(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】ねじれヘアスタイリング装置
(51)【国際特許分類】
A45D 1/00 20060101AFI20220427BHJP
A45D 1/02 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
A45D1/00 505Z
A45D1/00 505E
A45D1/00 507B
A45D1/00 503A
A45D1/02 D
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019225949
(22)【出願日】2019-12-13
【審査請求日】2019-12-25
(31)【優先権主張番号】201811611231.0
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517017252
【氏名又は名称】東莞港電電器製品有限公司
【氏名又は名称原語表記】DONG GUAN KONG ELECTRIC ELECTRICAL APPLIANCES CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No.12, Industrial Avenue, Shipai Town, Dongguan, Guangdong (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】黄建文
【審査官】程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-217748(JP,A)
【文献】特開2003-339422(JP,A)
【文献】中国実用新案第207023588(CN,U)
【文献】特表2011-512225(JP,A)
【文献】中国実用新案第206137462(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0146081(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0177273(US,A1)
【文献】特開2009-136304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 1/00-1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじれヘアスタイリング装置であって、
上部グリップと下部グリップとを備え、
前記上部グリップと前記下部グリップとが、ヒンジ構造により接続され、且つ開閉可能であり、
前記上部グリップは、上部クランプに接続され、前記下部グリップは、下部クランプに接続され、前記上部クランプには、上クランプ面が設けられ、前記下部クランプには、下クランプ面が設けられ、上クランプ面と下クランプ面とは、上下に対応するように設置され、前記上クランプ面に上発熱プレートが設けられ、前記下クランプ面に下発熱プレートが設けられ、
前記上クランプ面はねじれ面であり、上部グリップの内側平面に対して、上ねじれ角を有し、前記下クランプ面はねじれ面であ
り、下部グリップの内側平面に対して、下ねじれ角を有し、前記上ねじれ角と下ねじれ角とは同じである、ことを特徴とするねじれヘアスタイリング装置。
【請求項2】
前記上部クランプは、上部グリップに対して、前記上ねじれ角を有し、前記下部クランプは、下部グリップに対して、前記下ねじれ角を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のねじれヘアスタイリング装置。
【請求項3】
前記上部クランプと上クランプ面との間に上断熱層が設けられ、前記下部クランプと下クランプ面との間に下断熱層が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のねじれヘアスタイリング装置。
【請求項4】
前記上クランプ面の長辺の両側に、上歯部が設けられ、前記下クランプ面の長辺の両側に下歯部が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のねじれヘアスタイリング装置。
【請求項5】
前記上部クランプまたは下部クランプの端部に、補助グリップが設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のねじれヘアスタイリング装置。
【請求項6】
上クランプ面と下クランプ面との長辺の両側に、櫛溝が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のねじれヘアスタイリング装置。
【請求項7】
前記上クランプ面における櫛溝のノッチと、前記下クランプ面における櫛溝のノッチとは、互いに対応またはずれるように位置される、請求項
6に記載のねじれヘアスタイリング装置。
【請求項8】
前記上部クランプの内部に加湿装置が設けられ、上部クランプにスチーム穴が設けられ、スチーム穴は、上部クランプの上表面、上部クランプの内部、上クランプ面の下表面を貫通する、ことを特徴とする請求項1に記載のねじれヘアスタイリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアスタイリング装置に関し、特に、ねじれヘアスタイリング装置。
【背景技術】
【0002】
ストレートヘアアイロンやカーラーなどのヘアスタイリング装置は、主に髪の形を整えるために使用されている。既存のストレートヘアアイロンは、ヒンジによって連結された上部グリップと下部グリップとを備え、上部グリップには上部クランプが設けられ、下部グリップには下部クランプが設けられている。また、上部クランプに上クランプ面が設けられ、下部クランプに下クランプ面が設けられている。上クランプ面と下クランプ面とが、対になって髪へのクランプ面を形成する。従来の上クランプ面と下クランプ面とは、平らなクランプ面構造になっているのが一般的である。
【0003】
中国実用新案登録CN206137462Uには、上クランププレートと、上クランププレートとヒンジ接続された下クランププレートとを備えた、ねじれ構造を有するストレートヘアアイロンを開示しており、前記上クランププレートには、上部グリップと、上部グリップと接続された上部クランプとを有し、上部クランプは、上部グリップに対して、ねじれ角αを形成している。前記下クランププレートは、上部グリップに対応する下部グリップを有し、前記下部グリップは、上部クランプに対応する下部クランプに接続されている。さらに、上クランププレートまたは下クランププレートに設けられたPCB制御ボートを備える。当該ストレートヘアアイロンが使用中ヘッドへの支持効果を有し、ヘッドの横方向への引張力を回避することができ、使用者にとっては、使い心地が気持ち良い。このストレートヘアアイロンは、使用習慣にそった構造設計を採用しているため、操作および省力化に優れる。しかしながら、上部クランプと下部クランプとがグリップに対していずれもねじれ角を有し、使用者が操作しやすくなっているが、発熱プレートが平らな構造であるので、実際にヘアスタイリング効果に役を立たない。
【0004】
ところで、中国実用新案登録CN201806120Uには、ヘアスタイリング装置の技術分野における新型ヘアアイロンを開示している。当該実用新案の前記新型ヘアアイロンは、グリップ、電気ヒーター、クリップアーム、クリッププレートを備えている。前記電気ヒーターは、クリップアーム内にも設けられ、クリッププレートがクリップアームの内側面に設けられ、前記クリッププレートが電気ヒーターに固定されるか、又はクリッププレートがガイドレールを介して電気ヒーターに取り付けられている。前記クリッププレートの他面は、波形状であり、クリップアームの上下2つのクリッププレートが互いに係合している。当該実用新案の前記新型ヘアアイロンは、従来の平面またはV字構造の面のようなクリッププレートの構造を波形状の湾曲面に変更したため、異なるヘアスタイルを得ることができる。また、当該実用新案の前記新型ヘアアイロンは、クリップアームの角度が変更可能であり、使用が便利である。しかしながら、クランプ面は、従来の平面またはV字構造の面を同じ高さのある波形状の湾曲面に変更しただけでは、標準の波形状のヘアスタイルしかできず、爽やかなレイヤースタイルを得られない。したがって、ヘアのスタイルを変更するために、ヘアスタイリング装置の角度を変更しなければならないので、手の動きが大きく、操作が不便である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、上記の課題を解決できるねじれヘアスタイリング装置を提供することである。
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、ねじれヘアスタイリング装置であって、上部グリップと下部グリップとを備え、前記上部グリップと前記下部グリップとが、ヒンジ構造により接続され、且つ開閉可能であり、前記上部グリップは、上部クランプに接続され、前記下部グリップは、下部クランプに接続され、前記上部クランプには、上クランプ面が設けられ、前記下部クランプには、下クランプ面が設けられ、上クランプ面と下クランプ面とは、上下に対応するように設置され、前記上クランプ面は、上部グリップに対して、上ねじれ角を有し、前記下クランプ面は、下部グリップに対して、下ねじれ角を有し、前記上ねじれ角と下ねじれ角とは同じである、ことを特徴とするねじれヘアスタイリング装置を提供する。
【0007】
上述した技術内容において、前記上部クランプは、上部グリップに対して、前記上ねじれ角を有し、前記下部クランプは、下部グリップに対して、前記下ねじれ角を有する。
【0008】
上述した技術内容において、前記上ねじれ角と下ねじれ角との角度は、60~120度である。
【0009】
上述した技術内容において、前記上部クランプと上クランプ面との間に上断熱層が設けられ、前記下部クランプと下クランプ面との間に下断熱層が設けられる。
【0010】
上述した技術内容において、前記上クランプ面の外縁部に、上歯部が設けられ、前記下クランプ面の外縁部に下歯部が設けられる。
【0011】
上述した技術内容において、前記上部クランプまたは下部クランプの端部に、補助グリップが設けられる。
【0012】
上述した技術内容において、上クランプ面と下クランプ面との両側縁部に、櫛溝が設けられる。
【0013】
上述した技術内容において、前記上クランプ面における櫛溝のノッチと、前記下クランプ面における櫛溝のノッチとは、互いに対応またはずれるように位置される。
【0014】
上述した技術内容において、前記上部クランプの内部に加湿装置が設けられ、上部クランプにスチーム穴が設けられ、スチーム穴は、上部クランプの上表面、上部クランプの内部、上クランプ面の下表面を貫通する。
【0015】
本発明は以下の効果を有する。発熱プレートはねじれ角を有し、手を回すことなくても一定の角度のあるねじれ形状を実現することができ、爽やかなレイヤースタイルを得られ、且つ、パーマの操作が便利であり、大きな動作を変更しなくても自然なパーマを完成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一つの実施形態の構造を示す概念図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態の構造を示す概念図である。
【
図5】本発明の第3の実施形態の構造を示す概念図である。
【
図6】本発明の第3の実施形態における上部クランプの内部構造を示す概念図である。
【0017】
上記の図においては、各構成に以下の符号を使用している。
【0018】
1、上部グリップ;2、下部グリップ;3、上部クランプ;4、下部クランプ;5、上クランプ面;6、下クランプ面;7、補助グリップ;8、上歯部;9、下歯部;10、上ねじれ角;11、下ねじれ角;12、上櫛溝;13、下櫛溝;14、加湿装置;15、スチーム穴。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の詳細を説明する。
【0020】
図1の実施形態に示すように、ねじれヘアスタイリング装置は、ヒンジ構造により開閉可能な上部グリップ1と下部グリップ2とを備え、上部グリップ1は上部クランプ3に接続され、下部グリップ2は下部クランプ4に接続され、上部クランプ3には上クランプ面5が設けられ、下部クランプ4には下クランプ面6が設けられ、上クランプ面5と下クランプ面6とは上下対向するように設けられている。前記上クランプ面5は、上部グリップ1に対して上ねじれ角10を有し、前記下クランプ面6は下部グリップ2に対して下ねじれ角11を有し、上ねじれ角10と下ねじれ角11とが同じであり、クランプ面が張り合わせられることができる。上クランプ面5と下クランプ面6とは、電気制御装置に接続され、電気加熱を実現することができる。発熱効率を確保するために、上クランプ面5が上発熱プレートの発熱面であり、下クランプ面6が下発熱プレートの発熱面である。また、上発熱プレートは、上部グリップ1に対して上ねじれ角を有し、下発熱プレートは、下部グリップ2に対して下ねじれ角を有する。
【0021】
前記上部クランプ3は、上部グリップ1に対して、前記上ねじれ角を有し、前記下部クランプ4は、下部グリップ2に対して、前記下ねじれ角を有する。上部クランプ3と下部クランプ4との両方に、当該ねじれ角が設けられており、これにより、使用者の操作をより便利且つ省力化することができる。
【0022】
図2~
図3に示すように、前記上ねじれ角と下ねじれ角とは、60~120度である。前記上/下ねじれ角の角度は、グリップ部の内側平面およびクランプ面の末端の平面(外側端部)に基づいており、ねじれ軸はグリップ部の長軸と同一である。すなわち、上クランプ面、上部クランプ、および上部グリップは、ねじれ軸がすべて同一軸であり、本実施形態では、上部グリップの長軸が当該同一軸である。また、下クランプ面、下部クランプ、および下部グリップは、ねじれ軸がすべて同一軸であり、本実施形態では、下部グリップの長軸が当該同一軸である。
【0023】
前記上部クランプ3と上クランプ面5との間に、上断熱層が設けられ、前記下部クランプ4と下クランプ面6との間に下断熱層が設けられている。上断熱層と下断熱層とは、発熱プレートの熱エネルギーが上部クランプ3または下部クランプ4への熱伝達を遮断する役割を果たすため、上部クランプ3と下部クランプ4との表面は、それぞれ、上クランプ面5と下クランプ面6との間に温度差が形成される。上断熱層と下断熱層は、コールドジェルまたは断熱綿である。
【0024】
図4の第2実施形態に示すように、前記上クランプ面5の外縁部に上歯部8が設けられ、前記下クランプ面6の外縁部に下歯部9が設けられている。上クランプ面5と下クランプ面6とが毛髪をクランプする時、上歯部8と下歯部9とが互いに噛み合っていても、いなくても、毛髪をとかすことができる。なお、当該上歯部8と下歯部9は、1回または2回巻かれて設けても良い。
【0025】
前記上部クランプ3または下部クランプ4の端部に、補助グリップ7が設けられる。本発明を使用する時、上/下部グリップ2は片手で保持され、他方の手で補助グリップを保持して補助することができる。これによって、安定なグリップ効果を得ることができる。
【0026】
図5~6の第3実施形態に示すように、前記上クランプ面の両側縁部に、一体化された上櫛溝12が設けられ、前記下クランプ面6の両側縁部に、一体化された下櫛溝13が設けられている。上櫛溝12と下櫛溝13との溝間隔は同じであり、上櫛溝12のノッチと下櫛溝13のノッチとは、互いに対応するか、または互いにずれた位置関係である。上ノッチと下ノッチとが対応するように設置され、各上ノッチと下ノッチとが一緒になって大きなノッチを形成し、髪が上クランプ面5と下クランプ面6との間に出てきた後、大きなノッチに集中され、梳くした髪はより集中されることができる。また、上下ノッチがずれている場合、上ノッチと下ノッチとは別々に分離されており、髪が上クランプ面5と下クランプ面6との間に出てきた後、上ノッチと下ノッチに集められ、梳くした髪はさらに細分化されることができる。
【0027】
上部クランプ3内に、加湿装置14が設けられ、上部クランプ3には、複数のスチーム穴15が設けられる。スチーム穴15が上部クランプ3に分布し、スチーム穴15が上部クランプ3の上表面、上部クランプ3の内部、および上クランプ面5の下表面を貫通する。加湿装置14は水蒸気を蒸発させ、水蒸気の一部は、スチーム穴15により、上クランプ面5と下クランプ面6との間に進入し、クランプされた髪を加湿して髪を湿らせ、余分な水蒸気はスチーム穴15により上部クランプ3の上表面から排出する。
【0028】
本発明の動作原理は、上部グリップ1と下部グリップ2とを持ち、上部クランプ3と下部クランプ4とを開き、毛髪が上クランプ面5と下クランプ面6との間のクランプ区間に入れた後、ヘアスタイリング装置の電源を入れて(事前に起動することもできる)、上クランプ面5と下クランプ面6とが発熱した後、上クランプ面5と下クランプ面6とを閉じて、まっすぐに引っ張ってカーブヘアスタイルを形成する。なお、本発明では、まっすぐ引っ張っても、ねじれ形状(波形状)のヘアスタイルを形成することができる。
【0029】
以上、本発明の実施形態を説明したが、記載された実施形態は、本発明を説明するものであり、限定するものではない。なお、本明細書に記載された方法に従って行われるすべての変更または修正は、いずれも本発明特許請求の範囲に含まれる。