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特許7063620管状要素への連結用継手、配管連結体、および管状要素への継手連結方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】管状要素への連結用継手、配管連結体、および管状要素への継手連結方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 13/14 20060101AFI20220426BHJP
   B21D 51/16 20060101ALI20220426BHJP
   B21D 39/04 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
F16L13/14
B21D51/16 B
B21D39/04 C
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2017542497
(86)(22)【出願日】2015-10-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2017-11-24
(86)【国際出願番号】 IB2015058341
(87)【国際公開番号】W WO2016067231
(87)【国際公開日】2016-05-06
【審査請求日】2018-10-22
(31)【優先権主張番号】14191353.3
(32)【優先日】2014-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516312028
【氏名又は名称】コネックス アイピーアール リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Conex IPR Limited
【住所又は居所原語表記】Global House, 95 Vantage Point, Pensnett Trading Estate, Kingswinford, West Midlands, DY6 7FT, United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】サレヒ‐バクティアリ、 マヌーチェヘル
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-145265(JP,A)
【文献】米国特許第03759553(US,A)
【文献】米国特許第03606402(US,A)
【文献】特開平11-324569(JP,A)
【文献】特開2011-169335(JP,A)
【文献】特開2009-168075(JP,A)
【文献】特開2004-270928(JP,A)
【文献】実開平06-020978(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 13/00-15/08
F16L 21/00
B21D 51/16
B21D 39/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状要素(5、5’)への接続用の継手(3、3’)であって、前記継手(3、3’)は、少なくとも1つの第1の連結要素(21、21’、121、521、621、821)を備える第1の端部(9、9’,109、209、309、409、509、609、809)を有し、前記第1の連結要素(21、21’,121、521、621、821)の少なくとも一部の直径は連結体を形成するために径方向に縮小可能であり、
前記第1の連結要素(21、21’、121、521、621、821)は、前記継手(3、3’)の周方向に延在するように前記継手(3、3’)に予め形成され、且つ前記第1の連結要素の少なくとも一部の前記直径が縮小されるときに、前記管状要素(5、5’)の外表面に形成された少なくとも1つの第のクリンプ(7、7’、107、207、507、607)に圧入および/若しくは嵌合によって連結されるように構成された、半径方向内側に向かって延在する少なくとも1つの第1のフック要素(21、21’、121、521、621、821)を備え、
且つ前記管状要素(5、5’)は前記継手(3、3’)の内側に挿入されるとともに、前記継手(3、3’)の前記第1のフック要素(21、21’、121、521、621、821)が形成された部分の壁面は周方向に連続的に形成されている
継手(3、3’)
【請求項2】
前記第1のクリンプ(7、7’)は径方向内向きに延在する、請求項1に記載の継手(3、3’)。
【請求項3】
少なくとも1つの径方向外向きに延在する環状リセス(17、17’)内に少なくとも部分的に配置された、少なくとも1つの第1のシール要素(19、19’)を特徴とし、
前記環状リセス(17、17’)は少なくとも部分的に前記第1の連結要素で構成され、且つ/または前記第1のシール要素は、少なくとも1つのシールリング、少なくとも1つのOリング(19、19’)、少なくとも1つのエラストマ材料、少なくとも1つの粘性流体型シール剤、少なくとも1つの接着シール剤、少なくとも1つのシール剤を含む少なくとも1つのレセプタクルであって前記レセプタクルはこれらの部分の前記直径が縮小するときに破断しそれによって前記レセプタクル内に含まれるシール剤を解放するレセプタクル、少なくとも1つの金属シール、および/または少なくとも1つのラビリンスシールを含む、請求項1または2に記載の継手(3、3’)
【請求項4】
前記シール要素(19、19’)は、前記管状要素の外径および/または前記継手の内径よりも小さいか、大部分が等しいか、または大きい内径を有することを特徴とする、請求項に記載の継手(3、3’)
【請求項5】
前記第1の端部(9、9’)の反対に位置する、前記継手(3、3’)の第2の端部(13、13’)に備えられた少なくとも1つの第2の連結要素(15、15’,29’)を特徴とし、
前記第2の連結要素は、
前記第2の端部(13、13’)の内表面または外表面上に形成された、少なくとも1つのねじ部(15、15’)、
前記第2の連結要素(29’)の少なくとも一部の直径を径方向に縮小するときに、別の管状要素の外表面上に形成された少なくとも1つの、半径方向内向きに延在する第のクリンプおよび/または半径方向外向きに延在する第のフック要素に対して、圧入および嵌合して連結されるように構成された径方向内向きに延在する少なくとも1つの第の環状フック要素(29’)、および/または第のクリンプ、
少なくとも1つの袋ナットに連結される少なくとも1つのワンクリック連結体、
少なくとも1つの圧縮連結体、
少なくとも1つのプレス連結体、
少なくとも1つのフレームジョイント連結体、
少なくとも1つのフレームなし連結体、
少なくとも1つのユニオン連結体、
少なくとも1つのフランジ連結体、および/または
少なくとも1つの押付け連結体、
を備える、請求項1~請求項の何れか一項に記載の継手(3、3’)
【請求項6】
前記継手は、複数のソケットを形成するとともに、前記第1の連結要素、別の第2の連結要素、および/または前記継手の主軸に関して異なる角度の継手方向に延在する複数の第2の連結要素を備えることを特徴とする、請求項4に記載の継手(3,3’)
【請求項7】
前記継手(3、3’)は、前記管状要素(5、5’)の第のクリンプ(7、7’)、前記管状要素(605、805)内に少なくとも部分導入された少なくとも1つのライナ体(657、857)を、前記第1の連結要素、前記第2の連結要素、前記第1のフック要素(21、21’)、前記第2のクリンプ、前記第3のクリンプ、前記第2のフック要素および/または前記第3のフック要素に関して整列させるための少なくとも1つのアライメント要素(25、25’)を備え、前記アライメント要素(25、25’)は少なくとも1つの内向きに延在する突起(25’)および/または段差(25)を備えることを特徴とする、請求項1~請求項の何れか一項に記載の継手(3、3’)
【請求項8】
少なくとも1つの鋭い刃(31’)、少なくとも1つのアンカー要素、少なくとも1つのバーブ(かえし)、および/または少なくとも1つの内向きに延在する歯を備える、少なくとも1つの把持要素および/または切込み要素(31’)を特徴とし、前記把持要素(31’)は前記管状要素(5’)と係合し、前記管状要素に切り込む、請求項1~請求項の何れか一項に記載の継手(3、3’)
【請求項9】
請求項1~8の何れか1項に記載の継手(3、3’)と前記継手(3、3’)に接続される少なくとも1つの管状要素(5,5’)とを備え、
前記管状要素(5,5’)は、少なくとも1つの第1のクリンプ(7、7’)を備え、前記継手(3、3’)に形成された第1のフック要素(21、21’)は、前記第1のクリンプ(7,7’)に圧入および/若しくは嵌合によって連結されることを特徴とする、
配管連結体(1、1’)。
【請求項10】
管状要素(605、805)内に少なくとも部分的に導入された、少なくとも1つのライナ体(657、857)を特徴とし、前記ライナ体(657、857)は、少なくとも1つの第のクリンプ(659、859)および/または切込みを備え、前記第のクリンプおよび/または切込みは、第1のフック要素(621、821)および/または第1のクリンプ(607)に関して前記継手(603、803)および/または前記管状要素(605、805)の長手軸に沿って整列している、請求項に記載の配管連結体(1、1’)
【請求項11】
前記ライナ体(659)は、
少なくとも1つの径方向内向きに延在する第1の環状隙間(661)に少なくとも部分的に配置された、前記ライナ体(659)と前記管状要素(605)との間の空間を密封するための少なくとも1つの第2のシール要素(663)、および/または
少なくとも1つの径方向内向きに延在する第3の環状隙間(665)に少なくとも部分的に配置された、前記ライナ体(659)と前記継手(603)との間の空間を密封するための少なくとも1つの第3のシール要素(667)、
を備え、
前記第2のシール要素(663)および/または前記第3のシール要素(667)は、少なくとも1つのシールリング、少なくとも1つのOリング(663、667’)、少なくとも1つのエラストマ材料、少なくとも1つの粘性流体型シール剤、少なくとも1つの接着シール剤、少なくとも1つのシール剤を含む少なくとも1つのレセプタクルであって前記レセプタクルはこれらの部分の直径が縮小するときに破断しそれによって前記レセプタクル内に含まれるシール剤を解放するレセプタクル、少なくとも1つの金属シール、および/または少なくとも1つのラビリンスシール、を含むことを特徴とする、請求項10に記載の配管連結体(1,1’)
【請求項12】
前記ライナ体(857)は、少なくとも1つの歯(873)、少なくとも1つのバーブ(かえし)、および/または少なくとも1つの切込み端を含む、前記管状要素(805)に対向する少なくとも1つの把持構造(873)を備えることを特徴とする、請求項または請求項10に記載の配管連結体(1,1’)
【請求項13】
前記第1のクリンプ(7、7’)の領域における前記管状要素(5、5’)の壁厚は、大部分が一定であって、前記管状要素(5、5’)の残部の壁厚と同じであるか、且つ/または前記第のクリンプ(7、7’)は、前記管状要素(5、5’)の外表面上の少なくとも1つの第1の窪みと、前記管状要素(5、5’)の内表面上の少なくとも1つの隆起とを含み、
各窪みと各隆起は相補的な断面形状および/または寸法を有していることを特徴とする、請求項~請求項12の何れか一項に記載の配管連結体(1,1’)
【請求項14】
前記管状要素(5、5’)および/または前記継手(3、3’)は、少なくとも1つの金属材料、少なくとも1つのカーボン材料、および/または少なくとも1つのプラスチック材料、および/またはこれらの材料の少なくとも2つの組合せを含むことを特徴とする、請求項~請求項13の何れか一項に記載の配管連結体(1,1’)
【請求項15】
少なくとも1つの継手(3、3’)を少なくとも1つの管状要素(5、5’)に連結する方法であって、
請求項1~8の何れか1項に記載の継手(3、3’)と管状要素(5,5’)とを用意し、
前記継手(3、3’)内に前記管状要素(5、5’)を挿入し、
前記継手(3、3’)の少なくとも第1の端部(9、9’)の少なくとも一部の直径を少なくとも部分的に径方向に縮小する、
ステップと、を含み、
前記直径の縮小により、前記継手(3、3’)の第1の連結要素の半径方向内側に向かって延在する少なくとも1つの第1のフック要素(21、21’)が変形されて、前記管状要素(5、5’)の表面上に形成された少なくとも1つの第のクリンプ(7、7’)に圧入および/または嵌合によって係合され、ここで、第1の連結要素は、前記継手(3、3’)の周方向に延在する要素として前記継手(3、3’)に予め形成されている、方法。
【請求項16】
前記第1のクリンプ(7、7’)は、前記直径の縮小によって形成されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のクリンプ(7、7’)は、前記管状要素(5、5’)の外表面上に予め形成されていることを特徴とする、請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記管状要素(605、805)を前記継手内に挿入する前、挿入するとき、および/または挿入した後に、少なくとも1つのライナ体(657、857)が前記管状要素(605、805)内に挿入されることを特徴とする、請求項15~請求項17の何れか一項に記載の方法。
【請求項19】
直径の前記少なくとも部分的な縮小は、
前記少なくとも第1の端部(9、9’)を、少なくともプレス工具でプレスするか、および/または
少なくとも1つのキャップおよび/またはリングを前記第1の端部(9、9’)へスライドさせることによって達成され、
前記キャップおよび/またはリングの内径は、リングおよび/またはキャップの軸方向に減少する少なくとも1つの部分にあり、前記継手の前記第1の端部(9、9’)と協働する部分にあり、および/または前記リングおよび/またはキャップは前記第1の端部(9、9’)の上にねじ込まれ、および/または少なくとも1つのバヨネット連結によって前記第1の端部(9、9’)に連結されることを特徴とする、請求項15~請求項18の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状要素へ連結するための継手に関し、少なくとも1つの第1の連結要素を備えた第1の端部を有し、連結のためにこの第1の連結要素の直径を径方向に縮小可能である継手に関する。本発明は、この継手を備える配管連結体、並びにこの継手を管状要素へ連結するための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において複数の継手が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、挿入された管端とプレス接合を形成するための継手または据付け部品が開示されている。この継手は、管状部品との連結を形成するために圧着可能な端部を有するように提案されている。環状隆起には少なくとも1つの膨らみまたは窪みが設けられて、環状隆起内にあるシール用リングとこの端部の壁との間に隙間が形成されるように提案されている。この隙間により、端部の圧着を行う前に、管状部品と継手との間の意図的な漏洩を行うことができる。
【0004】
このような継手は一般的には比較的低い圧力の場合にのみ機能する。特に低圧力に対しては、管状部品と継手との間の圧入嵌合に十分な力が圧着で提供される。しかし、管状要素内の圧力が高い場合、および/または管状要素に力がかかっている場合には、継手と管状部品との間の連結が緩む可能性がある。
【0005】
従来技術では更なる継手が提案されて継手とチューブとの間の連結が強化された。例えば、特許文献2には管状プレス継手が開示されている。プレス継手は内側に少なくとも1つの歯要素を含む。プレス継手がプレスされると、歯要素が管状要素の外表面に切り込む。
【0006】
また、特許文献3は、類似の連結機構を利用する、チューブ連結用の継手を示す。この継手はプレス部を含むように提案されている。プレス部には少なくとも2つの切込みブレードが含まれており、継手の中空体の内側に固定連結されている。プレス部が圧縮されると、切込みブレードがチューブの外表面内に切り込む。
【0007】
特許文献4は、大口径パイプ及びチューブのための軸方向スウェージング継手に関するものである。パイプやチューブを連結するためのこの継手は、実質的に円筒形のスリーブ及びリングを含む。スリーブには内孔を画定する内表面があり、パイプをその開口端で摺動可能に受け入れるようになっている。スリーブ内表面には突起も含まれ、スウェージングによりこれがパイプの外表面を変形させる。
【0008】
特許文献5から別の継手が既知であるが、特許文献5は、周方向のOリング受け溝の両側に亘って設けられて圧着されると流体導管をソケット内に密封係合可能に把持する寸法となった、半径方向内向きに突出する複数の離間したバーブ(かえし)を備えるユニバーサル連結ソケットを開示するものである。
【0009】
また、特許文献6は、レリーフノッチを有するパイプ連結に関する。連結ソケットの内径はパイプの外径に適合し、またシール要素がレリーフノッチを有することが提案されている。
【0010】
最後に、特許文献7には、受口部と挿口部の間を密封するパッキングリングと、受口部の内周に設けられ、ポリエチレン管の外周面に係合してポリエチレン管が受口部から離脱するのを防止する係合手段と、ポリエチレン管の挿口部の内周に嵌合する管状の金属製インナーコアと、を備えるノンボルト継手構造が開示されている。このインナーコアは、塑性変形されてその断面形状が径方向の外向きに膨らんだ第1の膨らみ部を含んでいる。
【0011】
しかしながらこれまでに示した継手には、チューブがACR用途(空調及び冷凍用途)にも用いられる場合には、連結力が不充分であってチューブを継手内に確実に固定できないという欠点がある。そのようなシステムでは高圧の流体が使用される。現時点ではACR用途の標準圧力は40バールであるが、効率の理由から標準圧力を100~150バールに上げることが計画されている。そのような圧力では、従来技術で知られている継手では、継手とチューブとの間に十分な確実かつ堅固な連結を確保することができない。従来技術で知られている継手では、100バール未満の圧力で既にチューブが継手から外れ始めることが観察された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】欧州特許第1171731(B1)号明細書
【文献】独国特許第100260831(C1)号明細書
【文献】欧州特許第2236889(B1)号明細書
【文献】米国特許第6,450,553(B1)号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0204624(A1)号明細書
【文献】独国実用新案第号9417646(U1)明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0303277(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、従来技術で知られている継手の更なる開発を行い、40バール超の流体圧力を使用するシステムにおける継手の使用を可能とし、特にそのような高圧においてチューブを継手に確実に固定する継手を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、第1の連結要素が、少なくとも1つの第1のフック要素、および/または少なくとも1つの第1のクリンプ要素を備えて、第1の連結要素の少なくとも一部の直径が縮小されるときに、管状要素の外表面に形成された少なくとも1つの第2のクリンプおよび/または少なくとも1つの第2のフックに圧入および/または嵌合によって連結されるようになっていることで達成される。
【0015】
継手は、さらに第1のフック要素および/または第2のクリンプが径方向内向きに延在し、および/または第1のクリンプおよび/または第2のフック要素が径方向外向きに延在することを特徴としてもよい。
【0016】
継手の有利な実施形態は、第1のクリンプと第2のクリンプが、好ましくは少なくとも1つのラッチワッシャ、少なくとも1つのスプリングワッシャおよび/または少なくとも1つの波形ワッシャから成る固定要素によって互いに連結されることを特徴としてもよい。
【0017】
さらに継手は、好ましくは少なくとも1つの径方向外向きに延在する環状リセス内に少なくとも部分的に配置された、少なくとも1つの第1のシール要素を特徴とし、好ましくは、環状リセスは少なくとも部分的に第1の連結要素で構成され、および/または、第1のシール要素は、少なくとも1つのシールリング、少なくとも1つのOリング、少なくとも1つのエラストマ材料、少なくとも1つの粘性流体型シール剤、少なくとも1つの接着シール剤、少なくとも1つのシール剤を含む少なくとも1つのレセプタクルであってレセプタクルはその部分の直径が縮小するときに好ましくは破断しそれによってレセプタクル内に含まれるシール剤を解放するレセプタクル、少なくとも1つの金属シール、およびまたは、少なくとも1つのラビリンスシール、を含むことが提案される。
【0018】
本発明はさらに、シール要素が、管状要素の外径および/または継手の内径よりも小さいか、大部分が等しいか、または大きい内径を有することを提案する。
【0019】
また、本発明による継手は、好ましくは第1の端部の反対に位置する継手の第2の端部に備えられた少なくとも1つの第2の連結要素を含むことができる。この第2の連結要素は好ましくは、第2の端部の内表面または外表面上に特に形成された少なくとも1つのねじ部と、少なくとも1つの第3の特に径方向内向きに延在する環状フック要素および/または第3のクリンプであって、第2の連結要素の少なくとも一部の直径が径方向に縮小するときに、別の管状要素の外表面上に形成された少なくとも1つの特に半径方向内向きに延在する第4のクリンプおよび/または特に半径方向外向きに延在する第4のフック要素に対して、圧入および嵌合して連結されるように構成された第3の環状フック要素および/または第3のクリンプと、少なくとも1つのワンクリック連結体と、少なくとも1つの圧縮連結体と、少なくとも1つのプレス連結体と、少なくとも1つのフレームジョイント連結体と、少なくとも1つのフレームなし連結体と、少なくとも1つのユニオン連結体と、少なくとも1つのフランジ連結体と、および/または少なくとも1つの押付け連結体と、を備える。
【0020】
前述の実施形態に関しては、継手が複数の第2の連結要素を備え、特に複数のソケットを形成して、第1の連結要素、別の第2の連結要素、および/または継手の主軸に関して、継手の異なる角度方向に延在することが特に好ましい。
【0021】
継手が、管状要素、特に第2のクリンプ、管状要素内に少なくとも部分的に導入された少なくとも1つのライナ体および/または第2のフックを、継手に対して、特に第1の連結要素、第2の連結要素、第1のフック要素、第1のクリンプ、第3のクリンプ、第4のクリンプ、第3のフック要素および/または第4のフック要素に対して、整列させるための少なくとも1つのアライメント要素を備え、アライメント要素は好ましくは少なくとも1つの内向きに延在する突起および/または段差を備えることも、本発明の継手の特徴であってもよい。
【0022】
最後に、本発明の継手は、好ましくは、少なくとも1つの鋭い刃、少なくとも1つのアンカー要素、少なくとも1つのバーブ(かえし)および/または少なくとも1つの特に内向きに延在する歯を備える、少なくとも1つの把持要素および/または切込み要素を特徴としてもよい。ここで、把持要素は管状要素と係合し、特に管状要素に切り込む。
【0023】
本発明は、少なくとも1つの本発明の継手と、その継手に連結された少なくとも1つの管状要素とを備える配管連結体をさらに提供する。ここで管状要素は、管状要素の外表面上に形成された少なくとも1つの第2のクリンプおよび/または少なくとも1つの第2のフック要素を備え、かつ、継手の少なくとも1つの第1のフック要素および/または第1のクリンプが第2のクリンプおよび/または第2のフック要素と嵌合および/または圧入によって係合する。
【0024】
この配管連結体は、管状要素内に少なくとも部分的に導入された少なくとも1つのライナ体を特徴としてもよい。このライナ体は好ましくは、少なくとも1つの第5のクリンプおよび/または切込みを備え、第5のクリンプおよび/または切込みは好ましくは、第1のフック要素および/または第1のクリンプに関して継手および/または管状要素の長手軸に沿って整列している。
【0025】
上記の実施形態において、ライナ体は、ライナ体と管状要素との間の空間を密封するための、特に少なくとも1つの径方向内向きに延在する第1の環状隙間に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つの第2のシール要素、および/またはライナ体と継手との間の空間を密封するための、特に少なくとも1つの径方向内向きに延在する第3の環状隙間に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つの第3のシール要素、を備える。そして第2のシール要素および/または第3のシール要素は、少なくとも1つのシールリング、少なくとも1つのOリング、少なくとも1つのエラストマ材料、少なくとも1つの粘性流体型シール剤、少なくとも1つの接着シール剤、少なくとも1つのシール剤を含む少なくとも1つのレセプタクルであってレセプタクルはその部分の直径が縮小するときに好ましくは破断しそれによってレセプタクル内に含まれるシール剤を解放するレセプタクル、少なくとも1つの金属シール、および/または少なくとも1つのラビリンスシール、を含む。
【0026】
上記の2つの実施形態に関しては、ライナ体が、特に少なくとも1つの歯、少なくとも1つのバーブ(かえし)、および/または少なくとも1つの切込み端を含む、管状要素に対向する少なくとも1つの把持構造を備えることが提案される。
【0027】
配管連結体に関しては、第2のクリンプおよび/または第2のフック要素の領域における管状要素の壁厚は大部分が一定であって、特に管状要素の残部の壁厚と同じであり、第2のクリンプは、管状要素の外表面上の少なくとも1つの第1の窪みと管状要素の内表面上の少なくとも1つの隆起とを含むこと、および/または、第2のフック要素は、管状要素の外表面上の少なくとも1つの隆起と内表面上の少なくとも1つの窪みとを含み、各窪みと各隆起は相補的な断面形状および/または寸法を有していること、がさらに提案される。
【0028】
本発明の配管は、管状要素および/または継手が、少なくとも1つの金属材料、特に銅、鉄、スチール、ステンレススチール、真鍮、鋳物材料、および/または鍛造材料や、少なくとも1つのカーボン材料、および/または少なくとも1つのプラスチック材料、特にポリメチルメタアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルクロライド、ガラスファイバーおよび/または強化プラスチックや、および/または上記材料の少なくとも2つの組合せを含むこと、もまた特徴とし得る。
【0029】
さらに本発明は、少なくとも1つの継手を少なくとも1つの管状要素に連結する方法を提供する。この方法は、本発明の継手を提供し、管状要素を継手内に挿入し、継手の少なくとも一部の少なくとも1つの部分の直径を少なくとも部分的に径方向に縮小するステップを含む。ここで、直径の縮小により、少なくとも1つのフック要素、および/または継手の第1の連結要素の少なくとも1つの第1のクリンプ、および/または少なくとも1つの固定要素が変形されて、管状要素の表面上に形成された少なくとも1つの第2のクリンプおよび/または少なくとも1つの第2のフック要素に係合され、継手が管状要素に圧入および/または嵌合連結される。
【0030】
この方法に関してはさらに、第1の連結要素の第1のフック要素および/または第1のクリンプ、および/または管状要素のクリンプおよび/または第2のフック要素が、直径の縮小によって形成されることが提案される。
【0031】
この方法に関しては、第1のクリンプ、第1のフック要素、第2のクリンプ、および/または第2のフック要素が、管状要素の外表面上および/または継手の内表面上に形成され、特に第1の連結要素は、継手をプレスする前に管状要素および/または継手に予め成形されることも提案される。
【0032】
本発明の方法の有利な実施形態は、管状要素を継手内に挿入する前、挿入するとき、および/または挿入した後に、少なくとも1つのライナ体が管状要素内に挿入されることを特徴としてもよい。
【0033】
最後に、本発明の方法では、直径の少なくとも部分的な縮小が、少なくとも1つの部分を、少なくともプレス機で、好ましくは圧着工具でプレスするか、および/または少なくとも1つのキャップおよび/またはリングをその部分へスライドさせることによって達成される。ここで、特にキャップおよび/またはリングの内径が、リングおよび/またはキャップの軸方向に減少する少なくとも1つの部分にあり、好ましくは継手の部分と協働する部分にあり、および/またはリングおよび/またはキャップはその部分の上にねじ込まれ、および/または少なくとも1つのバヨネット連結によってその部分に連結されることを特徴としてもよい。
【0034】
したがって本発明は、環状フック要素を使用することで、連結体が40バールを超える高圧流体に耐えられるように継手を管状要素へ連結可能になるという驚くべき発見に基づいている。フック要素は、管状要素および/または継手を取り巻く要素として形成されてもよいし、あるいは、管状要素および/または継手のそれぞれの周りを部分的に取り巻く、複数の分離されたセグメントを提供する複数の舌部によって形成され、および/またはそれらの中に含まれてもよい。こうすることで、継手を特にACR用途に適用可能とすることができる。このフック要素によって、管状要素の外表面上または継手の内表面上に形成されたクリンプへのフック要素の嵌合及び圧入による係合が可能となった。
【0035】
本発明におけるクリンプは、管状要素の外表面および/または継手の内表面の上の窪みである。ただし、この窪み領域における管状要素および/または継手の壁厚は一定である。
【0036】
従来技術における、管状要素の外壁に切り込む切込み要素に比べて、本発明におけるクリンプは管状要素/継手の構造を弱めることはない。とりわけ、切込み要素を使用する従来技術での継手においては、切込み要素は構造の脆弱化をもたらすことが観察される。高圧が掛けられる場合には、特に管状要素は切込み領域において破断する傾向がある。
【0037】
そのような切込み要素と比較すると、本発明のフックはたとえ管状要素が嵌合する対応表面を僅かに変形させるとしても、表面に切り込むことはない。継手および管状要素に使用される材料に依存して、各クリンプおよび/または各フック要素は、例えば管状要素がプラスチック材料を含む場合には、管状要素に予め成形されてもよい。
【0038】
管状要素および/または継手が例えば金属材料を含む場合には、プレス嵌合の圧縮部分の直径を例えばプレス工具によって縮小することで、各クリンプおよび/または対応する各フック要素が、フック要素および/またはプレス工具によって管状要素内に形成される。フックが環状であること、すなわち継手の全周を取り囲んでいることにより、200バールを超える圧力が使用された場合でも嵌合によりチューブが継手から外れさない効果が確実に得られる。
【0039】
本発明の継手は特に約200バールの圧力に対して試験をおこなった。その結果、種々の継手を有する管状要素には移動が観察されず、試験装置が壊れた。
【0040】
継手と管状要素の接続部を密封するために、シール要素を設けることが提案される。ただし、シールは、個別の追加シール要素なしで、特に継手と管状要素そのもののその形状から達成され得る。シール要素は、管状リセス内に配置されたエラストマシールであってもよい。例えば、シールはOリングであってもよい。そのようなシールは、配管要素と継手の連結の欠落の表示として使用することも可能である。
【0041】
シールの寸法が管状要素の外径よりも大きな内径をもつ場合には、継手がプレスされなければリークが発生する。代替的には、シール要素は、本質的に円形で、Oリングの代わりまたはそれに隣接して配置され得る適切なレセプタクル内に収容された粘性流体型のシール剤であってもよい。プレス嵌合部の直径を縮小する時、プレス動作によりレセプタクルが破断してシール液が解放される。
【0042】
継手にはさらに、少なくとも1つの第2の端部が含まれてもよい。この第2の端部は、任意の形状及び機能を持っていて、例えば継手を追加の管状要素に連結させてもよい。この第2の端部連結は、従来技術で知られている任意の方法で追加の管状要素との連結を可能としてもよい。追加の管状要素との連結は好ましくは、ねじ連結または、継手および更なるチューブ内にそれぞれ設けられたクリンプに係合するフックを備える連結要素によって達成されてもよい。
【0043】
継手を別のチューブに連結する他の種類の連結もまた使用可能である。例えば、クリック連結、接着材料または溶接を介しての連結などである。
【0044】
特に、継手は分配器として構成されてもよい。すなわち、継手が特に第1の端部の長手軸から外れた異なる方向に向いた複数のセクションからなっていてもよい。
【0045】
特に予め成形された各クリンプに対してそれぞれのフックの正確な配置を確保するために、本発明ではさらに少なくとも1つのアライメント要素を提案する。フック要素が継手の内部突起に一致するために、特に周方向突起が使用されてもよい。その突起とフック要素との間の距離が、チューブ要素の端とクリンプとの間の距離とほぼ同じになるようにして、突起が管端と係合する。
【0046】
管状要素と継手との間の連結をさらに確実なものとするために、追加の圧着要素または切込み要素を設けてもよい。継手の直径を縮小するときに、おそらくそのような把持要素または切込み要素は管状要素の外表面内には切り込まない。ただし、管状要素が継手から外れる方向に移動しようとする場合には、把持要素は管状要素の外表面に係合して、管状要素が継手からそれ以上動かないようにする。そのような場合には、フックはもはや完全にはクリンプに係合しないので、継手からの管状要素の変位を外部から見ることが可能であり、したがって少なくとも部分的に視認可能となる。
【0047】
既に述べたように、本発明の継手要素の構造では、継手および/または管状要素を、金属材料および/またはプラスチック材料およびその組み合わせなどの各種の異なる材料で作製することが可能である。したがって継手は、ACR用途のほぼすべての機能向けに使用可能となる。
【0048】
継手の直径縮小は種々の方法で達成されてもよい。縮小をプレス工具で達成してもよい。ただし、継手に向かって軸方向に押しつけて所定位置でプレスすれば直径を強制的に縮小させる形状となっている外部キャップによって、継手要素の縮小または変形を達成することも可能である。この目的を達成するためにはキャップは円錐台断面であって、キャップを継手に押しつけると継手の直径が縮小するようになっていてもよい。この押込み動作は、ねじおよび/またはバヨネット連結によってキャップを継手へ連結するための回転動作で達成され得る。一般的に本発明は、工具または部材の、任意の径方向運動、直線運動、またはそれらの組合せを包含する。これらが、管状要素が予め成形されているかどうか、特にクリンプが予め成形されているかどうかに拘わらず、フック要素を管状要素、特にクリンプ内へ導入する。
【0049】
代替実施形態においては、フック要素とそれに協働するクリンプの間には相互リンクは存在しないが、2つのクリンプが固定要素によってインターロックされる。クリンプが管状要素の外表面と継手の内表面にそれぞれ形成され、管状要素を継手に連結するときにばねリングのような固定要素がクリンプの1つに配置され、チューブ要素と継手が整列すると固定要素がクリンプを相互リンクさせるようになっていてもよい。
【0050】
特許請求される発明の更なる態様および利点は、以下の図面の助けにより説明される、本発明の好適な実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】第1の実施形態による、本発明の配管連結体の断面図である。
図2】第2の実施形態による、本発明の配管連結体の概略断面図である。
図3図2の部分Aの詳細断面図である。
図4】本発明による第3の実施形態の部分断面図である。
図5】本発明による第4の実施形態の部分断面図である。
図6】本発明による第5の実施形態の部分断面図である。
図7】本発明による第6の実施形態の部分断面図である。
図8a】本発明による第7の実施形態の連結前状態での断面図である。
図8b図8aの第7の実施形態の連結状態での断面図である。
図9a】本発明による第8の実施形態の連結前状態での部分断面図である。
図9b】本発明による第8の実施形態の連結状態での断面図である。
図9c図9aに示す第8の実施形態の変形例である。
図9d図9aに示す第8の実施形態の変形例である。
図9e図9aに示す第8の実施形態の変形例である。
図10】連結要素の断面図である。
図11】本発明による第9の実施形態の部分断面図である。
図12a】連結前状態での更なる連結要素の部分断面図である。
図12b】連結状態における連結要素の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は本発明の第1の態様による配管連結体の断面図である。配管連結体1は、継手3と管状要素5からなる。図1からわかるように、管状要素5は管状要素の外表面上に形成された、請求項における意味での第2のクリンプを形成するクリンプ7を備えている。
【0053】
管状要素5の壁厚は、管状要素5の全長にわたり、特にクリンプ7の領域においては、一定である。継手3は第1の連結要素11を含む第1の部分5を備えている。さらに、継手3はネジ15の形態をした第2の連結要素を備える第2の端部13を備えている。
【0054】
端部9の領域にはさらに環状溝17が設けられ、その中にOリング19の形態をした第1のシール要素が配置されている。本発明によれば、第1の連結要素11は、請求項での第1のフック要素を形成するフック要素21を備えている。フック要素21は継手3から径方向内向きに突き出た管状要素として形成されている。
【0055】
継手3を管状要素5に連結して配管連結体1を提供するために、管状要素5の一端23が段差25の形状をしたアライメント要素に係合するようにして管状要素5が継手3の中に導入される。段差25によってクリンプ7がフック21に確実に整列される。従来技術で既知のプレス工具により端部9が次に圧縮されて、継手の、特にフック21の領域の直径が部分的に縮小され、フック21が嵌合または圧入によってクリンプ7に係合する。
【0056】
既に説明したように図1では、本発明のフック21を有する端部9がねじ部13に結合された本発明の一実施形態が示されている。
【0057】
ただし図2からわかるように、本発明では、継手が端部9に類似した2つの端部から構成されるようにしてもよい。図2において、配管連結体1’は実際に端部9’と端部13’とからなっている。
【0058】
配管連結体1の要素に機能的に対応する配管連結体1’の要素には、ダッシュ付きではあるが同一の参照番号が付されている。段差25に対して、配管連結体1’では周方向突起25’が設けられている。さらに、端部13’には溝17’に類似の環状溝27’、およびフック要素21’に類似の、請求項における第3のフック要素を表すフック要素29’、が含まれている。
【0059】
こうして管状要素を連結するために、管状要素が継手3’に挿入され、端部9’並びに端部13’がプレスされて、各端部、具体的にはフック21’、29’の領域、の直径の少なくとも一部が縮小される。そのような継手と配管連結体の変形例として、異なる角度方向、および/または管径を有する複数のソケットが提供される。管状要素5並びに継手3は金属であってもよいし、プラスチック製であってもよい。
【0060】
図3には図2の部分Aの詳細図が示されている。図3から、(第2の)クリンプ7’を形成する予め成形された周方向のくぼみに一致するように、(第1の)フック21’が配置されることが特に明らかとなる。フック21’とクリンプ7’を一致させるために、管端23’に係合する内周方向突起25’を含むことが利用される。このように、フック要素21’と突起25’の間の距離がクリンプ7’と管端23’との間の距離にほぼ等しい。図3の溝17’の領域にさらに示されているように、鋭いエッジ31’の形状をした把持要素を利用して、管との更なる係合が提供される。これは特に管状要素5’と継手3’の相対移動の発生に備えるものである。
【0061】
図4には、本発明の管連結体101の第3の実施形態の部分断面図が示されている。管連結体1及び1’に対応する管連結体101の要素は、100を加えているが、それぞれ同一番号を有している。
【0062】
前述した実施形態に比べると、図4の実施形態では第1の連結体111への少なくとも部分的なプレスが、キャップ要素133によって達成される。図4からわかるようにキャップ133は傾斜した内表面を持っており、キャップ133が図4のBの方向に押されると第1の連結要素111が圧縮され、特にフック要素121がクリンプ107の中へ押し付けられる。キャップ133の移動は非表示のねじによって達成されてもよい。
【0063】
図5には、本発明の管連結体201の第4の実施形態の部分断面図が示されている。管連結体1に対応する管連結体201の要素は、200を加えているが、同じ番号となっている。
【0064】
前述の実施形態とは対照的に、第1の連結要素の各フック要素は継手203の中に形成されるのではなく、管状要素の中に設けられて、請求項での第2のフック要素を表す、フック要素235の形態となっている。フック要素235は、継手203内に形成された、請求項での第1のクリンプであるクリンプ237と協働する。
【0065】
図5では管連結体201が連結状態で示されている。これは、継手203が少なくとも部分的に、特に第1の連結要素211の領域で圧縮されて、圧入及び嵌合によってクリンプ237が管状要素205に形成されたフック235に係合するようになっている。圧縮の前には、クリンプ237は、管状要素205、具体的にはフック235を受け入れるための大きな直径を有していた。特に端部要素239が継手203の直径を与え、これがフック235の領域において管状要素205の直径よりも大きかった。
【0066】
図6は、本発明の管連結体301の第5の実施形態の部分断面図を示す。管連結体1に対応する管連結体301の要素は、300を加えているが、同じ番号となっている。
【0067】
管連結体301は、(第2の)クリンプ307も(第1の)フック要素321も、それぞれ管状要素305と継手303に予め成形されてはいないことが管連結体1との主な相違点である。クリンプ307およびフック要素321のいずれも、第1の連結要素311の直径が少なくとも部分的に縮小されたときに形成されたものである。
【0068】
したがって、非連結状態では、継手303と管状要素305は、概略平坦あるいは円筒形の断面形状を有している。ただしプレスによってフック要素321が形成され、フック要素321を介して管状要素305の表面に伝達される圧力によりクリンプ307が形成される。ただし、それでもクリンプ307とフック要素321との間に嵌合が達成され、フック要素321とクリンプ307の環状形状のお陰で高圧力においても管状要素305と継手303の間の相対移動は回避されるようになっている。
【0069】
図7では、管連結体401の形態をした本発明の第6の実施形態が示されている。管連結体1に対応する管連結体401の要素は、400を加えているが同じ番号となっている。
【0070】
前述した管連結体1,1’,101,201,301とは対照的に、継手403と管状要素405との間の嵌合および圧入は、フック/クリンプ連結ではなく2つのクリンプ間の連結によって達成される。管連結体1と同様に、管状要素405は(第2の)クリンプ407を含んでいる。管連結体201と同様に、管状要素403は(第1の)クリンプ437を含んでいる。クリンプ407とクリンプ437との間の嵌合および圧入連結を達成するために、ラッチリング441の形状をした固定要素がクリンプ内に配置される。管状要素405を継手403に連結するために継手403が管状要素405の上に押し込まれるときに、ラッチリング441がクリンプ407内に配置される。ただし継手403を押し込む前のこの時点で、管状要素405の直径が、特にクリンプ437の領域において拡大され、ラッチリング441がクリンプ437の領域に配置可能となる。第1の連結要素411の直径が少なくとも部分的に縮小されると、クリンプ437がラッチリング441に係合して、管状要素405と継手403の嵌合および圧入連結に至る。
【0071】
図8aは本発明の第7の実施形態による配管連結体501の断面図である。配管連結体1に対応する配管連結体501の要素は、500を加えているが、同じ番号となっている。配管連結体101と同じように、配管連結体501はキャップ533を備えている。キャップ533は、継手本体543とスリーブの形態をしたキャップ533とを備える継手503の一部を成す。
【0072】
さらに配管連結体501は、前に述べた配管連結体、特に継手とは、フック要素521が複数の舌545上に形成された複数の歯547によって形成されているという点で異なっている。それぞれが管状要素505の円周の一部のみしか覆っていない歯547に加えて、舌545がさらに各スリーブリテーナ549を備えている。
【0073】
図8aは、配管連結体501の連結前の状態を示す。すなわちフック要素521は嵌合されているがクリンプ507に圧入された状態ではない。スリーブ533を継手本体543の方向に押し込むことにより、スリーブ533の内側の係合面551がフック要素521の表面に接触し、図8bに示すようにフック要素521の径方向外向きの移動が禁止される。さらにこの位置において、係合要素553がスリーブリテーナ549に連結され、スリーブ533は図8bに示す位置に保持される。
【0074】
図示されていない実施形態において、スリーブと継手はネジ連結および/またはバヨネット連結により連結可能であってもよい。こうして、スリーブを回転させることで、継手に沿うスリーブの長手方向の移動が生じる。
【0075】
図9aには、配管連結体601としての本発明の8番目の実施形態の部分断面図が示されている。配管連結体1の要素に対応する配管連結体601の要素は、600を加えているが、同じ番号となっている。配管連結体601は、金属継手603と、少なくとも部分的にプラスチック材料で作られた管状要素605から成っている。
【0076】
管状要素605を通して電気接続を可能とするために、管状要素は導電性パイプ層655を備えている。さらに管連結体601はパイプインサート657を含んでいる。パイプインサート657は管状要素605内に部分的に挿入され、窪みを含んでいる。この窪みは連続した厚さを有する第5番目のクリンプ659であってもよいし、あるいは切込みや圧痕、または他の任意の形成方法で形成されてもよい。
【0077】
さらにパイプインサート657には第1の隙間661があって、Oリング663の形状をした第2のシール要素がそこに挿入される。Oリング663によって、管状要素605とパイプインサート657との間の空隙が密封される。さらにパイプインサート657には第2の隙間665があって、Oリング667の形状をした第3のシール要素がそこに挿入される。Oリング667によって、パイプインサート657と継手603との間の空隙が密封される。
【0078】
図9bでは管連結体601が連結状態で示されている。図9bからわかるように、連結体611の一部を径方向にプレスすることにより、管状要素605がフック要素621とクリンプ659のそれぞれの領域で変形している。この変形により第1のクリンプ607が管状要素605内に形成される。さらに図9a、図9bからわかるように、段差625が継手603に対してパイプインサート657を整列させるためのアライメント要素の機能を果たす。さらに、パイプインサート657内に形成された段差669によって管状要素605がパイプインサート657に対して整列し、その結果継手603に対して整列する。
【0079】
パイプインサート657の使用により、ユーザはマークを付けて管状要素605に対する継手603の正しい位置をより正確にチェックすることが可能となる。この目的のために、継手603をプレスする前にユーザは段差669を利用してパイプインサート657を管状要素605に整列させることができる。第1のステップで、ユーザは段差669を管状要素605の端部623に当接させて、管状要素605の端部をパイプインサート657と横並びに配置する。次にユーザは、管状要素605の外側に第5のクリンプ659が配置される位置をマークする。すなわちユーザは、クリンプ659を深さ方向刻印のガイドとして利用する。次のステップで、ユーザは図9aに示すようにパイプインサート657を管状要素605の中へ挿入して継手603をプレスする。
【0080】
配管連結体601が正しく連結されると、マーク位置がフック要素621の下に来る。したがってマーク位置とフック要素621とが一致しない場合には、ユーザは継手603が正しく連結されていないことがわかる。
【0081】
図9c~図9eには管連結体601の変形例が示されている。図9aと図9cの比較からわかるように、パイプインサート657内のクリンプ659が異なる断面形状であってもよい。
【0082】
さらに、管連結体は図9dに示すように、パイプ層655とパイプインサート657との電気接続をする、パイプ導電体671を備えてもよい。
【0083】
そのような接続は、図9eに示すように管状要素605の外へ延伸するパイプ層655によって与えられてもよい。
【0084】
図10には配管連結体701が示されている。これは本発明の実施形態ではないが、それを理解する助けとなる。配管連結体601の要素に対応する配管連結体701の要素は、窪みである要素707を除いて、100を加えているが、同じ番号となっている。図示されていない配管連結体701の代替例では、要素707は本発明で云うところのクリンプとして形成されてもよい。すなわちクリンプ707の領域において管状要素の壁厚は大部分で一定である。
【0085】
図10からわかるように、パイプインサート757は平坦または平面的な表面であって、特に追加的なクリンプがなくてもよい。このクリンプがないにも拘らず、連結体711をプレスすることでフック要素721が管状要素705を変形させて707上に窪みを形成し、これがフック要素721に嵌合して圧入連結される。
【0086】
図11では、管連結体801の形態をした本発明の第9の実施形態が示されている。配管連結体601の要素に対応する配管連結体801の要素は、200を加えているが、同じ参照番号となっている。
【0087】
管連結体601と比較すると、管連結体801はパイプインサート857を備え、これが外表面に歯形873の把持構造を提供している。
【0088】
図12aには配管連結体801の変形例が配管連結体901の形で示されている。これは本発明の実施形態を表すものではないが、本発明の理解に役立つ。配管連結体601に対応する配管連結体901の要素は、要素907を除いて、300を加えているが同じ参照番号となっている。管連結体901では、パイプインサートはクリンプ859に対応するクリンプを含んでいない。ただし、パイプインサート859の外表面のほぼ全面に、歯973を持つ把持構造が形成されている。
【0089】
図12bでは管連結体901が連結状態で示されている。連結体911をプレスすることで、管状要素905が変形して窪み907が形成され、ここにフック要素921が嵌合および圧入する形で係合する。図示されていない配管連結体901の代替例では、要素907は本発明で云うところのクリンプとして形成されてもよい。すなわちクリンプ907の領域において管状要素の壁厚は大部分で一定である。
【0090】
特許請求の範囲、明細書、および図面に開示された特徴は、その種々の実施形態において個別に、または任意の組合せで、特許請求の範囲に記載された主題に関連してもよい。
【符号の説明】
【0091】
1、1’、101、201、301、401、501、601、701、801、901 配管連結体
3、3’、103、203、303、403、503、603、703、803、903 継手
5、5’、105、205、305、405、505、605、705、805、905 管状要素
7、7’、107、207、307、407、507、607 クリンプ
707、907 窪み
9、9’、109、209、309、409、509、609、709、809、909 端部
11、11’、111、211、311、411、511、611、711、811、911 連結体
13、13’ 端部
15 ねじ
17、17’、117、217、317、417、517、617、717、817、917 溝
19、19’、519、619、719、819、919 Oリング
21、21’、121、321、521、621、721、821、921 フック要素
23、23’、123、223、323、423、523、623、723、823、923 端
25、125、225、325、425、525、625、725、825、925 段差
25’ 突起
27’ 溝
29’ フック要素
31’ 刃
133、533 キャップ
235 フック要素
237、437 クリンプ
239 端部要素
441 ラッチリング
543 継手本体
545 舌部
547 歯
549 スリーブリテーナ
551 係合面
553 係合要素
655、755、855、955 パイプ層
657、757、857、957 パイプインサート
659、859 クリンプ
661、761、861、961 隙間
663、763、863、963 Oリング
665、765、865、965 隙間
667、767、867、967 Oリング
669、769、869、969 段差
671 パイプ導体
873、973 歯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9a
図9b
図9c
図9d
図9e
図10
図11
図12a
図12b