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特許7064040表示システム、及び表示システムの表示制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】表示システム、及び表示システムの表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20220426BHJP
【FI】
G06F3/01 570
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021081833
(22)【出願日】2021-05-13
(62)【分割の表示】P 2017135288の分割
【原出願日】2017-07-11
(65)【公開番号】P2021114343
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2021-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】501009849
【氏名又は名称】株式会社日立エルジーデータストレージ
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】藤原 貴之
(72)【発明者】
【氏名】町田 芳広
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 欣穂
(72)【発明者】
【氏名】石飛 竜哉
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-084287(JP,A)
【文献】特開2014-044476(JP,A)
【文献】特開2001-325069(JP,A)
【文献】特開2009-031368(JP,A)
【文献】特開2013-254251(JP,A)
【文献】特開2017-045296(JP,A)
【文献】特開2017-010120(JP,A)
【文献】特開2015-028654(JP,A)
【文献】特開2007-134785(JP,A)
【文献】特開2015-165437(JP,A)
【文献】特開平9-305743(JP,A)
【文献】特表2018-508805(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0187969(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0235902(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0016753(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/0346
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが頭部に装着する端末表示装置を備える表示システムであって、
前記端末表示装置が、
前記ユーザの視界に重畳して情報オブジェクトを表示するための表示部と、
前記端末表示装置の動作を検出するための動作検出部と、
前記端末表示装置の動作のパターンと前記表示部が表示している前記情報オブジェクトに対する操作内容とを対応づけて記憶している動作パターン記憶部と、
各前記情報オブジェクトについての表示形態に関する情報を記憶している情報種別管理記憶部と、
前記動作検出部が検出した前記端末表示装置の動作と、前記動作パターン記憶部に記憶されている前記動作パターンと前記操作内容との関連付けに基づいて前記情報オブジェクトに対する操作内容を判定するための動作判定部と、
前記表示部の所定の位置に配置されている前記情報オブジェクトを特定するための情報種別判定部と、
判定された前記操作内容で特定される操作を前記特定された情報オブジェクトに対して実行するための表示処理部と、
前記端末表示装置の前方にある被写体の映像情報を経時的に取得する映像検出部とを備え、
前記動作検出部が、前記端末表示装置が存在する任意の場所において、前記映像情報に含まれる前記被写体について複数の特徴点を検出し、複数の当該特徴点によって構成される図形の面積及び当該図形の重心位置の時間軸上の任意の二点間における変化によって前記端末表示装置の動作を検出し、
前記動作判定部が、前記動作検出部が検出した前記端末表示装置の動作と、前記動作パターン記憶部に記憶されている前記動作パターンと前記操作内容との関連付けに基づいて前記情報オブジェクトに対する操作内容を判定し、
前記情報種別判定部が、前記表示部の所定の位置に配置されている前記情報オブジェクトを特定し、
判定された前記操作内容で特定される操作を前記特定された情報オブジェクトに対して実行する、
表示システム。
【請求項2】
ユーザが頭部に装着する端末表示装置と、前記端末表示装置と通信可能に接続されている管理計算機とを備える表示システムであって、
前記端末表示装置が、
前記ユーザの視界に重畳して情報オブジェクトを表示するための表示部と、
前記端末表示装置の前方にある被写体の映像情報を経時的に取得する映像検出部と、
前記端末表示装置の動作を検出するための動作検出部と、を備え、
前記管理計算機が、
前記端末表示装置の動作のパターンと前記表示部が表示している前記情報オブジェクトに対する操作内容とを対応づけて記憶している動作パターン記憶部と、
各前記情報オブジェクトについての表示形態に関する情報を記憶している情報種別管理記憶部と、
前記動作検出部が検出した前記端末表示装置の動作と、前記動作パターン記憶部に記憶されている前記動作パターンと前記操作内容との関連付けに基づいて前記情報オブジェクトに対する操作内容を判定するための動作判定部と、
前記表示部の所定の位置に配置されている前記情報オブジェクトを特定するための情報種別判定部と、
前記操作内容と前記情報オブジェクトとに関する情報を含む操作指示情報を前記端末表示装置に送信する通信処理部と、
前記操作指示情報に基づく操作を前記表示部に表示されている前記特定された情報オブジェクトに対して実行するための表示処理部と、を備え、
前記動作検出部が、前記端末表示装置が存在する任意の場所において、前記映像情報に含まれる前記被写体について複数の特徴点を検出し、複数の当該特徴点によって構成される図形の面積及び当該図形の重心位置の時間軸上の任意の二点間における変化によって前記端末表示装置の動作を検出し、
前記動作判定部が、前記動作検出部が検出した前記端末表示装置の動作と、前記動作パターン記憶部に記憶されている前記動作パターンと前記操作内容との関連付けに基づいて前記情報オブジェクトに対する操作内容を判定し、
前記情報種別判定部が、前記表示部の所定の位置に配置されている前記情報オブジェクトを特定し、
判定された前記操作内容で特定される操作を前記特定された情報オブジェクトに対して実行する、
表示システム。
【請求項3】
ユーザが頭部に装着する端末表示装置の表示制御方法であって、
前記端末表示装置が、
前記ユーザの視界に重畳して情報オブジェクトを表示し、
前記端末表示装置の動作のパターンと、表示している前記情報オブジェクトに対する操作内容とを対応づけて記憶し、
各前記情報オブジェクトについての表示形態に関する情報を記憶し、
前記端末表示装置の前方にある被写体の映像情報を経時的に取得し、
前記端末表示装置が存在する任意の場所において、前記映像情報に含まれる前記被写体について複数の特徴点を検出し、複数の当該特徴点によって構成される図形の面積及び当該図形の重心位置の時間軸上の任意の二点間における変化によって前記端末表示装置の動作を検出し、
検出した前記端末表示装置の動作と、記憶されている前記動作パターンと前記操作内容との関連付けに基づいて前記情報オブジェクトに対する操作内容を判定し、
前記ユーザの視界の所定の位置に配置されている前記情報オブジェクトを特定し、
判定された前記操作内容で特定される操作を前記特定された情報オブジェクトに対して実行する、
端末表示装置の表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム、及び表示システムの表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、眼鏡のように頭部に装着する端末表示装置としてヘッドマウントディスプレイ(Head Mount Display, HMD)が開発されており、産業向けや民生向けに種々の活用方法が検討されている。
【0003】
HMDは、現実世界にコンピュータグラフィックス(CG)で構築された仮想空間の情報を重ね合わせた視覚情報を提供することができる拡張現実(Augmented Reality, AR)や
、現実世界とは全く異なるCGで生成された視覚体験を装着者に体感させることができる仮想現実(Virtual Reality, VR)の機能を実現するためのデバイスとして利用することが
できる。
【0004】
例えば産業分野では、物流現場、製造現場での各種作業、機器の保守などにおいて、ARを利用することにより直観的に作業指示を出すことを可能とし、それによって作業効率を上げる試みが行われている。しかし、HMDを装着したときにCG情報が見える範囲、すなわち視野角が狭いため、情報の視認性に課題がある。また、産業分野で利用する場合には、作業効率を上げる目的のためにHMDを装着したときには手に何も持たない状態、すなわちハンズフリーでHMDによるCG情報を制御可能であることが求められる。しかし、現状マウス、キーボード等の手入力デバイスに代わってHMDをハンズフリーで操作できる仕組みはまだ実用的ではない。
【0005】
擬似的に視野角を広げる試みとして、端末表示装置に設けた加速度センサ、ジャイロセンサ、磁気センサなどを活用することで、端末表示装置の向きに応じて表示させる情報を変化させる仕組みが提案されている。例えば特許文献1はマルチディスプレイヒューマンマシンインタフェースに関する。特許文献1では、可動窓は仮想空間への一人称の観点か
らの覗き窓を提示することができる。この覗き窓からのビューは、多次元空間内での静止窓に対する可動窓の空間特性の向きに基づいて変化する。ディスプレイは、仮想空間の画像を提示することができ、追加の可動型ディスプレイは同一の仮想空間の追加の画像を提示することができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2012-161604号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1では、HMDを装着して周辺を見る動作をすることで、仮想空間の一部を視認することは可能だが、HMDを用いて仮想空間を表示したとき、表示された情報をハンズフリーで制御するための操作方法については何も開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の、及び他の課題を解決するための本発明の一態様は、ユーザが頭部に装着する端末表示装置を備える表示システムであって、前記端末表示装置が、前記ユーザの視界に重畳して情報オブジェクトを表示するための表示部と、前記端末表示装置の動作を検出するための動作検出部と、前記端末表示装置の動作のパターンと前記表示部が表示している前
記情報オブジェクトに対する操作内容とを対応づけて記憶している動作パターン記憶部と、各前記情報オブジェクトについての表示形態に関する情報を記憶している情報種別管理記憶部と、前記動作検出部が検出した前記端末表示装置の動作と、前記動作パターン記憶部に記憶されている前記動作パターンと前記操作内容との関連付けに基づいて前記情報オブジェクトに対する操作内容を判定するための動作判定部と、前記表示部の所定の位置に配置されている前記情報オブジェクトを特定するための情報種別判定部と、判定された前記操作内容で特定される操作を前記特定された情報オブジェクトに対して実行するための表示処理部と、前記端末表示装置の前方にある被写体の映像情報を経時的に取得する映像検出部とを備え、前記動作検出部が、前記端末表示装置が存在する任意の場所において、前記映像情報に含まれる前記被写体について複数の特徴点を検出し、複数の当該特徴点によって構成される図形の面積及び当該図形の重心位置の時間軸上の任意の二点間における変化によって前記端末表示装置の動作を検出し、前記動作判定部が、前記動作検出部が検出した前記端末表示装置の動作と、前記動作パターン記憶部に記憶されている前記動作パターンと前記操作内容との関連付けに基づいて前記情報オブジェクトに対する操作内容を判定し、前記情報種別判定部が、前記表示部の所定の位置に配置されている前記情報オブジェクトを特定し、判定された前記操作内容で特定される操作を前記特定された情報オブジェクトに対して実行する表示システムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、ユーザが頭部に装着した端末表示装置の動作に応じて、当該端末表示装置によって提供される仮想空間内の表示情報を制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施形態による端末表示装置10の使用状態を例示する模式図である。
図2図2は、端末表示装置10の構成の一例を示す図である。
図3図3は、端末表示装置10におけるデータ処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、表示部115に表示される情報の一例である。
図5図5は、表示部115に表示される内容の一例である。
図6図6は、動作判定データベース1171の構成例を示す図である。
図7図7は、操作対応データベース1173の構成例を示す図である。
図8図8は、情報種別管理データベース1172の構成例を示す図である。
図9図9は、本発明の他の実施形態による端末表示装置10の構成例を示す図である。
図10図10は、他の実施形態による端末表示装置10におけるデータ処理の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、あるフレームの特徴点座標を示す模式図である。
図12図12は、あるフレームから抽出された特徴点座標を示す模式図である。
図13図13は、図11において端末表示装置10が物体γに近づいたときの映像データの一例を示す図である。
図14図14は、図13において撮像された映像データの一例を示す図である。
図15図15は、本発明のさらに他の実施形態による端末表示装置10の使用状態を例示する模式図である。
図16図16は、端末表示装置10の構成例を示す図である。
図17図17は、管理サーバ15の構成例を示す図である。
図18図18は、端末表示装置10、及び管理サーバ15におけるデータ処理例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について、その実施形態に即して図面を用いて説明する。なお、図面において、同一符号は、同一または相当部分を示す。また、本発明は、図示の構成例に限定されるものではない。
【0012】
[実施形態1]
本発明の一実施形態に係る頭部装着型端末表示装置について、図1図7を参照して説明する。図1は、頭部装着型端末表示装置10の使用状態を例示する模式図である。なお、簡単のため、以下、本明細書において、人が頭部に装着することにより装着した人に対する画像あるいは映像表示機能を提供する装置である頭部装着型端末表示装置をHMDと称することとする。HMDには通常の視力矯正のための眼鏡の形態を有するもの、眼の周りを覆うように装着するゴーグル様の形状を有するもの、あるいはヘルメットのように頭部全体を覆うもの等、種々の形状の装置が含まれる。
【0013】
本実施形態の表示システムとしてのHMD10では、各種センサを活用して表示された情報を操作することが可能である。図1に示すように、本実施形態のHMD10は、ユーザ11が頭部に装着するゴーグルに類する形態を有する端末装置である。HMD10は、手でなんらかのデバイスを操作したり、ジェスチャーによってセンサ信号を生成したりすることなく、完全なハンズフリーを実現しながら表示情報を制御することができる。ハンズフリーで表示情報を制御することができるので、HMD10を装着する作業者は表示情報を制御するためのデバイスを別に手で保持して操作する必要がない。このため、HMD10を使用することで、物流、製造、保守作業などを行う各種産業において作業効率、作業品質の向上を期待することができ、高い需要が見込まれる。
【0014】
HMD10は、ユーザ11の頭部に装着され、ユーザ11が作業を行うために必要な情報を表示し、ユーザ11の操作に応じて情報を制御する機能を備えた端末装置である。本実施形態ではHMD10に全ての機能が備えられている場合を説明するが、HMD10の一部が分離可能である構成、例えばHMD10の一部の機能がスマートフォン等の携帯通信端末装置に設けられ、HMD10の主要な処理を実行する場合であっても、得られる効果は以下に説明する本実施形態と同様である。
【0015】
なお、図1に示すように、以下の説明では、便宜的に、HMD10の幅方向(ユーザ11の左右方向)をx軸方向、鉛直方向をy軸方向、xy軸いずれとも直交するユーザ11の前後方向をz軸方向と定めることとする。
【0016】
図2は、HMD10の構成の一例を示す図である。HMD10は、プロセッサ111、通信部112、方位検出部113、加速度検出部114、表示部115、メモリ116、ストレージ117、入力部118、電源供給部119、及びバス120を備える。なお、HMD10は、動作判定部1161、方位処理部1162、加速度処理部1163、情報種別判定部1164、表示処理部1165、及び制御処理部1166をメモリ116に格納している。制御処理部1166がストレージ117から上記処理部に対応するプログラムモジュールを読み出してメモリ116に展開し、制御処理部1166が上記プログラムモジュールを実行することで本実施形態の処理を実現する。なお、これらのプログラムモジュールはHMD10に係る装置が出荷されるまでに予めストレージ117に格納されていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu-ray Disc(登録商標)などの光学メディアや半導体メモリ等の記憶媒体に格納され
て図示しない媒体接続部を介してHMD10に係る装置にインストールされても良い。
【0017】
プロセッサ111は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、及びDSP(Digital Signal Processor)等の総称であり、所定のプログラムを実行する機能を有する。
【0018】
通信部112は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信、ICタグ機能、TransferJET(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、HS
PA(High Speed Packet Access)、EV-DO(Evolution Data Only)、及びWiM
AX等の無線通信機能、または、Ethernet(登録商標)等の有線通信機能を備え、各種の情報を送受信する。無線通信機能は、所要のアンテナ、及び変復調回路等を含む。有線通信機能は、所要のコネクタ、及び変復調回路等を含む。データの送受信には、ネットワークを介して行うネットワーク通信と、ネットワークを介さずに各機器間で直接通信を行う直接通信(例えばBluetooth(登録商標)、ワイヤレスUSB、Felica(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Z-WAVE(登録商標)、可視光通信、赤外線通信、NFC(Near Field Communication)(登録商標)を適宜切り替えて使用できる。通信部112は、複数の通信方式に対応するように構成されても良い。
【0019】
方位検出部113は、ジャイロセンサ等を用いて、HMD10のx、y、z軸回りの回転角度を検出する機能を有する。なお、方位検出部113はHMD10に内蔵されていてもよいし、別体としてHMD10と有線通信または無線通信で接続されていてもよい。
【0020】
加速度検出部114は、加速度センサ等を用いて、HMD10のx、y、z軸方向の加速度を検出する機能を有する。なお、加速度検出部114はHMD10に内蔵されていてもよいし、別体としてHMD10と有線通信または無線通信で接続されていてもよい。
【0021】
表示部115は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、電子ペーパー等の表示パネルや光源、ドライバ回路等から構成され、制御処理部1166の制御下にて任意の情報(例えば、文字、静止画、及び動画等)を表示する。なお、表示部115は、それぞれ異なる情報を表示可能な複数の表示機能から構成されていてもよい。
【0022】
メモリ116は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などから構成され、制御処理部1166の指示により制御される。メモリ116に、ストレージ117に格納しているアプリケーションプログラムの機能部が展開される。
【0023】
ストレージ117は、HMD10に内蔵される記録媒体や、取り外し可能な外部記録媒体や光ディスクなどから構成され、各種の情報を記憶する機能を有する。例えば、ストレージ117は制御処理部1166の指示により制御され、アプリケーションプログラムを保存することができる。また、ストレージ117は、アプリケーションプログラムで作成した各種情報を保存する。例えば、ストレージ117は、ユーザ11の動作からHMD10の動作のパターンを判定する動作判定データベース1171、情報別の表示方法が管理された情報種別管理データベース1172(情報種別管理記憶部)、前記動作パターンと表示操作とを対応づける操作対応データベース1173を保存する。動作判定データベース1171と操作対応データベース1173とは、HMD10の動作のパターンと表示部115が表示している情報オブジェクトに対する操作内容を対応づけている、動作パターン記憶部を構成している。
【0024】
入力部118は、キーボード、マウス、カーソルキー、及びテンキー等の一または複数を備え、ユーザ11の操作を受け付け、当該操作に基づいた入力信号をプロセッサ111に入力する機能を有する。なお、HMD10にマイクやカメラを備え、音声認識、画像認識、またはジェスチャー認識等によって入力信号を生成し、プロセッサ111に入力するようにしても良い。なお、入力部118は、タッチパネルのように、表示部115と入力部118とが一体となった構成であっても良い。また、入力部118は同様の機能を持つ処理部として、HMD10と離れた場所に設置され、機器間の直接通信を介して当該操作
に基づいた入力信号をプロセッサ111に入力する構成としても良い。なお念のため述べると、本実施形態ではHMD10の表示制御を、入力部118を操作することなくハンズフリーで行えるように構成されている。
【0025】
電源供給部119は、バッテリ、ACアダプタ、及び充電回路等から構成され、HMD10の各部への電源供給や、バッテリへの充電を行う機能を有する。また、電源供給部119は、HMD10のバッテリの残量確認を行う。バス120は、HMD10の各部が相互に信号を伝送するための伝送路である。
【0026】
なお、本明細書において、プロセッサ111がメモリ116に格納されたプログラムモジュールに基づいて実行する処理を、当該プログラムモジュールに対応する処理部が実行する処理として説明する場合がある。例えば、制御処理部1166が実行する処理は、実際には、メモリ116に格納された制御処理部1166に対応するプログラムモジュールに従って、プロセッサ111が実行する。他の処理部についても同様である。
【0027】
次に、以上の構成を有する本実施形態のHMD10によって実行されるデータ処理について説明する。この説明の過程で、データ処理に使用されるデータベースの構成についてもあわせて説明する。図3は、HMD10における、取得したセンサデータからユーザの操作を判定し、判定した操作に基づいて表示情報を変化させるまでの処理の一例である。本実施形態のHMD10では、装着したユーザ11が頭部を動かす動作によってHMD10に表示されている画像や映像の表示状態を制御することができる。
【0028】
本実施形態のHMD10では、HMD10を装着したユーザが頭を動かすと、方位検出部113と加速度検出部114の検出する値が変化する。図4に、HMD10の表示部115に表示される情報オブジェクトの一例を示している。図4に示すように、HMD10の表示領域400には、日時情報、メニュー画面への復帰ボタン、及び画像情報20が含まれている。画像情報20はある画像データを代表するオブジェクトであり、以下このオブジェクトをアイコンと称する。図4の画像情報であるアイコン20は、この画像情報が写真イメージデータであることを示している。図5図4のアイコン20を選択しているとき、HMD10の動作を通じてアイコン20を写真画像21に変更したときの、表示部115に表示される内容の例である。HMD10で写真イメージデータのような高解像度のイメージデータを表示するには、多量の電力が必要とされる。そこで、本実施形態のHMD10では、ユーザ11からの指示がない限り図4のような対応するアイコン20を表示しておくことで省電力を実現している。以下、本実施形態では、方位検出部113と加速度検出部114の値変化を元にして、HMD10の表示部115に表示される情報を変化させる例を説明する。
【0029】
HMD10は、電源投入等をトリガとして図3のデータ処理を開始すると(S100)、動作判定部1161は、入力部118から動作検出開始のトリガが検出されるのを待機する(S101、No)。動作判定部1161がトリガを検出したと判定した場合(S101、Yes)、方位処理部1162と加速度処理部1163が検出処理を実行する(S102)。
【0030】
動作判定部1161は、方位処理部1162を通じて、方位検出部113がx軸回りの回転角度変化が基準値を超えているかを判定する(S103)。この基準値は、例えば50度のように任意の値とすることができる。
【0031】
回転角度変化が基準値を超えていると判定された場合(S103、Yes)、動作判定部1161は、加速度処理部1163を通じて加速度検出部114が検出するx軸方向の加速度が基準値を超えているか判定する(S104)。S103の回転角度変化と同様に
、加速度の基準値は、5.0m/s等と任意に定めることができる。基準値を超えていると判定した場合(S104、Yes)、動作判定部1161はHMD10を装着したユ
ーザが何らかの操作を行ったと判断してS105の処理に移る。
【0032】
なお、一般的にジャイロセンサ、加速度センサ、方位センサを始めとする各種センサには出力にゆらぎがあり、静止していてもランダムな値であるノイズを出力し続ける事象が認められる。そこでノイズの出力の影響を取り除くため、センサの値が所定回数連続して基準値を超えたことをもって判定する手段、所定回数分の平均値で基準値との差を判定する手段、移動平均フィルタを用いる手段、ソフトウェアによる有限インパルス応答フィルタを用いる手段などが考えられ、これらのいずれかをセンサ出力に適用することができる。ノイズ出力の影響を除去するためにハードウェア的なフィルタを用いても良い。また前記の複数の手段から選択して組み合わせて用いても良い。本明細書では、各種センサによる条件判定はノイズ除去後の値を用いる前提で説明している。
【0033】
ここで、動作判定データベース1171について説明する。図6に、動作判定データベース1171の構成例を示している。動作判定データベース1171は、ユーザ11が行う可能性のある動作について、上体を傾ける動作である前傾、後傾、頭を左右に振る動作である左向、右向、頭を左右に傾ける動作である左傾、右傾、前後に移動する動作である前進、後進、及び停止と分類して登録されている。また、各種動作の変位が「大きい」、「小さい」の種別を登録し、各変位種別についてさらに動作速度が「速い」、「遅い」の種別が登録されている。
【0034】
本実施形態の動作判定データベース1171では、各動作の分類項目について、その変位の大小に対してさらに動作速度の遅速が対応づけられており、停止を含めて33種類の情報を表現することができるように構成している。例えば、動作判定データベース1171の符号Cは、前傾動作をある基準値より小さい範囲で速く実行したことを表している。方位検出部113と加速度検出部114とで検出される値の変化がこの条件に合致した場合、符号Cに対応する動作が実行されたと判定される。
【0035】
HMD10のデータ処理に戻ると、動作判定部1161は、動作判定データベース1171を参照し、ユーザ11の行った動作による方位検出部113と加速度処理部114のデータ変化に最も近い動作パターンと合う項目を抽出し、その項目に対応する操作とみなす。例えば、画像情報20(アイコン)を写真画像21に拡大する、「情報を拡大する」という操作が、動作判定データベース1171の符号C、すなわち前傾姿勢を検出後、符号Gg、すなわち停止姿勢を合わせて検出した場合に対応すると判定する(S105)。この判定には、例えば動作判定データベース1171とともに、操作対応テーブル1173を設けることで実現することができる。操作対応テーブル1173の構成例を図7に示している。操作対応テーブル1173は、前記した動作パターン例えば符号C、Ggと、それが表す操作内容である「情報を拡大する」とを対応づけて格納している。
【0036】
図3に戻ると、「情報を拡大する」という操作を検出後、情報種別判定部1164は、表示部115に表示されている表示内容で、現在画面の中心に配置されている情報を識別する(S106)。表示内容の例は前記の図4図5で述べた通りである。具体的には、情報種別判定部1164は、現在画面の中心に配置されている情報に対応するファイル名等のデータ属性を抽出する。
【0037】
図8に、情報種別管理データベース1172の一例を示している。情報種別管理データベース1172は、情報オブジェクト番号90、情報オブジェクト名91、種別タグ92、実データ名93、表示アイコンファイル名94、遠方時の表示形態95、及び接近時の表示形態96の各項目を管理する。例えば、図4のアイコン20は、図5の作業結果を示
す写真画像21に対応している。情報種別判定部1164は、S106で識別した情報を情報種別管理データベース1172と照合する。本例では、S106でアイコン20にファイル名「Picture.jpg」が関連付けられているとしている。ここでS105にて符号C
、Ggが特定された場合、情報種別判定部1164が情報種別管理データベース1172と照合して、「Picture.jpg」アイコンから写真イメージデータに変更して表示し処理を
終了する(S107、S108)。アイコン20から画像に表示が変更されたときの、表示部115に表示される内容は図5の通りである。図5の作業結果写真画像21は、図8の情報オブジェクト番号90の11番に対応しており、実データ名93の「20170220_機
器Aパネル点検終了写真.jpg」を表示している。
【0038】
以上説明したように、本実施形態のHMD10によれば、HMD10を装着しているユーザ11の頭部の動作を検出することにより、手で他の機器を操作することなく表示内容の制御を行うことができる。
【0039】
なお、以上では、身体あるいは頭部を前に傾ける「前傾」の動作を検出した場合の表示情報の変化を説明した。他の例として、「ユーザ11が見ている画面の左に表示されているオブジェクトを選択する」という操作を考える。この場合、図6に示した動作判定データベース1171の符号K、すなわち首を左に大きく素早く回す動作を行った後、符号Gg、すなわち停止姿勢を合わせて検出した場合に、図7に例示するように上記選択操作と対応づけておく。動作判定部1161は、方位処理部1162を通じて、方位検出部113がz軸回りの回転角度変化が基準値を超えているかを確認する(S103)。以後、S104、S105は前記と同様であり、「前傾」と「左向」とを区別することができる。このように、人が実際に行う動作を動作判定データベース1171に示すように分類し、分類した判定基準を組み合わせることで、精度の高い動作認識を可能としている。
【0040】
なお、本実施例の処理で説明に使用した数値は一例であり、本発明はこれらの数値を使用した処理系に限定されることはない。また、本実施形態では、動作判定データベース1171に登録された動作として「拡大」と「左選択」とを例にとって説明したが、この他、例えば図6の符号Wと符号Ggで「右選択」、上体を後ろに反る動作である後傾動作を2回実施する動作、すなわち、符号E、符号Gg、符号Eを2回連続して検出した場合に「直前操作の取り消し操作(アンドゥ)」と対応づけるなど、図7に例示するように、他の動作を操作に割り当てることが可能であるのは言うまでもない。
【0041】
[実施形態2]
次に、本発明の第2の実施形態について、図9図13を参照して説明する。
第1の実施形態では、HMD10の方位検出部113と加速度検出部114とによってユーザ11の動作を検出し、検出した動作に基づいて表示情報を制御する構成について説明した。本実施形態ではHMD10に撮像素子を設けており、撮像情報の変化によってユーザの動作を検出して表示されている情報オブジェクトを制御する構成を説明する。
【0042】
図9は、本実施形態におけるHMD10の構成例を示す図である。第1の実施形態におけるHMD10と同等の構成部分については説明を省略する。本実施形態のHMD10は、第1実施形態のHMD10の構成に加えて、映像検出部121を備えている。映像検出部121はCCD(Charge Coupled Device)素子やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)素子等の撮像素子を備えており、被写体からの入射光を電子的なデータに変換する機能を有する。映像検出部121はHMD10に内蔵してもよいし、スマートフォンや携帯電話等の携帯端末、あるいはカメラ機能を持った機器を用いて実現し、HMD10と有線通信または無線通信によって接続してもよい。
【0043】
図10に、本実施形態のHMD10によって実行される、映像検出部121からの情報
に基づいてユーザ11の動作を検出して表示情報を制御するまでのデータ処理の一例を示している。図10の処理フロー例において、S200~S202での処理は、実施形態1におけるS100~S102での処理とそれぞれ同等であるから説明を省略する。
【0044】
S202でユーザ11の動作の検出を開始すると、映像処理部1168は映像検出部121の機能を有効化し、HMD10の前方の風景を映像データとして取得する。その際、映像処理部1168は、1つの時間フレーム毎に映像データに含まれる特徴点を4つ以上識別する(S203)。なお、特徴点は3つであってもよい。また特徴点の抽出は、例えばOpenCVから提供される画像解析用ライブラリ等を用いて実現することができる。
【0045】
図11は、映像検出部121が撮像した映像データの一例を示している。図11の例では、HMD10の前方にある被写体として、物体α、β、γ、δ、εが撮像されている。このとき、これらの物体における特徴点31、32、33、34が特徴点として抽出された場合、映像処理部1168は特徴点31、32、33、34の座標、及び特徴点31、32、33、34の座標上の重心35の座標を記憶する。
【0046】
次に、視差抽出部1167は、映像処理部1168によって識別された特徴点の画面上の座標を、映像の時間フレーム毎に確認する。HMD10が移動すると映像処理部121が取得する映像もそれにつれて移動するため、識別した特徴点の座標も変化する。ここで、座標とは、例えば映像処理部1168が時間フレーム毎に取得した画像の解像度を基準として定義することができる。図12は、ある映像フレームで取得された特徴点座標の例を示している。ここでは、映像の解像度を横1024pixel、縦768pixelとしているが、他の解像度に設定されていてもよい。
【0047】
図10に戻ると、S204では、所定の期間内に、映像に含まれる特徴点に関する情報、例えば特徴点の座標、特徴点で構成される図形の面積等の情報が変化しているか判定する。図13は、HMD10が図11で示す状態よりも物体γに近づいたときに、映像検出部121が撮像した映像データの一例である。この場合、図13の特徴点31、32、33、34で構成される略台形の面積は、図11における対応する部分の面積よりも大きくなる。そこで本実施形態では、例えば、取得された5つの時間フレームの中で、最初の時間フレームで識別した特徴点座標で構成される面積を基準とし、残り4つの時間フレームの中での対応部分の面積が3つ以上最初の面積を上回っている場合、所定の基準値を超えたと判定する(S204、Yes)。特徴点に関する情報の変化が所定の基準値以下であると判定した場合(S204、No)、視差抽出部1167は反復して該当する変化がないか判定を実行する。
【0048】
物体γに近づく以外の動作検出の例として、例えばユーザ11が右方向に頭を向ける動作を行う場合を説明する。図14は、ユーザ11が頭部を右に回したときに、映像検出部121が撮像した映像データの一例である。図13では、頭部が右を向いたことにより、HMD10も右に動いている。このとき、図14では図11と比較して特徴点31、32、33、34の重心35の座標が変化している。例えば、取得した5つの時間フレームの中で、最初に識別した物体の重心35の座標を基準とし、残り4つの時間フレームのうち、3つの時間フレームでの重心座標が左方向に100pixel以上ずれていることが検出さ
れた場合、視差抽出部1167は特徴点の重心の座標の変化が基準値を超えたと判定する(S204、Yes)。以上の例のように、本実施形態ではセンサの出力値に代えてユーザ11が見ている方向、距離の変化を取得した映像における特徴点の情報変化として捉えている。動作判定部1161は、この特徴点の情報変化が所定の基準値を超えたと判定された場合、HMD10を装着したユーザ11が操作を目的とした動作を行ったと判断する。このため、本実施形態では、動作判定データベース1171内の各項目は、特徴点に関する情報変化の方向、大きさと変化率とに基づいて規定すればよい。
【0049】
図10の処理フロー例に戻ると、以後、S205~S208の処理は、実施形態1の図3におけるS105~S108の処理とそれぞれ同等であるため、説明を省略する。
【0050】
なお、本実施形態では、HMD10を装着したユーザ11が物体に近づく、右を向くという動作を表示制御に関する操作として割り当てる例を説明したが、ユーザ11が左を向く、後ろに反るなど、その他の動作も同様に識別して操作として割り当てることが可能である。
以上のように、本実施形態によれば、HMD10の動作の変化を映像データに基づいて検出し、映像の解析結果により表示情報を制御することが可能になる。
【0051】
[実施形態3]
次に、本発明の第3の実施形態について、図15図18を参照して説明する。実施形態1、2では、HMD10の処理によってユーザ11の動作を表示情報制御のための操作に割り当てる方式を説明した。本実施形態では、ユーザ11の動作を検出して操作に割り当てる処理を、ネットワーク上で実施する構成を説明する。
【0052】
図15は、本実施形態におけるシステム構成の一例である。本実施形態に係る表示システム1は、HMD10、通信ネットワーク14、及び管理サーバ15を備えて構成される。
【0053】
通信ネットワーク14は、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN
)、USB(Universal Serial Bus)、リモートUSB、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信、ICタグ機能、TransferJET(登録商標)、LTE、HSPA(High Speed Packet Access)、またはEV-DO(Evolution Data Only)などで構成することができる。HMD10と管理サーバ15は、通信ネットワーク1
4を介して相互に接続可能とされている。
【0054】
管理サーバ15は、例えばサーバコンピュータであり、通信ネットワーク14を介してHMD10の検出データを取得し、解析して、HMD10に判定結果を返す機能を有する。なお、本実施形態ではHMD10と管理サーバ15とが1対1の関係で設置されている場合で説明するが、管理サーバ15が複数のHMD10と接続され、それぞれのHMD10についての処理を行う場合においても、本実施形態の構成を適用することができる。管理サーバ15は1台のサーバコンピュータとしてもよいし、管理サーバ15自体を通信ネットワーク14上のクラウド環境で構成してもよい。
【0055】
図16は本実施形態のHMD10の構成の一例を示す図である。図2及び図9に示した実施形態1、2の構成部分と同等の構成部分については、同一符号を付して説明を省略する。図16のHMD10は、表示処理部1165、制御処理部1166、及び通信処理部1167以外のプログラムモジュールがメモリ116から除外されている。またストレージ117にもデータベースは格納されていない。通信処理部1167は、通信ネットワーク14を介して管理サーバ15とデータ送受信処理を実行するために通信部112を制御する機能を備えている。
【0056】
図17は管理サーバ15の構成の一例を示す図である。管理サーバ15は、プロセッサ151、通信部152、表示部153、入力部154、電源供給部155、メモリ156、ストレージ157、及びバス158を備え、これらはそれぞれ実施形態1、2のHMD10におけるプロセッサ111、通信部112、表示部115、入力部118、電源供給部119、メモリ116、ストレージ117、及びバス120と対応しているので説明を省略する。
【0057】
管理サーバ15のメモリ156には、動作判定部1561、方位処理部1562、加速度処理部1563、情報種別判定部1564、表示処理部1565、制御処理部1566、視差抽出部1567、映像処理部1568、及び通信処理部1569のプログラムモジュールが格納されている。通信処理部1569以外のプログラムモジュールは、実施形態1、2におけるHMD10の対応構成部分と同等であるから説明を省略する。通信処理部1569は、通信ネットワーク14を介してHMD10とデータ送受信処理を実行するために通信部152を制御する機能を備えている。
【0058】
なお、図16図17に示すように、本実施形態ではHMD10が方位検出部113、加速度検出部114、映像検出部121を備え、それに対応して管理サーバ15が方位処理部1562、加速度処理部1563、視差抽出部1567、及び映像処理部1568を備えている構成としている。この構成は、HMD10の動作をセンサで検出する方式、あるいは映像解析による方式のいずれかの方式のみを採用するように変更することができる。
【0059】
図18は、HMD10が、取得したデータを管理サーバ15に送信し、管理サーバ15が受信したデータを解析してユーザ11の動作を判定してHMD10にその判定結果を送信し、HMD10が受信した判定結果に基づいて表示情報を変化させるまでの処理の一例を示している。
【0060】
HMD10、管理サーバ15は、いずれも電源投入等のイベントをトリガとして処理を開始する(S300、S304)。ユーザが装着しているHMD10では、実施形態1の図3におけるS101、S102の処理ステップと同様に、ユーザ11の動作を表すセンサデータを取得する(S301、S302)。
【0061】
次に、HMD10の通信処理部1166は、取得したデータを管理サーバ15に送信する(S303)。ここで取得したデータは、例えば図2に例示したようなHMD10の方位検出部113と加速度検出部114が取得した数値データであり、あるいは映像検出部118が取得した映像データである。管理サーバ15に対して複数のHMD10が通信可能とされている場合には、S303で送信するデータに送信元HMDを一意に識別可能とするIDデータを付与すればよい。
【0062】
管理サーバ15の通信処理部1569は、HMD10からデータを受信する(S305)。以後、管理サーバ15では、実施形態1の図3に示すS103~S106の処理ステップと同様に、データの解析と操作内容の判定、選択情報の種別確認処理が実行される(S306~S309)。なお、HMD10から実施形態2で説明した映像データを受信する場合には、本実施形態のS306~S307の処理ステップは、図10のS203~S205の処理ステップで代替される。管理サーバ15で特定された操作内容と選択情報種別の情報は、HMD10へ送信される(S310)。
【0063】
HMD10は管理サーバ15から受信した操作内容と選択情報種別とを含む指示を受信し(S312)、その指示に従って表示処理部1165が選択情報の表示を変更して処理を終了する(S313、S314)。
【0064】
以上のように、本実施形態によれば、HMD10の動作の変化を管理サーバ15が解析することで、HMD10の表示情報を制御することが可能になる。また、HMD10の動作の変化を解析するためのデータ処理をHMD10で実行しないこととなるので、HMD10の構成を単純化し、より安価に製造することが可能となり、またHMD10における電力消費量低減を実現することもできる。
【0065】
なお、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に限定されることはなく、他の変形例、応用例等も、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内に含まれるものである。
【符号の説明】
【0066】
1 表示システム 10 HMD
20 アイコン 21 写真画像
14 通信ネットワーク 15 管理サーバ
111 プロセッサ 112 通信部
113 方位検出部 114 加速度検出部
115 表示部 116 メモリ
117 ストレージ 118 入力部
119 電源供給部 120 バス
121 映像検出部 400 表示領域
1161、1561 動作判定部
1162、1562 方位処理部
1163、1563 加速度処理部
1164、1564 情報種別判定部
1165、1565 表示処理部
1166、1566 制御処理部
1167、1567 視差抽出部
1168、1568 映像処理部
1169、1569 通信処理部
1171、1571 動作判定データベース
1172、1572 情報種別管理データベース
1173、1573 操作対応データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図11
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