(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】化粧キャップ及び建具
(51)【国際特許分類】
E06B 3/30 20060101AFI20220427BHJP
E06B 3/70 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
E06B3/30
E06B3/70 Z
(21)【出願番号】P 2018230910
(22)【出願日】2018-12-10
【審査請求日】2021-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004592
【氏名又は名称】日本カーバイド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松村 心互
(72)【発明者】
【氏名】姫野 賢
(72)【発明者】
【氏名】京田 智
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-256452(JP,A)
【文献】特開2015-224430(JP,A)
【文献】特開2007-70898(JP,A)
【文献】特開2009-287294(JP,A)
【文献】実開昭57-171082(JP,U)
【文献】実開昭56-130453(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/00-3/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧部材の小口面を被覆する化粧キャップであって、
表面層と粘着剤を含む基材層とが積層された成形品によって構成され、
前記基材層を介して前記小口面に接着され、当該小口面を被覆する被覆部と、
前記被覆部に対して前記化粧部材の裏面側に折曲可能に構成された折曲部とを備える
ことを特徴とする化粧キャップ。
【請求項2】
前記化粧部材は、
形材の表面に化粧シートが貼り付けられた構成を有し、
前記表面層は、
前記化粧シートと同一部材によって構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の化粧キャップ。
【請求項3】
前記形材は、
表面に前記化粧シートが貼り付けられた形材本体と、
前記形材本体の裏面から突出する突出部とを備え、
前記折曲部は、
前記基材層を介して前記突出部に接着される
ことを特徴とする請求項2に記載の化粧キャップ。
【請求項4】
前記形材は、
表面に前記化粧シートが貼り付けられた形材本体と、
前記形材本体の裏面から突出する突出部とを備え、
前記折曲部は、
前記基材層を介して前記被覆部及び前記形材本体の裏面にそれぞれ接着される
ことを特徴とする請求項2に記載の化粧キャップ。
【請求項5】
前記表面層と前記基材層との間には、
充填層が充填されている
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の化粧キャップ。
【請求項6】
面材の表面に取り付けられた化粧部材と、
前記化粧部材の小口面に取り付けられ、当該小口面を被覆する化粧キャップとを備え、
前記化粧キャップは、
請求項1~5のいずれか1つに記載の化粧キャップである
ことを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧部材の小口面を被覆する化粧キャップ、及び当該化粧キャップを備えた建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、扉等の面材の表面に取り付けられた化粧部材の小口面に取り付けられ、当該小口面を被覆する化粧キャップが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の化粧キャップは、化粧部材の断面形状に対応した外形形状を有する平板状の面部と、当該面部の裏面から突出し、化粧部材に設けられた嵌合受部に嵌合する嵌合突部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の化粧キャップは、化粧部材に設けられた嵌合受部に嵌合することで当該化粧部材に取り付けられる構造であるため、比較的に高い強度を有する硬質樹脂によって構成する必要がある。そして、硬質樹脂によって化粧キャップを構成した場合には、当該化粧キャップにおける外観の色合いを化粧部材における外観の色合いに揃えることが難しく、意匠性を向上させることが難しい、という問題がある。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、意匠性を向上させることができる化粧キャップ及び建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る化粧キャップは、化粧部材の小口面を被覆する化粧キャップであって、表面層と粘着剤を含む基材層とが積層された成形品によって構成され、前記基材層を介して前記小口面に接着され、当該小口面を被覆する被覆部と、前記被覆部に対して前記化粧部材の裏面側に折曲可能に構成された折曲部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る化粧キャップ及び建具によれば、意匠性を向上させることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る建具を室外側から見た図である。
【
図4】
図3の一部を拡大した図であって、化粧部材を示す断面図である。
【
図7】化粧部材に対して化粧キャップが取り付けられた状態を示す斜視図である。
【
図8】実施の形態2に係る化粧キャップを示す斜視図である。
【
図9】化粧部材に対して化粧キャップが取り付けられた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0010】
(実施の形態1)
〔建具の概略構成〕
図1は、本実施の形態1に係る建具1を室外側から見た図である。
図2は、建具1の縦断面図である。
図3は、建具1の横断面図である。
なお、以下で記載する「見込み方向」は、建具1の奥行きに沿った方向(
図2及び
図3の矢印Arの方向)である。見込み方向に沿った平面については、見込み面と称し、見込み方向に直交する平面については、見付け面と称する場合がある。
本実施の形態1では、建具1として、玄関に用いられるドア2と、当該ドア2を回動自在に支持する枠体3とを備えた建具を例に挙げて説明する。
【0011】
枠体3は、上枠31、下枠32、戸先側縦枠33、及び吊元側縦枠34を四周枠組みすることによって構成され、建物の内外を連通する開口部Op1を形成する。
ドア2は、本発明に係る面材に相当する。このドア2は、複数のヒンジHiを用いて枠体3(吊元側縦枠34)に連結されている。これにより、ドア2は、枠体3に対して回動可能に支持され、当該枠体3にて形成された開口部Op1を開閉する。
ここで、ドア2において、室外側の表面には、
図1中、上下方向にそれぞれ延在し、
図1中、左右方向に並列された複数(本実施の形態1では5つ)の化粧部材4が取り付けられている。なお、複数の化粧部材4は、同一の構成を有する。以下、化粧部材4の構成について説明する。
【0012】
〔化粧部材の構成〕
図4は、
図3の一部を拡大した図であって、化粧部材4を示す断面図である。
化粧部材4は、形材5の表面に化粧シート6が貼り付けられた構成を有する。なお、
図4では、説明の便宜上、化粧シート6を一点鎖線によって表現している。
形材5は、アルミニウム等の金属製の押出形材によって構成され、
図1中、上下方向の全長に亘って略同一の断面形状を有する。この形材5は、形材本体51と、複数の突出部52とを備える。
【0013】
形材本体51は、
図1中、上下方向に沿って延在する平板である。そして、形材本体51の表面511(室外側の面)には、化粧シート6が貼り付けられている。
複数の突出部52は、形材本体51の裏面512(室内側の面)からそれぞれ突出した部分である。そして、複数の突出部52は、一対の第1の突出部53と、一対の第2の突出部54とを備える。
一対の第1の突出部53は、
図4中、左右方向(
図1中、左右方向)の中央部分にそれぞれ位置し、突出方向の先端部分が互いに離間する方向にそれぞれ屈曲している。そして、当該一対の第1の突出部53は、室内側に向けてそれぞれ臨み、表面511及び裏面512にそれぞれ平行となる同一平面上に位置する第1の貼り付け面531をそれぞれ有する。これら第1の貼り付け面531の一部には、両面テープTPが貼り付けられている。そして、化粧部材4は、当該両面テープTPを介して、ドア2の室外側の表面に貼り付けられる。
【0014】
一対の第2の突出部54は、
図4中、左右方向の両端にそれぞれ位置する。そして、一対の第2の突出部54は、室内側に向けてそれぞれ臨み、表面511及び裏面512にそれぞれ平行となる同一平面上に位置する第2の貼り付け面541をそれぞれ有する。これら第2の貼り付け面541は、第1の貼り付け面531に対して、室外側にオフセットした位置に位置する。
【0015】
化粧シート6は、樹脂材料によって構成されたラミネートシートであり、化粧部材4における外観の色合いを構成する部分である。当該外観の色合いとしては、例えば、木目柄等を例示することができる。
ここで、化粧部材4(形材5)の小口面40(
図7(b)参照)には、当該小口面40を被覆する化粧キャップ7(
図5~
図7参照)が取り付けられている。以下、化粧キャップ7の構成について説明する。
【0016】
〔化粧キャップの構成〕
図5及び
図6は、化粧キャップ7を示す図である。具体的に、
図5(a)は、化粧キャップ7を化粧層LA1側から見た斜視図である。
図5(b)は、化粧キャップ7を基材層LA4側から見た斜視図である。
図6は、化粧キャップ7の長手方向に直交するとともに折曲部72を通る平面によって化粧キャップ7を切断した断面を模式的に示す図である。
図7は、化粧部材4に対して化粧キャップ7が取り付けられた状態を示す斜視図である。具体的に、
図7(a)では、化粧部材4に対して化粧キャップ7が取り付けられた状態を
図5(a)と同一の方向から見ている。
図7(b)では、化粧部材4に対して化粧キャップ7が取り付けられた状態を
図5(b)と同一の方向から見ている。
【0017】
化粧キャップ7は、表面側(
図6中、上方側)から化粧層LA1、中間層LA2、充填層LA3、及び基材層LA4が積層された成形品によって構成されている。
化粧層LA1は、本発明に係る表面層に相当する。本実施の形態1では、化粧層LA1は、化粧シート6と同一部材によって構成されている。すなわち、化粧キャップ7は、化粧部材4と同一の外観の色合い(例えば、木目柄等)を有する。
中間層LA2は、例えば、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)樹脂によって構成されている。なお、中間層LA2としては、ABS樹脂に限らず、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂等の他の熱可塑性樹脂によって構成しても構わない。また、中間層LA2は、着色剤、フィラー、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の材料を含んでも構わない。
ここで、化粧層LA1及び中間層LA2において、
図6中、左側の部分は、上方に向けて膨出した凸状に形成されている。そして、中間層LA2と基材層LA4との間には、空間SPが形成されている。
【0018】
充填層LA3は、例えば、ウレタン樹脂によって構成されており、空間SPに充填されている。なお、充填層LA3としては、ウレタン樹脂に限らず、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂等の他の樹脂材料によって構成しても構わない。また、充填層LA3は、着色剤、無機フィラー、難燃剤、硬化開始剤、硬化触媒、酸化防止剤等の材料を含んでも構わない。
【0019】
基材層LA4は、粘着剤を含んでいれば、その材質は特に制限されない。例えば、基材層LA4を粘着剤のみによって構成しても構わない。また、例えば、基材層LA4を粘着剤と他の成分とによって構成しても構わない。さらに、例えば、基材層LA4を、粘着剤を含む層と粘着剤を含まない層との組み合わせによって構成しても構わない。
なお、粘着剤としては、その種類は特に制限されず、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤等を例示することができる。また、基材層LA4は、粘着付与剤、着色剤、フィラー、難燃剤、酸化防止剤等の材料を含んでも構わない。さらに、基材層LA4は、1層のみであっても、2層以上の組み合わせであっても構わない。ここでは、化粧キャップ7を化粧部材4に貼り付ける際にも除去されない部分を基材層LA4と称し、剥離フィルム等の化粧部材4に貼り付ける際に除去される部材は基材層LA4には含めていない。
【0020】
そして、化粧キャップ7は、被覆部71と、複数の折曲部72とを備える。
被覆部71は、
図6において、空間SPを有する左側の部分に相当する。すなわち、被覆部71は、化粧層LA1、中間層LA2、充填層LA3、及び基材層LA4が積層された構成を有する。この被覆部71は、
図6の紙面に直交する方向(
図5の左右方向)に沿って直線状に延在する長尺形状を有する。また、被覆部71において、長手方向の両端部分は、幅寸法が他の部分に対して狭く設定されている。
そして、被覆部71は、基材層LA4を介して化粧部材4の小口面40に接着され、当該小口面40を被覆する。この状態では、被覆部71において、室外側の側面71aは、化粧部材4における室外側の表面と略面一となる。また、被覆部71の室内側の側面71bにおいて、長手方向の中央部分71cは、化粧部材4における第1の貼り付け面531と略面一となる。さらに、側面71bにおいて、長手方向の両端部分71dは、化粧部材4における第2の貼り付け面541と略面一となる。
【0021】
複数の折曲部72は、
図6において、空間SPを有しない右側の部分に相当する。すなわち、複数の折曲部72は、化粧層LA1、中間層LA2、及び基材層LA4が積層された構成をそれぞれ有する。そして、複数の折曲部72は、一対の第1の折曲部73と、一対の第2の折曲部74とを備える。
一対の第1の折曲部73は、被覆部71の室内側の側面71bにおいて、長手方向の中央部分71cにそれぞれ設けられている。そして、当該一対の第1の折曲部73は、その基端部分において化粧部材4の裏面512側に略90°折り曲げられ、基材層LA4を介して化粧部材4の一対の第1の貼り付け面531にそれぞれ接着される。
一対の第2の折曲部74は、被覆部71の室内側の側面71bにおいて、長手方向の両端部分71dにそれぞれ設けられている。そして、当該一対の第2の折曲部74は、その基端部分において化粧部材4の裏面512側に略90°折り曲げられ、基材層LA4を介して化粧部材4の一対の第2の貼り付け面541にそれぞれ接着される。
【0022】
(実施の形態2)
次に、本実施の形態2について説明する。
以下の説明では、実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図8は、本実施の形態2に係る化粧キャップ7Aを示す斜視図である。具体的に、
図8(a)は、
図5(a)に対応した図である。
図8(b)は、
図5(b)に対応した図である。
図9は、化粧部材4に対して化粧キャップ7Aが取り付けられた状態を示す斜視図である。具体的に、
図9(a)は、
図7(a)に対応した図である。
図9(b)は、
図7(b)に対応した図である。
本実施の形態2では、化粧キャップ7とは異なる化粧キャップ7Aを採用している。
【0023】
化粧キャップ7Aでは、上述した実施の形態1で説明した化粧キャップ7に対して、複数の折曲部72を設ける位置を変更している。なお、本実施の形態2では、説明の便宜上、折曲部72を折曲部72Aと記載する。
複数(本実施の形態2では、3つ)の折曲部72Aは、被覆部71の室内側の側面71bにおいて、第1,第2の貼り付け面531,541に対して、
図9中、左右方向にずれた位置にそれぞれ設けられている。そして、複数の折曲部72Aは、その基端部分において化粧部材4の裏面512側に略180°折り曲げられるとともに、その先端部分が当該裏面512に沿うように略90°折り曲げられる。この状態において、複数の折曲部72Aは、基材層LA4を介して、被覆部71及び裏面512にそれぞれ接着される。
【0024】
(その他の実施の形態)
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態1,2によってのみ限定されるべきものではない。
上述した実施の形態1,2では、本発明に係る化粧キャップとして、ドア2に取り付けられる化粧部材4の小口面40を被覆する化粧キャップ7,7Aを例示したが、これに限らず、ドア以外の他の部材に取り付けられる化粧部材の小口面を被覆する化粧キャップとしても構わない。
上述した実施の形態1,2において、化粧層LA1を省略した化粧キャップを採用しても構わない。この場合には、当該化粧キャップは、表面側から中間層LA2、充填層LA3、及び基材層LA4が積層された成形品によって構成されることとなる。そして、中間層LA2は、本発明に係る表面層に相当する。
【0025】
本発明に係る化粧キャップは、化粧部材の小口面を被覆する化粧キャップであって、表面層と粘着剤を含む基材層とが積層された成形品によって構成され、前記基材層を介して前記小口面に接着され、当該小口面を被覆する被覆部と、前記被覆部に対して前記化粧部材の裏面側に折曲可能に構成された折曲部とを備えることを特徴とする。
本発明では、化粧キャップは、従来のような硬質樹脂ではなく、表面層と粘着剤を含む基材層とが積層された成形品によって構成されている。このため、表面層を種々の色合いに設定することが可能となる。すなわち、化粧キャップにおける外観の色合い(表面層の色合い)を化粧部材における外観の色合いに揃えることが可能となり、意匠性を向上させることができる。
また、化粧キャップは、基材層を介して化粧部材の小口面に接着され、当該小口面を被覆する被覆部と、当該被覆部に対して化粧部材の裏面側に折曲可能に構成された折曲部とを備える。すなわち、化粧キャップは、被覆部が基材層を介して化粧部材の小口面に接着される他、折曲部が基材層を介して化粧部材における小口面以外の部位に接着される。このため、化粧部材に対する化粧キャップの取付強度を十分に確保することができる。
【0026】
また、本発明は、上述した化粧キャップにおいて、前記化粧部材は、形材の表面に化粧シートが貼り付けられた構成を有し、前記表面層は、前記化粧シートと同一部材によって構成されていることを特徴とする。
本発明では、表面層が化粧シートと同一部材によって構成されているため、化粧キャップにおける外観の色合いを化粧部材における外観の色合いと同一にすることができる。
【0027】
また、本発明は、上述した化粧キャップにおいて、前記形材は、表面に前記化粧シートが貼り付けられた形材本体と、前記形材本体の裏面から突出する突出部とを備え、前記折曲部は、前記基材層を介して前記突出部に接着されることを特徴とする。
本発明では、化粧キャップは、被覆部が基材層を介して化粧部材の小口面に接着される他、折曲部が化粧部材の裏面側に略90°折り曲げられて基材層を介して化粧部材における突出部に接着される。このため、化粧部材に対する化粧キャップの取付強度を十分に確保することができる。
【0028】
また、本発明は、上述した化粧キャップにおいて、前記形材は、表面に前記化粧シートが貼り付けられた形材本体と、前記形材本体の裏面から突出する突出部とを備え、前記折曲部は、前記基材層を介して前記被覆部及び前記形材本体の裏面にそれぞれ接着されることを特徴とする。
本発明では、化粧キャップは、被覆部が基材層を介して化粧部材の小口面に接着される他、折曲部が化粧部材の裏面側に略180°折り曲げられて基材層を介して被覆部及び形材本体の裏面にそれぞれ接着される。このため、化粧部材に対する化粧キャップの取付強度を十分に確保することができる。
特に、折曲部の接着位置(被覆部及び形材本体の裏面)が形材本体の表面に近接した位置となるため、当該表面側から化粧キャップに与えられる外力に対して十分に高い取付強度を有する構造となる。
【0029】
また、本発明は、上述した化粧キャップにおいて、前記表面層と前記基材層との間には、充填層が充填されていることを特徴とする。
本発明によれば、表面層と基材層との間に充填層が充填されているため、従来の硬質樹脂によって構成した化粧キャップと比較して、柔らかい部品とすることができ、安全性を十分に配慮することができる。
【0030】
また、本発明に係る建具は、面材の表面に取り付けられた化粧部材と、前記化粧部材の小口面に取り付けられ、当該小口面を被覆する化粧キャップとを備え、前記化粧キャップは、上述した化粧キャップであることを特徴とする。
本発明によれば、上述した化粧キャップを備えているので、上述した化粧キャップと同様の作用及び効果を奏する。
【符号の説明】
【0031】
1 建具、2 ドア(面材)、4 化粧部材、5 形材、6 化粧シート、7,7A 化粧キャップ、40 小口面、51 形材本体、52 突出部、71 被覆部、72,72A 折曲部、511 表面、512 裏面、LA1 化粧層(表面層)、LA3 充填層、LA4 基材層