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特許7064109インテリジェント路側ユニットおよびその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】インテリジェント路側ユニットおよびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/08 20060101AFI20220427BHJP
   G08G 1/04 20060101ALI20220427BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20220427BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
G08G1/08 A
G08G1/04 D
G08G1/09 F
H04N5/225 430
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019133679
(22)【出願日】2019-07-19
(65)【公開番号】P2020038630
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2019-07-19
(31)【優先権主張番号】201811014578.7
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521208273
【氏名又は名称】阿波▲羅▼智▲聯▼(北京)科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】APOLLO INTELLIGENT CONNECTIVITY(BEIJING)TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】101,1st floor,building 1,yard 7,Ruihe West 2nd Road,Beijing Economic and Technological Development Zone,Beijing,China
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】房 雷
(72)【発明者】
【氏名】王 海松
(72)【発明者】
【氏名】胡 星
(72)【発明者】
【氏名】陶 ▲聖▼
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-299785(JP,A)
【文献】特開平06-150187(JP,A)
【文献】特開2014-016474(JP,A)
【文献】特開2003-157487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号機と、
第1の焦点距離を有し、第1の画像を取得する第1のカメラと、
第2の焦点距離を有し、第2の画像を取得する第2のカメラと、
前記第1の画像に基づいて予想到着交通量情報を取得し、前記第2の画像に基づいて現在の交通量情報を取得し、前記予想到着交通量情報および前記現在の交通量情報に基づいて前記信号機を制御するコントローラと、を含み、
前記第1の焦点距離は前記第2の焦点距離より大きく、
前記第1の画像は、道路遠方の所定距離範囲内の画像であり、前記第2の画像は、道路付近の所定距離範囲内の画像であり、前記道路遠方は交差点に対する遠方であり、即ち交差点から見て遠方であり、前記道路付近は交差点に対する付近であり、即ち交差点付近であり、
前記コントローラは、前記現在の交通量情報と、交差点を通過する車両の平均速度とに基づいて現在の青信号時間を決定し、前記予想到着交通量情報に基づいて青信号の延長時間を決定し、前記現在の青信号時間および前記青信号の延長時間に基づいて青信号総時間を決定し、前記青信号総時間に基づいて前記信号機を制御して、交差点から見て遠方の車両と交差点付近の車両とが交差点をすべて通過するようにし、
前記現在の青信号時間は、交差点付近の車両が交差点をすべて通過する時間であり、前記青信号の延長時間は、交差点から見て遠方の車両が交差点を通過する時間であり
ンテリジェント路側ユニットは、現在の青信号時間と青信号の延長時間との合計を計算して青信号総時間とする、
ことを特徴とするインテリジェント路側ユニット。
【請求項2】
前記第1のカメラの取り付け位置は、前記第2のカメラの取り付け位置より高い、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント路側ユニット。
【請求項3】
前記インテリジェント路側ユニットは、前記カメラの少なくとも一部を被覆する遮蔽層をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント路側ユニット。
【請求項4】
前記インテリジェント路側ユニットは、第1のレーダと第2のレーダとをさらに含み、
前記第1のレーダの検出距離は、前記第2のレーダの検出距離より大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント路側ユニット。
【請求項5】
前記第1のレーダと前記第2のレーダとは、いずれもレーザレーダである、
ことを特徴とする請求項4に記載のインテリジェント路側ユニット。
【請求項6】
前記インテリジェント路側ユニットは、アンテナをさらに含み、前記アンテナと前記カメラとの間の距離は、所定の距離より大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載のインテリジェント路側ユニット。
【請求項7】
前記遮蔽層は、前記カメラの、レンズと放熱部分とを除いた他の部分を被覆する、
ことを特徴とする請求項3に記載のインテリジェント路側ユニット。
【請求項8】
第1の画像および第2の画像を取得するステップと、
前記第1の画像に基づいて予想到着交通量情報を取得し、前記第2の画像に基づいて現在の交通量情報を取得するステップと、
前記予想到着交通量情報および前記現在の交通量情報に基づいて信号機を制御するステップと、を含み、
第1のカメラによって第1の画像を取得し、第2のカメラによって第2の画像を取得し、前記第1のカメラは第1の焦点距離を有し、前記第2のカメラは第2の焦点距離を有し、前記第1の焦点距離は前記第2の焦点距離より大きく、
前記第1の画像は、道路遠方の所定距離範囲内の画像であり、前記第2の画像は、道路付近の所定距離範囲内の画像であり、前記道路遠方は交差点に対する遠方であり、即ち交差点から見て遠方であり、前記道路付近は交差点に対する付近であり、即ち交差点付近であり、
前記予想到着交通量情報および前記現在の交通量情報に基づいて信号機を制御するステップは、
前記現在の交通量情報と、交差点を通過する車両の平均速度とに基づいて現在の青信号時間を決定し、前記予想到着交通量情報に基づいて青信号の延長時間を決定するステップと、
前記現在の青信号時間および前記青信号の延長時間に基づいて青信号総時間を決定し、前記青信号総時間に基づいて前記信号機を制御して、交差点から見て遠方の車両と交差点付近の車両とが交差点をすべて通過するようにするステップと、を含み、
前記現在の青信号時間は、交差点付近の車両が交差点をすべて通過する時間であり、前記青信号の延長時間は、交差点から見て遠方の車両が交差点を通過する時間であり
ンテリジェント路側ユニットは、現在の青信号時間と青信号の延長時間との合計を計算して青信号総時間とする、
ことを特徴とするインテリジェント路側ユニットの制御方法。
【請求項9】
前記第1のカメラの取り付け位置は、前記第2のカメラの取り付け位置より高い、
ことを特徴とする請求項8に記載のインテリジェント路側ユニットの制御方法。
【請求項10】
前記カメラの少なくとも一部は、遮蔽層によって被覆されている、
ことを特徴とする請求項8に記載のインテリジェント路側ユニットの制御方法。
【請求項11】
前記第1の画像に基づいて予想到着交通量情報を取得し、前記第2の画像に基づいて現在の交通量情報を取得するステップは、
前記第1の画像と、第1のレーダによって検出された障害物情報とに基づいて予想到着交通量情報を取得し、前記第2の画像と、第2のレーダによって検出された障害物情報とに基づいて、現在の交通量情報を取得するステップを含み、
前記第1のレーダの検出距離は、前記第2のレーダの検出距離より大きい、
ことを特徴とする請求項8に記載のインテリジェント路側ユニットの制御方法。
【請求項12】
前記第1のレーダと前記第2のレーダとは、いずれもレーザレーダである、
ことを特徴とする請求項11に記載のインテリジェント路側ユニットの制御方法。
【請求項13】
前記遮蔽層は、前記カメラの、レンズと放熱部分とを除いた他の部分を被覆する、
ことを特徴とする請求項10に記載のインテリジェント路側ユニットの制御方法。
【請求項14】
プロセッサとメモリとを含むインテリジェント路側ユニットであって、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されている実行可能なプログラムコードを読み出して、前記実行可能なプログラムコードに対応するプログラムを実行することにより、請求項8~13のいずれかに記載のインテリジェント路側ユニットの制御方法を実現する、
ことを特徴とするインテリジェント路側ユニット。
【請求項15】
コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
当該プログラムがプロセッサによって実行される時に、請求項8~13のいずれかに記載のインテリジェント路側ユニットの制御方法が実現される、
ことを特徴とする非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、交通技術の分野に関し、特に、インテリジェント路側ユニットおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インテリジェント路側ユニットは、自動運転の重要なサポートである。インテリジェント路側ユニットのインテリジェントニーズが高まるにつれて、インテリジェント路側ユニットのセンシング能力への要求はますます高くなり、インテリジェント路側ユニットのアクティブセンシング能力を向上させて、インテリジェント路側ユニットの制御能力を向上させるために、インテリジェント路側ユニットに様々なセンサ検出器を追加する必要がある。しかながら、交通量が極めて多い交差点でのインテリジェント路側ユニットの制御能力は、まだ理想的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術における交通量が極めて多い交差点でのインテリジェント路側ユニットの制御能力が低いという課題を解決するために、本出願は、インテリジェント路側ユニットおよびインテリジェント路側ユニットの制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願の第1の態様の実施例は、信号機と、第1の焦点距離を有し、第1の画像を取得する第1のカメラと、第2の焦点距離を有し、第2の画像を取得する第2のカメラと、前記第1の画像に基づいて予想到着交通量情報を取得し、前記第2の画像に基づいて現在の交通量情報を取得し、前記予想到着交通量情報および前記現在の交通量情報に基づいて前記信号機を制御するコントローラと、を含み、前記第1の焦点距離は前記第2の焦点距離より大きく、前記第1の画像は、道路遠方の所定距離範囲内の画像であり、前記第2の画像は、道路付近の所定距離範囲内の画像であり、前記道路遠方は交差点に対する遠方であり、即ち交差点から見て遠方であり、前記道路付近は交差点に対する付近であり、即ち交差点付近であり、前記コントローラは、前記現在の交通量情報と、交差点を通過する車両の平均速度とに基づいて現在の青信号時間を決定し、前記予想到着交通量情報に基づいて青信号の延長時間を決定し、前記現在の青信号時間および前記青信号の延長時間に基づいて青信号総時間を決定し、前記青信号総時間に基づいて前記信号機を制御して、遠方の車両と付近の車両とが交差点をすべて通過するようにし、前記現在の青信号時間は、交差点付近の車両が交差点をすべて通過する時間であり、前記青信号の延長時間は、交差点から見て遠方の車両が交差点を通過する時間であり、インテリジェント路側ユニットは、現在の青信号時間と青信号の延長時間との合計を計算して青信号総時間とする、ことを特徴とするインテリジェント路側ユニットを提供する。
【0005】
本願実施例のインテリジェント路側ユニットは、信号機と、第1のカメラと、第2のカメラと、コントローラとを含み、第1のカメラは第1の画像を取得し、第1のカメラは第1の焦点距離を有し、第2のカメラは第2の画像を取得し、第2のカメラは第2の焦点距離を有し、第1の焦点距離は第2の焦点距離より大きく、コントローラは、第1の画像に基づいて予想到着交通量情報を取得し、第2の画像に基づいて現在の交通量情報を取得し、予想到着交通量情報および現在の交通量情報に基づいて前記信号機を制御する。従って、焦点距離の異なる2つのカメラを設置することにより、遠方交通量および付近交通量を取得し、予想到着交通量情報および現在の交通量情報の両方に基づいて、信号機を制御し、つまり、現在の交通量だけでなく、予想された交通量にも基づいて信号機を制御することにより、インテリジェント路側ユニットの制御能力を向上させる。
【0006】
本出願の第2の態様の実施例は、第1の画像および第2の画像を取得するステップと、前記第1の画像に基づいて予想到着交通量情報を取得し、前記第2の画像に基づいて現在の交通量情報を取得するステップと、前記予想到着交通量情報および前記現在の交通量情報に基づいて信号機を制御するステップと、を含み、第1のカメラによって第1の画像を取得し、第2のカメラによって第2の画像を取得し、前記第1のカメラは第1の焦点距離を有し、前記第2のカメラは第2の焦点距離を有し、前記第1の焦点距離は前記第2の焦点距離より大きく、前記第1の画像は、道路遠方の所定距離範囲内の画像であり、前記第2の画像は、道路付近の所定距離範囲内の画像であり、前記道路遠方は交差点に対する遠方であり、即ち交差点から見て遠方であり、前記道路付近は交差点に対する付近であり、即ち交差点付近であり、前記予想到着交通量情報および前記現在の交通量情報に基づいて信号機を制御するステップは、前記現在の交通量情報と、交差点を通過する車両の平均速度とに基づいて現在の青信号時間を決定し、前記予想到着交通量情報に基づいて青信号の延長時間を決定するステップと、前記現在の青信号時間および前記青信号の延長時間に基づいて青信号総時間を決定し、前記青信号総時間に基づいて前記信号機を制御して、遠方の車両と付近の車両とが交差点をすべて通過するようにするステップと、を含み、前記現在の青信号時間は、交差点付近の車両が交差点をすべて通過する時間であり、前記青信号の延長時間は、交差点から見て遠方の車両が交差点を通過する時間であり、インテリジェント路側ユニットは、現在の青信号時間と青信号の延長時間との合計を計算して青信号総時間とする、ことを特徴とするインテリジェント路側ユニットの制御方法を提供する。
【0007】
本願実施例に係るインテリジェント路側ユニットの制御方法は、第1の画像および第2の画像を取得し、ここで、第1のカメラによって第1の画像を取得し、第2のカメラによって第2の画像を取得し、第1のカメラは第1の焦点距離を有し、第2のカメラは第2の焦点距離を有し、第1の焦点距離は第2の焦点距離より大きく、その後第1の画像に基づいて予想到着交通情報を取得し、第2の画像に基づいて現在の交通量情報を取得し、次に予想到着交通量情報および現在の交通量情報に基づいて信号機を制御する。従って、焦点距離の異なる2つのカメラを設置することにより、遠方交通量および付近交通量を取得し、予想到着交通量情報および現在の交通量情報の両方に基づいて信号機を制御し、つまり、現在の交通量だけでなく、予想された交通量にも基づいて信号機を制御することにより、インテリジェント路側ユニットの制御能力を向上させる。
【0008】
本出願の第3の態様の実施例は、プロセッサとメモリとを含むインテリジェント路側ユニットを提供し、前記プロセッサは、前記メモリに記憶されている実行可能なプログラムコードを読み出して、前記実行可能なプログラムコードに対応するプログラムを実行することにより、上記第2の態様の実施例に記載のインテリジェント路側ユニットの制御方法を実現する。
【0009】
本出願の第4の態様の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、当該プログラムがプロセッサによって実行される時に、上記第2の態様の実施例に記載のインテリジェント路側ユニットの制御方法が実現される。
【0010】
本発明の付加的な特徴及び利点は、一部が以下の説明に示され、一部が下記の説明により明らかになり、又は本発明の実践により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の上記および/または付加的な特徴と利点は、実施例を図面を参照して以下に説明することにより、明らかになり、理解され易くなる。ここで、
図1】本願実施例に係るインテリジェント路側ユニットの概略構成図である。
図2】本願実施例に係る別のインテリジェント路側ユニットの概略構成図である。
図3】本願実施例に係るインテリジェント路側ユニットの制御方法の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。前記実施例における例が図面に示され、同一または類似する符号は、常に同一または類似する部品、或いは、同一または類似する機能を有する部品を表す。以下に、図面を参照しながら説明される実施例は例示的なものであり、本発明を解釈することを旨とし、本発明を限定するものと理解してはいけない。
【0013】
以下、図面を参照しながら、本願実施例に係るインテリジェント路側ユニットおよびその制御方法について説明する。
【0014】
本願実施例は、従来技術における交通量の多い交差点での制御能力が低いという課題を解決するためのインテリジェント路側ユニットを提供する。
【0015】
本願実施例のインテリジェント路側ユニットは、焦点距離の異なる2つのカメラを設置することにより、遠方交通量および付近交通量を取得し、予想到着交通量情報および現在の交通量情報の両方に基づいて信号機を制御し、つまり、現在の交通量だけでなく、予想された交通量にも基づいて信号機を制御することにより、インテリジェント路側ユニットの制御能力を向上させる。
【0016】
図1は、本願実施例に係るインテリジェント路側ユニットの概略構成図である。
図1に示すように、インテリジェント路側ユニットは、信号機110と、第1のカメラ120と、第2のカメラ130と、コントローラ140とを含む。
第1のカメラ120は第1の画像を取得し、第1のカメラ120は第1の焦点距離を有し、第2のカメラ130は第2の画像を取得し、第2のカメラ130は第2の焦点距離を有する。ここで、第1の焦点距離は第2の焦点距離より多い。
【0017】
本実施例において、第1のカメラ120の焦点距離が第2のカメラ130の焦点距離より多いので、第1のカメラ120は、道路遠方の所定距離範囲内の画像を取得することができ、第2のカメラ130は、道路付近の所定距離範囲内の画像を取得することができる。
【0018】
具体的な実現時に、第1のカメラ120は、望遠レンズとすることができ、第2のカメラ130は、中焦点レンズまたは近焦点レンズとすることができる。
【0019】
コントローラ140は、第1の画像に基づいて予想到着交通量情報を取得し、第2の画像に基づいて現在の交通量情報を取得し、予想到着交通量情報および現在の交通量情報に基づいて信号機110を制御する。
【0020】
本実施例において、制御部140は、第1の画像を認識することにより、遠方の車両台数を取得することができ、遠方の車両が一定時間後に交差点に到着するため、遠方の車両台数に基づいて予想到着交通量情報を決定することができる。
【0021】
制御部140は、第2の画像を認識することにより、道路付近の車両台数を取得することができる。これにより、現在の交通量情報を取得することができる。
【0022】
制御部140は、予想到着交通量および現在の交通量に基づいて信号機110を制御することができ、例えば、予想到着交通量および現在の交通量がいずれも多い場合、青信号時間を長くすることができる。現在の交通量が小さいが、予想到着交通量が多い場合にも、青信号時間を長くすることができる。
【0023】
一例として、インテリジェント路側ユニットは、8つのカメラを含むことができ、交差点の4つの方向のそれぞれに2つのカメラは設置され、一方は第1のカメラであり、他方は第2のカメラである。同一道路の異なる走行方向に現在の交通量が予想到着交通量と異なる場合、交通量の多い方向に基づいて信号機を制御するができる。例えば、東から西への走行方向の現在の交通量および予想到着交通量が、いずれも西から東への走行方向の現在の交通量および予想交通量より多い場合、東から西への走行方向の交通量に基づいて信号機を制御する。
【0024】
実際の応用では、交通量の多い交差点では、焦点距離の異なる2つのカメラを設置して道路遠方画像および付近画像を取得し、2つのカメラによって撮影された画像に基づいて予想到着交通量情報および現在の交通量情報を決定し、予想到着交通量情報および現在の交通量情報に基づいて信号機を制御する。現在の交通量だけでなく、予想到着交通量情報も考慮されるので、インテリジェント路側ユニットの制御精度および制御能力は大幅に向上する。
【0025】
さらに、コントローラは、交通量に基づいて青信号時間を決定して信号機を制御することができる。具体的には、コントローラ140は、現在の交通量情報に基づいて現在の青信号時間を決定し、予想到着交通量情報に基づいて青信号の延長時間を決定し、そして現在の青信号時間および青信号の延長時間に基づいて青信号総時間を決定し、青信号総時間に基づいて信号機110を制御する。
【0026】
コントローラ140は、現在の交通量情報と、交差点を通過する車両の平均速度とに基づいて、付近車両の交差点通過総時間、すなわち現在の青信号時間を算出する。制御部140は、予想到着交通量に基づいて、遠方の車両が付近に到着する時間、すなわち信号機の延長時間を予想する。次に、コントローラ140は、現在の青信号時間と青信号の延長時間との合計を計算し、両者の合計が青信号総時間である。その後、コントローラ140は、青信号時間を青信号総時間に調整して、遠方の車両と付近の車両とが交差点を確実に通過することを確保し、交差点における交通量を調整することができる。
【0027】
本実施例において、制御精度を向上させるために、第1のカメラ120の取り付け位置を第2のカメラ130の取り付け位置より高くすることにより、第1のカメラが遠方の車両を正確に撮影することができる。
【0028】
実際の応用では、カメラがレーダ信号によって干渉されるため、画像の鮮明度を向上させるために、本実施例において、インテリジェント路側ユニットは、カメラの少なくとも一部を被覆する遮蔽層をさらに含む。つまり、インテリジェント路側ユニットは、第1のカメラ120の少なくとも一部および第2のカメラ130の少なくとも一部をそれぞれ被覆する2つの遮蔽層を含む。
【0029】
遮蔽層が放熱に影響を与えるので、実際の使用では、遮蔽層は、レンズおよび放熱部分を除いた第1のカメラ120および第2のカメラ130を被覆することができる。これにより、カメラの作動および放熱に影響を与えることなく、画像の鮮明度を向上させる。
【0030】
図2は、本願実施例に係る別のインテリジェント路側ユニットの概略構成図である。
インテリジェント路側ユニットの制御精度を向上させるために、図1に示す実施例に基づいて、図2に示すように、当該インテリジェント路側ユニットは、第1のレーダ150と第2のレーダ160とをさらに含むことができる。
ここで、第1のレーダ150の検出距離は、第2のレーダ160の検出距離より大きい。
【0031】
設置時に、第1のレーダ150の高さを第2のレーダ160より高くすることができるので、第1のレーダ150は、遠方の障害物情報を検出し、第2のレーダ160は、インテリジェント路側ユニット付近の障害物情報を検出する。障害物情報は、障害物とインテリジェント路側ユニットとの間の距離、および障害物の方位などの情報を含むことができる。
【0032】
レーザレーダは、高精度および耐干渉の利点を有するので、具体的な実現時に、第1のレーダ150と第2のレーダ160とは、いずれもレーザレーダにすることができる。第1のレーダの検出距離が第2のレーダの検出距離より多いので、具体的な実現時に、第1のレーダ150は、64ラインのレーザレーダを使用することができ、第2のレーダ160は、16ラインのレーザレーダを使用することができる。これにより、第1のレーダの検出精度が確保されるだけでなく、第2のレーダのコストも低減される。
【0033】
コントローラ140は、第1の画像と、第1のレーダ150によって検出された遠方の障害物情報とに基づいて予想到着交通量情報を正確に決定し、第2の画像と、第2のレーダ160によって検出されたインテリジェント路側ユニット付近の障害物情報とに基づいて、現在の交通量情報を決定し、予想到着交通量情報および現在の交通量情報に基づいて信号機110を制御することができる。
【0034】
レーダは、車両の距離、速度、方位などの情報を正確に検出することができるので、レーダによって検出された車両情報、およびカメラによって撮像された画像に基づいて信号機を制御することにより、信号機に対するインテリジェント路側ユニットの制御精度およびインテリジェント路側ユニットの制御精度を大幅に向上させることができる。
【0035】
さらに、インテリジェント路側ユニットは、アンテナをさらに含むことができる。
インテリジェント路側ユニットは、レーダによって検出された障害物情報、カメラによって撮影された画像、青信号時間などをアンテナを介してサーバまたは無人運転自動車に送信することができる。
【0036】
無人運転自動車は、インテリジェント路側ユニットによって送信された情報を受信し、受信した情報に基づいて対応する制御手段を講じることにより、無人運転自動車の安全性および信頼性を向上させる。
【0037】
アンテナによるカメラへの干渉を防ぐために、アンテナとカメラとの間の距離を所定の距離より大きくする。つまり、アンテナと第1のカメラ120との間の距離、およびアンテナと第2のカメラ130との間の距離は、いずれも所定の距離より多い。
【0038】
上記実施例を実現するために、本願実施例は、インテリジェント路側ユニットの制御方法をさらに提供する。図3は、本願実施例に係るインテリジェント路側ユニットの制御方法の概略フローチャートである。
【0039】
図3に示すように、当該インテリジェント路側ユニットの制御方法は、以下のステップ301~ステップ303を含む。
【0040】
ステップ301において、第1の画像および第2の画像を取得する。
本実施例において、第1の画像は第1のカメラによって取得され、第2の画像は第2のカメラによって取得される。第1のカメラは第1の焦点距離を有し、第2のカメラは第2の焦点距離を有し、第1の焦点距離は第2の焦点距離より多い。
具体的な実現時に、第1のカメラは望遠レンズであってもよく、第2のカメラは中焦点レンズまたは近焦点レンズであってもよい。
【0041】
本実施例において、第1のカメラの焦点距離が第2のカメラの焦点距離より多いので、第1のカメラは、道路遠方の所定距離範囲内の画像を取得することができ、第2のカメラは道路付近の所定距離内の画像を取得することができる。
【0042】
ステップ302において、第1の画像に基づいて予想到着交通量情報を取得し、第2の画像に基づいて現在の交通量情報を取得する。
【0043】
本実施例において、第1の画像を認識することにより、遠方の車両台数を取得することができ、遠方の車両が一定時間後に交差点に到着するので、遠方の車両台数に基づいて予想到着交通量情報を決定することができる。
第2の画像を認識することにより、道路付近の車両台数を取得することができる。これにより、現在の交通量情報を取得することができる。
【0044】
ステップ303において、予想到着交通量情報および現在の交通量情報に基づいて信号機を制御する。
インテリジェント路側ユニットは、予想到着交通量および現在の交通量に基づいて信号機を制御することができ、例えば、予想到着交通量および現在交通量がいずれも多い場合、青信号時間を長くし、現在の交通量が少ないが、予想到着交通量が多い場合も、青信号時間を長くすることができる。
【0045】
実際の応用では、交通量の多い交差点では、焦点距離の異なる2つのカメラを設置して道路遠方画像および付近画像を取得し、2つのカメラによって撮影された画像に基づいて予想到着交通量情報および現在の交通量情報を決定し、予想到着交通量情報および現在の交通量情報に基づいて信号機を制御する。現在の交通量だけでなく、予想到着交通量情報も考慮されるので、インテリジェント路側ユニットの制御精度および制御能力は大幅に向上する。
【0046】
さらに、インテリジェント路側ユニットは、交通量に基づいて青信号時間を決定して信号機を制御することができる。具体的には、インテリジェント路側ユニットは、現在の交通量情報に基づいて現在の青信号時間を決定し、予想到着交通量情報に基づいて青信号の延長時間を決定し、そして現在の青信号時間および青信号の延長時間に基づいて青信号総時間を決定し、青信号総時間に基づいて信号機を制御する。
【0047】
具体的には、インテリジェント路側ユニットは、現在の交通量情報と、交差点を通過する車両の平均速度とに基づいて、付近車両の交差点通過総時間、すなわち現在の青信号時間を算出する。インテリジェント路側ユニットは、予想到着交通量に基づいて、遠方の車両が付近に到着する時間、すなわち信号機の延長時間を予想する。次に、インテリジェント路側ユニットは、現在の青信号時間と青信号の延長時間との合計を計算し、両者の合計が青信号総時間である。その後、インテリジェント路側ユニットは、青信号時間を青信号総時間に調整して、遠方の車両と付近の車両とが交差点を確実に通過することを確保し、交差点における交通量を調整することができる。
【0048】
制御精度を向上させるために、本実施例において、第1のカメラの取り付け位置を第2のカメラの取り付け位置より高くすることにより、第1のカメラが遠方の車両を正確に撮影することができる。
【0049】
実際の応用では、カメラがレーダ信号によって干渉されるため、画像の鮮明度を向上させるために、本実施例において、遮蔽層によってカメラの少なくとも一部を被覆することができる。つまり、遮蔽層によって第1のカメラの少なくとも一部が被覆され、遮蔽層によって第2のカメラの少なくとも一部が被覆される。
【0050】
遮蔽層が放熱に影響を与えるので、実際の使用では、遮蔽層は、レンズおよび放熱部分を除いた他の部分の第1のカメラおよび第2のカメラを被覆することができる。これにより、カメラの作動および放熱に影響を与えることなく、画像の鮮明度を向上させる。
【0051】
インテリジェント路側ユニットの制御能力を向上させるために、交通量を決定する時に、カメラによって撮影された画像およびレーダによって検出された障害物情報の両方に基づいて交通量情報を決定することができる。具体的には、第1の画像に基づいて予想到着交通量情報を取得し、第2の画像に基づいて現在の交通量情報を取得する上記ステップは、第1の画像と、第1のレーダによって検出された障害物情報とに基づいて予想到着交通量情報を取得し、第2の画像と、第2のレーダによって検出された障害物情報とに基づいて、現在の交通量情報を取得するステップを含むことができ、ここで、第1のレーダの検出距離は、第2のレーダの検出距離より大きい。
【0052】
設置時に、第1のレーダの高さを第2のレーダより高くすることができるので、第1のレーダは、遠方の障害物情報を検出し、第2のレーダは、インテリジェント路側ユニット付近の障害物情報を検出する。障害物情報は、障害物とインテリジェント路側ユニットとの間の距離、および障害物の方位などの情報を含むことができる。
【0053】
レーザレーダは、高精度および耐干渉の利点を有するので、具体的な実現時に、第1のレーダと第2のレーダとは、いずれもレーザレーダにすることができる。
【0054】
インテリジェント路側ユニットは、第1の画像と、第1のレーダによって検出された遠方の障害物情報とに基づいて予想到着交通量情報を正確に決定し、第2の画像と、第2のレーダによって検出されたインテリジェント路側ユニット付近の障害物情報とに基づいて、現在の交通量情報を決定し、予想到着交通量情報および現在の交通量情報に基づいて信号機を制御することができる。
【0055】
レーダは、車両の距離、速度、方位などの情報を正確に検出することができるので、レーダによって検出された車両情報、およびカメラによって撮像された画像に基づいて信号機を制御することにより、信号機に対するインテリジェント路側ユニットの制御精度およびインテリジェント路側ユニットの制御精度を大幅に向上させることができる。
【0056】
さらに、当該インテリジェント路側ユニットの制御方法は、レーダによって検出された障害物情報、カメラによって撮影された画像および青信号時間などをアンテナを介してサーバまたは無人運転自動車に送信するステップをさらに含むことができる。
【0057】
無人運転自動車は、インテリジェント路側ユニットによって送信された情報を受信し、受信した情報に基づいて対応する制御手段を講じることにより、無人運転自動車の安全性および信頼性を向上させる。
【0058】
アンテナによるカメラへの干渉を防ぐために、アンテナとカメラとの間の距離を所定の距離より大きくする。つまり、アンテナと第1のカメラとの間の距離、およびアンテナと第2のカメラとの間の距離は、いずれも所定の距離より大きい。
【0059】
上記の実施例を実現するために、本願実施例は、プロセッサとメモリとを含むインテリジェント路側ユニットをさらに提供し、
プロセッサは、メモリに記憶されている実行可能なプログラムコードを読み出して、前記プログラムコードに対応するプログラムを実行することにより、上記の実施例に記載のインテリジェント路側ユニットの制御方法を実行する。
【0060】
上記の実施例を実現するために、本願実施例は、コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、当該プログラムがプロセッサによって実行される時に、上記の実施例に記載のインテリジェント路側ユニットの制御方法が実現される
【0061】
本明細書の説明において、「一実施例」、「一部の実施例」、「例」、「具体的な例」、或いは「一部の例」などの用語を参考した説明とは、当該実施例或いは例を合わせて説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特性が、本開示の少なくとも1つの実施例或いは例に含まれることである。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例或いは例を示すものではない。また、説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特性は、いずれか1つ或いは複数の実施例又は例において適切に結合することができる。なお、相互に矛盾しない限り、当業者は、本明細書において説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合し、組み合わせることができる。
【0062】
また、「第1」、「第2」の用語は、単に説明するためのものであり、相対的な重要性を指示又は暗示するか、或いは示された技術的特徴の数を黙示的に指示すると理解してはいけない。よって、「第1」、「第2」が限定されている特徴は少なくとも1つの前記特徴を含むことを明示又は暗示するものである。本開示の説明において、明確且つ具体的な限定がない限り、「複数」とは、少なくとも2つ、例えば、2つ、3つなどを意味する。
【0063】
フローチャートにおける、又はここで他の形態で記載された任意のプロセス又は方法は、特定ロジック機能又はプロセスのステップを実現するための1つ又は複数の実行可能な命令コードを含むモジュール、セグメント又は一部を表すと理解されてもよい。また、本発明の好ましい実施形態の範囲は、示された又は論議された順番ではなく、係る機能に応じてほぼ同時の形態又は逆の順番で機能を実行することができる他の実現を含むことができる。これは、当業者であれば理解すべきのものである。
【0064】
フローチャートで示された又はここで他の形態で説明されたロジック及び/又はステップは、例えば、ロジック機能を実現するための実行可能な命令の順番付けられたリストと見なすことができ、任意のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に具体的に実装されて、命令実行システム、装置、又はデバイス(例えばコンピュータに基づいたシステム、プロセッサを含むシステム、又は他の命令実行システム、装置又はデバイスから命令を取得して命令を実行するシステム)に利用されるか、又はこれらの命令実行システム、装置又はデバイスと組み合わせて利用される。本明細書において、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」は、命令実行システム、装置又はデバイスによって、又は、命令実行システム、装置又はデバイスと組み合わせて使用するためのプログラムを含む、格納する、通信する、伝播する、又は伝送することができる任意の装置であってもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例(非限定的なリスト)として、1つ又は複数の配線を備える電気接続部(電子デバイス)、ポータブルコンピュータディスクカートリッジ(磁気デバイス)、ランダムアクセスメモリ(RAM)読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバデバイス、及びポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CDROM)を含む。また、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、前記プログラムが印刷され得る紙又は他の適切な媒体であってもよく、これは、例えば、紙や他の媒体を光学的スキャンし、次に編集し、解釈し、又は必要な場合に他の適切な形態で処理して前記プログラムを電子的に取得して、そしてコンピュータメモリに格納するからである。
【0065】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理モジュールに集積されてもよいし、それぞれが個別の物理的存在であってもよいし、2つ以上のユニットが1つのモジュールに集積されてもよい。前記集積モジュールは、ハードウェアの形態で実現されてもよいし、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現されてもよい。前記集積モジュールがソフト機能モジュールの形態で実現されるとともに、独立した製品として販売又は使用される場合に、1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。
【0066】
前述した記憶媒体は、読み出し専用メモリ、磁気ディスク、又はCDなどであってもよい。なお、以上、本発明の実施例を示して説明したが、上記実施例は、例示するものであり、本発明を制限するためのものであると理解してはいけない。普通の当業者であれば、本発明の範囲内で上記実施例に対して変更、修正、置換え、変形を行うことができる。
図1
図2
図3