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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】防火建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/16 20060101AFI20220427BHJP
   E06B 1/12 20060101ALI20220427BHJP
   E06B 1/18 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
E06B5/16
E06B1/12 A
E06B1/18 X
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019009618
(22)【出願日】2019-01-23
(65)【公開番号】P2019214927
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-07-27
(31)【優先権主張番号】P 2018111365
(32)【優先日】2018-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】永田 孫史
(72)【発明者】
【氏名】平本 雄太郎
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-1120(JP,A)
【文献】特開2009-2096(JP,A)
【文献】実開平2-111780(JP,U)
【文献】特開平5-125873(JP,A)
【文献】実開昭59-57686(JP,U)
【文献】実開昭52-10934(JP,U)
【文献】実開平3-35187(JP,U)
【文献】特開2018-184730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/00-11/08
E04B 1/62- 1/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空状の連結材本体と、連結材本体の両側に固定される二つの枠取付材と、枠取付材に固定される竪枠を有し、
連結材本体は、鋼材からなる二つの本体部材が室内側及び室外側で固定されて形成されており、
枠取付材は、見込み壁と、見込み壁の室内側に設けられる室内側取付部と、見込み壁の室外側に設けられる室外側取付部を有し、両取付部は左右方向で連結材本体の反対側に位置しており、
竪枠は、室内側取付片及び室外側取付片を有し、竪枠の室内側取付片及び室外側取付片は、枠取付材の室内側取付部及び室外側取付部にそれぞれ固定されている防火建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物開口部に配置される防火建具に関する。
【背景技術】
【0002】
建物開口部に配置される防火建具として、左右に窓部を配置するための方立を備えた防火建具が公知となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5757011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された防火建具は、方立の室内側方立部材がスチールパイプで構成されており、室内側方立部材と枠体との間にはアンカーが設けられているが、該アンカーは、方立に対してアングル材等を介するなどして溶接により固定されている。
しかし、上記のようにアンカーを溶接によって正確に室内側方立部材に固定することには技術が必要であり、特に、方立の見付け寸法によっては、室内側方立部材とアンカーとの間隔が大きくなり、アンカーのずれ等が発生しやすかった。
【0005】
本発明は、上記の事情を鑑み、方立の一部がスチールで形成された防火建具において、方立の左右に配置される枠体の取付けを容易かつ正確に行うことができる防火建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、中空状の連結材本体と、連結材本体の両側に固定される二つの枠取付材と、枠取付材に固定される竪枠を有し、連結材本体は、鋼材からなる二つの本体部材が室内側及び室外側で固定されて形成されており、枠取付材は、見込み壁の室内側に設けられる室内側取付部と、見込み壁の室外側に設けられる室外側取付部を有し、両取付部は左右方向で連結材本体の反対側に位置しており、竪枠は、室内側取付片及び室外側取付片を有し、竪枠の室内側取付片及び室外側取付片は、枠取付材の室内側取付部及び室外側取付部にそれぞれ固定されている防火建具である。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態の防火建具の構成により、方立に対する枠体の取付けを容易かつ正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施形態に係る防火建具の外観図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る防火建具の横断面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る防火建具の竪断面図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る防火建具に連結材部分の拡大横断面図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る防火建具の連結材部分の竪断面図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係る防火建具の連結材部分の拡大横断面図である。
図7】本発明の第3の実施形態に係る防火建具の連結材部分の横断面図である。
図8】本発明の他の実施形態に係る防火建具の連結材部分の拡大横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
-第1の実施形態-
本発明の一実施形態(第1の実施形態)について、図1ないし5を参考にして説明する。
(全体の構成)
図1ないし3に示すように、本実施形態の防火建具は、建物の躯体開口Aの左右方向ほぼ中央位置に配置される連結材1と、建物の躯体開口部A内であって連結材1の左右の空間に配置される左右の窓部2,2を備えている。
左右の窓部2は、それぞれ竪枠23,24の内周面に上、下枠21,22の端部を突き合わせて結合されてなる枠体の内周に、内、外障子3、4を配置してなる引き違い窓として形成されている。
【0010】
(連結材)
本実施形態の防火建具の連結材1は、図2に示すように、中空状の連結材本体11と、連結材本体11の左右両側に固定されて左右の窓部2,2の連結材本体側の竪枠23が取り付けられる断面略U字状の枠取付材12,12と、連結材本体11の室外側に配置されて左右の竪枠23,23の室外側の間をカバーする室外側部材13と、連結材本体11の室内側に配置されて左右の窓部2,2の室内側の竪枠23,23間をカバーする室内側部材14と、を有している。
【0011】
連結材本体11は、スチール等の鋼材からなり、図4(a)に示すように、見込み壁111aと、見込み壁111aの室内側端に連続する室内側見付け壁111bと、見込み壁111aの室外側端に連続する室外側見付け壁111cとを有する断面略U字状の二つの本体部材111,111により形成されている。
【0012】
具体的には、連結材本体11は、断面略U字状の二つの本体部材111,111の室内側見付け壁111b,111b同士及び室外側見付け壁111c,111c同士を見込み方向に重合させた状態で、溶接、リベット、ビス止め等の連結手段により連結することで形成されている。
【0013】
そして、連結材本体11は、図5に示すように、見込み壁111aの上下部分が、躯体開口部Aに固定された上、下アンカー部材5,5に固定されることで、躯体開口部Aに対して支持されている。
具体的には、上、下アンカー部材5,5の固定板52,52に形成された上下方向に沿って延びる長孔52aに対してビス等の固定手段b1によって固定されており、熱等によって連結材本体11が伸びた場合などに、長孔52a,52aと固定手段b1との固定部のずれが許容されるように支持されている。
【0014】
さらに、上アンカー部材5によって固定された連結材本体11の上端と、躯体開口部Aとの間には、不燃性のクッション材6が配置されており、連結材本体11が熱等によって延びた際に、連結材本体11の伸びを吸収して、躯体等の破損を防止している。
なお、不燃性のクッション材6は、連結材本体11の上側だけでなく、連結材本体11の下側に配置することもできる。
【0015】
枠取付材12は、スチール等の鋼材よりなり、図4(a)に示すように、見込み壁12aと、見込み壁12aの室内側に連続する室内側取付部12bと、見込み壁12aの室外側に連続する室外側取付部12cとを有する断面略U字状の曲げ部材として形成されている。
そして、枠取付材12は、室内側取付部12b及び室外側取付部12cが反連結材本体側に延びるように配置された状態で見込み壁12aを連結材本体11の見込み壁111aに当接させ、連結材本体11にネジ等の連結手段b2により固定されている。
【0016】
なお、本実施形態の防火建具の枠取付材12の見込み壁12aは、図5に示すように、室内側部分の上下方向寸法が長く、室外側部分の上下方向寸法が室内側に比べて短い寸法となるように段を有しており、アンカー部材5の固定板52を避ける形状をしているので、連結材本体11と上、下アンカー部材5,5の固定板52,52との固定を妨げることがない。
ただし、枠取付材12の形状は、図5に示す本実施形態の形状に限定されるものではなく、また、連結材本体11に対して上下方向に複数個配置されるものでもよい。(なお、図5においては、連結材本体11と枠取付材12とを区別するために、枠取付材12を点線で示している。)
【0017】
室外側部材13は、図4(b)に示すように、連結材本体11の室外側壁にビス等の固定手段b3により固定される取付補助部材131と、取付補助部材131に係止される室外側壁部材132と、室外側壁部材132が取付補助部材131に係止された状態で固定するくさび部材133を有している。
取付補助部材131は、連結材本体11の室外側壁に当接する固定壁部131aと、固定壁部131aの室外側面から室外側に形成された二つの係止片部131b、131bを有しており、室外側壁部材132は、外壁部132aと、外壁部132aの室内側面に形成された二つの被係止片部132b,132bを有している。
【0018】
そして、取付補助部材131の係止片部131b,131bに対して、室外側壁部材132の被係止片部132b、132bを室内側から係止するとともに、室外側壁部材132の被係止片部132b,132bと取付補助部材131の固定壁部131aとの間にくさび部材133を左右方向から挿入することで、連結材本体11の室外側に室外側部材13が取り付けられている。
【0019】
室内側部材14は、図4(b)に示すように、連結材本体11の室内側に固定される連結部材141と、連結部材141の室内側に配置されて連結材本体11に固定される耐火ボート等の耐火部材142と、連結部材141に係止されて耐火部材142の室内側を覆う室内側カバー部材143を有している。
【0020】
連結部材141は、連結材本体11及び連結材本体11に固定された左右の枠取付材12,12の室内側を覆う左右幅寸法を有する固定部141aと、固定部141aの左右両端部より室内側に延びる係止片141b,141bを有している。そして、固定部141aの左右中央位置において連結材本体11に固定手段b4により固定されると共に、左右位置において枠取付材12の室内側取付部12bにビス等の固定手段b5により固定されている。
【0021】
耐火部材142は、図4(b),図5に示すように、連結材本体11とほぼ同じ高さ寸法を有し、連結材本体11の室内側において連結材本体11と左右の枠取付材12,12との間を室内側から塞ぐように連結材本体11に対してネジ等の固定手段b6により固定されている。
室内側カバー部材143は、耐火部材142を室内側から覆うように断面U字状をなし、左右両端部が連結部材141の係止片141b、141bに係合されて取り付けられている。なお、連結部材141の係止片141bに室内側カバー部材143をネジ止めすることにより、固定強度を高めることもできる。
【0022】
(窓部の構成)
本実施形態の防火建具の窓部2は防火性を備えており、図2に示すように、連結材側の竪枠23が枠取付材12に固定されるとともに、反連結材側(躯体開口部A側)の竪枠24が、躯体開口部Aに固定されたアンカー部材5に固定されることで躯体開口部Aに取付けられている。
連結材1(及びアンカー部材5)に固定される窓部2の竪枠23(24)は、図4(a)に示すように、少なくとも見込み壁23aと、見込み壁23aの室内側端から外周側に向かって延設され先端が室外方向に屈曲している室内側取付片23bと、見込み壁23aの室外側端から外周側に向かって延設され先端が室内方向に屈曲している室外側取付片23cを有している。
【0023】
そして、竪枠23は、室内側取付片23bが枠取付材12の室内側取付部12bに対して室外側から見込み方向に重複するように当接してビス等の固定手段b7により固定されると共に、室外側取付片23cが枠取付材12の室外側取付部12cに対して室外側から見込み方向に重複するように配置されてビス等の固定手段b8によって固定されている。
【0024】
-第2の実施形態-
本発明の第2の実施形態について、図6を参考にして説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成については、その説明を省略する。
第2の実施形態の防火建具は、第1の実施形態に対して、概ね、連結材1及び窓部2の竪枠23の取付けに違いがある。
【0025】
(連結材)
連結材1は、図6に示すように、中空状の連結材本体11と、連結材本体11の左右両側に固定されて左右の窓部2,2の竪枠23が取り付けられる枠取付材12,12と、連結材本体11の室外側に固定されて左右の窓部2,2の竪枠23,23の室外側の間をカバーする室外側部材13と、連結材本体11の室内側に固定されて左右の窓部2,2の室内側の竪枠23,23間をカバーする室内側部材14と、を有している。
【0026】
そして、第2の実施形態の防火建具においては、連結材本体11が窓部2の竪枠23に比べて短い見込寸法に形成されており、連結材本体11に固定される枠取付材12が略U字状ではない点で、第1の実施形態の防火建具と異なっている。
具体的には、枠取付材12は、スチール等の鋼材よりなり、図6(a)に示すように、断面形状において、室内側見込み壁12aと、室内側見込み壁12aの室内側端から反連結材本体側に延びる室内側取付部12bと、室内側見込み壁12aの室外側端から連結材本体側に延びる室外側見付け壁12dと、室外側見付け壁12dが室外側に屈曲して室外側に延びる室外側見込み壁12eと、室外側見込み壁12eの室外側端が反連結材本体側に屈曲して延びる室外側取付部12cとを有する曲げ部材として形成されている。
【0027】
枠取付材12は、室内側見込み壁12aが連結材本体11の見込み壁に当接され、室外側見付け壁12dが連結材本体11の室外側の見付け壁に当接され、それぞれがネジ等の連結手段b9により固定されることで、連結体本体11に固定されている。
そして、室外側部材13は、枠取付材12の室外側取付部12cにビス等の固定手段b10により固定されている。
【0028】
一方、連結材1に固定される窓部2の竪枠23は、少なくとも見込み壁23aと、見込み壁23aの室内側端から外周側に向かって延設され先端が室外方向に屈曲している室内側取付片23bと、見込み壁23aの室外側端から外周側に向かって延設され先端が室内方向に屈曲し、さらに外周側に向かって屈曲している室外側取付片23cを有している。
【0029】
そして、竪枠23は、室内側取付片23bが枠取付材12の室内側取付部12bに対して室外側から見込み方向に重複するように当接してビス等の固定手段b11により固定されると共に、室外側取付片23cが枠取付材12の室外側取付部12cに対して室内側から見込み方向に重複するように当接してビス等の固定手段b12により固定されている。
【0030】
-第3の実施形態-
本発明の第3の実施形態について、図7を参考にして説明する。なお、第1、2の実施形態と同じ構成については、その説明を一部省略する。
第3の実施形態の防火建具は、連結材1の左右の空間に配置される左右の窓部2,2がFIX窓である点で第1、2の実施形態の防火建具と相違しており、主に、コンビニエンスストアなどの店舗等の表面に用いられるフロントサッシ(店舗用建材)に採用される。
【0031】
(連結材)
本実施形態の防火建具の連結材1は、図7(a)に示すように、中空状の連結材本体11と、連結材本体11の左右両側に固定されて左右の窓部2,2の連結材本体側の竪枠23が取り付けられる断面略U字状の枠取付材12,12と、連結材本体11の室外側に配置されて左右の竪枠23,23の室外側の間をカバーする室外側部材13と、連結材本体11の室内側に配置されて左右の窓部2,2の室内側の竪枠23,23間をカバーする室内側部材14と、を有している。
【0032】
連結材本体11は、スチール等の鋼材からなり、図7(b)に示すように、見込み壁111aと、見込み壁111aの室内側端に連続する室内側見付け壁111bと、見込み壁111aの室外側端に連続する室外側見付け壁111cとを有する断面略U字状の二つの本体部材111,111により形成されている。
【0033】
枠取付材12は、スチール等の鋼材よりなり、図7(b)に示すように、見込み壁12aと、見込み壁12aの室内側に連続する室内側取付部12bと、見込み壁12aの室外側に連続する室外側取付部12cとを有する断面略U字状の曲げ部材として形成されており、見込寸法が連結材本体11の見込寸法よりも若干大きく形成されている。
【0034】
そして、枠取付材12は、室内側取付部12b及び室外側取付部12cが反連結材本体側に延びるように配置された状態で見込み壁12aを連結材本体11の見込み壁111aに当接させ、連結材本体11にネジ等の連結手段b2により固定されている。
【0035】
室外側部材13は、図7(a)に示すように、連結材本体11の室外側壁にビス等の固定手段b3により固定される取付補助部材131と、取付補助部材131に係止される室外側壁部材132を有している。
取付補助部材131は、連結材本体11の室外側壁に当接する固定壁部131aと、固定壁部131aの室外側面から室外側に形成された固定片部131b及び係止片部131cを有しており、室外側壁部材132は、外壁部132aと、外壁部132aの室内側面に形成された被固定片部132b及び被係止片部132cを有している。
【0036】
そして、取付補助部材131の係止片部131cに対して、室外側壁部材132の被係止片部132cを係止するとともに、取付補助部材131の固定片部131bに対して、室外側壁部材132の被固定片部132bをビス等によってビス止め固定等することで、連結材本体11の室外側に室外側部材13が取り付けられている。
【0037】
(窓部の構成)
連結材1に固定される窓部2の竪枠23は、図7(a)(b)に示すように、見込み壁23aと、見込み壁23aの室内側端から外周側に向かって延設され先端が室外方向に屈曲している室内側取付片23bと、見込み壁23aの室外側端から外周側に向かって延設され先端が室内方向に屈曲している室外側取付片23cを有しており、見込み壁23aの見込み方向略中央位置にガラス等のパネルを挿入するガラス間口23dを有している。
【0038】
そして、竪枠23は、室内側取付片23bが連結材本体11の枠取付材12の室内側取付部12bに対して室外側から見込み方向に重複するように当接してビス等の固定手段b7により固定されると共に、室外側取付片23cが同枠取付材12の室外側取付部12cに対して室内側から見込み方向に重複するように配置されて当接してビス等の固定手段b8によって固定されている。
【0039】
連結材本体11の枠取付材12に竪枠23を固定した後に、室外側部材13及び室内側部材14を取り付けることで左右窓部の連結部分が構成されているが、連結材本体11に取り付けられた室外側部材13は、室外側壁部材132の左右方向の端部の位置が竪枠23の内周端とほぼ一致しており、竪枠23の室外側を覆っている。
【0040】
以上の実施形態の防火建具においては、連結材1を構成する連結材本体11が、断面略U字状の二つの本体部材111,111の室内側見付け壁111b,111b同士及び室外側見付け壁111c,111c同士を見込み方向に重ね合わせて連結手段により連結することで形成されているので、室内側見付け壁111b,111b同士及び室内側見付け壁111b,111b同士の重合寸法を変更することで、見付け寸法を変更することができる。
【0041】
また、連結材本体11に対して窓部2の竪枠23を取付けるための枠取付材12を、連結材本体11とは別体に形成しながら、連結材本体11に対して枠取付材12を当接させた状態でビス等の固定手段により固定しているので、枠取付材12を変更することで種々の竪枠23を取付けることができ、連結材本体11に対して左右の枠取付材12,12を正確にかつ容易に取り付けることができる。
【0042】
さらに、左右の枠取付材12,12の室内側取付部12bの見付け面に対して、竪枠23の室内側取付片23bの見付け面を当接させた状態でビス等の固定手段により固定し、左右の枠取付材12,12の室外側取付部12cの見付け面に対して、竪枠23の室外側取付片23cの見付け面を見込み方向に重複させてビス等の固定手段により固定しているので、枠取付材12に対する竪枠23の固定を安定させることができる。
また、連結材本体11に当接させて取り付けられた枠取付材12に対して竪枠23を固定しているので、連結材本体11と竪枠23の固定部分との間に無駄なスペースが生じることなく、左右の窓部の竪枠間の連結部分の見付け寸法を小さくすることができる。
【0043】
また、第3の実施形態の防火建具においては、竪枠23の内周端と連結体1の室外側部材13の左右方向の端部の位置がほぼ一致しているので、竪枠23が室外側部材13に覆われて室外側に露出しないので、意匠性に優れている。
【0044】
なお、連結材本体11を構成する本体部材は、連結材本体11の見付け寸法を細かく調節する必要が無い場合には、断面略U字状の二つの本体部材111,111によって形成されるものでなくてもよい。
【0045】
例えば、図8(a)に示すように、連結材本体11は、略C型形状を有する一方の本体部材111と略I型形状を有する他方の本体部材112によって形成されるものであってもよい。
具体的には、スチール等の鋼材からなり、見込み壁111aと、見込み壁111aの室内側端に連続する室内側見付け壁111bと、室内側見付け壁111bに連続する室内側見込み壁111dと、見込み壁111aの室外側端に連続する室外側見付け壁111cと、室外側見付け壁111cに連続する室外側見込み壁111eを有する断面略C字状の本体部材111と、断面略I字状の本体部材112により形成されている。
【0046】
この場合、連結材本体11の室内側見付け壁111b及び室外側見付け壁111c部分で鋼材が重複しないので、室外側部材13もしくは室内側部材14を固定するためのビス等が固定しやすく、固定を安定させることができる。
【0047】
また、連結材本体11には、図8(b)に示すように、必要に応じて補強部材113等を配置することもできる。なお、補強部材113は、本体部材111同士の固定に先立って、ネジ止めや溶接等によって取り付けておけばよい。
補強部材113を配置して連結体本体11の強度を向上させることで、連結体本体11の断面積を小さくすることができ、見付寸法をさらに小さくすることが可能となる。
【0048】
なお、以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0049】
1 :連結材
11 :連結材本体
111 :本体部材
111a :見込み壁
111b :室内側見付け壁
111c :室外側見付け壁
12 :枠取付材
12a :室内側見込み壁
12b :室内側取付部
12c :室外側取付部
12d :室外側見付け壁
12e :室外側見込み壁
13 :室外側部材
14 :室内側部材
2 :窓部
23 :竪枠
23a :見込み壁
23b :室内側取付片
23c :室外側取付片
5 :アンカー部材

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8