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  • 特許-二重型コップホルダー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】二重型コップホルダー
(51)【国際特許分類】
   A47G 23/02 20060101AFI20220427BHJP
【FI】
A47G23/02 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018074212
(22)【出願日】2018-03-20
(65)【公開番号】P2019162397
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2021-03-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593208083
【氏名又は名称】岡野 戸仁子
(72)【発明者】
【氏名】岡野 戸仁子
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-164336(JP,A)
【文献】特開2017-196201(JP,A)
【文献】中国実用新案第204813155(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2003/0111475(US,A1)
【文献】米国特許第08701914(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下の内空が上側の方が広く下端方向に狭くなりながら対象容器の底面部位置へ到達する内筒部と、前記内筒部の上端箇所から外筒部を、前記内筒部の径より大きい径で前記内筒部を捲る形状で設け、生じた外筒部の下端が内筒部中間まで到達した時、内筒部に近づき内側の空間を閉じて外筒部内部を空洞の管状としたことを特徴とする二重型コップホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
握力の弱い者でもコップを確実に握ることが出来るように、持つ手の上に載せられるカバー類を設けた、二重型ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
【先行技術文献】
【文献】特開2000-229677
【文献】特開2013-39349
【文献】特開2013-81724
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのために次のような問題点があった。
熱さ冷たさからの遮断や持ちやすさに対して配慮不足であり、転倒への回避への配慮が不足していた。ガラスコップでは冷たい飲み物が入ると水滴が生じ濡れて滑り易くなり、立食パーティでナプキンで一つ一つ包んで用意されていた。コーヒーカップの取って部が掴みにくかった。集団内で個人分の違いを見つけにくかった。
・特開2000-229677について述べると、エンボス加工の断熱層によって厚み を増したので温度における解決は出来るが、転倒を防ぐストッパー機能を有さない。 コップを持つ場合に取って部を持つことになり、指先の不自由な者には不向きであっ た。
・特開2013-39349について述べると、複数の紙層により熱さからの遮断は出 来ているが、指先に力のない者に対する持ち易さの解決は出来ていない。転倒を防ぐ ストッパーにはならない。
・特開2013-81724について述べると、指先に力のない者にとっては持ち易さ の解決は出来ていない。転倒を防ぐためストッパーにはならない。
【発明を解決するための手段】
【0005】
筒体かカップ体の内筒部が有り、前記内筒部の上方や外方へ延長して波状、花弁状、鋸の刃状等の任意の間隔で並ぶ凸状片や、じゃばら等の幅広機能箇所、ゴム、伸縮材、の緩みの、また前記内筒部の上端か側面から突き出して、平板状から逆雨樋状、半円状、半球状、V字状等の凸状体並びに出窓状の凸状部の、前記一つ以上の型で前記内筒部に対し一部ないしは一周して外筒部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
イ) 子供や手の不自由な人にも使いやすくなった。
ロ) 空間を挟む二重層になるので、熱さ、冷たさの対応と選択が出来ようになった。空 気を介しているので、より一層熱さ冷たさを遮断し易くなった。
ハ) ストッパー機能もあり、コップは転倒しにくくなった。
ニ) 外筒部を手の上に載せる使い方も出来るため、落下防止が出来、握力の弱い者にと って持ち易くなった。
ホ) 軽く掴む必要のある紙コップに対して、コントロールしにくい使用者が比較的強く 握っても、凹んで中の熱い飲み物を押し出すことがなくなった。
ヘ) 強く持たなければならないガラスのコップに対して柔軟なシート体で対処し、硬く 強く握ってもコップを傷つけることなく安全に掴むことが出来るようになった。
ト) 持ちにくい取って部は不要になった。
チ) カラーの違いがつけられ、使用中のコップの自他の区別が出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】斜視図である。
図2】展開図と使用斜視図である。
図3】端面図である。
図4】端面図と斜視図である。
図5】変形形態の使用図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を説明する。先ず概略説明をする。
紙コップやガラスコップ、陶器等の水溶液用容器が主な対象である。上端の繋がった二重の筒体構造にし、熱さ冷たさの遮断用や、掴み易さへの機能を持つ。内外どちらかの筒体がコップ下端と少なくとも同じ水平位置に届くようにして転倒防止用とする。また握った手の上側に載る箇所を有する形状にし、落下防止用とする。
材質として、パルプ、シリコン、ゴム、和紙などの紙類や布や合成生地、プラスチック等多種存在する。特記しない場合は、柔軟、硬質の両方を兼用し、材質が明らかな場合は説明しない。ゴム以外の場合、対象容器の中間辺りに密着出来る寸法にするか、使用時にその状態になる方法を模索する。様々な彩色は可能である。ガラスコップの場合は、内側に吸水機能を有する方が望ましい。
突っ張り感を取り除くために欠け所を設けるが、続けて穴も開けることで更にこの効果が増す。筒体の捲る位置より上部を差を設け幅広くする方法もある。材質に伸縮性が有れば、緩みのための細工については選択の範囲である。底面部の有無は選択する。
筒体状態から使用する場合と平面状シート体から使用する場合がある。
【0009】
図1図2の斜視図を用いて、内筒部の任意の上側を捲り曲げて外筒部を設ける型を説明する。外筒部は下端へ向き、内、外の筒体の高さは同じか一方が長く、長い方の下端が対象容器の底面部位置以下へ到達する。
図1aは中間近郊の、折り曲げ位置(2)より上側が外筒部(3)、下側が内筒部(1)の筒体とし、内空は上方に向けて広がる構成を示す。成型後に外筒部下端になる上端箇所(4)と、内筒部の下端箇所(5)がある。
bは、本体にコップ(6)を差し込んでセットした状態で、外筒部が内筒部より短い場合である。外筒部上部を捲って外側に曲げる時、上側を自然に大きくするより、折り曲げ位置から、外筒部の上側の径を段差をつけて大きくする方がより捲れやすい。段差については、外筒部側の上端にギャザーを入れる方法や幅広部分を切り外す等で内筒部との径を合わせて縫合する作り方がある。
cは外筒部の上端箇所に欠け所形成ライン(7)を数箇所に設ける場合の、任意の位置の断面状態を示す。
【0010】
図2aは本願を作成する展開図の一例である。扇形での側辺部(8)に接合箇所(9)を設け、ここを粘着テープ等を設け平面状に重ね合わせて筒状にする。材質が厚みや張りを有するなら、両側辺部に凹凸箇所を設け、着脱可能にする。緩みを持たせる又は張りを取り除くために上端に欠け所形成ライン(7)を設け、半円状箇所(10)や花弁状箇所を残す。欠け所の長さによっては、扱いにくくなり限界があるため、欠け所の切り込み状態を引き継ぐように、穴(11)を設ける。当箇所の緩みは容器を入れ易くする目的もある。欠け所を設ければ緩みと共に飲み口箇所(12)が生じる。
bは、aを成型した場合である。図の破線箇所の折り曲げ位置(2)からその上の周囲を幅広にすれば、より簡単に捲り曲げられる。材質にもよるのでこれは選択の範囲である。硬質材では、デザイン的に半円状花弁状にし穴を開ける。この穴は欠け所形成ラインを有し、前記欠け所形成ラインは上下向きの中央位置で対称形を示す捲り易く緩みの生じ易い形状 で五箇所以上の半円状か花弁状で成り、前記半円状か花弁状それぞれの中央位置上に穴を有する。
【0011】
使い方について図2を用いて説明する。aの場合、シート体を対象容器に巻いて、左右の側辺部(8)同士を平面状に繋ぐ。使用中に水滴で接合出来る可能性もある。熱さ、冷たさの遮断ができればそのままの一重で構わず、内筒部を掴んでコップを傾けて口に運ぶ。cのように外筒部を捲って使うとき、外筒部(3)を含めて掴む、又は内筒部(1)と外筒部の間に手を入れて、外筒部を手のり箇所にして内筒部の外側から掴む。
これらの使い方は以下に準じ、特別な場合には説明をする。
【0012】
図3図5を用いて、外筒部を先に捲り曲げた型を説明する。
図3では柔軟材使用の場合を、使用端面図で説明する。
aは、外筒部(3)の上端が下側を掴むことによって膨らむ形態である。内筒部(1)の下側までを折り曲げ位置(2)辺りと同じ空間の径で設ければ、コップは下方が狭いので底側に隙間(15)が生じ自然に下端が広がり、転倒防止の力を強める。意図的に広くしてもよい。
bは、外筒部の長さを短くし上端側に膨らみを持たせた、cは外筒部を渦巻状で設けた場合である。
使い方としては、aは外筒部を持てば上端が膨らむので、その膨らみを手のり箇所として持つ。手に外筒部が載り落下防止のメリットが生じる。
b、cでは、aとは異なり既に膨らみがあるので、外筒部を手の上に載せる。
【0013】
図4図5を用いて硬質材使用の形態を説明する。
図4のa、bは使用端面図、cは使用斜視図である。
aは2cに類似し逆雨樋状で、bは半円柱か棒状で、内筒部の上端外側を一周した場合である。cは管状で一周し、連続が途切れた空間箇所の左右は、側面部の一部が縦割で欠損した形状の、側面部端部(16)である。
使い方では外筒部の下側を持つ時、膨らみによって落下防止の作用が生じる。cの欠損型の場合は他と同様にコップを上側から差し込むか、空いた側から容器をはめる。コップの上側への突き出す長さによっては、空いた側が飲み口箇所(12)となる。
図5で湯飲み茶わん(17)を対象にし、部分的に外筒部を有する場合の説明をする。
aは平面図、bは正面図、cは透明使用図である。飲み口箇所の高さ位置は持ち方によって変わるので選択となる。使い方は前記同様である。カップ体で底面部があるので、握り方が緩めに出来る。底面方向は水平を示す。
尚、凸状片とは主に扇形の柔軟なシート体であり、上辺に同じ深さの切れ目を入れ、花弁状等の好みの形状を象り欠け所形成ライン(7)によって隙間を設け一周する。コップを密着させて包んで側辺で接合して使用するか、先に接合し立体化してコップを差し込む。凸状体は柔軟な場合と硬質な場合がある。柔軟な場合は凸状片と類似形状にしそれに加えて穴を設ける等で捲り易くし、また持つことで凸部が移動する機能を有する。硬質な場合は前記同様の形状や平板状から逆雨樋状等で、水平方向に、斜め方向に、或いはそれらの混合で上端に固定状で設けるが、先端箇所は、内筒部側には戻らない指が嵌め込められる範囲のカーブで止める。凸状部は凸状体を底面にした出窓状を指す。
コップを持った時、滑り止め用となる凸状体は、下に触れる指幅の半分程度覆う広さが必要で、二箇所に凸状体を設ければ人差し指の中間と親指の先端をあてる。一周して設けても構わず高さ位置を変えてもよい。V字状が連続する場合は、人差し指や親指をVとVの間に添える。
カップ体は、コップとして使用可能なものであり、飲み口箇所の上端を外側に突き出したり、突き出した幅を口に入る大きさに合わせることも可能である。丈を高く設けた場合は、凸状体や凸状部を上端ではなく側面側から突き出して設ける。プラスチックでは製造工程上、凸状部が適する。この場合は凸状体の底面形状は横一状か、雨樋状のようなカーブ状、V字状による底部の奥行幅分の線状である。つなぎの箇所をなだらかに纏める。凸状部の上端を飲み口箇所として使用することが出来る。
以下、その他の説明を補足する。
蛇腹だけでなく花弁等の凸状片の間に切れ目を有することによって、ホルダー上部が広がり易くなり緩み、中側のコップが少し太くなっても対応でき、捲る場合も捲り易くなる。
ホルダーの内側に吸水性やクッション性を有する材質物を付着して成形する場合、長方形のシート体なら下端側を多めに付着すれば対象のコップの下側に生じる隙間を補うことが出来、下端が水平になる。
【符号の説明】
【0014】
1 内筒部 2 折り曲げ位置 3 外筒部
4 上端箇所 5 下端箇所 6 コップ
7 欠け所形成ライン 8 側辺部 9 接合箇所
10 半円状箇所 11 穴 12 飲み口箇所
13 切り込み 14 底面部 15 隙間
16 側面部端部 17 湯飲み茶わん
図1
図2
図3
図4
図5