(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】テーブル
(51)【国際特許分類】
A47B 13/02 20060101AFI20220427BHJP
A47B 7/00 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
A47B13/02
A47B7/00 A
(21)【出願番号】P 2017207169
(22)【出願日】2017-10-26
【審査請求日】2020-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(73)【特許権者】
【識別番号】390005452
【氏名又は名称】伊藤喜オールスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】前川 尚幸
(72)【発明者】
【氏名】村山 太祐
(72)【発明者】
【氏名】柴田 慶太
【審査官】中村 百合子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-165363(JP,A)
【文献】特開2010-094187(JP,A)
【文献】特開2016-120008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/00-41/06
F16B 12/00-12/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向に配設された複数の脚体の上部を天板用梁部材で連結して構成される骨組み上に、天板を固定支持するテーブルであって、
前記脚体上部の前後両端に、前記天板下面に
予め突設された固定用部材が挿入される凹部が穿設されるとともに、前記脚体上部の前後方向中途部に前記天板用梁部材が連結され、
前記天板と前記骨組みとを連結するにあたり、前記凹部に前記固定用部材が
嵌入されるとともに、前記脚体上面及び前記天板用梁部材上面に前記天板下面が固定されて、前記天板
と前記骨組み
とが連結されることを特徴とするテーブル。
【請求項2】
前記固定用部材と前記脚体それぞれに貫通穴が穿設されており、止め具が前記脚体及び固定用部材それぞれの貫通穴に挿通されることで、前記固定用部材が前記脚体に対して固定される、
請求項1に記載のテーブル。
【請求項3】
前記脚体は、前記凹部を上端に有する柱状の脚部を前後一対に備えており、前後一対の前記脚部の上端を前後方向の上側梁部で連結して構成されていることを特徴とする請求項1
又は2に記載のテーブル。
【請求項4】
前記脚体は、前記天板の左右両縁側に立設しており、前記固定用部材が前記天板の四隅に配設されることを特徴とする請求項1
~3のいずれか一項に記載のテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、複数の脚体で天板を支持するテーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
テーブルは、一般的に、立設させた4本の柱状の脚で天板の四隅を支持させるように構成されている(特許文献1参照)。また、従来のテーブルとして、前後方向(天板の幅方向)に延びた脚座に支柱を立設して脚体を構成し、当該脚部により天板の左右側縁部分を支持させるものも提供されている(特許文献2及び3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公昭51-038483号公報
【文献】実公平3-019773号公報
【文献】特許第4238101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、天板四隅に柱状の脚を設けた構成では、天板面積が広くなった場合、その支持強度が不十分となり、天板の横揺れが発生する。そのため、特許文献1のテーブルでは、上記構成のテーブルにおける天板の支持強度を高めるべく、4本の脚それぞれを互いに補強材で連結させている。しかしながら、補強材を脚で連結した場合、テーブルの使用者の足下に補強材が配置されるため、テーブル上での作業を行う際に、補強材が邪魔となり作業しづらくなってしまう。
【0005】
一方、特許文献2のテーブルは、天板の左右側縁部分を脚体で支持させた構成となっているため、天板下方に使用者の足を入れることが可能となり、テーブル上での作業性が良くなる。しかしながら、左右の脚体のみで天板を支持させる構造であるため、前後方向の横ブレへの耐久性が低くなる。また、特許文献3のテーブルは、左右の脚体を横ビーム材(梁部材)で連結した構造とすることで、横ブレを抑制した構成としている。しかしながら、横ビーム材に天板を連結しているが脚体と連結されておらず、天板が脚体上方に浮いた位置で固定されているだけでなく、部品点数が多くなってしまう。
【0006】
本願発明は、このような現状を改善すべく成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明のテーブルは、左右方向に配設された複数の脚体の上部を天板用梁部材で連結して構成される骨組み上に、天板を固定支持するテーブルであって、前記脚体上部の前後両端に、前記天板下面に予め突設された固定用部材が挿入される凹部が穿設されるとともに、前記脚体上部の前後方向中途部に前記天板用梁部材が連結され、前記天板と前記骨組みとを連結するにあたり、前記凹部に前記固定用部材が嵌入されるとともに、前記脚体上面及び前記天板用梁部材上面に前記天板下面が固定されて、前記天板と前記骨組みとが連結されるものである。
【0008】
上記テーブルにおいて、前記固定用部材と前記脚体それぞれに貫通穴が穿設されており、止め具が前記脚体上部及び固定用部材それぞれの貫通穴に挿通されることで、前記固定用部材が前記脚体に対して固定されるようにしても構わない。
また、上記テーブルにおいて、前記脚体は、前記凹部を上端に有する柱状の脚部を前後一対に備えており、前後一対の前記脚部の上端を前後方向の上側梁部で連結して構成されているものとしても構わない。
【0009】
上記テーブルにおいて、前記脚体における前後一対の前記脚部の下端側が下側梁部で連結されるものとしても構わない。
【0010】
上記テーブルにおいて、前記脚体が、パネル形状に構成されており、上端面の前後両端に前記凹部を有するものとしても構わない。
【0011】
上記テーブルにおいて、前記脚体は、前記天板の左右両縁側に立設しており、前記固定用部材が前記天板の四隅に配設されるものとしても構わない。
【0012】
上記テーブルにおいて、複数の前記天板が左右に隣接して配設されるとともに、左右端位置に設けられる左右一対の端部脚体と左右中途位置に設けられる中間脚体とで、複数の前記天板が支持されており、前記端部脚体上部の前後両端に前記凹部が穿設されるとともに、左右端位置の前記天板に前記固定用部材が設置されるものとしても構わない。
【発明の効果】
【0013】
本願発明によると、脚体上面及び天板用梁部材上面に天板下面が固定されるため、天板の前後方向及び左右方向それぞれを脚体及び天板用梁部材により固定して支持でき、天板の面内方向に対するテーブルの揺れを抑制できる。また、天板下面の固定用部材を脚体上部の凹部に嵌合させた状態で天板が固定されるため、固定用部材により天板と脚体との相対動(正面視において天板下面と脚体上面が離反するような動き)が抑止されることとなり、テーブルの横揺れを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態に係るテーブルを示しており、(A)は全体の斜視図、(B)正面図である。
【
図3】(A)は同テーブルの底面図、(B)は同テーブルの天板を仮想線で表示した平面図である。
【
図4】同テーブルの端部脚と天板との連結部分の構成を示す部分的な分解斜視図である。
【
図5】(A)は同テーブルの骨組みに天板を組み付けた際の部分的な斜視図、(B)は骨組みに天板を組み付ける前の部分的な斜視図である。
【
図6】第2実施形態に係るテーブルの全体の斜視図である。
【
図7】同テーブルの中間脚体の構成を示す図であって、上半分を断面図とする平面図である。
【
図8】同中間脚体の構成を示す図であって、(A)は
図7のB-B断面図、(B)は左側面図である。
【
図9】同中間脚体周辺の骨組みの構成を示す部分的な分解斜視図である。
【
図10】テーブルの脚体の別例を示しており、(A)は門型の構成を示す部分的な斜視図であり、(B)はパネル型の構成を示す部分的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
本願発明の第1実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態のテーブルの構成を示す外観斜視及び正面図であり、
図2は、当該テーブルの構成を示す左側面図であり、
図3は、該テーブルの構成を示す平面及び底面図である。本実施形態のテーブルは、長方形の天板1を有しており、また、各方向を特定するため、前後・左右の文言を使用するが、
図1に示すように、テーブルにおける天板1の幅方向を前後方向とし、これと直交した方向を左右方向と定義している。
【0016】
図1~
図5に示すように、本実施形態のテーブルは長方形の仕様であり、複数の使用者が着くことができる平面視長方形の天板1と、左右方向に配設された複数の脚体2の上部を天板用梁部材3で連結して構成される骨組み4とを有しており、骨組み4上に天板1が固定支持されている。脚体2は、天板1の左右の側端部を下面側において支持するように、脚体2上面が天板1の下面と連結している。設置床から立設された脚体2上部の前後方向中途部に天板用梁部材3が連結されており、脚体2上面及び天板用梁部材3上面に天板1下面が固定されて、天板1が骨組み4上に支持される。
【0017】
脚体2上部の前後両端に、天板1下面に突設された固定用部材11が挿入される凹部21が穿設されており、凹部21に固定用部材11が嵌合されて、骨組み4上における天板1の位置が決定される。脚体2は、凹部21を上端に有する柱状の脚部22を前後一対に備えており、前後一対の脚部22の上端を前後方向の上側梁部23で連結して構成されている。このとき、脚体2は、脚部22と上側梁部23を当初から一体に、又は、後から結合して、側面視略逆U字状(コ字状)に形成してもよい。
【0018】
本実施形態では、左右の脚体2はそれぞれ、前後一対の脚部22の下端側が下側梁部24で連結されており、側面視(テーブル側面から視て)略矩形枠状(ロ字状)を呈している。すなわち、脚体2は、前後脚部22と下側梁部24とで側面視略U字状(コ字状)をなす脚部材25と、該脚部材25における2本の縦メンバである脚部22の上端部に架設した梁部材である上側梁部23とで、側面視矩形枠状に形成されている。
【0019】
また、本実施形態では、脚体2の上側梁部23及び脚部材25は、空洞を有するパイプ材で構成されている。そして、上側梁部23は、その上面を天板1下面と当接させるべく、角パイプ材で構成されており、脚部材25における前後一対の脚部22は、上端におけるパイプ材の空間部分を凹部21として構成している。左右一対の脚体2それぞれの上側梁部23は、天板1の受座26を介して2本の天板用梁部材3と連結している。この天板用梁部材3は、上側梁部23と同様、その上面を天板1下面と当接させるべく、角パイプ材で構成されている。
【0020】
天板1の受座26が、上側梁部23の長手方向両端部(前後両端部)位置に、当該上側梁部23の内側側面に天板1受けとして設けられている。すなわち、左脚体2における上側梁部23の右側面に、前後一対の受座26が固定されており、右脚体2における上側梁部23の左側面に、前後一対の受座26が固定されている。左右の脚体2それぞれの受座26は、左右逆側に設置された受座26に向かって延びるように設置されている。すなわち、左右の脚体2の上側梁部23における対向面(対向する内面)に、受座26が設置されている。
【0021】
受座26は、平板を屈曲させて断面が逆Ω字状(ひ字状)となるように構成されており、凹部で構成された梁受け部261を前後中央部分に有するとともに、梁受け部261による凹部の前後側縁それぞれの上端から前後に延設させた上端面を天板取付け面262としている。また、受座26は、左右一方の側縁を上側梁部23の左右一側面に当接させて固定することで、受座26が上側梁部23に固定される。なお、受座26は、上側梁部23に対して溶接固定されるものであってもよいし、例えば、梁受け部261または天板取付け面262のいずれかにおける左右一方の側縁を延長して屈曲させた連結面を構成し、当該連結面を上側梁部23の左右一側面に螺着させるものとしてもよい。
【0022】
天板用梁部材3は、天板1の下面において、左右に延設されて左右の脚体2を連結するとともに、前後一対に設けている。本実施形態では、天板用梁部材3は、角パイプ材で構成されており、天板1の長さ方向に平行に配している。前後一対となる天板用梁部材3それぞれの左右両端が、受座26を介して上側梁部23に連結することで、左右の脚体2の上部分に架設される。
【0023】
上側梁部23に対して前後一対に固定された受座26は、梁受け部261に天板用梁部材3の端部が上方から挿入されて嵌め込まれるとともに、天板取付け面262に天板1が上載される。すなわち、天板用梁部材3の端部が、受座26と天板1とで狭持された状態となり、天板用梁部材3の端部の周面が、受座26の梁受け部261と天板1の下面とで覆われる。
【0024】
天板1の下面は、受座26の天板取付け面262と、左右一対の脚体2上面(上側梁部23上面)と、前後一対の天板用梁部材3上面とに当接した状態で骨組み4上に載置される。そして、天板用梁部材3、上側梁部23、及び受座26の天板取付け面262それぞれが、下方から挿入されるボルト13~15により天板1下面に締結することで、左右一対の脚体2と天板用梁部材3で構成される骨組み4上に天板1が固定支持される。
【0025】
また、受座26は、梁受け部261の左右側面の少なくとも一方を貫通する長孔263を有しており、長孔263に挿入されるボルト12が、天板用梁部材3端部の左右いずれかの側面に螺着することで、受座26に天板用梁部材3が固定される。長孔263は、左右方向を長手方向とする形状の穴で構成されており、骨組み4に天板1を固定する際に、脚体2と天板用梁部材3との相対位置を左右方向に調整できる。従って、骨組み4に天板1を組み付ける際の組み付け性を向上できる。
【0026】
各脚体2の下端部の前後両端にアジャスタ(接地部)27を設けることで、天板1面の高さについて、左右方向だけでなく前後方向についても調整できる。脚体2は、脚部材25における前後脚部22それぞれの下端に、アジャスタ27が下方に向けて突設されている。そして、前後一対となるアジャスタ27が上下方向に独立して伸縮することで、脚体2の前後方向の高さを調節可能に構成される。脚部材25における前後脚部22の下端面に、アジャスタ27のネジ部が挿入されるネジ穴が設けられており、アジャスタ27のネジ部がネジ穴に対して螺動することで、アジャスタ27による高さ調節がなされる。
【0027】
固定用部材11が天板1の四隅に配設されており、天板の左右両縁側に立設した左右一対の脚体2の凹部21に固定用部材11が挿入されて、天板1が骨組み4上で位置合わせされた状態で載置される。固定用部材11はそれぞれ、脚体2の脚部22に設けた凹部21に対応する位置に配設されており、天板1下面より突設されている。固定用部材11は、脚部22の凹部21に挿入されたときに、固定用部材11の外周面が凹部21内周面に当接するよう構成されている。したがって、天板1下面の固定用部材11を脚体2上部の凹部21に嵌合させた状態で天板1が固定されるため、固定用部材11により天板1と脚体2との相対動(天板1下面と脚体2上面が正面視で離反するような動き)が抑止されることとなり、テーブルの横揺れを抑制できる。
【0028】
本実施形態では、固定用部材11は、1枚の金属板を屈曲させて構成しており、天板1下面と連結する連結面111における隣接する2辺を下方に延設させた板状の挿入部112,113を有している。即ち、固定用部材11は、1面の連結面111と2面の挿入部112,113の3面で構成されており、凹部21に対して挿入部112,113が挿入されると、挿入部112,113の外側面が凹部21の内周面に当接する。また、本実施形態では、連結面111の長辺側から延設された挿入部112は、その下縁が連結面111との接続部より短くなっており、側面視で略台形状に構成されている。これにより、固定用部材11は、脚体2の凹部21に挿入しやすくなる。
【0029】
連結面111には、ボルト18が挿入される貫通穴を有しており、ボルト18が天板1下面のネジ穴に螺着されて連結面111が固定されることで、天板1に固定用部材11が取り付けられる。また、挿入部112,113の一方(本実施形態では、連結面111の短辺側の挿入部113)と、固定用部材11が挿入される脚部22それぞれに貫通穴が穿設されており、リベット19が脚部22及び固定用部材11それぞれの貫通穴に挿入されることで、固定用部材11が脚体2に対して固定される。
【0030】
なお、固定用部材11は、連結面111の外周辺縁全てに下方に延設させた板状の挿入部112,113を設けるものとしても構わない。このとき、例えば、連結面111の長辺側から延設された2面の連結面111を同一の略台形状とするとともに、連結面111の短辺側から延設された2面の連結面113の一方の高さ方向の長さを短くするものとする。また、固定用部材11は、連結面111の長辺側2面と連結面111の短辺側1面の3面に挿入部112,113を設けるものとしても構わない。
【0031】
更に、固定用部材11は、上述のような板材を屈曲させて構成させるものに限らず、弾性を有する樹脂材などによる成形品で構成しても構わない。このとき、固定用部材11は、天板1下面と連結される上面に比べて下面が小さくなるような立体形状を有するとともに、側面の少なくとも一部が、挿入される脚体2の凹部21内周面に当接するように構成される。また、固定用部材11は、その平面視断面の一部が凹部21断面の一部と同一形状となるように構成される。すなわち、脚体2の脚部22を円筒パイプで構成する場合、凹部21断面が円となるため、固定用部材11の側面を凹部21の内周面に当接させるべく、側面の一部を凹部21の内周面に沿った曲面で構成する。
【0032】
天板1の四隅に位置する脚体2の凹部21と受座26とが、骨組み4の上面において、近接位置に配置されている。すなわち、受座26は、脚体2の上側梁部23と脚部22との境界位置近くとなる位置で、上側梁部23に固定されている。このため、固定用部材11及び受座26を固定するためのボルト13,15,18を螺着させるネジ穴が、天板1の四隅に穿設される。すなわち、骨組み4に対して天板1の位置決めを行うための固定用部材11の固定位置を決めるボルト18に対するネジ穴の近傍に、受座26を固定するボルト13,15に対するネジ穴が設けられるため、組立時におけるネジ穴の取付け誤差による影響を低減できる。
【0033】
天板1は、下面四隅に固定された固定用部材11それぞれが左右の脚体2の前後脚部22に設けた凹部21に挿入されて、左右の脚体2上面に固定される。そして、天板1は、下面に穿設された複数のボルト穴にボルト13~15が螺着されて、骨組み4上に固定される。すなわち、天板1の左右両縁が、ボルト14により脚体2の上側梁部23上に固定されるとともに、天板1の四隅が、ボルト13,15により天板用梁部材3及び受座26上に固定され、天板1の前後が、ボルト13により2本の天板用梁部材3上に固定される。
【0034】
脚体2上面及び天板用梁部材3上面に天板1下面が固定されるため、天板1の前後方向及び左右方向それぞれを脚体2及び天板用梁部材3により固定して支持でき、天板1の面内方向に対するテーブルの揺れを抑制できる。また、天板1下面の固定用部材11を脚体2上部の凹部21に嵌合させた状態で天板1が固定されるため、骨組み4上への天板1の設置位置を容易に合わせることができ、テーブルの組立性を向上できる。
【0035】
本実施形態のテーブルは、使用者が立位又はハイスツールなどに浅く腰かけた状態で使用されるハイテーブルとしたときであっても、骨組み4を脚体2及び天板用梁部材3により平面視略枠状で構成することで、テーブルの剛性を高めることができ、左右方向及び前後方向の横揺れを抑制できる。また、このようなハイテーブルにおいて、脚体2の高さがハイスツールの高さより高く、ハイスツールを天板1下方に収容できる。すなわち、ハイテーブルは、床面から天板1までの高さが通常の椅子の背もたれより高くなるように構成されており、ハイスツールに限らず、椅子をテーブルの天板1下方に収容できる。
【0036】
<第2実施形態>
本願発明の第2実施形態となるテーブルについて、以下に、
図6~
図9を参照して説明する。本実施形態のテーブルは、第1実施形態におけるテーブルと異なり、複数の天板を左右方向に並べて配設している。なお、本実施形態では、2枚の天板を左右方向に並べたテーブルを一例として、以下に説明するとともに、第1実施形態のテーブルと同一部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0037】
本実施形態のテーブルは、
図6~
図9に示すように、2枚の天板1a,1bをその長手方向(左右方向)で連接するとともに、2枚の天板1a,1bの連接部を中間脚体5で支持する一方、テーブルの左右側端部に配設した左右の端部脚体2により2枚の天板1a,1bの辺縁部を支持している。換言すると、2枚の天板1a,1bが左右に隣接して配設されるとともに、左右端位置に設けられる左右一対の端部脚体2と左右中途位置に設けられる中間脚体5とで、2枚の天板1a,1bが支持されている。なお、本実施形態における端部脚体2は、第1実施形態における脚体2に相当する。
【0038】
左天板1aの左端部下面が、左端部脚体2上面に固定支持される一方、右天板1bの右側端部下面が、右端部脚体2上面に固定支持されており、左右の天板1a,1bの連接部下面が、中間脚体5上面に固定支持されている。そして、左右の端部脚体2上部の前後両端に凹部21が穿設されるとともに、左右端位置の天板1a,1bに固定用部材11が設置されている。すなわち、左天板1aの左端部下面の前後位置に突設された固定用部材11が、左端部脚体2上面の凹部21に挿入される一方で、右天板1bの右端部下面の前後位置に突設された固定用部材11が、右端部脚体2上面の凹部21に挿入される。
【0039】
中間脚体5は、設置面から立設させた2本の柱上の脚部51上端を上側梁部52で架設して構成されている。上側梁部52は、左右の天板1a,1bの境界線に沿って前後方向に延設されており、その上面左側に左天板1aの右縁部分が搭置される一方、その上面右側に右天板1bの左縁部分が載置される。そして、前後一対となる脚部51は、上側梁部52の前後中途位置で離間されて配置されており、前後脚部51の間となる空間の左右開口部が、化粧板53によって覆われる。また、前後の脚部51それぞれの下端には、アジャスタ(接地部)54を設けられており、上下方向に独立して伸縮することで、中間脚体5の前後方向の高さを調節可能に構成される。
【0040】
中間脚体5における上側梁部52の前後方向長さは、前後の脚部51間の距離よりも長く、端部脚体2における上側梁部23の前後方向長さと同等となっている。すなわち、中間脚体5は、前後の脚部51と上側梁部52とによって、上側梁部52が前後の脚部51よりも前後に延びたΠ字状で構成されている。また、本実施形態では、前後の脚部51は、互いの脚部51と相対する面(内側面)の中央部分を上下方向に切り欠いて構成され、その平面断面が略C字状となっている。すなわち、前脚部51の場合、左右両側面の後端を屈曲させて、後側面を上下方向に中央を切り欠いた面で構成している。そして、前脚部51において、左右両側面の後端から屈曲させて構成される後側面の左右部分それぞれは、平面断面がL字状となるように、前側面に向かって更に屈曲されている。
【0041】
化粧板53は、前後両縁を左右方向に向けて屈曲させて構成されており、化粧板53の前後両端それぞれが、前後一対となる連結部材55により前後の脚部51それぞれに連結されている。連結部材55は、脚部51の開口部に向けて挿入される挿入部511を有しており、脚部51の左右両側面から屈曲された屈曲部の先端に挿入部511先端を係止させて、脚部51の開口部に固定されている。なお、挿入部511は、脚部51の開口部から内側に向けて突設されており、脚部51の左右両側面からの屈曲部と当接している。
【0042】
更に、連結部材55は、化粧板53の前後縁の一方を挟持する挟持部512を挿入部511の左右外側に有しており、挟持部512を化粧板53の屈曲部に当接させることで、挿入部511先端と挟持部512とで脚部51とけ化粧板53とを挟持している。この連結部材55は、前後の脚部51の開口部に対して上下一対に挿入されており、左右一対の化粧板53の前後縁それぞれが、上下一対の連結部材55により前後の脚部51と共に挟持されて固定される。
【0043】
上側梁部52の左右側面それぞれには、前後一対となる受座56が固定されており、受座56を介して天板用梁部材3と連結している。すなわち、上側梁部52の左側面に固定される前後一対の受座56は、左端部脚体2の上側梁部23に固定された前後一対の受座26と共に、前後一対の天板用梁部材3を支持する。同様に、上側梁部52の右側面に固定される前後一対の受座56は、右端部脚体2の上側梁部23に固定された前後一対の受座26と共に、前後一対の天板用梁部材3を支持する。受座56は、上側梁部52の左右側面それぞれに対して、上側梁部52の前後端側となる位置に固定されている。
【0044】
受座56は、受座26と同様、平板を屈曲させて断面が逆Ω字状(ひ字状)となるように構成されており、凹部で構成された梁受け部561を前後中央部分に有するとともに、梁受け部561による凹部の前後側縁それぞれの上端から前後に延設させた上端面を天板取付け面562としている。また、受座56は、梁受け部561の左右側縁の一方を屈曲させて情報に延設させた連結面563を有しており、梁受け部561と連結面563とによる断面をL字状で構成している。
【0045】
受座56は、連結面563を上側梁部52の左右一側面に当接させるとともに、連結面563の貫通穴に挿入されるボルト57を上側梁部52のネジ穴に螺着することで、上側梁部23に固定される。また、受座56は、受座26と同様、梁受け部561に天板用梁部材3の端部が上方から挿入されて嵌め込まれるとともに、天板取付け面562に天板1a,1bが上載される。そして、天板用梁部材3、上側梁部52、及び受座56の天板取付け面562それぞれが、下方から挿入されるボルト13~15により天板1a,1b下面に締結する。更に、受座56は、受座26と同様、梁受け部561の左右側面の少なくとも一方を貫通する長孔564を有しており、長孔564に挿入されるボルト12が、天板用梁部材3端部の左右いずれかの側面に螺着することで、受座56に天板用梁部材3が固定される。
【0046】
本実施形態のテーブルは、第1実施形態と同様、ハイテーブルとしたときであっても、左右の端部脚体2と共に中間脚体5により天板1を支持することで、テーブルの剛性を高めることができ、左右方向及び前後方向の横揺れを抑制できる。また、天板1の残後長辺と中間脚体5との間に、ハイスツールが収容できるように、中間脚体5が配置されることで、使用者の足が中間脚体5へ衝突することを防止できる。
【0047】
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化でき、例えば、1枚の天板1を端部脚体2及び中間脚体5によって支持するテーブルとするなど、別の構成においても適用できる。また、脚体(端部脚体)2について、第1及び第2実施形態それぞれにおいて、枠型(ロ型)で構成されるものとしたが、
図10(A)で示す如く、門型で構成されるものとしても構わないし、
図10(B)で示す如く、パネル型で構成されるものとしても構わない。
【0048】
図10(A)における門型の脚体2Aは、上記各実施形態における脚体(端部脚体)2から下側梁部24を省略した構成であり、2本の柱状の脚部22上端に凹部21を穿設するとともに、2本の脚部22の上端部分を上側梁部23で架設して構成される。また、
図10(B)におけるパネル型の脚体2Bは、側面視四角形の板で構成するとともに、その上面の前後端部に凹部21を穿設して構成される。また、脚体2Bは、脚体2B同士の対向面の上縁に複数のL字状の取付け片が取り付けられるものとし、当該取付け片を介して、天板1が脚体2Bに固定されるものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本願発明は、実際にテーブルに具体化できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0050】
1 天板
2 脚体
3 天板用梁部材
4 骨組み
5 中間脚体
11 固定用部材
21 凹部
22 脚部
23 上側梁部
24 下側梁部
25 脚部材
26 受座