(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】接続チューブを作製するための継手装置
(51)【国際特許分類】
F16L 19/065 20060101AFI20220426BHJP
【FI】
F16L19/065
(21)【出願番号】P 2020553450
(86)(22)【出願日】2019-03-28
(86)【国際出願番号】 US2019024609
(87)【国際公開番号】W WO2019195079
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-06-14
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】1020180040595
(32)【優先日】2018-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519297388
【氏名又は名称】キム,ブライアン,ビー.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジェ,ゴン
(72)【発明者】
【氏名】シン,ビョン,ファン
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-526911(JP,A)
【文献】米国特許第06168211(US,B1)
【文献】米国特許第04834706(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 19/065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管継手装置であって、
継手本体であって、第1端部が第1配管の外周面に
形成された雄ねじに回転可能に接続され、第2端部が
、前記第2端部内に挿入される第2配管の外面を囲み、
溝を有する先細傾斜面が
、前記継手本体と前記第2配管との間に隙間が形成される
ように前記第2端部の内部に形成される、継手本体と、
固定ナットであって、前記固定ナットの第1端部が前記継手本体の前記第2端部の外周面に回転可能に接続され、前記固定ナットの第2端部が前記第2配管の前記外面を囲む、固定ナットと、
前記固定ナットの内部に設けられ、前記固定ナットが回転し締め付けられるときに前記第2配管を押し付けるコレット
であって、前記コレットが、前記固定ナットの内部に設けられた座面部と
、前記座面部に接続され
た曲げ部であって、前記曲げ部の内部に曲げ溝が形成され、前記固定ナットが締め付けられたときに
前記曲げ部が前記隙間内に移動させられて下向きに曲げられるように、前記曲げ部の端部が前記隙間に位置決めされ
る、曲げ部と、前記曲げ部の前記端部の内部
から垂直に下向きに突出し、前記第2配管を押し付け
て密封する、押さえ部と、
保護部であって、前記曲げ部の前記端部から
平行に突出
することによって前記保護部と前記押さえ部
との間に空間を形成する保護部と、を
含む、コレットと、
前記継手本体の内部の前記先細傾斜面内で前記隙間内に挿入されるように凸状に形成され、前記第2配管に対して押し付けられ、前記コレットが前記隙間内に移動するときに前記保護部に対して押し付けられる継手本体パッキンと、を備える、配管継手装置。
【請求項2】
前記第1配管と前記継手本体との間に設けられたフレアパッキンをさらに備え、
前記フレアパッキンは、前記第1配管のフレア傾斜部分の角度に従っ
て前記フレア傾斜部分に対して対応して押し付けられる異なる傾斜角を有する二重平面表面を含む、請求項1に記載の配管継手装置。
【請求項3】
前記固定ナットの内部に配置され、前記固定ナットの移動を防止するために前記第2配管に押し付けられて固定され
る固定ナットパッキンであって、前記コレットが押されるのを防止するように前記コレットの前記座面部に対して押し付けられ
る固定ナットパッキンをさらに備える、請求項1に記載の配管継手装置。
【請求項4】
前記継手本体と前記固定ナットとの外周面上に
接着テープがテーピングされて、前記固定ナットの回転を防止し、前記継手本体と前記固定ナットとの間の所定の距離を維持する、請求項1に記載の配管継手装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2018年4月6日に出願された韓国特許出願第10-2018-0040595号の優先権の利益を主張し、参照によりその全体が組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、配管継手装置に関し、より詳細には、配管を接続し、接続された配管間の気密性を維持するように構成された配管継手装置に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 一般に、配管を接続するには、別の配管を配管に挿入するために配管を拡張する必要があり、配管を溶接する必要がある。しかしながら、溶接による配管の接続には、専門家の専門的な技術と溶接のための作業工具が必要であり、溶接作業中に火災の危険が生じ、溶接時間が長いという欠点がある。
【0004】
[0004] ナットを使用して配管を結合できる継手装置が開発されており、その欠点を補うことができる。継手装置はナットを締め付けるだけで結合できるため、専門家の専門的な技術や溶接のための様々な作業工具が不要で、溶接作業が行われないため、火災の危険性がなく、何よりも作業時間が短縮されるという利点がある。
【0005】
[0005] しかしながら、配管を接続するための継手装置は速やかに配管を接続することができるが、配管を接続した後に配管間の気密性を維持しなければならないという問題がある。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本発明は、配管が接続されている間に配管が接続されている部分の気密性を維持することができる配管継手装置を提供することを対象とする。
【0007】
[0007] 本発明はまた、配管が接続されている間に配管接続操作を容易に行うために、配管に一時的に固定可能な配管継手装置を提供することを対象とする。
【0008】
[0008] 本発明の一態様によれば、配管継手装置は、第1端部が第1配管の外周面に回転可能に接続され、第2端部が第2配管の外面を囲み、傾斜面が先細りされ、継手本体の第1端部から深度で継手本体の内部に形成され、継手本体と第2配管との間に隙間が形成される、継手本体と、固定ナットであって、固定ナットの第1端部が継手本体の第2端部の外周面に回転可能に接続され、固定ナットの第2端部が第2配管の外面を囲む、固定ナットと、固定ナットの内部に設けられ、固定ナットが回転し締め付けられるときに第2配管を押し付けるコレットと、を備え、コレットが、固定ナットの内部に設けられた座面部と、曲げ部であって、座面部に接続され、曲げ部の内部に曲げ溝が形成され、固定ナットが締め付けられたときに曲げ部の端部が隙間に位置決めされ、その中に移動し、曲げ部が下向きに曲げられる、曲げ部と、曲げ部の端部の内部に形成され、第2配管を押し付け、密閉する、押さえ部と、曲げ部の端部から突出し、押さえ部を保護する保護部と、を含む。
【0009】
[0009] 配管継手装置は、フレアパッキンをさらに含んでもよく、フレアパッキンは、第1配管と継手本体との間に設けられてもよく、フレア傾斜部分の角度に従って第1配管のフレア傾斜部分に対して対応して押し付けられる異なる傾斜角を有する二重平面表面を含む。
【0010】
[0010] 配管継手装置は、固定ナットパッキンをさらに含んでもよく、固定ナットパッキンは、固定ナットの内部に配置され、固定ナットの移動を防止するために第2配管に押し付けられ固定され、コレットが押されるのを防止するようにコレットの座面部に対して押し付けられてもよい。
【0011】
[0011] 配管継手装置は、継手本体パッキンをさらに含んでもよく、継手本体パッキンは、継手本体内に設置され、第2配管に対して押し付けられ、コレットが隙間に移動するときに保護部に対して押し付けられてもよい。
【0012】
[0012] 接着テープは、継手本体と固定ナットとの外周面の周りにテーピングされて、固定ナットの回転を防止し、継手本体と固定ナットとの間の所定の距離を維持してもよい。
【0013】
[0013] 上記のように、次の効果が期待される。
【0014】
[0014] まず、固定ナットを回転させて継手本体に結合し、固定ナットの内部に設置されたコレットを曲げているため、配管を押し付けて密閉することができる。加えて、コレットが押し付けられ、密閉を実行する押さえ部が保護部によって保護されるため、他の構成要素の衝撃による押さえ部のスタンピング又は損傷を防止することができる。
【0015】
[0015] また、配管及び配管継手装置は、継手本体及び固定ナットの内部にそれぞれ配設された継手本体パッキン及び固定ナットパッキンによって手動で回転し一時的に固定され、スパナで締め付けるため、別個の固定装置は不要である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の一実施形態による、配管継手装置を示す斜視図である。
【
図2】本開示の一実施形態による、配管継手装置を示す分解斜視図である。
【
図3】本開示の一実施形態による、
図1の構成を示す断面図である。
【
図4】本開示の一実施形態による、フレアパッキンを示す拡大図である。
【
図5】本開示の一実施形態による、コレットを示す拡大図である。
【
図6】本開示の一実施形態による、第1配管接続動作が実行されるときの配管継手装置を示す概略図である。
【
図7】本開示の一実施形態による、第2配管接続動作が実行されるときの配管継手装置を示す概略図である。
【
図8】本開示の一実施形態による、第3の配管接続動作が実行されるときの配管継手装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0024] 本開示の実施形態は、添付図面を参照して詳細に説明される。
【0018】
[0025]
図1は本発明の一実施形態による配管継手装置を示す斜視図であり、
図2は本発明の一実施形態による配管継手装置を示す分解斜視図であり、
図3は
図1の構成を示す図であり、
図4はフレアパッキンを示す拡大図であり、
図5はコレットを示す拡大図である。
【0019】
[0026]
図1を参照すると、本開示による配管継手装置は、継手本体100と、第1配管10と第2配管20とを接続する固定ナット200と、を含み、詳細な構造が
図3に示される。
【0020】
[0027]
図2及び
図3を参照すると、本発明の一実施形態による配管継手装置の主な構成要素は、継手本体100、固定ナット200、及びコレット300であり、配管継手装置は、フレアパッキン400、継手本体パッキン500、及び固定ナットパッキン600をさらに含む。
【0021】
[0028] 継手本体100は、第1配管10と第2配管20とを接続するように構成された本体である。
【0022】
[0029] 継手本体100は、全体的に円筒形状に形成され、継手本体100の外周面は、スパナによって使用されるナット形状に形成される。加えて、継手本体100は、流体が流れ得る長さに沿った空洞を有する。
【0023】
[0030] 雌ねじ山部は、継手本体100の第1端部に形成され、第1配管10の端部の外周面上に形成された雄ねじ山部に回転可能に結合される。加えて、傾斜面は、継手本体100の内部に、第1配管10のフレア傾斜部分12及びフレアパッキン400に対応するように、雌ねじ山部の位置よりも深い位置に形成される。フレアパッキン400は、第1配管10のフレア傾斜部分12と継手本体100の傾斜面との間で押し付けられ、密封されることができる。
【0024】
[0031] 一実施形態によれば、フレアパッキン400は、フレア傾斜部分12の角度に従って第1配管10のフレア傾斜部分12に対して対応して押し付けられるように、
図4に示されているように、各表面部が異なる傾斜角度を有する二重平面表面を含む。フレア傾斜部12の角度は、国によって異なり得るが、概して45°又は37°である。フレアパッキン400は、傾斜角45°の傾斜面及び傾斜角37°の傾斜面を含むため、フレアパッキン400は、一般的な目的のために形成され、使用され得る。ここで、フレアパッキン400はまた、銅又はアルミニウム材料から形成されてもよい。
【0025】
[0032] 加えて、雄ねじ山部は、固定ナット200の第1端部の内部の雌ねじ山部に回転可能に結合するために、継手本体100の他端の外周面上に形成される。継手本体100内の傾斜面は、継手本体100のいずれかの端部よりも小さな断面積を有し、第2配管20が通過することを可能にする水平部につながる。その後、第2配管20の外側を囲み、傾斜面の端部の内部が先細りされているものは、継手本体100の反対側の内部に形成され、水平方向に結合された傾斜面と第2配管20との間に隙間を有する。加えて、第2配管20で密封された継手本体パッキン500は、継手本体100の反対側の内部、すなわち、先細傾斜面の位置よりも深い位置に設置される。
【0026】
[0033] 一実施形態によれば、継手本体パッキン500は、継手本体100及び第2配管20の両方に対して押し付けられ、継手本体100及び第2配管20を密閉する構成要素であり、ゴム材料で形成され、固定ナット200が継手本体100に対して締め付けられるときにコレット300に対して押し付けられる。
【0027】
[0034] 一実施形態によれば、固定ナット200は、第2配管20を固定するために継手本体100に対して締め付けるための構成要素である。
【0028】
[0035] 固定ナット200の第1端部は、継手本体100の第2端部で外周面に回転可能に接続される。固定ナット200の第2(反対側の)端部は、第2配管20の外面を囲む。
【0029】
[0036] 加えて、固定ナットパッキン600は、第1端部を通して固定ナット200に挿入されて設置され、次いで、コレット300は、その後、第1端部を通して固定ナット200に設置される。
【0030】
[0037] 一実施形態によれば、固定ナットパッキン600は、第2配管20が固定ナット200に挿入されたときに第2配管20に対して一時的に固定されるように第2配管20に対して押し付けられることができる構成要素であり、ゴム材料から形成されている。
【0031】
[0038] 一実施形態によれば、コレット300は、リング形状で形成され、固定ナット200が継手本体100に向かって締め付けられているときに第2配管20に対して押し付けて密封するための構成要素である。
【0032】
[0039] 一実施形態によれば、固定ナット200が回転し締め付けられると、コレット300は、継手本体100と第2配管20との間の隙間に移動して、第2配管20に対して押し付ける。
【0033】
[0040] 一実施形態によれば、コレット300は、座面部320、曲げ部340、押さえ部360、及び保護部380を含み、これらはすべて
図5に示されているように一体的に形成されている。
【0034】
[0041] 具体的には、コレット300は、固定ナット200の内部に位置決めされ、リング形状で形成される座面部320と、座面部320から延在し、曲げ部の内側に曲げ溝342が形成された曲げ部340と、を含む。曲げ部340の端部は、継手本体と第2配管20との間の隙間の開口部に位置決めされ、固定ナット200が締め付けられたときに隙間に押し込まれ、曲げ部340を曲げ溝342において下方に曲げさせる。押さえ部360は、曲げ部340の端部に近接して内側に形成され、第2配管20に対して押し付け、密封する。保護部380は、曲げ部340の端部から突出し、押さえ部360を保護する。
【0035】
[0042]
図3に示されるように、コレット300は継手本体100に向かって移動され、固定ナット200が締め付けられたときに押し付けられる。曲げ部340の端部(
図5を参照)が隙間に移動されるとき、曲げ部340の端部は継手本体100の先細傾斜面に沿って移動され、押される。コレット300は、曲げ溝342で曲げられ、曲げ溝340(
図5を参照)の端部に内面上に形成された押さえ部360(
図5を参照)は、第2配管20の外周面に対して押し付け、密封する。
【0036】
[0043] 保護部380の形成を通じて、押さえ部360が別の構成要素と接触して保護されるのを防止し、保護部380が押さえ部360の前に形成されるため、押さえ部360が継手本体パッキン500と直接接触するのを防止することができ、したがって、押さえ部360が継手本体パッキン500のスタンピングを防止することができ、保護部380は継手本体パッキン500を保護することもできる。
【0037】
[0044] 次に、本発明による配管継手装置の使用方法について説明する。
【0038】
[0045]
図6は第1配管接続動作を行う場合の配管継手装置を示す概略図であり、
図7は第2配管接続動作を行う場合の配管継手装置を示す概略図であり、
図8は第3の配管接続動作を行う場合の配管継手装置を示す概略図である。
【0039】
[0046] 配管継手装置の接続方法のシーケンスは、
図6、
図7、
図8の順である。
【0040】
[0047]
図6を参照すると、まず、継手本体100及び固定ナット200は、一時的に結合される。継手本体100及び固定ナット200の外面はテープTによって固定されるが、継手本体100及び固定ナット200は締め付けられず、かつ緩められず、それによって第2配管20が挿入されることを可能にする。これは、継手本体100及び固定ナット200が非常に堅く締め付けられていると、継手本体パッキン500及び継手本体パッキン600が圧縮され、継手本体パッキン600及び継手本体パッキン500を介して第2配管20を挿入することができないためである。継手本体100に結合された固定ナット200は、第2配管20の外周面に沿って移動することができるため、固定ナットが締め付けられる前に、第2配管が正確な長さに位置決めされ得るという利点がある。加えて、テープTを取り外した後、継手本体100を回転させて第1配管10に結合してフレアパッキン400を圧縮し、継手本体100及び第1配管10を気密にする。
【0041】
[0048] 次に、
図7を参照すると、継手本体100に結合された固定ナット200が手動で回転され、締め付けられると、固定ナットパッキン600が圧縮され、第2配管20が一時的に固定ナット200に固定される。
【0042】
[0049] 次に、
図8を参照すると、固定ナット200がスパナSによって継手本体100に向かってさらに回転され、締め付けられるとき、コレット300が圧縮され、これにより曲げ部340が変形され、押さえ部360が第2配管20を押し付け、それによって気密にされる。一方、保護部380は、継手本体パッキン500を、第2配管20が圧縮されるように圧縮し、それによって気密にされる。
【0043】
[0050] 本発明の範囲は、上述した特定の実施形態に限定されない。添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者によって変更又は修正され得る様々な他の実施形態は、本発明の範囲内にある。