(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】トイレ用床パネル
(51)【国際特許分類】
E03D 11/00 20060101AFI20220426BHJP
E04F 15/00 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
E03D11/00 A
E04F15/00 H
E04F15/00 J
(21)【出願番号】P 2017124212
(22)【出願日】2017-06-26
【審査請求日】2020-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000108661
【氏名又は名称】タカラスタンダード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 ありさ
【審査官】立澤 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-081963(JP,A)
【文献】特開2003-013620(JP,A)
【文献】実開平01-141879(JP,U)
【文献】米国特許第05309579(US,A)
【文献】特開2002-201789(JP,A)
【文献】特開2000-336914(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 11/00
E04F 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
見切り材又は巾木を介してトイレ室の壁と接続される外周縁を有する、トイレ室の床部を構成するトイレ用床パネルであって、
前後に2分割された前分割パネル及び後分割パネルを有し、
前記前分割パネルと前記後分割パネルとの境界が、便器を左右方向に横切る位置に配置されており、
前記前分割パネル及び前記後分割パネルの左右方向の幅が、トイレ室の床部の左右方向の幅と実質的に同じ寸法である、トイレ用床パネル。
【請求項2】
前記後分割パネルの前後方向の寸法が250mm以上300mm以下である、請求項1に記載のトイレ用床パネル。
【請求項3】
見切り材又は巾木を介してトイレ室の壁と接続される外周縁を有する、トイレ室の床部を構成するトイレ用床パネルであって、
前後に2分割された前分割パネル及び後分割パネルを有し、
前記後分割パネルの前後方向の寸法が250mm以上300mm以下であり、
前記前分割パネル及び前記後分割パネルの左右方向の幅が、トイレ室の床部の左右方向の幅と実質的に同じ寸法である、トイレ用床パネル。
【請求項4】
前記前分割パネルの後端縁と前記後分割パネルの前端縁が、対向して配置されることにより境界を構成している、請求項1~3のいずれか1項に記載のトイレ用床パネル。
【請求項5】
前記境界は、前記便器内の鉢部分よりも後方に配置されている、
請求項1に記載のトイレ用床パネル。
【請求項6】
前後に2分割された前分割パネル及び後分割パネルを有し、
前記前分割パネルと前記後分割パネルとの境界が、便器を左右方向に横切る位置に配置されている、トイレ用床パネルであって、
前記前分割パネル及び前記後分割パネルの左右側方に、さらに横分割パネルを有し、
前記前分割パネル及び前記後分割パネルと、前記横分割パネルとの境界が、トイレ室内設備の下側に配置される、トイレ用床パネル。
【請求項7】
表面にホーロー処理が施された金属製の板材により形成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載のトイレ用床パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ内に設置される床パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、トイレ室の床は、床下地材の上にタイルをモルタルで接着したり、クッションフロアやフローリング材を接着したりすることによって施工されている。また、施工性をより高めることを目的として、特許文献1に記載された技術も知られている。この特許文献1に記載された技術は、トイレ室の床部に配設される床仕上げ板が、少なくとも便器の位置に対応して配置される央部床仕上げ板と、便器を正面からみたときに央部床仕上げ板の左右両側に隣接し、トイレ室の左右の壁側に位置するように配置される両側部床仕上げ板とによって分割されている。また、央部床仕上げ板は、便器の下方部に位置する汚垂部床仕上げ板と、汚垂部床仕上げ板の手前側に配置される前部床仕上げ板とによって分割されている。各仕上げ板は、主にセラミック板からなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された床仕上げ板は、複数に分割されているので、狭い廊下やトイレ室の出入口を通して容易に搬入することができ、取り回しや取付作業がし易く、施工性を向上させることができるという利点がある。
しかしながら、央部床仕上げ板と両側部床仕上げ板との間に2箇所の継ぎ目が存在し、央部床仕上げ板を構成する汚垂部床仕上げ板と前部床仕上げ板との間にも1箇所の継ぎ目が存在する。したがって、複数の床仕上げ板間の継ぎ目が多くなり見栄えが悪くなる。また、汚垂部床仕上げ板と前部床仕上げ板との継ぎ目が利用者の足下に存在するため、尿等の汚水が継ぎ目にかかりやすくる。尿等の汚水が継ぎ目に入り込むと清掃しにくいため衛生的に好ましくない。
【0005】
本発明は、施工性がよく、衛生面でも有利なトイレ用床パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係るトイレ用床パネルは、
前後に2分割された前分割パネル及び後分割パネルを有し、前記前分割パネルと前記後分割パネルとの境界が、便器を左右方向に横切る位置に配置されているものである。
本発明のトイレ用床パネルは、前後に2分割された前分割パネル及び後分割パネルを有しているので、各分割パネルを可及的に小さくすることができる。したがって、トイレ室内への搬入や取り回しを容易に行うことができ、施工性を向上させることができる。また、前分割パネルと後分割パネルとの境界が便器を横切る位置に配置されているので、当該境界が利用者の視界に入りにくくなり、見栄えの悪化を防止することができる。また、前分割パネルと後分割パネルとの境界が便器を横切る位置に配置されているので、当該境界に尿等の汚水がかかりにくくなる。そのため、衛生面で有利になるとともに、比較的汚水がかかり易い前分割パネルには境界が存在しないので、拭き掃除等の清掃を容易に行うことができる。
【0007】
(2)前記後分割パネルの前後方向の寸法は250mm以上300mm以下であることが好ましい。
このような構成によって、前分割パネルをトイレ室の床下地上に設置するときに、後分割パネルの設置スペースを足の踏み場所として確保することができ、前分割パネルの施工性を向上させることができる。
【0008】
(3)他の観点にかかるトイレ用床パネルは、
前後に2分割された前分割パネル及び後分割パネルを有し、
前記後分割パネルの前後方向の寸法は250mm以上300mm以下である。
本発明のトイレ用床パネルは、前後に2分割された前分割パネル及び後分割パネルを有しているので、各分割パネルを可及的に小さくすることができる。したがって、トイレ室内への搬入や取り回しを容易に行うことができ、施工性を向上させることができる。また、前分割パネルをトイレ室の床下地上に設置するときに、後分割パネルの設置スペースを足の踏み場所として確保することができ、前分割パネルの施工性をより向上させることができる。また、前分割パネルと後分割パネルとの境界を可及的にトイレ室内の後部に配置することができるので、当該境界が利用者の視界に入りにくくなり、見栄えの悪化を防止することができる。また、前分割パネルと後分割パネルとの境界を尿等の汚水がかかりにくい可及的にトイレ室の後部に配置することができるので、衛生面で有利になるとともに、比較的汚水がかかり易い前分割パネルには境界が存在しないので、拭き掃除等の清掃を容易に行うことができる。
【0009】
(4)前記境界は、前記便器内の鉢部分よりも後方に配置されていることが好ましい。
このような構成によって、前分割パネルと後分割パネルとの境界に、より汚水がかかりにくくなり、清掃もより容易となる。
【0010】
(5)前記前分割パネル及び前記後分割パネルの左右方向の幅は、トイレ室の床部の左右方向の幅と実質的に同じ寸法であってもよい。
この場合、トイレ室の床部の全体を前後2枚の分割パネルによって施工することができる。
【0011】
(6)トイレ用床パネルは、前記前分割パネル及び前記後分割パネルの左右側方に、さらに横分割パネルを有していてもよく、この場合、前記前分割パネル及び前記後分割パネルと、前記横分割パネルとの境界が、トイレ室内設備の下側に配置されることが好ましい。
このような構成によって左右方向の幅が広いトイレ室においても、施工性を高めることができる。また、前後の分割パネルと横分割パネルとの境界をトイレ室内設備によって隠し、見栄えの悪化を防止することができる。なお、トイレ室内設備としては、手洗い台やキャビネット等を挙げることができる。
【0012】
(7)トイレ用床パネルは、表面にホーロー処理が施された金属製の板材により形成されていることが好ましい。
このような構成によって、汚れやにおいが付きにくく、強度も高い床パネルを構成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、施工性がよく、衛生面でも有利なトイレ用床パネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る床パネルを設けたトイレ室の斜視図である。
【
図3】(a)は、
図2のA-A線断面図、(b)は、
図2のB-B線断面図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態に係る床パネルを設けたトイレ室の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る床パネルを設けたトイレ室の斜視図、
図2は、トイレ室の平面図である。
トイレ室10は、前後に細長い長方形状の床部11と、この床部11の四辺から立ち上がる左右の壁12,13及び前後の壁14,15を有している。前側の壁14には出入口16が設けられている。
【0016】
床部11の後部側には、便器18が設置されている。便器18は、出入口16側に便座18aが向くように配置されている。便器18の後部側にはタンク18bが設けられている。なお、本明細書では、便器18の便座18aが向く方向を前とし、タンク18b側を後とし、この前及び後を基準として左及び右を規定する。
【0017】
トイレ室10の床部11には、床パネル20が設けられている。床パネル20は、金属製の板材からなり、表面にガラス質の釉薬を焼き付ける処理(ホーロー処理)が施されている。また、床パネル20は、出入口16側の前分割パネル21と、便器18側の後分割パネル22とに2分割されている。
【0018】
前分割パネル21は、トイレ室10の床部11の前部側の大部分を占める長方形の板材からなり、トイレ室10の床部11と実質的に同一の左右方向の幅と、トイレ室10の前端から便器18に到る程の前後方向の長さを有している。前分割パネル21の前後方向の長さは、前分割パネル21の左右方向の幅よりも大きい。
【0019】
後分割パネル22は、トイレ室10の床部11の後部側の一部を占める長方形の板材からなり、トイレ室10の床部11と実質的に同一の左右方向の幅と、前分割パネル21の後端からトイレ室10の後端に到る程の前後方向の長さとを有する。後分割パネル22は、前後方向の長さよりも左右方向の幅の方が大きい。具体的に、後分割パネル22の前後方向の長さ寸法Lは250mm以上300mm以下とされている。
【0020】
前分割パネル21の後端縁と、後分割パネル22の前端縁とは、互いに対向して配置され、両分割パネルの境界25を構成している。前後分割パネル21,22の境界25は、左右方向の伸びている。また、前後分割パネル21,22の境界25は、便器18を左右方向に横切るように配置されている。
【0021】
また、前後分割パネル21,22の境界25は、便器18内の鉢部分18c(水が流れ、下端が排水管に繋がる下方先細り形状の部分)よりも後方に配置されている。
なお、前後分割パネル21,22には、適宜箇所に排水管を通すための開口や、便器18を取り付けるための孔等が形成される。
【0022】
図3(a)は、
図2のA-A線断面図、
図3(b)は、
図2のB-B線断面図である。
前分割パネル21と後分割パネル22との境界25にはわずかな隙間t1が形成され、この隙間t1には見切り材31が設けられている。この見切り材31は、金属や合成樹脂材等によって略T字形状に形成され、隙間t1に嵌め込まれた状態で床下地19や分割パネル21,22に接着される。また、見切り材31は、シーリング剤やコーキング剤等を隙間t1に充填することによって構成することもできる。
【0023】
また、後壁15と後分割パネル22との間にもわずかな隙間t2が形成され、この隙間t2にも見切り材32が設けられている。この見切り材32も、前述の見切り材31と同様に、金属や合成樹脂材等によって形成されている。また、見切り材32は、略L字形状に形成されている。見切り材32は、隙間t2に嵌め込まれた状態で床下地19や分割パネル21,22に接着される。また見切り材32は、シーリング剤やコーキング剤等を隙間t2に充填することによって構成することもできる。なお、他の壁12~14と前後分割パネル21,22との隙間にも見切り材32が設けられている。なお、見切り材32に代えて壁12~15に取り付けられる巾木を用いてもよい。
【0024】
以上の構成において、本実施形態の床パネル20は、前分割パネル21と後分割パネル22とからなっているので、床部11の全面が1枚の床パネルによって構成される場合と比べて、各分割パネル21,22をそれぞれ小さくすることができる。そのため、出入口16から各分割パネル21,22の搬入やトイレ室10内における各分割パネル21,22の取り回し等を容易に行うことができ、施工性を高めることができる。
【0025】
また、後分割パネル22の前後方向の寸法Lは、250mm以上300mm以下であり、作業者の足のサイズと同等かそれに近い寸法を有している。そのため、床下地19上における後分割パネル22の設置スペースを足の踏み場所として用い、前分割パネル21を床下地19上に設置することができる。
【0026】
例えば、二人の作業者によって前分割パネル21の長手方向の両端部をそれぞれ手に持ち、当該前分割パネル21をトイレ室10内に搬入するとき、後側の作業者は、トイレ室10の奥まで入り込み後分割パネル22の設置スペースを足の踏み場所とすることができる。そして、そのまま前分割パネル21を下方に降ろすことによって床下地19上に前分割パネル21を設置することができる。
【0027】
前分割パネル21を設置したあとは、比較的小型の後分割パネル22をトイレ室10内に搬入して、前分割パネル21の後側に設置すればよい。したがって、前後の分割パネル21,22を容易に設置することができ、施工性を高めることができる。なお、前後の分割パネル21,22の設置順は、上記に限定されるものではなく、後分割パネル22から先に設置してもよい。
【0028】
なお、後分割パネル22の前後方向の寸法Lが250mm未満であると、施工時の足の踏み場所を十分に確保することができなくなり、300mmを超えると、前後分割パネルの境界がより前側に位置することになって尿等の汚水がかかりやすくなる。したがって、後分割パネル22の前後方向の寸法Lは、250mm以上300mm以下の範囲で設定することがより好適である。ただし、後分割パネル22の前後方向の寸法Lは、より狭い範囲内で設定することも可能である。例えば、当該寸法Lは、255mm以上295mm以下であってもよく、260mm以上290mm以下であってもよい。また、265mm以上285mm以下であってもよく、260mm以上280mm以下であってもよい。
【0029】
図2に示すように、前後の分割パネル21,22の境界25は、便器18を横切る位置に配置されている。そのため、利用者の視界に境界25が入りにくくなり、見栄えの悪化を防止することができる。また、便器18の前に立つ利用者の尿等が便器18外へ飛び散ったとしても、前後の分割パネル21,22の境界25にはかかりにくくなる。したがって、前後の分割パネル21,22の境界25を頻繁に清掃する必要性が低くなる。この境界25には見切り材31が設けられ、見切り材31は僅かながら突出しているために、前後の分割パネル21,22に渡って拭き掃除等を行う際の邪魔になる。しかしながら、本実施形態では、前後の分割パネル21,22の境界25よりも後側には尿等の汚水がかかりにくくなっているため、境界25を跨いで清掃する必要性が低くなる。したがって、本実施形態では、清掃が容易となり、衛生面で有利となる。
【0030】
また、前後の分割パネル21,22の境界25は、便器18の鉢部分18cよりも後側に配置されているので、鉢部分18cから飛び跳ねた汚水が境界25及びそれよりも後分割パネル22にかかりにくくなっている。そのため、より清掃が容易になり、衛生面でもより有利となる。
また、汚水がかかり易い前分割パネル21には境界25が存在していないため、容易に清掃を行うことができる。
【0031】
なお、前後の分割パネル21,22は、金属製の板材により構成されているので、強度が高く耐久性に富む。そして、分割パネル21,22の表面には、ホーロー処理が施されているので、汚れやにおいが付きにくくなっている。
【0032】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る床パネルを設けたトイレ室の斜視図、
図5は、トイレ室の平面図である。
本実施形態では、床パネル20が、前述の前分割パネル21及び後分割パネル22に加えて、横分割パネル23を備えている。この横分割パネル23は、前分割パネル21及び後分割パネル22の左右片側(図示例では右側)に隣接して配置され、トイレ室10の前端から後端にわたる前後方向の長さを有している。
【0033】
横分割パネル23と前分割パネル21及び後分割パネル22との間には隙間が形成され、この隙間には、
図3(a)に示すような見切り材31が設けられている。また、横分割パネル23とトイレ室10の壁12~15との隙間には、
図3(b)に示すような見切り材32が設けられている。
【0034】
また、本実施形態では、トイレ室10内に手洗いキャビネット40が設置されている。この手洗いキャビネット40は、トイレ室10の前後方向に細長い直方体形状であり、トイレ室10の側壁13に沿って配置され、奥側の後壁15に突き合わされている。手洗いキャビネット40には、手洗器41、カウンター42、キャビネット本体43、ペーパーホルダー44等が設けられている。
【0035】
また、手洗いキャビネット40の左右幅W1は、横分割パネル23の左右幅W2よりも大きく、手洗いキャビネット40は、横分割パネル23と前後分割パネル21,22との境界26上に配置されている。
本実施形態では、第1の実施形態と同様の作業によって、前後の分割パネル21,22を設置し、その後に、横分割パネル23を設置することができる。あるいは、横分割パネル23を設置してから前後の分割パネル21,22を設定してもよい。いずれにおいても、各分割パネル21~23の搬入や取り回しは容易であり、施工性が高められている。また、横分割パネル23と前後分割パネル21,22の境界26は、大部分が手洗いキャビネット40によって覆われているので、当該境界26に汚水がかかることはほとんど無く、見栄えが悪化することもほとんど無い。
【0036】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0037】
例えば、床パネル20は、ホーロー処理以外の表面処理が施された金属板又はその他の材質の板によって構成することができる。ただし、ホーロー処理が施された金属板を用いることによって、前述したように強度面及び衛生面で有利な床パネルを構成することができる。
前分割パネル21と後分割パネル22との境界25は、必ずしも左右方向に沿って直線状に配置されていなくてもよく、左右方向に対して傾斜していたり、曲線状に形成されていたりしてもよい。
【0038】
第2の実施形態において、トイレ室10には、手洗いキャビネット40以外の他のトイレ室内設備が前後分割パネル21,22と横分割パネル23との境界26上に配置されていてもよい。また、第2の実施形態において、前後分割パネル21,22の左右両側に横分割パネル23が設けられていてもよい。
トイレ室10の出入口16は、トイレ室10の左又は右の壁12,13に設けられていてもよい。
【0039】
第1及び第2の実施形態において、トイレ室10の床部11は、前後方向の長さよりも左右方向の幅の方が小さく形成されているが、前後方向の長さよりも左右方向の幅の方が大きく形成されていてもよい。このような場合においても、床パネル20は、第1の実施形態のように、前後の分割パネル21,22のみによって構成されていてもよいし、第2の実施形態のように、前後の分割パネル21,22と横分割パネル23とによって構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0040】
10 :トイレ室
18 :便器
18c :鉢部分
20 :床パネル
21 :前分割パネル
22 :後分割パネル
23 :横分割パネル
25 :境界
26 :境界
40 :キャビネット(トイレ室内設備)