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特許7064497洗面台等の設置及び壁取付けのための構成
<図1>
  • 特許-洗面台等の設置及び壁取付けのための構成 図1
  • 特許-洗面台等の設置及び壁取付けのための構成 図2
  • 特許-洗面台等の設置及び壁取付けのための構成 図3
  • 特許-洗面台等の設置及び壁取付けのための構成 図4
  • 特許-洗面台等の設置及び壁取付けのための構成 図5
  • 特許-洗面台等の設置及び壁取付けのための構成 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】洗面台等の設置及び壁取付けのための構成
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/322 20060101AFI20220427BHJP
   A47K 1/00 20060101ALI20220427BHJP
   A47K 1/04 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
E03C1/322
A47K1/00 B
A47K1/04 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019538723
(86)(22)【出願日】2017-10-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-28
(86)【国際出願番号】 EP2017074957
(87)【国際公開番号】W WO2018065355
(87)【国際公開日】2018-04-12
【審査請求日】2020-08-05
(31)【優先権主張番号】A50895/2016
(32)【優先日】2016-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】519116218
【氏名又は名称】ラートハマー、アンドレ
(73)【特許権者】
【識別番号】519116229
【氏名又は名称】フェヒター、ハラルト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラートハマー、アンドレ
【審査官】中村 百合子
(56)【参考文献】
【文献】西独国特許出願公開第2837710(DE,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02394550(EP,A2)
【文献】米国特許第05257422(US,A)
【文献】特開2008-291456(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0000019(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0005517(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/12- 1/33
A47K 1/00- 1/14
E03D 1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗面台(23)の設置及び壁取付けのための構成であって、前記洗面台(23)の接続部のための埋め込み型ボックス(1)と、壁への前記洗面台(23)の締結のための締結デバイスとが提供され、
前記埋め込み型ボックス(1)が、壁(24)に固定して係止できる取付けレール(4)を備えた耐力後壁(2)を含み、前記後壁が、前記洗面台(23)のための前記締結デバイス(5)を担持し、前記埋め込み型ボックス(1)が、水入口(6、7)及びドレン(30)の前記接続部を備え、前記洗面台(23)が前記壁に取り付けられた場合に、前記埋め込み型ボックス(1)の前側が、前記洗面台(23)の後壁(31)によって完全に覆われ
前記締結デバイスが、ねじボルト(5)から成り、前記ねじボルト(5)が、前記埋め込み型ボックス(1)の前記後壁(2)に、又は前記取付けレール(4)に永続的に接続され、前記ねじボルト(5)が、前記洗面台を取り付ける前に、前記ボックスを通って前記ボックスの前記前側から延在し、且つ前記洗面台を取り付ける前に、前記洗面台が固定される前記壁(24)から突出し、前記ねじボルト(5)が、前記洗面台(23)の取付け穴(25)を通って案内されることができるように設計されていることを特徴とする、構成。
【請求項2】
止め栓(13、14)を含む前記水入口(6、7)、及び水フィッティング(29)の接続フィッティング(15、16)が、全体が前記埋め込み型ボックス(1)内に組み込まれ、前記水フィッティング(29)が、1つ又は複数の可撓性ホースを介して接続できることを特徴とする、請求項1に記載の構成。
【請求項3】
水管(30)サイホン・ヘッド(9)が、閉塞可能なそのアクセス開口部(10)と共に前記埋め込み型ボックス(1)の内側に配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の構成。
【請求項4】
前記排水管(30)が、埋め込み型サイホン(8)であることを特徴とする、請求項3に記載の構成。
【請求項5】
前記サイホン・ヘッド(9)が、前記洗面台(23)内に配置された出口管(32)を受け入れるための自己封止式の挿入スリーブ(19)を備えることを特徴とする、請求項3又は4に記載の構成。
【請求項6】
前記洗面台(23)が、外側からアクセス可能な、前記取付け穴(25)に直接隣接する少なくとも1つの凹部(26)を備えることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項に記載の構成。
【請求項7】
前記洗面台(23)が、外側からアクセス可能な、前記取付け穴(25)に直接隣接する2つの凹部(26)を備えることを特徴とする、請求項6に記載の構成。
【請求項8】
前記取付けレール(4)が、前記壁(24)に固定して接続できることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一項に記載の構成。
【請求項9】
垂直の壁支持体(20)を含む軽量壁への接続のために、前記取付けレール(4)が、その端部が両側で前記壁支持体(20)内又は前記壁支持体(20)上に締結できるように設計されることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか一項に記載の構成。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面台の接続部のための埋め込み型ボックス(flush-mounted box)と、壁の洗面台の締結のための締結デバイスとが提供される、洗面台等の設置及び壁取付けのための構成に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の構成は、洗面台又は類似のデバイスをできるだけ容易に速やかに且つ費用効率良く壁に取り付けることと、水の入口及び出口のために必要な接続部を提供することとに役立つ。今日までに知られている洗面台は、それらの取付けが比較的複雑であり、また接続タップ、入口及び出口のホース、サイホン、等のような洗面台の下に配置されるフィッティングが目に見え易く、したがって視覚的に美しくないという欠点を有する。
【0003】
壁接続部及び出口のサイホンのために、別体のカバー又は洗面台に接続されたカバーが提供されることが知られている。これらのカバーは、特別に設計された洗面ユニット又は凸状の部分を洗面台の下部に必要とし、それにより、洗面台は非常にかさ張り且つ重くなる。洗面台の取付けは一連の多数のステップから成り、面倒である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上述の欠点を伴わない洗面台を提供することである。具体的には、目的は、追加のカバー要素を伴わずに洗面台の接続部を隠すことである。これは、水入口接続部だけではなくドレンにも関係する。目的はまた、他の方法では取付けに必要とされる、延長ホース、別体のサイホン、等の追加の材料の使用を回避することである。別の目的は、洗面台の下の洗面ユニットの存在を接続部によって妨げないことである。更なる目的は、身体障害者に利便性を提供すること、及び意図的な破壊をより難しくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の基本的な考え方は、接続部が洗面台によって覆われることである。本発明は、具体的には、埋め込み型ボックスが、壁に固定して係止できる取付けレールを備えた耐力後壁を含み、後壁が、洗面台の締結デバイスを担持し、埋め込み型ボックスが水入口及びドレンの接続部を備え、埋め込み型ボックスの前側が、洗面台が壁に締結されると洗面台の後壁によって完全に覆われることを特徴とする。
【0006】
締結デバイスは、ねじボルトから成ることが好ましく、このねじボルトは、埋め込み型ボックスの後壁に又は取付けレールに固定して接続され、また、ねじボルトは、壁から突出し且つ洗面台の取付け穴と面一で設けられる。
【0007】
更に、止め栓を含む水接続部、及び水フィッティング(water fitting)のための接続フィッティングは、全体が埋め込み型ボックス内に組み込まれることが好ましく、また、水フィッティングは、1つ又は複数の可撓性ホースを介して接続できる。
【0008】
排水管は、埋め込み型サイホンであることが好ましく、この埋め込み型サイホンのサイホン・ヘッドは、その閉塞可能なアクセス開口部と共に埋め込み型ボックスの内側に配置される。
【0009】
サイホン・ヘッドは、洗面台内に配置された出口管を受け入れるための自己封止式の挿入スリーブを備え得る。
【0010】
本発明の他の特徴に加えて、洗面台は、外側からアクセス可能であり且つ取付け穴に直接隣接する、少なくとも1つ、好ましくは2つの凹部を備える。取付けレールは、壁に固定して接続可能であってもよく、また、垂直な壁支持体を含む軽量壁への接続のために、その端部が両側において壁支持体に締結されるか又は壁支持体に対して調整できるように設計されてもよい。
【0011】
本発明による構造の特別な利点は、それが迅速に取り付けられ得ることである。これは、例えば大型の住居又はホテルの複合体において同じ洗面台が複数取り付けられなければならない場合に、特に有利である。本発明による洗面台の迅速な取付けにより、大幅な費用節減が可能である。取付けに穿孔は必要とされず、そのため、管路に穴を開ける危険性が回避される。取付けは作業者によって行われ得る。
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】壁に組み込まれるか又は壁に組み込まれ得る構成の正面図である。
図2】軽量壁の支持体間の同一の構成の図である。
図3】組み込まれた状態における、図2のIII-IIIによる断面図である。
図4】洗面台がまだ所定の位置にない、図1の線B-Bによる断面図である。
図5】洗面台が所定の位置にあって取り付けられている、図1の線A-Aによる断面図である。
図6】洗面台が取り付けられており、入口及び出口の管が可視とされている、構成の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、壁に接続されるか又は壁に固定して接続される、本発明の設置部を示す。埋め込み型ボックス1は耐力後壁2を備え、また好ましくは、自由な空間を画定するために、上部、下部、及び2つの側部の側壁3によって囲まれる。取付けレール4が、後壁2の背面に固定される。取付けレール4は両側が後壁2を越えて突出し、また、取付けレール4は、取付けレール4に固定して接続される締結ボルト5を担持する。後壁2には、水接続部6、7が配置され、また、埋め込み型サイホン8が設けられ、埋め込み型サイホン8のサイホン・ヘッド9は、アクセスすることができる位置で埋め込み型ボックス1の空洞内に突出する。時々必要になるサイホン8の洗浄のために、サイホン8のアクセス開口部10もまた、埋め込み型ボックス1の内側に配置される。ねじ33がサイホン8を後壁2に接続する。
【0015】
図1は、埋め込み型ボックス1がその取付けレール4及びサイホン8の下方部分と一緒に壁に組み込まれる、又は軽量壁の場合にはカバー・パネル22により前面に向かって側面に沿って覆われることを意図的に示している。全ての場合において、埋め込み型ボックス1の前面開口部は、設置中は開かれたままとされる。
【0016】
水入口管11、12は導水管であり、水栓13、14が開かれると、それらの入口管から図1には示されていない水フィッティングに水が供給される。接続フィッティングには参照番号15、16が付されている。部分的に、水入口管は、破線によってのみ示されている。
【0017】
図4は、埋め込み型ボックス1が中実の壁内に設置されている、図1の線B-Bによる断面図を示す。図4は、水入口管11、12が壁の内側から水栓13、14を含む水接続部6、7まで案内されていることを、はっきりと示す。更に、固定デバイスがねじボルト5として壁から出て前方に突出していることが分かり、ここで、ねじボルト5の長さは、関連する洗面台23がボルトから外れることなしに壁からどの程度遠くに引っ張られ得るかに依存する。
【0018】
更に、サイホン8は、その下方部分が壁に組み込まれ且つ排出管18に接続され、サイホン・ヘッド9は、埋め込み型ボックス1の内側空間内へと上方に突出することが分かる。サイホン8は、アクセス開口部10を通じて、必要であれば維持及び洗浄され得る。挿入スリーブ19は、洗面台23に接続された出口管32を封止して受け入れるのに役立つ。
【0019】
図2及び3は、軽量壁の場合における設置状況を示し、ここで、取付けレール4は、その外側端部において、垂直に配置された締結輪郭部(fastening profile)20に接続されている。締結輪郭部20は、軽量壁の一部分である垂直な壁支持体34への確実な固定に役立つ。入口及び出口の管、並びに取付けレール4を含む締結輪郭部は、石膏パネル等であり得るカバー・パネル21、22により外側に向かって覆われるが、埋め込み型ボックス1の前面開口部は開いたままである。
【0020】
図5及び6は、組み立てられた状態における本発明による構成を示し、ここでは、洗面台23もまた完全に接続及び取付けされている。
【0021】
図5は、洗面台23を壁24に固定するための構成を示し、洗面台23は、取付け穴25、及び取付け穴25に直接隣接した凹部26を備える。洗面台23の水受け部分には参照番号27が付けられている。洗面台23は、ねじボルト5のそれぞれに対して凹部26が設けられるように対称に作られることが好ましく、これは、ねじナットに下方からアクセスして作動させることを有利にする。
【0022】
洗面台23は、その取付け穴25を締結ボルト5に重ねながら洗面台23を壁に対して滑らせて、ねじナットを締結することにより洗面台23を位置決めすることにより、容易に締結される。洗面台23は、ねじナットを取り、洗面台23を滑らせて締結ボルト5から外すことにより、容易に撤去することができる。
【0023】
図6は、水及び廃水の接続部の領域における構成を示す。給水は、接続フィッティング15、16から水フィッティング29におけるそれぞれのポートまで延在する可撓性ホース28によって実現される。手洗器23に出口管32が設けられ、この出口管32は、洗面台23が壁に対してねじボルト5の上で摺動されるときに、堅い挿入部を持つ可撓性ホースを介して、摺動する態様で挿入スリーブ19内に封止挿入できる。
【0024】
本発明の範囲は、図に示された実施例の追加又は変形の余地を残す。例えば、壁への固着性を高めるための爪又はアンカを後壁2及び/又は取付けレール4に設けることが、有利であり得る。ねじボルト5の代わりに、ねじナット又は締結要素が締結できるねじ付きバー又はバーが提供されてもよい。耐力後壁2及び取付けレール4は、洗面台23を支持することが可能であるように、十分に安定していなければならない。側壁3は、壁内への設置中に埋め込み型ボックス1の内側空間を画定することがそれらの唯一の目的であるので、プラスチック又は薄板で作られていてもよい。
【0025】
水接続部6、7はまた、例えば上方からの給水を促進するために、180°回転して取り付けられてもよい。壁支持体34上で締結が行われる場合、取付けレール4は、壁支持体34に溶接又はねじ留めされることが好ましい。
【0026】
水受け部分27と出口管32との間の出口フィッティング等の本発明に必須ではない部品は、示されていない。
【符号の説明】
【0027】
1 埋め込み型ボックス
2 後壁
3 側壁
4 取付けレール
5 締結ボルト
6 水入口
7 水入口
8 埋め込み型サイホン
9 サイホン・ヘッド
10 アクセス開口部
11 水入口管
12 水入口管
13 水栓
14 水栓
15 接続フィッティング
16 接続フィッティング
18 排出管
19 挿入スリーブ
20 締結輪郭部
21 カバー・パネル
22 カバー・パネル
23 洗面台
24 壁
25 取付け穴
26 凹部
27 水受け部分
28 可撓性ホース
29 水フィッティング
30 排水管
31 後壁
32 出口管
33 ねじ
34 壁支持体
図1
図2
図3
図4
図5
図6