IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 矢崎エナジーシステム株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-警報器 図1
  • 特許-警報器 図2
  • 特許-警報器 図3
  • 特許-警報器 図4
  • 特許-警報器 図5
  • 特許-警報器 図6
  • 特許-警報器 図7
  • 特許-警報器 図8
  • 特許-警報器 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】警報器
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/11 20200101AFI20220426BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20220426BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20220426BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
H05B47/11
G08B17/00 G
G08B21/00 Z
F21S9/02 200
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018167586
(22)【出願日】2018-09-07
(65)【公開番号】P2020042930
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】大橋 洋隆
(72)【発明者】
【氏名】中島 唯宣
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英樹
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 正幸
(72)【発明者】
【氏名】水沼 昭仁
(72)【発明者】
【氏名】高林 亘
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-92572(JP,A)
【文献】特開平10-199682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
F21S 9/02
G08B 17/00
G08B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置環境の異常を検出するとその旨の警報を発生する警報器であって、
当該警報器の周囲を照らす常夜灯と、
当該警報器の周囲の照度を検出する照度検出部と、
前記照度検出部により検出された照度が消灯判定値以上で消灯し、点灯判定値未満で点灯するように前記常夜灯を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記照度検出部により検出された照度が前記点灯判定値未満となって点灯した後、前記消灯判定値を引き上げるか否かを決定する、
ことを特徴とする警報器。
【請求項2】
前記消灯判定値は、
第一判定値及び前記第一判定値よりも大きい第二判定値の少なくとも一方であり、
前記制御部は、
前記照度検出部により検出された照度が前記点灯判定値未満となって点灯した後における1回目の照度の判定において、前記照度検出部により検出された照度が引上判定値以上である場合、前記第一判定値を前記第二判定値に引き上げる、
ことを特徴とする請求項1に記載の警報器。
【請求項3】
前記消灯判定値は、
第一判定値及び前記第一判定値よりも大きい第二判定値の少なくとも一方であり、
前記制御部は、
前記照度検出部により検出された照度が前記点灯判定値未満となって点灯した後における照度の判定において、前記常夜灯に一定時間内に点灯と消灯とを繰り返す動作を行わせた場合、前記第一判定値を前記第二判定値に引き上げる、
ことを特徴とする請求項1に記載の警報器。
【請求項4】
設置環境の異常を検出するとその旨の警報を発生する警報器であって、
当該警報器の周囲を照らす常夜灯と、
当該警報器の周囲の照度を検出する照度検出部と、
前記照度検出部により検出された照度が消灯判定値以上で消灯し、点灯判定値未満で点灯するように前記常夜灯を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
当該警報器が設置された部屋の照明が点灯している間、前記照度検出部により検出された照度に基づき前記消灯判定値を設定可能であり、
当該警報器が設置された部屋の照明が消灯している間、前記照度検出部により検出された照度に基づき前記点灯判定値を設定可能である、
ことを特徴とする警報器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、警報器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、火災又はガス漏れを検出して警報を発生する警報器が広く利用されている。このような警報器には、例えば設置されている部屋が暗くなると常夜灯を点灯するものもある。よって、警報器の近辺に光を反射するような部材があれば、常夜灯の光が反射されて照度検出部に入ることで、警報器は部屋が明るくなったと誤認識することがある。そこで、任意の場所に設置できる無線機能を有する照度検出部を併用することで、部屋の明るさの誤認識を防ぐものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-231071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のような従来技術においても、無線機能を有する照度検出部の設置場所によっては、部屋の明るさを誤認識することがある。よって、上記従来技術では、常夜灯の正確な消灯制御ができない可能性がある。
【0005】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、常夜灯の正確な消灯制御をすることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第一の側面である警報器は、設置環境の異常を検出するとその旨の警報を発生する警報器であって、当該警報器の周囲を照らす常夜灯と、当該警報器の周囲の照度を検出する照度検出部と、前記照度検出部により検出された照度が消灯判定値以上で消灯し、点灯判定値未満で点灯するように前記常夜灯を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記照度検出部により検出された照度が前記点灯判定値未満となって点灯した後、前記消灯判定値を引き上げるか否かを決定するものである。
【0007】
また、本開示の第一の側面である警報器において、前記消灯判定値は、第一判定値及び前記第一判定値よりも大きい第二判定値の少なくとも一方であり、前記制御部は、前記照度検出部により検出された照度が前記点灯判定値未満となって点灯した後における1回目の照度の判定において、前記照度検出部により検出された照度が引上判定値以上である場合、前記第一判定値を前記第二判定値に引き上げる、ことが好ましい。
【0008】
また、本開示の第一の側面である警報器において、前記制御部は、前記照度検出部により検出された照度が前記点灯判定値未満となって点灯した後における照度の判定において、前記常夜灯に一定時間内に点灯と消灯とを繰り返す動作を行わせた場合、前記第一判定値を前記第二判定値に引き上げる、ことが好ましい。
【0009】
また、本開示の第一の側面である警報器において、設置環境の異常を検出するとその旨の警報を発生する警報器であって、当該警報器の周囲を照らす常夜灯と、当該警報器の周囲の照度を検出する照度検出部と、前記照度検出部により検出された照度が消灯判定値以上で消灯し、点灯判定値未満で点灯するように前記常夜灯を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、当該警報器が設置された部屋の照明が点灯している間、前記照度検出部により検出された照度に基づき前記消灯判定値を設定可能であり、当該警報器が設置された部屋の照明が消灯している間、前記照度検出部により検出された照度に基づき前記点灯判定値を設定可能である、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一側面によれば、常夜灯の正確な消灯制御をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示を適用した実施形態1に係る警報器1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2】本開示を適用した実施形態1に係る警報器1の設置例を示す図である。
図3】本開示を適用した実施形態1に係る常夜灯17の制御テーブルを示す図である。
図4】本開示を適用した実施形態1に係る照度と各判定値とに基づく常夜灯17の点灯及び消灯の制御例を示す図である。
図5】本開示を適用した実施形態1に係る常夜灯17の制御例を説明するフローチャートである。
図6】本開示を適用した実施形態2に係る警報器1の周囲の照度に応じて消灯判定値を記憶させる一例を示す図である。
図7】本開示を適用した実施形態2に係る警報器1の消灯判定値及び点灯判定値の設定処理を説明するフローチャートである。
図8】本開示を適用した実施形態3に係る照度検出部14の検出結果の一例を示す図である。
図9】本開示を適用した実施形態3に係る点滅処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づいて本開示の実施形態を説明するが、本開示は以下の実施形態に限られるものではない。
【0013】
実施形態1.
図1は、本開示を適用した実施形態1に係る警報器1の機能構成の一例を示すブロック図である。図2は、本開示を適用した実施形態1に係る警報器1の設置例を示す図である。警報器1は、ガス漏れ又は火災の発生を検出して警報を行うものである。警報器1は、台所又は厨房といった所定の監視領域に設置されており、警報器1の背面側に設けられた固定部材を介して壁面31等に固定される。例えばガス漏れの検出対象が都市ガスといった空気よりも軽いガスである場合、警報器1は、住居内の天井近傍の所定位置に設置される。警報器1は、例えば商用電源等から供給される電力によって動作する。
【0014】
警報器1は、操作部11、火災検出部12、ガス検出部13、照度検出部14、報知部16、常夜灯17及び制御部19を備え、設置環境の異常を検出するとその旨の警報を発生するものである。操作部11は、ユーザーの各種操作を受け付けるものであり、例えば各種ボタンから構成されている。火災検出部12は、熱センサー及び煙センサーから構成される周知の火災センサーが用いられている。ガス検出部13は、半導体ガスセンサー又は接触燃焼式ガスセンサー等から構成される周知のガスセンサーが用いられている。照度検出部14は、フォトダイオード等から構成される周知の照度センサーが用いられている。報知部16は、火災又はガス漏れを報知するものであり、例えば赤色LED(Light Emitting Diode)、白色LED又はスピーカー等から構成されている。常夜灯17は、例えばLEDから構成され、警報器1の周囲を照らす。制御部19は、ROM191、RAM192及びCPU193から構成され、警報器1の各種機能を制御する。
【0015】
警報器1は、図2に示すように、例えばステンレス鋼板33により常夜灯17の光が反射される。ステンレス鋼板33により反射された反射光の照度は、照度検出部14により検出される。ステンレス鋼板33等のような部材から反射された反射光は、通常の反射光よりも明るいため、照度検出部14が検出する照度は大きくなる。よって、照度検出部14により検出された照度が、通常通りの消灯判定値以上であるか否かを判定する場合、そのままの消灯判定値では正しい判定結果とはならない。ステンレス鋼板33等のような部材により照度検出部14が検出する照度が大きくなっているのであれば、消灯判定値もオフセットをかける必要がある。すなわち、消灯判定値を引き上げる処理を実行する必要がある。そこで、常夜灯17の制御テーブルの詳細につき、図3を用いて説明する。
【0016】
図3は、本開示を適用した実施形態1に係る常夜灯17の制御テーブルを示す図である。図3の一例では、点灯条件として照度が1Lux未満であるか否かを判定する制御が設定されている。1Luxは、点灯判定値であって、数値は一例であり、特にこれに限定されるものではない。具体的には、照度検出部14により検出される照度が点灯判定値未満であれば、常夜灯17が点灯制御される。なお、以後の説明においても、1Luxを点灯判定値の一例として説明する。
【0017】
また、図3の一例では、消灯条件として、常夜灯17が点灯して1秒後に照度検出部14により検出される照度が3Lux以上である場合、照度が4Lux以上であるか否かを判定する制御が設定されている。また、消灯条件として、常夜灯17が点灯して1秒後に照度検出部14により検出される照度が3Lux未満である場合、照度が3Lux以上であるか否かを判定する制御が設定されている。消灯条件として設定される照度は、3Lux又は4Luxであって、これらの数値は、消灯判定値である。消灯判定値は、第一判定値として3Luxが設定され、第二判定値として第一判定値よりも大きい4Luxが設定されている。
【0018】
つまり、常夜灯17が点灯してから1秒後に照度検出部14により検出される照度が第一判定値以上であれば、消灯判定値として第二判定値が設定される。また、常夜灯17が点灯してから1秒後に照度検出部14により検出される照度が第一判定値未満であれば、消灯判定値として第一判定値が設定される。このように、消灯判定値は、第一判定値及び第二判定値の少なくとも一方が使用される。なお、消灯判定値は、第一判定値及び第二判定値だけでなく、多段階で複数の判定値が使用されてもよい。例えば、常夜灯17の光を反射する部材ごとに、予め想定される照度の変位に応じた判定値を複数プリセットしておき、警報器1を設置する場所に応じて複数プリセットされたものの中から使用する判定値を選択してもよい。
【0019】
図4は、本開示を適用した実施形態1に係る照度と各判定値とに基づく常夜灯17の点灯及び消灯の制御例を示す図である。図4の一例では、1秒ごとに照度検出部14により照度が検出され、検出された照度と、点灯判定値とに基づき、警報器1が設置された場所が暗くなったと判定された場合、常夜灯17は、設定された輝度で点灯する。常夜灯17が点灯後も1秒ごとに照度検出部14により照度が検出され、検出された照度と、消灯判定値とに基づき、警報器1が設置された場所が明るくなったと判定された場合、常夜灯17は、消灯する。なお、常夜灯17点灯時、不図示の電源LEDは点灯状態を維持する。また、警報器1が、警報中、故障中及び有効期限切れの何れかである場合、常夜灯17の制御は機能しない。初期遅延中、常夜灯17は、輝度調整のために点灯状態を維持する。ただし、常夜灯17は消灯設定であれば消灯する。
【0020】
図4(A)は、常夜灯17の点灯から1秒後の照度が3Lux以上であるため消灯判定値が第一判定値から第二判定値に引き上げられたときの常夜灯17の制御例を示す。図4(A)に示すように、常夜灯17の点灯開始から2秒後には照度は4Lux以上である。よって、常夜灯17の点灯開始から2秒経過後、常夜灯17は制御部19により消灯制御されている。図4(B)は、常夜灯17の点灯1秒後の照度が3Lux以上であるため消灯判定値が第一判定値から第二判定値に引き上げられたときの常夜灯17の制御例を示す。図4(B)に示すように、常夜灯17の点灯開始から3秒後に照度は4Lux以上となる。よって、常夜灯17の点灯開始から3秒経過後、常夜灯17は制御部19により消灯制御されている。図4(C)は、常夜灯17の点灯1秒後の照度が3Lux未満であるため消灯判定値は引き上げられず第一判定値が設定されたときの常夜灯17の制御例を示す。図4(C)に示すように、常夜灯17の点灯開始から4秒後に照度は3Lux以上となる。よって、常夜灯17の点灯開始から4秒経過後、常夜灯17は、制御部19により消灯制御されている。
【0021】
図5は、本開示を適用した実施形態1に係る常夜灯17の制御例を説明するフローチャートである。ステップS11において、制御部19は、警報器1が警報中、故障中及び有効期限切れの何れかであるか否かを判定する。制御部19は、警報器1が警報中、故障中及び有効期限切れの何れかであると判定する場合(ステップS11;Y)、ステップS17の処理に移行し、ステップS17において、常夜灯17を消灯させ、ステップS11の処理に戻る。制御部19は、警報器1が警報中、故障中及び有効期限切れの何れでもないと判定する場合(ステップS11:N)、ステップS12の処理に移行する。
【0022】
ステップS12において、制御部19は、1秒経過したか否かを判定する。制御部19は、1秒経過したと判定する場合(ステップS12;Y)、ステップS13の処理に移行する。制御部19は、1秒経過していないと判定する場合(ステップS12;N)、ステップS11の処理に戻る。なお、1秒経過したか否かの計時処理は、CPU193が実行するプログラムにより実現するものであってもよく、布線論理回路により実現するものであってもよい。ステップS13において、制御部19は、照度検出部14の検出値を取得する。照度検出部14の検出値は、照度であり、照度検出部14は警報器1の構成要素であるので、制御部19は、警報器1の周囲の照度を取得する。ステップS14において、制御部19は、常夜灯17が点灯中であるか否かを判定する。制御部19は、常夜灯17が点灯中であると判定する場合(ステップS14;Y)、ステップS18の処理に移行する。制御部19は、常夜灯17が点灯中でないと判定する場合(ステップS14;N)、ステップS15の処理に移行する。
【0023】
ステップS15において、制御部19は、照度が1Lux未満であるか否かを判定する。制御部19は、照度が1Lux未満であると判定する場合(ステップS15;Y)、ステップS16の処理に移行し、ステップS16において、常夜灯17を点灯させ、ステップS11に戻る。制御部19は、照度が1Lux以上であると判定する場合(ステップS15;N)、ステップS11の処理に戻る。なお、1Luxは、図3,4を用いて説明した点灯判定値であり、上記と同様に数値は一例であり、特にこれに限定されるものではない。
【0024】
ステップS18において、制御部19は、点灯後1回目の判定であるか否かを判定する。制御部19は、点灯後1回目の判定であると判定する場合(ステップS18;Y)、ステップS19の処理に移行する。制御部19は、点灯後1回目の判定でないと判定する場合(ステップS18;N)、ステップS22の処理に移行する。なお、制御部19は、例えば、判定回数フラグをRAM192に保持し、常夜灯17が点灯後1回目の判定のときに判定回数フラグを更新し、その判定回数フラグを参照することで、ステップS18の判定処理を実行すればよい。
【0025】
ステップS19において、制御部19は、照度が3Lux以上であるか否かを判定する。制御部19は、照度が3Lux以上であると判定する場合(ステップS19;Y)、ステップS20の処理に移行し、ステップS20において、消灯判定値を4Luxに設定し、ステップS22の処理に移行する。制御部19は、照度が3Lux未満であると判定する場合(ステップS19;N)、ステップS21の処理に移行し、ステップS21において、消灯判定値を3Luxに設定し、ステップS22の処理に移行する。なお、ステップS21の3Luxは、図3を用いて説明した第一判定値に相当する。また、ステップS20の4Luxは、図3を用いて説明した第二判定値に相当する。また、ステップS19の3Luxは、引上判定値に相当するものであり、第一判定値とは異なる値でもよく、第一判定値及び第二判定値とは独立した別の判定値として設定可能である。
【0026】
ステップS22において、制御部19は、照度が消灯判定値以上であるか否かを判定する。消灯判定値は、ステップS20又はステップS21の処理の何れかで設定された値を使用する。制御部19は、照度が消灯判定値以上であると判定する場合(ステップS22;Y)、ステップS23の処理に移行し、ステップS23において、常夜灯17を消灯させ、ステップS11の処理に戻る。制御部19は、照度が消灯判定値未満であると判定する場合(ステップS22;N)、ステップS11の処理に戻る。
【0027】
以上の説明から、本実施形態においては、点灯判定値未満で点灯後における常夜灯17の制御の際、消灯判定値を引き上げるか否かが決定される。よって、警報器1が設置された場所の明るさの誤認識を防ぐことができる。したがって、常夜灯17の正確な消灯制御をすることができる。
【0028】
また、本実施形態においては、点灯判定値で点灯後における1回目の照度の判定において、照度検出部14により検出された照度が引上判定値以上である場合、第一判定値が第二判定値に引き上がる。1回目の照度の判定で照度が引上判定値以上であれば、常夜灯17で照らされる光に対する通常の反射光よりも明るい照度が検出されている。常夜灯17で照らされる光に対する通常の反射光よりも明るい照度が検出されているということは、ステンレス鋼板33等のように常夜灯17の光を反射する部材が警報器1の周囲に存在していることになる。よって、このような場合には、第一判定値を第二判定値に引き上げることにより、照度を判定する閾値が上がるため、警報器1が設置された場所に合わせた閾値にオフセットされることになる。したがって、警報器1が設置された場所の明るさの誤認識を特に顕著に防ぐことができる。
【0029】
実施形態2.
実施形態2において、実施形態1と同様の構成及び機能についてはその詳細な説明を省略する。実施形態2は、検出された照度に応じて消灯判定値を引き上げるのではなく、警報器1が設置された場所が明るいときに検出された照度を消灯判定値に設定する点で実施形態1と異なる。図6は、本開示を適用した実施形態2に係る警報器1の周囲の照度に応じて消灯判定値を記憶させる一例を示す図である。
【0030】
図6に示すように、部屋30に壁に警報器1が設置され、部屋30の天井には照明41が設置されている。図6(A)は、照明41が点灯中であることを示す。図6(A)のような状態であれば、照明41により部屋30が照らされているため、常夜灯17を点灯する必要がない。よって、常夜灯17は消灯制御される。したがって、図6(A)のような状態になったときに常夜灯17が消灯されるように消灯判定値が設定されればよい。つまり、図6(A)に示すように、照明41が点灯中のときの照度を警報器1に記憶させればよい。
【0031】
一方、図6(B)は、照明41が消灯中であることを示す。図6(B)のような状態であれば、照明41により部屋30が照らされていないため、常夜灯17を点灯する必要がある。よって、常夜灯17は点灯制御される。したがって、図6(B)のような状態になったときに常夜灯17が点灯されるように点灯判定値が設定されればよい。つまり、図6(B)に示すように、照明41が消灯中のときの照度を警報器1に記憶させればよい。
【0032】
図7は、本開示を適用した実施形態2に係る警報器1の消灯判定値及び点灯判定値の設定処理を説明するフローチャートである。ステップS41において、制御部19は、部屋30の照明41が点灯中である旨が入力されたか否かを判定する。入力は、操作部11を介して行われればよく、以降の処理においても同様である。制御部19は、部屋30の照明41が点灯中である旨が入力されたと判定する場合(ステップS41;Y)、ステップS42の処理に移行する。制御部19は、部屋30の照明41が点灯中である旨が入力されていないと判定する場合(ステップS41;N)、ステップS44の処理に移行する。
【0033】
ステップS42において、制御部19は、照度検出部14の検出値を記憶させる旨の指示があるか否かを判定する。照度検出部14の検出値は、照度であるので、図6に示すように警報器1が設置された部屋30の照度を記憶させるか否かが判定される。具体的には、制御部19は、照度検出部14の検出値を記憶させる旨の指示があると判定する場合(ステップS42;Y)、ステップS43の処理に移行する。制御部19は、照度検出部14の検出値を記憶させる旨の指示がないと判定する場合(ステップS42;N)、ステップS42の処理を継続する。ステップS43において、制御部19は、照度検出部14の検出値を消灯判定値に設定し、設定処理を終了する。つまり、制御部19は、部屋30の照明41が点灯中の部屋30の照度を消灯判定値に設定する。
【0034】
ステップS44において、制御部19は、部屋30の照明41が消灯中である旨が入力されたか否かを判定する。制御部19は、部屋30の照明41が消灯中である旨が入力されたと判定する場合(ステップS44;Y)、ステップS45の処理に移行する。制御部19は、部屋30の照明41が消灯中である旨が入力されていないと判定する場合(ステップS44;N)、ステップS47の処理に移行する。ステップS45において、制御部19は、照度検出部14の検出値を記憶させる旨の指示があるか否かを判定する。制御部19は、照度検出部14の検出値を記憶させる旨の指示があると判定する場合(ステップS45;Y)、ステップS46の処理に移行する。制御部19は、照度検出部14の検出値を記憶させる旨の指示がないと判定する場合(ステップS45;N)、ステップS45の処理を継続する。ステップS46において、制御部19は、照度検出部14の検出値を点灯判定値に設定し、設定処理を終了する。つまり、制御部19は、部屋30の照明41が消灯中の部屋30の照度を点灯判定値に設定する。
【0035】
ステップS47において、制御部19は、常夜灯17が点滅中であるか否かを判定する。制御部19は、常夜灯17が点滅中であると判定する場合(ステップS47;Y)、ステップS48の処理に移行し、ステップS48において、点滅処理を実行し、設定処理を終了する。なお、点滅処理は、図9を用いて後述する。制御部19は、常夜灯17が点滅中でないと判定する場合(ステップS47;N)、設定処理を終了する。
【0036】
以上の説明から、本実施形態においては、警報器1が設置された部屋30の照明41が点灯中、照度検出部14により検出された照度が消灯判定値に設定可能であり、警報器1が設置された部屋30の照明41が消灯中、照度検出部14により検出された照度が点灯判定値に設定可能である。よって、警報器1が実際に設置された部屋30の照度に応じて各判定値が設定される。したがって、点灯判定値で点灯後における照度の判定において、適切な判定値が設定されているため、部屋30の明るさの誤認識を特に顕著に防ぐことができる。
【0037】
実施形態3.
実施形態3において、実施形態1,2と同様の構成及び機能についてはその詳細な説明を省略する。実施形態3は、消灯判定値を引き上げる条件が実施形態1と異なる。図8は、本開示を適用した実施形態3に係る照度検出部14の検出結果の一例を示す図である。図8に示すように、一定時間内に常夜灯17が点灯及び消灯を繰り返す動作を行う場合がある。このような場合、照度検出部14は、強い反射光を検出していると想定される。よって、例えば、設定閾値を定めておき、設定閾値回連続で常夜灯17が点灯及び消灯を繰り返した場合、消灯判定値を引き上げる。図8の一例では、設定閾値は5に設定されている。よって、5回連続で点灯及び消灯を繰り返した場合、消灯判定値を引き上げる処理が実行されている。
【0038】
図9は、本開示を適用した実施形態3に係る点滅処理を説明するフローチャートである。ステップS61において、制御部19は、点灯及び消灯が設定閾値回連続で繰り返したか否かを判定する。制御部19は、点灯及び消灯が設定閾値回連続で繰り返したと判定する場合(ステップS61;Y)、ステップS62の処理に移行し、ステップS62において、消灯判定値を引き上げ、点滅処理を終了する。制御部19は、点灯及び消灯が設定閾値回連続で繰り返していないと判定する場合(ステップS61;N)、点滅処理を終了する。なお、点灯及び消灯の繰り返し回数は、例えば、RAM192に一時記憶させておけばよい。また、実施形態1と同様に、第一判定値を第二判定値に引き上げればよい。具体的には、例えば消灯判定値を3Luxから4Luxに引き上げればよい。
【0039】
以上の説明から、本実施形態においては、点灯判定値で点灯後における照度の判定において、常夜灯17が一定時間内に点灯と消灯とを繰り返す動作を行った場合、第一判定値が第二判定値に引き上がる。一定時間内に点灯と消灯とを繰り返す動作が常夜灯17により行われたのであれば、照度検出部14は、強い反射光を検出している。強い反射光が検出されているということは、ステンレス鋼板33等のように常夜灯17の光を反射する部材が警報器1の周囲に存在していることになる。よって、このような場合には、第一判定値を第二判定値に引き上げることにより、照度を判定する閾値が上がるため、警報器1が設置された場所に合わせた閾値にオフセットされることになる。したがって、警報器1が設置された場所の明るさの誤認識を特に顕著に防ぐことができる。
【0040】
以上、本開示を適用した警報器1を実施形態に基づいて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
【0041】
例えば、本実施形態においては、警報器1が商用電源から供給される電力によって動作する一例について説明したが、特にこれに限定されない。例えば、警報器1は、一次電池又は二次電池から供給される電力によって動作するものであってもよい。
【0042】
また、本実施形態においては、警報器1がガス漏れ又は火災の発生を検出して警報を行うものである一例について説明したが、特にこれに限定されない。例えば、警報器1は一酸化炭素漏れを検出して警報を行うものであってもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 警報器、11 操作部、12 火災検出部、13 ガス検出部
14 照度検出部、16 報知部、17 常夜灯、19 制御部
191 ROM、192 RAM、193 CPU
30 部屋、31 壁面、33 ステンレス鋼板
41 照明
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9