(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】表示処理装置および表示処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04842 20220101AFI20220427BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20220427BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20220427BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20220427BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20220427BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20220427BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20220427BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
G06F3/0484 120
B60K35/00 A
B60K35/00 Z
B60R11/02 C
G06F3/0481
G06F3/14 350A
G09G5/00 510H
G09G5/00 510V
G09G5/00 530T
G09G5/36 520N
G09G5/38 Z
(21)【出願番号】P 2018022373
(22)【出願日】2018-02-09
【審査請求日】2020-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久木元 修
(72)【発明者】
【氏名】山本 智春
(72)【発明者】
【氏名】伊井野 将嘉
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-275782(JP,A)
【文献】特開2017-027335(JP,A)
【文献】特開2013-041401(JP,A)
【文献】特開2013-182495(JP,A)
【文献】特開2013-121804(JP,A)
【文献】国際公開第2017/068759(WO,A1)
【文献】特開2008-102084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/04842
B60K 35/00
B60R 11/02
G06F 3/0481
G06F 3/14
G09G 5/00
G09G 5/377
G09G 5/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通知情報を取得する取得部と、
前記通知情報に関する優先度に基づいて複数の表示画面に表示させる通知情報を表示画面毎に設定する設定部と、
前記設定部で設定された表示画面におけるユーザの操作に基づいて前記複数の表示画面のうち1つの表示画面の通知情報を変更する場合に、前記1つの表示画面の通知情報の変更に基づいて他の表示画面に表示させる通知情報を変更する変更部と、を備え、
前記変更部は、
前記複数の表示画面のうち1つの表示画面に表示されている通知情報を前記ユーザの操作に基づいて他の通知情報に変更する場合に、
前記他の通知情報の優先度が前記他の表示画面に表示されている通知情報の優先度より高ければ、前記他の表示画面に表示させる通知情報を、前記他の表示画面に表示されている通知情報と前記他の通知情報とを含む通知情報に変更
し、前記他の通知情報の優先度が前記他の表示画面に表示されている通知情報の優先度より低ければ、前記他の表示画面に前記他の通知情報を表示しない、
ことを特徴とする表示処理装置。
【請求項2】
前記変更部は、
前記他の表示画面において、前記他の表示画面に表示されている通知情報の表示位置と、前記他の通知情報の表示位置とが重ならないように通知情報を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示処理装置。
【請求項3】
通知情報を取得する取得工程と、
前記通知情報に関する優先度に基づいて複数の表示画面に表示させる通知情報を表示画面毎に設定する設定工程と、
前記設定工程で設定された表示画面におけるユーザの操作に基づいて前記複数の表示画面のうち1つの表示画面の通知情報を変更する場合に、前記1つの表示画面の通知情報の変更に基づいて他の表示画面に表示させる通知情報を変更する変更工程と
を含み、
前記変更工程は、
前記複数の表示画面のうち1つの表示画面に表示されている通知情報を前記ユーザの操作に基づいて他の通知情報に変更する場合に、
前記他の通知情報の優先度が前記他の表示画面に表示されている通知情報の優先度より高ければ、前記他の表示画面に表示させる通知情報を、前記他の表示画面に表示されている通知情報と前記他の通知情報とを含む通知情報に変更
し、前記他の通知情報の優先度が前記他の表示画面に表示されている通知情報の優先度より低ければ、前記他の表示画面に前記他の通知情報を表示しない、
ことを特徴とする表示処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、表示処理装置および表示処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、優先度に基づいて画面表示させるアイコンを変更する表示処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記表示処理装置では、優先度に基づいて複数の表示画面に通知情報を表示することは考慮されていない。そのため、通知情報を利用者に提供する点で改善の余地がある。
【0005】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者への通知情報の提供を向上させる表示処理装置および表示処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る表示処理装置は、取得部と、設定部と、変更部とを備える。取得部は、通知情報を取得する。設定部は、通知情報に関する優先度に基づいて複数の表示画面に表示させる通知情報を表示画面毎に設定する。変更部は、設定部で設定された表示画面におけるユーザの操作に基づいて複数の表示画面のうち1つの表示画面の通知情報を変更する場合に、1つの表示画面の通知情報の変更に基づいて他の表示画面に表示させる通知情報を変更する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、利用者への通知情報の提供を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る表示処理方法を説明する概略図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る表示処理装置の概略を説明するブロック図である。
【
図3A】
図3Aは、ディスプレイの表示例(変更前)を示す図である。
【
図3B】
図3Bは、ディスプレイの表示例(変更後)を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る表示変更制御を説明するフローチャートである。
【
図5A】
図5Aは、ディスプレイの表示例(変更前)を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、ディスプレイの表示例(変更後)を示す図である。
【
図6A】
図6Aは、ディスプレイの表示例(変更前)を示す図である。
【
図6B】
図6Bは、ディスプレイの表示例(変更後)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する表示処理装置および表示処理方法を説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
まず、実施形態に係る表示処理装置によって実行される表示処理方法の概要について
図1を参照し説明する。
図1は、実施形態に係る表示処理方法を説明する概略図である。
【0011】
表示処理装置1は、車両Cに設けられた表示画面であるセンターディスプレイ100、ヘッドアップディスプレイ101、およびメータディスプレイ102に通知情報を表示させる。
【0012】
センターディスプレイ100は、車両Cの前方中央部に設けられる。ヘッドアップディスプレイ101は、車両Cのフロントガラス付近に設けられる。メータディスプレイ102は、計器類を含むインスツルメンツパネル内に設けられる。なお、表示装置は、車両Cの後部座席用のリアディスプレイであってもよい。
【0013】
通知情報は、車載器30(
図2参照)から出力され、例えば、ヒヤリハットに関する情報や、制限速度などに関する道路情報や、渋滞情報や、音楽の曲名などに関する情報である。
【0014】
表示処理装置1は、ディスプレイ100~102に表示させる通知情報を通知情報の優先度に基づいてディスプレイ100~102毎に設定し、ディスプレイ100~102に表示させる通知情報を変更する。表示処理装置1は、ディスプレイ100~102毎に異なる通知情報を表示させてもよく、ディスプレイ100~102に同一の通知情報を表示させてもよい。すなわち、表示処理装置1は、各通知情報の優先度に応じて、各通知情報をディスプレイ100~102にどのように表示させるか設定し、各通知情報をディスプレイ100~102に表示させる。
【0015】
優先度は、通知情報毎に予め設定されており、複数の通知情報の出力要求があった場合に、ディスプレイ100~102に表示させる通知情報を決める判定基準となる値である。例えば、ヒヤリハットに関する通知情報には、優先度として「10」が設定されており、道路情報に関する通知情報には、優先度として「30」が設定されている。また、渋滞情報に関する通知情報には、優先度として「50」が設定されており、音楽の曲名に関する通知情報には、優先度として「100」が設定されている。
【0016】
優先度は、数値が小さいほど優先度が高く、優先的にディスプレイ100~102に表示される。例えば、ヘッドアップディスプレイ101に対する出力要求として、ヒヤリハットに関する通知情報と、音楽の曲名に関する通知情報との出力要求があった場合には、優先度の数値が小さいヒヤリハットに関する通知情報がヘッドアップディスプレイ101に表示される。
【0017】
表示処理装置1は、優先度に基づいて各ディスプレイ100~102に通知情報が通知された状態から、ユーザ、例えば、ドライバーの操作に基づいて、ヘッドアップディスプレイ101に表示させる通知情報を変更する場合には(S1)、ヘッドアップディスプレイ101における通知情報の変更に基づき、センターディスプレイ100に表示させる通知情報と、メータディスプレイ102に表示させる通知情報とを変更する(S2)。なお、以下では、ユーザとしてドライバーを一例とするが、これに限られることはない。
【0018】
すなわち、表示処理装置1は、優先度に基づいて各ディスプレイ100~102に通知情報が通知された状態から、ドライバーの操作(表示切替操作)が1つのディスプレイに対して行われると、1つのディスプレイの通知情報を優先度に基づいて変更する。表示処理装置1は、優先度が最も高い通知情報を1つのディスプレイに表示させる。
【0019】
そして、表示処理装置1は、1つのディスプレイに表示させる通知情報の変更に基づいて他のディスプレイに表示させる通知情報を変更する。なお、表示処理装置1は、他のディスプレイにおいても優先度に基づいて通知情報を変更する。
【0020】
このように、表示処理装置1は、各通知情報の優先度に応じて、ディスプレイ100~102毎に表示する通知情報を設定する。そして、表示処理装置1は、ドライバーが1つのディスプレイで表示切替操作を行った場合に、1つのディスプレイの通知情報を優先度が最も高い通知情報に変更し、この変更状態に応じて他のディスプレイでも通知情報の調停を行う。
【0021】
これにより、表示処理装置1は、ドライバーへの通知情報の提供を向上させることができる。
【0022】
次に、本実施形態に係る表示処理装置1について
図2を参照し説明する。
図2は、実施形態に係る表示処理装置1の概略を説明するブロック図である。
【0023】
表示処理装置1は、入力部2と、出力部3と、記憶部4と、制御部5とを備える。
【0024】
入力部2には、車載器30から通知情報が入力される。車載器30は、複数設けられる。車載器30は、例えば、カーナビゲーション装置や、オーディオ装置や、運転支援装置や、交通情報受信装置である。また、入力部2には、ドライバーの操作に関する信号が入力される。ドライバーの操作は、ディスプレイ100~102に表示させる通知情報を切り替える表示切替操作であり、現在表示されている通知情報を変更する操作や、現在表示されている通知情報を消去する操作や、他のディスプレイに表示させる操作が含まれる。ドライバーの操作は、例えば、音声や、ボタン操作により行われる。
【0025】
運転支援装置は、ヒヤリハットに関する通知情報を入力部2に送信する。交通情報受信装置は、制限速度などに関する道路情報や、渋滞情報を受信し、受信した情報を入力部2に送信する。
【0026】
出力部3は、ヘッドアップディスプレイ101、センターディスプレイ100およびメータディスプレイ102に表示させる通知情報に関する信号をヘッドアップディスプレイ101、センターディスプレイ100およびメータディスプレイ102にそれぞれ出力する。ディスプレイ100~102は、通知情報に関する信号に基づいて通知情報を表示する。
【0027】
記憶部4は、例えばRAM(Random Access Memory)やハードディスクなどの記憶デバイスである。記憶部4は、各種プログラムの情報等を記憶する。
【0028】
制御部5は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。なお、制御部5は、一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。
【0029】
制御部5は、ROMに記憶されたプログラム(図示略)をRAMを作業領域として使用して実行することにより機能する複数の処理部を備える。具体的には、制御部5は、取得部10と、判定部11と、設定部12と、変更部13とを備える。制御部5は、複数の制御部によって構成されてもよく、各処理部は複数の処理部によって構成されてもよく、統合されて構成されてもよい。
【0030】
取得部10は、入力部2を介して車載器30から通知情報を取得する。取得部10は、入力部2を介してドライバーの操作を取得する。
【0031】
判定部11は、通知情報が取得された場合に、通知情報の優先度を判定する。判定部11は、複数の通知情報がある場合に、各通知情報の優先度を比較し、いずれの優先度が高いかを判定する。判定部11は、ディスプレイ100~102毎に、優先度に基づいた判定を行う。
【0032】
例えば、判定部11は、新たに通知情報が取得された場合には、現在表示されている通知情報の優先度と、新たに取得された通知情報の優先度とを比較し、いずれの優先度が高いかを判定する。また、判定部11は、複数の車載器30から通知情報が同時に取得された場合には、各通知情報の優先度を比較し、いずれの優先度が高いかを判定する。
【0033】
判定部11は、ドライバーの操作に基づいてディスプレイ100~102に表示されている通知情報の変更がユーザにより行われたか否かを判定する。すなわち、判定部11は、ドライバーの操作に基づいて通知情報の表示変更がされたか否かを判定する。判定部11は、ディスプレイ100~102の中から、ドライバーの操作により通知情報を変更するディスプレイを判定する。例えば、判定部11は、オーディオ装置でドライバーが曲名を変更した場合には、ドライバーの操作によってセンターディスプレイ100に表示する通知情報を変更すると判定する。
【0034】
設定部12は、通知情報の優先度に基づいてディスプレイ100~102に表示させる通知情報を設定する。設定部12は、ディスプレイ100~102毎に表示させる通知情報を設定する。
【0035】
設定部12は、新たな通知情報が取得され、新たな通知情報の優先度が、現在表示されている通知情報の優先度よりも高い場合には、ディスプレイ100~102に表示する通知情報を、新たな通知情報に設定する。
【0036】
また、設定部12は、新たな通知情報が取得され、新たな通知情報の優先度が、現在表示されている通知情報の優先度よりも低い場合には、ディスプレイ100~102に表示する通知情報を、現在表示されている通知情報に設定する。
【0037】
なお、設定部12は、新たな通知情報が取得され、新たな通知情報の優先度が、現在表示されている通知情報の優先度よりも低い場合には、現在表示されている通知情報の次に表示する通知情報として設定する。また、設定部12は、新たな通知情報が取得され、新たな通知情報の優先度が、現在表示されている通知情報の優先度よりも低い場合には、新たな通知情報をキャンセルしてもよい。
【0038】
このように、設定部12は、新たな通知情報が取得された場合に、通知情報の優先度に基づいていずれの通知情報を優先して表示させるかを決定し、ディスプレイ100~102に表示させる通知情報を設定する。すなわち、設定部12は、通知情報が取得された場合に、通知情報の優先度に基づいてディスプレイ100~102に表示させる通知情報の調停を行い、優先度が最も高い通知情報をディスプレイ100~102に表示させる通知情報として設定する。
【0039】
また、設定部12は、ドライバーの操作に基づいてディスプレイ100~102に表示する通知情報を設定する。設定部12は、ドライバーによる操作が行われた場合には、ディスプレイ100~102のうちの1つのディスプレイに表示する通知情報を、ドライバーの操作に基づいて設定する。さらに、設定部12は、1つのディスプレイに表示する通知情報に基づいて、他のディスプレイに表示する通知情報を設定する。設定部12は、ドライバーの操作に基づいてディスプレイ100~102に表示させる通知情報を設定する場合にも、優先度に基づいて通知情報を設定(調停)する。
【0040】
変更部13は、設定された通知情報に基づいてディスプレイ100~102の通知情報を変更する。すなわち、変更部13は、設定部12による調停結果、およびドライバーの操作に基づいてディスプレイ100~102の通知情報を変更する。変更部13は、ドライバーの操作に基づいて1つのディスプレイに表示させる通知情報を変更する場合には、1つのディスプレイにおける通知情報の変更に基づいて他のディスプレイに表示させる通知情報を変更する。
【0041】
例えば、
図3Aに示すように、センターディスプレイ100、ヘッドアップディスプレイ101、およびメータディスプレイ102に、ヒヤリハットに関する通知情報として「100m先飛び出し注意」が表示されている。
図3Aは、ディスプレイ100~102の表示例(変更前)を示す図である。この状態で、ドライバーによる操作で、センターディスプレイ100に対して、ヒヤリハットの通知情報を消す操作が行われた場合には、優先度に基づいてセンターディスプレイ100に表示する通知情報が設定される。これにより、センターディスプレイ100には、優先度に基づいて次の通知情報が表示される。例えば、センターディスプレイ100における次の通知情報は、渋滞情報の通知情報「5km先渋滞」である。
【0042】
この場合、表示処理装置1は、ドライバーの操作に基づいてセンターディスプレイ100の通知情報を
図3Bに示すように「100m先飛び出し注意」から「5km先渋滞」に変更する。また、表示処理装置1は、センターディスプレイ100における通知情報の変更に合わせて、他のディスプレイであるヘッドアップディスプレイ101およびメータディスプレイ102の通知情報を優先度に基づいて設定する。例えば、表示処理装置1は、
図3Bに示すように「100m先飛び出し注意」から「5km先渋滞」に変更する。
図3Bは、ディスプレイ100~102の表示例(変更後)を示す図である。
【0043】
なお、センターディスプレイ100、ヘッドアップディスプレイ101、およびメータディスプレイ102には、各ディスプレイ100~102における優先度に基づいて、ディスプレイ100~102毎に異なる通知情報が表示されてもよい。また、ユーザの操作は、ヘッドアップディスプレイ101や、メータディスプレイ102に対して行われてもよい。
【0044】
次に、実施形態に係るドライバーの操作による表示変更制御について
図4を参照し説明する。
図4は、実施形態に係る表示変更制御を説明するフローチャートである。
【0045】
表示処理装置1は、ドライバーの操作を取得したか否かを判定する(S10)。表示処理装置1は、ドライバーの操作を取得していない場合には(S10:No)、今回の処理を終了する。
【0046】
表示処理装置1は、ドライバーの操作を取得した場合には(S10:Yes)、ドライバーの操作に基づいて1つのディスプレイに表示する通知情報を設定する(S11)。
【0047】
表示処理装置1は、1つのディスプレイに表示する通知情報に基づいて、他のディスプレイに表示する通知情報を設定する(S12)。
【0048】
表示処理装置1は、ディスプレイ100~102に表示する通知情報を変更する(S13)。
【0049】
なお、上記実施形態では、表示装置として、ヘッドアップディスプレイ101、メータディスプレイ102およびセンターディスプレイ100を一例として説明したが、表示装置は、一体型のディスプレイを複数の領域に分けて表示させる表示装置であってもよい。
【0050】
表示処理装置1は、優先度に基づいてディスプレイ100~102に通知情報が設定され、ドライバーの操作に基づいて1つのディスプレイに表示させる通知情報を変更する場合に、1つのディスプレイに表示させる通知情報の変更に基づいて他のディスプレイに表示させる通知情報を変更する。
【0051】
これにより、表示処理装置1は、変更された通知情報を他のディスプレイにも表示することができ、変更された通知情報をドライバーに容易に認識させることができ、ドライバーへの通知情報の提供を向上させることができる。
【0052】
また、表示処理装置1は、同一の通知情報が表示されているディスプレイにおいて、ドライバーの操作に基づいて1つのディスプレイの通知情報を変更する場合に、他のディスプレイに表示されている同一の通知情報を、1つのディスプレイに通知情報の変更に基づいて変更する。
【0053】
これにより、表示処理装置1は、変更された通知情報をドライバーにさらに容易に認識させることができ、ドライバーへの通知情報の提供を向上させることができる。また、例えば、ドライバーの操作に基づいてセンターディスプレイ100に表示する通知情報が変更された場合に、ヘッドアップディスプレイ101およびメータディスプレイ102にも反映させることで、ドライバーは、通知情報の変更を容易に確認することができる。
【0054】
次に、実施形態の変形例について説明する。変形例に係る表示処理装置1は、ドライバーの操作に基づいて1つのディスプレイに表示する通知情報が変更された場合に、1つのディスプレイに表示する通知情報と、他のディスプレイに現在表示されている通知情報とを含む通知情報を他のディスプレイに表示させる。
【0055】
例えば、
図5Aに示すように、ヘッドアップディスプレイ101に道路情報の通知情報として「制限速度:50km/h」が表示されている。また、メータディスプレイ102に渋滞情報の通知情報として「5km先渋滞」が表示されている。また、センターディスプレイ100に音楽の曲名の通知情報として「曲名:○○○」が表示されている。
図5Aは、ディスプレイ100~102の表示例(変更前)を示す図である。この状態で、ドライバーによる操作で曲が変更され、例えば、曲名が「○○○」から「×××」に変更されたとする。
【0056】
この場合、変形例に係る表示処理装置1は、ドライバーの操作に基づいてセンターディスプレイ100の通知情報を、
図5Bに示すように「曲名:○○○」から「曲名:×××」に変更する。
図5Bは、ディスプレイ100~102の表示例(変更後)を示す図である。
【0057】
また、変形例に係る表示処理装置1は、上記したセンターディスプレイ100における通知情報の変更に基づいて、他のディスプレイであるヘッドアップディスプレイ101の通知情報を、
図5Bに示すように、「制限速度:50km/h」と「曲名:×××」を含む通知情報に変更する。また、変形例に係る表示処理装置1は、センターディスプレイ100における通知情報の変更に基づいて、他のディスプレイであるメータディスプレイ102の通知情報を、
図5Bに示すように、「5km先渋滞」と「曲名:×××」と含む通知情報に変更する。
【0058】
なお、変形例に係る表示処理装置1は、ディスプレイ100~102毎に表示する通知情報の種類を設定している場合であっても、1つのディスプレイに表示する通知情報を、他のディスプレイに表示してもよい。例えば、変形例に係る表示処理装置1は、メータディスプレイ102には通常表示していない通知情報が、ドライバーの操作によってセンターディスプレイ100に表示される場合に、センターディスプレイ100に表示する通知情報と、メータディスプレイ102に表示されている通知情報とを含む通知情報を、メータディスプレイ102に表示させてもよい。
【0059】
変形例に係る表示処理装置1は、他のディスプレイにおいて、現在表示されている通知情報の表示位置と、1つのディスプレイに表示する通知情報との表示位置が重ならないように通知情報を変更する。なお、他のディスプレイに表示される1つのディスプレイに表示する通知情報は、例えば、予め設定された表示時間が経過した後に、消去されてもよい。
【0060】
これにより、変形例に係る表示処理装置1は、多くの通知情報をドライバーに通知することができる。また、変形例に係る表示処理装置1は、通知情報が重ならないように表示することで、通知情報の視認性を向上させることができる。また、変形例に係る表示処理装置1は、ドライバーの操作に基づいて変更された1つのディスプレイにおける新たな通知情報を、他のディスプレイにも表示させることで、新たな通知情報の視認性を向上させることができる。
【0061】
また、変形例に係る表示処理装置1は、ドライバーの操作に基づいて1つのディスプレイの通知情報を変更する場合に、1つのディスプレイに表示されている通知情報の優先度と、他のディスプレイに表示されている通知情報の優先度とに基づいて他のディスプレイに表示させる通知情報を設定する。
【0062】
具体的には、変形例に係る表示処理装置1は、1つのディスプレイに表示されている通知情報の優先度が、他のディスプレイに表示されている通知情報の優先度よりも高い場合には、他のディスプレイに表示させる通知情報を、1つのディスプレイに表示されている通知情報に変更する。
【0063】
例えば、
図6Aに示すように、ヘッドアップディスプレイ101に道路情報の通知情報として「制限速度:50km/h」が表示されている。また、メータディスプレイ102に渋滞情報の通知情報として「5km先渋滞」が表示されている。また、センターディスプレイ100に音楽の曲名の通知情報として「曲名:○○○」が表示されている。
図6Aは、ディスプレイ100~102の表示例(変更前)を示す図である。
【0064】
この状態で、ヘッドアップディスプレイ101への表示を消す操作をドライバーが行った場合には、変形例に係る表示処理装置1は、
図6Bに示すように、ヘッドアップディスプレイ101に表示されている「制限速度:50km/h」を消去する。
図6Bは、ディスプレイ100~102の表示例(変更後)を示す図である。なお、ドライバーの操作に基づいてヘッドアップディスプレイ101に表示されている通知情報を変更する場合には、ヘッドアップディスプレイ101に表示させる通知情報の優先度に基づいて、次の通知情報が表示される。
【0065】
ヘッドアップディスプレイ101に表示されていた道路情報の優先度は、例えば「30」であり、メータディスプレイ102に表示されている渋滞情報の優先度は、例えば、「50」である。そのため、道路情報に関する通知情報の優先度は、渋滞情報に関する通知情報の優先度よりも高い。
【0066】
従って、変形例に係る表示処理装置1は、
図6Bに示すように、メータディスプレイ102の通知情報を「5km先渋滞」から「制限速度:50km/h」に変更する。
【0067】
さらに、音楽の曲名に関する通知情報の優先度は、例えば「100」であり、渋滞情報に関する通知情報の優先度は、音楽の曲名に関する通知情報の優先度よりも高い。
【0068】
従って、変形例に係る表示処理装置1は、
図6Bに示すように、センターディスプレイ100の通知情報を「曲名:○○○」から「5km先渋滞」に変更する。なお、変形例に係る表示処理装置1は、メータディスプレイ102およびセンターディスプレイ100の通知情報を「制限速度:50km/h」に変更してもよい。
【0069】
また、変形例に係る表示処理装置1は、ディスプレイ100~102間で、表示する通知情報を入れ替えてもよい。例えば、変形例に係る表示処理装置1は、上記一例では、ドライバーの操作に基づいてヘッドアップディスプレイ101に、渋滞情報や曲名に関する通知情報を表示してもよい。
【0070】
また、変形例に係る表示処理装置1は、ドライバーの操作に基づいて1つのディスプレイに表示される通知情報を変更する場合に、1つのディスプレイに表示されている通知情報の優先度が、他のディスプレイに表示されている通知情報の優先度よりも低い場合には、1つのディスプレイに表示されている通知情報を他のディスプレイに表示しなくてもよい。また、変形例に係る表示処理装置1は、1つのディスプレイに表示されている通知情報の優先度が、他のディスプレイに表示されている通知情報の優先度よりも高い場合には、1つのディスプレイに表示されている通知情報と、他のディスプレイに表示されている通知情報とを含む通知情報を、他のディスプレイに表示させてもよい。
【0071】
これにより、変形例に係る表示処理装置1は、異なる通知情報がディスプレイ100~102に表示され、ドライバーの操作に基づいて1つのディスプレイの通知情報を変更した場合であっても、優先度が高い通知情報を他のディスプレイに表示させることができる。そのため、変形例に係る表示処理装置1は優先度が高い通知情報をドライバーに認識させることができる。
【0072】
なお、変形例に係る表示処理装置1は、ドライバーの操作に基づいた1つのディスプレイに表示する通知情報の変更により、他のディスプレイに表示する通知情報を変更するモードと、ドライバーの操作に基づいた1つのディスプレイに表示する通知情報の変更に対して、他のディスプレイに表示する通知情報を変更しないモードとを切り替え可能としてもよい。他のディスプレイの通知情報を変更しないモードでは、例えば、新たな通知情報を取得した場合に、優先度に基づいて他のディスプレイ毎に調停が行われ、通知情報が表示される。
【0073】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 表示処理装置
5 制御部
10 取得部
11 判定部
12 設定部
13 変更部
30 車載器
100 センターディスプレイ
101 ヘッドアップディスプレイ
102 メータディスプレイ