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▶ タカハ機工株式会社の特許一覧

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  • 特許-電気錠 図1
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  • 特許-電気錠 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】電気錠
(51)【国際特許分類】
   E05B 47/00 20060101AFI20220427BHJP
【FI】
E05B47/00 S
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018201371
(22)【出願日】2018-10-26
(65)【公開番号】P2020066953
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-09-27
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】597055065
【氏名又は名称】タカハ機工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山田龍一
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-280671(JP,A)
【文献】実開平6-78552(JP,U)
【文献】特開平10-131565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 47/00-47/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック金具の係合穴に係合する係合部と該係合部と反対側の端面に押接部を有する回動可能なカムと該カムの押接部を施錠時に受け止めるカム受け部を有するカムストッパーと前記カムを解錠方向に付勢するトーションバネと該カムストッパーが連結されたプランジャーを有するソレノイドと前記プランジャ―を前記ソレノイドから出る方向に付勢する押しバネとを備えている電気錠において、
前記カムの押接部とカム受け部が押接する面と反対側のカム受け部の面を受け止め、前記カムの押接部とで前記カム受け部を挟持するカム止めガイド板
を有すること特徴とする電気錠。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貴重品ロッカーの扉等に適用可能な電気錠に関する。
【背景技術】
【0002】
ソレノイドを利用した電気錠はいろいろ開発されている。例えば、特許文献1に記載の電気錠は、シンプルな構造で実現されているが、扉を開けようとして強い力がかかると、ロックカムはスライドカムを押し、その先端はマニュアルレバーの面を滑って解錠される恐れがある(図1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平6-78552
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このように、解錠するために強い力が働いても、ロックが解錠されないような電気錠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ロック対象の係合穴に係合する係合部と押接部を有し回動可能なカムと、
該カムの押接部を施錠時に受けるカムストッパーと、該カムストッパーを支えるカム止めガイド板と、該カムストッパーが連結されたプランジャーを有するソレノイドを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
カムストッパーに解錠方向の強い力が働いても、カム止めガイド板がカムストッパーを支えて、その変形を防止するので、強い力でドアを開けることを防止することができる。
また、ロックを解錠するためには、ソレノイドに通電してカムストッパーを少しだけ解錠方向にスライドさせるだけですむので、ソレノイドの容量を小さくすることができ、電気錠をコンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る電気錠の全体構成を示す図
図2】施錠前のロック金具、カム及びカムストッパーの位置関係を示す図
図3】施錠中のロック金具、カム及びカムストッパーの位置関係を示す図
図4】施錠後のロック金具、カム及びカムストッパーの位置関係を示す図
図5】ガイド板、カム止めガイド板及びカムストッパーをカム側から見た図
【発明を実施するための形態】
【実施例
【0008】
本電気錠の構成を、図1を使って説明する。
カム5は、ロック金具係合部5aとカムストッパー押接部5bを有し、ベース1に固定された支点ピン4周りに回動可能で、トーションバネ10により解錠方向(図の時計回り)に付勢されている。
ロック金具係合部5aは、施錠時に、ロック金具20の係合穴20aに係合する部分である。ロック金具20は、本電気錠を使って施錠・解錠される扉等に固定される。
カムストッパー押接部5bはカム5の端部であって、施錠時に、カムストッパー3のカム受部3aに押接される部分である。
解錠状態におけるカム5の回転は、ベース1に固定されているカムストッパーピン16で制限される。
施錠状態におけるカム5の回転は、カムストッパー3のカム受部3aで制限される。
【0009】
カムストッパー3は、ベース1に固定されたガイド板2およびカム止めガイド板17に挟まれ、カムストッパー3のソレノイド25側端がプランジャー26に連結ピン27で連結されている。カムストッパー3はプランジャー26に連動してスライド可能である。ソレノイド25はベース1に固定されている。
ソレノイド25に非通電時、プランジャー26は、押しバネ15により、ソレノイド25からカム5方向に付勢され、カム止めガイド板17のソレノイド25側端に押し当てられている。
【0010】
ソレノイド25に通電時、プランジャー26はソレノイド25側に引き込まれ、プランジャー26に連動するカムストッパー3はカム止めガイド板17のカム5側端に接している。
カムストッパー3のカム受部3aは、施錠時にカム5のカムストッパー押接部5bを受ける部分である。
図5に示すように、カム受部3aは、カム止めガイド板17のカムストッパー3側側面で支持されている。
【0011】
施錠及び解錠の定常状態において、ソレノイド25は非通電である。施錠状態から解錠状態に移行するときに、ソレノイド25は通電される。
【0012】
非通電時に扉が開いているとき、ロック金具20は、図2に示すように、カム5から離れている。
扉を閉めると、図3に示すように、ロック金具20がカム3のロック金具接触部5cを押し、カム3は反時計回りに回転し、扉が閉まったとき、図4に示すように、カム5のロック金具係合部5aがロック金具20の係合穴20aに係合する。
【0013】
一方、カムストッパー押接部5bがカムストッパー3のカム受部3aの上面を通過するまで回転すると、カムストッパー3が押しバネの付勢力によってカム5側に押し出される。
カム5はトーションバネ10によって時計回りに付勢されているので、カム5のカムストッパー押接部5bはカムストッパー3のカム受部3aに押接される。
【0014】
これで、カム5は回動することができない状態になり、施錠が完了する。
図5に示すように、カム受部3aは、カム止めガイド板17のカムストッパー3側側面で支持されている。よって、ロック金具20に解錠方向の強い力が働き、カム3に時計回りの強い力が働いてもカムストッパー3が変形したりすることがなく、施錠状態は確実に保たれる。
【0015】
解錠するときは、ソレノイド25に通電する。
プランジャー26が、ソレノイドに通電することによって発生した磁力によりソレノイド25側に引き込まれ、カムストッパー3もソレノイド25側にスライドし、カムストッパー3のカム受部3aがカム5のカムストッパー押接部5bから外れる。
カム5はトーションバネ10の付勢力により、時計回りに回転し、カム5のロック金具係合部5aがロック金具20の係合穴20aから外れるので、ロック金具20は解錠され、扉を開くことができるようになる。
【0016】
なお、電気的な故障によりソレノイドが動作しないときは、連結ピン27を直接操作し、カムストッパー3をソレノイド25側にスライドさせて解錠することができる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本電気錠は、貴重品ロッカー等の扉を施錠、解錠するのに適する。
【符号の説明】
【0018】
1 ベース
2 ガイド板
3 カムストッパー
3a カム受部
4 支点ピン
5 カム
5a ロック金具係合部
5b カムストッパー押接部
5c ロック金具接触部
10 トーションバネ
15 押しバネ
16 カムストッパーピン
17 カム止めガイド板
20 ロック金具
20a 係合穴
25 ソレノイド
26 プランジャー
27 連結ピン
図1
図2
図3
図4
図5