(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】着色硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ及び表示装置
(51)【国際特許分類】
C08F 2/44 20060101AFI20220426BHJP
G03F 7/004 20060101ALI20220426BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20220426BHJP
C08F 283/10 20060101ALI20220426BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
C08F2/44 Z
G03F7/004 505
G02B5/20 101
C08F283/10
G09F9/30 349A
(21)【出願番号】P 2018051416
(22)【出願日】2018-03-19
【審査請求日】2020-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE-CHEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】132, YAKCHON-RO, IKSAN-SI, JEOLLABUK-DO 54631, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】特許業務法人アスフィ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075409
【氏名又は名称】植木 久一
(74)【代理人】
【識別番号】100129757
【氏名又は名称】植木 久彦
(74)【代理人】
【識別番号】100115082
【氏名又は名称】菅河 忠志
(74)【代理人】
【識別番号】100125243
【氏名又は名称】伊藤 浩彰
(72)【発明者】
【氏名】中山 智博
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼石 悠
【審査官】佐藤 貴浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-126058(JP,A)
【文献】特開2015-060154(JP,A)
【文献】特開2015-180712(JP,A)
【文献】国際公開第2016/121194(WO,A1)
【文献】特開2012-032754(JP,A)
【文献】特表2019-504171(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0057688(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 2/00-2/60
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色剤、樹脂、重合性化合物及び重合開始剤を含み、
着色剤が、式(I)で表される化合物及び赤色顔料(但し、式(I)で表される化合物を除く。)を含み、
赤色顔料の含有率が、着色剤全量に対して、10質量%以上95質量%以下である着色硬化性樹脂組成物。
【化1】
[式(I)中、
R
1~R
11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~8の飽和炭化水素基又は炭素数6~20のアリール基を表し、該飽和炭化水素基及び該アリール基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよ
く、
R
7
~R
11
の少なくとも1つは、ハロゲン原子である。
R
12~R
15は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~8の飽和炭化水素基、フェニル基又はベンジル基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、該フェニル基及び該ベンジル基に含まれる水素原子は、炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はビニル基で置換されていてもよい。
R
1とR
13、R
2とR
12、R
4とR
15及びR
5とR
14は、それぞれ連結して窒素原子を含む6員環を形成していてもよく、R
12とR
13及びR
14とR
15は、それぞれ連結して窒素原子を含む3~6員環の複素環を形成していてもよい。
A
q-はq価のアニオンを表し、qは1又は2を表す。
pは、式(I)で表される化合物が電荷を中性に保つ係数を表す。]
【請求項2】
着色剤が、さらに黄色顔料(但し、式(I)で表される化合物を除く。)を含む請求項1記載の着色硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1又は2記載の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
【請求項4】
請求項3記載のカラーフィルタを含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置及びプラズマディスプレイ等の表示装置やCCDやCMOSセンサなどの固体撮像素子に使用されるカラーフィルタは、着色硬化性樹脂組成物から製造される。このような着色硬化性樹脂組成物として、着色剤として下記式で表される化合物を含む組成物が知られている(特許文献1)。
【0003】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来から知られる上記の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタは、明度が満足できるものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の要旨は、以下の通りである。
[1] 着色剤、樹脂、重合性化合物及び重合開始剤を含み、
着色剤が、式(I)で表される化合物及び赤色顔料(但し、式(I)で表される化合物を除く。)を含み、
赤色顔料の含有率が、着色剤全量に対して、10質量%以上95質量%以下である着色硬化性樹脂組成物。
【0007】
【0008】
[式(I)中、
R1~R11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~8の飽和炭化水素基又は炭素数6~20のアリール基を表し、該飽和炭化水素基及び該アリール基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
R12~R15は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~8の飽和炭化水素基、フェニル基又はベンジル基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、該フェニル基及び該ベンジル基に含まれる水素原子は、炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はビニル基で置換されていてもよい。
R1とR13、R2とR12、R4とR15及びR5とR14は、それぞれ連結して窒素原子を含む6員環を形成していてもよく、R12とR13及びR14とR15は、それぞれ連結して窒素原子を含む3~6員環の複素環を形成していてもよい。
Aq-はq価のアニオンを表し、qは1又は2を表す。
pは、式(I)で表される化合物が電荷を中性に保つ係数を表す。]
[2] 着色剤が、さらに黄色顔料(但し、式(I)で表される化合物を除く。)を含む[1]記載の着色硬化性樹脂組成物。
[3] [1]又は[2]記載の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
[4] [3]記載のカラーフィルタを含む表示装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明の着色硬化性樹脂組成物によれば、明度に優れたカラーフィルタを形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、着色剤(以下、着色剤(A)という場合がある)、樹脂(以下、樹脂(B)という場合がある)、重合性化合物(以下、重合性化合物(C)という場合がある)、及び重合開始剤(以下、重合開始剤(D)という場合がある)を含む。
着色剤(A)は、式(I)で表される化合物及び赤色顔料(但し、式(I)で表される化合物を除く)を含み、赤色顔料の含有率が、着色剤全量に対して、10質量%以上95質量%以下である。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、さらに溶剤を含むことが好ましい。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、レベリング剤を含んでもよい。
本明細書において、各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で又は複数種を組合せて使用することができる。
【0011】
<着色剤(A)>
着色剤(A)は、式(I)で表される化合物及び赤色顔料(式(I)で表される化合物を除く)を含む。
式(I)で表される化合物は、以下の通りである。
【0012】
【0013】
[式(I)中、
R1~R11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~8の飽和炭化水素基又は炭素数6~20のアリール基を表し、該飽和炭化水素基及び該アリール基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
R12~R15は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1~8の飽和炭化水素基、フェニル基又はベンジル基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、該フェニル基及び該ベンジル基に含まれる水素原子は、炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はビニル基で置換されていてもよい。
R1とR13、R2とR12、R4とR15及びR5とR14は、それぞれ連結して窒素原子を含む6員環を形成していてもよく、R12とR13及びR14とR15は、それぞれ連結して窒素原子を含む3~6員環の複素環を形成していてもよい。
Aq-はq価のアニオンを表し、qは1又は2を表す。
pは、式(I)で表される化合物が電荷を中性に保つ係数を表す。]
【0014】
R1~R15を表す炭素数1~8の飽和炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状の何れであってもよい。直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2-エチルヘキシル基等の分岐鎖状アルキル基等が挙げられる。該飽和炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~6であり、好ましくは1~4である。
環状の飽和炭化水素基は、単環でも多環でもよい。該環状の飽和炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。該環状の飽和炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~8であり、より好ましくは6~8である。
中でも、直鎖状飽和炭化水素基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基が特に好ましい。
【0015】
R1~R11の炭素数6~20のアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基、ターフェニル基等が挙げられ、好ましくは、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基であり、特に好ましくはフェニル基である。当該アリール基は、炭素数6~20であり、好ましくは炭素数6~15、より好ましくは炭素数6~12である。
【0016】
前記飽和炭化水素基及び前記アリール基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。またハロゲン原子がフッ素原子の場合、トリフルオロメチル単位、ペンタフルオロエチル単位、ヘプタフルオロプロピル単位などのペルフルオロアルキル単位を形成する様にハロゲン原子が置換していることが好ましい。
【0017】
式(I)で表される化合物は、1以上5以下のハロゲン原子を有することが好ましく、1以上3以下のハロゲン原子を有することがより好ましく、1又は2のハロゲン原子を有することがさらに好ましい。当該ハロゲン原子は、水素原子が置換されているものを含んでいてもよい。
【0018】
中でも、R1~R11の少なくとも1つは、ハロゲン原子であることが好ましく、R7~R11の少なくとも1つは、ハロゲン原子であることがより好ましく、R7~R11のいずれか1つはハロゲン原子であることがさらに好ましい。また、R1~R11のうち2つがハロゲン原子である場合、R7とR8、R7とR9、R7とR10、R7とR11、R8とR9、R8とR10、R8とR11、R9とR10、R9とR11、又はR10とR11はハロゲン原子であることがさらに好ましい。中でも、R7、R7とR8、R7とR9、R9とR11はハロゲン原子であることがさらにより好ましく、R7、R7とR8、R9とR11はハロゲン原子であることが特に好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられるが、塩素であることが最も好ましい。
【0019】
R12~R15において、フェニル基及びベンジル基に含まれる水素原子は、炭素数1~4のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はビニル基で置換されていてもよい。
R12~R15のフェニル基及びベンジル基に含まれる水素原子が置換されていてもよい、炭素数1~4のアルキル基は、前記炭素数1~8の飽和炭化水素基のうち、炭素数1~4のものと同様のものが挙げられる。
【0020】
R1とR13、R2とR12、R4とR15、R5とR14は、それぞれ連結して窒素原子を含む6員環を形成していてもよい。
該6員環としては、テトラヒドロピリジン環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環等が挙げられる。
【0021】
R12とR13、R14とR15は、それぞれ連結して窒素原子を含む3~6員環の複素環を形成していてもよい。
該3~6員環の複素環としては、ピロリジン環、モルホリン環、ピペリジン環、ピペラジン環、チオモルホリン環、ピロール環、イミダゾール環、イミダゾリジン環、ピラゾリジン環、イソチアゾリジン環等の含窒素複素環が挙げられ、好ましくはピロリジン環、ピペリジン環などのヘテロ原子として窒素原子1つだけを有する含窒素脂肪族複素環が挙げられる。
【0022】
R1~R6は、ともに水素原子であり、R7~R11の少なくとも1つは、ハロゲン原子であり、R12~R15は、それぞれ独立して炭素数1~8の飽和炭化水素基であることが好ましく、
R1~R6は、ともに水素原子であり、R7~R11の1つ又は2つは、ハロゲン原子であり、R12~R15は、それぞれ独立して炭素数1~8の直鎖状飽和炭化水素基であることがより好ましく、
R1~R6は、ともに水素原子であり、R7~R11のいずれか1つは、ハロゲン原子であるか、或いはR7とR8、R7とR9、R7とR10、R7とR11、R8とR9、R8とR10、R8とR11、R9とR10、R9とR11、又はR10とR11はハロゲン原子であり、R12~R15は、それぞれ独立して炭素数1~4のアルキル基であることがさらに好ましい。
ハロゲン原子以外を表すR7~R11は、ともに水素原子であることが好ましい。
【0023】
Aq-は、q価のアニオンを表し、qは1又は2を表す。
pは、式(I)で表される化合物が電荷を中性に保つ係数を表す。具体的に、pは、好ましくは1~14であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~4であり、さらにより好ましくは1~3であり、特に好ましくは1又は2である。
【0024】
上記アニオンとしては、ハロゲン化物アニオン、その他の無機アニオン、有機カルボン酸アニオン、有機スルホン酸アニオン、有機リン酸アニオン、有機イミド酸アニオン、有機メチド酸アニオン、有機クロム酸アニオン等が挙げられる。
【0025】
ハロゲン化物アニオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、フッ化物イオン等が挙げられる。
【0026】
無機アニオンとしては、過塩素酸イオン、塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン(以下「アニオン(VII)」という場合がある。)、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン等が挙げられる。
【0027】
また、無機アニオンとしては、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの原子と酸素原子とを含有するアニオンが挙げられる。耐熱性の観点からタングステン原子と酸素原子とを含有するアニオンが好ましい。
【0028】
タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの原子と酸素原子とを含有するアニオンとしては、α-[PW12O40]3-(以下「アニオン(IX)」という場合がある。)等のケギン型リンタングステン酸イオン;α-[P2W18O62]6-、β-[P2W18O62]6-等のドーソン型リンタングステン酸イオン;α-[SiW12O40]4-、β-[SiW12O40]4-、γ-[SiW12O40]4-等のケギン型ケイタングステン酸イオン;[P2W17O61]10-、[P2W15O56]12-、[H2P2W12O48]12-、[NaP5W30O110]14-、α-[SiW9O34]10-、γ-[SiW10O36]8-、α-[SiW11O39]8-、β-[SiW11O39]8-;[W6O19]2-、[W10O32]4-、WO4
2-等のタングステン含有イソポリ酸イオン;ケイ酸イオン;リン酸イオン等が挙げられる。
【0029】
有機カルボン酸アニオンとしては、酢酸イオン、シュウ酸イオン、安息香酸イオン等が挙げられる。
【0030】
有機スルホン酸アニオンとしては、メタンスルホン酸イオン、ドデシルスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ジフェニルアミン-4-スルホン酸イオン、2-アミノ-4-メチル-5-クロロベンゼンスルホン酸イオン、2-アミノ-5-ニトロベンゼンスルホン酸イオン、フタロシアニンスルホン酸イオン、重合性置換基を有するスルホン酸イオン、ベンゼンジスルホン酸アニオン、ナフタレンジスルホン酸アニオン等が挙げられる。
有機リン酸アニオンとしては、オクチルリン酸イオン、ドデシルリン酸イオン、オクタデシルリン酸イオン、フェニルリン酸イオン、ノニルフェニルリン酸イオン、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ホスホン酸イオン等が挙げられる。
【0031】
有機クロム酸アニオンとしては、ビス[2-[(4,5-ジヒドロ-3-メチル-5-オキソ-1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)アゾ]ベンゾアト]クロム酸イオン(以下「アニオン(VIII)」という場合がある。)等が挙げられる。
【0032】
中でも、Aq-としては、無機アニオン、有機カルボン酸アニオン、有機スルホン酸アニオン、有機イミド酸アニオン、有機メチド酸アニオンが好ましく、ヘキサフルオロリン酸イオン、含フッ素有機カルボン酸アニオン、含フッ素有機スルホン酸アニオン、含フッ素有機イミド酸アニオン、含フッ素有機メチド酸アニオン(以下、これらを総称して含フッ素アニオンともいう)がより好ましい。
【0033】
含フッ素アニオンとしては、例えば、CF3CO2
-及び式(III)、(IV)、(V)又は、(VI)で表されるアニオンが挙げられる。
【0034】
【0035】
[式(III)中、W3及びW4は、互いに独立に、フッ素原子若しくは炭素数1~4のフッ化アルキル基を表すか、又は、W3とW4とが一緒になって炭素数1~4のフッ化アルカンジイル基を表す。]
【0036】
【0037】
[式(IV)中、W5~W7は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1~4のフッ化アルキル基を表す。]
【0038】
【0039】
[式(V)中、Y1は炭素数1~4のフッ化アルカンジイル基を表す。]
【0040】
【0041】
[式(VI)中、Y2は炭素数1~4のフッ化アルキル基を表す。]
【0042】
式(III)、(IV)、及び(VI)において、炭素数1~4のフッ化アルキル基としては、ペルフルオロアルキル基が好ましい。該ペルフルオロアルキル基としては、-CF3、-CF2CF3、-CF2CF2CF3、-CF(CF3)2、-CF2CF2CF2CF3、-CF2CF(CF3)2、-C(CF3)3等が挙げられる。
【0043】
式(III)及び(V)において、炭素数1~4のフッ化アルカンジイル基としては、ペルフルオロアルカンジイル基が好ましく、-CF2-、-CF2CF2-、-CF2CF2CF2-、-C(CF3)2-、-CF2CF2CF2CF2-等が挙げられる。
【0044】
式(III)で表されるアニオン(以下「アニオン(III)」という場合がある)としては、それぞれ式(III-1)~式(III-6)で表されるアニオン(以下、「アニオン(III-1)」~「アニオン(III-6)」という場合がある)が挙げられる。
【0045】
【0046】
式(IV)で表されるアニオン(以下「アニオン(IV)」という場合がある)としては、式(IV-1)で表されるアニオン(IV-1)が挙げられる。
【0047】
【0048】
式(V)で表されるアニオン(以下「アニオン(V)」という場合がある)としては、それぞれ式(V-1)~式(V-4)で表されるアニオン(以下「アニオン(V-1)」~「アニオン(V-4)」という場合がある)が挙げられる。
【0049】
【0050】
式(VI)で表されるアニオン(以下「アニオン(VI)」という場合がある)としては、それぞれ式(VI-1)~式(VI-4)で表されるアニオン(以下「アニオン(VI-1)」~「アニオン(VI-4)」という場合がある)が挙げられる。
【0051】
【0052】
含フッ素アニオンは、CF3CO2
-、アニオン(III)、アニオン(IV)、アニオン(V)及びアニオン(VI)からなる群より選ばれる少なくとも1つのアニオンであってもよい。中でも、CF3CO2
-、アニオン(III-1)、アニオン(III-2)、アニオン(III-6)、アニオン(IV-1)、アニオン(V-1)、アニオン(VI-1)、アニオン(VI-2)、アニオン(VI-3)が好ましく、CF3CO2
-、アニオン(III-2)、アニオン(IV-1)、アニオン(VI-1)がより好ましい。
【0053】
式(I)で表される化合物は、式(I-A)で表される化合物であることが好ましい。
【0054】
【化12】
(式(I-A)中、R
7~R
15、p、q、A
q-は前記と同義である。)
【0055】
以下の表1~8において、Meはメチル基、Etはエチル基、III-1~III-6、VI-1、VIIは、上記式(III-1)~式(III-6)で表されるアニオン、式(VI-1)で表されるアニオン、式(VII)で表されるアニオンを表す。
【0056】
式(I-A)で表される化合物は、式(I-1)~式(I-480)で表される化合物であることが好ましい。
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
中でも、式(I-1)~式(I-240)で表される化合物が好ましく、式(I-121)~式(I-240)で表される化合物がより好ましく、式(I-136)~式(I-150)で表される化合物、式(I-226)~式(I-240)で表される化合物がさらに好ましく、式(I-136)、式(I-141)、式(I-142)、式(I-149)、式(I-226)で表される化合物が特に好ましく、式(I-136)、式(I-141)、式(I-149)、式(I-226)で表される化合物が最も好ましい。
【0066】
式(I)で表される化合物の含有率は、着色剤全量に対して、5質量%以上90質量%以下であることが好ましく、5質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。
【0067】
式(I)で表される化合物の含有率は、固形分全量に対して、0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上12質量%以下であることがさらに好ましい。
ここで、本明細書における「固形分全量」とは、着色硬化性樹脂組成物全量から溶剤の含有量を除いた量のことをいう。固形分全量及びこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
【0068】
<赤色顔料>
本発明の着色硬化性樹脂組成物に含まれる赤色顔料としては、公知の顔料を使用することができ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている顔料のうち、赤色に分類されるものが挙げられる。2種以上を組合せてもよい。但し、式(I)で表される化合物を除く。
【0069】
具体的には、C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、179、180、192、202、209、215、216、224、242、254、255、264、265、266、268、269、273等の赤色顔料が挙げられる。
【0070】
赤色顔料の中でも、アントラキノン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ジケトピロロピロール顔料が好ましく、C.I.ピグメントレッド177、179、202、208、242、254、269、臭素化ジケトピロロピロール顔料が好ましく、C.I.ピグメントレッド177、254、臭素化ジケトピロロピロール顔料がより好ましい。
【0071】
赤色顔料の含有率は、着色剤全量に対して、10質量%以上95質量%以下であり、30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましい。
【0072】
本発明の着色硬化性樹脂組成物が後述の着色剤(A1)を含む場合、式(I)で表される化合物と赤色顔料の合計含有率は、着色剤全量に対して、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上であり、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下である。
【0073】
赤色顔料の含有率は、固形分全量に対して、1質量%以上60質量%以下であることが好ましく、2質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
【0074】
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、着色剤(A)として、式(I)で表される化合物及び赤色顔料以外の着色剤(以下、着色剤(A1)という場合がある)を含んでいてもよい。着色剤(A1)には、1種又は2種以上の着色剤が含まれていてもよい。
【0075】
着色剤(A1)は、染料であっても顔料であってもよい。染料としては、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists 出版)及び染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。また、化学構造によれば、アゾ染料、アントラキノン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料(但し、式(I)で表される化合物を除く。)、シアニン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、スクアリリウム染料、アクリジン染料、スチリル染料、クマリン染料、キノリン染料、ニトロ染料及びフタロシアニン染料等が挙げられる。これらのうち、有機溶剤可溶性染料が好ましい。これらの染料は、2種以上を併用してもよい。
【0076】
具体的には、以下のようなカラーインデックス(C.I.)番号の染料が挙げられる。C.I.ソルベントイエロー14、15、23、24、25、38、62、63、68、
79、81、82、83、89、94、98、99、162;
C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251;
C.I.リアクティブイエロー2、76、116;
C.I.ダイレクトイエロー2、4、28、33、34、35、38、39、43、44、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、132、136、138、141;
C.I.ディスパースイエロー51、54、76;
C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、41、54、56、99;
C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、149、162、169、173;
C.I.リアクティブオレンジ16;
C.I.ダイレクトオレンジ26、34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107;
C.I.ソルベントレッド24、49、90、91、111、118、119、122、124、125、127、130、132、143、145、146、150、151、155、160、168、169、172、175、181、207、218、222、227、230、245、247;
C.I.アシッドレッド73、80、91、92、97、138、151、211、274、289;
C.I.アシッドバイオレット34、102;
C.I.ディスパースバイオレット26、27;
C.I.ソルベントバイオレット11、13、14、26、31、36、37、38、45、47、48、51、59、60;
C.I.ソルベントブルー14、18、35、36、45、58、59、59:1、63、68、69、78、79、83、94、97、98、100、101、102、104、105、111、112、122、128、132、136、139;
C.I.アシッドブルー25、27、40、45、78、80、112;
C.I.ダイレクトブルー40;
C.I.ディスパースブルー1、14、56、60;
C.I.ソルベントグリーン1、3、5、28、29、32、33;
C.I.アシッドグリーン3、5、9、25、27、28、41;
C.I.ベーシックグリーン1;
C.I.バットグリーン1等。
【0077】
顔料としては、公知の顔料を使用することができ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメント
に分類されている顔料が挙げられる。2種以上を組合せてもよい。但し、式(I)で表される化合物を除く。
具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、185、194、214等の黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等のオレンジ色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60等の青色顔料;
C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38等のバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36、58、59の緑色顔料が挙げられる。
【0078】
着色剤(A1)としては、黄色顔料が好ましく、C.I.ピグメントイエロー138、139、150、185がより好ましい。
【0079】
黄色顔料を含む場合、その含有率は、着色剤全量に対して、好ましくは1質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上40質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以上35質量%以下である。
【0080】
黄色顔料の含有率は、固形分全量に対して、好ましくは1質量%以上25質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上20質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以上15質量%以下である。
【0081】
式(I)で表される化合物、赤色顔料及び着色剤(A1)における顔料(以下、顔料等という場合がある)は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された着色剤誘導体等を用いた表面処理、高分子化合物等による顔料等表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等による微粒化処理、不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理等が施されていてもよい。顔料等の粒径は、それぞれ略均一であることが好ましい。顔料等は、分散剤を含有させて分散処理を行うことで、分散液の中で均一に分散された状態となる。
【0082】
分散剤としては、界面活性剤等が挙げられ、カチオン系、アニオン系、ノニオン系及び両性のいずれの界面活性剤であってもよい。具体的にはポリエステル系、ポリアミン系及びアクリル系等の界面活性剤等が挙げられる。他の分散剤として、後述する樹脂(B)を使用してもよい。これらの分散剤は、単独で又は二種以上を組合せて用いてもよい。分散剤としては、商品名で表すと、KP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(登録商標)(ゼネカ(株)製)、EFKA(登録商標)(BASF社製)、アジスパー(登録商標)(味の素ファインテクノ(株)製)及びDisperbyk(登録商標)(ビックケミー社製)、BYK(登録商標)(ビックケミー社製)等が挙げられる。
【0083】
分散剤を用いる場合、分散剤の使用量は、顔料等100質量部に対して、好ましくは100質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上70質量部以下である。分散剤の使用量が前記の範囲にあると、より均一な分散状態の着色剤含有液が得られる傾向がある。
【0084】
着色硬化性樹脂組成物中、着色剤(A)の含有量は、固形分全量中、通常20質量%以上80質量%以下であり、好ましくは30質量%以上70質量%以下であり、より好ましくは40質量%以上60質量%以下である。
【0085】
<樹脂(B)>
樹脂(B)は、特に限定されないが、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましく、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a)(以下「(a)」という場合がある)に由来する構造単位を有する樹脂がより好ましい。樹脂(B)は、さらに、炭素数2~4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」という場合がある)に由来する構造単位、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)(以下「(c)」という場合がある)に由来する構造単位、並びに、側鎖にエチレン性不飽和結合を有する構造単位からなる群から選ばれる少なくとも一種の構造単位を有することが好ましい。
【0086】
(a)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、こはく酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等が挙げられ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸である。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
【0087】
(b)は、炭素数2~4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群から選ばれる少なくとも1種)と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体が好ましい。
(b)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、ビニルベンジルグリシジルエーテル、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)アクリレート、3-エチル-3-(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましくは、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)アクリレート、3-エチル-3-(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタンである。
【0088】
(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イル(メタ)アクリレートベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、好ましくは、スチレン、ビニルトルエン、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド等が好ましい。
【0089】
側鎖にエチレン性不飽和結合を有する構造単位を有する樹脂は、(a)と(c)との共重合体に(b)を付加させるか、(b)と(c)との共重合体に(a)を付加させることにより製造することができる。該樹脂は、(b)と(c)との共重合体に(a)を付加させさらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂であってもよい。
【0090】
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000~100,000であり、より好ましくは5,000~50,000であり、さらに好ましくは5,000~30,000である。
樹脂(B)の分散度[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1~6であり、より好ましくは1.2~4である。
【0091】
樹脂(B)の酸価は、固形分換算で、好ましくは50~170mg-KOH/gであり、より好ましくは60~150mg-KOH/g、さらに好ましくは70~135mg-KOH/gである。ここで酸価は樹脂(B)1gを中和するために必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
【0092】
樹脂(B)の含有率は、固形分全量に対して、好ましくは1~60質量%であり、より好ましくは5~50質量%であり、さらに好ましくは7~40質量%である。
【0093】
<重合性化合物(C)>
重合性化合物(C)は、重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル及び/又は酸によって重合しうる化合物であり、例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
【0094】
中でも、重合性化合物(C)は、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物であることが好ましい。このような重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
【0095】
重合性化合物(C)の重量平均分子量は、好ましくは150以上2,900以下、より好ましくは250以上1,500以下である。
【0096】
重合性化合物(C)の含有率は、固形分全量に対して、好ましくは1質量%以上30質量%未満であり、より好ましくは3質量%以上28質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以上20質量%以下である。
【0097】
<重合開始剤(D)>
重合開始剤(D)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始しうる化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。
活性ラジカルを発生する重合開始剤としては、例えば、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルスルファニルフェニル)プロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジルブタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
【0098】
重合開始剤は、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、アルキルフェノン化合物、O-アシルオキシム化合物及びビイミダゾール化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む重合開始剤が好ましく、O-アシルオキシム化合物を含む重合開始剤がより好ましい。
【0099】
重合開始剤(D)の含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1~30質量部であり、より好ましくは1~20質量部である。重合開始剤(D)の含有量が、前記の範囲内にあると、高感度化して露光時間が短縮される傾向があるためカラーフィルタの生産性が向上する。
【0100】
O-アシルオキシム化合物の含有率は、重合開始剤(D)の総量に対して、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、特に好ましくは95質量%以上である。O-アシルオキシム化合物の含有率が前記の範囲内であると、着色パターンを形成する際の感度や現像性、着色剤含有率が高い場合でも高明度なカラーフィルタを作製できる傾向がある。
【0101】
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、重合開始助剤を含んでいてもよい。
【0102】
<重合開始助剤(D1)>
重合開始助剤(D1)は、重合開始剤によって重合が開始された重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。重合開始助剤(D1)を含む場合、通常、重合開始剤(D)と組み合わせて用いられる。
重合開始助剤(D1)としては、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、9,10-ジメトキシアントラセン、2,4-ジエチルチオキサントンN-フェニルグリシン等が挙げられる。
【0103】
これらの重合開始助剤(D1)を用いる場合、その含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1~30質量部、より好ましくは1~20質量部である。重合開始助剤(D1)の量がこの範囲内にあると、さらに高感度で着色パターンを形成することができ、カラーフィルタの生産性が向上する傾向にある。
【0104】
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、溶剤を含むことが好ましい。
【0105】
<溶剤(E)>
溶剤(E)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及び-COO-を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
【0106】
溶剤としては、乳酸エチル、乳酸ブチル、2-ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸n-ブチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸エチル、アセト酢酸メチル、シクロヘキサノールアセテート及びγ-ブチロラクトン等のエステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤);エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、等のエーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤);
3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤);
4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、ヘプタノン、4-メチル-2-ペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤);ブタノール、シクロヘキサノール、プロピレングリコール等のアルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及び-COO-を含まない溶剤);トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤;ジアセトンアルコールなどが挙げられる。N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド及びN-メチルピロリドン等のアミド溶剤が挙げられる。
【0107】
溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール及び3-エトキシプロピオン酸エチルがより好ましい。
【0108】
溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含む混合溶剤が好ましい。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと組み合わせる溶剤としては、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、3-メトキシ-1-ブタノール、ジアセトンアルコール、及び4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メトキシ-1-ブタノール、ジアセトンアルコール及び3-エトキシプロピオン酸エチルがより好ましく、乳酸エチル、ジアセトンアルコールがさらに好ましい。
【0109】
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと組み合わせる溶剤の合計含有率は、溶剤全量に対して、好ましくは0.1質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以上40質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以上である。
【0110】
溶剤(E)を含む場合、溶剤(E)の含有率は、本発明の着色硬化性樹脂組成物全量に対して、好ましくは65~95質量%であり、より好ましくは70~92質量%である。言い換えると、着色硬化性樹脂組成物の固形分全量は、好ましくは5~35質量%、より好ましくは8~30質量%である。溶剤(E)の含有率が前記の範囲内にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
【0111】
<その他の成分>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、レベリング剤、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、光安定剤、連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の添加剤を含んでもよい。
【0112】
<着色硬化性樹脂組成物の製造方法>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、着色剤(A)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、必要に応じて溶剤(E)及びその他の成分を混合することにより調製できる。
【0113】
<カラーフィルタの製造方法>
本発明の着色硬化性樹脂組成物から着色パターンを製造する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。中でも、フォトリソグラフ法が好ましい。フォトリソグラフ法において、露光の際にフォトマスクを用いないこと、及び/又は現像しないことにより、上記着色組成物層の硬化物である着色塗膜を形成することができる。このように形成した着色パターンや着色塗膜が本発明のカラーフィルタである。
【0114】
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、明度に優れたカラーフィルタを作製することができる。該カラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL装置、電子ペーパー等)及び固体撮像素子に用いられるカラーフィルタとして有用である。
【実施例】
【0115】
以下、実施例によって本発明の着色硬化性樹脂組成物について、より詳細に説明する。
例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部である。
【0116】
<製造例1:ロイコ体1の合成>
氷浴にて、硫酸(40.2部)にN,N-ジエチルアミノフェノール(18.9部)と2,4-ジクロロベンズアルデヒド(10.0部)を加え、125℃で2日間攪拌した。反応終了後、氷浴にて反応液を水酸化ナトリウム水溶液に注ぎ、析出した紫色結晶をろ過した。得られた紫色結晶をカラムクロマトグラフィーにて分離精製し、下記ロイコ体1を16.1部(収率60.0%)得た。
【0117】
【0118】
<製造例2:ロイコ体2の合成>
製造例1の2,4-ジクロロベンズアルデヒドを2,3-ジクロロベンズアルデヒドに変え、同様の操作を行い、収率63.0%で下記ロイコ体2を得た。
【0119】
【0120】
<製造例3:ロイコ体3の合成>
製造例1の2,4-ジクロロベンズアルデヒドを2-クロロベンズアルデヒドに変え、同様の操作を行い、収率61.0%で下記ロイコ体3を得た。
【0121】
【0122】
<製造例4:ロイコ体4の合成>
製造例1の2,4-ジクロロベンズアルデヒドを2,6-ジクロロベンズアルデヒドに変え、同様の操作を行い、収率30.0%で下記ロイコ体4を得た。
【0123】
【0124】
<製造例5:化合物(I-149)の合成>
上記ロイコ体1(6.5部)とクロラニル(5.5部)をアセトニトリル(33.6部)に溶かし、室温で3時間攪拌した。反応液をクロロホルムで希釈し、水酸化ナトリウム水溶液を加えた。析出した固体をろ過後、ろ液をクロロホルムで抽出し、水、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウム水溶液、水の順で洗浄した。濃縮後、残渣をメタノールで晶析し、紫色結晶として下記化合物(I-149)[式(I-149)で表される化合物]を4.76部(収率42.5%)得た。
【0125】
【0126】
<製造例6:化合物(I-141)の合成>
実施例1のロイコ体1をロイコ体2に変え、同様の操作を行い、収率34.9%で下記化合物(I-141)[式(I-141)で表される化合物]を得た。
【0127】
【0128】
<製造例7:化合物(I-136)の合成>
実施例1のロイコ体1をロイコ体3に変え、同様の操作を行い、収率44.0%で下記化合物(I-136)[式(I-136)で表される化合物]を得た。
【0129】
【0130】
<製造例8:化合物(I-226)の合成>
実施例1のロイコ体1をロイコ体3に、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウム水溶液をヘキサフルオロリン酸カリウム水溶液に変え、同様の操作を行い、収率53.0%で下記化合物(I-226)[式(I-226)で表される化合物]を得た。
【0131】
【0132】
<製造例9:化合物(I-142)の合成>
実施例1のロイコ体1をロイコ体4に変え、同様の操作を行い、収率41.8%で下記化合物(I-142)[式(I-142)で表される化合物]を得た。
【0133】
【0134】
<1H-NMR>
上記で得られた各化合物を重溶媒(CDCl3)にそれぞれ溶解し、1H-NMR(Bruker社製 AVANCE(登録商標)IIIHD400)を測定した。
結果を表9に示す。
【0135】
【0136】
上記で得られた各化合物について最大吸収波長(λmax)、モル吸光係数(ε)の評価を、下記の手順で行った。結果を表10に示す。
【0137】
<最大吸収波長(λmax)及びモル吸光係数(ε)>
試料(各化合物)を10mg秤量し、100mlメスフラスコに入れ、これにクロロホルムを標線まで加え、超音波で10分振盪させ、均一化した溶液を得た。得られた溶液からホールピペットで2mlを取り出し、空の50mlメスフラスコに入れた後、これにクロロホルムを標線まで加え、測定サンプルを調製した。
上記測定サンプルについて、日本分光製U-3900にて下記の測定を行った。即ち、クロロホルムのベースラインを測定後、上記測定サンプルを光路長1cmのクォーツセルに入れ、800~300nmの可視光領域を0.5nm間隔にて300nm/minで吸光度測定し、600~400nmで最大吸光度となる波長をλmaxとした。また、λmaxの吸光度とその分子量から、ランベルトベールの法則を用い、モル吸光係数εを計算した。
【0138】
【0139】
赤色顔料合成例
174部のtert-アミルアルコールと金属ナトリウム22.2部を窒素雰囲気下130℃で反応させてナトリウムtert-アミルアルコラートを合成した。これを60℃に加熱し、4-ブロモベンゾニトリル91.0部、琥珀酸ジ-tert-アミルエステル71.05部、tert-アミルアルコール108.9部を加え、液温が85℃以下になるように2時間攪拌した。この懸濁液をさらに18時間以上攪拌し、その後、-10℃に冷却したメタノール200部と水1000部と硫酸49.21部の混合液に加えた。懸濁液の添加が終了した後、0℃に保ち5時間攪拌して反応を完了させた後、固形分を濾過した。固形分は、メタノールと水で交互に、濾液の着色がなくなり、かつ塩の析出がなくなるまで繰り返し洗った。その後、固形分を80℃の真空乾燥機で18時間乾燥し、目的の赤色顔料1を得た。得られた量は107部であった。
【0140】
樹脂合成例1
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、乳酸エチル141部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート178部を入れ、攪拌しながら85℃まで加熱した。次いで、アクリル酸38部、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-8-イルアクリレート及び3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-9-イルアクリレートの混合物(含有率は1:1)25部、シクロヘキシルマレイミド137部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート50部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート338部の混合溶液を5時間かけて滴下した。一方、2,2-アゾビスイソブチロニトリル5部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート88部に溶解した混合溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、85℃で4時間保持した後、室温まで冷却して、固形分25.6%の共重合体(樹脂(B-1))溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは8000、分散度2.1、固形分換算の酸価は111mg-KOH/gであった。樹脂(B-1)は下記構造単位を有する。
【0141】
【0142】
樹脂合成例2
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流して窒素雰囲気とし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート280部を入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。次いで、該フラスコ内に、アクリル酸38部、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イルアクリレート及び3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-9-イルアクリレートの混合物(含有率は1:1)289部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート125部に溶解した溶液を滴下ポンプを用いて約5時間かけて滴下した。一方、重合開始剤2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)33部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート235部に溶解した溶液を別の滴下ポンプを用いて約6時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下終了後、80℃で4時間保持した後、室温まで冷却して、固形分35.1%の共重合体(樹脂(B-2))溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは9200、分散度2.08、固形分換算の酸価は77mg-KOH/gであった。樹脂(B-2)は下記構造単位を有する。
【0143】
【0144】
樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、GPC法を用いて、以下の条件で行った。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim-pack GPC-80M
カラム温度;40℃
溶媒;THF(テトラヒドロフラン)
流速;1.0mL/min
検出器;RI
校正用標準物質;TSK STANDARD POLYSTYRENE F-40、F-4、F-288、A-2500、A-500(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分散度とした。
【0145】
〔分散液1の作製〕
赤色顔料1を28部、分散剤(BYK社製 BYKLPN-6919;固形分換算)を7部、樹脂(B-2)(固形分換算)を6部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート159部を混合し、0.4μm径のジルコニアビーズ600部を加え、ペイントコンディショナー(LAU社製)を使用して1時間振盪した。その後、ジルコニアビーズをろ過により除去して分散液1を得た。
【0146】
〔分散液2の作製〕
C.I.ピグメントイエロー138を24部、分散剤(BYK社製 BYKLPN-6919;固形分換算)を11部、樹脂(B-2)(固形分換算)を5部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート160部を混合し、0.4μm径のジルコニアビーズ600部を加え、ペイントコンディショナー(LAU社製)を使用して1時間振盪した。その後、ジルコニアビーズをろ過により除去して分散液2を得た。
【0147】
〔分散液3の作製〕
C.I.ピグメントイエロー185を20部、分散剤(BYK社製 BYKLPN-6919;固形分換算)を14部、樹脂(B-2)(固形分換算)を8部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート158部を混合し、0.4μm径のジルコニアビーズ600部を加え、ペイントコンディショナー(LAU社製)を使用して1時間振盪した。その後、ジルコニアビーズをろ過により除去して分散液3を得た。
【0148】
〔実施例1~7、比較例1〕
〔着色硬化性樹脂組成物の調製〕
表11に示す成分を混合して、各々の着色硬化性樹脂組成物を得た。
【0149】
【0150】
樹脂(B):樹脂(B-1)(固形分換算)
重合性化合物(C):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業(株)製「A9550」固形分換算)
重合開始剤(D):N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン(イルガキュア(登録商標)OXE 01;BASF社製)
溶剤(E):E-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤(E):E-2:乳酸エチル
溶剤(E):E-3: ジアセトンアルコール
レべリング剤(F):ポリエーテル変性シリコーンオイル(固形分換算)
(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製)
【0151】
<カラーフィルタの作製>
5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、着色硬化性樹脂組成物をスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークして着色組成物層を形成した。放冷後、露光機(TME-150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、60mJ/cm2の露光量(365nm基準)で着色組成物層に光照射を行った。その後、オーブン中230℃で20分間ポストベークを行い、カラーフィルタを得た。
【0152】
〔膜厚測定〕
得られたカラーフィルタについて、膜厚測定装置(DEKTAK3;日本真空技術(株)製)を用いて膜厚を測定した。結果を表12に示す。
【0153】
〔色度評価〕
得られたガラス基板上のカラーフィルタについて、測色機(OSP-SP-200;オリンパス(株)製)を用いて分光を測定し、C光源の等色関数を用いてCIEのXYZ表色系におけるxy色度座標(x、y)及び刺激値Yを測定した。Yの値が大きいほど明度が高いことを表す。結果を表12に示す。
【0154】