(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】カフユニットおよび血圧計
(51)【国際特許分類】
A61B 5/022 20060101AFI20220427BHJP
【FI】
A61B5/022 300K
(21)【出願番号】P 2018067427
(22)【出願日】2018-03-30
【審査請求日】2021-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】506158197
【氏名又は名称】公立大学法人 滋賀県立大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100091524
【氏名又は名称】和田 充夫
(74)【代理人】
【識別番号】100122286
【氏名又は名称】仲倉 幸典
(72)【発明者】
【氏名】西岡 靖貴
(72)【発明者】
【氏名】東 健太
(72)【発明者】
【氏名】谷口 実
(72)【発明者】
【氏名】田原 知里
(72)【発明者】
【氏名】濱口 剛
【審査官】田辺 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-158805(JP,A)
【文献】特開2013-043084(JP,A)
【文献】国際公開第2017/094276(WO,A1)
【文献】特開2017-093991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/02-5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の対象物を拘束および圧迫するカフユニットであって、
棒状の対象物を挟んで対向する第1の壁および第2の壁と、
上記第1の壁と上記第2の壁とを相対的に接近または離間する向きに並行移動させることが可能なアクチュエータと、
上記第1の壁の上記対象物に対向する側の面に設けられ、外部から流体の供給を受けて膨らんで上記対象物を圧迫する圧迫用流体袋と、
上記第2の壁の上記対象物に対向する側の面に設けられ、外部から流体の供給を受けて上記対象物の周りに沿うように膨らむ拘束用流体袋と、
上記第2の壁の上記第1の壁とは反対側の面に対向して配された第3の壁と、
上記第1の壁と上記第3の壁の互いに対向する辺を一体に連結する支持壁と、
を備え、
上記アクチュエータは、
上記第2の壁と上記第3の壁との間に設けられ、外部から流体の供給を受けて膨張するアクチュエータ用流体袋を含み、上記第1の壁と上記第2の壁とを相対的に接近または離間する向きに並行移動させるとき、上記アクチュエータ用流体袋を膨張または収縮させることを特徴とするカフユニット。
【請求項2】
請求項1のカフユニットにおいて、
上記第1の壁の一部からこの壁に対して垂直方向に上記第2の壁の側へ延在する棒部材を備え、
上記アクチュエータは、上記第2の壁を上記棒部材に沿って並行移動させることを特徴とするカフユニット。
【請求項3】
請求項1または2のカフユニットにおいて、
上記並行移動の方向に関して、上記第1の壁に対して上記第2の壁の相対的な位置を固定し得るロック機構を備えることを特徴とするカフユニット。
【請求項4】
請求項3のカフユニットにおいて、
上記第2の壁は、この第2の壁を上記並行移動の方向に貫通する貫通孔を有し、
上記ロック機構は、
上記第2の壁の上記貫通孔の縁部に形成された凹凸状の第1係合部と、
上記第2の壁の上記貫通孔の縁部に対向して配され、上記並行移動の方向に関して上記第1の壁に対する位置が固定され、かつ上記第2の壁の上記貫通孔の縁部に対向する面に凹凸状の第2係合部を有する板部材と、
外部から流体の供給を受けて膨張し、上記第2係合部が上記第1係合部とかみ合うように上記板部材を上記第2の壁の縁部へ向けて付勢するロック用流体袋とを備えることを特徴とするカフユニット。
【請求項5】
請求項1から4のうちいずれか1項のカフユニットと、上記圧迫用流体袋の圧力を検出する圧力センサとを備えた血圧計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカフユニットに関し、より詳しくは、スライド機構を利用することにより対象物を自動的に拘束および圧迫するスライド式カフユニットに関する。また、本発明は、そのようなカフユニットを備えた血圧計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のカフユニットとしては、例えば、国際公開第2017/094276号に開示されているように、流体の供給を受けて変形するアクチュエータを備え、対象物(腕などの被測定部位)の太さに適応しながら、アクチュエータの根元部から、先端部側に向かって順次対象物を自動的に取り巻いて把持するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1(国際公開第2017/094276号)に記載のものでは、アクチュエータの動作範囲が大きく、対象物を把持する際に、アクチュエータと対象物との間の隙間が大きくなるので、カフユニットとして拘束力および圧迫力が不足するという問題がある。
【0005】
そこで、この発明の課題は、カフユニットとして拘束力および圧迫力の十分大きいカフユニットを提供することにある。また、この発明の課題は、そのようなカフユニットを備えた血圧計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、この開示は、
棒状の対象物を拘束および圧迫するカフユニットであって、
棒状の対象物を挟んで対向する第1の壁および第2の壁と、
上記第1の壁と上記第2の壁とを相対的に接近または離間する向きに並行移動させることが可能なアクチュエータと、
上記第1の壁の上記対象物に対向する側の面に設けられ、外部から流体の供給を受けて膨らんで上記対象物を圧迫する圧迫用流体袋と、
上記第2の壁の上記対象物に対向する側の面に設けられ、外部から流体の供給を受けて上記対象物の周りに沿うように膨らむ拘束用流体袋と、
上記第2の壁の上記第1の壁とは反対側の面に対向して配された第3の壁と、
上記第1の壁と上記第3の壁の互いに対向する辺を一体に連結する支持壁と、を備え、
上記アクチュエータは、上記第2の壁と上記第3の壁との間に設けられ、外部から流体の供給を受けて膨張するアクチュエータ用流体袋を含み、上記第1の壁と上記第2の壁とを相対的に接近または離間する向きに並行移動させるとき、上記アクチュエータ用流体袋を膨張または収縮させることを特徴とする。
【0007】
本明細書で、「棒状の対象物」は、典型的には、上肢(手首、上腕など)、または、下肢(足首など)のような被測定部位を指すが、生体の一部に限られない。また、非生物であってもよい。
【0008】
また、圧迫用流体袋が「外部から流体の供給を受けて」の「外部」とは、圧迫用流体袋の外部を意味する。同様に、拘束用流体袋が「外部から流体の供給を受けて」の「外部」とは、拘束用流体袋の外部を意味する。同様に、後述のアクチュエータ用流体袋が「外部から流体の供給を受けて」の「外部」とは、アクチュエータ用流体袋の外部を意味する。
【0009】
この開示のカフユニットでは、第1の壁と第2の壁との間に棒状の対象物が配され、第1の壁と第2の壁は対象物を挟んで対向する。アクチュエータは上記第1の壁と上記第2の壁とを相対的に接近する向きに並行移動させる。拘束用流体袋は、外部から流体の供給を受けて膨らんで、上記第2の壁の上記対象物に対向する側の面から上記対象物の周りに沿う。圧迫用流体袋は、外部から流体の供給を受けて膨らんで、上記第1の壁の上記対象物に対向する側の面から上記対象物を圧迫する。ここで、上記第1の壁と上記第2の壁とは上記対象物を挟んで相対的に接近しているので、上記拘束用流体袋は、上記第2の壁と上記対象物との間に挟まれた比較的狭い範囲で膨らむ。また、上記圧迫用流体袋は、上記第1の壁と上記対象物との間に挟まれた比較的狭い範囲で膨らむ。したがって、カフユニットとして拘束力および圧迫力を十分大きくできる。なお、このカフユニットから上記対象物を取り外す際には、上記圧迫用流体袋、上記拘束用流体袋から流体が排出され、また、上記アクチュエータは上記第1の壁と上記第2の壁とが相対的に離間する向きに並行移動するのを許容する。これにより、このカフユニットから上記対象物を取り外すことが可能になる。また、上記アクチュエータ用流体袋の膨張または収縮は、上記圧迫用流体袋、上記拘束用流体袋の膨張または収縮と同様の制御によって行われ得る。したがって、このカフユニットの制御系が簡素化される。また、ユーザが使用中に万一の異常を感じたとき、上記アクチュエータ用流体袋を変形させて対象物をカフユニットから容易に離脱させることができる。
【0010】
一実施形態のカフユニットでは、上記第1の壁の一部からこの壁に対して垂直方向に上記第2の壁の側へ延在する棒部材を備え、
上記アクチュエータは、上記第2の壁を上記棒部材に沿って並行移動させることを特徴とする。
【0011】
この一実施形態のカフユニットでは、上記第1の壁と上記第2の壁とを相対的に安定して並行移動させることができる。
【0014】
一実施形態のカフユニットでは、上記並行移動の方向に関して、上記第1の壁に対して上記第2の壁の相対的な位置を固定し得るロック機構を備えることを特徴とする。
【0015】
この一実施形態のカフユニットでは、上記ロック機構によって、上記並行移動の方向に関して、上記第1の壁に対して上記第2の壁の相対的な位置が固定された状態では、上記拘束用流体袋と上記圧迫用流体袋とが膨張するとき、上記第2の壁が上記第1の壁から逃げない。したがって、カフユニットとして拘束力および圧迫力をさらに大きくできる。
【0016】
一実施形態のカフユニットでは、
上記第2の壁は、この第2の壁を上記並行移動の方向に貫通する貫通孔を有し、
上記ロック機構は、
上記第2の壁の上記貫通孔の縁部に形成された凹凸状の第1係合部と、
上記第2の壁の上記貫通孔の縁部に対向して配され、上記並行移動の方向に関して上記第1の壁に対する位置が固定され、かつ上記第2の壁の上記貫通孔の縁部に対向する面に凹凸状の第2係合部を有する板部材と、
外部から流体の供給を受けて膨張し、上記第2係合部が上記第1係合部とかみ合うように上記板部材を上記第2の壁の縁部へ向けて付勢するロック用流体袋とを備えることを特徴とする。
【0017】
この一実施形態のカフユニットでは、ロック機構をなすロック用流体袋が外部から流体の供給を受けて膨張し、上記板部材を上記第2の壁の縁部へ向けて付勢する。したがって、上記第1係合部は、上記第2係合部とかみ合う。その結果、上記並行移動の方向に関して、第2の壁は、第1の壁に対してロックされる。なお、このカフユニットから上記対象物を取り外す際には、上記ロック用流体袋から流体が排出され、その後、上記第1係合部と上記第2係合部との間の係合が外れる。これにより、このカフユニットから上記対象物を取り外すことが可能になる。また、上記ロック用流体袋の膨張または収縮は、上記圧迫用流体袋、上記拘束用流体袋の膨張または収縮と同様の制御によって行われ得る。したがって、このカフユニットの制御系が簡素化される。
【0018】
別の局面では、この発明の血圧計は、カフユニットと、上記圧迫用流体袋の圧力を検出する圧力センサとを備える。
【0019】
この開示の血圧計では、上記第1の壁と上記第2の壁とは上記対象物を挟んで相対的に接近しているので、上記拘束用流体袋は、上記第2の壁と上記対象物との間に挟まれた比較的狭い範囲で膨らむ。また、上記圧迫用流体は、上記第1の壁と上記対象物との間に挟まれた比較的狭い範囲で膨らむ。したがって、カフユニットとして拘束力および圧迫力を十分大きくできる。その結果、上記圧力センサの出力に基づいて、血圧測定を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
以上より明らかなように、本開示のカフユニットによれば、カフユニットとして拘束力および圧迫力を十分大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】この発明の一実施形態のカフユニット(開状態にある)の外観を示す斜視図である。
【
図2A】上記カフユニットを
図1における上方から見たところを示す図である。
【
図2B】
図2Aのカフユニットにおいてアクチュエータ用流体袋、拘束用流体袋および圧迫用流体袋を省略した状態を示す図である。
【
図3】上記カフユニットを
図1における右側方から見たところを示す図である。
【
図4】上記カフユニットを備えた一実施形態の血圧計のブロック構成を示す図である。
【
図5】
図5(A)は、
図1に示すアクチュエータ用流体袋に関して加圧されるべき期間を表すP1オンオフ信号を示す図である。
図5(B)は、
図1に示すロック用流体袋に関して加圧されるべき期間を表すP2オンオフ信号を示す図である。
図5(C)は、
図1に示す拘束用流体袋に関して加圧されるべき期間を表すP3オンオフ信号を示す図である。
図5(D)は、
図1に示す圧迫用流体袋に印加される、時間tの経過に伴う圧力P4の変化を示す図である。
【
図6A】
図5(A)~
図5(D)に示す時刻t10におけるアクチュエータ用流体袋、ロック用流体袋、拘束用流体袋および圧迫用流体袋の動作状態を示す概略図である。
【
図6B】
図5(A)~
図5(D)に示す時刻t11におけるアクチュエータ用流体袋、ロック用流体袋、拘束用流体袋および圧迫用流体袋並びにロック機構の動作状態を示す概略図である。
【
図6C】
図5(A)~
図5(D)に示す時刻t12におけるアクチュエータ用流体袋、ロック用流体袋、拘束用流体袋および圧迫用流体袋並びにロック機構の動作状態を示す概略図である。
【
図6D】
図5(A)~
図5(D)に示す時刻t14におけるアクチュエータ用流体袋、ロック用流体袋、拘束用流体袋および圧迫用流体袋並びにロック機構の動作状態を示す概略図である。
【
図6E】
図5(A)~
図5(D)に示す時刻t15におけるアクチュエータ用流体袋、ロック用流体袋、拘束用流体袋および圧迫用流体袋並びにロック機構の動作状態を示す概略図である。
【
図6F】
図5(A)~
図5(D)に示す時刻t16におけるアクチュエータ用流体袋、ロック用流体袋、拘束用流体袋および圧迫用流体袋並びにロック機構の動作状態を示す概略図である。
【
図6G】
図5(A)~
図5(D)に示す時刻t17におけるアクチュエータ用流体袋、ロック用流体袋、拘束用流体袋および圧迫用流体袋並びにロック機構の動作状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
(カフユニットの構成)
図1は、この開示の一実施形態のカフユニット(開状態にある)1の外観を斜めから見たところを示している。理解の容易のために、図中には適宜、XYZ直交座標系を併せて示している。また、
図2Aは、カフユニット1を
図1における上方(+Z方向)から見たところ、
図3は、カフユニット1を
図1における右側方(-Y方向)から見たところをそれぞれ示している。
【0024】
図1、
図2Aおよび
図3によって分かるように、カフユニット1は、略矩形の平板状の第1の壁11と、第1の壁に対向して設けられた略矩形の平板状の第2の壁12と、第2の壁12に対して第1の壁11と反対の側に対向して設けられた略矩形の平板状の第3の壁13と、第1の壁11と第3の壁13の互いに対向する下辺を一体に連結する支持壁14と、アクチュエータ用流体袋21と、ロック用流体袋22と、拘束用流体袋23および圧迫用(測定用)流体袋24とを備えている。この例では、カフユニット1は、血圧測定のために、棒状の対象物としての手首90(
図3参照)を拘束および圧迫するために設計されている。
【0025】
上記第1の壁11と第3の壁13と支持壁14とによって、一体の略コ字状の外枠10が構成されている。第1の壁11は、第1の壁11の一部として支持壁14から少し離間した下部に、第2の壁12の側へ向かって分岐して突出する第1脚部11Bを備えている。第1脚部11Bの上面は、手首90を取り囲むように湾曲した受け部15になっている。
【0026】
上記第2の壁12は、この第2の壁12の下部に、第1の壁11の第1脚部11Bへ向かって突出する第2脚部12Bを備えている。第2脚部12Bの上面は、手首90を取り囲むように湾曲した受け部15’になっている。
図2B(
図2Aにおいてアクチュエータ用流体袋21、拘束用流体袋23および圧迫用流体袋24を省略した状態)によって分かるように、第2脚部12Bには、Y方向に関して両側に相当する部分に、それぞれX方向に延びてこの第2脚部12Bを貫通する断面円形の貫通孔12u,12vが設けられている。これらの貫通孔12u,12vは、後述する棒部材16,16を通すために設けられている。また、第2脚部12Bには、Y方向に関して中央に相当する部分に、X方向に延びてこの第2脚部12Bを貫通する断面矩形の貫通孔17が設けられている。この貫通孔17は、後述するロック機構を構成するために設けられている。
【0027】
第1の壁11と第3の壁13との間にわたって、第1の壁11の受け部15の先端15eから、この壁11に対して垂直方向に第2の壁12の貫通孔12u,12vを通して、断面円形の2本の棒部材16,16が架設されている。この例では、棒部材16,16は、互いに並行に第2脚部12Bの貫通孔12u,12vに嵌合し、第1の壁11と第3の壁13との間をX方向に延在している。これらの棒部材16,16は、第2の壁12を安定して支持するとともに、第2の壁12を第1の壁11と第3の壁13との間でX方向に並行移動させるためのガイドとして働く。
【0028】
図2Bおよび
図3によって分かるように、第2の壁12の断面矩形の貫通孔17の縁部としての上面には、後述するロック機構18の一部をなす凹凸状の第1係合部18Bが形成されている。
【0029】
上記第3の壁13は、第2の壁12の背面側(第1の壁11とは反対側の面)に沿って配され、第2の壁12の並行移動動作を後述するアクチュエータ用流体袋21とともに実現する。
【0030】
上記アクチュエータ用流体袋21は、第3の壁13の第2の壁12に対向する面と第2の壁12の第3の壁13に対向する面との間に配されている。この例では、アクチュエータ用流体袋21は、それぞれ、第3の壁13の第2の壁12に対向する面と第2の壁12の第3の壁13に対向する面とに接着により取り付けられている。このアクチュエータ用流体袋21には、流体としての空気を供給、排気するための可撓性チューブ61が取り付けられている。アクチュエータ用流体袋21は、後述する
図4の加圧ポンプ42から3ポート弁44、可撓性チューブ61を介して空気が供給されて膨張し、棒部材16に沿って第1の壁11と第2の壁12とを相対的に接近する向きに並行移動させる。また、アクチュエータ用流体袋21は、排気弁43から空気が排出されて収縮し、第1の壁11と第2の壁12とが相対的に離間する向きに並行移動するのを許容する。
【0031】
上記拘束用流体袋23は、第2の壁12の第1の壁11に対向する面に上部23Aと下部23Bとの2つの部分に分けられて配されている。この例では、拘束用流体袋23の上部23Aと下部23Bは、それぞれ、第2の壁12の第1の壁11に対向する面に接着により取り付けられている。この拘束用流体袋23の上部23Aと下部23Bには、流体としての空気を供給、排気するための可撓性チューブ63が取り付けられている。拘束用流体袋23の上部23Aと下部23Bは、互いに並行して加圧ポンプ42から3ポート弁44、可撓性チューブ63を介して空気が供給されて、手首90の周りに沿うように膨張し、また、互いに並行して排気弁43から空気が排出されて収縮する。
【0032】
上記圧迫用(測定用)流体袋24は、第1の壁11の第2の壁12に対向する面に配されている。この例では、圧迫用流体袋24は、第1の壁11の第2の壁12に対向する面に接着により取り付けられている。この圧迫用流体袋24には、流体としての空気を供給、排気するための可撓性チューブ64が取り付けられている。加圧ポンプ42から3ポート弁44、可撓性チューブ64を介して空気が供給されて、手首90を圧迫するように膨張し、また、排気弁43から空気が排出されて収縮する。また、圧迫用流体袋24は、後述する
図4の圧力センサ31で圧迫用流体袋24の圧力を検出し、手首90の動脈91(
図3参照)で発生する動脈容積の変動を脈波信号として取り出して血圧値を算出する際に使用される。
【0033】
この例では、第1の壁11と第2の壁12との間に手首90が配され、第1の壁11と第2の壁12は手首90を挟んで対向する。アクチュエータ用流体袋21は、流体の供給を受けて膨らんで、第1の壁11と第2の壁12とを相対的に接近する向きに並行移動させる。拘束用流体袋23は、流体の供給を受けて膨らんで、第2の壁12の手首90に対向する側の面から手首90の周りに沿う。圧迫用流体袋24は、外部から流体の供給を受けて膨らんで、第1の壁11の手首90に対向する側の面から手首90を圧迫する。ここで、第1の壁11と第2の壁12とは手首90を挟んで相対的に接近しているので、拘束用流体袋23は、第2の壁12と手首90との間に挟まれた比較的狭い範囲で膨らむ。また、圧迫用流体袋24は、第1の壁11と手首90との間に挟まれた比較的狭い範囲で膨らむ。したがって、カフユニット1として拘束力および圧迫力を十分大きくできる。なお、このカフユニット1から手首90を取り外す際には、圧迫用流体袋24、拘束用流体袋23から空気が排出され、また、アクチュエータ用流体袋21は第1の壁11と第2の壁12とを相対的に離間する向きに並行移動させる。これにより、このカフユニット1から手首90を取り外すことが可能になる。
【0034】
図2Bおよび
図3によって分かるように、この例では、ロック機構18は、第2の壁12の貫通孔17の上面に形成された既述の凹凸状の第1係合部18Bと、第2の壁12の貫通孔17の上面に対向して配された板部材19と、ロック用流体袋22とを含んでいる。
図2Bによって分かるように、この例では、板部材19とロック用流体袋22は、矩形の平面形状(XY面内で)を有し、第2の壁12の並行移動の方向(X方向)に関して、第2脚部12Bが移動する範囲にわたって延在し、第1の壁11に固定して配置されている。板部材19の上面(第1係合部18Bと対向する面)には、凹凸状の第2係合部18Aが設けられている。このロック用流体袋22には、第1の壁11の第1脚部11BをX方向に貫通して、空気を供給、排気するための可撓性チューブ62が取り付けられている。ロック用流体袋22が後述する
図4の加圧ポンプ42から3ポート弁44、可撓性チューブ62を介して空気の供給を受けて膨張すると、板部材19を第2の壁12の貫通孔17の上面へ向けて付勢する。したがって、第1係合部18Aは、上記第2係合部18Bとかみ合う。その結果、並行移動の方向(X方向)に関して、第2の壁12は、第1の壁11に対してロックされる。
【0035】
このカフユニット1から手首90を取り外す際には、ロック用流体袋22から空気が排出され、その後、第1係合部18Bと第2係合部18Aとの間の係合が外れる。これにより、このカフユニット1から手首90を取り外すことが可能になる。
【0036】
この例では、ロック機構18によって、並行移動の方向(X方向)に関して、第1の壁11に対して第2の壁12の相対的な位置が固定され得る。したがって、カフユニット1として拘束力および圧迫力をさらに大きくできる。また、ユーザが使用中に万一の異常を感じたとき、ロック用流体袋22、圧迫用流体袋24およびアクチュエータ用流体袋21を変形させて手首90をカフユニット1から容易に離脱させることができる。
【0037】
この例では、アクチュエータ用流体袋21およびロック用流体袋22の膨張または収縮は、拘束用流体袋23および圧迫用流体袋24の膨張または収縮と同様の制御によって行われ得る。したがって、このカフユニット1の制御系が簡素化される。
【0038】
(血圧計のブロック構成)
図4は、血圧計500の概略的なブロック構成を示している。血圧計500の本体200には、表示部50および操作部52に加えて、血圧測定のための要素として、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)100、記憶部としてのメモリ51、電源部53、加圧ポンプ32、排気弁33、および圧力センサ31が内蔵されている。また、本体200には、圧力センサ31からの出力を周波数に変換する発振回路310、加圧ポンプ32を駆動するポンプ駆動回路320、排気弁33を駆動する弁駆動回路330が内蔵されている。また、本体200には、カフユニット駆動のための要素として、圧力センサ41、加圧ポンプ42、排気弁43、および3ポート弁44が内蔵されている。また、本体200には、圧力センサ41からの出力を検出する発振回路410、加圧ポンプ42を駆動するポンプ駆動回路420、排気弁43を駆動する弁駆動回路430、3ポート弁44を駆動しポートを切り換えるポート切換回路450が内蔵されている。
【0039】
上記表示部50は、ディスプレイおよびインジケータ等を含み、CPU100からの制御信号に従って所定の情報を表示する。
【0040】
上記操作部52に含まれた測定/停止スイッチ52A、記録呼出スイッチ52Bは、ユーザによる指示に応じた操作信号をCPU100に入力する。
【0041】
上記メモリ51は、血圧計500を制御するためのプログラムのデータ、血圧計500を制御するために用いられるデータ、血圧計500の各種機能を設定するための設定データ、および血圧値の測定結果のデータなどを記憶する。また、メモリ51は、プログラムが実行されるときのワークメモリなどとして用いられる。
【0042】
上記CPU100は、メモリ51に記憶された血圧計500を制御するためのプログラムに従って、操作部52からの操作信号に応じて、圧力センサ31,41からの信号に基づいて、加圧ポンプ32,42、排気弁33,43や3ポート弁44を駆動する制御を行う。これらの駆動シーケンスは、
図5で詳述する。特に、CPU100は、圧力センサ31からの信号に基づいて、血圧値を算出し、表示部50およびメモリ51を制御する。
【0043】
上記電源部53は、CPU100、圧力センサ31,41、加圧ポンプ32,42、排気弁33,43、表示部50、メモリ51、発振回路310,410、ポンプ駆動回路320,420、弁駆動回路330,430、および3ポート弁44の各部に電力を供給する。
【0044】
上記加圧ポンプ32は、カフユニット1に取り付けられた圧迫用流体袋24内の圧力(以下、適宜「カフ圧」という。)を加圧するために、可撓性チューブ64を介して、圧迫用流体袋24に空気を供給する。排気弁33は、圧迫用流体袋24の空気を排出し、または封入してカフ圧を制御するために開閉される。同様に、上記加圧ポンプ42は、カフユニット1に取り付けられたアクチュエータ用流体袋21、ロック用流体袋22、および拘束用流体袋23内の圧力を加圧するために、3ポート弁44と可撓性チューブ61,62,63を介して、各流体袋に空気を供給する。排気弁43は、アクチュエータ用流体袋21、ロック用流体袋22、および拘束用流体袋23の空気を排出し、または封入するために開閉される。
【0045】
上記ポンプ駆動回路320,420は、加圧ポンプ32,42をCPU100から与えられる制御信号に基づいて駆動する。弁駆動回路330,430は、排気弁33,43をCPU100から与えられる制御信号に基づいて開閉する。ポート切換回路450は、3ポート弁44をCPU100から与えられる制御信号に基づいて、アクチュエータ用流体袋21、ロック用流体袋22、および拘束用流体袋23のうちいずれか1つに空気が供給または排気される流路を切り換える。また、切り換えられた1つのポート以外のポート弁は閉じられ、ポート弁が閉じられた流体袋に供給された空気は、閉じ込められる。
【0046】
上記圧力センサ31と発振回路310は、圧迫用流体袋24の圧力を検出する圧力検出部として働く。圧力センサ31は、例えば、ピエゾ抵抗式圧力センサであり、可撓性チューブ64を介して、加圧ポンプ32、排気弁33およびカフユニット1に取り付けられている圧迫用流体袋24に接続されている。この例では、発振回路310は、圧力センサ31からのピエゾ抵抗効果による電気抵抗の変化に基づく電気信号値に基づき発振して、圧力センサ31の電気信号値に応じた周波数を有する周波数信号をCPU100に出力する。
【0047】
同様に、上記圧力センサ41と発振回路410は、アクチュエータ用流体袋21、ロック用流体袋22、および拘束用流体袋23のうちいずれか1つの圧力を検出する圧力検出部として働く。圧力センサ41は、例えば、ピエゾ抵抗式圧力センサであり、3ポート弁44と可撓性チューブ61,62,63を介して、加圧ポンプ42、排気弁43およびカフユニット1に取り付けられているアクチュエータ用流体袋21、ロック用流体袋22、および拘束用流体袋23に接続されている。この例では、発振回路410は、圧力センサ41からのピエゾ抵抗効果による電気抵抗の変化に基づく電気信号値に基づき発振して、圧力センサ41の電気信号値に応じた周波数を有する周波数信号をCPU100に出力する。
【0048】
一般的なオシロメトリック法に従って血圧を測定する場合、概ね、次のような動作が行なわれる。すなわち、被験者の手首90をカフユニット1に装着し、測定時には、加圧ポンプ32,42と排気弁33,43と3ポート弁44を制御して、カフ圧を最高血圧より高く加圧していく。この例では、この加圧過程において、カフ圧を圧力センサ31で検出し、手首90の動脈で発生する動脈容積の変動を脈波信号として取り出す。その時のカフ圧の変化に伴う脈波信号の振幅の変化(主に立ち上がりと立ち下がり)に基づいて、最高血圧(収縮期血圧:Systolic Blood Pressure)と最低血圧(拡張期血圧:astolic Blood Pressure)とを算出する。
【0049】
(血圧計の動作シーケンス)
図5(A)~
図5(C)は、それぞれ、血圧測定のために
図1のアクチュエータ用流体袋21、ロック用流体袋22、拘束用流体袋23に関して加圧されるべき期間を表すP1オンオフ信号、P2オンオフ信号、P3オンオフ信号を示している。
図5(D)は、血圧測定のために
図1の圧迫用流体袋24に印加される、時間tの経過に伴う圧迫用流体袋24の圧力P4の変化を示している。
図6A~
図6Gは、
図5(A)~
図5(D)の時間tの経過に伴うアクチュエータ用流体袋21、ロック用流体袋22、拘束用流体袋23および圧迫用流体袋24並びにロック機構18の動作状態の概略を示す。
【0050】
CPU100は、加圧されるべき期間を表すP1オンオフ信号、P2オンオフ信号、P3オンオフ信号を記憶しており、後述する血圧測定の動作に用いる。
【0051】
この血圧計500では、CPU100によって、オシロメトリック法により被験者の血圧値が測定される。具体的には、測定/停止スイッチ52Aが押されると、血圧計500は、血圧測定を開始する。
【0052】
図5に示す時刻t10より前のとき、アクチュエータ用流体袋21、ロック用流体袋22、拘束用流体袋23および圧迫用流体袋24に空気は供給されていない。このときに、
図3に示すように、被験者は、カフユニット1の拘束用流体袋23と圧迫用流体袋24との間の受け部15,15’に手首90を載せる。アクチュエータ用流体袋21は収縮した状態にあり、第2の壁12は移動可能範囲のうち+X側にある。
【0053】
次に、
図5に示す時刻t10のときに、CPU100は、アクチュエータ用流体袋21に関するP1オンオフ信号が表す期間が開始され、ポート切換回路450を介して3ポート弁44の流路を切り換え、アクチュエータ用流体袋21のみにアクチュエータ用流体袋21の圧力が予め定められた値(圧力P1)になるまで空気を供給する。このとき、
図6Aに示すように、アクチュエータ用流体袋21は膨張して、第2の壁12を棒部材16に沿って矢印Pで示すように-X方向に並行移動させる。
【0054】
次に、
図5に示す時刻t11のときにアクチュエータ用流体袋21に空気が封入された状態で、CPU100は、ポート切換回路450を介して3ポート弁44の流路を切り換えロック用流体袋22にロック用流体袋22の圧力が予め定められた値(圧力P2)になるまで空気を供給する。時刻t11からロック用流体袋22に関するP2オンオフ信号が表す期間が開始される。このとき、
図6Bに示すように、ロック用流体袋22は膨張しロック機構18を動作させる。すなわち、第1係合部18Bと第2係合部18Aとが係合され、X方向に関して第2の壁12を第1の壁11に対して固定する。
【0055】
次に、
図5に示す時刻t12のときにアクチュエータ用流体袋21およびロック用流体袋22にそれぞれ空気が封入された状態で、CPU100は、ポート切換回路450を介して3ポート弁44の流路を切り換えて、拘束用流体袋23に拘束用流体袋23の圧力が予め定められた値(圧力P3)になるまで空気を供給する。時刻t12から拘束用流体袋23に関するP3オンオフ信号が表す期間が開始される。このとき、
図6Cに示すように、ロックされた第2の壁12と第1の壁11との間に挟まれた狭い範囲で拘束用流体袋23が手首90の外周に沿って膨張して手首90を包み込む。
【0056】
次に、
図5に示す時刻t13のときにアクチュエータ用流体袋21、ロック用流体袋22および拘束用流体袋23にそれぞれ空気が封入された状態で、CPU100は、ポート切換回路450を介して3ポート弁44の流路を切り換えて、圧迫用流体袋24に加圧開始点Aから圧力P4を徐々に加圧していく。
【0057】
既述のように、ここで、第1の壁11と第2の壁12とは手首90を挟んで相対的に接近しているので、拘束用流体袋23は、第2の壁12と手首90との間に挟まれた比較的狭い範囲で膨らむ。また、圧迫用流体袋24は、第1の壁11と手首90との間に挟まれた比較的狭い範囲で膨らむ。したがって、カフユニット1として拘束力および圧迫力を十分大きくできる。
【0058】
次に、この例では、加圧過程にある時刻t14の前後で圧迫用流体袋24の圧力を加圧センサ31で検出し、手首90の動脈で発生する動脈容積の変動を脈波信号として取り出す。このときのカフユニット1は、
図6Dに示すように、アクチュエータ用流体袋21、ロック用流体袋22、拘束用流体袋23、圧迫用流体袋24が全て膨張した状態にある。上記加圧過程において、CPU100は、上記脈波信号に基づいて、オシロメトリック法により公知のアルゴリズムを適用して血圧値を算出する。血圧値の算出が完了するか(この例では、圧力P4が圧力P44に達した時点で血圧値の算出が完了したものとする。)または測定/停止スイッチ52Aが押されると、ポンプ駆動回路420を介して加圧ポンプ42を停止し、その後、弁駆動回路430を介して排気弁43を開放する制御を行う。これにより、圧力P4を低下させ、圧迫用流体袋24を急速排気して収縮させる。なお、血圧値の算出は、加圧過程に限らず、減圧過程において行われてもよい。
【0059】
アクチュエータ用流体袋21および拘束用流体袋23にそれぞれ加えられる圧力P1およびP3は、圧迫用流体袋24の想定される圧力P44よりも十分高くなるように設定される。
【0060】
血圧値を算出して決定すると、CPU100は、算出した血圧値を表示部50へ表示し、血圧値をメモリ51へ保存する制御を行う。
【0061】
次に、
図5に示す時刻t15のときに、CPU100は、弁駆動装置430を介して排気弁43を開放し、ポート切換回路450を介して3ポート弁44の排気経路を切り換えて、拘束用流体袋23内の空気を排気する制御を行う。これにより、拘束用流体袋23内の圧力を低下させ、拘束用流体袋23を排気して収縮させる。時刻t15のとき拘束用流体袋23に関するP3オンオフ信号が表す期間は終了する。
【0062】
次に、
図5に示す時刻t16のときにロック用流体袋22の排気動作を開始する。CPU100は、ポート切換回路450を介して3ポート弁44の排気経路を切り換えて、ロック用流体袋22内の空気を排気する制御を行う。これにより、ロック用流体袋22内の圧力を低下させ、ロック用流体袋22を収縮させる。この結果、第1係合部18Bと第2係合部18Aとの係合は解除される。時刻t16のときロック用流体袋22に関するP2オンオフ信号が表す期間は終了する。
【0063】
次に、
図5に示す時刻t17のときに、CPU100は、ポート切換回路450を介して3ポート弁44の排気経路を切り換えて、アクチュエータ用流体袋21内の空気を排気する制御を行う。これにより、アクチュエータ用流体袋21内の圧力を低下させ、アクチュエータ用流体袋21を収縮させる。時刻t17のときアクチュエータ用流体袋21に関するP1オンオフ信号が表す期間は終了する。この後、カフユニット1から手首90が取り出される。
【0064】
上の例では、カフユニット1の第1の壁11、第2の壁12と第3の壁13はいずれも平板状としたが、これに限られるものではない。例えば、
図3のように側方から見たとき、第1の壁11、第2の壁12と第3の壁13は、手首90に向かって凹になるように略円弧状に湾曲した板状であってもよい。
【0065】
上の例では、アクチュエータは、流体袋によって膨張または収縮する構成としたが、これに限られるものではない。また、ロック機構も、流体袋によって膨張または収縮する構成としたが、これに限られるものではない。例えば、アクチュエータ、ロック機構は、それぞれ、X方向、Y方向に伸縮自在な機械式のものであってもよい。
【0066】
以上の実施形態は例示であり、この発明の範囲から離れることなく様々な変形が可能である。上述した複数の実施の形態は、それぞれ単独で成立し得るものであるが、実施の形態同士の組みあわせも可能である。また、異なる実施の形態の中の種々の特徴も、それぞれ単独で成立し得るものであるが、異なる実施の形態の中の特徴同士の組みあわせも可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 カフユニット
11 第1の壁
12 第2の壁
13 第3の壁
14 支持壁
18 ロック機構
21 アクチュエータ用流体袋
22 ロック用流体袋
23 拘束用流体袋
24 圧迫用流体袋