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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】連結装置
(51)【国際特許分類】
   B23B 29/24 20060101AFI20220427BHJP
   B23Q 5/04 20060101ALI20220427BHJP
   B23Q 3/12 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
B23B29/24 D
B23Q5/04 520Z
B23Q3/12 F
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019511977
(86)(22)【出願日】2017-08-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-19
(86)【国際出願番号】 EP2017001039
(87)【国際公開番号】W WO2018041405
(87)【国際公開日】2018-03-08
【審査請求日】2020-08-28
(31)【優先権主張番号】102016010700.6
(32)【優先日】2016-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】522042740
【氏名又は名称】ツァイトフラハト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト アウフ アクティーン
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】シュテッフェン ギースラー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア シュトローベル
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第1998/025730(WO,A1)
【文献】特開2008-307678(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101537503(CN,A)
【文献】国際公開第2011/035866(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00585600(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 29/24
B23Q 5/04
B23Q 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具タレットの駆動ユニット(13)と、工具タレットに取り付けられて加工工具を受容できる工具レセプタクル(36、38)の被動ユニット(46)との間の駆動接続を再び解除可能に確立するための連結装置において、
前記駆動ユニット(13)の駆動軸は連結位置でその外側ギア(32)によって前記被動ユニット(46)の被動軸(44)の内側ギアと係合していること、及び連結する前に前記外側ギア(32)の前記内側ギアへの衝突のない位置合わせを行うために位置合わせ装置が用いられ、この位置合わせ装置は前記被動軸(44)の一部に貫入して、一方の側では前記駆動軸(14)と協働するために制御手段(68)を有し、他方の側では前記制御手段(68)によって制御可能なる位置合わせ手段を有し、前記位置合わせ手段は前記工具レセプタクルに固持可能であることを特徴とする連結装置。
【請求項2】
前記駆動軸(14)の前記外側ギアは同じ前記駆動軸(14)の内側ギア(28)を含んでおり、内側ギア(28)は前記駆動軸(14)の端面に配置されて外に進出し、連結した状態でさらなる位置合わせ装置(54)を有するさらなる工具レセプタクル(36)の前記被動軸(44)の外側ギア(40)を受容する働きをし前記工具レセプタクル(36)の前記被動軸(44)を包することを特徴とする、請求項1に記載の連結装置。
【請求項3】
前記駆動ユニット(13)の前記駆動軸(14)は受容部(22)内に回転可能に支持されており、受容部(22)と共に操作手段(18、20)によって軸方向に移動可能に連結位置から連結が解除された位置へ、及びその逆にもたらすことができることを特徴とする、請求項1又は2に記載の連結装置。
【請求項4】
エネルギー蓄積手段(72)の作用下で、位置合わせ装置(66)の制御手段(68)はその中立位置で前記工具レセプタクル(38)の固持ジャーナル(35)に対して軸方向に張り出しており、前記位置合わせ手段(70)が前記工具レセプタクル(38)に固持されていること、及び連結位置で制御手段(68)は前記駆動軸(14)と当接し、且つ前記位置合わせ手段(70)は前記工具レセプタクル(38)との係合から外れていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の連結装置。
【請求項5】
位置合わせ装置(66)はロッド部材(76)を有しており、ロッド部材(76)は前記被動軸(44)の一部に貫入して、一方の側には制御手段(68)として制御板(74)を有し、他方の端部には前記位置合わせ手段(70)として係合ボルト(78)を有しており、係合ボルト(78)はロッド部材(76)と結合されていて、位置合わせされた位置で前記工具レセプタクル(38)の壁部にあるポケット状又は溝状の凹部(80)内に固持可能であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の連結装置。
【請求項6】
ロッド部材(76)はその一方の自由端で係合ボルト(78)に隣接してセンタリング装置(84)を有しており、このセンタリング装置(84)は少なくとも連結位置で前記工具レセプタクル(38)の前記被動軸(44)の部分と係合していることを特徴とする、請求項に記載の連結装置。
【請求項7】
前記駆動軸(14)の受容部(22)は油圧力の導入下で連結が解除された位置に戻され、油圧力の導入がなくなるとエネルギー蓄積手段(18)の作用下で連結位置に進められていることを特徴とする、請求項に記載の連結装置。
【請求項8】
制御手段(68)はそのすべての可能な軸方向移動位置で前記被動軸(44)の内側ギア(64)によって包含されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の連結装置。
【請求項9】
制御手段(68)のためのエネルギー蓄積手段が圧縮ばね(72)として形成されて前記被動軸(44)の受容部内で案内されており、その自由側で制御手段(68)に恒久的に支持されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の連結装置。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載の連結装置を有する工具タレットであって、タレットの工具ディスク(10)に慣用的な構造(36)の前記工具レセプタクルと、前記被動ユニット(46)の前記被動軸(44)上に内側ギア(64)を有する新しい構造(38)の前記工具レセプタクルを固持でき、内側ギア(64)は対応する工具タレットの前記駆動ユニット(13)の前記駆動軸の前記外側ギア(32)と係合させることができることを特徴とする工具タレット。
【請求項11】
請求項10に記載の工具タレットのための工具レセプタクルにおいて、前記被動軸(44)を備えた前記被動ユニット(46)を有しており、この被動軸(44)はその自由端に内側ギア(64)を有しており、少なくとも部分的に位置合わせ装置(66)によって貫入されていることを特徴とする工具レセプタクル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具タレットの駆動ユニットと、工具タレットに取り付けられて加工工具を受容できる工具レセプタクルの被動ユニットとの間の駆動接続を再び解除可能に確立するための連結装置に関する。本発明は、さらに工具タレット、並びにそのような連結装置少なくとも部分を有する工具レセプタクルに関する。
【背景技術】
【0002】
ある特許文献において、工具タレットの工具ディスク及び少なくとも1個の加工工具を選択的に駆動するための駆動装置であって、その加工工具は工具レセプタクルにより工具ディスクに固持可能であり、2個の駆動手段が1つの駆動軸を有する共通駆動装置によって駆動可能であり、これらの駆動手段はそれぞれ少なくとも1個の操作装置によって制御可能な連結装置を介して、工具ディスク又は加工工具の駆動に用いられ駆動手段と接続可能であり、少なくとも駆動装置は駆動手段と共に工具ディスクの内部に配置されている、駆動装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
したがってこの公知の連結装置では、ある運転モードで工具タレットの駆動ユニットの駆動軸は連結位置でその内側ギアにより、工具レセプタクルの被動ユニットの被動軸の外側ギアと係合し、そのようにして受容された切削加工工具を回転駆動する。この加工工具による加工が終了したら、連結装置は解除され、応動したギアは再び互いに係合から外れ、工具ディスクが工具タレットの定置された駆動ユニットに対して回転又は旋回することにより、工具ディスクの外周側に配置された新しい工具レセプタクルと工具が加工位置に移されることができ、この加工位置に対して連結装置は新たに応動した駆動軸と被動軸のギアを互いに係合させる。
【0004】
このように衝突のない連結過程のために、応動したギアは、一方のギア、例えば被動軸の外側ギアの歯を、ここでは駆動軸の内側ギアの形をした他方のギアの歯の間にほぼ遊びなく係合させることができるように、互いに正確に位置合わせされていなければならない。これを確保するためにいわゆる回動防止が使用されるが、これは専門用語では割出し装置とも呼ばれる。
【0005】
そのような回動防止は、別の特許文献において工具タレットのためのスピンドルヘッドについて開示されている(例えば、特許文献2参照。)。ここでは、スピンドルは回転可能に支持されており、その上に長手方向に移動可能に、しかし回動不能にブシュが配置され、これに固定要素が設けられている。この固定要素は回動防止のために、1方向におけるブシュの軸方向移動範囲が確動的に制限されている有効位置で、ハウジングの固定要素と係合しており、ブシュが付勢されたばねの力に抗して軸方向に移動することによってハウジングの固定要素との係合を外すことができる。この場合、固定要素の有効位置で協働する面から、少なくとも1つの固定要素の面は軸方向に対してセルフロッキングを排除する程度に傾いている。このようにして固定要素を介して伝達され得るトルクは、破損又は破壊を排除する値に制限できる。さらに特別の精度なしに、スピンドルに設けられ連結プロファイルを連結相手のプロファイルに正確に合わせることができるので、連結の際に通常ギアプロファイルの形をしたプロファイル間で衝突が起こり得ないことが確保される。このような又は比較可能な回動防止は、通常すべての公知の工具レセプタクルの被動ユニットの被動軸の外周に取り付けられている。
【0006】
これらの公知の連結装置は回動防止と並んで実用において充分実証されているが、工具タレットの駆動ユニットで比較的高い加工モーメントを伝達しようとすると、問題を招くことがある。なぜなら伝達可能な最大モーメントは通常互いに係合しているギアの形式による応動した軸・ハブ接続の強度によって制限されているが、その限りで設計上の制約により比較的低くならざるを得ないからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】独国特許出願公開第102009042772号明細書
【文献】独国特許出願公開第4228946号明細書
【文献】独国特許出願公開第10130446号明細書
【文献】独国特許出願公開第102005033890号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、この先行技術から出発して、公知の連結装置をさらに改良して、特に工具タレットにおける駆動ユニットより高出力の直接駆動を使用する場合に、高い加工モーメントの伝達を許す軸・ハブ接続を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題は、請求項1の特徴をその全体において有する連結装置によって解決される。
【0010】
請求項1の特徴部に従い、駆動ユニットの駆動軸が連結位置でその外側ギアによって被動ユニットの被動軸の内側ギアと係合していることによって、外側ギアと内側ギアの軸・ハブ結合の直径を設計上大きくすることができ、その結果としてより大きいトルク、したがって加工モーメントを工具レセプタクルによって受容された切削加工工具に伝えることができる。このことはこれまでに挙げた、加工のためにそれぞれより小さい直径上のギアと互いに係合しているギア解決では実現できない。
【0011】
しかしまた、外側ギアの駆動軸をより大きい直径上の被動軸の内側ギアと強制的に互いに結合できるようにするために、本発明によりさらに連結する前に上記の外側ギアを上記の内側ギアに衝突することなく位置合わせするために位置合わせ装置を用いるようになっており、この位置合わせ装置は、ここではもはや先行技術に見られるように被動軸の外周面に配置されずに、被動軸の一部に貫入して、一方の側では駆動軸と協働するために制御手段を有し、他方の側では制御手段によって制御可能な位置合わせ手段を有し、この位置合わせ手段は工具レセプタクルに固持可能である。少なくとも本発明による連結装置のコンポーネントを有する工具タレット解決及び工具レセプタクル解決を考慮しても、これに相当するものは先行技術にはない。
【0012】
さらに、新しく変更された新しい連結装置でも、慣用的な構造の工具レセプタクルを新しい連結装置に固持できることが引き続き可能である点が有利である。そのために連結装置はまさに駆動ユニットの駆動軸に外側に位置する外側ギアと並んで引き続き内側に位置する内側ギアを有しており、これは工具レセプタクルの被動ユニットの被動軸の慣用的な外側ギアと連結可能である。このようにして工作機械の工具タレットのために、用途に応じて新しい工具レセプタクルと古い工具レセプタクルを固持できるほぼモジュール式の工具ディスクコンセプトが実現される。
【0013】
本発明による解決のその他の有利な実施形態が従属請求項に記載されている。
【0014】
以下に本発明による連結装置を図面に示した実施例に基づいて詳細に説明する。図面は原理図であり、縮尺通りに表現されていない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明による連結装置の部分を有する、詳細に図示されていない工作機械の工具タレットの部分の一部縦断面図、一部斜視図である。
図2図2は、先行技術に見られる連結装置の部分を有する、加工工具が装着されていない工具レセプタクルの斜視図である。
図3図3は、本発明による連結装置の部分を有する、加工工具が装着されていない工具レセプタクルの部分の連結されていない状態における一部縦断面図、一部斜視図である。
図4図4は、本発明による連結装置の部分を有する、加工工具が装着されていない工具レセプタクルの連結した状態における一部縦断面図、一部斜視図である。
図5図5は、図1に示す工具タレットに図2に示すスピンドルヘッド状の工具レセプタクルを装着する際の連結係合の一部縦断面図、一部斜視図である。
図6図6は工具タレットと工具レセプタクルとの間で完全に行なわれた連結係合の一部縦断面図、一部斜視図である。
図7図7は、本発明による連結装置の部分を有する、図5及び図6に対応する表現であるが、ここでは図3及び図4の表現による工具レセプタクルを使用し、図3に示す運転状態において示す。
図8図8は、本発明による連結装置の部分を有する、図5及び図6に対応する表現であるが、ここでは図3及び図4の表現による工具レセプタクルを使用し、図4に示す運転状態において示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、工作機械(図示せず)のための、いわゆる工具タレットの一部を示しており、工具タレットは工作物を切削加工するための機械、例えばフライス盤の構成要素である。このために工具ディスク10が、工具タレットの定置されたハウジング部分12を中心に旋回可能に案内されており、ハウジング部分12は現代の工具タレット直接駆動コンセプトにおいて駆動軸14を備えた駆動ユニット13を受容している。この場合、通常電動モータの形式による応動した駆動ユニット13は、好ましくは工具タレットの定置されたハウジング部分12の統合された構成要素であり、そのような解決は例としてある特許文献に提示されている((例えば、特許文献1、3及び4参照。))。ハウジング部分12の内部で通常の、したがって詳細に説明しない軸受部24、24’を介して回転可能に案内されている駆動軸14は複数の部分から構成されており、前方係合部16を有している。この係合部16は反対方向に向けられた油圧力の導入がなくなると、直ちにエネルギー蓄積手段、例えば圧縮ばね18によって図1に示された最前方位置にもたらすことができる。上記の油圧力を形成するために、例として図5に示すように、油圧環状チャンバ20が用いられる。油圧環状チャンバ20は相応の油圧力を供給して、油圧ステップピストン22が圧縮ばね18の力の作用に抗して図示の方向で見て右から左に戻され、図5に示された最終位置に入ることができるように働く。その際に円筒状ステップピストン22は両前方軸受部24を連行して駆動軸14の前方係合部16を連れ戻し、このために係合部16は軸方向に位置合わせされた長手方向ガイド26により駆動軸14のその他の部分で長手方向に移動可能に案内されている。
【0017】
さらに図1から明らかなように、係合部16はその前方自由端に、係合部16内の中心に配置された円筒状内側凹部30に埋設されている内側ギア28を有する。さらに係合部16はその円筒状の外周側に別のギアを外側ギア32の形で有している。この場合、外側ギア32は、内側ギア28によって形成された直径より著しく大きい直径上にある。さらに工具ディスク10内には円筒状中心凹部34があり、相応に円筒状に形成された固持ジャーナル35を工具レセプタクル36、38に受容する働きをする。ここで工具レセプタクル36は慣用的な性質ものであり、図3及び図4に示す新しく形成された工具レセプタクル38は本発明による連結装置の部分を装備されている。中心凹部34と固持ジャーナル35を上述のように円筒状に形成する代わりに、このように互いに係合させることができるコンポーネントは少なくとも一部は円錐状に形成されてもよい(図示せず)。簡潔に表現するために図では切削加工工具を省いたが、これは通常の、したがってここでは詳細に説明しないやり方でそれぞれの工具レセプタクル36、38に固持できる。さらに図1には係合部16がその最前方端位置で示されているが、これは油圧環状チャンバ20は空にされ若しくは無圧に保たれており、圧縮ばね18の緊張が油圧エネルギー蓄積手段より部分的に弛緩した状態である。この前方係合位置で係合部16は工具ディスク10が、駆動軸14の長手方向軸心に対して横断方向に延びる垂直軸心を中心に自由に旋回するのを阻止する。この前方係合状態において工具ディスク10は係合部16を越えて旋回運動することをどんな場合でも阻止されており、これを越えて旋回することはできない。工具ディスク10を加工位置に決定的且つ精確に固持するためには、慣用的には別の電動駆動装置と公知のロック装置を用いるが、いずれも簡潔にするために図示されていない。
【0018】
図2に示す公知の工具レセプタクルは、その円筒状固持ジャーナル35に外方に突出する外側ギア40を有しており、この外側ギア40は駆動軸14の内側ギア28と係合させることができる。特に図5が示しているように、工具レセプタクル36はその内側に詳細に図示されていない加工工具を回転駆動するための被動ユニット46の被動軸44を備えた一種のスピンドルドライブ42を有している。被動ユニット46はスピンドルハウジング48を有し、その中で慣用的に軸受部50を介して被動軸44が案内されている。スピンドルドライブ42若しくは被動軸44は段差を付けて形成されており、その右側自由端面に図示されていない加工工具を固持するための受容円錐体52を有している。図5の方向で見て左側にスリーブ状の回動防止手段54が配置されており、この回動防止手段54は位置合わせ装置又は割出し装置として設定可能な区間だけ被動軸44の外周に沿って移動可能に案内されており、その際にその右側自由端面部で別の圧縮ばね56の形をした別のエネルギー蓄積手段に支持されている。この圧縮ばね56はスリーブ状回動防止手段54を図5の方向で見て左に押す傾向がある。この左側ストップ位置で回動防止手段54は被動軸44を設定された半径方向位置で係止するので、外側ギア40が駆動軸14の係合部16の内側ギア28と衝突することなく係合することが常に確保されている。ここで割出し装置として使用されるそのような回動防止は、例としてある特許文献に提示されているので、ここでは設計上の詳細はこれ以上詳しく述べない(例えば、特許文献2参照。)。
【0019】
図6の表現に従い、公知の工具レセプタクル36が完全に工具ディスク10に固持されると、油圧環状チャンバ20は弛緩し、圧縮ばね18のばね作用下で係合部16は前方へ押され、ここでは位置合わせ装置として用いられる回動防止手段54によって互いに位置合わせされたギア28とギア40は衝突することなく互いに係合し、その際に回動防止手段54は圧縮ばね56の力に抗して係合部16の自由端面部を越えて押し戻され、青の後ではロック係合は行なわれず、被動軸44はスピンドルドライブ42を駆動するために解放される。このとき円筒状内側凹部30はその内側ギア28によって一部被動軸44の外側ギア40の自由端を把持するので、係合部16の隣接した自由端面とスリーブ上回動防止手段54は互いに面状に当接する。次に駆動ユニット13としての電動モータを制御することにより、そのようにして連結した駆動軸14と被動軸44の接続によって切削加工工具が駆動される。
【0020】
次に連結解除過程のために、図5に例として示されているように、油圧環状チャンバ20に再び圧力が供給されて、ステップピストン22は図5の方向で見て右から左に戻り、その際に両前方軸受部24を圧縮ばね18の作用に抗して係合部16を超えて連行する。係合部16が引き戻されると、再び工具ディスク10は慣用的に旋回させられて、工具ディスク10の外周に配置されている他の工具レセプタクル(図示せず)が図5に示す所定の加工位置に来て新たな連結過程に入る。係合部16がその引き戻された位置に移動するとすぐに、圧縮ばね56は位置合わせ装置としての回動防止手段54を再び視線方向で右から左に押し出し、被動軸44をその現在の位置に確実にロックする。内側ギア28を外側ギア40と新たに互いに係合させる際に歯は、応動したギアが互いに噛み合うことができるように互いに位置合わせされている。このように提示された解決は先行技術であり、本発明による連結装置により上述したように引き続き慣用的な構造の工具レセプタクル36も加工過程に組み入れることができる。しかしながらこれが所望されない場合は、駆動軸14における駆動側で応動する内側ギア28を省かなければならず、又は単に公知の工具レセプタクル36を使用するこのような連結過程を放棄する。
【0021】
さて以下に、本発明による工具レセプタクル38を図3及び図4に基づいて詳しく説明する。図3は工具レセプタクル38を連結が解除された状態で示し、図4は連結されている状態で示している。工具レセプタクル38が図2に示す公知の工具レセプタクル36と一致している限り、これらの部材に対して同一の参照符号を用い、そこでなされた説明は新しい実施形態38にも準用される。したがって工具レセプタクル38もスピンドルハウジング48を有しており、その中にここでは3個の軸受部50を介して段差を付けたスピンドルドライブ42が被動軸44の形式で回転可能に案内されている。このように構成された被動ユニット46は、図3及び図4の方向で見てそれらの上端部に接続箇所58を有しており、この接続箇所58を介して切削加工工具のための詳細に図示されない受容部が接続可能であり、工具レセプタクル38に連結可能である。対向する下端部では、既述したようにスピンドルハウジング48が円筒状固持ジャーナル35に移行し、その自由下端部では段付き被動軸44外に進出している。被動軸44の自由下端部はスリーブ状接続部60に拡張しており、接続部60は中心に円筒状凹部62を有し、被動軸44の内側ギア64に沿って案内されている。ここで使用されるすべてのギア28、32、40及び64は、好ましくはスプラインギアとして作製されている。この場合、上記接続部60の外周は、実質的に固持ジャーナル35の外周と面一である。
【0022】
新しい工具レセプタクル38の解決も、本来の連結過程の前にここでは駆動軸14の外側ギア40と被動軸44の内側ギア64との衝突のない位置合わせを行うために位置合わせ装置66を有しており、この位置合わせ装置66は図3及び図4の表現によれば被動軸44の一部に貫入して、一方の側には制御手段68を有し、他方の側には制御手段68によって制御可能な位置合わせ手段70を有しており、この位置合わせ手段70はスピンドルハウジング48のハウジング部分に定置して固持可能であるが、これについては以下にさらに詳しく説明する。圧縮ばね72の形式による別のエネルギー蓄積手段の作用下で、新しい位置合わせ装置66の制御手段68は、工具レセプタクル38の部分に対して軸方向に、特に固持ジャーナル35の自由端の形で張り出している。図示の実施形態では制御手段68は制御板74によって形成されており、制御板74は被動軸44の内側ギア64に対して半径方向に間隔を置いて中心凹部62の内部で軸方向に移動可能に案内されている。制御手段68若しくは制御板74は、ロッド部材76と結合されており、ロッド部材はその自由端で係合ボルト78によって横断方向に貫入されている。係合ボルト78は被動軸44に対する位置合わせ手段として図3の表現によれば連結が解除された状態で固持ジャーナル35の内側にあるポケット状又は溝状の凹部80に、しかも固持ジャーナル35がその他のスピンドルハウジング48の自由端面82に移行する箇所で保持されている。
【0023】
さらにロッド部材76は係合ボルト78に隣接して配置されたその自由端に、ロッド状のセンタリング装置84を有しており、このセンタリング装置84は連結した状態で図4の表現により被動軸44の円錐状に延びるガイド凹部88の形をした対応する部分と係合している。ロッド部材76のためのガイドを形成するために、内側ギア64を有する接続部60は円筒状突起部90を介して、対応して形成された被動軸44の中心突起部92と固く結合されている。例えば両突起部90、92は互いにねじ止めされてよい。係合ボルト78は位置合わせ手段70として被動軸44の中心突起部92も、したがって被動軸44自体も貫入しているので、この被動軸44は、係合ボルト78が横断方向に延びる凹部80に突入係合することによってスピンドルハウジング48に固持されるとすぐに、それぞれの位置に固持される。そうすると内側ギア64を有する接続部60は回動できなくなり、工具レセプタクル38の連結が解除された状態で図3に示されている位置を維持する。
【0024】
しかしながら工具レセプタクル38が連結した状態で制御板74が操作されると、以下にさらに詳しく説明するが、制御板74は図4の表現に従い圧縮ばね72に抗して円筒状凹部62内にさらに押し込まれ、ロッド部材76を介して係合ボルト78はスピンドルハウジング48内の凹部80との係合から外れ、その結果としてやはりその限りで解放された被動軸44の内側ギア64を介して、詳細に図示されていない加工工具を駆動するための回転運動を行うことができる。次にロッド部材76の確実なセンタリングのために、その自由端はセンタリング部84として被動軸44内のガイド凹部88に突入係合する。図4に示す連結した状態から出発して再び連結が解除されると、位置合わせ装置66は全体として再び図3に示されている位置に入り、固持された係合ボルト78は位置合わせ手段70として被動軸44を再び相対回動しないようにスピンドルハウジング48内に拘束する。
【0025】
図7及び図8は、図5及び図6に示す既述の解決に従い、新しい工具レセプタクル38を工具ディスク10における連結が解除された位置又は連結した位置において示している。図3に示す工具レセプタクル38は、この図7の表現に従う操作位置で工具ディスク10に受容されており、図4に示す連結した状態におけるレセプタクル38は図8に示す付属の受容位置を示している。図7に示す連結が外れた位置若しくは連結が解除された位置から、図8に示す連結した位置に到達するために、再び油圧環状チャンバ20は圧力が抜かれて、係合部16は圧縮ばね18の作用下で既述したように図7に示す後方位置から図8に示す前方位置に到達する。この場合、駆動軸14の外側ギア32は被動軸44の内側ギア64との係合において連結係合に入り、係合部16の前方自由端面は制御板74の前方端面に作用して、この制御板74を図7の方向で見て左から右に押し戻し、しかもそれは本発明による位置合わせ装置66の横断方向に延びる係合ボルト78が、スピンドルハウジング48内のポケット状の凹部80との係合から外れるまで行なわれる。このようにして被動軸44が解放されて、連結した駆動軸14を介して電動モータ13によって駆動される。
【0026】
このように完全に連結した状態が、図8に例示的に示されているが、連結解除過程は再び図5及び図6に示した解決について既述したのとは逆の順序で進んで、油圧環状チャンバ20に圧力を供給することによりステップピストン22は圧縮ばね18のばね作用に抗して戻り、その結果として係合状態にある駆動軸14の外側ギア32と被動軸44の内側ギア64は再び係合から外れ、その結果として係合ボルト78の形をした位置合わせ装置66の位置合わせ手段70はスピンドルハウジング48内の対応する凹部80内に再び固持される。このようにして被動軸44は、上記のギアを再び咬み合わせる際に一方のギアの歯がそれぞれの他方のギアの歯の間に衝突することなく正確に嵌合して突入係合できることが確保される位置に正確に固持される。
【0027】
工具レセプタクル36若しくは38の連結が解除された状態で位置合わせ装置54、66が相応にロック解除されると、位置合わせ装置54、66は直ちにそれぞれの被動軸44によって回転しながら加工終了まで連行される。
【0028】
図2図5及び図6に示されている先行技術による解決では10パーセントの投入時間で駆動軸14と被動軸44との間で約55Nmのトルクが伝達されるのに対し、拡大された直径で係合する新しいギア解決は85Nm以上のトルク伝達を可能にする。それにより最終的に工具タレットにおいて出力の高い直接駆動の使用が可能となる。なぜなら対応するギア間の応動した軸・ハブ接続は、直径が大きいとより高いモーメントの伝達を許すからである。特にギア係合にトルクを伝達する際に機械的故障を招かないことが確保される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8