(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】無菌流体流路を備える薬物送達デバイスおよび関連する組立方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/145 20060101AFI20220427BHJP
A61M 5/142 20060101ALI20220427BHJP
A61M 39/18 20060101ALI20220427BHJP
A61M 39/04 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
A61M5/145 500
A61M5/142 522
A61M39/18
A61M39/04
(21)【出願番号】P 2019542484
(86)(22)【出願日】2018-01-17
(86)【国際出願番号】 US2018014014
(87)【国際公開番号】W WO2018151890
(87)【国際公開日】2018-08-23
【審査請求日】2021-01-15
(32)【優先日】2017-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダメスタニ,ヤサマン
(72)【発明者】
【氏名】リング,ローレンス・エス
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特表平09-502116(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0200073(US,A1)
【文献】特表2014-503298(JP,A)
【文献】特表2002-514941(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00 - 5/52
A61M 39/00 - 39/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスであって、
内部空間を画定するハウジングと、
前記内部空間内に配置され、かつ薬物およびストッパを収容するリザーバを含む容器であって、前記ストッパが、前記薬物送達デバイスの動作中に前記リザーバから前記薬物を排出するように、前記リザーバを通して前記リザーバの基端部から前記リザーバの先端部に向かって移動可能である、容器と、
前記リザーバの前記先端部において前記容器に接続された第1シール部材と、
前記薬物送達デバイスの動作前に、前記第1シール部材の外面を覆って前記第1シール部材の前記外面の無菌状態を維持する第1除去可能膜と、
前記薬物送達デバイスの動作中に前記リザーバとの流体連通を確立するように構成され、第1端部、第2端部、および前記第1端部と前記第2端部との間に延在する流体通路を有する流体経路アセンブリと、
前記流体経路アセンブリの前記第1端部に接続された第2シール部材と、
前記薬物送達デバイスの動作前に、前記第2シール部材の外面を覆って前記第2シール部材の前記外面の無菌状態を維持する第2除去可能膜と、
を備える薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記第1除去可能膜および前記第2除去可能膜が、前記薬物送達デバイスの動作前に互いに直接隣接するかまたは直接接触して位置決めされている、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
前記第1除去可能膜が、前記第1除去可能膜が前記第1シール部材から引き離されるときに前記第1除去可能膜が広がるのを可能にする第1折畳み形態を有し、前記第2除去可能膜が、前記第2除去可能膜が前記第2シール部材から引き離されるときに前記第2除去可能膜が広がるのを可能にする第2折畳み形態を有する、請求項1または2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記流体経路アセンブリに対して固定されかつ第1端部および第2端部を有する容器アクセス針を備え、前記第2端部が前記流体経路アセンブリの前記流体通路と流体連通している、請求項1~3のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記第2シール部材が、変形可能な隔膜を含み、前記変形可能な隔膜が、前記容器アクセス針の前記第1端部が前記変形可能な隔膜内に配置される初期形態と、前記容器アクセス針の前記第1端部が、前記変形可能な隔膜から外向きに延在して、前記第1シール部材を穿孔し、それにより、前記リザーバと前記流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立する、圧縮形態とを有する、請求項4に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
前記変形可能な隔膜が、少なくとも部分的に第1材料から構成され、前記容器アクセス針の前記第1端部の尖端が、前記初期形態では前記第1材料内に埋め込まれている、請求項5に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
前記容器アクセス針の前記第2端部が、第2材料から作製された取付部材を介して前記流体経路アセンブリに堅く接続されており、前記第2材料が前記第1材料より剛性が高い、請求項6に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
前記変形可能隔膜が、無菌内部チャンバを画定する波形スリーブを含み、前記容器アクセス針の前記第1端部が、前記初期形態では前記無菌内部チャンバ内に配置されている、請求項5に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
前記第2シール部材が無菌内部チャンバを画定する剛性スリーブを含み、前記容器アクセス針の前記第1端部が、前記無菌内部チャンバ内に配置されている、請求項4に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
前記第1シール部材または前記第2シール部材が、前記第1シール部材が前記剛性スリーブの外部にある初期位置と、前記第1シール部材が、少なくとも部分的に前記剛性スリーブ内に配置され、前記容器アクセス針の前記第1端部の尖端により穿孔されて、前記リザーバと前記流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立する、作動位置との間で、前記ハウジングに対して移動可能である、請求項9に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
前記容器に対して固定され、かつ第1端部および第2端部を有する容器針を備え、前記第1端部が前記リザーバと流体連通しており、前記第1シール部材が、無菌内部チャンバを画定する剛性スリーブを含み、前記容器針の前記第2端部が、前記無菌内部チャンバ内に配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項12】
前記第1シール部材または前記第2シール部材が、前記第2シール部材が前記剛性スリーブの外部にある初期位置と、前記第2シール部材が少なくとも部分的に前記剛性スリーブ内に配置され、前記容器針の前記第2端部の尖端によって穿孔されて、前記リザーバと前記流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立する、作動位置との間で、前記ハウジングに対して移動可能である、請求項11に記載の薬物送達デバイス。
【請求項13】
前記第1シール部材の前記外面が、前記第1除去可能膜および前記第2除去可能膜がそれぞれ前記第1シール部材および前記第2シール部材から除去された後に前記第2シール膜の前記外面と接触する、請求項1~12のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項14】
前記膜除去部材が、前記ハウジングの外面を覆う接着剤ライナを含み、前記接着剤ライナが、使用者により前記ハウジングから引き離されて、前記ハウジングの前記外面に配置された皮膚接着剤を露出させる、請求項13に記載の薬物送達デバイス。
【請求項15】
薬物送達デバイス用の装置であって、
シリンジであって、
薬物を収容するリザーバと、
前記リザーバと流体連通する第1端部、および前記リザーバから外向きに延在する第2端部を有する針と、
前記薬物送達デバイスの動作中、前記リザーバから前記針を介して前記薬物を排出するように、前記リザーバを通して前記リザーバの基端部から前記リザーバの先端部に向かって移動可能なストッパと、
を含むシリンジと、
前記リザーバの前記先端部において前記シリンジに接続されたシール部材と、
前記薬物送達デバイスの動作前に、前記シール部材の外面を覆って前記シール部材の前記外面の無菌状態を維持する除去可能膜と、
を備える装置。
【請求項16】
薬物送達デバイス用の装置であって、
流体経路アセンブリであって、
第1端部と、
前記薬物送達デバイスの内部要素に接続可能な第2端部と、
前記第1端部と前記第2端部との間に延在する流体通路と、
前記流体経路アセンブリの前記第1端部に接続された
第1シール部材と、
を備える流体経路アセンブリと、
前記流体経路アセンブリに対して固定され、かつ第1端部および第2端部を有する容器アクセス針であって、前記第2端部が前記流体通路と流体連通している、容器アクセス針と、
薬物を収容するあるいは収容するように構成された容器と、
前記容器に接続された第2シール部材と、
前記薬物送達デバイスの動作前に、前記
第2シール部材の外面を覆って前記
第2シール部材の前記外面の無菌状態を維持する除去可能膜と、
を備える装置。
【請求項17】
前記除去可能膜が、前記除去可能膜が前記
第2シール部材から引き離されるときに前記除去可能膜が広がるのを可能にする折畳み形態を有する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第1シール部材および前記第2シール部材の少なくとも一方が変形可能な隔膜を含み、前記変形可能な隔膜が、前記容器アクセス針の前記第1端部が前記変形可能な隔膜内に配置される初期形態と、前記容器アクセス針の前記第1端部が、前記変形可能な隔膜から外向きに延在する圧縮形態とを有する、請求項16または17に記載の装置。
【請求項19】
前記第1シール部材および前記第2シール部材の少なくとも一方が無菌内部チャンバを画定する剛性スリーブを含み、前記容器アクセス針の前記第1端部が、前記無菌内部チャンバ内に配置されている、請求項16または17に記載の装置。
【請求項20】
薬物送達デバイスを組み立てる方法であって、
第1ハウジング部分および第2ハウジング部分を提供することと、
前記第1ハウジング部分または前記第2ハウジング部分に第1事前組立装置を接続することであって、前記第1事前組立装置が、
薬物およびストッパを収容するリザーバを有する容器であって、前記ストッパが、前記薬物送達デバイスの動作中に前記リザーバから前記薬物を排出するように、前記リザーバを通して前記リザーバの基端部から前記リザーバの先端部に向かって移動可能である、容器と、
前記リザーバの前記先端部において前記容器に接続された第1シール部材と、
前記薬物送達デバイスの動作前に、前記第1シール部材の外面を覆って前記第1シール部材の前記外面の無菌状態を維持する第1除去可能膜と、
を含む、ことと、
非無菌または非無菌的環境下で前記第1ハウジング部分または前記第2ハウジング部分に第2事前組立装置を接続することであって、前記第2事前組立装置が、
第1端部、第2端部、および前記第1端部と前記第2端部との間に延在する流体通路を有する流体経路アセンブリと、
前記流体経路アセンブリの前記第1端部に接続された第2シール部材と、
前記薬物送達デバイスの動作前に、前記第2シール部材の外面を覆って前記第2シール部材の前記外面の無菌状態を維持する第2除去可能膜と、
を含む、ことと、
を含む方法。
【請求項21】
前記第2事前組立装置が、前記第1ハウジング部分または前記第2ハウジング部分に前記第1事前組立装置を接続する前に、前記第1ハウジング部分または前記第2ハウジング部分に接続される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1ハウジング部分または前記第2ハウジング部分に前記第2事前組立装置を接続した後に、かつ前記第1ハウジング部分または前記第2ハウジング部分に前記第1事前組立装置を接続する前に、前記第2事前組立装置に滅菌を施すことを含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2017年2月17日に出願された米国仮特許出願第62/460,559号明細書の優先権の利益を主張し、その内容全体が、参照により本明細書に明示的に援用される。
【0002】
本開示は、概して、薬物送達デバイスに関し、より詳細には、薬物が患者に送達されている間に患者が装着することができる薬物送達デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
さまざまな薬物の非経口送達、すなわち、消化路を通す以外の方法による送達は、多くの理由で薬物送達の望ましい方法となった。患者の消化系を迂回することにより、消化管および肝臓における触媒酵素によって引き起こされる有効成分の劣化を回避し、所望の濃度の必要な量の薬物が標的部位に到達するのを確実にすることができる。さらに、通常液体形態で注入される生物製剤を必要とする治療の発展により、非経口送達がより主流となってきた。
【0004】
従来、非経口送達には、手動シリンジおよび注射ペンが使用されてきた。これらのデバイスは、通常、薬物の注入中に患者または介護者の手で保持しなければならない。いくつかの薬物は、投薬量が多くかつ/または粘度が高いため、かなりの期間にわたる送達が必要である。こうした薬物に対して注入時間を短縮するために流量を増大させることが可能であるが、高流量により、患者に対して痛みまたは不快感がもたらされる可能性がある。さらに、いくつかの薬物の効力は、数分間または数時間にわたる連続送達、または、化学療法治療等のある特定の事象に続く遅延送達によって決まる。15秒間を超えて続く手動シリンジまたは注射ペンを用いる注入を行うことは、一部には、こうしたデバイスは痛みを引き起こすのを回避するために患者の皮膚に対して安定して保持しなければならないため、通常、実際的ではない。また、手動シリンジまたは注射ペンの使用では、注入の過程にわたって患者が不動であることが必要であり、それは、特に、数分間または数時間にわたって注入を行わなければならない場合、患者の生活様式に不利益な影響を与える可能性がある。
【0005】
患者の皮膚または衣類に装着することができる装着型注射器(on-body injector)および携帯型輸液ポンプにより、長時間注入が実現可能となる。これらの装着型薬物送達デバイスは、患者または介護者が、患者の身体に配置され起動された後のデバイスとインタラクトする必要がない可能性があるため、好まれるようになった。患者によっては、これにより、手動で針を挿入するかまたはシリンジプランジャを押下することに関連する恐怖が取り除かれる。
【0006】
装着型薬物送達デバイスは、通常、患者の動きに対する障害物とならないように、平面または薄型形状を有する。この形状を達成するために、デバイス内の薬物容器は、デバイスが患者によって装着されるときにその長手方向軸が患者の皮膚に対して実質的に平行であるように配置される可能性がある。その結果、送達針またはカニューレは、自己注射器または注射ペンにおけるように、薬物容器と軸方向に位置合せされない可能性がある。したがって、送達針またはカニューレを薬物容器に流体接続するために、流体経路アセンブリが含められる場合がある。
【0007】
薬物送達中に、流体経路アセンブリと薬物容器との間に、無菌流体流路を確立しなければならない。こうであることを確実にすることは、デバイスの組立に影響を与える可能性がある。たとえば、薬物容器は、1つの組立環境において無菌条件下で充填され封止される可能性があり、流体経路アセンブリは、別の組立環境において無菌条件下で構成され包装される可能性がある。その後、薬物容器および流体経路アセンブリは、別の組立環境において薬物送達デバイスの他の構成要素と合わせて組み立てられる可能性がある。コストを削減するために、最終的な組立環境は、非無菌(non-sterile)または非無菌的(non-aseptic)条件下で運用される可能性がある。したがって、最終的な組立環境における微生物または他の汚染物質が、薬物容器および/または流体経路アセンブリの外部接続面を汚染するリスクがある。この汚染により、薬物容器と流体経路アセンブリとの間に確立されるべき流体流路の無菌状態が損なわれる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
装着型薬物送達デバイスによっては、使用の時点で、患者または介護者が、薬物カートリッジをデバイスのハウジング内に挿入し、薬物カートリッジを流体経路アセンブリに流体接続することが必要である。これにより、患者または介護者に、薬物カートリッジおよび/または流体経路アセンブリの外部接続面を清掃し、したがっていかなる有害な微生物も除去する機会が与えられる。しかしながら、こうしたデバイスには、使用の時点でデバイスを準備する時間が長くなり困難さが増すとともに、薬物が偶発的にこぼれる可能性が増大するという不都合がある。さらに、介護者および/または患者は、薬物カートリッジを適切に設置することを確実にするために訓練が必要である可能性がある。したがって、少なくとも場合により、薬物送達デバイスは、薬物が事前充填され事前装填されることが好ましい。しかしながら、これにより、使用の時点で薬物容器および/または流体経路アセンブリの外部接続面を清掃する機会が排除される可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、既存の薬物送達デバイスおよび組立方法に対する有利な代替案を具体化する薬物送達デバイスおよび関連する組立方法を示し、本開示は、上述した難題または必要のうちの1つまたは複数に対処するとともに、他の利益および利点を提供することができる。
【0010】
本開示の一態様は、薬物送達デバイスであって、内部空間を画定するハウジングと、内部空間内に配置された容器と、第1シール部材と、第1除去可能膜と、流体経路アセンブリと、第2シール部材と、第2除去可能膜とを含む薬物送達デバイスを提供する。容器は、薬物およびストッパを収容するリザーバを含むことができる。ストッパは、薬物送達デバイスの動作中にリザーバから薬物を排出するように、リザーバを通してリザーバの基端部からリザーバの先端部に向かって移動可能であり得る。第1シール部材は、リザーバの先端部において容器に接続することができる。第1除去可能膜は、薬物送達デバイスの動作前に、第1シール部材の外面を覆って第1シール部材の外面の無菌状態を維持することができる。流体経路アセンブリは、薬物送達デバイスの動作中にリザーバとの流体連通を確立するように構成され、第1端部、第2端部、および第1端部と第2端部との間に延在する流体通路を有することができる。第2シール部材は、流体経路アセンブリの第1端部に接続することができる。第2除去可能膜は、薬物送達デバイスの動作前に、第2シール部材の外面を覆って第2シール部材の外面の無菌状態を維持することができる。
【0011】
本開示の別の態様は、薬物送達デバイス用の装置を提供する。本装置は、シリンジと、シール部材と、除去可能膜とを含むことができる。シリンジは、薬物を収容するリザーバと、リザーバと流体連通する第1端部、およびリザーバから外向きに延在する第2端部を有する針と、薬物送達デバイスの動作中、リザーバから針を介して薬物を排出するように、リザーバを通してリザーバの基端部からリザーバの先端部に向かって移動可能なストッパとを含むことができる。シール部材は、リザーバの先端部においてシリンジに接続することができる。除去可能膜は、薬物送達デバイスの動作前に、シール部材の外面を覆ってシール部材の外面の無菌状態を維持することができる。
【0012】
本開示のさらに別の態様は、薬物送達デバイス用の装置を提供する。本装置は、流体経路アセンブリと、流体経路アセンブリに対して固定された容器アクセス針と、除去可能膜とを含むことができる。流体経路アセンブリは、第1端部と、薬物送達デバイスの内部要素に接続可能な第2端部と、第1端部と第2端部との間に延在する流体通路と、流体経路アセンブリの第1端部に接続されたシール部材とを含むことができる。容器アクセス針は、第1端部および第2端部を有し、第2端部は流体通路と流体連通している。除去可能膜は、薬物送達デバイスの動作前に、シール部材の外面を覆ってシール部材の外面の無菌状態を維持することができる。
【0013】
本開示のさらなる態様は、薬物送達デバイスを組み立てる方法を提供する。本方法は、(a)第1ハウジング部分および第2ハウジング部分を提供することと、(b)第1ハウジング部分または第2ハウジング部分に第1事前組立装置を接続することであって、第1事前組立装置が、薬物およびストッパを収容するリザーバを有する容器であって、ストッパが、薬物送達デバイスの動作中にリザーバから薬物を排出するように、リザーバを通してリザーバの基端部からリザーバの先端部に向かって移動可能である、容器と、リザーバの先端部において容器に接続された第1シール部材と、薬物送達デバイスの動作前に、第1シール部材の外面を覆って第1シール部材の外面の無菌状態を維持する第1除去可能膜とを含む、ことと、(c)非無菌または非無菌的環境下で第1ハウジング部分または第2ハウジング部分に第2事前組立装置を接続することであって、第2事前組立装置が、第1端部、第2端部、および第1端部と第2端部との間に延在する流体通路を有する流体経路アセンブリと、流体経路アセンブリの第1端部に接続された第2シール部材と、薬物送達デバイスの動作前に、第2シール部材の外面を覆って第2シール部材の外面の無菌状態を維持する第2除去可能膜とを含む、こととを含むことができる。
【0014】
本開示は、添付図面とともに以下の説明からより完全に理解されると考えられる。図面のうちのいくつかは、他の要素をより明確に示す目的で、選択された要素の省略によって簡略化されている場合がある。いくつかの図面におけるこうした要素の省略は、対応する文書による説明において明示的に描写されている場合を除き、例示的な実施形態のうちの任意のものにおける特定の要素の存在または不在を必ずしも示すものではない。また、図面のいずれも正確な縮尺ではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の原理による薬物送達デバイスの実施形態の概略断面図を示す。
【
図2A】本開示の一実施形態による、容器と流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立することに関与する一連のステップの概略断面図を示す。
【
図2B】本開示の一実施形態による、容器と流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立することに関与する一連のステップの概略断面図を示す。
【
図2C】本開示の一実施形態による、容器と流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立することに関与する一連のステップの概略断面図を示す。
【
図3A】本開示の別の実施形態による、容器と流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立することに関与する一連のステップの概略断面図を示す。
【
図3B】本開示の別の実施形態による、容器と流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立することに関与する一連のステップの概略断面図を示す。
【
図3C】本開示の別の実施形態による、容器と流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立することに関与する一連のステップの概略断面図を示す。
【
図4A】本開示の別の実施形態による、容器と流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立することに関与する一連のステップの概略断面図を示す。
【
図4B】本開示の別の実施形態による、容器と流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立することに関与する一連のステップの概略断面図を示す。
【
図4C】本開示の別の実施形態による、容器と流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立することに関与する一連のステップの概略断面図を示す。
【
図5A】本開示の別の実施形態による、容器と流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立することに関与する一連のステップの概略断面図を示す。
【
図5B】本開示の別の実施形態による、容器と流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立することに関与する一連のステップの概略断面図を示す。
【
図5C】本開示の別の実施形態による、容器と流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立することに関与する一連のステップの概略断面図を示す。
【
図6A】本開示の別の実施形態による、容器と流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立することに関与する一連のステップの概略断面図を示す。
【
図6B】本開示の別の実施形態による、容器と流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立することに関与する一連のステップの概略断面図を示す。
【
図6C】本開示の別の実施形態による、容器と流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立することに関与する一連のステップの概略断面図を示す。
【
図7A】本開示の別の実施形態による、容器と流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立することに関与する一連のステップの概略断面図を示す。
【
図7B】本開示の別の実施形態による、容器と流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立することに関与する一連のステップの概略断面図を示す。
【
図7C】本開示の別の実施形態による、容器と流体経路アセンブリとの間に流体連通を確立することに関与する一連のステップの概略断面図を示す。
【
図8】本開示による膜除去部材の一実施形態の概略側面図を示す。
【
図9】本開示による膜除去部材の別の実施形態の概略断面図を示す。
【
図10A】本開示による弾性拡張膜の実施形態の概略断面図を示す。
【
図10B】本開示による弾性拡張膜の実施形態の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
概して、本開示は、薬物送達デバイスの内部流体流路の無菌状態を確立しかつ維持することに関する。薬物送達デバイスは、薬物容器と流体経路アセンブリとを含み、流体経路アセンブリは、デバイスの動作中に、薬物容器のリザーバと薬物送達デバイスの他の構成要素またはアセンブリとの間に流体連通を提供する。動作の前に、除去可能膜が、薬物容器および流体経路アセンブリの外部接続面を覆うことができ、それらを通して、後に、無菌流体流路が確立される。除去可能膜は、これらの面の汚染を有利に阻止または防止する。デバイスの動作の直前にまたは動作中に、薬物容器および流体経路アセンブリから、除去可能膜を取り外すことができる。その後、薬物容器と流体経路アセンブリとの間に、無菌流体流路を確立することができる。いくつかの実施形態では、除去可能膜は、それらの除去を容易にするために、各々、折畳み形態を有することができ、それにより、除去可能膜は、薬物容器または流体経路アセンブリから引き離されるときに広がる(unroll)ことができる。
【0017】
本開示の除去可能膜は、そのように構成されることにより、薬物容器および流体経路アセンブリが薬物送達デバイスの残りの部分に取り付けられる組立環境に対する清浄度要件を有利に低減させる。これは、除去可能膜が、組立環境に存在する可能性がある微生物および他の汚染物質から薬物容器および流体経路アセンブリの外部接続面を保護するためである。したがって、組立環境を無菌または無菌的クリーンルームとして運用することを不要にすることができる。これにより、コストおよび/または時間が節約されることになり、使用者(たとえば、患者または介護者)の代わりに組立をほとんどまたは全く必要としない事前充填および/または事前装填デバイスとしての薬物送達デバイスの構成を容易にすることができる。
【0018】
ここで、薬物送達デバイスの上述した構成要素の各々とこうしたデバイスを組み立てる方法とについて、より詳細に説明する。
【0019】
図1は、本開示による薬物送達デバイス10の一実施形態を示す。
図1に示すように、薬物送達デバイス10は、患者に薬物を皮下送達するように動作させることができる。図示する実施形態では、薬物送達デバイス10は、患者の組織11(たとえば、患者の皮膚)に解除可能に取り付けられる、装着型注射器または携帯型輸液ポンプ等、装着型薬物送達デバイスとして構成される。他の実施形態(図示せず)では、薬物送達デバイス10は、注射の過程にわたり患者の組織11に対して一時的に保持される、自己注射器または注射ペンとして構成することができる。薬物送達デバイス10は、制御されたまたは選択された期間にわたり、一定のまたは患者/操作者設定可能な用量の薬物を自動的に送達するように構成することができる。さらに、薬物送達デバイス10は、患者による自己投与に対して意図される場合があり、または、正式に訓練された医療専門家または他の介護者により注入薬を投与するように操作される場合がある。
【0020】
概して、薬物送達デバイス10は、挿入機構12、容器14、流体経路アセンブリ22、駆動機構24およびコントローラ26を含むことができ、それらの各々は、主ハウジング29の内部空間内に配置することができる。アクチュエータ28(たとえば、押下可能なボタン)が、ハウジング29の外面を通して突出することができ、機械的かつ/または電気的手段(
図1において点線で示す)を介して、挿入機構12、流体経路アセンブリ22、駆動機構24、コントローラ26ならびに/または他の機構および/もしくは電子機器を作動させることにより、薬物送達デバイス10の動作を始動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータ28を押下することにより、コントローラ26の動作のみを始動することができ、コントローラ26が、さらに、挿入機構12、駆動機構24および/または流体経路アセンブリ22の動作を制御するようにプログラム可能な命令を実行することができる。こうした実施形態では、コントローラ26は、プロセッサ(たとえば、マイクロプロセッサ)と、プロセッサによって実行されるプログラム可能な命令を格納する非一時的メモリとを含むことができる。
【0021】
さらに
図1を参照すると、ハウジング29は、患者の組織11に解除可能に取り付けられる(たとえば、接着剤で接着される)ように構成された底壁25と、1つまたは複数の視覚インジケータ42(たとえば、照明、グラフィカルディスプレイ等)および/または容器14を観察するための窓(図示せず)を含む上壁27とを含むことができる。1つまたは複数の視覚インジケータ42は、薬物送達デバイス10の動作状態および/または薬物32の状態に関する情報を使用者に通知するために使用することができる。底壁25に開口部31を形成することができ、任意選択的に、使用の前にハウジング29の内部を封止するために、開口部31にわたって隔壁33(たとえば、穿孔可能な無菌バリア)が延在することができる。いくつかの実施形態では、隔壁33を省略することができ、代わりに、除去可能封止部材(図示せず)が、開口部31を覆い、密閉することができる。
【0022】
ハウジング29の底壁25が患者の組織11に取り付けられた後、
図1に示すように、挿入機構12を作動させて、トロカール21とトロカール21を包囲する中空カニューレ23とを、隔壁33を通って患者の組織11内に挿入することができる。その直後、挿入機構12は、トロカール21を自動的に後退させて、薬物32の皮下送達のために患者の体内にカニューレ23の開放先端部を残す。トロカール21は、中実であり、患者の皮膚11を突き刺す鋭利な端部を有することができる。さらに、トロカール21は、カニューレ23より剛性の高い材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、トロカール21は、金属から作製することができ、カニューレ23は、プラスチックまたは別のポリマーから作製することができる。カニューレ23は、その相対的な可撓性により、患者に痛みまたは著しい不快感をもたらすことなくある期間、患者の組織11内で皮下に配置することができる。他の実施形態(図示せず)では、トロカール21およびカニューレ23を省略することができ、代わりに、挿入機構12は、薬物32の皮下送達のために患者の体内に剛性の中空針のみを挿入することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、挿入機構12は、1つまたは複数のばね(たとえば、コイルばね、ねじりばね等)を含むことができ、それらは、最初は付勢された状態で保持され、トロカール21およびカニューレ23または中空針を患者の体内に挿入するために、アクチュエータ28が押下されると、解放される。さらに、トロカール21の後退は、トロカール21およびカニューレ23が患者の体内に挿入された後に、別のばねの自動解放によって達成することができる。たとえば、電動モータ、液圧もしくは空気圧ポンプ、または加圧気体もしくは加圧液体を解放して作動エネルギーを提供するキャニスタを含む、挿入および/または後退のための他の動力源が可能である。
【0024】
続けて
図1を参照すると、容器14は、ある量の薬物32を収容するリザーバ30を含むことができる。いくつかの実施形態では、製造業者により、リザーバ30に薬物32を事前充填することができる。いくつかの実施形態では、容器14は、ハウジングに対して移動することができないように、ハウジング29に堅く接続することができ、他の実施形態では、容器14は、薬物送達デバイス10の動作中にハウジング29に対して移動することができるように、ハウジング29に摺動可能に接続することができる。リザーバ30は、長手方向軸Aに沿って延在する細長いバレルのような形状を有することができる。薬物送達デバイス10が装着型注射器として構成される実施形態では、リザーバ30の長手方向軸Aは、挿入機構12がカニューレ23等の送達部材を患者の体内に挿入する方向に対して、垂直もしくは実質的に垂直であり、または他の方法で非平行であり得る。最初に、リザーバ30の基端部36に、ストッパ34または他のピストン部材を配置することができる。ストッパ34は、容器14の壁38の内面と封止してかつ摺動可能に係合することができ、容器14の壁38に対して可動であり得る。
【0025】
薬物送達デバイス10の動作中、駆動機構24は、リザーバ30から薬物32を排出するために、長手方向軸Aに沿って、リザーバ30の基端部36からリザーバ30の先端部37までストッパ34を押すことができる。いくつかの実施形態では、駆動機構24は、1つまたは複数のばね(たとえば、コイルばね、ねじりばね等)を含むことができ、それらは、最初は付勢された状態で保持され、アクチュエータ28が押下されると解放される。ばねは、それらの解放に続き、伸長し、ストッパ34を、リザーバ30を通って長手方向軸Aに沿って基端部36から先端部37まで移動させることができる。他の実施形態では、駆動機構24は、リザーバ30を通るストッパ34の軸方向運動をもたらすように歯車機構を回転させる電動モータ(図示せず)を含むことができる。さらなる実施形態では、駆動機構24は、電動モータおよびばねの両方を含むことができ、電動モータは、テザーまたはプーリシステムを介してばねの伸長を調節する。さらなる実施形態では、駆動機構24は、加圧気体または加圧液体を解放して作動エネルギーを提供するキャニスタを含むことができる。
【0026】
リザーバ30の先端部37において、容器14は開口部を含むことができ、薬物送達デバイス10の動作中、その開口部を通って薬物32を排出することができる。薬物送達デバイス10の動作の前に、リザーバ30の先端部37において容器14に接続された第1シール部材40により、この開口部を覆い密閉することができる。概して、第1シール部材40は、リザーバ30内の薬物32へのアクセスを制御するように構成することができる。動作中、第1シール部材40は、リザーバ30内の薬物32との流体連通を可能にするように物理的に変更することができる。
図1および
図2A~
図4Cに示す実施形態等、容器14がアンプルとして構成されている実施形態では、第1シール部材40は、流体経路アセンブリ22に取り付けられた容器アクセス針80の尖端または鋭利な端部82によって貫通するかまたは穿孔することができる、たとえばゴム等、可撓性かつ流体不透過性材料から構成された隔膜であり得る。こうした実施形態では、第1シール部材40が、容器14の壁38に形成された開口部を覆うように、容器14の壁38に第1シール部材40を締め付けるかまたは直接接着することができ、開口部は、リザーバ30の先端部37に対して先端側でありかつ先端部37に対するアクセスを提供する。
【0027】
図5A~
図7Cを参照してより詳細に後述する他の実施形態では、容器14は、シリンジ(たとえば、プレフィルドシリンジ)として構成することができる。こうした実施形態では、剛性の中空容器針70が、容器14の壁38を通って延在し、リザーバ30と流体連通する第1端部72と、容器14から延在する、鋭利であり得る第2端部74とを有する(
図5A~
図7Cを参照)。容器針70は、容器14に対して移動することができないように、容器14の壁38に堅く接続することができる。ここで、容器14の壁38は、容器針70を容器14に堅く接続する取付部材として機能することができる。こうした実施形態では、第1シール部材40は、容器14から外向きに突出している容器針70の第2端部74に形成された開口部を覆うことができる。さらに、第1シール部材40は、容器14の壁38に直接接続するか、または、容器針70への取付を介して容器14に間接的に接続することができる。さらに、こうした実施形態では、第1シール部材40は、変形可能な隔膜として、または、容器針70の露出した第2端部74を密封する無菌内部チャンバを画定する折畳み式または剛性スリーブとして、構成することができる。
【0028】
図1を参照すると、流体経路アセンブリ22は、薬物送達デバイス10の動作中、無菌流体流路を介して、容器14と挿入機構12との間に流体連通を確立するように構成することができる。薬物送達デバイス10の使用の前は、流体経路アセンブリ22は容器14と流体連通していない可能性がある。薬物送達デバイス10のセットアップ中、または、薬物送達の前の薬物送達デバイス10の動作の初期段階中、使用者が手動で、または薬物送達デバイス10が自動的に、容器14と流体経路アセンブリ22との間に流体連通を確立するために必要な接続部を有効にし、接続し、または開放することができる。その後、駆動機構24が、容器14内に貯蔵された薬物32を、患者への皮下送達のために、流体経路アセンブリ22の無菌流体流路を通って挿入機構12のカニューレ23または針内に押し込むことができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、流体経路アセンブリ22は、ハウジングに対して移動することができないように、ハウジング29に堅く接続することができ、一方で、他の実施形態では、流体経路アセンブリ22は、薬物送達デバイス10の動作中にハウジング29に対して移動することができるように、ハウジング29に摺動可能に接続することができる。
【0030】
流体経路アセンブリ22は、開口部を有する第1端部44と、挿入機構12に流体接続された第2端部48と、第1端部44と第2端部48との間に延在する流体通路50とを含むことができる。流体通路50は、滅菌することができ、部分的にまたは完全に可撓性管52から作製することができる。最初に、流体経路アセンブリ22がハウジング29に対して移動するのを可能にするように、かつ/または、流体経路アセンブリ22が取り付けられている挿入機構12の構成要素がハウジング29に対して移動するのを可能にするように、可撓性管52にゆるみがあり得る。いくつかの実施形態では、流体通路50は、可撓性管52に加えて、剛性流体制限要素(図示せず)を含むことができる。流体制限要素は、流体経路アセンブリ22を通過する際の薬物32の流量を調節するために、可撓性管52より小さい内径を有することができる。さらに、流体制限要素は、可撓性管52より剛性の高い材料から作製することができる。たとえば、流体制限要素は金属から作製することができ、可撓性管52は、プラスチック等のポリマー材料から作製することができる。
【0031】
薬物送達デバイス10の動作の前に、流体経路アセンブリ22の第1端部44に接続されている第2シール部材60によって、流体経路アセンブリ22の第1端部44における開口部を覆いかつ最初に密閉することができる。全体的な意味で、第2シール部材60は、流体通路50へのアクセスを制御するように構成することができる。動作中、流体通路50との流体連通を可能にするように、第2シール部材60を物理的に変更することができる。第2シール部材60は、第2シール部材60の外端面61が第1シール部材40の外端面41に面するように、第1シール部材40と軸方向に位置合せすることができる。いくつかの実施形態では、第1シール部材40および第2シール部材60はともに、リザーバ30の長手方向軸Aに沿って軸方向に位置合せすることができる。さらに、いくつかの実施形態では、容器針70または容器アクセス針80(後述する)を、リザーバ30の長手方向軸Aに沿って軸方向に位置合せすることができる。
【0032】
図1および
図2A~
図4Cに示す実施形態では、剛性の中空容器アクセス針80が、流体経路アセンブリ22の第1端部44から延在することができる。いくつかの実施形態では、容器アクセス針80は、流体経路アセンブリ22の第1端部44から突出する、鋭利であり得る第1端部82と、流体通路50と流体連通する第2端部84とを有することができる。容器アクセス針80の第1端部82は、第2シール部材60によって最初に覆われかつ封止される開口部を有することができる。いくつかの実施形態では、容器アクセス針80が流体経路アセンブリ22に対して移動することができないように、かつ、流体経路アセンブリ22がハウジング29に対して移動する程度まで、流体経路アセンブリ22および容器アクセス針80が合わせてハウジング29に対する単一ユニットとして一体的に移動するように、流体経路アセンブリ22は、容器アクセス針80を流体経路アセンブリ22の残りの部分に堅く接続する、取付部材86または接続ハブを含むことができる。さらに、第2シール部材60は、容器アクセス針80によって流体経路アセンブリ22の第1端部44に接続されるように、容器アクセス針80に取り付けることができる。さらに、こうした実施形態では、第2シール部材60は、より詳細に後述するように、変形可能な隔膜として、または、容器アクセス針80の露出した第1端部82を密封する無菌内部チャンバを確定する折畳み式もしくは剛性スリーブとして、構成することができる。
【0033】
図5A~
図7Cに示すもの等、他の実施形態では、容器アクセス針80を省略することができる。こうした実施形態では、流体経路アセンブリ22の第1端部44に第2シール部材60を直接接続することができ、第2シール部材60は、流体経路アセンブリ22の第1端部44に形成された開口部を覆いかつ最初に密閉することができる。こうした実施形態では、第2部材60は、容器14に取り付けられた容器針70(たとえば、容器針70)の尖端または鋭利な端部74によって貫通するかまたは穿孔することができる、たとえばゴム等、可撓性かつ流体不透過性材料から構成された隔膜であり得る。こうした実施形態では、第2シール部材60は、流体経路アセンブリ22の第1端部44に締め付けるかまたは直接接着することができる。
【0034】
図1に示すように、薬物送達デバイス10の動作中、第1シール部材40の外端面41は、第2シール部材60の外端面61と堅固にかつ/または面一に係合することができる。したがって、この時点で、ハウジング29内の、浮遊しているかまたは静止している微生物または他の汚染物が、第1シール部材40と第2シール部材60との間の接触面を汚染することからのリスクをほとんどなくすことができる。しかしながら、薬物送達デバイス10の動作前は、そうではない可能性がある。動作前、第1シール部材40の外端面41は、第2シール部材60の外端面61から間隔を空けて配置され、または、少なくとも外端面61に押し付けられていない可能性がある。したがって、汚染物質が第1シール部材40の外端面41および/または第2シール部材60の外端面61を汚染する可能性があり得る。この汚染リスクは、容器14および流体経路アセンブリ22が非無菌または非無菌的組立または製造環境でハウジング29内に設置される場合、特に高い。さらに、外端面41および61が、間に間隙なしに互いに面一に係合するように組み立てられる場合であっても、それにも関わらず、組立環境が無菌でも無菌的でもない場合、汚染のリスクは存在する。組立プロセスの結果として外端面41および61に配置されるいかなる微生物または汚染物質も、薬物送達デバイス10の動作中に容器針70または容器アクセス針80が第1シール部材40および/または第2シール部材60を貫通するときに、リザーバ30および/または流体通路50内に移動する可能性がある。したがって、外端面41および61に配置される汚染物質は、薬物送達中に容器14と患者との間に確立されるべき流体流路の無菌状態を損なう可能性がある。
【0035】
この問題に対処するために、
図2Aを参照すると、除去可能膜90および100が、それぞれ、第1シール部材40の外端面41および第2シール部材60の外端面61を覆って、薬物送達デバイス10の組立中に、かつ容器14と流体経路アセンブリ22との間の流体連通の確立の前に(たとえば、組立後かつ使用前の薬物送達デバイス10の保管中)これらの面の無菌状態を維持することができる。除去可能膜90おおび100の各々は、微生物および他の汚染物質が外端面41または外端面61を汚染するのを防止しまたは阻止する無菌バリアとして機能することができる。いくつかの実施形態では、除去可能膜90および100は、接着剤を介して、それぞれ外端面41および61に除去可能に取り付けることができる。別法としてまたはさらに、締結具またはクランプを使用して、除去可能膜90および100をそれらのそれぞれの外端面41および61に除去可能に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、接着剤は、外端面41および61の汚染からさらに保護するために、抗菌性、抗細菌性かつ/または抗ウイルス性の薬剤を含むことができる。第1シール部材40および第2シール部材60からの除去可能膜90および100の除去は、より詳細に後述するように、手動で、または、薬物送達デバイス10に組み込まれた膜除去部材110を介して自動的に、達成することができる。
【0036】
除去可能膜90および100の各々を構成するために使用される材料は、約(たとえば、±10%)2.0mm以下、または約(たとえば、±10%)1.0mm以下、または約(たとえば、±10%)0.5mm以下、または約(たとえば、±10%)0.25mm以下、または約(たとえば、±10%)0.1mm以下、または約(たとえば、±10%)0.05mm以下、または約(たとえば、±10%)0.01mm~0.25mmに等しい範囲内である、厚さTを有することができる。いくつかの実施形態では、除去可能膜90および100は、各々、プラスチック、紙、ラミネート加工の紙および/またはゴムの薄い切片から構成することができる。さらに、いくつかの実施形態では、除去可能膜90および100の各々は、たとえば薄い金属箔等、導電性材料から作製することができる。こうした実施形態では、除去可能膜90および100の導電性を利用して、第1シール部材40および第2シール部材60からのそれらの除去を検出することができる。たとえば、除去可能膜90および100の除去は、除去可能膜90および100の位置を検出するセンサ(たとえば、検知回路)を通る電気の流れを中断するか、または別法として可能にすることができる。そして、除去可能膜90および100が除去されたというセンサによる確定は、コントローラ26が、薬物送達デバイス10の動作状態(たとえば、「送達の用意ができた」)を決定するために使用することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイス10の使用者に動作状態を通知するために、1つまたは複数の視覚インジケータ42を動作させることができる。
【0037】
図2Aに示すように、除去可能膜90および100の各々は、第1シール部材40および第2シール部材60のそれらのそれぞれから除去される前に、最初に折畳み形態を有することができる。除去可能膜90および100の各々の折畳み形態により、第1シール膜40および第2シール膜60からのそれらの除去を容易にすることができる。より詳細には、
図2Bを参照すると、折畳み形態により、除去可能膜90および100の各々は、それらのそれぞれのシール部材40および60から離れる直線または実質的に直線方向に引っ張られるとシール部材40および60から広がることができる。この広がり動作により、特に、除去可能膜90および100をそれらのそれぞれのシール部材40および60に接続するために接着剤が使用される場合、除去可能膜90および100を除去するために必要な力の量を低減させることができる。これは、除去力が、接着力の全体を同時に克服する必要がないためである。むしろ、除去力は、除去可能膜90または100がそのそれぞれのシール部材40または60から剥離する際に接着力を徐々に克服することができる。さらに、除去力が低下することにより、除去可能膜90および100が取り外される際に裂けるリスクを低減させることができる。さらに、除去可能膜90および100が第1シール部材40と第2シール部材60との間で最初に圧縮される程度まで、折畳み形態によって可能となる広がり動作は、この圧縮によってもたらされる摩擦抵抗の影響を低減させるのに役立つことができる。さらに、2重の広がり動作が、同時に、各除去可能膜90および100が同じかまたは実質的に同じ割合で広がって、発生することができる。したがって、非無菌である可能性のある、除去可能膜90および100の第2端部94および104の外面と、無菌であり得るシール部材40および60の外端面41および61との間に、接触のリスクがほとんどまたはまったくないものとすることができる。
【0038】
図2Aを参照すると、除去可能膜90は、第1シール部材40の外端面41を覆いかつそれと直接接触している第1端部92と、第1端部92の上に折り畳まれかつそれを覆う第2端部94と、第1端部92と第2端部94との間にありかつそれらを接続する曲げまたは折畳み部分96とを含むことができる。同様に、除去可能膜100は、第2シール部材60の外端面61を覆いかつそれに直接接触している第1端部102と、第1端部102の上に折り畳まれかつそれを覆う第2端部104と、第1端部102と第2端部104とを接続する曲げまたは折畳み部分106と含むことができる。いくつかの実施形態では、容器14および流体経路アセンブリ22は、除去可能膜90の第2端部94と除去可能膜100の第2端部104とが薬物送達デバイス10の使用の前に直接接触するように、薬物送達デバイス10内に設置することができる。他の実施形態では、容器14および流体経路アセンブリは、除去可能膜90の第2端部94と除去可能膜100の第2端部104とが、薬物送達デバイス10の使用の前に互いに間隔を空けて配置されているが直接隣接しているように、薬物送達デバイス10内に設置することができる。こうした実施形態では、容器14および流体経路アセンブリ22は、除去可能膜90の第2端部94と除去可能膜100の第2端部104とが、互いに接触するように、薬物送達デバイス10の動作の初期段階中に互いに向かって移動することができる。
【0039】
簡単に
図8を参照すると、いくつかの実施形態では、除去可能膜90の第2端部94と除去可能膜100の第2端部104とは、各々、第1シール部材40および第2シール部材60からそれらそれぞれの除去可能膜90および100を除去するためのプルタブとして機能することができる。したがって、第2端部94および104の各々は、膜除去部材110によって把持され引っ張られるように構成することができる。
図8に示すように、これは、膜除去部材110を第2端部94および104の各々に接続することができるように、第2端部94および104の各々がそれらを通って延在するそれぞれの孔98または108を有することを意味することができる。こうした実施形態では、膜除去部材110は、孔98および108を通って延在し、その末端部において、孔98および108を通過する膜除去部材110の部分に対して垂直なもしくは実質的に垂直な、または他の方法で非平行な方向に延在するフック等の留め部材112を含むことができる。これにより、留め部材112は、膜除去部材110が
図8に示す矢印の方向に作動したときに除去可能膜90および100を膜除去部材110とともに引っ張ることができる。
【0040】
図8に示す実施形態では、使用者によるアクチュエータ28の手動変位(たとえば、押下)により、除去可能膜90および100をそれらのそれぞれのシール部材40および60から引き離す方向に、膜除去部材110を移動させることができるように、膜除去部材110をアクチュエータ28に作動的に接続することができる。いくつかの実施形態では、1つの方向におけるアクチュエータ28の運動を異なる方向における膜除去部材110の運動に変換するために、アクチュエータ28と膜除去部材110との間に、たとえば1つまたは複数の歯車を含む運動変換機構120を接続することができる。他の実施形態では、運動変換機構120を省略することができ、1つの方向におけるアクチュエータ28の運動により、同じ方向における膜除去部材110の運動を引き起こすことができる。
【0041】
代替実施形態では、膜除去部材110は、アクチュエータ28の代わりに駆動機構24に作動的に接続することができる。こうした実施形態では、膜除去部材110の作動運動は、駆動機構24によって提供することができる。たとえば、駆動機構24は、回転運動を出力する電動モータとすることができ、その回転運動は、たとえば1つもしくは複数の歯車および/またはプーリシステムを含む運動変換機構により、膜除去部材110の直線的な並進に変換することができる。
【0042】
図9を見ると、膜除去部材130の別の実施形態が示されている。膜除去部材130は、上述した膜除去部材110の代わりとすることができる。ハウジング29内に収容することができる膜除去部材110とは異なり、膜除去部材130は、ハウジング29の外部に配置することができる。膜除去部材130は、薬物送達デバイス10の使用の前にハウジング29の底壁25の外面に塗布される皮膚接着剤132を覆う接着剤ライナ(たとえば、プラスチック、紙、ラミネート加工された紙および/またはゴムの薄い切片)に対応することができる。いくつかの実施形態では、この接着剤ライナはまた、開口部31に対する除去可能無菌バリアとしても機能することができる。薬物送達デバイス10を患者の組織11に解除可能に取り付けることができるように皮膚接着剤132を露出させるために、使用者は、ハウジング29から接着剤ライナを剥離するかまたは他の方法で除去する必要がある。
図9に示す矢印は、接着剤ライナの剥離の動きを示す。第1除去可能膜90および第2除去可能膜100は、接着剤ライナがハウジング29から引き離されるときに接着剤ライナとともに合わせて一体的に移動するように、接着剤ライナに固定して取り付けることができる。より詳細には、除去可能膜90の第2端部94および除去可能膜100の第2端部104は、ハウジング29の底壁25に形成された孔136を通過し、膜除去部材130(すなわち、接着剤ライナ)に形成された孔138を通過することができる。除去可能膜94の第2端部94および除去可能膜100の第2端部104は、膜除去部材130の底面139の上に平坦にまたは実質的に平坦に位置するように、膜除去部材130の底面139の上に折り返すことができる。除去可能膜94の第2端部94および/または除去可能膜100の第2端部104を膜除去部材130の底面139に接着させて、これらの要素を合わせて固定して取り付けることができる。いくつかの実施形態では、
図9に示すように、第2端部94および第2端部104のうちの第1の第2端部は、膜除去部材130の底面139に(たとえば、接着剤層141を介して)直接接着することができ、第2端部94および第2端部104のうちの第2の第2端部は、第2端部94および第2端部104のうちの第1の第2端部に(たとえば、接着剤層143を介して)直接接着することができる。したがって、使用者が、皮膚接着剤132を露出させるように膜除去部材130(すなわち、接着剤ライナ)を引き離すとき、この動きにより、膜90および100がそれらのそれぞれの第1シール部材40および第2シール部材60から広がることができる。本実施形態は、膜除去部材130に除去可能膜40および60を固定して接続するために接着剤を利用するが、代替実施形態は、この目的でピン等の機械的締結具を使用することができる。さらに、いくつかの実施形態では、ハウジング29内に最初に配置された除去可能膜90の一部と、ハウジング29内に最初に配置された除去可能膜100の一部とは、接着剤および/またはピン等の機械的締結具を介して互いに取り付けることができる。こうした実施形態では、除去可能膜90および100のうちの1つを接着剤ライナに取り付けるだけでよいものとすることができる。したがって、これにより、除去可能膜100、接着剤ライナ、およびハウジング29の底壁25を、容器14、第1シール部材40および除去可能膜90の設置の前に完全に組み立てることができき、それらは、ハウジング29内に配置された除去可能膜100の部分に接続するだけでよい。
【0043】
図8および
図9の実施形態の両方において、膜除去部材110または130は、除去動作中に直線または実質的に直線方向に並進することができる。この移動方向は、除去可能膜90の第2端部94および/または除去可能膜100の第2端部104に対して垂直もしくは実質的に垂直であり、または他の方法で非平行であり得る。さらに、除去動作中の膜除去部材110または130の移動方向は、第1シール部材40の外端面41および/または第2シール部材60の外端面61に対して垂直もしくは実質的に垂直であり、または他の方法で非平行であり得る。さらに、いくつかの実施形態では、膜除去部材110または130の移動方向は、リザーバ30の長手方向軸Aに対して平行または実質的に平行であり得る。膜除去部材110または130のこの移動により、薬物送達デバイス10のより小型の設計を可能にすることができる。それにも関わらず、他の実施形態では、除去動作中の膜除去部材110または130の移動方向は、除去可能膜90の第2端部94および/または除去可能膜100の第2端部104に対して平行であり得る。
【0044】
ここで、
図2A~
図7Cを再び参照して、第1シール部材40および第2シール部材60のさまざまな実施形態について説明する。第1シール部材40の異なる実施形態は、接尾辞「a~f」のうちの1つが付加された参照数字「40」によって示す。同様に、第2シール部材60の異なる実施形態は、接尾辞「a~f」のうちの1つが付加された参照数字「60」によって示す。
図2A~
図4Cは、容器14が、容器針70のないアンプルとして構成され、流体経路アセンブリ22に容器アクセス針80が取り付けられている実施形態を示す。対照的に、
図5A~
図7Cは、容器14が、容器針70が取り付けられたシリンジとして構成され、流体経路アセンブリ22に容器アクセス針80が取り付けられていない実施形態を示す。
図2A~
図7Cに示す実施形態では、流体経路アセンブリ22は、動作中にハウジング29に対して移動することができるように、ハウジング29に摺動可能に接続され、一方で、容器14は、動作中にハウジング29に対して移動しないように、ハウジング29に堅く接続されている。しかしながら、
図2A~
図7Cに示す実施形態のうちの任意の1つの代替バージョンでは、容器14は、動作中にハウジング29に対して移動することができるように、ハウジング29に摺動可能に接続することができ、一方で、流体経路アセンブリ22は、動作中にハウジング29に対して移動しないように、ハウジング29に堅く接続することができる。
【0045】
図2A~
図2Cは、第1シール部材40aおよび第2シール部材60aの各々がそれぞれの穿孔可能な隔膜によって画定されている実施形態を示す。第1シール部材40aを画定する隔膜は、流体経路アセンブリ22に取り付けられた容器アクセス針80の鋭利な第1端部82によって貫通するかまたは穿孔することができる、たとえばゴム等、可撓性かつ流体不透過性材料から構成することができる。第2シール部材60aを画定する隔膜は、薬物送達デバイス10の動作中に軸方向長さを圧縮するすなわち短縮することができる変形可能な材料から構成することができる。より詳細には、(
図1に示す動作の段階に対応する)
図2Cに示すように、薬物送達デバイス10の動作中、容器14と流体経路アセンブリ22とを分離する距離は、流体経路アセンブリ22を容器14に向かってまたはその逆に移動させる場合に、低減させることができる。その結果、第1シール部材40aに対して第2シール部材60aを押し付けることができ、第2シール部材60aを画定する変形可能な隔膜は、
図2Aおよび
図2Bに示す初期形態から
図2Cに示す圧縮形態まで長さが低減することができる。したがって、最初は第2シール部材60aの材料内に埋め込まれていることが可能な(
図2Aを参照)容器アクセス針80の鋭利な端部82は、第2部材60aの外端面61aを通り、その後、第1シール部材40aの外端面41aを通り、その後、リザーバ30内に押し込まれることにより、薬物32との流体連通を確立することができる。第2シール部材60aの変形可能な隔膜に容器アクセス針80を押し通すために、容器アクセス針80用の取付部材86は、第2シール部材60aの変形可能な隔膜より剛性の高い(たとえば、より圧縮性が低い)材料から構成することができる。したがって、第2シール膜60aの変形中、取付部材86は変形しないようにすることができる。さらに、いくつかの実施形態では、第2シール部材60aの変形可能な隔膜の圧縮性は、変形可能な隔膜を部分的にまたは全体的にスポンジ状または多孔質材料から構成することにより達成することができる。さらに、変形可能な隔膜は、薬物送達デバイス10の使用前に変形可能な隔膜の材料内に埋め込まれている間、容器アクセス針80の鋭利な端部82の無菌状態を維持するための無菌バリアを提供するように構成することができる。
図2Bに示すように、容器アクセス針80がリザーバ30にアクセスする前に、上記説明と一貫するように、除去可能膜90および100をそれらのそれぞれの第1シール部材40aおよび第2シール部材60aから除去するように、膜除去部材110または130を作動させることができる。
【0046】
図3A~
図3Cは、第1シール部材40bが、
図2A~
図2Cの実施形態と同様の穿孔可能な隔膜によって画定され、第2シール部材60bが、無菌内部チャンバ142を画定する波形スリーブ140によって画定されている実施形態を示す。
図3Aに示すように、容器アクセス針80の鋭利な端部82は、最初は、無菌内部チャンバ142内に保管することができる。いくつかの実施形態では、除去可能膜100は、無菌内部チャンバ142を密閉するために、波形スリーブ140の端部において外端面61に形成された開口部を覆うことができる。他の実施形態では、除去可能膜100と波形スリーブ140との間に位置決めされたカバー部材(図示せず)が、この開口部を覆うことができ、薬物送達デバイス10の動作中、容器アクセス針80の鋭利な端部82によってこのカバー部材を穿孔することができる。波形スリーブ140は、薬物送達10の動作中にその軸方向長さを圧縮するすなわち短縮することができるように構成することができる。これは、波形スリーブ140が第1シール部材40bに押し付けられるときに折り畳まれる複数の交互の隆起部および溝により波形スリーブ140を構成することによって達成することができる。また、波形スリーブ140の折畳みを容易にするために、波形スリーブ140は円錐形状とすることができ、円錐形の狭い端部は、流体経路アセンブリ22に接続されている。より詳細には、
図3Cに示すように、薬物送達デバイス10の動作中、容器14と流体経路アセンブリ22とを分離する距離は、流体経路アセンブリ22を容器14に向かって移動させるかまたはその逆により、低減させることができる。その結果、第1シール部材40bに対して第2シール部材60bを押し付けることができ、第2シール部材60bを画定する波形スリーブ140は、
図3Aおよび
図3Bに示す初期形態から
図3Cに示す圧縮形態まで長さが低減することができる。その結果、最初に無菌内部チャンバ142内に保管されていることが可能な容器アクセス針80の鋭利な端部82(
図3Aを参照)は、波形スリーブ140の外端面61bを通り、その後、第1シール部材40bの外端面41bを通り、その後、リザーバ30内に押し込まれることにより、薬物32との流体連通を確立することができる。波形スリーブ140に容器アクセス針80を押し通すために、容器アクセス針80用の取付部材86は、波形スリーブ140より剛性の高い(たとえば、より圧縮性が低い)材料から構成することができる。したがって、取付部材86は、波形スリーブ140の変形中に変形しないものとすることができる。
図3Bに示すように、容器アクセス針80がリザーバ30にアクセスする前に、上記説明と一貫するように、除去可能膜90および100をそれらのそれぞれの第1シール部材40bおよび第2シール部材60bから除去するように、膜除去部材110または130を作動させることができる。
【0047】
図4A~
図4Cは、第1シール部材40cが、
図2A~
図3Cの実施形態と同様の穿孔可能な隔膜によって画定され、第2シール部材60cが、無菌内部チャンバ152を画定する剛性スリーブ150によって画定されている実施形態を示す。
図4Aに示すように、容器アクセス針80の鋭利な端部82は、最初は、無菌内部チャンバ152に保管することができる。いくつかの実施形態では、除去可能膜100は、無菌内部チャンバ152を密閉するために、流体経路アセンブリ22に取り付けられた剛性スリーブ150の端部に対して反対側の剛性スリーブ150の端部における開口部を覆うことができる。他の実施形態では、除去可能膜100と剛性スリーブ150との間に位置決めされたカバー部材154(たとえば、プラスチック、紙、ラミネート加工の紙および/またはゴムの薄い切片)が、この開口部を覆うことができる。波形スリーブ140とは異なり、剛性スリーブ150は、薬物送達10の動作中に長さを圧縮することができない。代わりに、第1シール部材40bが、薬物送達デバイス10の動作中、無菌内部チャンバ152内に移動し、容器アクセス針80の鋭利な端部82によって穿孔されるように、剛性スリーブ150を容器14に向かって移動させることができる(またはその逆も可能である)。カバー部材154は、この移動中、第1シール部材40cが無菌内部チャンバ152内に入ることができるように、第1シール部材40cによって変形させるかまたは第1シール部材40cが貫通することができる。より詳細には、
図4Cに示すように、薬物送達デバイス10の動作中、容器14と流体経路アセンブリ22とを分離する距離は、流体経路アセンブリ22を容器14に向かって移動させるかまたはその逆により、低減させることができる。その結果、第1シール部材40cは、剛性スリーブ150の無菌内部チャンバ152に入ることができる。容器アクセス針80は、この移動中、剛性スリーブ150に対して固定のままであり得る。したがって、容器アクセス針80の鋭利な端部82は、第1シール部材40cの外端面41cを通り、その後、リザーバ40内に貫通することにより、薬物32との流体連通を確立することができる。
図4Bに示すように、容器アクセス針80がリザーバ30にアクセスする前に、上記説明と一貫するように、除去可能膜90および100をそれらのそれぞれの第1シール部材40cおよび第2シール部材60cから除去するように、膜除去部材110または130を作動させることができる。
【0048】
図5A~
図7Cを参照すると、容器アクセス針80が省略され、容器14が、容器針70が取り付けられたシリンジとして構成されている実施形態が示されている。
図5A~
図5Cは、第1シール部材40dおよび第2シール部材60dがそれぞれの穿孔可能な隔膜によって画定されている実施形態を示す。第2シール部材60dを画定する隔膜は、容器針70の鋭利な第2端部74によって貫通するかまたは穿孔することができる、たとえばゴム等の可撓性かつ流体不透過性材料から構成することができる。第1シール部材40dを画定する隔膜は、薬物送達デバイス10の動作中に圧縮するすなわち短縮することができる変形可能な材料から構成することができる。より詳細には、
図5Cに示すように、薬物送達デバイス10の動作中、容器14と流体経路アセンブリ22とを分離する距離は、流体経路アセンブリ22を容器14に向かって移動させるかまたはその逆により、低減させることができる。その結果、第2シール部材60dに対して第1シール部材40dを押し付けることができ、第1シール部材40dを画定する変形可能な隔膜は、
図5Aおよび
図5Bに示す初期形態から
図5Cに示す圧縮形態まで長さが低減することができる。その結果、最初は第1シール部材40dの材料内に埋め込まれていることが可能な(
図5Aを参照)容器針70の鋭利な端部74は、第1シール部材40dの外端面41dを通り、その後、第2シール部材60dの外端面61dを通り、その後、流体通路50内に押し込まれることにより、リザーバ30と流体通路50との間に流体連通を確立することができる。第1シール部材40dの変形可能な隔膜に容器針70を押し通すために、(容器14の壁38に対応することができるか、または、容器14の壁38に堅く取り付けられた別個の構成要素とすることができる)容器針70用の取付部材87は、第1シール部材40dの変形可能な隔膜より剛性の高い(たとえば、より圧縮性が低い)材料から構成することができる。したがって、取付部材87は、第1シール部材40dの変形中に変形しないものとすることができる。取付部材87は、容器針70が容器14の壁38に対して移動することができないように、かつ、容器14がハウジング29に対して移動する程度まで、容器14および容器針70がハウジング29に対して単一ユニットとして一体的に移動するように、容器針70を容器14に堅く接続することができる。さらに、いくつかの実施形態では、第1シール部材40dの変形可能な隔膜の圧縮性は、変形可能な隔膜を部分的にまたは全体的にスポンジ状または多孔質材料から構成することによって達成することができる。さらに、変形可能な隔膜は、容器針70の鋭利な端部74が薬物送達デバイス10の使用の前に変形可能な隔膜の材料内に埋め込まれている間、容器針70の鋭利な端部74の無菌状態を維持する無菌バリアを提供するように構成することができる。さらに、いくつかの実施形態では、第2シール部材60dを流体経路アセンブリ22の可撓性管52に堅く接続する取付部材86は、取付部材86もまた波形スリーブ160の変形中に変形しないように、波形スリーブ140より剛性の高い(たとえば、より圧縮性が低い)材料から構成することができる。
図5Bに示すように、容器針70が流体通路50にアクセスする前に、上記説明と一貫するように、除去可能膜90および100をそれらのそれぞれの第1シール部材40dおよび第2シール部材60dから除去するように、膜除去部材110または130を作動させることができる。
【0049】
図6A~
図6Cは、第2シール部材60eが、
図5A~
図5Cの実施形態と同様である穿孔可能な隔膜によって画定され、第1シール部材40eが、無菌内部チャンバ162を画定する波形スリーブ160によって画定されている実施形態を示す。
図6Aに示すように、容器針70の鋭利な端部74は、最初は無菌内部チャンバ162内に保管することができる。いくつかの実施形態では、除去可能膜90は、無菌内部チャンバ162を密閉するために、波形スリーブ160の外端面61に形成された開口部を覆うことができる。他の実施形態では、除去可能隔膜90と波形スリーブ160との間に位置決めされたカバー部材(図示せず)が、この開口部を覆うことができ、薬物送達デバイス10の動作中、容器針70の鋭利な端部74によってこのカバー部材を穿孔することができる。波形スリーブ160は、薬物送達10の動作中にその軸方向長さを圧縮するすなわち短縮することができるように構成することができる。これは、波形スリーブ160が第2シール部材60eに押し付けられるときに折り畳まれる複数の交互の隆起部および溝によって波形スリーブ160を構成することにより、達成することができる。また、波形スリーブ160の折畳みを容易にするために、波形スリーブ160は円錐形状とすることができ、円錐形の狭い端部は容器14に接続されている。より詳細には、
図6Cに示すように、薬物送達デバイス10の動作中、容器14と流体経路アセンブリ22とを分離する距離は、流体経路アセンブリ22を容器14に対して移動させるかまたはその逆により、低減させることができる。その結果、第2シール部材60eに対して第1シール部材40eを押し付けることができ、第1シール部材40eを画定する波形スリーブ160は、
図6Aおよび
図6Bに示す初期形態から
図6Cに示す圧縮形態まで長さが低減することができる。その結果、最初は無菌内部チャンバ162内に保管されていることが可能な(
図6Aを参照)容器針70の鋭利な端部74は、波形スリーブ160の外端面41eを通り、その後、第2シール部材60eの外端面61eを通り、その後、流体通路50内に押し込まれることにより、リザーバ30と流体通路50との間に流体連通を確立することができる。波形スリーブ160に容器針70を押し通すために、取付部材87は、波形スリーブ140より剛性の高い(たとえば、より圧縮性が低い)材料から構成することができる。したがって、(容器14の壁38に対応することができ、または容器14の壁38に堅く取り付けられた別個の構成要素とすることができる)取付部材87は、波形スリーブ160の変形中に変形しないものとすることができる。さらに、いくつかの実施形態では、第2シール部材60dを流体経路アセンブリ22の可撓性管52に第2シール部材60dを堅く接続する取付部材86は、取付部材86もまた波形スリーブ160の変形中に変形しないように、波形スリーブ140より剛性の高い(たとえば、より圧縮性が低い)材料から構成することができる。
図6Bに示すように、容器針70が流体通路50にアクセスする前に、上記説明と一貫するように、除去可能膜90および100をそれらのそれぞれの第1シール部材40eおよび第2シール部材60eから除去するように、膜除去部材110または130を作動させることができる。
【0050】
図7A~
図7Cは、第2シール部材60fが、
図5A~
図6Cの実施形態と同様の穿孔可能な隔膜によって画定され、第1シール部材40fが、無菌内部チャンバ172を画定する剛性スリーブ170によって画定されている実施形態を示す。
図7Aに示すように、容器針70の鋭利な端部74は、最初、無菌内部チャンバ172内に保管することができる。いくつかの実施形態では、除去可能膜90は、無菌内部チャンバ172を密閉するために、容器14に取り付けられた剛性スリーブ170の端部とは反対側の剛性スリーブ170の端部の開口部を覆うことができる。他の実施形態では、除去可能膜90と剛性スリーブ170との間に位置決めされたカバー部材174(たとえば、プラスチック、紙、ラミネート加工の紙および/またはゴムの薄い切片)が、この開口部を覆うことができる。波形スリーブ160とは異なり、剛性スリーブ170は、薬物送達10の動作中に長さを圧縮することができない。代わりに、第2シール部材60fが、薬物送達デバイス10の動作中、無菌内部チャンバ172内に移動し、容器針70の鋭利な端部74によって穿孔されるように、剛性スリーブ170を容器14に向かって移動させることができる(またはその逆も可能である)。カバー部材174は、この移動中、第2シール部材60fが無菌内部チャンバ172に入ることができるように、第2シール部材60fによって変形させるかまたは第2シール部材60fが貫通することができる。より詳細には、
図7Cに示すように、薬物送達デバイス10の動作中、容器14と流体経路アセンブリ22とを分離する距離は、流体経路アセンブリ22を容器14に向かって移動させるかまたはその逆により、低減させることができる。その結果、第2シール部材60fは、剛性スリーブ170の無菌内部チャンバ172に入ることができる。容器針70は、この移動中、剛性スリーブ170に対して固定されたままであり得る。したがって、容器針70の鋭利な端部74は、第2シール部材60fの外端面61fを通り、その後、流体通路50内に貫通することにより、リザーバ30と流体通路50との間の流体連通を確立することができる。
図7Bに示すように、容器針70が流体通路50にアクセスする前に、上記説明と一貫するように、除去可能膜90および100をそれらのそれぞれの第1シール部材40fおよび第2シール部材60fから除去するように、膜除去部材110または130を作動させることができる。
【0051】
図5A~
図7Cに示すように、容器14がシリンジとして構成される実施形態は、先端部37リザーバ30内に配置された変形可能なリザーバ隔膜180を含むことができる。変形可能なリザーバ隔膜180と容器針70に接続された容器14の壁38の部分との間に、薬物32がない無菌チャンバ182を画定することができる。薬物送達デバイス10の動作の前に、鋭利であり得る容器針70の第1端部72は、薬物送達デバイス10の動作の前に容器針70を通る薬物32の漏れを防止するために、無菌チャンバ182内に薬物32と流体連通せずに配置することができる。変形可能なリザーバ隔膜180は、容器針70の鋭利な端部72によって貫通するかまたは穿孔することができる、たとえばゴム等、流体不透過性かつ可撓性材料から構成することができる。
図5A、
図6Aおよび
図7Aに示すように、変形可能なリザーバ隔膜180は、最初は、凸状形態を有することができ、そこでは、容器針70の鋭利な端部72は、変形可能なリザーバ隔膜から間隔を空けて配置される。その後、薬物送達デバイス10の動作中、
図5C、
図6Cおよび
図7Cに示すように、変形可能なリザーバ隔膜180は凹状形態をとることができ、そこでは、鋭利な端部72容器針70の尖端は、変形可能なリザーバ隔膜180を穿孔して、リザーバ30内の薬物32との流体連通を確立する。変形可能なリザーバ隔膜180の凸状形態から凹状形態への変形は、駆動機構24がストッパ34をリザーバ30の基端部36からリザーバ30の先端部37に向かって移動させることからもたらされる液圧によって引き起こすことができる。他の実施形態では、ストッパ34の移動の前にかつ移動中、容器針70の第1端部72がリザーバ30内の薬物32と流体連通するように、変形可能なリザーバ隔膜180を省略することができる。
【0052】
ここで
図10Aおよび
図10Bを参照すると、除去可能膜90が除去されるときに第1シール部材40の長さを拡張する第1弾性拡張部材184、および、除去可能膜100が除去されるときに第2シール部材60の長さを拡張する第2弾性拡張部材186の実施形態が示されている。この長さの拡張により、除去可能膜90および100を除去するときに無菌面が即時に互いに対して堅固に押し付けられることを確実にすることができる。これにより、除去可能膜90および100の除去と、容器針70または容器アクセス針80を介する第1シール部材40と第2シール部材60との間の流体流路の確立との間の期間に、第1シール部材40と第2シール部材60との間に汚染物質が侵入する可能性を低減させることができる。したがって、たとえば、容器14および流体経路アセンブリ22の設置に続き、ただしハウジング29の閉鎖の前に、第1シール部材40および第2シール部材60それぞれの外端面41および61の汚染のリスクを冒すことなく、薬物送達デバイス10の組立中に除去可能膜90および100を除去することが可能であり得る。これにより、膜除去部材110または130を含める必要をなくすことができる。第1弾性拡張部材184および/または第2弾性拡張部材186は、適切な場合は、上述した第1シール部材40a~40eおよび第2シール部材60a~60eの実施形態のうちの任意のものとともに使用することができる。
【0053】
図10Aに示すように、最初に、第1弾性拡張部材184は、第1シール部材40の外端面41を覆う端部と、凸状形態を有する末端部とを有することができる。同様に、第2弾性拡張部材186は、第1シール部材60の外端面61を覆う端部と、凸状形態を有する末端部とを有することができる。ここで、除去可能膜90は、第1弾性拡張部材184の末端部に接着されかつそれを覆うことができ、除去可能膜100は、第2弾性伸部材186の末端部に接着されかつそれを覆うことができる。したがって、第1弾性拡張部材184および第2弾性拡張部材186は、最初は、第1弾性拡張部材184と第2弾性拡張部材186との間に位置決めされる除去可能膜90および100により、互いから間隔を空けて配置することができる。また、この初期形態では、除去可能膜90および100を介して、第1弾性拡張部材184は、第2弾性拡張部材186に対して圧縮力をかけることができ、かつ/または、第2弾性拡張部材186は、第1弾性拡張部材186に対して圧縮力をかけることができる。例示の目的で、
図10aは、第1除去可能膜90の折り畳まれた端部の間の小さい間隙と、第2除去可能膜100の折り畳まれた端部の間の別の小さい間隙とを示す。しかしながら、現実には、第1除去可能膜90および第2除去可能膜100は、第1弾性拡張部材184と第2弾性拡張部材186との間に密に圧縮されるため、これらの間隙は存在しない。いくつかの実施形態では、それらの間の圧縮により、第1弾性拡張部材184および第2弾性拡張部材186の対向する端部は、
図10aに示すものより平坦な輪郭を有する可能性がある。第1弾性拡張部材184および第2弾性拡張部材186からの除去可能膜90および100の除去に続き、第1弾性拡張部材184および/または第2弾性拡張部材186は、第1弾性拡張部材184または第2弾性拡張部材186のうちの他方に向かう方向において長さを拡張することができ、それにより、除去可能膜90および100によってすでに占有されている空間を充填することができる。除去可能膜90および100の除去によってもたらされる一時的な間隙により、第1弾性拡張部材184と第2弾性拡張部材186との間の圧縮力を低減させることができる。存在する圧縮力が低下することにより、第1弾性拡張部材184および/または第2弾性拡張部材186は、それらの固有の弾性の結果として距離X1またはX2(
図10Bを参照)だけ長さを拡張することができる。言い換えれば、第1弾性拡張部材184および第2弾性拡張部材186の各々の長さは、第1弾性拡張部材184および第2弾性拡張部材186それぞれにかけられる圧縮力の量によって決まり得る。第1弾性拡張部材184および/または第2弾性拡張部材186の長さの拡張は、第1弾性拡張部材184および/または第2弾性拡張部材186がそれらのそれぞれの元の形状を部分的にまたは全体的に弾性的に回復することによってもたらすことができる。この長さの拡張の結果として、第1弾性拡張部材184および第2弾性拡張部材186は、
図10Bに示すように、それらの間に間隙なしに互いに直接接触することができる。いくつかの実施形態では、
図10Bに示すそれらのそれぞれの拡張形態において、第1弾性拡張部材184および第2弾性拡張部材186は、互いに対して直接圧縮力をかけることができ、その場合、第1弾性拡張部材184および/または第2弾性拡張部材186は、そのそれぞれの元の形状を部分的にのみ弾性的に回復することができる。拡張形態における第1弾性拡張部材184と第2弾性拡張部材186との間の直接接触および/または圧縮力により、それらの間の汚染物質の侵入を防止することができる。いくつかの実施形態では、第1弾性拡張部材184および第2弾性拡張部材186は、各々、容器針70または容器アクセス針80によって穿孔することができる、たとえばゴム等の材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、第1弾性拡張部材184および第2弾性拡張部材186のうちの一方のみが含められる場合があり、またはいずれも含められない場合がある。さらに、いくつかの実施形態では、第1弾性拡張部材184は、第1シール部材40と、単一構成要素を形成するように一体的に形成することができ、かつ/または、第2弾性拡張部材186は、第2シール部材60と、単一構成要素を形成するように一体的に形成することができる。
【0054】
ここで、薬物送達デバイス10を組み立てる方法について説明する。最初に、空のリザーバ30、第1シール部材40および除去可能膜90を合わせて組み立てて滅菌することができる。次に、これらの構成要素を、充填およびキャッピング環境に無菌的に移送することができる。ここで、容器14のリザーバ30に薬物32を充填することができ、その後、リザーバ30の基端部36および先端部37を、それぞれストッパ34および第1シール部材40で密閉することができる。この充填およびキャッピング環境は、微生物および他の汚染物質がリザーバ30内に取り込まれないことを確実にするために、無菌または無菌的組立環境として運用することができる。その後、この薬物充填事前組立装置を包装して、薬物送達デバイス10の最終的な組立が行われる施設に輸送することができる。また、予備ステップとして、第2シール部材60が流体通路50の開放端部を密閉するように、第2シール部材60に流体経路アセンブリ22を接続することができる。このステップに先立つかまたはこのステップに続き、第2シール部材60の外端面61に除去可能膜100を接着するかまたは他の方法で接続することができる。流体経路アセンブリ22、第2シール部材60および/または除去可能膜100を組み立てるプロセスは、流体通路50内に粒状汚染物質が取り込まれないことを確実にするために、クリーンルーム組立環境で行うことができる。別法としてまたはさらに、流体経路アセンブリ22、第2シール部材60および除去可能膜100の事前組立装置に、それらの無菌状態を確実にするために、高エネルギー滅菌ビーム(たとえば、X線放射ビーム)、エチレンオキシド、または他の既知の技法を施すことができる。次いで、この事前組立装置を包装して、薬物送達デバイス10の最終的な組立が行われる施設に輸送することができる。
【0055】
その後、薬物容器14、第1シール部材40および除去可能部材90の薬物充填事前組立装置、ならびに流体経路アセンブリ22、第2シール部材60および除去可能膜100の事前組立装置は、薬物送達デバイス10のハウジング29内に設置することができる。有利には、この設置プロセスは、シール部材40および60の外端面41および61が除去可能膜90および100によって汚染から保護されているという事実により、非無菌または非無菌的組立環境で行うことができる。いくつかの実施形態では、この設置プロセスは、容器14、第1シール部材40および除去可能膜90の薬物充填事前組立装置を、薬物送達デバイス10の第1ハウジング部分(たとえば、ハウジング29の底壁25)または第2ハウジング部分(たとえば、ハウジング29の上壁27)に接続することと、流体経路アセンブリ22、第2シール部材60および除去可能膜100の事前組立装置を、薬物送達デバイス10の第1ハウジング部分または第2ハウジング部分に接続することとを含むことができる。その後、第2ハウジング部分に第1ハウジング部分を接続して、薬物送達デバイス10内で事前組立装置を密封することができる。第1ハウジング部分と第2ハウジング部分との接続により、薬物送達10の内部を封止することができるが、保護が提供された除去可能シール90および100により、頑強なシールは不要であり得る。
【0056】
図10Aおよび
図10Bに示す弾性拡張部材184および186を含む実施形態では、薬物送達デバイス10を組み立てる方法は、容器14、第1シール部材40および除去可能部材90の薬物充填事前組立装置、ならびに流体経路アセンブリ22、第2シール部材60および除去可能膜100の事前組立装置の第1ハウジング部分または第2ハウジング部分における設置の後に、ただし、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分を接続して薬物送達10を封止する前に、除去可能膜90および100をそれらのそれぞれのシール部材40および60から除去することを含むことができる。こうした実施形態では、最終的な組み立てられたデバイス10は、除去可能膜90および100も膜除去部材110または130も含まない可能性がある。
【0057】
さらに、いくつかの実施形態では、流体経路アセンブリ22、第2シール部材60および除去可能膜100の事前組立装置は、薬物送達デバイス10において、容器14、第1シール部材40および除去可能部材90の薬物充填事前組立装置の設置の前に設置することができる。こうした実施形態では、容器14、第1シール部材40および除去可能部材90の薬物充填事前組立装置の設置の前に、流体経路アセンブリ22、第2シール部材60および除去可能膜100の事前組立装置に対し、薬物送達デバイス10内に配置されている間に、高エネルギー滅菌ビーム(たとえば、X線放射ビーム)、エチレンオキシド、および/または他の任意の好適な滅菌技法を施すことができる。その後、薬物送達デバイス10内に、容器14、第2シール部材40および除去可能部材90の薬物充填事前組立装置を設置することができる。その後、容器14内の薬物32に損傷を与えることを回避するために、薬物送達デバイス10に対して滅菌を施す可能性はない。
【0058】
上述したことから本開示は、薬物送達デバイスとともにこうしたデバイスの組立方法であって、薬物送達デバイスの動作中に薬物容器と流体経路アセンブリとの間に無菌流体流路が確立されるのを可能にする、薬物送達デバイスおよび組立方法を有利に提供することが分かる。さらに、本開示の除去可能膜は、薬物容器および流体経路アセンブリを薬物送達デバイスの他の構成要素とともに設置することができる組立環境に関する清浄度要件を有利に低減させる。したがって、この組立環境を無菌または無菌的クリーンルームとして運用する必要をなくすことができ、その結果、コストおよび/または時間を節約することができる。本開示の他の利点および利益は、本開示を検討することから明らかである。
【0059】
薬物情報
上述したように、薬物送達デバイスの容器に薬物を充填することができる。この薬物は、いかに列挙する薬物のうちの任意の1つまたは組合せとすることができ、ただし、以下のリストは、すべてを包含するようにも限定するようにもみなされるべきではない。
【0060】
たとえば、シリンジに、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)等のコロニー刺激因子を充填することができる。こうしたG-CSF剤としては、限定されないが、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム)およびNeulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム)が挙げられる。さまざまな他の実施形態において、シリンジは、液体または凍結乾燥形態であり得る赤血球造血刺激因子製剤(ESA)等のさまざまな医薬製品と使用することができる。ESAは、Epogen(登録商標)(エポエチンα)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンα)、Dynepo(登録商標)(エポエチンδ)、Mircera(登録商標)(メチオキシポリエチレングリコール-エポエチンβ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンζ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンβ)、Silapo(登録商標)(エポエチンζ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンα)、エポエチンαHexal、Abseamed(登録商標)(エポエチンα)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンθ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンθ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンθ)、エポエチンα、エポエチンβ、エポエチンζ、エポエチンθ、およびエポエチンδ、ならびに、各々が全体として参照により本明細書に援用される以下の特許または特許出願:米国特許第4,703,008号明細書、同第5,441,868号明細書、同第5,547,933号明細書、同第5,618,698号明細書、同第5,621,080号明細書、同第5,756,349号明細書、同第5,767,078号明細書、同第5,773,569号明細書、同第5,955,422号明細書、同第5,986,047号明細書、同第6,583,272号明細書、同第7,084,245号明細書、および同第7,271,689号明細書、ならびに国際公開第91/05867号パンフレット、同第95/05465号パンフレット、同第96/40772号パンフレット、同第00/24893号パンフレット、同第01/81405号パンフレットおよび同第WO2007/136752号パンフレットに開示されているような、分子またはその変異体もしくは類似体等、赤血球造血を促進する任意の分子である。
【0061】
ESAは、赤血球造血刺激タンパク質であり得る。本明細書において「赤血球造血刺激タンパク質」は、たとえば、エリスロポエチン受容体に結合し、それの二量化を引き起こすことによってエリスロポエチン受容体の活性化を直接または間接的に引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球造血刺激タンパク質としては、エリスロポエチンおよびエリスロポエチン受容体に結合しそれを活性化させるその変異体、類似体もしくは誘導体;エリスロポエチン受容体に結合し、この受容体を活性化させる抗体;またはエリスロポエチン受容体に結合しそれを活性化させるペプチドが挙げられる。赤血球造血刺激タンパク質としては、限定されないが、エポエチンα、エポエチンβ、エポエチンδ、エポエチンオメガ、エポエチンイオタ、エポエチンζ、およびこれらの類似体、ペグ化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、(EMP1/ヘマタイドを含む)模倣ペプチド、ならびに模倣抗体が挙げられる。例示的な赤血球造血刺激タンパク質としては、エリスロポエチン、ダルベポエチン、エリスロポエチンアゴニスト変異体、およびエリスロポエチン受容体に結合し、それを活性化させるペプチドまたは抗体(ならびに各々の開示内容が全体として参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2003/0215444号明細書および同第2006/0040858号明細書において報告されている化合物を含む)と、各々が全体として参照により本明細書に援用される以下の特許または特許出願:米国特許第4,703,008号明細書、同第5,441,868号明細書、同第5,547,933号明細書、同第5,618,698号明細書、同第5,621,080号明細書、同第5,756,349号明細書、同第5,767,078号明細書、同第5,773,569号明細書、同第5,955,422号明細書、同第5,830,851号明細書、同第5,856,298号明細書、同第5,986,047号明細書、同第6,030,086号明細書、同第6,310,078号明細書、同第6,391,633号明細書、同第6,583,272号明細書、同第6,586,398号明細書、同第6,900,292号明細書、同第6,750,369号明細書、同第7,030,226号明細書、同第7,084,245号明細書および同第7,217,689号明細書、米国特許出願公開第2002/0155998号明細書、同第2003/0077753号明細書、同第2003/0082749号明細書、同第2003/0143202号明細書、同第2004/0009902号明細書、同第2004/0071694号明細書、同第2004/0091961号明細書、同第2004/0143857号明細書、同第2004/0157293号明細書、同第2004/0175379号明細書、同第2004/0175824号明細書、同第2004/0229318号明細書、同第2004/0248815号明細書、同第2004/0266690号明細書、同第2005/0019914号明細書、同第2005/0026834号明細書、同第2005/0096461号明細書、同第2005/0107297号明細書、同第2005/0107591号明細書、同第2005/0124045号明細書、同第2005/0124564号明細書、同第2005/0137329号明細書、同第2005/0142642号明細書、同第2005/0143292号明細書、同第2005/0153879号明細書、同第2005/0158822号明細書、同第2005/0158832号明細書、同第2005/0170457号明細書、同第2005/0181359号明細書、同第2005/0181482号明細書、同第2005/0192211号明細書、同第2005/0202538号明細書、同第2005/0227289号明細書、同第2005/0244409号明細書、同第2006/0088906号明細書および同第2006/0111279号明細書、ならびに国際公開第91/05867号パンフレット、同第95/05465号パンフレット、同第99/66054号パンフレット、同第00/24893号パンフレット、同第01/81405号パンフレット、同第00/61637号パンフレット、同第01/36489号パンフレット、同第02/014356号パンフレット、同第02/19963号パンフレット、同第02/20034号パンフレット、同第02/49673号パンフレット、同第02/085940号パンフレット、同第03/029291号パンフレット、同第2003/055526号パンフレット、同第2003/084477号パンフレット、同第2003/094858号パンフレット、同第2004/002417号パンフレット、同第2004/002424号パンフレット、同第2004/009627号パンフレット、同第2004/024761号パンフレット、同第2004/033651号パンフレット、同第2004/035603号パンフレット、同第2004/043382号パンフレット、同第2004/101600号パンフレット、同第2004/101606号パンフレット、同第2004/101611号パンフレット、同第2004/106373号パンフレット、同第2004/018667号パンフレット、同第2005/001025号パンフレット、同第2005/001136号パンフレット、同第2005/021579号パンフレット、同第2005/025606号パンフレット、同第2005/032460号パンフレット、同第2005/051327号パンフレット、同第2005/063808号パンフレット、同第2005/063809号パンフレット、同第2005/070451号パンフレット、同第2005/081687号パンフレット、同第2005/084711号パンフレット、同第2005/103076号パンフレット、同第2005/100403号パンフレット、同第2005/092369号パンフレット、同第2006/50959号パンフレット、同第2006/02646号パンフレットおよび同第2006/29094号パンフレットに開示されているような、エリスロポエチン分子またはその変異体もしくは類似体とが挙げられる。
【0062】
本デバイスと使用される他の医薬製品の例としては、限定されないが、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(商標)(デノスマブ)、およびProlia(商標)(デノサマブ)等の抗体;Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF阻害薬)、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、ペグ化フィルガストリム、ペグ化G-CSF、ペグ化hu-Met-G-CSF)、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)およびNplate(登録商標)(ロミプロスチム)等の他の生物学的製剤;Sensipar(登録商標)(シナカルセト)等の小分子薬物が挙げられる。本デバイスはまた、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質、または、鉄、たとえば、フェルモキシトール、鉄デキストラン、グルコン酸第二鉄および鉄スクロース等の他の化学物質とも使用することができる。医薬製品は、液体形態であり得るか、または凍結乾燥の形態から戻され得る。
【0063】
特定の例示的なタンパク質の中には、以下に示す特異タンパク質(その融合物、断片、類似体、変異体または誘導体を含む)がある。
【0064】
OPGL特異抗体、ペプチボディ、および関連タンパク質等(RANKL特異抗体、ペプチボディ等とも呼ぶ)であって、限定されないが、OPGL特異抗体および抗体関連タンパク質に関して全体として参照により本明細書に援用される国際公開第03/002713号パンフレットに記載されている抗体、特に、そこに示されている配列を有するもの、特に、限定されないが、その
図2に示されているような配列番号2の軽鎖および/またはその
図4に示されているような配列番号4の重鎖のいずれかを有するOPGL特異抗体等を含む、そこに示されているもの:9H7、18B2、2D8、2E11、16E1および22B3を含む(それらの各々が、上述した刊行物に開示されているように完全に全体として参照により本明細書に個々にかつ具体的に援用される)、完全ヒト化およびヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化モノクローナル抗体を含む;
【0065】
ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、および関連タンパク質等であって、ミオスタチン特異的ペプチボディ、特に、限定されないが、TN8-19-1~TN8-19-40、TN8-19con1およびTN8-19con2を含む、配列番号305~351のものを含む、mTN8-19ファミリのペプチボディ、配列番号357~383のmL2ファミリ、配列番号384~409のmL15ファミリ、配列番号410~438のmL17ファミリ、配列番号439~446のmL20ファミリ、配列番号447~452のmL21ファミリ、配列番号453~454のmL24ファミリのペプチボディ、ならびに配列番号615~631のものを含む、全体として特にミオスタチン特異的ペプチボディに関する部分において参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2004/0181033号明細書および国際公開第2004/058988号パンフレットに記載されているものを含む(それらの各々が、上述した刊行物に開示されているように完全に全体として参照により本明細書に個々にかつ具体的に援用される);
【0066】
IL-4受容体特異抗体、ペプチボディおよび関連タンパク質等、特にIL-4および/またはIL-13を受容体に結合することにより媒介される活動を抑制するものであって、全体として特にIL-4受容体特異抗体に関する部分において参照により本明細書に援用される国際公開第2005/047331号パンフレットまたはPCT出願PCT/US2004/37242号明細書および米国特許出願公開第2005/112694号に記載されているもの、特にそこに記載されるそのような抗体、特に、限定なしに、そこに明示されているもの:L1H1、L1H2、L1H3、L1H4、L1H5、L1H6、L1H7、L1H8、L1H9、L1H10、L1H11、L2H1、L2H2、L2H3、L2H4、L2H5、L2H6、L2H7、L2H8、L2H9、L2H10、L2H11、L2H12、L2H13、L2H14、L3H1、L4H1、L5H1、L6H1を含む(それらの各々が、上述した刊行物に開示されているように完全に全体として参照により本明細書に個々にかつ具体的に援用される);
【0067】
インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディおよび関連タンパク質等であって、限定されないが、全体として特にIL1-R1特異結合タンパク質、モノクローナル抗体に関する部分において参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2004/097712号明細書に記載されているもの、特に、限定なしに、そこに明示されているもの:15CA、26F5、27F2、24E12および10H7を含む(それらの各々が、上述した刊行物に開示されているように完全に全体として参照により本明細書に個々にかつ具体的に援用される);
【0068】
Ang2特異抗体、ペプチボディおよび関連タンパク質等であって、限定されないが、各々が全体として特にAng2特異抗体およびペプチボディ等に関する部分において参照により本明細書に援用される国際公開第03/057134号パンフレットおよび米国特許出願公開第2003/0229023号明細書に記載されているもの、特にそこに記載されているものを含み、限定されないが:L1(N)、L1(N)WT、L1(N)1K WT、2xL1(N)、2xL1(N)WT、Con4(N)、Con4(N)1K WT、2xCon4(N)1K、L1C、L1C 1K、2xL1C、Con4C、Con4C 1K、2xCon4C 1K、Con4-L1(N)、Con4-L1C、TN-12-9(N)、C17(N)、TN8-8(N)、TN8-14(N)、Con1(N)を含み、同じものに関して全体として参照により本明細書に援用される国際公開第2003/030833号パンフレットに記載されているもの等の抗Ang2抗体および製剤、特に、そこに記載されているようにそれらのさまざまな順列におけるAb526、Ab528、Ab531、Ab533、Ab535、Ab536、Ab537、Ab540、Ab543、Ab544、Ab545、Ab546、A551、Ab553、Ab555、Ab558、Ab559、Ab565、AbF1AbFD、AbFE、AbFJ、AbFK、AbG1D4、AbGC1E8、AbH1C12、AblA1、AblF、AblK、AblPおよびAblPもまた含む(それらの各々が、上述した刊行物に開示されているように完全に全体として参照により本明細書に個々にかつ具体的に援用される);
【0069】
NGF特異抗体、ペプチボディおよび関連タンパク質等であって、特に、限定されないが、特にこの点でNGF-特異抗体および関連タンパク質に関して全体として参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2005/0074821号明細書および米国特許第6,919,426号明細書に記載されているもの、特に、限定されないが、そこに明示されているNGF-特異抗体、4D4、4G6、6H9、7H2、14D10および14D11を含む(それらの各々が、上述した刊行物に開示されているように完全に全体として参照により本明細書に個々にかつ具体的に援用される);
【0070】
CD22特異抗体、ペプチボディおよび関連タンパク質等であって、CD22特異抗体および関連タンパク質に関して全体として参照により本明細書に援用される米国特許第5,789,554号明細書に記載されているもの、特に、限定されないが、たとえば、エプラツズマブ(CAS登録番号501423-23-0)におけるヒトCD22特異完全ヒト化抗体を含むヒト-マウスモノクローナルhLL2κ鎖にジスルフィド結合されたヒト-マウスモノクローナルhLL2γ鎖二硫化物の二量体等、限定されないがヒトCD22特異IgG抗体を含む、限定されないがヒト化および完全ヒトモノクローナル抗体を含む、限定されないがヒト化および完全ヒト抗体等のヒトCD22特異抗体等;
【0071】
IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディおよび関連タンパク質等であって、IGF-1受容体特異抗体および関連タンパク質に関して全体として参照により本明細書に援用される国際公開第06/069202号パンフレットに記載されているもの、限定されないが、そこに明示されているIGF-1特異抗体、L1H1、L2H2、L3H3、L4H4、L5H5、L6H6、L7H7、L8H8、L9H9、L10H10、L11H11、L12H12、L13H13、L14H14、L15H15、L16H16、L17H17、L18H18、L19H19、L20H20、L21H21、L22H22、L23H23、L24H24、L25H25、L26H26、L27H27、L28H28、L29H29、L30H30、L31H31、L32H32、L33H33、L34H34、L35H35、L36H36、L37H37、L38H38、L39H39、L40H40、L41H41、L42H42、L43H43、L44H44、L45H45、L46H46、L47H47、L48H48、L49H49、L50H50、L51H51、L52H52、およびIGF-1R-結合断片およびその誘導体を含む(それらの各々が、上述した刊行物に開示されているように完全に全体として参照により本明細書に個々にかつ具体的に援用される);
【0072】
また、本開示の方法および構成において使用される抗IGF-1R抗体の非限定的例の中には、以下に記載するものの各々およびすべてがある:
(i)米国特許出願公開第2006/0040358号明細書(2006年2月23日公開)、同第2005/0008642号明細書(2005年1月13日公開)、同第2004/0228859号明細書(2004年11月18日公開)、限定されないが、そこに記載されているように、たとえば、抗体1A(DSMZ受託番号DSM ACC 2586)、抗体8(DSMZ受託番号DSM ACC 2589)、抗体23(DSMZ受託番号DSM ACC 2588)および抗体18を含む;
(ii)国際公開第06/138729号パンフレット(2006年12月28日公開)および同第05/016970号パンフレット(2005年2月24日公開)、ならびにLu et al.(2004),J.Biol.Chem.279:2856-2865、限定されないが、そこに記載されているように、抗体2F8、A12およびIMC-A12を含む;
(iii)国際公開第07/012614号パンフレット(2007年2月1日公開)、同第07/000328号パンフレット(2007年1月4日公開)、同第06/013472号パンフレット(2006年2月9日公開)、同第05/058967号(2005年6月30日公開)および同第03/059951号(2003年7月24日公開);
(iv)米国特許出願公開第2005/0084906号明細書(2005年4月21日公開)、限定されないが、そこに記載されているように、抗体7C10、キメラ抗体C7C10、抗体h7C10、抗体7H2M、キメラ抗体*7C10、抗体GM607、ヒト化抗体7C10バージョン1、ヒト化抗体7C10バージョン2、ヒト化抗体7C10バージョン3および抗体7H2HMを含む;
(v)米国特許出願公開第2005/0249728号明細書(2005年11月10日公開)、同第2005/0186203号明細書(2005年8月25日公開)、同第2004/0265307号明細書(2004年12月30日公開)、および同第2003/0235582号明細書(2003年12月25日公開)、ならびにMaloney et al.(2003),Cancer Res.63:5073-5083、限定されないが、そこに記載されているように、抗体EM164、表面再構成EM164、ヒト化EM164、huEM164 v1.0、huEM164 v1.1、huEM164 v1.2およびhuEM164 v1.3を含む;
(vi)米国特許第7,037,498号明細書(2006年5月2日発行)、米国特許出願公開第2005/0244408号明細書(2005年11月30日公開)および同第2004/0086503号明細書(2004年5月6日公開)、ならびにCohen,et al.(2005),Clinical Cancer Res.11:2063-2073、たとえば、抗体CP-751、871、限定されないが、そこに記載されているように、ATCCアクセッション番号PTA-2792、PTA-2788、PTA-2790、PTA-2791、PTA-2789、PTA-2793を有するハイブリドーマによって産生された抗体の各々、および抗体2.12.1、2.13.2、2.14.3、3.1.1、4.9.2、および4.17.3を含む;
(vii)米国特許出願公開第2005/0136063号明細書(2005年6月23日公開)および同第2004/0018191号明細書(2004年1月29日公開)、限定されないが、そこに記載されているように、抗体19D12、ならびに番号PTA-5214でATCCに寄託された、プラスミド15H12/19D12HCA(γ4)におけるポリヌクレオチドによってコードされる重鎖、および番号PTA-5220でATCCに寄託された、プラスミド15H12/19D12LCF(κ)におけるポリヌクレオチドによってコードされる軽鎖を含む抗体を含む;
(viii)米国特許出願公開第2004/0202655号明細書(2004年10月14日公開)、限定されないが、そこに記載されているように、抗体PINT-6A1、PINT-7A2、PINT-7A4、PINT-7A5、PINT-7A6、PINT-8A1、PINT-9A2、PINT-11A1、PINT-11A2、PINT-11A3、PINT-11A4、PINT-11A5、PINT-11A7、PINT-11A12、PINT-12A1、PINT-12A2、PINT-12A3、PINT-12A4およびPINT-12A5を含む(これらの各々およびすべては、特にIGF-1受容体を標的にする上述した抗体、ペプチボディおよび関連タンパク質等に関して、全体として参照により本明細書に援用される);
【0073】
B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等(「B7RP-1」、文献ではB7H2、ICOSL、B7hおよびCD275とも呼ばれる)、特にB7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体、特にB7RP-1の第1免疫グロブリン様ドメインにおけるエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体、特にB7RP-1と特に活性化T細胞におけるその天然受容体であるICOSとの相互作用を抑制するもの、特に、上述した点のすべてにおいて、そうした抗体および関連タンパク質に関して全体として参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2008/0166352号明細書および国際公開第07/011941号パンフレットに開示されているもの、限定されないが、以下のようにそこに明示されている抗体を含む:16H(それぞれ配列番号1および配列番号7の軽鎖可変領域配列および重鎖可変領域配列を内部に有する);5D(それぞれ配列番号2および配列番号9の軽鎖可変領域配列および重鎖可変領域配列を内部に有する);2H(それぞれ配列番号3および配列番号10の軽鎖可変領域配列および重鎖可変領域配列を内部に有する);43H(それぞれ配列番号6および配列番号14の軽鎖可変領域配列および重鎖可変領域配列を内部に有する);41H(それぞれ配列番号5および配列番号13の軽鎖可変領域配列および重鎖可変領域配列を内部に有する);ならびに15H(それぞれ配列番号4および配列番号12の軽鎖可変領域配列および重鎖可変領域配列を内部に有する)を含む(それらの各々が、上述した刊行物に開示されているように完全に全体として参照により本明細書に個々にかつ具体的に援用される);
【0074】
特にヒト化モノクローナル抗体等のIL-15特異抗体、ペプチボディおよび関連タンパク質等、特に、たとえば、限定されないが、たとえば146B7等のHuMax IL-15抗体および関連タンパク質を含む、ペプチボディを含む、IL-15特異抗体および関連タンパク質に関して各々が全体として参照により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2003/0138421号明細書、同第2003/023586号明細書および同第2004/0071702号明細書、ならびに米国特許第7,153,507号明細書に開示されるもの等の抗体;
【0075】
IFN γ特異抗体、ペプチボディおよび関連タンパク質等、特にヒトIFNγ特異抗体、特に、たとえば、IFNγ特異抗体に関して全体として参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2005/0004353号明細書に記載されているもの、特に、たとえば、そこで1118、1118*、1119、1121、および1121*と示されている抗体等の完全ヒト抗IFNγ抗体。これらの抗体の各々の重鎖および軽鎖の配列全体と、これらの重鎖および軽鎖の可変領域ならびに相補性決定領域の配列は各々、上記刊行物およびThakur et al.(1999),Mol.Immunol.36:1107-1115に開示されているように、全体として参照により完全に本明細書に個々にかつ具体的に援用される。さらに、上記刊行物において提供されるこれらの抗体の特性の説明もまた、全体として参照により本明細書に援用される。特異抗体としては、上述した刊行物に開示されているように、配列番号17の重鎖および配列番号18の軽鎖を有するもの、配列番号6の重鎖可変領域および配列番号8の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号19の重鎖および配列番号20の軽鎖を有するもの、配列番号10の重鎖可変領域および配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号32の重鎖および配列番号20の軽鎖を有するもの、配列番号30の重鎖可変領域および配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号21の重鎖配列および配列番号22の軽鎖配列を有するもの、配列番号14の重鎖可変領域および配列番号16の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号21の重鎖および配列番号33の軽鎖を有するもの、ならびに配列番号14の重鎖可変領域および配列番号31の軽鎖可変領域を有するものが挙げられる。企図される特異抗体は、上記米国特許出願公開に開示されているような抗体1119であり、この抗体は、そこに開示されているような配列番号17の完全重鎖を有し、かつそこに開示されているような配列番号18の完全軽鎖を有する;
【0076】
TALL-1特異抗体、ペプチボディおよび関連タンパク質等、ならびに米国特許出願公開第2003/0195156号明細書および同第2006/0135431号明細書に記載されているもの等の他のTALL特異結合タンパク質、これら明細書の各々は、TALL-1結合タンパク質、特に表4および表5Bの分子に関して、全体として参照により本明細書に援用され、これらの分子の各々は、上記刊行物において開示されているように、全体として参照により完全に本明細書に援用される;
【0077】
副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディおよび関連タンパク質等であって、全体として特にPTHと結合するタンパク質に関する部分において参照により本明細書に援用される米国特許第6,756,480号明細書に記載されているもの等;
【0078】
トロンボポチエン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディおよび関連タンパク質等であって、全体として特にTPO-Rと結合するタンパク質に関する部分において参照により本明細書に援用される米国特許第6,835,809号明細書に記載されているもの等;
【0079】
肝細胞増殖因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディおよび関連タンパク質等であって、米国特許出願公開第2005/0118643号明細書および国際公開第2005/017107号パンフレットに記載されている肝細胞増殖因子/分散(HGF/SF)を中和する完全ヒトモノクローナル抗体、米国特許第7,220,410号明細書に記載されているhuL2G7、ならびに米国特許第5,686,292号明細書および同第6,468,529号明細書にかつ国際公開第96/38557号パンフレットに記載されているOA-5d5等(これらの各々は、全体として特にHGFに結合するタンパク質に関する部分において参照により本明細書に援用される)、HGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的とするものを含む;
【0080】
TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等であって、全体として特にTRAIL-R2と結合するタンパク質に関する部分において参照により本明細書に援用される米国特許第7,521,048号明細書に記載されているもの等;
【0081】
アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等であって、限定されないが、全体として特にアクチビンAと結合するタンパク質に関する部分において参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2009/0234106号明細書に記載されているものを含む;
【0082】
TGF-β特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等であって、限定されないが、全体として特にTGF-βと結合するタンパク質に関する部分において各々が参照により本明細書に援用される米国特許第6,803,453号明細書および米国特許出願公開第2007/0110747号明細書に記載されているものを含む;
【0083】
アミロイドβタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等であって、限定されないが、全体として特にアミロイドβタンパク質と結合するタンパク質に関する部分において参照により本明細書に援用される国際公開第2006/081171号パンフレットに記載されているものを含む。企図される1つの抗体は、上記刊行物に開示されているように、配列番号8を含む重鎖可変領域および配列番号6を有する軽鎖可変領域を有する抗体である;
【0084】
c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等であって、限定されないが全体として特にc-Kitおよび/または他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質に関する部分において参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2007/0253951号明細書に記載されているものを含む;
【0085】
OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等であって、限定されないが、全体として特にOX40Lおよび/またはOX40受容体の他のリガンドと結合するタンパク質に関する部分において参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2006/0002929号明細書に記載されているものを含む;ならびに
【0086】
他の例示的なタンパク質であって、Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA);Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンα);Epogen(登録商標)(エポエチンα、またはエリスロポエチン);GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンβ-1a);Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体);Betaseron(登録商標)(インターフェロン-β);Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体);Dynepo(登録商標)(エポエチンδ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7 mAb);MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb);Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF阻害薬);Eprex(登録商標)(エポエチンα);Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1);Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb);Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Humira(登録商標)(アダリムマブ);インスリン溶液;Infergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン-1);Natrecor(登録商標)(ネシリチド;遺伝子組換えヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP);Kineret(登録商標)(アナキンラ);Leukine(登録商標)(サルグラモスチム、rhuGM-CSF);LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ、抗CD22 mAb);Benlysta(商標)(リンフォスタットB、ベリムマブ、抗BlyS mAb);Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体);Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンβ);Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン);Raptiva(登録商標)(エファリズマブ);Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP870);Soliris(商標)(エクリズマブ);ペキセリズマブ(抗C5補体);Numax(登録商標)(MEDI-524);Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ);Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ);Trabio(登録商標)(レルデリムマブ);TheraCim hR3(ニモツズマブ);Omnitarg(ペルツズマブ、2C4);Osidem(登録商標)(IDM-1);OvaRex(登録商標)(B43.13);Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ);カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1);NeoRecormon(登録商標)(エポエチンβ);Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11);Neulasta(登録商標)(ペグ化フィルガストリム、ペグ化G-CSF、ペグ化hu-Met-G-CSF);Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF);Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体);Procrit(登録商標)(エポエチンα);Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体);Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP lIb/Ilia受容体モノクローナル抗体);Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb);Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ);Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb);Tarceva(登録商標)(エルロチニブ);Roferon-A(登録商標)-(インターフェロンα-2a);Simulect(登録商標)(バシリキシマブ);Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ);Synagis(登録商標)(パリビズマブ);146B7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書を参照);Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb);Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌防御抗原mAb);ABthrax(商標);Vectibix(登録商標)(パニツムマブ);Xolair(登録商標)(オマリズマブ);ETI211(抗MRSA mAb);IL-1 trap(ヒトIgG1のFc部分および両IL-1受容体成分(I型受容体および受容体アクセサリータンパク質)の細胞外ドメイン);VEGF trap(IgG1 Fcに融合したVEGFR1のドメイン);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb);Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン);Zetia(登録商標)(エゼチミブ);Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig);抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ);抗CD23 mAb(ルミリキシマブ);BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬);CNTO148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb);HGS-ETR1(マパツズマブ;ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb);HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb);HuMax-EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb);MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAbおよびVEGFR-1(IMC-18F1);抗BR3 mAb;抗クロストリジウム・ディフィシル毒素Aならびに毒素B C mAbs MDX-066(CDA-1)およびMDX-1388);抗CD22 dsFv-PE38 抱合体(CAT-3888およびCAT-8015);抗CD25 mAb(HuMax-TAC);抗CD3 mAb(NI-0401);アデカツムマブ;抗CD30 mAb(MDX-060);MDX-1333(抗IFNAR);抗CD38 mAb(HuMax CD38);抗CD40L mAb;抗Cripto mAb;抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019);抗CTLA4 mAb;抗エオタキシン1 mAb(CAT-213);抗FGF8 mAb;抗ガングリオシドGD2 mAb;抗ガングリオシドGM2 mAb;抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029);抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001);抗HepC mAb(HuMax HepC);抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-1103);抗IGF1R mAb;抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam);抗IL12 mAb(ABT-874);抗IL12/IL23 mAb(CNTO1275);抗IL13 mAb(CAT-354);抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC);抗IL5受容体mAb;抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO95);抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100);抗LLY抗体;BMS-66513;抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307);抗メソテリンdsFv-PE38抱合体(CAT-5001);抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538));抗PDGFRα抗体(IMC-3G3);抗TGFβ mAb(GC-1008);抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2);抗TWEAK mAb;抗VEGFR/Flt-1 mAb;抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3);NVS抗体1番;ならびにNVS抗体2番を含む。
【0087】
限定されないがロモソズマブ、ブロソズマブ、またはBPS804(Novartis)等のスクレロスチン抗体もまた含めることができる。リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブ二リン酸、ブロダルマブ、ビスピプラント、パニツムマブ、デノスマブ、NPLATE、PROLIA、VECTIBIXまたはXGEVA等の治療薬をさらに含めることができる。さらに、ヒトプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)も、本デバイスに含めることができる。こうしたPCSK9特異抗体には、各々がすべての目的で全体として参照により本明細書に援用される以下の特許または特許出願に開示されているように、限定されないが、Repatha(登録商標)(エボロクマブ)およびPraluent(登録商標)(アリロクマブ)、ならびにそれらの分子、変異体、類似体または誘導体が含まれる:米国特許第8,030,547号明細書、米国特許第8,563,698号明細書、米国特許第8,829,165号明細書、米国特許第8,859,741号明細書、米国特許第8,871,913号明細書、米国特許第8,871,914号明細書、米国特許第8,883,983号明細書、米国特許第8,889,834号明細書、米国特許第8,981,064号明細書、米国特許第9,056,915号明細書、米国特許第8,168,762号明細書、米国特許第9,045,547号明細書、米国特許第8,030,457号明細書、米国特許第8,030,457号明細書、米国特許第8,829,165号明細書、米国特許第8,981,064号明細書、米国特許第8,030,457号明細書、米国特許出願公開第2013/0064825号明細書、米国特許出願公開第2012/0093818号明細書、米国特許出願公開第2013/0079502号明細書、米国特許出願公開第2014/0357850号明細書、米国特許出願公開第2011/0027287号明細書、米国特許出願公開第2014/0357851号明細書、米国特許出願公開第2014/0357854号明細書、米国特許出願公開第2015/0031870号明細書、米国特許出願公開第2013/0085265号明細書、米国特許出願公開第2013/0079501号明細書、米国特許出願公開第2012/0213797号明細書、米国特許出願公開第2012/0251544号明細書、米国特許出願公開第2013/0072665号明細書、米国特許出願公開第2013/0058944号明細書、米国特許出願公開第2013/0052201号明細書、米国特許出願公開第2012/0027765号明細書、米国特許出願公開第2015/0087819号明細書、米国特許出願公開第2011/0117011号明細書、米国特許出願公開第2015/0004174号明細書、米国仮特許出願第60/957,668号明細書、米国仮特許出願第61/008,965号明細書、米国仮特許出願第61/010,630号明細書、米国仮特許出願第61/086,133号明細書、米国仮特許出願第61/125,304号明細書、米国仮特許出願第61/798,970号明細書、米国仮特許出願第61/841,039号明細書、米国仮特許出願第62/002,623号明細書、米国仮特許出願第62/024,399号明細書、米国仮特許出願第62/019,729号明細書、米国仮特許出願第62/067,637号明細書、米国特許出願第14/777,371号明細書、国際特許出願PCT/US2013/048714号明細書、国際特許出願PCT/US2015/040211号明細書、国際特許出願PCT/US2015/056972号明細書、国際公開第2008/057457号パンフレット、国際公開第2008/057458号パンフレット、国際公開第2008/057459号パンフレット、国際公開第2008/063382号パンフレット、国際公開第2008/133647号パンフレット、国際公開第2009/100297号パンフレット、国際公開第2009/100318号パンフレット、国際公開第2011/037791号パンフレット、国際公開第2011/053759号パンフレット、国際公開第2011/053783号パンフレット、国際公開第2008/125623号パンフレット、国際公開第2011/072263号パンフレット、国際公開第2009/055783号パンフレット、国際公開第2012/0544438号パンフレット、国際公開第2010/029513号パンフレット、国際公開第2011/111007号パンフレット、国際公開第2010/077854号パンフレット、国際公開第2012/088313号パンフレット、国際公開第2012/101251号パンフレット、国際公開第2012/101252号パンフレット、国際公開第2012/101253号パンフレット、国際公開第2012/109530号パンフレット、および国際公開第2001/031007号パンフレット、国際公開第2009/026558号パンフレット、国際公開第2009/131740号パンフレット、国際公開第2013/166448号パンフレットおよび国際公開第2014/150983号パンフレット。
【0088】
黒色腫または他の癌の治療のためのタリモジーン・ラハーパレプベックまたは別の腫瘍溶解性HSVもまた、含めることができる。腫瘍溶解性HSVの例としては、限定されないが、タリモジーン・ラハーパレプベック(米国特許第7,223,593号明細書および同第7,537,924号明細書)、OncoVEXGALV/CD(米国特許第7,981,669号明細書)、OrienX010(Leietal.(2013)、World J.Gastroenterol.,19:5138-5143);G207、1716;NV1020;NV12023;NV1034およびNV1042(Vargehes et al.(2002),Cancer Gene Ther.,9(12):967-978)が挙げられる。
【0089】
TIMPもまた含まれる。TIMPは、メタロプロテイナーゼの内因性の組織阻害剤(TIMP)であり、多くの自然過程において重要である。TIMP-3は、さまざまな細胞によって発現され、またはかつ細胞外マトリックス内に存在し、すべての主な軟骨分解メタロプロテアーゼを抑制し、リウマチ性関節炎および骨関節症を含む結合組織の多くの分解疾患における役割において、ならびに癌および心臓血管疾患において役割を担うことができる。TIMP-3のアミノ酸配列、およびTIMP-3をコードするDNAの核酸配列は、2003年5月13日に発行された米国特許第6,562,596号明細書に開示されており、この開示は、参照により本明細書に援用される。TIMP変異について説明は、米国特許出願公開第2014/0274874号明細書および国際公開第2014/152012号パンフレットに見出すことができる。
【0090】
ヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体に対する拮抗的抗体、ならびにCGRP受容体および他の頭痛の原因となる標的物を標的にする二重特異性抗体分子もまた含まれる。これらの分子に関するさらなる情報は、国際公開第2010/075238号パンフレットに見出すことができる。
【0091】
さらに、本デバイスにおいて、二重特異性T細胞誘導抗体(BiTe)、たとえば、ブリノツモマブを使用することができる。別法として、本デバイスにおいて、APJ巨大分子作動薬、たとえば、アペリンまたはその類似体を含めることができる。こうした分子に関連する情報は、国際公開第2014/099984号パンフレットに見出すことができる。
【0092】
いくつかの実施形態において、薬物は、治療的有効量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)またはTSLP受容体抗体を含む。こうした実施形態において使用することができる抗TSLP抗体の例としては、限定されないが、米国特許第7,982,016号明細書および同第8,232,372号明細書、ならびに米国特許出願公開第2009/0186022号明細書に記載されているものが挙げられる。抗TSLP受容体抗体の例としては、限定されないが、米国特許第8,101,182号明細書に記載されているものが挙げられる。特に好ましい実施形態では、薬物は、米国特許第7,982,016号明細書内でA5として示されている治療的有効量の抗TSLP抗体を含む。
【0093】
さまざまな実施形態に関連して本開示について説明したが、本開示はさらなる変更が可能であることが理解されよう。本開示は、概して、本開示の原理に従い、本開示が属する技術分野内の既知のかつ慣習的な実施の範囲内にある、本開示からの逸脱を含む、開示した主題の任意の変形、使用または適合を包含するように意図されている。
【0094】
さまざまな例示的な実施形態に示すような薬物送達デバイスの構造および構成は、単に例示的なものであることに留意されたい。本開示では、論点である主体のごくわずかな実施形態について詳細に記載しているが、本開示を検討する当業者であれば、本明細書に開示する主題の新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく、多くの変更(たとえば、さまざまな要素のサイズ、寸法、構造、形状および割合、パラメータの値、取付構成、材料の使用、色、向き等の変形)が可能であることが容易に理解されよう。たとえば、一体的に形成されるものとして示される要素は、複数の部品または要素から構成することができ、その逆も可能である。また、要素の位置を反転させるかまたは他の方法で変更することができ、別個の要素または位置の性質または数を部分的に変更するかまたは変更することができる。したがって、こうした変更のすべてが、添付の特許請求において規定されるように本開示の範囲内に含まれるように意図されている。さらに、任意のプロセスまたは方法ステップの順序またはシーケンスは、代替実施形態にしたがって変更するかまたは並べ替えることができる。本開示の範囲から逸脱することなく、さまざまな例示的な実施形態の設計、動作条件および配置において、他の置換、変更、変化および省略を行うことができる。