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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】調理器
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20220426BHJP
【FI】
A47J27/00 109B
A47J27/00 109F
A47J27/00 109P
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021153351
(22)【出願日】2021-09-21
【審査請求日】2021-10-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 大輔
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 紀子
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-000283(JP,A)
【文献】特開2003-102623(JP,A)
【文献】特開2000-300430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を含む被調理物の調理を制御する制御手段と
質情報を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された前記水質情報を選択可能に操作する操作手段と、を備え、
前記制御手段は、前記操作手段で選択された前記水質情報に応じて調理を制御し、
前記表示手段は、前記操作手段で前記水質情報をそれぞれ異なる方法で選択可能な複数の画面を有することを特徴とする調理器。
【請求項2】
前記表示手段に表示される前記画面は、前記操作手段で前記水質情報を数値で選択可能な第1の画面と、前記操作手段で前記水質情報を複数の数値の範囲から選択可能な第2の画面と、の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1に記載の調理器。
【請求項3】
前記画面は、前記第1の画面および前記第2の画面を有し
記第1の画面と前記第2の画面とを切替えたときに、前記操作手段で選択された前記数値および前記数値の範囲を、それぞれ個別に記憶する記憶手段をさらに備え、
次回、前記第1の画面が前記表示手段に表示されたときに、前記記憶された前記数値を反映して表示し、または次回、前記第2の画面が前記表示手段に表示されたときに、前記記憶された前記数値の範囲を反映して表示することを特徴とする請求項2に記載の調理器。
【請求項4】
前記表示手段に表示される前記画面は、前記操作手段で複数の地域から選択する第3の画面を少なくとも有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の調理器。
【請求項5】
前記複数の地域は、47都道府県であることを特徴とする請求項4に記載の調理器。
【請求項6】
前記表示手段は、前記水質情報の説明表示可能であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の調理器。
【請求項7】
前記操作手段はタッチセンサで構成されることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の調理器。
【請求項8】
前記調理器が、ひたし炊き工程、沸騰加熱工程、沸騰継続工程、高温維持工程を順次実行可能な炊飯器であり、
前記制御手段は、前記ひたし炊き工程において、前記水質情報に応じて炊飯を制御することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の調理器。
【請求項9】
前記調理器が、前記被調理物を収容する鍋と、前記鍋の内部を減圧する減圧手段と、を備える炊飯器であり、
前記制御手段は、前記水質情報に応じて前記減圧手段を制御することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被調理物に含まれる水の性質としての水質の情報を選択、入力する選択手段を備える調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
水情報に応じた炊飯制御を行う調理情報システムとして、例えば引用文献1には、水情報データベースを外部に備え、ユーザが利用者端末から所望の料理レシピや水や米の個体識別情報を入力する調理情報システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-300430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
引用文献1は、水情報データベースは外部に備えられ、炊飯器は、炊飯器とは別の利用者端末を操作して、インターネットを介して水情報データベースとの通信を行う必要があり、実用的な構成とはいえなかった。
【0005】
そこで本発明は、簡易な構成でユーザに水質情報の選択を可能とし、選択された水質情報に応じた適切な調理を行なうことができる調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の調理器は、水を含む被調理物の調理を制御する制御手段と、水質情報を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された前記水質情報を選択可能に操作する操作手段と、を備え、前記制御手段は、前記操作手段で選択された前記水質情報に応じて調理を制御し、前記表示手段は、前記操作手段で前記水質情報をそれぞれ異なる方法で選択可能な複数の画面を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の調理器によれば、簡易な構成でユーザに水質情報の選択を可能とし、選択された水質情報に応じた適切な調理を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態における炊飯器の斜視図である。
図2】同上、炊飯器の上面図である。
図3】同上、電気的構成を示すブロック図である。
図4】同上、トップ画面を表示している表示手段の上面図である。
図5】同上、水硬度選択画面を表示している表示手段の上面図である。
図6】同上、水硬度ガイドポップアップ画面を表示している表示手段の上面図である。
図7】同上、水硬度数値入力画面を表示している表示手段の上面図である。
図8】同上、図7におけるピッカー表示部の表示の移り変わりを示している図である。
図9】同上、地方区分選択画面を表示している表示手段の上面図である。
図10】同上、都道府県選択画面を表示している表示手段の上面図である。
図11】同上、都道府県水硬度ポップアップ画面を表示している表示手段の上面図である。
図12】同上、ひたし炊き工程における減圧手段16の真空ポンプの通電時間およびデューティー比と、水の硬度との関係を示した表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明における炊飯器の各実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。なお、これらの全図面にわたり、共通する部分には共通する符号を付すものとする。
【0010】
図1図12は、本発明の調理器を炊飯器に応用した実施形態を示している。炊飯器全体の構成を図1および図2に基づいて説明すると、1は本体であり、上方から見て前面と後面、左側面と右側面が対向する略矩形状をなし、上面が開口されている。2は本体1の上面開口部を開閉自在に覆う蓋体であり、本体1と同様に、上方から見て前面と後面、左側面と右側面が対向する略矩形状をなし、上面が略平坦に構成されている。蓋体2の後部には本体1との連結部となるヒンジ3が設けられ、また蓋体2の前方上面には、蓋体操作体4が露出状態で配設されており、この蓋体操作体4を押すと、本体1と蓋体2との係合が解除され、本体1の上部後方に設けたヒンジバネ(図示せず)により、ヒンジ3のヒンジ軸を回転中心として蓋体2が開く構成となっている。
【0011】
本体1の内部には、被炊飯物を加熱する誘導コイルなどの加熱手段11(図3を参照)が配設される。被炊飯物は本体1に着脱可能な有底筒状の内鍋に収容されており、加熱手段11に高周波電流を供給すると、加熱手段11から発生する交番磁界によって、内鍋の外面に設けた磁性体が発熱し、炊飯時と保温時に本体1内の被炊飯物を加熱する構成となっている。
【0012】
蓋体2の後方上面には、内鍋内の被炊飯物から発生する蒸気を本体1の外部に排出する蒸気口5が配設される。また蓋体2の上面には、この蒸気口5や蓋体操作体4の他に、炊飯に関わる様々な情報を表示するための、画面表示部としてのLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)25や状態表示部としての工程LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)表示部26~29(図4参照)などで構成される表示手段6と、タッチセンサで構成されてLCD25の上方に配設され、炊飯を開始させたり、時間や炊飯コ-スなどを選択させたりするための操作手段7と、がそれぞれ配設される。そして、これらの下面には、炊飯器の各部を制御するための制御手段12(図3参照)を備えた制御PC(Printed Circuit:印刷回路)板(図示せず)が配置される。したがって、本実施形態の炊飯器では、LCD25上方の操作手段7以外には、従来の炊飯器に設けられていた、例えば炊飯キーや切キーのような物理キー・ボタンなどの操作手段が存在せず、操作手段7のみで炊飯器の操作を行なうために操作時にボタンを探す手間が省け、操作性を向上させることができる。また非常にスマートな外観にすることができ、精密部品である表示手段6や操作手段7の配置されたスペースをコンパクトにすることができる。また物理キー・ボタンなどを除くことで蓋体2の上面を略平面状に構成することができ、拭き掃除などもしやすく清掃性を向上させている。
【0013】
また、蓋体2の開閉を検知するために、蓋体2の内部には蓋開閉検知手段8が設けられる。ここで蓋開閉検知手段8は、光学式、機械式、磁石式など、どのような検知方式のものでもよく、蓋体2の開閉に応じた検知信号を出力できればよい。
【0014】
次に、上記炊飯器における主な制御系統について、図3を参照しながら説明する。同図において、本体2に装備される制御手段12は、マイクロコンピュータを構成する制御用IC17、各種の情報やデータを記憶する読み出しおよび書き込みが可能なメモリなどの記憶手段18、タイマなどの計時手段、各部の駆動素子などを含んで構成されており、制御手段12の入力ポートには、上述した操作手段7や蓋開閉検知手段8に加えて、温度検出手段13や圧力検出手段14がそれぞれ電気的に接続される。また制御手段12の出力ポートには、上述した表示手段6や加熱手段11に加えて、蒸気経路開閉手段15や減圧手段16がそれぞれ電気的に接続される。
【0015】
温度検出手段13は、内鍋の温度や、この内鍋の上方開口部を覆う図示しない内蓋の温度を検知することにより、本体1内の被炊飯物の温度を検出するものである。また圧力検出手段14は内鍋内部の圧力を検出するものであり、圧力センサなどで構成されている。
【0016】
蒸気経路開閉手段15は、内鍋で発生した蒸気を外部へ放出するための、蒸気口5と内鍋とを連通する蒸気通路を開閉するものであり、加熱手段により内鍋内部の被炊飯物が加熱されて沸騰しているときに蒸気経路開閉手段15が蒸気通路を閉塞すると、被炊飯物から蒸発した蒸気が内鍋内部から放出されないため、内鍋内の圧力を大気圧以上に加圧できる。そのため、蒸気経路開閉手段15は加圧手段としての機能も有している。
【0017】
減圧手段16は、内鍋内の圧力を通常の大気圧よりも低くして内鍋の内部を減圧するものであり、蓋体2を本体1に閉じ、蒸気経路開閉手段15で蒸気通路を閉塞した状態で、密閉した内鍋の内部圧力を低下させる。また、内鍋内の圧力が大気圧よりも一定値下がった場合には、減圧手段16の動作源となる真空ポンプの動作を停止し、内鍋内を減圧状態に保っている。さらに、内鍋内を減圧状態から外気と同じ圧力に戻す場合には、真空ポンプの動作を停止し、この真空ポンプと内鍋の内部との間を連通する図示しない経路を開放する。つまり減圧手段16は、内鍋内を減圧状態から外気と同じ圧力に戻す圧力戻し手段としての構成を兼用している。
【0018】
制御手段12は、記憶手段18から読み出したプログラムの制御シーケンス上の機能として、炊飯制御手段21、保温制御手段22、表示制御手段23および条件設定手段24を制御用IC17に備えている。炊飯制御手段21は、操作手段7からの炊飯開始の指示を受けて、内鍋に投入した米の吸水を促進させるひたし炊き工程と、被炊飯物の温度を短時間に沸騰まで上昇させる沸騰加熱工程と、被炊飯物の沸騰状態を継続させる沸騰継続工程と、ご飯を焦がさない程度の高温に維持する高温維持工程の各工程を順に行なう炊飯工程を実行して、内鍋内部の被炊飯物に対して所望の圧力で炊飯加熱するものである。また保温制御手段22は、内鍋内部のご飯を所定の保温温度に保つ保温工程を行なうように制御するものである。そして表示制御手段23は、操作手段7からの操作信号に基づき、各種の制御信号を生成し、また表示手段6の表示動作を制御するものである。また条件設定手段24は、表示制御手段23と連携して、操作手段7で選択できる条件の選択および設定、例えば複数のお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および水硬度の設定がある炊飯コースの中から所望の炊飯コースの選択および設定、を可能にするものである。
【0019】
本実施形態の炊飯器1では、それぞれのお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および水硬度の設定に応じた炊飯コースが記憶手段51に記憶されており、その記憶された炊飯コースのお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および、特に水硬度の設定が表示手段6に選択可能に表示され、これらの設定を行なうことで、当該炊飯コースの選択および設定を行なっている。そして炊飯制御手段21は、この炊飯コースの設定ごと、特に水硬度の設定ごとに加熱手段11の制御や蒸気経路開閉手段15および減圧手段16の制御、すなわち炊飯の制御を行なっている。そのため、特に水の硬度に合った適切な炊飯を行なうことができ、炊飯されたご飯の美味しさをより際立たせることができる。
【0020】
図4は、本実施形態の炊飯器1の表示手段6の上面図である。図4図11は表示手段6の上面図を示しており、それぞれの図面の上側を「前」、下側を「後」、左側を「左」、右側を「右」として説明する。また、それぞれの図面の手前側を「上」、奥側を「下」として説明する。図4において、表示手段6は、蓋体2の上面中央に配置されるLCD25と、このLCD25の前に配置される工程LED表示部26~29と、により構成される。工程LED表示部26~29は、実際の炊飯器の状態を表示するもので、本実施形態では、予約設定がされていているときに「予約」の工程LED表示部26が点灯し、保温状態になると「保温」の工程LED表示部27が点灯し、減圧手段16により内鍋の内部が大気圧より低い真空状態になると、「真空」の工程LED表示部28が点灯し、炊飯中に内鍋の内部に圧力がかかり始めてから、被炊飯物が炊き上がるまでの内鍋の内部が加圧されているときに、「圧力」の工程LED表示部29が点灯するようになっており、LCD25のバックライトを減光させた減光状態のときでも、ユーザが炊飯器の現在の状態を一目で理解できるようにしている。また、それぞれの工程LED表示部26~29が点灯したときの光の色をそれぞれ異ならせており、炊飯器が現在どのような状態であるかを一目で理解できるようにしている。なお本実施形態では、工程LED表示部26~29の位置について、LCD25のすぐ前に配置されているが、LCD25から離れた位置に配置されてもよい。また工程LED表示部26~29を除く構成にして、これらの工程LED表示部26~29の表示内容をLCD25で表示するように構成してもよい。
【0021】
図4はトップ画面G1を示している。ユーザが予め本体1に設けた電源プラグを家庭用のコンセントに差し込むと、表示手段6や制御手段12などの各部に必要な電力が投入される。このとき表示制御手段23は、所定時間経過後または所定の起動時表示画面の表示に、表示手段6に表示される普段使いの初期画面として、図4に示すようなトップ画面G1の配置を表示手段6に表示させる。
【0022】
図4を参照してトップ画面G1の説明をすると、その前部には、4つのボタン表示部B1~B7を左右に並べて表示したメニューキー表示領域A1が形成されている。ここで「お米」のボタン表示部B1は、「お米」なるテキスト表示体D1、および「▼」というテキスト表示体D2を含む。また「炊き方」のボタン表示部B3は、「炊き方」なるテキスト表示体D3、および「▼」というテキスト表示体D4を含む。そして「かたさ調節」のボタン表示部B5は、「かたさ調節」なるテキスト表示体D5、および「▼」というテキスト表示体D6を含む。また「水硬度」のボタン表示部B7は、「水硬度」なるテキスト表示体D7、および「▼」というテキスト表示体D8を含む。
【0023】
また、メニューキー表示領域A1の後ろには、4つの設定表示体D11~D14を左右に並べて表示した炊飯情報表示領域A2が形成される。ここで「お米」の設定表示体D11は設定されたお米の情報が表示されており、「お米」のボタン表示部B1の後ろに配置され、図4では「白米 銘柄おまかせ」が表示されている。また「炊き方」の設定表示体D12は設定された炊き方の情報が表示されており、「炊き方」のボタン表示部B3の後ろに配置され、図4では「かまど名人」が表示されている。そして「かたさ調節」の設定表示体D13は設定されたかたさ調整の情報が表示されており、「かたさ調節」のボタン表示部B5の後ろに配置され、図4では「おすすめ」が表示されている。また「水硬度」の設定表示体D14は設定された水の硬度の情報が表示されており、「水硬度」のボタン表示部B7の後ろに配置され、図4では「40~60」が表示されている。
【0024】
そして、炊飯情報表示領域A2の後ろには、時計用表示体D16に表示される数字が炊飯時間であることを想起させる「炊飯時間」なるテキスト表示体D15と、炊飯所要時間や、実際の炊飯完了までの時間である残時間や、予想される炊飯完了の時刻である炊上り時刻などを表示し、図4では炊飯情報表示領域A2の設定から算出された炊飯所要時間である「約38分」が表示された時計用表示体D16と、「炊飯スタート」なるテキスト表示体D17を含むボタン表示部B17と、が左右に並べて表示される。
【0025】
またトップ画面G1の後部には、歯車の図を想起させるテキスト表示体D18を含む設定用ボタン表示部B18と、「保温」なるテキスト表示体D19を含むボタン表示部B19と、「予約」なるテキスト表示体D20を含むボタン表示部B20と、現在時刻を表示する時刻用表示体D21と、「切」なるテキスト表示体D22を含むボタン表示部B22と、が左右に並べて表示される。
【0026】
タッチセンサで構成された操作手段7は、例えば、導電性ポリマーによる透明電極部と制御PC板に接続する接点部との間をパターン配線で繋いだ構成要素が、タッチキーとして複数配設されるものであり、LCD25に表示される複数のボタン表示部の何れかにタッチ操作を行なうことで、そのボタン表示部の上に配設され、当該ボタン表示部に対応したタッチキーがタッチ操作されて、このボタン表示部が選択される構成となっている。
【0027】
「切」のボタン表示部B22は、炊飯や保温をやめる際に操作されるもので、「切」のボタン表示部B22をタッチ操作すると、「切」のボタン表示部B22の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、炊飯制御手段21が本体1内の被炊飯物に対する加熱や予約炊飯を中止して切状態にする制御を行ない、表示制御手段23が、炊飯情報表示領域A2の表示を、最も直前に炊飯されたときの設定、すなわち記憶手段18に記憶されていた設定にしてトップ画面G1を表示するように表示手段6を制御する。なお、トップ画面G1で「切」のボタン表示部B22をタッチ操作すると、表示制御手段23が、炊飯前に設定され、現在、炊飯情報表示領域A2に表示されたお米の設定、炊き方の設定、かたさ調節の設定、および水の硬度の設定を破棄して、炊飯情報表示領域A2の表示を最も直前に炊飯されたときの設定、すなわち記憶手段18に記憶されていた設定にして表示するように表示手段6を制御する。
【0028】
「炊飯スタート」のボタン表示部B17は炊飯を開始する際に操作されるもので、「炊飯スタート」のボタン表示部B17をタッチ操作すると、「炊飯スタート」のボタン表示部B17の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、条件設定手段24が、現在、炊飯情報表示領域A2に表示されたお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および水硬度の設定を今回の炊飯コースの設定として記憶手段18に記憶し、炊飯制御手段21が、記憶手段18に記憶した今回の炊飯コースの設定で、本体1内の被炊飯物に対する炊飯開始の制御をする構成となっている。
【0029】
「保温」のボタン表示部B19は、保温を行なう際に操作されるもので、「保温」のボタン表示部B19をタッチ操作すると、「保温」のボタン表示部B19の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、保温制御手段22が、本体1内の被調理物に対する保温再加熱を開始するように、加熱手段11に適切な制御信号を送信する構成となっている。
【0030】
「お米」のボタン表示部B1は、被炊飯物としてのお米の種類を選択するのに操作されるもので、「お米」のボタン表示部B1をタッチ操作すると、「お米」のボタン表示部B1の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、お米選択画面(図示せず)を表示するように表示手段6を制御し、このお米選択画面でお米の種類が選択されると、表示制御手段23が、トップ画面G1に戻って、選択されたお米の種類をテキスト表示体D11に表示するように表示手段6を制御する。
【0031】
「炊き方」のボタン表示部B3は、被炊飯物の炊き方の種類を選択するのに操作されるもので、「炊き方」のボタン表示部B3をタッチ操作すると、「炊き方」のボタン表示部B3の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が炊き方選択画面(図示せず)を表示するように表示手段6を制御し、この炊き方選択画面で被炊飯物の炊き方が選択されると、表示制御手段23が、トップ画面G1に戻って、選択された被炊飯物の炊き方をテキスト表示体D12に表示するように表示手段6を制御する。
【0032】
「かたさ調節」のボタン表示部B5は、被炊飯物としてのご飯の食感の種類を選択するのに操作されるもので、「かたさ調節」のボタン表示部B5をタッチ操作すると、「かたさ調節」のボタン表示部B5の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、かたさ選択画面(図示せず)を表示するように表示手段6を制御し、この炊き方選択画面でご飯の食感が選択されると、表示制御手段23が、トップ画面G1に戻って、選択されたご飯の食感をテキスト表示体D13に表示するように表示手段6を制御する。
【0033】
「水硬度」のボタン表示部B7は、被炊飯物としての水の硬度を選択するのに操作されるもので、「水硬度」のボタン表示部B7をタッチ操作すると、「水硬度」のボタン表示部B7の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、図5に示されるような水硬度選択画面G2を表示するように表示手段6を制御する。
【0034】
設定用ボタン表示部B18は、炊飯器を設定するのに操作されるもので、設定用ボタン表示部B18をタッチ操作すると、設定用ボタン表示部B18の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、設定画面(図示せず)を表示するように表示手段6を制御する。
【0035】
「予約」のボタン表示部B20は、予約炊飯を行なう際に操作されるもので、「予約」のボタン表示部B20をタッチ操作すると、「予約」のボタン表示部B20の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が予約設定画面(図示せず)を表示するように表示手段6を制御し、この予約設定画面で予約の設定がされ、予約炊飯を開始させると、当該設定した予約時刻に本体1内の被炊飯物が炊き上がるように炊飯制御手段21により炊飯を開始し、また保温制御手段22による保温を開始するように制御する構成となっている。
【0036】
次に、上記構成の炊飯器について、特に水硬度選択画面G2、水硬度数値入力画面G3および都道府県選択画面G6に関連する動作の特徴を詳細に説明する。本実施形態では、表示手段6が、水硬度選択画面G2、水硬度数値入力画面G3および都道府県選択画面G6で水の硬度をカテゴリー別に表示し、硬度選択画面G2、水硬度数値入力画面G3および都道府県選択画面G6から操作手段7で水の硬度を選択可能に操作する構成としている。なお、ここからは説明の都合上、水の硬度の選択および設定に関する説明について言及する。
【0037】
図5(A)~(E)は、トップ画面G1で「水硬度」のボタン表示部B7をタッチ操作したときに移行する、第2のカテゴリーとしての水硬度選択画面G2を示している。同図を参照して水硬度選択画面G2を説明すると、その前部には、「水硬度 選択」なるテキスト表示体D31を含むタブ表示部B31と、「数値入力」なるテキスト表示体D32を含むタブ表示部B32と、を左右に並べて表示した水硬度画面表示領域A3が形成され、現在選択されているタブ表示部、例えば図5(A)~(E)の場合は「水硬度 選択」のタブ表示部B31の外周に選択表示部S1が表示されている。また水硬度画面表示領域A3の後ろには、「水の硬度を選択してください」なるテキスト表示体D33が配置される。
【0038】
そしてテキスト表示体D33の後ろには、カーソル表示体C1~C5を一直線に並べて表示し、これらのカーソル表示体C1~C5の前に、テキスト表示体D35~D40を左右に並べて表示し、カーソル表示体C1~C5の後ろに、テキスト表示体D35~D40の数値が水硬度の数値であることを想起させる「mg/L」なるテキスト表示体D41を表示した水硬度選択表示領域A4が形成される。また現在選択されているカーソル表示体、例えば図5(C)の場合は「40~60」のカーソル表示体C3が点灯表示され、他のカーソル表示体C1,C2,C4,C5が消灯表示されている。ここで「0~20」のカーソル表示体C11の左端前方および右端前方に「0」なるテキスト表示体D35および「20」なるテキスト表示体D36が配置され、同様に「20~40」のカーソル表示体C12の左端前方および右端前方に「20」なるテキスト表示体D36および「40」なるテキスト表示体D37が配置され、「40~60」のカーソル表示体C13の左端前方および右端前方に「40」なるテキスト表示体D37および「60」なるテキスト表示体D38が配置され、「60~80」のカーソル表示体C14の左端前方および右端前方に「60」なるテキスト表示体D38および「80」なるテキスト表示体D39が配置され、「80~100」のカーソル表示体C15の左端前方および右端前方に「80」なるテキスト表示体D39および「100」なるテキスト表示体D40が配置されている。
【0039】
なお記憶手段18は、例えば「40~60」などの水の硬度の範囲の設定と、例えば「20」などの、後述する水の硬度の数値の設定と、をそれぞれ個別に記憶しており、トップ画面G1から水硬度選択画面G2に移行したとき、表示制御手段23は、記憶手段18に記憶されている水の硬度の範囲のカーソル表示体C1~C5が点灯表示されるように表示手段6を制御する。例えば記憶手段18が、水の硬度の範囲の設定「40~60」と、水の硬度の数値の設定「20mg/L」と、を記憶しており、「水硬度」の設定表示体D14に「20mg/L」が表示されていたときにトップ画面G1から水硬度選択画面G2に移行すると、表示制御手段23は「40~60」のカーソル表示体C3が点灯表示されるように表示手段6を制御する。
【0040】
また、水硬度選択表示領域A4の後ろには、「<」なるテキスト表示体D43を含むボタン表示部B43と、「>」なるテキスト表示体D44を含むボタン表示部B44と、が左右に並べて配置される。そして、水硬度選択画面G2の後部には、「戻る」なるテキスト表示体D45を含むボタン表示部B45と、「決定」なるテキスト表示体D46を含むボタン表示部B46と、「各都道府県 平均」なるテキスト表示体D47を含むボタン表示部B47と、「取消」なるテキスト表示体D48を含むボタン表示部B48と、が左右に並べて配置される。
【0041】
「水硬度 選択」のタブ表示部B31および「数値入力」のタブ表示部B32は、水硬度選択画面G2または水硬度数値入力画面G3のどちらが現在LCD25に表示されているかを表示するものであり、「水硬度 選択」のタブ表示部B31が選択され、水硬度選択画面G2がLCD25に表示されているときは、表示制御手段23は、「水硬度 選択」のタブ表示部B31の背景が背景色と略同色で、「水硬度 選択」のテキスト表示部D31が白抜きで表示され、「水硬度 選択」のタブ表示部B31の外周に選択表示部S1が表示されて、「数値入力」のタブ表示部B32の色を薄くして表示する、いわゆるグレーアウト表示で表示されるように表示手段6を制御する。その一方で図に示されるように、「数値入力」のタブ表示部B32が選択されて水硬度数値入力画面G3がLCD25に表示されているときは、表示制御手段23は、「水硬度 選択」のタブ表示部B31がグレーアウト表示で表示され、「数値入力」のタブ表示部B32の背景が背景色と略同色で、「数値入力」のテキスト表示部D31が白抜きで表示され、「数値入力」のタブ表示部B32の外周に選択表示部S1が表示されるように表示手段6を制御する。
【0042】
カーソル表示体C1~C5は、被炊飯物としての水の硬度の設定を表示するものであり、右のカーソル表示体に行くにつれて水の硬度が高くなるように表示され、このカーソル表示体に表示された水の硬度で炊飯コースが設定される。本実施形態の水硬度選択画面G2では、このカーソル表示体C1~C5の点灯表示を左右に移動させることにより水の硬度の選択をしており、「<」のボタン表示部B43や「>」のボタン表示部B44でカーソル表示体C1~C5の点灯表示を移動させる。例えば図5(C)に示された状態のときに「<」のボタン表示部B43を1回タッチ操作すると、「<」のボタン表示部B43の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、図5(B)に示されるように表示制御手段23が、「40~60」のカーソル表示体C3を消灯表示にして「20~40」のカーソル表示体C2を点灯表示するように表示手段6を制御する。また図5(C)に示された状態のときに「>」のボタン表示部B44を1回タッチ操作すると、「>」のボタン表示部B44の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、図5(D)に示されるように表示制御手段23が、「40~60」のカーソル表示体C13を消灯表示にして「40~60」のカーソル表示体C4を点灯表示するように表示手段6を制御する。なお本実施形態では、図5(A)に示されるように、表示制御手段23は、「0~20」のカーソル表示体C11が点灯表示しているときに「<」のボタン表示部B43をグレーアウト表示で表示するように表示手段6を制御し、「<」のボタン表示部B43をタッチ操作しても操作が無効になるように構成している。また図5(E)に示されるように、表示制御手段23は、「80~100」のカーソル表示体C5が点灯表示しているときに「>」のボタン表示部B44をグレーアウト表示で表示するように表示手段6を制御し、同様に、「>」のボタン表示部B44をタッチ操作しても操作が無効になるように構成している。
【0043】
そして「決定」のボタン表示部B46は、水の硬度の選択を決定するのに操作されるものであり、例えば上述した「20~40」のカーソル表示体C12を点灯表示させた状態で「決定」のボタン表示部B46をタッチ操作すると、「決定」のボタン表示部B46の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、トップ画面G1に戻って、「水の硬度」の設定表示体D14の表示を、「決定」のボタン表示部B46の操作時の水硬度選択画面G2の設定、例えば「20~40」の表示にするように表示手段6を制御する。
【0044】
「各都道府県 平均」のボタン表示部B47は、水の硬度の選択で都道府県の平均の数値を選択するのに操作されるものであり、「各都道府県 平均」のボタン表示部B47をタッチ操作すると、「各都道府県 平均」のボタン表示部B47の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が地方区分選択画面G5を表示するように表示手段6を制御する。
【0045】
「戻る」のボタン表示部B47は、現在の画面、例えば水硬度選択画面G2における設定を破棄して、一つ前の画面、例えばトップ画面G1に戻る際に操作されるもので、「戻る」のボタン表示部B47をタッチ操作すると、「戻る」のボタン表示部B47の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、現在LCD25に表示された設定を破棄して、一つ前の画面、例えばトップ画面G1に戻って、当該一つ前の画面で表示されていた設定を表示するように表示手段6を制御する。
【0046】
「取消」のボタン表示部B48は、現在の画面、例えば水硬度選択画面G2における設定を破棄してトップ画面G1に戻る際に操作されるもので、「取消」のボタン表示部B48をタッチ操作すると、「取消」のボタン表示部B48の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、現在LCD25に表示された設定を破棄して、トップ画面G1に戻って、最も直前のトップ画面G1で表示されていた設定を表示するように表示手段6を制御する。
【0047】
図6は、トップ画面G1から水硬度選択画面G2に移行したときに、最初に表示される水硬度ガイドポップアップ画面G4を示している。同図を参照して水硬度ガイドポップアップ画面G4を説明すると、LCD25の略全体に亘って水硬度ガイドポップアップ表示部P1が形成される。水硬度ガイドポップアップ表示部P1の前部には、炊飯に使用する水の硬度についての説明が表示されたガイド表示体D51が配置され、ガイド表示体D51の後ろには、白抜きの四角で表示されたチェックボックス表示部B52と、「次回より表示しない」なるテキスト表示体D53と、「OK」なるテキスト表示体D54を含むボタン表示部B54と、を左右に並べて表示している。
【0048】
チェックボックス表示部B52は、水硬度ガイドポップアップ表示部P1の表示の有無を選択するときに操作されるものであり、このチェックボックス表示部B52をタッチ操作すると、チェックボックス表示部B52の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、チェックボックス表示部B52内に、例えば「レ」印などのチェックした印を表示するように表示手段6を制御する。
【0049】
そして「OK」のボタン表示部B54は、水硬度ガイドポップアップ表示部P1の表示の有無を決定するのに操作されるものであり、例えば上述したチェックした印がチェックボックス表示部B52内に表示された状態で「OK」のボタン表示部B54をタッチ操作すると、「OK」のボタン表示部B54の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23は、水硬度選択画面G2を表示するように表示手段6を制御する。そして表示制御手段23は、次回から、トップ画面G1から水硬度選択画面G2に移行したときに、水硬度ガイドポップアップ表示部P1をポップアップ表示させずに水硬度選択画面G2を表示させるように表示手段6を制御する。その一方で、例えば上述したチェックした印がチェックボックス表示部B52内に表示されておらず、白い四角の状態で「OK」のボタン表示部B54をタッチ操作すると、表示制御手段23は水硬度選択画面G2を表示させるように表示手段6を制御し、そして表示制御手段23は、次回も、トップ画面G1から水硬度選択画面G2に移行したときに、水硬度ガイドポップアップ表示部P1をポップアップ表示させるように表示手段6を制御する。
【0050】
図7は、水硬度選択画面G2で「数値入力」のタブ表示部B32をタッチ操作したときに移行する、第1のカテゴリーとしての水硬度数値入力画面G3を示している。同図を参照して水硬度数値入力画面G3を説明すると、その前部には水硬度画面表示領域A3が形成され、この水硬度画面表示領域A3の後ろには、「0~120まで 設定できます」なるテキスト表示体D58と、設定された水の硬度を回転可能に表示させる表示部として、設定された10桁の数字を示すテキスト表示体D59を含むピッカー表示部B59と、設定された1桁の数字を示すテキスト表示体D60を含むピッカー表示部B60と、テキスト表示体D59、D60に表示される数字が、水の硬度であることを想起させる「mg/L」なるテキスト表示体D61と、が左右に並べて表示されている。またピッカー表示部B59の前に、テキスト表示体D59に表示される10分桁の数字の増加を想起させるアイコン表示体D62を含む上キー表示部B62が配置され、ピッカー表示部B60の前に、テキスト表示体D60に表示される1分桁の数字の増加を想起させるアイコン表示体D63を含む上キー表示部B63が配置されると共に、ピッカー表示部B59の後ろに、テキスト表示体D59に表示される10分桁の数字の減少を想起させるアイコン表示体D64を含む下キー表示部B64が配置され、ピッカー表示部B60の後ろに、テキスト表示体D60に表示される1分桁の数字の減少を想起させるアイコン表示体D65を含む下キー表示部B65が配置される。これらの表示体D58~D65および表示部B59~B65が上述の様に配置されて表示され、水硬度数値入力表示領域A3が形成される。
【0051】
なお上述したように、記憶手段18は水の硬度の範囲の設定と、水の硬度の数値の設定と、をそれぞれ個別に記憶しており、水硬度選択画面G2から水硬度数値入力画面G3に移行したとき、記憶手段18は、移行する直前に水硬度選択画面G2に表示されていた水の硬度の数値の範囲を記憶し、また表示制御手段23は、記憶手段18に記憶されている水の硬度の数値がピッカー表示部B59,B60に表示されるように表示手段6を制御している。その一方で、水硬度数値入力画面G3から水硬度選択画面G2に移行したとき、記憶手段18は、移行する直前に水硬度数値入力画面G3に表示されていた水の硬度の数値を記憶し、また表示制御手段23は、記憶手段18に記憶されている水の硬度の数値の範囲のカーソル表示体C1~C5が点灯表示されるように表示手段6を制御する。そのため、水硬度選択画面G2や水硬度数値入力画面G3で水の硬度の設定を行なっているときに、水硬度数値入力画面G3や水硬度選択画面G2に移行しても、次に水硬度選択画面G2や水硬度数値入力画面G3に移行したときに直前の水の硬度の設定の情報を表示することができる。
【0052】
ピッカー表示部B59,B60は、被炊飯物としての水の硬度の設定を表示するものであり、上キー表示部B62,B63や下キー表示部B64,B65をタッチ操作することでピッカー表示部B59,B60の表示を変更することにより、このピッカー表示部B59,B60に表示された水の硬度で炊飯コースが設定される。例えば図7の状態のときに下キー表示部B64を1回タッチ操作すると、下キー表示部B64の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、ピッカー表示部B59に表示されたテキスト表示体D59の数字「5」を1減少させてテキスト表示体D59の数字が「4」を表示するように表示手段6を制御する。そして、例えば上述したピッカー表示部B59,B90が「40」を表示した状態で「決定」のボタン表示部B46をタッチ操作すると、「決定」のボタン表示部B46の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、トップ画面G1に戻って、「水の硬度」の設定表示体D14の表示を、「決定」のボタン表示部B46の操作時の水硬度数値入力画面G3の設定、例えば「40mg/L」の表示にするように表示手段6を制御する。なお表示制御手段23は、これらのピッカー表示部B59,B60上で、タッチパネル8を指でタッチし、そこから指を滑らせて操作するスライド操作した場合に、そのピッカー表示部の数字がスライド操作した方向にスクロールして表示されるように表示手段6を制御してもよい。
【0053】
図8は、水硬度数値入力画面G3で上キー表示部B62,B63や下キー表示部B64,B65を操作したときのピッカー表示部B59,B60の表示の移り変わりを示している図である。図8(A)は、ピッカー表示部B59,B60が最低値である「 0」を表示しているときを示しており、このとき表示制御手段23は、上キー表示部B62,B63および下キー表示部B65のそれぞれのアイコン表示体D62,D63およびD65に色を付けて表示する色付き表示にし、下キー表示部B64のアイコン表示体D64をグレー表示するように表示手段6を制御する。そのため、ピッカー表示部B60の数値を増加、減少方向のいずれにも操作可能であり、ピッカー表示部B59の数値を増加方向に操作可能である一方で、ピッカー表示部B59の数値を減少方向に操作できないことをユーザに想起させ、ユーザが感覚的に水硬度数値入力の操作をできるようにしている。
【0054】
ここで本実施形態では、ピッカー表示部B60の数値である、設定された1桁の数字を示すテキスト表示体D60は「0」~「9」で変更可能であり、ピッカー表示部B59である、設定された10桁の数字を示すテキスト表示体D59は、表示させない空白である「 」~「12」まで変更可能であるように構成されており、テキスト表示体D59の最低値を0ではなく空白にすることにより、ユーザが水硬度数値入力画面G3を見ただけで、現在表示された水硬度の数値を素早くかつ確実に知ることができるようにしている。
【0055】
また本実施形態では、図8(A)のときに上キー表示部B63をタッチ操作すると、表示制御手段23はテキスト表示体D60に示された数字を、例えば「1」、「2」と増加させるように表示手段6を制御する一方で、下キー表示部B65をタッチ操作すると、図8(B)に示されるように、表示制御手段23はテキスト表示体D60に示された数字を、例えば「9」と変更させるように表示手段6を制御している。このとき表示制御手段23は、ピッカー表示部B59のテキスト表示体D59は、図8(A)と同様に、空白である「 」を表示させるように表示手段6を制御しており、ピッカー表示部B59,B60の間で繰り上がり、繰り下がりが発生せずに、ピッカー表示部B59,B60のそれぞれを独立して設定できるように構成して、ユーザが設定しやすいようにしている。なお本発明はこれに限定されず、ピッカー表示部B59,B60の間で繰り上がり、繰り下がりが発生するように構成してもよい。
【0056】
その一方で本実施形態では、図8(A)のときに下キー表示部B64をタッチ操作しても、操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けずに操作が無効になるように構成しており、表示制御手段23はテキスト表示体D59に示された数字を、例えば空白である「 」から「12」と変更させないように表示手段6を制御しており、ユーザが水硬度の数値入力に設定で誤操作する虞を抑制している。なお本発明はこれに限定されず、空白である「 」から「12」と変更するように構成してもよい。
【0057】
図8(C)は、ピッカー表示部B59,B60が最高値である「120」を表示しているときを示しており、このとき表示制御手段23は、下キー表示部B64のアイコン表示体D64を色付き表示にし、上キー表示部B62,B63および下キー表示部B65のそれぞれのアイコン表示体D62,D63およびD65をグレー表示するように表示手段6を制御する。そのため、ピッカー表示部B59の数値を減少方向に操作可能である一方で、ピッカー表示部B59の数値を増加方向に操作できず、またピッカー表示部B60の数値を増加、減少方向のいずれにも操作できないことをユーザに想起させ、ユーザが感覚的に水硬度数値入力の操作をできるようにしている。本実施形態では、上述したようにピッカー表示部B59,B60の間で繰り上がり、繰り下がりが発生しないため、ピッカー表示部B60の数値を増加、減少方向のいずれにも操作できないが、ピッカー表示部B59,B60の間で繰り上がり、繰り下がりが発生する構成の場合は、ピッカー表示部B60の数値を減少方向に操作可能であるようにしてもよい。
【0058】
図9は、水硬度選択画面G2で「各都道府県 平均」のボタン表示部B47をタッチ操作したときに移行する地方区分選択画面G5を示している。同図を参照して地方区分選択画面G5の説明をすると、その前部には、「設定」なるテキスト表示体D71を含むタブ表示部B71と、「ガイド」なるテキスト表示体D72を含むタブ表示部B72と、を左右に並べて表示した設定・ガイド画面表示領域A5が形成されている。また設定・ガイド画面表示領域A5の後ろには、6つのボタン表示部B73~B78を前後左右に並べて表示した地方区分選択表示領域A6が形成されている。
【0059】
ここで「北海道 東北」のボタン表示部B73には、「北海道 東北」なるテキスト表示体D73を含んでおり、「関東 甲信」のボタン表示部B74には、「関東 甲信」なるテキスト表示体D74を含んでおり、「北陸 東海」のボタン表示部B75には、「北陸 東海」なるテキスト表示体D75を含んでおり、「近畿」のボタン表示部B76には、「近畿」なるテキスト表示体D76を含んでおり、「中国 四国」のボタン表示部B77には、「中国 四国」なるテキスト表示体D77を含んでおり、「九州 沖縄」のボタン表示部B78には、「九州 沖縄」なるテキスト表示体D78を含んでいる。
【0060】
また、地方区分選択画面G5の後部には、「戻る」のボタン表示部B45と、「取消」のボタン表示部B48と、が左右に並べて配置される。
【0061】
「設定」のタブ表示部B71および「ガイド」のタブ表示部B72は、設定画面またはガイド選択画面のどちらが現在LCD25に表示されているかを表示するものであり、地方区分選択画面G5はガイド選択画面からも選択可能であるため、表示制御手段23は、ガイド選択画面G9がLCD25に表示されているとして、「設定」のタブ表示部B71がグレーアウト表示で表示され、「ガイド」のタブ表示部B72が背景色と略同色に表示されるように表示手段6を制御する。
【0062】
地方区分選択表示領域A6内のボタン表示部B73~B78は、水の硬度の選択で都道府県から選択しようとする際に、当該都道府県がある地方区分を選択するのに操作されるものであり、ボタン表示部B73~B78のいずれかをタッチ操作すると、それぞれのボタン表示部B73~B78の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、選択されたボタン表示部に対応した都道府県選択画面G6に移行するように表示手段6を制御する。
【0063】
図10は、地方区分選択画面G5で、例えば「北陸 東海」のボタン表示部B75をタッチ操作したときに移行する、第3のカテゴリーとしての都道府県選択画面G6を示している。同図を参照して都道府県選択画面G6を説明すると、その前部には、「各都道府県の水道水の平均硬度(mg/L)」なるテキスト表示体D81が配置される。またテキスト表示体D81の後ろには、8つのボタン表示部B82~B89を前後左右に並べて表示した都道府県選択表示領域A7が形成されている。また都道府県選択画面G6の後部には、「戻る」のボタン表示部B45と、「取消」のボタン表示部B48と、が左右に並べて配置される。
【0064】
都道府県選択画面G6内のボタン表示部B82~B89は、都道府県の水道水の平均硬度から水の硬度を選択するのに操作されるものであり、本実施形態では、ボタン表示部B82~B89の数やボタン表示部B82~B89に含まれるテキスト表示体D82~D89の表示は、地方区分選択表示領域A6で選択された地方区分に対応したものが表示される。そのため都道府県選択画面G6は、ボタン表示部B73~B78に対応する6つの画面があり、例えば図10に示されるように、「北陸 東海」のボタン表示部B75をタッチ操作したときに移行する都道府県選択画面G6では、表示制御手段23は、ボタン表示部B82~B89の数が8つ表示され、テキスト表示体D82~D89には、それぞれ「新潟 33.0」、「富山 29.5」、「石川 46.5」、「福井38.4」、「静岡 53.6」、「岐阜 38.6」、「愛知 24.1」、「三重 44.5」が表示されるように表示手段6を制御する。
【0065】
ここで、ボタン表示部B82~B89のいずれか、例えば「新潟 33.0」のボタン表示部B82をタッチ操作すると、それぞれのボタン表示部B73~B78の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、記憶手段18に、選択された都道府県の水道水の平均硬度がある範囲、例えば新潟県は33.0mg/Lなので「20~40」を記憶し、そして表示制御手段23が、トップ画面G1に戻って、「水の硬度」の設定表示体D14の表示を、選択された都道府県の水道水の平均硬度がある範囲のカーソル表示体C1~C5の表示、例えば新潟県は「20~40」の表示にするように表示手段6を制御する。そのためユーザは、炊飯に使用する水道水の硬度の情報を知らなくても、使用する水道水の地域区分や都道府県を選択することで水の硬度を選択することができ、水道水の硬度の検査や調査をする必要がないため、利便性が向上する。なお本実施形態では、各都道府県内でも水道水の硬度にばらつきがあるために、選択された都道府県の水道水の平均硬度がある範囲の情報を記憶手段18が記憶し、設定表示体D14に表示するように構成しているが、各都道府県の水道水の平均硬度の数値、例えば新潟県は「33」を記憶手段18が記憶し、設定表示体D14に表示するように構成してもよい。
【0066】
図11は、水硬度選択画面G2から地方区分選択画面G5に移行したときに、最初に表示される都道府県水硬度ポップアップ画面G7を示している。同図を参照して都道府県水硬度ポップアップ画面G7を説明すると、LCD25の略全体に亘って都道府県水硬度ポップアップ表示部P2が形成される。都道府県水硬度ポップアップ表示部P2の前部には、各都道府県の水道水の平均硬度についての説明が表示されたガイド表示体D91が配置され、ガイド表示体D91の後ろには、白抜きの四角で表示されたチェックボックス表示部B92と、「次回より表示しない」なるテキスト表示体D93と、「OK」なるテキスト表示体D94を含むボタン表示部B94と、を左右に並べて表示している。
【0067】
チェックボックス表示部B92は、都道府県水硬度ポップアップ表示部P2の表示の有無を選択するときに操作されるものであり、このチェックボックス表示部B92をタッチ操作すると、チェックボックス表示部B92の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23が、チェックボックス表示部B92内に、例えば「レ」印などのチェックした印を表示するように表示手段6を制御する。
【0068】
そして「OK」のボタン表示部B94は、都道府県水硬度ポップアップ表示部P2の表示の有無を決定するのに操作されるものであり、例えば上述したチェックした印がチェックボックス表示部B92内に表示された状態で「OK」のボタン表示部B94をタッチ操作すると、「OK」のボタン表示部B94の上に配設された操作手段7からの操作信号を制御手段12が受け付けて、表示制御手段23は、地方区分選択画面G5を表示するように表示手段6を制御する。そして表示制御手段23は、次回から、水硬度選択画面G2から地方区分選択画面G5に移行したときに、水硬度ガイドポップアップ表示部P1をポップアップ表示させずに地方区分選択画面G5を表示させるように表示手段6を制御する。その一方で、例えば上述したチェックした印がチェックボックス表示部B92内に表示されておらず、白い四角の状態で「OK」のボタン表示部B94をタッチ操作すると、表示制御手段23は地方区分選択画面G5を表示させるように表示手段6を制御し、そして表示制御手段23は、次回も、水硬度選択画面G2から地方区分選択画面G5に移行したときに、水硬度ガイドポップアップ表示部P1をポップアップ表示させるように表示手段6を制御する。
【0069】
次に図12を参照しつつ、上記構成の炊飯器について炊飯工程における作用を説明する。本実施形態では、被炊飯物の水の硬度に対する炊き方の選択を適正かつ簡便にするために、水の硬度を選択、設定し、ひたし炊き工程における減圧手段16の真空ポンプの通電時間やデューティー比を変更することにより内鍋の内部圧力を調整し、水の硬度ごとに適切な炊き方のパターンを設ける構成としている。
【0070】
具体的には、炊飯コースの設定後にトップ画面G1で「炊飯スタート」のボタン表示部B17をタッチ操作すると、条件設定手段24が、現在、炊飯情報表示領域A2に表示されたお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および水硬度の設定を今回の炊飯コースの設定として記憶手段18に記憶し、炊飯制御手段21が、記憶手段18に記憶した今回の炊飯コースの設定の加熱パターンに沿って、本体1内の内鍋内の被炊飯物に対するひたし炊き工程、沸騰加熱工程、沸騰継続工程、むらし工程の各炊飯動作を行なうが、本実施形態では、炊飯工程中のひたし炊き工程で主に減圧が行われている。
【0071】
ひたし炊き工程中では内鍋内の圧力が大気圧よりも低い減圧状態となるように、炊飯制御手段21が、蒸気経路開閉手段15や減圧手段16の動作を各々制御する。具体的には、ひたし炊き工程が開始されると、炊飯制御手段21は、蒸気通路を閉塞するように蒸気経路開閉手段15を制御する。そしてこの状態で、炊飯制御手段21は、圧力検出手段14による圧力検知に基づき、減圧手段16の経路を開放すると共に、真空ポンプを連続動作させ、密閉した内鍋の内部の空気を真空ポンプで抜き取る真空引きを行なう。その後、炊飯制御手段21は、図12(A)(B)に示される表の設定に基づき、内鍋内部の圧力が一定値以下になる減圧状態で維持されるように減圧手段16を制御する。こうして、ひたし炊き工程の全期間に亘って、内鍋内部を減圧状態に保っている。
【0072】
図12は、ひたし炊き工程における減圧手段16の真空ポンプの通電時間およびデューティー比と、水の硬度との関係を示した表である。被炊飯物の水の硬度が高くなり、この水に含まれる不純物が多くなるほど、浸透圧の差異の関係により被調理物Sの米の吸水率が悪化し、またカルシウムやマグネシウムなどの粒が被調理物Sの米の微細な穴を塞いでしまうため、この米の内部まで水が浸透することを阻害し、芯まで糊化されないご飯になってしまう虞がある。そのため本実施形態の炊飯器では、真空ポンプの通電時間やデューティー比を変更することにより内鍋の内部圧力を調整し、被炊飯物の水の硬度が高くなるほど減圧するように真空ポンプを動作させ、被炊飯物の水の硬度に応じて減圧する構成にし、水の硬度が高くても炊飯されたご飯が芯まで糊化されるようにしている。
【0073】
具体的に説明すると、水硬度の設定を水硬度選択画面G2や都道府県選択画面G6で行なうなど、トップ画面G1の「水硬度」の設定表示体D14に、例えば図4に示される「40~60」のように、水の硬度の範囲が表示されていたときに炊飯開始した場合、炊飯制御手段21は、図12(A)に示される表の設定に基づき、受け取った情報の水硬度の設定に対応した通電時間やデューティー比で真空ポンプを動作させるように減圧手段16を制御し、例えば図4に示されるように「水硬度」の設定表示体D14に「40~60」が表示されていた場合は、通電時間Tsの長さが「T」、真空ポンプのデューティー比が「最大」で真空ポンプを動作させるように減圧手段16を制御する。
【0074】
また水硬度の設定を水硬度数値入力画面G3で水の硬度の設定を行なうなど、トップ画面G1の「水硬度」の設定表示体D14に、例えば「30mg/L」のように水の硬度の数値が表示されていたときに炊飯開始した場合、炊飯制御手段21は、図12(B)に示される表の設定に基づき、受け取った情報の水硬度の設定に対応した通電時間やデューティー比で真空ポンプを動作させるように減圧手段16を制御し、例えば「水硬度」の設定表示体D14に「30mg/L」が表示されていた場合は、通電時間Tsの長さが「T」、真空ポンプのデューティー比が「大」で真空ポンプを動作させるように減圧手段16を制御する。ここで本実施形態では、図12(B)の表において、水硬度の数値の増加に伴い、通電時間Tsが比例的に長くなるように設定されており、例えば水硬度の数値が10mg/Lのときは通電時間Tsの長さがT、水硬度の数値が30mg/Lのときは通電時間Tsの長さがTとなるように設定されている。その後、所定の時間のひたし炊き工程が終了すると、次の沸騰加熱工程に移行し、炊飯制御手段21は、蒸気経路開閉手段15および制御減圧手段16を制御して、内鍋内を減圧状態から外気と同じ圧力に戻す。
【0075】
以上のように、本実施形態の調理器としての炊飯器では、水を含む被調理物としての被炊飯物の米および水の調理を制御する制御手段としての炊飯制御手段21と、被炊飯物の水の水質情報としての水の硬度の情報を記憶する記憶手段18と、水の硬度の情報をカテゴリーごとに表示する表示手段6と、表示手段6に表示された水の硬度の情報を選択可能に操作する操作手段7と、を備え、炊飯制御手段21は、操作手段7で選択された水の硬度の情報に応じて、水の硬度の情報に応じた圧力まで減圧するように減圧手段16を制御することにより調理を制御し、表示手段6は、操作手段7で水の硬度の情報を選択可能に操作するカテゴリーごとの表示としての水硬度選択画面G2、水硬度数値入力画面G3および都道府県選択画面G6を有する構成としている。
【0076】
このような構成により、炊飯器で被炊飯物の水の硬度に応じて減圧することができるため、被炊飯物の水の硬度に応じた調理をすることができ、簡易な構成でユーザに水の硬度の情報の選択を可能とし、選択された水の硬度の情報に応じた適切な調理を行なうことができる。また操作手段7で水の硬度の情報を選択可能に操作する、カテゴリーごとの表示が複数あるため、ユーザの用途に合わせて、容易に水の硬度を選択することができる。
【0077】
また本実施形態の炊飯器では、表示手段6に表示されるカテゴリーは、操作手段7で水の硬度を数値で選択可能な第1のカテゴリーとしての水硬度数値入力画面G3と、操作手段7で水の硬度を複数の数値の範囲から選択可能な第2のカテゴリーとしての水硬度選択画面G2と、の少なくとも一方を有する構成としており、ユーザの用途に合わせて、水の硬度の選択、入力を行なうことができる。
【0078】
また本実施形態の炊飯器では、表示手段6に表示されるカテゴリーが、第1のカテゴリーとしての水硬度数値入力画面G3、および第2のカテゴリーとしての水硬度選択画面G2を有し、記憶手段18が、水硬度数値入力画面G3と水硬度選択画面G2とを切替えたときに、操作手段7で選択された水硬度数値入力画面G3の数値および水硬度選択画面G2の数値の範囲を、それぞれ個別に記憶し、次回、水硬度数値入力画面G3の表示が表示手段6にされたときに、切替えたときに記憶された数値を水硬度数値入力画面G3に反映して表示し、または次回、水硬度選択画面G2の表示が表示手段6にされたときに、切替えたときに記憶された数値の範囲を水硬度選択画面G2に反映して表示する構成としており、ユーザの用途に合わせて、水の硬度の選択、入力を切替えることができ、また以前に入力した水の硬度の数値や以前に選択した水の硬度の数値の範囲をユーザが記憶する必要がないため、利便性が向上する。
【0079】
また本実施形態の炊飯器では、表示手段6に表示されるカテゴリーが、操作手段7で複数の地域から選択する第3のカテゴリーとしての都道府県選択画面G6を少なくとも有し、所定の地域としての都道府県が選択されることにより、対応する水の硬度の数値の範囲が記憶手段18に記憶される構成としており、ユーザが、炊飯に使用する水道水の硬度の情報を知らなくても、使用する水道水の都道府県を選択することにより水の硬度を選択でき、利便性が向上する。
【0080】
また本実施形態の炊飯器では複数の地域が47都道府県であり、周知性のある地域である47都道府県で分類しているため、ユーザが容易に地域を選択することができる。
【0081】
また本実施形態の炊飯器では、表示手段6が、水の硬度の情報の説明の表示としての水硬度ガイドポップアップ画面G4および都道府県水硬度ポップアップ画面G7をさらに有する構成としており、ユーザが水の硬度の情報を選択する前に水の硬度や各都道府県の水道水の平均硬度について知ることができる。
【0082】
また本実施形態の炊飯器では、操作手段7がタッチセンサで構成されており、ユーザが感覚的に操作手段7の操作をすることができる。
【0083】
また本実施形態の調理器としての炊飯器は、ひたし炊き工程、沸騰加熱工程、沸騰継続工程、高温維持工程を順次実行可能な炊飯器であり、炊飯制御手段21はひたし炊き工程において、水の硬度の情報に応じて、水の硬度の情報に応じた圧力まで減圧するように減圧手段16を制御することにより炊飯を制御する構成としており、炊飯器で被炊飯物の水の硬度に応じた炊飯をすることができる。
【0084】
また本実施形態の調理器としての炊飯器は、被炊飯物を収容する鍋としての内鍋と、内鍋の内部を減圧する減圧手段16と、を備える炊飯器であり、炊飯制御手段21は、水の硬度の情報に応じて、水の硬度の情報に応じた圧力まで減圧するように減圧手段16を制御する構成としており、炊飯器で被炊飯物の水の硬度に応じて減圧することができるため、被炊飯物の水の硬度に応じた調理をすることができる。
【0085】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば本実施形態では炊飯器を実施例として説明したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば加熱調理器などの他の調理器でもよい。また本実施形態では被炊飯物の水の水質情報として、水の硬度の設定を行なうことにより、炊飯コースの選択および設定を行なっているが、水質情報として、水の硬度の他に、水のカルシウムイオン濃度、水のマグネシウムイオン濃度、水のpH値などを採用して設定を行なうことにより、炊飯コースの選択および設定を行なってもよい。また都道府県選択画面G6を切替えたときに操作手段7で選択された都道府県を記憶し、次回、都道府県選択画面G6の表示が表示手段6にされたときに、切替えたときに記憶された都道府県を都道府県選択画面G6に反映して表示するように構成してもよい。そして、実施形態中で例示した数値などはあくまでも一例にすぎず、炊飯器の仕様などに応じて適宜変更してかまわない。
【0086】
また本実施形態では、水の硬度の選択、設定に応じて、制御手段としての炊飯制御手段21が、ひたし炊き工程における減圧手段16の真空ポンプの通電時間やデューティー比を変更する例について説明したが、水の硬度の選択、設定に応じて、制御を変更する工程は、ひたし炊き工程に限られるものではなく、沸騰加熱工程、沸騰継続工程および高温維持工程などの、他の炊飯行程の少なくとも1つの工程において制御を変更するものであればよく、例えばひたし炊き工程に加えて、他の工程においても制御を変更するものであってもよい。さらに、本実施形態では、制御手段としての炊飯制御手段21の制御対象を減圧手段16の真空ポンプの通電時間やデューティー比とした例を説明したが、制御対象はこれに限られるものではなく、加熱手段11の加熱制御などの、他の制御対象としてもよいし、複数の制御対象としてもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0087】
6 表示手段
7 操作手段
16 減圧手段
18 記憶手段
21 炊飯制御手段(制御手段)
G2 水硬度選択画面(表示、第2のカテゴリー)
G3 水硬度数値入力画面(表示、第1のカテゴリー)
G4 水硬度ガイドポップアップ画面(水質情報の説明の表示)
G6 都道府県選択画面(表示、第3のカテゴリー)
G7 都道府県水硬度ポップアップ画面(水質情報の説明の表示)
【要約】
【課題】簡易な構成でユーザに水質情報の選択を可能とし、選択された水質情報に応じた適切な調理を行なうことができる調理器を提供する。
【解決手段】本発明の調理器としての炊飯器は、被炊飯物の米および水の調理を制御する炊飯制御手段21と、被炊飯物の水の硬度の情報を記憶する記憶手段18と、水の硬度の情報をカテゴリーごとに表示する表示手段6と、表示手段6に表示された水の硬度の情報を選択可能に操作する操作手段7と、を備え、炊飯制御手段21は、操作手段で選択された水の硬度の情報に応じて、水の硬度の情報に応じて調理を制御し、表示手段6は、操作手段7で水の硬度の情報を選択可能に操作する表示である、水硬度選択画面G2、水硬度数値入力画面G3および都道府県選択画面G6を有する構成としている。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12