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特許7063884差動デジタル二重サンプリング方法およびこの方法を実行するためのCMOSイメージ・センサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】差動デジタル二重サンプリング方法およびこの方法を実行するためのCMOSイメージ・センサ
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/378 20110101AFI20220426BHJP
【FI】
H04N5/378
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019513046
(86)(22)【出願日】2017-09-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-19
(86)【国際出願番号】 EP2017072125
(87)【国際公開番号】W WO2018046447
(87)【国際公開日】2018-03-15
【審査請求日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】62/385,027
(32)【優先日】2016-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/690,034
(32)【優先日】2017-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511006720
【氏名又は名称】ジーブイビービー ホールディングス エス.エイ.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】ファン デン ヘイカント ユール ヨセフス ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ロッテ イェルン
(72)【発明者】
【氏名】センテン ペトルス ヘイスベルトゥス
【審査官】大室 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-106194(JP,A)
【文献】特開2015-142364(JP,A)
【文献】特開2016-158148(JP,A)
【文献】特開2008-141610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/339
H01L27/14-27/148
H01L27/30
H01L29/762
H04N 5/30-5/378
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接ピクセルの並列読出しを用いてデジタル二重サンプリングを実行して、ピクセル・サンプリング中に必要となる出力帯域幅を最小限に抑えるためのCMOSイメージ検知装置であって、
列構成において、複数のピクセルを有するピクセル配列であって、各ピクセルが、4つのフォトダイオード、フローティング・ディフュージョン・ポイント、および前記フォトダイオードに電気的に結合された複数のトランジスタを有するピクセル配列と、
複数のスイッチによって前記ピクセル配列に選択的に結合された複数の蓄積キャパシタを有する列読出し回路であって、前記複数の蓄積キャパシタが、前記フローティング・ディフュージョン・ポイントによって蓄積されたサンプリング済みのピクセル値を蓄積するように構成されている列読出し回路と、
前記ピクセル配列内の少なくとも1対の隣接ピクセルにおいて前記複数のトランジスタを選択的に起動するように構成されたピクセル・サンプリング装置であって、その結果、前記隣接ピクセルのそれぞれが、前記ピクセルのサンプリング済みの暗値、前記ピクセル内の前記フォトダイオードのうち第1のフォトダイオードのサンプリング済みの明値、ならびに、前記ピクセル内の前記フォトダイオードのうち前記第1のフォトダイオードおよび第2のフォトダイオードのサンプリング済みの2倍の明値を、前記列読出し回路に出力するピクセル・サンプリング装置と、
前記第1のフォトダイオードの前記サンプリング済みの明値から、前記サンプリング済みの暗値を減算することによって、前記隣接ピクセルのそれぞれの前記第1のフォトダイオードのそれぞれの出力済みの明値をそれぞれ計算するように構成され、かつ前記それぞれのピクセルの前記第1および第2のフォトダイオードの前記サンプリング済みの2倍の明値から、前記ピクセルの前記サンプリング済みの暗値および前記それぞれの第1のフォトダイオードの前記サンプリング済みの明値を減算することによって、前記隣接ピクセルの前記第2のフォトダイオードのそれぞれの出力済みの明値を計算するように構成されたピクセル出力計算装置と
を備え、
前記ピクセル・サンプリング装置がさらに、前記ピクセルの隣接ペアでの前記複数のトランジスタを起動し、その結果、前記複数のピクセルの2つの隣接ピクセルでの2つのフォトダイオードが、各クロック・サイクル中にサンプリングされるように構成される、CMOSイメージ検知装置。
【請求項2】
前記列読出し回路内の前記複数のスイッチに制御信号を送出し、その結果、少なくとも1対の前記複数の蓄積キャパシタが、前記サンプリング済みの明値および前記サンプリング済みの2倍の明値を交互に蓄積し、出力するように構成された列読出し回路制御装置をさらに備える、請求項1に記載のCMOSイメージ検知装置。
【請求項3】
隣接ピクセルの並列読出しを用いてデジタル二重サンプリングを実行して、ピクセル・サンプリング中に必要となる出力帯域幅を最小限に抑えるためのCMOSイメージ検知装置であって、
複数のピクセルを有するピクセル配列であって、各ピクセルが、複数のフォトダイオード、フローティング・ディフュージョン・ポイント、および前記複数のフォトダイオードに電気的に結合された複数のトランジスタを有するピクセル配列と、
複数のスイッチによって前記ピクセル配列に選択的に結合された複数の蓄積キャパシタを有する列読出し回路であって、前記複数の蓄積キャパシタが、前記フローティング・ディフュージョン・ポイントによって蓄積されたサンプリング済みのピクセル値を蓄積するように構成されている列読出し回路と、
前記ピクセル配列内の少なくとも1対の隣接ピクセルにおいて前記複数のトランジスタを選択的に起動するように構成されたピクセル・サンプリング装置であって、その結果、前記隣接ピクセルのそれぞれが、前記ピクセルのサンプリング済みの暗値、前記ピクセル内の前記複数のフォトダイオードのうち第1のフォトダイオードのサンプリング済みの明値、ならびに、前記ピクセル内の前記複数のフォトダイオードのうち前記第1のフォトダイオードおよび第2のフォトダイオードのサンプリング済みの2倍の明値を、前記列読出し回路に出力するピクセル・サンプリング装置と、
前記第1のフォトダイオードの前記サンプリング済みの明値から、前記サンプリング済みの暗値を減算することによって、前記隣接ピクセルのそれぞれの前記第1のフォトダイオードのそれぞれの出力済みの明値をそれぞれ計算するように構成され、かつ前記それぞれのピクセルの前記第1および第2のフォトダイオードの前記サンプリング済みの2倍の明値から、前記ピクセルの前記サンプリング済みの暗値および前記それぞれの第1のフォトダイオードの前記サンプリング済みの明値を減算することによって、前記隣接ピクセルの前記第2のフォトダイオードのそれぞれの出力済みの明値を計算するように構成されたピクセル出力計算装置と
前記列読出し回路内の前記複数のスイッチに制御信号を送出し、その結果、少なくとも1対の前記複数の蓄積キャパシタが、前記サンプリング済みの明値および前記サンプリング済みの2倍の明値を交互に蓄積し、出力するように構成された列読出し回路制御装置と、
を備え、
前記列読出し回路が、基準電圧をサンプリングするように構成された少なくとも別のペアのキャパシタを備える、CMOSイメージ検知装置。
【請求項4】
前記列読出し回路制御装置がさらに、前記列読出し回路の前記複数のスイッチを制御して、前記サンプリング済みの基準電圧と、前記サンプリング済みの明値および前記サンプリング済みの2倍の明値のそれぞれとの間の電圧差を出力するように構成される、請求項3に記載のCMOSイメージ検知装置。
【請求項5】
前記ピクセル配列が、列構成において複数のピクセルを含み、各ピクセルが4つのフォトダイオードを含む、請求項3に記載のCMOSイメージ検知装置。
【請求項6】
前記ピクセル・サンプリング装置がさらに、前記ピクセルの隣接ペアでの前記複数のトランジスタを起動し、その結果、前記複数のピクセルの2つの隣接ピクセルでの2つのフォトダイオードが、各クロック・サイクル中にサンプリングされるように構成される、請求項5に記載のCMOSイメージ検知装置。
【請求項7】
前記列読出し回路に結合され、対応するイメージを生成するように構成されたそれぞれのデジタル信号を生成して、電子表示装置上に表示されるように構成された、複数のアナログ・デジタル変換器をさらに備える、請求項1に記載のCMOSイメージ検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年9月8日出願の米国特許仮出願第62/385,027号、および2017年8月29日出願の米国特許出願第15/690,034号の優先権を主張し、これらそれぞれの内容全体を参考として本明細書に援用する。
【0002】
本明細書での開示は一般に、CMOSイメージ・センサに関し、より詳細には、差動二重サンプリングを実行する方法、およびその方法を実行するためのCMOSイメージ・センサに関する。
【背景技術】
【0003】
光信号を電気信号に変換することによってデジタル・イメージを生成するために、相補型金属酸化膜半導体(「CMOS」)イメージ・センサがデジタル・カメラで広く使用されている。動作時には、CMOSイメージ・センサは、フォトダイオードおよび読出し回路をそれぞれが備える多数のピクセルを使用して、光信号を電気信号に変換する。フォトダイオードは、吸収した光を使用して電荷を生成し、生成したこの電荷をアナログ電流に変換し、このアナログ電流を読出し回路に供給する。読出し回路は、アナログ信号をデジタル信号に変換し、このデジタル信号を出力する。
【0004】
ある特定のCMOSイメージ・センサのピクセル回路は、4つのトランジスタを使用して形成されており、4T型イメージ・センサ・ピクセルまたは「4T型ピクセル」として知られており、またそう呼ばれている。図1は、ビット線20に接続された4T型ピクセル10の典型的な設計図を示す。図に示すように、4T型CMOSイメージ・センサ・ピクセル10は、光子から電子に変換するフォトダイオード(「PD」)を備え、フローティング・ディフュージョン(「FD」)ポイントが、電子から電圧に変換する。FDでの電子変換ごとの電圧は変換利得(「CG」)として知られており、CMOSイメージ・センサにとって重要なパラメータである。変換利得は、アナログ・ノイズに対してピクセル信号を増大させ、これによってノイズ・フロアを低下させ、それによって比較的低い光レベルでの性能を可能にする。
【0005】
このようなCMOSイメージ・センサでは、アナログ・デジタル変換プロセス中に、比較器が、アナログ電圧を受け取り、このアナログ電圧をランプ電圧と比較する。CMOSイメージ・センサの一実装形態では、この比較器は、アナログ電圧をランプ電圧と比較し、このランプ電圧がアナログ電圧より高くなるまでカウンタを使用してカウントする。カウンタがカウントを停止すると、カウント値は、アナログ電圧に対応するデジタル・データ、すなわちアナログ電圧が変換された結果のデジタル・データである。
【0006】
いずれにしても、通常はアップダウン・カウンタを使用して、デジタル二重サンプリング(「DDS」)を実行することが、当業者には理解される。DDSは、初期化されたピクセルが出力する第1のアナログ信号をデジタル・データに変換することによって得られるデジタル・データDrstと、外部のイメージ信号を受け取ったピクセルから受け取る第2のアナログ信号を、デジタル・データに変換することによって得られるデジタル・データDsigとの差分(Dsig-Drst)を得ることを意味し、ここで、第2のアナログ信号は、外部のイメージ信号に対応する。図1を参照すると、リセット・トランジスタ(「RST」)およびトランスファ・ゲート(「TG」)が同時にオンになるとピクセルがリセットされ、フローティング・ディフュージョンFDとフォトダイオードPDの両方がVDDの電圧レベルに設定される。次に、トランスファ・ゲートTGがオフになり(フォトダイオードPDとフローティング・ディフュージョンFDを切り離し)、このフォトダイオードPDを残して光をまとめる。
【0007】
まとめた後、信号測定がおこなわれる。まず、リセット・トランジスタRSTをオン/オフして、フローティング・ディフュージョンFDをリセットする。この直後に、リセット・レベルがフローティング・ディフュージョンFDからサンプリングされ、列回路、すなわちビット線20に蓄積される。次に、トランスファ・ゲートTGをオン/オフし、これによって、フォトダイオードPD上の電荷がフローティング・ディフュージョン(FD)に移動できるようになる。電荷移動が完了すると、この電荷(フォトダイオード信号レベルに加えてフローティング・ディフュージョン・リセット・レベル)が測定され、同様にビット線20に蓄積される。
【0008】
これら2つの蓄積された電圧は、次いでその差をとって(「Dsig-Drst」)、フォトダイオードの信号レベルを決定する。次に、絶対ピクセル・レベルを決定するのに使用されるリセット・レベルが測定された後に、測定全体を通して信号レベルおよびそのリセット・レベルが参照されるので、この設計により、相関二重サンプリング(「CDS」)動作を実行することができる。4T型ピクセルの設計10により、他のCMOSイメージ・センサの性能が著しく改善され、読取りノイズと読取り残像の両方が低減する。さらに、この設計によって、ピクセル・ソースの追従オフセットなどが減少する。
【0009】
しかし、デジタル二重サンプリングを使用してノイズを抑制するこのような4T型ピクセル設計での1つの欠点は、列回路上の出力信号が2倍になり、使用する帯域幅が事実上2倍になることである。したがって、やはりkTCノイズを抑制し、すべてのアナログ外乱を抑制しながら、必要となる出力帯域幅を低減するCMOSイメージ・センサ用のシステムおよび方法が必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本明細書において提示するように、差動二重サンプリングを実行する方法、およびその方法を実行するためのCMOSイメージ・センサを開示する。開示されたCMOSイメージ・センサは、複数の4T型の4つの共有ピクセルを有するピクセル配列を備える。この方法は、差動読出しを実現して、各ピクセルについての蓄積ノード(すなわち、フローティング・ディフュージョン・ポイント)のリセットを有し、暗値を読み出す。次に、ピクセルの1つのサブピクセルからの移動がおこなわれて、暗値に加えて明値が読み出される。処理中、これら2つのサンプルを減算して、第1のサブピクセルを読み出すことになる。次に、第2のサブピクセルからの移動がおこなわれ、電荷が蓄積ノードに加えられる。次に、この蓄積ノードは、2つの明るいサンプル、すなわち、ピクセルの2つのサブピクセルからの2倍の明るさの値を保持する。この2倍の明値から暗値および初期の明値が減算され、その結果、ピクセルの2つのサブピクセルからビデオの値が得られる。さらに、駆動回路の規模を減らして4T型共有ピクセルを読み出すために、2つの隣接ピクセル内の2つのフローティング・ディフュージョン・ポイントがサンプリングされ、並列に読み出される。
【0011】
本明細書での開示によれば、例示的な方法およびセンサが、必要とされる出力帯域幅を低減し、アナログの一連のピクセル配列全体を通してデジタル二重サンプリングを可能にする、ピクセル配列からのピクセル値の効率的な読出しを実現する。さらに、開示された技法を使用すると、ブラック・サンおよび変動するアナログ外乱のような影響が回避および抑制される。
【0012】
したがって、例示的な態様では、隣接ピクセルの並列読出しを用いてデジタル二重サンプリングを実行して、ピクセル・サンプリング中に必要となる出力帯域幅を最小限に抑えるためのCMOSイメージ検知装置が提供される。この態様では、イメージ検知装置は、複数のピクセルを有するピクセル配列であって、それぞれのピクセルが、複数のフォトダイオード、フローティング・ディフュージョン・ポイント、および複数のフォトダイオードに電気的に結合された複数のトランジスタを有するピクセル配列と、複数のスイッチによってピクセル配列に選択的に結合された複数の蓄積キャパシタを有する列読出し回路であって、この複数の蓄積キャパシタが、フローティング・ディフュージョン・ポイントによって蓄積されたサンプリング済みのピクセル値を蓄積するように構成されている列読出し回路と、ピクセル配列内の少なくとも1対の隣接ピクセルにおいて複数のトランジスタを選択的に起動するように構成されたピクセル・サンプリング装置であって、その結果、隣接ピクセルのそれぞれが、ピクセルのサンプリング済みの暗値、ピクセル内の複数のフォトダイオードのうち第1のフォトダイオードのサンプリング済みの明値、ならびに、ピクセル内の複数のフォトダイオードのうち第1のフォトダイオードおよび第2のフォトダイオードのサンプリング済みの2倍の明値を、列読出し回路に出力するピクセル・サンプリング装置と、第1のフォトダイオードのサンプリング済みの明値から、サンプリング済みの暗値を減算することによって、隣接ピクセルのそれぞれの第1のフォトダイオードのそれぞれの出力済みの明値をそれぞれ計算するように構成され、またそれぞれのピクセルの第1および第2のフォトダイオードのサンプリング済みの2倍の明値から、ピクセルのサンプリング済みの暗値およびそれぞれの第1のフォトダイオードのサンプリング済みの明値を減算することによって、隣接ピクセルの第2のフォトダイオードのそれぞれの出力済みの明値を計算するように構成されたピクセル出力計算装置とを備える。
【0013】
別の態様によれば、隣接ピクセルの並列読出しを用いるイメージ・センサが、ピクセル・サンプリング中に必要となる出力帯域幅を最小限に抑える。この態様では、イメージ・センサは、ピクセル配列内の1対のピクセルを制御して、この1対のピクセルのそれぞれにおいてサンプリング済みの第1のフォトダイオードのそれぞれの明値を並列に出力し、続いて、この1対のピクセルをリセットするのと並行して、またこれをリセットすることなく、それぞれのピクセル内でサンプリング済みの第1のフォトダイオードと、サンプリング済みの第2のフォトダイオードとを組み合わせて、それぞれ2倍の明値を出力するように構成されたフォトダイオード・サンプリング装置と、複数のスイッチによってピクセル配列に選択的に結合された複数の蓄積キャパシタを有する読出し回路であって、この複数の蓄積キャパシタが、出力済みの明値および出力済みの2倍の明値をそれぞれ蓄積するように構成された読出し回路と、この読出し回路に結合され、出力済みの蓄積された2倍の明値から、出力済みの蓄積された明値をそれぞれ減算することによって、サンプリング済みの第2のフォトダイオードのそれぞれの明値を計算するように構成されたピクセル出力計算装置とを備える。
【0014】
さらに別の態様では、イメージ・センサにピクセルの並列読出しが設けられて、ピクセル・サンプリング中の出力帯域幅を最小限に抑える。この態様では、イメージ・センサは、ピクセル配列内の少なくとも2つのピクセルを二重サンプリングして、この少なくとも2つのピクセルのそれぞれの少なくとも第1および第2のフォトダイオードのそれぞれの明値を生成するように構成されたフォトダイオード・サンプリング装置と、少なくとも2つのピクセルをリセットすることなく、生成された明値を並列に出力するように、少なくとも2つのピクセルを制御するように構成されたピクセル配列出力制御装置と、生成され、出力された明値に基づいて表示装置に表示させるイメージを生成するように構成されたイメージ信号発生器とを備える。
【0015】
例示的な態様の上記簡略化された概要は、本開示を基本的に理解するのに役立つ。この概要は、企図されたすべての態様を広範囲にわたって概説するものではなく、すべての態様の鍵となる要素または重要な要素を識別するものでもなく、本開示のいずれかまたはすべての態様の範囲を述べるものでもない。その唯一の目的は、以下の本開示のさらに詳細な説明の前置きとして、1つまたは複数の態様を簡略化した形で提示することである。前述の目的を達成するために、本開示の1つまたは複数の態様は、特許請求の範囲において説明され、例示的に指摘される特徴を含む。
【0016】
添付図面は、本明細書に組み込まれ、その一部分を構成し、本開示の1つまたは複数の例示的な態様を示し、詳細な説明とともに、それらの原理および実装形態を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】列回路に接続されたCMOSイメージ・センサの4T型ピクセル構成の従来の設計図を示す。
図2】例示的な実施形態とともに実装することができる、例示的な4T型共有ピクセルのCMOSイメージの概略図を示す。
図3】例示的な実施形態による差動デジタル二重サンプリングを実行するように構成された、ピクセル・セル配列の一部分の上から見下ろす図を示す。
図4図3に示すピクセル・セル配列の一部分の、さらに詳細な図のブロック図を示す。
図5A】例示的な実施形態による差動デジタル二重サンプリングを提供するためのピクセル配列内の複数の4T型共有ピクセルの概略図を示す。
図5B】例示的な実施形態による差動デジタル二重サンプリングを提供するためのピクセル配列内の複数の4T型共有ピクセルの概略図を示す。
図6A】例示的な実施形態による差動デジタル二重サンプリングを提供するための、CMOSイメージ・センサの読出し回路を示す。
図6B】例示的な実施形態による、図6Aに示す読出し回路の動作状態を示す。
図6C】例示的な実施形態による、図6Aに示す読出し回路の動作状態を示す。
図6D】例示的な実施形態による、図6Aに示す読出し回路の概略図を示す。
図7】例示的な実施形態による差動デジタル二重サンプリングを提供するための、CMOSイメージ・センサのピクセル配列のタイミング図を示す。
図8】例示的な実施形態による差動デジタル二重サンプリングを提供するための、CMOSイメージ・センサのピクセル配列の測定されたピクセル出力値のシミュレーションを示す。
図9】例示的な実施形態による差動デジタル二重サンプリングを提供するための、CMOSイメージ・センサのピクセル配列向けの垂直読出し方式のタイミング図を示す。
図10】例示的な実施形態による差動デジタル二重サンプリングを提供するための、CMOSイメージ・センサのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
開示されたシステムおよび方法の様々な態様は、ここで各図面を参照して説明され、全体を通して同じ参照番号は同様の要素を指すのに使用される。以下の記述では、説明するために、本開示の1つまたは複数の態様を十分に理解できるようにするため、数多くの具体的な詳細を説明する。しかし、一部またはすべての場合において、以下に述べる具体的な設計詳細を採用することなく、以下に述べる任意の態様を実施できることが明らかになり得る。他の例では、1つまたは複数の態様の説明を容易にするために、よく知られた構造および装置がブロック図の形式で示してある。以下では、本発明の1つまたは複数の態様の簡略化された概要を提示して、その基本的な理解を得る。
【0019】
図2には、例示的な実施形態とともに実装することができる、例示的な4T型共有ピクセルのCMOSイメージ・センサの概略図が示してある。ピクセル100は、4つのサブピクセル、すなわち、それぞれのトランスファ・ゲート(TG0~TG3で示す)によってそれぞれが駆動される、フォトダイオード110A、110B、110C、および110D(PD0~PD3で示す)を備えることを除いて、前述の4T型ピクセルと同様の構成を含む。トランスファ・ゲートは、CMOSトランジスタであり、参照番号112A、112B、112C、および112Dで識別される。図に示すように、トランスファ・ゲート112A~112Dのそれぞれは、共通の読出し回路を共有し、フローティング・ディフュージョン・ポイント114、すなわちキャパシタCfdに接続されている。さらに示すように、トランジスタ116(リセット・トランジスタ)とトランジスタ117の両方は、ピクセルの電圧源(すなわち、VDD PIX)に接続されたドレインを有する。リセット・トランジスタ116のソースは、フローティング・ディフュージョン・ポイント114に接続されており、トランジスタ117のソースは、選択トランジスタ118のドレインに接続されている。選択トランジスタ118のソースは、列回路119に接続されている。
【0020】
以下でさらに詳細に述べるように、各サブピクセル(すなわち、フォトダイオードPD0~PD3のそれぞれ)は、その対応するトランスファ・ゲートを起動することによって別々に読み出すことができる。したがって、フォトダイオード110Aを読み出すために、トランスファ・ゲート112Aをオンにし/起動し、次いでトランスファ・ゲート112Bを起動することによってフォトダイオード110Bの読出しなどを実行する。場合によっては、それぞれのトランスファ・ゲートを同時に起動することによって、単一の読出し動作として複数のサブピクセルが一斉に読み出されることになる。一例としてタイミング図について、具体的な動作および読出し方法を以下で詳細に説明する。さらに、図2に示す例示的な4T型の4つの共有ピクセルは、本明細書に記載の差動デジタル二重サンプリング技法を使用して実装することができるピクセル配列に、ピクセルの一例を提供するものであることを理解されたい。しかし、この発明性のある技法は、他の同様のタイプのピクセル設計でも実施することができ、図2に示す特定の構成に限定されるものではない。
【0021】
図3には、例示的な実施形態による差動デジタル二重サンプリングを実行するように構成された、ピクセル・セル配列の一部分の上から見下ろす図が示してある。ピクセル配列200は、前述の多数のピクセルを含む。たとえば、例示的な配列200の中央に示すように、ピクセル100は、黒っぽい正方形の実線で示してあり、フォトダイオード110A~110Dと識別されるサブピクセル(すなわち、フォトダイオードPD0~PD3)を含む。さらに図に示すように、フォトダイオード120A、120B、120C、および120Dを含むピクセルが、ピクセル100の行の上方に行配列で示してあり、フォトダイオード130A、130B、130C、および130Dを含む別のピクセルが、ピクセル100の行の下方に行配列で示してある。
【0022】
例示的な実施形態によれば、この配列内に6列のサブピクセルがあり、各列のペアがそれぞれ、ともにピクセルを形成するそれぞれのペアのサブピクセルを有する。さらに、配列200は、深さが1125ライン、すなわち配列200内の1125の行である、垂直シフト・レジスタを含むことが好ましい。したがって、この実施形態では、配列のプラットフォームは、最大速度において1125行×6列、すなわち6750ラインに制限される。さらに、以下で詳細に説明するように、差動デジタル二重サンプリングは、2つのサブピクセルごとに1つの暗レベルで実行され、これにより、既存のピクセル配列読出し技法と比較して消費帯域幅を低減するのが容易になる。
【0023】
さらに図に示すように、ピクセル100のフォトダイオードのそれぞれは、前述の通り、そのそれぞれのトランスファ・ゲートに接続される。したがって、フォトダイオード110Aがトランジスタ112Aに接続され、フォトダイオード110Bがトランジスタ112Bに接続され、フォトダイオード110Cがトランジスタ112Cに接続され、フォトダイオード110Dがトランジスタ112Dに接続される。ピクセル100は実線の正方形で示してあるが、配列200は、隣接したピクセルのサブピクセルが同時に読み出されて帯域幅を最小限に抑えるように、各ピクセルの交差接続を設ける。各読出しが、破線およびボックスで示してある。したがって、以下の開示に基づいて容易に明らかになるように、サブピクセル210のグループ化を形成するサブピクセルが最初に読み出され、それに続いてサブピクセル220のグループ化についても同様である。図3に示す読出し方式は例示的な実施形態であるが、本明細書に記載の差動デジタル二重サンプリング技法は、交差接続設計なしで他の構成において実装できることを理解されたい。たとえば、発明性のあるこの差動デジタル・サンプリング技法は、サブピクセルが個別にアドレス指定されるピクセル構成においても実装することができる。
【0024】
したがって、ピクセル100のフォトダイオード110C(PD2)は、上の行のピクセルのフォトダイオード120B(PD1)が読み出されるときに同時に読み出される。同様に、ピクセル100のフォトダイオード110D(PD3)は、上の行でのピクセルのフォトダイオード120A(PD0)が読み出されるときに同時に読み出される。さらに、ピクセル100のフォトダイオード110A(PD0)が読み出されると、下の行でのピクセルのフォトダイオード130D(PD3)も読み出される。同様に、ピクセル100のフォトダイオード110B(PD1)が読み出されると、下の行でのピクセルのフォトダイオード130C(PD3)も読み出される。
【0025】
図2を参照して先に説明したように、特定のフォトダイオードの値を読み出すためには、それぞれのトランスファ・ゲートを起動しなければならない。この場合、2つの値を同時に読み出すために、トランスファ・ゲートの信号が、隣接する行でのピクセルに印加されるが、これはピクセルの一部ではない。たとえば、図に示すように、トランスファ・ゲート信号TG0/3(すなわち、信号230A)がトランジスタ112Aに印加され、その結果、先に図に示すようにピクセル110Aを読み出すことができる。さらに図に示すように、このトランスファ・ゲート信号230Aは、ピクセル100の行の下方での隣接した行でのフォトダイオード130D用のトランスファ・ゲートにも印加される。トランスファ・ゲート信号230Aが起動されるのと同じクロック・サイクル中に、制御回路も、トランスファ・ゲート信号230Bを起動し、これがピクセル100のフォトダイオード110B、およびピクセル100の真下のピクセルのフォトダイオード130C(すなわちPD2)のトランスファ・ゲートを起動する。図に示すように、トランスファ・ゲート信号230Aおよびトランスファ・ゲート信号230Bは、シフト・レジスタの同じ行に存在する。
【0026】
さらに、次の読出し期間中、トランスファ・ゲート信号232Aおよび232Bが同様に印加されることになる。トランスファ・ゲート信号232Aは、配列200でのピクセル100のフォトダイオード110C、およびピクセル100の真上のピクセルのフォトダイオード120Bについて、トランスファ・ゲートを起動する。同様に、トランスファ・ゲート信号232Bは、配列200でのピクセル100のフォトダイオード110B、およびピクセル100の真上のピクセルのフォトダイオード120Cについて、トランスファ・ゲートを起動する。ピクセル読出しの具体的なタイミングおよび動作は、タイミング図ついて以下で詳細に説明することにし、その技術的利点が、帯域幅の要求条件を低減することによって容易に明らかになろう。
【0027】
図4には、図3に示すピクセル・セル配列の一部分の、さらに詳細な図のブロック図が示してある。具体的には、図示した列は、サブピクセルA、B、Cn、およびDを含む、上記のピクセル100を含む。これらのサブピクセルは、前述のサブピクセル110A~110Dに対応する。さらに、前述の通り、各4T型共有ピクセルは、フローティング・ディフュージョン・ポイントを含み、これは、この図ではFDと示してあり110Eで表してある。さらに示すように、直前の行での4T型ピクセルは、サブピクセルAn-1、Bn-1、Cn-1、およびDn-1(フローティング・ディフュージョン・ポイントFDn-1を含む)によって形成され、2つのサブピクセルCn-2およびDn-2がこのピクセルの上方に形成される。同様に、ピクセルに追従する行は、サブピクセルAn+1、Bn+1、Cn+1、およびDn+1(フローティング・ディフュージョン・ポイントFDn+1を含む)によって形成された4T型ピクセルを含み、このピクセルの下方には、2つのサブピクセルAn+2およびBn+2が形成される。本開示のために、各ピクセルでの行は、行n-2、n-1、n、n+1、およびn+2とみなすことができる。
【0028】
前述の通り、互いに異なる隣接ピクセル行(たとえば、n-1行とn行、またはn行とn+1行)に存在する(配列に対して)垂直方向での2つの隣接サブピクセルにおいて、各トランスファ・ゲートが起動される。したがって、サブピクセルCn-1およびBでのトランスファ・ゲートが、トランスファ・ゲート信号230Bによってまず起動される。これらのサブピクセルCn-1およびBは互いに異なる行、すなわち互いに異なるピクセル内に存在するので、同じクロック・サイクル中に各値を読み出すことができる。次に、トランスファ・ゲート信号230Aを印加して、サブピクセルAおよびDn-1を起動する。以下でより詳細に述べるように、n番目のピクセル行(すなわち、ピクセル100)の読出し値は、AとBの2倍の明値である。トランスファ・ゲート信号230Bによる起動に応答して、Bの値が既に決定しているので、AとBの2倍の明値からBの値を減算することによって、ならびにピクセルの暗値を減算することによって、Aのピクセル値を決定することができる。トランスファ・ゲート信号230Aと230Bのペアによる起動の後、CMOSイメージ・センサが、サブピクセルA、B、Cn-1、およびDn-1の読出しの実行を完了する。この読出しは、サブピクセル110A(すなわちA)、サブピクセル110B(すなわちB)、サブピクセル130C(すなわちCn-1)、およびサブピクセル130D(すなわちDn-1)が1クロック・サイクル中にすべて読み出される図3に示す破線ボックスに対応することを理解されたい。
【0029】
図4に戻って参照すると、読出しの次のサイクル中に、トランスファ・ゲート信号232Bおよび232Aが印加されて、対応する各ピクセルを起動する。先に述べたのと同様に、サブピクセルCおよびBn+1でのトランスファ・ゲートは、トランスファ・ゲート信号232Bによってまず起動される。次に、トランスファ・ゲート信号232Aを印加して、サブピクセルAn+1およびDを起動する。n番目のピクセル行(すなわち、ピクセル100)の読出し値は、CとDの2倍の明値である。Cの値は、トランスファ・ゲート信号232Bによる起動に応答して既に決定されているので、Cのピクセル値は、Cに加えてDの2倍の明値からDの値とピクセルの暗値とを減算することによって決定することができる。したがって、トランスファ・ゲート信号232Aと232Bのペアによる起動の後、CMOSイメージ・センサは、サブピクセルC、D、Cn-1、An+1、およびBn+1の読出しの実行を完了する。
【0030】
図5Aおよび図5Bには、例示的な実施形態による差動デジタル二重サンプリングを提供するためのピクセル配列内の複数の4T型共有ピクセルの概略図が示してある。図5Aに示すように、この配列は、配列の垂直方向に1対の隣接行、すなわち第1のピクセル行n-1と第2のピクセル行nを含む。行nおよびn-1内のそれぞれ別々のピクセルが、図2について先に述べたのと同じ4T型共有トランジスタ回路構成を含むことを理解されたく、本明細書においてこのことは繰り返さない。図に示すように、1つのトランスファ・ゲート信号230Aが、サブピクセルCn-1のトランスファ・ゲート(TG0)およびサブピクセルBのトランスファ・ゲート(TG3)に印加される。同様に、別のトランスファ・ゲート信号230Bが、サブピクセルAのトランスファ・ゲート(TG2)およびサブピクセルDn-1のトランスファ・ゲート(TG1)に印加される。
【0031】
図5Bには、同じピクセル配列の回路図が示してあり、追加のトランスファ・ゲート信号232Aおよび232Bの印加も示してあり、これらは先に述べたのと同じトランスファ・ゲート信号である。両方の図では、各ピクセルの出力が列回路に接続されて、以下でより詳細に説明するように読出しをおこなう。ピクセル配列の読出しのタイミングは以下のように説明される。
【0032】
図6Aには、例示的な実施形態による差動デジタル二重サンプリングを提供するための、CMOSイメージ・センサの読出し回路が示してある。図に示すように、この回路は、デジタル二重サンプリング用に、ビデオ・レベルおよび暗レベルを蓄積するために設けられる4つのキャパシタ610A、610B、620A、および620Bを備える。具体的には、2つの「明るい」キャパシタ(すなわち、キャパシタ620Aおよび620B)が、ビデオ・レベルをサンプリングするために設けられ、2つの「暗い」キャパシタ(すなわち、キャパシタ610Aおよび610B)が、基準レベルをサンプリングするために設けられる。したがって、図に示すように、キャパシタ610Aおよび610Bは、キャパシタ基準電圧に結合されて、基準電圧から固定値を読み出し、キャパシタ620Aおよび620Bは、ピクセル配列のビット線(すなわち、列読出し)に結合されて、各ピクセル出力の暗値、明値、2倍の明値のピクセル電圧(ビデオ・レベル)をサンプリングする。以下で詳細に説明するように、読出し経路は完全に差動であり、各キャパシタの接続は動作モードに依存する。
【0033】
列の線119の端部には、ピクセル配列の出力を蓄積キャパシタ620Aおよび620Bに選択的に接続して、ピクセル配列から、暗値、明値、および2倍の明値をそれぞれサンプリングするための、2つのスイッチ621Aおよび621Bが存在する。さらに、読出し回路は、蓄積キャパシタ610Aおよび610Bをキャパシタ用の基準電圧に選択的に接続するための、さらに2つのスイッチ611Aおよび611Bを備える。
【0034】
キャパシタ620A、620B、610A、および610Bはそれぞれ、これらのキャパシタを以前の値GNDにリセットするために、リセット・スイッチ631A、631B、631C、および631Dにそれぞれ並列に接続される。以下で考察するように、ピクセルのサンプリング中および読出し中に、カウンタ・サイクルのあらゆるカウントでリセット信号RST_CCAPが周期的に印加される。さらに、蓄積キャパシタと母線(図示せず)の間に列選択スイッチ641A~641Dがそれぞれ設けられており、この母線は、最終的には、測定された差動電圧をA/D変換器(やはり図示せず)に、次いでバッファに出力する。したがって、列選択スイッチ641A~641Dを制御して、蓄積キャパシタ610A、610B、620A、および620Bから、一度に各列のうちの1列に、また母線に蓄積信号を出力する。ピクセルのそれぞれが、所与の時点で、行デコーダによって起動される。
【0035】
有利には、この設計を使用して、ピクセル配列からのピクセル出力電圧のサンプリングが、A/D変換から切り離される。こうして切り離すことにより、直列動作の代わりに、これら2つの動作を並列にすることによって、ピクセル出力電圧の高速読出しが可能になる。
【0036】
図6Bおよび図6Cには、例示的な実施形態による、図6Aに示す読出し回路の動作状態が示してある。図に示すように、スイッチ621Aおよび641A、ならびにスイッチ621Bおよび641Bが、開状態と閉状態の間で交互に切り替わり、その結果、キャパシタ620Aが、ピクセル配列(たとえば図6B)から読出し値を取得している間、キャパシタ620Bでの値が読み出されている。基準電圧用のスイッチ611Aおよび641C、ならびに611Bおよび641Dにおいても、同様の動作が実行される。回路の詳細およびその動作を、以下のように説明する。
【0037】
具体的には、図6Dには、例示的な実施形態による、図6Aに示す読出し回路の概略図が示してある。一般に、列読出し回路は、複数のスイッチによってピクセル配列に選択的に結合された4つの列キャパシタ、すなわちキャパシタ610A、610B、620A、および620Bから形成される。前述の通り、蓄積キャパシタ620Aおよび620Bが設けられて、暗値、明値、および2倍の明値を、それぞれピクセル配列からサンプリングする。さらに、蓄積キャパシタ610Aおよび610Bが設けられて、キャパシタでの基準電圧をサンプリングする。
【0038】
例示的な実施形態によれば、各キャパシタは、ビット線119上のサンプリング値を受け取ることによって、ピクセル配列からの水平読出しを切り離すように構成される。この態様では、それぞれのカウントにおいて、2つのキャパシタがサンプリングされ、2つのキャパシタが交互に読み出される。したがって、スイッチのそれぞれが、対応するリセット信号および制御信号に基づいて駆動される。前述の通り、キャパシタのそれぞれが、リセット・スイッチ631A、631B、631C、および631Dにそれぞれ並列に接続されている。動作のそれぞれのカウント中に、短いパルス(たとえば、49ナノ秒)が起動されて、スイッチを閉じて強制的に接地接続することによってキャパシタをリセットする。
【0039】
さらに、キャパシタ620Aおよび620Bは、スイッチ621Aおよび621Bによってビット線119に結合されている。図6Dの例では、スイッチ621Aは閉じているので、キャパシタ620Aはビット線119に接続されている。したがって、キャパシタ620Aは、サンプリング・モードにあり、すなわちピクセル配列から出力されている暗値、明値、および2倍の明値のうち1つをサンプリングしている。あるいは、スイッチ621Bは開いているので、現在、キャパシタ620Bはビット線119に接続されていない。次のカウントで、制御信号がスイッチ621Bを閉じ、スイッチ621Aを開いて、動作を逆転させることになる。さらに図に示すように、列接続スイッチ641Aおよび641Bは、A/D変換器(図示せず)を含む下流の回路にキャパシタ620Aおよび620Bを接続する。この例では、スイッチ641Bが閉じていて、キャパシタ620Bを母線の下流側に接続し、したがって回路によって読み出される。次のカウントで列接続スイッチ641Aと641Bが逆転し、したがってキャパシタ620Aを読み出すことができる。
【0040】
キャパシタ610Aおよび610Bに接続されたスイッチが、前述のスイッチと同様に動作する。図に示すように、キャパシタ610Aおよび610Bは、スイッチ611Aおよび611Bによって、キャパシタ基準電圧(すなわち、REF1)に結合される。図に示す例では、スイッチ611Aは閉じているので、キャパシタ610Aは基準電圧に接続されている。したがって、キャパシタ610Aは、サンプリング・モードにあり、すなわち、基準電圧をサンプリングしている。あるいは、スイッチ611Bは開いているので、現在、キャパシタ610Bは基準電圧に接続されていない。次のカウントで、制御信号がスイッチ611Bを閉じ、スイッチ611Aを開いて、動作を逆転させることになる。さらに図に示すように、列接続スイッチ641Cおよび641Dは、A/D変換器(図示せず)を含む下流の回路にキャパシタ610Aおよび610Bを接続する。この例では、スイッチ641Dが閉じていて、キャパシタ610Bを母線の下流側に接続し、したがって回路によって読み出される。次のカウントで、これらのスイッチが逆転し、したがってキャパシタ610Aを読み出すことができる。
【0041】
動作にあたっては、キャパシタCB1およびCB2(すなわち、キャパシタ620Aおよび620B)が、(ビット線119を介して)ピクセル配列からの値を交互にサンプリングし、A/D変換器の下流側で値を読み出す。同様に、キャパシタCD1およびCD2(すなわち、キャパシタ610Aおよび610B)が、基準電圧からの値を交互にサンプリングし、A/D変換器の下流側で値を読み出す。したがって、サンプリングされたピクセル値とサンプリングされた基準値との電圧差が、列読出し回路から連続して出力されて、デジタル二重サンプリング処理での非励振状態と励振状態の両方を含む各サブピクセルの値が得られる。以下に述べるタイミング図で、CMOSイメージ・センサの動作をより詳細に説明する。
【0042】
特に、図7Aには、例示的な実施形態による差動デジタル二重サンプリングを提供するための、CMOSイメージ・センサのピクセル配列のタイミング図が示してある。図に示すように、水平読出し方式は、カウンタ、すなわち各読出しを実行するために6カウントを実現する4k SubCntに基づく。この点に関して、このカウンタは、周期が固定のクロックに同期してカウント動作を実行する。一実施形態では、読出しは、1080p規格に従って実行され、それぞれの読出し(すなわち、各クロック・サイクル)は14.86μsで実行される。一般に、各読出しサイクルの後に、得られる6つの値、すなわち2つの暗値、2つの明値、および2つの2倍の明値が存在する。これらの値を使用して、差動デジタル二重サンプリング技法を用いた後、4つのピクセルの訂正されたデジタル出力を得ることができ、これが4k/UHD規格を生成する。
【0043】
例示するために、タイミング図には、図4に示し、先に述べたサブピクセルに従って注釈が付いている。図に示すように、第1のカウント値において、リセット信号Rst1が、行n-1に印加され、より具体的には、フローティング・ディフュージョン・ポイントfdn-1をリセットするために印加される。リセット信号の幅は、222MHzで22クロック、すなわち99ナノ秒であることが好ましい。この同じカウント中に、選択信号Sel1が、行n-1、すなわちRn-1に印加される。選択信号の幅は、222MHzで210クロック、すなわち943ナノ秒であることが好ましい。同様に、第2のカウント値において、リセット信号Rst2が、行n、すなわちフローティング・ディフュージョン・ポイントfdに印加され、選択信号Sel2が、行n、すなわちRに印加される。したがって、DDSフィルタリング技法によれば、各ピクセルについてデジタル・データDrst(すなわち、暗値)を得ることができるように、行n-1および行nのそれぞれがリセットされていることを理解されたい。これは、読出し行(すなわち「READ」)に示してあり、ここで、クロック・サイクルのカウント2および3の間に、暗値Rn-1およびRがピクセル配列から読み出される。
【0044】
一般に、当業者には理解されるように、タイミング図には、キャパシタが、各カウントの先頭でRST_CCAP値によってリセットされ、キャパシタ620Aおよび620B用の制御信号SW_B、およびキャパシタ610Aおよび610B用の制御信号SW_Dが連続して印加されて(すなわち、前述の通り、各スイッチが開状態から閉状態に繰り返し切り替わって)、ビット線上のデータをサンプリングすることが示してある。これらキャパシタのリセットおよびサンプリングは、サイクル内の別々の各カウントについては説明しないことにする。
【0045】
暗値Rn-1およびRがカウント1および2でサンプリングされ、カウント2および3で読み出されると、タイミングは、サイクルのカウント3へと続く。図に示すように、トランスファ・ゲートTG1/2が印加されて、行n-1およびnでの対応するサブピクセルを起動する。たとえば、このトランスファ・ゲート信号TG1/2は、前述の信号230Bに対応し、サブピクセルCn-1、Bを起動する。したがって、選択信号Sel1が行n-1に再び印加されると、カウント4においてさらに示すように、サブピクセルCn-1を読み出すことができる。同様に、選択信号Sel2が行nに再び印加されると、カウント5においてさらに示すように、サブピクセルBを読み出すことができる。トランスファ・ゲート信号の幅は、222MHzで320クロック、すなわち1437ナノ秒であることが好ましい。読み出された明値(たとえば、サブピクセルCn-1)はまた、対応する暗値(たとえば、暗値Rn-1)を含むようになることに留意されたい。したがって、本明細書でさらに説明するように、この明値は、測定された明値Cn-1から測定された暗値Rn-1を減算することなどによって計算される。
【0046】
さらに、カウント5において、トランスファ・ゲートTG0/3が印加されて、行nおよびn-1での対応するサブピクセルを起動する。このトランスファ・ゲート信号TG0/3は、前述の信号230Aに対応し、サブピクセルDn-1およびAを起動する。したがって、選択信号Sel1が行n-1に再び印加されると、カウント6においてさらに示すように、サブピクセルCn-1とDn-1の両方の2倍の明値を読み出すことができる。同様に、選択信号Sel2が行nに再び印加されると、次のクロック・サイクルのカウント1においてさらに示すように、サブピクセルBおよびサブピクセルAの2倍の明値を読み出すことができる。したがって、このカウンタ・サイクル中に、読出し回路が、サブピクセルCn-1およびBからの値、サブピクセルCn-1およびDn-1、ならびにサブピクセルAおよびBからの2倍の明値、ならびに対応する暗値Rn-1およびRのサンプリングを完了する。以下に述べるように、サブピクセルDn-1の値は、2倍の明値および暗値Rn-1からCn-1の値を差し引くことなどによって求めることができる。同様に、サブピクセルAでの各値は、2倍の明値ならびに暗値RからBの値を差し引くことによって求めることができる。
【0047】
クロック・サイクルの6カウントの後、シフト・レジスタのクロックは、ピクセル配列での次の行にシフトする。図7Bには、配列内の次の行での制御信号のタイミング図が示してある。図7Aのタイミング図について先に述べたものと同じ動作が実行され、本明細書においてこの動作は繰り返さない。
【0048】
図8には、例示的な実施形態による差動デジタル二重サンプリングを提供するための、CMOSイメージ・センサのピクセル配列の測定されたピクセル出力値のシミュレーションが示してある。図に示すように、初期の暗値(すなわち、Darkn-1すなわちDn-1、およびDarkすなわちD)は、283dよりわずかに低い第1の値で測定される。次に、サブピクセルCn-1またはBの測定値は、ほぼ680dで測定される。さらに、Cn-1とDn-1の2倍の明値は、940dの値をわずかに超える値で測定される。したがって、本明細書に記載のデジタル二重サンプリング方法を適用すると、サブピクセルCn-1およびBの値は、暗値Darkn-1(すなわち、Dn-1)およびDark(すなわちD)をそれぞれ減算することによって計算することができる。さらに、サブピクセルDn-1の値は、測定値から、サブピクセルCn-1の値および暗値Darkn-1(すなわちDn-1)を減算することによって求めることができる。このシミュレーションは、先に説明し、たとえば図4など各図に示した現在の交差接続ピクセル読出し方式に基づいていることを理解されたい。代替実施形態では、技法として交差接続が使用されなかった場合、ピクセル読出しの順序は、(暗い、暗い、明るい、明るい、2倍明るい、2倍明るいの代わりに)、たとえば、暗い、明るい、2倍明るい、暗い、明るい、2倍明るいとすることもできる。
【0049】
図9には、例示的な実施形態による差動デジタル二重サンプリングを提供するための、CMOSイメージ・センサのピクセル配列向けの垂直読出し方式のタイミング図が示してある。前述の通り、本明細書に記載のピクセル配列(すなわち、図3に示すピクセル配列200)は、深さが1125ライン、すなわち配列200内で1125行である垂直シフト・レジスタを含むことが好ましい。したがって、クライアントVC1080pは、カウントが1~1125であるものとして示してある。当業者には理解されるように、リセット信号RST1およびRST、選択信号SEL1およびSEL2、ならびにトランスファ・ゲート起動信号TG0/3およびTG1/2のそれぞれが、行デコーダから受け取った制御信号に応答して、各行内で繰り返すように示してある。ピクセル配列200での各行に対して、対応するリセット信号、選択信号、およびトランスファ・ゲート起動信号が存在することを理解されたい。したがって、本明細書に記載のタイミング動作を使用して説明するように、各行が繰り返してサンプリングされる。
【0050】
最後に、図10には、例示的な実施形態による差動デジタル二重サンプリングを提供するための、CMOSイメージ・センサのブロック図が示してある。図に示すように、CMOSイメージ・センサ900はピクセル配列910を含み、これは、たとえば多数の4T型共有ピクセル構成を含む、本明細書に記載のピクセル配列200とすることができる。さらに、ピクセル配列910の出力は、アナログ読出し経路およびA/D変換器920に供給され、このA/D変換器は、ピクセル配列910からのアナログ出力電圧を処理して、アナログ・ピクセル信号をデジタル信号に変換するために設けられる。当業者には知られているように、アナログ読出し経路およびA/D変換器920は、図6A図6Dに示す読出し回路、および測定されたアナログ信号をデジタル信号に変換するためのA/D変換器を備えることを理解されたい。
【0051】
さらに図に示すように、アナログ読出し経路およびA/D変換器920から出力されたデジタル信号を記憶するために、ラッチ配列ユニット(またはライン・バッファ)930が設けられる。ライン・バッファ930は、ピクセル配列910の各ピクセルの読出し順序に応じて、複数のラインを含むことができると理解されたい。さらに、前述のユニットを制御し、インターフェースを介して外側(たとえば、表示装置)にデータを出力する際に使用される制御信号を供給するために、制御ユニット950が設けられる。たとえば、制御ユニット950は、行デコーダ940(まとめて、ピクセル・サンプリング装置)と連携して、図7Aおよび図7Bについて先に述べた起動信号を生成することができる。さらに、一実施形態では、制御ユニット950は、キャパシタ読出しの各スイッチを開閉するための制御信号を生成することもできる。
【0052】
さらに、ラッチ配列ユニット830から制御ユニット950に、データ信号を供給することができる。例示的な実施形態によれば、サンプリングされた明値からピクセルのそれぞれの暗値を減算することにより、制御ユニット950、すなわちピクセル出力計算装置によって各フォトダイオードの明値を計算することができる。たとえば、図7Aに示すようなサンプリングされた明値Bは、B+Rの合成出力値から暗値Rを減算することによって計算することができる。同様に、明値Aは、明値Aと明値Bの合成出力値に暗値Rを加えた値から、暗値Rおよびサンプリングされた明値Bを減算することによって計算することができる。当業者には理解されるように、これらの計算は、ソフトウェア、ハードウェア、またはその組合せで実行することができる。
【0053】
制御ユニット950は、本明細書に記載の制御アルゴリズムを実行するための、1つまたは複数のプロセッサ、および1つまたは複数のモジュールを含むことができる。各モジュールは、プロセッサ内で実行されるか、もしくはメモリに常駐/記憶されるソフトウェア・モジュール、プロセッサに結合された1つもしくは複数のハードウェア・モジュール、またはこれら何らかの組合せでもよい。プロセッサの例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、状態機械、ゲート・ロジック、ディスクリート・ハードウェア回路、および本開示全体を通して説明される様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアが含まれる。処理システム内の1つまたは複数のプロセッサが、ソフトウェアを実行してもよい。ソフトウェアは、これをソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語または他の方法などと呼ぶかどうかはともかく、命令、命令セット、コード、コード・セグメント、プログラム・コード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェア・モジュール、アプリケーション、ソフトウェア・アプリケーション、ソフトウェア・パッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行のスレッド、手順、機能などを意味するように広く解釈される。
【0054】
さらに、制御ユニット950は行デコーダ940に結合されており、この行デコーダは、たとえば、制御ユニット950から送出された制御信号に基づいて、ピクセル配列910での行を選択するための信号を出力するように構成された、ピクセル配列のピクセル・サンプリング装置とみなすことができる。
【0055】
アナログ読出し経路、およびA/D変換器920は、前述の通りピクセル配列910の列の数と同数の比較器を備えることが好ましい。比較器はそれぞれ、配置されている列のアナログ・ピクセル値を、デジタル信号に変換する役割を果たす。デジタル信号は、ピクセル配列910の列の数と同数のラッチを含む、ラッチ配列ユニット930に記憶される。ラッチ配列ユニット930に記憶されたデジタル信号は、制御ユニット950によって画像処理を受け、次いで、画像処理順にイメージ・センサの出力ピンを介して順次出力される。したがって、当業者には理解されるように、制御ユニット950は、電子装置の画面上に表示される画像データを生成するためのデータを出力するように構成される。
【0056】
本明細書での開示によれば、例示的な方法およびセンサが、必要とされる出力帯域幅を低減し、アナログの一連のピクセル配列全体を通してデジタル二重サンプリングを可能にする、ピクセル配列からのピクセル値の効率的な読出しを実現する。さらに、開示された技法を使用すると、ブラック・サンおよび変動するアナログ外乱のような影響が回避および抑制される。
【0057】
有利には、暗値のサンプリング中に、第1のサンプルにおいてイメージ・センサが光を受光しないとき、暗値はkTCを保持し、光電荷が加えられないので第2および第3のサンプルもkTCを含む。したがって、すべてのピクセルが読取りノイズのみを保持し、kTCが抑制される。
【0058】
さらに、本明細書に記載のCMOSイメージ・センサおよび方法によって、デジタル・クランプを用いる光学的なブラック・ラインの必要性が回避される。一般に、放送用の照明は非常に明るく、100%遮蔽することができないので、光学的な黒を作り出すのが非常に困難である。この技術的な制限によって、目に見えるアーティファクトが生じる。開示されたCMOSイメージ・センサおよび方法によって、このようなアーティファクトが防止および/または制限される。クランプは、常に何らかの低周波ノイズを発生させ、これが非常に邪魔になる。さらに、ラインクランプでの残留誤差によって、画像内に垂直線が生じる。したがって、CMOSイメージ・センサによって、デジタル・クランプを用いる光学的なブラック・ラインの必要性が回避される。
【0059】
上記の例では、すべてのスイッチング信号が正論理信号であり、すなわち、ハイレベルすなわち「1」の場合にはスイッチを閉じると考えられることを理解されたい。しかし、逆の論理を使用することも可能であり、または正と負の両方の論理を混在するように使用することも可能である。さらに、開示されたCMOSイメージ・センサおよび方法によって、前述の通り、デジタル二重サンプリング段で生じるノイズが低減し、読出し回路全体の速度が上がる。一態様では、読出し回路の速度が上がることによって、マトリックス内のピクセルの数が増加し、これは高精細イメージングにとって重要な特徴である。
【0060】
先に述べた例示的な実装形態とともに各態様を説明してきたが、様々な代替形態、修正形態、変形形態、改良形態、および/または実質的な均等物は、それが知られているかどうか、または今は予想できないもしくは予想できない場合もあるかどうかにかかわらず、少なくとも当業者には明らかになろう。したがって、本発明の例示的な実装形態は、先に述べたように、例示的なものであり、限定するものではない。各態様の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えてもよい。したがって、各態様は、既知のまたは今後開発されるあらゆる代替形態、修正形態、変形形態、改良形態、および/または実質的な均等物を包含するものである。
【0061】
したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示す各態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲の文言と一致するすべての範囲が調和すべきであり、単数形のある要素への言及は、特段の言及がない限り、「ただ1つ」を意味するものではなく、むしろ「1つまたは複数」を意味するものである。他に特段の言及がない限り、「いくつか」という用語は、1つまたは複数を指す。当業者に知られているか、または後に知られることになる、本開示全体を通して説明した様々な態様の各要素に対するすべての構造的かつ機能的な均等物は、明示的に参考として本明細書に援用され、特許請求の範囲によって包含されるものである。さらに、本明細書に開示されたものは、このような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公にゆだねるものではない。要素が「ミーンズ・フォー」という語句を使用して明示的に記載されていない限り、いかなるクレーム構成要素もミーンズ・プラス・ファンクションと解釈すべきではない。
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図5A
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