または「結合されている」と言及されている場合、それは、他の要素、または他の層に対して、直接的に上に、連結され、接続され、または結合されていることがあり、さらに、介在要素または介在層が存在していることがある。対照的に、ある要素が別の要素または層に「直接的に上に」、「直接的に連結されている」、「直接的に接続されている」または「直接的に結合されている」と言及されている場合、介在要素または介在層は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の言葉は、同様のやり方で(例えば、「間に」対「直接的に間に」、「隣接する」対「直接的に隣接する」など)解釈されるべきである。この明細書で使用される場合、用語「および/または」は、関連する列挙された1つまたは複数の項目に関する任意の組み合わせ、およびすべての組み合わせを含む。
【0046】
第1、第2、第3などの用語は、様々な要素、構成部品、領域、層および/または区画を説明するために、この明細書で使用することができるが、これらの要素、構成部品、領域、層および/または区画はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素、構成部品、領域、層、または区画を、他の要素、構成部品、領域、層または区画から区別するためにのみ使用されてもよい。「第1」、「第2」および他の数値的な用語は、ここで使用される場合、文脈によって明白に示されない限り、手順または順序を意味するものではない。したがって、以下に説明する第1の「要素、構成部品、領域、層または区画」は、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の「要素、構成部品、領域、層または区画」と呼ぶことができる。
【0047】
空間的に相対的な用語「内」、「外」、「裏」、「下」、「低」、「上」、「高」などは、図示されているような、ひとつの要素または特徴の他の要素または特徴に対する関係を説明する記載を容易にするためにここでは利用されている。空間的に相対的な用語は、図に示されている向きに加えて、使用中または操作中のデバイスのさまざまな向きを包含することを意図している場合がある。例えば、図中の装置がひっくり返されている場合、他の要素または機能の「下」または「裏」と記載された要素は、他の要素または機能の「上」に向けられる。したがって、例示された用語「下」は、上および下の両方の方向を含むことができる。この装置は、他の方向に向いていてもよく(90度または他の向きに回転されてもよい)、この明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8