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特許7064496ドアまたは類似の閉鎖要素の回転可能な移動のためのヒンジ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】ドアまたは類似の閉鎖要素の回転可能な移動のためのヒンジ
(51)【国際特許分類】
   E05F 3/10 20060101AFI20220427BHJP
【FI】
E05F3/10 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019534863
(86)(22)【出願日】2017-12-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 IB2017058360
(87)【国際公開番号】W WO2018116275
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-12-16
(31)【優先権主張番号】102016000130855
(32)【優先日】2016-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102016000130864
(32)【優先日】2016-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102016000130881
(32)【優先日】2016-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102016000130887
(32)【優先日】2016-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102016000130894
(32)【優先日】2016-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519224155
【氏名又は名称】コルコム グループ エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベネデッティ,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】メサロス,ミハイ
【審査官】芝沼 隆太
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公告第15648(GB,A)
【文献】特開昭52-19441(JP,A)
【文献】実開平7-6455(JP,U)
【文献】特開平6-146705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/00-13/04
17/00
E05D 1/00- 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア、窓、シャッタなどの閉鎖要素(D)を少なくとも1つの閉位置と少なくとも1つの開位置との間で回転可能に移動させるための油圧式のヒンジであって、前記閉鎖要素は、壁、床、フレームなどの静止支持構造体(S)にアンカー固定可能であり、前記ヒンジは、
-前記静止支持構造体にアンカー固定可能な固定要素(20)と、
-前記閉鎖要素にアンカー固定可能な可動要素(10)であって、前記固定要素(20)および可動要素(10)は、前記可動要素(10)が前記固定要素(20)に対して、第1の長手方向軸周り(X)を回転するように相互に結合される、可動要素とを備え、
前記固定要素(20)および前記可動要素(10)の一方は、第2の長手方向軸(Y)を画定する少なくとも1つの作用チャンバ(11)を含み、前記少なくとも1つの作用チャンバ(11)は、少なくとも1つの油圧シール要素(35)を含む仕切り手段(35)によって、相互に分離された少なくとも1つの第1の半チャンバおよび少なくとも1つの第2の半チャンバ(14、15)になるように分割され、それにより、前記可動要素(10)の移動を油圧式に減衰させるための作用流体は、前記少なくとも1つの第1の半チャンバおよび少なくとも1つの第2の半チャンバ(14、15)の一方にのみ位置し、
前記少なくとも1つの第1の半チャンバおよび少なくとも1つの第2の半チャンバ(14、15)の他方は、反作用弾性手段(40)を含み、
前記少なくとも1つの第1の半チャンバおよび少なくとも1つの第2の半チャンバ(14、15)の前記一方は、
前記第2の軸(Y)に沿って摺動可能であるプランジャ要素(30)であって、前記可動要素(10)の回転が前記プランジャ要素(30)の摺動に対応するように、前記固定要素(20)および可動要素(10)の他方と動作可能に結合される、プランジャ要素と、
前記作用流体とを含み、
前記プランジャ要素(30)は、前記少なくとも1つの第1の半チャンバおよび前記少なくとも1つ第2の半チャンバ(14、15)の前記一方を、互いに流体連通して置かれた少なくとも1つの第1の可変容積コンパートメントおよび少なくとも1つの第2の可変容積コンパートメント(18、19)になるように仕切り、
前記少なくとも1つの作用チャンバ(11)が、前記固定要素(20)および可動要素(10)の前記他方と動作可能に結合される第1の端部と、前記プランジャ要素(30)と動作可能に連結される第2の端部とを有する少なくとも1つのシャフト(34)をさらに備え、
前記少なくとも1つの油圧シール要素(35)は、前記少なくとも1つの作用チャンバ(11)に摺動可能に挿入され、前記反作用弾性手段(40)は、前記油圧シール要素を前記作用流体に押し付けるように前記油圧シール要素上に作用し、
前記少なくとも1つのシャフト(34)は、前記少なくとも1つの油圧シール要素(35)を通過して前記第1の半チャンバ(14)および前記第2の半チャンバ(15)内に配置され、
前記反作用弾性手段(40)が、前記少なくとも1つの油圧シール要素(35)と接触する第1の端部と、当接壁(31´)と接触する第2の端部とを有する前記少なくとも1つのシャフト(34)上に嵌合された、らせんばねを含み、
前記少なくとも1つの第1の半チャンバおよび少なくとも1つの第2の半チャンバ(14、15)の前記他方が、前記第1の長手方向軸(X)の近位にあり、前記少なくとも1つの第1の半チャンバおよび少なくとも1つの第2の半チャンバ(14、15)の前記一方が、前記第1の長手方向軸(X)から遠位にあり、
前記当接壁(31´)は、前記少なくとも1つのシャフト(34)に動作可能に結合され、前記固定要素(20)および可動要素(10)の前記他方が、カム手段(21)を含み、前記固定要素(20)および可動要素(10)の前記一方は、前記少なくとも1つのシャフト(34)によって前記プランジャ要素(30)と一体的に結合されるカム従動手段(32)を含み、前記カム従動手段(32)は、前記当接壁(31´)をさらに含み、それにより、前記カム手段(21)とカム従動手段(32)との間の相互作用は、前記プランジャ要素(30)の前記第2の軸(Y)に沿った摺動と、前記らせんばね(40)の圧縮および/または選択的弾性戻りとを同時に促進する、油圧式のヒンジ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの作用チャンバ(11)の内壁が、前記少なくとも1つの油圧シール要素(35)のための軸方向当接要素を有さない、請求項1に記載のヒンジ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの油圧シール要素(35)が、前記少なくとも1つの作用チャンバ(11)の内径と実質的に等しいかまたはそれよりわずかに大きい最大外径を有する実質的にディスク形状である、請求項1または2に記載のヒンジ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの油圧シール要素(35)が、前記少なくとも1つの作用チャンバ(11)の内壁と接触しやすいエラストマー環状周囲シール要素(35´´)を含む、請求項1、2または3に記載のヒンジ。
【請求項5】
前記閉鎖要素(D)の開閉の一方が起こると、前記作用流体は、前記第1の可変容積コンパートメント(18)および第2の可変容積コンパートメント(19)の一方から、前記第1の可変容積コンパートメント(18)および第2の可変容積コンパートメント(19)の他方に流れ、前記閉鎖要素(D)の開閉の他方が起こると、作用流体は、前記第1の可変容積コンパートメント(18)および第2の可変容積コンパートメント(19)の他方から、前記第1の可変容積コンパートメント(18)および第2の可変容積コンパートメント(19)の前記一方に流れる、請求項1からのいずれか一項に記載のヒンジ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1の可変容積コンパートメントおよび少なくとも1つの第2の可変容積コンパートメント(18、19)は、互いに隣接している、請求項1から5のいずれか一項に記載のヒンジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、ヒンジを閉じるか、または制御する技術分野に関し、これは、詳細には、ドア、シャッタなどの回転可能な移動のためのヒンジに関する。
【背景技術】
【0002】
ドア、シャッタなどの閉鎖要素を開位置と閉位置との間で回転させることができるように相互に結合されたヒンジ本体およびピンを備えるヒンジが、知られている。
【0003】
特に、ヒンジ本体は、一般に、大きな寸法を有し、したがって先行技術のヒンジを特に扱いにくくかつ審美的に望まないものにしている。そのような特性は、ヒンジがガラスドアまたはシャッタに装着されている場合に特に不利である。
【0004】
したがって、そのようなヒンジは、特に審美的魅力およびその全体寸法に関して、改良の余地がある。
【0005】
さらに、一般的に知られているヒンジは、閉鎖要素の開放および/または閉鎖を制動するおよび/または減衰させるための手段を備える。
【0006】
そのようなヒンジは、特に閉鎖要素を制動するおよび/または減衰させるための手段に関して、改良の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、非常に機能的で安価なヒンジを提供することによって、前述の欠点を少なくとも部分的に克服することである。
【0008】
本発明の別の目的は、小さい全体寸法を有するヒンジを提供することである。
本発明の別の目的は、審美的魅力を有するヒンジを提供することである。
本発明の別の目的は、閉鎖要素の開放および/または閉鎖を制動するか、または減衰させることができるヒンジを提供することである。
本発明の別の目的は、極めて安全なヒンジを提供することである。
本発明の別の目的は、装着が極めて容易なヒンジを提供することである。
本発明の別の目的は、経時的に極めて高い耐久性を有するヒンジを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これ以後より明らかとなるこれらおよび他の目的は、本明細書に説明されおよび/または特許請求されおよび/または例示されるものによるヒンジによって達成される。
【0010】
第1の態様では、ドア、窓、シャッタなどの閉鎖要素を少なくとも1つの閉位置と少なくとも1つの開位置との間で回転可能に移動させるための油圧式のヒンジであって、閉鎖要素は、壁、床、フレームなどの静止支持構造体にアンカー固定可能であり、ヒンジは、
-静止支持構造体にアンカー固定可能な固定要素と、
-閉鎖要素にアンカー固定可能な可動要素であって、前記固定要素および可動要素は、可動要素が固定要素に対して、開位置と閉位置との間で第1の長手方向軸周りを回転するように相互に結合される、可動要素とを備え、
前記固定要素および可動要素の一方は、第2の長手方向軸を画定する少なくとも1つの作用チャンバを含み、前記少なくとも1つの作用チャンバは、少なくとも1つの部分を含み、この少なくとも1つの部分は、
-前記第2の軸に沿って摺動可能なプランジャ要素であって、可動要素の回転がプランジャ要素の摺動に対応するように、前記固定要素および可動要素の他方と動作可能に結合される、プランジャ要素と、
-前記可動要素の移動を油圧式に減衰させるための作用流体とを備え、
前記プランジャ要素は、前記少なくとも1つの作用チャンバの前記少なくとも1つの部分を、互いに流体連通して、好ましくは互いに隣接して置かれた少なくとも2つの可変容積コンパートメントになるように仕切り、
前記プランジャ要素は、互いに対して離間され流体的に独立している少なくとも1つの第1のダクトおよび少なくとも1つの第2のダクトを備えて、前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメントを流体的に連結し、前記プランジャ要素は、少なくとも1つの閉位置と少なくとも1つの開位置との間の閉鎖要素の回転速度を調整するために、前記少なくとも1つの第1のダクトおよび少なくとも1つの第2のダクトの少なくとも一方上に作用する、作用流体の流れを調整するための手段をさらに含む、油圧式のヒンジが提供され得る。
【0011】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記調整手段は、前記少なくとも1つの第1のダクトおよび前記少なくとも1つの第2のダクトの一方上に作用し、ヒンジは、前記少なくとも1つの第1のダクトおよび少なくとも1つの第2のダクトの他方に動作可能に関連付けられた、そこを通る作用流体の流れを選択的に閉塞するための弁手段をさらに備える。
【0012】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、作用流体の流れを調整するための前記手段は、前記プランジャ要素内に挿入されて前記少なくとも1つの第1のダクトおよび少なくとも1つの第2のダクトの前記少なくとも1つの貫流セクションを選択的に狭窄する、少なくとも1つの調整ねじを備える。
【0013】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記少なくとも1つの第1のダクトおよび少なくとも1つの第2のダクトは、互いにおよび前記第2軸に対して実質的に平行であり、前記少なくとも1つの調整ねじは、前記第2の軸に対して横断方向に前記プランジャ要素に挿入される。
【0014】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記調整ねじは、前記少なくとも1つの第1のダクトおよび前記少なくとも1つの第2のダクトの前記他方に配置される中央部分と、前記少なくとも1つの第1のダクトおよび前記少なくとも1つの第2のダクトの前記一方に配置される端部分とを有し、前記中央部分は、前記端部分、および前記少なくとも1つの第1のダクトおよび前記少なくとも1つの第2のダクトの前記一方のそれぞれの位置にかかわらず、前記少なくとも1つの第1のダクトおよび前記少なくとも1つの第2のダクトの前記他方の前記貫流セクションを実質的に不変に維持するように構成される。
【0015】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記調整ねじの前記端部分は、実質的に円錐形または円錐台形であり、その中央部分は周方向溝を有する。
【0016】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記固定要素および可動要素の前記一方は、前記少なくとも1つの作用チャンバを内部に備えるヒンジ本体を含み、前記ヒンジ本体は、前記少なくとも1つの作用チャンバを外部と流体連通して置くための少なくとも1つの貫通開口部を備え、前記調整手段は、前記少なくとも1つの貫通開口部を通してオペレータによって外部からアクセス可能である。
【0017】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記調整ねじは、操作端部を有し、前記少なくとも1つの貫通開口部および前記プランジャ要素は、プランジャ要素が所定位置、好ましくは閉鎖要素を閉じるための少なくとも1つの位置および閉鎖要素を開くための少なくとも1つの位置の一方に対応する位置にあるとき、オペレータが前記少なくとも1つの貫通開口部を通して前記調整ねじの操作端部にアクセス(到達)できるように相互に構成される。
【0018】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記プランジャ要素は、少なくとも1対の油圧シールエラストマー要素を含み、前記少なくとも1つの貫通開口部および前記プランジャ要素は、作用流体が少なくとも1つの貫通開口部を通って漏れるのを防止するために、前記プランジャ要素の軸方向位置に関係なく、前記少なくとも1つの貫通開口部が前記油圧シールエラストマー要素間に常に置かれるように相互に構成される。
【0019】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、閉鎖要素の開閉の一方が起こると、作用流体は、前記第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントの一方から、前記第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントの他方に流れ、閉鎖要素の開閉の他方が起こると、作用流体は、前記第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントの他方から、前記第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントの前記一方に流れる。
【0020】
さらなる態様では、上記に関係なく、ドア、窓、シャッタなどの閉鎖要素を少なくとも1つの閉鎖位置と少なくとも1つの閉鎖位置との間で回転可能に移動させるための油圧式のヒンジであって、閉鎖要素は、壁、床、フレームなどの静止支持構造体にアンカー固定可能であり、ヒンジは、
-静止支持構造体にアンカー固定可能な固定要素と、
-閉鎖要素にアンカー固定可能な可動要素であって、前記固定要素および可動要素は、可動要素が固定要素に対して、開位置と閉位置との間で第1の長手方向軸周りを回転するように相互に結合される、可動要素とを備え、
前記固定要素および可動要素の一方は、第2の長手方向軸を画定する少なくとも1つの作用チャンバを含み、前記少なくとも1つの作用チャンバは、少なくとも1つの油圧シール要素を含む仕切り手段によって、相互に分離された少なくとも1つの第1の半チャンバおよび少なくとも1つの第2の半チャンバになるように仕切られ、それにより、作用流体は、前記少なくとも1つの第1の半チャンバおよび少なくとも1つの第2の半チャンバの一方にのみ位置し、前記少なくとも1つの第1の半チャンバおよび少なくとも1つの第2の半チャンバの他方は、反作用弾性手段を含み、
前記少なくとも1つの第1の半チャンバおよび少なくとも1つの第2の半チャンバの前記一方は、
-前記第2の軸に沿って摺動可能なプランジャ要素であって、可動要素の回転が前記プランジャ要素の摺動に対応するように、前記固定要素および可動要素の他方と動作可能に結合される、プランジャ要素と、
-前記可動要素の移動を油圧式に減衰させるための作用流体とを備え、
前記プランジャ要素は、前記少なくとも1つの第1の半チャンバおよび前記少なくとも1つ第2の半チャンバの前記一方を、互いに流体連通して、好ましくは互いに隣接して置かれた少なくとも2つの可変容積コンパートメントになるように仕切り、
前記少なくとも1つの油圧シール要素は、前記少なくとも1つの作用チャンバに摺動可能に挿入され、前記反作用弾性手段は、この油圧シール要素を前記作用流体に押し付けるように油圧シール要素上に作用する、油圧式のヒンジが提供され得る。
【0021】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記少なくとも1つの作用チャンバの内壁は、前記少なくとも1つの油圧シール要素のための軸方向当接要素を有さない。
【0022】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記少なくとも1つの油圧シール要素は、前記少なくとも1つの作用チャンバの内径と実質的に等しいかまたはそれよりわずかに大きい最大外径を有する実質的にディスク形状である。
【0023】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記少なくとも1つの油圧シール要素は、前記少なくとも1つの作用チャンバの内壁と接触しやすいエラストマー環状周囲シール要素を含む。
【0024】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記少なくとも1つの作用チャンバは、前記固定要素および可動要素の前記他方と動作可能に結合される第1の端部と、前記プランジャ要素と動作可能に連結される第2の端部とを有する、少なくとも1つのシャフトをさらに備える。
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記少なくとも1つの第1の半チャンバおよび少なくとも1つの第2の半チャンバの前記他方は、前記第1の長手方向軸の近位にあり、前記少なくとも1つの第1の半チャンバおよび少なくとも1つの第2の半チャンバの前記一方は、前記第1の長手方向軸から遠位にあり、前記少なくとも1つのシャフトは、前記少なくとも1つの油圧シール要素を通過して前記第1の半チャンバおよび前記第2の半チャンバ内に配置される。
【0025】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記弾性反作用手段は、前記少なくとも1つの油圧シール要素と接触する第1の端部と、前記少なくとも1つのシャフトに動作可能に結合された当接壁と接触する第2の端部とを有する前記少なくとも1つのシャフト上に嵌合された、らせんばねを含む。
【0026】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記固定要素および可動要素の前記他方は、カム手段を含み、前記固定要素および可動要素の前記一方は、前記少なくとも1つのシャフトによって前記プランジャ要素と一体的に連結されたカム従動手段を含み、前記カム従動手段は、前記当接壁をさらに含み、それにより、前記カム手段とカム従動手段との間の相互作用が、前記プランジャ要素の前記第2の軸に沿った摺動と、前記らせんばねの圧縮および/または選択的弾性戻りとを同時に促進する。
【0027】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、閉鎖要素の開閉の一方が起こると、作用流体は、前記第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントの一方から、前記第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントの他方に流れ、閉鎖要素の開閉の他方が起こると、作用流体は、前記第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントの他方から、前記第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントの前記一方に流れる。
【0028】
さらなる態様では、上記に関係無く、ドア、窓、シャッタなどの閉鎖要素を少なくとも1つの閉位置と少なくとも1つの開位置との間で回転可能に移動させるための油圧式のヒンジであって、閉鎖要素は、壁、床、フレームなどの静止支持構造体にアンカー固定可能であり、ヒンジは、
-静止支持構造体にアンカー固定可能な固定要素と、
-閉鎖要素にアンカー固定可能な可動要素であって、前記固定要素および可動要素は、可動要素が固定要素に対して、第1の長手方向軸周りを回転するように相互に結合される、可動要素とを備え、
前記固定要素および可動要素の一方は、前記第1の軸に対して実質的に垂直な第2の長手方向軸を画定する少なくとも1つの作用チャンバを含み、前記固定要素および可動要素の他方は、前記第1の軸を画定するピンを含み、
前記少なくとも1つの作用チャンバは、
-前記可動要素の回転移動を油圧式に減衰させるための作用流体と、
-前記第2の軸に沿って、閉鎖要素を閉じるための少なくとも1つの位置および閉鎖要素を開くための少なくとも1つの位置の一方に対応する第1のエンドストローク位置と、閉鎖要素を閉じるための少なくとも1つの位置および閉鎖要素を開くための少なくとも1つの位置の他方に対応する第2のエンドストローク位置との間で摺動可能である、プランジャ要素とを備え、
前記ピンは、カム手段を含み、前記少なくとも1つの作用チャンバは、前記プランジャ要素に動作可能に連結されるカム従動手段をさらに備え、前記カム手段およびカム従動手段は、プランジャ要素の摺動が可動要素の回転に対応するように動作可能に結合され、
前記カム手段およびカム従動手段の一方は、互いに対して角度的に離間された少なくとも1つの第1の作用表面および少なくとも1つの第2の作用表面を有し、前記カム手段およびカム従動手段の他方は、前記プランジャ要素が前記第1のエンドストローク位置および第2のエンドストローク位置の一方にあるときに前記少なくとも1つの第1の作用表面と相互作用しやすく、前記プランジャ要素が前記第1のエンドストローク位置および第2のエンドストローク位置の他方にあるときに前記少なくとも1つの第2の作用表面と相互作用しやすい作動面を備えた当接要素を含み、前記カム手段および前記カム従動手段は、相互機械的連結のための手段をさらに含み、それにより、閉鎖要素を開放および/または閉鎖中に不必要に押さえ付けた場合であっても、閉鎖要素の回転移動は作用流体によって制御される、油圧式のヒンジが提供され得る。
【0029】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記当接要素および前記作用壁の一方は、前記第1の軸周りの前記固定要素および可動要素の相互回転中に前記当接要素および前記作用壁の他方のフック部分を引っ掛けやすいフック要素を含み、前記相互機械的結合手段は、前記フック要素および前記フック部分を含む。
【0030】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記固定要素および前記可動要素の相互回転中、前記フック要素および前記フック部分は、相互結合開始位置を通過して、相互結合解除位置と、安定結合位置との間で移動しやすい。
【0031】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記相互結合解除位置では、前記第2の作用表面および前記作動面は相互に作用し、前記安定結合位置では、前記第1の作用表面および前記作動面は相互に作用し、前記第1の作用表面、前記第2の作用表面、および前記作動面は、前記相互結合開始位置では相互に離間される。
【0032】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記作用壁は、前記少なくとも1つの第1作用表面と少なくとも1つの第2の作用表面との間に置かれる第3の作用表面を含み、前記第3の作用表面は、前記相互結合開始位置では前記作動面と相互作用しやすい。
【0033】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記当接要素は、前記フック要素を含み、前記フック要素は、前記作動面から延び、前記作用壁は、前記フック部分を含み、前記フック部分は、前記第1の作用表面に対向する第4の作用表面を含む。
【0034】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記フック要素は、前記作動壁から実質的に垂直に延びる第1の付属物を含み、前記フック要素は、前記作動面に面するように前記第1の付属物から実質的に垂直に延びる第2の付属物をさらに含む。
【0035】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記安定結合位置では、前記第1の付属物は、前記第2の作用表面と相互作用し、前記第2の付属物は前記第4の作用表面に面し、前記相互結合開始位置では、前記第1の付属物は、前記第2の作用表面に面し、前記第2の付属物は、前記第4の作用表面と相互作用する。
【0036】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記第1および第2の作用表面ならびに前記作動面は、実質的に平坦であり、接触によって相互作用が起こる。
【0037】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記第1および第2の作用表面は、実質的に垂直であり、それにより、前記第1の作用表面および前記作動面が相互接触するとき、前記作動面および前記第2の作用表面は、実質的に垂直であり、前記第2の作用表面および前記作動面が相互接触するとき、前記作動面および前記第1の作用表面は、実質的に垂直である。
【0038】
さらなる態様では、上記に関係なく、ドア、窓、シャッタなどの閉鎖要素を少なくとも1つの閉鎖位置と少なくとも1つの閉鎖位置との間で回転可能に移動させるための油圧式のヒンジであって、閉鎖要素は、壁、床、フレームなどの静止支持構造体にアンカー固定可能であり、ヒンジは、
-静止支持構造体にアンカー固定可能な固定要素と、
-閉鎖要素にアンカー固定可能な可動要素であって、前記固定要素および可動要素は、可動要素が固定要素に対して、開位置と閉位置との間で第1の長手方向軸周りを回転するように相互に結合される、可動要素とを備え、
前記固定要素および可動要素の一方は、第2の長手方向軸を画定する少なくとも1つの作用チャンバを含み、前記少なくとも1つの作用チャンバは、
-前記プランジャ要素の摺動が前記可動要素の回転に対応するように前記固定要素および可動要素の他方に動作可能に結合される、前記第2の軸に沿って摺動可能なプランジャ要素であって、前記プランジャ要素は、前記少なくとも1つの作用チャンバを、互いに流体連通して、好ましくは互いに隣接して置かれた少なくとも1つの可変容積コンパートメントになるように少なくとも部分的に仕切る、プランジャ要素と、
-前記可動要素の移動を油圧式に減衰させるための作用流体と、
-前記第1のコンパートメントと前記第2のコンパートメントとの間の作用流体の流れを制御するための弁手段とを含み、
前記弁手段は、作用流体の貫流のための少なくとも1つのポートを有する作動チャンバを含み、前記弁手段は、前記少なくとも1つの貫流ポートを選択的に閉じる/開くために前記作動チャンバ内で移動可能な閉塞体をさらに含み、前記作動チャンバは、少なくとも1つの固定部分と、前記少なくとも1つの貫流ポートを含む少なくとも1つの可動部分とを含み、前記弁手段(50)は、通常は前記作動チャンバの可動部分を固定部分に押し付けるための反作用弾性手段をさらに含み、前記反作用弾性手段は、前記少なくとも1つの作動チャンバ内の圧力が所定の閾値を超えたときに圧縮されるように構成され、それによって、少なくとも1つの前記貫流ポートが閉じられたときでも前記作動チャンバの前記固定部分と可動部分との間の間隙内の作用流体の貫流を可能にする、油圧式のヒンジが提供され得る。
【0039】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記作動チャンバの可動部分は、前記第2の軸、またはこれに実質的に平行な軸に沿って、この可動部分が前記作動チャンバの固定部分と相互にシールするように係合される係合位置と、この可動部分が前記間隙を画定するために前記固定部分から相互に離間される係合解除位置との間で摺動可能である。
【0040】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記閾値は、開放および/または閉鎖を強制するユーザによる閉鎖要素のヒンジ解除を防止するように較正される。
【0041】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記作動チャンバの可動部分は、第1の実質的に円錐形または円錐台形の係合表面を含み、前記作動チャンバの固定部分は、前記作動チャンバの可動部分が前記反作用弾性手段によって固定部分に押し付けるように強制されたときに前記第1の係合表面とシールするように係合されやすい、第2の実質的に円錐形または円錐台形の係合表面を含む。
【0042】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記少なくとも1つの貫流ポートは、前記第1の実質的に円錐形または円錐台形の係合表面の狭窄端部に配置され、前記作動チャンバの可動部分は、前記反作用弾性手段を受け入れるための、前記狭窄端部に対向するシートを含む。
【0043】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記作動チャンバの固定部分は、前記作動チャンバの可動部分を摺動可能に案内するために前記第2の軸に沿って延びる円筒状壁を含む。
【0044】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、閉鎖要素の開閉の一方が起こると、作用流体は、前記第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントの一方から、前記第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントの他方に前記弁手段を通って流れ、前記第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントの他方から、前記第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントの前記一方に作用流体が逆流することを可能にするための油圧回路も設けられる。
【0045】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記少なくとも1つの作動チャンバ内の圧力が前記閾値以下であるとき、作用流体は、前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメントの前記一方に向かって前記油圧回路を通って逆流し、前記少なくとも1つの作動チャンバ内の圧力が前記閾値を超えたとき、前記作用流体は、前記第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントの前記一方に向かって前記油圧回路および前記間隙を通って逆流する。
【0046】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記少なくとも1つの作用チャンバは、前記固定要素および可動要素の前記他方と動作可能に結合される第1の端部と、前記プランジャ要素と動作可能に連結される第2の端部とを有する、少なくとも1つのシャフトをさらに備える。
【0047】
好ましくは、前述のヒンジにおいて、前記固定要素および前記可動要素の前記他方は、カム手段を含み、前記固定要素および前記移動要素の前記他方は、前記少なくとも1つのシャフトによって前記プランジャ要素と一体的に結合されるカム従動手段を含む。
【0048】
さらなる態様では、上記に関係なく、第1の平面(π)を画定するガラスドアまたはシャッタを壁、フレームまたは床などの静止支持構造体に固定するためのシステムであって、
-ガラスドアまたはシャッタを開く位置と閉じる位置との間で移動可能な少なくとも1つのヒンジと、
-ガラスドアまたはシャッタを固定するように相互に共働する少なくとも1つの第1の板状固定要素および第2の板状固定要素とを備え、
前記少なくとも1つのヒンジは、実質的に箱状のヒンジ本体を備え、ヒンジ本体ならびに前記少なくとも1つの第1および少なくとも1つの第2の板状固定要素の一方は、第2の平面を画定する単一アセンブリを画定するように相互に取り外し可能に結合するための手段を含み、前記単一アセンブリならびに前記少なくとも1つの第1および少なくとも1つの第2の板状固定要素の他方は、前記第1および前記第2の平面が相互に平行であるか、または一致するように、ガラスドアまたはシャッタを両側から固定するように共働する、システムが、提供され得る。
【0049】
好ましくは、前述のシステムにおいて、前記ヒンジ本体は、第1の軸を画定し、ヒンジは、第1の軸に対して実質的に垂直な第2の軸を画定するピンをさらに備え、前記ヒンジ本体および前記ピンは、前記開位置と閉位置との間で前記第2の軸周りを回転するように回転式に結合される。
【0050】
好ましくは、前述のシステムにおいて、前記少なくとも1つのヒンジは、前記ヒンジ本体ならびに前記少なくとも1つの第1および1つの第2の板状固定要素の前記一方が相互に結合解除されたとき、少なくとも1つのヒンジが、二重窓またはガラスシャッタの管状フレームに隠れるように挿入可能であるように大きさが決められている。
【0051】
好ましくは、前述のシステムにおいて、前記取り外し可能な相互結合手段は、単一連結アクセサリを画定するために前記少なくとも1つの第1および少なくとも1つの第2の板状固定要素の前記一方と一体に作られた連結板を含み、前記取り外し可能な相互結合手段は、前記連結板および前記ヒンジ本体の相互に取り外し可能な固定のためのねじおよびナット手段をさらに含む。
【0052】
好ましくは、前述のシステムにおいて、前記ねじおよびナットねじ手段は、前記第1の軸に対して実質的に垂直な方向に作用する。
【0053】
好ましくは、前述のシステムにおいて、前記連結板ならびに前記少なくとも1つの第1および少なくとも1つの第2の板状固定要素の前記一方は、互いに実質的に垂直である。
【0054】
好ましくは、前述のシステムにおいて、前記箱状のヒンジ本体は、前記箱状のヒンジ本体ならびに前記少なくとも1つの第1および少なくとも1つの第2の板状固定要素の前記一方が相互に結合されたときに前記連結プレートの下側表面に面するように指定された上側表面を含み、前記連結板の前記下側表面および前記箱状のヒンジ本体の上側表面は、実質的に同一の広がりを有する。
【0055】
好ましくは、前述のシステムにおいて、前記取外し可能相互連結手段は、前記箱状のヒンジ本体の上側表面の対応する長手方向シートに挿入可能な前記連結板の前記下側表面から延びる長手方向付属物をさらに含む。
【0056】
好ましくは、前述のシステムにおいて、前記長手方向付属物および前記長手方向シートは、前記箱状のヒンジ本体および前記連結板を中心揃えするための相互手段としてさらに作用するように相互に反対形状である。
【0057】
好ましくは、前述のシステムにおいて、前記長手方向付属物および前記長手方向シートは、互いにおよび前記第1の軸に対して実質的に平行である。
本発明の有利な実施形態は、従属請求項に従って定義される。
【0058】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照しながら非限定的な例として示される、本発明のいくつかの好ましいが非排他的な実施形態の詳細な説明に照らしてより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】ヒンジ1の一実施形態の分解図である。
図2A図1のヒンジ1の実施形態の断面図である。
図2B】いくつかの拡大詳細を示す図である。
図3】ヒンジ1の別の実施形態の分解図である。
図4】ヒンジ1のさらなる実施形態の分解図である。
図5a図4のヒンジ1の実施形態の断面図である。
図5b図4のヒンジ1の実施形態の別の断面図である
図6】ヒンジ1の別の実施形態の分解図である。
図7】ヒンジ1のさらなる実施形態の分解図である。
図8A図7のヒンジ1の実施形態のいくつかの詳細の拡大断面図である。
図8B図7のヒンジ1の実施形態のいくつかの詳細の別の拡大断面図である。
図8C図7のヒンジ1の実施形態のいくつかの詳細の別の拡大断面図である。
図9】ヒンジ1のさらなる実施形態の分解図である。
図10A】閉位置にある図9のヒンジ1の実施形態の断面図である。
図10B】いくつかの拡大詳細を示す図である。
図11A】中間位置にある図9のヒンジ1の実施形態の断面図である。
図11B】いくつかの拡大詳細を示す図である。
図12A】開位置にある図9のヒンジ1の実施形態の断面図である。
図12B】いくつかの拡大詳細を示す図である。
図13A】固定アクセサリ71を有するヒンジ1の実施形態の不等角投影図である。
図13B】固定アクセサリ71を有するヒンジ1の実施形態の正面概略図である。
図14】二重窓ガラスに挿入されたヒンジ1の実施形態の正面概略図である。
図15A】ドア閉位置にあるカム手段21とカム従動手段32´との間のさらなる結合の正面図である。
図15B】ドア開位置にある先行する図のカム手段21とカム従動手段32´との間の結合の正面図である。
図16A】ドア閉位置にあるカム手段21とカム従動手段32´との間のさらなる結合の断面図である。
図16B】ドア開位置にある先行する図のカム手段21とカム従動手段32´との間の結合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
前述の図を参照すれば、全体を参照番号1で示す本発明によるヒンジは、ガラスドアまたはシャッタ、例えばディスプレイウィンドウまたはディスプレイケースのものなどに有利に適用可能である。
【0061】
ヒンジ1は、静止支持構造体、例えばフレームSと、閉鎖要素、例えば、開位置と閉位置との間で回転軸X周りを回転可能に移動可能なシャッタDとを回転可能に結合させるのに適している。
【0062】
以下ではフレームSおよびシャッタDを参照するが、ヒンジ1は、添付の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、任意の静止支持構造体および任意の閉鎖要素に適用可能であることに留意されたい。
【0063】
ヒンジ1は、実質的に箱状のヒンジ本体10と、回転軸Xを画定するピン20とを適切に含むものとする。
【0064】
好ましいが非排他的な実施形態では、ヒンジ本体10は、シャッタDに固定され、ピン20は例えばベース5によってフレームSに固定され得る。この場合、固定要素はピン20を含み、可動要素は、ヒンジ本体10を含むことができる。
【0065】
逆に、添付の図面には示されていない本発明の実施形態では、添付の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、ヒンジ本体10はフレームSに固定され、ピン20はシャッタDにアンカー固定され得る。この場合、固定要素はヒンジ本体10を含み、可動要素はピン20を含むことができる。
【0066】
さらに、固定要素と可動要素との間に動作可能な連結が十分であると想定して、ヒンジ1は必ずしもピン20を含んではならないことは明らかであろう。
【0067】
有利には、ヒンジ本体10およびピン20は、シャッタ開位置と閉位置Dとの間で軸X周りを回転するように相互に結合され得る。
【0068】
より具体的には、ピン20は、軸Xと一致する軸を有するヒンジ本体10を貫通する実質的に円筒状シート14に挿入され得る。
【0069】
好ましくは、ヒンジ本体10は、出願人に代わって、イタリア特許出願第102016000049176号明細書によって提供された開示に従って得ることができる。この場合、ヒンジ本体10は、実質的に円筒状シート13を得るために互いに結合することができる2つの部分10´および10´´で得られる。したがって、円筒状シートは、2つの部分13´および13´´でも得られる。
【0070】
好ましいが非排他的な実施形態では、ヒンジ本体10は、閉位置と、閉位置に対して反対側の少なくとも2つの開位置との間で軸Xの周りを回転するように構成され得る。換言すれば、ヒンジ1は両方向性であってよく、すなわちこれは右側に開くドアまたはシャッタに、および左側に開くドアまたはシャッタに使用され得る。
【0071】
ピン20は、軸Yに沿って摺動可能なプランジャ要素30を用いてこれに一体的に接合されたカム要素21を適切に含むことができる。
【0072】
プランジャ要素30の摺動軸Yは、軸Xに対して実質的に垂直であり得る。さらに、シャッタDの回転軸Xは、実質的に鉛直であり得る。
【0073】
いずれの場合も、シャフト34によってシリンダ31と動作可能に連結され得るプランジャ要素30は、ヒンジ本体10内の作用チャンバ11内で、作用チャンバ11の底壁12に近位の後退エンドストローク位置と、これに対して遠位の延長エンドストローク位置との間を摺動することができる。
【0074】
そのような後退エンドストローク位置および延長エンドストローク位置は、適切に可変であることができ、必ずしもプランジャ要素30によってとられ得る最大の遠位位置および/または近位位置に対応しない。
【0075】
本発明の好ましいが非排他的な実施形態では、作用チャンバ11は、プランジャ要素30に作用する弾性反作用手段を含むことができる。
【0076】
好ましいが非排他的な実施形態では、弾性反作用手段は、それぞれ、所定の直径を有するらせんばね40を含むことができ、らせんばね40であることができる。
【0077】
構成に応じて、弾性反作用手段40は、推力手段または回復手段であり得る。
【0078】
推力弾性反作用手段の場合、その力は、プランジャ要素30が近位位置にあるときに到達する開位置または閉位置から、プランジャ要素30が遠位位置にあるときに到達する開位置または閉位置の他方に向かってシャッタDを自動的に戻すようなものでなければならない。
【0079】
この場合、プランジャ要素30が近位位置にあるときにシャッタDが到達する位置が開いているか、または閉じているかに応じて、ヒンジ1は、開放ヒンジまたは閉鎖ヒンジまたはドア閉鎖ヒンジとなる。
【0080】
代わりに、回復弾性反作用手段の場合、その力は、プランジャ要素30が近位位置にあるときに到達する開位置または閉位置から、プランジャ要素30が遠位位置にあるときに到達する開位置または閉位置の他方に向かってシャッタDを押し出すことができないようなものでなければならない。この場合、シャッタDは手動で、またはヒンジ1に対して外部のアクチュエータ手段、例えばモータを使用して移動されなければならない。
【0081】
しかし、回復弾性手段の力は、プランジャ要素30を近位位置から遠位位置に戻すようなものでなければならない。
【0082】
この場合、シリンダ31が近位位置にあるときにシャッタDが到達する位置が開いているか閉じているかに応じて、ヒンジ1は、開放制御ヒンジまたは閉鎖制御ヒンジとなる。
【0083】
開放ヒンジまたは閉鎖ヒンジが開閉制御の目的にも使用されることは明らかであるが、その反対は真実ではない。
【0084】
添付の図面が閉鎖ヒンジ1を示している場合でも、添付の特許請求の範囲の保護の範囲から逸脱することなくこれが開放制御または閉鎖制御であることができるように、ヒンジが、閉鎖ヒンジまたは開放ヒンジであり得ることは明らかである。
【0085】
ピン20のカム要素21は、シリンダ31のカム従動手段と適切に相互作用して、シリンダ31を遠位位置と近位位置との間で変位させることができる。
【0086】
図1に示す第1の好ましいが非排他的な実施形態では、ピン20のカム要素21は、シリンダが遠位位置にあるときにシリンダ31の作動面33と接触しやすい第1の作用表面23と、シリンダ31が近位位置にあるときにシリンダ31の作動面33と接触しやすい第2の作用表面24とを有する。
より正確には、シリンダ31は、板状付属物32を含み、これは、さらに、作動面33を含む。
【0087】
有利には、2つの作用表面23および24と作動面33の両方は、実質的に平坦であるか、またはわずかに湾曲していてもよく、相互係合は、接触目的のためであってよい。
2つの作用表面23と24との間の角度は可変であることができ、これは、シャッタDの開放角度を決定することになる。2つの表面23および24は、適切には、互いに対して実質的に垂直であり得る。
【0088】
例えば図9から図12Bに示す別の実施形態では、カム要素21は、実質的に互いに対して垂直な作用表面23´および24´を有する、実質的に平行六面体形状の作用壁として構成され得る。
【0089】
一方、シリンダ31は、シャッタDが閉位置(図10A)にあるときに作用表面23´と接触しやすく、シャッタDが開位置(図12A)にあるときに作用表面24´と接触しやすい作動面33´を有する当接要素32´を含むことができる。
【0090】
カム要素21および当接要素32´は、互いに機械的に連結され得る。これは、開閉モードの両方において、シャッタDの移動の最大制御を可能にする。
【0091】
特に、油圧式のヒンジの場合には、前述の機械的連結は、開くおよび/または閉じるための望ましくない押し出しの場合であっても、シャッタDの移動の制御を可能にする。
好ましいが非排他的な実施形態では、前述の機械的連結は、シャッタDの回転中に作用壁21のフック部分25´をひっかける、当接要素32´の作動面33´から延びるフック要素34´を介して起こり得る。
【0092】
フック要素34´は、作動面33´から実質的に垂直に延びる第1の付属物35´と、作動面33´に面したままであるように第1の付属物35´から実質的に垂直に延びる第2の付属物36´とを含むことができる。
【0093】
特に図10B図12Bに示すように、シャッタDの回転中、フック要素34´およびフック部分25´は、相互結合解除位置(シャッタDの開位置、図12A)と、安定結合位置(シャッタDの閉位置、図10A)との間を、相互結合開始位置(図11A)を通過して移動することができる。
【0094】
より正確には、相互結合解除位置(図12A)では、作用表面24´および作動面33´は、互いに接触することができ、一方で作用表面23´および作動面33´は離間され得る。
【0095】
安定結合位置(図10A)では、逆に、作用表面23´および作動面33´は、互いに接触することができ、一方で作用表面24´および作動面33´は、離間され得る。
【0096】
そのような位置では、フック要素34´の第1の付属物35´は、第2の作動表面24´と接触することができ、第2の付属物36´は、作用表面27´に面することができる。
【0097】
次に、結合開始位置(図11A)では、作用表面23´、作用表面24´および作動面33は、相互に離間され得る。そのような位置では、作動面33´は、縁部26´と接触することができる。
【0098】
そのような位置では、付属物35´は、作用表面24´に面することができ、第2の付属物は、作用表面27´と接触することができる。
【0099】
フック要素34´をカム従動手段の一部として、作用壁21をカム手段の一部として説明してきたが、添付の特許請求の範囲の保護の範囲から逸脱することなく反対のことも当てはめることができることが明らかである。
【0100】
図15Aから図16Bは、カム手段21とカム従動手段32´との間の可能なさらなる機械的結合を示し、後者はスロット320、好ましくは直線状のスロットを含み、前者はそこに摺動可能に挿入されるスライダピン210を含む。
【0101】
作用チャンバ11は、好ましくは、シャッタDの回転移動を油圧式に減衰させるための作用流体、例えばオイルを含むことができる。
【0102】
好ましいが非排他的な実施形態では、作用チャンバ11は、油圧シール要素35、例えば相対的なOリングを有するリップシールによって、互いに分離された2つの半チャンバ14および15になるように仕切られ、それにより、作用流体は半チャンバ15内にのみ位置する。
【0103】
より一般的には、油圧シール要素35は、作用チャンバ11の内径と実質的に等しいかそれよりも大きい最大外径を有する実質的にディスク形状であり得る。油圧シール要素35は、作用チャンバ11の内壁と接触するように指定された、エラストマーの環状周囲シール要素35´´、例えばOリングを含むことができる。
【0104】
プランジャ要素30とシリンダ31との間の連結のためのシャフト34は、油圧シール要素35を通過して、両方の半チャンバ14および15内に適切に配置され得る。
【0105】
したがって、半チャンバ15は、油圧半チャンバとなり、一方、半チャンバ14は、油圧減衰手段を有さない機械的半チャンバとなる。ばね40は、半チャンバ14内に収容され得る。より具体的には、ばね40は、油圧シール要素35とシリンダ31の当接壁31´との間に両者と接触してその間に置かれ得る。
【0106】
半チャンバ15は、底壁12から遠位の位置と底壁12から近位の位置との間で摺動することができるプランジャ要素30を摺動可能に収容することができる。
【0107】
プランジャ要素30は、半チャンバ15を、互いに流体連通し、互いに隣接して置かれた2つの可変容積コンパートメント18、19になるように仕切ることができる。より詳細には、作用流体は、シャッタDを開くとコンパートメント19からコンパートメント18に流れ、作用流体は、シャッタDを閉じるとコンパートメント18からコンパートメント19に逆流する。
【0108】
プランジャ要素30の構成に応じて、作用流体は、これを通過するか、または外部回路を通過することができる。
【0109】
例えば、図1図2Bの実施形態では、シャッタDの開放中、作用流体は、弁手段50を通って流れることができ、シャッタDの閉鎖中、作用流体は、較正穴36を通って流れることができる。較正穴は、例えば、出願人に代わって、特許第102016000049206号明細書によって開示されているように得ることができる。
【0110】
さらに、図3の実施形態では、シャッタDの開放中、作用流体は、弁手段50を通って流れることができ、一方でシャッタDの閉鎖中、流体は、ヒンジ本体10内の、それ自体知られた形で得られた油圧回路を通って流れることができる。
【0111】
さらに、図4から図5Bの実施形態では、シャッタDの開放中、作用流体は、弁手段50を通って流れることができ、一方でシャッタDの閉鎖中、作用流体は、プランジャ要素30内で得られた油圧回路を通って流れることができる。
【0112】
油圧シール要素35は、有利には作用チャンバ11内に摺動可能に挿入されてよく、このとき、ばね40は油圧シール要素を作用流体に押し付けるように油圧シール要素上に作用する。
【0113】
こうして、ヒンジは、製造および装着が極めて容易になる。実際のところ、作用チャンバ11は、単一の直径を有することができ、これは、単に油圧シール要素35によって、2つの半チャンバ14および15になるように仕切られ得る。作用チャンバ11の内壁は、作用流体のヘッドに対してのみ作用することになる油圧シール要素35に当接するための要素を有さなくてもよい。
【0114】
特に図4から図5Bに示される好ましいが非排他的な実施形態では、プランジャ要素30は、コンパートメント18および19を流体連通状態に置くために互いに離間して流体的に独立したダクト60、61の対を含むことができる。ダクト61、62は、適切には互いにおよび軸線Yに対して実質的に平行であり得る。
【0115】
特に、プランジャ要素30は、作用流体をダクト60、61を通って流すように強制するために、例えばOリングの対38、38´によって作用チャンバ11内にシール式に挿入され得る。
【0116】
閉位置と開位置との間のシャッタDの回転速度を調整するためにダクト60、61に作用する調整ねじ62は、プランジャ要素30に横断方向に挿入され得る。
【0117】
例えば、調整ねじ62は、軸Yに対して横断方向にプランジャ30内に挿入されてよく、これは、ダクトの貫流セクションを選択的に狭窄するためにダクト61に配置される端部分64を有することができる。
【0118】
この目的のために、調整ねじ62の端部分64は、実質的に円錐形または円錐台形であることができ、同じ場合は、調整ねじ62が内部に挿入され得るシートに適用され得る。
【0119】
特に、そのねじ込み/ねじ込み解除は、ダクトを通る作用流体の流れを調整するようにダクト61の貫流セクションを増減させることができる。
【0120】
ヒンジ本体10は、作用チャンバ11を外部と連通するように置くための少なくとも1つの貫通開口部69を適切に備えることができる。特に、プランジャ要素30および貫通開口部69は、例えばシャッタDの閉位置に対応することができる、プランジャ要素30の所定の位置に位置合わせされ得る。
【0121】
したがって、そのような所定の位置では、調整ねじ62は、そのような貫通開口部69を介してオペレータによって外部からアクセス可能であり得る操作端部62´を有することができる。
【0122】
貫通開口部およびプランジャ要素30は、貫通開口部69が、作用流体がこれを通って漏れるのを防ぐために常にOリングの対38、38´の間に置かれるように適切に構成され得る。
【0123】
一方、調整ねじ62はまた、ダクト60に配置される中央部分63を含み、この中央部分は、端部分64とダクト61との間の相対位置に関係なく、ダクト60の貫流セクションを実質的に不変に維持するように構成され得る。この目的のために、その中央部分63は、周囲溝63´を有することができる。
【0124】
添付の特許請求の範囲の保護の範囲から逸脱することなく、調整ねじ62がダクト60、61の一方のみに作用し得るのと全く同様に、プランジャ要素30が2つよりさらに多くのダクト60、61を備えることができることは明らかである。
【0125】
弁手段50は、コンパートメント18とコンパートメント19との間の作用流体の流れを制御するのに適することができ、これらは、作用流体入口ポート52´および排出ポート52´´を有する作動チャンバ51を含むことができる。
【0126】
例えば球形タイプの閉塞体53が、入口ポート52´を選択的に閉じる/開くために作動チャンバ51内を摺動可能に摺動することができ、一方で排出ポート52´´は、作用流体の貫流を常に許容するように、それ自体知られている方法で構成され得る。閉塞体53が入口ポート52´に載置しているとき(図8A)、これは、作用流体が作動チャンバ51を通って流れるのを防止し、代わりに閉塞体53が入口ポート52´から離間されたとき(図8B)、作用流体は作動チャンバ51を通って流れ、排出ポート52´´を通って排出される。
【0127】
以下では、ポート52´および52´´をそれぞれ入口ポートおよび排出ポートとして説明するが、添付の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなくそれらが反対の目的を果たすことができることも明らかである。
【0128】
上述するように、閉塞体53が入口ポート52´に当接しているとき(図8A)、作用流体は、様々に構成され得る適切な油圧回路を通ってコンパートメント18からコンパートメント19に流れるように強制される。例えば、ヒンジ1の構成に応じて、油圧回路は、(例えば図1のように)較正穴36によって、および/またはヒンジ本体10内でそれ自体知られている方法で得られた貫通流によって(例えば、図3のように)、および/または(例えば、図4図5Bのように)プランジャ要素30内に得られたダクト61を通って画定され得る。
【0129】
例えば図7図8Cに示される好ましいが非排他的な実施形態では、作用チャンバ51は、固定部分54´と、入口ポート52´を含む可動部分54´´とを提供することができる。
【0130】
例えば、作動チャンバ51の固定部分54´は、排出ポート52´´を含む実質的に円筒状本体55´と、実質的に円筒状本体55´の当接表面55´´´に載置する環状本体55´´とによって形成され得る。環状本体55´´は、実質的に円錐台形の内側係合表面55´´´´を含むことができる。
【0131】
一方、作動チャンバ51の可動部分54´´は、実質的に円錐台形形の外側係合表面56´´を有する前部分56´と、円筒本体55´の内壁55´´´´の内径Diに実質的に等しい外径Deを有する第2の実質的に環状の部分56´´´とを有する成形体56によって形成され得る。このような特性により、成形体56は、軸Yに沿って摺動することができる。
【0132】
成形体56は、弾性反作用手段、例えば、当接表面58に当接して配置されたばね57のための端部シート56´´´´を含むこともできる。入口ポート52´は、成形本体56の前部分56´の狭窄端部56´´´´に配置され得る。
このような弾性反作用手段57は、通常作動チャンバ51の可動部分54´´を固定部分54´に対して押し付けるのに適しており、それによって成形本体56の前部分56´の外側係合表面56´´および環状本体55´´の実質的に円錐台形の内側係合表面55´´´´を接触によってシール係合させる。
【0133】
弾性反作用手段57は、有利には、例えば図8Cに示されるように、作動チャンバ51内の圧力PCが所定の閾値PTを超えると圧縮されるように較正されてよく、それによって前記貫流ポートが閉じられた場合でも管状間隙59内の作用流体の作動チャンバ51の固定部分54´と可動部分54´´との間の貫流を可能にする。管状間隙59は、成形本体56の前部分56´の外側係合表面56´´と環状本体55´´の実質的に円錐台形の内側係合表面55´´´´との間に画定される。
【0134】
換言すれば、作動チャンバ51内の圧力PCが所定の閾値PTを超えると、通常は環状要素55´に対して係合位置にある成形本体56は、軸Yに沿って摺動し、環状要素55´から係合解除されて管状間隙59を画定する。
【0135】
これにより、シャッタDがその開放および/または閉鎖を強制するユーザによってヒンジ解除されないことが可能になる。
【0136】
実際のところ、この場合、作用流体の逆流回路がいずれの場合も限定された貫流を有すると想定すると、作動チャンバ51内の圧力が非常に高くなり、そのためにこれは、シャッタD自体の全体を危険にさらすことになる。
【0137】
反対に、上記に照らして、作動チャンバ51は、実際の過圧解放弁として作用し、それにより、作用流体は逆流回路を通り、管状間隙59を通って逆流することができ、こうしてシャッタDを無傷に維持する。
【0138】
添付の特許請求の範囲の保護の範囲から逸脱することなく、少なくとも1つの固定部分と少なくとも1つの可動部分とを含む限り、作動チャンバ51が様々に構成されてよいことは明らかである。
【0139】
例えば図6に示される好ましいが非排他的な実施形態では、ヒンジ本体10は、たとえばねじおよびナットねじ手段70によって相互に取り外し可能に結合可能であり、このねじおよびナット手段は、シャッタDを固定するのに適した固定アクセサリ71と共に、軸Yに対して実質的に垂直の方向に作用する。
【0140】
固定アクセサリ71は、対応する板状固定要素73と協働してシャッタDを両側から固定するのに適した板状固定要素72´を含むことができ、それによりシャッタDの平面は、ヒンジ本体10および固定アクセサリ71によって形成された単一アセンブリ80の平面と実質的に平行であるか、または一致する。
【0141】
固定アクセサリ71は、たとえば板状固定要素72´と一体に作られたモノリシック連結板72´´を含むこともでき、モノリシック連結板は、板状固定要素72´に対して実質的に垂直であり、板状固定要素72´およびヒンジ本体10を機械的に連結するためにねじおよびナットねじ手段70と共働することができる。
【0142】
一旦連結されると、箱状のヒンジ本体10の上側表面74´は、連結板72´´の下側表面74´´に面し、好ましくはそれと接触することができる。表面74´´および74´は、適切には、実質的に同じ広がりを有することができ、それにより、実質的な構造的連続性の単一アセンブリ80が、箱状のヒンジ本体10と固定アクセサリ71との間に作りだされる。
【0143】
箱状のヒンジ本体10の上側表面74´の対応する反対形状の長手方向シート75´に挿入され得る長手方向付属物75´´は、連結板72´´の下側表面74´´から適切に延びることができる。長手方向付属物75´´および反対形状の長手方向シート75´は、互いにおよび軸Yに対して実質的に平行であり得る。これにより、箱状のヒンジ本体10と固定アクセサリ71との間の相互の中心が揃うように保証することが可能になる。
【0144】
以上のことから、ヒンジ1は、単独で使用されてもよいし、固定アクセサリ71および板状固定要素73と共に使用されてもよい。
【0145】
例えば、ヒンジ1は、例えば図14に示されるように単独で使用されるとき、これが隠れるように二重窓ガラスまたはガラスシャッタの管状フレーム内に挿入され得るように大きさが決められている。加えて、固定アクセサリ71および板状固定要素73を組み合わせて使用される場合、例えば図13Bに示すように、ヒンジは、ガラスシャッタを両側から固定することができる。
【0146】
上記に照らして、本発明によるヒンジが所定の目的を達成することは明らかである。
【0147】
本発明によるヒンジは、添付の特許請求の範囲に概説されている本発明の概念内にすべて含まれる多数の改変形態および変形形態を生み出しやすい。本発明の保護範囲から逸脱することなく、全ての詳細を他の技術的に等価な要素で置き換えることができ、材料は、技術的ニーズに応じて異なり得る。
【0148】
添付の図面を参照してヒンジを説明してきたが、本明細書および特許請求の範囲で利用される参照番号は、本発明の了解度を向上させるためのものであり、したがって特許請求される保護の範囲をいかなる方法でも限定するものではない。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15A
図15B
図16A
図16B