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特許7063563標準化データベースアクセスシステムおよび方法
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  • 特許-標準化データベースアクセスシステムおよび方法 図1
  • 特許-標準化データベースアクセスシステムおよび方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】標準化データベースアクセスシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/2452 20190101AFI20220426BHJP
【FI】
G06F16/2452
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017182465
(22)【出願日】2017-09-22
(62)【分割の表示】P 2015025552の分割
【原出願日】2011-10-10
(65)【公開番号】P2018014133
(43)【公開日】2018-01-25
【審査請求日】2017-09-28
【審判番号】
【審判請求日】2020-01-31
(31)【優先権主張番号】12/902,800
(32)【優先日】2010-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513084399
【氏名又は名称】クリニコンプ インターナショナル,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CLINICOMP INTERNATIONAL,INC.
【住所又は居所原語表記】Attention Chris Haudenschild,Chairman of the Board and Chief Executive Officer,9655 Towne Centre Drive,San Diego, California 92121 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ハウデンスチャイルド,クリス
(72)【発明者】
【氏名】リン,センマオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ユミン
【合議体】
【審判長】渡邊 聡
【審判官】高瀬 勤
【審判官】溝本 安展
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-187742(JP,A)
【文献】特開平7-175697(JP,A)
【文献】鈴木源吾 ほか,Fragment View-マルチデータベースにおけるGlobal Viewを使わない異種性解消方式,電子情報通信学会技術研究報告,Vol.96,No.469,pp.25-30(DE96-78),1997年1月23日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースからデータにアクセスするデータベースのアクセスシステムによる標準化データベースアクセス方法において、
前記アクセスシステムのハイパーオブジェクトライブラリーに格納され、それぞれが異なるルールを有し、かつそれぞれが少なくとも一つのデータハイパーオブジェクトを含む一群のハイパーオブジェクトを管理するソフトウェア手段を提供して、
ハイパーオブジェクト照会言語(HOQL)エンジンを使用して、前記データベースに記憶された所定のデータに関するHOQL照会を受け取るソフトウェア手段を提供して、
前記HOQL照会に応答して、前記HOQLエンジン使用によって、少なくとも一つのデータハイパーオブジェクトを選択して、そして前記HOQL照会によって新しいハイパーオブジェクトが望ましいとすると新しいハイパーオブジェクトの作成を指示するソフトウェア手段を提供して、
前記データベースからデータを検索するためにアダプタを介し、前記データベースに対して前記の選択されたデータハイパーオブジェクトと前記作成された新しいハイパーオブジェクトとを併用して且つそのルールに従ったデータリクエストを送信するソフトウェア手段を提供して、
前記の選択されたデータハイパーオブジェクトによって使用される前記のリクエストされたデータを前記データベースから前記アダプタを介して受け取るソフトウェア手段を提供して、そして
目的の標準化出力を提供するために、前記の選択されたデータハイパーオブジェクトに関連する前記ルールに従って前記HOQLエンジンに疑似ハイパーオブジェクトとして送信するように、前記のリクエストされたデータを使用するソフトウェア手段を提供することを特徴とする標準化データベースアクセス方法。
【請求項2】
データベースのアクセスシステムによる標準化データベースアクセス方法において、
データベースを用意するソフトウェア手段を提供し、
前記アクセスシステムのハイパーオブジェクトライブラリーに格納され、それぞれが異なるルールを有し、かつそれぞれが少なくとも一つのデータハイパーオブジェクトおよび少なくとも一つのコンテクストハイパーオブジェクトを有する一群のハイパーオブジェクトを用意するソフトウェア手段を提供し、
ハイパーオブジェクト照会言語(HOQL)エンジンを使用して、前記データベースに記憶された所定のデータに関するHOQL照会を受け取るソフトウェア手段を提供し、
前記HOQL照会に応答して、前記HOQLエンジンを使用して少なくとも一つのデータハイパーオブジェクトを選択するソフトウェア手段を提供し、
前記コンテクストハイパーオブジェクトが、所定のデータの環境に関する前記データベースに記憶された前記所定のデータのみが選択された部分の前記データベースにコンテクストデータをリクエストするルールを含み、
前記の選択されたコンテクストハイパーオブジェクトを用いて、前記データベースにコンテクストデータをリクエストするためのソフトウェア手段を提供し、
前記の選択されたデータハイパーオブジェクトの変換部分が使用する前記の選択されたコンテクストハイパーオブジェクトを介してルール変換コマンドを発生して、このルールを修正するソフトウェア手段を提供し、
前記データベースからデータを検索するために、その変えられたルールに従ってアダプタを介して前記の選択されたデータハイパーオブジェクトから前記データベースに対するデータリクエストを送るソフトウェア手段を提供し、
前記変えられたルールを前記HOQL照会に応答して使用すべきか否かの判断のために前記のリクエストされたコンテクストデータを操作して、そして、前記変えられたルールを使用するならば前記の選択されたデータハイパーオブジェクトに変換コマンドを送り、前記の選択されたデータハイパーオブジェクトによって使用される前記のリクエストされたデータを前記データベースから前記アダプタを介して受け取るソフトウェア手段を提供し、そして
目的の標準化出力を提供するために、前記の選択されたデータハイパーオブジェクトに関連する前記ルールに従って前記HOQLエンジンに疑似ハイパーオブジェクトとして送信するように、前記のリクエストされたデータを使用するソフトウェア手段を提供することを特徴とする標準化データベースアクセス方法。
【請求項3】
データベースからデータにアクセスするデータベースのアクセスシステムによる標準化データベースアクセス機能をコンピュータに実現させるプログラムにおいて、
前記アクセスシステムのハイパーオブジェクトライブラリーに格納され、それぞれが異なるルールを有し、かつそれぞれが少なくとも一つのデータハイパーオブジェクトを有する一群のハイパーオブジェクトを用意し、
ハイパーオブジェクト照会言語(HOQL)エンジンを使用して、前記データベースに記憶された所定のデータに関するHOQL照会を受け取り、
前記HOQL照会に応答して、前記HOQLエンジン使用によって、少なくとも一つのデータハイパーオブジェクトを選択して、そして前記HOQL照会によって前記ハイパーオブジェクトライブラリーに記憶された前記一群のハイパーオブジェクトが十分でないとすると新しいハイパーオブジェクトの作成を指示し
前記データベースからデータを検索するためにアダプタを介し、前記データベースに対して前記の選択されたデータハイパーオブジェクトと前記作成された新しいハイパーオブジェクトとを併用して且つそのルールに従ったデータリクエストを送り、
前記の選択されたデータハイパーオブジェクトによって使用される前記のリクエストされたデータを前記データベースから前記アダプタを介して受け取り、そして
目的の標準化出力を提供するために、前記の選択されたデータハイパーオブジェクトに関連する前記ルールに従って前記HOQLエンジンに疑似ハイパーオブジェクトとして送信するように、前記のリクエストされたデータを使用することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全体としてはデータベース管理システムおよび方法に関する。より具体的には、ネイティブデータベースのデータを管理し、データにアクセスするために有用なこのようなシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
以下に記載する背景技術は、法的には従来技術を構成するものではない。
【0003】
データベースシステムには多くの異なるタイプおよび種類がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】USP5,829,006
【文献】USP6,016,497
【文献】USP6,119,126
【文献】USP6,223,227
【文献】USP6,571,232
【文献】USP7,644,066
【文献】US特許出願第2003/0105811号
【文献】US特許出願第2003/0208493号
【文献】US特許出願第2006/0173873号
【文献】US特許出願第2009/0187344号
【発明の概要】
【0005】
電子データベースの場合、以前から知られ、また利用されてきている。所定のポピュレート式関係データベースなどの所定のネイティブデータベースの場合、データベーススキーマの変更などの修正が必要なことがあり、この場合データベースのアクセス方法に付加的な変更や修正を加え、同一かまたは同種のレポートまたはその他の出力を発生できる必要がある。同じことは、データベース構造のタイプを変更する場合にもいえる。この点に関して、システムから一貫性のあるレポートやその他の出力を維持するためにも変更や修正が必要なことがある。
【0006】
データベースのスキーマまたはフォーマットを修正または交換した後でもネイティブデータベースからレポートなどの標準化出力を発生できる標準化データベースアクセスシステムを利用できることが望まれている。
【0007】
本発明の特徴およびこれらを実現する方法が明らかになるはずであり、また本発明のいくつかの実施態様の以下の説明を添付図面を参考にして読むならば本発明それ自体の最良の理解を得ることができるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施態様に従って構成した標準化データベースアクセスシステムを示すブロック図である。
図2】本発明の一実施態様による図1のシステムを使用した標準化データベースアクセス方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
なお、全体的に記載し、かつ添付図面に図示した実施態様の構成成分については、各種の異なる構成で構成でき、または設計できるものである。従って、添付図面に図示されている本発明のシステム、構成成分および方法の実施態様のうちいくつかに関する以下のより詳細な説明は、特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲を限定するものでなく、本発明の実施態様の例示に過ぎない。
【0010】
本発明の実施態様の少なくとも一部の場合、本発明の標準化データベースアクセスシステムおよび方法によってレポート、ディスプレーなどの標準化出力を、用いられている基礎的なデータベースとは無関係に作成することができる。即ち、所定のデータベースのスキーマまたはデータ構造と無関係に、目的の標準化レポートやその他の出力を作成するために、ネイティブデータベースを利用できる。また、スキーマおよび/またはデータベース構造に変化があっても、同じ標準化レポートやその他の出力を簡単に作成できる。
【0011】
本発明は、標準化データベースアクセスシステムおよび方法に関する。本発明の一つの実施態様は、データベースからデータにアクセスする技術に関する。この技術は、それぞれがルールを有する一群のハイパーオブジェクトを提供することからなる。ここでハイパーオブジェクトは、データを含まず、あるいは記憶せず、別なデータベースからのデータへのアクセスを支配するに過ぎない点を除いて、通常のオブジェクトと同様である。ハイバーオブジェクト照会言語(HOQL)エンジンを使用して、HOQL照会を受けとると、このHOQL照会に応答するHOQLエンジンを使用して、少なくとも一つのハイパーオブジェクトが選択される。データベースからデータを検索する選択ハイパーオブジェクトを介してデータリクエストが送られ、選択ハイパーオブジェクトによって使用されるデータベースからこれを受け取る。選択ハイパーオブジェクトに関連するルールに従ってリクエストされたデータを使用して、目的の出力を出力する。
【0012】
即ち、本発明のいくつかの態様の標準化データベースアクセスシステムおよび方法の場合、異なるネイティブデータベースに対処でき、データベースフォーミュレーションまたはスキーマの変化に関係なく、熟知しているSQL照会と同様なHOQL照会に応答して標準化出力を作成できる。
【0013】
本発明の標準化データベースアクセスシステムは、ハイパーオブジェクトを例えば作成、記憶、削除またはリスト化する管理機能をもつ。さらに、このシステムはハイパーオブジェクトを検索、記憶かつ更新するデータアクセス機能をもつ。ハイパーオブジェクトにはデータオブジェクトおよびコンテクストオブジェクトの両者がある。このコンテクストオブジェクトはデータハイパーオブジェクトに応じて、照会に応答してリクエストされる情報の一定の環境または構成を決定する。
【0014】
ハイパーオブジェクトがアクセスするデータは、コンテクストハイパーオブジェクトを使用することによってインタープリターすることができる。コンテクストハイパーオブジェクトの場合、アクセスされるデータのパースペクティブを変化させる可能性のある時間、位置および/またはその他の条件を考慮することができる。例えば、通常の薬剤投与量は、新生児の場合成人と大きく異なり、年齢コンテクストの重要性を証明するものである。
【0015】
コンテクストハイパーオブジェクトの場合、一つかそれ以上のデータオブジェクトのルールのコンテクスト部分がこれに応じて変形し、サーチが容易になる可能性がある。このようなアプローチは、多数のネイティブデータベース/スキーマを組み合わせて使用し、標準化出力が望まれる場合に特に有用である。
【0016】
添付図面の図1について説明する。図1は、本発明の一実施態様に従って構成したデータベースアクセスシステム10を示す図である。図1に示すように、標準化データベースアクセスシステム10は、ハイパーオブジェクト照会言語(HOQL)コンソール14またはアプリケーションプログラミングインターフェース(API)18を利用したコンピュータ16のいずれからのHOQL照会を受け取るHOQLエンジン12で構成することができる。HOQLエンジン12の場合、HOQL照会を記憶するHOQL照会メモリ21を利用することができる。プレゼンテーションユニット23が、印刷レポート、ディスプレーなどの各種の形でユーザーに標準化出力を出力する。ハイパーオブジェクトライブラリ25は、HOQL照会に応答するハイパーオブジェクト27、29、32などの一群のハイパーオブジェクトを有する。次に、ハイパーオブジェクトが、それぞれアダプタ34、39を介してネイティブデータベース36、37などの一群のネイティブデータベースからリクエストされ、かつ受け取られるデータにアクセスし、かつこれを操作する。以下にさらに詳しく説明するように、プレゼンテーションユニット23が、HOQLエンジン12に応答して各種の形で標準化出力をユーザーに呈示する。
【0017】
ハイパーオブジェクトそれぞれは、データベースのデータへのアクセスのリクエストに対する異なるルールおよびデータベースから受け取られるデータを操作するためのルールで構成することができる。ハイパーオブジェクトはデータを記憶することができない。ハイパーオブジェクトのルールのそれぞれは機能操作、論理的決定およびコンテクスト変換を行うことができる。
【0018】
ハイパーオブジェクトライブラリ25はコンテクストハイパーオブジェクト27などの少なくとも一つのコンテクストハイパーオブジェクト、およびデータハイパーオブジェクト29、32などの複数のデータハイパーオブジェクトで構成することができる。このコンテクストハイパーオブジェクト27の場合、コンテクストデータをリクエストし、かつアダプタ34を介してデータベース36からリクエストされたコンテクストデータを受け取るために使用できるルールで構成することができる。コンテクストデータは調査照会で具体的に挙げられたコンテクストまたは環境に関する情報を有することができる。リクエストされたコンテクストデータをそのルールを使用して受け取りかつ操作すると、コンテクストハイパーオブジェクト27がデータハイパーオブジェクト29などの一つかそれ以上の選択されたデータハイパーオブジェクトに対して変換コマンドを出力することができる。
【0019】
次に、データハイパーオブジェクト29がそのルールの変換部分を利用することができる。この変換部は、サーチ照会において具体的に示されたコンテクストまたは環境に関する付加的なおよび/または具体的なルールを有することができる。データハイパーオブジェクト29などのデータハイパーオブジェクトの場合、これを使用してアダプタ34を介してデータベース36からハイパーオブジェクトデータをリクエストし、かつリクエストされたハイパーオブジェクトデータを受け取ることができる。リクエストされたハイパーオブジェクトデータがそのルールを使用して受け取られ、かつ操作されると、データハイパーオブジェクト29がHOQLエンジン12に疑似オブジェクト38などの疑似オブジェクトを出力するとともに、エンジン12を介してプレゼンテーションユニット23にレポートなどの標準化出力を出力する。
【0020】
コンテクスト変換の一例の場合、これは“英語コンテクストにおいてどんな言葉が数字の1に対応するのか?”などの照会によって開始することができる。数字の1は、言語コンテクストに応じて、多数の言葉例えば“one”、“uno”、“いち”、“eins”などに対応する。本実施例では、データベースのサーチにおいて言葉“one”を利用することができる。
【0021】
ここで年齢のコンテクストの例を考える。まず、分析が必要な対象を患者の心拍数とする。分析では、患者の年齢を分析のファクターすることが必要である。所定の患者の心拍数が正常であるか否かを判定するために、HOQLエンジン12からの所定の患者に関する医療検査検索信号などのRETRIEVE信号に応答してコンテクストハイパーオブジェクト27などのコンテクストオブジェクトが、アダプタ34を介してネイティブデータベース36にREQUEST CONTEXT DATA信号を送る。この結果、生後2日という患者の年齢などのCONTEXT DATA信号がアダプタ34を介してデータベース36から検索され、コンテクストハイパーオブジェクト27に出力され、このコンテクストハイパーオブジェクトがTRANSFORM信号をデータハイパーオブジェクト38に出力する。
【0022】
次に、上記TRANSFORM信号がデータハイパーオブジェクト38にコンテクスト情報を送り、そのルールを変換するため、所定の患者を新生児と確認することができる。このようにして、データハイパーオブジェクト38の場合、例えば成人の心拍数情報などの心拍数情報の代わりに新生児の正常な心拍数情報を利用できるようにそのルールを変換する。
【0023】
一部のコンテクスト変換の場合、コンテクストハイパーオブジェクトを使用せずに、データハイパーオブジェクトのルールにコンテクストルールを組み込むことができるようにデータハイパーオブジェクトによって実行可能である。
【0024】
プレゼンテーションユニット23の場合、各ユーザーに応じて標準化レポートをカスタマイズすることができる。例えば、ユーザーが望む会社の名称などを含むヘッダーをレポートまたはその他の望ましい出力に追加することが可能である。
【0025】
データベース36の場合、関係型データベースであればよく、アダプタ34などの一つかそれ以上のアダプタを必要とする一つかそれ以上のデータベースから構成すればよい。これらアダプタについては、システムの他の構成成分を修正する必要がないように、ネイティブデータベースそれぞれに応じてカスタマイズすればよい。
【0026】
アダプタ34などのアダプタの場合、いずれもデータベース36のインターフェースにアクセス可能になる。即ち、各アダプタは、システムを異なるデータベースとともに操作するために修正する必要のある唯一の構成成分である。各アダプタによって、ネイティブデータベースを異なるローデータに対して共通なルールセットにマッチさせることができる。例えば、第1コンテクストにおいて赤色、緑色および青色のデータベースの場合、赤色は1に等しく、緑色は2に等しく、そして青色は3に等しい。第2コンテクストでは、赤色は3、緑色は1、そして青色は2に等しい。従って、このアダプタは照会のコンテクストに応じて必要ならば、適正な翻訳を行うことになる。また、アダプタの場合、異なるデータ構造をアブストラク化でき、かつこれらを標準出力に関してアブストラクト化できる。
【0027】
HOQLの場合、関係型データベース照会に使用される構造化照会言語(SQL)と同様な方法で実行することができ、具体的なアプリケーションに応じて機能拡張を使用することができる。HOQLのシンタックスはSQLのシンタックスと実質的に同じか似ていればよいが、アクションは異なり、例えば第1ハイパーオブジェクトに指示を与え、第2ハイパーオブジェクトに照会のコンテクスト条件に応答してそのルールの変換部を利用するようにコマンドを与えることができる。
【0028】
標準化データベースアクセスシステム10の場合、管理機能およびデータアクセス機能の両機能をもっていればよい。管理機能にはハイパーオブジェクトを作成、削除、記述およびリスト化できる特性があり、またデータアクセス機能にはデータベース36からデータを検索し、このデータを記憶かつ更新できる特性がある。
【0029】
次に図2について説明する。図2は、本発明の一実施態様に従って構成した図1のシステム10を使用する標準化データベースアクセス方法100を示す。ステップ102では、HOQLコンソール14または適正なAPIを実行するコンピュータ16を使用してユーザーが入力するサーチ照会を受け取ることができる。照会対象は、ブールサーチ、自然言語サーチやその他の適正なサーチであればよい。
【0030】
この受け取られたサーチ照会から、ステップ104に示すように、HOQL照会を発生し、HOQLエンジン12に出力すればよい。ステップ106では、HOQL照会は、ハイパーオブジェクトライブラリの一つかそれ以上のハイパーオブジェクトおよび、必要ならば、これら組み合わせに関する指示の選択集合からなっていればよい。ステップ108に示すように、次にハイパーオブジェクトそれぞれがデータリクエストをデータベースに送る。データベースに対するこのデータリクエストから、次にハイパーオブジェクトがステップ110においてリクエストされたデータを受け取ることができる。リクエストされたデータがハイパーオブジェクトにおいて受け取られた後、このデータが操作され、ステップ112においてレポートまたはその他の目的のドキュメントなどの目的出力を作成する。目的の標準化出力には、具体的なユーザー情報を追加することができ、またこのレポートまたはドキュメントに合わせてフォーマット化することができる。ステップ114で、目的の出力をユーザーに対して画面に表示するか、印刷するか、その他を実行すればよい。
【0031】
コンテクストハイパーオブジェクトおよびデータハイパーオブジェクトの両者が選択された場合には、データハイパーオブジェクトがそのハイパーオブジェクトデータリクエストをデータベースに送る前に、コンテクストハイパーオブジェクトがそのコンテクストデータリクエストをデータベースに送る。データベースからコンテクストハイパーオブジェクトがリクエストされたコンテクストデータを受け取ると、リクエストされたコンテクストデータが操作され、一つかそれ以上のデータハイパーオブジェクトのルールの変換部をHOQL照会に応答して使用すべきか否かを判定する。一つかそれ以上のデータハイパーオブジェクトのルールの変換部を使用すべきであると判定された場合には、適正なデータハイパーオブジェクトに変換コマンドを送ることができる。変換コマンドを受け取ったデータハイパーオブジェクトは、変換コマンドに応答し、かつ照会に応答してそのルールの目的の変換部を利用することができる。次に、データハイパーオブジェクトがそのルールのこの変換部を使用して、そのハイパーオブジェクトデータリクエストをデータベースに送るとともに、リクエストされたハイパーオブジェクトデータを操作する。
【0032】
HOQL照会の発生時に、ハイパーオブジェクトライブラリ25において利用できるハイパーオブジェクトがユーザーからのサーチ照会に応答するには十分ではない場合には、あるいは一つかそれ以上の新しいハイパーオブジェクトが望ましい何らかの理由がある場合には、HOQL照会がハイパーオブジェクト41(図1)などの新しいハイパーオブジェクトの作成を指示することができる。次に、この作成されたハイパーオブジェクト41を単独使用するか、あるいは他のハイパーオブジェクトと併用して、図2に関して上記に説明したように、サーチ照会または他の照会に応答するようにする。この作成されたハイパーオブジェクト41が以降のサーチにも有用であると判定された場合には、これをハイパーオブジェクトライブラリ25に記憶し、以降のHOQL照会に利用できるようにする。なお、ハイパーオブジェクト41は削除することも可能である。
【0033】
本発明の具体的な実施態様を開示してきたが、異なる各種の変更が特許請求の範囲の真の精神および範囲内において可能である。従って、正確な発明の要約および本開示を制限するものではない。
【符号の説明】
【0034】
10:標準化データベースアクセスシステム
12:HOQLエンジン
14:HOQLコンソール
16:コンピュータ
18:API
21:HOQL照会メモリ
23:プレゼンテーションユニット
25:ハイパーオブジェクトライブラリ
27:コンテクストハイパーオブジェクト
29、32:データハイパーオブジェクト
34、39:アダプタ
36、37:ネイティブデータベース
38:擬似オブジェクト
41:ハイパーオブジェクト
図1
図2