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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】広帯域ハイパースペクトル分光光度計
(51)【国際特許分類】
   G01J 3/36 20060101AFI20220427BHJP
   G01J 3/443 20060101ALI20220427BHJP
   G02B 21/00 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
G01J3/36
G01J3/443
G02B21/00
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018127828
(22)【出願日】2018-07-04
(65)【公開番号】P2019053036
(43)【公開日】2019-04-04
【審査請求日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】1756384
(32)【優先日】2017-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】511174786
【氏名又は名称】セントレ ナショナル デテュッド スパティアレ
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL D‘ETUDES SPATIALES
【住所又は居所原語表記】2, place Maurice Quentin F-75001 Paris,France
(73)【特許権者】
【識別番号】508071375
【氏名又は名称】ソントル・ナショナル・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・サイエンティフィーク
(73)【特許権者】
【識別番号】518079208
【氏名又は名称】ソルボンヌ、ユニベルシテ
【氏名又は名称原語表記】SORBONNE UNIVERSITE
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブルシェ フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】ワルター フィリップ
【審査官】嶋田 行志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0163715(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0280906(US,A1)
【文献】特開2011-022553(JP,A)
【文献】特開2009-236546(JP,A)
【文献】特開平06-207857(JP,A)
【文献】特開2000-353048(JP,A)
【文献】特開平08-086689(JP,A)
【文献】特開2012-252037(JP,A)
【文献】特開2009-086669(JP,A)
【文献】特表2015-537236(JP,A)
【文献】特開2003-083728(JP,A)
【文献】特開2017-102266(JP,A)
【文献】特表2008-507719(JP,A)
【文献】国際公開第2015/071181(WO,A1)
【文献】特開平02-289808(JP,A)
【文献】特開昭62-125313(JP,A)
【文献】特開平04-320907(JP,A)
【文献】特開平11-254168(JP,A)
【文献】特開平09-192868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 3/00-G01J 3/52
G01N 21/00-G01N 21/958
G02B 21/00-G02B 21/36
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物(O)を分析するように構成された広帯域ハイパースペクトルの分光光度計であり、
上記分光光度計は、
光線を発するための光源(S,S’)を有し、分析される対象物(O)を該光線でライン毎に走査するように構成された照明アセンブリ(ES,ES’)と、
上記照明アセンブリ(ES,ES’)から光線(2)を受けるように配置された焦点鏡(M2)と、
上記焦点鏡(M2)から反射された光線(3)を受けるために該焦点鏡(M2)に対向して配置された第1フォールド鏡(M1)と、
上記第1フォールド鏡(M1)によって反射された光線(4)を受け、該光線(4)を、上記対象物(O)上を延びる線に沿って該対象物(O)に向かって反射する、回転可能な平面走査鏡(M0)と
上記対象物(O)と上記平面走査鏡(M0)との間の距離を測定する2つの測定センサ(C1,C2)を備え、
上記焦点鏡(M2)は、イメージを上記測定センサによって測定された距離に適応させるように移動可能であると共に、上記平面走査鏡(M0)によって反射されて上記対象物(O)に照射される光線(5)の軸を横切る軸(DM2)に沿って移動される
ことを特徴とするイメージング分光光度計。
【請求項2】
請求項1に記載のイメージング分光光度計において、
上記第1フォールド鏡(M1)は、
上記焦点鏡(M2)の方を向く正面(M11)と、
該正面(M11)の反対側を向く裏面(M12)とを備え、
上記第1フォールド鏡(M1)は、光線を通過可能にするように構成されるスロット(M1-F)を備え、
上記イメージング分光光度計は、上記第1フォールド鏡(M1)の正面(M11)に向かうと共に上記第1フォールド鏡のスロット(M1-F)に対向して配置される光線シャッタ装置(OBT)を備えており、
上記シャッタ装置は、上記スロットよりも広い垂直ブレードを備え、
上記垂直ブレードは、
上記平面走査鏡(M0)からの直射的なゴースト光線が上記スロットを通過するのを防止する開位置と、
上記対象物からの光線が上記スロット(M1-F)を通過するのを防止する閉位置との2つの位置に移動可能である
ことを特徴とするイメージング分光光度計。
【請求項3】
請求項2に記載のイメージング分光光度計において、
上記シャッタ装置(OBT)は、
上記第1フォールド鏡の正面に向かって回動できるように搭載される黒いブレードと、
2つの位置を定めるように構成された2つのストッパ(B1,B2)とを備えている
ことを特徴とするイメージング分光光度計。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載のイメージング分光光度計において、
上記照明アセンブリ(ES)の光源(S)は、紫外線、可視、又は赤外線の範囲の光線を発するように構成され
上記照明アセンブリは、分析される上記対象物(O)上に1本のラインだけを照らすために上記光源によって発される光線を整形するための整形アセンブリ(L,LC,LLG)を更に備えている
ことを特徴とするイメージング分光光度計。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載のイメージング分光光度計において、
上記照明アセンブリ(ES)は、上記焦点鏡(M2)に向かう整形光線を射出する平面射出鏡(MI)を備え、
上記整形光線は、上記平面射出鏡を通るその画像が、上記第1フォールド鏡(M1)のスロット(M1-F)の上に重ね合わせられるように構成されている
ことを特徴とするイメージング分光光度計。
【請求項6】
請求項に記載のイメージング分光光度計において、
上記整形アセンブリは、上記光線の伝搬方向に、照度の均一なラインを生成するレンズ(LLG)と、上記線の軸上に平行な円柱レンズ(LC)と、拡大倍率を適応させるためのレンズ(L)とを備えている
ことを特徴とするイメージング分光光度計。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか1つに記載のイメージング分光光度計において、
上記照明アセンブリ(ES’)は、上記光源(S’)と一体に配置される球体(11)を備え、
上記球体(11)は、光線を通過させるように構成されたスロット(S’-F)を備えている
ことを特徴とするイメージング分光光度計。
【請求項8】
請求項に記載のイメージング分光光度計において、
上記照明アセンブリ(ES’)は、上記球体のスロット(S’-F)に中心を置くリング状に孔をあけられ、該球体に向かって配置される球面鏡(MS’)を更に備え、
上記球面鏡(MS’)は、光線を通過させて、光を反射して上記球体(11)にそれを返すように構成されている
ことを特徴とするイメージング分光光度計。
【請求項9】
請求項2から8のいずれか1つに記載のイメージング分光光度計において、
結像アセンブリ(Ei)と検出アセンブリ(EDET)とを備え、
上記結像アセンブリ(Ei)は、光線をスロット(M1-F)から上記検出アセンブリ(EDET)にもたらすために、上記第1フォールド鏡(M1)に対向して配置されている
ことを特徴とするイメージング分光光度計。
【請求項10】
請求項9に記載のイメージング分光光度計において、
上記検出アセンブリ(EDET)は、CCD又はCMOSセンサを備えている
ことを特徴とするイメージング分光光度計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の狭いスペクトル帯域の画像を得る、ハイパースペクトルイメージング又はスペクトルイメージングの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイパースペクトル画像を得るための反射屈折機器は公知である(特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許5459325号公報
【文献】米国特許4215273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの機器には、実際には全波長を含むことを可能にしない、クロマティシズムを引き起こすレンズを有するという不利な点がある。加えて、これらの機器は、撮像される対象物が容易にアクセス可能でない場合に不都合が生じる程度に嵩張る。
【0005】
本発明は、上述した不利な点を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的のために、本発明は、対象物を分析する広帯域ハイパースペクトルイメージング分光光度計を提案し、
上記分光光度計は、
光線を発するための光源を有し、分析される対象物を該光線でライン毎に走査するように構成された照明アセンブリと、
焦点鏡と、
第1フォールド(folding)鏡と、
回転可能な平面走査鏡とを備え、
上記照明アセンブリ、上記焦点鏡、上記第1フォールド鏡及び平面走査鏡は、上記平面走査鏡を介して上記対象物上を延びる線に沿って上記光線を上記対象物に導くように構成されるイメージング分光光度計であって、
上記イメージング分光光度計は、上記対象物と上記平面走査鏡との間の距離を測定する2つの測定センサを備え、
上記焦点鏡は、イメージを上記測定センサによって測定された距離に適応させるように移動可能に構成されている。
【0007】
本発明は、好ましくは、単独で、又は、それらの技術的に可能な組合せのいずれかを取る以下の特性によって、完成される。
【0008】
上記第1フォールド鏡は、
上記焦点鏡の方を向く正面と、
該正面の反対側を向く裏面とを備え、
上記第1フォールド鏡は、光線を通過可能にするように構成されるスロットを備え、
上記イメージング分光光度計は、上記第1フォールド鏡の正面に向かうと共に上記第1フォールド鏡のスロットに対向して配置される光線シャッタ装置を備えており、
上記シャッタ装置は、上記スロットよりも広い垂直ブレードを備え、
上記垂直ブレードは、
上記平面走査鏡からの直射的なゴースト光線が上記スロットを通過するのを防止する開位置と、
上記対象物からの光線が上記スロットを通過するのを防止する閉位置との2つの位置に移動可能である。
【0009】
上記シャッタ装置は、
上記第1フォールド鏡の正面に向かって回動できるように搭載される黒いブレードと、
2つの位置を定めるように構成された2つのストッパとを備えている。
【0010】
上記照明アセンブリの光源は、紫外線、可視、又は赤外線の範囲の光線を発するように構成され、好ましくはレーザであり、
上記照明アセンブリは、分析される上記対象物上に1本のラインだけを照らすために上記光源によって発される光線を整形するための整形アセンブリを更に備えている。
【0011】
上記照明アセンブリは、上記焦点鏡に向かう整形光線を射出する平面射出鏡を備え、
上記整形光線は、上記平面射出鏡を通るその画像が、上記第1フォールド鏡のスロットの上に重ね合わせられるように構成されている。
【0012】
上記整形アセンブリは、上記光線の伝搬方向に、照度の均一なラインを生成するレンズと、上記ラインの軸上に平行な円柱レンズと、拡大倍率を適応させるためのレンズとを備えている。
【0013】
上記照明アセンブリは、上記光源と一体に配置される球体を備え、
上記球体は、光線を通過させるように構成されたスロットを備えている。
【0014】
上記照明アセンブリは、上記球体のスロットに中心を置くリング状に孔をあけられ、該球体に向かって配置される球面鏡を更に備え、
上記球面鏡は、光線を通過させて、光を反射して上記球体にそれを返すように構成されている。
【0015】
上記分光光度計は、結像アセンブリと検出アセンブリとを備え、
上記結像アセンブリは、光線を上記スロットから上記検出アセンブリにもたらすために、上記第1フォールド鏡に対向して配置されている。
【0016】
上記検出アセンブリは、CCD又はCMOSセンサを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係るイメージング分光光度計を例示する図である。
図2図2は、本発明によるイメージング分光光度計のシャッタ装置を例示する図である。
図3図3は、本発明によるイメージング分光光度計のシャッタ装置を例示する図である。
図4図4は、本発明の第2実施形態に係るイメージング分光光度計を例示する図である。
図5図5は、本発明の第3実施態様に係るイメージング分光光度計を例示する図である。
図6図6は、本発明の第4実施態様に係るイメージング分光光度計を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付の図面を参照した以下の説明に現れる、他の特性、目的及び本発明の効果は、単に例示的であり限定的でない。全図において、類似の要素は、同一の符号を付す。
【0019】
図1に本発明の第1実施形態に係るイメージング分光光度計を例示する。
【0020】
分析される対象物Oは、イメージング分光光度計の対象物面に配置される。
【0021】
対象物Oに照射するために、照明アセンブリESは、所定の波長において、又は、所定の波長帯において、分析される対象物に対する電磁光線を放出する光源Sを含む。
【0022】
照明アセンブリESによる分光光度計は、ライン毎に光源Sによって対象物Oを走査して分析することを可能にする。
【0023】
第1の実施形態によると、照明アセンブリESは、レーザ光源を有し、紫外線、可視又は赤外線の範囲で照射し、そのスペクトル反応によって対象物Oの特徴を調べることを可能にする。
【0024】
紫外線、可視又は赤外線の範囲に属する波長によって励起される対象物Oは、紫外線、可視、又は、赤外線よりも高い波長範囲の光線を再放射する。この蛍光により、分析される対象物Oを特徴付けることが可能になる。
【0025】
分析される対象物Oは、蛍光特性を有する、接着剤、樹脂、塗料、有機若しくは生物学的元素、又は他のいかなる材料若しくはナノ材料であってもよい。
【0026】
照明アセンブリESは、分析される対象物O上に1本のラインだけを照らすために、光源によって発される光線を整形するための整形アセンブリL、LC及びLLGを備えている。
【0027】
この整形アセンブリに、光線の光源Sに対向する、特に以下の3つのレンズ
LLGレンズ:レーザライン生成レンズ
LCレンズ:レーザライン軸上に平行な円柱レンズ
L-レンズ又はレンズシステム:イメージング分光光度計を介してレーザラインを撮像するためのレンズ(拡大倍率はイメージング分光光度計の走査領域に適合される)
が設けられている。
【0028】
照明アセンブリESに、光源Sからの光線(符号1)をイメージング分光光度計の方へ射出することを可能にする射出鏡MIが設けられている。
【0029】
射出鏡MI上の、光源からの光線の反射によって生じる光線(符号2)は、好ましくは球面焦点鏡である焦点鏡M2に到着する。
【0030】
焦点鏡M2から出される光線(符号3)は、第1フォールド鏡M1(特に、第1フォールド鏡M1の正面M11)に到達する。第1フォールド鏡M1は、更に反射もする裏面M12と、その中心のスロットM1-Fとを備える。スロットM1-Fは、長さ2~3ミリメートルの長さで数十ミクロンの幅を有し、光線を通過させることを可能にする。
【0031】
好ましくは、レーザ光線の形成は、射出鏡MIを経た、その画像が第1フォールド鏡M1のスロットM1-Fの上の重畳されるように形成されなければならない。
【0032】
第1フォールド鏡M1は、分析される対象物Oに光線(符号5)を反射するように回動して平面走査鏡に光線(符号4)を反射する。
【0033】
対象物Oの照射は、分析領域を覆うレーザ光線によって横方向に行われ、レーザは、ある範囲上にイメージング分光光度計の分析領域に対応するラインを形成するのが望ましい。
【0034】
このような構成により、明るい対象物上の分光光度計の中へ反射し返す鏡面反射を回避することを可能にする。
【0035】
加えて、照明は、有用な領域だけにされ、従って、光源(例えば蛍光の場合UV)による光劣化及び加熱は、未分析領域に制限される。従って、照射線量は、分析のために厳密に必要な線量に対応する。
【0036】
走査鏡M0の両側に集束を実行するために、対象物Oと走査鏡M0との間の距離を測定することが可能な測定センサC1,C2が配置される。焦点鏡M2は、イメージを測定センサC1,C2で測定される距離に適応させるために、(図1の軸DM2に沿う)移動によって順次移動可能である。この移動性は、分光光度計の集束面を対象物の位置に適応させるか、又は、集束面を対象物の体積の測定するために変更することを可能にする。
【0037】
分析される対象物Oから出される光線は、第1フォールド鏡の正面M11に到着し、第1フォールド鏡M1のスロットM1-Fの方へ光線を集中させる焦点鏡M2に、光線を反射する。このようにして、光線は、対象物領域の1本のラインだけを選択するスロットM1-Fを介し、第1フォールド鏡M1の厚さ方向を通過する。
【0038】
スロットM1-Fを通過する光線は、CDD又はCMOSセンサだけからなる検出アセンブリEDETに対し、この光線をもたらすことを可能にする結像アセンブリEiに到着する。
【0039】
光線の獲得を許容するために、イメージング分光光度計は、第1フォールド鏡の正面M11に且つこの第1フォールド鏡のスロットM1-Fの高さに対向するように配置される光線シャッタ装置OBTを備える。
【0040】
図2及び図3の詳細にて示すように、シャッタ装置は、スロットM1-Fよりも広い垂直ブレードLと、ブレードLが移動可能な位置を定める2つのストッパB1,B2とを備えている。
【0041】
シャッタ装置の2つの位置を制限するストッパB1,B2は、B1において軸上の光学光線をマスキングするか、又は、M1によって反射されずにスロットを通過する、対象物Oからの直接光をふさぐように調節可能である。
【0042】
このように、ブレードは、以下の2つの位置を移動可能である。その1つは、走査鏡M0からの直射的なゴースト光線がスロットを通過するのを防止するが、対象物からの(有効な)光線をM2を介してスロットに通す開位置であり、もう1つは、いかなる光線もスロットM1-Fを通さない閉位置である。このように、CCD又はCMOSセンサは、その読み込み、データ転送及び照準の間には照射されない。
【0043】
結果として、シャッタ装置は、限られた寿命を有する従来の機械式シャッタの代わりに光線をシャッタすることと、照準鏡M0及びスロットM1-Fを経て直接分光光度計に入る迷光を取り除くことの2つの機能を有する。
【0044】
この種のシャッタ装置は、互いに擦れ合うブレードで作動する従来のアイリスシャッタ又は同等のシステムと比較して強いという効果がある。実際、ハイパースペクトル画像を取得するために、撮像前の設定を数えなくても数百又は数千の撮像(シャッタ装置の開/閉)を行うことがよくある。
【0045】
このようにシャッタ装置は、黒いブレード(領域がスロットにおいてラインの形で描写されているため)だけを使用し、ピボット連結部が(例えばボールベアリングに)ブロックされて固定されているおかげで、円形瞳孔用の従来シャッタにおけるシャッタ間のような摩擦がなく、従って摩耗がない。ピボット連結部における移動も可能である。
【0046】
結像アセンブリEiには、スロットM1-Fから出される光線が到着する放物線状の規準鏡M3が設けられている。光線は、その後、この規準鏡M3によって反射され、第1フォールド鏡M1の裏面M12によって反射される。
【0047】
第1フォールド鏡M1の裏面M12によって反射された光線は、波長に応じて光線を分散させるプリズムPを通過する。散乱された光線は、イメージング鏡M5に光線を反射する第2フォールド鏡M4(その中心が穿孔された円形又は矩形である)に到着する。イメージング鏡M5は、検出アセンブリに光線を反射する。
【0048】
図4に例示する第2実施形態によると、照明アセンブリESは、イメージング分光光度計において、更に上流にあってもよい。
【0049】
この第2実施形態によれば、照明アセンブリESから進む光学通路は、以下の通りであり、
光源Sからの光線(符号1)は、規準鏡M3に光線(符号3)を反射する第1フォールド鏡M1の裏面M12に光線(符号2)を射出する射出鏡MIに到着し、
規準鏡M3は、規準鏡M2に光線(符号4)を反射し、
規準鏡M2は、第1フォールド鏡M1の正面M11に向かって光線(符号5)を反射し、
フォールド鏡M1は、走査鏡M0に光線(符号6)を反射し、
走査鏡M0は、分析される対象物Oに、光線(符号7)を反射する。
【0050】
対象物Oから検出アセンブリEDETまでの光学通路は、第1実施形態のものと同一である。
【0051】
この第2実施形態のそれぞれの鏡は、結像アセンブリEiと共に、第1実施形態と同一である。加えて、この第2実施形態によるイメージング分光光度計は、シャッタ装置を備えていてもよい。
【0052】
図5に例示する第3実施態様によると、光源Sの光軸と、検出アセンブリEDETの光軸とは、整列配置される。それは全ての作動距離のための方位角差があるというわけではないことを意味する。照明アセンブリESが、検出アセンブリEDETの高さにあってもよい。
【0053】
この第3実施態様によれば、照明アセンブリが射出鏡MIを備えないことがわかり、
光源Sから出される光線(符号1)は、第2フォールド鏡M4の貫通領域を通過して、プリズムPに到達してプリズムP(符号2)を通過し、
プリズム(符号3)から出される光線は、第1フォールド鏡M1に到着し、次いで第1フォールド鏡M1は、光線(符号5)を反射する規準鏡M3に、光線(符号4)を反射し、
第1フォールド鏡M1から出される光線(符号6)は規準鏡M2に到着し、次いで、規準鏡M2は、第1フォールド鏡M1に光線(符号7)を反射し、第1フォールド鏡M1は、走査鏡M0に光線(符号8)を反射する。
【0054】
走査鏡M0によって反射された光線は、分析される対象物Oに到達する。
【0055】
この第3実施態様のそれぞれの鏡は、結像アセンブリEiと共に、第1実施形態と同一である。加えて、この第3実施態様によるイメージング分光光度計は、シャッタ装置を備えていてもよい。
【0056】
図6に示す第4実施態様によると、照明アセンブリES’の光源S’は多色光源を有する。光束は、光源S’と一体に配置される球体11において発せられ、光源S’は、スロットM1-Fと幾何学的に同じになる、球体11のスロットS’-Fを通る流れを均一化する。
【0057】
球体11のスロットS’-Fから出る光束の一部は、鏡M6を介して分光光度計の焦点鏡M2に向かう。焦点鏡M2は、あたかもそれがスロットから来たかのように、球体から出される白色光線を再び集中させることによって分析領域を照らす。従って、ここでも照明アセンブリES’は、分析領域に(線の形で)光を照らす。
【0058】
補完的な方法において、球体のスロットS’-Fを中心とするリング状に穿孔された球面鏡MS’(又は表層を隠している等価物)が球体に対向して配置されている。球面鏡の場合、反射光は球体に戻る。
【0059】
対象物Oまでの光学通路は、以下の通りであり、
上記球体からの光線(符号1,1’)は、鏡M6によって焦点鏡M2(符号2,2’)へ反射され、
焦点鏡M2からの光線2,2’は、第1フォールド鏡M1に到着し、
その後、光線(符号3,3’)は、走査鏡M0に光線(符号4,4’)を反射する第1フォールド鏡M1に反射され、
走査鏡M0は、分析される対象物Oに、光線(符号5,5’)を反射する。
【0060】
この第4実施形態は、
照明がイメージング分光光度計に組み込まれる点
作動距離に関係なく、有効領域だけが照射されている点
走査が光源と同期している点
境界線上の照度補正は、同一の平面上の単一収集において行われ、放射分析均一性修正を許容する点
のために有利である。
【0061】
この第4実施態様の上記それぞれの鏡は、結像アセンブリEiと共に、第1実施形態と同一である。加えて、この第4実施態様による分光光度計は、シャッタ装置を備えていてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6