(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】イオン導入用接着性高分子マトリックス及び同マトリックスを有するイオン導入装置
(51)【国際特許分類】
A61N 1/30 20060101AFI20220426BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20220426BHJP
A61K 8/365 20060101ALI20220426BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20220426BHJP
A61K 8/63 20060101ALI20220426BHJP
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A61K 8/87 20060101ALI20220426BHJP
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A61K 33/06 20060101ALI20220426BHJP
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A61K 47/34 20170101ALI20220426BHJP
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A61P 7/10 20060101ALI20220426BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20220426BHJP
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A61P 21/00 20060101ALI20220426BHJP
A61P 21/02 20060101ALI20220426BHJP
A61P 25/02 20060101ALI20220426BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20220426BHJP
A61P 25/08 20060101ALI20220426BHJP
A61P 25/20 20060101ALI20220426BHJP
A61P 25/26 20060101ALI20220426BHJP
A61P 27/14 20060101ALI20220426BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220426BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20220426BHJP
A61P 31/10 20060101ALI20220426BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220426BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20220426BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220426BHJP
C07D 213/67 20060101ALN20220426BHJP
C07D 213/80 20060101ALN20220426BHJP
C07D 231/34 20060101ALN20220426BHJP
C07D 233/06 20060101ALN20220426BHJP
C07D 279/28 20060101ALN20220426BHJP
C07D 307/62 20060101ALN20220426BHJP
C07D 309/32 20060101ALN20220426BHJP
C07D 415/00 20060101ALN20220426BHJP
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C07D 475/14 20060101ALN20220426BHJP
C07D 499/46 20060101ALN20220426BHJP
C07H 19/23 20060101ALN20220426BHJP
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C08B 37/08 20060101ALN20220426BHJP
【FI】
A61N1/30
A61K8/34
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A61K8/63
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A61P35/00
A61P37/08
A61P43/00 111
C07D213/67
C07D213/80
C07D231/34
C07D233/06
C07D279/28
C07D307/62
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C07D415/00
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C07D475/14
C07D499/46
C07H19/23
C07J5/00
C08B37/08 Z
(21)【出願番号】P 2017549636
(86)(22)【出願日】2016-03-23
(86)【国際出願番号】 EP2016056336
(87)【国際公開番号】W WO2016150994
(87)【国際公開日】2016-09-29
【審査請求日】2019-03-19
【審判番号】
【審判請求日】2020-11-24
(32)【優先日】2015-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515188590
【氏名又は名称】フィーリグリーン
【氏名又は名称原語表記】FEELIGREEN
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビアンキ クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】グラヴリーヌ エロディ
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】井上 哲男
【審判官】倉橋 紀夫
(56)【参考文献】
【文献】特表平5-506583(JP,A)
【文献】特公平6-69442(JP,B2)
【文献】特開平7-8466(JP,A)
【文献】特開2000-219623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/00-1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚に適用される第1の面及び電極と協働する第2の面を備えた、イオン導入により有効成分を伝達する接着性高分子マトリックスであって、
複数の導電性領域と、
少なくとも1つの絶縁性領域とを備え、
各導電性領域は、絶縁性領域によって他の導電性領域から絶縁され、
前記マトリックスは、少なくとも1つのポリマーと、少なくとも1つの接着剤と、を含む混合物を備え、
2つの導電性領域を分離させる前記少なくとも1つの絶縁性領域の最小幅が1mmであ
り、
前記少なくとも1つのポリマーとして、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリビニル・アルコール、ポリエチレン、ポリビニルピロリドンから選択されるものであり、前記少なくとも1つの接着剤として、アクリル酸、ポリアクリレート、ポリイソブチレン、ポリビニルピロリドン、シリコンから選択されるものであることを特徴とするマトリックス。
【請求項2】
前記導電性領域は、伝達されるべき有効成分を少なくとも1つ有していることを特徴とする請求項1に記載のマトリックス。
【請求項3】
前記導電性領域は、電流を供給する電極と協働するように構成され、
各導電性領域の前記少なくとも1つの有効成分は、対応する領域と協働する前記電極の極性に応じて正または負イオンが移動するよう
に選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載のマトリックス。
【請求項4】
前記複数の導電性領域は、それぞれ異なる有効成分を有していることを特徴とする請求項2又は3に記載のマトリックス。
【請求項5】
前記導電性領域及び前記絶縁性領域は、前記マトリックスの全厚さに亘って延びることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のマトリックス。
【請求項6】
少なくとも1つの可塑剤を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のマトリックス。
【請求項7】
吸収促進剤を備えることを特徴とする請求項6に記載のマトリックス。
【請求項8】
少なくとも2つの電極と、前記電極に電気的に接続されたエネルギ源と、を備え、
請求項1から7のいずれか一項に記載の接着性高分子マトリックスを有することを特徴とする、イオン導入装置。
【請求項9】
前記接着性高分子マトリックスの前記導電性領域が前記電極に接続されていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン導入用接着性高分子マトリックス及び同マトリックスを有するイオン導入装置に関する。
また、本発明は、活性物質の経皮拡散を容易にするための電流の利用技術に関し、具体的には、イオン導入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イオン導入とは、電流を介して活性物質を皮膚の真皮へと導くために、化粧品及び/又は医療目的で用いられる技術である。
【0003】
イオン導入装置は、投与される活性物質を含んだ貯蔵器やパッチを備える。これらの貯蔵器やパッチは、装置と使用者の皮膚との間に設けられる。この装置の目的は、電流を介して、活性物質を貯蔵器又はパッチから真皮へ運ぶことにある。電流は、真皮を介して電極間を循環するものでなければならないが、実際のところ、電流器によっては非常に僅かな電流が真皮間を循環する。したがって、活性物質の投与の効果が減少してしまう。
【0004】
したがって、活性物質を真皮へと運ぶ処理を改善できる解決手段が望まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、皮膚に適用されるように構成された第1の面と、電極と協働するように構成された第2の対面とを備えたイオン導入用接着性高分子マトリックスに関する。該マトリックスは、複数の導電性領域と少なくとも1つの絶縁性領域とを備え、各導電性領域は絶縁性領域により他の導電性領域と電気的に絶縁される。
【0006】
かかるマトリックスにより、真皮を通る電流の最適流路を確保できる。反対の極性を有する2つの電極間の電流の循環は真皮のみを通過することができ、マトリックスを通して2つの導電性領域の間に導電性の流路は存在しない。したがって、本発明に係るマトリックスはイオン導入の効果にマイナスの影響を与える漏れ電流を全て排除することができる。電流は皮膚を介して2つの導電性領域の間を循環するため、投与されるべき少なくとも1つの有効成分をもたらす。
【0007】
別の側面にあっては、本発明は電極とエネルギ源、そして上記したマトリックスを備えるイオン導入装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図面は例示であり、本発明を限定するものではない。これらの図面は本発明の理解を容易にするための概略であって、実際の縮尺と一致するものとは限らない。
【0009】
【
図1】
図1は、本発明に係るマトリックスの導電性領域及び絶縁性領域の配置の一例を示す平面図である。
【
図2】
図2は、皮膚に適用される本発明の装置の断面図である。
【
図3】
図3は、本発明に係るマトリックスの導電性領域及び絶縁性領域の配置の別の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施例の詳細な説明の前に、本発明の特徴と共に又はこれに代えて選択的に用いることのできる特徴を列挙する。
【0011】
先ず、本発明はイオン導入による有効物質の伝達のための接着性高分子マトリックスに関するものであって、該マトリックスは、皮膚に適用されるように構成された第1の面と、電極と協働するように構成された第2の面とを備える。また、該マトリックスは複数の導電性領域と、少なくとも1つの絶縁性領域とを備え、各導電性領域は絶縁性領域により他の導電性領域と電気的に絶縁される。
【0012】
有利には、本発明に係るマトリックスにあっては、導電性領域は伝達される少なくとも1つの有効成分を有する。
【0013】
また、有利には、前記複数の導電性領域は、電流を提供する電極と協働するように構成され、各導電性領域の上記少なくとも1つの有効成分は、その領域と協働する電極の分極に応じて選択される。
【0014】
また、有利には、前記複数の導電性電極は異なる有効成分を有する。
【0015】
また、有利には、2つの導電性領域を分ける前記少なくとも1つの絶縁性領域の最小幅は1mmである。
【0016】
また、有利には、領域はマトリックスの全厚さに亘って延びる。
【0017】
また、有利には、マトリックスは少なくとも1つのポリマーと、少なくとも1つの接着剤と、少なくとも1つの可塑剤とを備える。
【0018】
また、有利には、マトリックスは吸収促進剤を備える。
【0019】
本発明は、イオン導入装置に関し、該装置は、少なくとも2つの電極と該電極に電気的に接続されたエネルギ源とを備えると共に、接着性高分子マトリックスを有する。有利には、接着性高分子マトリックスの導電性領域は電極に接続される。
【0020】
本発明は、イオン導入用接着性高分子マトリックスに関する。該マトリックス1は、第1の面7と第2の対面8とを備える。第1の面7は使用者の皮膚、有利には治療部位に適用されるためのものである。第2の面8は、イオン導入装置、具体的にはその電極5a,5bと協働するように構成される。
【0021】
イオン導入装置は、電極5a,5bとエネルギ源6とを備える。該装置は、電極のみが外部のエネルギ源と電気的に接続されるものとしたり、本願の出願人の先の特許出願に開示されるようなパッチのようなものとしたり、様々な形態をとることができる。好適には、本装置は、電子モジュール、有利には、例えば制御ボタンのような起動手段を備える。該電子モジュールは、有利には制御手段と生理学的パラメータ(例えば、温度、pH、圧力、相対湿度、抵抗率)の測定手段とを備える。
【0022】
電子モジュールは、有利には電極5a,5bに供給される電流を制御するためのものである。電子モジュールは、強度、電圧、及び/又は管理時間の制御を可能とする。1つの可能性として、電子モジュールはマイクロプロセッサを備える。
【0023】
1つの可能性としては、エネルギ源6は、充電式アキュムレータやバッテリといった、電圧発生器等を介して電極5a,5bに電圧を供給できる電気エネルギのソースである。エネルギ源6としては種々考えられる。有利には、エネルギ源6には、エネルギ回収装置又はバッテリを介する独立したエネルギ発生器等を使用することができる。
【0024】
有利な実施例にあっては、電子モジュールはエネルギ源(有利には独立した電流源)を有する。かかる構成は、本発明に係る装置を移動可能とする点で特に有利である。
【0025】
本装置は、強度を制御した電流を供給するように構成することが有利である。好適には、その強度Iは1mA以下である。
【0026】
電極5a,5bは、マトリックス1(好ましくはその厚さ及び具体的には、後述する導電性領域2)を介して皮膚4へ電流を伝達可能とする。
【0027】
本発明の装置は、有利には昇圧トランスを備える。該昇圧トランスは、有利には電子モジュール内に設けられる。昇圧トランスにより電極に供給された電圧を、エネルギ源の電圧から昇圧させることが可能となる。
【0028】
好適な実施例にあっては、マトリックス1を装置から分離、即ち移動させることができる。有利には、装置は再利用できる。マトリックス1は、1回又は(装置の使用可能回数未満の)複数回使用できる消耗品である。マトリックスは廃棄可能である。このことは、本装置が電極5a,5bを有していることに鑑みれば、省エネや経済的視点において非常に有意義である。
【0029】
本発明に係る装置は、コストのかかる電極要素は再利用しつつ、一度しか使えない装置又は少なくとも一人の患者にしか使用されない装置を提供する。
【0030】
本発明によれば、マトリックス1は柔軟性のある布材からなる。その柔軟性は、輪郭部の2点を、マトリックス1自体を破損することなく、互いに重ね合わせることを可能とする。また、この柔軟性は、本装置に該マトリックス1が接続されて固定された場合であっても維持される。
【0031】
好適には、マトリックス1の厚さは25~60μmである。マトリックスの柔軟性は、対象となる身体の適用領域と該マトリックスとを適合可能とする。
【0032】
本発明に係る装置とマトリックス1とは、使用者が容易に困難等を感じることなく、ヒトの身体のあらゆる領域において使用可能なものである。
【0033】
マトリックス1は、少なくとも使用者の皮膚4に投与されるべき有効成分を含む。有効成分とは、使用者に対して治療効果又は美容効果を奏する物質である。
【0034】
本発明に係るマトリックス1は、複数の導電性領域2と、少なくとも1つの絶縁性領域3とを備える。導電性領域2は、少なくとも1つの絶縁性領域3によって互いに絶縁される。有利には、導電性領域2はイオン導入装置の電極5a,5bと協働する。
【0035】
導電性領域2は、装置の電極5a,5bとマトリックス1が適用される皮膚との間の電気的伝導を可能とするように構成される。電流は、第2の面8から第1の面7まで、マトリックス1、即ちマトリックス1の厚さに沿って流れる。
【0036】
絶縁性領域3は、特に導電性領域2の間における電気的伝導を絶縁するように構成される。
【0037】
例えば、マトリックス1の導電性領域2内にイオン化された有効成分が存在することは、該領域に導電性を付与するのに十分である。これに対し、絶縁性領域3にイオン化された有効成分及びその他のイオン化された元素が存在しないことが、該領域において導電性に対する抵抗性を付与するのに十分である。
【0038】
後述するマトリックス1を製造する方法にあっては、マトリックス1は、該マトリックス1の基礎を形成する、例えばシリコンの膜を備える。この膜は高分子マトリックスのポリマー内に埋め込まれる。
【0039】
導電性領域2と絶縁性領域3とは、マトリックス1の全厚さに亘って形成される。
【0040】
好ましくは、導電性領域2は少なくとも1つの有効成分を含み、絶縁性領域3は有効成
分を一切含まない。
【0041】
好適な例にあっては、各導電性領域2の有効成分は、該領域と協働する電極5a,5bの分極に応じて選択される。
【0042】
有利には、電極は、少なくとも1つの電極が、その他の少なくとも1つの電極と反対の極性を有するように選択され、好ましくは、2つの電極ごとに逆極性を有するように選択される。これにより、導電性領域2と他の導電性領域2との間を電流が皮膚を通って循環できるようになる。
【0043】
少なくとも2つの導電性領域2を分離させる絶縁性領域3の最小幅は、十分な絶縁性を提供するため、1mmとされる。
【0044】
ある実施例にあっては、マトリックス1は、少なくとも1つの絶縁性領域3によって分離された複数の導電性領域2a,2b,2c,2d...を備える。各導電性領域は、協働する電極5の分極に応じて選択された、それぞれ異なる有効成分を有する。1つの可能性にあっては、マトリックス1は、連続したイオン導入が可能となるように構成される。即ち、各導電性領域2の有効成分が連続して投与される。装置は、電極5を介して連続的に導電性領域2に電流を提供するように構成される。これにより、治療効果を高めるべく有効成分が順次投与される。
【0045】
各導電性領域2a,2b,2c,2dは、それぞれ少なくとも電極5a,5bによって接続される。
【0046】
例えば、電極5aと協働するように構成された導電性領域2では、有効成分は疾患、症
状、又はこれらの有効成分が利用され得る徴候を示す以下のリストの中から選択される:
・ペニシリン
・スルホンアミド10%:フルンケル
・ニコチン酸
・ヨウ化カリウム1~3%:抗がん剤、血管緊張、抗関節症、神経緊張、線維素溶解(fibrolytic)、交感神経系の緊張、肥厚性瘢痕、動脈硬化、関節症、関節炎、拘縮のない半身麻痺による後遺症、末梢神経傷害
・ヨウ化ナトリウム1~3%:硬化性・付着性の傷、ケロイド、関節の硬直、デュプイトラン(Dupuytren)拘縮
・サリチル酸ナトリウム1~3%:抗リウマチ剤、鎮痛剤、抗浮腫、関節症、PSH、神経痛、静脈周囲炎
・硫黄華
・1バイアル中ヒアルロニダーゼ150u:拡散剤、抗浮腫、局所浮腫、胸水、リンパ管炎
・ヒドロコルチゾン1%:ステロイド系抗炎症剤、骨粗しょう症を伴わないリウマチ性炎症
・コハク酸プレドニゾロン1%:ステロイド系抗炎症剤、骨粗しょう症を伴わないリウマチ性炎症
・ケレステン:ステロイド系抗炎症剤、骨粗しょう症を伴わないリウマチ性炎症
・ベータメタゾン:ステロイド系抗炎症剤+ムコポリサッカリダーゼ、関節症、慢性関節病、腱炎、側関節病、デュプイトラン拘縮及びペーロニー病、ケロイド
・ペルキュタルジン(percutalgine):ステロイド系抗炎症剤、骨粗しょう症を伴わないリウマチ性炎症、関節炎、関節病
・ケトプロフェン:非ステロイド系抗炎症剤
・ムコポリサッカリダーゼに付随するプロフェニド(profenid)50:関節症、側関節病
・ジクロフェナク7:非ステロイド系抗炎症剤
・ムコポリサッカリダーゼに付随するボルタレン:非関節性疾患
・フェルニブタゾン:非ステロイド系抗炎症剤
・ブタゾリジン:リウマチ性炎症、心的外傷後炎症
・リチアのサリチル酸塩1%:抗尿酸血症、通風性及びパラ通風性疾患
・ムコポリサッカリダーゼ:拡散剤、セルライト、浮腫、血腫、抗炎症剤の浸透のためのベース
・イドロシルアミド(idrocilamide):筋弛緩剤
・スリラン(srilane):抗炎症剤
・ブリリテイン(brolitene):筋拘縮、痛み、腱炎
・チオムス(thiomucase):抗浮腫、消散剤、リンパ浮腫、セルライト
・ユークリダン(euclidan):抗炎症剤、血管拡張剤、神経性ジストロフィ(algoneurodystrophy)、末梢循環
・ニカメテート(nicametate) 2アンプ:抗炎症剤、神経性ジストロフィ(algoneurodystrophy)
・アルファムカーゼ:抗浮腫、神経性ジストロフィ(algoneurodystrophy)
・塩化カルシウム:線維素溶解(fibrolytic)、傷
・塩化ナトリウム:線維素溶解(fibrolytic)、傷
・トリヨードチロ酢酸(triiodothyroacetic acid):脂肪分解、セルライト
【0047】
例えば、アノード電極5bと協働するように構成された導電性領域2では、有効成分は疾患、症状、又はこれらの有効成分が利用され得る徴候を示す以下のリストの中から選択される:
・カバイン(carbaine)5%:局所麻酔、痛覚過敏
・クロルプロエタジン:筋弛緩剤
・ニューリプレジ(neuriplege):拘縮、痙攣体質、筋肉痛
・テタニール(tetanil):筋弛緩剤、痙攣体質
・アルファキモトリプシン(alphachymotrypsine):拡散剤、抗浮腫、挫傷、捻挫、浮腫
・アルファキュタニ(alphacutanee):拡散剤、抗浮腫、挫傷、浮腫
・凍結乾燥甲状腺:脂肪分解、脂質異化剤、肥満
・トリヨードチロ酢酸(triiodothyroacetic acid):脂肪分解、肥満
・インフラニル(inflanil):抗リウマチ剤、関節炎、腱炎、関節疾患
・有機シリカ:結合組織再生剤、ストレッチマーク、局所性セルライト
・リチアのサリチル酸塩:抗リウマチ剤、小関節の関節症
・アドレナリン:血管収縮剤、抹消循環
・アコニチン硝酸塩:抗神経痛、鎮痛剤、神経痛、三叉神経の神経痛、ヘルペス後神経痛
・ペルキュタルジン(percutalgine):鎮痛剤、腰痛、靭帯痛、腱痛
・アピシン(apisin)、アピキュア(apicure、ハチ毒):肋間神経痛
・硝酸銀:関節抗リウマチ剤
・アセチルコリン0.5%
・ビタミンB
・塩化カルシウム:鎮静剤、再石灰化、痛覚過敏、痙性片麻痺、骨粗しょう症、痙攣体質、神経性ジストロフィ、関節の硬直
・塩化亜鉛:防腐剤、慢性結膜炎、婦人科、ENT
・硫化亜鉛:婦人科、ENT
・塩化マグネシウム:鎮静剤、鎮痙性、痙攣体質、いぼ
・硫化マグネシウム:痙攣体質、いぼ
・塩化アンモニウム:線維素溶解、関節の硬直
・フラキシジル(flaxedyl):合成クラーレ状薬剤、筋弛緩剤、拘縮、斜頸、背痛、腰痛、リウマチ型筋拘縮、痙攣体質
・ドリル(doryl)0.1%
・ヒスタミンクロリデレート(histamine chlorydrate):腰痛、痛覚過敏、坐骨神経痛
・ヒスタミンビクロリデレート(histamine bichlorydrate):誘導薬、血管拡張剤、関節疾患
・エピネフリンリン酸塩(epinephrine phosphate):血管収縮剤、ぜんそく、末梢循環
・硫酸銅:防腐剤、殺菌、真菌症
・コカイン
・プロカイン
・ノボカイン:局所麻酔、鎮痛剤、三叉神経の神経痛、帯状疱疹
・クエン酸カリウム:痙攣体質、いぼ
・ペルカイン(percaine)2~5%
・プリスコール5~10%
・ラドン100000EM
・コルチコステロイド1%:関節リウマチ、(celestene、betnesol)、通風
・ヒドロコルチゾン1%:関節リウマチ、通風
・ヒスタコン(histacone)
・ペニシリン
・臭素
・ビオミシン(biomycine)
・ブタゾリン(butazoline)
・ストレプトミライン(streptomyline)
【0048】
有利なことに、マトリックス1は、弾力性を持つポリウレタン、絶縁能力を持つポリシロキサン、物理的強度及び透明性を持つポリメチル・メタクリレート、親水性及び強度を持つポリビニル・アルコール、硬度と頑健性と膨張性とを持つポリエチレン、懸濁性を持つポリビニルピロリドン、から選択される少なくとも1つのポリマーを有する。
【0049】
好ましくは、マトリックス1は接着性を有し、適用される皮膚に一時的に貼り付けられる糊等から構成される。そのため、マトリックス1は、アクリル酸、ポリアクリレート、ポリイソブチレン、ポリビニルピロリドン、シリコン、から選択される少なくとも1つの接着剤を有する。
【0050】
ある実施例にあっては、マトリックス1は、ソリビトール、グリセロール、プロピレングリコール、から選択される少なくとも1つの可塑剤を有する。
【0051】
1つの可能性として、マトリックス1は溶剤を有する。
【0052】
ある実施例にあっては、マトリックス1は、水、アルコール、プロピレングリコールのような脂肪アルコール、アミノ酸、アミド、エステル、PEG等のエーテル、テルペン、テルペノイド及び精油、スルホキシド、脂質、から選択される吸収促進剤を有する。
【0053】
好適な実施例にあっては、マトリックス1は以下の手法を用いることができる。接着剤の溶液をポリマーの溶液と混合して混合液Aを生成する。次に、可塑剤と少なくとも1つの有効成分とを含む溶液を混合液Aに混入させ、混合液Bを生成する。混合液Bは、有利には200rpm未満の速度で一晩ゆっくりと攪拌され、その後、該混合液は、シリコン等の膜の少なくとも一部に注がれる。
【0054】
上記製造工程はスクリーン印刷を介して実行される。これらの処理は、上記したシリコン等の同一膜上に、それぞれ別の導電性領域2や絶縁性領域3を形成するために繰り返される。アセンブリは乾燥炉において、例えば30分間、80℃で乾燥させられる。こうして得られるマトリックス1は、乾燥機で保管される。
【0055】
マトリックス1が、種々の有効成分をそれぞれ含む複数の導電性領域2a,2b,2c,2dを備える実施例にあっては、上記した処理は導電性領域毎に実行される。
【0056】
本発明に係る装置は、化粧品や医療目的に利用することができる。本装置をイオン導入のために用いる場合、活性物質(例えば、脱色素作用を有するビタミンA又はレチノール、局所麻酔効果を有するリドカイン、再生・瘢痕性を有するヒアルロン酸、ニキビの治療に用いられるレチノイン酸、抗酸化作用を有するビタミンC、紅斑の治療に用いられるβアラニンアセト酢酸といったイオンキレート剤、皮膚の質感を改善するグリコール酸、抗炎症作用を持つリン酸デキサメタゾンナトリウム、又は、電流によって運べるようにイオン化された若しくはアニオン性やカチオン性のエマルジョン形態にされたその他の活性成分)を真皮の中に浸透させる目的で用いられる。
【0057】
有利な可能性にあっては、本装置は、複数のアノードと該アノードと交差する複数のカソードとを備える。かかる構成では、全電流が複数のアノード-カソード回路に振り分けられ、アノードからカソードへと循環する電流の強度が、好ましくは1mA/cm2未満となる。さらに、外部、即ち本装置の外側に力線が形成されるのを防ぐため、両端に設けられた2つの電極は同じ極性を有する。即ち、2つのアノードと2つのカソードとを有する。
【符号の説明】
【0058】
1 マトリックス
2 導電性領域
3 絶縁性領域
4 皮膚
5a,5b 電極
6 エネルギ源
7 第1の面
8 第2の面