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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】画像を投影し表示する照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/10 20180101AFI20220427BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20220427BHJP
   F21V 9/40 20180101ALI20220427BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20220427BHJP
   F21S 43/20 20180101ALI20220427BHJP
   B60Q 1/30 20060101ALI20220427BHJP
   B60Q 1/50 20060101ALI20220427BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20220427BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20220427BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20220427BHJP
   F21W 103/40 20180101ALN20220427BHJP
   F21W 103/45 20180101ALN20220427BHJP
   F21W 103/60 20180101ALN20220427BHJP
   F21W 104/00 20180101ALN20220427BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20220427BHJP
【FI】
F21S43/10
F21V7/00 590
F21V9/40 400
F21V5/00 320
F21S43/20
B60Q1/30 Z
B60Q1/50 Z
F21W103:10
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:40
F21W103:45
F21W103:60
F21W104:00
F21Y101:00
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018091583
(22)【出願日】2018-05-10
(65)【公開番号】P2018190729
(43)【公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-03-03
(31)【優先権主張番号】1754128
(32)【優先日】2017-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】ピエール、アルボー
(72)【発明者】
【氏名】ジョエル、リー
(72)【発明者】
【氏名】バレール、カレ
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-077841(JP,U)
【文献】特開平07-288008(JP,A)
【文献】特開2014-189198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/10
F21V 7/00
F21V 9/40
F21V 5/00
F21S 43/20
B60Q 1/30
B60Q 1/50
F21W 103/10
F21W 103/20
F21W 103/35
F21W 103/40
F21W 103/45
F21W 103/60
F21W 104/00
F21Y 101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
‐透明又は半透明のスクリーン(14)と、
‐光線を前記スクリーン(14)に投影可能である照明モジュール(16)と、
を備える、特に自動車両(2)用の照明装置(4)において、
前記スクリーン(14)は、第1拡散領域(14.1)と第2非拡散領域(14.2)とを備え、これにより、前記第1領域(14.1)に投影された光線の第1部分は、前記スクリーン(14)によって拡散され(6)、前記光線の第2部分(8)は、前記スクリーン(14)によって外部の投影面(10)に向かって透過され、
前記照明モジュール(16)は、前記スクリーン(14)の前記第1及び第2領域(14.1、14.2)上に、別個の独立した光画像を形成するように構成される、
ことを特徴とする照明装置(4)。
【請求項2】
前記照明モジュール(16)は、光源(16.1)と、制御信号に基づいて種々の画像を形成可能である制御撮像部(16.2)と、を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置(4)。
【請求項3】
前記制御撮像部(16.2)は、制御された態様で、前記光源(16.1)によって発光された光を透過可能である液晶部品を備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の照明装置(4)。
【請求項4】
前記光源(16.1)は、10mm以下の照明面を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の照明装置(4)。
【請求項5】
前記照明モジュール(16)は、前記スクリーン(14)の前記第2領域(14.2)によって透過された前記光画像が図像を含むように構成される、
ことを特徴とする請求項に記載の照明装置(4)。
【請求項6】
前記スクリーン(14)の前記第1及び第2領域(14.1、14.2)は隣接する、 ことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の照明装置(4)。
【請求項7】
前記スクリーン(14)の前記第1領域(14.1)は、拡散フィルム(14.3)及び/又は拡散屈折レンズを形成する規則的なレリーフを有する表面を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の照明装置(4)。
【請求項8】
前記スクリーンの前記第2領域(14.2)は、透明で平滑である、ことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の照明装置(4)。
【請求項9】
前記装置(4)は、開口を有するハウジング(12)を備え、
前記ハウジングは、前記照明モジュール(16)を収容し、
前記スクリーンは、前記ハウジング(12)の前記開口を覆う外側レンズ(14)を形成する、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の照明装置(4)。
【請求項10】
前記装置(4)が設置状態にあるとき、前記スクリーン(14)の前記第2領域(14.2)は、前記第1領域(14.1)の下方に位置する、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の照明装置(4)。
【請求項11】
前記装置(4)は、自動車両のテールランプである、ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の照明装置(4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車両用の照明及び/又は光信号伝達の分野に関する。
【0002】
番号WO2016/050503A1において公開された特許文書は、図像(ピクトグラム)を表示スクリーンの領域に透過によって表示するように構成された、自動車両用光信号伝達装置を開示している。スクリーンは、装置のハウジングを閉鎖する外側レンズに相当する。図像は、制御可能であるとともに種々の図像を生成可能であるミラーアレイを有する微小電気機械システムを備え得る第1照明モジュールによって生成される。装置は、また、図像を表示する領域から独立した、表示スクリーンの別の領域を照明するように構成された第2照明モジュールを備え得る。このような装置は、同一装置において複数の光信号伝達機能を兼ね備えているという点で有利である。光信号伝達機能のうちの1つは、図像を表示することを含む。この教示から明らかなように、図像を表示するには、潜在的に嵩張る照明モジュールが必要である。なぜならば、本質的に、図像が車両の付近にいる観察者によって視認され得るように、照明モジュールは図像を、最小サイズを有するべき装置の外側レンズの領域に投影する必要があるからである。これは、外側レンズの残りの領域がサイズにおいて縮小されるということを意味する。更に、この教示は、図像を生成するモジュールの他に、このようなモジュールの設計や構造についての詳細を呈示していない。
【0003】
公開特許文書EP 1 793 261 A1号は、フォトルミネセンススクリーンに図像を表示するように構成された照明装置を開示している。このような装置の主な利用例は、図像を車両の運転者の視界に、車両のフロントガラスがフォトルミネセンススクリーンを形成するようにして表示することである。このような利用は、一般に「ヘッドアップ・ディスプレイ」と呼ばれる。したがって、この教示は、車両の付近にいる人々の注意を喚起するために、例えば具体的にはテールランプから図像を表示することには適していない。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、上述の従来技術の少なくとも1つの欠点を軽減することである。より具体的には、本発明の目的は、特にサイズにおいてより多くの選択肢を有する図像等の光画像を、光信号伝達と組み合わせて表示することを可能にすることである。
【0005】
本発明の主題は、透明又は半透明のスクリーンと、光線を前記スクリーンに投影可能である照明モジュールと、を備える特に自動車両用の照明装置において、特に、前記スクリーンは、第1拡散領域と第2非拡散領域とを備え、これにより、前記第1領域に投影された光線の第1部分は、前記撮像装置スクリーンによって拡散され、前記光線の第2部分は、前記スクリーンによって外部の投影面に向かって透過される照明装置である。
【0006】
有利には、前記第1及び第2領域のうちの少なくとも一方の拡散又は非拡散性は、時間とともに可変であるとともに制御され得る。
【0007】
本発明の有利な一態様によれば、前記照明モジュールは、光源と、制御信号に基づいて種々の画像を形成可能である制御撮像部と、を備える。
【0008】
本発明の有利な一態様によれば、前記撮像装置は、制御された態様で、前記光源によって発光された光を透過可能である液晶部品を備える。
【0009】
本発明の有利な一態様によれば、前記光源は、10mm以下の照明面を有する。
【0010】
本発明の有利な一態様によれば、前記照明モジュールは、前記スクリーンの前記第1及び第2領域上に、別個の独立した光画像を形成するように構成される。
【0011】
本発明の有利な一態様によれば、前記照明モジュールは、前記スクリーンの前記第2領域によって透過された前記光画像が図像(ピクトグラム)を含むように構成される。「図像(ピクトグラム)」という用語は、概略的な図形表示、より具体的には、矢印やエクスクラメーション・マーク等のサイン機能を有する図案化された具象表現図を意味する。
【0012】
本発明の有利な一態様によれば、前記第1及び第2領域は隣接する。
【0013】
有利には、前記第1及び第2領域のうちの一方が、前記エリアのうちの他方の内部に位置する。
【0014】
本発明の有利な一態様によれば、前記スクリーンの前記第1領域は、拡散フィルム及び/又は拡散屈折レンズを形成する規則的なレリーフを有する表面を備える。
【0015】
本発明の有利な一態様によれば、前記スクリーンの前記第2領域は、透明で平滑である。
【0016】
本発明の有利な一態様によれば、前記装置は、開口を有するハウジングを備え、前記ハウジングは、前記照明モジュールを収容し、前記スクリーンは、前記ハウジングの前記開口を覆う外側レンズを形成する。
【0017】
本発明の有利な一態様によれば、前記装置が設置状態にあるとき、前記スクリーンの前記第2領域は、前記第1領域の下方に位置する。
【0018】
本発明の有利な一態様によれば、前記装置は、自動車両のテールランプである。
【0019】
本発明の規定は、照明装置はコンパクトなままで、光画像を潜在的に大きいサイズの投影面に投射することを可能にするという点で有利である。本発明の規定は、単独の照明モジュールが、少なくとも2つの別個の照明機能、すなわち一方が光線拡散であり、他方が照明モジュールの外側における画像の投影という機能を果たす点でも有利である。
【0020】
本発明の他の特徴及び利点は、詳細な説明と図面とを活用してよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明による照明装置を設けられた自動車両の後部の概略図。
図2図1の照明装置の断面概略図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明による照明装置の機能を概略的に示す。本例において、装置は自動車両に配置されている。
【0023】
自動車両2は、その後部に、テールランプの形状にある照明装置を備えている。照明装置4は、少なくとも1つの信号伝達光線6を生成し、図像8を照明装置4の外部の投影面10に表示するように構成されている。本例において、投影面は、車両の付近に位置する道路10により形成される。
【0024】
図2は、図1の表示装置を概略的に断面にて示す。装置4は、開口を有するハウジング12と、スクリーンを形成するとともに、ハウジング4に取付けられて開口を閉鎖する外側レンズ14と、照明モジュール16と、を備えている。当該モジュールは、図像画像、すなわち、概略的な図形表示、又はサイン機能を有する図案化された具象表現図を形成するものを投影するように構成されている。この目的のために、モジュール16は、少なくとも1つの光源16.1と、光源16.1によって発光された光線から図像を形成可能である光学装置16.2とを備える。光学装置16.2は、電気制御信号に基づいて種々の図像を形成可能な撮像素子であり得る。このような撮像装置は、表示すべき図像に対応するスクリーン14の表面全体を周期的且つ迅速に通過する光線を反射可能な可動ミラーを備え得る。また、ディスプレイは、マイクロミラーアレイを形成する微小電気機械システム(又は頭文字を取ってMEMS)を備え得る。このようなマイクロミラーは、旋回可能であり、2つの安定位置の間で切換え可能である。一方の位置は、「オン」と称されるアクティブ状態に対応し、他方の位置は、「オフ」と称される非アクティブ状態(この場合、光は吸収領域に反射される)に対応する。図2の例において、撮像部16.2は、LCDと称される、光源16.1によって発光された光を、制御信号に応じて制御された態様において透過可能な電子液晶部品である。上述の種々の撮像装置は、それ自体当業者に周知であり、したがって更に説明する必要はない。
【0025】
図2に示すように、照明モジュール16は、スクリーン14の内面を照明する光円錐を形成する。前記面は、第1の拡散領域又は部分14.1と、第2の透明な非拡散領域又は部分14.2とを備える。第1及び第2領域14.1及び14.2のそれぞれは、照明モジュール16からの光円錐によって照明される。第1領域に衝突した光は、スクリーン14を透過する際に拡散して信号伝達光線6を形成する。これは、特に、ランプ機能、(点滅)方向指示器機能、ブレーキランプ機能、バック(後退)ランプ機能、又はフォグランプ機能であり得る。これに対し、第2領域に衝突した光は、全く又は殆ど拡散することなく透過し、照明装置4の外部、本例において付近の道路に位置する投影面に投影される光線8を形成する。
【0026】
従って、照明モジュール16は、第1及び第2領域14.1及び14.2に別個の独立した画像を形成するように構成され得る。例えば、第1領域に生成される画像は、規則的な幾何学的形状、具体的には、第1領域14.1全体を均一的に照明することからなる単純な幾何学的形状を有し得る。これに対し、第2領域14.2に生成される画像は、外部の投影面に投影される図像である。この図像は、不変であっても可変であってもよい。車両及びその周囲環境に関する特定の状況に従って、複数の図像が選択的に表示され得る。具体的には、図像は、認識されて車両の付近の交通に有用な意味を有するロゴやシンボルを含み得る。例えば、図像は、エクスクラメーション・マーク、矢印、又は状況を示す単語を含み得る。
【0027】
したがって、照明モジュール16は、スクリーンの第1及び第2領域14.1及び14.2に共有されて2つの異なるタイプの光線を形成する。一方の光線は、光信号伝達光線であり、他方の光線は、図像を外部の投影面に投影する光線である。この目的のために、当該面及び当該面に投影される図像は、そのサイズが、対応する領域、本例においてスクリーンの第2領域14.2のものより実質的に大きくてもよい。
【0028】
スクリーン14の第1領域14.1の拡散性は、種々の方法によって得ることができる。例えば、拡散材料14.3からなるコーティング又はストリップが、スクリーンの透明な壁14.4の対向する二つの主面のうちの一方に、第1領域において形成され得る。このようなコーティング又はこのようなストリップは、多方向に反射をもたらす反射性微小粒子を含み得る。拡散材料14.3からなるストリップは、特に、透明な主壁14.4にオーバーモールドされ得る。また、例えば、スクリーン14は、その対向する主面のうちの少なくとも一方に、光を屈折によって種々の方向に屈折させる複雑な表面を有する光屈折レンズを形成するレリーフを備え得る。
【0029】
2つの光線6及び8のアクティブ化は、照明モジュール16によって、より具体的には光源16.1の給電によって、そして有利には光学撮像装置16.2の電気制御によって確保される。光線6のみを形成するためには、光源16.1を作動させ、且つ光学撮像装置16.2を第1領域14.1だけを照明するように構成しなくてはならない。同様に、光線8のみを形成するためには、光源16.1を作動させ、且つ光学撮像装置16.2を第2領域14.2だけを照明するように構成しなくてはならない。光線6及び8を同時に形成するためには、光源16.1を作動させ、且つ光学撮像装置16.2を第1及び第2領域14.1及び14.2を同時に照明するように構成しなくてはならない。
【0030】
照明装置16は、生成された光線が無限の被写界深度を有するように点光源16.2を有する。これにより、投影面に投影された画像がシャープであり続けることが可能となる。
【0031】
更に、投影面は、照明装置付近の道路の一部以外のものであり得ることに留意されたい。具体的には、例えば、車両の車体の一部が投影面となり得る。又は特定の投影面が車両に設けられ得る。
【0032】
投影面は、図像を、照明装置付近の道路の一部である場合と同様に、反射によって、又は透過によって表示し得る。後者の場合、透明面は透明又は半透明である必要がある。
【0033】
また、照明装置のスクリーンは、2つより多い光線を生成するように、2つより多い領域を備え得ることに留意されたい。具体的には、第3の領域を設けて、照明モジュールをこれらの領域のそれぞれを選択的に照明するように構成することが想定され得る。代替例として、追加の照明モジュールが設けられ得る。
図1
図2