(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】骨組織に穴を準備する滑り止め付き手術用器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/16 20060101AFI20220426BHJP
A61B 17/56 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
A61B17/16
A61B17/56
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018003161
(22)【出願日】2018-01-12
【審査請求日】2020-11-27
(32)【優先日】2017-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518012593
【氏名又は名称】ケービー メディカル エスアー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】シモン,コストルチェフスキー
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0008011(US,A1)
【文献】特開2001-212151(JP,A)
【文献】特開2016-209744(JP,A)
【文献】特開2003-245283(JP,A)
【文献】特表2015-508313(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0098710(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/16
A61B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術中に患者の骨組織に穴を準備する滑り止め付き手術用器具であって、
細長構造を有する前記滑り止め付き手術用器具が、
前記細長構造の端部に、前記滑り止め付き手術用器具が前記骨組織と接触するとき前記手術用器具の滑りが低減された状態で骨組織を取り除くためのミルヘッドであって、前記細長構造の長手方向軸に実質的に垂直な平端部と、前記細長構造の前記長手方向軸を中心とした、前記骨組織内に切り込むための1つ又は複数の側面切削フルートを有するミルヘッドと、
ドリルに接続するためのシャンクと、
前記ミルヘッドと前記シャンクとの間のシャフトであって、取り除いた骨組織を逃がすための1つ又は複数のドリルフルートを有するシャフトと、
深度制御と、を備え
、
前記深度制御が、前記滑り止め付き手術用器具の回転開始時を表示する第1部分と、前記滑り止め付き手術用器具の回転停止時及び深さ方向への侵入の停止時のうち少なくとも1つを表示する第2部分と、を備える、滑り止め付き手術用器具。
【請求項2】
前記深度制御が、1つ又は複数のマーキングを備える、請求項1に記載の滑り止め付き手術用器具。
【請求項3】
前記深度制御が1つ又は複数の色を備える、請求項1に記載の滑り止め付き手術用器具。
【請求項4】
前記深度制御が、
深さ止めを備え、
前記深さ止めは、前記深さ止めの位置が変更されるにつれ、前記滑り止め付き手術用器具の侵入の深さが変化するよう、前記滑り止め付き手術用器具に調整可能に取り付けられ
る、請求項1に記載の滑り止め付き手術用器具。
【請求項5】
前記シャフトが、1つ又は複数のノッチを備え、前記深度制御が、前記滑り止め付き手術用器具に取り付けられるとき、前記1つ又は複数のノッチのうち少なくとも1つに係合する、請求項1に記載の滑り止め付き手術用器具。
【請求項6】
前記ミルヘッドから延在するスパイクを備える、請求項1に記載の滑り止め付き手術用器具。
【請求項7】
前記ミルヘッドが凹状面を備える、請求項
6に記載の滑り止め付き手術用器具。
【請求項8】
前記手術用器具に挿管を備える、請求項1に記載の滑り止め付き手術用器具。
【請求項9】
前記挿管が、前記細長構造の端部に穴を備える、請求項
8に記載の滑り止め付き手術用器具。
【請求項10】
前記ミルヘッドからのエネルギーを吸収するコンプライアント部を備える、請求項1に記載の滑り止め付き手術用器具。
【請求項11】
前記ミルヘッドの前記端部が、前記骨組織に軸方向に切り込む1つ又は複数の端部切削フルートを有する、請求項1に記載の滑り止め付き手術用器具。
【請求項12】
前記1つ又は複数のドリルフルートが、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える、請求項
1に記載の滑り止め付き手術用器具。
【請求項13】
1つ又は複数の側面切削フルートが、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える、請求項
1に記載の滑り止め付き手術用器具。
【請求項14】
前記シャフトの長手方向長が、前記ミルヘッドの長手方向長よりも大きい、請求項1に記載の滑り止め付き手術用器具。
【請求項15】
前記シャフトの長手方向長が、前記シャンクの長手方向長よりも大きい、請求項1に記載の滑り止め付き手術用器具。
【請求項16】
前記1つ又は複数のドリルフルートが、前記1つ又は複数の側面切削フルートよりも高いねじれ率を有するか、又は、前記1つ又は複数のドリルフルートが、前記1つ又は複数の側面切削フルートよりも低いねじれ率を有する、請求項1に記載の滑り止め付き手術用器具。
【請求項17】
前記1つ又は複数のドリルフルートが、前記1つ又は複数の側面切削フルートとは異なるねじれ率を有する、請求項1に記載の滑り止め付き手術用器具。
【請求項18】
前記手術が、脊椎、整形、歯科、耳、鼻、又は咽喉の手術である、請求項1に記載の滑り止め付き手術用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「骨組織に穴を準備する滑り止め付き手術用器具(Anti-Skid Surgical Instrument for use in Preparing Holes in Bone Tissue)」と題する、2016年1月13日出願の米国仮特許出願第62/278,313号と、「骨組織に穴を準備する滑り止め付き手術用器具(Anti-Skid Surgical Instrument for use in Preparing Holes in Bone Tissue)」と題する、2016年9月16日に出願の米国仮特許出願第62/395,795号の優先権を主張し、「骨組織に穴を準備する滑り止め付き手術用器具(Anti-Skid Surgical Instrument for use in Preparing Holes in Bone Tissue)」と題する、2014年7月14日出願の米国特許出願第62/024,402号の優先権を主張する、「骨組織に穴を準備する滑り止め付き手術用器具(Anti-Skid Surgical Instrument for use in Preparing Holes in Bone Tissue)」と題する、2015年7月14日出願の米国特許出願第14/799,170号の一部継続出願であり、それぞれの内容全体が本明細書に参考として組み込まれる。
【0002】
本発明は、手術中に骨組織に穴を準備する際に使用する、滑り止め付き手術用器具に関する。
【背景技術】
【0003】
脊椎手術では、正確に穴をあけ、骨組織へスクリュー又はその他の器具を正確に配置することがよく求められる。脊椎手術中の穴あけ又は本体の操作が不適切であると、脊髄や動脈に近接しているため、致命的な損傷や死を招き得る。さらに、成功させるためには通常、正確な配置が必要である。例えば、脊椎固定は通常、骨を癒着しやすくするための、金属スクリュー、ロッド、プレートのような固定装置で椎体を安定させることによって補強される。脊椎固定では、他の手術と同様に、スクリューを骨の中に配置する正確性が、処置の結果に直接影響を及ぼす。治療しようとしている2つの骨の間の動きが少なければ少ないほど、骨が上手く癒着する変化も大きくなる。固定装置を使用することにより、脊椎固定処置の成功率が大幅に上がってきている。
【0004】
そのような処置は、外科医の技能に大きく左右され、その成功率は、様々な外科医の間で大きなばらつきがある。多くのナビゲーショナルな方法や検証方法が開発されてきた。しかしながら、そのような手術処置では、スクリューの誤配置の問題が未だによく起こっている。スクリューを挿入する前に開けられた穴が不正確なため、スクリューがずれる可能性がある。ドリルのチップが骨組織に接触するとき、ドリルのチップの角度によってドリルビットが滑る原因となり得、それによって不正確な軌道に沿って穴が開けられてしまう。通常、骨ドリルが骨の表面に対して90度で駆動されなければ、ドリルビットが骨の表面を滑る傾向があり、それによって不適切に穴を配置してしまう。よって、手術用器具が骨に接触したときに器具が滑るリスクを最小限にしつつ、患者の骨に穴を準備する滑り止め付き手術用器具が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
骨組織に穴を準備するのに使用する、滑り止め付き手術用器具が本明細書で説明されている。開示された手術用器具は、手術(例、脊椎手術、椎弓根スクリュー配置、髄内スクリュー配置)中に、骨組織に正確な穴を準備する能力を提供する。開示された手術用器具は、ドリル軸と骨組織の表面との間の角度が垂直であるかどうかに関わらず、正確に穴を配置することができる。開示された技術は、手術用器具の本体表面に対して垂直な、平らな穴あけ面を具備する。これによって、手術用器具が骨組織の表面で滑る可能性を低減させ、それによって穴の精度を上げる。
【0006】
一態様では、開示された技術は、手術中に患者の骨組織に穴を準備するための手術用ロボットシステムを具備し、手術用ロボットシステムは、
手術用器具ガイドが取付けられたエンドエフェクタを有するロボットアームであって、手術用器具ガイドが、滑り止め付き手術用器具を通る移動を保持及び/又は制限するよう配置され、
細長構造を有する滑り止め付き手術用器具が、
滑り止め付き手術用器具が骨組織と接触するとき手術用器具の滑り(例、手術用器具の意図しない横移動)が低減された状態で骨組織を取り除くための、細長構造の端部にあるミルヘッドであって、
細長構造の長手方向軸に実質的に垂直である平端部と、細長構造の長手方向軸を中心に骨組織内に切り込むための1つ又は複数の側面切削フルートを有するミルヘッドと、
ミルヘッドから延在するスパイクと、
ドリルに接続するためのシャンクと、
ミルヘッドとシャンクとの間のシャフトであって、取り除いた骨組織を逃がすための1つ又は複数のドリルフルート(例、非切削フルート)を有するシャフトと、を備える滑り止め付き手術用器具と、を備えるロボットアームを具備する、手術用ロボットシステム。
【0007】
ある実施形態では、ミルヘッドは、凹状面を備え、その凹状面からスパイクが延在する。
【0008】
ある実施形態では、器具は、ミルヘッドからのエネルギーを吸収するコンプライアント部を具備する。
【0009】
ある実施形態では、器具は、手術用器具内に挿管を具備する。
【0010】
ある実施形態では、挿管は、細長構造の端部(例、手術用器具のチップ)に穴を備える。
【0011】
ある実施形態では、コンプライアント部は、弾性材料、ゴム、ベロー、自在継手のうち少なくとも1つを備える。
【0012】
ある実施形態では、コンプライアント部は、滑り止め付き手術用器具の第1部分を滑り止め付き手術用器具の第2部分に接続する。
【0013】
ある実施形態では、第1部分がミルヘッドとシャフトの一部を備え、第2部分がシャンクとシャフトの一部を備える。
【0014】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャンクの少なくとも一部を覆う。ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトの少なくとも一部を覆う。
【0015】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトとシャンクの少なくとも一部を覆う。
【0016】
ある実施形態では、器具は、深度制御を具備する。
【0017】
ある実施形態では、深度制御は、挿入深度を示す1つ又は複数のマーキング及び1つ又は複数の色のうち少なくとも一方を備える。
【0018】
ある実施形態では、深度制御は、滑り止め付き手術用器具の回転開始時を表示する第1部分と、滑り止め付き手術用器具の回転停止時及び深さ方向への侵入(depth penetration)の停止時のうち少なくともえ一方を表示する第2部分とを備える。
【0019】
ある実施形態では、深度制御は、深さ止めの位置が変更されたら、滑り止め付き手術用器具の侵入深度が変更するよう、滑り止め付き手術用器具に調節可能に取り付けられた深さ止めを備える。
【0020】
ある実施形態では、シャフトは1つ又は複数のノッチを備え、深度制御は、滑り止め付き手術用器具に取り付けられると、1つ又は複数のノッチのうち少なくとも1つに係合する。
【0021】
ある実施形態では、システムはシャフトとシャンクとの間に位置する工具サポートを備え、工具サポートは、ガイドによって画定された軸に沿って、手術用器具ガイドをスライドして通るような形状及びサイズとされ、工具サポートの径は、シャンクの径よりも大きい。
【0022】
ある実施形態では、ミルヘッドの端部が、骨組織内に軸方向に切り込む1つ又は複数の端部切削フルートを有する。
【0023】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える。
【0024】
ある実施形態では、1つ又は複数の側面切削フルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える。
【0025】
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、ミルヘッドの長手方向長より大きい。
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、シャンクの長手方向長より大きい。
【0026】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートよりも高いねじれ率(すなわち、より大きいフルート角度)を有するか、又は、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートよりも低いねじれ率(すなわち、より小さいフルート角度)を有する。
【0027】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートが、1つ又は複数の側面切削フルートとは異なるねじれ率(すなわち、異なるフルート角度)を有する。
【0028】
ある実施形態では、手術とは脊椎、整形、歯科、耳、鼻、又は咽喉手術である。
【0029】
ある実施形態では、操作器がロボットアームに取り付けられているか、又は、ロボットアームに成形されている。
【0030】
別態様では、開示された技術は手術中に患者の骨組織に穴を準備するための手術用ロボットシステムを具備し、手術用ロボットシステムは、
手術用器具ガイドが取付けられたエンドエフェクタを有するロボットアームであって、
手術用器具ガイドが、滑り止め付き手術用器具を通る移動を保持及び/又は制限するよう配置され、
細長構造を有する滑り止め付き手術用器具が、
滑り止め付き手術用器具が骨組織と接触するとき手術用器具の滑り(例、手術用器具の意図しない横移動)が低減された状態で骨組織を取り除くための、細長構造の端部のミルヘッドであって、
細長構造の長手方向軸に実質的に垂直である平端部と、細長構造の長手方向軸を中心に骨組織内に切り込むための1つ又は複数の側面切削フルートを有するミルヘッドと、
ドリルに接続するためのシャンクと、
ミルヘッドとシャンクとの間のシャフトであって、取り除いた骨組織を逃がすための1つ又は複数のドリルフルート(例、非切削フルート)を有するシャフトと、を備える滑り止め付き手術用器具と、を備えるロボットアームを具備する、手術用ロボットシステム。
【0031】
ある実施形態では、器具は、ミルヘッドの凹状端部から延在するスパイクを具備する。
【0032】
ある実施形態では、器具は、ミルヘッドからのエネルギーを吸収するコンプライアント部を具備する。
【0033】
ある実施形態では、器具は、手術用器具内に挿管を具備する。
【0034】
ある実施形態では、挿管は、細長構造の端部(例、手術用器具のチップ)に穴を備える。
【0035】
ある実施形態では、コンプライアント部は、弾性材料、ゴム、ベロー、自在継手のうち少なくとも1つを備える。
【0036】
ある実施形態では、コンプライアント部は、滑り止め付き手術用器具の第1部分を滑り止め付き手術用器具の第2部分に接続する。
【0037】
ある実施形態では、第1部分がミルヘッドとシャフトの一部を備え、第2部分がシャンクとシャフトの一部を備える。
【0038】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャンクの少なくとも一部を覆う。
【0039】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトの少なくとも一部を覆う。
【0040】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトとシャンクの少なくとも一部を覆う。
【0041】
ある実施形態では、器具は、深度制御を具備する。
【0042】
ある実施形態では、深度制御は、挿入深度を示す1つ又は複数のマーキング及び1つ又は複数の色のうち少なくとも一方を備える。
【0043】
ある実施形態では、深度制御は、滑り止め付き手術用器具の回転開始時を表示する第1部分と、滑り止め付き手術用器具の回転停止時及び深さ方向への侵入の停止時のうち少なくとも一方を表示する第2部分とを備える。
【0044】
ある実施形態では、深度制御は、深さ止めの位置が変更されたら、滑り止め付き手術用器具の侵入深度が変更するよう、滑り止め付き手術用器具に調節可能に取り付けられた深さ止めを備える。
【0045】
ある実施形態では、シャフトは1つ又は複数のノッチを備え、深度制御は滑り止め付き手術用器具に取り付けられると1つ又は複数のノッチのうち少なくとも1つに係合する。
【0046】
ある実施形態では、システムはシャフトとシャンクの間に位置する工具サポートを備え、工具サポートは、ガイドによって画定された軸に沿って、手術用器具ガイドをスライドして通るような形状及びサイズとされ、工具サポートの径は、シャンクの径よりも大きい。
【0047】
ある実施形態では、ミルヘッドの端部が、骨組織内に軸方向に切り込む1つ又は複数の端部切削フルートを有する。
【0048】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える。
【0049】
ある実施形態では、1つ又は複数の側面切削フルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える。
【0050】
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、ミルヘッドの長手方向長より大きい。
【0051】
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、シャンクの長手方向長より大きい。
【0052】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートよりも高いねじれ率(すなわち、より大きいフルート角度)を有するか、又は、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートよりも低いねじれ率(すなわち、より小さいフルート角度)を有する。
【0053】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートが、1つ又は複数の側面切削フルートとは異なるねじれ率(すなわち、異なるフルート角度)を有する。
【0054】
ある実施形態では、手術とは脊椎、整形、歯科、耳、鼻、又は咽喉手術である。
【0055】
ある実施形態では、操作器がロボットアームに取り付けられているか、又は、ロボットアームに成形されている。
【0056】
別態様では、開示された技術は手術中に患者の骨組織に穴を準備するための手術用ロボットシステムを具備し、前記手術用ロボットシステムは、
手術用器具ガイドが取付けられたエンドエフェクタを有するロボットアームであって、
手術用器具ガイドが、滑り止め付き手術用器具を通る移動を保持及び/又は制限するよう配置され、
細長構造を有する滑り止め付き手術用器具が、
滑り止め付き手術用器具が骨組織と接触するとき手術用器具の滑り(例、手術用器具の意図しない横移動)が低減された状態で骨組織を取り除くための、細長構造の端部のミルヘッドであって、
細長構造の長手方向軸に実質的に垂直である平端部と、細長構造の長手方向軸を中心に骨組織内に切り込むための1つ又は複数の側面切削フルートを有するミルヘッドと、
ドリルに接続するためのシャンクと、
ミルヘッドとシャンクとの間のシャフトであって、取り除いた骨組織を逃がすための1つ又は複数のドリルフルート(例、非切削フルート)を有するシャフトと、手術用器具内に挿管と、を備える滑り止め付き手術用器具と、を備えるロボットアームを具備する、手術用ロボットシステム。
【0057】
ある実施形態では、挿管は、細長構造の端部(例、手術用器具のチップ)に穴を備える。
【0058】
ある実施形態では、器具は、ミルヘッドからのエネルギーを吸収するコンプライアント部を具備する。
【0059】
ある実施形態では、器具はミルヘッドから延在するスパイクを具備する。ある実施形態では、ミルヘッドが凹状面を具備する(例、スパイクがその凹状面から延在する)。
【0060】
ある実施形態では、コンプライアント部は、弾性材料、ゴム、ベロー、自在継手のうち少なくとも1つを備える。
【0061】
ある実施形態では、コンプライアント部は、滑り止め付き手術用器具の第1部分を滑り止め付き手術用器具の第2部分に接続する。
【0062】
ある実施形態では、第1部分がミルヘッドとシャフトの一部を備え、第2部分がシャンクとシャフトの一部を備える。
【0063】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャンクの少なくとも一部を覆う。ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトの少なくとも一部を覆う。
【0064】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトとシャンクの少なくとも一部を覆う。
【0065】
ある実施形態では、器具は、深度制御を具備する。
【0066】
ある実施形態では、深度制御は、挿入深度を示す1つ又は複数のマーキング及び1つ又は複数の色のうち少なくとも一方を備える。
【0067】
ある実施形態では、深度制御は、滑り止め付き手術用器具の回転開始時を表示する第1部分と、滑り止め付き手術用器具の回転停止時及び深さ方向への侵入の停止時のうち少なくとも一方を表示する第2部分とを備える。
【0068】
ある実施形態では、深度制御は、深さ止めの位置が変更されたら、滑り止め付き手術用器具の侵入深度が変更するよう、滑り止め付き手術用器具に調節可能に取り付けられた深さ止めを備える。
【0069】
ある実施形態では、シャフトは1つ又は複数のノッチを備え、深度制御は滑り止め付き手術用器具に取り付けられると1つ又は複数のノッチのうち少なくとも1つに係合する。
【0070】
ある実施形態では、システムはシャフトとシャンクの間に位置する工具サポートを備え、工具サポートは、ガイドによって画定された軸に沿って、手術用器具ガイドをスライドして通るような形状及びサイズとされ、工具サポートの径は、シャンクの径よりも大きい。
【0071】
ある実施形態では、ミルヘッドの端部が、骨組織内に軸方向に切り込む1つ又は複数の端部切削フルートを有する。
【0072】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える。
【0073】
ある実施形態では、1つ又は複数の側面切削フルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える。
【0074】
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、ミルヘッドの長手方向長より大きい。
【0075】
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、シャンクの長手方向長より大きい。
【0076】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートよりも高いねじれ率(すなわち、より大きいフルート角度)を有するか、又は、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートよりも低いねじれ率(すなわち、より小さいフルート角度)を有する。
【0077】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートが、1つ又は複数の側面切削フルートとは異なるねじれ率(すなわち、異なるフルート角度)を有する。
【0078】
ある実施形態では、手術とは脊椎、整形、歯科、耳、鼻、又は咽喉手術である。
【0079】
ある実施形態では、操作器がロボットアームに取り付けられているか、又は、ロボットアームに成形されている。
【0080】
別態様では、開示された技術は、手術中に患者の骨組織に穴を準備するための手術用ロボットシステムを具備し、手術用ロボットシステムは、
手術用器具ガイドが取付けられたエンドエフェクタを有するロボットアームであって、
手術用器具ガイドが、滑り止め付き手術用器具を通る移動を保持及び/又は制限するよう配置され、
細長構造を有する滑り止め付き手術用器具が、
滑り止め付き手術用器具が骨組織と接触するとき手術用器具の滑り(例、手術用器具の意図しない横移動)が低減された状態で骨組織を取り除くための、細長構造の端部のミルヘッドであって、
細長構造の長手方向軸に実質的に垂直である平端部と、細長構造の長手方向軸を中心に骨組織内に切り込むための1つ又は複数の側面切削フルートを有するミルヘッドと、
ドリルに接続するためのシャンクと、
ミルヘッドとシャンクとの間のシャフトであって、取り除いた骨組織を逃がすための1つ又は複数のドリルフルート(例、非切削フルート)を有するシャフトと、ミルヘッドからのエネルギーを吸収するコンプライアント部と、を備える滑り止め付き手術用器具と、を備えるロボットアームを具備する、手術用ロボットシステム。
【0081】
ある実施形態では、コンプライアント部は、弾性材料、ゴム、ベロー、自在継手のうち少なくとも1つを備える。
【0082】
ある実施形態では、コンプライアント部は、滑り止め付き手術用器具の第1部分を滑り止め付き手術用器具の第2部分に接続する。
【0083】
ある実施形態では、第1部分がミルヘッドとシャフトの一部を備え、第2部分がシャンクとシャフトの一部を備える。
【0084】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャンクの少なくとも一部を覆う。ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトの少なくとも一部を覆う。ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトとシャンクの少なくとも一部を覆う。
【0085】
ある実施形態では、器具は、手術用器具内に挿管を具備する。
【0086】
ある実施形態では、挿管は、細長構造の端部(例、手術用器具のチップ)に穴を備える。
【0087】
ある実施形態では、器具はミルヘッドから延在するスパイクを具備する。
【0088】
ある実施形態では、ミルヘッドが凹状面を備える(例、スパイクがその凹状面から延在する)。
【0089】
ある実施形態では、コンプライアント部は、弾性材料、ゴム、ベロー、自在継手の うち少なくとも1つを備える。
【0090】
ある実施形態では、コンプライアント部は、滑り止め付き手術用器具の第1部分を滑り止め付き手術用器具の第2部分に接続する。
【0091】
ある実施形態では、第1部分がミルヘッドとシャフトの一部を備え、第2部分がシャンクとシャフトの一部を備える。
【0092】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャンクの少なくとも一部を覆う。ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトの少なくとも一部を覆う。
【0093】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトとシャンクの少なくとも一部を覆う。
【0094】
ある実施形態では、器具は、深度制御を具備する。
【0095】
ある実施形態では、深度制御は、挿入深度を示す1つ又は複数のマーキング及び1つ又は複数の色のうち少なくとも一方を備える。
【0096】
ある実施形態では、深度制御は、滑り止め付き手術用器具の回転開始時を表示する第1部分と、滑り止め付き手術用器具の回転停止時及び深さ方向への侵入の停止時のうち少なくとも1つを表示する第2部分とを備える。
【0097】
ある実施形態では、深度制御は、深さ止めの位置が変更されたら、滑り止め付き手術用器具の侵入深度が変更するよう、滑り止め付き手術用器具に調節可能に取り付けられた深さ止めを備える。
【0098】
ある実施形態では、シャフトは1つ又は複数のノッチを備え、深度制御は滑り止め付き手術用器具に取り付けられると1つ又は複数のノッチのうち少なくとも1つに係合する。
【0099】
ある実施形態では、システムはシャフトとシャンクの間に位置する工具サポートを備え、工具サポートは、ガイドによって画定された軸に沿って、手術用器具ガイドをスライドして通るような形状及びサイズとされ、工具サポートの径は、シャンクの径よりも大きい。
【0100】
ある実施形態では、ミルヘッドの端部が、骨組織内に軸方向に切り込む1つ又は複数の端部切削フルートを有する。
【0101】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える。
【0102】
ある実施形態では、1つ又は複数の側面切削フルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える。
【0103】
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、ミルヘッドの長手方向長より大きい。
【0104】
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、シャンクの長手方向長より大きい。
【0105】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートよりも高いねじれ率(すなわち、より大きいフルート角度)を有するか、又は、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートよりも低いねじれ率(すなわち、より小さいフルート角度)を有する。
【0106】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートが、1つ又は複数の側面切削フルートとは異なるねじれ率(すなわち、異なるフルート角度)を有する。
【0107】
ある実施形態では、手術とは脊椎、整形、歯科、耳、鼻、又は咽喉手術である。
【0108】
ある実施形態では、操作器がロボットアームに取り付けられているか、又は、ロボットアームに成形されている。
【0109】
一態様では、開示された技術は、手術中に患者の骨組織に穴を準備するための手術用ロボットシステムを具備し、手術用ロボットシステムは、
手術用器具ガイドが取付けられたエンドエフェクタを有するロボットアームであって、
手術用器具ガイドが、滑り止め付き手術用器具を通る移動を保持及び/又は制限するよう配置され、
細長構造を有する滑り止め付き手術用器具が、
滑り止め付き手術用器具が骨組織と接触するとき手術用器具の滑り(例、手術用器具の意図しない横移動)が低減された状態で骨組織を取り除くための、細長構造の端部のミルヘッドであって、
細長構造の長手方向軸に実質的に垂直である平端部と、細長構造の長手方向軸を中心に骨組織内に切り込むための1つ又は複数の側面切削フルートを有するミルヘッドと、
ドリルに接続するためのシャンクと、
ミルヘッドとシャンクとの間のシャフトであって、取り除いた骨組織を逃がすための1つ又は複数のドリルフルート(例、非切削フルート)を有するシャフトと、深度制御と、を備える滑り止め付き手術用器具と、を備えるロボットアームを具備する、手術用ロボットシステム。
【0110】
ある実施形態では、深度制御は1つ又は複数のマーキングを備える。
【0111】
ある実施形態では、深度制御は、挿入の深度を表わす1つ又は複数の色を備える。
【0112】
ある実施形態では、深度制御は、滑り止め付き手術用器具の回転開始時を表示する第1部分と、滑り止め付き手術用器具の回転停止時及び深さ方向への侵入の停止時のうち少なくとも一方を表示する第2部分とを備える。
【0113】
ある実施形態では、深度制御は、深さ止めの位置が変更されたら、滑り止め付き手術用器具の侵入深度が変更するよう、滑り止め付き手術用器具に調節可能に取り付けられた深さ止めを備える。
【0114】
ある実施形態では、シャフトは1つ又は複数のノッチを備え、深度制御は滑り止め付き手術用器具に取り付けられると1つ又は複数のノッチのうち少なくとも1つに係合する。
【0115】
ある実施形態では、器具は、ミルヘッドからのエネルギーを吸収するコンプライアント部を具備する。
【0116】
ある実施形態では、器具は、手術用器具内に挿管を具備する。
【0117】
ある実施形態では、挿管は、細長構造の端部(例、手術用器具のチップ)に穴を備える。
【0118】
ある実施形態では、器具はミルヘッドから延在するスパイクを具備する。
【0119】
ある実施形態では、ミルヘッドが凹状面を備える(例、スパイクがその凹状面から延在する)。
【0120】
ある実施形態では、コンプライアント部は、弾性材料、ゴム、ベロー、自在継手の うち少なくとも1つを備える。
【0121】
ある実施形態では、コンプライアント部は、滑り止め付き手術用器具の第1部分を滑り止め付き手術用器具の第2部分に接続する。
【0122】
ある実施形態では、第1部分がミルヘッドとシャフトの一部を備え、第2部分がシャンクとシャフトの一部を備える。
【0123】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャンクの少なくとも一部を覆う。ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトの少なくとも一部を覆う。
【0124】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトとシャンクの少なくとも一部を覆う。
【0125】
ある実施形態では、器具は、深度制御を具備する。
【0126】
ある実施形態では、深度制御は、挿入深度を示す1つ又は複数のマーキング及び1つ又は複数の色のうち少なくとも一方を備える。
【0127】
ある実施形態では、深度制御は、滑り止め付き手術用器具の回転開始時を表示する第1部分と、滑り止め付き手術用器具の回転停止時及び深さ方向への侵入の停止時のうち少なくとも1つを表示する第2部分とを備える。
【0128】
ある実施形態では、深度制御は、深さ止めの位置が変更されたら、滑り止め付き手術用器具の侵入深度が変更するよう、滑り止め付き手術用器具に調節可能に取り付けられた深さ止めを備える。
【0129】
ある実施形態では、シャフトは1つ又は複数のノッチを備え、深度制御は滑り止め付き手術用器具に取り付けられると1つ又は複数のノッチのうち少なくとも1つに係合する。
【0130】
ある実施形態では、システムはシャフトとシャンクの間に位置する工具サポートを備え、工具サポートは、ガイドによって画定された軸に沿って、手術用器具ガイドをスライドして通るような形状及びサイズとされ、工具サポートの径は、シャンクの径よりも大きい。
【0131】
ある実施形態では、ミルヘッドの端部が、骨組織内に軸方向に切り込む1つ又は複数の端部切削フルートを有する。
【0132】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える。
【0133】
ある実施形態では、 1つ又は複数の側面切削フルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える。
【0134】
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、ミルヘッドの長手方向長より大きい。
【0135】
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、シャンクの長手方向長より大きい。
【0136】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートよりも高いねじれ率(すなわち、より大きいフルート角度)を有するか、又は、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートよりも低いねじれ率(すなわち、より小さいフルート角度)を有する。
【0137】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートが、1つ又は複数の側面切削フルートとは異なるねじれ率(すなわち、異なるフルート角度)を有する。
【0138】
ある実施形態では、手術とは脊椎、整形、歯科、耳、鼻、又は咽喉手術である。
【0139】
ある実施形態では、操作器がロボットアームに取り付けられているか、又は、ロボットアームに成形されている。
【0140】
別態様では、開示された技術は、手術中に患者の骨組織に穴を準備するための滑り止め付き手術用器具を具備し、
細長構造を有する滑り止め付き手術用器具が、
滑り止め付き手術用器具が骨組織と接触するとき手術用器具の滑り(例、手術用器具の意図しない横移動)が低減された状態で骨組織を取り除くための、細長構造の端部のミルヘッドであって、
細長構造の長手方向軸に実質的に垂直である平端部と、細長構造の長手方向軸を中心に骨組織内に切り込むための1つ又は複数の側面切削フルートを有するミルヘッドと、
ミルヘッドから延在するスパイクと、
ドリルに接続するためのシャンクと、
ミルヘッドとシャンクとの間のシャフトであって、取り除いた骨組織を逃がすための1つ又は複数のドリルフルート(例、非切削フルート)を有するシャフトと、を備える滑り止め付き手術用器具。
【0141】
ある実施形態では、ミルヘッドは凹状面を備え、その凹状面からスパイクが延在する。
【0142】
ある実施形態では、器具は、手術用器具内に挿管を具備する。
【0143】
ある実施形態では、挿管は、細長構造の端部(例、手術用器具のチップ)に穴を備える。
【0144】
ある実施形態では、器具は、ミルヘッドからのエネルギーを吸収するコンプライアント部を具備する。
【0145】
ある実施形態では、コンプライアント部は、弾性材料、ゴム、ベロー、自在継手のうち少なくとも1つを備える。
【0146】
ある実施形態では、コンプライアント部は、滑り止め付き手術用器具の第1部分を滑り止め付き手術用器具の第2部分に接続する。
【0147】
ある実施形態では、第1部分がミルヘッドとシャフトの一部を備え、 第2部分がシャンクとシャフトの一部を備える。
【0148】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャンクの少なくとも一部を覆う。ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトの少なくとも一部を覆う。
【0149】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトとシャンクの少なくとも一部を覆う。
【0150】
ある実施形態では、器具は、深度制御を具備する。
【0151】
ある実施形態では、深度制御は、挿入深度を示す1つ又は複数のマーキング及び1つ又は複数の色のうち少なくとも一方を備える。
【0152】
ある実施形態では、深度制御は、滑り止め付き手術用器具の回転開始時を表示する第1部分と、滑り止め付き手術用器具の回転停止時及び深さ方向への侵入の停止時のうち少なくとも1つを表示する第2部分とを備える。
【0153】
ある実施形態では、深度制御は、深さ止めの位置が変更されたら、滑り止め付き手術用器具の侵入深度が変更するよう、滑り止め付き手術用器具に調節可能に取り付けられた深さ止めを備える。
【0154】
ある実施形態では、シャフトは1つ又は複数のノッチを備え、深度制御は滑り止め付き手術用器具に取り付けられると1つ又は複数のノッチのうち少なくとも1つに係合する。
【0155】
ある実施形態では、器具は、シャフトとシャンクの間に位置する工具サポートを具備し、工具サポートは、ガイドによって画定された軸に沿って、手術用器具ガイドをスライドして通るような形状及びサイズとされ、工具サポートの径は、シャンクの径よりも大きい。
【0156】
ある実施形態では、ミルヘッドの端部が、骨組織内に軸方向に切り込む1つ又は複数の端部切削フルートを有する。
【0157】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える。
【0158】
ある実施形態では、1つ又は複数の側面切削フルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える。
【0159】
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、ミルヘッドの長手方向長より大きい。
【0160】
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、シャンクの長手方向長より大きい。
【0161】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートよりも高いねじれ率(すなわち、より大きいフルート角度)を有するか、又は、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートよりも低いねじれ率(すなわち、より小さいフルート角度)を有する。
【0162】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートが、1つ又は複数の側面切削フルートとは異なるねじれ率(すなわち、異なるフルート角度)を有する。
【0163】
ある実施形態では、手術とは脊椎、整形、歯科、耳、鼻、又は咽喉手術である。
【0164】
ある実施形態では、操作器がロボットアームに取り付けられているか、又は、ロボットアームに成形されている。
【0165】
ある実施形態では、開示された技術は、手術中に患者の骨組織に穴を準備するための滑り止め付き手術用器具を具備し、
細長構造を有する滑り止め付き手術用器具が、
滑り止め付き手術用器具が骨組織と接触するとき手術用器具の滑り(例、手術用器具の意図しない横移動)が低減された状態で骨組織を取り除くための、細長構造の端部のミルヘッドであって、
細長構造の長手方向軸に実質的に垂直である平端部と、細長構造の長手方向軸を中心に骨組織内に切り込むための1つ又は複数の側面切削フルートを有するミルヘッドと、
ドリルに接続するためのシャンクと、
ミルヘッドとシャンクとの間のシャフトであって、取り除いた骨組織を逃がすための1つ又は複数のドリルフルート(例、非切削フルート)を有するシャフトと、を備える滑り止め付き手術用器具。
【0166】
ある実施形態では、器具は、ミルヘッドの凹状端部から延在するスパイクを具備する。
【0167】
ある実施形態では、器具は、手術用器具内に挿管を具備する。
【0168】
ある実施形態では、挿管は、細長構造の端部(例、手術用器具のチップ)に穴を備える。
【0169】
ある実施形態では、器具は、ミルヘッドからのエネルギーを吸収するコンプライアント部を具備する。
【0170】
ある実施形態では、コンプライアント部は、弾性材料、ゴム、ベロー、自在継手のうち少なくとも1つを備える。
【0171】
ある実施形態では、コンプライアント部は、滑り止め付き手術用器具の第1部分を滑り止め付き手術用器具の第2部分に接続する。
【0172】
ある実施形態では、第1部分がミルヘッドとシャフトの一部を備え、第2部分がシャンクとシャフトの一部を備える。
【0173】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャンクの少なくとも一部を覆う。ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトの少なくとも一部を覆う。
【0174】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトとシャンクの少なくとも一部を覆う。
【0175】
ある実施形態では、器具は、深度制御を具備する。
【0176】
ある実施形態では、深度制御は、挿入深度を示す1つ又は複数のマーキング及び1つ又は複数の色のうち少なくとも一方を備える。
【0177】
ある実施形態では、深度制御は、滑り止め付き手術用器具の回転開始時を表示する第1部分と、滑り止め付き手術用器具の回転停止時及び深さ方向への侵入の停止時のうち少なくとも1つを表示する第2部分とを備える。
【0178】
ある実施形態では、深度制御は、深さ止めの位置が変更されたら、滑り止め付き手術用器具の侵入深度が変更するよう、滑り止め付き手術用器具に調節可能に取り付けられた深さ止めを備える。
【0179】
ある実施形態では、シャフトは1つ又は複数のノッチを備え、深度制御は滑り止め付き手術用器具に取り付けられると1つ又は複数のノッチのうち少なくとも1つに係合する。
【0180】
ある実施形態では、器具は、シャフトとシャンクの間に位置する工具サポートを具備し、工具サポートは、ガイドによって画定された軸に沿って、手術用器具ガイドをスライドして通るような形状及びサイズとされ、工具サポートの径は、シャンクの径よりも大きい。
【0181】
ある実施形態では、ミルヘッドの端部は、骨組織内に軸方向に切り込む1つ又は複数の端部切削フルートを有する。
【0182】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える。
【0183】
ある実施形態では、1つ又は複数の側面切削フルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える。
【0184】
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、ミルヘッドの長手方向長より大きい。
【0185】
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、シャンクの長手方向長より大きい。
【0186】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートよりも高いねじれ率(すなわち、より大きいフルート角度)を有するか、又は、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートよりも低いねじれ率(すなわち、より小さいフルート角度)を有する。
【0187】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートが、1つ又は複数の側面切削フルートとは異なるねじれ率(すなわち、異なるフルート角度)を有する。
【0188】
ある実施形態では、手術とは脊椎、整形、歯科、耳、鼻、又は咽喉手術である。
【0189】
ある実施形態では、操作器がロボットアームに取り付けられているか、又は、ロボットアームに成形されている。
【0190】
別態様では、開示された技術は、手術中に患者の骨組織に穴を準備するための滑り止め付き手術用器具を具備し、
細長構造を有する滑り止め付き手術用器具が、
滑り止め付き手術用器具が骨組織と接触するとき手術用器具の滑り(例、手術用器具の意図しない横移動)が低減された状態で骨組織を取り除くための、細長構造の端部のミルヘッドであって、
細長構造の長手方向軸に実質的に垂直である平端部と、細長構造の長手方向軸を中心に骨組織内に切り込むための1つ又は複数の側面切削フルートを有するミルヘッドと、
ドリルに接続するためのシャンクと、
ミルヘッドとシャンクとの間のシャフトであって、取り除いた骨組織を逃がすための1つ又は複数のドリルフルート(例、非切削フルート)を有するシャフトと、手術用器具内の挿管と、を備える滑り止め付き手術用器具。
【0191】
ある実施形態では、挿管は、細長構造の端部(例、手術用器具のチップ)に穴を備える。
【0192】
ある実施形態では、器具はミルヘッドから延在するスパイクを具備する。
【0193】
ある実施形態では、ミルヘッドが凹状面を備える(例、スパイクがその凹状面から延在する)。
【0194】
ある実施形態では、器具は、ミルヘッドからのエネルギーを吸収するコンプライアント部を具備する。
【0195】
ある実施形態では、コンプライアント部は、弾性材料、ゴム、ベロー、自在継手のうち少なくとも1つを備える。
【0196】
ある実施形態では、コンプライアント部は、滑り止め付き手術用器具の第1部分を滑り止め付き手術用器具の第2部分に接続する。
【0197】
ある実施形態では、第1部分がミルヘッドとシャフトの一部を備え、第2部分がシャンクとシャフトの一部を備える。
【0198】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャンクの少なくとも一部を覆う。ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトの少なくとも一部を覆う。
【0199】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトとシャンクの少なくとも一部を覆う。
【0200】
ある実施形態では、器具は、深度制御を具備する。
【0201】
ある実施形態では、深度制御は、挿入深度を示す1つ又は複数のマーキング及び1つ又は複数の色のうち少なくとも一方を備える。
【0202】
ある実施形態では、深度制御は、滑り止め付き手術用器具の回転開始時を表示する第1部分と、滑り止め付き手術用器具の回転停止時及び深さ方向への侵入の停止時のうち少なくとも1つを表示する第2部分とを備える。
【0203】
ある実施形態では、深度制御は、深さ止めの位置が変更されたら、滑り止め付き手術用器具の侵入深度が変更するよう、滑り止め付き手術用器具に調節可能に取り付けられた深さ止めを備える。
【0204】
ある実施形態では、シャフトは1つ又は複数のノッチを備え、深度制御は滑り止め付き手術用器具に取り付けられると1つ又は複数のノッチのうち少なくとも1つに係合する。
【0205】
ある実施形態では、器具は、シャフトとシャンクの間に位置する工具サポートを具備し、工具サポートは、ガイドによって画定された軸に沿って、手術用器具ガイドをスライドして通るような形状及びサイズとされ、工具サポートの径は、シャンクの径よりも大きい。
【0206】
ある実施形態では、ミルヘッドの端部が、骨組織内に軸方向に切り込む1つ又は複数の端部切削フルートを有する。
【0207】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える。
【0208】
ある実施形態では、1つ又は複数の側面切削フルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える。
【0209】
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、ミルヘッドの長手方向長より大きい。
【0210】
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、シャンクの長手方向長より大きい。
【0211】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートよりも高いねじれ率(すなわち、より大きいフルート角度)を有するか、又は、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートよりも低いねじれ率(すなわち、より小さいフルート角度)を有する。
【0212】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートが、1つ又は複数の側面切削フルートとは異なるねじれ率(すなわち、異なるフルート角度)を有する。
【0213】
ある実施形態では、手術とは脊椎、整形、歯科、耳、鼻、又は咽喉手術である。
【0214】
ある実施形態では、操作器がロボットアームに取り付けられているか、又は、ロボットアームに成形されている。
【0215】
別態様では、開示された技術は手術中に患者の骨組織に穴を準備するための滑り止め付き手術用器具を具備し、
細長構造を有する滑り止め付き手術用器具が、
滑り止め付き手術用器具が骨組織と接触するとき手術用器具の滑り(例、手術用器具の意図しない横移動)が低減された状態で骨組織を取り除くための、細長構造の端部のミルヘッドであって、
細長構造の長手方向軸に実質的に垂直である平端部と、細長構造の長手方向軸を中心に骨組織内に切り込むための1つ又は複数の側面切削フルートを有するミルヘッドと、
ドリルに接続するためのシャンクと、
ミルヘッドとシャンクとの間のシャフトであって、取り除いた骨組織を逃がすための1つ又は複数のドリルフルート(例、非切削フルート)を有するシャフトと、ミルヘッドからのエネルギーを吸収するコンプライアント部と、を備える滑り止め付き手術用器具。
【0216】
ある実施形態では、コンプライアント部は、弾性材料、ゴム、ベロー、自在継手のうち少なくとも1つを備える。
【0217】
ある実施形態では、コンプライアント部は、滑り止め付き手術用器具の第1部分を滑り止め付き手術用器具の第2部分に接続する。
【0218】
ある実施形態では、第1部分がミルヘッドとシャフトの一部を備え、第2部分がシャンクとシャフトの一部を備える。
【0219】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャンクの少なくとも一部を覆う。ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトの少なくとも一部を覆う。
【0220】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトとシャンクの少なくとも一部を覆う。
【0221】
ある実施形態では、器具はミルヘッドから延在するスパイクを具備する。
【0222】
ある実施形態では、ミルヘッドが凹状面を備える(例、スパイクがその凹状面から延在する)。
【0223】
ある実施形態では、器具は、手術用器具内に挿管を具備する。
【0224】
ある実施形態では、挿管は、細長構造の端部(例、手術用器具のチップ)に穴を備える。
【0225】
ある実施形態では、器具は、深度制御を具備する。
【0226】
ある実施形態では、深度制御は、挿入深度を示す1つ又は複数のマーキング及び1つ又は複数の色のうち少なくとも一方を備える。
【0227】
ある実施形態では、深度制御は、滑り止め付き手術用器具の回転開始時を表示する第1部分と、滑り止め付き手術用器具の回転停止時及び深さ方向への侵入の停止時のうち少なくとも1つを表示する第2部分とを備える。
【0228】
ある実施形態では、深度制御は、深さ止めの位置が変更されたら、滑り止め付き手術用器具の侵入深度が変更するよう、滑り止め付き手術用器具に調節可能に取り付けられた深さ止めを備える。
【0229】
ある実施形態では、シャフトは1つ又は複数のノッチを備え、深度制御は滑り止め付き手術用器具に取り付けられると1つ又は複数のノッチのうち少なくとも1つに係合する。
【0230】
ある実施形態では、器具は、シャフトとシャンクの間に位置する工具サポートを具備し、工具サポートは、ガイドによって画定された軸に沿って、手術用器具ガイドをスライドして通るような形状及びサイズとされ、工具サポートの径は、シャンクの径よりも大きい。
【0231】
ある実施形態では、ミルヘッドの端部が、骨組織内に軸方向に切り込む1つ又は複数の端部切削フルートを有する。
【0232】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを含む。
【0233】
ある実施形態では、1つ又は複数の側面切削フルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを含む。
【0234】
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、ミルヘッドの長手方向長より大きい。
【0235】
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、シャンクの長手方向長より大きい。
【0236】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートよりも高いねじれ率(すなわち、より大きいフルート角度)を有するか、又は、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートおりも低いねじれ率(すなわち、より小さなフルート角度)を有する。
【0237】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートが、1つ又は複数の側面切削フルートとは異なるねじれ率(すなわち、異なるフルート角度)を有する。
【0238】
ある実施形態では、手術とは脊椎、整形、歯科、耳、鼻、又は咽喉手術である。
【0239】
ある実施形態では、操作器がロボットアームに取り付けられているか、又は、ロボットアームに成形されている。
【0240】
別態様では、開示された技術は、手術中に患者の骨組織に穴を準備するための滑り止め付き手術用器具を具備し、
細長構造を有する滑り止め付き手術用器具が、
滑り止め付き手術用器具が骨組織と接触するとき手術用器具の滑り(例、手術用器具の意図しない横移動)が低減された状態で骨組織を取り除くための、細長構造の端部のミルヘッドであって、
細長構造の長手方向軸に実質的に垂直である平端部と、細長構造の長手方向軸を中心に骨組織内に切り込むための1つ又は複数の側面切削フルートを有するミルヘッドと、
ドリルに接続するためのシャンクと、
ミルヘッドとシャンクとの間のシャフトであって、取り除いた骨組織を逃がすための1つ又は複数のドリルフルート(例、非切削フルート)を有するシャフトと、深度制御と、を備える滑り止め付き手術用器具。
【0241】
ある実施形態では、深度制御は1つ又は複数のマーキングを備える。
【0242】
ある実施形態では、深度制御は、1つ又は複数の色を備える。
【0243】
ある実施形態では、深度制御は、滑り止め付き手術用器具の回転開始時を表示する第1部分と、滑り止め付き手術用器具の回転停止時及び深さ方向への侵入の停止時のうち少なくとも1つを表示する第2部分とを備える。
【0244】
ある実施形態では、深度制御は、深さ止めの位置が変更されたら、滑り止め付き手術用器具の侵入深度が変更するよう、滑り止め付き手術用器具に調節可能に取り付けられた深さ止めを備える。
【0245】
ある実施形態では、シャフトは1つ又は複数のノッチを備え、深度制御は滑り止め付き手術用器具に取り付けられると1つ又は複数のノッチのうち少なくとも1つに係合する。
【0246】
ある実施形態では、器具はミルヘッドから延在するスパイクを具備する。
【0247】
ある実施形態では、ミルヘッドが凹状面を備える(例、スパイクがその凹状面から延在する)。
【0248】
ある実施形態では、器具は、手術用器具内に挿管を具備する。
【0249】
ある実施形態では、挿管は、細長構造の端部(例、手術用器具のチップ)に穴を備える。
【0250】
ある実施形態では、器具は、ミルヘッドからのエネルギーを吸収するコンプライアント部を具備する。
【0251】
ある実施形態では、コンプライアント部は、弾性材料、ゴム、ベロー、自在継手のうち少なくとも1つを備える。
【0252】
ある実施形態では、コンプライアント部は、滑り止め付き手術用器具の第1部分を滑り止め付き手術用器具の第2部分に接続する。
【0253】
ある実施形態では、第1部分がミルヘッドとシャフトの一部を備え、第2部分がシャンクとシャフトの一部を備える。
【0254】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャンクの少なくとも一部を覆う。
【0255】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトの少なくとも一部を覆う。
【0256】
ある実施形態では、コンプライアント部は、シャフトとシャンクの少なくとも一部を覆う。ある実施形態では、器具はシャフトとシャンクの間に位置する工具サポートを具備し、工具サポートは、ガイドによって画定された軸に沿って、手術用器具ガイドをスライドして通るような形状及びサイズとされ、工具サポートの径は、シャンクの径よりも大きい。
【0257】
ある実施形態では、ミルヘッドの端部が、骨組織内に軸方向に切り込む1つ又は複数の端部切削フルートを有する。
【0258】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える。
【0259】
ある実施形態では、1つ又は複数の側面切削フルートは、少なくとも2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを備える。
【0260】
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、ミルヘッドの長手方向長より大きい。
【0261】
ある実施形態では、シャフトの長手方向長は、シャンクの長手方向長より大きい。
【0262】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートよりも高いねじれ率(すなわち、より大きいフルート角度)を有するか、又は、1つ又は複数のドリルフルートは、1つ又は複数の側面切削フルートよりも低いねじれ率(すなわち、より小さいフルート角度)を有する。
【0263】
ある実施形態では、1つ又は複数のドリルフルートが、1つ又は複数の側面切削フルートとは異なるねじれ率(すなわち、異なるフルート角度)を有する。
【0264】
ある実施形態では、手術とは脊椎、整形、歯科、耳、鼻、又は咽喉手術である。
【0265】
ある実施形態では、操作器がロボットアームに取り付けられているか、又は、ロボットアームに成形されている。
【図面の簡単な説明】
【0266】
本開示の、先述の及び他の目的、態様、特徴、及び利点は、添付の図面と関連させて以下の説明を参照することによってより明らかになり、より理解されるだろう。
【
図1】骨組織に穴を準備するための例示的ドリルビットの図である。
【
図2】骨組織に穴を準備するための例示的手術用器具の図である。
【
図3】なぜ椎体の表面でドリルビットがスカイビングすると、椎体異常(例、関節炎)にとって特に問題となり得るのか、を図示する。
【
図4A】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図4B】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図5】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図6】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図7】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図8】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図9】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図10】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図11】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図12】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図13】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図14】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図15】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図16】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図17】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図18】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図19】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図20】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図21】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図22】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図23】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図24】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図25】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図26】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図27】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図28】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図29】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図30】開示された技術及び標準的なドリルビットを使用し、異なるドリルビット設計で得られたスカイビング量を計測する実験の間に撮られた静止画像である。
【
図31】開示された技術の実施形態におけるスカイブ防止ドリルビットを図示する。
【
図32A】開示された技術の実施形態におけるスカイブ防止ドリルビットを図示する。
【
図32B】開示された技術の実施形態におけるスカイブ防止ドリルビットを図示する。
【
図33A】開示された技術の実施形態におけるスカイブ防止ドリルビットを図示する。
【
図33B】開示された技術の実施形態におけるスカイブ防止ドリルビットを図示する。
【
図34】開示された技術の実施形態におけるスカイブ防止ドリルビットを図示する。
【
図35A】開示された技術の実施形態におけるスカイブ防止ドリルビットを図示する。
【
図35B】開示された技術の実施形態におけるスカイブ防止ドリルビットを図示する。
【
図35C】開示された技術の実施形態におけるスカイブ防止ドリルビットを図示する。
【
図37A】本発明の実施形態における、例示的コンプライアント部を示す。
【
図37B】本発明の実施形態における、例示的コンプライアント部を示す。
【
図38】本発明の実施形態における、例示的コンプライアント部を示す。
【
図39A】本発明の実施形態における、例示的コンプライアント部を示す。
【
図39B】本発明の実施形態における、例示的コンプライアント部を示す。
【
図39C】本発明の実施形態における、例示的コンプライアント部を示す。
【0267】
本開示の特徴及び利点は、図面と関連づけられる次の詳細な説明から明らかになり、類似の参照文字は、全体を通して対応する要素を識別する。図面では、類似の参照番号は、一般に、同一の、機能的に類似の、及び/又は構造的に類似の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0268】
骨組織に穴を準備する際に使用する、滑り止め付き手術用器具が本明細書に記載されている。ある特定の手術(脊椎手術、椎弓根スクリュー配置、髄内スクリュー配置)では、骨組織に正確な穴を準備する必要がある。しかしながら多くの例では、ドリル軸と骨の表面との間の角度が垂直ではないため、人間の生体組織はこれらの領域で穴あけをすることに上手く適合していない。開示された技術は、手術用器具が骨組織に接触すると滑る可能性を最小限にすることによって、骨組織に正確な穴を準備する能力を提供する。
【0269】
本明細書で使用されている通り、「骨組織に穴を準備する(prepare a hole in bone tissue)」とは、骨組織及び/又は骨のような組織を、ミーリング、穴あけ、研削、及び/又は切断することを網羅する。穴(hole)とは、いかなる空洞、曲がり、又はくぼみも網羅する。
【0270】
図1は、例示的な従来技術のドリルビット102及び104と、例示的な手術用器具ガイド106の図である。通常、手術用器具は、先端116に向かって狭くなるテーパ状端部114を具備する。先端116は、ドリルビットを誘導するのに使用される。標準的な手術用器具、特にドリルビットは、骨組織の表面を滑り得、穴の精度が著しく低下する。滑りは、骨組織の表面に対して斜めに(直角とは異なる角度で)穴あけすることに上手く適合されていないドリル角度αに関係する。大部分の骨の表面が完全に平らでないため、標準的なドリルビットで骨内に開けられる穴が不正確となることが多くなる。例えば、ドリルビットのチップ116が組織に入る前に、ドリルの側面(例、ドリルのテーパ状チップ114の側面)が骨組織に接触し、誘導されると、ドリルは滑りやすい。
【0271】
図2は、骨組織208の表面に接触する3つのドリルビットの比較である。
図2の通り、ドリルビット202のチップ216aが骨組織208の表面に最初に接触しないため、ドリルビット202は滑りやすい。その代わり、テーパ状チップの側面214aが、チップ216aより前に、骨組織208に接触することになる。ドリルビット202と比べ、ドリルビット204のチップ216bは、ドリルビット204のチップ216bが最初に骨組織208に接触するため、滑りにくい。しかしながら、手術中にドリルビットが滑るかどうか、及び、ドリルビットがいつ滑るか、を予測するのが難しい理由のひとつは、ドリルビットのチップが最初に骨組織208に接触するかどうかを判断するのが難しいためである。
図2に図示の滑り止め付き手術用器具206は、「チップ(tip)」が、平らなミーリング面218であり、その平らなミーリング面218が手術用器具の本体面に垂直であるため、ドリルビットが滑るリスクを低減する。滑り止め付き手術用器具206のミルヘッド210は、骨組織208に入るとき、ミーリング(例、穴あけではなく)に適合されている。いくつかの実施形態では、ヘッド210の後方の、器具本体212の一部が穴あけに適合されている(例、抜け穴、スパイラル、ねじれ、等を含む)。
【0272】
いくつかの実施形態では、滑り止め付き手術用器具206は、滑り止め付き手術用器具が骨組織208に接触するとき、手術用器具の滑り(例、手術用器具の意図しない横移動)が低減された状態で骨組織を取り除くミルヘッド210を、細長構造の端部に有する。ミルヘッド210は、平端部218を有し、その平端部218は細長構造の長手方向軸に実質的に垂直である。いくつかの実施形態では、ミルヘッド210は、細長構造の長手方向軸を中心に、骨組織に切り込むための、1つ又は複数の側面切削フルート220(例、尖らせたもの)を有する。
【0273】
1つ又は複数の側面切削フルート220は、2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを具備し得る。
【0274】
いくつかの実施形態では、滑り止め付き手術用器具206は、ドリルに接続させるためのシャンク(図示なし)を有する。いくつかの実施形態では、滑り止め付き手術用器具206は、ミルヘッド210とシャンクとの間にシャフト212を有し、シャフト212は、取り除いた骨組織を逃がすための、1つ又は複数のドリルフルート224(例、切削用ではないフルート、例、尖っていないもの)を有する。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のドリルフルート224は、2、3、4、6、8、10、又は20のフルートを具備する。1つ又は複数のドリルフルート224は、1つ又は複数の側面切削フルート220とは異なる。例えば、ドリルフルート224は、側面切削フルート220とは異なる(例、より大きい、又は、より小さい)ねじれ率(例、フルート角度)を有し得る。
【0275】
いくつかの実施形態では、ミルヘッド210の平端部218は、骨組織内に軸方向に切り込むための、1つ又は複数の端部切削フルート(図示なし)を有する。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の端部切削フルートは切歯である。さらに、いくつかの実施形態では、シャフトの長手方向長は、ミルヘッドの長手方向長より大きい。いくつかの実施形態では、シャフトの長手方向長は、ミルヘッドの長手方向長より小さい。
【0276】
図2の通り、滑り止め付き手術用器具206は、ミーリング面218を有するミルヘッド210と、穴あけ面を有するシャフト212とを有する細長構造を有する。いくつかの実施形態では、器具206は、第1端部210に対向し、ドリルによって握持されるよう構成されたシャンクを有する、第2端部を具備する。滑り止め付き手術用器具206のミルヘッド210は平らであり、細長構造の表面に実質的に垂直である。これによって、ミーリング面218が骨組織208に接触するとき、手術用器具206の滑り(例、手術用器具206の意図しない横移動)が低減される。
【0277】
いくつかの実施形態では、ミル端部210は、回転カッターを利用して材料を取り除く。ミル端部210は、様々な形状及びサイズの形態をとり得る。例えば、ミル端部210は、エンドミル、スラブミル、又はその他の型式のミーリング装置となり得る。
【0278】
いくつかの実施形態では、ミルヘッド210のフルート220は、カッターに沿った深い螺旋状の溝であり、フルート220の縁部に沿った鋭利なブレードが歯として既知である。歯が材料を切削し、この材料の切粉がカッターの回転によってフルート220に引き込まれる。いくつかの実施形態では、1フルートあたり歯は1つである。いくつかの実施形態では、1フルートあたり歯は2つ以上である。例えば、各フルート220のカッターは、2、3、4、5、又はそれ以上の歯(例、1から4、5から10、又は10から20の歯)を有してもよい。通常、カッターの歯が多くなればなるほど、材料をより速く取り除くことができる。よって、通常は4つの歯を有するカッターは、2つの歯を有するカッターの2倍の速さで材料を取り除くことができる。ミルヘッド210は、ミル端部210の一端部(すなわち、平端部218)と側面220において、切歯を有するエンドミルであってもよい。例えば、平端部218は、底面が平らなカッターであってもよい。
【0279】
いくつかの実施形態では、手術用器具206は、(例、手術用ロボットシステムによって)強固に誘導される。手術用器具206は、骨組織208に入るとき、より大きな力が径方向にかかるため、強固に誘導されることによって確実に穴が正確に配置される。いくつかの実施形態では、手術用器具206と共に使用されるドリルは、ドリル自体の振れを回避するのに十分強固である。回転速度がより速いドリル(例、パワードリル)は、径方向にかかる力を低減するのに使用され得る。
【0280】
ある実施形態では、滑り止め付きドリルビットと手術用ロボットシステムを組み合わせることによって、穴配置の正確性が達成される。滑り止め付きドリルビットを有する手術用ロボットシステムが提供する剛性により、穴を正確にあけることができ、それによって、骨と滑り止め付きドリルビットが接触するときに骨に沿ってスカイブするのを最小限にする(もしくはなくす)。手術用ロボットシステムは、手術室の床(及び/又は手術台)から、手術用器具自体まで剛性を提供する。これは、剛性を提供する「チェーン(chain)」内の各構成部品によって達成される。例示的手術システムは、「手術用器具の正確なガイダンス装置、システム、及び方法(Apparatus,Systems,and Methods for Precise Guidance of Surgical Tools)」と題する、2014年4月30日に出願の米国特許第9,283,048号に記載され、その内容全体が参考として本明細書に組み込まれる。この例では、ロボットが所定位置で固定されるよう、手術中は脚部上に置けるようモバイルカートが設計されている。さらに、ロボットアームは、基礎部にしっかりと取り付けられており、アクティブアームである。同様に、切り欠きガイドと手術用器具ホルダが、剛性を提供するよう設計されている。 切り欠きガイドの例は、「脊椎手術中軸に沿って挿入可能な器具のガイダンスを行うノッチ装置(Notched Apparatus for Guidance of an Insertable Instrument along an Axis during Spinal Surgery)」と題する、2015年1月15日出願の米国特許第9,241,771号で提供され、その内容全体が参考として本明細書に組み込まれる。手術用器具ホルダの例は、「手術用ロボットシステムと共に使用する手術用器具ホルダ(Surgical Instrument Holder for use with a Robotic Surgical System)」と題する、2015年4月24日出願の米国特許出願第2015/0305817号に提供され、その内容全体が参考として本明細書に組み込まれる。切り欠きガイド又は手術用器具ホルダ、アクティブロボットアーム、及びロボット(例、ロボットの基礎部)を滑り止め付きドリルビットに組み合わせることにより、ドリルビットが骨に接触するときの滑り(例、スカイビング)を低減させ、それによって手術用スクリューの穴を正確に配置することができる。
【0281】
いくつかの実施形態では、手術用器具206は「手術用器具の正確なガイダンス装置、システム、及び方法(Apparatus,Systems,and Methods for Precise Guidance of Surgical Tools)」と題する、2014年4月30日出願の米国特許第9,283,048号に記載され、その内容全体が参考として本明細書に組み込まれる手術用ロボットシステムのような、手術用ロボットシステムと組み合わせて使用される。
【0282】
いくつかの実施形態では、手術用器具206は、手術用器具206を強固に固定する受動アーム又は任意の装置と共に使用される。手術用器具206は、手術用器具206が手術用器具ガイドによって拘束されるよう、手術用器具ガイドに挿入可能であってもよい。手術用器具ガイドは、第1開口端部と第2開口端部とを有する剛性中空円筒状構造を具備し得る。ガイドの構造によって軸が画定され、その軸に沿って構造をスライドして通る手術用器具の移動が制限される。円筒状構造は、手術用器具206の移動(例、工具サポートに嵌合される)が、ガイドによって画定される軸に沿った方向を除くすべての方向において制約されるよう、ガイドをスライドして通る滑り止め付き手術用器具206を収容できる形状及びサイズとされた内側面を有し得る。手術用器具206は、工具サポートがガイドに係合し、手術用器具206を正確に誘導できるよう、工具サポートに嵌合され得るか、又は、一体化された工具サポートを有し得る。例えば、滑り止め付き手術用器具206は、ガイドによって画定される軸に沿って手術用器具ガイドをスライドして通るような形状及びサイズとされた工具サポートに嵌合され得る。
【0283】
手術用器具206が手術用ロボットシステムによって誘導される例では、手術用ロボットシステムはロボットアームを具備し得る。いくつかの実施形態では、ロボットアームはエンドエフェクタを有し、そのエンドエフェクタはエンドエフェクタに取り付けられた手術用器具ガイドを具備し、手術用器具ガイドは、手術用器具が通る移動を保持及び/又は制限するよう構成されている。ナビゲーションマーカーは、手術用器具206を追跡するのに使用され得る。手術用器具ガイドの軸は、操作器を介して患者の状況に関連させて所望の軌道に整列し得る。
【0284】
図3は、ドリルビットが椎体表面でスカイビングすることが、異常な椎体(例、関節炎)には特に問題となり得る理由を示す。画像の左側には、「正常な」椎体が椎弓根を貫通する標準的な軌道Aと共に示されている。この場合、入力点EAは、骨の表面が穴あけ軸に対して垂直に近いところに配置される。これによってスカイブする可能性が低くなる。
【0285】
反対に、画像の右側の状態は、関節炎の椎体(例、高齢者の椎体)を示す。さらに別の骨組織があるため、椎間間接の量が増加し、軌道に干渉する。理想的な入力点EBを斜面に置くと、スカイビングの可能性が高くなる。スカイビングが起こった場合、入力点がEB1へずれやすくなる。軌道が軌道Bではなく、軌道B1となりやすく、スクリューインプラントが椎弓根から外側へ飛び出る可能性がある。これによって、患者にとって深刻な臨床結果(神経系、血管系、等)を招き得る。手術を受ける患者の多くの関節炎は様々な進行レベルで起こっている(例、健康な患者は外傷が主な原因で手術を受けるだろう)ことに留意されたい。
【0286】
図4から
図30は、開示された技術と標準的なドリルビットを使用し、様々なドリルビットから得たスカイビング量を計測する実験中に取られた静止画像である。上記の通り、従来のドリルビットで骨を穴あけすることについての問題は、骨(例、椎体)の表面でドリルがスカイビングすることである。テストの設定が
図4(
図A~
図4B)に示されている。患者の模擬生体組織に穴をあけるのにロボットとドリルガイドを使用した。開示された技術と共に使用され得る例示的ロボットは、「手術用器具の正確なガイダンス装置、システム、及び方法(Apparatus,Systems,and Methods for Precise Guidance of Surgical Tools)」と題する、2014年4月30日出願の米国特許第9,283,048号に記載され、その内容全体が参考として本明細書に組み込まれる。患者の生体組織は、十分な椎体の力学的挙動(抵抗、弾性、骨質、等)を十分に有するモデルを提供できるよう、骨組織を統合し、代表的な柔部分組織を形成する、特注の脊椎シミュレータによって模擬実験された。
【0287】
図5は、本実験中にテストされた様々なタイプのドリルビットの写真である。開示された技術における滑り止め付きドリルビットは、ドリルビット502として示されている。これは、本発明の実施形態において、標準的なドリルビットに類似する本体と(尖った端部ではなく)平端部を備える。ドリルビット504(例、Medtronic of Minneapolis(MN)のユニバーサルドリルビットガイド(Universal Drill Bit Guide)用のドリルビット)、及び、ドリルビット506(例、Medtronic of Minneapolis(MN)のヴァーテックスマックス(Vertex(登録商標)Max)ドリルビット)は、商業上利用可能なドリルビットである。
【0288】
図6から
図30は、実験中に撮られた一連の穴あけ動画からの画像である。録画は、解像度がより高い、高速カメラ(high-frequency camera)(128fps)を使用して行った。背景に見えるルーラーにより、様々な要素の配置を予測することが可能である。穴あけはすべて、外科医が行った。軌道は、臨床的に関連しつつも、起こり得るスカイビングの状況を強調した方法で計画された。斜面(すなわち、ドリルビット軸に垂直ではない斜面)、骨端部上、別の既存の穴に近接する、というような状況である。
【0289】
図6から
図15は、ドリルビット504を使用して実施した実験中に撮影された画像である。ドリルビット504(径が小さく、鋭利なドリルビットに代表される標準的なドリルビット)を使用した実験は、ドリルビットが穴あけされる表面に垂直であれば、スカイビングがないことを示した。
【0290】
しかしながら、斜面には相当なスカイビング(+5mm)があったため、開けられた穴が不正確となり得、さらなる椎弓根の穴(すなわち、椎弓根から中央に向かって外側(脊椎管であれば麻痺を引き起こし得る)又は椎弓根から側面に向かって外側(血管系であれば死を招き得る)を開けることになり得る。
【0291】
図16から
図25は、本発明の実施形態において構成されたドリルビット502(ヘッドが平らで、径が大きい)を使用して実施した実験中に撮られた画像である。スカイビング防止ドリルビット502を使用した実験では、穴あけの際に全表面(垂直及び傾斜面)に対して許容可能なスカイビング(1mm以下)を示す。実験では、スカイブ防止ドリルビット502は、前回の穴の近くで、それらに落ちることなく穴あけすることができ、ビット502は骨に侵入する前に平らな表面上でジッタすることができる(すなわち、骨に侵入する前にスカイブする)ことが示された。最適化されたドリルビットの形状(例、
図32A又は
図32Bに示すドリルビット)で、この機能の性能が向上するだろう。
【0292】
図26から
図30は、(実験ではヴァーテックスマックス(Vertex Max)ドリルビットに代表される)ドリルビット506を使用して実施した実験中に撮られた画像である。スカイビング防止のドリルビット502を使用した実験では、標準的なドリルビット504よりもスカイビングは少なかったが、スカイビング防止のドリルビット502よりはスカイビングが大きかった。さらに、ドリルビットはより大きな力を椎体に伝送した。よって、実験で示される通り、開示された技術は、不要なスカイビングを従来のドリルビットよりも低減させるか、又は、なくすドリルビットを提供する。
【0293】
図31から
図35(
図35C)は、開示された技術の実施形態における、スカイブ防止ドリルビットを示す。ある実施形態では、
図31の通り、開示された技術の実施形態におけるドリルビット3100は、穴を作成し、穴が作成されるときに材料を逃がす穴あけ部3102と、ガイド(例、ロボットによって保持される)と相互作用するガイディング部3104と、ドリルに挿入されるか、及び/又は、ドリルによってしっかりと保持され得るアタッチメント部3106(例、シャンク)とを具備する。上記の通り、ドリルビット3100は、ミーリングヘッド3108を有する。
【0294】
ある実施形態では、
図32A及び
図32Bの通り、穴あけ部3102は、本体の側面に沿ってフルート3202を有する。これらのフルート3202は、穴が開けられるにつれ、材料を逃がす。前面3210は平らであってもよいし、及び/又は、前面切削面3210を有してもよい。さらに、前面とフルートとの間の、本体3108の一部は、側面切削面(例、ミーリング面)を有することができる。別の前面装置は、スパイク3214を有する凹状形状3212を具備し、骨の平面上でより良いガイドを行う。この実施形態では、スパイク3214は前面上の中心にある。
【0295】
ある実施形態では、
図33A及び
図33Bの通り、ドリルビットが、ガイド(例、ロボットによって保持される)と相互作用するガイディング部3104を具備する。ガイディング部3104は、アダプタのないガイドに嵌合するサイズにされている。ガイディング部3104は、
図33Aの通り、ガイドに嵌合する径を有するドリルビット長に沿って、単一円筒状本体3302から成り得る。別の実施形態では、ガイディング部は、
図33Bの通り、ガイドに嵌合する径をそれぞれ有する2つの円筒状部3304を具備する。2つのガイディング部はドリルビット本体の一部によって分けられており、そのドリルビット本体の一部は、ガイディング部より小さい径を有し、その2つのガイディング部の間に延在する。
【0296】
ある実施形態では、
図34の通り、ドリルビットの本体が、骨に穴を準備する際にユーザを支援するマーキング3402a及び3402bを、ドリルビットのドリルアタッチメント部3106とドリルビットのガイド部3104との間に有する。マーキング3402a及び3402bは、ノッチ、カラーリング、バンド、又はその他のインジケータでもよい。マーキング3402aは、ドリルの回転開始時(例、骨に接触する前)を表示する。さらに別のマーキング3402bは、ドリルの回転停止時及び/又は骨の深さ方向への侵入停止時を表示する。マーキング3402aの上側は、ドリルビットがガイドを延出させ始める時を表示し得る。ある実施形態では、
図35(
図35A、
図35B、
図35C)の通り、深度制御が別の深度制御3506を具備し、その深度制御3506はドリルビット3502に取り付けられ得る。深度制御器3506は、ドリルビット3502上の1つ又は複数のノッチ3508に着座し、ドリルビット3502がドリルビットガイドを超えて延在する深度を制御するよう締め付けられ得、それによって患者への侵入深度を制御する。
【0297】
図36は、
図37(
図37A)から
図39(
図39C)に関して記載されるような、コンプライアント部が解決する問題を説明する設定を示す。ドリルガイドは、ロボットアタッチメントに代表されるロボットによって保持される。ドリルビットは、ドリルビットに回転を与える手術用ドリルに固定される。
【0298】
通常、手術用ドリルは外科医が手で保持する。外科医はドリルビットをガイドに挿入し、患者の生体組織/骨に穴を穴あけする。患者の生体組織/骨は、椎体、頭蓋骨、及び/又は標準的な整形手術を含む、いかなる骨にもなり得る。
【0299】
手術用ドリルは、重量が相当(例、数キロも)あり得るため、
図36の上方に示す、重力Gが発生する。さらに、外科医が付加する力と共に、ドリルの回転が、力FLを与える。これらの力は、ロボットアタッチメントにおいて、反力R及びトルクTRに代表される、高反力を発生させる。これらの高反力は、ロボット部及び誘導された器具上に高負荷をかける。さらに、それらによって、誘導するときに不正確となり得る。これらの問題を解決するため、ある実施形態では、コンプライアント部(例、ドリルビット上、又は、ドリルビットの一部)が使用され、それによって、ドリル及びドリルビットシステムからロボット及びガイドへ伝送される反力を抑えつつ、挿入移動が可能となる。
【0300】
図37A及び
図37Bは、本発明の実施形態におけるドリルビットの一部の図である。この例では、ドリルビットは、1つ又は複数のコンプライアント部(例、ゴムから成る)を具備する。いくつかの事例では、ガイドの直線上にドリルを保持するのが難しい。1つ又は複数のコンプライアント部は、これらのエラーに対する耐性を増加させる。
図37Aの通り、コンプライアント部3706は、ドリルビットの第1部分3104をドリルビットの第2部分3106に接続するのに使用される。別の実施形態では、
図37Bの通り、コンプライアント部3708は、ドリルビットのドリルアタッチメント部の少なくとも一部の周囲に延在するか、及び/又は、ドリルビットのドリルアタッチメント部の少なくとも一部の周囲を覆う。ある実施形態では、コンプライアント部3706とコンプライアント部3708の両方が使用される。
図38は、コンプライアント部がドリルビットのシャフトに沿って配置され得るゾーン3802を示す。ある実施形態では、コンプライアント部は、ドリルビットシャフト上、及び/又は、ドリルビットと手術用ドリルとの間のインターフェース上に位置することができる。
【0301】
図39A、
図39B、
図39Cは、コンプライアント部を具備するドリルビットの様々な実施形態を示す。
図39Aに示す実施形態は、ゴムのような弾性材料から成るコンプライアント部を使用する。
図39Bに示す実施形態は、コンプライアンスを提供するのに使用される、金属ベローといった、コンプライアント部としてベローを使用する。
図39Cに示す実施形態は、コンプライアンスを可能にするために使用される標準的な自在継手を使用する。
【0302】
図40は、挿管状ドリルビット4002a及び4002bの図である。ある実施形態では、本明細書で開示されるドリルビットは挿管状である。ある事例では、外科医は、手術の様々な段階間でガイダンスを提供するKワイヤの使用を好む。例示的なワークフローが、例えば、「経皮技術を使用した手術用ロボットシステムで最小侵襲脊椎手術を実施するシステム及び方法(Systems and Methods for Performing Minimally Invasive Spinal Surgery with a Robotic Surgical System using a Percutaneous Technique)」と題する、2016年2月18日出願の米国特許出願第2016/0235492号の、
図2A、
図2B、
図9Aに関して記載され、その内容全体が参考として本明細書に組み込まれる。このようなワークフローを実施するため、挿管4004a及び4004b(すなわち、ガイドワイヤとも称されるKワイヤのサイズに適合されたスループット穴)が、ドリルビット4002a及び4002b内に作成され得る。
【0303】
本明細書に記載されたシステム及び方法の構造、機能及び装置を考慮して、いくつかの実施形態では、手術用ロボットシステムを使用して手術を実施するシステム及び方法が提供されている。手術用ロボットシステムを支援するための方法及び装置の特定の実施形態を説明してきたが、本開示の概念を取り入れた別の実施も使用可能であることが、当業者には明らかとなるだろう。そのため、本開示は特定の実施形態に限られるものではなく、以下の請求項の趣旨及び範囲によってのみ制限されるべきである。
【0304】
本説明の全体にわたって、装置及びシステムが特定の構成要素を有する、含む、もしくは備えるものとして記載される場合、又は、工程及び方法が特定のステップを有する、含む、もしくは備えるものとして記載される場合、開示された技術の装置及びシステムはまた、列挙される構成要素から本質的になるか、もしくはそれらからなること、及び、開示された技術における工程及び方法は、列挙される工程ステップから本質的になるか、もしくはそれらからなることが考えられる。
【0305】
開示された本技術が実施可能なままである限り、ステップの順序、又は、ある動作を行う順序は重要ではないことを理解されたい。さらに、2つ以上のステップ又は動作は、同時に実施できる。