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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-26
(45)【発行日】2022-05-10
(54)【発明の名称】スライドレールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/423 20170101AFI20220427BHJP
【FI】
A47B88/423
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020161877
(22)【出願日】2020-09-28
(65)【公開番号】P2021154104
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2020-09-28
(31)【優先権主張番号】109110390
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】周 繼志
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0169389(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0056572(US,A1)
【文献】特開2004-113512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00-88/994
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前部及び後部を有する第1のレールと、
前記第1のレールに対して可動な第2のレールであって、該第2のレールは前部及び後部を有し、係合解除構造を含む、第2のレールと、
記第2のレールの後部に隣接して配置される接触構造と、
前記第1のレールの後部に隣接して配置されるロック装置であって、該ロック装置は、ブロック状態及び非ブロック状態のうちの一方になるように構成された作用部材と、該作用部材に対して可動であり、駆動部及び弾性アームを含む操作部材と、該作用部材に弾性力を提供するように構成された弾性体と、所定部を有するベースと、該ベースと該操作部材との間に配置される弾性部材とを含むロック装置であって、前記操作部材は前記ベースに可動に取り付けられ、前記操作部材が第1の位置から第2の位置に動かされると、前記操作部材は、該駆動部を介して前記作用部材を駆動して前記ブロック状態から前記非ブロック状態に切り替えるように構成され、該駆動部は、前記作用部材が前記非ブロック状態で保持されるように前記作用部材を支持するように構成される、ロック装置と、
を含むスライドレールアセンブリであって、
前記第2のレールが前記第1のレールに対して引っ込め位置に位置し、前記作用部材が前記ブロック状態にある場合、前記作用部材は、前記第2のレールが前記第1のレールに対して前記引っ込め位置から開方向に沿って動くのを防止するために、前記接触構造をブロックするように構成され、
前記作用部材が前記非ブロック状態にある場合、前記接触構造は、前記第2のレールを前記第1のレールに対して前記引っ込め位置から前記開方向に沿って動かすことができるように、前記作用部材にブロックされず、
前記操作部材が前記第1の位置から前記第2の位置に動かされると、前記操作部材は、前記操作部材を前記第2の位置で保持するために、前記弾性アームの少なくとも1つの係合部を介して前記所定部と係合するように構成され、
前記第2のレールを前記第1のレールに対して前記引っ込め位置から前記開方向に沿って動かす過程の間、前記第2のレールは、前記係合解除構造を介して前記弾性アームを駆動して前記弾性アームの少なくとも1つの係合部を前記ベースの所定部から外すことで、前記操作部材が前記弾性部材の弾性力に対応して前記第2の位置から前記第1の位置に動かされ、前記操作部材の駆動部がもはや前記作用部材を支持せずに、前記作用部材が前記弾性体の弾性力に対応して前記ブロック状態で保持されるように構成されている、スライドレールアセンブリ。
【請求項2】
前記接触構造はガイド部を含み、前記第2のレールを前記第1のレールに対して伸長位置から前記引っ込め位置へと引っ込め方向に沿って動かす過程の間、前記第2のレールは、前記ガイド部を介して前記作用部材を横切って前記引っ込め位置に戻るように構成され、
前記ロック装置は、前記第1のレールの後部に隣接するブラケット装置に配置され、該ブラケット装置は、長手壁と、該長手壁に隣接する少なくとも1つの取り付け部材とを含み、前記ベースは該長手壁に接続され、前記操作部材及び前記ベースのうちの一方は、少なくとも1つの長手ガイド部を備え、前記操作部材は、該少なくとも1つの長手ガイド部を介して、前記ベースに対して前記第1の位置から前記第2の位置へと長手方向に動かすことができる、請求項に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項3】
第1のレールと、
係合解除構造を含み、前記第のレールに対して可動な第2のレールと、
ガイド部を含み、前記第2のレールの後部に隣接して配置される接触構造と、
前記第1のレールの後部に隣接して配置されるロック装置であって、該ロック装置は、ブロック状態及び非ブロック状態のうちの一方になるように前記第1のレールに対して可動な作用部材と、該作用部材に対して可動であり、駆動部及び弾性アームを含む操作部材と、該作用部材に弾性力を提供するように構成された弾性体と、所定部を有するベースと、該ベースと該操作部材との間に配置される弾性部材とを含むロック装置であって、前記操作部材は前記ベースに可動に取り付けられ、前記操作部材が第1の位置から第2の位置に動かされると、前記操作部材は、該駆動部を介して前記作用部材を駆動して前記ブロック状態から前記非ブロック状態に切り替えるように構成され、該駆動部は、前記作用部材が前記非ブロック状態で保持されるように前記作用部材を支持するように構成されている、ロック装置と、
を含むスライドレールアセンブリであって、
前記第2のレールが前記第1のレールに対して引っ込め位置に位置し、前記作用部材が前記ブロック状態にある場合、前記作用部材は、前記第2のレールが前記第1のレールに対して前記引っ込め位置から開方向に沿って動くのを防止するために、前記接触構造をブロックするように構成され、
前記作用部材が非ブロック状態にある場合、前記接触構造は、前記第2のレールを前記第1のレールに対して前記引っ込め位置から前記開方向に沿って動かすことができるように前記作用部材によってブロックされず、
前記操作部材が前記第1の位置から前記第2の位置に動かされると、前記操作部材は、前記操作部材を前記第2の位置で保持するために、前記弾性アームの少なくとも1つの係合部を介して前記所定部と係合するように構成され、
前記第2のレールを前記第1のレールに対して前記引っ込め位置から前記開方向に沿って動かす過程の間、前記第2のレールは、前記係合解除構造を介して前記弾性アームを駆動して前記弾性アームの少なくとも1つの係合部を前記ベースの所定部から外すことで、前記操作部材が前記弾性部材の弾性力に対応して前記第2の位置から前記第1の位置に動かされ、前記操作部材の駆動部がもはや前記作用部材を支持せずに、前記作用部材が前記弾性体の弾性力に対応して前記ブロック状態で保持されるように構成され、
前記第2のレールを前記第1のレールに対して伸長位置から前記引っ込め位置へと引っ込め方向に沿って動かす過程の間、前記第2のレールは、前記ガイド部を介して前記作用部材を横切って前記引っ込め位置に戻るように構成されている、スライドレールアセンブリ。
【請求項4】
前記ロック装置は、前記第1のレールの後部に隣接するブラケット装置に配置され、該ブラケット装置は、長手壁と、該長手壁に隣接する少なくとも1つの取り付け部材とを含み、前記ベースは該長手壁に接続され、前記操作部材及び前記ベースのうちの一方は、少なくとも1つの長手ガイド部を備え、前記操作部材は、該少なくとも1つの長手ガイド部を介して、前記ベースに対して前記第1の位置から前記第2の位置へと長手方向に動かすことができる、請求項に記載のスライドレールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドレールに関し、より具体的にはロック装置を備えたスライドレールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、トラック装置のためのラッチアセンブリが開示されている。トラック装置は第1のトラック部材及び第2のトラック部材を含む。第1のトラック部材は、第2のトラック部材に対して引っ込め位置及び伸長位置に位置するように構成されている。第2のトラック部材はラッチシートを備え、第1のトラック部材はラッチアセンブリを備える。第1のトラック部材が第2のトラック部材に対して引っ込め位置に位置する場合、第1のトラック部材は、第1のトラック部材が引っ込め位置に固定されるように、ラッチアセンブリを介して第2のトラック部材のラッチシートに固定される。ラッチアセンブリのロック解除されて、ラッチシートから外されると、第1のトラック部材は、引っ込め位置から伸長位置に開方向に沿って動かすことができる。
【0003】
この場合、ラッチアセンブリは、第1のトラック部材の前端に配置され、ラッチシートは、第2のトラック部材の前端に配置される。すなわち、第2のトラック部材がキャビネット(又はラック)に固定され、第1のトラック部材が保持物体(例えば、引き出し又は電子機器)を保持し、第2のトラック部材に対して引っ込め位置に位置している場合、誰でもトラック装置又はキャビネット(又は保持物体)の前でラッチアセンブリを操作してロックを解除し、ラッチアセンブリをラッチシートから外すことができる。他方、このような構成では、トラック部材が引っ込められた後でラッチ機能を有することができるようにするには、トラック部材に特殊な断面を設けなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第6883884号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、異なる市場の要求から、ラッチアセンブリ及びラッチシートをトラック装置の前端以外の位置に配置する必要が時としてある。したがって、複数の市場の選択のために様々なスライドレール製品を開発することが重要である。
【0006】
本発明は、ロック装置を備えたスライドレールアセンブリに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、スライドレールアセンブリは第1のレール、第2のレール、接触構造及びロック装置を含む。第1のレールは前部及び後部を有する。第2のレールは第1のレールに対して可動であり、前部及び後部を有する。接触構造は第1のレールの後部及び第2のレールの後部のうちの一方に隣接して配置される。ロック装置は第1のレールの後部及び第2のレールの後部のうちの他方に隣接して配置される。ロック装置はブロック状態及び非ブロック状態のうちの一方になるように構成された作用部材を含む。第2のレールが第1のレールに対して引っ込め位置に位置し、作用部材がブロック状態にある場合、作用部材は、第2のレールが第1のレールに対して引っ込め位置から開方向に沿って動くのを防止するために、接触構造をブロックするように構成されている。作用部材が非ブロック状態にある場合、接触構造は、第2のレールを第1のレールに対して引っ込め位置から開方向に沿って動かすことができるように、作用部材にブロックされていない。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、スライドレールアセンブリは、第1のレール、第2のレール、接触構造及びロック装置を含む。第2のレールは第1のレールに対して可動である。接触構造は第2のレールに配置される。ロック装置は第1のレールに配置される。ロック装置は、ブロック状態及び非ブロック状態のうちの一方になるように第1のレールに対して可動な作用部材を含む。第2のレールが第1のレールに対して引っ込め位置に位置し、作用部材がブロック状態にある場合、作用部材は、第2のレールが第1のレールに対して引っ込め位置から開方向に沿って動くのを防止するために、接触構造をブロックするように構成されている。作用部材が非ブロック状態にある場合、接触構造は、第2のレールを第1のレールに対して引っ込め位置から開方向に沿って動かすことができるように作用部材によってブロックされていない。
【0009】
本発明のこれら及び他の目的は、様々な図面に示す好ましい実施形態の下記の詳細な説明を読んだ後に当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る、ある角度から見たラックに取り付けられたスライドレールアセンブリを示す図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る、別の角度から見たラックに取り付けられてたスライドレールアセンブリを示す図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリの分解図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリのロック装置の分解図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリのロック装置を示す図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る、引っ込められた状態にあるスライドレールアセンブリを示す図である。
図7図7は、図6の領域Aの拡大図であり、第2のレールが引っ込め位置でロック装置の作用部材によりブロックされ、操作部材は第1の位置に位置する状態を示す。
図8図8は、第2のレールから作用部材のブロックを解除するために第2の位置に動かされた操作部材を示す図である。
図9図9は、開方向に沿って動かされた第2のレールを示す図である。
図10図10は、開方向に沿ってさらに動かされた第2のレールを示す図である。
図11図11は、開方向に沿ってさらに動かされた第2のレールを示す図である。
図12図12は、引っ込め方向に沿って動かされた第2のレールを示す図である。
図13図13は、引っ込め方向に沿ってさらに動かされた第2のレールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態によれば、スライドレールアセンブリ20は第1のレール22と、第1のレール22に対して可動な第2のレール24とを含む。第1のレール22は、前側ブラケット26及び後ろ側ブラケット装置28(以下ではブラケット装置28という)を介して、ラックの前側ポスト30a及び後ろ側ポスト30bに取り付けられるように構成されている。前側ブラケット26をラックに取り付ける構成は、ブラケット装置28をラックに取り付ける構成と実質的に同一である。例えば、ブラケット装置28は、長手壁32と、長手壁32に隣接する少なくとも1つの取り付け部材34とを含む。ブラケット装置28は、長手壁32に対して実質的に垂直に屈曲された端壁36をさらに含むことが好ましい。少なくとも1つの取り付け部材34は端壁36に配置され、後ろ側ポスト30bの少なくとも1つの孔に取り付けられるように構成されている。
【0012】
図2及び図3に示すように、第1のレール22は前部f1及び後部r1を有する。前側ブラケット26及びブラケット装置28は、前側ブラケット26及びブラケット装置28が第1のレール22と一体化されていると考えることができるように第1のレール22の前部f1及び後部r1にそれぞれ取り付けられている。さらに、ブラケット装置28は第1のレール22に接続(例えば固定接続)され、第1のレール22の後部r1に隣接する。スライドレールアセンブリ20は、第1のレール22に可動に取り付けられる第3のレール38をさらに含み、第2のレール24は第3のレール38に可動に取り付けられることが好ましい。第2のレール24は前部f2及び後部r2を有する。
【0013】
スライドレールアセンブリ20は接触構造40及びロック装置42をさらに含む。接触構造40は、第1のレール22の後部r1及び第2のレール24の後部r2のうちの一方に隣接して配置される。本実施形態では、接触構造40は第2のレール24に配置され、第2のレール24の後部r2に隣接する。他方、ロック装置42は、第1のレール22の後部r1及び第2のレール24の後部r2のうちの他方に隣接して配置される。本実施形態では、ロック装置42は、第1のレール22の後部r1に隣接してブラケット装置28に配置されているが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0014】
第2のレール24は係合解除構造44をさらに含むことが好ましく、係合解除構造44は、(図3に示すように)第2のレール24に配置され、第2のレール24の後部r2に隣接する。
【0015】
接触構造40及び係合解除構造44は突起であることが好ましいが、本発明はそのような構成に限定されない。
【0016】
接触構造40は、接触構造40の前端及び後端にそれぞれ位置するブロック部46及びガイド部48を含むことが好ましい。ブロック部46は、第2のレール24に対して横方向に突出する。ガイド部48は傾斜面又は弧面を有する。他方、係合解除構造44は、係合解除構造44の前端及び後端にそれぞれ位置する第1のガイド区画50及び第2のガイド区画52を含む。第1のガイド区画50及び第2のガイド区画52のそれぞれは傾斜面又は弧面を有する。
【0017】
図4及び図5に示すように、ロック装置42は第1のレール22のブラケット装置28に配置される。ロック装置42は作用部材54を含む。ロック装置42は、操作部材56及びベース58をさらに含むことが好ましい。
【0018】
第1のレール22のブラケット装置28の長手壁32は、第1の側L1と、第1の側L1と反対の第2の側L2とを有する。第1の側L1は、第3のレール38(又は図4及び図5に示していない第2のレール24)に隣接する側である。ベース58は第2の側L2に接続されている。
【0019】
ブラケット装置28のベース58及び長手壁32のそれぞれには、対応空間H(例えば図4に示す開口)が形成されていることが好ましい。空間Hは、ブラケット装置28の長手壁32の第1の側L1及び第2の側L2と連通する。
【0020】
ベース58は少なくとも1つのラグ60、例えば2つのラグ60を備えることが好ましい。2つのラグ60は、空間Hを介して第2の側L2から第1の側L1に延びる。
【0021】
作用部材54は、第1のレール22に対して可動であることが好ましい。本実施形態では、作用部材54は、作用部材54が第1の側L1に位置するとともに空間Hに対応するように、シャフト部材62を介してベース58の少なくとも1つのラグ60に枢結されている。作用部材54は第1の部分55a及び第2の部分55bを有し、シャフト部材62は、第1の部分55aと第2の部分55bとの間に位置する。
【0022】
ロック装置42は、作用部材54に弾性力を提供するように構成された弾性体64をさらに含み、作用部材54は、弾性体64の弾性力に対応して(図5に示すように)ブロック状態S1で保持されるように構成されている。
【0023】
弾性体64は、第1の弾性区画65a、第2の弾性区画65b及び第1の弾性区画65aと第2の弾性区画65bとの間に位置する取り付け区画65cを有することが好ましい。取り付け区画65cはシャフト部材62に取り付けられる。第1の弾性区画65aは、作用部材54の第1の部分55aと接触するように構成され、第2の弾性区画65bは、2つのラグ60のうちの一方に隣接するようにベース58と接触するように構成されている。本実施形態では、弾性体64はねじりバネであるが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0024】
操作部材56は、作用部材54に対して可動であることが好ましい。さらに、操作部材56はベース58に可動に取り付けられる。操作部材56は駆動部66を含む。駆動部66は、駆動部66が作用部材54の第1の部分55aと第2の部分55bとの間に位置するようにブラケット装置28の長手壁32の第2の側L2から空間Hを介して作用部材54の方に延びる。
【0025】
操作部材56は、ベース部68と、ベース部68に対して屈曲された操作部70とを含むことが好ましい。駆動部66はベース部68に配置されている。
【0026】
ベース部68は所定部72(例えば図4に示す貫通孔73の壁)を有し、操作部材56は(図4に示すように)弾性アーム74を備えることが好ましい。具体的には、弾性アーム74は、接続部76、少なくとも1つの係合部(例えば第1の係合部78a及び第2の係合部78b)、接続部76と少なくとも1つの係合部との間に配置されるアーム部80及びアーム部80から横方向に延びる第1の制限部81を含む。接続部76は、操作部材56のベース部68に接続(例えば固定接続)されている。
【0027】
操作部材56のベース部68は第1の対応部82及び第2の対応部84を有することが好ましい。弾性アーム74の第1の係合部78a、第2の係合部78b及び第1の制限部81がベース58の方に延びるように、弾性アーム74の第1の係合部78aは第1の対応部82を貫通するように構成され、弾性アーム74の第2の係合部78b及び第1の制限部81は第2の対応部84を貫通するように構成されている。少なくとも1つの係合部(例えば第1の係合部78a及び第2の係合部78b)は、ベース58の所定部72と相互作用するように構成され、第1の制限部81は、ベース58の第2の制限部86(例えば境界がある長いガイド孔又は溝)にさらに取り付けられる。第1の制限部81の長手寸法は、第2の制限部86の長手寸法よりも小さい。
【0028】
第1の対応部82及び第2の対応部84は長孔であることが好ましい。第2の対応部84の長さは、スライドレールアセンブリ20の長手方向において第1の対応部82の長さよりも大きく、第2の対応部84の長さは、係る長手方向において第2の制限部86の長さと実質的に同一であるが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0029】
操作部材56及びベース58のうちの一方は、(図4に示すように)少なくとも1つの長手ガイド部89を備えることが好ましい。本実施形態では、ベース58が複数の長手ガイド部89を備えるが、本発明はこのような構成に限定されない。さらに、複数の長手ガイド部89は操作部材56を支持するように構成され、操作部材56は、複数の長手ガイド部89を介してベース58に対して長手方向に動かすことができる。
【0030】
操作部材56の操作部70は、(図4に示すように)ブラケット装置58の長手壁32の貫通孔87を介して、ブラケット装置28の長手壁32の第2の側L2から第1の側L1に延びるように構成されていることが好ましい。
【0031】
ロック装置42は、(図4に示すように)ベース58と操作部材56との間に配置される弾性部材88をさらに含むことが好ましい。本実施形態では、ベース58は第1の接続部90を備え、操作部材56は第2の接続部92を備え、弾性部材88は、第1の接続部90と第2の接続部92との間に取り付けられるバネであるが、本発明はそのような構成に限定されない。
【0032】
図6及び図7に示すように、第1のレール22はブラケット装置28の取り付け部材34を介して後ろ側ポスト30bに取り付けられるとともに、前側ブラケット26の取り付け部材35を介して前側ポスト30aに取り付けられるように構成されている。スライドレールアセンブリ20は引っ込められた状態にある。そのような状態では、第2のレール24は第1のレール22に対して引っ込め位置Rに位置する。
【0033】
さらに、作用部材54は、弾性体64(又は弾性体64の第1の弾性区画65a)の弾性力に対応してブロック状態S1で保持されるように構成されている。第2のレール24が第1のレール22に対して引っ込め位置Rに位置する場合、ブロック状態S1にある作用部材54の第1の部分55aは、第2のレール24が第1のレール22に対して引っ込め位置Rから開方向D1に沿って長手に動くのを防止するために、接触構造40のブロック部46をブロックするように構成されている。他方、操作部材56は、ベース58に対して第1の位置P1に位置する。操作部材56が第1の位置P1に位置する場合、操作部材56の弾性アーム74の少なくとも1つの係合部(例えば、第1の係合部78a)は、弾性アーム74が所定の弾性力を蓄積し、少なくとも1つの係合部(例えば、第1の係合部78a)がベース58の所定部72から所定の長手距離離れるようにベース58の側壁に当接する。ブロック状態S1にある作用部材54の駆動部66及び第2の部分55bは、実質的に同じの水平位置に位置することが好ましい。駆動部66の前端及び後端のそれぞれは、例えば傾斜面又は弧面等のガイド面を有することが好ましい。
【0034】
図7及び図8に示すように、作用部材54が非ブロック状態S2にある場合、接触構造40のブロック部46は作用部材54の第1の部分55aにブロックされていないため、第2のレール24を第1のレール22に対して引っ込め位置Rから開方向D1に沿って動かすことができる。例えば、ユーザーは、操作部材56の操作部70に力Fを加えて、操作部材56を開方向D1に沿って(図7に示す)第1の位置P1から(図8に示す)第2の位置P2に長手に動かすことができる。加えて、操作部材56は、作用部材54を駆動してブロック状態S1から(図8に示す)非ブロック状態S2に切り替えるために(例えば、回転させるために)駆動部66を介して作用部材54の第2の部分55bと接触する。この結果、作用部材54の第1の部分55aはもはや接触構造40のブロック部46をブロックしない。
【0035】
加えて、操作部材56がベース58に対して第2の位置P2に位置する場合、弾性アーム74の少なくとも1つの係合部(例えば、第1の係合部78a)は、弾性アーム74から放たれた所定の力に対応してベース58の所定部72と係合し、操作部材56が第2の位置P2で保持されるように構成されている。一方、弾性部材88は、開方向D1と反対の引っ込め方向D2に沿って戻り弾性力Kを蓄積する。他方、第2の位置P2にある操作部材56の駆動部66は、作用部材54が非ブロック状態S2で保持されるように、(図8に示すように)作用部材54の第2の部分55bを支持するように構成されている。このような状態では、弾性体64は弾性力を蓄積する。
【0036】
図8図9及び図10に示すように、第2のレール24を第1のレール22に対して引っ込め位置Rから開方向D1に沿って動かすプロセスの間、第2のレール24は、弾性アーム74のアーム部80を駆動して弾性アーム74の少なくとも1つの係合部(例えば、第1の係合部78a)をベース58の所定部72から外すために、係合解除構造44の第1のガイド区画50を介して弾性アーム74の第1の制限部81と接触する。
【0037】
図10及び図11に示すように、弾性アーム74の少なくとも1つの係合部(例えば、第1の係合部78a)がベース58の所定部72から外れた後、操作部材56は弾性部材88の弾性力(例えば、戻り弾性力K)に対応して、第2の位置P2から第1の位置P1に動かされ、操作部材56の駆動部66は作用部材54の第2の部分55bをもはや支持しない。そのため、作用部材54を弾性体64の弾性力に対応して再度ブロック状態S1で保持できる。さらに、第2のレール24は、スライドレールアセンブリ20が伸長状態になるように、第1のレール22に対して開方向D1に沿って伸長位置にさらに動かすことができる。
【0038】
図12及び図13に示すように、第2のレール24を第1のレール22に対して引っ込め方向D2に沿って伸長位置から引っ込め位置Rに動かすプロセスの間に、第2のレール24は、ガイド部48を介して作用部材54を横切って引っ込め位置Rに戻ることができる。
【0039】
具体的には、第2のレール24を引っ込め方向D2に沿って動かすプロセスの間、接触構造40のガイド部48は、(図12に示す)ブロック状態S1にある作用部材54と接触して作動力を生成する。そして、該作動力に対応して作用部材54が回転し、(図13に示すように)もはやブロック状態S1ではなくなり、弾性体64は弾性力を蓄積する。第2のレール24が第1のレール22に対して(図7に示すように)引っ込め位置Rに位置し、作用部材54が弾性体64の弾性力に対応してブロック状態S1に戻ると、作用部材54の第1の部分55aは、第2のレール24が第1のレール22に対して再び引っ込め位置Rから開方向D1に沿って長手に動くのを防止するために、接触構造40のブロック部46をブロックするように構成されている。
【0040】
したがって、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリ20は以下のように特徴付けられる。
【0041】
1)ロック装置42及び接触構造40は、それぞれスライドレールアセンブリ20の2つのレールの後部に隣接して配置される。したがって、従来技術とは対照的に、ロック装置42のロック機構による第2のレール24の接触構造40のロックが、スライドレールアセンブリ20の前に立つ者によって容易に解除されるのが防止できる。すなわち、本発明の実施形態で開示したスライドレールアセンブリ20により、第2のレール24の接触構造40をロックするロック装置42のロック機構を解除するために、ユーザーはスライドレールアセンブリ20の後部の近くに移動しなければならない。
【0042】
2)作用部材54が操作部材56によって支持され、ブロック解除状態S2で保持されるように、操作部材56は、弾性アーム74を介して第2の位置P2で保持されるようにベース58の所定部72と係合するように構成されている。弾性アーム74が外されると、操作部材56は、弾性部材88の弾性力に対応して第2の位置P2から第1の位置P1に移動し、作用部材54は、ブロック解除状態S2からブロック状態S1に戻る。
【0043】
3)第2のレール24が第1のレール22に対して引っ込め位置Rへと引っ込め方向D2に動かされる度に、作用部材54は、第2のレール24を引っ込め位置Rでロックするためにブロック状態S1になるように構成される。
【0044】
当業者であれば、本発明の教示を維持しながら多くの変更及び改良が装置及び方法に加えられ得ることに容易に気付く。したがって、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。
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図13