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特許7063778光開始剤を用いる導電性金属印刷のための分子有機反応性インク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】光開始剤を用いる導電性金属印刷のための分子有機反応性インク
(51)【国際特許分類】
   C09D 11/52 20140101AFI20220426BHJP
   C09D 11/03 20140101ALI20220426BHJP
   C09D 11/38 20140101ALI20220426BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20220426BHJP
   H01B 1/22 20060101ALI20220426BHJP
   H01B 13/00 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
C09D11/52
C09D11/03
C09D11/38
B41J2/01 501
B41J2/01 129
B41J2/01 125
H01B1/22 A
H01B13/00 503C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018162713
(22)【出願日】2018-08-31
(65)【公開番号】P2019052298
(43)【公開日】2019-04-04
【審査請求日】2021-08-25
(31)【優先権主張番号】15/706,685
(32)【優先日】2017-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】バーケフ・コシュケリアン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エヌ・クレティアン
(72)【発明者】
【氏名】アデラ・ゴレデマ
(72)【発明者】
【氏名】サラ・ジェイ・ヴェラ
【審査官】横山 敏志
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-280812(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0057866(US,A1)
【文献】特表2014-529875(JP,A)
【文献】特表2008-531810(JP,A)
【文献】国際公開第2015/010198(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第102675963(CN,A)
【文献】特表2017-511820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D
B41M
B41J 2/01
H01B 1/22
H01B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インク組成物であって、
金属塩と、
任意の溶媒と、
処理されるまで前記インク組成物中で安定している安定成分と、を含み、前記成分が、処理時に、前記金属塩を還元して金属を形成する化合物を形成し、前記安定成分が、過酸化水素、2,2´-アゾビス-[2-メチル-プロパンイミドアミド]二塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される開始剤である、インク組成物。
【請求項2】
前記金属塩は、銀塩、コバルト塩、銅塩、ニッケル塩、金塩、パラジウム塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のインク組成物。
【請求項3】
前記金属塩は、金属安息香酸塩、金属ハロゲン化物、金属炭酸塩、金属クエン酸塩、金属ヨウ素酸塩、金属ヨウ化物、金属亜硝酸塩、金属硝酸塩、金属酢酸塩、金属リン酸塩、金属硫酸塩、金属硫化物、金属トリフルオロ酢酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載のインク組成物。
【請求項4】
前記金属塩は、硝酸銀、酢酸銀、フッ化銀、銀トリフラート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーを含む、請求項1に記載のインク組成物。
【請求項5】
金属塩、開始剤、及び任意の溶媒を含む成分を組み合わせてインクを形成することを含み、
処理時に、前記開始剤が、前記金属塩を金属に還元する化合物を形成し、前記開始剤が、過酸化水素、2,2´-アゾビス-[2-メチル-プロパンイミドアミド]二塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【請求項6】
金属塩、開始剤、及び任意の溶媒を含むインク組成物を提供することと、
前記インク組成物を基板上に堆積させて、堆積特徴部を形成することと、
前記基板上の前記堆積特徴部を処理することと、を含み、前記開始剤が、前記金属塩を金属に還元して、前記基板上に導電性特徴部を形成する化合物を形成し、前記開始剤が、過酸化水素、2,2´-アゾビス-[2-メチル-プロパンイミドアミド]二塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書では、金属塩と、開始剤と、任意の溶媒と、を含み、処理時に、開始剤が、金属塩を金属に還元する化合物を形成する、インク組成物が開示される。また、金属塩、開始剤、及び任意の溶媒を組み合わせてインクを形成することを含み、処理時に、開始剤が、金属塩を金属に還元する化合物を形成する、プロセスも開示される。また、金属塩、開始剤、及び任意の溶媒を含むインク組成物を提供することと、インク組成物を基板上に堆積させて、堆積特徴部を形成することと、基板上の堆積特徴部を処理することと、を含み、開始剤が、金属塩を金属に還元して基板上に導電性特徴部を形成する化合物を形成する、プロセスも開示される。
【0002】
電子デバイス用途のための導電パターンを製作するための導電性インクが所望される。
【0003】
現在、導電パターンを印刷するための3つの幅広い方法がある。1つの方法は、金属フレークを印刷することである。第2の方法は、金属の安定化されたナノ粒子を調製し、続いてそれらを印刷し、その後焼結することである。この方法では、バルク金属が必要とするよりもはるかに低い温度で焼結することができる。第3の方法は、金属錯体を印刷し、その後それらを化学的手段によって画像基板または物体上で金属に変換する方法である。
【0004】
印刷可能な電子インクは、典型的には、これらの方法、例えば、銀フレークの印刷、銀ナノ粒子の印刷、または印刷前の導電性素子、もしくは導電性前駆体としての銀錯体の使用のうちの1つを用いる。これらのインクカテゴリの各々について、インクの安定性、調製の容易さ、及び印刷後の要件において欠点があり得る。金属フレークは、インクジェット印刷によって印刷することが困難な場合がある。ナノ粒子インクは、調製すること、及び安定性を維持することが困難な場合がある。ナノ粒子のサイズのわずかな増加、例えば平均粒径が5ナノメートルから10ナノメートルに増加した場合であっても、結果として焼結温度が30℃変化する可能性がある。金属錯体前駆体は、印刷ラチチュードの点で柔軟性を提供するが、調製及び取り扱いが困難であり得、コストが高くなる可能性がある。
【0005】
銀ナノ粒子インクを含む溶液処理可能な導電性材料は、電子デバイスの集積において重要な役割を果たす。好適な溶媒中に容易に分散され得、スピンコーティング、ディップコーティング、エアロゾル印刷、及びインクジェット印刷技術を含む低コストの溶液堆積及びパターニング技術によって、電極及び電気インターコネクタなどの電子デバイスに様々な導電性特徴部を製作するために使用され得る導電性インクが特に所望される。
【0006】
Xerox(登録商標)Corporationは、有機アミンによって安定化されるナノ銀粒子を発明した。参照によってその全体が本明細書に援用される米国特許第8,765,025号は、有機安定化金属ナノ粒子及び溶媒を含む金属ナノ粒子組成物について記載しており、選択された溶媒は、以下のハンセン溶解度パラメータを有する:分散パラメータ約16MPa0.5以上、極性パラメータと水素結合パラメータとの和が約8.0MPa0.5以下。参照によってその全体が本明細書に援用される米国特許第7,270,694号は、安定化銀ナノ粒子を調製するためのプロセスについて記載しており、このプロセスは、銀化合物を、還元剤、有機アミンを含む安定剤、及び溶媒を含む第1の混合物に漸増的に添加することによって、銀化合物を、ヒドラジン化合物を含む還元剤と反応させることを含む。
【0007】
参照によってその全体が本明細書に援用される米国特許出願第13/866,704号は、銀化合物を、還元剤、有機アミンを含む安定剤、及び溶媒を含む第1の混合物に漸増的に添加することによって、銀化合物を、ヒドラジン化合物を含む還元剤と反応させることを含む第1の方法によって調製された、安定化された金属含有ナノ粒子について記載している。参照によってその全体が本明細書に援用される米国特許出願第14/188,284号は、グラビア印刷及びフレキソ印刷のための高銀含有量を有する導電性インク及びこのような導電性インクを製造するための方法について記載している。
【0008】
参照によってその全体が本明細書に援用される米国特許出願第15/061,618号は、その要約に、金属ナノ粒子と、金属ナノ粒子と相溶性である少なくとも1種の芳香族炭化水素溶媒と、金属ナノ粒子と相溶性である少なくとも1種の脂肪族炭化水素溶媒と、を含むインク組成物であって、インク組成物の総重量に基づいて、約45重量%を超える金属含有量を有し、かつ約20~約30℃の温度で約5~約30センチポアズの粘度を有する、インク組成物について記載している。インク組成物を調製するためのプロセス。空気圧エアロゾル印刷を含むインク組成物を印刷するためのプロセス。
【0009】
参照によってその全体が本明細書に援用される米国特許出願第14/630,899号は、その要約に、印刷システムを選択することと、印刷システムに合致するインク特性を有するインク組成物を選択することと、インク組成物を基板上に堆積させて画像を形成するか、堆積特徴部を形成するか、またはこれらの組み合わせを行うことと、任意により、堆積特徴部を加熱して、基板上に導電性特徴部を形成することと、インク組成物を堆積後に印刷後処理を行うことと、を含む、プロセスについて記載している。
【0010】
参照によってその全体が本明細書に援用される米国特許出願第14/594,746号は、その要約において、銀ナノ粒子、ポリスチレン、及びインクビヒクルを含むナノ銀インク組成物について記載している。銀ナノ粒子、ポリスチレン、及びインクビヒクルを組み合わせることを含む、ナノ銀インク組成物を調製するためのプロセス。フレキソ印刷及びグラビア印刷プロセスを用いて基板上に導電性特徴部を形成するプロセスであって、このプロセスは、銀ナノ粒子、ポリスチレン、及びインクビヒクルを含むナノ銀インク組成物を提供することと、基板上にナノ銀インク組成物を堆積させて堆積特徴部を形成することと、基板上で堆積特徴部を加熱して、基板上に導電性特徴部を形成することと、を含む。
【0011】
参照によってその全体が本明細書に援用される米国特許出願第15/339,399号は、その要約において、金属ナノ粒子と、インク組成物に所望の粘度を付与し、金属ナノ粒子の焼結温度で蒸発する粘性熱分解性液体と、任意の溶媒と、を含み、インク組成物の総重量に基づいて、約25重量%未満の金属含有量を有し、かつ約20~約30℃の温度で約50~約200センチポアズの粘度を有する、インク組成物について記載している。インク組成物を調製するため、及びインク組成物を印刷するためのプロセス。インク組成物を含むフレキソ印刷プロセスまたはグラビア印刷プロセス。
【0012】
現在入手可能な導電性インクは、それらの意図された目的に好適であるが、導電性インク用途に好適な改良インクが依然として必要とされている。さらに、低コストで、調製が容易で、印刷後の複雑さが低いインクを調製するための代替手段が依然として必要とされている。さらに、二次元印刷及び三次元印刷の両方の用途のための導電性インクとして好適であるその改良インクが依然として必要とされている。
【0013】
前述の米国特許及び特許公報の各々の適切な構成要素及びプロセスの態様は、その実施形態において本開示のために選択されてもよい。さらに、本出願全体を通して、様々な刊行物、特許、及び公開された特許出願は、特定するための引用によって参照される。本願に関連する刊行物、特許及び公開された特許出願の開示は、本発明が関係する最先端技術をより完全に説明するために、本開示に参照によって援用される。
【発明の概要】
【0014】
金属塩と、任意の溶媒と、処理されるまでインク組成物中で安定している安定成分と、を含み、処理時に、この成分が、金属塩を還元して金属を形成する化合物を形成する、インク組成物が記載されている。
【0015】
金属塩と、開始剤と、任意の溶媒と、を含み、処理時に、開始剤が、金属塩を金属に還元する化合物を形成する、インク組成物が記載されている。
【0016】
また、金属塩、開始剤、及び任意の溶媒を組み合わせてインクを形成することを含み、処理時に、開始剤が、金属塩を金属に還元する化合物を形成する、プロセスも記載されている。
【0017】
また、金属塩、開始剤、及び任意の溶媒を含むインク組成物を提供することと、インク組成物を基板上に堆積させて堆積特徴部を形成することと、基板上で堆積特徴部を処理することであって、開始剤が、金属塩を金属に還元して基板上に導電性特徴部を形成する化合物を形成することと、を含むプロセスも記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書の分子有機反応性インク組成物は、金属塩と、任意の溶媒と、処理されるまでインク組成物中で安定している安定成分と、を含み、処理時に、この成分が、金属塩を還元して金属を形成する化合物を形成する。特定の実施形態では、安定成分は、照射、ある実施形態では紫外線照射に曝露されるまで安定している、光開始剤である。他の実施形態では、安定成分は、熱で誘発されるまで安定している、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化物などの開始剤である。特定の実施形態では、インクは、1種以上の銀塩、ある実施形態では、硝酸銀、酢酸銀、及び開始剤、ある実施形態では光開始剤または熱開始剤を含み、照射、加熱または他の誘発事象時に、開始剤は、銀塩を銀金属に還元するラジカルを形成する。実施形態では、誘発は、熱誘発とは対照的に、照射または光を含む。他の実施形態では、誘発は熱誘発を含む。
【0019】
ある実施形態では、本明細書のインク組成物は、金属塩と、任意の溶媒と、処理されるまでインク組成物中で安定している安定成分と、を含み、処理時に、この成分が、金属塩を還元して金属を形成する化合物を形成する。
【0020】
ある実施形態では、インク組成物は、金属塩と、開始剤と、任意の溶媒と、を含み、処理時に、開始剤が、金属塩を金属に還元する化合物を形成する。
【0021】
金属塩
本明細書の実施形態のために選択される金属塩は、任意の好適なまたは所望の金属を含むことができる。ある実施形態では、金属塩は、銀、コバルト、銅、ニッケル、金、パラジウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される金属を含む。ある実施形態では、金属塩は、銀塩、コバルト塩、銅塩、ニッケル塩、金塩、パラジウム塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0022】
ある実施形態では、銀は、元素の銀、銀合金、またはこれらの組み合わせであってもよい。ある実施形態では、銀は、純粋な銀、銀合金、または銀化合物でコーティングまたはめっきされた基材であってもよい。例えば、基材は、銀メッキを施した銅フレークであってもよい。銀合金は、これらに限定されるものではないが、Au、Cu、Ni、Co、Pd、Pt、Ti、V、Mn、Fe、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Ru、Cd、Ta、Re、Os、Ir、Al、Ga、Ge、In、Sn、Sb、Pb、Bi、Si、As、Hg、Sm、Eu、Th、Mg、Ca、Sr、及びBaから選択される少なくとも1種の金属から形成され得る。
【0023】
ある実施形態では、銀化合物は、(i)1種以上の他の金属及び(ii)1種以上の非金属のいずれかまたは両方を含み得る。好適な他の金属としては、例えば、Al、Au、Pt、Pd、Cu、Co、Cr、In、及びNi、ならびに特にAu、Pt、Pd、Cu、Cr、Ni、及びこれらの混合物の遷移金属が挙げられる。例示的な金属複合材料は、Au-Ag、Ag-Cu、Au-Ag-Cu、及びAu-Ag-Pdである。金属複合材料中の好適な非金属は、例えば、Si、C、及びGeが挙げられる。特定の実施形態では、銀は元素の銀からなる。
【0024】
ある実施形態では、金属は元素の銀のみを含んでいてもよく、または他の金属との複合材料を含む銀複合材料であってもよい。このような銀化合物は、(i)1種以上の他の金属及び(ii)1種以上の非金属のいずれかまたは両方を含み得る。好適な他の金属としては、例えば、Au、Pt、Pd、Cu、Cr、Ni、及びこれらの混合物の遷移金属などのAl、Au、Pt、Pd、Cu、Co、Cr、In、及びNiが挙げられる。例示的な金属複合材料は、Au-Ag、Ag-Cu、Au-Ag-Cu、及びAu-Ag-Pdである。銀複合材料中の好適な非金属は、例えば、Si、C、及びGeが挙げられる。銀複合材料の種々の非銀成分は、例えば、約0.01重量%~約99.9重量%、約10重量%~約90重量%の範囲の量で存在し得る。ある実施形態では、銀複合材料は、銀と1種、2種、またはそれ以上の他の金属とからなる金属合金であり、銀は、例えば、少なくとも約20重量%の複合材料、または約50重量%超の複合材料を含む。特に明記しない限り、銀含有複合材料の成分について本明細書に記載した重量パーセントは安定剤を含まない。
【0025】
銀複合材料からなる銀は、例えば、還元ステップ中、(i)銀化合物(または、銀(I)イオン含有化合物などの化合物)、及び(ii)別の金属塩(または塩)または別の非金属(複数可)の混合物を用いて、作製されてもよい。
【0026】
金属塩は、任意の好適な量または所望の量でインク組成物中に存在し得る。ある実施形態では、金属塩は、インク組成物の総重量に基づいて、インク組成物中に、約5~約75重量%、または約10~約50重量%、または約15~約40重量%の量で存在する。
【0027】
任意の好適なまたは所望の金属塩を選択することができる。本明細書の上記の金属を含む金属塩については、任意の好適な金属または所望の金属を使用することができる。ある実施形態では、金属塩は、コバルト、銀、銅、ニッケル、金、パラジウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される金属を含む。ある実施形態では、金属塩は、金属安息香酸塩、金属ハロゲン化物、金属炭酸塩、金属クエン酸塩、金属ヨウ素酸塩、金属ヨウ化物、金属亜硝酸塩、金属硝酸塩、金属酢酸塩、金属リン酸塩、金属硫酸塩、金属硫化物、金属トリフルオロ酢酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0028】
ある実施形態では、金属塩は、硝酸銀、酢酸銀、フッ化銀、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーを含む。
【0029】
安定成分/開始剤
インク組成物は、処理されるまでインク組成物中で安定している安定成分を含み、処理時に、この成分が、金属塩を還元して金属を形成する化合物を形成する。
【0030】
ある実施形態では、安定成分は開始剤であり、処理時に、開始剤が、金属塩を金属に還元する化合物、例えばラジカルを形成する。任意の好適なまたは所望の開始剤を、本明細書の実施形態のために選択することができる。特定の実施形態では、開始剤は非熱活性開始剤であり、処理は熱以外の方法による誘発であり、ある実施形態では照射、ある実施形態では紫外線照射である。他の実施形態では、開始剤は熱開始剤であり、処理は熱(加熱)による誘発である。
【0031】
ある実施形態では、安定成分は、光開始剤、熱誘発開始剤、放射線開始光開始剤、ある実施形態では、紫外線開始光開始剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される開始剤である。
【0032】
したがって、ある実施形態では、安定成分は光開始剤であり、処理時に、光開始剤が、金属塩を金属に還元するラジカルを形成する。
【0033】
ある実施形態では、安定成分は光開始剤であり、照射時に、光開始剤が、金属塩を金属に還元するラジカルを形成する。
【0034】
ある実施形態では、安定成分は、熱誘発開始剤または熱開始剤(または熱活性化開始剤)であり、加熱時に、熱活性化開始剤が、金属塩を金属に還元するラジカルを形成する。
【0035】
任意の好適なまたは所望の開始剤を、本明細書のインク組成物のために選択することができる。ある実施形態では、開始剤は、過酸化水素、2,2´-アゾビス-[2-メチル-プロパンイミドアミド]二塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0036】
安定成分は、ある実施形態では、インク組成物中に任意の好適な量または所望の量で存在することができる。ある実施形態では、安定成分は、インク組成物中に、金属塩、ある実施形態では銀塩の約0.5~約2、または約0.8~約1.5、または約1~約1.2のモル濃度の量で存在する。
【0037】
溶媒
インク組成物は溶媒を含み得る。任意の好適なまたは所望の溶媒を選択することができる。ある実施形態では、溶媒は、水、または水と追加の溶媒との組み合わせである。追加の溶媒は、それが水と混和性であることを条件として、任意の好適なまたは所望の溶媒であってもよい。
【0038】
ある実施形態では、溶媒は、水、有機溶媒、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。特定の実施形態では、溶媒は、水、アルコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0039】
好適な水混和性溶媒は、これらに限定するものではないが、ブタノール、アセトアルデヒド、アセトン、アセトニトリル、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2-ブトキシエタノール、ジエタノールアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、エタノール、エチルアミン、エチレングリコール、ギ酸、フルフリルアルコール、グリセロール、メタノール、メチルジエタノールアミン、1-プロパノール、1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-プロパノール、プロピレングリコール、ピリジン、テトラヒドロフラン、トリエチレングリコール、テトラヒドロフラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0040】
溶媒は、インク組成物中に任意の好適な量または所望の量で存在し得る。ある実施形態では、溶媒は、インク組成物の総重量に基づいて、インク組成物錯体中に、約10~約90重量%、または約20~約60重量%、または約25~約40重量%の量で存在する。
【0041】
インク組成物は室温で安定している。室温は、例えば、約20~約25℃であり得る。ある実施形態では、インク組成物は、高温、ある実施形態では約30~約130℃、または約40~約100℃、または約60~約80℃の高温で安定している。したがって、インクは、室温または高温で貯蔵することができ、かつ安定成分を誘発して、銀塩を還元する化合物を形成するように処理されるまで安定したままである。ある実施形態では、処理は非熱処理、ある実施形態では、照射、ある実施形態では、紫外線照射である。
【0042】
インク組成物は、成分の単純な混合によってなど、任意の好適なプロセスによって調製することができる。1つのプロセスは、すべてのインク成分を一緒に混合し、混合物を濾過してインクを得ることを伴う。インクは、成分を混合し、所望であれば加熱し、濾過した後、所望の追加の添加剤を混合物に添加し、均質な混合物が得られるまで、室温で適度に振盪しながら、ある実施形態では、約5分から約10分、最大約24時間、混合することにより調製することができる。あるいは、すべての成分を混合し、所望であれば加熱し、かつ濾過するなど、任意の所望の手順に従って行われるインク調製プロセス中に、任意のインク添加剤を他のインク成分と混合することができる。
【0043】
ある実施形態では、インク組成物は、金属塩、開始剤、及び任意の溶媒を組み合わせてインクを形成することを含むプロセスによって調製され、処理時に、開始剤が、金属塩を金属に還元する化合物を形成する。
【0044】
インク組成物は、任意の好適なまたは所望の印刷プロセスにおいて用いることができる。分子有機反応性インク組成物は、任意の好適な方法または所望の方法によって堆積させることができる。ある実施形態では、分子有機反応性インク組成物は、分子有機反応性インク組成物を基板、ある実施形態ではポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にコーティングすることと、コーティングされたインクを処理することであって、処理時に、銀塩が金属に還元されることと、任意により、得られた層の抵抗性を測定することと、を含む方法によって、堆積させることができる。
【0045】
ある実施形態では、本明細書の基板上に導電性特徴部を形成するためのプロセスは、本発明のインク組成物を提供することと、インク組成物を基板上に堆積させて堆積特徴部を形成することと、基板上の堆積特徴部を照射して、ある実施形態では紫外線光を照射して、基板上に導電性特徴部を形成することと、を含む。ある実施形態では、基板上に導電性特徴部を形成するためのプロセスは、インクジェット印刷プロセス、二次元印刷プロセス、三次元印刷プロセス、フレキソ印刷プロセス、グラビア印刷プロセス、またはこれらの組み合わせを含む。
【0046】
ある実施形態では、本明細書のプロセスは、本発明のインク組成物を提供することと、基板上にインク組成物を堆積させて、堆積特徴部、インク画像、またはこれらの組み合わせを形成することを含む。ある実施形態では、このプロセスは、基板上の導電性特徴部を形成するために、基板上の堆積特徴部を照射または別の方法で処理することをさらに含む。特定の実施形態では、このプロセスは、堆積特徴部を、室温または室温を上回る高温で、照射、ある実施形態では紫外線照射に曝露することを含む。
【0047】
したがって、短いインク形成ステップにおけるインク成分の簡単な混合及び堆積させたインクの簡単な処理によって金属構造を得る、本明細書のインク組成物から金属構造、実施形態では銀構造を形成するためのインク組成物及び方法が提供される。ある実施形態では、インク成分は、市販の材料から選択することができる。
【0048】
ある実施形態では、本明細書のプロセスは、金属塩、開始剤、及び任意の溶媒を含むインク組成物を提供することと、インク組成物を基板上に堆積させて堆積特徴部を形成することと、基板上で堆積特徴部を処理することと、を含み、開始剤が、金属塩を金属に還元して基板上に導電性特徴部を形成する化合物を形成する。
【0049】
また、ある実施形態では、本明細書のプロセスは、金属塩と、任意の溶媒と、処理されるまでインク組成物中で安定している安定成分であって、処理時に、金属塩を還元して金属を形成する化合物を形成する成分と、を含むインク組成物を提供することと、インク組成物を基板上に堆積させて堆積特徴部を形成することと、基板上で堆積特徴部を処理して基板上に導電性特徴部を形成することと、を含む。
【0050】
堆積特徴部の処理は、任意の好適な方法または所望の方法、ある実施形態では、結果として印刷された画像から導電性特徴部を形成する方法、を含むことができる。ある実施形態では、堆積特徴部の処理は、照射すること、ある実施形態では紫外線照射により照射することを含み、これにより安定成分、ある実施形態では光開始剤で還元性化合物、ある実施形態ではラジカルを形成できるようにし、これにより基板上の金属塩を金属に還元して、導電性特徴部を形成する。ある実施形態では、処理は、光処理など、ある実施形態では紫外線照射を用いた非熱処理を含む。他の実施形態では、処理は、加熱することを含む。
【0051】
インクの処理は、任意の所望のまたは有効な波長で、一実施形態では少なくとも約200ナノメートル、一実施形態では約480ナノメートル以下の化学線にインク画像を曝露することによって行うことができるが、波長はこれらの範囲外であってもよい。ある実施形態では、インクの処理は、任意の所望のまたは有効な波長、例えば約100ナノメートル~約600ナノメートル、例えば約150ナノメートル~約550ナノメートルまたは約200ナノメートル~約480ナノメートルの化学線にインクを曝露することによって行うことができるが、波長はこれらの範囲外であってもよい。化学放射線への曝露は、任意の所望のまたは有効な期間、一実施形態では少なくとも約0.2秒、別の実施形態では少なくとも約1秒、さらに別の実施形態では少なくとも約5秒間、一実施形態では約30秒以下、別の実施形態では約15秒以下であるが、曝露期間はこれらの範囲外であってもよい。
【0052】
ある実施形態では、処理は、非熱照射、ある実施形態では光照射、さらなる実施形態では紫外線照射を含む。
【0053】
インク組成物からの導電性素子などの導体要素の製作は、特に、基板上の他の任意の層(複数可)の形成前または形成後の任意の好適な時間に、二次元印刷法、三次元印刷法、フレキソ印刷法及びグラビア印刷法などの任意の好適な堆積技術を用いて、基板上に組成物を堆積させることによって行うことができる。したがって、基板上のインク組成物の堆積は、基板上または層状材料を既に含む基板上、例えば半導体層及び/または絶縁層のいずれかで生じ得る。
【0054】
上部に金属特徴部を堆積させる基板は、シリコン、ガラスプレート、プラスチックフィルム、シート、布、または紙などの任意の好適な基板であってもよい。構造的に可撓性のデバイスには、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミドシートなどのプラスチック基板を使用し得る。基板の厚さは、これらに限定されないが、約10マイクロメートルから10ミリメートル超であってもよく、例示的厚さは、特に可撓性プラスチック基板の場合は、約50マイクロメートル~約2ミリメートルであり、ガラスまたはシリコンなどの剛性基板の場合は、約0.4~約10ミリメートルである。
【0055】
堆積させたインク組成物は、約70℃~約200℃などの任意の好適な温度または所望の温度、または例えば溶媒の蒸発を助けるのに十分な任意の温度まで任意に加熱してもよい。加熱温度は、先に堆積された層または基板の特性に不利な変化を引き起こすことのない温度である。ある実施形態では、低い加熱温度を使用することで、200℃未満のアニーリング温度を有する低コストのプラスチック基板の使用が可能になる。本明細書に記載するとおり、加熱温度は、粘性熱分解液体が分解または蒸発する温度でもある。ある実施形態では、本明細書のインク組成物は、金属塩が熱処理の必要のない、安定成分の非加熱照射によって還元されて、ラジカルなどの還元化合物を形成するので、加熱ステップを必要としない。
【0056】
加熱ステップが選択される場合、加熱は、約0.01秒~約10時間などの任意の好適な時間または所望の時間であり得る。加熱は、空気中、不活性雰囲気下、例えば窒素またはアルゴン下、または還元性雰囲気下、例えば約1~約20体積%の水素を含有する窒素下で行うことができる。加熱は、通常の大気圧下で、または例えば約1000mbar~約0.01mbarの減圧下で行うこともできる。
【0057】
加熱は、(1)溶剤の蒸発、及び/または(2)任意の安定剤の除去、及び/または(3)金属のアニールのために、加熱された材料または基板に十分なエネルギーを与えることができる任意の技術を包含する。加熱技術の例としては、熱的加熱(例えば、ホットプレート、オーブン、及びバーナー)、赤外線(「IR」)放射、レーザービーム、フラッシュ光、マイクロ波放射、または紫外線(「UV」)放射、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0058】
ある実施形態では、得られる導電性ラインは、約0.025~約10マイクロメートル、または約0.03~約5マイクロメートルの範囲の厚さを有する。特定の実施形態では、得られる導電性ラインは、約0.04~約2.5マイクロメートルの厚さを有する。ある実施形態では、インク組成物は、約0.05~約1マイクロメートルの印刷画像ラインの厚さで約2,500~約250,000S/cmの加熱後にバルク伝導率を有する印刷画像を提供する。
【0059】
ある実施形態では、本明細書のインク組成物は、約10,000S/cmを超えるバルク伝導率を有する。堆積させたインク組成物を加熱することによって生成される、得られた金属元素の導電率は、例えば、約100シーメンス/センチメートル(S/cm)超、約1,000S/cm超、約2,000(S/cm)超、約5,000S/cm超、約10,000S/cm超、または約50,000S/cm超である。
【0060】
得られる素子は、薄膜トランジスタ、有機発光ダイオード、RFIDタグ、光電池、ディスプレイ、プリントアンテナ、及び導電性素子または構成要素を必要とする他の電子装置などの電子デバイスにおいて、電極、導電性パッド、相互接続、導電性ライン、導電性トラックなど、任意の好適なまたは所望の用途のために使用され得る。
【実施例
【0061】
以下の実施例は、本開示の様々な種をさらに定義するために提示されている。これらの実施例は、例示に過ぎず、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。また、部及びパーセンテージは、他に指示がない限り重量基準である。
【0062】
実施例1
予測的実施例1バイアルに硝酸銀(1.69グラム、0.01モル)、次いで水(2ミリリットル)を添加する。これに、過酸化水素溶液(2ミリリットル、30w/w%)を添加し、続いて5分間撹拌する。得られたインクは、任意の好適なまたは所望の手段によって塗布することができる。ある実施形態では、得られたインクは、インクジェット、エアロゾル噴射、またはグラビア/フレキソ印刷インキとして適用され、その後、紫外線照射などの照射に曝露して、銀金属を得ることができる。
【0063】
実施例2
予測的実施例2バイアルに硝酸銀(1.69グラム、0.01モル)、次いで水(1ミリリットル)及びメタノール(1ミリリットル)を添加する。これに、2,2´-アゾビス-[2-メチル-プロパンイミドアミド]二塩酸塩(AIBN56 WSP)(1.62グラム、0.01モル)を添加し、続いて5分間攪拌する。得られたインクは、任意の好適なまたは所望の手段によって塗布することができる。ある実施形態では、得られたインクは、インクジェット、エアロゾル噴射、またはグラビア/フレキソ印刷インキとして適用され、その後、紫外線照射などの照射に曝露して、銀金属を得ることができる。
【0064】
上記に開示された及び他の特徴部及び機能の様々なもの、またはそれらの代替物は、多くの他の異なるシステムまたは用途に望ましく組み合わせ得ることが理解されよう。また、当業者は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図されている、現在、その中で予見されず、または予期されていない種々の代替、改変、変形、または改良を引き続いて行うことができる。特許請求の範囲に具体的に列挙されていない限り、請求項のステップまたは要素は、あらゆる特定の順序、数、位置、大きさ、形状、角度、色、または材料に関して、明細書または任意の他の請求項から含意または挿入されるべきではない。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕インク組成物であって、
金属塩と、
任意の溶媒と、
処理されるまで前記インク組成物中で安定している安定成分と、を含み、前記成分が、処理時に、前記金属塩を還元して金属を形成する化合物を形成する、インク組成物。
〔2〕前記安定成分が開始剤であり、処理時に、前記開始剤が、前記金属塩を金属に還元する化合物を形成する、前記〔1〕に記載のインク組成物。
〔3〕前記金属塩は、銀塩、コバルト塩、銅塩、ニッケル塩、金塩、パラジウム塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、前記〔1〕に記載のインク組成物。
〔4〕前記金属塩は、金属安息香酸塩、金属ハロゲン化物、金属炭酸塩、金属クエン酸塩、金属ヨウ素酸塩、金属ヨウ化物、金属亜硝酸塩、金属硝酸塩、金属酢酸塩、金属リン酸塩、金属硫酸塩、金属硫化物、金属トリフルオロ酢酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、前記〔1〕に記載のインク組成物。
〔5〕前記金属塩は、硝酸銀、酢酸銀、フッ化銀、銀トリフラート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるメンバーを含む、前記〔1〕に記載のインク組成物。
〔6〕前記安定成分は熱活性開始剤であり、
加熱時に、前記熱活性化開始剤が、前記金属塩を金属に還元するラジカルを形成する、前記〔1〕に記載のインク組成物。
〔7〕前記安定成分が光開始剤であり、
照射時に、前記光開始剤が、前記金属塩を金属に還元するラジカルを形成する、前記〔1〕に記載のインク組成物。
〔8〕前記安定成分は、過酸化水素、2,2´-アゾビス-[2-メチル-プロパンイミドアミド]二塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される開始剤である、前記〔1〕に記載のインク組成物。
〔9〕金属塩、開始剤、及び任意の溶媒を組み合わせてインクを形成することを含み、
処理時に、前記開始剤が、前記金属塩を金属に還元する化合物を形成する、プロセス。
〔10〕金属塩、開始剤、及び任意の溶媒を含むインク組成物を提供することと、
前記インク組成物を基板上に堆積させて、堆積特徴部を形成することと、
前記基板上の前記堆積特徴部を処理することと、を含み、前記開始剤が、前記金属塩を金属に還元して、前記基板上に導電性特徴部を形成する化合物を形成する、プロセス。