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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】アンテナモジュール及び端末
(51)【国際特許分類】
   H01Q 9/42 20060101AFI20220427BHJP
   H01Q 13/10 20060101ALI20220427BHJP
【FI】
H01Q9/42
H01Q13/10
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019563274
(86)(22)【出願日】2019-10-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 CN2019111069
(87)【国際公開番号】W WO2021035895
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2019-11-14
(31)【優先権主張番号】201910817109.7
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲亞▼▲麗▼
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-140667(JP,A)
【文献】特開2003-078323(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 9/42
H01Q 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナモジュールであって、
給電ブランチと、第1ブランチと、第2ブランチと、第3ブランチと、接地ブランチと、を含み、
前記給電ブランチは、給電ポイントに接続され、前記接地ブランチは、接地ポイントに接続され、
前記第1ブランチと前記第3ブランチは、第1スロットと第2スロットを形成し
前記第2ブランチは、折り曲げた形状のブランチであり、
前記給電ブランチ、前記第1ブランチ、前記第2ブランチ、前記第3ブランチ及び前記接地ブランチは、順次に接続され、スロットを有する環状構造を構成し、
前記スロットは、前記給電ブランチと前記接地ブランチとの間に位置し、前記スロット、前記第1スロット及び前記第2スロットのそれぞれの内部が絶縁され
前記スロット、前記第1スロット及び前記第2スロットは、スロットアンテナを形成し、
前記スロット、前記第1スロット及び前記第2スロットのピッチ及び長さを調整することにより、前記スロットアンテナの動作周波数帯域を調整する
ことを特徴とするアンテナモジュール。
【請求項2】
前記給電ブランチは、前記接地ブランチと平行になる
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項3】
前記給電ブランチは、
第1給電部と、第2給電部と、を含み、
前記第1給電部は、前記第1ブランチに接続され、且つ前記第2給電部に接続され、
前記第1給電部と前記第2給電部は、L形のブランチを構成し、
前記接地ブランチは、
第1接地部と、第2接地部と、を含み、
前記第1接地部は、前記第3ブランチに接続され、且つ前記第2接地部に接続され、
前記第1接地部と前記第2接地部は、L形のブランチを構成し、
前記第1給電部は、前記第1接地部に整列され、前記第2給電部は、前記第2接地部と平行になる
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項4】
前記第1ブランチは、
第1部分と、第2部分と、第3部分と、を含み、
前記第1部分、前記第2部分及び前記第3部分は、順次に接続され、
前記第1部分と前記第2部分は、L形のブランチを構成し、
前記第2部分と前記第3部分は、L形のブランチを構成し、
前記給電ブランチは、前記第1部分に接続され、前記第3部分は、前記第2ブランチに接続される
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項5】
前記給電ブランチは、
第1給電部と、第2給電部と、を含み、
前記第1給電部は、前記第1ブランチの前記第1部分に接続され、
前記第1給電部は、前記第2給電部に接続され、
前記第1給電部と前記第2給電部は、L形のブランチを構成し、
前記第1給電部と前記第1部分は、L形のブランチを構成する
ことを特徴とする請求項4に記載のアンテナモジュール。
【請求項6】
前記第1部分と前記第2給電部は、
前記第1給電部の同じ側に位置するか、或いは、前記第1給電部の両側に位置する
ことを特徴とする請求項5に記載のアンテナモジュール。
【請求項7】
前記第1部分と前記第2給電部は、
前記第2ブランチに隣接する前記第1給電部の一側に位置するか、或いは、前記第2ブランチから離れた前記第1給電部の一側に位置する
ことを特徴とする請求項6に記載のアンテナモジュール。
【請求項8】
前記第3ブランチは、
第4部分と、第5部分と、第6部分と、を含み、
前記第4部分、前記第5部分及び前記第6部分は、順次に接続され、
前記第4部分と前記第5部分は、L形のブランチを構成し、
前記第5部分と前記第6部分は、L形のブランチを構成し、
前記接地ブランチは、前記第4部分に接続され、前記第6部分は、前記第2ブランチに接続される
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項9】
前記接地ブランチは、
第1接地部と、第2接地部と、を含み、
前記第1接地部は、前記第3ブランチの前記第4部分に接続され、且つ前記第2接地部に接続され、
前記第1接地部と前記第2接地部は、L形のブランチを構成し、
前記第1接地部と前記第4部分は、L形のブランチを構成する
ことを特徴とする請求項8に記載のアンテナモジュール。
【請求項10】
前記第4部分と前記第2接地部は、
前記第1接地部の同じ側に位置するか、或いは、前記第1接地部の両側に位置する
ことを特徴とする請求項9に記載のアンテナモジュール。
【請求項11】
前記第4部分と前記第2接地部は、
前記第2ブランチに隣接する前記第1接地部の一側に位置するか、或いは、前記第2ブランチから離れた前記第1接地部の一側に位置する
ことを特徴とする請求項10に記載のアンテナモジュール。
【請求項12】
前記アンテナモジュールの材質は、工業用液晶ポリマーである
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のアンテナモジュールを含む
ことを特徴とする端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術分野に関し、特に、アンテナモジュール及び端末に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、通信技術の不断の発展に伴い、既にマルチネットワーク時代に入り、4G(The 4th Generation Mobile Communication Technology、第4世代移動通信技術)、WIFI(Wireless-Fidelity、無線ネットワーク)、5G(The 5th Generation Mobile Communication Technology、第5世代移動通信技術)などの様々な通信ネットワークが徐々に登場している。異なる通信ネットワークの周波数帯域は、互いに異なるので、異なる通信ネットワークとの互換性及びMIMO(Multiple-Input Multiple-Output、マルチ入力マルチ出力システム)アンテナの放射性能に対する要求を満たすために、端末は、複数の通信ネットワークの周波数帯域をサポートする必要がある。
【0003】
アンテナモジュールは、端末の信号を送受信するための部品であり、通常、1つのアンテナモジュールにより複数の周波数帯域をカバーすることができないので、端末に複数のアンテナモジュールを配置する必要がある。そして、アンテナモジュールは、それぞれ異なる周波数帯域で動作することにより、複数の周波数帯域に対するサポートを実現する。しかしながら、端末のスペースが制限されているので、端末に配置されるアンテナモジュールの数が多い場合、端末において大きすぎるスペースを占めてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、関連技術に存在しているアンテナモジュールが占めるスペースが大きすぎるという問題を解決できるアンテナモジュール及び端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例に係る第1態様によれば、アンテナモジュールを提供する。前記アンテナモジュールは、給電ブランチと、第1ブランチと、第2ブランチと、第3ブランチと、接地ブランチと、を含み、
前記給電ブランチは、給電ポイントに接続され、前記接地ブランチは、接地ポイントに接続され、
前記第1ブランチと前記第3ブランチは、凹状ブランチであり、
前記第2ブランチは、折り曲げた形状のブランチであり、
前記給電ブランチ、前記第1ブランチ、前記第2ブランチ、前記第3ブランチ及び前記接地ブランチは、順次に接続され、スロットを有する環状構造を構成し、
前記スロットは、前記給電ブランチと前記接地ブランチとの間に位置し、且つ、前記スロットの内部が絶縁されている。
【0006】
一つの可能な実施形態において、前記給電ブランチは、前記接地ブランチと平行になる。
【0007】
他の可能な実施形態において、前記給電ブランチは、第1給電部と、第2給電部とを含む。前記第1給電部は、前記第1ブランチに接続され、且つ前記第2給電部に接続される。前記第1給電部と前記第2給電部は、L形のブランチを構成する。
【0008】
前記接地ブランチは、第1接地部と第2接地部とを含み、前記第1接地部は、前記第3ブランチに接続され、且つ前記第2接地部に接続され、前記第1接地部と前記第2接地部は、L形のブランチを構成する。
【0009】
前記第1給電部は、前記第1接地部に整列され、前記第2給電部は、前記第2接地部と平行になる。
【0010】
他の可能な実施形態において、前記第1ブランチは、第1部分と、第2部分と、第3部分と、を含む。
【0011】
前記第1部分、前記第2部分及び前記第3部分は、順次に接続される。前記第1部分と前記第2部分は、L形のブランチを構成し、前記第2部分と前記第3部分は、L形のブランチを構成する。
【0012】
前記給電ブランチは、前記第1部分に接続され、前記第3部分は、前記第2ブランチに接続される。
【0013】
他の可能な実施形態において、前記給電ブランチは、第1給電部と、第2給電部と、を含む。前記第1給電部は、前記第1ブランチの前記第1部分に接続され、前記第1給電部は、前記第2給電部に接続される。
【0014】
前記第1給電部と前記第2給電部は、L形のブランチを構成し、
前記第1給電部と前記第1部分は、L形のブランチを構成する。
【0015】
他の可能な実施形態において、前記第1部分と前記第2給電部は、前記第1給電部の同じ側に位置するか、或いは、前記第1給電部の両側に位置する。
【0016】
他の可能な実施形態において、前記第1部分と前記第2給電部は、前記第2ブランチに隣接する前記第1給電部の一側に位置するか、或いは、前記第2ブランチから離れた前記第1給電部の一側に位置する。
【0017】
他の可能な実施形態において、前記第3ブランチは、第4部分と、第5部分と、第6部分と、を含む。
【0018】
前記第4部分、前記第5部分及び前記第6部分は、順次に接続される。前記第4部分と前記第5部分は、L形のブランチを構成し、前記第5部分と前記第6部分は、L形のブランチを構成する。
【0019】
前記接地ブランチは、前記第4部分に接続され、前記第6部分は、前記第2ブランチに接続される。
【0020】
他の可能な実施形態において、前記接地ブランチは、第1接地部と、第2接地部とを含む。前記第1接地部は、前記第3ブランチの前記第4部分に接続され、前記第1接地部は、前記第2接地部に接続される。
【0021】
前記第1接地部と前記第2接地部は、L形のブランチを構成する。
【0022】
前記第1接地部と前記第4部分は、L形のブランチを構成する。
【0023】
他の可能な実施形態において、前記第4部分と前記第2接地部は、前記第1接地部の同じ側に位置するか、或いは、前記第1接地部の両側に位置する。
【0024】
他の可能な実施形態において、前記第4部分と前記第2接地部は、前記第2ブランチに隣接する前記第1接地部の一側に位置するか、或いは、前記第2ブランチから離れた前記第1接地部の一側に位置する。
【0025】
他の可能な実施形態において、前記アンテナモジュールの材質は、工業用液晶ポリマーである。
【0026】
本発明の実施例に係る第2態様によれば、上記の態様に記載のアンテナモジュールを含む端末を提供する。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施例に係る技術案によれば、少なくとも以下のような技術効果が奏される。
【0028】
本発明の実施例に係るアンテナモジュール及び端末によれば、給電ブランチ、第1ブランチ、第2ブランチ、第3ブランチ及び接地ブランチを利用して、環状構造と逆F字形構造が組み合わせられたアンテナモジュールを構成する。上記アンテナモジュールは、複数の周波数帯域で動作することができるので、動作周波数帯域の数を増加させ、アンテナモジュールの性能を向上させることができる。従って、複数のアンテナモジュールを設置しなくても、MIMOアンテナの放射性能に対する要求を満足し、アンテナモジュールの数を減らされることができ、アンテナモジュールが占めるスペースを低減し、端末における他の電子部品のレイアウトのためにスペースを節約することができる。
【0029】
また、給電ブランチと接地ブランチ、第1部分と第3部分との間および第4部分と第6部分との間のスロットを利用してスロットアンテナを形成することによって、アンテナモジュールがサポートできる動作周波数帯域を拡張し、即ち、動作周波数帯域の数を増加させることができる。そして、アンテナモジュールにおける各部分のピッチ、長さ、高さ、幅、及びキャパシタンス、インダクタンス、抵抗又は他の電子デバイスなどを調整することによって、アンテナモジュールの動作周波数帯域を調整することができる。例えば、給電ブランチと接地ブランチとの間のピッチを調整することにより、スロットアンテナの共振周波数を調整することができる。従って、本発明の実施例に係るアンテナモジュールの構造は、様々な方面に適用され、汎用性及び拡張性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
以下の図面は、明細書に組み入れて本明細書の一部分を構成し、本発明に該当する実施例を例示するとともに、明細書とともに本発明の原理を解釈するように構成される。
図1】一例示的実施例に係るアンテナモジュールの構造を示す模式図である。
図2】一例示的実施例に係るアンテナモジュールの構造を示す模式図である。
図3】一例示的実施例に係るアンテナモジュールの構造を示す模式図である。
図4】一例示的実施例に係るアンテナモジュールの構造を示す模式図である。
図5】一例示的実施例に係るアンテナモジュールの構造を示す模式図である。
図6】一例示的実施例に係るアンテナモジュールの構造を示す模式図である。
図7】一例示的実施例に係るアンテナモジュールのエコー(echo)損失を示す模式図である。
図8】一例示的実施例に係るインピーダンス線図である。
図9】一例示的実施例に係るアンテナモジュールの位置を示す模式図である。
図10】一例示的実施例に係るアンテナモジュールの位置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、図面を参照しながら、本発明の実施形態についてさらに詳細に説明する。
【0032】
図1図6は、一例示的実施例に係るアンテナモジュールの構造を示す模式図である。図1図6を参照すると、上記アンテナモジュールは、給電ブランチ1と、第1ブランチ2と、第2ブランチ3と、第3ブランチ4と、接地ブランチ5と、を含む。
【0033】
給電ブランチ1は、給電ポイント6に接続される。接地ブランチ5は、接地ポイント7に接続される。第1ブランチ2と第3ブランチ4は、凹状ブランチである。第2ブランチ3は、折り曲げられた形状のブランチである。
【0034】
ここで、給電ポイント6と接地ポイント7との間のピッチを調整することにより、アンテナモジュールの入力インピーダンスを調整することができる。
【0035】
また、出力インピーダンスと入力インピーダンスの比率が、定在波比である。定在波比は、フィーダー(feeder)のインピーダンスとアンテナのインピーダンスのマッチング程度を示すためのものである。定在波比が1である場合、フィーダーのインピーダンスがアンテナのインピーダンスと完全にマッチングされていることを示す。この時、アンテナから高周波エネルギーが完全に放射され、エネルギーのエコー損失がない。定在波比が無限大である場合、エネルギーがまったく放射されていないことを示す。このため、給電ポイント6と接地ポイント7との間のピッチを調整することにより、アンテナモジュールの定在波比を調整することができる。
【0036】
給電ブランチ1、第1ブランチ2、第2ブランチ3、第3ブランチ4及び接地ブランチ5は、順次に接続されることによって、スロットを有する環状構造を構成する。スロットは、給電ブランチ1と接地ブランチ5との間に位置する。スロットの内部は、絶縁されている。即ち、給電ブランチ1の一端が、第1ブランチ2の一端に接続され、第1ブランチ2の他端が、第2ブランチ3の一端に接続される。第2ブランチ3の他端が、第3ブランチ4の一端に接続される。第3ブランチ4の他端が、接地ブランチ5の一端に接続される。これにより、スロットを有する環状構造を構成する。
【0037】
ここで、スロットの内部が絶縁されているので、給電ブランチ1と接地ブランチ5は、第1ブランチ2、第2ブランチ3、第3ブランチ4のみによって導通されるが、スロットの内部構造によって導通されない。
【0038】
給電ブランチ1、第1ブランチ2、第2ブランチ3、第3ブランチ4及び接地ブランチ5は、順次に接続されることによって逆F字形の構造を構成する。給電ブランチ1、第1ブランチ2、第2ブランチ3、第3ブランチ4及び接地ブランチ5の長さ、高さ、幅などを調整することにより、アンテナに対する各ブランチの同調作用の強度をも変化させる。
【0039】
第1ブランチ2を壁1とし、第3ブランチ4を壁2とする場合を一例にすると、壁1及び壁2の長さを調整して、アンテナモジュールが3300MHz~3800MHzの範囲で動作すると、壁2の同調作用が壁1の同調作用よりも顕著である。壁1及び壁2の長さを調整して、アンテナモジュールが4400MHz~5000MHzの範囲で動作する場合、壁1の同調作用が壁2の同調作用よりも顕著である。
【0040】
ここで、第1ブランチ2は、第3ブランチ4の左側又は第3ブランチ4の右側に位置することができる。給電ブランチ1は、接地ブランチ5の左側又は接地ブランチ5の右側に位置することができる。
【0041】
ここで、アンテナモジュールの各ブランチは、はんだ付けなどにより接続されたり、他の接続方式により接続されたりすることができる。
【0042】
一つの可能な実施形態において、給電ブランチ1は、接地ブランチ5と平行になり、平行する部分の間にスロットを形成することによって、放射スロットを形成する。図1に示すように、給電ブランチ1と接地ブランチ5との間のピッチを調整することにより、スロットアンテナの共振周波数を調整することができる。
【0043】
他の可能な実施形態において、給電ブランチ1は、第1給電部と、第2給電部と、を含む。第1給電部は、第1ブランチ2に接続される。また、第1給電部は、第2給電部に接続される。第1給電部と第2給電部は、L形のブランチを構成する。接地ブランチ5は、第1接地部と、第2接地部と、を含む。第1接地部は、第3ブランチ4に接続される。第1接地部は、第2接地部に接続される。第1接地部と第2接地部は、L形のブランチを構成する。第1給電部は、第1接地部に整列される。第2給電部は、第2接地部と平行になる。
【0044】
他の可能な実施形態において、給電ブランチ1は、接地ブランチ5と同一で整列され、第1ブランチ2は、第3ブランチ4と同一で整列される。アンテナモジュールは、軸に対して対称な構造をなしている。
【0045】
アンテナモジュールの動作周波数帯域は、LTE(Long Term Evolution、ロング・ターム・エボリューション技術)、 B5 B8(824MHz~960MHz)、WiFi 2.4G(2400MHz~2500MHz)、WiFi 5G(5250MHz~5750MHz)、Sub 6G(Sub The 6th Generation Mobile Communication Technology、二次第6世代移動通信技術)N41(2496MHz~2690MHz)、Sub 6G N78(3300MHz~3800MHz)、Sub 6G N79(4400MHz~5000MHz)などの複数の周波数帯域を含むことができる。
【0046】
ここで、LTE B5 B8周波数帯域は、上記アンテナモジュールの波長の四分の一の模式により発生されるものである。WiFi 2.4G周波数帯域は、上記アンテナモジュールの波長の二分の一の模式により発生されるものである。WiFi 5G周波数帯域は、上記アンテナモジュールの波長の二分の七の模式により発生されるものである。Sub 6G N41周波数帯域は、上記アンテナモジュールの波長の二分の一の模式により発生されるものである。Sub 6G N78周波数帯域は、上記アンテナモジュールの波長の二分の三の模式により発生されるものである。Sub 6G N79周波数帯域は、上記アンテナモジュールの波長の二分の五の模式により発生されるものである。
【0047】
なお、アンテナモジュールにおける各部分のピッチ、長さ、高さ、幅、およびキャパシタンス、インダクタンス、抵抗又は他の電子デバイスなどは、いずれもアンテナモジュールの動作周波数帯域に影響を与える。異なるアンテナモジュールの動作周波数帯域が異なるので、異なる方面に適用されることができることで、アンテナモジュールが実際の需要を満足することができる。
【0048】
アンテナモジュールの材質は、LCP(Liquid Crystal Polymer、工業用液晶ポリマー)、LDS(Laser Direct Structuring、レーザー直接構造化)又はFPC(Flexible Printed Circuit、フレキシブル回路基板)材質などであってもよい。一つの可能な実施形態において、アンテナモジュールの材質はLCPである。LCP材質のアンテナモジュールは、LDS及びFPC材質のアンテナモジュールよりも小さく、アンテナの小型化を実現することができる。また、LCP材質のアンテナモジュールは、より強い折り畳み能力と自由な密着性を有しているので、利用可能なスペースに制限がなく、スペースの利用率を向上させることができる。
【0049】
なお、アンテナモジュールのサイズは、それが位置するスペース環境からの影響を受ける。
【0050】
アンテナモジュールは、例えばタブレットPC、パーソナルコンピュータ、屋外用ディスプレイ、スマートフォンなどの様々端末に適用されることができる。アンテナモジュールのサイズは、動作周波数帯域及びスペース環境により決定される。上記スペース環境とは、スペースの高さ、スペースのサイズ、周囲の金属間の距離などを指す。アンテナは、アンテナモジュールが位置するスペース環境が十分であれば、その放射能力がもっと強くなる。
【0051】
本発明の実施例に係るアンテナモジュールによれば、給電ブランチ、第1ブランチ、第2ブランチ、第3ブランチ及び接地ブランチを利用して、環状構造と逆F字形の構造が組み合わせられたアンテナモジュールを構成する。上記アンテナモジュールは、複数の周波数帯域で動作することができるので、動作周波数帯域の数を増加させ、アンテナモジュールの性能を向上させることができる。従って、複数のアンテナモジュールを設置しなくても、MIMOアンテナの放射性能に対する要求を満足し、アンテナモジュールの数を減らされることができ、アンテナモジュールが占めるスペースを低減し、端末における他の電子部品のレイアウトのためにスペースを節約することができる。
【0052】
また、給電ブランチと接地ブランチとの間のスロットを利用してスロットアンテナを形成し、アンテナモジュールがサポートできる動作周波数帯域を拡張し、即ち、動作周波数帯域の数を増加させることができる。そして、アンテナモジュールにおける各部分のピッチ、長さ、高さ、幅、およびキャパシタンス、インダクタンス、抵抗又は他の電子デバイスなどを調整することによって、アンテナモジュールの動作周波数帯域を調整することができる。例えば、給電ブランチと接地ブランチとの間のピッチを調整することにより、スロットアンテナの共振周波数を調整することができる。従って、本発明の実施例に係るアンテナモジュールの構造は、様々な方面に適用され、汎用性及び拡張性を向上させることができる。
【0053】
一つの可能な実施形態において、図1を参照すると、第1ブランチ2は、第1部分と、第2部分と、第3部分と、を含む。第1部分、第2部分及び第3部分は、順次に接続されている。第1部分と第2部分が、L形のブランチを構成し、第2部分と第3部分が、L形のブランチを構成する。第1部分が、給電ブランチ1に接続され、第3部分が、第2ブランチ3に接続される。
【0054】
他の可能な実施形態において、給電ブランチ1は、第1給電部と、第2給電部と、を含む。第1給電部と第2給電部は、接続され、L形のブランチを構成する。第1給電部は、第1ブランチ2の第1部分に接続される。第1給電部と第1部分は、L形のブランチを構成する。
【0055】
第1部分と第2給電部が第1給電部の同じ側に位置する場合、第1部分と第2給電部は、第2ブランチ3に隣接する第1給電部の一側に位置するか、或いは、第2ブランチ3から離れた第1給電部の一側に位置する。
【0056】
第1部分と第2給電部がそれぞれ第1給電部の両側に位置する場合、第1部分は、第2ブランチ3に隣接する第1給電部の一側に位置し、第2給電部は、第2ブランチ3から離れた第1給電部の一側に位置する。或いは、第1部分は、第2ブランチ3から離れた第1給電部の一側に位置し、第2給電部は、第2ブランチ3に隣接する第1給電部の一側に位置する。
【0057】
一つの可能な実施形態において、図1を参照すると、第3ブランチ4は、第4部分と、第5部分と、第6部分と、を含む。第4部分、第5部分及び第6部分は、順次に接続されている。第4部分と第5部分は、L形のブランチを構成し、第5部分と第6部分は、L形のブランチを構成する。第4部分は、接地ブランチ5に接続され、第6部分は、第2ブランチ3に接続される。
【0058】
他の可能な実施形態において、接地ブランチ5は、第1接地部と、第2接地部と、を含む。第1接地部と第2接地部は、接続されてL形のブランチを構成する。第1接地部は、第3ブランチ4の第4部分に接続される。第1接地部と第4部分は、L形のブランチを構成する。
【0059】
第4部分と第2接地部が第1接地部の同じ側に位置する場合、第4部分と第2接地部が第2ブランチ3に隣接する第1接地部の一側に位置したり、第2ブランチ3から離れた第1接地部の一側に位置したりすることができる。
【0060】
第4部分と第2接地部が第1接地部の両側に位置する場合、第4部分は、第2ブランチ3に隣接する第1接地部の一側に位置し、第2接地部は、第2ブランチ3から離れた第1接地部の一側に位置する。或いは、第4部分は、第2ブランチ3から離れた第1接地部の一側に位置し、第2接地部は、第2ブランチ3に隣接する第1接地部の一側に位置する。
【0061】
アンテナモジュールにおいて、給電ブランチ1、第1ブランチ2、第2ブランチ3、第3ブランチ4及び接地ブランチ5の配置関係は、以下の場合を含むことができる。
1、図1を参照すると、第2給電部が、第2ブランチ3から離れた第1給電部の一側に位置し、第1部分が、第2ブランチ3に隣接する第1給電部の一側に位置し、第2接地部が、第2ブランチ3から離れた第1接地部の一側に位置し、第4部分が、第2ブランチ3に隣接する第1接地部の一側に位置する。
2、図2を参照すると、第2給電部が、第2ブランチ3に隣接する第1給電部の一側に位置し、第1部分が、第2ブランチ3から離れた第1給電部の一側に位置し、第2接地部が、第2ブランチ3に隣接する第1接地部の一側に位置し、第4部分が、第2ブランチ3から離れた第1接地部の一側に位置する。
3、図3を参照すると、第2給電部が、第2ブランチ3に隣接する第1給電部の一側に位置し、第1部分が、第2ブランチ3に隣接する第1給電部の一側に位置し、第2接地部が、第2ブランチ3に隣接する第1接地部の一側に位置し、第4部分が、第2ブランチ3に隣接する第1接地部の一側に位置する。
4、図4を参照すると、第2給電部が、第2ブランチ3から離れた第1給電部の一側に位置し、第1部分が、第2ブランチ3から離れた第1給電部の一側に位置し、第2接地部が、第2ブランチ3から離れた第1接地部の一側に位置し、第4部分が、第2ブランチ3から離れた第1接地部の一側に位置する。
5、図5を参照すると、第2給電部が、第2ブランチ3から離れた第1給電部の一側に位置し、第1部分が、第2ブランチ3に隣接する第1給電部の一側に位置し、第2接地部が、第2ブランチ3から離れた第1接地部の一側に位置し、第4部分が、第2ブランチ3から離れた第1接地部の一側に位置する。
6、図6を参照すると、第2給電部が、第2ブランチ3に隣接する第1給電部の一側に位置し、第1部分が、第2ブランチ3に隣接する第1給電部の一側に位置し、第2接地部が、第2ブランチ3に隣接する第1接地部の一側に位置し、第4部分が、第2ブランチ3から離れた第1接地部の一側に位置する。
【0062】
本発明の実施例に係るアンテナモジュールによれば、第1ブランチにおける第1部分と第3部分との間、及び第3ブランチにおける第4部分と第6部分との間のスロットを利用してスロットアンテナを形成することによって、アンテナモジュールがサポートできる動作周波数帯域を拡張し、即ち、動作周波数帯域の数を増加させることができる。そして、第1部分と第3部分との間および第4部分と第6部分との間のピッチを調整することにより、スロットアンテナの動作周波数帯域を調整することができる。従って、本発明の実施例に係るアンテナモジュールの構造は、様々な方面に適用され、汎用性及び拡張性を向上させることができる。
【0063】
図7は、上記の実施例のアンテナモジュールのエコー損失を示す模式図である。ここで、横座標は、周波数であり、縦座標は、エコー損失である。図7には、アンテナモジュールから発生した5つの共振点を示した。図8に示すインピーダンス線図には、図7に示した5つの共振点が動作する場合の正規化インピーダンスと反射係数の対応関係を反映した。
【0064】
ここで、共振点1に対応する周波数は、2.36GHz(ギガヘルツ)であり、エコー損失は、9.1047dB(デシベル)である。共振点2に対応する周波数は、0.88GHzであり、エコー損失は、17.038dBである。共振点3に対応する周波数は、3.672GHzであり、エコー損失は、21.914dBである。共振点4に対応する周波数は、4.5285GHzであり、エコー損失は、23.575dBである。共振点5に対応する周波数は、6.088GHzであり、エコー損失は、11.627dBである。
【0065】
本発明の実施例は、上記の実施例に係るアンテナモジュールを含む端末をさらに提供する。上記端末は、上記アンテナモジュールのすべての構造及び機能を備えるので、ここでは、その説明を省略する。
【0066】
端末におけるアンテナモジュールの位置は、以下の場合を含むことができる。
1、図9を参照すると、端末は、バックカバーを含み、アンテナモジュールが上記バックカバーの内側に位置することができる。ここで、上記バックカバーは、金属材質であってもよく、非金属材質であってもよい。、上記非金属材質は、プラスチック材質、ガラス材質又は他の材質であってもよい。アンテナモジュールの上方の領域は、非金属材質である。
本発明の実施例に係るアンテナモジュールがバックカバーの内側に設置される場合、端末に設置された他のアンテナモジュールに影響を与えないので、ハンドリング性を向上させることができる。
2、図10を参照すると、端末は、ベゼルを含み、アンテナモジュールが上記ベゼルに位置することができる。アンテナモジュールが位置されるベゼルは、非金属材質である。
【0067】
当業者は、明細書に対する理解、及び明細書に記載された発明に対する実施を介して、本発明の他の実施形態を容易に取得することができる。本願は、本発明に対する任意の変形、用途、又は適応的な変化を含み、このような変形、用途、又は適応的な変化は、本発明の一般的な原理に従い、本発明では開表していない本技術分野の公知知識、又は通常の技術手段を含む。明細書及び実施例は、単に例示的なものであって、本発明の本当の範囲と主旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0068】
本発明は、前記で記述され、図面で図示した特定の構成に限定されず、その範囲を離脱しない状況で、様々な修正や変更を実施してもよい。本発明の範囲は、添付される特許請求の範囲のみにより限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10