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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-25
(45)【発行日】2022-05-09
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220426BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021164542
(22)【出願日】2021-10-06
(62)【分割の表示】P 2019052272の分割
【原出願日】2019-03-20
(65)【公開番号】P2022000823
(43)【公開日】2022-01-04
【審査請求日】2021-10-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】清水 悠
(72)【発明者】
【氏名】門脇 直哉
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-157430(JP,A)
【文献】特開2015-018437(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを識別するユーザ識別情報とクーポンを識別するクーポン識別情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
決済用コードを読み取った、前記ユーザが利用する端末から、前記ユーザ識別情報と前記ユーザに付与されているクーポンを識別するクーポン識別情報との少なくとも一方と、前記決済用コードが示す決済用データと、を含む、前記クーポンを利用して決済を実行するための決済要求を受信する決済要求受信部と、
前記決済要求が含む前記決済用データに基づいて決済を実行する決済実行部と、
所定条件が満たされた場合に、前記クーポンによる特典を、前記ユーザに提供する特典提供部と、
を有し、
前記記憶部において前記決済要求が含む前記ユーザ識別情報に関連付けられた前記クーポン識別情報又は前記決済要求が含む前記クーポン識別情報により識別される前記決済要求に対応する前記クーポンが有効でないと判定された場合に前記特典提供部が前記決済要求に対応する前記クーポンによる前記特典を前記ユーザに提供することなく、前記決済実行部は、前記決済要求受信部が受信した前記決済要求に対応する決済を実行
前記記憶部において前記決済要求が含む前記ユーザ識別情報に関連付けられた前記クーポン識別情報又は前記決済要求が含む前記クーポン識別情報により識別される前記決済要求に対応する前記クーポンが有効であると判定された場合に、前記特典提供部が前記決済要求に対応する前記クーポンによる前記特典を前記ユーザに提供するとともに、前記決済実行部は、前記決済要求受信部が受信した前記決済要求に対応する決済を実行する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記決済用データを記憶し、
前記決済実行部は、前記決済要求が含む前記決済用データが前記記憶部に記憶されている場合に、前記決済要求に基づいて決済を実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特典提供部は、前記決済要求が含む前記決済用データに関連付けられた店舗を識別する店舗識別情報が、前記クーポン識別情報に対応する前記店舗識別情報に含まれる場合に、前記特典を前記ユーザに提供する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記店舗からの要求に応じて、前記店舗を識別する前記店舗識別情報に関連付けられた前記決済用データを生成する生成部をさらに有する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特典提供部は、前記決済要求に対応する決済金額の値引きと、前記ユーザに対するポイントの付与と、前記ユーザに対する景品の提供と、のうち少なくとも1つを、前記特典として前記ユーザに提供する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記ユーザ識別情報と、複数の前記クーポンを識別する複数の前記クーポン識別情報と、を関連付けて記憶する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ユーザが利用する端末から、前記ユーザに付与されている複数の前記クーポンの中から前記ユーザによって選択された前記クーポンを識別する前記クーポン識別情報を受信する受信部をさらに有し、
前記記憶部は、前記ユーザ識別情報と、前記受信部が受信した前記クーポン識別情報と、を関連付けて記憶する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記記憶部は、前記ユーザによる前記クーポンの選択を受け付けることなく、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザに付与されている前記クーポンを識別する前記クーポン識別情報と、を関連付けて記憶する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記決済要求受信部は、前記ユーザが購入する商品の決済金額を含む前記決済要求を受信する、
請求項1から8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記特典提供部は、前記決済要求が含む前記決済金額に基づいて、前記ユーザに前記特典を提供する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
プロセッサが実行する、
決済用コードを読み取った、ユーザが利用する端末から、前記ユーザを識別するユーザ識別情報と前記ユーザに付与されているクーポンを識別するクーポン識別情報との少なくとも一方と、前記決済用コードが示す決済用データと、を含む、前記クーポンを利用して決済を実行するための決済要求を受信するステップと、
前記決済要求が含む前記決済用データに基づいて決済を実行するステップと、
所定条件が満たされた場合に、前記クーポンによる特典を、前記ユーザに提供するステップと、
を有し、
前記ユーザ識別情報と前記クーポン識別情報とを関連付けて記憶する記憶部において前記決済要求が含む前記ユーザ識別情報に関連付けられた前記クーポン識別情報又は前記決済要求が含む前記クーポン識別情報により識別される前記決済要求に対応する前記クーポンが有効でないと判定された場合に前記提供するステップにおいて前記決済要求に対応する前記クーポンによる前記特典を前記ユーザに提供することなく、前記決済を実行するステップでは、前記受信するステップにおいて受信された前記決済要求に対応する決済を実行
前記記憶部において前記決済要求が含む前記ユーザ識別情報に関連付けられた前記クーポン識別情報又は前記決済要求が含む前記クーポン識別情報により識別される前記決済要求に対応する前記クーポンが有効であると判定された場合に、前記提供するステップにおいて前記決済要求に対応する前記クーポンによる前記特典を前記ユーザに提供するとともに、前記決済を実行するステップでは、前記受信するステップにおいて受信された前記決済要求に対応する決済を実行する、
情報処理方法。
【請求項12】
前記記憶部は、前記決済用データを記憶し、
前記決済を実行するステップでは、前記決済要求が含む前記決済用データが前記記憶部に記憶されている場合に、前記決済要求に基づいて決済を実行する、
請求項11に記載の情報処理方法。
【請求項13】
店舗からの要求に応じて、前記店舗を識別する店舗識別情報に関連付けられた前記決済用データを生成するステップをさらに有し、
前記提供するステップでは、前記決済要求が含む前記決済用データに関連付けられた前記店舗識別情報が、前記クーポン識別情報に対応する前記店舗識別情報に含まれる場合に、前記特典を前記ユーザに提供する、
請求項11又は12に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記提供するステップでは、前記決済要求に対応する決済金額の値引きと、前記ユーザに対するポイントの付与と、前記ユーザに対する景品の提供と、のうち少なくとも1つを、前記特典として前記ユーザに提供する、
請求項11から13のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記ユーザによる前記クーポンの選択を受け付けることなく、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザに付与されている前記クーポンを識別する前記クーポン識別情報と、を関連付けて前記記憶部に記憶させるステップをさらに有する、
請求項11から14のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記受信するステップでは、前記ユーザが購入する商品の決済金額を含む前記決済要求を受信する、
請求項11から15のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項17】
前記提供するステップでは、前記決済要求が含む前記決済金額に基づいて、前記ユーザに前記特典を提供する、
請求項16に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーポンを利用して決済をする処理を行うための情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが有するユーザ端末に表示されたクーポンのコードを店舗に設置された店舗端末が読み取り、クーポンが適用可能である場合に商品の代金に対して値引きを行うシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-260099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたシステムでは、店舗端末を管理するホストコンピュータがユーザ端末へクーポンを配信し、店舗端末がクーポンを読み取って適用可否を判定する。このような特許文献1に記載されたシステムを、店舗端末に表示されたクーポンをユーザ端末が読み取るように構成することも考えられる。この場合に、店舗端末は、クーポンの適用可否を判定した上で、クーポンを表示する必要がある。そのため、店舗端末には、クーポンの適用可否を判定する処理をするための負担が掛かる。また、店舗の管理者には、クーポンの情報を店舗端末及びホストコンピュータ上で管理するために大きな負担が掛かる。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、商品の代金を決済する際にユーザ端末が店舗端末に表示されたクーポンを読み取るシステムにおいて、店舗の負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、ユーザを識別するユーザ識別情報とクーポンを識別するクーポン識別情報とを関連付けて記憶する記憶部と、決済用コードを読み取った、前記ユーザが利用する端末から、前記ユーザ識別情報と前記ユーザに付与されているクーポンを識別するクーポン識別情報との少なくとも一方と、前記決済用コードが示す決済用データと、を含む決済要求を受信する決済要求受信部と、前記決済要求が含む前記決済用データに基づいて決済を実行する決済実行部と、前記記憶部において前記決済要求が含む前記ユーザ識別情報に関連付けられた前記クーポン識別情報又は前記決済要求が含む前記クーポン識別情報により識別される前記クーポンが有効であると判定された場合に、前記クーポンによる特典を、前記ユーザに提供する特典提供部と、を有し、前記決済実行部は、前記ユーザ識別情報に関連付けられた前記クーポン識別情報により識別される前記クーポンが有効であるか否かに関わらず、前記決済要求受信部が前記決済要求を受信した後に前記ユーザが利用する端末から決済を実行するための指示を受け付けることなく、決済を実行する。
前記記憶部は、前記決済用データを記憶し、前記決済実行部は、前記決済要求が含む前記決済用データが前記記憶部に記憶されている場合に、前記決済要求に基づいて決済を実行してもよい。
前記特典提供部は、前記決済要求が含む前記決済用データに関連付けられた店舗を識別する店舗識別情報が、前記クーポン識別情報に対応する前記店舗識別情報に含まれる場合に、前記特典を前記ユーザに提供してもよい。
前記情報処理装置は、前記店舗からの要求に応じて、前記店舗を識別する前記店舗識別情報に関連付けられた前記決済用データを生成する生成部をさらに有してもよい。
前記特典提供部は、前記決済要求に対応する決済金額の値引きと、前記ユーザに対するポイントの付与と、前記ユーザに対する景品の提供と、のうち少なくとも1つを、前記特典として前記ユーザに提供してもよい。
前記記憶部は、前記ユーザ識別情報と、複数の前記クーポンを識別する複数の前記クーポン識別情報と、を関連付けて記憶してもよい。
前記情報処理装置は、前記ユーザが利用する端末から、前記ユーザに付与されている複数の前記クーポンの中から前記ユーザによって選択された前記クーポンを識別する前記クーポン識別情報を受信する受信部をさらに有し、前記記憶部は、前記ユーザ識別情報と、前記受信部が受信した前記クーポン識別情報と、を関連付けて記憶してもよい。
前記記憶部は、前記ユーザによる前記クーポンの選択を受け付けることなく、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザに付与されている前記クーポンを識別する前記クーポン識別情報と、を関連付けて記憶してもよい。
前記決済要求受信部は、前記ユーザが購入する商品の決済金額を含む前記決済要求を受信してもよい。
前記特典提供部は、前記決済要求が含む前記決済金額に基づいて、前記ユーザに前記特典を提供してもよい。
【0007】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、プロセッサが実行する、決済用コードを読み取った、ユーザが利用する端末から、前記ユーザを識別するユーザ識別情報と前記ユーザに付与されているクーポンを識別するクーポン識別情報との少なくとも一方と、前記決済用コードが示す決済用データと、を含む決済要求を受信するステップと、前記決済要求が含む前記決済用データに基づいて決済を実行するステップと、前記ユーザ識別情報と前記クーポン識別情報とを関連付けて記憶する記憶部において前記決済要求が含む前記ユーザ識別情報に関連付けられた前記クーポン識別情報と、前記決済要求が含む前記クーポン識別情報と、のいずれかにより識別される前記クーポンが有効であると判定された場合に、前記クーポンによる特典を、前記ユーザに提供するステップと、を有し、前記決済を実行するステップでは、前記ユーザ識別情報に関連付けられた前記クーポン識別情報により識別される前記クーポンが有効であるか否かに関わらず、前記受信するステップにおいて前記決済要求が受信された後に前記ユーザが利用する端末から決済を実行するための指示を受け付けることなく、決済を実行する。
前記記憶部は、前記決済用データを記憶し、前記決済を実行するステップでは、前記決済要求が含む前記決済用データが前記記憶部に記憶されている場合に、前記決済要求に基づいて決済を実行してもよい。
前記情報処理方法は、店舗からの要求に応じて、前記店舗を識別する店舗識別情報に関連付けられた前記決済用データを生成するステップをさらに有し、前記提供するステップでは、前記決済要求が含む前記決済用データに関連付けられた前記店舗識別情報が、前記クーポン識別情報に対応する前記店舗識別情報に含まれる場合に、前記特典を前記ユーザに提供してもよい。
前記提供するステップでは、前記決済要求に対応する決済金額の値引きと、前記ユーザに対するポイントの付与と、前記ユーザに対する景品の提供と、のうち少なくとも1つを、前記特典として前記ユーザに提供してもよい。
前記情報処理方法は、前記ユーザによる前記クーポンの選択を受け付けることなく、前記ユーザ識別情報と、前記ユーザに付与されている前記クーポンを識別する前記クーポン識別情報と、を関連付けて前記記憶部に記憶させるステップをさらに有してもよい。
前記受信するステップでは、前記ユーザが購入する商品の決済金額を含む前記決済要求を受信してもよい。
前記提供するステップでは、前記決済要求が含む前記決済金額に基づいて、前記ユーザに前記特典を提供してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、商品の代金を決済する際にユーザ端末が店舗端末に表示されたクーポンを読み取るシステムにおいて、店舗の負担を軽減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る決済システムの模式図である。
図2】実施形態に係る特典提供装置のブロック図である。
図3】実施形態に係るユーザ端末及び店舗端末のブロック図である。
図4】クーポン情報、トークン情報及び有効性情報の模式図である。
図5】決済画面を表示している店舗端末の表示部の正面図である。
図6】クーポン選択画面を表示しているユーザ端末の正面図である。
図7】コード読み取り画面を表示しているユーザ端末の正面図である。
図8】実施形態に係る決済システムが実行する決済方法のシーケンス図である。
図9】変形例に係る決済方法のシーケンス図である。
図10】変形例に係る決済方法のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[決済システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る決済システムS(情報処理システム)の模式図である。決済システムSは、特典提供装置1と、ユーザ端末2と、店舗端末3と、決済サーバ4とを含む。決済システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0011】
特典提供装置1(情報処理装置)は、ユーザに付与されている電子的なクーポンの有効性を判定し、ユーザに対してクーポンによる特典を提供するコンピュータである。ユーザは、小売店等の店舗の顧客である。特典提供装置1は、インターネット、ローカルエリアネットワーク等のネットワークを介して、ユーザ端末2、店舗端末3及び決済サーバ4と通信可能である。
【0012】
ユーザ端末2は、ユーザの操作を受け付けるとともに、様々な情報を表示するコンピュータである。また、ユーザ端末2は、店舗端末3が提示した決済用コードを読み取る機能を有する。ユーザ端末2は、例えばスマートフォン、タブレット端末等の携帯端末である。店舗端末3は、店舗の中に設置されており、ユーザが購入する商品の情報を読み取るコンピュータである。店舗端末3は、例えばPOS(Point Of Sale)端末、又は店舗の店員が有する通信端末である。決済サーバ4は、ユーザが購入する商品の代金を決済するコンピュータである。商品は、ユーザが代金を支払って購入可能な物品又はサービスである。
【0013】
本実施形態に係る決済システムSがクーポンを適用して決済を行う処理の概要を以下に説明する。特典提供装置1は、予めユーザに対してクーポンを付与し、ユーザを識別するためのユーザIDと、クーポンを識別するためのクーポンIDとを関連付けて、記憶部に記憶している。ユーザIDは、ユーザごとに割り振られてもよく、ユーザ端末2ごとに割り振られてもよい。クーポンは、ユーザが商品の購入時に利用することによって、ユーザに所定の特典を提供するものである。クーポンによる特典は、例えば商品の代金の値引き、景品の提供、ポイントの付与等である。ユーザは、所望のタイミングで、ユーザに付与されているクーポンを利用して商品を購入できる。
【0014】
ユーザは、店舗で商品を購入する際に、購入したい商品を店舗端末3に提示する。店舗端末3は、ユーザが購入する商品の価格を含む商品情報を取得した後、ユーザが購入する商品の決済金額等の決済情報と、店舗を識別するための店舗IDとを含む決済用トークン要求を、特典提供装置1へ送信する(a)。
【0015】
特典提供装置1は、決済用トークン要求を受信すると、決済用トークンを生成し、決済用トークン要求が含む店舗ID及び決済情報と関連付けて記憶部に記憶させる。特典提供装置1は、生成した決済用トークンを、決済用トークン要求の送信元である店舗端末3へ送信する(b)。店舗端末3は、受信した決済用トークンに基づいて、決済用コードを生成し、表示部に表示させる(c)。決済用コードは、ユーザ端末2が読み取り可能な文字列又は画像である。
【0016】
ユーザは、店舗端末3に表示された決済用コードをユーザ端末2に読み取らせる前に、ユーザ端末2において利用したいクーポンを選択する操作を行う。ユーザ端末2は、ユーザ端末2に関連付けられたユーザIDと、選択されたクーポンに関連付けられたクーポンIDとを含むクーポン適用要求を、特典提供装置1へ送信する(d)。
【0017】
特典提供装置1は、受信したクーポン適用要求が含むユーザID及びクーポンIDに基づいて、クーポンが有効か否かを判定する(e)。このとき特典提供装置1は、例えばクーポンの有無、クーポンの利用可否及びクーポンの有効期限に基づいて、クーポンの有効性を判定する。特典提供装置1は、クーポンが有効であれば、ユーザIDとクーポンIDとを関連付けて記憶部に記憶させる。特典提供装置1は、クーポンの有効性の判定結果を、クーポン適用要求の送信元であるユーザ端末2へ送信する(f)。ユーザ端末2は、受信した判定結果を、表示部に表示させる。
【0018】
ユーザは、店舗端末3に表示された決済用コードを、ユーザ端末2に読み取らせる。ユーザ端末2は、店舗端末3に表示された決済用コードを、撮像部を用いて読み取る(g)。ユーザ端末2は、読み取った決済用コードを復号することによって、決済用コードが示す決済用トークンを取得する。ユーザ端末2は、ユーザIDと、読み取った決済用コードが示す決済用トークンとを含む決済要求を、特典提供装置1へ送信する(h)。
【0019】
特典提供装置1は、受信した決済要求が含む決済用トークンを記憶部から検索する。特典提供装置1は、受信した決済要求が含む決済用トークンを記憶部上で発見した場合に、該決済用トークンに対応する決済情報を特定する。また、特典提供装置1は、受信した決済要求が含むユーザIDを記憶部から検索する。特典提供装置1は、受信した決済要求が含むユーザIDを記憶部上で発見した場合に、該ユーザIDに対応するクーポンIDを特定する。
【0020】
特典提供装置1は、特定したクーポンIDのクーポンが有効か否かを再判定する(i)。このとき特典提供装置1は、例えばクーポンの有無、クーポンの利用可否、クーポンの有効期限及び店舗IDに基づいて、クーポンの有効性を判定する。特典提供装置1は、受信した決済要求が含むユーザIDに対応するクーポンIDのクーポンが有効であると判定した場合に、クーポンによる特典をユーザに提供し、受信した決済要求が含む決済用トークンに対応する決済情報の決済金額を、ユーザIDに関連付けて決済サーバ4へ送信する(j)。ここで特典提供装置1は、クーポンによる特典が値引きである場合に、決済金額からクーポンによる値引き金額を減算して、決済サーバ4へ送信する。
【0021】
決済サーバ4は、特典提供装置1から受信した決済金額が、ユーザが支払い可能な残高(例えばクレジット残高又はプリペイド残高)の範囲内である場合に決済処理をし、そうでない場合に決済処理をしない。決済サーバ4は、決済をしたか否かを示す決済結果を特典提供装置1へ送信する。特典提供装置1は、決済サーバ4から受信した決済結果を、店舗端末3へ通知する(k)。
【0022】
このように本実施形態に係る決済システムSにおいて、店舗端末3ではなく特典提供装置1が、クーポンの有効性を判定する処理及びクーポンを適用する処理を実行する。これにより、店舗端末3の処理負担を軽減でき、店舗端末3の処理性能を向上させるためのコストが必要ない。また、店舗の管理者が店舗端末3にクーポンの情報を登録する必要がないため、店舗の管理者の管理負担を軽減できる。
【0023】
[決済システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る特典提供装置1のブロック図である。図3は、本実施形態に係るユーザ端末2及び店舗端末3のブロック図である。図2図3において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2図3に示したもの以外のデータの流れがあってよい。図2図3において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2図3に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
【0024】
特典提供装置1は、制御部11と、記憶部12とを有する。制御部11は、決済用トークン要求受信部111と、トークン生成部112と、トークン送信部113と、クーポン適用要求受信部114と、有効性判定部115と、判定結果送信部116と、決済要求受信部117と、特典提供部118と、決済実行部119とを有する。記憶部12は、クーポン記憶部121と、トークン記憶部122と、有効性情報記憶部123とを有する。
【0025】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部11が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部12は、特典提供装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部11との間でデータの授受を行ってもよい。クーポン記憶部121は、ユーザに付与されているクーポンに関するクーポン情報を記憶する。トークン記憶部122は、決済情報に関連付けられたトークンを示すトークン情報を記憶する。有効性情報記憶部123は、有効と判定されたクーポンを示す有効性情報を記憶する。クーポン記憶部121、トークン記憶部122及び有効性情報記憶部123は、それぞれ記憶部12上の記憶領域であってもよく、あるいは記憶部12上で構成されたデータベースであってもよい。
【0026】
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、決済用トークン要求受信部111、トークン生成部112、トークン送信部113、クーポン適用要求受信部114、有効性判定部115、判定結果送信部116、決済要求受信部117、特典提供部118及び決済実行部119として機能する。制御部11の機能の少なくとも一部は電気回路によって実行されてもよい。また、制御部11の機能の少なくとも一部はネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0027】
ユーザ端末2は、制御部21と、記憶部22と、操作部23と、表示部24と、撮像部25とを有する。制御部21は、送信部211と、受信部212と、コード読取部213とを有する。操作部23は、キーボード、マウス等、ユーザの操作によって情報を入力可能な操作装置を含む。表示部24は、液晶ディスプレイ等、情報を表示可能な表示装置を含む。表示部24としてユーザによる接触の位置を検出可能なタッチスクリーンを用いることによって、操作部23と表示部24とを一体に構成してもよい。撮像部25は、所定の撮像範囲を撮像する撮像装置(カメラ、スキャナ等)を含む。撮像部25は、撮像した撮像画像を示す信号を制御部21に入力する。
【0028】
記憶部22は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部22は、制御部21が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部22は、ユーザ端末2の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部21との間でデータの授受を行ってもよい。
【0029】
制御部21は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、送信部211、受信部212及びコード読取部213として機能する。制御部21の機能の少なくとも一部は電気回路によって実行されてもよい。また、制御部21の機能の少なくとも一部はネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0030】
店舗端末3は、制御部31と、記憶部32と、表示部33とを有する。制御部31は、商品情報取得部311と、送信部312と、受信部313とを有する。表示部33は、液晶ディスプレイ等、情報を表示可能な表示装置を含む。記憶部32は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部32は、制御部31が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部32は、店舗端末3の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部31との間でデータの授受を行ってもよい。
【0031】
制御部31は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、商品情報取得部311、送信部312及び受信部313として機能する。制御部31の機能の少なくとも一部は電気回路によって実行されてもよい。また、制御部31の機能の少なくとも一部はネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0032】
本実施形態に係る決済システムSは、図2及び図3に示す具体的な構成に限定されない。特典提供装置1、ユーザ端末2、店舗端末3及び決済サーバ4は、それぞれ2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。
【0033】
[決済方法の説明]
以下、本実施形態に係る決済システムSが実行する決済方法を詳細に説明する。特典提供装置1のクーポン記憶部121は、ユーザに付与されているクーポンに関するクーポン情報を予め記憶している。
【0034】
図4(a)は、クーポン記憶部121が記憶するクーポン情報D1の模式図である。クーポン情報D1は、互いに関連付けられた、ユーザを識別するためのユーザID(ユーザ識別情報)と、ユーザに付与されているクーポンを識別するためのクーポンID(クーポン識別情報)と、特典と、利用可否と、有効期限と、店舗を識別するための店舗ID(店舗識別情報)とを含む。特典は、クーポンを利用して決済をしたユーザに提供される特典を示す。例えば特典は、商品の代金の値引き、景品の提供、ポイントの付与等である。利用可否は、クーポンが利用可能か否かを示す。例えば一度のみ利用可能なクーポンについては、クーポンがまだ利用されていない場合に「可」と設定され、クーポンが利用された場合に「不可」と設定される。
【0035】
有効期限は、クーポンが利用可能な期限を示す。図4(a)の例において、有効期限は終了時のみを示しているが、終了時に加えて開始時を示してもよい。店舗IDは、クーポンを利用可能な店舗を示す。店舗IDは、店舗ごとに固有の識別情報、又は複数の店舗のグループ(加盟店)に対して割り振られた識別情報である。クーポン情報D1は、複数の店舗IDを含んでもよい。店舗によらず利用可能なクーポンについては、店舗IDは省略される。
【0036】
図4(a)においてクーポン情報D1は視認性のために文字列の表で表されているが、各データは任意の形式で記録されてもよく、例えば文字列データ、数値データおよびバイナリデータのいずれでもよい。クーポン情報D1は、データベースとして記録されてもよく、あるいはデータを列挙したリストとして記録されてもよい。
【0037】
ユーザは、店舗で商品を購入する際に、購入したい商品を店舗端末3に提示する。店舗端末3において、商品情報取得部311は、ユーザが購入したい商品の価格を含む商品情報を取得する。例えば商品情報取得部311は、撮像部を用いて商品に付されたバーコードを読み取ることによって、商品情報を取得する。商品情報取得部311は、店舗の店員が入力した商品情報を取得してもよい。
【0038】
送信部312は、商品情報取得部311が取得した商品情報に基づいて商品の価格を合計して決済金額を算出し、算出した決済金額を示す決済情報と、店舗端末3を管理する店舗の店舗IDとを含む決済用トークン要求(トークン要求)を、特典提供装置1へ送信する。決済情報は、決済金額に加えて、決済対象の商品の名称等の決済に関する情報をさらに含んでもよい。
【0039】
特典提供装置1において、決済用トークン要求受信部111は、決済用トークン要求を店舗端末3から受信する。決済用トークン要求受信部111が決済用トークン要求を受信したことを条件として、トークン生成部112は、決済用トークンを生成する。決済用トークンは、無作為なデータであってもよく、あるいは所定の規則に従って生成されたデータであってもよい。トークン生成部112は、決済用トークン要求が含む店舗ID及び決済情報と、生成した決済用トークンとを関連付けてトークン記憶部122に記憶させる。
【0040】
図4(b)は、トークン記憶部122が記憶するトークン情報D2の模式図である。トークン情報D2は、互いに関連付けられた、店舗IDと、決済用トークンと、決済情報(ここでは決済金額)とを含む。図4(b)においてトークン情報D2は視認性のために文字列の表で表されているが、各データは任意の形式で記録されてもよく、例えば文字列データ、数値データおよびバイナリデータのいずれでもよい。トークン情報D2は、データベースとして記録されてもよく、あるいはデータを列挙したリストとして記録されてもよい。
【0041】
トークン送信部113は、トークン生成部112が生成した決済用トークンを、店舗端末3へ送信する。店舗端末3の受信部313は、決済用トークンを、特典提供装置1から受信する。受信部313は、受信した決済用トークンを所定の方法で符号化することによって、決済用コードを生成する。決済用コードは、例えばバーコードであってもよく、二次元コードであってもよく、文字列であってもよく、それらのうち複数であってもよい。決済用コードは、ユーザ端末2が読み取り可能であればその他の形態であってもよい。そして受信部313は、生成した決済用コードを提示する決済画面を、表示部33上に表示する。
【0042】
図5は、決済画面を表示している店舗端末3の表示部33の正面図である。決済画面は、決済用コード331を含む。決済用コード331は、特典提供装置1から受信した決済用トークンを示す決済用コードである。
【0043】
ユーザは、店舗端末3に表示された決済用コードをユーザ端末2に読み取らせる前に、ユーザ端末2上で、決済を行うアプリケーションソフトウェアを起動する。そしてユーザ端末2は、クーポンを選択するためのクーポン選択画面を、表示部24上に表示する。
【0044】
図6は、クーポン選択画面を表示しているユーザ端末2の正面図である。クーポン選択画面は、ユーザに付与されているクーポン241と、選択を確定するためのボタン242とを含む。図5(b)の例では、ユーザ端末2は、クーポン241として特典の内容を表示しているが、これに加えてクーポンの有効期限を表示してもよい。ユーザ端末2は、クーポン選択画面の表示時に予めユーザ端末2の記憶部22に記憶されたクーポン241の情報を読み出してもよく、あるいはクーポン選択画面の表示時に特典提供装置1からクーポン241の情報を受信してもよい。クーポン241は、ユーザによる操作に応じて選択又は非選択を切り替え可能である。複数のクーポン241のうち、いずれか1つのみが選択可能であってもよく、複数が選択可能であってもよい。
【0045】
ボタン242は、ユーザが押下可能な仮想的なボタン(アイコン)である。ユーザは、ユーザ端末2の操作部23を用いて、利用したいクーポン241を選択した後、ボタン242を押下する。ユーザ端末2の送信部211は、ユーザ端末2に関連付けられたユーザIDと、ユーザによって選択されたクーポンに関連付けられたクーポンIDとを含むクーポン適用要求を、特典提供装置1へ送信する。
【0046】
クーポン選択画面は、有効なクーポン241のみを含んでもよい。この場合に、ユーザ端末2は、クーポン選択画面の表示時にクーポン241が有効であるか否かの問い合わせを特典提供装置1へ送信する。特典提供装置1において、後述の有効性判定部115はクーポン241が有効であるか否かを判定し、判定結果をユーザ端末2へ送信する。ユーザ端末2は、有効であると判定されたクーポン241を含むクーポン選択画面を表示する。
【0047】
特典提供装置1において、クーポン適用要求受信部114(第1受信部)は、クーポン適用要求をユーザ端末2から受信する。有効性判定部115は、クーポン適用要求受信部114が受信したクーポン適用要求が含むユーザID及びクーポンIDを特定する。有効性判定部115は、特定したユーザID及びクーポンIDに基づいて、クーポンが有効であるか否かを判定する。クーポン適用要求が複数のクーポンIDを含む場合には、有効性判定部115は、複数のクーポンIDそれぞれが有効であるか否かを判定する。
【0048】
具体的には、有効性判定部115は、クーポン記憶部121から、クーポン適用要求が含むユーザID及びクーポンIDに関連付けられたクーポン情報を取得する。有効性判定部115は、ユーザID及びクーポンIDに関連付けられたクーポン情報がクーポン記憶部121に記憶されていない場合に、クーポンが有効でないと判定する。また、有効性判定部115は、クーポン情報が含む利用可否が、クーポンが利用可能でないと示している場合に、クーポンが有効でないと判定する。また、有効性判定部115は、現在時刻が、クーポン情報が含む有効期限の範囲外である場合に、クーポンが有効でないと判定する。
【0049】
有効性判定部115は、ユーザID及びクーポンIDに関連付けられたクーポン情報がクーポン記憶部121に記憶されており、かつクーポン情報が含む利用可否が、クーポンが利用可能であると示しており、かつ現在時刻(判定時の時刻)が、クーポン情報が含む有効期限の範囲内である場合に、クーポンが有効であると判定する。ここに示したクーポンの有効性の判定基準は一例であり、有効性判定部115はその他の判定基準によってクーポンが有効であるか否かを判定してもよい。有効性判定部115は、利用可否及び有効期限のどちらか一方のみを判定に用いてもよい。
【0050】
有効性判定部115は、クーポンが有効であると判定した場合に、ユーザIDとクーポンIDとを関連付けた有効性情報を、有効性情報記憶部123に記憶させる。図4(c)は、有効性情報記憶部123が記憶する有効性情報D3の模式図である。有効性情報D3は、互いに関連付けられた、ユーザIDと、クーポンIDとを含む。
【0051】
図4(c)において有効性情報D3は視認性のために文字列の表で表されているが、各データは任意の形式で記録されてもよく、例えば文字列データ、数値データおよびバイナリデータのいずれでもよい。有効性情報D3は、データベースとして記録されてもよく、あるいはデータを列挙したリストとして記録されてもよい。
【0052】
有効性情報D3は、有効性判定部115によってクーポンが有効であると判定された場合のユーザID及びクーポンIDの組を記憶する。そのため、ユーザID及びクーポンIDが有効性情報記憶部123に記憶されているか否かが、有効性判定部115によるクーポンが有効か否かの判定結果を表す。
【0053】
判定結果送信部116は、有効性判定部115によるクーポンの有効性の判定結果を、クーポン適用要求の送信元であるユーザ端末2へ送信する。ユーザ端末2の受信部212は、判定結果を、特典提供装置1から受信する。ユーザ端末2は、受信部212が判定結果を受信した場合に、決済用コードを読み取るためのコード読み取り画面を、表示部24上に表示する。
【0054】
図7(a)、図7(b)は、コード読み取り画面を表示しているユーザ端末2の正面図である。コード読み取り画面は、判定結果243と、読み取り枠244とを含む。判定結果243は、特典提供装置1の有効性判定部115によるクーポンが有効か否かの判定結果を表す情報である。図7(a)はクーポンが有効であると判定された場合のコード読み取り画面を示しているため、判定結果243はクーポンが有効である旨を表している。一方、図7(b)はクーポンが有効でないと判定された場合のコード読み取り画面を示しているため、判定結果243はクーポンが有効でない旨を表している。
【0055】
読み取り枠244は、撮像部25が撮像している画像上に重畳して表示されている、決済用コードを読み取り可能な領域を表す枠である。ユーザは、決済を行う場合に、店舗端末3に表示された決済用コードが読み取り枠244に入るように調整する。ユーザ端末2において、コード読取部213は、店舗端末3に表示された決済用コードを、撮像部25を用いて読み取る。コード読取部213は、読み取った決済用コードを所定の方法で復号することによって、決済用コードが示す決済用トークンを取得する。送信部211は、ユーザ端末2に関連付けられたユーザIDと、コード読取部213が取得した決済用トークンとを含む決済要求を、特典提供装置1へ送信する。
【0056】
本実施形態では、ユーザ端末2は、店舗端末3に表示された決済用コードを読み取る前にユーザによるクーポンの選択を受け付けているが、店舗端末3に表示された決済用コードを読み取った後にユーザによるクーポンの選択を受け付けてもよい。この場合には、ユーザ端末2は、店舗端末3に表示された決済用コードを読み取ったことを契機として、図6のクーポン選択画面を表示してクーポンの選択を受け付け、クーポン適用要求を特典提供装置1へ送信する。その後、ユーザ端末2は、特典提供装置1から判定結果を受信したことを契機として、決済要求を特典提供装置1へ送信する。このように、特典提供装置1は、ユーザ端末2が決済用コードを読み取る前と読み取った後との少なくとも一方において、ユーザによるクーポンの選択を受け付けることができる。
【0057】
特典提供装置1において、決済要求受信部117は、決済要求をユーザ端末2から受信する。決済要求受信部117は、受信した決済要求が含む決済用トークンを、トークン記憶部122から検索する。決済要求受信部117は、決済要求が含む決済用トークンをトークン記憶部122上で発見した場合に、トークン記憶部122において決済要求が含む決済用トークンに対応する店舗ID及び決済情報を特定する。決済要求受信部117は、受信した決済要求が含む決済用トークンをトークン記憶部122上で発見できなかった場合に、決済を実行せずに処理を終了する。
【0058】
また、決済要求受信部117は、受信した決済要求が含むユーザIDを、有効性情報記憶部123から検索する。決済要求受信部117は、決済要求が含むユーザIDを、有効性情報記憶部123上で発見した場合(すなわち、有効性情報記憶部123にユーザID及びクーポンIDの組が記憶されている場合)に、有効性情報記憶部123において決済要求が含むユーザIDに対応するクーポンIDを特定する。決済要求受信部117は、決済要求が含むユーザIDに対応するクーポンIDを特定できない場合(すなわち、有効性情報記憶部123にユーザID及びクーポンIDの組が記憶されていない場合)に、クーポンを適用せずに決済実行部119による決済の実行に進む。
【0059】
決済要求受信部117が決済要求に基づいて店舗ID、決済情報及びクーポンIDを特定した場合に、有効性判定部115は、決済要求が含むユーザIDに対応するクーポンIDに基づいて、クーポンが有効であるか否かを再判定する。決済要求が含むユーザIDが複数のクーポンIDに対応する場合には、有効性判定部115は、複数のクーポンIDそれぞれが有効であるか否かを再判定する。
【0060】
具体的には、有効性判定部115は、クーポン記憶部121から、決済要求が含むユーザID及び決済要求が含むユーザIDに対応するクーポンIDに関連付けられたクーポン情報を取得する。有効性判定部115は、ユーザID及びクーポンIDに関連付けられたクーポン情報がクーポン記憶部121に記憶されていない場合に、クーポンが有効でないと判定する。また、有効性判定部115は、クーポン情報が含む利用可否が、クーポンが利用可能でないと示している場合に、クーポンが有効でないと判定する。また、有効性判定部115は、現在時刻が、クーポン情報が含む有効期限の範囲外である場合に、クーポンが有効でないと判定する。また、有効性判定部115は、決済要求が含む決済用トークンに対応する店舗IDが、クーポン情報が含む店舗IDに含まれていない場合に、クーポンが有効でないと判定する。
【0061】
有効性判定部115は、ユーザID及びクーポンIDに関連付けられたクーポン情報がクーポン記憶部121に記憶されており、かつクーポン情報が含む利用可否が、クーポンが利用可能であると示しており、かつ現在時刻(再判定時の時刻)が、クーポン情報が含む有効期限の範囲内であり、かつ決済要求が含む決済用トークンに対応する店舗IDが、クーポン情報が含む店舗IDに含まれている場合に、クーポンが有効であると判定する。ここに示したクーポンの有効性の判定基準は一例であり、有効性判定部115はその他の判定基準によってクーポンが有効であるか否かを判定してもよい。有効性判定部115は、利用可否、有効期限及び店舗IDのうち一部のみを判定に用いてもよい。
【0062】
有効性判定部115は、クーポンが有効でないと判定した場合に、決済を実行せずに処理を終了してもよく、あるいはクーポンを適用せずに決済実行部119による決済の実行に進んでもよい。
【0063】
このように、特典提供装置1は、ユーザ端末2からクーポン適用要求を受信した際にクーポンの有効性を判定した後、ユーザ端末2から決済要求を受信した際にクーポンの有効性を再判定する。そして特典提供装置1は、クーポン適用要求受信部114がクーポン適用要求を受信した際、及び、決済要求受信部117が決済要求を受信した際ともに、クーポンが有効であると有効性判定部115が判定した場合に、クーポンによる特典をユーザに提供する。これにより、例えばユーザがクーポンを選択した際にクーポンが有効であって、商品を購入する際にクーポンが無効になった場合(有効期限を徒過した場合等)であっても、特典提供装置1はクーポンの利用条件を正しく判定してクーポンを適用した決済を行うことができる。ユーザ端末2から決済要求を受信した際の有効性判定部115による再判定は、省略されてもよい。
【0064】
本実施形態では、ユーザ端末2は、ユーザID及び決済用トークンを含む決済要求を送信しているが、クーポンID及び決済用トークンを含む決済要求を送信してもよい。この場合には、決済要求受信部117は、受信した決済要求が含むクーポンIDを、有効性情報記憶部123から検索する。決済要求受信部117は、決済要求が含むクーポンIDを、有効性情報記憶部123上で発見した場合に、有効性情報記憶部123において決済要求が含むクーポンIDに対応するユーザIDを特定する。そして有効性判定部115は、決済要求が含むクーポンID及び決済要求が含むクーポンIDに対応するユーザIDを用いて、クーポンの有効性を判定する。このように、特典提供装置1は、ユーザID及びクーポンIDの少なくとも一方を含む決済要求を受信することによって、クーポンの有効性を判定できる。
【0065】
クーポンが有効であると有効性判定部115が判定した場合に、特典提供部118は、クーポン記憶部121から取得した、ユーザID及びクーポンIDに関連付けられたクーポン情報に含まれる特典を特定する。そして特典提供部118は、特定した特典を、決済要求が含むユーザID又は決済要求が含むクーポンIDに対応するユーザIDのユーザに提供する。クーポンによる特典が景品の提供又はポイントの付与である場合には、特典提供部118は、ユーザに対して景品の提供又はポイントの付与を行うための情報を出力する。クーポンによる特典が商品の代金の値引きである場合には、特典提供部118は、決済要求が含む決済用トークンに対応する決済情報の決済金額(決済対象の商品の価格)から、クーポンによる値引き金額を減算する。
【0066】
決済実行部119は、決済要求が含む決済用トークンに対応する決済情報の決済金額(あるいはクーポンによる値引きが適用された決済金額)を、決済サーバ4へ送信することによって、決済を実行する。決済サーバ4は、特典提供装置1から受信した決済金額が、ユーザが支払い可能な残高(例えばクレジット残高又はプリペイド残高)の範囲内である場合に決済処理をし、そうでない場合に決済処理をしない。
【0067】
決済サーバ4は、決済をしたか否かを示す決済結果を特典提供装置1へ送信する。特典提供装置1の決済実行部119は、決済サーバ4から決済結果を受信し、店舗端末3へ通知する。店舗端末3の受信部313は、特典提供装置1から決済結果を受信し、記憶部32に記憶させる。
【0068】
さらに決済実行部119は、店舗端末3を管理する店舗に対する手数料を算出してもよい。手数料は、特典提供装置1を利用して決済を行うために、店舗端末3を管理する店舗が特典提供装置1を管理する事業者へ支払う料金である。手数料は、例えば決済金額に所定の係数を乗算することによって算出される。このとき決済実行部119は、特典提供部118が決済金額(決済対象の商品の価格)からクーポンによる値引き金額を減算した場合に、減算後の決済金額に基づいて手数料を算出する。一方、決済実行部119は、特典提供部118が決済金額からクーポンによる値引き金額を減算していない場合に、元の決済金額に基づいて手数料を算出する。決済実行部119は、算出した手数料を示す情報を、記憶部12に記憶させること又は店舗端末3へ送信することによって、出力する。これにより特典提供装置1は、クーポンによる値引き金額を自動的に反映して、店舗が事業者へ支払う手数料を正しく算出できる。
【0069】
[決済方法のシーケンス]
図8は、本実施形態に係る決済システムSが実行する決済方法(情報処理方法)のシーケンス図である。店舗端末3において、商品情報取得部311は、ユーザが購入したい商品の価格を含む商品情報を取得する(S11)。送信部312は、商品情報取得部311が取得した商品情報に基づいて商品の価格を合計して決済金額を算出し、算出した決済金額を示す決済情報と、店舗端末3を管理する店舗の店舗IDとを含む決済用トークン要求を、特典提供装置1へ送信する(S12)。
【0070】
特典提供装置1において、決済用トークン要求受信部111は、決済用トークン要求を店舗端末3から受信する。決済用トークン要求受信部111が決済用トークン要求を受信したことを条件として、トークン生成部112は、決済用トークンを生成する(S13)。トークン生成部112は、決済用トークン要求が含む店舗ID及び決済情報と、生成した決済用トークンとを関連付けてトークン記憶部122に記憶させる。トークン送信部113は、トークン生成部112が生成した決済用トークンを店舗端末3へ送信する。店舗端末3の受信部313は、特典提供装置1から受信した決済用トークンを所定の方法で符号化することによって、決済用コードを生成する。そして受信部313は、生成した決済用コードを、表示部33に表示させる(S14)。
【0071】
ユーザ端末2は、操作部23を用いて、ユーザによるクーポンの選択を受け付ける(S15)。ユーザ端末2の送信部211は、ユーザ端末2に関連付けられたユーザIDと、ユーザによって選択されたクーポンに関連付けられたクーポンIDとを含むクーポン適用要求を、特典提供装置1へ送信する(S16)。特典提供装置1において、クーポン適用要求受信部114は、クーポン適用要求をユーザ端末2から受信する。有効性判定部115は、クーポン適用要求受信部114が受信したクーポン適用要求が含むユーザID及びクーポンIDを特定する。有効性判定部115は、特定したユーザID及びクーポンIDに基づいて、クーポンが有効であるか否かを判定する(S17)。有効性判定部115は、クーポンが有効であると判定した場合に、ユーザIDとクーポンIDとを関連付けた有効性情報を、有効性情報記憶部123に記憶させる。
【0072】
判定結果送信部116は、有効性判定部115によるクーポンの有効性の判定結果を、クーポン適用要求の送信元であるユーザ端末2へ送信する。ユーザ端末2において、受信部212は、判定結果を、特典提供装置1から受信し、表示部24に表示させる。コード読取部213は、店舗端末3に表示された決済用コードを、撮像部25を用いて読み取る(S18)。コード読取部213は、読み取った決済用コードを所定の方法で復号することによって、決済用コードが示す決済用トークンを取得する。送信部211は、ユーザ端末2に関連付けられたユーザIDと、コード読取部213が取得した決済用トークンとを含む決済要求を、特典提供装置1へ送信する(S19)。
【0073】
特典提供装置1において、決済要求受信部117は、決済要求をユーザ端末2から受信する。決済要求受信部117は、受信した決済要求が含む決済用トークンを、トークン記憶部122から検索する。決済要求受信部117は、決済要求が含む決済用トークンをトークン記憶部122上で発見した場合に、トークン記憶部122において決済要求が含む決済用トークンに対応する店舗ID及び決済情報を特定する。決済要求受信部117は、受信した決済要求が含む決済用トークンをトークン記憶部122上で発見できなかった場合に、決済を実行せずに処理を終了する。
【0074】
また、決済要求受信部117は、受信した決済要求が含むユーザIDを、有効性情報記憶部123から検索する。決済要求受信部117は、決済要求が含むユーザIDを、有効性情報記憶部123上で発見した場合に、有効性情報記憶部123において決済要求が含むユーザIDに対応するクーポンIDを特定する。決済要求受信部117は、決済要求が含むユーザIDに対応するクーポンIDを特定できない場合に、クーポンを適用せずにステップS22の決済実行部119による決済の実行に進む。
【0075】
決済要求受信部117が決済要求に基づいて店舗ID、決済情報及びクーポンIDを特定した場合に、有効性判定部115は、決済要求が含むユーザIDに対応するクーポンIDに基づいて、クーポンが有効であるか否かを再判定する(S20)。ステップS20の再判定は省略されてもよい。有効性判定部115は、クーポンが有効でないと判定した場合に、決済を実行せずに処理を終了してもよく、あるいはクーポンを適用せずにステップS22の決済実行部119による決済の実行に進んでもよい。クーポンが有効であると有効性判定部115が判定した場合に、特典提供部118は、クーポン記憶部121から取得した、決済要求が含むユーザID及び決済要求が含むユーザIDに対応するクーポンIDに関連付けられたクーポン情報に含まれる特典を特定する。そして特典提供部118は、特定した特典を、決済要求が含むユーザIDのユーザに提供する(S21)。
【0076】
決済実行部119は、決済要求が含む決済用トークンに対応する決済情報の決済金額(あるいはクーポンによる値引きが適用された決済金額)を、決済サーバ4へ送信することによって、決済を実行する(S22)。決済サーバ4は、特典提供装置1から受信した決済金額が、ユーザが支払い可能な残高(例えばクレジット残高又はプリペイド残高)の範囲内である場合に決済処理をし、そうでない場合に決済処理をしない。決済サーバ4は、決済をしたか否かを示す決済結果を特典提供装置1へ送信する。特典提供装置1の決済実行部119は、決済サーバ4から決済結果を受信し、店舗端末3へ通知する。店舗端末3の受信部313は、特典提供装置1から決済結果を受信し、記憶部32に記憶させる。
【0077】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る決済システムSによれば、特典提供装置1は、ユーザ端末2からクーポン適用要求を受信した際にクーポンの有効性を判定した上でユーザID及びクーポンIDを関連付けて有効性情報記憶部123に記憶させ、ユーザ端末2からユーザID及びクーポンIDの少なくとも一方を含む決済要求を受信した際に、有効性情報記憶部123にユーザID及びクーポンIDの少なくとも一方が記憶されていることを条件として、クーポンの特典をユーザに提供する。そのため、決済システムSは、店舗端末3の処理負担を軽減でき、店舗端末3の処理性能を向上させるためのコストが必要ない。また、店舗の管理者は、店舗端末3にクーポンの情報を登録する必要がないため、店舗の管理者の管理負担を軽減できる。
【0078】
[第1変形例]
特典提供装置1は、ユーザが購入する商品に基づいて、クーポンが有効であるか否かを判定してもよい。この場合に、図4(a)に示すクーポン情報D1は、クーポンの適用対象である商品を識別するための商品ID(商品識別情報)をさらに含む。商品IDは、商品ごとに固有の識別情報、又は商品の種類(品目)に対して割り振られた識別情報である。クーポン情報D1は、複数の商品IDを含んでもよい。商品によらず利用可能なクーポンについては、商品IDは省略される。また、図4(b)に示すトークン情報D2は、決済対象の商品の商品IDをさらに含む。
【0079】
店舗端末3において、商品情報取得部311が商品情報を取得した後、送信部312は、決済金額を含む決済情報と、店舗端末3を管理する店舗の店舗IDと、決済対象の商品の商品IDとを含む決済用トークン要求を、特典提供装置1へ送信する。特典提供装置1において、トークン生成部112は、決済用トークン要求が含む決済情報、店舗ID及び商品IDと、生成した決済用トークンとを関連付けてトークン記憶部122に記憶させる。
【0080】
決済要求受信部117がユーザ端末2から決済要求を受信した際に、有効性判定部115は、トークン記憶部122において、決済要求が含む決済用トークンに対応する商品IDを特定する。そして有効性判定部115は、上述の利用可否、有効期限及び店舗IDを用いた判定に加えて、商品IDを用いた判定を行う。具体的には、有効性判定部115は、決済要求が含む決済用トークンに対応する商品IDが、クーポン情報が含む商品IDに含まれていない場合に、クーポンが有効でないと判定する。
【0081】
有効性判定部115は、ユーザID及びクーポンIDに関連付けられたクーポン情報がクーポン記憶部121に記憶されており、かつクーポン情報が含む利用可否が、クーポンが利用可能であると示しており、かつ現在時刻が、クーポン情報が含む有効期限の範囲内であり、かつ決済要求が含む店舗IDが、クーポン情報が含む店舗IDに含まれており、かつ決済要求が含む決済用トークンに対応する商品IDが、クーポン情報が含む商品IDに含まれている場合に、クーポンが有効であると判定する。有効性判定部115は、利用可否、有効期限、店舗ID及び商品IDのうち一部のみを判定に用いてもよい。このような構成により、特典提供装置1は、決済対象の商品に基づいて、クーポンの適用可否を判定することができる。
【0082】
[第2変形例]
以上の説明において、ユーザ端末2は、店舗端末3が動的に生成した決済用コードを読み込んで決済を行っているが、店舗から提示された静的な決済用コード(例えば印刷された決済用コード)を読み込んで決済を行ってもよい。図9は、本変形例に係る決済方法(情報処理方法)のシーケンス図である。以下では図8のシーケンス図と異なる点を主に説明する。本変形例において、ステップS14以前の処理は行われず、ステップS15~S17の処理は図8のシーケンス図と同様である。
【0083】
ユーザ端末2において、受信部212は、判定結果を、特典提供装置1から受信し、表示部24に表示させる。コード読取部213は、店舗から提示された決済用コードを、撮像部25を用いて読み取る(S18a)。決済用コードは、特典提供装置1によって予め生成され、店舗IDを関連付けて記憶された決済用トークンを示している。コード読取部213は、読み取った決済用コードを所定の方法で復号することによって、決済用コードが示す決済用トークンを取得する。さらにコード読取部213は、決済用トークンを取得した後、決済金額を入力するための画面を表示部24に表示させる。ユーザは、ユーザ端末2の操作部23を用いて、画面上で決済金額を入力する。
【0084】
決済用トークンは、特典提供装置1において、決済金額と予め関連付けられて生成されてもよい。この場合には、ユーザ端末2上での決済金額の入力は行われない。決済用トークンは、特典提供装置1において、商品IDと予め関連付けられて生成されてもよい。これにより特典提供装置1は、第1変形例と同様に商品IDを用いてクーポンの有効性の判定を行うことができる。
【0085】
ユーザが決済金額を入力した後、送信部211は、ユーザ端末2に関連付けられたユーザIDと、コード読取部213が取得した決済用トークンと、ユーザが入力した決済金額とを含む決済要求を、特典提供装置1へ送信する(S19a)。特典提供装置1において、決済要求受信部117は、決済要求をユーザ端末2から受信する。特典提供装置1は、トークン記憶部122に記憶された決済金額に代えて、決済要求が示す決済金額を、決済に用いる。ステップS20以降の処理は、図8のシーケンス図と同様である。これにより、本変形例では、店舗端末3は動的に決済用コードを生成する処理を行う必要がなく、特典提供装置1はユーザが入力した決済金額を用いて決済を行うことができる。
【0086】
[第3変形例]
以上の説明において、特典提供装置1は、ユーザがユーザ端末2において選択したクーポンを決済に用いているが、特典提供装置1がユーザに付与されているクーポンを特定して決済に用いてもよい。図10は、本変形例に係る決済方法(情報処理方法)のシーケンス図である。以下では図8のシーケンス図と異なる点を主に説明する。ステップS14以前の処理は、図8のシーケンス図と同様である。ユーザ端末2において、送信部211は、ユーザによるクーポンの選択を受け付けることなく、ユーザ端末2に関連付けられたユーザIDを含むクーポン適用要求を、特典提供装置1へ送信する(S16a)。
【0087】
特典提供装置1において、クーポン適用要求受信部114は、クーポン適用要求をユーザ端末2から受信する。有効性判定部115は、クーポン記憶部121において、クーポン適用要求受信部114が受信したクーポン適用要求が含むユーザIDに関連付けられたクーポンID(すなわユーザに付与されているクーポン)を特定する(S16b)。クーポン記憶部121においてユーザIDに関連付けられたクーポンIDが存在した場合に、有効性判定部115は、ユーザID及びクーポンIDに基づいて、クーポンが有効であるか否かを判定する(S17a)。クーポン記憶部121においてユーザIDに関連付けられたクーポンIDが存在しない場合、又はクーポンが有効でないと有効性判定部115が判定した場合に、判定結果送信部116は、有効なクーポンが存在しないことを示す判定結果を、ユーザ端末2へ送信する。
【0088】
有効性判定部115は、クーポンが有効であると判定した場合に、ユーザIDとクーポンIDとを関連付けた有効性情報を、有効性情報記憶部123に記憶させる。そして判定結果送信部116は、有効なクーポンのクーポン情報を示す判定結果を、ユーザ端末2へ送信する。ユーザ端末2において、受信部212は、特典提供装置1から受信した判定結果が示すクーポン情報を、表示部24に表示させる。ステップS18以降の処理は、図8のシーケンス図と同様である。このように本変形例に係る決済方法では、特典提供装置1は、ユーザによるクーポンの選択を受け付けることなく、ユーザに付与されているクーポンを特定して自動的に決済に適用できる。
【0089】
ユーザ端末2は、受信部212が有効なクーポンのクーポン情報を示す判定結果を受信した場合に、該クーポンを適用するか否かの選択をユーザから受け付けてもよい。この場合に、ステップS21において、特典提供装置1の特典提供部118は、ユーザが適用すると選択したクーポンの特典のみをユーザに提供する。これにより、特典提供装置1は、ユーザに付与されているクーポンを特定した後、該クーポンを適用するか否かの選択をユーザから受け付けた上で、決済に適用できる。
【0090】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【0091】
特典提供装置1、ユーザ端末2、店舗端末3及び決済サーバ4のプロセッサは、図8図10に示す決済方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、特典提供装置1、ユーザ端末2、店舗端末3及び決済サーバ4のプロセッサは、図8図10に示す決済方法を実行するためのプログラムを記憶部から読み出し、該プログラムを実行して決済システムSの各部を制御することによって、図8図10に示す決済方法を実行する。図8図10に示す決済方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0092】
S 決済システム
1 特典提供装置
114 クーポン適用要求受信部
115 有効性判定部
117 決済要求受信部
118 特典提供部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10