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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】構造体の製造方法及びパネル
(51)【国際特許分類】
   B29C 44/00 20060101AFI20220427BHJP
   B29C 44/12 20060101ALI20220427BHJP
   B29C 44/58 20060101ALI20220427BHJP
   B29K 105/04 20060101ALN20220427BHJP
【FI】
B29C44/00 G
B29C44/12
B29C44/58
B29K105:04
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2018086536
(22)【出願日】2018-04-27
(65)【公開番号】P2019188750
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 健司
【審査官】芦原 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特開平2-276611(JP,A)
【文献】特開2009-184316(JP,A)
【文献】特開平10-100236(JP,A)
【文献】特開2014-128938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 44/00-44/60
C08J 9/00-9/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2分割金型を用いて構造体を製造する工程を備える、構造体の製造方法であって、
取付工程と、第1型閉じ工程と、充填工程と、成形工程と、第1型開き工程とを有し、
前記取付工程では、インサート部材を、第1及び第2分割金型に取り付け、
第1型閉じ工程では、第1及び第2分割金型を型閉じすることで第1及び第2分割金型内に充填空間を形成し、
前記充填工程では、前記充填空間に発泡ビーズを充填し、
前記成形工程では、前記充填空間に充填されている前記発泡ビーズが成形されて構成される発泡成形体を製造し、
第1型開き工程では、第1及び第2分割金型を型開きし、
前記インサート部材は、第1及び第2部材を有し、
第1及び第2部材は、前記取付工程において、それぞれ、第1及び第2分割金型に取り付けられ、且つ、第1部材と第2部材とは、前記成形工程が完了した状態において当接している、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
第1及び第2分割金型は、それぞれ、第1及び第2端面を有し、
第1及び第2部材は、それぞれ、第1及び第2対向面を有し、
前記取付工程において、第1及び第2部材は、第1及び第2対向面が第1及び第2端面に当接するように第1及び第2分割金型に取り付けられる、方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の方法であって、
プレス工程を有し、
前記プレス工程は、前記充填工程よりも後であって前記成形工程よりも前に実施され、且つ、前記プレス工程では、第1及び第2分割金型をプレスすることで前記充填空間に充填された前記発泡ビーズを圧縮する、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
第1部材及び第2部材は、第1及び第2当接部を有し、
第1当接部と第2当接部との間には、第1型閉じ工程が完了した状態において第1隙間が形成されており、
前記第1隙間は、前記充填工程において前記充填空間に充填される前記発泡ビーズの径よりも小さく、
第1当接部と第2当接部とは、前記プレス工程が完了した状態において当接している、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
第1当接部は、凹部を有し、第2当接部は、凸部を有し、
前記凹部と前記凸部との間には、第1型閉じ工程が完了した状態において前記第1隙間が形成され、
前記凸部は、前記プレス工程が完了した状態において前記凹部に挿入され、且つ、前記凸部は、前記プレス工程が完了した状態において前記凹部に当接する、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記凸部は、側面を有し、前記凹部は、内側面を有し、
前記側面は、前記プレス工程が完了した状態において前記内側面に向かい合い、
前記側面と前記内側面との間には、前記プレス工程が完了した状態において第2隙間が形成される、方法。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れか1つに記載の方法であって、
第1及び第2分割金型には、規制部材が設けられ、
前記規制部材は、第1型閉じ工程が完了した状態において前記充填空間に突き出しており、且つ、前記規制部材は、第1及び第2部材の長手方向の両端に配置される、方法。
【請求項8】
請求項1~請求項7の何れか1つに記載の方法であって、
前記インサート部材は、長尺状の補強部材である、方法。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか1つに記載の方法であって、
前記インサート部材には、凹状部が形成され、且つ、前記インサート部材は、引掛部を有し、
前記充填工程では、前記発泡成形体は、前記凹状部に充填され、
前記成形工程が完了した状態において、前記引掛部は、前記発泡成形体に引っ掛かるように構成される、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記インサート部材は、基体部と、フランジ部とを有し、
前記凹状部は、前記基体部と、前記フランジ部とによって形成され、
前記フランジ部には、前記基体部及び前記引掛部が接続され、
前記引掛部は、前記基体部へ向かって凸となるように構成される、方法。
【請求項11】
請求項1~請求項10の何れか1つに記載の方法であって、
コア材製造工程と、パネル製造工程を備え、
前記コア材製造工程は、前記取付工程と、第1型閉じ工程と、前記充填工程と、前記成形工程と、第1型開き工程とを有し、
前記パネル製造工程は、賦形工程と、第2型閉じ工程と、第2型開き工程とを有し、
前記賦形工程では、樹脂シートを第3及び第4分割金型の内面に沿って賦形し、
第2型閉じ工程では、第3及び第4分割金型を型閉じし、前記樹脂シートにより形成される樹脂成形体と前記樹脂成形体の内部に配置される前記発泡成形体とを有するパネルを製造し、
第2型開き工程では、第3及び第4分割金型を型開きする、方法。
【請求項12】
請求項7を引用する請求項11に記載の方法であって、
前記発泡成形体には、前記成形工程を完了した状態において凹状の逃げ部が形成され、
前記逃げ部は、前記成形工程において前記規制部材が設けられている部分に形成され、且つ、前記逃げ部は、第2型閉じ工程において、前記樹脂シートのうち余分な部分の逃げ場となる、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記逃げ部は、前記発泡成形体のうち第1及び第2部材の周縁に設けられている部分に形成されている、方法。
【請求項14】
コア材と、樹脂成形体と、を備えるパネルであって、
前記コア材は、インサート部材と、発泡成形体とを有し、且つ、前記コア材は、前記樹脂成形体内に配置されており、
前記インサート部材及び前記発泡成形体は、一体成形されており、
前記インサート部材は、第1及び第2部材を有し、
第1及び第2部材は、当接している、パネル。
【請求項15】
請求項14に記載のパネルであって、
前記インサート部材は、長尺状の補強部材である、パネル。
【請求項16】
請求項14又は請求項15に記載のパネルであって、
前記インサート部材には、凹状部が形成され、且つ、前記インサート部材は、引掛部を有し、
前記凹状部には、前記発泡成形体が充填され、
前記引掛部は、前記発泡成形体に引っ掛かるように構成される、パネル。
【請求項17】
請求項16に記載のパネルであって、
前記インサート部材は、基体部と、フランジ部とを有し、
前記凹状部は、前記基体部と、前記フランジ部とによって形成され、
前記フランジ部には、前記基体部及び前記引掛部が接続され、
前記引掛部は、前記基体部へ向かって凸となるように構成される、パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造体の製造方法及びパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
インサート部材及び発泡成形体を有するコア材と、コア材の表面に形成されている樹脂成形体とを備えているパネルの製造方法が各種提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1において、発泡成形体は発泡ビーズが成形されて構成される。特許文献1のコア材の製造方法において、発泡成形体の端部をインサート部材の凹状部に押し込むことで、発泡成形体をインサート部材に固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許2014-128938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1におけるコア材の製造方法の他に、インサート部材を支持する例えばチャックが設けられた金型を用いるコア材の製造方法も考えられる。具体的には、この製造方法では、インサート部材を第1分割金型のチャックに取り付けた後に、第1及び第2分割金型を型閉じし、発泡ビーズをインサート部材が配置された充填空間に充填し、発泡ビーズを成形する。
【0005】
ここで、この製造方法では、第1及び第2分割金型を型閉じした状態において、第2分割金型とインサート部材との間に発泡ビーズが侵入してしまう場合がある。第2分割金型とインサート部材との間への発泡ビーズの侵入は、例えばインサート部材の製造ばらつき等により生じてしまう。このように、発泡ビーズが第2分割金型とインサート部材との間に侵入してしまうと、コア材が不良品となってしまう。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、構造体に不良が発生することを抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、第1及び第2分割金型を用いて構造体を製造する工程を備える、構造体の製造方法であって、取付工程と、第1型閉じ工程と、充填工程と、成形工程と、第1型開き工程とを有し、前記取付工程では、インサート部材を、第1及び第2分割金型に取り付け、第1型閉じ工程では、第1及び第2分割金型を型閉じすることで第1及び第2分割金型内に充填空間を形成し、前記充填工程では、前記充填空間に発泡ビーズを充填し、前記成形工程では、前記充填空間に充填されている前記発泡ビーズが成形されて構成される発泡成形体を製造し、第1型開き工程では、第1及び第2分割金型を型開きし、前記インサート部材は、第1及び第2部材を有し、第1及び第2部材は、前記取付工程において、それぞれ、第1及び第2分割金型に取り付けられ、且つ、第1部材と第2部材とは、前記成形工程が完了した状態において当接している、方法が提供される。
【0008】
本発明に係る構造体の製造方法によれば、第1及び第2部材は、取付工程において、それぞれ、第1及び第2分割金型に取り付けられている。これにより、発泡ビーズが第1分割金型と第1部材との間に侵入することが抑制され、且つ、発泡ビーズが第2分割金型と第2部材との間に侵入することが抑制される。したがって、本発明に係る構造体の製造方法によれば、構造体に不良が発生することを抑制することができる。
【0009】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記方法において、第1及び第2分割金型は、それぞれ、第1及び第2端面を有し、第1及び第2部材は、それぞれ、第1及び第2対向面を有し、前記取付工程において、第1及び第2部材は、第1及び第2対向面が第1及び第2端面に当接するように第1及び第2分割金型に取り付けられる。
好ましくは、前記方法において、プレス工程を有し、前記プレス工程は、前記充填工程よりも後であって前記成形工程よりも前に実施され、且つ、前記プレス工程では、第1及び第2分割金型をプレスすることで前記充填空間に充填された前記発泡ビーズを圧縮する。
好ましくは、前記方法において、第1部材及び第2部材は、第1及び第2当接部を有し、第1当接部と第2当接部との間には、第1型閉じ工程が完了した状態において第1隙間が形成されており、前記第1隙間は、前記充填工程において前記充填空間に充填される前記発泡ビーズの径よりも小さく、第1当接部と第2当接部とは、前記プレス工程が完了した状態において当接している。
好ましくは、前記方法において、第1当接部は、凹部を有し、第2当接部は、凸部を有し、前記凹部と前記凸部との間には、第1型閉じ工程が完了した状態において前記第1隙間が形成され、前記凸部は、前記プレス工程が完了した状態において前記凹部に挿入され、且つ、前記凸部は、前記プレス工程が完了した状態において前記凹部に当接する。
好ましくは、前記方法において、前記凸部は、側面を有し、前記凹部は、内側面を有し、前記側面は、前記プレス工程が完了した状態において前記内側面に向かい合い、前記側面と前記内側面との間には、前記プレス工程が完了した状態において第2隙間が形成される。
好ましくは、前記方法において、第1及び第2分割金型には、規制部材が設けられ、前記規制部材は、第1型閉じ工程が完了した状態において前記充填空間に突き出しており、且つ、前記規制部材は、第1及び第2部材の長手方向の両端に配置される。
好ましくは、前記方法において、前記インサート部材は、長尺状の補強部材である。
好ましくは、前記方法において、前記インサート部材には、凹状部が形成され、且つ、前記インサート部材は、引掛部を有し、前記充填工程では、前記発泡成形体は、前記凹状部に充填され、前記成形工程が完了した状態において、前記引掛部は、前記発泡成形体に引っ掛かるように構成される。
好ましくは、前記方法において、前記インサート部材は、基体部と、フランジ部とを有し、前記凹状部は、前記基体部と、前記フランジ部とによって形成され、前記フランジ部には、前記基体部及び前記引掛部が接続され、前記引掛部は、前記基体部へ向かって凸となるように構成される。
好ましくは、前記方法において、コア材製造工程と、パネル製造工程を備え、前記コア材製造工程は、前記取付工程と、第1型閉じ工程と、前記充填工程と、前記成形工程と、第1型開き工程とを有し、前記パネル製造工程は、賦形工程と、第2型閉じ工程と、第2型開き工程とを有し、前記賦形工程では、樹脂シートを第3及び第4分割金型の内面に沿って賦形し、第2型閉じ工程では、第3及び第4分割金型を型閉じし、前記樹脂シートにより形成される樹脂成形体と前記樹脂成形体の内部に配置される前記発泡成形体とを有するパネルを製造し、第2型開き工程では、第3及び第4分割金型を型開きする。
好ましくは、前記方法において、前記発泡成形体には、前記成形工程を完了した状態において凹状の逃げ部が形成され、前記逃げ部は、前記成形工程において前記規制部材が設けられている部分に形成され、且つ、前記逃げ部は、第2型閉じ工程において、前記樹脂シートのうち余分な部分の逃げ場となる。
好ましくは、前記方法において、前記逃げ部は、前記発泡成形体のうち第1及び第2部材の周縁に設けられている部分に形成されている。
好ましくは、コア材と、樹脂成形体と、を備えるパネルであって、前記コア材は、インサート部材と、発泡成形体とを有し、且つ、前記コア材は、前記樹脂成形体内に配置されており、前記インサート部材及び前記発泡成形体は、一体成形されており、前記インサート部材は、第1及び第2部材を有し、第1及び第2部材は、当接している、パネルが提供される。
好ましくは、前記パネルにおいて、前記インサート部材は、長尺状の補強部材である。
好ましくは、前記パネルにおいて、前記インサート部材には、凹状部が形成され、且つ、前記インサート部材は、引掛部を有し、前記凹状部には、前記発泡成形体が充填され、前記引掛部は、前記発泡成形体に引っ掛かるように構成される。
好ましくは、前記パネルにおいて、前記インサート部材は、基体部と、フランジ部とを有し、前記凹状部は、前記基体部と、前記フランジ部とによって形成され、前記フランジ部には、前記基体部及び前記引掛部が接続され、前記引掛部は、前記基体部へ向かって凸となるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1Aはパネル1の斜視図であり、図1B図1Aに示す3つの点Xを通る断面図である。
図2図2Aはコア材1bの斜視図であり、図2Bは領域Aに示す逃げ部1eの拡大図である。
図3図3Aはインサート部材1dの斜視図であり、図3Bはインサート部材1dの第2部材D2の断面図であり、図3Cはインサート部材1dの第1部材D1の断面図である。
図4】コア材用金型2の斜視図である。
図5】第1分割金型2aの斜視図である。
図6】第1分割金型2aに第1部材D1が取り付けられた状態を示している。
図7】第2分割金型2Aの斜視図である。
図8】第2分割金型2Aに第2部材D2が取り付けられた状態を示している。
図9図9Aは開閉部2gが第2分割金型2A側に突き出した状態を示し、図9B図9Aに示す領域Bの拡大図である。
図10】コア材製造工程の取付工程が完了した状態を示している。
図11】コア材製造工程の第1型閉じ工程が完了した状態を示している。
図12】コア材製造工程の充填工程が完了した状態における、図11の領域Cに示す拡大図である。
図13】コア材製造工程の成形工程が完了した状態を示している。
図14図13に示す状態における、凸部9d及び凹部d7の拡大図である。
図15】パネル製造工程において用いられる各種構成の説明図である。
図16】パネル製造工程の賦形工程が完了した状態を示している。
図17】パネル製造工程の貼付工程が完了した状態を示している。
図18】パネル製造工程の第2型閉じ工程が完了した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0012】
<実施形態のコア材製造工程に係る構成>
実施形態に係る製造方法では、コア材用金型2(図4参照)を用いてコア材1bを製造し、その後、パネル用金型22を用いてパネル1を製造する。図1A及び図1Bに示すように、パネル1はコア材1bと樹脂成形体1aとを有する。コア材1bの表面は樹脂成形体1aによって覆われている。つまり、コア材1bは樹脂成形体1aの内部に配置されている。コア材1bはインサート部材1dと発泡成形体1cとを有する。
【0013】
インサート部材1dは例えば金属、強化プラスチック等で構成することができる。インサート部材1dは長尺状部材である。つまり、インサート部材1dは、パネル1の耐荷重性を向上させる骨格であり、パネル1を補強する機能を有する。図3A図3Cに示すように、インサート部材1dは、一対のフランジ部d1と、基体部d2とを有する。各フランジ部d1には樹脂成形体1aの内面に接触する対向面d4が形成されている。基体部d2は一方のフランジ部d1と他方のフランジ部d1との間に設けられている。一方のフランジ部d1が基体部d2の一端に接続され、他方のフランジ部d1が基体部d2の他端に接続されている。インサート部材1dには一対の凹状部d3が形成されている。凹状部d3は一対のフランジ部d1と基体部d2とによって形成されている。凹状部d3には発泡成形体1cが充填されている。発泡成形体1cは発泡ビーズが成形されて構成される。図2Bに示すように、発泡成形体1cには逃げ部1eが形成されている。逃げ部1eは凹状に形成されている。
【0014】
図3A図3Cに示すように、インサート部材1dは2部材から構成されている。具体的には、インサート部材1dは第1部材D1と第2部材D2とを備えている。第1部材D1と第2部材D2とは組み合わせられる。第1部材D1はフランジ部d1と第1当接部d6とを有している。第2部材D2はフランジ部d1と基体部d2と第2当接部d8とを有している。第1当接部d6は第2当接部d8に接触している。具体的には、第1当接部d6は凹部d7を有し、第2当接部d8は凸部d9を有する。そして、凸部d9は側面s2と先端面s3とを有する。凸部d9の先端面s3は凹部d7の内側面s1に当接している。逃げ部1eは、第1部材D1の周縁と、第2部材D2の周縁とに形成されている。第1対向面は、第1部材D1のフランジ部d1の対向面d4に対応し、第2対向面は、第2部材D2のフランジ部d1の対向面d4に対応する。
【0015】
なお、実施形態において、インサート部材1dは長尺状の補強部材であるものとして説明するが、当該形態に限定されるものではない。インサート部材1dは長尺状でなくてもよく、また、インサート部材1dはパネル1を補強する機能を有さない部材であってもよい。例えば、インサート部材1dはボルト等の固定部材が固定される樹脂製のタッピング用部材であってもよいし、更に、第1部材D1と第2部材D2とが当接するだけでなく、第1部材D1と第2部材D2とが係合可能に構成されていてもよい。
【0016】
コア材用金型2は、第1分割金型2aと、第2分割金型2Aとを備えている。第1分割金型2aは、キャビティ2bと、規制部材2eと、開閉部2gと、エジェクター2hと、保持部3とを有する。また、第1分割金型2aには第1端面2iが形成されている。第2分割金型2Aは、コア2Bと、規制部材2Cとを備えている。また、第2分割金型2Aは、コア2Bと、規制部材2Cとを備えている。第2分割金型2Aには第2端面2Eが形成されている。更に、後述の図11に示すように、第1分割金型2a及び第2分割金型2Aが型閉じしている状態において、第1分割金型2aと第2分割金型2Aとの間には、充填空間Spが形成される。
【0017】
図5及び図6に示すように、キャビティ2bの内面には、インサート部材1dの第1部材D1が取付可能である。キャビティ2bの内面には、規制部材2eと、開閉部2gと、エジェクター2hと、保持部3とが設けられている。保持部3は第1部材D1を保持する機能を有する。また、保持部3は板バネを有する。第1部材D1が保持部3に取り付けられると、第1部材D1はキャビティ2bの内面に付勢され、その結果、第1部材D1はキャビティ2bに取り付けられる。キャビティ2bは発泡ビーズが充填可能なように凹状に形成されている。
【0018】
規制部材2eは、インサート部材1dがインサート部材1dの長手方向に位置ずれすることを防止する機能を有する。インサート部材1dが第1分割金型2aに取り付けられている状態において、規制部材2eは、インサート部材1dの一対のフランジ部d1のうちの一方のフランジ部d1の両端に、それぞれ配置されている。規制部材2eは第1端面2iに固定されている。規制部材2eは充填空間Spに突き出している。このため、充填空間Spで発泡ビーズが成形されると、発泡成形体1cには、上述の図2Bで説明した逃げ部1eが形成される。
【0019】
開閉部2gは第1分割金型2a側から第2分割金型2A側に平行な方向に移動自在に構成されている。図9A及び図9Bに示すように開閉部2gが移動して開閉部2gが第1端面2iから突き出すと、第1分割金型2aのビーズ供給穴Hoが開放され、発泡ビーズが充填空間Spに供給される。エジェクター2hは、充填空間Spで成形されたコア材1bを押し出す機能を有する。エジェクター2hは第1分割金型2a側から第2分割金型2A側に平行な方向に移動自在に構成されている。
【0020】
図7及び図8に示すように、コア2Bにはインサート部材1dの第2部材D2が取付可能である。コア2Bは規制部材2Cと保持部30とを有する。規制部材2Cの機能は規制部材2eの機能と同様である。規制部材2Cは第2端面2Eに固定されている。また、保持部30の機能は保持部3と同様である。第2部材D2が保持部30に取り付けられると、第2部材D2はコア2Bに付勢され、その結果、第2部材D2はコア2Bに取り付けられる。コア材用金型2が型閉じしている状態において、コア2Bはキャビティ2bに挿入されている。コア材用金型2が型閉じしている状態において、規制部材2eは、インサート部材1dの一対のフランジ部d1のうちの他方のフランジ部d1の両端に、それぞれ配置されている。
【0021】
<実施形態のコア材製造工程>
図10図14等に基づいてコア材製造工程の説明をする。なお、図10図14に示す断面は保持部3及び保持部30を通らない。このため、図10及び図11において、保持部3及び保持部30は破線で示している。コア材製造工程は、取付工程と、第1型閉じ工程と、充填工程と、プレス工程と、成形工程と、第1型開き工程と、取外工程とを有する。まず、第1分割金型2aに設けられている保持部3に第1部材D1を取り付け、且つ、第2分割金型2Aに設けられている保持部30に第2部材D2を取り付ける(取付工程)。次に、図10及び図11に示すように、第1分割金型2a及び第2分割金型2Aを型閉じすることで第1分割金型2aと第2分割金型2Aとの間に充填空間Spを形成する(第1型閉じ工程)。図11及び図12に示すように、第1型閉じ工程が完了した状態において、第1当接部d6と第2当接部d8との間には、第1隙間L1が形成されている。
【0022】
次に、充填空間Spに発泡ビーズbiを充填する(充填工程)。具体的には、先述の図9で示すように、開閉部2gが第1端面2iから突き出す。これにより、図12に示すように、発泡ビーズbiが充填空間Spに供給される。ここで、第1隙間L1は、発泡ビーズbiの径(平均粒子径)よりも小さくなっている。このため、発泡ビーズbiが第1隙間L1に侵入することが防止される。次に、第2分割金型2Aが第1分割金型2a側に更に移動する(プレス工程)。これにより、第2当接部d8の凸部d9が第1当接部d6の凹部d7に挿入される。このように、インサート部材1dは凹部d7及び凸部d9を有するので、プレス工程における第2分割金型2Aの可動範囲が広がる。その結果、充填空間Spの発泡ビーズbiがより確実にプレスされ、充填空間Spの発泡ビーズbiの充填密度がより確実に上昇する。プレス工程が完了した状態において、凸部d9の側面s2は凹部d7の内側面s1に向かい合っており、凸部d9の先端面s3は凹部d7の内側面s1に当接している。側面s2と内側面s1との間には、プレス工程が完了した状態において第2隙間L2が形成されている(図14参照)。なお、図14は成形工程が完了した状態を示しているが、図14における凹部d7及び凸部d9の位置関係は、プレス工程が完了した状態における凹部d7及び凸部d9の位置関係と同様である。
【0023】
次に、充填空間Spに充填された発泡ビーズbiを加熱した後に冷却する(成形工程)。これにより、図13及び図14に示すように、コア材用金型2には発泡成形体1cが成形される。つまり、インサート部材1d及び発泡成形体1cが一体成形される。第1分割金型2aには図示省略の加熱冷却機構が付設されている。加熱冷却機構は、高温の蒸気や冷水が供給可能に構成されている。加熱冷却機構の熱はキャビティ2bの表面を介して充填空間Spの発泡ビーズに伝達される。加熱冷却機構に高温の蒸気が供給されると、充填空間Spの発泡ビーズ同士が融着する。そして、加熱冷却機構に冷水が供給されると、融着した発泡ビーズが固まる。
【0024】
次に、第1分割金型2a及び第2分割金型2Aを型開きする(第1型開き工程)。その後、エジェクター2hが移動することでエジェクター2hがコア材1bを押し、発泡成形体1cが第1分割金型2aから取り外される(取外工程)。
【0025】
<実施形態のパネル製造工程に係る構成>
図15に示す成形装置100は、一体成形体である構造体を製造する装置である。具体的には、成形装置100は、樹脂シートP1、P2とコア材1bとを一体成形する装置である。成形装置100は押出機構10と、パネル用金型22と、ローラー20と、移動機構21とを備えている。押出機構10は、溶融樹脂を押し出す機能を有する。成形装置100は2機の押出機構10を備えている。パネル用金型22は、押出機構10の下側に設けられている。ローラー20は、押出機構10から押し出された樹脂シートP1、P2をパネル用金型22へ送り出す。移動機構21はローラー20を移動させる機能を有する。
【0026】
押出機構10は、ホッパ16と、シリンダ15と、図示省略のスクリューと、モーター17と、アキュムレータ13と、Tダイ11と、プランジャ14とを備えている。ホッパ16は樹脂ペレットの投入部である。シリンダ15はホッパ16に繋がっており、シリンダ15内にはスクリューが設けられている。モーター17はシリンダ15内に設けられているスクリューに連結されている。アキュムレータ13は樹脂を貯留する機能を有し、アキュムレータ13はシリンダ15及びTダイ11に繋がっている。プランジャ14は、アキュムレータ13内の樹脂をTダイ11へ押し出す機能を有する。
【0027】
パネル用金型22は、第3分割金型a3と第4分割金型a4を有する。第3分割金型a3は、キャビティ24とピンチオフ26とを有し、第4分割金型a4は、キャビティ25とピンチオフ26とを有する。キャビティ24は、ローラー20から垂下する樹脂シートP1が賦形される部分である。キャビティ25は、ローラー20から垂下する樹脂シートP2が賦形される部分である。ピンチオフ26は樹脂シートP1、P2を切る凸状部である。
【0028】
<実施形態のパネル製造工程>
図16図18に基づいて実施形態のパネル製造工程を説明する。まず、樹脂シートP1、P2を製造するシート形成工程を説明する。ホッパ16に投入された樹脂ペレットはシリンダ15内に至る。シリンダ15の樹脂ペレットは、スクリューによって溶融され、溶融樹脂となる。溶融樹脂はアキュムレータ13に供給される。アキュムレータ13の溶融樹脂は、プランジャ14の押出作用によって、Tダイ11から押し出される。Tダイ11から押し出された樹脂シートP1、P2はローラー20に垂下する。以上の一連のフローが、シート形成工程である。
【0029】
次に、樹脂シートP1、P2がローラー20の入口側から出口側へ送り出される(送出工程)。ローラー20を通過した樹脂シートP1は第3分割金型a3のキャビティ24の内面に沿って賦形され、また、ローラー20を通過した樹脂シートP2は第4分割金型a4のキャビティ25の内面に沿って賦形される(賦形工程)。第3分割金型a3にはキャビティ24に連通する図示省略の真空吸引孔が形成されている。第4分割金型a4にもキャビティ25に連通する図示省略の真空吸引孔が形成されている。真空吸引孔が真空吸引されることで、樹脂シートP1は第3分割金型a3のキャビティ24の内面に沿って賦形され、樹脂シートP2は第4分割金型a4のキャビティ25の内面に沿って賦形される。
【0030】
コア材1bを保持しているマニュピレータが、コア材1bを樹脂シートP1に押し付ける(貼付工程)。ここで、コア材1bは発泡成形体1cを有する。樹脂シートP1の熱により、コア材1bの発泡成形体1cが樹脂シートP1に溶着される。これにより、コア材1bは樹脂シートP1に貼り付けられる。パネル用金型22が閉まると(第2型閉め工程)、樹脂シートP1、P2は、コア材1bと一体成形されて樹脂成形体1aとなる。その後、パネル用金型22が開き(第2型開き工程)、樹脂成形体1aが取り出される。
【0031】
<実施形態の作用効果>
実施形態に係る製造方法において、第1部材D1は取付工程において第1分割金型2aに取り付けられており、第2部材D2は取付工程において第2分割金型2Aに取り付けられている。これにより、発泡ビーズが第1分割金型2aと第1部材D1との間に侵入することが抑制され、且つ、発泡ビーズが第2分割金型2Aと第2部材D2との間に侵入することが抑制される。したがって、実施形態に係る製造方法では、コア材1b及びパネル1に不良が発生することが抑制される。
また、実施形態に係る製造方法において、第1部材D1と第2部材D2とは、成形工程が完了した状態において当接している。このため、コア材1bに荷重が加わったとしても、第1部材D1の動き及び第2部材D2の動きが規制され、その結果、コア材1bの変形が抑制される。つまり、コア材1bの耐荷重性及びパネル1の耐荷重性の低下が抑制される。したがって、実施形態に係る製造方法では、第1及び第2分割金型と第1及び第2部材との間への発泡ビーズの侵入が抑制されるように、インサート部材1dを複数の部材とする構成を採用したとしても、コア材1bの耐荷重性及びパネル1の耐荷重性の低下が抑制される。
【0032】
取付工程において、第1部材D1は対向面d4が第1分割金型2aの第1端面2iに当接するように第1分割金型2aに取り付けられ、第2部材D2は対向面d4が第2分割金型2Aの第2端面2Eに当接するように第2分割金型2Aに取り付けられる。これにより、第1分割金型2aの第1端面2iと第1部材D1の対向面d4との間に隙間が生じることが予め抑制され、且つ、第2分割金型2Aの第2端面2Eと第2部材D2の対向面d4との間に隙間が生じることが予め抑制される。その結果、発泡ビーズが第1分割金型2aの第1端面2iと第1部材D1の対向面d4との間に侵入することが抑制され、且つ、発泡ビーズが第2分割金型2Aの第2端面2Eと第2部材D2の対向面d4との間に侵入することが抑制される。したがって、実施形態に係る製造方法では、コア材1b及びパネル1に不良が発生することが抑制される。
【0033】
プレス工程では、第1分割金型2a及び第2分割金型2Aをプレスすることで充填空間Spに充填された発泡ビーズを圧縮する。これにより、充填空間Spに充填されている発泡ビーズの分布にムラが生じることが抑制されるとともに、成形後の発泡成形体1cの密度が向上する。その結果、発泡成形体1cの強度が向上する。
【0034】
第1当接部d6と第2当接部d8との間には、第1型閉じ工程が完了した状態において第1隙間L1が形成されている。また、第1隙間L1は、充填工程において充填空間Spに充填される発泡ビーズの径よりも小さい。このため、発泡ビーズが第1隙間L1に侵入してしまうことが防止される。
また、第1当接部d6と第2当接部d8とは、プレス工程が完了した状態において当接している、このため、コア材1bに荷重が加わったとしても、第1部材D1の動き及び第2部材D2の動きが規制され、その結果、コア材1bの変形が抑制される。つまり、コア材1bの耐荷重性及びパネル1の耐荷重性の低下が抑制される。
【0035】
第1当接部d6は凹部d7を有し、第2当接部d8は凸部d9を有する。そして、凹部d7と凸部d9との間には、第1型閉じ工程が完了した状態において第1隙間L1が形成されている。つまり、第1隙間L1は凹凸構造に形成されている。ここで、凹凸構造に形成された隙間は、一対の平坦な面の間に形成された隙間と比較すると、入り組んでいる。このため、発泡ビーズが第1隙間L1に侵入してしまうことがより確実に防止される。
また、凸部d9は、プレス工程が完了した状態において凹部d7に挿入される。このため、Z方向の外力が凸部d9又は凹部d7に加わったとしても、凸部d9と凹部d7とが当接し、凸部d9及び凹部d7の動きが規制される。その結果、コア材1bの変形が抑制される。
更に、凸部d9と凹部d7とは、プレス工程が完了した状態において当接している。具体的には、凸部d9の先端面s3と凹部d7の内側面s1とは、プレス工程が完了した状態において当接している。このため、コア材1bに荷重が加わったとしても、第1部材D1の動き及び第2部材D2の動きが規制され、その結果、コア材1bの変形が抑制される。つまり、コア材1bの耐荷重性及びパネル1の耐荷重性の低下が抑制される。
【0036】
凸部d9の側面s2と凹部d7の内側面s1との間には、プレス工程が完了した状態において第2隙間L2が形成される。つまり、プレス工程を実施しているときにおいて、一対の側面s2の少なくとも一方と一対の内側面s1の少なくとも一方とが、離間している。そして、プレス工程が完了した状態では、一対の側面s2の少なくとも一方と一対の内側面s1の少なくとも一方との間には、第2隙間L2が形成される。一対の側面s2の少なくとも一方と一対の内側面s1の少なくとも一方とが離間しているので、凸部d9と凹部d7との摺動が抑制される。したがって、プレス工程が円滑に実施されるとともに、インサート部材1dの破損が抑制される。
【0037】
インサート部材1dは、長尺状の補強部材である。パネル1がこの補強部材を備えていることにより、パネル1の耐荷重性が向上する。また、インサート部材1dは長尺状であるので、その分、パネル1の広範囲がインサート部材1dによって補強されることになる。このため、パネル1は歪み等の変形がしにくくなり、パネル1の強度が向上する。
【0038】
インサート部材1dには、凹状部d3が形成されている。ここで、凹状部d3の内側の空間は狭隘であるため、発泡ビーズは、凹状部d3に充填されにくい。しかし、充填工程を実施しているときにおいて、第1部材D1と第2部材D2とは離間している。このため、充填工程を実施しているときにおける凹状部d3の幅は、プレス工程及び成形工程を実施しているときにおける凹状部d3の幅よりも、広がっている。このため、インサート部材1dが凹状部d3を有していたとしても、発泡ビーズは凹状部d3に均一に充填される。
また、成形工程が完了した状態において、引掛部d5は、発泡成形体1cに引っ掛かるように構成される。このため、発泡成形体1cとインサート部材1dとの固定が、より強固になる。
【0039】
凹状部d3は、基体部d2と、フランジ部d1とによって形成されている。フランジ部d1には、基体部d2及び引掛部d5が接続される。引掛部d5は、基体部d2へ向かって凸となるように構成される。このため、発泡成形体1cを凹状部d3から引き抜くように外力が生じても、発泡成形体1cは引掛部d5に引っ掛かるので、発泡成形体1cがインサート部材1dから外れることが回避される。
【0040】
規制部材2e、2Cは、第1型閉じ工程において充填空間Spに突き出しており、且つ、規制部材2e、2Cは、インサート部材1dの長手方向の両端に配置される。これにより、充填工程及び成形工程において、インサート部材1dが長手方向に位置ずれすることを抑制することができる。
【0041】
規制部材2e、2Cが第1型閉じ工程において充填空間Spに突き出しているので、発泡成形体1cには、成形工程を完了した状態において凹状の逃げ部1eが形成される。逃げ部1eは、パネル製造工程の第2型閉じ工程において、樹脂シートP1、P2のうち余分な部分の逃げ場となる。
ここで、インサート部材1dの硬度は発泡成形体1cの硬度よりも高い。このため、インサート部材1dの表面の樹脂シートP1、P2は、第2型閉じ工程において加圧されることで、インサート部材1dの表面側から発泡成形体1cの表面側へ放射状に拡がる。したがって、仮に逃げ部1eが形成されていない場合には、インサート部材1dの表面の樹脂シートP1、P2の肉厚と発泡成形体1cの表面の樹脂シートP1、P2の肉厚との差が大きくなってしまう場合がある。しかし、成形工程を完了した状態において発泡成形体1cには逃げ部1eが形成されるので、インサート部材1dの表面の樹脂シートP1、P2の一部は、第2型閉じ工程において、逃げ部1eに侵入する。これにより、インサート部材1dの表面の樹脂シートP1、P2の肉厚と発泡成形体1cの表面の樹脂シートP1、P2の肉厚との差が大きくなってしまうことが抑制される。
【0042】
上述のように、インサート部材1dの表面の樹脂シートP1、P2は、第2型閉じ工程において加圧されることで、インサート部材1dの表面側から発泡成形体1cの表面側へ放射状に拡がる。ここで、インサート部材1dの表面の樹脂シートP1、P2は、インサート部材1dの周縁へ移動する。そこで、実施形態に係る製造方法において、逃げ部1eは、発泡成形体1cのうちインサート部材1dの周縁に設けられている部分に形成される。これにより、インサート部材1dの表面の樹脂シートP1、P2の肉厚と発泡成形体1cの表面の樹脂シートP1、P2の肉厚との差が大きくなってしまうことがより確実に抑制される。
【符号の説明】
【0043】
1 :パネル
1a :樹脂成形体
1b :コア材
1c :発泡成形体
1d :インサート部材
1e :逃げ部
2 :コア材用金型
2A :第2分割金型
2B :コア
2C :規制部材
2E :第2端面
2a :第1分割金型
2b :キャビティ
2e :規制部材
2g :開閉部
2h :エジェクター
2i :第1端面
3 :保持部
10 :押出機構
11 :Tダイ
13 :アキュムレータ
14 :プランジャ
15 :シリンダ
16 :ホッパ
17 :モーター
20 :ローラー
21 :移動機構
22 :パネル用金型
24 :キャビティ
25 :キャビティ
26 :ピンチオフ
30 :保持部
100 :成形装置
D1 :第1部材
D2 :第2部材
L1 :第1隙間
L2 :第2隙間
P1 :樹脂シート
P2 :樹脂シート
Sp :充填空間
Ho :ビーズ供給穴
bi :発泡ビーズ
a3 :第3分割金型
a4 :第4分割金型
d1 :フランジ部
d2 :基体部
d3 :凹状部
d4 :対向面
d5 :引掛部
d6 :第1当接部
d7 :凹部
d8 :第2当接部
d9 :凸部
s1 :内側面
s2 :側面
s3 :先端面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18