(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】キャリアフレームと回路基板を備えた電子デバイス
(51)【国際特許分類】
G02B 7/02 20210101AFI20220426BHJP
G03B 15/03 20210101ALI20220426BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20220426BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20220426BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
G02B7/02 Z
G02B7/02 C
G02B7/02 E
G03B15/03 K
G03B15/03 X
G03B17/02
G03B30/00
H04N5/225 100
H04N5/225 600
(21)【出願番号】P 2019198416
(22)【出願日】2019-10-31
(62)【分割の表示】P 2017093730の分割
【原出願日】2013-10-04
【審査請求日】2019-11-05
(32)【優先日】2012-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504382671
【氏名又は名称】コグネックス・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】カイ フルッグ
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス ヌニンク
(72)【発明者】
【氏名】リヒャルト ロイター
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド アール キング
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/056228(WO,A1)
【文献】特開2006-261395(JP,A)
【文献】特開2000-270272(JP,A)
【文献】特開2010-266695(JP,A)
【文献】特表2005-507571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02
G03B 15/03
G03B 17/02
G03B 30/00
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の可撓性の回路基板で互いに結合した複数の剛直な回路基板からなり、処理エレメントと視覚センサを備えた電子回路基板であって、前記視覚センサが前記複数の剛直な回路基板のうちの第1の剛直な回路基板であるセンサボードに支持される、電子回路基板と、
前記電子回路基板を支持するキャリアフレームと、
視覚センサの上に設けられ、前記キャリアフレームで支持されたレンズであって、前記レンズが前記視覚センサと位置合わせできるように、少なくとも部分的に前記複数の剛直な回路基板で画定された容積内に設けられ、レンズの位置が前記キャリアフレームと前記視覚センサの関連で調節可能なレンズと、
からなる電子デバイスであって、
前記視覚センサおよび照準デバイスは、前記第1の剛直な回路基板上に配置され、
前記複数の剛直な回路基板のうちの第1の追加の剛直な回路基板は、前記レンズから前記センサボードに対向して配置され、
前記複数の剛直な回路基板のうちの第2の追加の剛直な回路基板は、前記レンズに沿って、前記センサボードを越えて前記第1の追加の剛直な回路基板との接続部から延在し、
前記複数の剛直な回路基板のうちの第3の追加の剛直な回路基板は、前記センサボードと前記第1の追加の剛直な回路基板から前記レンズに対向して配置されることを特徴とする電子デバイス。
【請求項2】
前記レンズのための容積を確定する前記第1~第3の追加の剛直な回路基板の
うち第1の追加の剛直な回路基板が、照明ボードを備え、
前記照明ボードが前記レンズの一部を覆い、前記照明ボードを貫通する開口部が十分な光が前記レンズに進入可能な寸法である
ことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記キャリアフレームが前記照明ボードを前記レンズの上に固定するための複数の拘束具を備え、
前記複数の拘束具が前記照明ボードとスナップ式に嵌合することを特徴とする請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記照明ボードが前記1つ以上の可撓性回路基板を用いて前記
第2の追加の剛直な回路基板に含まれる電源とI/Oボー
ドと結合していることを特徴とする請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記照準デバイスがセンサボード上に配置され、
記憶媒体が
前記第1の追加の剛直な回路基板
又は前記第3の追加の剛直な回路基板上に配置され、
1つまたは複数の入力および出力コネクタは前記第1の追加の剛直な回路基板又は前記第2の追加の剛直な回路基板上に配置され、
前記第3の追加の剛直な回路基板は
、前記第1の追加の剛直な回路基板から前記レンズに対向する照明デバイスを支持する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記複数の剛直な回路基板によって画定された容積の中に少なくとも部分的に位置して、前記レンズの前記視覚センサとの位置合わせを支持するレンズエクステンダーをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は電子デバイスの組み立てに関し、より具体的には、プリント回路基板とこのプリント回路基板を支持するサポートフレームと共に組み立てる電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
全部ではなくとも殆どの電子デバイスは、一枚以上のプリント回路基板(PCB)を備えている。組み立ての間、プリント回路基板は電子デバイスのハウジング又はハウジング内の他のボードの一部にねじ止めされるか接続される。電子デバイスの一種は、撮像デバイス、より一般的に言えばカメラである。撮像デバイスは、一般的に対象物の画像を検査、位置決め、及び/又は取得するために用いられる。例えば、製造用途において、撮像装置は製造対象物の画像を取得し、画像解析のために様々な種類の画像処理アルゴリズムを用いることによって、対象物の不良検出に用いることができる。画像を取り込み保存するためにフィルムを用いる昔ながらのカメラと違って、幾つかの撮像デバイスは、種々の電子、固体デバイスと、視覚センサやコントローラや照明デバイスやレンズ等の他のデバイスを用いている。
【0003】
幾つかの撮像デバイスは、ハウジングと、所望の構成でハウジングに保持された剛直なPCBと、幾つかの剛直なPCBに設けられた固体デバイスを備えることができる。幾つかの剛直なPCBの1枚は、レンズと位置合わせする必要があり、レンズはハウジングの開口部と位置合わせする必要がある。一枚以上のPCBを互いに接続するためにコネクタが用いられ、それによってサイズ、コスト、組立時間、障害の可能性のある領域が増加する。ハウジングの大きさは、様々な固体デバイスの大きさとそれらを支持するために用いられる剛直なPCBの大きさによって制限される。
【0004】
電子デバイスのためのプリント回路基板の分野において、改善がなされてきた。PCBは現在可撓性を有する形状で利用可能であり、剛直と可撓性のハイブリッドPCBが、rigid-flex PCBとして知られている。このハイブリッドrigid-flex PCBは、一般的に剛直な基板と可撓性の基板からなり、互いに積層されて、単一の構造になっている。PCBのもう一つの形態は、強化柔軟構造として知られ、それは単純に柔軟な回路に、回路基板上の電子部品を支持するために補強材を取り付けたものである。Rigid-flex回路は、一般的に剛直な層に導電体を有しており、これは補強材を用いた多層回路とは異なっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の電子デバイスは、組立工程だけではなく、全体的な大きさにおいても幾つかの欠点を有しており、剛直な回路基板の保守性やPCBコネクタの信頼性に対して限界を有していた。必要なものは、剛直なPCBと関係した問題や欠点の無い、容易な組み立てや他のデバイス部品の支持のためのPCBを支持するキャリアフレームを用いたシステムと方法である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施例は、PCBを支持するためにキャリアフレームを用いることによって、従来技術の欠点を解消する。PCBはキャリアフレームの周りに設けることができ、キャリアフレームで支持することができる。そして追加の電子デバイスや固体デバイスを、このPCB及び/又はキャリアフレームによって支持することができる。
【0007】
従って、幾つかの実施例は、調節可能なレンズデバイスを備えている。この調節可能なレンズデバイスは、レンズベースとレンズベースから延在したレンズ胴体からなるレンズを備えている。調節可能なレンズデバイスは、キャリアフレームを備えることができ、キャリアフレームは開口部を備え、開口部はリムを備えている。開口部は少なくともレンズベースを収容できる大きさにすることができる。ラチェット部とレンズ保持部を備えたレンズ焦点固定機構を含めることができる。ラチェット部はラチェット部から延在する少なくとも一本のラチェットアームを備えることができ、少なくとも一本のラチェットアームは係合端を備え、その係合端はリムの近くに位置する複数の相手方係合機構の少なくとも1つと係合する大きさである。レンズ保持部が係合部を備え、係合部はレンズと係合してレンズの動きを抑制する。レンズ焦点固定機構は、回転自在でレンズの焦点位置を調節するようになっており、レンズ焦点固定機構が第一方向に第一距離だけ回転した時に、前記レンズ保持部がレンズを第一方向の第二位置まで回転させるようになっている。
【0008】
他の実施例も、電子デバイスを備えている。電子デバイスは、可撓性の回路基板で互いに結合した複数の回路基板からなり、処理エレメントと視覚センサを含んだ電子回路基板を備えている。電子回路基板を支持するために、キャリアフレームを用いることができる。レンズは視覚センサの上に設けられ、前記キャリアフレームで支持され、少なくとも部分的に前記電子回路基板の容積内に設けられ、レンズの位置が前記キャリアフレームと前記視覚センサの関連で調節可能である。レンズ焦点固定機構はキャリアフレームに接続され、レンズと接触することができる。
【0009】
上記内容に従って、幾つかの実施例は電子デバイスの組立方法を備えている。この方法は、電子回路基板を支持するための複数の拘束具を備えたキャリアフレームを準備し、視覚センサとプロセッサを備えた電子回路基板を準備し、キャリアフレームの少なくとも一部の周りに電子回路基板を屈曲させ、電子回路基板を前記複数の拘束具と係合させ、視覚センサの上にレンズを位置させ、キャリアフレームに視覚センサ上のレンズを支持させ、そして、レンズをレンズ焦点固定機構で拘束し、レンズ焦点固定機構はレンズとキャリアフレームとに接触して、レンズ焦点固定機構を第一の方向に第一の距離だけ回転することで、レンズを第一の方向に第二の距離だけ回転させる工程を備えている。
【0010】
前述の、そして関連する目的を達成するために、本発明は以下で十分に記載する特徴を備えている。以下の記載と付属の図面は、本発明の具体的態様を詳細に説明する。しかし、これらの態様は本発明の原理が採用可能な種々の方法の一部を表示しているにすぎない。本発明の他の態様、長所、そして新規の特徴は、図面と共に以下の本発明の詳細な記載を検討することで、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は本発明に係る電子デバイスの1つの実施例の斜視図であり、キャリアフレームに支持されたrigid-flex PCBの1つの配置を示す。
【
図2】
図2は本発明に係る電子デバイスの展開図である。
【
図3】
図3は
図1に示す電子デバイスの平面図であり、レンズ焦点固定機構の実施例を示す。
【
図4】
図4は
図1に示すレンズ焦点固定機構の断面の斜視図である。
【
図5】
図5は本発明に係る電子デバイスの断面の斜視図であり、レンズ焦点固定機構の別の実施例を示す。
【
図6】
図6は本発明に係る電子デバイスの一部の断面の斜視図であり、レンズ焦点固定機構の別の実施例を示す。
【
図7】
図7は本発明に係る電子デバイスの斜視図である。
【
図8】
図8は
図7に示すレンズ焦点固定機構の実施例の斜視図である。
【
図9】
図9は
図1に示す電子デバイスの平面図であり、レンズ焦点固定機構の実施例を示す。
【
図10】
図10は本発明に係る電子デバイスの斜視図であり、キャリアフレームと視覚センサレンズを取り除いた図である。
【
図11】
図11は電子デバイスの光学系の構成の斜視図であり、本発明に係るキャリアフレームの大部分を覆い、視覚センサレンズと重なり合ったrigid-flex PCBの一部を示す。
【
図12】
図12は本発明に係るキャリアフレーム周りに曲げられキャリアフレームに支持されたrigid-flex PCBの別の構成を示す。
【
図13】
図13は本発明に係るキャリアフレーム周りに曲げられキャリアフレームに支持されたrigid-flex PCBの別の構成を示す。
【
図14】
図14は本発明に係るキャリアフレーム周りに曲げられキャリアフレームに支持されたrigid-flex PCBの別の構成を示す。
【
図15】
図15は本発明に係る電子デバイスの斜視図であり、キャリアフレーム及び/又はrigid-flex PCBと結合した光学系コンポーネントを示す。
【
図16】
図16は液体レンズ配置を含んだ電子デバイスの光学的構成の斜視図である。
【
図17】
図17は、電子デバイスから熱を逃がすために電子デバイスと熱的に結合したヒートシンクを含んだ筐体内に位置する電子デバイスの部分展開斜視図である。
【
図19】
図19は筐体内に位置する電子デバイスの部分展開斜視図であり、入出力ボードを示す。
【
図20】
図20は
図19に示す電子デバイスの斜視図であり、照明デバイスと結合可能なコネクタを備えた入出力ボードを示す。
【
図22】
図22は
図9に示す電子デバイスの平面図であり、レンズ焦点固定機構の一部を見せる正面カバーを備えた筐体に入った電子デバイスを示す。
【
図23】
図23は電子デバイスの組立方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の様々な態様が、添付の図面を参照して以下に記載され、幾つかの図面を通して類似の部材に対応するものは同じ参照符号を付している。しかし、以下の図面と詳細な記載は、請求項の範囲を開示された特定の形式に限定することを意図したものでないことを理解すべきである。むしろ、我々の意図は、請求項の範囲内のすべての変形例、代替案をカバーすることである。
【0013】
ここで用いられる用語「コンポーネント」「システム」「デバイス」等は、実行中のハードウエア、ハードウエアとソフトウエアの組み合わせ、又はソフトウエアのいずれかに言及することを意図したものである。単語「例示的な」は、ここでは例、事例、実例として提示することを意味する。ここで「例示的に」記載されたいかなる態様も設計も、他の態様や設計に対して必ずしも好ましい又は有利なものを構成するものではない。
【0014】
また、開示された内容は、ここで詳細に記載された態様を実施するために電子ベースのデバイスを制御するための、システム、方法、装置、又はプログラミング基準を用いた製造品及び/又はエンジニアリング技法及び/又はハードウエア、ファームウエア、ソフトウエア又はそれらのあらゆる組み合わせを生産するためのプログラミングとして実施される。
【0015】
特定され又は限定されない限り、用語「取り付けられ」「接続され」「支持され」及び「結合され」とそれらのバリエーションは、広く用いられ、直接又は間接的に、「取り付け」「接続」「支持」「結合」を含んでいる。また、「接続され」及び「結合され」は、物理的又は機械的な接続又は結合に限定されない。ここで用いられるのは、明示的に別段の定めをした場合を除き、「接続され」は1つのエレメント/機構が直接的又は間接的に他のエレメント/機構に接続されることを意味し、必ずしも電気的又は機械的に接続されることを意味しない。同様に、明示的に別段の定めをした場合を除き、「結合され」は1つのエレメント/機構が直接的又は間接的に他のエレメント/機構に結合されることを意味し、必ずしも電気的又は機械的に結合されることを意味しない。
【0016】
ここで用いられる用語「プロセッサ」は、1つ以上のプロセッサとメモリ及び/又は1つ以上のプログラム可能なハードウエアエレメントを含めることができる。ここで用いられる用語「プロセッサ」は、あらゆる種類のプロセッサ、CPU、マイクロコントローラ、ディジタルシグナルプロセッサ、又は他のソフトウエア命令を実行可能なデバイスを含めることを意図している。
【0017】
ここで用いられる用語「記憶媒体」は、不揮発性媒体、例えば磁性媒体又はハードディスク、光学式記憶媒体又はフラッシュメモリや、揮発性媒体、例えばシステムメモリに用いるランダムアクセスメモリ(RAM)としてDRAM, SRAM, EDO RAM, RAMBUS RAM, DR RAM(登録商標)等や、ソフトウエア媒体としてインストール用に用いるCD-ROM、フロッピー(登録商標)ディスクが含まれ、そこでプログラムがストアされ、及び/又はデータ通信がバッファされる。用語「記憶媒体」は、また他の種類のメモリやその組み合わせを含めることができる。
【0018】
本発明の実施例は、本発明の実施例を実施するために用いられる構造や処理を表示するための図を用いて以下に記載される。本発明の実施例を表現するためにこの様に図を用いることは、発明の範囲の限定を構成するものではない。本発明は、電子デバイスの構成と、PCBを支持するキャリアフレームを有する電子デバイスの組み立てと使用のためのシステムと方法の両方について検討したものである。
【0019】
電子デバイスの様々な実施例は、キャリアフレームとその周りに位置する又は曲げられたrigid-flex PCBを用いて組み立てた撮像デバイスと関連して記載される。それは、この技術の特徴と長所が、この目的に十分に適合しているからである。なお、当然のことながら、本発明の様々な態様は、他の形態の電子デバイスやPCB及びrigid-flex PCBとキャリアフレームを用いることで利益を受ける他のシステムやアセンブリにも適用可能である。キャリアフレームの周りに設けたrigid-flex PCBを使用することで、電子デバイスとしてコストが低減し、コンパクトな立方形状が得られる。rigid-flex PCBとキャリアフレームは、電子デバイスの長さや厚さや幅の他の部分を増加させることなく、長さや厚さや幅の少なくとも1つを低減するために用いることができる。
【0020】
例示的な撮像デバイスは、機械視覚及び/又はコード読み取り機能を付与するために、他の電子デバイスに埋め込むことができるし、独立した撮像デバイスとすることもできる。埋め込んだ場合、このような電子デバイスは、限定されない例として、工業用、医療用、携帯用、又は小売り用デバイスとすることができ、かつ、限定されない例として、製造用アセンブリ、テスト、測定、オートメーション、及び/又は制御用途に他の物に交じって用いることができる。独立して用いる場合、撮像デバイスは筐体と一体化することができ、コネクタ、I/O、電源回路、及びユーザーインタフェースコンポーネントなどを含めることができる。例示的な撮像デバイスは、画像収集の様々な種類を実行できる画像取得ソフトウエアを用いることができる。この撮像デバイスは、限定されない例として、機械が読み取り可能なシンボルを含めた機械視覚仕事が実行でき、及び/又は画像の復号化ができる。
【0021】
図1を参照して、ここに記載された様々な実施例は、撮像デバイス50の大きさ及び/又はコストを低減できる。幾つかの実施例において、幾つかの又はすべての電子コンポーネントは、キャリアフレーム54上に及び/又は中に及び/又は周りに設けることができる1つ以上のrigid-flex PCB52上に載置することができる。キャリアフレーム54は、rigid-flex PCB52や、撮像デバイスの機構部分、電子回路、及び/又は光学系を含めた他のコンポーネントを支持することができる。このように、撮像デバイスは最小の体積内に最大のPCB面積を得ることができる。撮像デバイス50の全体の大きさは、rigid-flex PCB52をキャリアフレーム54の周りに曲げて又は折って用いることで、低減することができる。この大きさの低減は、鏡筒の体積を折り曲げたrigid-flex PCB52の内部に包含することによって得ることができる。
【0022】
放熱を最適化するために、幾つかの実施例はrigid-flex PCB52上に載置された熱発生コンポーネントの幾つか又はすべてを撮像デバイス50の外側に向けさせて、撮像デバイス50から熱を放出させやすくすることができる。幾つかの実施例において、異なるボード構成のrigid-flex PCB52間の接続は、rigid-flex PCB52の可撓性コンポーネント82によって達成される。
【0023】
次に
図2を参照して、例示的な撮像デバイス50は一般的にrigid-flex PCB52とキャリアフレーム54を備えている。rigid-flex PCB52は、処理エレメントを含む様々なボード構成を備えることができる。
図2の実施例において、rigid-flex PCB52はメインボード56、センサボード58、電源とI/Oボード60、及び照明ボード62を備えることができる。当然のことながら、これらのボードのいずれも取り外したり他のボードと置き換えたりすることができて、ここで議論し図に示したコンポーネントは1つのボードから他のボードに移動させることができる。特定のボードの名前は、限定するためのものではなく、単に簡潔さのために名付けたもので、特定の形態又は機能を定義するものではない。
【0024】
メインボード56は、一般的に画像処理と復号化のために用いられるプロセッサ64を備えることができる。プロセッサ64は、とりわけ照明の制御や画像データの取得や取得した画像データの利用可能な情報への加工のために構成されたソフトウエアを用いて符号化することができる。画像処理は、限定されない例として、検査、位置合わせ、測定を含む既知のオペレーションを備えている。記憶媒体66も画像ソフトウエア、画像、バッファデータ等を保存するためにメインボード56に含めることができる。
【0025】
センサボード58は一般的に視覚センサ68を備えている。視覚センサ68はレンズ70を通して入ってきた光を電子に変換して画像を生成する役割を果たす。レンズ70は画像データ即ち画像から反射された光を視覚センサ68上に焦点合わせする。レンズ70はセンサボード58上の視覚センサ68の上に設けて、視覚センサ68の視野(FOV)内に対象物の像を供給する。視覚センサ68をほこりや迷光から保護するために、例えば二重接着シールテープ92のような封止材を用いることができて、例えば視覚センサ68の外側縁部94の周りに設けることができて、センサボード58に接着させることができる。幾つかの実施例において、熱絶縁材料74の織布を部品及び/又はボードの間に設けて、熱流量を減らすのに役立てることができる。例えば、熱絶縁材料74を視覚センサ68とプロセッサ64の間に設けて、熱流量を減らすのに役立てることができる。
【0026】
例えば既知のLED及び/又はレーザーダイオードのような照準デバイス72をセンサボード58上に含めることができる。照準デバイス72は例えばドット又はXのような可視マークを撮像デバイス50の視野(FOV)の中央に供給することができる。照準デバイス72はセンサボード58又は他のボード上に設けることができて、キャリアフレーム54はLEDビーム又はレーザービームを通過させることのできる開口部124を備えることができる。照準レンズ126を照準デバイス72の前方又は上部に設けて、例えは照準出力角度及び/又は均一性を調整することができる。異なる用途の要求に合致させるために、照準レンズ126を他の種類のレンズと置き換えることができる。キャリアフレーム54は、照準レンズ126をキャリアフレーム54に固定するために用いられる凹部128を備えることができる。照準レンズ126は照準レンズ126と場合によっては照明ボード62をキャリアフレーム54に固定するための1つ以上のタブ又は締め具130を備えることができる。別の実施例において、接着テープ又は接着フィルムを単独で又は締め具130と組み合わせて、照準レンズ126をキャリアフレーム54に固定するために用いることができる。
【0027】
電源とI/Oボード60は、一般的に電源管理回路76と様々なオプションデバイスのための及び/又は通信ネットワークと接続するためのアナログ及び/又はデジタル入出力(I/O)コネクタ78を備えることができる。照明ボード62もI/Oコネクタ78を備えることができるし、LEDのような照明デバイス80も備えることができる。照明デバイス80は、例えば既知のLEDとすることができる。照準レンズ126と同様に、幾つかの実施例において、照明レンズ114も照明デバイス80の前方又は上部に設けて、例えば光出力角度及び/又は均一性を調整することができる。異なる照明の要求に合致させるために、照明レンズ114を他の種類のレンズに置き換えることができる。照明ボード62は、照明レンズ114をキャリアフレーム54に固定するために用いられる凹部116又は他の固定機構を備えることができる大きさと形状にすることができる。照明レンズ114は、照明ボード62をキャリアフレーム54に保持するためにも用いることができる。照準レンズ126と同様に、幾つかの実施例において、照明レンズ114は照明レンズ114及び/又は場合によっては照明ボード62をキャリアフレーム54に固定するための1つ以上のタブ又は締め具120を備えることができる(
図15参照)。当然のことながら、キャリアフレーム54が照明レンズ114をキャリアフレーム54上に保持するための保持機構を備えていてもよい。他の実施例において、接着テープ又は接着フィルム122を単独で又は締め具120と組み合わせて、照明レンズ114を照明ボード62及び/又はキャリアフレーム54に固定するために用いることができる。
【0028】
キャリアフレーム54は、成形、形成、及び/又は機械加工によるコンポーネントであって、ボード56、58、60、62のうちの幾つか又はすべてのための支持構造を提供し、そして以下に述べるように1つ以上の光学部材及び/又は追加の撮像デバイスコンポーネントを支持するための大きさと形状をとることができる。キャリアフレーム54も、複数のPCB拘束具90を備えることができる。図示の実施例において、キャリアフレーム54は4つのPCB拘束具90(左後方のPCB拘束具は図で隠れている)を備えているが、これ以上でもこれ以下でも用いることができる。6つのPCB拘束具90が
図11で用いられている。
図1、
図2に示すように、例えばPCB拘束具90は付勢されて、スナップ式にあらゆるボードと嵌合できる。図に示すように、メインボード56、センサボード58、電源とI/Oボード60、及び/又は照明ボード62は、PCB拘束具90及び/又はキャリアフレーム54自身を用いて、キャリアフレーム54の上、及び/又は周りに保持することができる。
【0029】
従来の撮像デバイスは、特定の焦点距離に工場で校正され、ユーザーが調整できないレンズを備えている。焦点距離を変えるためには、撮像デバイスを替える必要があった。他の従来の撮像デバイスはある程度のレンズ調整能力を提供しているが、たとえ小さなマイナーな微調整のためにでも、治具と撮像デバイスの分解が必要である。これらの制約を解消するために、キャリアフレーム54は主撮像レンズ70を支持する大きさの開口部88を備えることができる。開口部88は、ねじ山が形成されて、レンズ70を置き換え及び/又は回転させてレンズ焦点を調整可能にすることができる。これは撮像デバイス50を移動させる代わりにレンズ70を調整することによって撮像デバイス50の焦点を合わせる機能を提供する。幾つかの実施例において、レンズ70はねじ山の形成されたレンズベース96を備え、そしてキャリアフレーム54は開口部88に相手方のねじ山98を備えて、レンズ70を支持し、レンズ70が回転してレンズ70と視覚センサ68の間の距離を調整して焦点合わせできるようになっている。幾つかの用途において、レンズ70はレンズ焦点固定機構(lens focus fix)100によってレンズ70が自身のまわりに回転できないようになっている。
【0030】
例えば製造時の組み立て、試験、測定、オートメーション、及び/又は制御用途に用いた場合、撮像デバイスは振動や熱膨張、熱収縮を生じさせる温度変化を含む苛酷な動作環境にさらされる。これらの環境要因は、レンズを自身のまわりに回転させ、最終的にレンズを焦点からずらし、不満足な結果を生じさせる。レンズ焦点固定機構100は、このような苛酷な環境においてレンズ70の回転を阻止するだけでなく、幾つかの実施例において、治具を使用することなくレンズ70を保持しながら同時にレンズ70の調整を可能にする。
【0031】
図3、
図4を参照して、レンズ焦点固定機構100はレンズ70を保持するためにユーザーによって所定の位置に嵌合、スナップ嵌め又は押圧することができ、レンズ調整の離散的なステップを提供してレンズ70の焦点位置を、治具を使用することなく調整するために、回転することができる。幾つかの実施例において、レンズ焦点固定機構100はベース134とラチェット部136とレンズ保持部138を備えている。幾つかの実施例において、ラチェット部136はベース134から延在した少なくとも1つのラチェットアーム140を備えることができる。ラチェットアーム140は、ラチェットアーム140の係合端144から延在した突起142を備えることができる。突起142は、例えば開口部88の凹状リム148周りに設けられた複数の凹部146の1つのような、相手方係合機構146と係合する大きさとすることができる。ラチェットアーム140は半径方向に延在した力を加えることができて、係合端144は相手方係合機構146に向かって付勢される。図示のように、レンズ焦点固定機構100は6つのラチェットアーム140を備えているが、それ以上でもそれ以下でも構わない。各突起142と凹部146は、レンズ70に対する離散的な焦点位置を提供する。幾つかの実施例において、凹状リム148は切り出し150を備えることができ、そこではラチェットアーム140と関連した突起142は凹部146と接触しない。当然のことながら、例えばリム148が突起142を備え、係合端144が凹部146を備えるような他のラッチ機構を用いることもできる。
【0032】
レンズ保持部138は、レンズの円筒部106を部分的に又は略囲むように接触し係合することができる。
図3に示すように、レンズ保持部138は複数のリブ150からなる係合部150を備えることができ、円筒部106に接触し係合して、レンズ70の回転を規制している。3つのリブ150が示されているが、それ以上でもそれ以下でも構わない。
【0033】
使用時には、ユーザーはねじ山の形成された開口部88内でねじ山の形成されたレンズ70を回転することによって、レンズ70の調整をすることができる。次にユーザーはレンズ70の上にレンズ焦点固定機構100を設け、レンズ焦点固定機構100を凹状リム148に挿入し、円筒部106の上に配することができる。これにより、レンズ70は自身のまわりを回転することを規制される。離散的な焦点位置のための微調整を行うために、ユーザーはラチェット部136を握って時計回りか反時計回りにラチェット部を回転させて、レンズ70の焦点位置を離散的に調整できる。レンズ保持部138がレンズ焦点固定機構100に対するレンズ70の位置を規制しながら、ラチェットアーム140と対応する凹部146は、離散的な調整位置を提供する。例えば、レンズ焦点固定機構100を第一方向に一定距離回転させると、レンズ保持部138はレンズ70をレンズ焦点固定機構100と共に第一方向に一定距離回転させる。レンズ焦点固定機構100とレンズ70の回転距離は等しくすることができるが、例えばギヤ機構を備えることで、レンズ70の回転距離をより長く又は短くすることができる。
【0034】
図5を参照して、幾つかの実施例において、レンズ焦点固定機構100はレンズ焦点固定リング102を備えることができ、レンズ70の上に設けてレンズを所望の焦点位置に固定してレンズの回転を規制することができる。レンズ焦点固定機構100と同様に、レンズ焦点固定リング102もレンズ70の上に設け、凹状リム148内に挿入してレンズ円筒部106の上に配置することができる。焦点の微調整を行うために、ユーザーはレンズ焦点固定リング102を取り外して、ねじ山の形成された開口部88内でねじ山の形成されたレンズ70を時計回りか反時計回りに回転することによって、レンズ70の焦点位置を調整する。次にユーザーはレンズ70の上にレンズ焦点固定リング102を再配置して、レンズ焦点固定リング102を凹状リム148内に挿入し、レンズ円筒部106の上に置くことができる。レンズ焦点固定リング102もレンズ保持部138を備えることができて、レンズ70の回転を規制する。レンズ保持部138は、レンズ70の円筒部106を部分的に又は略囲むように接触し係合することができる。
【0035】
図6を参照して、別の実施例において、レンズ焦点固定機構100はレンズ焦点固定プラグ108を備えることができて、キャリアフレーム54の上又は中に設けることができる。レンズ焦点固定プラグ108は接触部110を備えることができる。接触部110は、ねじ山が形成されてレンズ70上のねじ山の形成されたレンズベース96と係合することができ、及び/又は、接触部110は全体的に柔らかい材料、例えばプラスチック又はゴムからなり、レンズ70と係合してレンズ70の回転を規制する。幾つかの実施例において、レンズ焦点固定機構100又はレンズ焦点固定リング102と、レンズ焦点固定プラグ108の両方を用いることができる。
【0036】
図7と
図8を参照して、代替的な実施例であるレンズ焦点固定機構250を示す。レンズ焦点固定機構100と同様に、レンズ焦点固定機構250はレンズ70を保持するためにユーザーによって所定の位置に嵌合、スナップ嵌め又は押圧することができる。レンズ焦点固定機構250は、回転することで、治具を使用することなくレンズ70の焦点位置調整のためのレンズ調整の離散的なステップを提供することができる。幾つかの実施例において、レンズ焦点固定機構250はレンズ焦点固定機構250を回転するためのスクリュードライバー又は類似のデバイスのような治具を使用可能にするスロット274を備えることができる。レンズ焦点固定機構250は、拘束具252と共に、レンズ焦点固定機構250を回転することで得られる所定数の固定焦点位置を提供する。
【0037】
幾つかの実施例において、レンズ焦点固定機構250はベース262とラチェット部258とレンズ保持部268を備えている。ベース262は、ユーザーによってつかまれてレンズ焦点固定機構250を回転することができる。ラチェット部258の側壁278は所定数の係合機構256と少なくとも1つのストップ突起260を備えている。拘束具252と協働する例えば複数の凹部256の1つである各係合機構256は、レンズ70の離散的な焦点位置を提供する。ストップ突起260は、所定の角度量(例えば180度又は270度、又はそれ以上又はそれ以下)以上にレンズ焦点固定機構250が回転できないような大きさに構成することができる。
【0038】
図9を参照して、拘束具252は様々な手段、例えばリベット又はねじ272によってキャリアフレーム54に固定することができる。拘束具252は、ベース274から延在するラチェットアーム264と付勢アーム265を備えることができる。ラチェットアーム264は、ラチェットアーム264の係合端276から延在する突起266を備えることができる。突起266は、ラチェット部258の周りに設けられた複数の凹部256の1つと係合する大きさに構成することができる。ラチェットアーム264は、例えば半径方向に延在する圧縮力のような力を加えることができて、係合端276は相手方凹部256に向かって付勢される。図示のように、レンズ焦点固定機構250は3つの凹部256を備えているが、それ以上でもそれ以下でも構わない。突起266が所定の位置にある凹部256の1つにスナップ係止することで、各凹部256はレンズ70の離散的な焦点位置を提供する。レンズ焦点固定機構250を回転させることで、突起266は凹部256との係止を解除でき、次の凹部256を見つけて再係止される。幾つかの実施例において、各凹部256は焦点位置を示す対応する視認指標270を有することができる。当然のことながら、例えばラチェット部258が突起266を備え係止端276が凹部256を備えるような、他のラッチ機構を用いることもできる。
【0039】
レンズ保持部268は、レンズ70の円筒部106を部分的に又は略囲むように接触し係合することができる。
図8と
図9に最も良く見られるように、レンズ保持部268は例えば複数のリブ254からなる係合部254を備えることができて、円筒部106と接触し係合してレンズ70の回転を規制する。3つのリブ254が図示されているが、それ以上でもそれ以下でも構わない。
【0040】
離散的な焦点位置に対する微調整を行うために、ユーザーはベース262を握って時計回り又は反時計回り152に回転させて、レンズ70の焦点位置の離散的な調整を行う。突起266と対応する凹部256は、離散的な調整位置を提供し、一方でレンズ保持部268はレンズ焦点固定機構250に対するレンズ70の位置を規制する。例えば、レンズ焦点固定機構250を第一方向に一定距離回転させると、レンズ保持部268はレンズ70をレンズ焦点固定機構250と共に第一方向に一定距離回転させる。レンズ焦点固定機構250とレンズ70の回転距離は等しくすることができるが、例えばギヤ機構を備えることで、レンズ70の回転距離をより長く又は短くすることができる。
図9において、レンズ焦点固定機構250が反時計回りにのみ回転可能である。なぜなら、ストップ突起260がレンズ焦点固定機構250の時計回りの回転を規制している。
【0041】
図10を参照して、幾つかの実施例において、各ボード56,58,60,62は、全体的に1つ以上の剛直なPCBに可撓性のPCB82が結合されて構成されており、ここではrigid-flex PCBと記載する。当然のことながら、rigid-flex PCBは全体的に又は部分的に用いることもできる。1つの実施例において、センサボード58は、メインボード56の上に設けられ、可撓性PCB82を用いてメインボード56と結合することができる。この方向は、レンズ70が視覚センサ68の上に配置できるような視覚センサ68の配置を可能にする。電源とI/Oボード60は、可撓性PCB82を用いてメインボード56と結合でき、撮像デバイスの面84に向かって上向きに延在することができる(
図11参照)。電源とI/Oボード60は、メインボード56の代わりに例えばセンサボード58と結合することもできる。次に、照明ボード62が可撓性PCB82を用いて電源とI/Oボード60と結合できる。例えば、照明ボード62もセンサボード58と結合することができる。
【0042】
図11を参照して、幾つかの実施例において、照明ボード62は撮像デバイス50の面84の一部又は大部分を覆うことができる。この実施例において、延在した照明ボード62は、必要に応じて十分な光がレンズ70に入ることができる大きさの、照明ボード62を貫通する開口部86のみを残すように、レンズ70の一部を覆うことができる。
【0043】
図12ないし
図14は、代替的な実施例を示し、そこではrigid-flex PCB52は様々な方法でキャリアフレーム54の周りに設けることができる。
図12において、rigid-flex PCB52の配置がよく見えるように、キャリアフレーム54は省略されている。
図12において、例えばメインボード56は撮像デバイスの電源とI/Oボード60と対向する側に設けられている。
図13と
図14において、代替的なボード構成が示され、そこでは照準デバイス72及び/又は照明デバイス80が1つ以上のボードの上に、例えばレンズ70を囲み及び/又はレンズ70の近傍に設けられたボードの上に配置することができる。加えて、可撓性PCB82が様々なPCBのあらゆる側から延在可能であり、あらゆる寸法と形状の制約に、及び/又は、様々なキャリアフレーム54の構成に対応できる。
【0044】
図15を参照して、異なる種類のレンズ154を支持するために、レンズエクステンダー112をキャリアフレーム54に結合する又は搭載することができ、又はキャリアフレーム54の一部とすることができる。レンズエクステンダー112は、内面的に及び/又は外面的にねじ山を形成することができて、キャリアフレーム54と螺合することができ、例えばレンズ154のような様々な異なるレンズをレンズエクステンダー112と螺合可能にしている。このように、異なる焦点及び/又は結像特性を有する異なる種類のレンズを、撮像デバイス50に搭載することができて、使用できる用途が増加する。
【0045】
幾つかの用途において、視覚センサ68と撮像対象の間の距離は、使用目的によって変化する場合がある。これらの場合に、実用的な画像(即ち、画像処理を完結するのに必要なデータが抽出可能な画像)を得るために、調整可能なレンズ及び自動焦点システムを用いることができる。これらの場合において、撮像デバイスが動作して撮像プロセスを実行する際に、レンズと自動焦点システムは、自動的にレンズの焦点を合わせて、撮像対象の鮮明な画像が視覚センサ上に生成でき、画像処理を完結できる。
【0046】
図16を参照して、撮像デバイスで使用可能なレンズの種類の1つは、液体レンズ132である。液体レンズは異なる屈折率の1つ以上の液体で構成することができ、メニスカス又は液体表面を制御することで変化させることができる。液体レンズの1つの種類において、例えば、2種類の液体が透明な端末キャップを備えた筒に収容される。第一の液体は導電性水溶液であり、第二の液体は非導電性オイルである。筒の内部は疎水性材料でコートされ、水溶液が半球状レンズを形成し、エレクトロウェッティング(electrowetting)と呼ばれるプロセスにおいてコーティングにわたってDC電圧を加えて撥水性を減少させることでレンズを調整することができる。エレクトロウェッティングは、液体の表面張力を調整して曲率半径を変化させ、レンズの焦点距離を調整する。
【0047】
液体レンズは極めて用途が広く、部品の移動を必要とすることなく、高度に多様な焦点距離を提供する。撮像デバイス50は液体レンズ132を支持することができ、液体レンズ132は例えば照明ボード62上でコネクタ78と接続された可撓性コネクタ156を介して撮像デバイス50と接続できるし、又は例えばコネクタ156がrigid-flex PCB52の可撓性部分82と接続することができる。
【0048】
従来の撮像デバイスは、通信ケーブルを用いて十分な処理能力を有するコンピュータ等の装置と物理的に接続されている。従来の撮像デバイスは画像の収集のために用いられ、その画像は次に画像復号のためにコンピュータにアップロードされる。このように、従来の撮像デバイスは、画像の収集と転送に十分な処理能力のみを備え、集中的な処理活動は空間や熱発生をより容易に管理できるコンピュータで行われる。周知のように、画像復号のような集中的な処理活動が走るプロセッサは、大きさを大きくすることができ、処理活動の副産物としての相当量の熱が発生する。
【0049】
幾つかの実施例において、コンピュータに処理させるために画像を転送する場合と比較して、画像を処理するような大きさにプロセッサ64を構成することができる。この撮像デバイス50上での画像処理は、相当量の熱が発生するので、物理的により大きなプロセッサのための追加のPCB空間も必要になる。加えて、撮像デバイス50で処理を実行すると、コンポーネント間で転送が必要なより多くの信号が生成される。rigid-flex PCB52の使用は、従来の剛直な回路基板間で、2つ以上の剛直な基板間を接続する追加のコネクタを低減及び/又は削除することができる。
【0050】
先に述べたように、放熱を最適化するために、実施例は撮像デバイス50から熱を放出しやすくするために撮像デバイス50の外側に向けてrigid-flex PCB52に搭載された幾つかの又はすべての熱生成コンポーネントを備えることができる。幾つかの実施例において、プロセッサ64と視覚センサ68はrigid-flex PCB52を構成する異なるボード上に設けることで、熱が発生するプロセッサ64を熱に敏感な視覚センサ68から離すことができる。
【0051】
他の実施例において、1つ以上のヒートシンク180を撮像デバイス50と熱的に結合させて、熱を環境に分散させることができる。
図17に、撮像デバイス50の底面図を示し、そこでは、筐体184又は筐体184の一部がヒートシンク180として働くことができる。一方、他の実施例では、ヒートシンク180を撮像デバイス50のコンポーネントに熱的に結合させて、例えば別体の筐体の内側に配置することができる。既知のように、熱的填隙剤182をrigid-flex PCB52上の例えばプロセッサ64又は他のデバイスをヒートシンク180と結合させるために用いることができる。ヒートシンク180は、既知のヒートシンク材料、例えば銅及び/又はアルミニウムなどから構成することができる。筐体184は、例えばプラスチック材料で構成することができる。
【0052】
図17の実施例において、撮像デバイス50の3つの側面はヒートシンク180と熱的に結合している。当然のことながら、ヒートシンク180は3つより少ない又は多い側面と熱的に結合するように構成することができ、幾つかの実施例において、ヒートシンク180は撮像デバイス50の1つ以上の側面から熱的に絶縁することができる。図示の筐体184は、上面部186と下面部188と正面カバー190と、筐体184の側面としてのヒートシンク180とを備えている。幾つかの実施例において、1つ以上のI/O及び/又は通信ケーブル192が後面壁194を通って延在し、撮像デバイス50と接続された入出力ボード198と結合することができる。上面部186と下面部188と正面カバー190と、ヒートシンク180とは、組み立てられて、例えばねじ196を用いて互いに固定することができる。正面カバー190は、スナップ嵌めにすることができて、治具無しで取り外してレンズ焦点固定機構100やレンズ焦点固定リング102にアクセスしてレンズ70を調整できるようになっている。
図18に、筐体184内に収まった撮像デバイス50を示す。
【0053】
図19ないし21を参照して、撮像デバイス50と対応する筐体184の上面図を示す。
図19と
図20において、入出力ボード198がよく判るように示されており、可撓性PCB82を用いて撮像デバイス50と接続されている。幾つかの実施例において、可撓性PCB82は入出力ボード198内のスロット200を通って延在することができる。入出力ボード198はヒートシンク180及び/又は筐体184と結合することができ、例えばLEDのようなユーザーインタフェースとしての1つ以上の指標を備えることができる。
【0054】
入出力ボード198は、例えば既知のボード対ボードコネクタのようなコネクタ206を備えて、撮像デバイス50が追加の照明デバイスを制御できるようにすることができる。例えば、
図20に最も良く示されているように、少なくとも1つの照明素子80と相手方コネクタ212を有する照明デバイス210が、コネクタ206と接続することができる。幾つかの実施例において、
図21に示すように、照明デバイス210は、パッケージ化された製品又はユニット216の一部とすることができる。他の実施例において、照明デバイス210は、パッケージ化された製品又はユニットの一部ではないものの、リモートの照明デバイスであって、撮像デバイス50と接続され制御されるものとすることができる。
【0055】
図22を参照して、レンズ焦点固定機構250を備えた撮像デバイス50が筐体184内に収まっている。筐体184は正面カバー190を備えることができる。この実施例において、正面カバー190はマスクされた部分280とクリアランス部分270とを備えることができる。クリアランス部分は、選択されたレンズ焦点位置を示す選択された可視指標270が目視できる大きさにすることができる。残りの焦点位置のための残りの可視指標270は、マスクされた部分280によって遮蔽することができる。
【0056】
図23にキャリアフレーム54とrigid-flex PCB52を用いた電子デバイスの組立方法の実施例を示す。
図23に示す方法は、とりわけ先の図面に示されたシステムやデバイスのいずれとも共に用いることができる。様々な実施例において、この方法の要素の幾つかは、同時に実施可能であり、図示とは異なる順序で実施可能であり、又は省略可能である。要望に応じて、追加の方法の要素も実施可能である。
【0057】
図23を参照して、キャリアフレーム54とrigid-flex PCB52を用いた電子デバイスの組立方法160を示す。第一ステップは、処理ブロック162に示すように、1つ以上の電子回路基板、この場合はrigid-flex PCB52を支持するのに適したキャリアフレーム54を準備することである。先に記載したように、キャリアフレーム54はrigid-flex PCB52を支持するための複数のPCB拘束具90を備えることができる。処理ブロック164において、rigid-flex PCB52が準備されて、処理ブロック166と168で、rigid-flex PCB52は曲げられるか折られて、キャリアフレーム54と係合する。幾つかの実施例において、rigid-flex PCB52は視覚センサ68を備えることができる。処理ブロック170に示すように、rigid-flex PCB52がキャリアフレーム54の上に、中に、及び/又は周りに位置付けられて、レンズ70が視覚センサ68の上方に位置付けることができ、キャリアフレーム54が視覚センサ68の上方のレンズ70を支持する。レンズ70が位置付けられると、処理ブロック172において、レンズ70はレンズ焦点固定機構100によって拘束することができる。幾つかの実施例において、レンズ焦点固定機構100はレンズ70とキャリアフレーム54の両方と接触することで、レンズ70が自身の回りに回転することを抑制し、レンズ70の位置を調整できるようにする。
【0058】
好ましい実施例を参照して本発明を記載したが、当業者は本発明の精神と範囲から逸脱することなくなされた変形を認識できるであろう。例えば、本発明はここに示したスマートカメラとそれに関連するデバイスに限定するものではなく、他のラインスキャンカメラと共に実施することができる。
【0059】
上で開示した特定の実施例は、一例にすぎず、本発明は当業者には明らかな、異なるしかし等価な方法で変形して実施することができる。また、ここに示した構成や設計の詳細は、以下の請求項に記載されたものを除き、限定を意図したものではない。従って、上で開示された特定の実施例は、変更又は変形することができ、そのようなすべての変化は本発明の精神と範囲内であることは明らかである。従って、ここでの保護対象は以下の請求項に記載されている。