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特許7063862光学システムの構成要素のための位置決めシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】光学システムの構成要素のための位置決めシステム
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/00 20210101AFI20220426BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20220426BHJP
   G01B 11/25 20060101ALI20220426BHJP
   G03B 35/08 20210101ALI20220426BHJP
【FI】
G02B7/00 F
G01B11/00 H
G01B11/25 H
G03B35/08
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019147027
(22)【出願日】2019-08-09
(65)【公開番号】P2020027305
(43)【公開日】2020-02-20
【審査請求日】2020-09-18
(31)【優先権主張番号】62/716,766
(32)【優先日】2018-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504382671
【氏名又は名称】コグネックス・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】アンドルー グッデイル
(72)【発明者】
【氏名】アンドルー パーレット
(72)【発明者】
【氏名】ジョン フィルハーバー
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン ブレーカー
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-281400(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0186183(US,A1)
【文献】特開2016-194607(JP,A)
【文献】特開2002-365612(JP,A)
【文献】特表2016-517513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00 - 11/30
G02B 7/00
G02B 7/18 - 7/24
G03B 35/00 - 37/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクタ焦平面を定めるプロジェクタ及び投影ターゲットを有する投影システムと、メージセンサ及びイメージング焦平面を定めるレンズ配置体有するイメージングシステムと、を備えた3次元(3D)測定システム用の位置決めシステムであって、
前記イメージングシステムは、3D測定を実行すべく前記投影システムと協働するように構成されており、
前記位置決めシステムは、
支持フレームと、
前記支持フレームに対して記投影ターゲットを固定するように構成された第1の撓み配置体であって、第1の撓みアームと、第2の撓みアームを有し、前記第1の撓みアーム及び前記第2の撓みアームは、前記プロジェクタ焦平面内での前記投影ターゲットの2次元(2D)運動を可能にし、かつ、前記3D測定システムに加わる遷移応力に応じて前記プロジェクタ焦平面外での前記投影ターゲットの運動を阻止する第1の撓み配置体と、
前記第1の撓み配置体から前記支持フレームに沿って離隔している第2の撓み配置体と、
を備えており、
前記第1の撓みアームは前記支持フレームから延在して、当該第1の撓みアームの自由端が前記投影ターゲットに結合されていると共に、前記第2の撓みアームは前記支持フレームから延在して、当該第2の撓みアームの自由端が前記投影ターゲットに結合されており、
前記第2の撓み配置体は固定的な制約部と単独の撓みアームとを有し、
前記固定的な制約部及び単独の撓みアームは、前記イメージセンサの運動を前記イメージング焦平面内で実質的に唯一の運動次元に沿った方向にし、前記3D測定システムにかかる遷移応力に応じて前記イメージセンサが前記イメージング焦平面外で運動するのを阻止するものであり、
前記単独の撓みアームは前記支持フレームから延在して、当該単独の撓みアームの自由端が前記イメージセンサの第1端に結合されていると共に、前記固定的な制約部は前記イメージセンサの第2端に結合されている
ことを特徴とする位置決めシステム。
【請求項2】
前記第1の撓み配置体又は前記単独の撓みアームのうち少なくとも1つが前記支持フレームと一体不可分に形成されている、
請求項1記載の位置決めシステム。
【請求項3】
前記イメージングシステムは前記投影ターゲットから第1の方向に離隔しており、
前記投影システム及び前記イメージングシステムの光軸は互いに相対的に斜めの向きであり、
前記唯一の運動次元は前記第1の方向に対して実質的に垂直である、
請求項1記載の位置決めシステム。
【請求項4】
前記第1の撓み配置体の前記第1の撓みアーム及び前記第2の撓みアームのうち一方又は両方は、前記投影ターゲットにしっかり回転不能に固定されている、
請求項1記載の位置決めシステム。
【請求項5】
前記第1の撓みアーム及び前記第2の撓みアームは接着剤を用いて前記投影ターゲットに固定されている、
請求項4記載の位置決めシステム。
【請求項6】
前記第1の撓みアーム及び前記第2の撓みアームは、前記投影ターゲットのガラス基板にしっかり回転不能に固定されている、
請求項4記載の位置決めシステム。
【請求項7】
前記イメージセンサはねじ固定具を用いて前記単独の撓みアームと前記固定的な制約部とに固定されている、
請求項4記載の位置決めシステム。
【請求項8】
前記イメージングシステムは光軸を定め、前記固定的な制約部と、前記イメージセンサへの前記単独の撓みアームの取付点との間の基準線が、当該光軸を通る、
請求項1記載の位置決めシステム。
【請求項9】
前記基準線は前記唯一の運動次元と一致する、
請求項8記載の位置決めシステム。
【請求項10】
前記第1の撓み配置体は、
前記第1の撓みアームは前記支持フレームから第1の方向に延在
前記第2の撓みアームは、前記第1の方向に対して実質的に垂直である第2の方向に前記支持フレームから延在す
請求項1記載の位置決めシステム。
【請求項11】
前記第1の撓み配置体は、前記支持フレームから前記第2の方向に延在する第3の撓みアームを備えており
前記第3の撓みアームは、前記第2の撓みアームから前記第1の方向に離隔している、請求項10記載の位置決めシステム。
【請求項12】
前記第1の撓みアームは前記支持フレームの第1の部分から延在し、
前記第2及び第3の撓みアームは、前記支持フレームの第1の部分に対して実質的に垂直方向に延在する当該支持フレームの第2の部分から延在する、
請求項11記載の位置決めシステム。
【請求項13】
前記第1の撓み配置体の前記第1の撓みアーム及び前記第2の撓みアームそれぞれ、前記投影ターゲットの位置特定特徴を提供するノッチを有する、
請求項1記載の位置決めシステム。
【請求項14】
前記投影システムは光軸を定め、
前記第1の撓みアーム及び前記第2の撓みアームは、各対応する取付点において前記投影ターゲットに固定されており、
前記各取付点は、前記プロジェクタ焦平面内において前記光軸に対して垂直に延在する第1の基準線上に配置されており、
前記第1の撓み配置体含まれる追加の撓みアームが、前記第1の基準線に対して実質的に垂直である第2の基準線であって前記プロジェクタ焦平面内において前記光軸を通って延在する第2の基準線上に配置された取付点において前記投影ターゲットに固定されている、
請求項1記載の位置決めシステム。
【請求項15】
前記第1の基準線又は前記第2の基準線のうち少なくとも1つは、前記投影ターゲットの中心線である、
請求項14記載の位置決めシステム。
【請求項16】
前記イメージングシステムは第1のイメージングシステムであり、
前記3D測定システムはさらに、第2のイメージセンサと、第2のイメージング焦平面を定める第2のレンズ配置体と、を有する第2のイメージングシステムを備えており、
前記位置決めシステムはさらに、
前記支持フレームに沿った方向において前記第1の撓み配置体と前記第2の撓み配置体との間に配置された第3の撓み配置体
を備えており、
前記第3の撓み配置体は第2の固定的な制約部及び第2の単独の撓みアームを備えており、
前記第2の固定的な制約部及び前記第2の単独の撓みアームは、前記第2のイメージセンサの運動を、前記イメージング焦平面内の第2の唯一の運動次元に実質的に沿った方向にし、前記3D測定システムにかかる遷移応力に応じて前記第2のイメージセンサが前記第2のイメージング焦平面外で運動するのを阻止するものであり、
前記第2の単独の撓みアームは前記支持フレームから延在して、当該第2の単独の撓みアームの自由端が前記第2のイメージセンサの第1端に結合されていると共に、前記第2の固定的な制約部は前記第2のイメージセンサの第2端に結合されている、
請求項1記載の位置決めシステム。
【請求項17】
投影システム又はイメージングシステムの一部を構成する光学システム構成要素を備えた光学システム用の位置決めシステムであって、
支持フレームと、
撓み配置体と、
を備えており、
前記撓み配置体は、前記光学システム構成要素を第1の向きにして前記光学システム構成要素を前記支持フレームに対して定し、前記光学システムに遷移応力が加わったときに弾性変形することにより、前記支持フレームに対して相対的に少なくとも1つの自由度に沿って前記光学システム構成要素を運動させ、前記遷移応力が除去されたときに前記光学システム構成要素を前記第1の向きに復帰させるように構成されており、
前記撓み配置体は、
前記支持フレームにおける各対応する第1及び第2の固定点であって第1及び第2の撓みアームを前記光学システム構成要素に結合する第1及び第2の固定点から互いに平行に、前記光学システム構成要素における各対応する第1及び第2の取付点へ延在する当該第1及び第2の撓みアームと、
前記支持フレームにおける第3の固定点であって第3の撓みアームを前記光学システム構成要素に結合する第3の固定点から、前記第1及び第2の撓みアームに対して垂直に、前記光学システム構成要素における第3の取付点へ延在する当該第3の撓みアームと、
を有し、
前記第1及び第2の取付点は、前記光学システム構成要素の第1の中心線上にアライメントされており、
前記第3の取付点は、前記第1の中心線に対して実質的に垂直である前記光学システム構成要素の第2の中心線上にアライメントされている
ことを特徴とする位置決めシステム。
【請求項18】
前記第1の中心線と前記第2の中心線とは、前記光学システムの光軸において交差する、
請求項17記載の位置決めシステム。
【請求項19】
前記第1、第2及び第3の撓みアームは、前記光学システム構成要素にしっかり回転不能に固定されている、
請求項18記載の位置決めシステム。
【請求項20】
投影システム又はイメージングシステムの一部を構成する光学システム構成要素を備えた光学システム用の位置決めシステムであって、
支持フレームと、
前記光学システム構成要素を第1の向きにして前記光学システム構成要素を前記支持フレームに対して定し、前記光学システムに遷移応力が加わったときに弾性変形し、前記支持フレームに対して相対的に前記光学システム構成要素を少なくとも1つの自由度に沿って運動させ、前記遷移応力が除去されたときに前記光学システム構成要素を前記第1の向きに復帰するように構成された撓み配置体と、
を備えており、
前記撓み配置体は、
前記支持フレームから延在する単独の撓みアームであって、第1の取付点において前記光学システム構成要素の第1端結合された単独の撓みアームと、
前記光学システム構成要素の第2端に結合された単独の固定的な制約部であって、当該光学システム構成要素を前記支持フレームに固定する単独の固定的な制約部と、
を備えており、
前記第1の取付点と前記単独の固定的な制約部との間に延在する基準線が、前記光学システムの光軸を通って延在する
ことを特徴とする位置決めシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、米国仮特許出願第62/716,766号(出願日:2018年8月9日)に係る優先権を主張するものであり、その開示内容は全て、参照により本願の内容に含まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
本願の技術は、例えばイメージセンサ又は投影ターゲット等の光学システムの構成要素を再現可能かつ安定的に位置決めするための構造的配置体を備えた、光学システム用の構造的サポートに関するものである。
【0003】
種々の種類の精密光学システムが、種々の場面で有用となり得る。例えば、種々の製造設定及び他の設定において、三次元(「3D」)イメージングシステムを使用することができる。例えば3Dイメージングシステム等のマシンビジョンシステムが、運送最適化及び他のタスクのために有用となり得る3D情報を得るために製品を正確かつ迅速に走査できるように構成できる事例もある。しかし、単一又は複数のカメラを備えた3Dイメージングシステムを含む光学システムは、安定性要求及び他のファクタが厳しいため、用いるのが困難となり得る。例えば、温度、振動等の変化を含み得る変動的な環境ファクタがあるにもかかわらず、正確な測定を実現するためには高度な位置安定性を要する場合があるシステムも存在する。
【0004】
環境ファクタは、種々の観点でマシンビジョンシステムの正確さに決定的なものとなり得る。例えば、熱遷移(又は他の遷移)によってイメージングシステムの構成要素(例えばイメージセンサ)が較正された位置から動いて、較正された位置に基づく処理タスクの実行が不十分となり得る事例もある。さらに、遷移応力が除去されるときにも、システムの弛緩の繰り返し可能性の欠如が問題となり得る。
【0005】
特定のシステムは精密性により、数ミクロン又は数百ナノメータのオーダの動きが測定精度に大きく影響を及ぼすことがある。例えば、数ミクロンのオーダの画素サイズを有し、なおかつサブピクセル精度で実行されることが期待されるシステムもある。このことが、単一カメラビジョンシステムにとって特に問題となり得る事例もある。
【発明の概要】
【0006】
本技術の一部の実施形態は、投影システム又はイメージングシステムの一部として構成された光学システム構成要素を備えた光学システム用の位置決めシステムを提供するものである。位置決めシステムは、支持フレームと撓み配置体とを備えており、撓み配置体は、光学システム構成要素を第1の向きにして光学システム構成要素を支持フレームに対して相対的に固定するように構成されている。撓み配置体は、光学システムに遷移応力が加わったときに弾性変形し、これによって支持フレームに対して相対的に少なくとも1つの自由度に沿って光学システム構成要素を運動させるように構成することができる。撓み配置体は、遷移応力が除去されたときに光学システム構成要素を第1の向きに戻すように構成することもできる。
【0007】
一部の実施形態では、上述の位置決めシステムのために1つ又は複数の他の特徴を備えることができる。撓み配置体は、支持フレームと一体不可分に形成することができる。撓み配置体は、光学システム構成要素と一体不可分に形成することができる。光学システム構成要素は、イメージセンサを支持するためのプリント回路基板を備えることができる。撓み配置体は、プリント回路基板と一体不可分に形成することができる。
【0008】
撓み配置体は、単独の撓みアームと、固定的な制約部とを備えることができる。光学システム構成要素は、単独の撓みアーム及び固定的な制約部の各々に、各対応するねじ固定具を用いて固定することができる。光学システムは光軸を定めることができ、固定的な制約部と、光学システム構成要素への単独の撓みアームの取付点との間の基準線が、この光軸を通る。撓み配置体によって提供される上述の少なくとも1つの自由度は、固定的な制約部から離れる方向での光学システム構成要素の実質的に直線的な直進運動のためにアライメントすることができる。
【0009】
撓み配置体は、複数の撓みアームを備えることができる。撓み配置体の第1の撓みアームは、支持フレームから第1の方向に延在することができる。撓み配置体の第2の撓みアームは、支持フレームから、第1の方向に対して実質的に垂直である第2の方向に延在することができる。撓み配置体の第3の撓みアームは、支持フレームから第2の方向に延在することができ、第3の撓みアームは、第2の撓みアームから第1の方向に離隔している。第1の撓みアームは支持フレームの第1の部分から延在することができ、第2及び第3の撓みアームは、支持フレームの第1の部分に対して実質的に垂直方向に延在する当該支持フレームの第2の部分から延在することができる。光学システムは光軸を定めることができ、第2及び第3の各撓みアームが各々の取付点において光学システム構成要素に固定され、第2及び第3の撓みアームの取付点は、光軸を通って延在する第1の基準線上に配置することができる。第1の撓みアームは、第1の撓み部取付点において光学システム構成要素に固定することができ、第1の撓み部取付点は、第1の撓みアームに対して実質的に垂直な第2の基準線であって光軸を通って延在する第2の基準線上に配置することができる。
【0010】
撓みアームは、光学システムの焦平面内で直進運動及び回転運動の自由度を提供するように構成することができる。各撓みアームは、支持フレームに近い第1の曲げ部分と、撓みアームの自由端に近い第2の曲げ部分と、を備えており、第1及び第2の曲げ部分は、各撓みアームの隣接する部分より低い剛性を有する。各撓みアームの第1及び第2の各曲げ部分は、各撓みアームのネック部として構成することができる。
【0011】
光学システム構成要素は第1の構成要素とすることができ、光学システムは第2の構成要素を備えることができ、撓み配置体は第1の撓み配置体とすることができ、位置決めシステムはさらに、支持フレームに第2の構成要素を第2の向きに、かつ第1の構成要素とは異なる場所に固定するように構成された第2の撓み配置体を備えることができる。第2の撓み配置体は、光学システムに遷移応力が加わったときに弾性変形し、これによって支持フレームに対して相対的に少なくとも1つの自由度に沿って第2の構成要素を運動させるように構成することができ、第2の撓み配置体は、遷移応力が除去されたときに第2の構成要素を第2の向きに戻すように構成することができる。第1及び第2の各撓み配置体は、各自の単独の撓みアームと、各自の固定的な制約部と、のうち1つを備えることができ、又は、各自の複数の撓みアームを備えることができる。第1の撓み配置体は複数の撓みアームを備え、第2の撓み配置体は単独の撓みアームと、固定的な制約部と、を備えることができる。
【0012】
光学システムは第3の構成要素を備えることができ、位置決めシステムは、支持フレームに第3の構成要素を第1の構成要素と第2の構成要素との間に第3の向きに固定するように構成された第3の撓み配置体を備えることができる。第3の撓み配置体は、光学システムに遷移応力が加わったときに弾性変形し、これによって支持フレームに対して相対的に少なくとも1つの自由度に沿って第3の構成要素を運動させるように構成することができる。第3の撓み配置体は、遷移応力が除去されたときに第3の構成要素を第3の向きに戻すように構成することができる。
【0013】
第1の構成要素は投影システムとすることができ、第2の構成要素は第1のイメージングシステムとすることができ、第3の構成要素は第2のイメージングシステムとすることができ、その際には、第1の撓み配置体は複数の撓みアームを備えている。第2及び第3の各撓み配置体はそれぞれ、単独の撓みアームと、固定的な制約部と、を備えることができる。撓み配置体は、接着剤を用いて光学システム構成要素に固定することができる。
【0014】
本技術の一部の実施形態は、支持フレームと、光学構成要素と、撓み配置体と、を備えることができる光学システムを提供するものであり、撓み配置体は、光学構成要素を第1の向きにして光学構成要素を支持フレームに固定するものである。撓み配置体は、光学システムに遷移応力が加わったときに、少なくとも1つの自由度との関係において弾性変形し、これによって光学構成要素を支持フレームに対して相対的に運動させるように構成することができる。撓み配置体は、遷移応力が除去されたときに光学構成要素を第1の向きに戻すように構成することもできる。
【0015】
一部の実施形態では、上述の光学システムのために1つ又は複数の他の特徴を含めることができる。撓み配置体は、支持フレーム又は光学構成要素のうち1つと一体不可分に形成することができる。光学構成要素は、イメージセンサを支持するためのプリント回路基板を備えることができる。撓み配置体は、プリント回路基板と一体不可分に形成することができる。撓み配置体は、単独の撓みアームと、固定的な制約部と、を備えることができる。
【0016】
光学システムはさらに、光軸を定めるレンズ配置体を備えることもでき、固定的な制約部と、光学構成要素への単独の撓みアームの取付点との間の基準線が、当該光軸を通る。撓み配置体によって提供される少なくとも1つの自由度は、固定的な制約部から離れていく方向での光学構成要素の実質的に直線状の直進運動のためにアライメントすることができる。
【0017】
撓み配置体は複数の撓みアームを備えている。撓み配置体の第1の撓みアームは、支持フレームから第1の方向に延在することができ、撓み配置体の第2の撓みアームは、支持フレームから、第1の方向に対して実質的に垂直である第2の方向に延在することができる。撓み配置体の第3の撓みアームは、支持フレームから第2の方向に延在することができ、第3の撓みアームは、第2の撓みアームから第1の方向に離隔している。第1の撓みアームは支持フレームの第1の部分から延在することができ、第2及び第3の撓みアームは、支持フレームの第1の部分に対して実質的に垂直方向に延在する当該支持フレームの第2の部分から延在することができる。
【0018】
光学システムはさらに、光軸を定めるレンズ配置体を備えることもできる。複数の撓みアームのうち第1及び第2の各撓みアームは、各々の取付点において光学構成要素に固定することができ、第1及び第2の撓みアームの取付点は、光軸を通って延在する第1の基準線上に配置することができる。複数の撓みアームのうち第3の撓みアームが光学構成要素に固定される取付点は、第1の基準線に対して実質的に垂直である第2の基準線であって光軸を通って延在する第2の基準線上に配置することができる。
【0019】
撓みアームは、光学システムの焦平面内で運動する少なくとも2つの自由度を提供するように構成することができる。各撓みアームは第1の曲げ部分と第2の曲げ部分とを有することができ、第1及び第2の曲げ部分は、各撓みアームの隣接する部分より低い剛性を有する。各撓みアームについて、第1の曲げ部分は支持フレームに近い第1のネック部として構成することができ、第2の曲げ部分は撓みアームの自由端に近い第2のネック部として構成することができる。
【0020】
光学構成要素は第1の光学構成要素とすることができ、撓み配置体は第1の撓み配置体とすることができ、光学システムはさらに第2の光学構成要素と第2の撓み配置体とを備えることができ、第2の撓み配置体は、第2の光学構成要素を第2の向きにして、支持フレームに第2の光学構成要素を、第1の光学構成要素とは異なる場所に固定するものである。第2の撓み配置体は、光学システムに遷移応力が加わったときに弾性変形し、これによって支持フレームに対して相対的に少なくとも1つの自由度に沿って第2の光学構成要素を運動させるように構成することができる。第2の撓み配置体は、遷移応力が除去されたときに第2の光学構成要素を第2の向きに戻すように構成することができる。
【0021】
第1及び第2の各撓み配置体は、各自の単独の撓みアームと、各自の固定的な制約部と、のうち1つを備えることができ、又は、各自の複数の撓みアームを備えることができる。第1の撓み配置体は複数の撓みアームを備え、第2の撓み配置体は単独の撓みアームと、固定的な制約部と、を備えることができる。
【0022】
光学システムは、第3の光学構成要素と第3の撓み配置体とを備えることができ、第3の撓み配置体は、第3の光学構成要素を第3の向きにして、支持フレームに第3の光学構成要素を第1の光学構成要素と第2の光学構成要素との間に固定するものである。第3の撓み配置体は、光学システムに遷移応力が加わったときに弾性変形し、これによって支持フレームに対して相対的に少なくとも1つの自由度に沿って第3の光学構成要素を運動させるように構成することができる。第3の撓み配置体は、遷移応力が除去されたときに第3の光学構成要素を第3の向きに戻すように構成することができる。第1の光学構成要素は投影システムとすることができ、第2の光学構成要素は第1のイメージングシステムとすることができ、第3の光学構成要素は第2のイメージングシステムとすることができる。第1の撓み配置体は複数の撓みアームを備えることができ、第2及び第3の各撓み配置体はそれぞれ、単独の撓みアームと、固定的な制約部と、を備えることができる。第1及び第3の光学構成要素は、三次元寸法測定システムにおいてそれぞれ第1及び第3の向きで協働的に使用するために較正することができる。
【0023】
本技術の一部の実施形態は三次元(3D)測定システム用の位置決めシステムを提供するものであり、位置決めシステムは、投影ターゲット、及びプロジェクタ焦平面を定めるプロジェクタを備えた投影システムと、イメージセンサ及びレンズ配置体を備えたイメージングシステムと、を備えており、レンズ配置体はイメージング焦平面を定め、イメージングシステムは、投影システムと協働して3D測定を行うために構成されている。位置決めシステムは、支持フレームと、第1の撓み配置体と、第2の撓み配置体と、を備えることができる。第1の撓み配置体は、投影ターゲットを支持フレームに対して相対的に固定するように構成することができ、第1の撓み配置体は複数の撓み部を備えており、複数の撓み部は、プロジェクタ焦平面内で投影ターゲットの二次元(2D)運動を可能にし、かつ、3D測定システムにかかる遷移応力に応じて投影ターゲットがプロジェクタ焦平面外で運動するのを阻止するものである。第2の撓み配置体は、第1の撓み配置体から支持フレームに沿って離隔することができ、第2の撓み配置体は、固定的な制約部と単独の撓みアームとを備えることができ、固定的な制約部及び単独の撓みアームは、イメージセンサの運動をイメージング焦平面内で実質的に唯一の運動次元に沿った方向にし、3D測定システムにかかる遷移応力に応じてイメージセンサがイメージング焦平面外で運動するのを阻止するものである。
【0024】
一部の実施形態では、3D測定システム用の上述の位置決めシステムのために、1つ又は複数の他の特徴を含めることができる。第1の撓み配置体又は単独の撓みアームのうち少なくとも1つを、支持フレームと一体不可分に形成することができる。イメージングシステムは、投影システム及びイメージングシステムの光軸を互いに相対的に斜めの向きにして、投影ターゲットから第1の方向に離隔することができ、その際には、唯一の運動次元が第1の方向に対して実質的に垂直となる。
【0025】
第1の撓み配置体の1つ又は複数の撓み部は、投影ターゲットにしっかりかつ回転不能に固定することができる。この1つ又は複数の撓み部は、接着剤を用いて投影ターゲットに固定することができる。1つ又は複数の撓み部は、投影ターゲットのガラス基板にしっかりかつ回転不能に固定することができる。イメージセンサは、ねじ固定具を用いて単独の撓みアームと固定的な制約部とに固定することができる。
【0026】
イメージングシステムは光軸を定めることができ、固定的な制約部と、イメージセンサへの単独の撓みアームの取付点との間の基準線が、この光軸を通ることができる。基準線は、唯一の運動次元と一致することができる。
【0027】
第1の撓み配置体は、支持フレームから第1の方向に延在する第1の撓み配置体の第1の撓みアームと、支持フレームから第1の方向に対して実質的に垂直な第2の方向に延在する第1の撓み配置体の第2の撓みアームと、を備えることができる。第1の撓み配置体の第3の撓みアームは、支持フレームから第2の方向に延在することができ、第3の撓みアームは、第2の撓みアームから第1の方向に離隔している。第1の撓みアームは支持フレームの第1の部分から延在することができ、第2及び第3の撓みアームは、支持フレームから第1の部分に対して実質的に垂直に延在する支持フレームの第2の部分から延在することができる。第1の撓み配置体の各撓み部は、投影ターゲットの位置特定特徴を提供するノッチを有することができる。
【0028】
投影システムは光軸を定めることができ、第1の撓み配置体の複数の撓み部のうち少なくとも2つの各撓みアームが、各対応する取付点において投影ターゲットに固定することができる。各取付点は、プロジェクタ焦平面内において光軸に対して実質的に垂直に延在する第1の基準線上に配置することができる。投影ターゲットには、第1の撓み配置体の複数の撓み部に含まれる追加の撓みアームを、第1の基準線に対して実質的に垂直である第2の基準線であってプロジェクタ焦平面内において光軸を通って延在する第2の基準線上に配置された取付点に固定することができる。第1の基準線及び第2の基準線のうち少なくとも1つは、投影ターゲットの中心線とすることができる。
【0029】
イメージングシステムは第1のイメージングシステムとすることができ、3D測定システムはさらに、第2のイメージセンサと第2のレンズ配置体とを備えた第2のイメージングシステムを備えることができ、第2のレンズ配置体は第2のイメージング焦平面を定め、位置決めシステムはさらに第3の撓み配置体を備えることができ、第3の撓み配置体は、第1の撓み配置体と第2の撓み配置体との間に支持フレームに沿って配置されている。第3の撓み配置体は第2の固定的な制約部と第2の単独の撓みアームとを備えることができ、第2の固定的な制約部及び第2の単独の撓みアームは、第2のイメージセンサの運動を、イメージング焦平面内の第2の唯一の運動次元に実質的に沿った方向にし、3D測定システムにかかる遷移応力に応じて第2のイメージセンサが第2のイメージング焦平面外で運動するのを阻止するものである。
【0030】
本技術の一部の実施形態は、投影システム又はイメージングシステムの一部を構成する光学システム構成要素を備えた光学システム用の位置決めシステムを提供することができる。位置決めシステムは、支持フレームと撓み配置体とを備えることができ、撓み配置体は、光学システム構成要素を第1の向きにして光学システム構成要素を当該支持フレームに対して相対的に固定し、光学システムに遷移応力が加わったときに弾性変形し、支持フレームに対して相対的に光学システム構成要素を少なくとも1つの自由度に沿って運動させ、遷移応力が除去されたときに光学システム構成要素を第1の向きに戻すように構成されている。撓み配置体は、第1及び第2の撓みアームを備えることができ、第1及び第2の撓みアームは、支持フレームにおける各対応する第1及び第2の固定点から互いに平行に、光学システム構成要素における各対応する第1及び第2の取付点へ延在する。第3の撓みアームは、支持フレームにおける第3の固定点から、第1及び第2の撓みアームに対して垂直に、光学システム構成要素における第3の取付点へ延在することができる。第1及び第2の取付点は、光学システム構成要素の第1の中心線上に整列することができる。第3の取付点は、光学システム構成要素の第2の中心線上にアライメントすることができる。
【0031】
一部の実施形態では、上述の位置決めシステムのために1つ又は複数の追加の特徴を含めることができる。第1の中心線と第2の中心線とは、光学システムの光軸において交差することができる。第1、第2及び第3の撓みアームは、光学システム構成要素にしっかりかつ回転不能に固定することができる。
【0032】
本技術の一部の実施形態は、投影システム又はイメージングシステムの一部を構成する光学システム構成要素を備えた光学システム用の位置決めシステムを提供することができる。位置決めシステムは、支持フレーム及び撓み配置体を備えることができる。撓み配置体は、光学システム構成要素を第1の向きにして光学システム構成要素を当該支持フレームに対して相対的に固定し、光学システムに遷移応力が加わったときに弾性変形し、支持フレームに対して相対的に光学システム構成要素を少なくとも1つの自由度に沿って運動させ、遷移応力が除去されたときに光学システム構成要素を第1の向きに戻すように構成することができる。撓み配置体は、第1の取付点において光学システム構成要素に固定された単独の撓みアームと、光学システム構成要素を支持フレームに固定する単独の剛性制約部と、を備えることができる。第1の取付点と単独の剛性制約部との間に延在する基準線が、光学システムの光軸を通って延在する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本技術の一実施形態の光学システムの正面立面図である。
図2】特定の構成要素を透明にした図1の光学システムの等角図である。
図3】特定の構成要素を除いた図1の光学システムの平面図である。
図4図1の光学システムの底部の断面図である。
図5図1の光学システムの投影システムの拡大した平面部分図である。
図6図1の光学システムのイメージングシステムの拡大した平面部分図である。
図7】イメージング装置700として構成された本技術の一実施形態の他の一光学システムを示す図である。
図8図7から特定の構成要素を除いた本技術の他の一実施形態の光学システムの等角図である。
図9】図から特定の構成要素を除いた図7及び図8の光学システムの背面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の詳細な説明では添付の図面を参照する。本図面は、詳細な説明の一部を構成する。図面中、文脈から特段の事情が明らかでない限りにおいて、同様の符号は典型的には同様の構成要素を指す。詳細な説明、図面及び特許請求の範囲に記載されている例示的な実施形態は、限定を意図したものではない。ここで開示されている主題の思想又は範囲を逸脱することなく、他の実施形態を使用することができ、また他の変更を行うことができる。ここで一般化して記載されている本願開示の側面及び図面中に示されている本願開示の側面は、幅広い異なる構成で配置し、置換し、組み合わせ、分離し、及び設計することができ、これらは全て、本願に明示的に含まれているものであることが、容易に理解できる。
【0035】
ここで使用されている「取り付けられている」、「接続されている」、「支持されている」及び「結合されている」との用語並びにその変形は、特段の指定又は限定がなされていない限りにおいて広義で使用されるものであり、直接的及び間接的双方の取り付け、接続、支持及び結合を含むものである。また、「接続されており」及び「結合されており」は、物理的又は機械的な接続又は結合にも限定されない。
【0036】
また、ここで使用されている「固定的な制約部」とは、特段の指定又は限定がなされていない限りにおいて、2つの物の間の機械的接続であって全ての自由度において当該2つの物の相対運動を実質的に制約する機械的接続をいう。
【0037】
上記でも述べたように、3Dイメージングシステムを含めた光学システムの構成要素の向きの制御の改善は、3D測定の計算を含め、イメージング及び関連作業の精度の改善に貢献することができる。よって、従来のアプローチの中には、センサを比較的しっかり固定することを試みるものもある。例えば、従来のアプローチの中には、例えばセンサ、プリント回路基板(「PCB」)又は他の基板等のイメージング構成要素を剛性の構造的サポートに取り付けるために、ねじ固定具(例えばねじ部品)を使用するものがある。このアプローチは一部の実装では有用となり得るが、重大なエラーを引き起こす場合もあり得る。例えば、複数の固定的な制約部を使用すると関連の構成要素が時々過剰に制約されることがあり、これによって不可逆的な歪み又は他の変形を引き起こし得る。さらに、遷移応力が加わると、構成要素は、固定具を含めてサポート構造に対して相対的に滑り、又は他の態様で変位し得る。さらに、遷移応力が除去されると、システム全体の復帰時のヒステリシスが、センサの場所の持続的な誤差と、これに関連する測定動作(又は他の動作)の欠陥を引き起こし得る。
【0038】
本技術の複数の実施形態は、上記及び他の問題に種々の態様で取り組むことができる。例えば一部の実施形態では、より大きい光学システムの構成要素に対して相対的にPCB又は他の基板を支持するため、1つ又は複数の撓みアームを配置することができる。熱遷移又は他の遷移応力等によって光学システムに応力が加わると、(1つ又は複数の)撓みアームは、PCB又は他の基板が初期の向き(例えば較正された向き)から第2の荷重を受けた向きに運動するのを可能にすることができる。一部の配置構成では、有用なことに、(1つ又は複数の)撓みアームの構成と、これに関連するPCB又は他の基板への接続とにより、荷重を受けた第2の向きへの運動は、予測可能かつ再現可能に特定の自由度において進行することができる。さらに一部の配置構成では、遷移応力が除去されたとき、(1つ又は複数の)撓みアームによって、PCB又は他の基板が初期の較正された位置へ繰り返し可能かつ高信頼性で復帰することもできる。
【0039】
一部の実施形態では、本技術の複数の実施形態は、例えばステレオイメージングシステム又は構造光3Dシステム等の3D寸法測定システムにおいて使用することができる。一部の実施形態では例えば、撓み配置体は、同一物又は同一現象の2×N次元において測定を協働して行うように配置されたN個のイメージセンサのイメージングシステムと共に使用することができる。例えば一部の実施形態では、イメージセンサの2つの次元においてターゲットの3D特徴を測定するため、関連するイメージセンサを備えた少なくとも2つのイメージング装置をステレオ形態で配置することができる。他の一例として、一部の実施形態では光学システムは、ターゲットの3D特徴を測定するための較正された構造光システムを備えることができ、較正された構造光システムは、二次元(「2D」)パターンプロジェクタと、関連する2Dイメージング装置と、を備えている。一部の実施形態では、これらのイメージセンサと、かかる構造光システムの構成要素とは、下記にて明示的に詳述されたものも含めて、撓み配置体によって支持することができる。
【0040】
構造光3Dシステム(例えば上記で説明したもの)等の一部の実施形態では、光学システムは、イメージセンサで1つの次元を測定し、投影されたパターン上において2つの次元を測定することにより、物又は空間の3D特徴を測定することができる。このようにして、イメージセンサにおける第2の次元は、大部分において使用されない第4の測定次元として残すことができる。一部の実施形態では、撓み配置体は、遷移応力下でとりわけ1つの次元において、-例えば上述の使用されない第4の次元において、イメージセンサの予測可能な直進運動を可能にすべく、上述のようなシステムを適切に支持及び制約するように構成することができる。このようにして、例えば遷移応力下でのイメージセンサの運動を、主に比較的重要でない次元(例えば未使用の次元)において生じるように導くことができるので、当該運動によって生じる全体的なイメージング誤差を比較的小さくすることができる。一部の実施形態では、ステレオイメージングシステム又は他の光学システムに対しても、同様の構成を具現化することができる。
【0041】
一部の実施形態では、光学システムは1つ又は複数の別個のイメージングシステム又は投影システムを備えることができ、このイメージングシステム又は投影システムのうち1つ又は複数は撓み配置体によって支持することができる。一部の実施形態では、イメージセンサはイメージング情報を取得するように構成することができ、又は、投影システムは、関連するレンズ配置体によって定められた光軸上に、当該光軸に、若しくは当該光軸付近に構造光を投影するように構成することができる。一部の実施形態では、この関連する光軸はプロジェクタ又はカメラの表面に対して垂直とすることができる。
【0042】
一部の実施形態では、光学システムは、イメージング情報の取得及び処理を支援するように構成されたハードウェア及びソフトウェアを備えることができる。例えば、特殊用途若しくは汎用のフィールドプログラマブルゲートアレイ等のプロセッサ装置、又は他の類似の装置と、関連するメモリと、入出力アーキテクチャとを、構造光パターンの投影、適切な画像の取得、又は、マシンビジョンアルゴリズムを用いた取得画像の解析を制御するための構成とすることができる。かかるプロセッサ装置の動作は、適切な撓み配置体によって制御される通りに、例えば関連するイメージング構成要素(例えばセンサ又はプロジェクタ等)の予測可能な期待される運動に基づいて較正することができる。
【0043】
一部の実施形態では、光学システムは焦平面を有することができ、焦平面の場所はレンズ配置体と、関連する機械的構成要素(例えばモノリシック又は他のフレーム等)とによって定まる。一部の実施形態では、例えばクロム・オン・グラス・スライド等の投影ターゲット又はイメージセンサは、較正された向きにおいて関連する焦平面とアライメントするように構成することができる。一部の実施形態では、イメージセンサ又は投影ターゲットは、較正された向きにおいて焦平面と揃えることができる。一部の実施形態では、イメージセンサ又は投影ターゲットの表面は、関連する焦平面に対して平行であり、かつ関連する光軸に対して垂直とすることができる。
【0044】
一部の実施形態では、例えば画像取得(及び一部の事例では画像解析)用に構成されたPCBアセンブリ又は投影ターゲット等のイメージング又は投影用の構成要素は、少なくとも1つが撓み部として構成された1つ又は複数の制約部によって、光学イメージングシステムのフレームに固定することができる。一部の実施形態では、制約部のうち少なくとも1つは固定的な制約部として構成することができる。例えば、PCBの第1面は細長の撓みアームを用いてフレームに固定することができ、PCBの第2面は固定的な取付点においてフレームに固定することができる。一部の実施形態では、例えば皿頭ねじ部品等の機械的な固定具を用いて、構成要素を撓み部又は固定的な制約部に固定することができる。かかる配置は例えば、種々の遷移応力下でも、関連する光学構成要素を予測可能に主に1つの方向のみに沿って運動させるために有用となり得る。一部の実施形態では、上記でも述べたように撓み配置体が、主に未使用の方向に沿ってのみ、関連するイメージング動作との関係において光学構成要素を運動させるように、構成することができる。
【0045】
一部の実施形態では、撓み配置体は、固定される構成要素と同一の材料から形成することができる。例えば、1つ又は複数の撓みアームは、イメージセンサを支持するPCB又は他の関連する構成要素と一体不可分に形成することができる。このことは例えば、撓み配置体とPCBとが同一又は略同一の材料特性を有すること、例えば同一の熱膨張係数を有することを可能にするために有用となり得る。よって例えば、PCBと撓みアームとが比較的予測可能に同様に膨張及び収縮することを期待することができる。
【0046】
一部の実施形態では、上記でも述べたように、例えばイメージセンサ等の関連する構成要素は第1面で撓み部に固定することができ、第2面で固定的な制約部に固定することができる。一部の実施形態では、関連する構成要素は、複数の撓み部を備えた撓み配置体に固定することができる。例えば、クロム投影パターンを有するガラススライド又はイメージセンサを備えたPCBは、全体としてPCB又はスライドの適切な制約(及び運動自由度)を達成するように構成された3つの撓みアームを用いて固定することができる。
【0047】
一部の実施形態では、撓みアームは他の自由度に係る運動に対する抵抗を比較的僅かとしつつ、特定の自由度に係る運動を個別に制約することができる。例えば、撓みアームは、特定の平面内(例えば、関連する焦平面に対応する平面内)では構成要素の運動を可能にするが、当該平面に対して垂直な軸(例えば、関連する光軸)に沿った直進運動又は当該軸まわりの回転運動を実質的に制約するように構成することができる。一部の実施形態では、撓みアームは特定の平面内での2つの自由度にわたる運動、例えば回転自由度及び実質的に直進の自由度にわたる運動を可能にするように構成することができる。
【0048】
本技術の一部の実施形態は、有用なことに、例えばイメージセンサ又は投影ターゲット等の構成要素又はより大きな光学システムに外部応力が加わったときに当該構成要素が予測可能に運動することを可能にすることができる。さらに、外部応力が除去されると、関連する撓み配置体によって当該構成要素が、当該応力がシステムに加わる前の当該構成要素の元の位置に、予測可能かつ再現可能に復帰することを可能にすることができる。よって、遷移外乱にもかかわらず、特定の構成要素の較正されたアライメントを一般的な動作のために高信頼性で保存することができる。複数の用途において、光学システムに加わる外部応力は例えば、熱勾配、熱循環、機械的振動、及び、イメージングシステムの向きの変化により生じる重力の変化を含むことができる。
【0049】
一部の実施形態では、構成要素は、3つの機械的連結部を備えた撓み配置体によって関連のフレームに固定することができる。例えば投影ターゲット又はイメージング装置のPCBは、3つの細長の撓みアームのセットを用いて、関連の焦平面と較正されたアライメントでより大きいフレームに固定することができる。一部の実施形態では、3つの撓みアームは光学システムのフレームと一体不可分に形成することができ、接着剤を用いて又は他の態様で構成要素に固定することにより、当該構成要素を関連の焦平面内に制限することができる。一部の実施形態では、3つの撓みアームは、より大きい光学システムに対して相対的に固定される構成要素の一部として一体不可分に形成することができる。例えば撓みアームのセットは、イメージセンサを焦平面内に支持するPCBと一体不可分に形成することができる。
【0050】
一部の実施形態では、例えば3つの撓みアーム等の3つの撓み部を備えた撓み配置体は、関連の焦平面に対して相対的な位置決めを含めて、構成要素の再現可能な位置決めを提供することができる。例えば、各撓みアームが特定の対応する自由度における運動を個別に制限し、なおかつ、他の自由度における運動に対する抵抗を個別に僅かにすることができる。一部の実施形態では例えば、システムにかかる応力によって撓み部に荷重がかかると、構成要素は上述の構成によって第1の較正された向きから第2の向きに予測可能に運動することができる。さらに、応力が除去されると、撓み部は弾性的に、予測可能かつ再現可能に第1の較正された位置に復帰することができる。一部の実施形態では、同様の作用を達成するために使用される撓み部を3つ未満とすることができる。
【0051】
一部の実施形態では、位置決めシステムは、特定の温度範囲にわたって構成要素の再現可能な運動を達成するように構成することができる。例えば一部の実施形態は、例えばイメージセンサ等のシステム構成要素の再現可能な位置決め及び安定化を、当該イメージセンサの期待される動作温度範囲にわたって達成するように構成された撓み配置体を備えることができる。よって例えば、全温度範囲にわたって測定の正確さを達成することができる。
【0052】
図1は、本技術の一実施形態の一例の光学システム50を示す図である。図示の実施形態では、光学システム50は3D測定システムとして構成されている。一部の実施形態では、上記でも説明したように、3D測定システムは複数のイメージングシステム又は例えば投影システム等の他の光学システムを備えることができ、この複数のイメージングシステム又は他の光学システムは、精密な較正された距離だけ互いに離隔しており、3D測定プロシージャの実行できるように協働する構成となっている。
【0053】
一部の配置構成では、複数の光学デバイスは、共通のターゲットを別個にイメージングするように構成された2つのイメージング装置を含むことができる。その後、これら別個の画像を総合的に解析することにより、ターゲットの3D特徴(例えばバルク又は局所的次元)を識別することができる。一部の配置構成では、複数の光学デバイスは、光をターゲットに投影するためのプロジェクタと、ターゲット及び投影された光の画像を取得するためのイメージング装置と、を含むことができる。その後、取得された画像を、投影された光の既知の品質に関して解析することにより、ターゲットの3D特徴を識別することができる。他の実施形態では、他の形態も可能である。
【0054】
図1に示されている実施形態では、光学システム50は、ユニット状の光学梁52として構成された支持フレームを備えている。さらに、投影システム100と、イメージングシステム200と、イメージングシステム300とが、全体的かつ個別に光学梁によって支持されている。別の実施形態では、異なる光学システムを使用することができる。とりわけ図示の実施形態では、投影システム100は第1のレンズ配置体102を備え、イメージングシステム200は第2のレンズ配置体202を備え、イメージングシステム300は第3のレンズ配置体302を備えている。第1のレンズ配置体102、第2のレンズ配置体202及び第3のレンズ配置体302は一般的に、光を集光又は発散するように構成された1つ又は複数のレンズ又は他の光学構成要素を有する。一部の実施形態では例えば、レンズ配置体102,202,302はイメージング視野の焦点を変更するためにズームレンズを有することができ、又は、イメージング視野の画像を効率的に取得するために構成された1つ若しくは複数のシャッタを有することができる。
【0055】
一部の実施形態では、より大きなアセンブリにおいて複数のレンズ配置体のうち1つ又は複数は、システムの支持フレームによって定まる支持平面との関係において僅かに面外にある焦平面、又は他の幾何学的な基準平面を定めるように構成することができる。例えば図示の実施形態では、3D寸法測定動作用の配置のように、第1のレンズ配置体102と第3のレンズ配置体302とは互いに僅かに傾いていることにより、レンズ配置体102,302の光軸102a,302aがイメージング視野内で交差し合う(不図示)。よって、光軸102a,302a間の相対角度と、レンズ配置体102,302間(又は投影システム100及びイメージングシステム300の関連する構成要素間)の横方向の離隔距離を使用して、イメージング対象の物又は空間に関する3D情報を求めることができる。
【0056】
一部の実施形態では、投影システム100はプロジェクタを有することができ、イメージングシステム200はカラーベースのカメラシステムを有することができ、イメージングシステム300はグレースケールベースのカメラを有することができる。これについては例えば、投影システム100とイメージングシステム300とを協働的に使用して、イメージング対象の物又は空間についての3D情報を求めることにより、この3D情報に基づいてグレースケールの3D画像を生成することができる。その後、イメージングシステム200によって取得された画像からのデータを使用して、グレースケール3D画像に色、テクスチャ又は他の情報を重畳することができる。
【0057】
図2~4は、本技術の図示の実施形態の光学システム50の他の観察面を示しており、光学システム50の特定の内部構成要素及び外部構成要素を示している。図2では、光学システム50の特定の構成要素の他の構成要素に対する相対配置を示すため、透明にして当該特定の構成要素を示している。図3では、投影システム100の特定の特徴が、当該投影システム100の他の特徴をより明確に示すため、観察面から隠されている。この他の特徴には、3つの撓みアームに対する投影ターゲットの相対的な向き(以下でも説明する)と、各対応する撓み配置体に対するイメージングシステム200,300のイメージセンサの相対的な向きと、が含まれ、これらの撓み配置体は、各対応する単独の撓みアームと固定的な制約部(以下でも説明する)とを備えている。
【0058】
とりわけ図5は、投影システム100の側面の拡大した平面部分図である。図示の実施形態では、投影システム100は光パターンをターゲット(不図示)に投影するように構成されている。そのため、投影システム100は一般的に、例えばデジタル光処理(「DLP」)装置等の照明装置(不図示)、LCOS(liquid crystal on silicon)装置、液晶ディスプレイ(「LCD」)装置、又は、ターゲットに投影すべき光を放出するように構成された他の種類の投影装置を備えている。とりわけ図5に示されているように(図2も参照のこと)、投影システム100はさらに投影ターゲット110を備えており、これは、例えば透明なガラススライド等の基板112(図2参照)上に取り付けられている。投影ターゲット110は一般的に、光の構造化パターンをターゲットに投影するためのレンズ配置体102(図2参照)及び照明装置(不図示)と共に用いられるように構成されている。
【0059】
正確な動作を保証するためには、投影システム100を動作使用前に較正することができ、これには、レンズ配置体102との投影ターゲット110のアライメントに関するものが含まれる。投影ターゲット110とレンズ配置体102との適切なアライメントは、上記でも説明したように、取得された画像から3D情報を高信頼性で求めるために重要となり得る。また、投影システム100を用いて高信頼性の測定を保証するためには、投影システム100が種々の遷移応力の印加及び除去に予測可能に応答することを保証することが重要となり得る。そのため、投影ターゲット110をフレームに対して相対的に固定することにより、種々の種類の遷移応力が加わっても投影ターゲット110が較正された向きに高信頼性で復帰するようにすることが有用となり得る。ここで想定されるアプローチの中でも、図5に示されている撓み配置体は、この利点と他の利点とを奏することができる。
【0060】
図示の実施形態では、例えば投影ターゲット110は、撓みアーム104,106,108を基板112に取り付けることによって光学システム50のフレームに固定されている。図示されているように、撓みアーム104,106,108は、レンズ配置体102によって定まる焦平面内で基板112(及びターゲット110)が運動し(図2参照)、遷移応力が無い場合には静止時の向き(home orientation)に繰り返し可能に復帰するように制約する構成となっている。このようにして例えば、より大きな光学システムに加わる如何なる遷移応力も撓みアーム104,106,108によって、レンズ配置体102の焦平面内のみでの基板112の許容される運動(すなわち、撓みアーム104,106,108の自由端の固定点に略相当する)に導くことができ、なおかつ、焦平面外での基板112の運動が実質的に阻止される。
【0061】
よって、遷移応力が時々基板112の運動を引き起こし得ることは不可避ではあるが、基板自体は、投影システム100に基づくイメージング動作(例えば寸法測定のためのイメージング動作)の正確な連続動作を保証するために適切な向きに維持することができる。一部の配置構成において有用なことは、このことによって、関連するイメージング装置(例えば、以下でも説明するようにイメージングシステム300内のイメージング装置等)の単一の次元における測定との組み合わせにより、投影システム100によって投影されたパターンの2つの次元において、イメージングされる物の高信頼性の測定が可能となり得ることである。よって、投影ターゲット110が投影システム100の焦平面内に留まることを保証するのを撓みアーム104,106,108が助けるので、遷移応力にもかかわらず、イメージング対象の物の高度に正確な3D測定を達成することができる。
【0062】
図示の実施形態では、撓みアーム104,106,108は光学システム50のフレームから一体不可分に形成されているが、他の形態も可能である。例えば、撓みアームは一部の実施形態では、関連の光学システムの基板から一体不可分に形成することができる。撓みアームについては種々の個別の構造的設計も可能である。特に図3及び図4に示されているように、例えば各撓みアーム104,106,108が、フレーム全体を通じて実質的に同一である一定の断面形状を示すことにより、各撓みアーム104,106,108は、同様の相対的な応力に対して同様に応答する傾向になることができる。他の実施形態では他の形態も可能である。
【0063】
一般的に、特定の自由度に係る運動を可能にし、特定の自由度に係る運動を制約するように、撓みアームのセットを種々の態様で構成することができる。図示の実施形態では例えば、撓みアーム104はフレームの第1の部分の固定端104aからフレームの細長の方向に沿って延在する。それに対して撓みアーム106,108は、フレームの第1の部分に対して実質的に垂直である当該フレームの第2の部分の固定端106a,108aから延在する。撓みアーム106,108は互いに離隔しているが、全体的に、撓みアーム104に対して実質的に垂直な共通の方向(すなわち実質的に平行な方向)に延在する。撓みアーム104,106,108はこのように、各撓みアームが関連の支持フレームの別々の部分から延在し、支持フレーム(例えば光学梁)から特有の各自の方向に支持対象の構成要素(例えばイメージセンサ又は投影ターゲット)へ延在する幾つかの従来の撓み配置体とは異なることができる。撓みアーム104,106,108で実現されるこのアプローチは、製造可能性を改善し、製造コストを削減し、なおかつイメージング動作(及び投影動作)に係るしっかりした安定性を達成することができる。
【0064】
一部の実施形態では、撓みアームは安定性と構造的制限との間のバランス、又は他の種々の考察の間のバランスを最適化するように構成することができる。例えば、所定の遷移応力に対する又は特定の自由度に係る光学構成要素(例えば投影ターゲット110等)の変位を最小限にするため、又は他の態様で制御するため、撓み部の取付点を光学構成要素の関連の中心線近くに配置することが有用となり得る。また、高度な安定性を達成するため、撓み部の取付点を比較的大きな面積にわたって分散することも有用となり得る。この点については例えば、特に図5に示されているように、撓みアーム104の取付点104b及び撓みアーム106,108の取付点106b,108bが、基板112及び投影ターゲット110の中心線112a,112b(図3及び図5参照)のうち関連する中心線とアライメントして配置され、なおかつ、比較的大きな面積にわたって離隔している。さらに、中心線112a(又は撓み部取付部間の他の基準線)は、プロジェクタ焦平面内において光軸102aに対して垂直方向に、かつ中心線112bに対して垂直方向にアライメントすることもできる。かかる構成によって有用なことに、例えば、レンズ配置体102の光軸に対する投影ターゲット110の基準点の相対的な変位を減少することができ(又は他の態様で制御することができ)、なおかつ比較的高度な安定性を達成することができる。しかし、他の実施形態では他の形態も可能である。
【0065】
複数の異なる実施形態では、撓み配置体を関連の構成要素に固定できる態様は種々存在する。例えば図示の実施形態の投影システム100では、撓みアーム104,106,108の各取付点104b,106b,108bは円形の開口を有し、この円形の開口は、各撓みアーム104,106,108が取り付けられたフレームの各部分(すなわち固定端104a,106a,108a)とは反対側の各撓みアーム104,106,108の自由端に、関連する中心線(上記でも説明している)とアライメントして配置されている。この開口内には、基板112(及び投影ターゲット110)を撓みアーム104,106,108にしっかり固定するのを支援するために接着材料を入れることができる。一部の配置構成では、このように接着剤を用いることによって、ガラス(又は他の材料)の適切かつ確実なしっかりした回転不能な取付を可能にすることができ、これによって撓みアーム104,106,108と基板112との間に実質的に滑りが無くなる(例えばこれによって、取付点104b,106b,108bと基板112との間に固定的な制約部が設けられる)。また、固定端104a,106a,108aは光学梁52の周囲構造と一体不可分に形成されているので、撓みアーム104,106,108と光学梁52との間の滑りを無くすことができる。しかし、他の実施形態では他の形態も可能である。よって、ねじ固定具を用いる従来のソリューションとは対照的に、撓みアーム104,106,108は光学システムガラス構成要素と共に経済的に使用することができ、なおかつ適切な運動制御を達成することができる。
【0066】
図示の実施形態では、第1の撓みアーム104、第2の撓みアーム106及び第3の撓みアーム108は、特定の対応する自由度に係る運動を個別に制約し、なおかつ、他の自由度に係る運動に対する抵抗を個別に比較的僅かとすることができる。例えば、第1の撓みアーム104は、焦平面上(又は投影ターゲット110)の表面によって定まる平面内では、当該撓みアーム104の固定端104aに対して相対的に、概ね弧状の経路に沿って比較的容易に曲がることができる。しかし、焦平面外での運動(例えば図5のページ内外への運動)及び撓みアーム104の細長の方向に対して平行な運動は、双方とも大幅に制限することができる。さらに一部の実施形態では、撓みアーム104の細長方向の長さと比較したときの関連する運動の規模により、上記の弧状運動は実質的に直線状となることができる。よって例えば、撓みアーム104によって、中心線112bに沿った基板112の実質的に直線状の運動を効果的に可能にすることができる。
【0067】
変位に関しては図示の実施形態では、第2の撓みアーム106及び第3の撓みアーム108は第1の撓みアーム104と同様に動作する。とりわけ、各々の弧状の経路に沿った焦平面内での運動は一般的に可能になり、なおかつ、焦平面外での運動は実質的に制約することができる。とりわけ図示の実施形態では、撓みアーム106,108は、焦平面上(又は投影ターゲット110)の表面によって定まる平面内では、当該撓みアーム106,108の固定端106a,108aに対して相対的に、概ね弧状の経路に沿って比較的容易に曲がることができる。しかし、焦平面外での運動(例えば図5のページ内外への運動)及び撓みアーム106,108の細長の方向に対して平行な運動は、双方とも大幅に制限することができる。さらに一部の実施形態では、撓みアーム106,108の細長方向の長さと比較したときの関連する運動の規模により、上記の弧状運動は実質的に直線状となることができる。よって例えば、撓みアーム106,108によって、中心線112aに沿った基板112の実質的に直線状の局所的な運動を効果的に可能にすることができる。さらに、共通の方向に延在しているにもかかわらず、中心線112aの方向に沿った撓みアーム106,108の横方向の相互間の間隔により、例えば基板112の不所望の変形の原因となり得る基板112の不利な過剰制約を行うことなく、上記の運動を可能にすることもできる。
【0068】
上記でも述べたように、撓みアーム104,106,108の運動は、例えば過渡的な熱勾配、熱循環、過渡的な機械的力(例えば振動)、及び、イメージングシステム全体の向きの変化により引き起こされる重力の過渡的な変化等を含む、システムへの種々の応力によって引き起こされ得る。図示の実施形態について有用なのは、遷移応力が除去されると、撓みアーム104,106,108は基板112(及び投影ターゲット110)を既知の較正された位置へ弾性的かつ予測可能に復帰させることである。
【0069】
図示の実施形態を含めた一部の実施形態では、撓みアーム104,106,108は、期待される遷移応力によって純粋な弾性変形を生じさせることにより、当該変形が関連の応力ひずみ曲線の線形部分に留まって可逆的となるように構成することができる。このことによって例えば、有用なことに、基板112(及び投影ターゲット110)をホーム位置に予測可能かつ一貫して復帰することが可能になる。
【0070】
一部の実施形態では撓みアーム104,106,108は、光軸(例えば平面内の点)からの偏差を生じ得る基板112の不所望の変形を防止するのを助けることもできる。例えば図示の実施形態では、撓みアーム104,106,108の弾性の可撓性と特定の向きでの選択的な制約とにより、(例えば焦平面外での歪みによって)基板112を変形することなく遷移応力のフレキシブルかつ可逆的な吸収が可能になる。
【0071】
一部の実施形態では、他の特徴を設けることもできる。例えば、特に図2に示されているように、基板112に対する位置決め特徴として、ノッチ104c,106c,108cを撓みアーム104,106,108に、撓みアーム104,106,108に取り付けられたときの基板112についてさらなる安定性を達成するように形成することができる。
【0072】
図示の実施形態では、撓みアーム104,106,108は投影システム100を固定するために使用される。かかる構成が特に有利となり得るのは、例えば、投影ターゲット110をレンズ配置体102の焦平面内に維持できることによって投影システム100が2つの次元での正確な測定を促すことができるからである。しかし一部の実施形態では、イメージングシステムを固定するためにも同様の撓み配置体を有利に使用することができる。図示の実施形態を含めた一部の実施形態では、別のより大きい光学システムに対して相対的にイメージングシステム又は投影システムを固定するために、同様の撓み配置体を使用することができる。
【0073】
上記でも述べたように、一部の実施形態では撓み配置体は、単独の撓み部(例えば単独の撓みアーム)と、完全に固定的である撓まない制約部と、を備えることができる。例えば、特に図6に示されているようにイメージングシステム300は、PCB312(図2参照)に搭載されたイメージセンサ310として構成されたイメージング装置を備えており、このPCB312は、単独の撓みアーム304と固定的な制約部308とを備えた撓み配置体を介してフレームに固定されている。
【0074】
複数の異なる実施形態では、イメージングシステム300は複数の異なる態様で構成することができる。例えばイメージセンサ310は、PCB312に固定された2Dグレースケールカメラとすることができ、3D寸法測定動作のために投影システム100(上記参照)及びプロセッサ装置(不図示)と協働するように構成することができる。一般的にイメージセンサ310は、相補型金属酸化膜半導体(「CMOS」)デバイス、電荷結合デバイス(「CCD」)、又は、光子入射に基づき電子信号を記録する他の公知のデバイスとして構成することができる。
【0075】
一部の実施形態では、上記でも述べたように、1つの光学システムは光学システム50のイメージングシステム200,300等の複数のイメージングシステムを備えることができる。図示の実施形態ではイメージングシステム200,300は光学システム50のフレームに同様に固定され、イメージングシステム300のために使用される撓みアーム304及び固定的な制約部308と同様、イメージングシステム200を固定するために撓みアーム204及び固定的な制約部208(図2)が用いられる。よって、撓みアーム304及び固定的な制約部308に関する以下の説明は一般に、撓みアーム204及び固定的な制約部208にも当てはまり得る。
【0076】
しかし上記でも述べたように、イメージングシステム200の他の特徴はイメージングシステム300の特徴と変わり得る。例えば、イメージングシステム200は、投影システム100及びイメージングシステム300を用いて求められた3D情報に重畳するための細部(例えばテクスチャ)を取得するように構成されたカラーイメージングシステムとして構成することができる。他の実施形態では、他の形態も可能である。
【0077】
図6は、第3のイメージングシステム300の拡大図である。上記で述べたように、イメージングシステム200,300は一般的に同様の構成要素を備えており、一般的に同様の態様で動作する。よってイメージングシステム200(例えば図2参照)についても、ここで図6を参照して説明する同様の考察が当てはまり得る。
【0078】
上記で説明したように、第3のイメージングシステム300は、(図2に示されているPCB312を介して)イメージセンサ310を光学システム50のフレームに固定するように構成された2つの機械的連結部を備えており、1つの連結部は固定的な制約部として構成されており、1つの連結部は、単独の撓みアーム304を含む撓み部として構成されている。特に図示の実施形態では、固定的な制約部308は運動自由度が実質的にゼロの状態で、(例えば皿頭ねじ部品を介して)PCB312を光学システム50の光学梁52にしっかり固定する。それとは対照的に、撓みアーム304はPCB312を光学システム50のフレームに可撓性に固定することにより少なくとも1つの自由度におけるPCB312の運動を可能にするように、PCB312に(例えばこれも皿頭ねじ部品を介して)しっかり固定される。
【0079】
図示の実施形態では、撓みアーム304は光学システム50のフレームに一体不可分に形成されており、固定的な制約部308の場所とは概ね反対側においてイメージセンサ310に沿って延在する。撓みアーム304をPCB312に固定するためには、撓みアーム304の自由端304aは、撓みアーム304とフレームとの接続部とは反対側に接続具を有する。図示の実施形態では、撓みアーム304の接続具は、ねじ固定具306(例えば皿頭ねじ部品)を受けてPCB312を撓みアーム304に固定するための円形の開口として構成されている。
【0080】
図示の実施形態では、撓みアーム304の接続具(すなわち円形の開口)は、基準線310aに沿って固定的な制約部308とアライメントしており、基準線310aは、撓みアーム304の細長の方向に対して実質的に垂直に、かつ、イメージセンサ310と投影ターゲット110との間に延在する離隔方向に対して実質的に垂直にイメージセンサ310に延在するものである。一部の実施形態では、基準線310aはイメージセンサ310の許可された運動次元と一致することができる(すなわち、撓みアーム304及び固定的な制約部が制約される)。さらに、基準線310aは撓みアーム304の動作変形全体を通じてレンズ配置体の光軸302a(図1参照)とアライメントした状態に留まるように構成することもできる。
【0081】
かかる配置は例えば、下記でも説明するように、PCB312が実質的に1つの重要でない次元においてのみ可逆的に変形できるようにするために有用となり得る。例えば上記でも述べたように、イメージングシステム300は、エピポーラ三角測量を利用して、投影システム100によって定まる2つの次元とイメージングシステム300によって定まる1つの次元とにおいて3D測定を効果的に行って、物の2D画像から3D情報を抽出するのを支援するように、投影システム100と協働する構成となっている。ここで注目すべき点は、イメージセンサ310の重要な測定次元は、基準線310aに対して実質的に垂直な次元であることである。そして、単独の撓みアーム304の接続具の中心点と固定的な制約部308の中心とは、共通の基準線に沿って、レンズ配置体302の光軸302a(図1参照)と概ねアライメントしている。よって、撓みアーム304及び固定的な制約部308は、3D測定に重要でない次元(すなわち、基準線310aと平行な次元)においてはイメージセンサ310の運動及び変形を許容すると同時に、3D測定に重要な次元(すなわち、基準線310aに対して垂直な次元)においてはイメージセンサ310の運動及び変形を阻止する構成となっている。
【0082】
よって図示の配置構成は、遷移応力下で実行中のイメージンング及び解析への妨害が最小限となる方向に沿ってPCB312の変形が進行するように制御することができる。さらに、撓みアーム104,106,108と同様、撓みアーム304も一般に、関連の焦平面外でのイメージセンサ310の運動を制限することができる。よって、図6に示されている比較的低コストの単独撓み部配置構成を利用して(すなわち、固定的な制約部308及び単独の撓みアーム304を使用して)、高度に正確かつロバストな3D測定システムを達成することができる。
【0083】
図示の実施形態では、固定的な制約部308は一般に、全ての自由度に係る運動を制約するので、より大きな光学システム50の較正の際に有用となり得るような固定的な基準点を成すことができる。これとは対照的に、単独の撓みアーム304は特定の対応する自由度に係る運動を個別に制限すると同時に、他の自由度に対する抵抗を(例えば上述のように)個別に僅かにする。よって一部の実施形態では、較正中に、固定的な制約部308(又はこれと固定的な関係を有する他の一点)を、全ての関連する次元における「原点」座標として定義することができる。較正中にはまた、撓みアーム304が第1の較正された向きにあることを既知とすることができ、この第1の較正された向きは、PCB312及びイメージセンサ310の較正された向きに相当することができる。その際には、イメージセンサ310がこの較正された向きであるとの前提に基づいてマシンビジョン動作(又は他の動作)が実行されるように構成することができる。
【0084】
有用なのは、その後遷移応力が加わったときに、単独の撓みアーム304が、イメージセンサ310の表面によって定まる平面内において上記の1つの自由度について運動すること(例えば曲がること)ができることである。これにより、撓みアーム304及び固定的な制約部308は、イメージセンサ310がレンズ配置体302の焦平面内で予測可能かつ繰り返し可能に運動するのを可能にすることができ、なおかつ、焦平面外の運動を大幅に阻止することができる。さらに、上記でも述べたように、画像取得及び画像処理への妨害を最小限にできる次元(例えば、図6の視点から線310aに沿って垂直方向)に、イメージセンサ310の運動を制約することもできる。そして、遷移応力が除去されると、撓みアーム304はイメージングシステム300を既知の較正された向きに予測可能に復帰することができる。
【0085】
よって、比較的低コストの部分的に一体化された複数の撓み配置体の組み合わせを使用することにより、光学システム50は、遷移応力下で変形及び変位が所望の自由度のみにおいて進行するよう導くことにより、比較的高精度の3D測定(又は他の光学的動作)を達成することができる。したがって、光学システム50と、特に光学梁52に沿った撓み配置体及び光学配置体とにより、従来のシステムに対して大幅な改善を達成することができる。
【0086】
図7は、撮像装置700として構成された本技術の一実施形態の他の光学システムを示す図である。図示の実施形態では、撮像装置700はPCB702と、支持構造体704と、レンズ配置体706とを備えている。一般的にレンズ配置体706は、光を集光又は発散するように構成された1つ若しくは複数のレンズ、イメージング視野の画像を効率的に取得するように構成された1つ若しくは複数のシャッタ、又は他の構成要素を含むことができ、一般的に、PCB702の表面に(例えば接着剤又はんだ付けを用いて)固定されたイメージセンサ708(図8参照)と交差する光軸を定めることができる。
【0087】
イメージセンサ708は、例えば上記にて説明した種類のうちいずれかの種類のセンサ等、任意の適切なセンサとして構成することができる。一部の実施形態では、同様の配置体を投影システムにも、例えばPCB702に代えて投影ターゲット110(例えば図5参照)と同様の投影ターゲットを備え得る投影システムにも、使用することができる。投影システムを用いる実施形態では、照明源も備えることができる。
【0088】
図8に示されているように、例えば、支持構造体704は3つの一体不可分に形成された撓みアーム710,712,714を備えており、これらはPCB702を支持するように配置されている。撓みアーム710は、支持構造体704の第1の部分から第1の方向に延在する。撓みアーム712,714は、支持構造体704の第2の共通部分の共用の固定点から延在し、撓みアーム714は撓みアーム710と実質的に平行に延在し、撓みアーム712は撓みアーム710,714の双方に対して実質的に垂直に延在する。撓みアーム710,712,714の自由端は、接着剤又は固定具接続を含めて種々の手段でPCB702に固定することができる。一部の実施形態では、撓みアーム710,712,714の自由端は、ねじ固定具又は他の類似の器具ではなく接着剤を用いて、PCB702にしっかりかつ回転不能に接続することができる。
【0089】
特に図9に示されているように、各撓みアーム710,712,714の特定の部分は断面が変わる。例えば、撓みアーム710は当該撓みアーム710の自由端付近に配置された端部ネック部分716と、当該撓みアーム710を支持構造体704の第1の部分に接続するベースネック部分718と、を有する。端部ネック部分716及びベースネック部分718の各太さは、撓みアーム710の隣接する部分と比較して、-図示の実施形態では一般に撓みアーム710の他の部分と比較して大幅に減少している。撓みアーム712,714も同様に、支持構造体704の第2の部分付近に配置されたベースネック部分722,726と、撓みアーム712,714の自由端付近に配置された端部ネック部分720,724と、をそれぞれ有する。撓みアーム710と同様、撓みアーム712,714のネック部分720,722,724,726の太さも、当該撓みアーム712,714の隣接する部分(及び他の部分)と比較して大幅に減少している。以下でも説明するように、この構成によって撓みアーム710,712,714及び撓み配置体一般についてフレキシビリティ及び剛性の有用な組み合わせを達成することができる。
【0090】
図示の実施形態では、ネック部分716~724は実質的に等しい太さ及び形状を有する。例えば、図9に示されているように、各ネック部分716~724において概ね「U」字形の切欠部が、関連の撓みアーム710,712,714の各側に延在することができる。他の実施形態では、他の形態も可能である。
【0091】
図示の実施形態において有用なのは、撓みアーム710,712,714は特定の対応する自由度に係る運動を個別に制約すると同時に、他の自由度に対する抵抗を個別に僅かにすることができることである。その点については例えば、撓みアーム710,712,714はより大きなシステムを大幅に過剰制約することなく、(PCB702を介して)イメージセンサ708の運動を適切に制約し、較正された向きへの繰り返し可能な復帰を保証することができる。
【0092】
例えば、関連する応力が加わると、撓みアーム710は端部ネック部分716及びベースネック部分718において、光学センサ708の表面によって定まる平面内(例えばレンズ配置体706の焦平面内)で曲がることができる。とりわけ図示の実施形態では、期待される変形の規模が比較的小さいので、ベースネック部分718が曲がることによって光学センサ708の直進運動を効果的に可能にすることができる。それとは対照的に、端部ネック部分716が曲がることによって、当該ネック部分716において回転中心について光学センサ708の回転を可能にすることができる。しかし、関連する焦平面に対して垂直な運動(例えば、図9のページ内外への回転)は、この方向におけるアームの太さが比較的太いので、撓みアーム710によって大幅に制約される(例えば図7を参照のこと)。同様に、撓みアーム710の細長の方向と平行な運動も大幅に制約される。このことは、上記にて述べなかった(回転を含めた)他の運動も同様である。
【0093】
撓みアーム712,714は撓みアーム710と同様の構成であるから、撓みアーム712,714及びネック部分720~726の特定の向きによって定まる自己の各自由度について、撓みアーム710と同様に動作することができる。よって図示の実施形態では、撓みアーム710,712,714が組み合わさることにより、6つの自由度について(PCB702を介して)イメージセンサ708の予測可能な運動を可能にすることができると同時に、一般的にイメージセンサ708を適切な光学平面(例えば焦平面)内に維持することができる。
【0094】
ここで説明した他の実施例と同様、第1の較正された位置から第2の荷重を受ける位置への撓みアーム710,712,714の運動は、一般的に、過渡的な熱勾配、熱循環、過渡的な機械的振動、及び、イメージングシステムの向きの過渡的なシフトによって引き起こされる重力の変化を含むシステムへの応力を原因として生じ得る。応力が除去されると、撓みアーム710,712,714は弾性的に、予測可能かつ繰り返し可能に、イメージセンサ708を既知の較正された位置に復帰することができる。
【0095】
ここで説明した他の配置構成と同様に、一部の実施形態では、撓みアーム710,712,714の具体的な形態と、撓みアーム710,712,714へのPCB702の取付とは、他の利点を奏するように選択することができる。例えば一部の実施形態では、レンズ配置体706の光軸に対するイメージセンサ708の中心の相対的な動きを実質的に最小限にするように、撓みアーム710,712,714をPCB702に固定することができる。
【0096】
他の実施形態では、他の形態も可能である。一部の実施形態では例えば、撓みアーム710,712,714と同様の撓みアームを、PCB用の支持構造体の一部としてではなく、PCB(例えばPCB702)と一体不可分に形成することができる。
【0097】
一部の実施形態では、ここでの原理による撓み配置体を、他の光学測定システムも含めて他のシステムと共に使用することができる。例えば、単独の撓み部を有する実施形態を含めた本技術の実施形態は、レーザ三角測量システム、ステレオイメージングシステム、及び、当該技術がセンサ(又は他の構成要素)の変位を特定の方向に制限するために有用となり得る他のシステムと共に使用することができる。その点については例えば、特定のシステムの要求に応じて、図6に示されている配置体等の単独撓み部配置体を90°回転する(又は他の態様で回転する)ことができる。
【0098】
よって本技術の実施形態は、光学システムのイメージング構成要素及び他の構成要素のための改善された位置決めシステムを達成できるものである。一部の実施形態では例えば、遷移応力下でのシステムの変化が最小限かつ予測可能となるのを保証するため、及び、遷移応力が除去されたときにシステムが予測可能かつ繰り返し可能に較正された向きに復帰することを保証するため、選択された自由度に係る運動を撓み配置体が制約し、可能にすることができるのが有用である。
【0099】
例示的な実施形態を参照して本技術を説明したが、当業者は、本技術の範囲を逸脱することなく種々の変更を行って均等態様の要素を置換することが可能であることが理解できる。さらに、本技術の本質的範囲から逸脱することなく、特定の道具、状況又は材料を本技術の教示に適合するため、当業者は多数の改良に想到することができる。よって本技術は、本技術を実施するために想定されるベストモードとして開示された特定の実施形態に限定されず、本技術は添付の特許請求の範囲に属する全ての実施形態を含むことを意図したものである。
図1
図2
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図9